JP2002132172A - ディスプレイ用透明フィルム - Google Patents

ディスプレイ用透明フィルム

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JP2002132172A
JP2002132172A JP2000330282A JP2000330282A JP2002132172A JP 2002132172 A JP2002132172 A JP 2002132172A JP 2000330282 A JP2000330282 A JP 2000330282A JP 2000330282 A JP2000330282 A JP 2000330282A JP 2002132172 A JP2002132172 A JP 2002132172A
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transparent
gas barrier
display
barrier layer
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Toru Hanada
亨 花田
Toshiaki Yatabe
俊明 谷田部
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、ガスバリヤー性、透明性に優
れ、変形が少ないディスプレイ用透明フィルムを提供す
ることにある。 【解決手段】透明高分子フィルムの少なくとも片側に、
珪素原子と酸素原子から主として構成される少なくとも
一層のガスバリヤー層を有する透明フィルムであって、
該ガスバリヤー層は、少なくともフッ素原子およびマグ
ネシウム原子を含有し、該珪素原子の少なくとも一部は
該フッ素原子と化学結合しているディスプレイ用透明フ
ィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶、エレクトロ
ルミネッセンス(EL)などのフラットパネルディスプ
レイ分野に用いられる高いガスバリヤー性と透明性を必
要とするディスプレイ用の透明フィルムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子等のフラットパネル
ディスプレイ分野において、耐破損性の向上、軽量化、
薄型化の要望から、透明高分子からなるフィルム上に、
酸化インジウム、酸化錫、或いは錫−インジウム合金の
酸化物等の半導体膜、金、銀、パラジウム合金の酸化膜
等の金属膜、該半導体膜と該金属膜とを組み合わせて形
成された膜を透明導電層として設けたディスプレイ用透
明フィルムを液晶表示素子の電極基板として用いる検討
が続けられている。かかる基板には、通常、パネルの液
晶セル内部に発生する気泡に対する信頼性を向上させる
ために高いガスバリヤー性が要求されている。このガス
バリヤー性については、例えばWO94/23332号
公報、特許第2796573号公報、特許第27901
44号公報に、透明高分子基板にビニルアルコール系ポ
リマーや塩化ビニリデン系ポリマーなどの有機ガスバリ
ヤー層、及び酸化珪素や酸化アルミニウムなどの無機ガ
スバリヤー層が積層された基板が記載されている。しか
し、十分な信頼性を有するディスプレイを得るには、少
なくとも基板の水蒸気透過度を1.0g/m2/day
以下にする必要があり、公知の有機のガスバリヤー層で
は高温高湿環境下でガスバリヤー性が低下するので不十
分である。また、公知の無機のガスバリヤー層でも十分
なバリア性を得るためには膜厚を厚くする必要がある
が、これに伴いガスバリヤー層の膜応力が増大してディ
スプレイ用透明フィルムが変形してしまい、パネル製造
の際に取り扱いが難しくなる。さらに、フラットパネル
ディスプレイ用の透明基板では85%以上の全光線透過
率が必要であるが、公知の無機のガスバリヤー層では、
積層に伴う基板変形が少なく、かつ透明性とガスバリヤ
ー性の双方を工業的に安定して生産することが困難であ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる現状
に鑑みなされたもので、ガスバリヤー性、透明性に優
れ、変形が少ないディスプレイ用透明フィルムを提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的は下記の本発
明により達成される。即ち本発明は次のとおりである。
【0005】1.透明高分子フィルムの少なくとも片側
