JP6830297B2 - ケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、ケーブルに関する。さらに詳しくは、自動車等の電気ブレーキ用ケーブル等として用いられるケーブルに関する。
自動車等のブレーキは、近年、油圧式ブレーキに代わって、電気によりブレーキを制御する電気ブレーキ(電気式ブレーキ)及びそれを用いたシステムが適用されている。このシステムでは、ブレーキを作動等させるモーターに電力を供給し、作動信号等を伝達するため等の電気ブレーキ用ケーブルが必要となる。このような電気ブレーキ用ケーブルは、車体側及びキャリパー(ブレーキキャリパー)側に、それぞれ端子を介して接続される。
前記した電気ブレーキ用ケーブルは、例えば、電源線や、信号線とされる各種センサ用リード線として、複数の電源線や信号線が必要となる。また、電源線と信号線とが撚り合わされて多芯撚り線とされてコア部を形成し、かかるコア部の外周を熱可塑性樹脂等からなるシースで被覆した構造とされる。
一方、自動車には種々のケーブルが使用されているが、最近の自動車においては、前記したブレーキも含め電気化が進んでおり、各種インバータや多くの電子情報機器が搭載されている。よって、自動車内部にノイズ源が存在し、かかるノイズ源から発生した電磁波ノイズ等がケーブルを介して輻射(放射)され、各種の電子情報機器や制御装置に悪影響を与える場合があった。加えて、電磁波ノイズがケーブルを介して各種の電子情報機器や制御装置等に混入し、これらの機器に誤作動を生じさせたりする場合があり、問題となっていた。
以上のような問題から、ケーブルの電磁波ノイズ対策として、ケーブルがシールド性(電磁波シールド性)を備える必要があり、例えば、金属素線の編組等で構成された金属編組(編組シールド)等のシールド導体をコア部の外周に巻き付け、金属編組等の周囲を耐熱ビニルやウレタン等でシースして被覆する構成が一般的である(例えば、特許文献1等を参照。)。
特開2006−351322号公報
一般に、前記した構造のケーブルを、シールド導体をアース電位に接続することで、コア部の電源線等へ外部から電磁波ノイズが混入すること、及びケーブルからケーブル外部への電磁波ノイズの放射等が抑制ないし防止されることになる。しかしながら、金属編組等からなるシールド導体で電源線及び信号線からなるコア部の外周を覆ってケーブルを製造することは、作業等が煩雑であり、加えて、端末処理作業の際にシールド導体が邪魔になる等の問題があった。よって、金属編組等のシールド導体を必要としないケーブルの開発が望まれていた。
本発明は前記の課題に鑑みてなされたものであり、金属編組等のシールド導体が不要でありながら、電磁波シールド性が良好なケーブルを提供することにある。
前記の課題を解決するために、本発明に係るケーブルは、複数本の電源線と複数本の信号線を撚り合わせてなるコア部の外周に被覆層を設けたケーブルにおいて、前記被覆層が少なくとも2層からなり、前記被覆層の少なくとも1層が、熱可塑性樹脂に、カーボンブラック、カーボンナノチューブ及び金属ナノ粒子からなる群のうち少なくとも1種の導電性フィラーを混合した樹脂組成物からなる厚さが0.2〜0.5mmのシールド層であり、前記熱可塑性樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エステル共重合体からなる群のうち少なくとも1種であり、前記シールド層の体積固有抵抗が3×10 Ω・cm以上1×10 14 Ω・cm以下であることを特徴とする。
本発明に係るケーブルは、前記した本発明において、前記樹脂組成物における前記導電性フィラーの含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して10〜20質量部であることを特徴とする。
本発明に係るケーブルは、前記した本発明において、前記被覆層の最外層が前記シールド層ではなく、前記最外層がポリウレタン系樹脂からなることを特徴とする。
本発明に係るケーブルは、前記した本発明において、前記被覆層(前記シールド層を除く。)は難燃架橋された樹脂材料であることを特徴とする。
本発明に係るケーブルは、前記した本発明において、前記被覆層は金属水和物を含むことを特徴とする。
本発明に係るケーブルは、前記した本発明において、電磁波ノイズの周波数を20MHzとした場合のシールド効果(dB)が42〜45dBであることを特徴とする。
