JP6817849B2 - 医療用容器 - Google Patents

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Description

本発明は、ポートとポートに剥離可能に固着されたシートを備え、内部に医療用液体が収納された医療用容器に関する。
薬液容器や輸液容器等の医療用容器は、収納している液体の排出、容器内への薬剤の混注などのためにポートを備えている。ポートには、弾性材料(ゴム材、エラストマー材)からなり、医療用具(例えば、輸液セットの接続針、注射針)の穿刺が可能な栓体が収納されている。また、ポートには、内側に栓体を保持するキャップを備えるものが一般的である。さらに、ポートには、栓体の上面を覆うように保護シートが剥離可能に固着されているものがある。この保護シートは、栓体の使用前の汚染防止、使用済みかどうかの確認指標として機能する。このような剥離可能なシートを備えるものとしては、特許第5122878号公報(特許文献1)、実公平3−24186号公報(特許文献2)が例示される。
特許第5122878号公報 実公平3−24186号公報
最近、複数の病院で発生した輸液剤への異物混入による被害が報道等で報告されている。これは、保護シート上から針で穿刺し、医療用容器内に異物を混入した犯行とされている。輸液剤の保護シートが剥離されていない状態では、未使用であると医療従事者は考える。このため、投与時に、保護シートへの針刺しの有無の確認、保護シート剥離後の栓体への針刺しの有無の確認は、行われていない。また、上記の保護シートへの針刺しの有無の確認自体も容易ではない。投与時に、医療従事者が、混注の事実に気付くことは困難である。
本願発明の目的は、ポートに固着されている保護シートへの穿刺痕の確認が容易であり、混注された可能性があることを容易に認識することができる医療用容器を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 容器本体と、前記容器本体内に収容された医療用液体と、前記容器本体に設けられ、医療用具が接続可能なポートとを有する医療用容器であって、
前記ポートは、医療用具接続可能部を備え、前記医療用容器は、前記ポートに剥離可能に固着され、かつ、前記医療用具接続可能部を被包する保護シートを備え、
前記保護シートは、穿刺部材による穿刺が可能であり、感圧変性シートと、前記感圧変性シートの下面に設けられた接着層と、前記感圧変性シートの上面に設けられ、前記感圧変性シートを視認可能な透明の保護層を備え、前記保護シートは、前記接着層により前記ポートに剥離可能に固着されており、前記感圧変性シートは、前記穿刺部材の穿刺により形成される穿刺痕の付近が変性するものであり、
前記医療用具接続可能部の上面と前記保護シート間には、空隙が形成されており、前記保護シートは、前記感圧変性シートの前記穿刺痕の付近の変性および穿刺痕を前記保護シートの外面側より視認可能である医療用容器。
(2) 前記感圧変性シートは、圧力負荷により、変色もしくは色調が変化する感圧変性シートである上記(1)に記載の医療用容器。
(3) 前記保護シートは、全体に前記感圧変性シートを備える上記(1)または(2)に記載の医療用容器。
(4) 前記保護シートは、前記医療用具接続可能部の上面と対向する部分のみにおいて前記感圧変性シートを備え、前記感圧変性シートが存在しない部分にて、前記ポートに固着されている上記(1)または(2)に記載の医療用容器。
(5) 前記ポートは、医療用液体排出ポートである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の医療用容器。
(6) 前記ポートは、混注用ポートである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の医療用容器。
本発明の医療用容器は、容器本体と、容器本体内に収容された医療用液体と、容器本体に設けられ、医療用具が接続可能なポートとを有する。ポートは、医療用具接続可能部を備える。医療用容器は、ポートに剥離可能に固着され、かつ、医療用具接続可能部を被包する保護シートを備える。保護シートは、感圧変性シートを備え、感圧変性シートは、穿刺部材により形成される穿刺痕もしくは穿刺痕付近が変性し、視認可能なものとなっている。
このため、保護シートへの穿刺痕を確認することにより、混注された可能性があることを容易に認識することができ、そのような可能性ある医療用容器の使用を回避することができる。