に、珪素原子と酸素原子から主として構成される少なく
とも一層のガスバリヤー層を有する透明フィルムであっ
て、該ガスバリヤー層は、少なくともフッ素原子および
マグネシウム原子を含有し、該珪素原子の少なくとも一
部は該フッ素原子と化学結合しているディスプレイ用透
明フィルム。
【0006】2.ガスバリヤー層におけるX線光電子分
光法にて測定したフッ素の1sピークが、フッ素原子と
珪素原子の化学結合に由来するピーク(A)とフッ素原
子とマグネシウム原子に由来するピーク(B)からなる
上記ディスプレイ用透明フィルム。
【0007】3.ピーク(A)の強度がピーク(B)の
強度よりも大きい上記ディスプレイ用透明フィルム。
【0008】4.透明高分子フィルムがポリカーボネー
トからなる上記ディスプレイ用透明フィルム。
【0009】5.透明高分子フィルムの少なくとも片側
に透明導電層が積層されている上記ディスプレイ用透明
フィルム。
【0010】本発明において透明高分子フィルムを構成
する材料としては、透明性、耐熱性が良い透明高分子で
あれば特に限定されない。このような透明高分子として
は、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、ポリアリルスルホン等のポリスルホン系
樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルローストリアセテー
ト等のアセテート系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、各
種熱硬化樹脂等が好ましい。なかでも、上記透明性、耐
熱性、及び光学異方性が比較的少ないという観点から、
ポリカーボネート系樹脂またはポリアリレート系樹脂を
主成分とするフィルムまたはシートがより好ましい。そ
して、ポリカーボネート系樹脂のフィルムまたはシート
は、溶融法または流延法によって製造することができる
が、流延法を用いるのが、表面の平坦性に優れ、光学的
等方性に優れることから特に好適である。
【0011】ポリカーボネート系樹脂としては、通常、
芳香族ジヒドロキシ化合物と、芳香族炭酸エステル(例
えばジフェニルカーボネートカーボネート)等のカーボ
ネート結合形成性化合物とを溶融法、固相重合法により
得られるもの、あるいは芳香族ジヒドロキシ化合物とホ
スゲンとから界面重合法により製造されるものが用いら
れる。該芳香族ジヒドロキシ化合物としては特に制限は
なく、例えば、ビス(4−ヒドロキシアリール)アルカ
ン類、ビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類を
挙げることができる。
【0012】この中で、フィルム形成性、透明性、耐熱
性、ディスプレイ用途、経済性等を考慮すると、下記式
(1)〜(3)
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】[上記式(2)において、R1〜R8はそれ
ぞれに独立に、水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜
6の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であ
る。]
【0016】
【化3】
【0017】[上記式(3)において、R21〜R28はそ
れぞれに独立に、水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1
〜6の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であ
る。]で表される少なくとも1種の繰り返し単位を有す
るポリカーボネートを好ましく用いることができる。
【0018】上記式(2)、(3)において、R1
8、R21〜R28はそれぞれに独立に、水素原子、ハロ
ゲン原子及び炭素数1〜6の炭化水素基から選ばれる少
なくとも1種である。ハロゲン原子としては、フッ素原
子、塩素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。炭素
数1〜6の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、
イソプロピル基、シクロヘキシル基等を挙げることがで
きる。
【0019】上記式(2)において、R1〜R8は水素原
子であるものが好ましい。上記式(2)で示される繰り
