JP6829096B2 - 防眩フィルムおよび成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
1.ポリカーボネート樹脂からなる基材フィルムの少なくとも一方の面の表面に、2種類の有機系粒子を分散した熱可塑性樹脂から成る防眩層を積層した防眩フィルムであって、下記に示す条件(1)〜(3)を具備することを特徴とする防眩フィルム。
(1)防眩層に含まれる2種類の有機系粒子が、平均粒径が3.0〜6.0μmの有機系粒子Iと、平均粒径が0.5〜2.5μmの有機系粒子IIとを、それぞれ熱可塑性樹脂100重量部に対して2重量部以上10重量部以下と0.1重量部以上1重量部以下の範囲で含有し、且つ防眩層の厚みが10〜80μmである。
(2)防眩層に含まれる熱可塑性樹脂と有機系粒子Iの屈折率差が0.05以下の範囲で、熱可塑性樹脂と有機系粒子IIの屈折率差が0.06〜0.15の範囲である。
(3)防眩層を形成する熱可塑性樹脂のJISK7199に準拠したキャピログラフによる溶融粘度が、せん断速度121(1/s)且つ加熱温度280℃時で1200Pa・S以下を満たす。
2.防眩層の厚みが30〜80μmであり、防眩フィルムの総厚みが50〜500μmである前記1に記載の防眩フィルム。
3.ヘイズが40%以下である前記1または2のいずれかに記載の防眩フィルム
4.JIS K5600に準拠して測定した防眩フィルムの防眩層側の鉛筆硬度がF以上である前記1〜3いずれかに記載の防眩フィルム。
5.防眩層を形成する熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂である前記1〜4のいずれかに記載の防眩フィルム。
6.防眩層を形成する熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂であって、ポリカーボネート樹脂の構成単位として、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アルキルフェニル)プロパンを、全構成単位のモル数を基準として、50モル%以上含有する前記5記載の防眩フィルム。
7.前記1〜6のいずれかに記載の防眩フィルムを金型内にインサートした後、熱溶融した熱可塑性樹脂を前記金型内に射出する成形体の製造方法。
かかる防眩フィルムは、特にカーナビ前面板向けインサート成型用フィルムとして好適に用いることができる。
以下、本発明の防眩フィルムを構成する各成分、それらの配合割合、調整方法等について、順次具体的に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
本発明の防眩性フィルムを構成する防眩層には、防眩性と透明性に優れ且つ、ギラツキを抑えるために2種類の有機系粒子を特定の条件で含有させることが必要である。
以下2種類の有機系粒子について説明する。
ここで使用する有機系粒子Iは、平均粒径が3.0〜6.0μmであり、好ましくは、3.5〜5.5μmであり、より好ましくは、3.5〜5.0μmである。
有機系粒子Iの平均粒径が下限未満の場合は、防眩性が不十分となる。
また、有機系粒子Iの、平均粒径が上限より大きい場合は、ギラツキが悪くなり、LCDの画像表示の視認性が悪化する。また表面の凹凸が大きくなりヘイズが高くなることから、透明性が低下する。
また、上記有機系粒子Iは、防眩層の熱可塑性樹脂との屈折率差が小さいことが望ましく、有機系粒子Iの屈折率と熱可塑性樹脂の屈折率の差は、0.05以下であることが必要であり、好ましくは0.02以下である。
有機系粒子Iの屈折率と熱可塑性樹脂の屈折率の差が、上限より大きい場合は、透明性が低下する。
また、有機系粒子Iの含有量は、防眩層を構成する熱可塑性樹脂100重量部に対して2重量部以上10重量部以下であり、好ましくは、2重量部以上6重量部以下である。有機系粒子Iの含有量が、下限より少ない場合は、防眩性が不十分となる。有機系粒子Iの含有量が、上限より多い場合は、透過率が低下する。
有機系粒子IIは、平均粒径が0.5〜2.5μmであり、好ましくは1.0〜2.5μmである。有機系粒子IIの平均粒径が下限より小さい場合は、ギラツキが悪くなる。また、有機系粒子IIの平均粒径が上限より大きい場合は、透過率が低下する。
有機系粒子IIの屈折率と熱可塑性樹脂の屈折率の差は、0.06〜0.15の範囲であることが必要であり、0.08〜0.13であることが好ましい。有機系粒子IIの屈折率と熱可塑性樹脂の屈折率の差が下限より小さい場合は、ギラツキが悪くなる。有機系粒子IIの屈折率と熱可塑性樹脂の屈折率の差が上限より大きい場合は、透過率が低下する。
