発明の詳細な説明
優先権主張出願の全ての内容は、当該内容が本明細書と矛盾しない範囲内では、参照によって本明細書に組み込まれるものである。
〔概要〕
いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は:底壁、少なくとも1つの外壁及び少なくとも1つの内壁を含む多区画医薬品貯蔵領域であって、上記底壁、上記少なくとも1つの外壁及び上記少なくとも1つの内壁が複数の医薬品貯蔵区画を形成しており、各医薬品貯蔵区画が上記医薬品貯蔵領域の上記底壁に対向して配置された開口部を含んでいる多区画医薬品貯蔵領域と;上記医薬品貯蔵領域に取り付けられたアクセス領域であって、各々が第2端部及び第2端部を有する複数の導管を含み、各導管の上記第1端部が医薬品貯蔵区画内の1つの開口部に接続されており、各導管の上記第2端部が上記底壁に対向して配置された開口部を囲むアクセス領域と、を含む。
いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は:底壁、少なくとも1つの外壁及び少なくとも1つの内壁を含む多区画医薬品貯蔵領域であって、上記壁が少なくとも2つの医薬品貯蔵区画を形成しており、上記少なくとも2つの医薬品貯蔵区画の各々が上記底壁よりも遠位の位置に開口部を含んでいる多区画医薬品貯蔵領域と;上記医薬品貯蔵領域に取り付けられているアクセス領域であって、第1端部及び第2端部を有する複数の導管を含み、各導管の上記第1端部が医薬品貯蔵区画内の1つの開口部に接続されており、各導管の上記第2端部が上記底壁に対向して配置された開口部を形成し、外面を含んでいるアクセス領域と;各々が上記複数の導管のうちの1つ上記第2端部の少なくとも1つと可逆的に結合している少なくとも1つの導管シールと;上記アクセス領域の外面及び上記少なくとも1つの導管シールの表面と可逆的に結合している表面を有するカバーと:を含む。
いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は:底壁、少なくとも1つの外壁及び少なくとも1つの内壁を含む多区画医薬品貯蔵領域であって、上記壁が偶数個の医薬品貯蔵区画を形成しており、上記医薬品貯蔵区画の各々が上記底壁よりも遠位の位置に単一の開口部を含み、上記医薬品貯蔵区画の各々が上記少なくとも1つの外壁に隣接して配置されている多区画医薬品貯蔵領域と;外面を含み、上記医薬品貯蔵領域に取り付けられているアクセス領域であって、第1端部及び第2端部を有する複数の導管を含み、各導管の上記第1端部が医薬品貯蔵区画内の上記単一の開口部に接続されており、各導管の上記第2端部が上記底壁に対向して配置された開口部を形成しているアクセス領域と;各々が上記複数の導管のうちの1つ上記第2端部の少なくとも1つと可逆的に結合している少なくとも1つの導管シールと;上記アクセス領域の外面及び上記少なくとも1つの導管シールの表面と可逆的に結合している表面を有するカバーと;を含む。
上記の概略は、例示的なものにすぎず、決して限定することを意図するものではない。上記の例示的な態様、実施形態及び特徴に加えて、さらなる態様、実施形態及び特徴が、図面、及び下記の詳細な説明を参照することによって明白になるであろう。
〔図面の簡単な説明〕
〔図1〕多区画医薬瓶の一実施形態の模式図である。
〔図2〕多区画医薬瓶の一実施形態の構成要素の模式図である。
〔図3〕多区画医薬瓶の一実施形態の構成要素の模式図である。
〔図4〕多区画医薬瓶の一実施形態の一部分の模式図である。
〔図5〕多区画医薬瓶の一実施形態の一部分の断面図である。
〔図6〕多区画医薬瓶の一実施形態の一部分の断面図である。
〔図7〕多区画医薬瓶の一実施形態の模式図である。
〔図8〕多区画医薬瓶の一実施形態の模式図である。
〔図9〕多区画医薬瓶の一実施形態の模式図である。
〔図10〕多区画医薬瓶の一実施形態の一部分の断面図である。
〔詳細な説明〕
以下の詳細な説明では、この説明の一部を構成するする付属の図面を参照する。図面では、同様の符号は、文脈上異なることが示されていない限り、通常は同様の構成要素を指している。詳細な説明、図面及び請求項では説明されている例示的な実施形態は、限定を意図したものではない。本書に示された主題の精神または範囲から逸脱しない限り、他の実施形態を適用してもよいし、他の変更がなされてもよい。異なる図面では使用されている同一の符号は、文脈上異なることが示されていない限り、同様または同一の要素を指している。
図1は、多区画医薬瓶100の一実施形態を示している。図1に示した多区画医薬瓶100は、多区画医薬品貯蔵領域110及びアクセス領域120を含む。いくつかの実施形態では、多区画医薬品貯蔵領域110は、底壁及び略長方形構造を形成するように配置された4つの外壁を含む。図1では、第1外壁130及び第2外壁140が示されている。図示されている実施形態では、第1外壁130及び第2外壁140は、略同等の寸法の面を有しており、多区画医薬品貯蔵領域110は、略立方体形状である。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、長方形状に構成された多区画医薬品貯蔵領域を含む。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、円筒形状に構成された多区画医薬品貯蔵領域を含む。いくつかの形状では、多区画医薬瓶は、多面体に構成された多区画医薬品貯蔵領域を含む。いくつかの実施形態では、多区画医薬品貯蔵領域の少なくとも1つの外壁は、医薬品ラベルに好適なサイズ及び形状の外面を含む。
図1に示された多区画医薬瓶100は、アクセス領域120を含む。アクセス領域120は、多区画医薬品貯蔵領域110の最頂部において、多区画医薬瓶100の使用及び貯蔵に適した位置に取り付けられている。いくつかの実施形態では、多区画医薬品貯蔵領域110及び前記アクセス領域120は統合されている。いくつかの実施形態では、多区画医薬品貯蔵領域110及びアクセス領域120は、同一の材料から製造されている。図示されている実施形態では、アクセス領域120は、当該アクセス領域120の内部構造内の複数の導管を含んでおり、複数の導管は、略平行であり、アクセス領域120の上面上に位置するカバー160の外面と略垂直に並んでいる。各導管は、アクセス領域120の上面に開口部を有する。いくつかの実施形態では、複数の導管の各々は、単一の縁部領域で複数の導管を包囲するアクセス領域の単一の内部構造の内部にある。いくつかの実施形態では、複数の導管の各々は、アクセス領域の外部からは別々に見ることができない。いくつかの実施形態では、複数の導管のうちの1つ以上は、アクセス領域の外縁部と同延の外壁を含む。
導管シールは、各導管の開口部に隣接して配置されており、カバー160は、導管シール上に配置されている。各導管シールは、注射器180に導管シールを突き通させ、内部導管に取り付けられた多区画医薬品貯蔵領域110内の単一の区画へアクセスできるように製造及び配置されている。カバー160は、各導管の開口部に対応する複数のカバー開口部150を含む。複数のカバー開口部150A,150B,150C,150D,150E,150Fは、本書中の図面を参照して、まとめて「カバー開口部150」と称す。図1に示されている実施形態では、アクセス領域120は、内部構造中に6つの導管を含んでおり、6つの導管は、図示された6つの導管開口部150に対応する。各カバー開口部150は、注射器180にカバー開口部に隣接した導管シールを突き通させるように配置されている。ファスナ170は、アクセス領域120の周囲に固定されており、アクセス領域120に対してカバー160を所定の位置に固定するように配置されている。
いくつかの実施形態では、カバーは、アルミニウムまたは合金等の金属材料から製造されている。いくつかの実施形態では、カバーは、ポリプロピレン等のプラスチック材料から製造されている。いくつかの実施形態では、ファスナは、金属材料から製造されている。いくつかの実施形態では、ファスナは、プラスチック材料から製造されている。いくつかの実施形態では、カバー及び/またはファスナは、生体適合材料から製造されている。いくつかの実施形態では、カバー及びファスナは、多区画医薬瓶の無菌充填の間等、穿刺後に再密封できる材料から製造されている。米国特許第6,604,561号明細書及び米国特許第6,684,916号明細書(共にPy, "Medicament Vial Having a Heat-Sealable Cap, and Apparatus and Method for Filling the Vial")を参照されたい。これらの文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。
ここに説明する多区画医薬瓶は、輸送中または医薬瓶が必要となる前等、個人への投与前に医薬品を貯蔵するために構成されている。本書の文章は概ね人間の医学的場面を想定して記載されているが、多区画医薬瓶は、非人間的(例えば、獣医学的)な場面でも利用可能である。多区画医薬瓶内の各個別の区画は、1回の投与のための単回投与分の医薬品を隔離して貯蔵するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、6つの区画を含む多区画医薬瓶は、6回投与分のワクチンを貯蔵することができ、各投与分は、多区画医薬瓶の個別の区画内に配置されている。例えば、いくつかの実施形態では、4つの区画を含む多区画医薬瓶は、4回投与分のワクチンを貯蔵することができ、各投与分は、多区画医薬瓶の個別の区画内に配置されている。多区画医薬瓶の各区画は、単回投与分の医薬品を貯蔵するように構成されている。多区画医薬瓶は、各投与分が個別の区画に配置された状態で、ワクチン等の単一の医薬品の複数回の投与分を貯蔵するために用いてもよいし、複数のワクチン等、複数の医薬品の個々の投与分を貯蔵するために用いてもよい。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶の各医薬品貯蔵区画は、略同等の内部容量を含む。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、第1内部容量の少なくとも1つの第1医薬品貯蔵区画と、第2内部容量の少なくとも1つの第2医薬品貯蔵区画とを含み、第1内部容量と第2内部容量とは同等ではない。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、複数の医薬品貯蔵区画を含み、各区画の医薬品貯蔵容量は、およそ5ミリリットル(ml)未満である。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、複数の医薬品貯蔵区画を含み、各区画の医薬品貯蔵容量は、およそ4ミリリットル(ml)未満である。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、複数の医薬品貯蔵区画を含み、各区画の医薬品貯蔵容量は、およそ3ミリリットル(ml)未満である。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、複数の医薬品貯蔵区画を含み、各区画の医薬品貯蔵容量は、およそ2ミリリットル(ml)未満である。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、複数の医薬品貯蔵区画を含み、各区画の医薬品貯蔵容量は、およそ1ミリリットル(ml)未満である。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、複数の医薬品貯蔵区画を含み、各区画の医薬品貯蔵容量は、およそ0.5ミリリットル(ml)未満である。
いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、一定期間内における使用を意図した医薬品の個々の投与分を特定数搬送及び貯蔵するために構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、6つの区画を含む多区画医薬瓶は、特定のワクチンの6回投与分をそれぞれ6つの区画の1つに入れて貯蔵するように構成されている。この6という数は、特定の健康診断において1日に要求される当該ワクチンの概算の平均投与回数と等しい。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、略同等の内部容量を有する複数の医薬品貯蔵区画を含む。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、1回の外来診察のような一定期間内において1人の患者に使用することを意図した複数の医薬品の個々の投与分を特定数搬送及び貯蔵するために構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、4つの区画を含む多区画医薬瓶は、1回の外来診察中に個人に一般的に与えられる異なるワクチン4種の4回投与分を貯蔵することができる。例えば、いくつかの実施形態では、6つの区画を含む多区画医薬瓶は、生後2ヶ月の子供に推奨される定期予防接種のスケジュールに従って子供に投与するために、HepB、RV、DTaP、HiB、PCV13及びIPVワクチン各々の単回投与分をそれぞれ各区画に入れて貯蔵及び搬送するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、4つの区画を含む多区画医薬瓶は、4〜6歳児に推奨される定期予防接種のスケジュールに従って子供に投与するために、DTaP、IPV、MMR及びVARワクチン各々の単回投与分をそれぞれ各区画に入れて貯蔵及び搬送するように構成されている。"Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP) Recommended Immunization Schedule for Persons Aged 0 through 18 years - United States, 2013", ACIP Childhood/Adolescent Work Group, MMWR 62: 1-8 (2013)を参照されたい。この文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。例えば、いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、医療専門家からの指示に従って患者に連続して投与可能な免疫グロブリン療法の複数回投与分を貯蔵するために用いることができる。一般的に連続して投与される数種類の免疫グロブリン療法であって、患者の体重に応じた投与量の免疫グロブリン療法を利用可能である。免疫グロブリン療法の浪費を最小化するだけでなく、瓶中の免疫グロブリン療法の汚染の可能性を最小化するような形態で患者へ投与するために、等分量の免疫グロブリン療法を多区画医薬瓶における別々の区画に貯蔵することができる。例えば、いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、注射で投与される抗ウイルス療法の複数回投与分を貯蔵するために使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、注射で投与される抗生物質治療の複数回投与分を貯蔵するために使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、医療専門家の指導の下で一時的に連続して投与を受ける1人の患者個人のための標準的な連続注射可能な投与分を1つの瓶が含むことができるように、一般的に1人の患者に連続的に投与される注射投与療法の複数回投与分を貯蔵するために使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、別々に投与される複数の成分を有する注射投与療法(例えば、投与が必要な1人の患者に投与される異なる抗生物質及び/または抗ウイルス剤)の複数回投与分を貯蔵するために使用することができる。
多区画医薬瓶の実施形態における貯蔵のために好適な医薬品は、注射器を通して個人に注射するように構成された医薬品である。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、コールドチェーン内での医薬品の貯蔵及び搬送のために構成されている。例えば、多区画医薬瓶は、摂氏2度から摂氏8度の温度範囲内で医薬品を貯蔵するように構成されていてもよい。例えば、多区画医薬瓶は、摂氏2度から摂氏30度の温度範囲内で医薬品を貯蔵するように構成されていてもよい。"Guidelines on the International Packaging and Shipping of Vaccines",世界保健機構(WHO),注文コード WHO/IVB/05.23,2005年12月出版を参照されたい。この文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。多区画医薬瓶は、人への注射を意図した医薬品を貯蔵及び搬送することができる。多区画医薬瓶は、動物への注射を意図した医薬品を貯蔵及び搬送することができる。医薬品を、注射前に多区画医薬瓶中に液体の形態で貯蔵及び搬送することができる。医薬品を、使用前に搬送及び貯蔵のために凍結乾燥させることができ、その後、投与前に多区画医薬瓶の区画内で液体の形態に変換させることができる。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、凍結乾燥した医薬品の貯蔵を意図しており、使用前に医療専門家が希釈剤を加え、凍結乾燥した物質を再水和させ(例えば、瓶を振ること等して)、続いて注射用の注射針を用いて瓶にアクセスすることを意図している。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、線形対(linear pairs)(例えば、2×3、2×4等)に配列されている偶数個の医薬品貯蔵区画を含み、各区画対の1つが凍結乾燥した医薬品を含んでおり、他の区画対が適切な希釈剤を含んでいる。
いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、ワクチンの貯蔵及び搬送のために構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、複数回投与分のワクチンを保持することができ、各投与分は、ワクチンの投与前に個々の区画内に貯蔵されている。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、多区画ワクチン瓶である。いくつかの実施形態では、多区画ワクチン瓶は、異なるワクチンの複数回投与分を含んでおり、各投与分が別々に別個の区画に貯蔵されるように構成されている。いくつかの実施形態では、多区画ワクチン瓶は、同一のワクチンの複数回投与分を含んでおり、各投与分が別々に別個の区画に貯蔵されるように構成されている。多区画医薬瓶は、瓶の内容物に適当なラベル、梱包材及び温度モニタを含むことができる。"Guidelines on the International Packaging and Shipping of Vaccines",世界保健機構(WHO),注文コード WHO/IVB/05.23,2005年12月出版を参照されたい。この文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。
個別の区画内に医薬品の各投与分を入れて隔離することは、多区画医薬瓶の異なる区画間の相互汚染の可能性を低減する。相互汚染の可能性を最小化するために、多区画医薬瓶は、別々の区画の各々への一度きりの貯蔵及びアクセスを意図している。使用中は、注射器が多区画医薬瓶の別個の導管に挿入され、区画中に貯蔵されている単回投与分の医薬品を抽出し、投与分が取り除かれた後は、さらなる医薬品を得るために当該区画に再びアクセスすることはない。多区画医薬瓶は、個々の区画を再利用または再充填するためには構成されていない。多区画医薬瓶を使用することにより、複数回投与用瓶におけるワクチンの浪費等、医薬品の浪費を低減することができる。Lee et al., "Single versus Multi-Dose Vaccine Vials: An Economic Computational Model", Vaccine 38 (32): 5292-5300 (2010)を参照されたい。この文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。
実施形態によっては、多区画医薬瓶は、各単回投与用医薬瓶と比較して少なくとも2倍の容量低減をもたらしながらも、依然として個々の投与分のため、ならびに瓶内の相互汚染の可能性を最小化するために個々の区画を提供する。多区画医薬瓶は、貯蔵中及び搬送中、エネルギー効率及び空間効率が良好であり、使い捨ての医薬瓶よりも発送及び貯蔵において有利な点をもたらす。例えば、長方形または六角形等の規則的な形状に形成された外壁を有して構成された封数回投与用瓶は、瓶群の梱包効率を向上させることができる。多区画医薬瓶は、使い捨ての医薬瓶と比べて、重量及び容量の低減をもたらす。多区画医薬瓶は、使い捨ての瓶よりも少ない梱包材を要し、生産時のコスト及び瓶の最終的な廃棄物を低減する。多区画医薬瓶を使用することにより、コールドチェーン内でのワクチン等の医薬品の発送中に必要な瓶モニタの数を低減することができる。"Guidelines on the International Packaging and Shipping of Vaccines",世界保健機構(WHO),注文コード WHO/IVB/05.23,2005年12月出版を参照されたい。この文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。ここに説明する多区画医薬瓶は、複数回投与用瓶に必要な保存料の量と比べて、ワクチン中に使用する保存料の量を低減するために利用することができる。
多区画医薬瓶は、特定の瓶の実施形態の意図される医薬用途に応じて、液体医薬品貯蔵のために好適な材料から製造されていてもよい。例えば、多区画医薬瓶は、ガラスから製造されていてもよい。例えば、多区画医薬瓶は、ポリスチレン等のプラスチックから製造されていてもよい。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、ブロー成形プラスチック製法によって製造することができる。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、ブローフィルシール製法によって製造することができる。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、組立て時における汚染を最小化するための製法によって製造することができる。例えば、米国特許第7,707,807号明細書(Py, "Apparatus for Molding and Assembling Containers with Stoppers and Filling Same")を参照されたい。この文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、定形の識別領域を有して製造することができる。例えば、米国公開第2012/0104660号公報(Disawal et al., "Injection Molding of Micron and Nano Scale Features for Pharmaceutical Brand Protection")を参照されたい。この文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、半透明または透明の材料から製造されていてもよい。半透明または透明の材料から製造された多区画医薬瓶は、例えば、貯蔵された医薬品を注射器によって取り除く間等、使用者が視認することができる。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、複数の医薬品貯蔵区画を含み、各医薬品貯蔵区画は、少なくとも1つの外壁に隣接して配置されている。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、複数の医薬品貯蔵区画を含み、医薬品貯蔵区画の一部は、少なくとも1つの外壁に隣接して配置されており、他の医薬品貯蔵区画は、1つ以上の内壁のみに隣接して配置されている。半透明または透明の材料から製造された多区画医薬瓶であって、各医薬品貯蔵区画が少なくとも1つの外壁に隣接して配置されている多区画医薬瓶は、区画内に貯蔵されている医薬品を抽出するために当該区画に注射器を挿入している使用者が視認することができる。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、ポリプロピレン等の医学的な条件を満たしている材料から製造することができる。いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、個々の区画の大きさ及び形状を個別かつ互いに対して固定する固体材料から製造することができる。
いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、医学的な条件を満たしているガラスまたはプラスチック材料等の剛体材料から製造することができる。剛体材料から製造される一実施形態では、多区画医薬瓶全体の内部容量は、使用前、使用中及び使用後において一定のままである。多区画医薬瓶が剛体材料から製造されている実施形態では、各医薬品貯蔵区画の内部容量は一定のままであり、医薬品貯蔵区画が内部に医薬品の投与分を保持しているときも、当該医薬品の投与分が医薬品貯蔵区画から取り除かれた後も変化しない。
いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は、医学的な条件を満たしているプラスチック材料等の可撓制材料から製造することができる。可撓制材料から製造された一実施形態では、多区画医薬瓶全体の内部容量は、複数の医薬品貯蔵区画の各々に貯蔵されている気体及び/または液体等の物質の質量に連動して変化し得る。例えば、各医薬品貯蔵区画は、貯蔵されている医薬品が区画内部からの取り除かれた後の各区画において低減した内圧に基づいて、区画内に貯蔵されている投与分の医薬品が取り除かれた後に変形するように構成されていてもよい。例えば、複数の医薬品貯蔵区画の各々は、区画内に貯蔵されている投与分の医薬品が取り除かれた後に潰れるように構成することができる。貯蔵されている投与分の医薬品が取り除かれた後における医薬品貯蔵区画の収縮は、例えば、使用者に対して、投与分が取り除かれたことを示す視覚的な指標となる。貯蔵されている投与分の医薬品が取り除かれた後における医薬品貯蔵区画の収縮は、例えば、多区画医薬瓶を貯蔵するために必要な貯蔵空間を低減することができる。このことは、いくつかの状況(例えば、コールドチェーン内の限られた貯蔵空間を伴う状況等)においては、大きく考慮すべきことであり得る。
図2は、多区画医薬瓶100の一実施形態の態様を示している。多区画医薬瓶100は、多区画医薬品貯蔵領域110及びアクセス領域120を含む。図示されている実施形態では、多区画医薬品貯蔵領域110は、略同等の大きさの側面130,140を有している略立方体状である。アクセス領域120は、立方体状の多区画医薬品貯蔵領域110の頂部領域の略円盤状の付属物である。多区画医薬品貯蔵領域110及びアクセス領域120は、互いに一体化しており、互いに一体的に封止されている。いくつかの実施形態では、多区画医薬品貯蔵領域110の外周は、アクセス領域120の外周よりも大きい。図2に示すように、いくつかの実施形態では、アクセス領域120の外周は、略円形構造である。アクセス領域120は、縁部領域周辺に外面230を含む。いくつかの実施形態では、アクセス領域120は、アクセス領域の外周に少なくとも部分的に囲む縁部構造を含み、当該縁部構造は、アクセス領域の外周に取り付けられている。アクセス領域120の頂部は、複数の導管開口部220A,220B,220C,220D,220E,220Fを含む。複数の導管開口部220A,220B,220C,220D,220E,220Fは、本書中の図面を参照して、まとめて「導管開口部220」と称す。図示されている実施形態では、アクセス領域は、個々の内部導管に取り付けられた複数の導管開口部を含む単一構造を含む。
図2に示された実施形態では、単一の導管シール200は、導管開口部220全ての端部を封止するように構成されている。いくつかの実施形態は、各々が単一の導管の端部を封止するように構成されている複数の導管シールを含む。導管シールは、例えば、硬化ゴム材料から製造することができる。米国特許第7,282,269号明細書(Wang and Wong, "Cured Rubber Components for Use with Pharmaceutical Devices")を参照されたい。この文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、アクセス領域は、単一のアクセス構造の内部にある複数の導管を含み、導管の各々は、開口部を含む端部を含み、当該端部は、アクセス構造の表面から外側に突出している。アクセス構造の表面から外側に突出する導管端部は、例えば、取り外し可能な蓋またはシールが取り付けられるように構成された端部領域を含み得る。各導管開口部は、1つ以上の導管シールと一緒に封止されるように構成されている。
いくつかの実施形態は:少なくとも1つの導管の第2端部220と、導管シール220のための少なくとも1つのカバー160であって、導管シール220の少なくとも一部分を露出するように配置されたカバー開口部150を含むカバー160と結合するように構成された少なくとも1つの導管シール200;上縁領域、側縁領域及び下縁領域を含み、各領域がアクセス領域120の外面230と可逆的に結合するように構成された内面を含んでいるファスナ170を含む。図2に示された実施形態は、複数のカバー開口部150を有するカバー160を含み、各カバー開口部150は、単一の導管開口部220に隣接して配置されるように構成されている。カバー160及び導管シール200は、ファスナ170によって、アクセス領域に隣接する所定の位置に保持されている。ファスナ170は、開口部150を取り囲みかつ含む領域において、カバー160を露出するように構成されたファスナ開口部210を含む。
多区画医薬瓶100は、多区画医薬瓶100の期待される使用を通して、各導管開口部上にシールを保持するように構成されている。コールドチェーンでの長期間な搬送等、過酷な状況における貯蔵及び搬送を想定した実施形態では、多区画医薬瓶100は、シールの安定性を提供するよう構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、導管シール200、カバー160及び留め具1700は、期待される条件において著しく耐久力を示すことが知られている材料から製造されている。例えば、いくつかの実施形態では、導管シール200、カバー160及び留め具1700は、特別な耐久性及び強靭性を示すように構成されている。例えば、留め具は、アクセス領域の外部領域の周囲に耐久力のあるひだを作るように構成されてもよい。例えば、米国特許出願公開第2009/0016936号明細書(Balestracci et al., "Improved Containers for Pharmaceuticals, Particularly for Use in Radioisotope Laboratories")を参照されたい。この文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態は、破損した際に色が変わる材料によって製造された導管シールを少なくとも1つ含んでいる。例えば、いくつかの実施形態は、導管シールが注射針によって以前に穴を開けられたとき、または導管シールが保管及び搬送の間に損傷したとき、色が変わり利用者に可視になる導管シールを少なくとも1つ含んでいる。導管シールは、例えば、光を適宜反射するために、偏光面を持つプラスチック材料から製造されていてもよい。注射器による穿孔または損傷等により偏光面を持つ導管シールが破損すると、光は未破損の導管シールと同じようには反射しなくなる。この変化は、瓶の利用者に可視となり得る。いくつの実施形態では、導管シールは、導管シールへの物理的な損傷を視覚的に示すように構成された材料を含むように製造される。例えば、導管シールは、ポリマへの損傷を示すために異なる色に変わる熱可塑性ポリマを含んでいてもよい。Ann R. Thryft, "Self-Healing Plastic Changes Color When Damaged", Design News, 2012年4月30日を参照されたい。この文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。例えば、導管シールは、自身が破損したときに導管シールを変色させる安全カプセルを含んでいてもよい。米国特許出願公開第2005/0258129号明細書(Model, "Tamper-Proof Closure/Seal for Containers, Particularly Wine Bottles")を参照されたい。この文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態は、破損した際に色が変わる材料によって製造されたカバーを少なくとも1つ含んでいる。例えば、いくつかの実施形態は、カバーが保管及び搬送の間に損傷したとき、色が変わり利用者に可視になるカバーを少なくとも1つ含んでいる。カバーは、例えば、光を適宜反射するために、偏光面を持つプラスチック材料から製造されていてもよい。搬送中の損傷等により偏光面を持つカバーが破損すると、光は未破損のカバーと同じようには反射しなくなる。この変化は、瓶の利用者に可視となり得る。いくつの実施形態では、カバーは、カバーへの物理的な損傷を視覚的に示すように構成された材料を含むように製造される。例えば、カバーは、ポリマへの損傷を示すために異なる色に変わる熱可塑性ポリマを含んでいてもよい。Ann R. Thryft, "Self-Healing Plastic Changes Color When Damaged", Design News, 2012年4月30日を参照されたい。この文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。例えば、カバーは、自身が破損したときにカバーを変色させる安全カプセルを含んでいてもよい。米国特許出願公開第2005/0258129号明細書(Model, "Tamper-Proof Closure/Seal for Containers, Particularly Wine Bottles")を参照されたい。この文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。