返し単位の具体的な例は、3,3,5−トリメチル−
1,1−ジ(4−フェノール)シクロヘキシリデン型ポ
リカーボネートである。
【0020】上記式(3)において、R21〜R28は水素
原子あるいは炭素数1〜3のアルキル基であるものが好
ましい。上記式(3)の具体的な例として、フルオレン
−9,9−ジ(4−フェノール)型ポリカーボネート、
フルオレン−9,9−ジ(3−メチル−4−フェノー
ル)型ポリカーボネートを好ましく挙げることができ
る。
【0021】上記繰り返し単位を有するポリカーボネー
トとしては、上記式(1)〜(3)のそれぞれから実質
的になるホモポリマー、上記式(1)と(2)からなる
共重合ポリマー、上記式(1)と(3)からなる共重合
ポリマーが好ましい。これらは、2種類以上混合して用
いることもできる。
【0022】上記式(1)と(2)からなる共重合ポリ
マーにおいて、共重合の組成比は、いかなる組成比でも
良いが、上記式(2)で示される繰り返し単位の組成比
が多くなるに従って、耐熱性(ガラス転移温度)が上昇
し、光弾性系数が小さくなるという好ましい反面、耐衝
撃性等の機械的特性が劣化するため、そのバランスによ
って組成は決定される。具体的には、上記式(2)で示
される繰り返し単位が1〜70モル%が好ましく、耐熱
性等の面からは30〜70モル%が好ましい。
【0023】上記式(1)と(3)からなる共重合ポリ
マーにおいて、かかる共重合の組成比は、いかなる組成
比でも良いが、上記式(3)で示される繰り返し単位の
組成比が多くなるに従って、耐熱性(ガラス転移温度)
が上昇し、光弾性系数が小さくなるという好ましい反
面、耐衝撃性等の機械的特性が劣化するため、そのバラ
ンスによって組成は決定される。具体的には、上記式
(3)で示される繰り返し単位が1〜80モル%が好ま
しく、耐熱性等の面からは20〜70モル%が好まし
い。
【0024】上記ポリカーボネートの分子量は、数平均
分子量で30,000〜300,000が好ましい。分
子量が大きなポリマーほど機械特性ならびに耐熱性が向
上するが、大きすぎると成形が難しくなる。
【0025】透明高分子フィルムの製膜方法は、溶液製
膜、溶融押出し製膜等の公知の方法を用いることが出来
るが、フィルムの平滑性の観点から、溶液製膜法がより
好ましい。
【0026】透明高分子フィルムの厚みは30〜700
μmが好ましい。30μmより薄い場合は基材の作製プ
ロセスにおいてハンドリングが困難となるといった問題
がある。700μmより厚い場合は、軽量であるという
樹脂基材の特徴が失われるのみならず、いわゆる反射型
の液晶表示素子に用いた場合、二重像の問題が顕著にな
り表示品位の低下に至ることから好ましくない。フィル
ムの厚みはより好ましくは70〜500μmである。
【0027】本発明のディスプレイ用透明フィルムを液
晶ディスプレイ用の電極基板として用いる場合には、透
明高分子フィルムは以下の優れた光学等方性、透明性、
非吸水性を有することがより好ましい。 (i)リターデーション値が30nm以下(好ましくは
20nm以下) (ii)遅相軸のバラツキが±30度以内(好ましくは±
15度以内) (iii)全光線透過率が80%以上(好ましくは85%
以上) (iv)吸水率が2%以下(好ましくは1%以下) ここで、リターデーション値は、公知の測定装置を用い
て測定した波長590nmにおける複屈折の屈折率の差
△nと膜厚dとの積△n・dで表されるものである。
【0028】透明高分子フィルムは、吸水率が低いもの
が好ましい。吸水率が高いと、高温高湿耐久試験で基板
が水を含み、透明導電層の下地の表面抵抗が下がるた
め、パネルの表示欠陥が発生しやすくなる。このような
問題は、後述のガスバリヤー層の積層によりかなり抑制
することができるが、高度な高温高湿信頼性を得るため
には、透明高分子フィルムの吸水率は0.7%以下であ
ることがより好ましい。
【0029】上記透明高分子フィルムの少なくとも片面
側には、珪素原子と酸素原子から主として構成される少
なくとも一層のガスバリヤー層を有する。かかるガスバ
リヤー層としては、金属酸化物として少なくとも珪素、
酸素、フッ素、マグネシウムを含有し、珪素と酸素が主
成分であり、かつ珪素とフッ素が化学結合している薄膜
とすることが、ガスバリヤー性、透明性、表面平滑性、
膜応力が少ないという点で好ましい。ここで、珪素原子
に対する酸素原子の割合は1.5以上2未満が好まし
い。この割合により薄膜の透明性とガスバリヤー性が二
律背反性の関係で変化し、1.5未満ではディスプレイ
