JP2012181951A - 導電性積層フィルム、タッチパネルおよび表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明樹脂からなる部材(I)に透明導電性層(III)が積層されてなる導電性積層フィルムであって、前記部材(I)を挟んで、透明電極層(III)側の表面は複数の凸部を有しており、下記条件1もしくは2のとき、R/Pが、0.1〜50であることを特徴とする導電性積層フィルムである。1:任意に選ばれた凸部(1)の頂点を通る断面の内、その両端に存在する凹部の頂点間が最小の距離をP(μm)とし、そのときの凸部(1)の断面の曲率半径をR(μm)としたとき。2:任意に選ばれた隣接した凸部(2−1)と凸部(2−2)を結ぶ断面の凹部の曲率半径をR(μm)とし、前記凸部(2−1)の頂点と前記凸部(2−1)の頂点をP(μm)としたとき。
【選択図】図1
Description
このため、光学特性に優れ視認性が高く、干渉縞が抑制されるとともに、より高い耐久性を併せ持つ、優れたタッチパネルの出現が強く望まれていた。
1)透明樹脂からなる部材(I)に透明導電層(III)が積層されてなる導電性積層フィルムであって、前記部材(I)を挟んで、透明導電層(III)側の表面は複数の凸部を有しており、下記条件1または2のとき、R/Pが、0.1〜50であることを特徴とする導電性積層フィルム。
1:任意に選ばれた凸部(1)の頂点(1)を通る断面の内、前記頂点(1)の両側に存在する2つの凹部の頂点(2−1)と頂点(2−2)間が最小となるときの距離をP(μm)とし、そのときの頂点(1)の断面の曲率半径をR(μm)としたとき。
2:任意に選ばれた隣接した凸部(1−1)の頂点(1−1)と凸部(1−2)の頂点(1−2)を結ぶ断面において、頂点(1−1)と頂点(1−2)の間に存在する凹部(2)の頂点(2)の曲率半径をR(μm)とし、前記頂点(1−1)と前記頂点(1−2)間の距離をP(μm)としたとき。
2)前記Pが400μm以下であることが好ましい1)記載の導電性積層フィルム。
3)前記Pが10〜200μmであることを特徴とする1)〜2)に記載の導電性積層フィルム。
4)二枚の透明導電部材が透明導電膜側を対向させて備えられ、少なくとも一方の導電性積層フィルムが1)〜3)に記載の導電性積層フィルムであるタッチパネル。
5)4)に記載のタッチパネルを搭載した表示装置。
導電性積層フィルム(A)
1)本発明の導電性積層フィルム(A)は、透明樹脂からなる部材(I)に透明導電性層(III)が積層されてなる導電性積層フィルムであって、前記部材(I)を挟んで、透明電極層(III)側の表面は複数の凸部を有しており、下記条件1もしくは2のとき、R/Pが、0.1〜50であることを特徴とする導電性積層フィルムである。
1:任意に選ばれた凸部(1)の頂点(1)を通る断面の内、前記頂点(1)の両側に存在する2つの凹部の頂点(2−1)と頂点(2−2)間が最小となるときの距離(以下、「P」ともいう。)をP(μm)とし、そのときの頂点(1)の断面の曲率半径(以下、「R」ともいう。)をR(μm)としたとき。
2:任意に選ばれた隣接した凸部(1−1)の頂点(1−1)と凸部(1−2)の頂点(1−2)を結ぶ断面において、頂点(1−1)と頂点(1−2)の間に存在する凹部(2)頂点(2)の曲率半径をR(μm)とし、前記頂点(1−1)と前記頂点(1−2)間の距離をP(μm)としたとき。
本発明の導電性積層フィルム(A)は、表面部に複数の凸部を有する。導電性積層フィルム(A)においては、フィルムやシートなどの基材の表面部に凸部を設け、その上に透明導電性層を均一に積層することにより、透明電極層側の表面部に凸部が形成されていてもよく、フィルム(I)に凸を設けず、透明導電性層に凸を設けることにより、透明電極層側の表面部に凸部が形成されていてもよく、またフィルム(I)および透明導電性層(III)の両方に凸を設けることにより、透明電極層側の表面部に凸部が形成されていてもよい。
したがって、本発明では、凹部を有し凸部に相当する突き出た部分が存在しなくても、凹部の部分に対して凸状になっている部分が存在すればよい。
さらに、凸部は、畝状であっても、海島状であってもよい。
形成された凸部は、点在して配列していることが好ましい。
凸部が形成する形状は、プリズム形状であってもよい。当該プリズム形状を有する凸部をプリズムの長さ方向と直交する面で切った断面において、凹部および凸部が形成されている表面を示す線は周期を有し、また曲率半径を有する波状の曲線であってもよい。