図3は、図2と同じように図示した多区画医薬瓶の一実施形態を示している。図3は、本実施形態の区画の内部構造を示すために図示されている。図3では、各導管開口部が導管の末端であり、各導管開口部は、医薬品貯蔵区画内の単一の開口部に接続していることを示している。図3に示した実施形態では、一連の導管は、互いに平行に方向付けられていると共に、アクセス領域120の外面230と平行に方向付けられている。各導管は、多区画医薬瓶100の多区画貯蔵領域110の内部にある医薬品貯蔵区画の上縁部にある単一の開口部に取り付けられている。多区画貯蔵領域110は、2×3の線形配列で配置された複数の医薬品貯蔵区画300A,300B,300C,300D,300E,300Fを含んでいる。複数の医薬品貯蔵区画300A,300B,300C,300D,300E,300Fは、本書中の図面を参照して、まとめて「区画300」と称す。区画300は、互いに対して定位置に配置されており、完璧な多区画医薬瓶に対する損傷がなければ、取り外しまたは再構成が不可能である。多区画医薬瓶は、製造時に一定数の医薬品貯蔵区画を含んでおり、当該一定数は、完璧な多区画医薬瓶に対する損傷がなければ、変更不可能である。
各区画300は、医薬品、特に単回投与分の液剤の医薬品を各区画内に貯蔵するためのサイズ及び形状に構成されている。各区画300は、注射の単回投与分の医薬品を収容及び貯蔵するためのサイズ及び形状を有している。いくつかの実施形態では、各区画300は、単回投与分の液体の注射用ワクチンを貯蔵するためのサイズ及び形状を有している。各区画300は、区画内において、注射器及び注射器に取り付けられた針により区画内に貯蔵された液体医薬品の略全部を抽出するのに十分な深さに注射針が配置され得るような物理的な構成を有している。図3に示すように、いくつかの実施形態では、区画は、注射針の先端の側面への動きの障害にならずに、注射針が区画の下方の角に隣接するように配置され得るサイズ及び形状を有した丸い角の略長方形である。いくつかの実施形態は、複数の医薬品貯蔵区画を含んでおり、各医薬品貯蔵区画は、多区画医薬品貯蔵領域内において、略円筒形の内面を有して形成されている。各区画の内部容量は、医薬品だけでなく、適当な量のガス、または医薬品の最上部上に適当な大きさの「ヘッドスペース」を含むのに十分である必要がある。各区画300は、区画の上縁部に単一の開口部を含んでおり、当該開口部は、導管に接続されている。導管と、当該導管に一体化している各区画300の垂直方向の大きさとは、医薬品を貯蔵するのに十分な大きさであるが、注射の準備のために略全部の液体医薬品を抽出するために注射針を突き通すことができる大きさよりも大きくはない。特定の区画に求められる空間及び容量は、当該区画において使用目的の特定の医薬品の単回投与量を含めて実施形態に依存する。
図3に図示した実施形態では、単一の導管シール200は、各導管開口部220を封止するために、アクセス領域120の上面に隣接して配置されている。いくつかの実施形態では、複数の導管シールがあり、各導管シールは、単一の導管開口部220を封止するように配置されている。いくつかの実施形態では、導管シールは、導管開口部の縁部に対して変形し、ガス不浸透性シールを保つように構成された柔軟な変形可能材料によって構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、導管シールは、エラストマー系プラスチック材料によって製造されていてもよい。導管シールは、区画内に貯蔵された液体医薬品を利用者が得るために、注射器に取り付けられた針を突き通すのに最適な材料からも製造されている。
カバー160は、少なくとも1つの導管シールに隣接して配置されている。いくつかの実施形態では、カバー160は、導管シールの表面に可逆的に結合するように構成された表面を含んでおり、導管シール200は、対応するカバー160の表面に可逆的に結合するように構成された表面を含んでいる。留め具170は、アクセス領域120に対してカバー160及び導管シール200を所定の位置に固定するために配置されている。いくつかの実施形態では、留め具は、上縁領域、側縁領域及び下縁領域を含んでおり、各領域は、アクセス領域の外面に対して可逆的に結合するように構成された内面を含んでいる。図3に示すように、いくつかの実施形態では、留め具は、カバー開口部150と、導管シール200の隣接部分とへのアクセスを可能にするサイズ、形状及び位置の開口部210を有している。
図4は、多区画貯蔵領域110の内部態様を図示するために、多区画医薬瓶から分離した多区画貯蔵領域110の一態様を示している。図4では、長方形構造に配置された4つの外壁130,140,430,440を含む多区画貯蔵領域110を示している。外壁130,140,430,440は、多区画貯蔵領域110の外壁130,140,430,440の角において互いに接続及び封止されている。多区画貯蔵領域110は、少なくとも1つの内壁を含む。図4に示した実施形態では、多区画貯蔵領域110は、外壁130,140,430,440の内面に対して、略垂直な角度で各々の端部が接続されている内壁400,410,420を含む。内壁400,410,420は、多区画貯蔵領域110の内部に略垂直な角度で密封接合を形成するために、互いに両断し合っている。外壁130,140,430,440と、内壁400,410,420と、それぞれの密封接合との組み合わせは、多区画貯蔵領域110内に複数の区画300を形成する。壁間の各接合は、略密封交差を形成する。いくつかの実施形態では、内壁及び外壁は、厚さを含めて同じ大きさを有している。いくつかの実施形態では、内壁及び外壁は、厚さを含めて異なる大きさを有している。
いくつかの実施形態では、多区画貯蔵領域は、第1略長方形構造を形成するように配置された4つの外壁を含み、複数の内壁は、第1略長方形構造を、略長方形構造を持つ複数の医薬品貯蔵区画に分割するように配置されている。いくつかの実施形態では、多区画貯蔵領域は、正多角形構造を形成するように配置された奇数枚の外壁を有しており、略同等のサイズの複数の医薬品貯蔵区画を形成するために正多角形構造の内部を両断するようにそれぞれが配置されている奇数枚の内壁を有している。いくつかの実施形態では、多区画貯蔵領域は、第1略長方形構造を形成するように配置された4つの外壁を含み、複数の内壁は、第1略長方形構造を、2つの第2略長方形構造に分割するように配置された中心壁を含み、少なくとも1つのスペーサ壁は、各第2略長方形構造を、略長方形構造を持つ2つの第3医薬品貯蔵区画に分割するように配置されている。いくつかの実施形態では、丸い側面及び/または縁部を持つ内部医薬品貯蔵区画を形成するために、外壁の内面と内壁とは曲線形を有している。
例えば、図4に示した実施形態では、3つの外壁440,130,140は、内壁420と組み合わせて、外壁440,130,140と内壁420との間の密封接合において略直角な角を持つ略長方形構造を形成する。略長方形構造は、第1内壁420に対して略直角に配置された第2内壁400によっておよそ半分に両断されている。外壁440,130,140及び内壁420,400の組み合わせは、多区画貯蔵領域110内部に2つの隣接する区画300A,300Bを形成する。同様に、対向する2つの外壁140,440は、略直角に配置された2つの内壁410,420と共に、多区画貯蔵領域110の中心に長方形構造を形成する。2つの区画300C,300Dを形成するために、この構造は、略中間地点において内壁400によって両断されている。さらに2つの区画300E,300Fが、3つの外壁440,430,140及び内壁400,410の組み合わせによって形成されている。得られる多区画貯蔵領域110は、2×3の略線形配列で配置された6つの区画を含んでいる。いくつかの実施形態では、多区画貯蔵領域110は、6つよりも多いまたは少ない内部区画を含んでいる。いくつかの実施形態では、多区画貯蔵領域110は、対の線形(paired linear)配列で配置された奇数個の内部医薬品貯蔵区画を含んでいる。
図5は、多区画医薬瓶の一実施形態の断面図を示している。図5に示すように、多区画医薬瓶は、多区画貯蔵領域110とアクセス領域120とを含んでいる。多区画貯蔵領域110は、瓶の外部境界として外壁130,430を含んでいる。多区画貯蔵領域110は、当該多区画貯蔵領域110内部を複数の区画300に分割する内壁410,420を含んでいる。図5では、多区画医薬瓶は、瓶の垂直方向における断面図として示されており、3つの区画300A,300B,300Cが示されているのみである。しかしながら、本実施形態は、図4に示すような2×3の線形配列で区画が配置されるように、少なくとも3つの区画をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、区画は、線形対または2×N(Nは、1よりも大きい整数である)の線形に配列されている。
アクセス領域120は、それぞれが第1端部及び第2端部を有している複数の導管500を有しており、各導管500の第1端部は、医薬品貯蔵区画内の1つの開口部に接続され、各導管の第2端部は、底壁520と反対側に位置する開口部220を囲っている。複数の導管500A,500B,500Cは、本書中の図面を参照して、まとめて「導管500」と称す。各区画300は、区画の上縁部に位置する開口部に取り付けられた導管500を含んでいる。例えば、左側の区画300Aは、取り付けられた導管500Aを有しており、導管500Aは、末端開口部220Aを有し、アクセス領域120を横切っている。例えば、中央の区画300Bは、取り付けられた導管500Bを有しており、導管500Bは、末端開口部220Bを有し、アクセス領域120を横切っている。例えば、右側の区画300Cは、取り付けられた導管500Cを有しており、導管500Cは、末端開口部220Cを有し、アクセス領域120を横切っている。
導管開口部220、導管500及び区画300の内寸は、区画300内に貯蔵されている液体医薬品の略全部を抽出するために、導管の全長に注射針を通すことができるように注射器180を使用することができるサイズ及び形状である。図5に示した注射器180は、一定の縮小比になっていない。導管開口部220と概ねの充填線510下の空間との距離は、注射針が横切ることができる長さである。例えば、図5では、導管開口部220Aから、取り付けられた導管500Aの長軸方向を通って、取り付けられた区画300A内の充填線510A下の空間までの距離は、注射器180に取り付けられた標準的な長さの注射針で横切ることができる長さである。実施形態及び使用目的に応じて、液体医薬品の単回投与量及び区画の内寸に基づき、区画ごとにおおよその充填線510を算出することができる。例えば、図5に示した実施形態では、左側の区画300Aは、内部充填線510Aを有しており、中央の区画300Bは、内部充填線510Bを有しており、右側の区画300Cは、内部充填線510Cを有している。複数の充填線510A,510B,510Cは、本書中の図面を参照して、まとめて「充填線510」と称す。
図5に示した実施形態では、各区画は、おおよそ同じレベルの充填線510を有している。いくつかの実施形態は、区画の垂直な側面に対して異なる位置にある充填線を含む。充填線510下の空間は、区画内に貯蔵するために液体医薬品を充填することを想定した容量となっている。充填線510上の空間は、多くの場合「ヘッドスペース」と称され、区画内への液体医薬品の貯蔵時にはガスで満たされている。
図6は、多区画医薬瓶の一実施形態の断面図を示している。多区画医薬瓶は、多区画貯蔵領域110及びアクセス領域120を含んでいる。多区画貯蔵領域110は、瓶の外部境界として外壁130,430を含んでいる。多区画貯蔵領域110は、当該多区画貯蔵領域110の内部を複数の区画300に分割する内壁410,420を含んでいる。図6では、多区画医薬瓶は、瓶の垂直方向における断面図として示されており、3つの区画300A,300B,300Cが示されているのみである。しかしながら、本実施形態は、図6に示されていないさらなる区画を含んでいてもよい。