用途で要求される透明性が得られないことがある。さら
に、フッ素原子は珪素ならびにマグネシウムと化学結合
しており、フッ素原子と珪素原子の結合(A)とフッ素
原子とマグネシウムの結合(B)の割合が(A)>
(B)であることが好ましく、かつガスバリヤー層中に
含まれるマグネシウムの比率は、共存する珪素に対し元
素比で2.5〜20atom%の範囲が好ましい。この
ような割合にすることで、良好なガスバリヤー性と高い
透明性を有する。またディスプレイ用透明フィルムの変
形が小さく、したがってガスバリヤー層の膜厚を厚くす
ることができる。変形が小さいのは、膜応力が小さくで
きるからであると推定される。
【0030】ガスバリヤー膜中に存在するフッ素元素の
化学結合状態は、例えばX線光電子分光法により分析、
決定される。X線光電子分光法において、X線源にAl
のKα線を用い、中性炭素C1sの284.6eVで横
軸を補正した際、フッ素の化学結合状態は、687eV
近傍に観測されるフッ素と珪素の結合に由来するF1s
ピーク(A)とこれより約1.5eV低結合エネルギー
側に観測されるフッ素とマグネシウムの結合に由来する
F1sピーク(B)の存在、ならびにこれらの強度比に
より決定される。
【0031】また、上記X線光電子分光法に基づく、ガ
スバリヤー層を構成する珪素及び酸素の含有量は、50
モル%以上、好ましくは60モル%以上、さらに好まし
くは70モル%である。
【0032】ガスバリヤー層の作成方法としては、例え
ばスパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、
プラズマCVD法等の気相中より材料を堆積させて膜形
成する気相堆積法が挙げられる。なかでも、本発明のガ
スバリヤー層の形成には真空蒸着法が特に好ましい。
【0033】ガスバリヤー層の膜厚は、2nm〜1μm
の範囲が好ましい。金属酸化物層の厚みが2nm未満で
は均一に膜を形成することは困難であり、膜が形成され
ない部分が発生するため気体透過度が大きくなる一方、
1μmよりも厚くなると透明性を欠くだけでなく、ディ
スプレイ用透明フィルムを屈曲させた際に、ガスバリヤ
ー層にクラックが発生して気体透過度が上昇する。
【0034】前記の透明高分子フィルムにガスバリヤー
層を積層した本発明の透明フィルムは、好ましくは以下
の優れた光学等方性、透明性、水蒸気バリヤー性を有す
る。 (i)リターデーション値が30nm以下(好ましくは
20nm以下) (ii)遅相軸のバラツキが±30度以内(好ましくは±
15度以内) (iii)全光線透過率が80%以上(好ましくは85%
以上) (iv)水蒸気透過度が5g/m2/day以下(好まし
くは1g/m2/day以下)
【0035】本発明のディスプレイ用透明フィルムは、
その用途に応じて、透明高分子フィルムの少なくとも片
面側に透明導電層を形成して用いることができる。透明
導電層としては、公知の金属膜、金属酸化物膜等が適用
できるが、中でも、透明性、導電性、機械的特性の点か
ら、金属酸化物膜が好ましい。例えば、不純物としてス
ズ、テルル、カドミウム、モリブテン、タングステン、
フッ素、亜鉛、ゲルマニウム等を添加した酸化インジウ
ム、酸化カドミウム及び酸化スズ、不純物としてアルミ
ニウムを添加した酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物
膜が挙げられる。なかでも、インジウム酸化物を主成分
とし、酸化錫及び酸化亜鉛からなる群から選ばれた1種
以上の酸化物を含み、酸化錫が2〜20重量%及び/ま
たは酸化亜鉛が2〜20重量%含有する透明導電層が透
明性、導電性が優れており好ましく用いられる。
【0036】透明導電層を形成する方法は、主にスパッ
タリング法が使用され、直流スパッタリング法、高周波
マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタ
リング法などが適用できるが、生産性の観点から、マグ
ネトロンスパッタ法が好ましい。透明導電層の膜厚は、
十分な導電性を得るために、10nm以上であることが
好ましい。本発明のディスプレイ用透明フィルムは、可
視光領域に対する全光線透過率が80%以上であること
が好ましく、さらには85%以上が好ましい。80%未
満では、視認性の低下を招く等の問題が生じることがあ
る。
【0037】また、本発明のディスプレイ用透明フィル
ムには、その用途に応じて片面もしくは両面に耐薬品性