透明樹脂からなる部材(I)としては、透明性を有し、導電性積層部材(A)の基材として用いられるものであればよく、公知の透明樹脂を含有するフィルムを用いることができる。本発明では、透明樹脂からなる部材(I)として、環状オレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂のうち少なくとも1つを含有する部材を用いることが好ましい。透明樹脂からなる部材(I)は、環状オレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂を含有する場合、1種単独の環状オレフィン系樹脂あるいはポリカーボネート樹脂あるいはポリエステル樹脂から形成されてもよく、2種以上の環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物、2種以上のポリカーボネート樹脂を含む樹脂組成物、2種以上のポリエステル樹脂を含む樹脂組成物、または1種以上の環状オレフィン系樹脂および1種以上のポリカーボネート樹脂および1種以上のポリエステル樹脂を含む樹脂組成物、あるいはさらにその他の樹脂成分を含む樹脂組成物から形成されてもよい。
透明樹脂からなる基材(I)を構成し得る環状オレフィン系樹脂としては、ノルボルネン骨格を有する環状オレフィン系化合物を1種以上含む単量体、あるいは前記環状オレフィン系化合物とともにさらに共重合性単量体を含む単量体組成物を、開環(共)重合あるいは付加(共)重合したものであることが好ましく、得られた(共)重合体の主鎖中の二重結合が水素添加されたものがより好適に用いられる。
透明樹脂からなる部材(I)を構成し得るポリカーボネート樹脂としては、特に限定されるものではなく、当該技術分野で知られている任意の芳香族ホモポリカーボネートあるいはコポリカーボネートを用いることができる。ポリカーボネート成分は、例えば界面重縮合法、均一相における重縮合法あるいはエステル交換法等、当該技術分野で一般に知られている方法の何れに従って製造されてもよい。これらの方法並びに関連する反応物、ポリマー、触媒、溶媒および条件は当該技術分野で周知であり、米国特許第2,964,974号,第2,970,137号,第2,999,835号,第2,999,846号,第3,028,365号,第3,153,008号,第3,187,065号,第3,215,668号,第3,258,414号および第5,010,162号に記載されている。適当なポリカーボネートは、例えば下記のビスフェノール類の一種またはそれ以上に基づいている:ジヒドロキシジフェニル類、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類、ビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン類、ビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド類、ビス(ヒドロキシフェニル)エーテル類、ビス(ヒドロキシフェニル)ケトン類、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホキシド類、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン類、アルキルシクロヘキシリデンビスフェノール類、α,α−ビス(ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン類、これらの核がアルキル化された誘導体あるいは核がハロゲン化された誘導体、およびこれらの混合物である。
透明樹脂からなる部材(I)を構成し得るポリエステル樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とするポリエステルが好ましく使用される。
本発明に係る透明樹脂からなるフィルムが、ポリエステル樹脂、環状オレフィン系樹脂およびポリカーボネート樹脂以外の樹脂からなる場合、透明樹脂としては、たとえば、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルフォン、ポリイミドなどを挙げることができる。
本発明で用いる透明樹脂からなる部材(フィルム)(I)は、予め環状オレフィン系樹脂またはポリカーボネート樹脂などの透明樹脂をフィルムまたはシート状に成形した後、延伸加工などをして得ることができる。透明樹脂をフィルム状に成形する方法は、透明樹脂の種類あるいはフィルムの所望特性などに応じて適宜選択して行うことができ、たとえば、溶融成形法および溶剤キャスト法(溶液流延法)などの方法を採用することができる。フィルムの成形方法としては、膜厚の均一性および表面平滑性が良好になる点からは溶剤キャスト法が好ましい。また、製造コスト面からは溶融成形法が好ましい。このようにして成形したフィルムは、特に限定されるものではないが、フィルム厚みが通常70〜300μm、好ましくは80〜250μmであり、フィルムの最大厚みと最小厚みとの差が通常3μm以内、好ましくは2μm以内である。