また、有機系粒子IIの含有量は、防眩層を構成する熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1重量部以上1重量部以下であり、好ましくは、0.1重量部以上0.5重量部以下である。有機系粒子IIの含有量が、下限より少ない場合は、ギラツキが悪くなる。有機系粒子IIの含有量が、上限より多い場合は、透過率が低下する。
本発明においては、バックライト光の不均一な散乱を少なくするため、球状粒子を用いることが好ましい。なお、本発明において有機系とはC−H結合を持つ化合物であり、主に共有結合で原子が結合しているものをいう。
本発明は、有機系粒子Iと有機系粒子IIとを、粒子径と屈折率の異なる特定の組成比で併用して用いることが一つの特徴で宛、それにより防眩性、透明性、ギラツキを高度に兼備することができる。
本発明に用いられる防眩層を形成する熱可塑性樹脂は、被膜を形成できる熱可塑性樹脂であれば、いずれを用いることができる。例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素系樹脂、ナイロン系樹脂等の板状に加工できるものが挙げられる。また、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は好ましくは、60℃以上であることが好ましく、特に上限は制限されないが200℃以下であることが好ましい。
また、JIS K5600に準拠して測定した防眩フィルムの防眩層側の鉛筆硬度は、特にカーナビ前面板用に用いる場合には、F以上が好ましく、2H以上がより好ましい。
(ポリカーボネート系樹脂)
本発明で用いられる防眩層を形成する熱可塑性樹脂としては、前述の通りポリカーボネート樹脂を好ましく例示できる。
本発明で用いられる防眩層を形成する熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂が例示でき、具体的には、メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルの重合体を主体とするものである。アクリル系樹脂として、メタクリル酸メチルのホモ重合体、あるいはメタクリル酸メチルが好ましく用いられ、その含有量は、好ましくは、50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上含む共重合体を挙げることが出来る。
他の共重合体の成分としては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
本発明に用いられるアクリル樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で熱成形時における割れの改善のため、アクリル樹脂にゴム粒子を添加しても良い。アクリル樹脂に加えるゴム粒子は、それ自体公知のものを用いることができる。
本発明で用いられる防眩層を形成する熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂が例示でき、具体的には、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンイソフタレート樹脂が挙げられ、これらはホモポリマーに限られず、例えば、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合樹脂、ポリエチレン/ネオペンチルテレフタレート共重合樹脂等があげられ、これらはホモポリマーに限らず一部共重合した共重合ポリマーであっても良い。中でも、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂が好ましい。これらの樹脂は1種であってもよく、また2種以上混合してもよい。
さらに、防眩層を形成する熱可塑性樹脂に、効果が損なわれない範囲で、熱安定剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、着色剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、艶消し剤等の各種添加剤を加えても良い。
本発明に用いられる基材フィルムは、ポリカーボネート樹脂を主たる樹脂成分として用いたフィルムである。基材フィルムを構成するポリカーボネート樹脂は、前述の防眩層を構成するポリカーボネート樹脂で説明したポリカーボネート樹脂を好ましく用いることができる。特に基材フィルムに用いるポリカーボネート樹脂としては、例えば、靱性を高度に具備することが好ましく、その観点から、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)を主たる構成単位とするポリカーボネートが好ましい。
本発明の防眩フィルムは、従来公知の方法により製造することが出来る。例えば各層を予め別々に製膜しておきラミネートする、あるいは熱圧着プレスする方法、それぞれの樹脂層を共押出法により積層製膜する方法等が挙げられる。中でも経済性、生産安定性等から共押出法による製造がもっとも好ましい。