図1は、本発明の医療用容器の一実施例の斜視図である。 図2は、図1に示した医療用容器の正面図である。 図3は、図2に示した医療用容器の側面図である。 図4は、図2に示した医療用容器の平面図である 図5は、図2に示した医療用容器の底面図である 図6は、本発明の医療用容器に使用されるポートの一例の拡大断面図である。 図7は、図6のポートの保護シート部分の拡大断面図である。 図8は、本発明の医療用容器の他の実施例のポートの保護シート部分の拡大断面図である。 図9は、本発明の医療用容器の作用を説明するための説明図である。 図10は、本発明の医療用容器の作用を説明するための説明図である。 図11は、本発明の医療用容器の作用を説明するための説明図である。 図12は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。
本発明の医療用容器を図面に示す実施例を用いて説明する。
本発明の医療用容器1は、容器本体2と、容器本体2内に収容された医療用液体15と、容器本体2に設けられ、医療用具が接続可能なポート3とを有する。ポート3は、医療用具接続可能部8を備え、医療用容器1は、ポート3に剥離可能に固着され、かつ、医療用具接続可能部8を被包する保護シート5を備える。保護シート5は、感圧変性シート51を備える。感圧変性シート51は、穿刺部材により形成される穿刺痕12もしくは穿刺痕12付近が変性し、視認可能なものとなっている。
図1ないし図3に示す実施例の医療用容器1は、容器本体2と、容器本体2内と連通するもしくは連通可能であり、かつ医療用具である穿刺部材の穿刺が可能なポート3とを備える。そして、ポート3には、保護シート5が剥離可能に固着されている。
この実施例の医療用容器1では、図6に示すように、ポート3は、容器本体に形成された管状開口部22と、管状開口部22に固着された封止部材7とを備える。管状開口部22は、側面より外方に突出するフランジ61を備える。管状開口部22は、ほぼ同一内径にて所定長延びる筒状部である。
この実施例の医療用容器1は、容器本体2と管状開口部22を一体に有する容器本体2を備え、ポート3は、穿刺部材の穿刺が可能な排出ポート部3であり、さらに、医療用容器1は、容器本体2内に充填された医療用液体15である薬剤を備えている。
容器本体2は、図1ないし図4、図6および図7に示すように、上端に開口を有するほぼ円筒状の管状開口部22と、管状開口部22と連続し、かつ下方に延びる扁平筒状上部23と、扁平筒状上部23と連続し、かつ下方に延びる扁平筒状胴部21と、筒状胴部21と連続し、かつ下方に延びる扁平筒状下部24とを備える。
管状開口部22は、ほぼ同一内径にて所定長延びる筒状部である。この実施例では、管状開口部22は、上述の封止部材7と共同して、ポート部3を構成する。
管状開口部22は、側面部より外方に突出するフランジ61を備える。さらに、管状開口部22は、フランジ61より上方に突出する円筒部63を備える。さらに、円筒部63は、短い筒状の小径先端部を備えている。また、この実施例では、フランジ61より、下方(扁平筒状上部22側)に設けられた補強用環状リブ62を備えている。
また、容器本体2は、閉塞した下面部25を有しており、この下面部25には、下方に突出する突出部26が形成されている。突出部26は、吊下用部材4の装着保持部として機能する。この実施例の吊下用部材4は、突出部26が貫通する貫通孔を有する板状のベース部41と、ベース部41から延びる2つの折り曲げ可能部43と、2つの折り曲げ可能部43の端部にそれぞれの端部が連結したU字状の懸架部42を備えている。吊下用部材4は、折り曲げ可能部43で屈曲させることにより、懸架部42を起立可能であり、かつ、起立した懸架部42内に容器本体を吊り下げるための吊下部44が形成されるものとなっている。
容器本体2は、熱可塑性樹脂により形成されている。容器本体2の形成材料である熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、 ポリフッ化ビニリデンなど等が挙げられる。この中でも、耐熱性に優れたポリプロピレン系樹脂が最も好ましい。
容器本体2の内容積としては、50〜1600mlが好ましく、突出部26の直径は2〜5mm程度が好ましい。また、容器本体2の厚さは、0.1〜0.5mmが好ましく、容器本体2の幅は、60〜150mm、容器本体2の長さは110〜250mmであることが好ましい。
次に、ポート3について、説明する。
この実施例の医療用容器1では、ポート3は、排出ポートである。
ポート3は、上述した容器本体2の管状開口部22と、これに固着された封止部材7により構成されている。
封止部材7は、管状開口部22のフランジ61に固着されたキャップ(環状キャップ)9と、キャップ(環状キャップ)9に装着され、かつ医療用具である穿刺部材)の穿刺が可能な医療用具接続可能部(弾性シール部材)8とからなる。