前記透明樹脂からなる基材の表面に、凸部が配列した微細形状を形成する方法としては、「コーティング法」、「溶融押し出し転写法」、「ホットエンボス法」、「UV硬化型インプリント法」、「ドライフィルム法」の5種類の手法が好ましい。
前記透明樹脂からなる部材(I)と透明導電層(III)との間に、表面硬度や密着性等の向上や表面凸部のなだらかさを調整することを目的に硬化性樹脂組成物よりなる樹脂層(II)を設けることができる。
硬化性樹脂組成物は、好ましくは(A)アクリロイル基を3以上有する多官能モノマー(以下「(A)成分」ともいう。)、(B)グリシジル(メタ)アクリレート系重合物にアクリル酸を付加反応させてなるポリマー(以下「(B)成分」ともいう。)および(C)任意にその他のアクリルオリゴマー(以下「(C)成分」ともいう。)を特定量で配合してなる。特に、(A)成分は、透明導電層(III)の硬度、透明樹脂からなる基材(I)への密着性等を付与し得る成分である。(B)成分は、透明導電層の硬度のさらなる向上、硬化性および硬化時のカール発生の低減などを付与し得る成分である。(B)成分を配合することにより、(B)成分が高分子量であり、かつ分子中に水酸基を多く有することに起因して、疎水性の高い(A)成分との相溶性が低下し、(B)成分が得られる表面保護硬化性樹脂膜の表面に移行するためであると考えられる。(C)成分は、強靭性等を付与し得る任意成分である。
本発明の導電性フィルム(A)は、透明樹脂からなる部材(I)の上に透明導電層(III)が積層されてなるか、あるいは基材(I)の上に上述の硬化性樹脂組成物よりなる樹脂層(II)等が適宜形成され、さらにその上に透明導電層(III)が積層されてなる。
透明導電層(III)の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の従来公知の技術をいずれも用いることができるが、膜の均一性や透明基材への薄膜の密着性の観点から、スパッタリング法での薄膜形成が好ましい。また、用いる薄膜材料も上記以外に、例えば、アンチモンを含有する酸化錫などの金属酸化物のほか、金、銀、白金、パラジウム、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、コバルト、錫またはこれらの合金などを用いてもよい。この導電性薄膜の厚さは、30Å以上とすることが好ましく、これより薄いと表面抵抗が、1000Ω/□以下となる良好な導電性を有する連続被膜となり難いことがある。一方、厚くしすぎると透明性の低下などをきたすことがあるために、好適な厚さとしては、50〜2000Å程度である。
本発明の導電性フィルム(A)は、透明樹脂からなる基材(I)あるいは硬化樹脂層からなる樹脂層(II)と透明導電層(III)との間に、接着性を向上させるとともにガスバリア性を付与する目的で、易接着層を有することも好ましい。当該易接着層には、金属酸化物微粒子含有してもしなくても良いが、金属酸化物微粒子を含有することにより接着性が向上することから好ましい。通常、好ましい易接着層は、金属酸化物微粒子とポリシロキサンとを含有する組成物からなる塗工液を調製し、当該塗工液を基材(I)または樹脂層(II)に塗工、乾燥することにより得られる。
易接着層に用いられる金属酸化物微粒子は、金属元素の酸化物微粒子であればその種類は特に限定されないが、例えば、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ハフニウム、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化プラセオジウム、酸化ネオジウム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビニウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム、酸化カルシウム、酸化ガリウム、酸化リチウム、酸化ストロンチウム、酸化タングステン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、およびこれらの複合体、ならびにインジウム−スズ複合酸化物などの上記金属2種以上の複合体の酸化物などの微粒子が挙げられる。
易接着層に用いられるポリシロキサンは、多官能性ポリシロキサンであることが好ましい。
本発明の導電性フィルム(A)は、可視光領域の透過度を向上させる目的で、透明導電層(III)の下層側に反射防止層を有することも好ましい。反射防止層は通常、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム等の低屈折率層と、酸化チタン、酸化ニオブおよび酸化タンタル等の高屈折率層とを含む2層以上の積層構造からなる。
