JP5594188B2 - 導電性積層フィルム、タッチパネルおよび表示装置 - Google Patents

導電性積層フィルム、タッチパネルおよび表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、導電性積層フィルムおよびそれを用いたタッチパネル、さらには表示装置に関する。詳しくは、本発明は、液晶ディスプレイ上に設けられ、入力手段として使用できるタッチパネルの用途に好適な導電性積層フィルム、それを用いたタッチパネル、および表示装置に関する。
パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ノートPC、OA機器、医療機器、あるいはカーナビゲーションシステム等の電子機器においては、これらのディスプレイに入力手段を兼ね備えるタッチパネルが広く用いられる。
透明導電膜式タッチパネルは、透明なベースフィルムの片面にインジウム錫酸化物、錫アンチモン酸等の金属酸化物または金、パラジウム、アルミニウム、銀等の金属の薄膜が透明導電膜として設けられているが、これらの金属酸化物あるいは金属の薄膜は光の反射が大きいため、これらの薄膜を導電膜として有するタッチパネルは、液晶ディスプレイのコントラストが著しく低下し、極めて見えにくい画面となる。
このような問題を解決する方法として、特許文献1では、液晶ディスプレイ側から順に第一の1/4波長板、スペーサーを介して対向する2枚の透明導電膜(ガラスとITOとの積層膜)、第二の1/4波長板、偏光板を配置させ、視認性を上げることが提案されている。
しかしながら、上記構成のタッチパネルでは、液晶ディスプレイのコントラストはまだ不十分であり、また、タッチパネルが多層構造となるために、光線透過率や視野角補償性などの光学特性が不十分である。
一方で特許文献2には、透明抵抗膜の形状を特殊な形状にすることにより、干渉縞(以下、「ニュートンリング」ともいう。)の発生を抑えようという試みがある。しかしながら、この方法では表面反射光を抑えることはできず、高いコントラストや視認性、耐久性を得ることはできない。
また、上記方法では、特殊な形状に由来する筋状の線がタッチパネル画面上に認められ、画面の高精細化に伴い改善が求められている。
このため、光学特性に優れ視認性が高く、干渉縞が抑制されるとともに、より高い耐久性を併せ持つ、優れたタッチパネルの出現が強く望まれていた。
特開平10−48625号公報 特開2005−18726号公報
本発明は、干渉縞の発生が抑えられると共に、特に干渉縞を抑制するために付与される導電性積層部材の形状由来の筋状の線がタッチパネルとした時にも画面上に認められず、ぎらつきが少なく、視認性の高い導電性積層部材、およびタッチパネルを提供することを課題としている。
前記課題を解決する本発明は、1)〜5)である。
1)透明樹脂からなる部材(I)に透明導電層(III)が積層されてなる導電性積層フィルムであって、前記部材(I)を挟んで、透明導電層(III)側の表面は複数の凸部を有しており、下記条件1または2のとき、R/Pが、0.1〜50であることを特徴とする導電性積層フィルム。
1:任意に選ばれた凸部(1)の頂点(1)を通る断面の内、前記頂点(1)の両側に存在する2つの凹部の頂点(2−1)と頂点(2−2)間が最小となるときの距離をP(μm)とし、そのときの頂点(1)の断面の曲率半径をR(μm)としたとき。
2:任意に選ばれた隣接した凸部(1−1)の頂点(1−1)と凸部(1−2)の頂点(1−2)を結ぶ断面において、頂点(1−1)と頂点(1−2)の間に存在する凹部(2)の頂点(2)の曲率半径をR(μm)とし、前記頂点(1−1)と前記頂点(1−2)間の距離をP(μm)としたとき。
2)前記Pが400μm以下であることが好ましい1)記載の導電性積層フィルム。
3)前記Pが10〜200μmであることを特徴とする1)〜2)に記載の導電性積層フィルム。
4)二枚の透明導電部材が透明導電膜側を対向させて備えられ、少なくとも一方の導電性積層フィルムが1)〜3)に記載の導電性積層フィルムであるタッチパネル。
5)4)に記載のタッチパネルを搭載した表示装置。
本発明によれば、干渉縞の発生が抑えられ、特に干渉縞を抑制するために付与される導電性積層部材の形状由来の筋状の線がタッチパネルとした時にも画面上に認められず、コントラストが高く、ぎらつきが少なく、明瞭な表示を達成でき、特にタッチパネルとした時に、視認性の高い導電性積層部材およびタッチパネルを提供することができる。
図1は、点在した凸部の上面図と、点在した凸部の山頂間で切った断面と凸部表面の観察図を示す。 図2は、点在した凹部の上面図と、点在した凹部の谷部間で切った断面と凹部表面の観察図を示す。 図3は、プリズム形状のプリズム方向と垂直に切った断面と斜め観察図を示す。 図4は、本発明の実施例4のタッチパネルの部分断面拡大図を示す。
以下、本発明について具体的に説明する。
導電性積層フィルム(A)
1)本発明の導電性積層フィルム(A)は、透明樹脂からなる部材(I)に透明導電性層(III)が積層されてなる導電性積層フィルムであって、前記部材(I)を挟んで、透明電極層(III)側の表面は複数の凸部を有しており、下記条件1もしくは2のとき、R/Pが、0.1〜50であることを特徴とする導電性積層フィルムである。
1:任意に選ばれた凸部(1)の頂点(1)を通る断面の内、前記頂点(1)の両側に存在する2つの凹部の頂点(2−1)と頂点(2−2)間が最小となるときの距離(以下、「P」ともいう。)をP(μm)とし、そのときの頂点(1)の断面の曲率半径(以下、「R」ともいう。)をR(μm)としたとき。
2:任意に選ばれた隣接した凸部(1−1)の頂点(1−1)と凸部(1−2)の頂点(1−2)を結ぶ断面において、頂点(1−1)と頂点(1−2)の間に存在する凹部(2)頂点(2)の曲率半径をR(μm)とし、前記頂点(1−1)と前記頂点(1−2)間の距離をP(μm)としたとき。
<凸部>
本発明の導電性積層フィルム(A)は、表面部に複数の凸部を有する。導電性積層フィルム(A)においては、フィルムやシートなどの基材の表面部に凸部を設け、その上に透明導電性層を均一に積層することにより、透明電極層側の表面部に凸部が形成されていてもよく、フィルム(I)に凸を設けず、透明導電性層に凸を設けることにより、透明電極層側の表面部に凸部が形成されていてもよく、またフィルム(I)および透明導電性層(III)の両方に凸を設けることにより、透明電極層側の表面部に凸部が形成されていてもよい。
本発明の導電性積層フィルム(A)は、透明電極層側の表面部に凸部を有し、上記条件1または2のとき、R/Pが、0.1〜50であることで、アンチニュートンリング性確保と表面のパターン形状の不可視化、画像視認性の向上、ぎらつきの防止等を達成することができる。
なお、本発明においては、凸部とは、相対的に凹状の部分に対して凸状になっている部分を意味する。
したがって、本発明では、凹部を有し凸部に相当する突き出た部分が存在しなくても、凹部の部分に対して凸状になっている部分が存在すればよい。
さらに、凸部は、畝状であっても、海島状であってもよい。
形成された凸部は、点在して配列していることが好ましい。
