JPWO2011108494A1 - 導電性積層フィルムおよびそれを用いたタッチパネル - Google Patents
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Abstract
本発明は、透明樹脂からなるフィルム(I)に透明導電層(III)が積層されてなる導電性積層フィルムであって、透明導電層(III)側の表面部が複数の凸部を有しており、表面が曲面で形成されている、複数の凸部を含む部位を有することを特徴とする導電性積層フィルムである。本発明によれば、光の反射による映り込みがなく、干渉縞の発生が抑えられると共に、特に干渉縞を抑制するために付与される導電性積層フィルムの形状由来の筋状の線がタッチパネルとした時にも画面上に認められず、コントラストが高く、ぎらつきが少なく、明瞭な表示を達成でき、特にタッチパネルとした時に、すべり性が向上するため耐久性に優れ、視認性の高い導電性積層フィルムおよびタッチパネルを提供することができる。
Description
本発明は、導電性積層フィルムおよびそれを用いたタッチパネルに関する。詳しくは、本発明は、液晶ディスプレイ上に設けられ、入力手段として使用できるタッチパネルの用途に好適な導電性積層フィルムおよびそれを用いたタッチパネルに関する。
パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ノートPC、OA機器、医療機器、あるいはカーナビゲーションシステム等の電子機器においては、これらのディスプレイに入力手段を兼ね備えるタッチパネルが広く用いられる。
透明導電膜式タッチパネルは、透明なベースフィルムの片面にインジウム錫酸化物、錫アンチモン酸等の金属酸化物または金、パラジウム、アルミニウム、銀等の金属の薄膜が透明導電膜として設けられている。これらの金属酸化物あるいは金属の薄膜は光の反射が大きいため、これらの薄膜を導電膜として有するタッチパネルは、液晶ディスプレイのコントラストが著しく低下し、極めて見えにくい画面となる。
このような問題を解決する方法として、特許文献1では、液晶ディスプレイ側から順に第一の1/4波長板、スペーサーを介して対向する2枚の透明導電膜(ガラスとITOとの積層膜)、第二の1/4波長板、偏光板を配置させ、視認性を上げることが提案されている。
しかしながら、上記構成のタッチパネルでは、液晶ディスプレイのコントラストはまだ不十分であり、また、タッチパネルが多層構造となるために、光線透過率や視野角補償性などの光学特性が不十分である。
一方で特許文献2には、透明抵抗膜の形状を特殊な形状にすることにより、干渉縞(以降、「ニュートンリング」とも言う。)の発生を抑えようという試みがある。しかしながら、この方法では表面反射光を抑えることはできず、高いコントラストや視認性、耐久性を得ることはできない。
また、上記方法では、特殊な形状に由来する筋状の線がタッチパネル画面上に認められ、画面の高精細化に伴い改善が求められている。
このため、光学特性に優れ視認性が高く、干渉縞が抑制されるとともに、より高い耐久性を併せ持つ、優れたタッチパネルの出現が強く望まれていた。
本発明は、干渉縞の発生が抑えられると共に、特に干渉縞を抑制するために付与される導電性積層フィルムの形状由来の筋状の線がタッチパネルとした時にも画面上に認められず、コントラストが高く、ぎらつきが少なく、特にタッチパネルとした時に、耐久性に優れ、視認性の高い導電性積層フィルム、およびタッチパネルを提供することを課題としている。
前記課題を解決する本発明は、透明樹脂からなるフィルム(I)に透明導電層(III)が積層されてなる導電性積層フィルムであって、透明導電層(III)側の表面部が複数の凸部を有しており、表面が曲面で形成されている、複数の凸部を含む部位を有することを特徴とする導電性積層フィルムである。
前記導電性積層フィルムにおいては、前記複数の凸部が畝状に形成され、且つ前記凸部が蛇行していることが好ましい。
前記導電性積層フィルムにおいては、前記複数の凸部が畝状に形成され、且つ前記凸部の伸長方向において前記凸部の高さが変動を持つことが好ましい。
前記導電性積層フィルムにおいては、前記複数の凸部が設けられた位置および複数の凸部の高さの変化に規則性がないことが好ましい。
前記導電性積層フィルムにおいては、前記フィルム(I)と透明導電層(III)との間に、硬化性樹脂組成物よりなる樹脂層(II)を持つことが好ましい。
前記導電性積層フィルムにおいては、樹脂層(II)において、その透明導電層(III)側の表面部に、複数の凸部が畝状に形成され、その畝の長さ方向と直交する面における断面における、前記凸部が形成された表面を表わす線が波状の曲線であることが好ましい。
前記導電性積層フィルムにおいては、前記波状の曲線が、規則的な周期を有する波状の曲線であることが好ましい。
前記導電性積層フィルムにおいては、前記畝状に形成された複数の凸部がその長さ方向に蛇行していることが好ましい。
前記導電性積層フィルムにおいては、前記畝状に形成された複数の凸部がその長さ方向に沿って規則的な周期で蛇行していることが好ましい。
前記導電性積層フィルムにおいては、前記樹脂層(II)において、凸部の最大高さが0.1〜10μmであり、凸部が形成する畝の周期が100〜5000μmの範囲であることが好ましい。
前記導電性積層フィルムにおいては、前記凸部が、フィルム面から垂直方向に見て海島状に存在していることが好ましい。
前記導電性積層フィルムにおいては、前記フィルム(I)と透明導電層(III)との間に、硬化性樹脂組成物よりなる樹脂層(II)を持つことが好ましい。
前記導電性積層フィルムにおいては、前記凸部の最も高い点と、その凸部に隣接する谷部の最も低い点との高低差として求められる各凸部の高さの中で最も大きい高さである凸部の最大高さdHが0.1〜10μmであり、その最大高さを有する凸部の最も高い点と、その凸部に隣接する谷部の最も低い点との間の、フィルム面内方向の距離dLと前記dHとが下記数式(1)を満たすことが好ましい。
前記導電性積層フィルムにおいては、前記フィルム(I)が、延伸加工により得られたフィルムであることが好ましい。
前記導電性積層フィルムにおいては、前記フィルム(I)が、波長550nmの透過光に対する面内位相差が128〜148nmの範囲にある位相差フィルムであることが好ましい。
前記導電性積層フィルムにおいては、前記樹脂層(II)がUV硬化性樹脂組成物により形成されていることが好ましい。
前記導電性積層フィルムにおいては、前記フィルム(I)が、環状オレフィン系樹脂およびポリカーボネート樹脂の少なくとも1種を含有することが好ましい。
前記導電性積層フィルムにおいては、前記フィルム(I)は、環状オレフィン系樹脂を含み、前記環状オレフィン系樹脂は、下記式(1)で表される単量体の少なくとも1種を(共)重合して得られることが好ましい。
(式(1)中、R1〜R4は、下記(i)〜(iii)のいずれかを表し、xは0〜3の整数を表し、yは0または1を表す。
(i)それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または酸素、窒素、イオウもしくはケイ素を含有していてもよい1価の有機基、(ii)R1とR2、R3とR4が、それぞれ結合したアルキリデン基、(iii)R1とR2、R3とR4、R2とR3が、それぞれ結合した単環または多環の炭素環もしくは複素環。)
前記導電性積層フィルムにおいては、透明導電層(III)が、結晶性ITOにより形成されていることが好ましい。
(i)それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または酸素、窒素、イオウもしくはケイ素を含有していてもよい1価の有機基、(ii)R1とR2、R3とR4が、それぞれ結合したアルキリデン基、(iii)R1とR2、R3とR4、R2とR3が、それぞれ結合した単環または多環の炭素環もしくは複素環。)
前記導電性積層フィルムにおいては、透明導電層(III)が、結晶性ITOにより形成されていることが好ましい。
他の発明は、前記導電性積層フィルムを有することを特徴とするタッチパネルである。
また、前記導電性積層フィルムと、透明導電層、位相差フィルム、および偏光板がこの順に積層されてなる導電性積層フィルムとを有するタッチパネルである。
本発明によれば、光の反射による映り込みがなく、干渉縞の発生が抑えられると共に、特に干渉縞を抑制するために付与される導電性積層フィルムの形状由来の筋状の線がタッチパネルとしたときにも画面上に認められず、コントラストが高く、ぎらつきが少なく、明瞭な表示を達成でき、特にタッチパネルとした時に、すべり性が向上するため耐久性に優れ、視認性の高い導電性積層フィルムおよびタッチパネルを提供することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