また、低屈折層としてフッ素ポリマーを主成分とする有機材料を塗工することも好ましい。
本発明の導電性フィルム(A)は、好ましくは以下の各物性を有する。なお、以下の各物性値の測定方法は、特に断りのない場合、光学透明基材(I)/透明導電層(II)からなる積層部材の物性において上述したとおりである。
本発明のタッチパネルは、本発明の導電性フィルム(A)を、4線式抵抗膜方式、5線式抵抗膜方式等のタッチパネルの上部電極および/または下部電極として好適に用いられる。そして、このタッチパネルを液晶ディスプレイの前面に配置することでタッチパネル機能を有する表示装置が得られる。
これらの偏光膜は、そのまま本発明の偏光板の製造に用いてもよいが、接着剤層と接する面に、コロナ放電処理、プラズマ処理を施して用いることもできる。
本発明に係る導電性フィルム(B)が偏光板を有する場合、透明導電層、位相差フィルム、および偏光板がこの順に積層されてなることが好ましく、具体的には、位相差フィルム、および透明導電層が積層された導電性積層部材の透明導電層と反対側の面に、感圧性接着剤により偏光膜と接着されて、偏光板を構成するのが好ましい。
本発明のタッチパネルでは、透明導電層、1/4λ位相差フィルムおよび偏光板がこの順に一体に積層された導電性フィルム(B)を上部電極として用い、対応する下部電極として1/4λ位相差フィルムである基材(I)上に畝形状樹脂層(II)と透明導電層(III)とが積層された導電性フィルム(A)を用いることにより、反射光が好適に抑制され、視認性が特に向上するため好ましい。
各種物性は、次のようにして測定あるいは評価した。
オリンパス(株)レーザー顕微鏡 LEXT OLS4000を用い、透明導電部材(フィルム)表面形状に関する寸法を測定した。
明るい通常の部屋にて、タッチパネルの黒表示画面を正面および斜め方向から見て、目視で筋状の線が観察できるか調べ、下記基準で評価した。
○ :透明導電部材の表面微細パターン形状が全く観察されない
△ :透明導電部材の表面微細パターン形状がわずかに観察される
× :透明導電部材の表面微細パターン形状がはっきりと観察される
シャープ製モバイルツールSL−6000Nの画面を緑表示とした後、透明導電部材を乗せ、以下の基準で目視により評価した。
○ :画素の輝度ムラがほとんど認識できない
△ :画素の輝度ムラが認識できるが、目立たない
× :画素の輝度ムラがはっきり認識できる
フィルムを平滑なガラス板(厚み3mm、素材:ソーダガラス)の上に微細パターン形成面、もしくは粒子含有樹脂層が密着するように乗せて指で押しつけ、ニュートンリングが発生するかを目視にて評価した。
○ :ニュートンリングが発生しない
△ :ニュートンリングがわずかに発生する
× :ニュートンリングが明らかに発生する
スガ試験機(株)HGM-2DPを用い、JIS K−7136に準拠してヘイズ(%)を測定した。
スガ試験機(株)HGM-2DPを用い、JIS K−7361に準拠して全光線透過率(%)を測定した。
大塚電子(株)製色差計RETS−1200VAを用い、JIS Z−8722に準拠して透過光b*(%)を測定した。
三菱化学(株)製の低抵抗率計「ロレスタ−GP」を用い、透明導電層の表面抵抗値(Ω/□)を測定した。
液晶パネル上にタッチパネルを配置し、画像を表示させた状態で画面を目視観察した。
○ :画像に滲みやぼけが無く、クリア感がある
× :画像に滲みやぼけがある
明るい通常の部屋にて、タッチパネルの黒表示画面を正面および斜め方向から見て、目視で筋状の線が観察できるか調べ、下記基準で評価した。
○ :タッチパネルの表面微細パターン形状が全く観察されない
△ :タッチパネルの表面微細パターン形状がわずかに観察される
× :タッチパネルの表面微細パターン形状がはっきりと観察される
タッチパネルの上部電極側の表面を、電極間が接触するように指で押しつけ、ニュートンリングが発生するかを目視にて評価した。
○ :ニュートンリングが発生しない
△ :ニュートンリングがわずかに発生する
× :ニュートンリングが明らかに発生する
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン227.5部、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン22.5部、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部、トルエン(開環重合反応用溶媒)750部とを窒素置換した反応容器内に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(1.5モル/L)0.62部と、t−ブタノール/メタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/L)3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環共重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であった。
