JP6829447B2 - トイレ管理システム - Google Patents

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公園など公共の場所に設置され、だれでも自由に使用することのできる公衆トイレは、生活において必要不可欠な施設である。
一方で、近年は上記公共の場所だけではなく、いわゆるコンビニエンスストアやスーパーマーケット、ファストフード店等の商業施設等の私有施設においても、顧客に対して自由に使用できるトイレを提供している場合も多い。
トイレの使用においては、トイレが個室(個室トイレ)である場合、プライベートな空間でもあるが故に様々な課題も存在する。具体的には、使用中は個室内を見ることができないため、使用者が個室トイレ内に長時間滞在することが可能となり、他の使用者の迷惑となるといった課題や、トイレの汚損といった悪質な嫌がらせを行いやすくしてしまうといった課題が生じうる。
この点に関し、例えば、下記特許文献1には、トイレブース(個室トイレ)内の使用者の状態を検出する検出部等を備えて入退室を判定し、時間経過に基づき警報を出力するトイレシステムに関する技術が開示されている。
特開2015−87882号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は、あくまで経過時間に応じて警報を鳴らすものに過ぎず、実際のトイレの状況と関連付けを行えるものでない。
長時間不自然に使用する使用者に対して注意を促すとともに、トイレの状況とトイレの使用履歴等とを関連付けることができれば、セキュリティ向上はもちろん、詳細な情報を蓄積でき、商業施設等における人員配置の効率化や経営改善のための材料として活用できる可能性が高まる。
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、トイレの使用履歴を記録してより有用な情報として提供可能なトイレ管理システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の一観点に係るトイレ管理システムは、トイレ個室内に設置されるセンサ及び出力装置と、情報入力端末と、センサ及び情報入力端末からのデータの入力を受け付けて処理する情報処理装置と、を備えるトイレ管理システムであって、情報処理装置は、センサからのデータに基づきトイレ使用履歴データを記録するステップ、トイレ個室内が使用状態となった場合に計時処理を開始し、所定の使用時間経過後に予め記録した出力データを出力装置から再生させるステップ、を実行するものである。
以上、本発明によって、トイレの使用履歴を記録してより有用な情報として提供可能なトイレ管理システムを提供することを目的とする。
実施形態に係るトイレ管理システムの概略を示す図である。 実施形態に係るセンサの具体的な構造の例を示す図である。 実施形態に係るトイレ使用履歴データのイメージを示す図である。 実施形態に係る出力装置から出力される警告のイメージを示す図である。 実施形態に係るトイレ個室状況に関するデータ入力の画面の例を示す図である。 実施形態に係るトイレ個室状況履歴データのイメージを示す図である。 実施形態に係るトイレ個室外の表示装置のイメージを示す図である。 実施形態に係るトイレ管理システムの他の例の概略を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態の具体的な例示にのみ限定されるわけではない。
図1は、本実施形態に係るトイレ管理システム(以下「本システム」という。)Sの概略を示す図である。本図で示すように、本システムSは、トイレ個室T内に設置されるセンサ1及び出力装置2と、センサ1及び出力装置2に接続される制御装置3と、情報入力端末4と、センサ1及び情報入力端末4からのデータの入力を受け付けて処理する情報処理装置5と、を備えるトイレ管理システムであって、情報処理装置5は、センサ1からのデータに基づきトイレ使用履歴データを記録するステップ、トイレ個室内が使用状態となった場合に計時処理を開始し、所定の使用時間経過後に予め記録した出力データを出力装置2から再生させるステップ、を実行することができるものである。
本システムSが管理対象とする「トイレ個室」とは、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の商業施設内に設置されるトイレの中において、開閉可能な扉によって外部から見えないよう区切られるトイレの個室空間をいう。トイレ個室Tは、使用者が使用する際において扉を閉めるため外部から見えない状態となる。そのため、いたずら等が発生しやすい状況となっている。本システムSでは、後述の記載から明らかなとおり、使用状況を容易に把握可能となるとともに、警告などを出力装置から出力可能であるため、不自然な長時間使用を防止すること、更にはその対策を練ることができる。すなわち、日時とトイレの使用の相関や傾向等を把握することが容易となり、防犯の観点及び経営判断材料提供の観点から有用なシステムとなる。