導電性積層フィルム
本発明の導電性積層フィルムは、透明樹脂からなるフィルム(I)に透明導電層(III)が積層されてなる導電性積層フィルムであって、透明導電層(III)側の表面部が複数の凸部を有しており、表面が曲面で形成されている、複数の凸部を含む部位を有する。
本発明の導電性積層フィルムは、透明樹脂からなるフィルム(I)に透明導電層(III)が積層されてなる導電性積層フィルムであって、透明導電層(III)側の表面部が複数の凸部を有しており、表面が曲面で形成されている、複数の凸部を含む部位を有する。
<凸部>
本発明の導電性積層フィルムは、少なくとも透明樹脂からなるフィルム(I)とこれに積層される透明導電層(III)とを有し、透明導電層(III)側の表面部に凸部を有する。
本発明の導電性積層フィルムは、少なくとも透明樹脂からなるフィルム(I)とこれに積層される透明導電層(III)とを有し、透明導電層(III)側の表面部に凸部を有する。
導電性積層フィルムにおいては、フィルム(I)の表面部に凸部を設け、その上に透明導電層(III)をほぼ均一の厚みに積層することにより、透明導電層(III)側の表面部に凸部が形成されていてもよく、フィルム(I)に凸部を設けず、透明導電層(III)に凸部を設けることにより、透明導電層(III)側の表面部に凸部が形成されていてもよく、またフィルム(I)および透明導電層(III)の両方に凸部を設けることにより、透明導電層(III)側の表面部に凸部が形成されていてもよい。フィルム(I)と透明導電層(III)との間に樹脂層(II)が設けられている場合には、樹脂層(II)に凸部を設けることにより、透明導電層(III)側の表面部に凸部が形成されていてもよい。
本発明の導電性積層フィルムは、透明導電層(III)側の表面部に凸部を有し、表面が曲面で形成されている、複数の凸部を含む部位を有することで、つまり、透明導電層(III)側の表面部において、複数の凸部を含む部位のうちの少なくとも1つの部位の表面が曲面で形成されていることにより、アンチニュートンリング性確保とクリア感の向上、ぎらつきの防止等を達成することができる。
本発明において「表面が曲面で形成されている、複数の凸部を含む部位を有する」とは、複数の凸部を含む部位の任意の断面において、その複数の凸部が形成された表面を表わす線が、尖点を有しない滑らかな曲線であることを意味する。したがって、1つ1つの凸部の表面が曲面で形成されていても、その2つの凸部が角度をもって結合している場合には、その2つの凸部を含む部位におけるある断面には、その2つの凸部の結合点において尖点が現れるので、その2つの凸部を含む部位は「表面が曲面で形成されている」ことにはならない。
前記凸部は、複数の凸部が設けられた位置および複数の凸部の高さの変化に規則性がないことが好ましい。凸部にこのような規則性があると、例えば一次反射光と二次反射光とが干渉し、ニュートンリングが発現しやすい。尚、ここで規則性とは、例えば前記凸部が一定の距離をもって形成されていることや、隣接する凸部の高さが周期的に変動していることを言う。
畝状
透明導電層(III)側の表面部に設けられる複数の凸部は、畝状に形成されていることが好ましい。畝状に形成された凸部をその長さ方向と直交する面で切って得られる断面において、その凸部が形成されている表面を示す線は波状の曲線であることが好ましい。また、畝状に形成された凸部は、その長さ方向に蛇行していることが好ましい。
透明導電層(III)側の表面部に設けられる複数の凸部は、畝状に形成されていることが好ましい。畝状に形成された凸部をその長さ方向と直交する面で切って得られる断面において、その凸部が形成されている表面を示す線は波状の曲線であることが好ましい。また、畝状に形成された凸部は、その長さ方向に蛇行していることが好ましい。
畝状に形成された凸部について更に図を用いて説明する。図1は、凸部が畝状に形成されたフィルム(I)を、凸部の長さ方向と直交する面で切って斜め上方から観察した図である。図1においては、複数の凸部は直線状に、平行に設けられ、畝を形成している。図1においては、各凸部の稜線を点線で示した。ここで「稜線」とは、凸部の長さ方向と直交するすべての断面における1つの凸部の頂点を結ぶことによって描かれる観念上の線である。
この断面において、凸部が形成されている表面を示す線は波状の曲線である。このような曲線を描くことにより、本導電性積層フィルムをタッチパネルとしたときに畝状に起因する筋状の線が認められなくなり、より画面の高精細化に対応することができ好適である。さらに、タッチパネルとして使用したときのすべり性が向上し、手触りが良くなるとともに、タッチパネルを長期間使用したときの抵抗値変化を抑制することができ、耐久性能をより一段と向上することができ好ましい。こうすることで、干渉縞の発生が抑えられ、コントラストが高く、ぎらつきが少なく、明瞭な表示を達成でき、耐久性に優れ、視認性の高い導電性積層フィルムおよびタッチパネルを提供することができる。
この面における凸部が形成されている表面を示す曲線のピッチ(P)は、複数の凸部によって決まる。ここでピッチとは、波状の曲線の頂点からそのとなりの頂点までの平面方向の長さである。凸部の高さは、図1に示されるように、凸部の最も高い点と、その凸部に隣接する谷部の最も低い点との高低差として求められる。
前記断面に現れる波状曲線の前記Pは、好ましくは50〜5000μm、より好ましくは100〜1000μmの範囲である。前記Pが50μmを下回るとぎらつきが発生する場合があり、5000μmを超えるとアンチニュートンリング性が十分に発現しない場合がある。
また、畝状に形成された凸部の最大高さは通常0.1〜10μm、好ましくは0.5〜3μmの範囲に設定される。0.1μmより小さいとアンチニュートンリング性が発現せず、10μmより大きいとタッチパネルとして組み立てたときに入力時にでこぼこ感が感じとれてしまう。ここで凸部の最大高さとは、複数の凸部の高さの中で最も大きい高さである。
畝状に形成された凸部を備えたフィルム(I)を他のフィルムやシートと積層するときは、例えば下部表示装置に液晶を使用する場合、モアレ対策として、その偏光軸に対して、畝状に形成された凸部の長さ方向を10〜45°の角度に積層することで視認性が良好となる。故に、基材フィルムに1/4λ位相差フィルムを使用する場合、その遅相軸に対しても凸部の長さ方向が10〜80°の角度となるように積層されることが望ましい。
図2は、畝状に形成された凸部の長さ方向と直交する断面の観察図である。この断面における凸部の頂部が描く曲線部および2つの凸部に挟まれた谷間部が描く曲線部はそれぞれ曲率半径(Rt)、(Rb)を持つ丸みを帯びた曲線である。この曲線は正弦曲線であってもよい。前記曲線が有する1つ1つの丸みは、タッチパネルの感触、筋状の線の解消のしやすさ、干渉縞の防止効果および耐久性能面からそれぞれ適宜調整される。この丸みは、例えば、それぞれの曲率半径を調整することで調節することができ、その際には、曲率半径(Rt)、(Rb)はそれぞれ、ピッチ(P)の半分以上30倍以下が好ましく用いられ、更に好ましくはピッチ(P)以上で10倍以下、特に好ましくはピッチ(P)の3倍以上で10倍以下が用いられる。また、曲率半径(Rt)と(Rb)を同じにすることはその作りやすさから好ましく、曲率半径(Rt)を(Rb)より大きくすることがタッチパネルでの感触を向上する面から好ましい。また、前記断面における凸部の頂部が描く曲線部と2つの凸部に挟まれた谷間部の曲線部とをつなぐ直線部分の、図2におけるフィルム平面方向の長さ(L)は、ピッチ(P)に対して、好ましくは三分の一以下、更に好ましくは五分の一以下、特に好ましくは十分の一以下である。
畝状に形成された凸部は蛇行していることが好ましい。ここで「蛇行している」とは、本発明の導電性積層フィルムの平面と平行な面上で、畝状に形成された凸部がその長さ方向に沿って波状の曲線を描くことをいう。波状は、規則性のある波状でも、規則性のない波状であってもよい。
図3には、畝状に形成された凸部がピッチ(Pl)で蛇行している導電性積層フィルムの上方からの観察図を示す。図3においては、複数の凸部は、同じ波状を有しており、周期を一致させて設けられ、畝を形成している。ピッチ(Pl)は、前記波状の曲線の頂点からそのとなりの頂点までの平面方向の長さである。