キャップ(環状キャップ)9は、弾性シール部材装着部を有する筒状本体部71と、筒状本体部71の下端側部より外方に突出する突出部(環状突出部)74とを備える。ポート3は、キャップ(環状キャップ)9の突出部(環状突出部)74の下面が、フランジ61と向かい、かつ、両者が固着されている。
キャップ(環状キャップ)9は、図6に示すように、開口部を備え、弾性シール部材8の上面が、開口部にて、露出する状態にて弾性シール部材8を収納している。
キャップ(環状キャップ)9は、筒状本体部71と同心的に配置され、かつ上部にて連結部72により連結された内筒部76を備える。連結部72の上面には、保護シート固着用の突起部75が形成されている。この実施例では、突起部75は、環状に形成されている。
キャップ(環状キャップ)は、熱可塑性樹脂により形成されている。キャップ(環状キャップ)の形成材料である熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、 ポリフッ化ビニリデンなど等が挙げられる。また、キャップ(環状キャップ)は、管状開口部22の形成材料(この実施例では、容器本体2)と相溶性の高いもの、特に好ましくは、同じもしくは同系統の樹脂を用いることが好ましい。さらには、キャップ(環状キャップ)の形成材料は、管状開口部22の形成材料(この実施例では、容器本体2の形成材料)より、融点の低いものが好ましい。
弾性シール部材8は、図6に示すように、略円柱状のシール部材本体81と、シール部材本体81の側面を被包するように設けられた側部(環状側部)82と、シール部材本体81および側部(環状側部)82の中央部を連結する連結部(環状連結部)とを備えている。このため、弾性シール部材8は、図6に示すように、連結部(環状連結部)の上面、側部(環状側部)の上部とシール部材本体81の上部により形成された凹部(環状凹部)を備えている。また、弾性シール部材8は、連結部(環状連結部)の下面、側部(環状側部)の下部とシール部材本体81の下部により形成された凹部(環状凹部)を備えている。
そして、この弾性シール部材8では、略円柱状のシール部材本体81の上部、外径は、キャップ(環状キャップ)9の開口部の口径(内筒部76の内径)とほぼ同じものとなっている。そして、シール部材本体81の上部は、図6に示すように、キャップ9の開口部内に進入している。また、この実施例の弾性シール部材8では、図6に示すように、側部(環状側部)82の上部(環状上部)は、キャップ9の凹部(環状凹部)内に収納されている。
さらに、弾性シール部材8の側部(環状側部)の下部(環状下部)は、図6に示すように、キャップ(環状キャップ)9の筒状本体部71と容器本体2の円筒部63の小径先端部間に収納されている。図6に示すように、キャップ(環状キャップ)9の内筒部76の下端と容器本体2の円筒部63の小径先端部の上端は向かい合っており、弾性シール部材8の連結部(環状連結部)は、キャップ(環状キャップ)9の内筒部76と容器本体2の円筒部63の小径先端部により挟圧されている。これにより、管状開口部22と封止部材7間は、液密となっている。
弾性シール部材8は、医療用具、例えば、穿刺部材10(具体的には、薬液排出用針管)の穿刺が可能なものが用いられており、特に、穿刺部材の抜去後に刺通部がシールされるものであることが好ましい。弾性シール部材8は、弾性材料により形成されている。弾性シール部材8の形成材料としては、シリコーンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、天然ゴム等の各種ゴム類、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリブタジエン、軟質塩化ビニル等の各種樹脂が用いられる。
そして、本発明の医療用容器1は、ポート3に剥離可能に固着され、かつ、医療用具接続可能部8を被包する保護シート5を備える。
医療用容器1の使用前状態において、ポート3のキャップ9の開口部上面には、保護シート5が、剥離可能に固着されている。保護シート5は、ポート3の弾性シール部材8の上面(キャップ6の開口部より露出する部分)を被包している。保護シート5により、弾性シール部材8の上面(医療用具接続部の表面)が覆われており、弾性シール部材8の汚染が防止されている。また、保護シート5の有無により、使用済みかどうかを見分けることができる。シート5は、キャップ9に環状の固着部11により、固着されており、かつ、剥離可能なものとなっている。固着部11は、例えば、ヒートシールにより形成される。また、この実施例の医療用容器1では、弾性シール部材8の上面と保護シート5間には、空隙14が形成されている。このため、保護シート5は、弾性シール部材8の上面と当接するまで変形可能である。