図6では、各区画300が実質的に密封されており、瓶が略直立した位置にあるとき、単一の開口部が区画300の最上部近傍に位置している状態が示されている。単一の開口部は、単一の導管500に接続されている。導管500は、瓶が略直立した位置にあるとき、アクセス領域120の垂直方向の全長に沿って平行に方向付けられている。各導管500は、アクセス開口部220を有している。図6に示した実施形態では、各アクセス開口部220は、対応するカバー600を有している。複数のカバー600A,600B,600Cは、本書中の図面を参照して、まとめて「カバー600」と称す。
各カバー600は、対応する導管500内に突出しており、導管のアクセス開口部220に対して所定の位置に当該カバーを保持するフランジを含む。各カバー600は、隣接する導管500の内部とアクセス領域120の外部空間との間に略ガス不浸透性シールを形成する。いくつかの実施形態は、アクセス領域120の外側にさらなるカバーを含み、当該カバーは、例えば、各カバーが対応する導管500上に形成したガス不浸透性シールを維持するために、搬送中及び貯蔵中にカバー600を保護するように配置及び構成されている。いくつかの実施形態は、アクセス領域120の外側に少なくとも1つのファスナを含んでおり、当該ファスナをアクセス領域120の端面230の周囲にクリンプさせてもよい。少なくとも1つのファスナを含む実施形態では、当該ファスナは、患者への液体医薬品の注射の準備のため等、必要なときに注射針を対応する導管500及び区画300内へ通させながらも、搬送中及び貯蔵中にカバー600を保護するように配置及び構成されている。
図7は、多区画貯蔵領域110及びアクセス領域120を含む多区画医薬瓶の一実施形態を示している。図7に示した実施形態は、略立法体形状であり、略同等の寸法の面130,140を含む多区画貯蔵領域110を含んでいる。多区画貯蔵領域110は、アクセス領域120に取り付けられており、6つの内部導管及びアクセス領域120の上面に取り付けられたアクセス開口部を含んでいる。アクセス領域の上面は、アクセス開口部及び取り付けられた導管に対応する6つのカバー開口部を含むカバー160を有している。導管シールは、カバー160の下面と各アクセス開口部に隣接するアクセス領域120の外面との間に位置している。カバーシールは、各導管と多区画医薬瓶100の外部空間との間にガス不浸透性シールを形成するために、カバー160と共に所定の位置に固定されている。カバー160は、アクセス領域120の外縁部に沿って曲がるファスナにより所定の位置に保持されている。
図7に示す多区画医薬瓶100の実施形態は、多区画医薬瓶100の貯蔵及び搬送のために構成されたものとして示されている。図示された実施形態は、複数のアクセス蓋700を含んでいる。複数のアクセス蓋700A,700B,700C,700D,700E,700Fは、本書中の図面を参照して、まとめて「アクセス蓋700」と称す。各アクセス蓋700は、略平面構造を有しており、一方の端部がアクセス開口部を覆っており、他方の端部がアクセス領域120の下部領域において、アクセス領域120から外側に突出している。アクセス蓋700は、丈夫な紙、プラスチックシート、または紙−プラスチックの混合シート等の薄い材料から製造されている。アクセス蓋700は、除去可能な接着剤によって、カバー160及びファスナ170に固定されている。各アクセス蓋700は、多区画医薬瓶100の使用前にアクセス開口部上の導管シールを覆うように構成された領域を含んでいる。各アクセス蓋700は、反対側の端部等の突出部分をさらに有しており、当該突出部分は、ユーザが多区画医薬瓶100の内容物にアクセスする前につかんでアクセス蓋を取り外すように構成されている。米国特許第4,527,703号明細書(Cummings, "Flexible Sterile Closure System for Containers")を参照されたい。この文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。
図7に示した実施形態では、アクセス蓋700は、細長い略長方形平面構造を有しており、導管シールを覆う端部が円形の縁を有しているように構成されている。アクセス蓋の具体的な構成は、アクセス開口部及び対応する導管シールのサイズ及び形状、アクセス領域のサイズ及び形状等、対応する多区画医薬瓶のサイズ及び形状に依存すると共に、特定の実施形態において求められる耐久性に依存する。
多区画医薬瓶100の使用時には、アクセス蓋700の突出端部をユーザがつかみ、アクセス領域120からアクセス蓋700全体を取り外すように引っ張る。これによりアクセス開口部上の導管シールは露出し、ユーザは、隣接する区画に貯蔵されている単回投与分の液体医薬品を、注射器を用いて抽出することができる。アクセス蓋は、アクセス開口部上の導管シールの表面において、多区画医薬瓶100内の複数回の投与分を貯蔵中及び搬送中に、埃及び汚れ等の外部汚染物質から護る。使用直前に各アクセス蓋を取り外すことにより、多区画医薬瓶のいずれの区画においてそれぞれの単回投与分の医薬品が抽出され、同様に、いずれの区画において単回投与分の液体医薬品が未だに残されているのかが容易に分かる視覚的な喚起がもたらされる。
図8は、多区画医薬瓶の一実施形態を示している。図8に示した多区画医薬瓶10は、多区画貯蔵領域110とアクセス領域120とを含んでいる。アクセス領域120は、複数のアクセス開口部を含んでいる。各アクセス開口部は、導管の第2端部に形成されており、導管の第1端部は、多区画貯蔵領域110内部の区画内の単一開口部に取り付けられ、当該区画は、単回投与分の液体医薬品を貯蔵するように構成されている。いくつかの実施形態では、複数の導管シールは、いかなる所定時間においても単一の導管シール200を露出するように構成された開口部810を含むカバー800が回転する間に、連続して露出される。瓶は、導管シールを含むアクセス領域120の上面に隣接した位置にカバー800を保持するように構成されたファスナ170を含み得、多区画医薬瓶100の使用中に、カバー800を、各導管シールを連続して露出するために回転させるまたは十分に動かす。
図8に示した実施形態は:アクセス領域120内の複数の導管の各々の第2端部に結合するように構成された少なくとも1つの導管シール;少なくとも1つの導管シールのための少なくとも1つの略平面円形状のカバー800であって、少なくとも1つの導管シール150の少なくとも一部分を露出するように配置された開口部810を含み、上面及び下面を含むカバー800;カバー800の上面と可逆的に結合するように構成された内面を含む上縁領域と、各々がアクセス領域120の外面と可逆的に結合するように構成された内面を含む側縁領域及び下縁領域とを含んだファスナ170を含む。いくつかの実施形態では、カバーは、当該カバーの外縁部に取り付けられた連続したラチェット歯を含んでいる。カバーの外縁部は、いくつの実施形態では、カバーの中心から遠位にあるカバーの縁部であり得る。いくつかの実施形態は、ファスナの内面に取り付けられた少なくとも1つの歯止めをさらに含んでおり、当該歯止めは、連続したラチェット歯と可逆的に結合するように構成されており、ファスナ及びカバーが多区画医薬瓶に隣接した所定の位置にあるとき、連続したラチェット歯と嵌合してカバーの回転を規制するように配置されている。いくつかの実施形態は、カバー上のフランジと、ファスナ上に対応するフランジとをさらに含み得る。両フランジは、カバーとファスナとが1つの方位に並んだときに互いに結合し、カバーをそれ以上回転させないように配置されている。
使用中において、多区画医薬瓶100のユーザは、カバー800における開口部810の領域内において連続して各導管シール200が十分に露出するようにカバー800を回転させることができる。ユーザは、注射器に取り付けられた単一の注射針によって、露出された各導管シールを1回越えて、特定の区画内に貯蔵された単回投与分の液体医薬品を特定の導管シールから抽出することができる。1回目の投与分が抽出されると、ユーザはカバーを回転させて2つ目の導管シールを露出させ、導管を介して当該導管シールに取り付けられた区画にアクセスする。カバーは、ユーザが連続して注射針を1回で突き刺すために、特定の導管シールを視認できるように役立つ。カバーの外縁部に取り付けられた連続したラチェット歯と、当該ラチェット歯と可逆的に結合するように配置された歯止めとを含む実施形態では、カバーは、ユーザにより一方向(例えば、時計回りまたは反時計回り)のみに回転させられてもよい。これにより、各区画が連続して注射針によってアクセスされることが確実となる。いくつかの実施形態は、カバー及びファスナに取り付けられたフランジ構造を含んでおり、当該フランジは、カバーを1回転のみさせるように構成されている。このような実施形態では、カバー及びラチェット機構は、設定点を過ぎて回転した後にユーザが各導管シールにアクセスすることを阻む。これにより、ユーザが誤って区画に1回以上アクセスすることを防ぐことができる。
図9は、多区画医薬瓶100の一実施形態を示している。図9に示した多区画医薬瓶100の実施形態は、多区画貯蔵領域110とアクセス領域120とを含んでいる。アクセス領域120は、複数のアクセス開口部を含んでいる。各アクセス開口部は、導管の第2端部に形成されており、導管の第1端部は、多区画貯蔵領域110内部の区画内の単一開口部に取り付けられ、当該区画は、単回投与分の液体医薬品を貯蔵するように構成されている。いくつかの実施形態では、複数の導管シールは、いかなる所定時間においても単一の導管シール200を露出するように構成された開口部910を含むカバー900が回転する間に、連続して露出される。瓶は、導管シールを含むアクセス領域120の上面に隣接した位置にカバー800を保持するように構成されたファスナ170を含み得、多区画医薬瓶100の使用中に、カバー800を、各導管シールを連続して露出するために回転させるまたは十分に動かす。
図9に示した実施形態は:複数の導管の各々の第2端部に結合するように構成された少なくとも1つの導管シール;少なくとも1つの導管シールのためのカバー900であって、各々が上面及び下面を有する複数の重なり合った平面構造体からなるカバー900;カバーの上面と可逆的に結合するように構成された内面を含む上縁領域と、各々がアクセス領域120の外面と可逆的に結合するように構成された内面を含む側縁領域及び下縁領域とを含んだファスナ170を含む。いくつかの実施形態は、複数の重なり合った平面構造体各々の遠位縁に取り付けられた少なくとも1つのラチェット歯と、ファスナの内面に取り付けられた少なくとも1つの歯止めとを含んでおり、当該歯止めは、複数の重なり合った平面構造体の各々の上の少なくとも1つのラチェット歯各々に可逆的に結合するように構成されており、多区画医薬瓶に隣接した所定の位置にファスナ及びカバーがあるとき、少なくとも1つのラチェット歯各々に嵌合してカバーの回転を規制するように配置されている。
使用中において、多区画医薬瓶100のユーザは、カバー900における開口部910の領域内において連続して各導管シール200が十分に露出するようにカバー900の少なくとも1つの平面構造体を回転させることができる。ユーザは、注射器に取り付けられた単一の注射針によって、露出された各導管シールを1回通って、特定の導管シールからアクセス可能な特定の区画内に貯蔵された単回投与分の液体医薬品を抽出することができる。1回目の投与分が抽出されると、ユーザは手動でカバー900の少なくとも1つの平面構造体を回転させて2つ目の導管シールを露出させ、導管を介して当該導管シールに取り付けられた区画にアクセスする。カバー900は、ユーザの必要に応じて各導電シールを露出させつつ、ユーザが注射針を1回で突き刺すために、特定の導管シールを視認できるように役立つ。カバーの各平面構造体の外縁部に取り付けられた連続したラチェット歯と、当該ラチェット歯と可逆的に結合するように配置された歯止めとを含む実施形態では、カバーは、ユーザにより一方向(例えば、時計回りまたは反時計回り)のみに回転させられてもよい。これにより、各区画が連続して注射針によってアクセスされることが確実となる。いくつかの実施形態は、カバーの各平面構造体及びファスナに取り付けられたフランジ構造を含んでおり、当該フランジは、カバーの回転を規制するように構成されている。このような実施形態では、カバーの各平面構造体及びラチェット機構に取り付けられたフランジは、カバーが設定点を過ぎて回転した後にユーザが各導管シールにアクセスすることを阻む。これにより、ユーザが誤って区画に1回以上アクセスすることを防ぐことができる。