本発明の導電性積層フィルムにおいて、凸部の稜線が、導電性積層フィルムの平面上において波状の曲線を描くことが好ましい。「稜線」とは、前述のとおり、凸部の長さ方向と直交するすべての断面における1つの凸部の頂点を結ぶことによって描かれる観念上の線である。図1では凸部の稜線が直線であったのに対し、本発明の一態様である図3においては、畝状に形成された各凸部の稜線がフィルム平面と平行な面上において規則的に蛇行している。畝状をこのようにすることで、筋状の線がより認められにくくなり、タッチパネルとして使用したときのすべり性が向上して手触りが良くなるとともに、タッチパネルを長期間使用したときの抵抗値変化を抑制することができ、耐久性能をより一段と向上することができ好ましい。
このときのフィルム平面内での規則的な曲線のピッチを(Pl)、曲線の幅を(W)とすると、ピッチ(Pl)はピッチ(P)の好ましくは1倍以上30倍以下、更に好ましくは2倍以上20倍以下、特に好ましくは3倍以上10倍以下であり、また、曲線の幅(W)はピッチ(P)の好ましくは二分の一倍以上30倍以下、更に好ましくは一倍以上20倍以下、特に好ましくは3倍以上10倍以下である。当該フィルム平面方向における規則的な曲線におけるピッチ(Pl)のピッチ(P)に対する比および曲線の幅(W)のピッチ(P)に対する比が、上記範囲の下限値未満であるとタッチパネルにしたときにぎらつき感が発生することがあり、また、上記範囲の上限値を超えると稜線を曲線にすることによる効果が薄れることがある。
また、畝状に形成された1つ1つの凸部に高さ変動をつけることも好ましい。その場合には、高さ変動幅は1つの凸部の高さの平均に対して、±50%、更に好ましくは±30%、特に好ましくは±10%の範囲とする。そうすると、タッチパネルとしたときの耐久性能が向上するために好ましい。
また、畝の長さ方向と直交する断面における凸部が形成されている表面を示す曲線は、一定の範囲内の高さのばらつきを持つことも好ましく行われる。そのときのばらつき範囲は高さの平均に対し、好ましくは±50%、更に好ましくは±30%、特に好ましくは±10%の範囲に調整される。
また、畝状に形成された凸部の稜線がフィルムの平面上において波状の曲線を描く場合も、その振幅が一定の範囲内のばらつきを持つように適宜調整してもよい。その場合のばらつき範囲は振幅の平均に対し、好ましくは±50%、更に好ましくは±30%、特に好ましくは±10%の範囲に調整される。
ばらつきを範囲に調整することで、外観上や耐久性能等において所望の特性を得ることができる。
畝状に形成された複数の凸部は畝の長さ方向において断続的に形成されていることも好適である。その場合の凸部の長さは、畝のピッチに対して1〜10倍の範囲が好ましく、更に好ましくは1〜5倍、特に好ましくは2〜4倍である。この場合特に重要なのは、畝状の凸部が形成されていない部分である断続部においても、後述の海島状構造で説明した曲線状の形状を有することである。そうすることで、良好な外観に加え、より一層の耐久性能を得ることができる。
海島状
透明導電層(III)側の表面部に設けられる複数の凸部は海島状に設けられていてもよい。海島状について更に図を用いて説明する。図4の(1)〜(4)に、本発明の海島状の態様例として、片面に凸部が海島状に形成された導電性積層フィルムを、上面および断面方向から観察したイメージ図を示した。ここでの重要点は、何れの形状も局所的に鋭角な部分は存在せず、曲面状の形状変化になっている点である。そうすることにより、外観上や耐久性能において所望の特性を得ることができる。このような曲面状の形状変化は、たとえば、フィルムを延伸加工することにより形成することができる。
透明導電層(III)側の表面部に設けられる複数の凸部は海島状に設けられていてもよい。海島状について更に図を用いて説明する。図4の(1)〜(4)に、本発明の海島状の態様例として、片面に凸部が海島状に形成された導電性積層フィルムを、上面および断面方向から観察したイメージ図を示した。ここでの重要点は、何れの形状も局所的に鋭角な部分は存在せず、曲面状の形状変化になっている点である。そうすることにより、外観上や耐久性能において所望の特性を得ることができる。このような曲面状の形状変化は、たとえば、フィルムを延伸加工することにより形成することができる。
図4(1)〜(4)においては、それぞれ左側に上面図を、右側に、上面図に示された点線部における断面図を示した。なお、図4(1)〜(4)の上面図においては、凸部は輪郭線をもって現れることはないが、凸部を視覚的に表現するため、観念的な輪郭線によって表現されている。図4(1)〜(4)の断面図において、対向する2本の矢印は凸部の高さを示す。
図4(1)においては、平面形状が長方形である凸部が、その長辺方向に多列に並んでおり、隣接する2列間においては、凸部がその長辺の2分の1の長さだけずれるように配列されている。断面図においては、フィルム表面は波状の曲線を描いている。
図4(2)においては、平面形状が菱形である凸部が配列されている。断面図においては、フィルム表面は波状の曲線を描いている。
図4(3)においては、平面形状が楕円形である凸部が配列されている。断面図においては、フィルム表面は、凸部が設けられている部分においては丸みを帯びた曲線を描き、凸部が設けられていない部分においては直線状である。
図4(4)においては、平面形状が長方形である凸部が、縦横列をなして配列されている。断面図においては、フィルム表面は波状の曲線を描いている。
凸部が畝状や海島状などの何れの状態で形成されている場合にもおいて、凸部の最大高さdHは0.1〜10μmが好ましく、その最大高さを有する凸部の最も高い点と、その凸部に隣接する谷部の最も低い点との間の、フィルム面内方向における距離dLとdHとが下記数式(1)を満たすことが好ましい。
dHはより好ましくは0.5〜5μm、特に好ましくは1〜3μmであり、dH/dLの範囲はより好ましくは0より大きく0.03以下であり、特に好ましくは0より大きく0.01以下である。最大高さdHは、複数の凸部の高さの中で最も大きい高さである。凸部の高さは、その凸部の最も高い点と、その凸部に隣接する谷部の最も低い点との高低差として求められる。dHを与えるフィルム表面上の2点の組み合わせが複数存在する場合には、それらのうち、dLが最小値となる2点によりdLを定める。
凸部が上記条件を満たすようにすることで、干渉縞の発生が抑えられると共に、特に干渉縞を抑制するために付与される導電性積層フィルムの形状由来の筋状の線がタッチパネルとしたときにも画面上に認められず、コントラストが高く、ぎらつきが少なく、特にタッチパネルとした時に、すべり性が向上するため耐久性に優れ、視認性の高い導電性積層フィルム、およびタッチパネルにすることができる。
<透明樹脂からなるフィルム(I)>
透明樹脂からなるフィルム(I)としては、透明性を有し、導電性積層フィルムの基材フィルムとして用いられるものであればよく、公知の透明樹脂を含有するフィルムを用いることができる。本発明では、透明樹脂からなるフィルム(I)として、環状オレフィン系樹脂および/またはポリカーボネート樹脂を含有するフィルムを用いることが好ましい。透明樹脂からなるフィルム(I)は、環状オレフィン系樹脂および/またはポリカーボネート樹脂を含有する場合、1種単独の環状オレフィン系樹脂あるいはポリカーボネート樹脂から形成されてもよく、2種以上の環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物、2種以上のポリカーボネート樹脂を含む樹脂組成物、または1種以上の環状オレフィン系樹脂および1種以上のポリカーボネート樹脂を含む樹脂組成物、あるいはさらにその他の樹脂成分を含む樹脂組成物から形成されてもよい。本発明では、透明樹脂からなるフィルム(I)が、樹脂成分が1種以上の環状オレフィン系樹脂のみ、あるいは1種以上のポリカーボネート樹脂のみである樹脂または樹脂組成物からなるフィルムであることがより好ましく、1種以上の環状オレフィン系樹脂のみからなるフィルムであることがさらに好ましい。透明樹脂からなるフィルム(I)が環状オレフィン系樹脂もしくはポリカーボネート樹脂からなるフィルムである場合には、透明性に優れるほか、好適に位相差フィルムとすることができ、反射光の抑制および視認性の向上を図ることができる。