合成例1で得られた環状オレフィン系重合体A を、固形分濃度が30% となるようにトルエンに溶解した。得られた溶液の室温における溶液粘度は30,000mPa・sであった。この溶液に、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を、環状オレフィン系重合体A100重量部に対して0.1重量部を添加し、得られた溶液を日本ポール製の孔径5μmの金属繊維焼結フィルターを用い、差圧が0.4MPa以内に収まるように溶液の流速をコントロールしながら濾過した後、クラス1000のクリーンルーム内に設置した井上金属工業製の「INVEX ラボコーター」を用い、アクリル酸系表面処理剤によって親水化(易接着性化) 処理された、厚みが100μmのPETフィルム(東レ(株)製の「ルミラーU94」)に塗布した。次いで、得られた液層に対して、50℃で一次乾燥処理を行い、さらに、90℃で二次乾燥処理を行った後、PETフィルムから剥離させ、厚さ188μmの環状オレフィン系重合体フィルムAを形成した。得られた環状オレフィン系重合体フィルムAの残留溶媒量は0.5重量%であり、光線透過率は93%以上であった。
UV硬化樹脂(JSR(株)製デソライトKZ−9136)を、コントロールコーターにて、基材として環状オレフィン系重合体フィルムAの片面に塗布後、凹部が点在して配列した形状が形成された金型に密着させながら、1J/cm2の紫外線を照射して積層部材B−1を得た。当該部材の表面賦形された面の表面形状をオリンパス(株)レーザー顕微鏡 LEXT OLS4000により調べたところ、断面形状のPが100μm、R/Pが3の凸部が点在して配列した形状であった。
得られた積層部材B−1の各種物性を測定または評価した結果を表1に、積層部材の上面図、および断面形状を図2に示す。
金型の形状を替えたこと以外は作製例1と同様にして、断面形状のPが180μm、R/Pが50の凹部が点在して配列した形状を有する積層部材B−2を得た。得られた積層部材B−2の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
基材を188μmの透明なPETフィルム(東レ(株)製 U426)に替え、金型の形状を替えたこと以外は作製例1と同様にして、断面形状のPが50μm、R/Pが10のプリズム形状を有する積層部材B−3を得た。得られた積層部材B−3の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
基材を188μmの透明なPETフィルム(東レ(株)製 U426)に替え、金型の形状を替えたこと以外は作製例1と同様にして、断面形状のPが400μm、R/Pが95の凸部が点在して配列した形状を有する積層部材B−4を得た。得られた積層部材B−4の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
基材を188μmの透明なPETフィルム(東レ(株)製 U426)に替え、金型の形状を替えたこと以外は作製例1と同様にして、断面形状のPが1000μm、R/Pが80の凹部が点在して配列した形状を有する積層部材B−5を得た。得られた積層部材B−5の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
基材を188μmの透明なPETフィルム(東レ(株)製 U426)に替え、金型の形状を替えたこと以外は作製例1と同様にして、断面形状のPが800μm、R/Pが130のプリズム形状を有する積層部材B−6を得た。得られた積層部材B−6の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
UV硬化樹脂(JSR(株)製 デソライトK Z−9136)(酢酸エチルにより固形分を80%になるよう調整、さらにMEKにより固形分が50%になるよう調整)100部、アクリル粒子(MX−180(平均粒径:約1.8μm)、綜研化学社製)0.8部を、攪拌用オープンドラム(内側直径約40cm、内側高さ58cm)に配合し、直径約11cmの羽で、150分間、ディスパー攪拌し、塗料を得た。
部材B−1における凹凸を有する面に、アルゴンガス流入下でインジウムと錫とを含んだターゲットを用いて、下記の条件により透明導電層をスパッタリング法により形成し、導電性フィルムC−1を得た。得られた導電性フィルムC−1の透明導電層における表面抵抗値を測定したところ、550Ω/□、透明導電膜層の厚みは20nmであった。各種物性を測定および評価した結果を表1に示す。