図10は、多区画医薬瓶100の断面図を示している。多区画医薬瓶100は、多区画貯蔵領域110とアクセス領域120とを含んでいる。アクセス領域120は、複数のアクセス開口部を含んでおり、各アクセス開口部は、内部区画300における単一の開口部とアクセス領域120の最上部の外部との間に位置する導管500の端部によって形成されている。本図では、多区画医薬瓶100の2つ側面に2つの外壁130,430が示されており、多区画医薬瓶100の多区画貯蔵領域110内の区画300間に2つの内壁410,420が示されている。多区画貯蔵領域110は、当該多区画貯蔵領域110の下縁部を横切る底壁520を含んでいる。図10に示した実施形態では、説明のためにアクセス開口部220に隣接して配置された導管シールを含んでいないが、多区画貯蔵領域110を使用中に医薬品を貯蔵及び搬送するために、各アクセス開口部にはガス不浸透性シールが結合している。
図10に示した実施形態では、複数のアクセス開口部220の各々は、導管500の外部末端部である。各導管500は、アクセス開口部220に隣接した領域に拡張末端領域1000を含んでいる。複数の拡張末端領域1000A,1000B,1000Cは、本書中の図面を参照して、まとめて「各チュオ末端領域1000」と称す。拡張末端領域1000は、例えば、導管500の端部に略円錐形状に形成してもよい。いくつかの実施形態では、拡張末端領域1000は、注射器180に取り付けられた針を、導管500と取り付けられた区画300との内部において、当該区画300内に貯蔵された単回投与分の液体医薬品の抽出に好適な角度に配置させるように構成されている。
いくつの実施形態は、コールドチェーン内に空間効率的な様式で患者個々のサンプルを複数貯蔵するために構成された多区画サンプル瓶を含んでいる。例えば、いくつかの実施形態は、貯蔵の間、及び分析のために別の場所へ位置移動する間、コールドチェーン内に保管するように連続して採取された患者個々の血液サンプルを複数貯蔵するように構成された多区画サンプル瓶を含む。いくつかの実施形態は、一個人から採取した生体サンプルを複数貯蔵するように構成された多区画サンプル瓶を含んでいる。例えば、一個人から採取した血液、尿、便、唾液、痰及び鼻水等の生体サンプルを、生化学分析(例えば、病気の状態または感染指標のための分析)を行う前にコールドチェーン内で多区画サンプル瓶内に貯蔵することができる。いくつかの実施形態は、複数の個人から採取した生体サンプル(例えば、何人かの異なる個人から採取した複数の血液サンプル等)を貯蔵するように構成された多区画サンプル瓶を含んでいる。いくつかの実施形態は:底壁、少なくとも1つの外壁及び少なくとも1つの内壁を含み、底壁、少なくとも1つの外壁及び少なくとも1つの内壁が複数のサンプルの生体貯蔵区画を形成しており、各生体貯蔵区画が生体貯蔵領域の底壁の反対側に位置する開口部を含む多区画生体サンプル貯蔵領域;生体貯蔵領域に取り付けられたアクセス領域であって、各々が第1端部及び第2端部を有する複数の導管を含み、各導管の第1端部が生体貯蔵区画における1つの開口部に接続しており、各導管の第2端部が底壁の反対側に位置する開口部を囲むアクセス領域;複数の導管のうちの1つの第2端部の少なくとも1つと可逆的に結合するように構成された少なくとも1つの導管シール;アクセス領域の外面及び少なくとも1つの導管シールの表面と可逆的に結合するように構成されたカバーを含む。カバーは、多区画サンプル瓶のアクセス領域に取り付けられ、瓶内の1つ以上の区画が、生体サンプルを貯蔵するために使用された後に導管シールの位置を保持するように構成され得る。例えば、カバーは、コールドチェーン内へ瓶を貯蔵し、コールドチェーン内で瓶を位置移動する前に、アクセス領域の外面上にクリンプするように構成され得る。
いくつかの実施形態は、コールドチェーン内への複数の生体サンプルの空間効率的な貯蔵方法であって:多区画サンプル瓶の第1区画内に第1生体サンプルを配置する工程;多区画サンプル瓶の第2区画内に第2生体サンプルを配置する工程;第1区画に取り付けられた導管開口部及び第2区画に取り付けられた導管開口部の上に少なくとも1つの導管シールを配置する工程;少なくとも1つの導管シールによって形成された液体不浸透性シールが所定の位置に居続けるように、少なくとも1つの導管シール上のカバーを固定する工程を含む貯蔵方法を含んでいる。その後、多区画サンプル瓶は、第1生体サンプル及び第2生体サンプルの生化学分析を行うために、カバーの取り外し及び区画へのアクセスの前に、コールドチェーン内で貯蔵及び/または搬送され得る。いくつかの実施形態では、多区画サンプル瓶は、特定の実施形態における貯蔵状態に求められる数に応じて3、4、5、6、7、8、9または10個の個別の区画等、複数の区画を含んでいる。多区画サンプル瓶の各区画は、例えば、およそ0.5mL未満の生体サンプルを保持するように構成されていてもよい。多区画サンプル瓶の各区画は、例えば、およそ1mL未満の生体サンプルを保持するように構成されていてもよい。多区画サンプル瓶の各区画は、例えば、およそ2mL未満の生体サンプルを保持するように構成されていてもよい。多区画サンプル瓶の各区画は、例えば、およそ3mL未満の生体サンプルを保持するように構成されていてもよい。多区画サンプル瓶の各区画は、例えば、およそ4mL未満の生体サンプルを保持するように構成されていてもよい。多区画サンプル瓶の各区画は、例えば、およそ5mL未満の生体サンプルを保持するように構成されていてもよい。
ここに説明した本主題の具体的な態様を図示及び説明したが、ここに説明した主題及びそれを拡張した態様から逸脱しない限り、変形及び変更を加えることができることは当業者にとって明白である。したがって、付属の請求項は、その範囲内に、ここに説明した主題の真の精神及び範囲に含まれるものとしてすべての変形及び変更を含む。当業者は、一般に、ここで使用した文言、特に付属の請求項(例えば、付属の請求項の本文)で使用した文言は、一般に「オープン」な文言であることを意図したものであると理解する(例えば、「含んでいる」という文言は、「含んでいるが、これらに限定されるものではない」と解釈すべきであり、「有している」という文言は、「少なくとも有している」と解釈すべきであり、「含む」という文言は、「含むが、これらに限定されるものではない」と解釈すべきである)。さらに、当業者であれば、導入された請求項の記載の特定数が意図されているのであれば、このような意図は請求項中で明示的に記載されており、このような明示的な記載がない場合には、このような意図は存在しないと理解する。理解の一助として例を挙げると、以下の付属の請求項において、請求項の記載を導入するために、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」等の導入的表現が使用され得る。しかし、たとえ同一請求項中に「1つ以上」又は「少なくとも1つ」という導入表現と、「a」または「an」等の不定冠詞とを含んでいたとしても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入は、このような導入された請求項の記載を含む特定の請求項を、その記載1つのみを含む請求項に限定することを意味すると解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/または「an」は、通常、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味すると解釈すべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するために使用されている定冠詞の使用についても当てはまる。さらに、たとえ請求項で導入された記載の特定数が明示的に記載されていたとしても、当業者であれば、このような記載は、通常、少なくとも記載された数を意味していると解釈する(例えば、修飾語を使わずに単に「2つの記載」と記載されている場合、通常、当該記載が少なくとも2つまたは2つ以上含まれていることを意味する)。さらに、「A、B及びC等のうちの少なくとも1つ」に類似の表現形式が使用されている場合、一般にこのような文構造は、当業者が理解し得る慣例(例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定されるものではないが、Aだけを有するシステム、Bだけを有するシステム、Cだけを有するシステム、A及びBを共に有するシステム、A及びCを共に有するシステム、B及びCを共に有するシステム、及び/またはA、B及びCを共に有するシステム等を含む。)を意味している。「A、B又はC等のうちの少なくとも1つ」に類似の表現形式が使用されている場合、一般にこのような文構造は、当業者が理解し得る慣例(例えば、「A、B又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定されるものではないが、Aだけを有するシステム、Bだけを有するシステム、Cだけを有するシステム、A及びBを共に有するシステム、A及びCを共に有するシステム、B及びCを共に有するシステム、及び/又はA、B及びCを共に有するシステム等を含む。)を意味している。当業者らは、通常、2つ以上の代替の文言を提示する選言的な文言及び/または表現は、それが明細書中、請求項中または図面中のいずれに記載されていたとしても、文脈と矛盾しない限りにおいて、複数の文言のうちの1つを含んでいる可能性、複数の文言のうちの一方を含んでいる可能性、または複数の文言の双方を含んでいる可能性を考慮しているものであると理解する。例えば、「AまたはB」という表現は、通常、「A」である可能性、または「B」である可能性、または「A及びB」である可能性を含んでいるものと理解される。
いくつかの実施形態は、コールドチェーン内に空間効率的な様式で患者個々のサンプルを複数貯蔵するように構成されている多区画サンプル瓶を含む。例えば、いくつかの実施形態は、貯蔵の間、及び分析のために別の場所へ位置移動する間、コールドチェーン内に保管するように連続して採取された患者個々の血液サンプルを複数貯蔵するように構成された多区画サンプル瓶を含む。いくつかの実施形態は、一個人から採取した生体サンプルを複数貯蔵するように構成された多区画サンプル瓶を含んでいる。例えば、一個人から採取した血液、尿、便、痰及び鼻水等の生体サンプルを、分析(例えば、病気の状態または感染指標のための分析)を行う前にコールドチェーン内で多区画サンプル瓶内に貯蔵することができる。いくつかの実施形態は、複数の個人から採取した生体サンプル(例えば、何人かの異なる個人から採取した複数の血液サンプル等)を貯蔵するように構成された多区画サンプル瓶を含んでいる。いくつかの実施形態は:底壁、少なくとも1つの外壁及び少なくとも1つの内壁を含み、底壁、少なくとも1つの外壁及び少なくとも1つの内壁が複数のサンプルの生体貯蔵区画を形成しており、各生体貯蔵区画が生体貯蔵領域の底壁の反対側に位置する開口部を含む多区画生体サンプル貯蔵領域;生体貯蔵領域に取り付けられたアクセス領域であって、各々が第1端部及び第2端部を有する複数の導管を含み、各導管の第1端部が生体貯蔵区画における1つの開口部に接続しており、各導管の第2端部が底壁の反対側に位置する開口部を囲むアクセス領域;複数の導管のうちの1つの第2端部の少なくとも1つと可逆的に結合するように構成された少なくとも1つの導管シール;アクセス領域の外面及び少なくとも1つの導管シールの表面と可逆的に結合するように構成されたカバーを含む。カバーは、多区画サンプル瓶のアクセス領域に取り付けられ、瓶内の1つ以上の区画が、生体サンプルを貯蔵するために使用された後に導管シールの位置を保持するように構成され得る。例えば、カバーは、コールドチェーン内へ瓶を貯蔵し、コールドチェーン内で瓶を位置移動する前に、アクセス領域の外面上にクリンプするように構成され得る。