を有する硬化樹脂層を耐薬品層として形成してもよい。
例えば、液晶ディスプレイ用に本発明の透明フィルムを
用いる場合は、その組立て工程で使用される、酸、アル
カリ、N−メチルピロリドンやγ−ブチルラクトン等の
有機溶媒、各種アルコールに対する耐性が通常要求され
る。硬化樹脂層としては、有機ポリシロキサン系樹脂、
熱硬化性エポキシ樹脂、紫外線硬化性アクリル樹脂等の
放射線硬化性樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アル
キド樹脂等を挙げることができる。
【0038】さらには、透明高分子フィルムとガスバリ
ヤー層との密着性を強化する目的で、これらの層間に各
種のアンカー層を形成してもよい。かかるアンカー層と
しては、耐薬品性、透明性、良好な層間密着性を有する
必要があり、例えば、珪素含有樹脂、エポキシ樹脂等の
熱硬化性樹脂、紫外線硬化性アクリル樹脂等の放射線硬
化性樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂
等を挙げることができる。
【0039】本発明のディスプレイ用透明フィルムの具
体的な層構成としては、例えば、ガスバリヤー層/透明
高分子フィルム、ガスバリヤー層/アンカー層/透明高
分子フィルム、透明導電層/ガスバリヤー層/透明高分
子フィルム、ガスバリヤー層/透明高分子フィルム/透
明導電層、透明導電層/ガスバリヤー層/アンカー層/
透明高分子フィルム、ガスバリヤー層/アンカー層/透
明高分子フィルム/透明導電層、透明導電層/硬化樹脂
層/ガスバリヤー層/透明高分子フィルム、ガスバリヤ
ー層/透明高分子フィルム/硬化樹脂層/透明導電層、
透明導電層/硬化樹脂層/ガスバリヤー層/アンカー層
/透明高分子フィルム、ガスバリヤー層/アンカー層/
透明高分子フィルム/硬化樹脂層/透明導電層、透明導
電層/硬化樹脂層/ガスバリヤー層/透明高分子フィル
ム/硬化樹脂層、ガスバリヤー層/透明高分子フィルム
/硬化樹脂層/透明導電層/硬化樹脂層、透明導電層/
硬化樹脂層/ガスバリヤー層/アンカー層/透明高分子
フィルム/硬化樹脂層、硬化樹脂層/ガスバリヤー層/
アンカー層/透明高分子フィルム/硬化樹脂層/透明導
電層、を挙げることができる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、ガスバリヤー性と透明
性に優れ、変形が少ないディスプレイ用透明フィルムを
提供することができる。かかる透明フィルムを液晶表示
装置の電極基板として用いた場合、表示特性が良好で、
高温多湿環境に長時間放置しても、表示特性の劣化がな
く、優れた品質のディスプレイを提供できる。
【0041】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、かかる実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例中、部および%は、特に断ら
ない限り重量基準である。また、実施例中における各種
の測定は、下記のとおり行った。
【0042】全光線透過率:ディスプレイ用透明フィル
ムを、日本電色工業社製COH−300Aを用いて測定
した。
【0043】水蒸気バリヤー性:ディスプレイ用透明フ
ィルムを、MOCON社製、パーマトランW1Aを用い
て、40℃、90%RH雰囲気下における水蒸気透過度
を測定した。
【0044】光学等方性:ディスプレイ用透明フィルム
を、日本分光製の多波長複屈折率測定装置M−150を
用い、波長590nmの光に対するリタデーション値を
測定した。
【0045】変形量:ディスプレイ用透明フィルムを、
10cm角のフィルムを、25℃50%RHの環境下
で、25℃の水平な支持板上に該フィルムのガスバリヤ
ー層を設けた面が下になるように置き、該フィルムの四
隅の支持板からの高さの最大値を測定した。
【0046】ガスバリヤー層の化学状態分析:VG sci
entific 社製「ESCALAB220iXL」を用いて、X線源に単
結晶分光AlKα線を用い、1×10-9Torr下で、
中性炭素C1sを284.6eVでエネルギー軸を補正
し、ガスバリヤー膜中のSi、O、Mg、F元素の組成
比、687eV近傍に観測されるフッ素と珪素の結合に
由来するF1sピーク(A)とこれより約1.5eV低
結合エネルギー側に観測されるフッ素とマグネシウムの
結合に由来するF1sピーク(B)の強度比からフッ素
の化学結合状態を分析した。