透明樹脂からなるフィルム(I)としては、透明性を有し、導電性積層フィルムの基材フィルムとして用いられるものであればよく、公知の透明樹脂を含有するフィルムを用いることができる。本発明では、透明樹脂からなるフィルム(I)として、環状オレフィン系樹脂および/またはポリカーボネート樹脂を含有するフィルムを用いることが好ましい。透明樹脂からなるフィルム(I)は、環状オレフィン系樹脂および/またはポリカーボネート樹脂を含有する場合、1種単独の環状オレフィン系樹脂あるいはポリカーボネート樹脂から形成されてもよく、2種以上の環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物、2種以上のポリカーボネート樹脂を含む樹脂組成物、または1種以上の環状オレフィン系樹脂および1種以上のポリカーボネート樹脂を含む樹脂組成物、あるいはさらにその他の樹脂成分を含む樹脂組成物から形成されてもよい。本発明では、透明樹脂からなるフィルム(I)が、樹脂成分が1種以上の環状オレフィン系樹脂のみ、あるいは1種以上のポリカーボネート樹脂のみである樹脂または樹脂組成物からなるフィルムであることがより好ましく、1種以上の環状オレフィン系樹脂のみからなるフィルムであることがさらに好ましい。透明樹脂からなるフィルム(I)が環状オレフィン系樹脂もしくはポリカーボネート樹脂からなるフィルムである場合には、透明性に優れるほか、好適に位相差フィルムとすることができ、反射光の抑制および視認性の向上を図ることができる。
本発明に係る透明樹脂からなるフィルム(I)は、位相差を示さないフィルムであってもよく、位相差フィルムであってもよい。フィルム(I)が位相差フィルムである場合、波長550nmの透過光に対する面内位相差が128〜148nm、好ましくは133〜143nmのフィルムであることが望ましく、1/4λ位相差フィルムであることが特に好ましい。ここで、位相差は、複屈折光の屈折率差(Δn)と厚さ(d)との積(Δnd)で定義される。透明樹脂からなるフィルム(I)が、このような位相差を有する場合には、反射光を効果的に防止することができ、高コントラストのタッチパネルが得られるため好ましい。
上記位相差フィルムは、環状オレフィン系樹脂あるいはポリカーボネート樹脂から得られるフィルムを延伸処理して得られたものであることが好ましく、環状オレフィン系樹脂から得られるフィルムを延伸処理して得られたものであることがより好ましい。
・環状オレフィン系樹脂
透明樹脂からなるフィルム(I)を構成し得る環状オレフィン系樹脂としては、ノルボルネン骨格を有する環状オレフィン系化合物を1種以上含む単量体、あるいは前記環状オレフィン系化合物とともにさらに共重合性単量体を含む単量体組成物を、開環(共)重合あるいは付加(共)重合したものであることが好ましく、得られた(共)重合体の主鎖中の二重結合が水素添加されたものがより好適に用いられる。
透明樹脂からなるフィルム(I)を構成し得る環状オレフィン系樹脂としては、ノルボルネン骨格を有する環状オレフィン系化合物を1種以上含む単量体、あるいは前記環状オレフィン系化合物とともにさらに共重合性単量体を含む単量体組成物を、開環(共)重合あるいは付加(共)重合したものであることが好ましく、得られた(共)重合体の主鎖中の二重結合が水素添加されたものがより好適に用いられる。
環状オレフィン系樹脂としては、下記式(1)で表される少なくとも1種の化合物(以下、「特定単量体」ともいう)を含む単量体を(共)重合して得られる樹脂であることが好ましい。
(式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;または酸素、窒素、イオウもしくはケイ素を含有していてもよい1価の有機基を表し、R1とR2と、R3とR4とが、それぞれ独立に、相互に結合してアルキリデン基を形成していてもよく、R1とR2と、R3とR4と、R2とR3とが、それぞれ独立に、相互に結合して単環または多環の炭素環もしくは複素環を形成してもよく、xは0〜3の整数を表し、yは0または1を表す。)
本発明において好適に用いられる環状オレフィン系樹脂としては、下記(i)〜(iii)の(共)重合体が好ましい。
(i)特定単量体と、必要に応じて共重合性単量体との開環(共)重合体(以下「特定の開環(共)重合体」ともいう。)。
(ii)特定の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体。
(iii)特定単量体と、必要に応じて共重合性単量体との付加(共)重合体。
本発明において好適に用いられる環状オレフィン系樹脂としては、下記(i)〜(iii)の(共)重合体が好ましい。
(i)特定単量体と、必要に応じて共重合性単量体との開環(共)重合体(以下「特定の開環(共)重合体」ともいう。)。
(ii)特定の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体。
(iii)特定単量体と、必要に応じて共重合性単量体との付加(共)重合体。
本発明ではこれらの中でも、上記(ii)の(共)重合体、すなわち、特定単量体を含む単量体を開環(共)重合し、得られた(共)重合体の主鎖中の二重結合を水素添加した樹脂が好ましい。このような環状オレフィン系樹脂としては、下記式(1')で表わされる構造単位を有する樹脂が挙げられる。
(式(1')中、R1〜R4、xおよびyは、それぞれ上記式(1)のR1〜R4、xおよびyと同様である。)
(特定単量体)
特定単量体は、1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
(特定単量体)
特定単量体は、1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
これらの特定単量体のうち好ましいものとしては、上記式(1)中、R1およびR3が、水素原子、または炭素原子数1〜10、より好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜2の炭化水素基を表し、R2およびR4が、水素原子;または酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含有していてもよい1価の有機基を表し、R2およびR4の少なくとも1つが、水素原子、または炭化水素基以外の極性を有する1価の有機基を表し、xは、0〜3の整数を表し、yは、0〜3の整数を表し、より好ましくはx+y=0〜4、さらに好ましくは0〜2、特に好ましくはx=0、y=1であるものが挙げられる。このような特定単量体を含む単量体を用いると、得られる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が高く、かつ機械的強度も優れたものとなる点で好ましい。
上記極性を有する1価の有機基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基等が挙げられる。これら極性を有する1価の有機基は、メチレン基などの連結基を介して結合していてもよい。また、カルボニル基、エーテル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基など極性を有する2価の有機基が連結基となって結合している炭化水素基等も極性基として挙げられる。これらのうち、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基およびアリロキシカルボニル基が好ましく、アルコキシカルボニル基およびアリロキシカルボニル基がより好ましい。
さらに、上記式(1)中、R2およびR4のうち少なくとも1つが、式:−(CH2)nCOORで示される極性を有する1価の有機基を表す単量体を含む場合には、得られる環状オレフィン系樹脂が高いガラス転移温度、低い吸湿性、および各種材料との優れた密着性を有するものとなる点で好ましい。該式中、Rは、炭素原子数1〜12、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2の炭化水素基、望ましくはアルキル基を表す。また、nは、通常、0〜5の整数であるが、nの値が小さいものほど、得られる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が高くなるので好ましく、さらにnが0である特定単量体はその合成が容易である点で好ましい。
また、上記式(1)中、R1またはR3は、炭素原子数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜2のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。特に、このようなアルキル基が、上記式:−(CH2)nCOORで示される極性を有する1価の有機基が結合した炭素原子と同一の炭素原子に結合していることが、得られる環状オレフィン系樹脂の吸湿性を低くできる点で好ましい。
(共重合性単量体)