ここに説明した本主題の態様は、以下に番号を付して箇条書きにして記載されている:
1.いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は:底壁、少なくとも1つの外壁及び少なくとも1つの内壁を含む多区画貯蔵領域であって、上記底壁、上記少なくとも1つの外壁及び上記少なくとも1つの内壁が複数の医薬品貯蔵区画を形成しており、各医薬品貯蔵区画が上記医薬品貯蔵領域の上記底壁に対向して配置された開口部を含んでいる多区画貯蔵領域と、上記医薬品貯蔵領域に取り付けられたアクセス領域であって、各々が第2端部及び第2端部を有する複数の導管を含み、各導管の上記第1端部が医薬品貯蔵区画内の1つの開口部に接続されており、各導管の上記第2端部が上記底壁に対向して配置された開口部を囲むアクセス領域と、を含む。
2.いくつかの実施形態は、上記多区画医薬品貯蔵領域及び上記アクセス領域が、互いに一体的に封止されている第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
3.いくつかの実施形態は、上記多区画医薬品貯蔵領域が、第1略長方形構造を形成するように配置された4つの外壁を含み、上記少なくとも1つの内壁が、上記第1略長方形構造を2つの第2略長方形構造に分割するように配置された中央壁と、各上記第2略長方形構造を、略長方形構造を持つ2つの第3医薬品貯蔵区画に分割するように配置された少なくとも1つのスペーサ壁と、を含む第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
4.いくつかの実施形態は、上記多区画医薬品貯蔵領域が、第1略長方形構造を形成するように配置された4つの外壁を含み、上記少なくとも1つの内壁が、上記第1略長方形構造を、略長方形構造を持つ複数の医薬品貯蔵区画に分割するように配置されている第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
5.いくつかの実施形態は、上記複数の医薬品貯蔵区画の各々が、略同等の内部容量を含む第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
6.いくつかの実施形態は、上記複数の医薬品貯蔵区画が、線形対に配列された偶数個の医薬品貯蔵区画を含む第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
7.いくつかの実施形態は、上記複数の医薬品貯蔵区画の各々が、少なくとも1つの外壁に隣接するように配置されている第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
8.いくつかの実施形態は、第1内部容量の少なくとも1つの第1医薬品貯蔵区画と、第2内部容量の少なくとも1つの第2医薬品貯蔵区画とを含んでおり、上記第1内部容量及び上記第2内部容量が同等ではない第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
9.いくつかの実施形態は、上記複数の医薬品貯蔵区画の各々が、約1ミリリットル未満の医薬品貯蔵容量を含む第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
10.いくつかの実施形態は、上記複数の医薬品貯蔵区画の各々が、約0.5ミリリットル未満の医薬品貯蔵容量を含む第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
11.いくつかの実施形態は、上記多区画医薬品貯蔵領域が、正多角形構造を形成するように配置された偶数個の外壁と、略同等のサイズの上記複数の医薬品貯蔵区画を形成するように、上記正多角形構造の内部を両断するように各々が設置された偶数個の内壁と、を含む第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
12.いくつかの実施形態は、上記多区画医薬品貯蔵領域が、複数の医薬品貯蔵区画を含み、各医薬品貯蔵区画が、上記多区画医薬品貯蔵領域内で略円筒形状の内面を有して形成されている第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
13.いくつかの実施形態は、上記多区画医薬品貯蔵領域の外径が、上記アクセス領域の外径よりも大きい第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
14.いくつかの実施形態は、上記アクセス領域の外径が、略円形構造である第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
15.いくつかの実施形態は、上記アクセス領域が、上記アクセス領域の外周を少なくとも部分的に囲む縁部構造を含み、上記縁部構造が、上記アクセス領域の上記外周に取り付けられている第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
16.いくつかの実施形態は、上記複数の導管が、各導管の第2端部であって、上記開口部に隣接して配置された拡大末端領域を含む第2端部を含む第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
17.いくつかの実施形態は、上記複数の導管のうちの少なくとも1つの上記第2端部と結合するように構成された少なくとも1つの導管シールと、上記導管シールのための少なくとも1つのカバーであって、上記導管シールの少なくとも一部分を露出するように配置された開口部を含む少なくとも1つのカバーと、上縁部領域、側縁部領域及び下縁部領域を含み、各上記領域が上記アクセス領域の外面と可逆的に結合するように構成された内面を含んでいるファスナと、をさらに含む第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
18.いくつかの実施形態は、上記複数の導管の各々の上記第2端部と結合するように構成された少なくとも1つの導管シールと、上記導管シールのための少なくとも1つの略平面円形状のカバーであって、上記導管シールの少なくとも一部分を露出するように設置された開口部を含み、上面及び下面を含んでいる少なくとも1つの略平面円形状のカバーと、上記カバーの上記上面と可逆的に結合するように構成された内面を含む上縁部領域、各々が上記アクセス領域の外面と可逆的に結合するように構成された内面を含む側縁部領域及び下縁部領域を含んでいるファスナと、をさらに含む第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
19.いくつかの実施形態は、上記少なくとも1つの略平面円形状のカバーの外縁部に取り付けられている連続したラチェット歯と、上記ファスナの上記内面に取り付けられており、上記連続したラチェット歯と可逆的に結合するように構成され、上記ファスナ及び上記少なくとも1つの略平面円形状のカバーが上記多区画医薬瓶に隣接した所定の位置にあるとき、上記連続したラチェット歯と嵌合して上記カバーの回転を規制するように配置された歯止めと、をさらに含む第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
20.いくつかの実施形態は、上記複数の導管の各々の上記第2端部と結合するように構成された少なくとも1つの導管シールと、上記少なくとも1つの導管シールのためのカバーであって、上面及び下面を含む複数の重なり合った平面構造体を含み、各上記平面構造体が遠位縁を含んでいるカバーと、上記カバーの上記上面と可逆的に結合するように構成された内面を含む上縁部領域、各々が上記アクセス領域の外面と可逆的に結合するように構成された内面を含む側縁部領域及び下縁部領域を含んでいるファスナと、をさらに含む第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
21.いくつかの実施形態は、上記複数の重なり合った平面構造体の各々の上記遠位縁に取り付けられている少なくとも1つのラチェット歯と、上記ファスナの上記内面に取り付けられた少なくとも1つの歯止めであって、上記複数の重なり合った平面構造体の各々において、上記少なくとも1つのラチェット歯の各々と可逆的に結合するように構成されており、上記ファスナ及び上記カバーが上記多区画医薬瓶に隣接した所定の位置にあるとき、上記少なくとも1つのラチェット歯の各々と嵌合して上記カバーの回転を規制するように配置されている少なくとも1つの歯止めと、をさらに含む第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
22.いくつかの実施形態は、上記複数の導管の各々の上記第2端部と結合するように構成された少なくとも1つの導管シールであって、上記導管の端部に対向する上記導管シールの表面位置において偏光材料によって製造されている少なくとも1つの導管シールをさらに含む第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
23.いくつかの実施形態は、上記複数の導管の各々の上記第2端部と結合するように構成された少なくとも1つの導管シールであって、上記導管の端部に対向する上記導管シールの表面位置において、損傷を視覚的に示すように構成された材料を含んで製造された導管シールをさらに含む第1項に記載の多区画医薬瓶。
24.いくつかの実施形態は、上記複数の導管の各々の上記第2端部と結合するように構成された少なくとも1つの導管シールと、取り外し可能なアクセス蓋であって、上記少なくとも1つの導管シールのうちの1つの上に配置された第1領域と、上記取り外し可能なアクセス蓋の取り外しを助長するように構成された第2領域と、を含む取り外し可能なアクセス蓋と、をさらに含む第1項に記載の多区画医薬瓶を含む。
25.いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は:底壁、少なくとも1つの外壁及び少なくとも1つの内壁を含む多区画医薬品貯蔵領域であって、上記壁が少なくとも2つの医薬品貯蔵区画を形成しており、上記少なくとも2つの医薬品貯蔵区画の各々が上記底壁よりも遠位の位置に開口部を含んでいる多区画医薬品貯蔵領域と、上記医薬品貯蔵領域に取り付けられているアクセス領域であって、第1端部及び第2端部を有する複数の導管を含み、各導管の上記第1端部が医薬品貯蔵区画内の1つの開口部に接続されており、各導管の上記第2端部が上記底壁に対向して配置された開口部を形成し、外面を含んでいるアクセス領域と、各々が上記複数の導管のうちの1つ上記第2端部の少なくとも1つと可逆的に結合している少なくとも1つの導管シールと、上記アクセス領域の外面及び上記少なくとも1つの導管シールの表面と可逆的に結合している表面を有するカバーと、を含む。
26.いくつかの実施形態は、上記多区画医薬品貯蔵領域及び上記アクセス領域が、互いに一体的に封止されている第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
27.いくつかの実施形態は、上記多区画医薬品貯蔵領域が、第1長方形として配置された4つの外壁を含み、上記少なくとも1つの内壁が、上記第1長方形を、2つの第2長方形に分割するように配置された中央壁と、各上記第2長方形を、2つの第3長方形に分割するように配置された少なくとも1つのスペーサ壁と、を含む第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