本発明に係るケーブルは、電源線と信号線からなるコア部の外周に、熱可塑性樹脂に導電性フィラーを混合した樹脂組成物からなるシールド層を含む被覆層を形成しており、金属編組等のシールド導体を必要としない構成としている。よって、シールド層が外部からのノイズ等を遮蔽(シールド)し、シールド導体が不要でありながら、電磁波シールド性が良好なケーブルとなる。加えて、ケーブルの製造時や端末処理作業時の問題も解消する。
本発明に係るケーブルの構造の一例を示した断面図である。
(1)ケーブル1の構造:
以下、本発明の一態様を説明する。図1は、本発明に係るケーブル1の構造の一例を示した断面図である。図1中、1はケーブル、2は電源線、3は信号線、21,31は導体、22,32は絶縁層、4はコア部、5は被覆層、51はシールド層、52は最外層、をそれぞれ示す。
図1に一態様を示す本発明に係るケーブル1は、電源線2と信号線3を撚り合わせた多心撚り線からなるコア部4の外周に被覆層5を設け、かかる被覆層5が少なくとも2層(複数層)からなり、被覆層5の少なくとも1層が、熱可塑性樹脂に導電性フィラーを混合した樹脂組成物からなるシールド層51を設けていることを基本構成として含む。一方、本発明に係るケーブル1は、金属編組等のシールド導体を構成として含まない。
(2)電源線2及び信号線3(コア部4):
電源線2は、電気ブレーキを作動させる図示しないモーターに電力を供給する等の目的で設けられる。また、信号線3は、作動信号を伝達、通信する等の目的で設けられ、信号線3は、各種センサ用リード線等として使用される。
なお、自動車等に搭載されるセンサとして知られるABS(Antilock Brake System)センサは、自動車等の車輪の回転速度を計測し、センサ部は車輪の近傍に設けられるのが一般的である。また、自動車の車輪の近傍に設けられるかかるセンサ部と、車体側に設けられる制御装置とは、ABSセンサ用ケーブルにより接続される。本発明にあっては、信号線3の一部または全部を、ABSセンサ用ケーブルとして使用するようにしてもよい。
電源線2は、絶縁層22を有する導体21を複数本備えてなり、図1の構成にあっては、2本の電源線2が存在する構成を示している。導体21は、例えば、軟銅や銅入り合金(銅合金)、錫入り合金(錫合金)、アルミ等の単線や撚線等を用いることができ、裸線のほかに、錫メッキ等によりメッキされたものを用いてもよい。また、絶縁層22を構成する材料は、例えば、難燃架橋ポリエチレン(難燃XLPE)、架橋ポリエチレン(XLPE)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリプロピレン(PP)、その他、熱可塑性エラストマー(TPE)等とすることができる。
信号線3は、絶縁層32を有する導体31を複数本備えてなり、図1の構成にあっては、2本の信号線3が存在する構成を示している。導体31は、例えば、軟銅や銅入り合金(銅合金)、錫入り合金(錫合金)、アルミ等の単線や撚線等を用いることができ、裸線のほかに、錫メッキ等によりメッキされたものを用いてもよい。また、絶縁層32を構成する材料は、例えば、難燃架橋ポリエチレン(難燃XLPE)、架橋ポリエチレン(XLPE)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、その他、熱可塑性エラストマー等とすることができる。
電源線2や信号線3における導体21,31のサイズや構成は、特に制限はなく、単線、撚線等を問わず、電源線2や信号線3に適する構成を適宜選択して用いることができる。また、電源線2や信号線3における絶縁層22,32の厚さは、特に制限はなく、所望の厚さとして形成することができるが、0.2〜0.4mmとすることが好ましい。電源線2や信号線3の外径は、1.2〜3.2mmとすることが好ましい。
電源線2や信号線3は、例えば、汎用の押出成形機を用いて、押出成形により、導体21,31の外周に絶縁層22,32を構成する材料を押出被覆することにより簡便に製造することができる。
本発明に係るケーブル1にあっては、前記した電源線2及び信号線3を撚り合わせて多芯撚り線とし、電源線2と信号線3を一体化したコア部4を形成する。そして、かかるコア部4の外周に被覆層5を形成する。電源線2と信号線3を撚り合わせるための撚りピッチ長は、特に制限なく、電源線2と信号線3が一体化可能な範囲で適宜撚りピッチ長を選択すればよいが、例えば、20〜40mmの範囲内としてもよい。なお、電源線2同士、信号線3同士をあらかじめ撚り合わせるようにしてもよい。
(3)被覆層5:
コア部4の外周に形成される被覆層5は、本発明にあっては、少なくとも2層からなり、そのうちの少なくとも1層が、熱可塑性樹脂に導電性フィラーを混合した樹脂組成物から構成されるシールド層51となる。図1にあっては、コア部4の外周にシールド層51が形成され、かかるシールド層51の外周にシールド層51以外の層からなる最外層52(最外層52の内側にシールド層51が存在する。)が形成されている態様を示している。
シールド層51は、熱可塑性樹脂に導電性フィラーを混合した樹脂組成物からなる。本発明にあっては、かかる樹脂組成物からなるシールド層51を用いて、ケーブル1にシールド効果を備えるようにしている一方、金属編組等のシールド導体を用いていない。ここで、本発明における「シールド層51」とは、例えば、「熱可塑性樹脂に導電性フィラーを混合した樹脂組成物からなり、コア部4を被覆するための被覆層5を構成し、外部からのノイズ等を遮蔽(シールド)することができるシールド効果を備えた層のことをいい、概ね、体積固有抵抗が1×1014Ω・cm以下(好ましくは5×1013Ω・cm以下。)である層」と解釈される。なお、シールド層51(を構成する樹脂組成物)の体積固有抵抗(体積抵抗率)は、例えば、JIS C 2139(固体電気絶縁材料−体積抵抗率及び表面抵抗率の測定方法)に従って測定すればよい。
シールド層51を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、耐熱性、耐候性、耐油性等が良好なものが好ましく、自動車等に用いられるケーブルとして一般的に使用されているケーブルの被覆材料を用いることができ、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体(EBA)等のエチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−αオレフィン共重合体等を使用することができる。また、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム等のゴム材料(熱可塑性エラストマー)、ポリウレタン系樹脂等を使用するようにしてもよい。これらの熱可塑性樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。また、熱可塑性樹脂は、柔軟性が良好、架橋や難燃性の付与が容易等という点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エステル共重合体からなる群のうち少なくとも1種とすることが好ましい。
ここで、前記のエチレン−αオレフィン共重合体の例としては、エチレンとプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどのαオレフィンの少なくとも1種との共重合体を挙げることができる。
また、熱可塑性樹脂と混合、分散される導電性フィラーは、シールド層51に導電性を付与するために用いられ、導電性フィラーとしては、例えば、カーボンブラック、導電性を有するカーボンナノ繊維(気相成長炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等)等の炭素系材料や、Au(金)、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、Ag(銀)、Cu(銅)、Ni(ニッケル)等の金属粒子や金属ナノ粒子等の金属系材料等を用いることができる。これらの導電性フィラーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。また、導電性フィラーは、カーボンブラック、カーボンナノチューブ及び金属ナノ粒子のうち少なくとも1種とすることが好ましい。
導電性フィラーのサイズは、例えば、粒子状(粉体状を含む。)のものであれば、例えば、平均一次粒子径が概ね0.01〜0.08μmのものを使用することが好ましいが、これには限定されない。
シールド層51を構成する樹脂組成物における導電性フィラーの含有量は、導電性フィラーの種類や形状、サイズ等や熱可塑性樹脂の種類等によって適宜決定されるが、概ね、熱可塑性樹脂100質量部に対して10〜20質量部とすることが好ましい。導電性フィラーの含有量をかかる範囲とすることにより、シールド層51に必要な導電性を付与することができ、例えば、体積固有抵抗を概ね1×1014Ω・cm以下(好ましくは5×1013Ω・cm以下。)とすることが容易となる。一方、導電性フィラーの含有量が10質量部より少ないと、十分な導電性が付与されずにシールド層51となり得ず、シールド効果が発揮されない場合があり、導電性フィラーの含有量が20質量部を超えると、熱可塑性樹脂に対して含有量が過大となり、成形性が悪い、十分な被覆がなされない、可撓性が悪くなる等の問題が生じる場合がある。