凸部の前記Pは、好ましくは10〜200μm、より好ましくは10〜100μmの範囲である。畝形状の前記Pが10μmを下回ると製造が困難であり、200μmを超えると表面のパターン形状が見える場合がある。凸部のR/Pは通常0.1〜50、好ましくは0.1〜30の範囲で設定される。50より大きいとアンチニュートンリング性が発現しない場合がある。
プリズム形状
凸部が形成する形状は、プリズム形状であってもよい。当該プリズム形状を有する凸部をプリズムの長さ方向と直交する面で切った断面において、凹部および凸部が形成されている表面を示す線は周期を有し、また曲率半径を有する波状の曲線であってもよい。
プリズム形状(断面の表面を表す線)の前記Pは、好ましくは10〜200μm、より好ましくは10〜100μmの範囲である。前記Pが10μmを下回ると製造が困難であり、200μmを超えると表面のパターン形状が見える場合がある。プリズム形状の凸部のR/Pは通常0.1〜50、好ましくは0.1〜30の範囲で設定される。50より大きいとアンチニュートンリング性が発現しない場合がある。
点在して配列した凸部について更に図を用いて説明する。図1は、点在して配列した凸部が形成された光学透明基材を、点在した凸部の山頂間で切って上方から観察した図である。この面における凸部が形成されている表面を表す線の山部および谷部のR/Pが0.1〜50、Pが10〜200μmであることが好ましい。このように、上記の範囲の形状を形成することにより、本光学透明基材をタッチパネルとしたときに、Hazeが低く、干渉縞が抑えられ、表面のパターン形状の不可視化を達成でき、ぎらつきが少なく、明瞭な表示で画像視認性の高い光学透明基材およびタッチパネルを提供することができる。
図2は、点在して配列した凹部が形成された光学透明基材を、点在した凹部の谷部間で切って上方から観察した図である。この面における凹部が形成されている表面を表す線の山部および谷部のR/Pが0.1〜50、Pが10〜200μmであることが好ましい。このように、上記の範囲の形状を形成することにより、本光学透明基材をタッチパネルとしたときに、Hazeが低く、干渉縞が抑えられ、表面のパターン形状の不可視化を達成でき、ぎらつきが少なく、明瞭な表示で画像視認性の高い光学透明基材およびタッチパネルを提供することができる。
図3は、プリズム形状が形成された光学透明基材を、プリズム方向と垂直に切って斜め上方から観察した図である。この面における凹部および凸部が形成されている表面を表す線の山部および谷部の曲率半径/ピッチが0.1〜30、Pが10〜200μmであることが好ましい。このように、上記の範囲の形状を形成することにより、本光学透明基材をタッチパネルとしたときに、Hazeが低く、干渉縞が抑えられ、表面のパターン形状の不可視化を達成でき、ぎらつきが少なく、明瞭な表示で画像視認性の高い光学透明基材およびタッチパネルを提供することができる。
<透明樹脂からなる部材(I)>
透明樹脂からなる部材(I)としては、透明性を有し、導電性積層部材(A)の基材として用いられるものであればよく、公知の透明樹脂を含有するフィルムを用いることができる。本発明では、透明樹脂からなる部材(I)として、環状オレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂のうち少なくとも1つを含有する部材を用いることが好ましい。透明樹脂からなる部材(I)は、環状オレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂を含有する場合、1種単独の環状オレフィン系樹脂あるいはポリカーボネート樹脂あるいはポリエステル樹脂から形成されてもよく、2種以上の環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物、2種以上のポリカーボネート樹脂を含む樹脂組成物、2種以上のポリエステル樹脂を含む樹脂組成物、または1種以上の環状オレフィン系樹脂および1種以上のポリカーボネート樹脂および1種以上のポリエステル樹脂を含む樹脂組成物、あるいはさらにその他の樹脂成分を含む樹脂組成物から形成されてもよい。
本発明では、透明樹脂からなるフィルムやシートが、樹脂成分が1種以上の環状オレフィン系樹脂のみ、あるいは1種以上のポリカーボネート樹脂のみ、あるいは1種以上のポリエステル樹脂のみである樹脂または樹脂組成物からなるフィルムやシートであることがより好ましい。透明樹脂からなる基材が環状オレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂からなるフィルムやシートである場合には、透明性に優れ視認性の向上を図ることができる。
本発明に係る透明樹脂からなる部材は、位相差を示さないフィルムやシートであってもよく、位相差を有するフィルムやシートであってもよい。部材が位相差フィルムである場合、波長550nmの透過光に対する面内位相差が128〜148nm、好ましくは133〜143nmのフィルムであることが望ましく、1/4λ位相差フィルムであることが特に好ましい。ここで、位相差は、複屈折光の屈折率差(Δn)と厚さ(d)との積(Δnd)で定義される。透明樹脂からなる基材が、このような位相差を有する場合には、反射光を効果的に防止することができ、高コントラストのタッチパネルが得られるため好ましい。
上記位相差フィルムは、環状オレフィン系樹脂あるいはポリカーボネート樹脂から得られるフィルムを延伸処理して得られたものであることが好ましく、環状オレフィン系樹脂から得られるフィルムを延伸処理して得られたものであることがより好ましい。
・環状オレフィン系樹脂
透明樹脂からなる基材(I)を構成し得る環状オレフィン系樹脂としては、ノルボルネン骨格を有する環状オレフィン系化合物を1種以上含む単量体、あるいは前記環状オレフィン系化合物とともにさらに共重合性単量体を含む単量体組成物を、開環(共)重合あるいは付加(共)重合したものであることが好ましく、得られた(共)重合体の主鎖中の二重結合が水素添加されたものがより好適に用いられる。
環状オレフィン系樹脂としては、下記式(1)で表される少なくとも1種の化合物(以下、「特定単量体」ともいう)を含む単量体を(共)重合して得られる樹脂であることが好ましい。
(式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;または酸素、窒素、イオウもしくはケイ素を含有していてもよい1価の有機基を表し、R1とR2と、R3とR4とが、それぞれ独立に、相互に結合してアルキリデン基を形成していてもよく、R1とR2と、R3とR4と、R2とR3とが、それぞれ独立に、相互に結合して単環または多環の炭素環もしくは複素環を形成してもよく、xは0〜3の整数を表し、yは0または1を表す。)
・ポリカーボネート樹脂