保護シート5は、感圧変性シート51を備える。感圧変性シート51は、穿刺部材により形成される穿刺痕12もしくは穿刺痕12付近が変性し、視認可能となっている。感圧変性シートとは、所定値以上の圧力を受けることにより、その圧力を受けた部分の状態が変性、言い換えれば、変化し、当該部位が視認可能なシートである。
なお、感圧変性シートとしては、感圧変色シートが好適である、感圧変色シートとしては、例えば、紙又は樹脂フィルムの一面に、発色性色素を内有するマイクロカプセルと顕色剤を塗布して、所定値以上の圧力を受けると、マイクロカプセルが破れて発色性色素と顕色剤が混合して発色するように構成されたものが一般的である。
感圧変色シートとしては、シートの原色と、変色した色が識別できれば、どのような組み合わせであってもよい。例えば、原色が、白色系または青色系であり、変色が、赤色系または黒色系とすることが考えられる。
なお、感圧変性シートとしては、色が変わるものに限定されるものではなく、色調が変化するものであってもよい。原シートの色調と変性部の色調としては、濃淡の違いが明確である組み合わせが良好であり、例えば、原シートの色調が、淡色の赤色系、青色系または灰色系であり、変性部の色調が、濃色の赤色系、青色系または灰色系とすることが考えられる。
また、感圧変性シートとしては、色もしくは色調変化でははく、表面性状が変化するものであってもよい。このようなタイプの感圧変性シートとしては、1枚の紙又は樹脂フィルムの一面に、痕跡形成用インキを付したものを使用できる。痕跡形成用インキとしては、マットインキ、発泡インキなどが使用される。マットインキを使用した場合には、インキ塗布面が艶消しされた除膜表面となる。この除膜表面は、光線を拡散反射する微小な皺や凹凸が形成されており、この微小な皺や凹凸面のあるインキ塗布面が、穿刺部材の押圧により皺や凹凸が変形され、他の部分と異なる拡散反射状態となって痕跡を形成する。また、発泡インキは、インキ中に発泡剤を含有させたものであって、インキ塗布面に発泡層が形成され、この発泡層の形成されたインキ塗布面が穿刺部材による押圧により圧縮変形されて痕跡が形成される。
感圧変色シートとしては、例えば、ホリエチレンテレフタレートフィルムの基材層の上面に、顕色剤塗布層、例えば、酸性白土(モンモリナイト)硫酸処理物をカセイソーダを含む水に分散した液を基材層に塗布し乾燥させ、さらに、顕色剤塗布層の上に、発色剤塗布層、例えば、1−フェニル−1−キシリルエタン等の発色剤をオイルに溶解しマイクロカプセル化したものを塗布したものが例示される。そして、圧力によりマイクロカプセルが破壊されると、中の発色剤が顕色剤にオイルと共に吸収され発色する。この例では赤色に発色する。
この実施例の医療用容器1では、保護シート5は、図7に示すように、感圧変性シート51と、感圧変性シート51の下面に設けられた接着層52を備えている。さらに、この実施例のものでは、感圧変性シート51の上面に設けられた保護層53を備えている。保護層53は、感圧変性シート51を視認可能な透明のものとなっている。なお、保護シートとしては、このような3層構造のものに限定されるものではなく、保護層を持たない2層のものであってもよい。
保護シート5は、穿刺部材(例えば、注射針)により穿刺されることにより、刺通し、貫通孔が、形成される。そして、穿刺部材抜去後、貫通孔は、穿刺痕12となる。保護シートは、自己修復性を持たないので、穿刺痕は、残存する。そして、穿刺痕12部分において、保護シート5は、穿刺部材によりある程度の力で押圧されるとともに、穿刺部材の側面の通過による押圧も受ける。
穿刺部材による上記の押圧により、感圧変性シート51は、穿刺部材により形成される穿刺痕12もしくは穿刺痕12付近が変性し、視認可能となる。変性により、穿刺痕12の存在を容易に認識できる。言い換えれば、穿刺痕と穿刺痕の周縁部との違いが明確なものとなるため、穿刺痕12自体を容易に認識できる。これにより、医療用容器に対して、意図しない混注が行われた可能性があることを認識でき、そのような可能性のある医療用容器の使用を回避できる。
保護シート5の構成材料、具体的には、接着層52,保護層53、感圧変性シート51の基材フィルムの構成材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂が挙げられる。接着層の構成材料は、他の層の形成材料よりも融点の低い材料が用いられる。保護層53,接着層52は、透明であることが好ましい。
そして、この実施例の保護シート5は、全体に感圧変性シート51を備えるものとなっており、保護シート5の封止部材7のキャップ9との環状の固着部11部分は、変性部となっている。