トイレ個室T内に設置されるセンサ1は、トイレ個室Tが使用されているか否かを判断するために用いられるものである。センサ1については上記機能を有するものである限りにおいて限定されるわけではないが、例えば、トイレ個室T内に設けられる扉ロック機構Lの開閉を感知するセンサであることが好ましく、より好ましくは磁気センサ、光学センサ、マイクロスイッチであることが構成をより簡便にする観点から好ましい。特に、磁気センサ、光学センサ、マイクロスイッチは簡便であるとともに、既に既存の設備に付加的に設置することが簡単であるとともに長期使用に好適でありかつ判定誤差が少ないという観点から好ましいものである。この扉に設けられた場合のイメージ図を図2に示しておく。本図の例は、マイクロスイッチの例を示す。
また、本センサ1は、トイレ個室T内において、使用者によって改変等を行われないよう、筐体Bによって囲われていることが好ましい。このようにすることで改変等いわゆるいたずらによる故障の発生を抑えることができる。具体的には、トイレ個室のカギにあるレバーLを受ける受け具Rに筐体Bを接続させることで、改変されにくいものとなる。
また、本システムSにおいて、センサ1は、有線又は無線で制御装置3に接続され、その後、情報処理装置5に接続されており、センサ1が出力する信号はデータとして扱われ、情報処理装置5によって所定の処理がなされる。センサ1の出力は、上記に示したようにインターネット等の電気通信回線Wによって情報処理装置5に出力するようにしてもよく、また、直接電気配線などで接続されていてもよく、接続方法は限定されない。
また、本システムSにおける出力装置2も、上記の通り、トイレ個室T内に設けられるものであって、音声や光等の刺激を出力することができるものである。出力装置2の具体的な構成は、上記の機能を有するものである限りにおいて限定されるわけではないが、例えば、音声の場合であればスピーカー、光の場合であればLED等を用いた光源装置、好ましくは文字などを表示することができる表示装置、を挙げることができるがこれに限定されない。なお、光源装置の場合、例えば警告灯や施錠状態を表示する施錠ランプ等を例示できる。
また、出力装置2も、上記センサ1と同様、有線又は無線で制御装置3に接続され、その後、情報処理装置5に接続されており、情報処理装置5による所定の処理がなされた後、情報処理装置5からの指示に基づき所定の刺激を出力する。出力装置2への指示は、上記に示したようにインターネット等の電気通信回線によって情報処理装置5に接続されていてもよく、また、直接電気配線などで接続されていてもよい。接続方法は限定されない。
また、本システムSにおいて、情報入力端末4は、情報処理装置5とは別に設けられて所定のデータを入力することができるとともに、情報処理装置5に対して当該データの出力を行うことができるものである。なお、詳細なデータ入力等については後述する。
また本システムSにおいて、情報入力端末4は、必要なデータを入力して情報処理装置5に出力することができるものである。情報入力端末4は、いわゆるコンピュータであることが好ましく、ディスプレイ等の表示装置、データを入力するためのキーボード等の入力装置、表示装置及び入力装置からの入出力データを処理する中央演算装置(CPU)、データを記録するメモリやハードディスク、フラッシュメモリ等の記録装置、更にはこれらを接続するバス等を備えていることが好ましいがこれに限定されず、特に、入力装置はキーボード等の特別な装置ではなく、表示装置に仮想キーボードを表示させて使用者がこの仮想キーボードのキーをタッチした場合にこれを感知する構成とすることも有用である。また、情報処理装置5は、持ち運びが可能となるよういわゆるタブレット端末、スマートフォン等の携帯情報端末であることが好ましい。
本システムSにおいて、情報入力端末4は、有線又は無線で情報処理装置5に接続されるが、持ち運びが便利となるよう、無線によって接続されていることが好ましい。また、情報入力端末4が出力するデータは、上記に示したようにインターネット等の電気通信回線によって情報処理装置5に出力するようにしておくことが好ましい。
また、本システムSにおいて、情報処理装置5は、センサ1や情報入力端末4から出力されてくる必要なデータを処理し、その結果を自身の表示装置や出力装置2、情報入力端末4等に表示させることが可能となるものである。そしてその構成は、限定されるわけではないが、いわゆるコンピュータを用いることができ、例えばディスプレイ等の表示装置、データを入力するためのキーボード等の入力装置、表示装置及び入力装置からの入出力データを処理する中央演算装置(CPU)、データを記録するメモリやハードディスク、フラッシュメモリ等の記録装置、更にはこれらを接続するバス等を備えていることが好ましい。