透明樹脂からなる部材(I)を構成し得るポリカーボネート樹脂としては、特に限定されるものではなく、当該技術分野で知られている任意の芳香族ホモポリカーボネートあるいはコポリカーボネートを用いることができる。ポリカーボネート成分は、例えば界面重縮合法、均一相における重縮合法あるいはエステル交換法等、当該技術分野で一般に知られている方法の何れに従って製造されてもよい。これらの方法並びに関連する反応物、ポリマー、触媒、溶媒および条件は当該技術分野で周知であり、米国特許第2,964,974号,第2,970,137号,第2,999,835号,第2,999,846号,第3,028,365号,第3,153,008号,第3,187,065号,第3,215,668号,第3,258,414号および第5,010,162号に記載されている。適当なポリカーボネートは、例えば下記のビスフェノール類の一種またはそれ以上に基づいている:ジヒドロキシジフェニル類、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類、ビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン類、ビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド類、ビス(ヒドロキシフェニル)エーテル類、ビス(ヒドロキシフェニル)ケトン類、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホキシド類、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン類、アルキルシクロヘキシリデンビスフェノール類、α,α−ビス(ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン類、これらの核がアルキル化された誘導体あるいは核がハロゲン化された誘導体、およびこれらの混合物である。
これらのビスフェノール類の具体例は、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、α,α−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンである。特に好ましいビスフェノールは、より一般的にはビスフェノールAとして知られている2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンである。上記ビスフェノール類をホスゲンと反応させ、芳香族ポリカーボネートを製造し得る。適当なポリカーボネートはまた、米国特許第4,677,162号にも述べられている。
・ポリエステル樹脂
透明樹脂からなる部材(I)を構成し得るポリエステル樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とするポリエステルが好ましく使用される。
芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエ−テルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸などを用いることができ、なかでも好ましくは、テレフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いることができる。また、脂環族ジカルボン酸成分としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸などを用いることができる。また、脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などを用いることができる。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシエトキシ安息香酸などのオキシ酸などを一部共重合してもよい。
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2’−ビス( 4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどを用いることができ、なかでも好ましくは、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコールなどを用いることができ、特に好ましくは、エチレングリコールである。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
また、ポリエステルにはトリメリット酸、ピロメリット酸、グリセロール、ペンタエリスリトール、2,4−ジオキシ安息香酸、ラウリルアルコール、イソシアン酸フェニルなどの単官能化合物などの他の化合物を、ポリマーが実質的に線状である範囲内で共重合されていてもよい。
・その他の樹脂
本発明に係る透明樹脂からなるフィルムが、ポリエステル樹脂、環状オレフィン系樹脂およびポリカーボネート樹脂以外の樹脂からなる場合、透明樹脂としては、たとえば、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルフォン、ポリイミドなどを挙げることができる。
透明樹脂からなる部材(フィルム)(I)の製造
本発明で用いる透明樹脂からなる部材(フィルム)(I)は、予め環状オレフィン系樹脂またはポリカーボネート樹脂などの透明樹脂をフィルムまたはシート状に成形した後、延伸加工などをして得ることができる。透明樹脂をフィルム状に成形する方法は、透明樹脂の種類あるいはフィルムの所望特性などに応じて適宜選択して行うことができ、たとえば、溶融成形法および溶剤キャスト法(溶液流延法)などの方法を採用することができる。フィルムの成形方法としては、膜厚の均一性および表面平滑性が良好になる点からは溶剤キャスト法が好ましい。また、製造コスト面からは溶融成形法が好ましい。このようにして成形したフィルムは、特に限定されるものではないが、フィルム厚みが通常70〜300μm、好ましくは80〜250μmであり、フィルムの最大厚みと最小厚みとの差が通常3μm以内、好ましくは2μm以内である。
透明樹脂をフィルム状またはシート状に成形する際に、その少なくともその一面に凸部を形成することが好ましい。このようにすれば、このフィルム状物またはシート状物を延伸加工することにより、所望の凸部を有する部材(フィルム)(I)を得ることができる。凸部を形成する方法は公知の方法を用いることができ、例えば、溶融成形法においては溶融した樹脂を冷却・固化する際に、凹部を有する金属ロールなどに押し当てて転写する方法が好ましく用いられる。また、例えば溶剤キャスト法においては、凹部を有するステンレスを母材とした基材や例えばポリエチレンテレフタレート等のプラスチックの基材の上に、透明樹脂の溶液を流延し、溶媒を乾燥除去して得る方法が好ましく用いられる。
透明樹脂をフィルム状またはシート状に形成した後に、例えばエンボスロール等を用いてそのフィルム状物またはシート状物の少なくとも一面に凸部を形成することも好ましく行われる。このようにしても、この凸部を有するフィルム状物またはシート状物を延伸加工することにより、所望の凸部を有するフィルム(I)を得ることができる。エンボスロールは公知の素材を使用したものや上述の金属ロール等が適宜使用される。