被覆層5は少なくとも2層(複数層)から形成されるため、被覆層5にはシールド層51以外の層が存在する。シールド層51以外の層は、例えば、前記したシールド層51を構成する熱可塑性樹脂の1種または2種以上を使用することができる。
本発明にあっては、シールド層51を最外層52としないことが好ましい。シールド層51を最外層52としないことにより、シールド層51の周囲にシールド層51を保護する層が存在し、シールド層51が適切に保護される。最外層52を構成する樹脂材料については、前記した熱可塑性樹脂のうち、低温性、柔軟性、摩耗性やその他機械的強度に加え、保護性、屈曲性が良好であるという点で、ポリウレタン系樹脂から形成されることが好ましく、難燃架橋ポリウレタンから形成されることが特に好ましい。
被覆層5の厚さは、概ね、0.5〜0.9mmとすることが好ましい。被覆層5のうち、シールド層51の厚さは、シールド効果を効率よく発揮すべく、概ね0.2〜0.5mmとすることが好ましい。また、最外層52をシールド層51以外の層で形成する場合は、最外層52の厚さは、概ね0.2〜0.5mmとすることが好ましい。そして、ケーブル1の外径は、概ね6.0〜9.0mmとすることが好ましい。
本発明に係るケーブル1を構成する電源線2、信号線3の絶縁層22,32や、ケーブル1の被覆層5(ただし、シールド層51を除く。)を構成する樹脂材料については、難燃架橋されたもの(例えば、絶縁層22,32として難燃架橋ポリエチレン、被覆層5の最外層52として難燃架橋ポリウレタン等。)を使用するようにしてもよい。被覆層5等を架橋させることにより、ブレーキからの放熱で溶融しない等、耐熱性が向上するのみならず、難燃性も向上させることができる。
架橋処理は、樹脂材料について、導体21,31やコア部4に被覆後、電子線照射により架橋処理を施してもよい。架橋方法としては、常法による電子線照射架橋法や化学架橋法等を採用することができる。電子線照射架橋法の場合は、被覆後に架橋対象となる層に常法により電子線を照射することによって架橋を行うことができる。一方、化学架橋法による場合は、絶縁層22,32や被覆層5の構成材料に有機パーオキサイド等を従来公知の架橋剤として添加し、成形した後に、架橋対象となる層に常法により加熱処理して架橋を行うようにすればよい。
また、樹脂材料に難燃性を付与するためには、絶縁層22,32や被覆層5の構成材料に金属水和物(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ジルコニウム等。)等を混合して、必要により架橋するようにしてもよい。
なお、本発明に係るケーブル1の絶縁層22,32や被覆層5を構成する樹脂材料には、電線、ケーブル等の被覆材料において、一般的に使用されている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属不活性剤、難燃剤、難燃助剤、充填剤、滑剤等を任意成分として、本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合することができる。なお、下記の任意成分は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。また、ここに挙げた以外の添加物や樹脂等を、本発明の目的を損なわない範囲で、添加するようにしてもよい。
本発明のケーブル1を製造するには、所望の本数の電源線2、信号線3を撚り合わせて多芯撚り線とし、かかる多芯撚り線からなるコア部4の外周に、例えば、汎用の押出成形機を用いて、押出成形により、シールド層51を含む少なくとも2層からなる被覆層5を押出被覆することにより簡便に製造することができる。
なお、本発明に係るケーブル1は、かかるケーブル1を備えた図示しないハーネスとして用いるようにしてもよい。ハーネスは、本発明に係るケーブル1の端部にて電源線2と信号線3とを分岐し、分岐された電源線2及び信号線3の少なくとも一方の端部に図示しない接続用のコネクタを設ける等により構成すればよい。
(4)本発明の効果:
以上説明した本発明に係るケーブル1は、電源線2と信号線3からなるコア部4の外周に、熱可塑性樹脂に導電性フィラーを混合した樹脂組成物からなるシールド層51を含む被覆層5を形成している一方、金属編組等のシールド導体を必要としない構成としている。よって、シールド層51が外部からのノイズ等を遮蔽(シールド)し、シールド導体が不要でありながら、電磁波シールド性が良好なケーブル1となる。加えて、作業等の煩雑さや、端末処理作業の際にシールド導体が邪魔になる等、ケーブル1の製造時や端末処理作業時の問題も解消する。