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、特定単量体などの環状オレフィン系化合物とともに、共重合性単量体を共重合してなるものであってもよい。
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、特定単量体などの環状オレフィン系化合物とともに、共重合性単量体を共重合してなるものであってもよい。
開環(共)重合体における共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエン等のシクロオレフィンが挙げられる。シクロオレフィンの炭素原子数としては、4〜20が好ましく、5〜12がより好ましい。これらは、1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
また、付加(共)重合体における共重合性単量体としては、例えば、反応性不飽和二重結合を有する化合物が好ましく、具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン系化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルシクロペンテン等のビニル系不飽和炭化水素化合物;メチルメタクリレート等の(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(開環重合触媒)
開環(共)重合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われる。このメタセシス触媒としては公知のものを用いることができ、例えば、(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれる少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA族元素(例えば、Li、Na、K等)、IIA族元素(例えば、Mg、Ca等)、IIB族元素(例えば、Zn、Cd、Hg等)、IIIA族元素(例えば、B、Al等)、IVA族元素(例えば、Si、Sn、Pb等)またはIVB族元素(例えば、Ti、Zr等)の化合物であって、少なくとも1つの該元素−炭素結合あるいは該元素−水素結合を有するものから選ばれる少なくとも1種との組み合せからなる触媒である。また、この場合に触媒の活性を高めるために、この触媒にアルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類等を好適に含有させることができる。さらに特開平1−132626号公報第8頁右下欄第16行〜第9頁左上欄第17行に示される化合物を含有させることもできる。
開環(共)重合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われる。このメタセシス触媒としては公知のものを用いることができ、例えば、(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれる少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA族元素(例えば、Li、Na、K等)、IIA族元素(例えば、Mg、Ca等)、IIB族元素(例えば、Zn、Cd、Hg等)、IIIA族元素(例えば、B、Al等)、IVA族元素(例えば、Si、Sn、Pb等)またはIVB族元素(例えば、Ti、Zr等)の化合物であって、少なくとも1つの該元素−炭素結合あるいは該元素−水素結合を有するものから選ばれる少なくとも1種との組み合せからなる触媒である。また、この場合に触媒の活性を高めるために、この触媒にアルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類等を好適に含有させることができる。さらに特開平1−132626号公報第8頁右下欄第16行〜第9頁左上欄第17行に示される化合物を含有させることもできる。
(重合反応用溶媒)
開環(共)重合反応において用いられる溶媒(分子量調節剤溶液を構成する溶媒、特定単量体および/またはメタセシス触媒の溶媒)としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレン等のハロゲン化アルカン、ハロゲン化アリール;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタン等の飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類などが挙げられ、これらは1種単独で用いても2種以上併用してもよい。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。
開環(共)重合反応において用いられる溶媒(分子量調節剤溶液を構成する溶媒、特定単量体および/またはメタセシス触媒の溶媒)としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレン等のハロゲン化アルカン、ハロゲン化アリール;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタン等の飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類などが挙げられ、これらは1種単独で用いても2種以上併用してもよい。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。
溶媒の使用量としては、「溶媒:特定単量体(重量比)」が、通常、1:1〜10:1となる量とされ、好ましくは1:1〜5:1となる量とされる。
得られる開環(共)重合体の分子量の調節は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、例えば、エチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレン等の分子量調節剤を添加して行ってもよい。
以上のようにして得られる開環(共)重合体は、そのままでも用いることができるが、この(共)重合体の分子中のオレフィン性不飽和結合を水素添加して得られる(ii)水素添加(共)重合体は耐熱着色性や耐光性に優れ、位相差フィルムの耐久性を向上させることができるので好ましい。
(水素添加触媒)
水素添加反応には、通常のオレフィン性不飽和結合を水素添加する方法が適用できる。すなわち、開環(共)重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによって行われる。
水素添加反応には、通常のオレフィン性不飽和結合を水素添加する方法が適用できる。すなわち、開環(共)重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによって行われる。
水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が挙げられる。
不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒が挙げられる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は、粉末でも粒状でもよい。
水素添加(共)重合体の水素添加率は、500MHz、1H−NMRで測定した値が50%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れたものとなり、本発明の透明フィルムとして使用した場合に長期にわたって安定した特性を得ることができる。
なお、開環(共)重合体分子中に芳香族基が存在する場合、係る芳香族基は耐熱着色性、耐光性を低下させることが少なく、逆に光学特性、例えば、屈折率、波長分散性等の光学的特性あるいは耐熱性に関して有利な効果をもたらすこともあり、水素添加しなくても好適なフィルム(I)を得ることができる。
上述のようにして得られた開環(共)重合体には、公知の酸化防止剤、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2'−ジオキシ−3,3'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等、および/または紫外線吸収剤、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等を添加することによって安定化することができる。また、加工性を向上させる目的で、滑剤などの添加剤を添加することもできる。