本発明で用いる透明樹脂からなる部材(I)は、上記のようにして透明樹脂を成形したフィルム状物を原反フィルムとし、これを延伸処理することにより製造することができる。具体的には、原反フィルムを公知の一軸延伸法または二軸延伸法、斜め延伸法等により延伸して製造することができる。すなわち、テンター法による横一軸延伸法、ロール間圧縮延伸法、周遠の異なるロールを利用する縦一軸延伸法等、または横一軸と縦一軸とを組み合わせた二軸延伸法、フィルム両端のテンターの移動速度やガイドロールの形状を非対照にして光軸をフィルム面内で斜めとする斜め延伸法、インフレーション法による延伸法等を用いることができる。これらのうち、製造コスト面から横一軸延伸や縦一軸延伸が好ましく、光軸を斜めに調整できる面から斜め延伸が好ましく、フィルム表面形状のコントロールしやすさから二軸延伸がそれぞれ好ましく用いられる。
本発明で用いる透明樹脂からなるフィルム(I)の全光線透過率は、タッチパネルの視認性が良好となることから、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上、さらに好ましくは90%以上である。
<凸部の形成方法>
前記透明樹脂からなる基材の表面に、凸部が配列した微細形状を形成する方法としては、「コーティング法」、「溶融押し出し転写法」、「ホットエンボス法」、「UV硬化型インプリント法」、「ドライフィルム法」の5種類の手法が好ましい。
コーティング法は賦形したい基材フィルム上にコーティング装置(コーターもしくは塗工装置とも言う)を用いて液体状の樹脂を塗布し、乾燥硬化、熱硬化、もしくはUV硬化させる手法であり、その中でもダイレクトグラビアコーティング(ダイレクトインバースグラビアコーティング)、リバースダイレクトグラビアコーティング、オフセットグラビアコーティング(オフセットインバースグラビアコーティング)、リバースオフセットグラビアコーティング、ワイヤーバーコーティング(メイヤバーコーティング)、またこれら塗工方法と液供給方法としてファウンテンダイコーティングと組み合わせる方法、およびインクジェットコーティングが好ましい。なお賦形精度を向上させるためには、ダイレクトグラビアコーティング(ダイレクトインバースグラビアコーティング)、オフセットグラビアコーティング(オフセットインバースグラビアコーティング)、インクジェットコーティングを用いる事がより好ましい。
溶融押し出し転写法は、賦形したい樹脂を押し出し機にて熱溶融してフィルム状に押し出し、その後賦形ロールに押し当て冷却固化させる事により、賦形フィルムを得る方式である。
ホットエンボス法は賦形したい樹脂シートもしくは樹脂フィルムを加熱し軟化させ、その後賦形ロールに押し当て冷却固化させる事により、賦形フィルムを得る方式である。
UV硬化型インプリント法は、賦形したい基材フィルム上もしくは賦形ロール上に液体状のUV硬化性樹脂を塗布。基材フィルムと賦形ロールの間にUV硬化性樹脂を挟みこんだ状態で、UV硬化ランプにより樹脂を硬化させる事により、賦形フィルムを得る方式である。
ドライフィルム法は、コーティング法により基材フィルム上に液体状の樹脂を塗布し、乾燥硬化、熱硬化もしくはUV硬化により半硬化させドライフィルムを製造。さらにドライフィルムを賦形ロールに押し当てながら、追加乾燥硬化、追加熱硬化、追加UV硬化させることにより、賦形フィルムを得る方法である。なおドライフィルムを製造するコーティング方式は、バーコーティング、ナイフコーティング、コンマコーティング、スロットダイコーティング、スリットダイコーティング、リップダイコーティング、クローズドエッジダイコーティング、カーテンコーティング、スプレイコーティング、キャピラリーコーティング、ディスタンスバキュームコーティング、ロールコーティング(インバースロールコーティング)、リバースロールコーティング、ダイレクトグラビアコーティング(ダイレクトインバースグラビアコーティング)、リバースダイレクトグラビアコーティング、オフセットグラビアコーティング(オフセットインバースグラビアコーティング)、リバースオフセットグラビアコーティング、ワイヤーバーコーティング(メイヤバーコーティング)、インクジェットコーティングを用いる事が好ましい。
<硬化性樹脂組成物よりなる樹脂層(II)>
前記透明樹脂からなる部材(I)と透明導電層(III)との間に、表面硬度や密着性等の向上や表面凸部のなだらかさを調整することを目的に硬化性樹脂組成物よりなる樹脂層(II)を設けることができる。
(硬化性樹脂組成物)
硬化性樹脂組成物は、好ましくは(A)アクリロイル基を3以上有する多官能モノマー(以下「(A)成分」ともいう。)、(B)グリシジル(メタ)アクリレート系重合物にアクリル酸を付加反応させてなるポリマー(以下「(B)成分」ともいう。)および(C)任意にその他のアクリルオリゴマー(以下「(C)成分」ともいう。)を特定量で配合してなる。特に、(A)成分は、透明導電層(III)の硬度、透明樹脂からなる基材(I)への密着性等を付与し得る成分である。(B)成分は、透明導電層の硬度のさらなる向上、硬化性および硬化時のカール発生の低減などを付与し得る成分である。(B)成分を配合することにより、(B)成分が高分子量であり、かつ分子中に水酸基を多く有することに起因して、疎水性の高い(A)成分との相溶性が低下し、(B)成分が得られる表面保護硬化性樹脂膜の表面に移行するためであると考えられる。(C)成分は、強靭性等を付与し得る任意成分である。
<透明導電性層(III)>
本発明の導電性フィルム(A)は、透明樹脂からなる部材(I)の上に透明導電層(III)が積層されてなるか、あるいは基材(I)の上に上述の硬化性樹脂組成物よりなる樹脂層(II)等が適宜形成され、さらにその上に透明導電層(III)が積層されてなる。
本発明の導電性フィルム(A)を構成する透明導電層(III)は、可視光領域において透過度を有し、かつ導電性を有する層であればよく、特に限定されるものではないが、酸化錫を含有する酸化インジウム(酸化インジウムスズ、以下「ITO」ともいう)、酸化チタンを含有する酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、ポリチオフェン、無機ナノ粒子等を分散した無機/有機複合系材料などから得られる層が挙げられる。本発明では、透明導電層(III)が、ITOからなる層であることが好ましく、より具体的には結晶性ITOからなる層であることが好ましい。
(透明導電層(III)の形成)
透明導電層(III)の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の従来公知の技術をいずれも用いることができるが、膜の均一性や透明基材への薄膜の密着性の観点から、スパッタリング法での薄膜形成が好ましい。また、用いる薄膜材料も上記以外に、例えば、アンチモンを含有する酸化錫などの金属酸化物のほか、金、銀、白金、パラジウム、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、コバルト、錫またはこれらの合金などを用いてもよい。この導電性薄膜の厚さは、30Å以上とすることが好ましく、これより薄いと表面抵抗が、1000Ω/□以下となる良好な導電性を有する連続被膜となり難いことがある。一方、厚くしすぎると透明性の低下などをきたすことがあるために、好適な厚さとしては、50〜2000Å程度である。