基材温度:50℃以下
ターゲット:ITO(In2O3/SnO2=90/10(重量比))
雰囲気:アルゴン流入下
アルゴン流量:100〜500sccm
出力:1〜1.5Kw
部材B−1に替えて、部材B−2を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムC−2を得た。各種物性を測定および評価した結果を表1に併せて示す。
部材B−1に替えて、部材B−3を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムC−3を得た。各種物性を測定および評価した結果を表1に併せて示す。
部材B−1に替えて、部材B−4を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムC−4を得た。各種物性を測定および評価した結果を表1に併せて示す。
部材B−1に替えて、部材B−5を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムC−5を得た。各種物性を測定および評価した結果を表1に併せて示す。
部材B−1に替えて、部材B−6を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムC−6を得た。各種物性を測定および評価した結果を表1に併せて示す。
部材B−1に替えて、部材B−7を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムC−7を得た。各種物性を測定および評価した結果を表1に併せて示す。
実施例1で得られた導電性フィルムC−1を下部電極として、188μmのPETフィルムに実施例1と同様の方法でITOをスパッタリングして得られた導電性部材C−8を上部電極とした。この2枚を、透明導電膜面が対向するように、スペーサーを介して重ね合わせ、液晶表示素子上に配置して、本発明のタッチパネルを得た。その構成を図4に示す。得られたタッチパネルについて、画像視認性、パターン形状不可視化性とアンチニュートンリング性評価を行った。結果を表2に示す。
上部電極に導電性部材C−8に替えて導電性フィルムC−2を使用し、導電性フィルムC−1に替えて導電性フィルムC−2を使用した以外は実施例4と同様にして、各種評価を行った。結果を表2に併せて示す。
導電性フィルムC−1に替えて導電性フィルムC−3を使用した以外は実施例4と同様にして、各種評価を行った。結果を表2に併せて示す。
導電性フィルムC−1に替えて導電性フィルムC−4を使用した以外は実施例4と同様にして、各種評価を行った。結果を表2に併せて示す。
導電性フィルムC−1に替えて導電性フィルムC−5を使用した以外は実施例4と同様にして、各種評価を行った。結果を表2に併せて示す。
導電性フィルムC−1に替えて導電性フィルムC−6を使用した以外は実施例4と同様にして、各種評価を行った。結果を表2に併せて示す。
導電性フィルムC−1に替えて導電性フィルムC−7を使用した以外は実施例4と同様にして、各種評価を行った。結果を表2に併せて示す。
Claims (5)
- 透明樹脂からなる部材(I)に透明導電性層(III)が積層されてなる導電性積層フィルムであって、
前記部材(I)を挟んで、透明電極層(III)側の表面は複数の凸部を有しており、下記条件1または2のとき、R/Pが、0.1〜50であることを特徴とする導電性積層フィルム。
1:任意に選ばれた凸部(1)の頂点(1)を通る断面の内、前記頂点(1)の両側に存在する2つの凹部の頂点(2−1)と頂点(2−2)間が最小となるときの距離をP(μm)とし、そのときの頂点(1)の断面の曲率半径をR(μm)としたとき。
2:任意に選ばれた隣接した凸部(1−1)の頂点(1−1)と凸部(1−2)の頂点(1−2)を結ぶ断面において、頂点(1−1)と頂点(1−2)の間に存在する凹部(2)の頂点(2)の曲率半径をR(μm)とし、前記頂点(1−1)と前記頂点(1−2)間の距離をP(μm)としたとき。 - 前記Pが400μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電性積層フィルム。
- 前記Pが10〜200μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性積層フィルム。
- 二枚の透明導電部材が透明導電膜側を対向させて備えられ、少なくとも一方の導電性積層フィルムが請求項1〜3のいずれかに記載の導電性積層フィルムであるタッチパネル。
- 請求項4に記載のタッチパネルを搭載した表示装置。
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