なお、上記環状オレフィン系樹脂として使用される水素添加(共)重合体は、該水素添加(共)重合体中に含まれるゲル含有量が5重量%以下であることが好ましく、1重量%以下であることがより好ましい。
また、上記環状オレフィン系樹脂として、上記開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した(共)重合体も用いられる。
(付加重合触媒)
上記付加(共)重合体を合成するための触媒としては、公知のものを用いることができ、具体的には、チタン化合物、ジルコニウム化合物およびバナジウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、助触媒としての有機アルミニウム化合物である。
上記付加(共)重合体を合成するための触媒としては、公知のものを用いることができ、具体的には、チタン化合物、ジルコニウム化合物およびバナジウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、助触媒としての有機アルミニウム化合物である。
(環状オレフィン系樹脂の物性)
上記環状オレフィン系樹脂の分子量は、固有粘度〔η〕inhで、好ましくは0.2〜5dl/g、より好ましくは0.3〜3dl/g、さらに好ましくは0.4〜1.5dl/gであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、好ましくは8,000〜100,000、より好ましくは10,000〜80,000、さらに好ましくは12,000〜50,000であり、重量平均分子量(Mw)は、好ましくは20,000〜300,000、より好ましくは30,000〜250,000、さらに好ましくは40,000〜200,000の範囲のものが好適である。
上記環状オレフィン系樹脂の分子量は、固有粘度〔η〕inhで、好ましくは0.2〜5dl/g、より好ましくは0.3〜3dl/g、さらに好ましくは0.4〜1.5dl/gであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、好ましくは8,000〜100,000、より好ましくは10,000〜80,000、さらに好ましくは12,000〜50,000であり、重量平均分子量(Mw)は、好ましくは20,000〜300,000、より好ましくは30,000〜250,000、さらに好ましくは40,000〜200,000の範囲のものが好適である。
固有粘度〔η〕inh、数平均分子量および重量平均分子量が上記範囲内であると、環状オレフィン系樹脂の耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性と、本発明の導電性積層フィルムとして使用したときの光学特性の安定性とのバランスが良好となる。
環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、通常、120℃以上、好ましくは120〜350℃、より好ましくは130〜250℃、さらに好ましくは140〜200℃である。得られる環状オレフィン系樹脂フィルムの光学特性変化を安定にし、延伸加工など、Tg近辺まで加熱して加工する場合の樹脂の熱劣化を防止するためである。
環状オレフィン系樹脂の23℃における飽和吸水率は、好ましくは2重量%以下、より好ましくは0.01〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%の範囲にある。飽和吸水率がこの範囲内であると、光学特性が均一であり、得られる環状オレフィン系樹脂フィルムと他の光学部材や接着剤などとの密着性に優れ、使用途中で剥離などが発生せず、また、酸化防止剤などとの相溶性にも優れ、多量に添加することも可能となる。なお、飽和吸水率はASTM D570に従い、23℃水中で1週間浸漬して増加重量を測定することにより得られる値である。
環状オレフィン系樹脂としては、その光弾性係数(CP)が0〜100(×10-12Pa-1)であり、かつ応力光学係数(CR)が1,000〜4,000(×10-12Pa-1)を満たすようなものが好適である。ここで、光弾性係数(CP)および応力光学係数(CR)については、種々の文献、例えば、Polymer Journal,Vol.27,No,9pp 943-950(1995)、日本レオロジー学会誌,Vol.19,No.2, p93-97(1991)、光弾性実験法,日刊工業新聞社,昭和50年第7版に記載されている。前者がポリマーのガラス状態での応力による位相差の発生程度を表すのに対し、後者は流動状態での応力による位相差の発生程度を表す。
光弾性係数(CP)が大きいことは、環状オレフィン系樹脂フィルムを他の光学部材や接着剤と貼り合わせて用いた場合に外的因子または自らの凍結した歪みから発生した歪みから発生する応力などにおいて敏感に光学特性が変化してしまうことを表し、例えば、本発明のように透明導電層を積層する場合、および他の光学部材に固定して用いる場合には、貼り合わせ時の残留歪みや、温度変化や湿度変化などにともなう材料の収縮により発生する微小な応力によって不必要な位相差を発生しやすいことを意味する。このことから、できるだけ光弾性係数(CP)は小さい程よい。
一方、応力光学係数(CR)が大きいことは、例えば、環状オレフィン系樹脂フィルムに位相差の発現性を付与する際に少ない延伸倍率で所望の位相差を得られるようになったり、大きな位相差を付与しうるフィルムを得やすくなったり、同じ位相差を所望の場合には応力光学係数(CR)が小さいものと比べてフィルムを薄肉化できるという大きなメリットがある。
以上のような見地から、光弾性係数(CP)が好ましくは0〜100(×10-12Pa-1)、より好ましくは0〜80(×10-12Pa-1)、さらに好ましくは0〜50(×10-12Pa-1)、特に好ましくは0〜30(×10-12Pa-1)、最も好ましくは0〜20(×10-12Pa-1)である。透明導電層を積層した時に発生する応力、導電性積層フィルムを他の光学部材に固定した時に発生する応力、使用する際の環境変化などによって発生する位相差変化などによる不必要な位相差を最小限に止めるためである。
(添加剤)
上記環状オレフィン系樹脂は、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤などを添加してさらに安定化させることができる。また、加工性を向上させるために、滑剤などの従来の樹脂加工において用いられる添加剤を添加することもできる。
上記環状オレフィン系樹脂は、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤などを添加してさらに安定化させることができる。また、加工性を向上させるために、滑剤などの従来の樹脂加工において用いられる添加剤を添加することもできる。
上記酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2'−ジオキシ−3,3'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられ、上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
・ポリカーボネート樹脂
透明樹脂からなるフィルム(I)を構成し得るポリカーボネート樹脂としては、特に限定されるものではなく、当該技術分野で知られている任意の芳香族ホモポリカーボネートあるいはコポリカーボネートを用いることができる。ポリカーボネート成分は、例えば界面重縮合法、均一相における重縮合法あるいはエステル交換法等、当該技術分野で一般に知られている方法の何れに従って製造されてもよい。これらの方法並びに関連する反応物、ポリマー、触媒、溶媒および条件は当該技術分野で周知であり、米国特許第2,964,974号,第2,970,137号,第2,999,835号,第2,999,846号,第3,028,365号,第3,153,008号,第3,187,065号,第3,215,668号,第3,258,414号および第5,010,162号に記載されている。適当なポリカーボネートは、例えば下記のビスフェノール類の一種またはそれ以上に基づいている:ジヒドロキシジフェニル類、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類、ビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン類、ビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド類、ビス(ヒドロキシフェニル)エーテル類、ビス(ヒドロキシフェニル)ケトン類、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホキシド類、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン類、アルキルシクロヘキシリデンビスフェノール類、α,α−ビス(ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン類、これらの核がアルキル化された誘導体あるいは核がハロゲン化された誘導体、およびこれらの混合物である。