さらに、保護シートとしては、図8に示すポート3aが備えるような保護シート5aであってもよい。この保護シート5aは、感圧変性シート51は、封止部材7の弾性シール部材8の上面部分のみの上部に位置するものとなっている。このため、保護シート5aでは、周縁部には、感圧変性シート51が存在しないものとなっている。このため、この実施例の保護シート5aは、感圧変性シート51が存在しない部分にて、封止部材7のキャップ9と固定されており、環状の固着部11部分は、変性部とはならないものとなっている。また、この実施例の保護シート5aは、感圧変性シート51が存在しない部分は、保護層53と接着層52にて形成されている。
なお、上述した実施例では、ポートは、医療用液体排出ポートであるが、これに限定されるものではなく、ポートは、図12に示す医療用容器が備えるような混注用ポートであってもよい。さらに、本発明の医療用容器としては、図12に示すような軟質バッグタイプの医療用容器1aであってもよい。医療用容器1aは、内部に医療用液体31を収納している。
この実施例の医療用容器1aでは、排出ポート3は、軟質容器本体30に接続された管状部材37と封止部材35とにより構成され、封止部材35は、内部に弾性シール部材36を収納し、表面には、保護シート5が固着されている。保護シート5は、弾性シール部材36の上面を被包している。封止部材35としては、上述した封止部材7(キャップ9、弾性シール部材8)と同様のものが好適に使用できる。また、管状部材37としては、上述した管状開口部22と同様の形態のものが好適に使用される。
また、医療用容器1aが備える混注ポート40は、容器本体30に接続された管状部材47と封止部材45とにより構成され、封止部材45は、内部に弾性シール部材46を収納し、表面には、保護シート5が固着されている。保護シート5は、弾性シール部材46の上面を被包している。封止部材45としては、上述した封止部材7(キャップ9、弾性シール部材8)と同様のものが好適に使用できる。また、管状部材47としては、上述した管状開口部22と同様の形態のものが好適に使用される。
保護シート5としては、上述したすべての実施例の保護シート5,5aが使用できる。
この実施例の医療用容器1aでは、軟質容器本体30が用いられている。管状部材37,47は、軟質容器本体30と別部材により形成され、固着部により、軟質容器本体30に固定されている。この実施例の軟質容器本体30は、シート状筒状体により形成されている。軟質容器本体30は、上部シール部32、下部シール部33を備える。
本発明の医療用容器1,1aに収納される医療用液体15,31としては、公知のものが使用される。医療用液体としては、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、薬剤含有液体などの薬剤、注射用蒸留水などの薬剤溶解液が例示される。
1 医療用容器
2 容器本体
3 ポート
5 保護シート
51 感圧変性シート

Claims (6)

  1. 容器本体と、前記容器本体内に収容された医療用液体と、前記容器本体に設けられ、医療用具が接続可能なポートとを有する医療用容器であって、
    前記ポートは、医療用具接続可能部を備え、前記医療用容器は、前記ポートに剥離可能に固着され、かつ、前記医療用具接続可能部を被包する保護シートを備え、
    前記保護シートは、穿刺部材による穿刺が可能であり、感圧変性シートと、前記感圧変性シートの下面に設けられた接着層と、前記感圧変性シートの上面に設けられ、前記感圧変性シートを視認可能な透明の保護層を備え、前記保護シートは、前記接着層により前記ポートに剥離可能に固着されており、前記感圧変性シートは、前記穿刺部材の穿刺により形成される穿刺痕の付近が変性するものであり、
    前記医療用具接続可能部の上面と前記保護シート間には、空隙が形成されており、前記保護シートは、前記感圧変性シートの前記穿刺痕の付近の変性および穿刺痕を前記保護シートの外面側より視認可能であることを特徴とする医療用容器。
  2. 前記感圧変性シートは、圧力負荷により、変色もしくは色調が変化する感圧変性シートである請求項1に記載の医療用容器。
  3. 前記保護シートは、全体に前記感圧変性シートを備える請求項1または2に記載の医療用容器。
  4. 前記保護シートは、前記医療用具接続可能部の上面と対向する部分のみにおいて前記感圧変性シートを備え、前記感圧変性シートが存在しない部分にて、前記ポートに固着されている請求項1または2に記載の医療用容器。
  5. 前記ポートは、医療用液体排出ポートである請求項1ないし4のいずれかに記載の医療用容器。
  6. 前記ポートは、混注用ポートである請求項1ないし4のいずれかに記載の医療用容器。
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