また、本システムSでは、上記情報処理装置5のハードディスク等の記録媒体にプログラムが格納されており、このプログラムが実行されることで所定の処理が可能である。具体的には、プログラムが実行されることにより、(S1)センサ1からのデータに基づきトイレ使用履歴データを記録するステップ、(S2)トイレ個室内が使用状態となった場合に計時処理を開始し、所定の使用時間経過後に予め記録した出力データを出力装置から再生させるステップ、が実現される。
(S1)センサ1からのデータに基づきトイレ使用履歴データを記録するステップは、トイレの使用履歴を容易に把握できるようにするステップである。より具体的に説明すると、センサ1がトイレの開閉状態を検知しその情報を含むデータを出力し、情報処理装置5がこれを受け付け、順次記録していくことで、トイレの使用履歴をデータとして保持していくことができる。更に具体的には、センサ1が開状態又は閉状態のいずれかを検知すると、状態が変化したことを示す信号をデータとして情報処理装置5側に出力する。情報処理装置5は、この使用状態(閉状態)又は空き状態(開状態)の情報を含むトイレ使用状態データについて、その信号を受け取った時刻のデータとともに記録する。これにより、時刻とその使用状況を容易に把握することができる。この場合におけるトイレ使用履歴データのイメージを図3に示しておく。このように、時刻とその使用状態を確認することで、どのような日時にどのような頻度でトイレが使用されているのかを一目で把握することができ、トイレ管理、そのための人員配置の計画が立てやすくなるといった利点がある。
また、本システムSにおいて実現される(S2)トイレ個室内が使用状態となった場合に計時処理を開始し、所定の使用時間経過後に予め記録した出力データを出力装置から再生させるステップは、トイレ個室内に不必要に長期滞在する使用者に対して、早期に退出を促すために必要なステップである。この場合において、計時処理は、上記使用状態となった際の日時データと、現在時刻の日時データの差分を取ることとしてもよいし、単純に使用状態となった時点から時刻をカウントするようにしてもよい。
本ステップにおいて、所定の使用時間は、適宜調整可能であり限定されるわけではないが、段階的に複数設けてもよい。例えば第一の時刻は簡単な警告を含む出力データを、第二の時刻では第一の時刻の場合よりも少し強めの警告を含む出力データを、第三の時刻では上記第二の時刻よりも強い警告を含む出力データをそれぞれ出力装置から出力させることとすれば、いきなり警告を行うことで、通常の使用者に不快感を与えてしまうおそれを少なくすることができる。すなわち、所定の使用時間は複数設定することが可能であり、その時刻ごとに出力データ(音声データ)を異ならせることが好ましい。この場合の音声イメージを図4に示しておく。
更に、本システムSでは、情報処理装置5に格納されたプログラムによって、(S3)情報入力装置からのデータに基づきトイレ個室状況履歴データを記録するステップ、を実行するようにしてもよい。本ステップは、上記センサ1と出力装置2の組み合わせによる動作だけではなく、トイレ個室T内の状況を関連付けることができるようになる。より具体的に説明すると、上記センサ1からの入力だけでは、トイレ個室Tの開閉状態を経時的に調べることができるが、この開閉状態からは使用履歴しか知ることができない。一方、トイレ個室状況を入力させることで、この使用履歴と個室内の状況を相関づけることができ、そのトイレ個室に対する監視をどのように強化するのか、どの時点を集中的に注意して管理するのかといった状況を確認できる。なお、このトイレ個室状況データは、上記情報入力端末の操作に基づくデータを利用することが可能である。具体的には、情報入力端末4にも上記ステップを実現するためのプログラムを格納し、実行させることで可能である。
ここで、「トイレ個室状況履歴データ」とは、複数のトイレ個室状況データとそのそれぞれに対して日時データが組み合わされたデータの集合である。ここで「トイレ個室状況データ」には、そのトイレの使用状況に関する情報が含まれており、例えばトイレの状態が「きれい」か「きたない」かといった清潔度の情報を含む清潔度データ、「故障がある状態」か「故障はない状態」かといった故障の有無の情報を含む故障データ、「清掃を開始した」又は「清掃を完了した」等の清掃作業に関する情報を含む清掃作業データ、その他トイレの維持に必要なメモデータ等、トイレの管理において重要と思われる必要情報を含むことができる。図5に、情報入力装置4の一画面を示し、図6に、情報処理装置5によって作成されるこの時系列的なデータのイメージ図である。特に、これらの例では、上記トイレ個室使用履歴データと組み合わせることで、どのような頻度である場合にトイレの汚れが発生しやすいのか等の詳細を把握することができる。
上記の記載から明らかであるが、本ステップSにおいて、トイレ個室状況履歴データは、情報入力装置からトイレ個室状況データを受け付け、これに受け付けた日付データと組み合わせ、格納することで実現できる。