透明樹脂からなるフィルム(I)を構成し得るポリカーボネート樹脂としては、特に限定されるものではなく、当該技術分野で知られている任意の芳香族ホモポリカーボネートあるいはコポリカーボネートを用いることができる。ポリカーボネート成分は、例えば界面重縮合法、均一相における重縮合法あるいはエステル交換法等、当該技術分野で一般に知られている方法の何れに従って製造されてもよい。これらの方法並びに関連する反応物、ポリマー、触媒、溶媒および条件は当該技術分野で周知であり、米国特許第2,964,974号,第2,970,137号,第2,999,835号,第2,999,846号,第3,028,365号,第3,153,008号,第3,187,065号,第3,215,668号,第3,258,414号および第5,010,162号に記載されている。適当なポリカーボネートは、例えば下記のビスフェノール類の一種またはそれ以上に基づいている:ジヒドロキシジフェニル類、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類、ビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン類、ビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド類、ビス(ヒドロキシフェニル)エーテル類、ビス(ヒドロキシフェニル)ケトン類、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホキシド類、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン類、アルキルシクロヘキシリデンビスフェノール類、α,α−ビス(ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン類、これらの核がアルキル化された誘導体あるいは核がハロゲン化された誘導体、およびこれらの混合物である。
これらのビスフェノール類の具体例は、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、α,α−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンである。特に好ましいビスフェノールは、より一般的にはビスフェノールAとして知られている2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンである。上記ビスフェノール類をホスゲンと反応させ、芳香族ポリカーボネートを製造し得る。適当なポリカーボネートはまた、米国特許第4,677,162号にも述べられている。
・その他の樹脂
本発明に係る透明樹脂からなるフィルムが、環状オレフィン系樹脂およびポリカーボネート樹脂以外の樹脂からなる場合、透明樹脂としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルフォン、ポリイミドなどを挙げることができる。
本発明に係る透明樹脂からなるフィルムが、環状オレフィン系樹脂およびポリカーボネート樹脂以外の樹脂からなる場合、透明樹脂としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルフォン、ポリイミドなどを挙げることができる。
透明樹脂からなるフィルム(I)の製造
本発明で用いる透明樹脂からなるフィルム(I)は、その製造方法には特に制限はなく、予め環状オレフィン系樹脂またはポリカーボネート樹脂などの透明樹脂をフィルムまたはシート状に成形した後、延伸加工などをして得ることができる。特に、延伸加工により得られる透明樹脂からなるフィルム(I)は、反射防止機能の必要なタッチパネルに好適であるという理由において好ましい。フィルム(I)に凸部を設けることにより透明導電層(III)側の表面部に前記凸部を形成する場合には、フィルム(I)に設けられる凸部は、延伸加工後に形成してもよく、延伸加工前のフィルムに予備凸部を作っておき、これを延伸して形成してもよい。
本発明で用いる透明樹脂からなるフィルム(I)は、その製造方法には特に制限はなく、予め環状オレフィン系樹脂またはポリカーボネート樹脂などの透明樹脂をフィルムまたはシート状に成形した後、延伸加工などをして得ることができる。特に、延伸加工により得られる透明樹脂からなるフィルム(I)は、反射防止機能の必要なタッチパネルに好適であるという理由において好ましい。フィルム(I)に凸部を設けることにより透明導電層(III)側の表面部に前記凸部を形成する場合には、フィルム(I)に設けられる凸部は、延伸加工後に形成してもよく、延伸加工前のフィルムに予備凸部を作っておき、これを延伸して形成してもよい。
透明樹脂をフィルム状に成形する方法は、透明樹脂の種類あるいはフィルムの所望特性などに応じて適宜選択して行うことができ、たとえば、溶融成形法および溶剤キャスト法(溶液流延法)などの方法を採用することができる。フィルムの成形方法としては、膜厚の均一性および表面平滑性が良好になる点からは溶剤キャスト法が好ましい。また、製造コスト面からは溶融成形法が好ましい。このようにして成形したフィルムは、特に限定されるものではないが、フィルム厚みが通常70〜300μm、好ましくは80〜250μmであり、フィルムの最大厚みと最小厚みとの差が通常3μm以内、好ましくは2μm以内である。
透明樹脂をフィルム状またはシート状に成形する際に、その少なくともその一面に凸部を形成することが好ましい。このようにすれば、このフィルム状物またはシート状物を延伸加工することにより、所望の凸部を有するフィルム(I)を得ることができる。凸部を形成する方法は公知の方法を用いることができ、例えば、溶融成形法においては溶融した樹脂を冷却・固化する際に、凹部を有する金属ロールなどに押し当てて転写する方法が好ましく用いられる。金属ロールは、例えば表面加工のしやすい銅やニッケルなどの比較的にやわらかい金属の表面をメッキし、切削等により所望の形状にしたロールや、金属ロール表面にシボ加工した後、ロール表面が所望の形状になるようにクロムやニッケル等のメッキを行ったロール等が適宜使用される。また、これら金属ロール表面には、傷付防止を目的として公知の例えばダイヤモンドライクカーボンのような皮膜をつけることが望ましい。また、例えば溶剤キャスト法においては、凹部を有するステンレスを母材とした基材や例えばポリエチレンテレフタレート等のプラスチックの基材の上に、透明樹脂の溶液を流延し、溶媒を乾燥除去して得る方法が好ましく用いられる。このとき、樹脂フィルム中の残留溶媒量は、好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下であり、残留溶媒量をこの範囲とすることで延伸加工時の溶剤による発泡を押さえることができ好ましい。
透明樹脂をフィルム状またはシート状に形成した後に、例えばエンボスロール等を用いてそのフィルム状物またはシート状物の少なくとも一面に凸部を形成することも好ましく行われる。このようにしても、この凸部を有するフィルム状物またはシート状物を延伸加工することにより、所望の凸部を有するフィルム(I)を得ることができる。エンボスロールは公知の素材を使用したものや上述の金属ロール等が適宜使用される。
本発明で用いる透明樹脂からなるフィルム(I)は、上記のようにして透明樹脂を成形したフィルム状物を原反フィルムとし、これを延伸処理することにより製造することができる。具体的には、原反フィルムを公知の一軸延伸法または二軸延伸法、斜め延伸法等により延伸して製造することができる。すなわち、テンター法による横一軸延伸法、ロール間圧縮延伸法、周遠の異なるロールを利用する縦一軸延伸法等、または横一軸と縦一軸とを組み合わせた二軸延伸法、フィルム両端のテンターの移動速度やガイドロールの形状を非対照にして光軸をフィルム面内で斜めとする斜め延伸法、インフレーション法による延伸法等を用いることができる。これらのうち、製造コスト面から横一軸延伸や縦一軸延伸が好ましく、光軸を斜めに調整できる面から斜め延伸が好ましく、フィルム表面形状のコントロールしやすさから二軸延伸がそれぞれ好ましく用いられる。