即ち、本発明の防眩フィルムは、防眩層用の成形材料Aと、基材フィルム用の成形材料Bとを共押出して製造することができる。
本発明の防眩フィルムは、その総厚みが50〜500μmの範囲であり、好ましくは125〜350μmの範囲である。総厚みが薄すぎるとハンドリングが困難となる場合や、防眩性機能が低下する場合がある。一方、総厚みが厚すぎるのも、熱成形時のフィルム加熱に時間を要することや、熱成形性が低下することがあるために好ましくない。
また防眩層の厚みは10〜80μmの範囲であり、好ましくは30〜50μmの範囲である。本発明の防眩フィルムの防眩層の厚みが、10μmより薄いと、防眩性や透明性ギラツキを抑えるために、有機系粒子の添加濃度を高くする必要があることから、有機系粒子が凝集して均一に分散しないため好ましくない。また、80μmより大きいと熱成形時に防眩層が割れやすくなったり、透過率が低下するため好ましくない。
なお、防眩層の膜厚は、防眩フィルム断面写真を顕微鏡で観察し、有機系粒子IとIIの存在位置から防眩層と基材フィルムの界面を確認することができ、防眩層界面から表面までを実測することにより実測可能である。防眩層に凹凸がある場合には、防眩層界面から表面突起の頂点までを実測する。なお、本発明においては、防眩層の凸部の高さは5μm程度であることが好ましい。
本発明の防眩フィルムは、各種の表面処理を行うことが可能である。表面処理としては、加飾塗装、ARコート、ハードコート、撥水・撥油コート、親水コート、紫外線吸収コート、赤外線吸収コート、電磁波吸収コート、発熱コート、帯電防止コート、制電コート、導電コート、並びにメタライジング(メッキ、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、溶射など)などの各種の表面処理を行うことができる。
本発明の防眩フィルムは、そのヘイズ範囲は、40%以下が好ましく、さらに好ましくは25%以下である。
上限よりヘイズが高い場合は、透過率が低下し白っぽくなるため視認性が悪くなる。
本発明の防眩フィルムの鉛筆硬度は、カーナビ前面板用途では、鉛筆硬度がFより小さい場合、手で触れた時に傷がつきやすいため、F以上が好ましく、2H以上がより好ましい。なお、鉛筆硬度は、JIS K5600に準拠して測定した。
なお、鉛筆硬度は、防眩フィルムの防眩層側の表面が満足することが好ましい。
(1)防眩層/基材フィルム厚み
(株)キーエンス製のレーザー顕微鏡VA−9710を用い、フィルム断面の観測により測定した。フィルム幅方向における中央部の値である。
(2)フィルム総厚み
実施例及び比較例で得られたフィルムにおいて、アンリツ(株)製の電子マイクロ膜厚計により測定した。厚みはフィルム幅方向における中央部の値である。
各フィルムの防眩層とは反対の面に黒印刷を行い、図2および図3に示すように、蛍光灯距離2m、入射角20°となるようにそれぞれ平行に位置する2本の蛍光灯を備え、その灯りを防眩層に映り込ませた場合、20°で正反射した蛍光灯の輪郭がどれほどぼやけるかを、下記に示す基準に従って目視にて評価した。但し、防眩処理が施されていない鏡面フィルムの場合、映り込んだ蛍光灯の太さは15mmであり、これを基準値1とした。
◎:蛍光灯の輪郭が完全にぼやけて見える。
○:蛍光灯の輪郭が基準値に対して1.3倍より大きく2.0倍以下であり、ぼやけ
て見える。
△:蛍光灯の輪郭が基準値に対して1.1倍より大きく1.3倍以下であり、少しぼやけて見える。
×:蛍光灯の輪郭がはっきりと見える。
表示装置(iPadmini(登録商標)第一世代、アップル社製)の上に、フィルムの表面すなわち防眩層面が観察者側となるように防眩フィルムを配置した。なお、表示装置から表示される像は緑色単色の像とし、像の寸法は、50mm×50mmとした。次にこの状態で、フィルムを目視で正面から観察し、ギラツキの程度について〇、△、×の3段階で評価した。
○:ギラツキが小さく、視認性が良好。
△:ギラツキがあり、視認性が少し悪い。
×:ギラツキが強いく、視認性が悪い。
日本電色工業(株)製の分光ヘイズメータ―SH−7000型を用いてヘイズを測定した。ヘイズ40%以下の場合、透過率が高く、白っぽさを〇と評価した。またヘイズ40%より大きい場合は、白っぽさを×とした。
(6)鉛筆硬度
JIS K5600に基づき、雰囲気温度23℃の恒温室内で80mm×60mmに切
り出したフィルムの表面に対して、鉛筆を45度の角度を保ちつつ750gの荷重をかけた状態で線を引き、表面状態を目視にて評価した。
(7)溶融粘度
東洋精機製のキャピログラフを用い、キャピラリー長10.0mm、キャピラリー径1.0mm、溶融温度240℃〜280℃にて剪断速度を任意に変更して測定し、得られた溶融粘度曲線より剪断速度121sec-1での溶融粘度を読み取った。