28.いくつかの実施形態は、上記少なくとも2つの医薬品貯蔵区画の各々が、略同等の内部容量を含む第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
29.いくつかの実施形態は、上記少なくとも2つの医薬品貯蔵区画が、線形対に配列された偶数個の医薬品貯蔵区画を含む第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
30.いくつかの実施形態は、上記少なくとも2つの医薬品貯蔵区画の各々が、少なくとも1つの外壁に隣接するように配置されている第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
31.いくつかの実施形態は、第1内部容量の少なくとも1つの第1医薬品貯蔵区画と、第2内部容量の少なくとも1つの第2医薬品貯蔵区画と、を含んでおり、上記第1内部容量及び上記第2内部容量が同等ではない第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
32.いくつかの実施形態は、上記少なくとも2つの医薬品貯蔵区画の各々が、約1ミリリットル未満の医薬品貯蔵容量を含む第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
33.いくつかの実施形態は、上記少なくとも2つの医薬品貯蔵区画の各々が、約0.5ミリリットル未満の医薬品貯蔵容量を含む第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
34.いくつかの実施形態は、上記多区画医薬品貯蔵領域が、正多角形として配置された偶数個の外壁と、略同等のサイズの上記複数の医薬品貯蔵区画を形成するように、上記正多角形の内部を両断するように各々が設置された偶数個の内壁と、を含む第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
35.いくつかの実施形態は、上記多区画医薬品貯蔵領域が、複数の医薬品貯蔵区画を含み、各医薬品貯蔵区画が、上記多区画医薬品貯蔵領域内で略円筒形状の内面を有して形成されている第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
36.いくつかの実施形態は、上記多区画医薬品貯蔵領域の外径が、上記アクセス領域の外径よりも大きい第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
37.いくつかの実施形態は、上記アクセス領域の外径が、略円形である第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
38.いくつかの実施形態は、上記アクセス領域が、上記アクセス領域の外周を少なくとも部分的に囲むフランジを含む第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
39.いくつかの実施形態は、上記アクセス領域が、各上記導管の第2端部であって、上記開口部に隣接して配置された拡大末端領域を含む第2端部を含む第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
40.いくつかの実施形態は、上記導管シールが、上記導管の上記第2端部に隣接する上記導管シールの表面位置において偏光材料を含む第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
41.いくつかの実施形態は、上記導管シールが、当該導管シールに対する物理的損傷を視覚的に示すように構成された材料を含む第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
42.いくつかの実施形態は、上記カバーが、当該カバーに対する損傷を視覚的に示すように構成された材料を含む第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
43.いくつかの実施形態は、取り外し可能なアクセス蓋であって、上記少なくとも1つの導管シールのうちの1つの上に配置された第1領域と、上記取り外し可能なアクセス蓋の取り外しを助長するように構成された第2領域と、を含む取り外し可能なアクセス蓋をさらに含む第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
44.いくつかの実施形態は、上記カバーの上記上面と可逆的に結合するように構成された内面を含む上縁部領域と、各々が上記アクセス領域の外面と可逆的に結合するように構成された内面を含む側縁部領域及び下縁部領域と、を含んでいるファスナをさらに含む第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
45.いくつかの実施形態は、上記カバーの外縁に取り付けられた連続したラチェット歯と、上記ファスナの上記内面に取り付けられた少なくとも1つの歯止めであって、上記連続したラチェット歯と可逆的に結合するように構成されており、上記ファスナ及び上記カバーが上記多区画医薬瓶に隣接した所定の位置にあるとき、上記連続したラチェット歯と嵌合して上記カバーの回転を規制するように配置されている少なくとも1つの歯止めと、をさらに含む第25項に記載の多区画医薬瓶を含む。
いくつかの実施形態では、多区画医薬瓶は:底壁、少なくとも1つの外壁及び少なくとも1つの内壁を含む多区画医薬品貯蔵領域であって、上記壁が偶数個の医薬品貯蔵区画を形成しており、上記医薬品貯蔵区画の各々が上記底壁よりも遠位の位置に単一の開口部を含み、上記医薬品貯蔵区画の各々が上記少なくとも1つの外壁に隣接して配置されている多区画医薬品貯蔵領域と、外面を含み、上記医薬品貯蔵領域に取り付けられているアクセス領域であって、第1端部及び第2端部を有する複数の導管を含み、各導管の上記第1端部が医薬品貯蔵区画内の上記単一の開口部に接続されており、各導管の上記第2端部が上記底壁に対向して配置された開口部を形成しているアクセス領域と、各々が上記複数の導管のうちの1つ上記第2端部の少なくとも1つと可逆的に結合している少なくとも1つの導管シールと、上記アクセス領域の外面及び上記少なくとも1つの導管シールの表面と可逆的に結合している表面を有するカバーと、を含む。
47.いくつかの実施形態は、上記多区画医薬品貯蔵領域及び上記アクセス領域が、互いに一体的に封止されている第46項に記載の多区画医薬瓶を含む。
48.いくつかの実施形態は、上記多区画医薬品貯蔵領域が、第1長方形として配置された4つの外壁を含み、上記少なくとも1つの内壁が、上記第1長方形を、2つの第2長方形に分割するように配置された中央壁と、各上記第2長方形を、2つの第3長方形に分割するように配置された少なくとも1つのスペーサ壁と、を含む第46項に記載の多区画医薬瓶を含む。
49.いくつかの実施形態は、上記偶数個の医薬品貯蔵区画の各々が、略同等の内部容量を含むことを特徴とする第46項に記載の多区画医薬瓶を含む。
50.いくつかの実施形態は、上記偶数個の医薬品貯蔵区画が、対の線形に配列されている第46項に記載の多区画医薬瓶を含む。
51.いくつかの実施形態は、上記偶数個の医薬品貯蔵区画が、第1内部容量の少なくとも1つの第1医薬品貯蔵区画と、第2内部容量の少なくとも1つの第2医薬品貯蔵区画と、を含み、上記第1内部容量及び上記第2内部容量が同等ではない第46項に記載の多区画医薬瓶を含む。
52.いくつかの実施形態は、上記偶数個の医薬品貯蔵区画の各々が、約1ミリリットル未満の医薬品貯蔵容量を含む第46項に記載の多区画医薬瓶を含む。
53.いくつかの実施形態は、上記偶数個の医薬品貯蔵区画の各々が、約0.5ミリリットル未満の医薬品貯蔵容量を含む第46項に記載の多区画医薬瓶を含む。
54.いくつかの実施形態は、上記多区画医薬品貯蔵領域が、正多角形として配置された偶数個の外壁と、上記偶数個の医薬品貯蔵区画を形成するように、上記正多角形の内部を両断するように各々が設置された偶数個の内壁と、を含む第46項に記載の多区画医薬瓶を含む。
55.いくつかの実施形態は、上記偶数個の多区画医薬品貯蔵区画が、上記多区画医薬品貯蔵領域内で上記偶数個の多区画医薬品貯蔵区画の各々の略円筒形状の内面を含む第46項に記載の多区画医薬瓶を含む。
56.いくつかの実施形態は、上記多区画医薬品貯蔵領域の外径が、上記アクセス領域の外径よりも大きい第46項に記載の多区画医薬瓶を含む。
57.いくつかの実施形態は、上記アクセス領域の外径が、略円形である第46項に記載の多区画医薬瓶を含む。
58.いくつかの実施形態は、上記アクセス領域が、上記アクセス領域の外周を少なくとも部分的に囲む縁部構造を含み、上記縁部構造が、上記アクセス領域の上記外周に取り付けられている第46項に記載の多区画医薬瓶を含む。
59.いくつかの実施形態は、上記アクセス領域が、各上記導管の第2端部であって、上記開口部に隣接して配置された拡大末端領域を含む第2端部を含む第46項に記載の多区画医薬瓶を含む。
60.いくつかの実施形態は、上記複数の導管の各々が、略円筒形状を有している第46項に記載の多区画医薬瓶を含む。
61.いくつかの実施形態は、上記少なくとも1つの導管シールが、上記導管の上記第2端部に隣接する上記導管シールの表面位置において偏光材料を含む第46項に記載の多区画医薬瓶を含む。
62.いくつかの実施形態は、上記少なくとも1つの導管シールが、当該導管シールに対する物理的損傷を視覚的に示すように構成された材料を含む第46項に記載の多区画医薬瓶を含む。
63.いくつかの実施形態は、上記カバーが、当該カバーに対する物理的損傷を視覚的に示すように構成された材料を含む第46項に記載の多区画医薬瓶を含む。
64.いくつかの実施形態は、取り外し可能なアクセス蓋であって、上記少なくとも1つの導管シールのうちの1つの上に配置された第1領域と、上記取り外し可能なアクセス蓋の取り外しを助長するように構成された第2領域と、を含む取り外し可能なアクセス蓋をさらに含む第46項に記載の多区画医薬瓶を含む。
65.いくつかの実施形態は、上記カバーの上記上面と可逆的に結合するように構成された内面を含む上縁部領域と、各々が上記アクセス領域の外面と可逆的に結合するように構成された内面を含む側縁部領域及び下縁部領域と、を含んでいるファスナをさらに含む第46項に記載の多区画医薬瓶。
66.いくつかの実施形態は、上記カバーの外縁に取り付けられた連続したラチェット歯と、上記ファスナの上記内面に取り付けられた少なくとも1つの歯止めであって、上記連続したラチェット歯と可逆的に結合するように構成されており、上記ファスナ及び上記カバーが上記多区画医薬瓶に隣接した所定の位置にあるとき、上記連続したラチェット歯と嵌合して上記カバーの回転を規制するように配置されている少なくとも1つの歯止めと、をさらに含む第46項に記載の多区画医薬瓶を含む。
様々な態様及び実施形態を以上に示したが、当業者には、他の態様及び実施形態も明らかであろう。以上で示した様々な態様及び実施形態は、例示を目的とするものであって、限定することを意図したものではなく、本当の範囲及び精神は、後述の請求項によって示されている。
多区画医薬瓶の一実施形態の模式図である。
多区画医薬瓶の一実施形態の構成要素の模式図である。
多区画医薬瓶の一実施形態の構成要素の模式図である。
多区画医薬瓶の一実施形態の一部分の模式図である。
多区画医薬瓶の一実施形態の一部分の断面図である。
多区画医薬瓶の一実施形態の一部分の断面図である。
多区画医薬瓶の一実施形態の模式図である。
多区画医薬瓶の一実施形態の模式図である。
多区画医薬瓶の一実施形態の模式図である。
多区画医薬瓶の一実施形態の一部分の断面図である。