ITOからなる透明導電層(III)をスパッタリング法により形成する場合、ターゲットとして、従来公知のITOターゲットが用いられる。ITO膜の形成に用いるターゲット剤材として、酸化インジウムと酸化錫との重量比はが、好ましくは99:0.5〜99:20、より好ましくは99:1〜90:15、さらに好ましくは99:1〜90:10のものを用いるのが望ましい。重量比が上記範囲外であると抵抗値の上昇が起こる。
ITO成膜時の温度は、透明樹脂からなる基材(I)のガラス転移温度(Tg)以下であることが好ましく、「室温〜透明樹脂のTg」がより好ましく、「室温〜透明樹脂のTg−20℃」がさらに好ましい。基材(I)を構成する透明樹脂のTg以上であると部材の劣化が起こることがある。なお、硬化性樹脂組成物よりなる樹脂層(II)のTgが透明樹脂のTgよりも低い場合には、当該樹脂層(II)のTg以下の温度で成膜を行うのが望ましい。
また、ITO成膜時に雰囲気ガスとしてArに微量の酸素、好ましくはArとO2との合計に対して、好ましくは0.05〜20体積%、より好ましくは0.01〜10体積%、さらに好ましくは0.1〜3体積%のO2を導入すると、ITO薄膜の透明性と導電性を良くすることができる。
透明導電層(III)としてITO薄膜を形成する場合、そのITOは結晶性ITOであることが好ましい。結晶性ITO薄膜の成膜方法は、ターゲット電極(カソード)に印加する電力を間欠的に変化させるパルススパッタリング法、更に、このパルススパッタリング法に複数のカソード配置を基本構成としたデュアルカソードパルススパッタリング法が用いられる。これらのスパッタリング法は、よりよい真空度でのプラズマ放電にも対応させるため、マグネトロンスパッタリング法を用いることが好ましく、また安定したパルス電流の発生と条件設定の自由度をもたせるため、パルス発生ユニットにはバイポーラ型またはユニポーラ型を用いることが好ましい。結晶性ITO薄膜は、成膜後に150℃程度の温度レベルでアニールをすることにより結晶化する方法でも得ることができる。結晶化ITO膜とする事で耐久性が著しく向上する。
<易接着層>
本発明の導電性フィルム(A)は、透明樹脂からなる基材(I)あるいは硬化樹脂層からなる樹脂層(II)と透明導電層(III)との間に、接着性を向上させるとともにガスバリア性を付与する目的で、易接着層を有することも好ましい。当該易接着層には、金属酸化物微粒子含有してもしなくても良いが、金属酸化物微粒子を含有することにより接着性が向上することから好ましい。通常、好ましい易接着層は、金属酸化物微粒子とポリシロキサンとを含有する組成物からなる塗工液を調製し、当該塗工液を基材(I)または樹脂層(II)に塗工、乾燥することにより得られる。
(金属酸化物微粒子)
易接着層に用いられる金属酸化物微粒子は、金属元素の酸化物微粒子であればその種類は特に限定されないが、例えば、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ハフニウム、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化プラセオジウム、酸化ネオジウム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビニウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム、酸化カルシウム、酸化ガリウム、酸化リチウム、酸化ストロンチウム、酸化タングステン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、およびこれらの複合体、ならびにインジウム−スズ複合酸化物などの上記金属2種以上の複合体の酸化物などの微粒子が挙げられる。
上記金属酸化物微粒子の1次平均粒子径は、好ましくは0.1〜100nm、より好ましくは0.1〜70nm、特に好ましくは0.1〜50nmである。金属酸化物微粒子の1次平均粒子径が上記範囲にあると、光透過性に優れた積層部材を得ることができる。
(ポリシロキサン)
易接着層に用いられるポリシロキサンは、多官能性ポリシロキサンであることが好ましい。
多官能性ポリシロキサンとしては、ジメチルシロキサン連鎖を有する多官能ポリシロキサンと、ポリジメチルシロキサンとを脱アルコール反応させて得られるポリシロキサンが好ましいものとして挙げられる。多官能ポリシロキサンとポリジメチルシロキサンとは、末端官能基がアルコキシル基またはヒドロキシル基であることが好ましく、それぞれ異なる末端官能基を有するジメチルシロキサンとポリジメチルシロキサンとを脱アルコール反応させて、多官能性ポリシロキサンが得られる。
<反射防止層>
本発明の導電性フィルム(A)は、可視光領域の透過度を向上させる目的で、透明導電層(III)の下層側に反射防止層を有することも好ましい。反射防止層は通常、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム等の低屈折率層と、酸化チタン、酸化ニオブおよび酸化タンタル等の高屈折率層とを含む2層以上の積層構造からなる。
これらの無機酸化物からなる低、高屈折率層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法(ドライプロセス)または各金属アルコキサイド、酸化ジルコニウム等の無機酸化物の超微粒子を含む塗布液の塗工法(ウェットプロセス)など公知の方法を採用することができる。
また、低屈折層としてフッ素ポリマーを主成分とする有機材料を塗工することも好ましい。
<導電性フィルム(A)の特性>
本発明の導電性フィルム(A)は、好ましくは以下の各物性を有する。なお、以下の各物性値の測定方法は、特に断りのない場合、光学透明基材(I)/透明導電層(II)からなる積層部材の物性において上述したとおりである。
(1)ヘイズは、曇価ともよばれ、曇り具合、拡散度合いを表すものであって、例えば、市販されているスガ試験機(株)HGM-2DP等を用いて、JIS K-7136に準拠してヘイズ(%)を測定することができる。標記導電性フィルムのヘイズは、1%以下が好ましい。ヘイズが上記範囲外であると、白ぼけが発生しタッチパネルの視認性が低下する。
(2)全光線透過率(%)は、例えば、市販されているスガ試験機(株)HGM-2DP等を用いて、JIS K−7361に準拠して測定する場合、タッチパネルの視認性が向上することから、80%以上が好ましく、83%以上がより好ましく、85%以上がさらに好ましい。
(3)透過光b*(%)は、例えば、市販されている大塚電子(株)製色差計RETS−1200VA等を用いて、JIS Z−8722に準拠し測定する場合、タッチパネルの視認性が向上することから、0〜12%が好ましく、0〜7%がより好ましく、0〜4%がさらに好ましい。
(4)輝度ムラは、シャープ製モバイルツールSL−6000Nの画面を緑表示とした後、標記部材を乗せ、目視により評価する場合、画素の輝度ムラがほとんど認識できないことが好ましい。
(5)アンチニュートンリング性は、標記部材を平滑なガラス板(厚み3mm、素材:ソーダガラス)の上に曲線状の凹凸形状の面が密着するように乗せて指で押しつけ、ニュートンリングが発生するかを目視にて評価する場合、ニュートンリングが発生しないことが好ましい。