また、本システムでは、トイレ個室の外にさらに他の出力装置6を設けておくことが好ましい。トイレの個室が使用されているか否かは、トイレ個室の扉近傍に行くことでロック状態を確認してトイレ個室が空いているのか使用されているのかを知ることができるが、トイレから離れた位置にいるとその使用状況を容易に把握することができない。そのため、トイレ個室の外にも出力装置6を設け、その状況を表示させておくことで、わざわざ近くに行かなくてもその状況を確認できるようにする。具体的には、情報処理装置5がセンサ1からの出力を受け付けた場合、その出力が使用状態を示すものか空き状況を示すものかを判断し、出力装置6に使用状態であるか、空き状態であるかを表示させる。この場合のイメージ図を図7に示しておく。
以上、本システムは、トイレの使用履歴を記録してより有用な情報として提供可能なトイレ管理システムとなる。
改めて本システムSの効果について説明すると、近年、いわゆるコンビニエンスストアやスーパーマーケット等の商業施設等の私有施設においても、顧客に対して自由に使用できるトイレを提供している場合も多いが、商業施設側において、悪意あるトイレ利用者によるトイレの汚損の問題が非常に大きくなっており、商業施設で働く従業員においてこの汚損のあるトイレの清掃が非常に大きな負担となっている。これに対し、本システムSによると、トイレの使用状況とその履歴を容易に把握することが可能となり、使用頻度が高くなる時間帯に人員配置やその清掃頻度を上げることで、トイレ清掃に対する負担を軽減させることが可能となるとともに、所定の時間以上使用している者に対しては、徐々に警告を告げることで、長時間の使用によるトイレ汚損といった悪意あるいたずらに対して注意を促すことが可能となる。また、トイレの状況を入力させることで、上記のトイレの使用頻度等とトイレの状況などとをリンクさせることで、使用頻度とその汚損状況などを容易に把握でき、更にトイレの清掃状況もリンクさせることで、トイレをより清潔な状態に維持することが可能となる。特に、トイレの使用状況と清掃状況を定量的に把握することができるようになれば、その他の売上データ等と相関を持たせることも可能となり、今まで売り上げに貢献していないのではないかと考えられるトイレも経営資源として活用できるという評価が可能となる。なお、使用者に対しては不必要に長時間滞在することを防止できるようになるため、トイレの使用効率を上げることが可能となり、社会インフラとしての機能向上といった利点もある。
なお、本実施形態では、制御装置3を通じて情報処理装置5にデータを出力し所定の処理を行っている例を示しているが、場合によっては、その一部または全部の機能を制御装置3内に設けることも可能である。制御装置3に情報処理装置5と同じ構成を追加しておくことで、システム自体を簡便にすることが可能となる。この場合の解釈としては、情報処理装置5と制御装置3とを同じ場所に配置し、有線にて接続しているイメージとなる。
また、本実施形態では説明の観点からトイレ個室Tを一つにして示しているが、当然、このトイレ個室は一つの施設に対して複数設けることも可能である。この場合、制御装置に複数のトイレ個室のセンサや出力装置を接続することとしてもよく、またはトイレ個室それぞれに制御装置を設け、そのセンサ及び出力装置を接続し、情報処理装置に接続するようにしてもよい。また、一つの情報処理装置に対して複数の施設のトイレ個室を接続するようにすることも当然に可能である。この概略図を図8に示しておく。
本発明は、トイレ管理システムとして産業上の利用可能性がある。





Claims (3)

  1. トイレ個室内に設置されるセンサ及び出力装置と、
    情報入力端末と、
    前記センサ及び前記情報入力端末からのデータの入力を受け付けて処理する情報処理装置と、を備えるトイレ管理システムであって、
    前記センサは、トイレ個室内に設けられる鍵のレバーの開閉を感知する磁気センサ、光学センサ及びマイクロスイッチの少なくともいずれかであり、かつ、前記レバーを受ける受け具に付加的に設置される筐体内に囲われ、
    前記情報処理装置は、
    前記センサからのデータに基づきトイレ使用履歴データを記録するステップ、
    前記トイレ個室内が使用状態となった場合に計時処理を開始し、所定の使用時間経過後に予め記録した出力データを前記出力装置から再生させるステップ、
    を実行するものであり、
    前記出力装置は、前記トイレ個室内に設けられるものであって、音及び光の少なくともいずれかの刺激により、前記所定の使用時間経過後、前記トイレ個室内の使用者に早期の退出を促す、トイレ管理システム。
  2. 前記情報処理装置は、
    前記情報入力端末からのデータに基づきトイレ個室状況履歴データを記録するステップ、を実行する請求項1記載のトイレ管理システム。
  3. 前記トイレ使用履歴データは、時刻データと、前記時刻データにおける使用状況データを含むデータである請求項1記載のトイレ管理システム。
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