【0047】なお、後述の化合物名は以下の略号を用い
た。 BisA:2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン BCF:9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)フルオレン IP:3,3,5−トリメチル−1,1−ジ(4−フェノ
ール)シクロヘキシリデン [実施例1]ビスフェノール成分がBisAのみからなる平
均分子量37,000でTgが155℃のポリカーボネ
ート樹脂をメチレンクロライドに20重量%になるよう
に溶解した。そしてこの溶液をダイコーティング法によ
り厚さ175μmのポリエステルフィルム上に流延し
た。次いで、乾燥炉で残留溶媒濃度が13重量%になる
まで乾燥し、ポリエステルフィルムから剥離した。そし
て、得られたポリカーボネートフィルムを温度120℃
の乾燥炉で縦横の張力をバランスさせながら、該フィル
ム中の残留溶媒濃度が0.08重量%になるまで乾燥さ
せた。
【0048】こうして得られた透明高分子フィルム
(S)は、厚みが100μm、波長550nmにおける
光線透過率は91%であった。
【0049】次に、けい素と二酸化けい素とフッ化マグ
ネシウムを47モル%:47モル%:6モル%の比率で
混合した原料を用い、真空蒸着機を用いて0.1mTo
rrの真空下にて、蒸着温度1300℃で前記透明高分
子フィルムの片面上に、厚さ700Åのガスバリヤー層
を積層した。ここで、蒸着原料は、真空下の蒸着機内
で、蒸着時のるつぼ温度よりも200℃低い温度で予備
加熱してから、連続的にるつぼに供給してガスバリヤー
層の積層を行った。
【0050】得られたディスプレイ用透明フィルムの評
価結果は、表1に示すように良好であった。
【0051】[実施例2]BisA/BCF=1/1(モル
比)でTgが210℃のポリカーボネート共重合体から
なる厚み100μmの透明高分子フィルム(S)を用い
る以外は、実施例1と同様にしてディスプレイ用透明フ
ィルムを得た。得られたディスプレイ用透明フィルムの
評価結果は表1に示すように良好であった。
【0052】[実施例3]BisA/IP=2/3(モル比)
でTgが205℃のポリカーボネート共重合体からなる
厚み100μmの透明高分子フィルム(S)を用いる以
外は、実施例1と同様にしてディスプレイ用透明フィル
ムを得た。得られたディスプレイ用透明フィルムの評価
結果は表1に示すように良好であった。
【0053】[実施例4]けい素と二酸化けい素とフッ
化マグネシウムの混合比を45モル%:45モル%:1
0モル%とし、蒸着原料の予備加熱を蒸着温度よりも3
00℃低い温度で行った以外は、実施例1と同様の方法
でガスバリヤー層を積層した。得られたディスプレイ用
透明フィルムの評価結果は、カールがやや大きく水蒸気
透過度がやや高めであったが、表1に示すように概ね良
好であった。
【0054】[比較例1]けい素と二酸化けい素の混合
比を50モル%:50モル%とした以外は、実施例1と
同様にしてディスプレイ用透明フィルムを得た。得られ
たディスプレイ用透明フィルムの評価結果は、カールが
大きく透明性が悪いものであった。
【0055】
【表1】
【0056】[実施例5]実施例1で得られたディスプ
レイ用透明フィルムの両面に、後述のコーティング組成
物(A)をコーティングし130℃3分間熱処理するこ
とにより、2μm厚の耐薬品層を形成した。
【0057】ここで、コーティング組成物(A)は以下
のように調整した。
【0058】成分(P1)EVOH100部を、水72
0部、n−プロパノール1080部の混合溶媒に加熱溶
解させ、均一溶液を得た。この溶液にレベリング剤(東
レダウコーニング社製「SH30PA」を0.1部、酢
酸39部加えた後、成分(P2)ECHETMOS21
1部を加え10分間撹拌した。更にこの溶液に成分(P
3)APTMOS77部を加えて3時間撹拌しコーティ
ング組成物を得た。
【0059】次に、ガスバリヤー層が形成された面と反
対側の面上に、DCマグネトロンスパッタリング法によ
り、厚さ130nmのインジウム-錫酸化物からなる透
明導電層を設けた。
【0060】さらに、このフィルムを用いて、透明導電
層にフォトリソグラフィー法によりパターニングを行
い、160×100ドット用の表示電極を形成した。つ
いで、該電極面に1000Åの配向膜を形成し、ツイス
ト各が220°となるようにラビング処理を施した。次
いで6.5μmのプラスチックビーズをギャップ剤とし