(6)表面抵抗(Ω/□)は、例えば、市販されている三菱化学(株)製の低抵抗率計「ロレスタ−GP」を用いて測定する場合、200〜1500Ω/□が好ましく、250〜1000Ω/□がより好ましく、300〜500Ω/□がさらに好ましい。表面抵抗が、1500Ω/□を超えると、良好な導電性を有する連続皮膜となり難い場合がある。一方、200Ω/□未満であると、透明性の低下およびタッチパネルの誤作動を引き起こし易くなる場合がある。
タッチパネル
本発明のタッチパネルは、本発明の導電性フィルム(A)を、4線式抵抗膜方式、5線式抵抗膜方式等のタッチパネルの上部電極および/または下部電極として好適に用いられる。そして、このタッチパネルを液晶ディスプレイの前面に配置することでタッチパネル機能を有する表示装置が得られる。
本発明のタッチパネルは、上述した導電性フィルム(A)を有するものであり、好ましくは、下部電極として導電性フィルム(A)を、上部電極として後述の導電性フィルム(B)を組み合わせて用いた構成である。導電性フィルム(A)と導電性フィルム(B)とは、それぞれの透明導電層が対向するように、必要に応じてスペーサーを介して組み合わされることが好ましい。
タッチパネルの上部電極として用いられる導電性フィルム(B)は、透明導電層と、透明樹脂部材と、必要に応じて偏光板とがこの順に積層されてなることが好ましい。上部電極として用いられる導電性フィルム(B)を構成する透明樹脂部材は、位相差フィルムであってもよく、通常のPETフィルムなどの位相差を示さないフィルムであってもよい。また、導電性フィルム(B)として、導電性フィルム(A)と同様のものを用いることもできる。
導電性フィルム(B)を構成する透明導電性層としては、上述した導電性フィルム(A)を構成する透明導電層(III)と同様のものが挙げられ、中でもITOからなる透明導電性層が好ましく、結晶性ITOからなる透明導電層がより好ましい。透明導電層は、透明樹脂部材上に必要に応じて易接着層、反射防止層などを介して形成される。
導電性フィルム(B)を構成する透明樹脂部材が位相差フィルムである場合、波長550nmの透過光に対する面内位相差が128〜148nm、好ましくは133〜143nmのフィルムであることが望ましく、1/4λ位相差フィルムであることが特に好ましい。
本発明で用いられる導電性フィルム(B)は、透明樹脂基材の透明導電層とは逆側に、偏光板を有することも好ましい。導電性フィルム(B)を構成する偏光板は、偏光膜、すなわち、入射光を互いに直行する2つの偏光成分に分け、その一方のみを通過させ、他の成分を吸収または分散させる働きを有する膜を有するものであれば特に限定されない。このような偏光膜としては、例えば、ポリビニルアルコール(以下「PVA」ともいう。)・ヨウ素系偏光膜;PVA系フィルムに二色性染料を吸着配向させたPVA・染料系偏光膜;PVA系フィルムの脱水反応、ポリ塩化ビニルフィルムの脱塩酸反応等により、ポリエンを形成させたポリエン系偏光膜;分子内にカチオン性基を含有する変性PVAからなるPVA系フィルムの表面および/または内部に二色性染料を有する偏光膜などが挙げられる。これらのうち、PVA・ヨウ素系偏光膜が好ましい。
偏光膜の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法を適用することができる。例えば、PVA系フィルムを延伸後、ヨウ素イオンを吸着させる方法;PVA系フィルムを二色性染料による染色後、延伸する方法;PVA系フィルムを延伸後、二色性染料で染色する方法;二色性染料をPVA系フィルムに印刷後、延伸する方法;PVA系フィルムを延伸後、二色性染料を印刷する方法などが挙げられる。より具体的には、ヨウ素をヨウ化カリウム溶液に溶解して、高次のヨウ素イオンを作り、このイオンをPVAフィルムに吸着させて延伸し、次いで1〜5重量%ホウ酸水溶液に浴温度30〜40℃で浸漬して偏光膜を製造する方法;またはPVAフィルムを上記と同様にホウ酸処理して一軸方向に3〜7倍程度延伸した後、0.05〜5重量%の二色性染料水溶液に浴温度30〜40℃で浸漬して染料を吸着し、次いで80〜100℃で乾燥して熱固定して偏光膜を製造する方法などが挙げられる。
偏光膜の厚さは、特に限定されるものではないが、10〜50μmが好ましく、15〜45μmがより好ましい。
これらの偏光膜は、そのまま本発明の偏光板の製造に用いてもよいが、接着剤層と接する面に、コロナ放電処理、プラズマ処理を施して用いることもできる。
本発明で用いる偏光板は、偏光膜のみから構成されていてもよいが、偏光膜に耐吸湿性等を付与する目的で保護膜を有していてもよい。
本発明に係る導電性フィルム(B)が偏光板を有する場合、透明導電層、位相差フィルム、および偏光板がこの順に積層されてなることが好ましく、具体的には、位相差フィルム、および透明導電層が積層された導電性積層部材の透明導電層と反対側の面に、感圧性接着剤により偏光膜と接着されて、偏光板を構成するのが好ましい。
上記感圧性接着剤としては、ポリビニルアルコール系感圧性接着剤、アクリル系感圧性接着剤、ゴム系感圧性接着剤、シリコーン系感圧性接着剤などが好適である。
本発明のタッチパネルでは、透明導電層、1/4λ位相差フィルムおよび偏光板がこの順に一体に積層された導電性フィルム(B)を上部電極として用い、対応する下部電極として1/4λ位相差フィルムである基材(I)上に畝形状樹脂層(II)と透明導電層(III)とが積層された導電性フィルム(A)を用いることにより、反射光が好適に抑制され、視認性が特に向上するため好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」はいずれも「重量部」を表す。
各種物性は、次のようにして測定あるいは評価した。
(1)表面形状
オリンパス(株)レーザー顕微鏡 LEXT OLS4000を用い、透明導電部材(フィルム)表面形状に関する寸法を測定した。
(2)透明導電部材の表面微細パターン形状の視認性評価
明るい通常の部屋にて、タッチパネルの黒表示画面を正面および斜め方向から見て、目視で筋状の線が観察できるか調べ、下記基準で評価した。
○ :透明導電部材の表面微細パターン形状が全く観察されない
△ :透明導電部材の表面微細パターン形状がわずかに観察される
× :透明導電部材の表面微細パターン形状がはっきりと観察される
(3)輝度ムラ(ぎらつき発生程度)
シャープ製モバイルツールSL−6000Nの画面を緑表示とした後、透明導電部材を乗せ、以下の基準で目視により評価した。
○ :画素の輝度ムラがほとんど認識できない
△ :画素の輝度ムラが認識できるが、目立たない
× :画素の輝度ムラがはっきり認識できる
(4)アンチニュートンリング性(干渉縞の発生の抑制程度)
フィルムを平滑なガラス板(厚み3mm、素材:ソーダガラス)の上に微細パターン形成面、もしくは粒子含有樹脂層が密着するように乗せて指で押しつけ、ニュートンリングが発生するかを目視にて評価した。
○ :ニュートンリングが発生しない
△ :ニュートンリングがわずかに発生する
× :ニュートンリングが明らかに発生する
(5)ヘイズ