真空成型法により、コーナーエッジの曲率半径が0.5mmの溝を有する直方体の金型にフィルムを転写させ、角部分まで転写されているかどうかをR面測定器で測定することで評価した。
○:熱成形後のコーナーエッジ部のフィルムの曲率半径が1.5mmで機能に影響を与えるような実害があるレベルのクラックが発生しない
△:熱成形後のコーナーエッジ部のフィルムの曲率半径が2.0mmで機能に影響を与えるような実害があるレベルのクラックが発生しないが、曲率半径が1.5mmで機能に影響を与えるような実害があるレベルのクラックが発生する
×:熱成形後のコーナーエッジ部のフィルムの曲率半径が2.0mmで機能に影響を与える実害があるレベルのクラックが発生する
[製造例1]
帝人(株)製 商品名:パンライトCM−1000 粘度平均分子量15,500Tg143℃の芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1)を用いた。
温度計、撹拌機および還流冷却器の付いた反応器に、48%水酸化ナトリウム水溶液3845部およびイオン交換水18182部を仕込み、これに2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン1992部およびビスフェノールA2993部、ハイドロサルファイト8.37部を溶解した後、塩化メチレン10567部を加え、撹拌下、15〜25℃でホスゲン2000部を約60分かけて吹き込んだ。ホスゲンの吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液897部およびp−tert−ブチルフェノール93.2部を加え、撹拌を再開、乳化後トリエチルアミン5.39部を加え、さらに28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後、塩酸酸性にして水洗し、さらに水相の導電率がイオン交換水とほぼ同じになるまで水洗を繰り返し、ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を得た。
温度計、撹拌機および還流冷却器の付いた反応器に、48%水酸化ナトリウム水溶液3845部およびイオン交換水18182部を仕込み、これに2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン3984部およびハイドロサルファイト8.37部を溶解した後、塩化メチレン10567部を加え、撹拌下、15〜25℃でホスゲン2000部を約60分かけて吹き込んだ。ホスゲンの吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液897部およびp−tert−ブチルフェノール69.93部を加え、撹拌を再開、乳化後トリエチルアミン5.39部を加え、さらに28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後、塩酸酸性にして水洗し、さらに水相の導電率がイオン交換水とほぼ同じになるまで水洗を繰り返し、ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を得た。
アクリル樹脂は、三菱レイヨン製 商品名:アクリペットVH001 Tg110℃(A−4)を用いた。
帝人(株)製 商品名:パンライトL−1250WP 粘度平均分子量23,900、Tg147℃の芳香族ポリカーボネート樹脂(A−5)を用いた。
有機系粒子として、以下のスチレン系粒子、アクリル系粒子を用いた。
スチレン系粒子は、綜研化学(株)社製SX350(平均粒径3.5μm)、綜研化学(株)社製SH500(平均粒径5.0μm)、積水化成品工業(株)社製SBX6(平均粒径6.0μm)、積水化成品工業(株)社製SSX−302ABE(平均粒径2.0μm)、積水化成品工業(株)社製SSX−303ABE(平均粒径3.0μm)、積水化成品工業(株)社製SBX12(平均粒径12.0μm)、積水化成品工業(株)社製XX-12CT(平均粒径0.8μm)を用いた。
アクリル系粒子は、綜研化学(株)社製MX80H3wT(平均粒径0.8μm)、綜研化学(株)社製MX300(平均粒径3.0μm)、積水化成品工業(株)社製MBX0.8(平均粒径0.8μm)、積水化成品工業(株)社製MBX2H(平均粒径2.5μm)を用いた。シリコーン系粒子は、信越シリコーン社製シリコンレジンパウダーKMP−702(平均粒径2.0μm)を用いた。
[実施例1〜12、比較例1〜4]