本発明に係るケーブル1は、電源線2及び信号線3を備えたケーブル1等として広く使用することができ、例えば、一般的な自動車の電気ブレーキ用ケーブルや、ABSセンサ機能を含んだ自動車ブレーキ用ケーブル等として使用することができる、
(5)実施形態の変形:
なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を備え、目的及び効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状等としても問題はない。本発明は前記した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形や改良は、本発明に含まれるものである。
例えば、前記した実施形態では、ケーブル1の構成として、コア部4にシールド層51及び最外層52を1層ずつ形成した態様について図1を用いて説明したが、ケーブル1の構成はこれには限定されず、例えば、被覆層5の構成について、シールド層51を複数層としたり、コア部4とシールド層51との間にシールド層51以外の層を介在させるようにしてもよく、被覆層5が少なくとも2層(複数層)からなり、被覆層5の少なくとも1層がシールド層51であれば、その構成は任意に決定することができる。
また、コア部4は、2本の電源線2と2本の信号線3を撚り合わせた多芯撚り線からなる態様を示して説明したが、電源線2及び信号線3の本数は、ケーブル1が必要とする特性等に応じて適宜決定することができる。また、コア部4の周囲には、不織布テープ等、シールド導体以外のテープ等を介在させるようにしてもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1ないし実施例6、比較例1及び比較例2]
シールド層(比較例1及び比較例2については、シールド層に相当する層。以下、かかる相当する層も含め、便宜上、「シールド層等」とする場合もある。)について、表1に示した構成の樹脂組成物(熱可塑性樹脂と導電性フィラーの組み合わせ。比較例1は熱可塑性樹脂のみ。)を用いた図1に示す構造のケーブルを製造した。表1において、シールド層等の各成分((1)〜(6))の値(含有量)は、(A)熱可塑性樹脂100質量部とした場合の、(B)導電性フィラーの質量部、として示している。
なお、実施例1ないし実施例6、比較例1及び比較例2について、図1に示すように、被覆層は、コア部の外周を被覆するシールド層等と、シールド層等の外周に被覆される最外層の2層とし、シールド層等を構成する樹脂組成物のみが異なり(表1に示した構成の樹脂組成物とし)、電源線及び信号線からなるコア部、及び最外層は共通とした。表1に組成を示すシールド層等の熱可塑性樹脂及び導電性フィラーの各成分に加え、電源線及び信号線からなるコア部、及び最外層についての材料、構成等を以下に示す。
(A)熱可塑性樹脂:
(1)エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA):
エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル(VA)含有量 25質量%)(商品名:エバフレックス(登録商標)EV360、三井・デュポンポリケミカル(株)製)
(2)エチレン−アクリル酸エステル共重合体:
エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)(商品名:レクスパール(登録商標)A4200、日本ポリエチレン(株)製)
(3)エチレン−アクリル酸エステル共重合体:
エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)(商品名:ロトリル(登録商標)MA24005、アルケマ社製)
(B)導電性フィラー:
(4)カーボンブラック:
カーボンブラック(商品名:RCF#44、三菱化学(株)製)
(5)カーボンナノチューブ:
カーボンナノチューブ(商品名:VGCF−H、昭和電工(株)製)
(6)金属ナノ粒子:
銀ナノ粒子(商品名:Ag nano powder−2、DOWAエレクトロニクス(株)製)
(電源線)
導体構成を7/72/0.08とした錫(Sn)入り合金線を導体とし、絶縁層として難燃架橋ポリエチレンを用い、外径がφ2.9mm(絶縁層の厚さ:0.34mm)となるように押出・被覆して、電源線を得た。