スガ試験機(株)HGM-2DPを用い、JIS K−7136に準拠してヘイズ(%)を測定した。
(6)全光線透過率
スガ試験機(株)HGM-2DPを用い、JIS K−7361に準拠して全光線透過率(%)を測定した。
(7)透過光b*
大塚電子(株)製色差計RETS−1200VAを用い、JIS Z−8722に準拠して透過光b*(%)を測定した。
(8)表面抵抗
三菱化学(株)製の低抵抗率計「ロレスタ−GP」を用い、透明導電層の表面抵抗値(Ω/□)を測定した。
(9)タッチパネルの画像視認性評価
液晶パネル上にタッチパネルを配置し、画像を表示させた状態で画面を目視観察した。
○ :画像に滲みやぼけが無く、クリア感がある
× :画像に滲みやぼけがある
(10)タッチパネルの筋状の線評価
明るい通常の部屋にて、タッチパネルの黒表示画面を正面および斜め方向から見て、目視で筋状の線が観察できるか調べ、下記基準で評価した。
○ :タッチパネルの表面微細パターン形状が全く観察されない
△ :タッチパネルの表面微細パターン形状がわずかに観察される
× :タッチパネルの表面微細パターン形状がはっきりと観察される
(11)タッチパネルのアンチニュートンリング性(干渉縞の発生の抑制程度)評価
タッチパネルの上部電極側の表面を、電極間が接触するように指で押しつけ、ニュートンリングが発生するかを目視にて評価した。
○ :ニュートンリングが発生しない
△ :ニュートンリングがわずかに発生する
× :ニュートンリングが明らかに発生する
[合成例1](環状オレフィン系重合体Aの合成)
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン227.5部、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン22.5部、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部、トルエン(開環重合反応用溶媒)750部とを窒素置換した反応容器内に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(1.5モル/L)0.62部と、t−ブタノール/メタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/L)3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環共重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であった。
このようにして得られた開環共重合体溶液4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環共重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C65330.48部を添加し、水素ガス圧力100kg/cm2、反応温度160℃の条件下で、3時間加熱攪拌して水素添加反応を行った。
得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、これを乾燥して、水素添加された環状オレフィン系重合体A を得た。
[合成例2](環状オレフィン系重合体フィルムAの製造)
合成例1で得られた環状オレフィン系重合体A を、固形分濃度が30% となるようにトルエンに溶解した。得られた溶液の室温における溶液粘度は30,000mPa・sであった。この溶液に、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を、環状オレフィン系重合体A100重量部に対して0.1重量部を添加し、得られた溶液を日本ポール製の孔径5μmの金属繊維焼結フィルターを用い、差圧が0.4MPa以内に収まるように溶液の流速をコントロールしながら濾過した後、クラス1000のクリーンルーム内に設置した井上金属工業製の「INVEX ラボコーター」を用い、アクリル酸系表面処理剤によって親水化(易接着性化) 処理された、厚みが100μmのPETフィルム(東レ(株)製の「ルミラーU94」)に塗布した。次いで、得られた液層に対して、50℃で一次乾燥処理を行い、さらに、90℃で二次乾燥処理を行った後、PETフィルムから剥離させ、厚さ188μmの環状オレフィン系重合体フィルムAを形成した。得られた環状オレフィン系重合体フィルムAの残留溶媒量は0.5重量%であり、光線透過率は93%以上であった。
[作製例1](積層部材B−1の作製)
UV硬化樹脂(JSR(株)製デソライトKZ−9136)を、コントロールコーターにて、基材として環状オレフィン系重合体フィルムAの片面に塗布後、凹部が点在して配列した形状が形成された金型に密着させながら、1J/cm2の紫外線を照射して積層部材B−1を得た。当該部材の表面賦形された面の表面形状をオリンパス(株)レーザー顕微鏡 LEXT OLS4000により調べたところ、断面形状のPが100μm、R/Pが3の凸部が点在して配列した形状であった。
得られた積層部材B−1の各種物性を測定または評価した結果を表1に、積層部材の上面図、および断面形状を図2に示す。
[作製例2](積層部材B−2の作製)
金型の形状を替えたこと以外は作製例1と同様にして、断面形状のPが180μm、R/Pが50の凹部が点在して配列した形状を有する積層部材B−2を得た。得られた積層部材B−2の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
[作製例3](積層部材B−3の作製)
基材を188μmの透明なPETフィルム(東レ(株)製 U426)に替え、金型の形状を替えたこと以外は作製例1と同様にして、断面形状のPが50μm、R/Pが10のプリズム形状を有する積層部材B−3を得た。得られた積層部材B−3の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
[作製例4](積層部材B−4の作製)
基材を188μmの透明なPETフィルム(東レ(株)製 U426)に替え、金型の形状を替えたこと以外は作製例1と同様にして、断面形状のPが400μm、R/Pが95の凸部が点在して配列した形状を有する積層部材B−4を得た。得られた積層部材B−4の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
[作製例5](積層部材B−5の作製)
基材を188μmの透明なPETフィルム(東レ(株)製 U426)に替え、金型の形状を替えたこと以外は作製例1と同様にして、断面形状のPが1000μm、R/Pが80の凹部が点在して配列した形状を有する積層部材B−5を得た。得られた積層部材B−5の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
[作製例6](積層部材B−6の作製)
基材を188μmの透明なPETフィルム(東レ(株)製 U426)に替え、金型の形状を替えたこと以外は作製例1と同様にして、断面形状のPが800μm、R/Pが130のプリズム形状を有する積層部材B−6を得た。得られた積層部材B−6の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