表1に示す通り、防眩層を構成する成形材料Aとして、熱可塑性樹脂A-1に有機系粒子I、IIを添加した成形材料A、基材フィルムを構成する成形材料Bとして熱可塑性樹脂A−1を、それぞれスクリュー径40mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度280℃の条件で、フィードブロック方式にて650mm幅のTダイから押出し、冷却ロールに溶融樹脂の防眩層の一方の面をタッチさせて冷却した後、エッジトリミングして2層構造を有するフィルム幅400mmの防眩フィルムを作成した。防眩層厚みと総厚みは各押出機の吐出量と冷却ロールの巻取速度で適宜調整した。
防眩層を構成する熱可塑性樹脂をA−2に変更した以外は、実施例8と同様にして防眩フィルムを作成した。
防眩層を構成する熱可塑性樹脂をA−2に変更した以外は、実施例1と同様にして防眩フィルムを作成した。
防眩層を構成する熱可塑性樹脂をA−2に変更した以外は、実施例2と同様にして防眩フィルムを作成した。
防眩層を構成する熱可塑性樹脂をA−3に変更した以外は、実施例9と同様にして防眩フィルムを作成した。
防眩層を構成する熱可塑性樹脂をA−3に変更した以外は、実施例4と同様にして防眩フィルムを作成した。
防眩層を構成する熱可塑性樹脂をA−4に変更し、有機系粒子I、IIの種類、平均粒径、添加比率を表1に示す通りに調整した以外は、実施例4と同様にして防眩フィルムを作成した。
防眩層を構成する熱可塑性樹脂をA−5に変更した以外は、実施例8と同様にして防眩フィルムを作成した。
防眩層を構成する熱可塑性樹脂A-1に添加する有機系粒子の種類を表1に示す通り、1種類に変更した以外は、実施例5と同様にして防眩フィルムを作成した。
紫外線硬化型樹脂(共栄社化学(株)社製ライトアクリレート)に硬化開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製IRGACURE184)5重量部、アクリル系粒子MX300(綜研化学(株)社製 平均粒径3.0μm)10重量部、レベリング剤(ビックケミー・ジャパン(株)社製BYK−333)0.2重量部の組成物と溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:1の割合で混合し調整したものを、実施例1と同様にして作成した成形材料Bである基材フィルム(A−1)の上に乾燥後10μmとなるように塗工し、紫外線照射し硬化することで、防眩フィルムを作成した(A−6)。
2 熱可塑性樹脂
3 有機系粒子
4 基材フィルム
5 防眩層
6 作業台
7 防眩フィルム
8 蛍光灯2本
9 観測点
10 入射角
11 反射角
Claims (7)
- ポリカーボネート樹脂からなる基材フィルムの少なくとも一方の面の表面に、有機系粒子を分散した熱可塑性樹脂からなる防眩層を積層した防眩フィルムであって、下記に示す条件(1)〜(3)を具備することを特徴とする防眩フィルム。
(1)防眩層に含まれる有機系粒子が、平均粒径が3.0μm〜6.0μmの有機系粒子Iと、平均粒径が0.5〜2.5μmの有機系粒子IIとを、それぞれ熱可塑性樹脂100重量部に対して2重量部以上10重量部以下と0.1重量部以上1重量部以下の範囲で含有し、且つ防眩層の厚みが10〜80μmである。
(2)防眩層に含まれる熱可塑性樹脂と有機系粒子Iの屈折率差が0.05以下の範囲で、熱可塑性樹脂と有機系粒子IIの屈折率差が0.06〜0.15の範囲である。
(3)防眩層を形成する熱可塑性樹脂のJISK7199に準拠したキャピログラフによる溶融粘度が、せん断速度121(1/s)且つ加熱温度280℃時で1200Pa・S以下を満たす。 - 防眩層の厚みが30〜80μmであり、防眩フィルムの総厚みが50〜500μmである請求項1に記載の防眩フィルム。
- ヘイズが40%以下である請求項1または2のいずれかに記載の防眩フィルム。
- JIS K5600に準拠して測定した防眩フィルムの防眩層側の鉛筆硬度がF以上である請求項1〜3のいずれかに記載の防眩フィルム。
- 防眩層を形成する熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の防眩フィルム。
- 防眩層を形成する熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂であって、ポリカーボネート樹脂の構成単位として、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アルキルフェニル)プロパンを、全構成単位のモル数を基準として、50モル%以上含有する請求項5記載の防眩フィルム。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の防眩フィルムを金型内にインサートした後、熱溶融し
た熱可塑性樹脂を前記金型内に射出する成形体の製造方法。
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