(信号線)
導体構成を3/16/0.08とした錫(Sn)入り合金線を導体とし、絶縁層として難燃架橋ポリエチレンを用い、外径がφ1.4mm(絶縁層の厚さ:0.27mm)となるように押出・被覆して、信号線を得た。
(コア部)
前記のようにして得られた電源線と信号線をそれぞれ2本ずつ用いて、撚りピッチ長を30mmとして撚り合わせた多芯撚り線とし、コア部を得た。
(最外層及びケーブルの製造方法)
最外層として、ポリウレタン系樹脂である難燃架橋ポリウレタンを使用した。ケーブルは、汎用の押出成形機を用いて、押出成形により、前記のようにして得られたコア部の外周に、まず、表1の構成からなる樹脂組成物を被覆してシールド層等とし(シールド層等の厚さ:0.375mm)、シールド層等の被覆後、難燃架橋ポリウレタンを被覆し、最外層とすることにより製造した。なお、シールド層等形成後の外径は7.0mm、最外層形成後の外径は7.7mm(最外層の厚さ:0.35mm)となるようにした。
なお、表1には、シールド層(実施例1ないし実施例6)及びシールド層に相当する層(比較例1及び比較例2)(を構成する樹脂組成物)の体積固有抵抗(Ω・cm)もあわせて示した。体積固有抵抗は、「JIS C 2139(固体電気絶縁材料−体積抵抗率及び表面抵抗率の測定方法)」の内容に従って測定した。
[試験例1]
得られた実施例1ないし実施例6、比較例1及び比較例2について、電磁波ノイズの周波数を20MHzとした場合のシールド効果(dB)を確認し、比較・評価した。結果を表1に示した。
(シールド層等の構成及び評価結果)
Figure 0006830297
表1に示すように、実施例1ないし実施例6に示したケーブルは、シールド層の体積固有抵抗が1×1014Ω・cm以下であり、また、シールド効果も良好であった。一方、比較例1及び比較例2は、シールド層に相当する層の体積固有抵抗が1×1014Ω・cmを超え、本発明のシールド層に成り得なかった。また、シールド効果も実施例のものと比較して劣っていた。
本発明は、シールド効果を備えた自動車等の電気ブレーキ用ケーブル等として使用することができ、産業上の利用可能性は高いものである。
1 …… ケーブル
2 …… 電源線
21 …… 導体
22 …… 絶縁層
3 …… 信号線
31 …… 導体
32 …… 絶縁層
4 …… コア部
5 …… 被覆層
51 …… シールド層
52 …… 最外層

Claims (6)

  1. 複数本の電源線と複数本の信号線を撚り合わせてなるコア部の外周に被覆層を設けたケーブルにおいて、
    前記被覆層が少なくとも2層からなり、
    前記被覆層の少なくとも1層が、熱可塑性樹脂に、カーボンブラック、カーボンナノチューブ及び金属ナノ粒子からなる群のうち少なくとも1種の導電性フィラーを混合した樹脂組成物からなる厚さが0.2〜0.5mmのシールド層であり、
    前記熱可塑性樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エステル共重合体からなる群のうち少なくとも1種であり、
    前記シールド層の体積固有抵抗が3×10 Ω・cm以上1×10 14 Ω・cm以下であることを特徴とするケーブル。
  2. 前記樹脂組成物における前記導電性フィラーの含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して10〜20質量部であることを特徴とする請求項に記載のケーブル。
  3. 前記被覆層の最外層が前記シールド層ではなく、
    前記最外層がポリウレタン系樹脂からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のケーブル。
  4. 前記被覆層(前記シールド層を除く。)は難燃架橋された樹脂材料であることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずかに記載のケーブル。
  5. 前記被覆層は金属水和物を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずかに記載のケーブル。
  6. 電磁波ノイズの周波数を20MHzとした場合のシールド効果(dB)が42〜45dBであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のケーブル。
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