[作製例7](積層部材B−7の作製)(←粒子入り部材)
UV硬化樹脂(JSR(株)製 デソライトK Z−9136)(酢酸エチルにより固形分を80%になるよう調整、さらにMEKにより固形分が50%になるよう調整)100部、アクリル粒子(MX−180(平均粒径:約1.8μm)、綜研化学社製)0.8部を、攪拌用オープンドラム(内側直径約40cm、内側高さ58cm)に配合し、直径約11cmの羽で、150分間、ディスパー攪拌し、塗料を得た。
得られた塗液をコントロールコーターにて、188μmの透明なPETフィルム(東レ(株)製U426)の片面に塗布後、70℃で40秒間乾燥し、1J/cm2の紫外線を照射して、膜厚1.7μmのUV硬化樹脂層を有する積層部材B−7を得た。得られた積層部材B−7の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
[実施例1](導電性フィルムC−1の製造)
部材B−1における凹凸を有する面に、アルゴンガス流入下でインジウムと錫とを含んだターゲットを用いて、下記の条件により透明導電層をスパッタリング法により形成し、導電性フィルムC−1を得た。得られた導電性フィルムC−1の透明導電層における表面抵抗値を測定したところ、550Ω/□、透明導電膜層の厚みは20nmであった。各種物性を測定および評価した結果を表1に示す。
(条件)
基材温度:50℃以下
ターゲット:ITO(In23/SnO2=90/10(重量比))
雰囲気:アルゴン流入下
アルゴン流量:100〜500sccm
出力:1〜1.5Kw
[実施例2](導電性フィルムC−2の製造)
部材B−1に替えて、部材B−2を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムC−2を得た。各種物性を測定および評価した結果を表1に併せて示す。
[実施例3](導電性フィルムC−3の製造)
部材B−1に替えて、部材B−3を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムC−3を得た。各種物性を測定および評価した結果を表1に併せて示す。
[比較例1](導電性フィルムC−4の製造)
部材B−1に替えて、部材B−4を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムC−4を得た。各種物性を測定および評価した結果を表1に併せて示す。
[比較例2](導電性フィルムC−5の製造)
部材B−1に替えて、部材B−5を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムC−5を得た。各種物性を測定および評価した結果を表1に併せて示す。
[比較例3](導電性フィルムC−6の製造)
部材B−1に替えて、部材B−6を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムC−6を得た。各種物性を測定および評価した結果を表1に併せて示す。
[比較例4](導電性フィルムC−7の製造)
部材B−1に替えて、部材B−7を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムC−7を得た。各種物性を測定および評価した結果を表1に併せて示す。
[実施例4](タッチパネルの作製)
実施例1で得られた導電性フィルムC−1を下部電極として、188μmのPETフィルムに実施例1と同様の方法でITOをスパッタリングして得られた導電性部材C−8を上部電極とした。この2枚を、透明導電膜面が対向するように、スペーサーを介して重ね合わせ、液晶表示素子上に配置して、本発明のタッチパネルを得た。その構成を図4に示す。得られたタッチパネルについて、画像視認性、パターン形状不可視化性とアンチニュートンリング性評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例5](タッチパネルの作製)
上部電極に導電性部材C−8に替えて導電性フィルムC−2を使用し、導電性フィルムC−1に替えて導電性フィルムC−2を使用した以外は実施例4と同様にして、各種評価を行った。結果を表2に併せて示す。
[実施例6](タッチパネルの作製)
導電性フィルムC−1に替えて導電性フィルムC−3を使用した以外は実施例4と同様にして、各種評価を行った。結果を表2に併せて示す。
[比較例5](タッチパネルの作製)
導電性フィルムC−1に替えて導電性フィルムC−4を使用した以外は実施例4と同様にして、各種評価を行った。結果を表2に併せて示す。
[比較例6](タッチパネルの作製)
導電性フィルムC−1に替えて導電性フィルムC−5を使用した以外は実施例4と同様にして、各種評価を行った。結果を表2に併せて示す。
[比較例7](タッチパネルの作製)
導電性フィルムC−1に替えて導電性フィルムC−6を使用した以外は実施例4と同様にして、各種評価を行った。結果を表2に併せて示す。
[比較例8](タッチパネルの作製)
導電性フィルムC−1に替えて導電性フィルムC−7を使用した以外は実施例4と同様にして、各種評価を行った。結果を表2に併せて示す。
本発明の導電性フィルムは、液晶ディスプレイやタッチパネルなどのディスプレイの透明電極として好適に用いることができ、タッチパネル用途、なかでも表示装置用のタッチパネル用途に特に好適である。本発明のタッチパネルは、液晶表示素子などの各種表示装置用のタッチパネルとして有用であり、たとえば、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ノートPC、OA機器、医療機器、あるいはカーナビゲーションシステム等の電子機器のタッチパネルとして好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 透明樹脂からなる部材(I)に透明導電性層(III)が積層されてなる導電性積層フィルムであって、 前記部材(I)を挟んで、透明電極層(III)側の表面は複数の凸部を有しており、下記条件1または2のとき、R/Pが、0.1〜50であり、かつ前記Pが10〜100μmであることを特徴とするタッチパネル用導電性積層フィルム。
    1:任意に選ばれた凸部(1)の頂点(1)を通る断面の内、前記頂点(1)の両側に存在する2つの凹部の頂点(2−1)と頂点(2−2)間が最小となるときの距離をP(μm)とし、そのときの頂点(1)の断面の曲率半径をR(μm)としたとき。
    2:任意に選ばれた隣接した凸部(1−1)の頂点(1−1)と凸部(1−2)の頂点(1−2)を結ぶ断面において、頂点(1−1)と頂点(1−2)の間に存在する凹部(2)の頂点(2)の曲率半径をR(μm)とし、前記頂点(1−1)と前記頂点(1−2)間の距離をP(μm)としたとき。
  2. 二枚の透明導電部材が透明導電膜側を対向させて備えられ、少なくとも一方の導電性積層フィルムが請求項に記載の導電性積層フィルムであるタッチパネル。
  3. 請求項に記載のタッチパネルを搭載した表示装置。
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