て電極面のうち面に分散密度150個/mm2となるよ
うに分散し、エポキシ接着剤により電極面を内側にして
この2枚のフィルムを貼り合せてセルを作製した。次い
で、このセルにカイラルネマチック液晶を含有するネマ
チック液晶を注入口より注入した後、加圧法によりセル
ギャップを均一化し、注入口を封入した。次にセルの両
側に偏光板を貼り液晶パネルを得た。こうして得られた
液晶パネルは表示特性が良好で、50℃90%RH環境
下に500hr放置あるいは80℃DRY環境下に50
0hr放置しても、表示特性の劣化は認められなかっ
た。
【0061】[実施例6]実施例2で得られたディスプ
レイ用フィルムを用い、透明導電層の下地に積層する耐
薬品層を、後述のコーティング組成物(B)をコーティ
ングし、60℃1分間加熱した後、高圧水銀灯を用い厚
さ4μmで形成した以外は、実施例5と同様にしてディ
スプレイ用透明フィルムを得た。得られた液晶パネルは
表示特性が良好で、50℃90%RH環境下に500h
r放置あるいは80℃DRY環境下に500hr放置し
ても、表示特性の劣化は認められなかった。ここで、コ
ーティング組成物(B)は、以下のように調整した。
【0062】ジメチロールトリシクロデカンジアクリレ
ート(共栄社化学社製「ライトアクリレートDCP−
A」)を10重量部、エポキシアクリレート(昭和高分
子製「リポキシR800系」)を10重量部、ウレタン
アクリレート(新中村化学製「NKオリゴU−15H
A」)を10重量部、1−メトキシ−2−プロパノール
を30重量部、開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトン2重量部を混合しコーティング組成
物を得た。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1333 500 G02F 1/1333 500 // C08L 69:00 C08L 69:00 Fターム(参考) 2H090 HB04X JB03 JB13 JC07 JD01 JD11 JD12 LA01 LA02 4F006 AA36 AB73 AB74 BA05 BA07 CA05 CA08 DA01 4F100 AA20B AA20C AB11B AB11C AK01A AK45A AL01 BA02 BA03 BA06 BA07 BA10B BA10C EH46 EH461 EH66 EH662 EJ86 EJ861 GB41 JD02 JD02B JD02C JL04 JN01 JN01A 5G435 AA09 AA13 AA14 BB05 BB12 EE12 FF01 GG42 HH02 HH20 KK07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明高分子フィルムの少なくとも片側
    に、珪素原子と酸素原子から主として構成される少なく
    とも一層のガスバリヤー層を有する透明フィルムであっ
    て、該ガスバリヤー層は、少なくともフッ素原子および
    マグネシウム原子を含有し、該珪素原子の少なくとも一
    部は該フッ素原子と化学結合しているディスプレイ用透
    明フィルム。
  2. 【請求項2】 ガスバリヤー層におけるX線光電子分光
    法にて測定したフッ素の1sピークが、フッ素原子と珪
    素原子の化学結合に由来するピーク(A)とフッ素原子
    とマグネシウム原子に由来するピーク(B)からなる請
    求項1記載のディスプレイ用透明フィルム。
  3. 【請求項3】 ピーク(A)の強度がピーク(B)の強
    度よりも大きい請求項2記載のディスプレイ用透明フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 透明高分子フィルムがポリカーボネート
    からなるディスプレイ用透明フィルム。
  5. 【請求項5】 透明高分子フィルムの少なくとも片側に
    透明導電層が形成されている請求項1〜4のいずれかに
    記載のディスプレイ用透明フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101369825B1 (ko) * 2009-12-10 2014-03-05 미쓰비시 쥬시 가부시끼가이샤 표면 보호 패널 및 액정 화상 표시 장치

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