延伸時の延伸速度は、通常は1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、より好ましくは100〜1,000%/分であり、さらに好ましくは100〜500%/分である。ここで、延伸速度1%/分とは、フィルムの長さが元の長さの1%だけ毎分長くなる速度を意味する。また二軸延伸法の場合、同時2方向に延伸を行う場合や一軸延伸後に最初の延伸方向と異なる方向に延伸処理する場合がある。これらの場合、2つの延伸軸の交わり角度は、通常は120〜60度の範囲であり、また、延伸速度は各延伸方向で同じであってもよく、異なっていても良い。
延伸加工温度は、特に限定されるものではないが、フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)を基準として、通常はTg±40℃、好ましくはTg−5〜Tg+40℃、さらに好ましくはTg〜Tg+30℃、特に好ましくはTg+10〜Tg+30℃の範囲である。また、凸形状がフィルムの片面にのみ形成されている場合は、凸形状が形成された面の温度を形成されていない面に対して5℃以上高くすることが好ましく、10℃以上高くすることが更に好ましい。その場合、フィルムを加熱する恒温槽全体における温度分布設定を調整することや、恒温槽内にスポットヒーター等を設置すること等で温度調整が好適に行われる。延伸時の加工温度を上記範囲内にすると、フィルム表面形状を曲線状の凸状態にすることができ、また、位相差の発生を好適にコントロールするとともにムラの発生を抑えることが可能となることから好ましい。
延伸倍率は、通常1.01〜10倍、好ましくは1.5〜5倍、より好ましくは2.0〜3.5倍である。延伸倍率が10倍を超える場合、フィルム表面形状や位相差の制御が困難になる場合がある。
延伸したフィルムは、そのまま冷却してもよいが、Tg−20℃〜Tgの温度雰囲気下に少なくとも10秒以上、好ましくは30秒〜60分、より好ましくは1分〜60分静置する。これにより、位相差特性の経時変化が少なく安定した位相差フィルムが得られる。また、好ましくはTg−20℃〜Tg+10℃、より好ましくはTg−10℃〜Tg+5℃の温度範囲に調整されたロールに接触させることも好適に行われる。そうすることで、フィルム表面の曲線状の凸形状をより均一に形成することができる点から好ましい。
また、延伸後の本発明の透明樹脂からなるフィルム(I)の線膨張係数は、温度20℃から100℃の範囲において、好ましくは1×10-4(1/℃)以下であり、より好ましくは9×10-5(1/℃)以下であり、さらに好ましくは8×10-5(1/℃)以下であり、特に好ましくは7×10-5(1/℃)以下である。また、延伸方向とそれに垂直方向の線膨張係数差が好ましくは5×10-5(1/℃)以下であり、より好ましくは3×10-5(1/℃)以下であり、さらに好ましくは1×10-5(1/℃)以下である。線膨張係数を上記範囲内とすることで、フィルム(I)を本発明の導電性積層フィルムに用いたときに、使用時の温度および湿度などの影響により生じる応力変化に起因する位相差の変化や透明導電膜の抵抗値変化が抑えられ、長期間の特性の安定を得ることができる。また、フィルム(I)を用いた本発明の導電性積層フィルムをタッチパネルとしたときに、外部環境変化による変形が抑えられ、干渉縞の発生をより抑制することができる。
上述のようにして延伸したフィルムは、延伸により分子が配向し、透過光に位相差を与えるようになるが、この位相差は、延伸前のフィルムの位相差値と延伸倍率、延伸温度、延伸配向後のフィルムの厚さにより制御することができる。
本発明で用いる透明樹脂からなるフィルム(I)の全光線透過率は、タッチパネルの視認性が良好となることから、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上、さらに好ましくは90%以上である。
表面処理
本発明に係る透明樹脂からなるフィルム(I)は、硬化性樹脂組成物よりなる樹脂層(II)や透明導電層(III)との接着性を高める目的で表面処理を施したものであってもよい。該表面処理としては、プラズマ処理、コロナ処理、アルカリ処理、コーティング処理等が挙げられる。とりわけコロナ処理を用いることで、透明樹脂からなるフィルム(I)と当該樹脂層(II)との密着を強固とすることができる。
本発明に係る透明樹脂からなるフィルム(I)は、硬化性樹脂組成物よりなる樹脂層(II)や透明導電層(III)との接着性を高める目的で表面処理を施したものであってもよい。該表面処理としては、プラズマ処理、コロナ処理、アルカリ処理、コーティング処理等が挙げられる。とりわけコロナ処理を用いることで、透明樹脂からなるフィルム(I)と当該樹脂層(II)との密着を強固とすることができる。
コロナ処理条件としては、コロナ放電電子の照射量として1〜1000W/m2/minであることが好ましく、10〜100W/m2/minとすることがより好ましい。これより照射量が低い場合には、充分な表面改質効果が得られない場合があり、またこれより照射量が高い場合には、位相差フィルムの内部にまで処理効果が及び、フィルムそのものが変質してしまうおそれがある。
また、コロナ処理をした透明樹脂からなるフィルム(I)上に、当該樹脂層(II)を形成する場合、コロナ処理をした直後のフィルム(I)を用いてもよいが、除電させてから用いることが異物付着防止の面から好ましい。
<硬化性樹脂組成物よりなる樹脂層(II)>
前記透明樹脂からなるフィルム(I)と透明導電層(III)との間に、表面硬度や密着性等の向上や表面凸部のなだらかさを調整することを目的に硬化性樹脂組成物よりなる樹脂層(II)を設けることが好ましい。
前記透明樹脂からなるフィルム(I)と透明導電層(III)との間に、表面硬度や密着性等の向上や表面凸部のなだらかさを調整することを目的に硬化性樹脂組成物よりなる樹脂層(II)を設けることが好ましい。
前述のとおり、フィルム(I)と透明導電層(III)との間に樹脂層(II)が設けられている場合には、樹脂層(II)の表面部に凸部を設けることにより、透明導電層(III)側の表面部に凸部を形成してもよい。このようにすると、本発明の導電性積層フィルムは、アンチニュートンリング性確保とクリア感の向上、ぎらつきの防止を達成することができる。
樹脂層(II)の表面部に設ける凸部は、前述と同様に、畝状や海島状に形成することができる。このような凸部が設けられた樹脂層(II)の上に透明導電層(III)をほぼ均一の厚さに積層することにより、透明導電層(III)側の表面部に前述の畝状や海島状に形成された凸部を有する導電性積層フィルムを得ることができる。
以下、樹脂層(II)の畝状に設けられた凸部を有する樹脂層(II)について述べる。
樹脂層(II)の凸部は、畝状に形成され、当該畝の長さ方向と直交する面で切って得られる断面において、凸部が形成されている表面を示す線が波状の曲線であることが好ましい。前記畝を形成する複数の凸部が、畝の長さ方向に蛇行していることが好ましい。
また、前記波状の曲線が、規則的な周期(ピッチ:以下Pともいう)を有する波状の曲線であることが好ましく、前記畝を形成する複数の凸部が畝の長さ方向に沿って規則的な周期(ピッチ:以下Plともいう)で蛇行していることも好ましい。
前記断面に現れる波状の曲線の前記Pは、好ましくは100〜5000μm、より好ましくは200〜1000μmの範囲である。前記Pが100μmを下回るとぎらつきが発生する場合があり、5000μmを超えるとアンチニュートンリング性が十分に発現しない場合がある。
また、畝状に形成された凸部の最大高さは通常0.1〜10μm、好ましくは0.5〜3μmの範囲に設定される。0.1μm未満だとアンチニュートンリング性が発現せず、10μmを超えるとタッチパネルとして組み立てた時に入力時にでこぼこ感が感じとれてしまう。
畝を形成する複数の凸部は前記Plで蛇行していることが好ましい。ここで「蛇行している」とは、本発明の導電性積層フィルムの平面と平行な面上で、畝状に形成された凸部がその長さ方向に沿って波状の曲線を描くことをいう。
畝状の凸部は、このような凸部を形成できる凹部を有する転写ロール等により形状を連続的に透明樹脂からなるフィルム(I)上へ転写することにより好適に形成される。畝状の凸部を有する樹脂層(II)を他のフィルムやシートと積層するときは、例えば下部表示装置に液晶を使用する場合、モアレ対策として、その偏光軸に対して、畝の長さ方向を10〜45°の角度に積層することで視認性が良好となる。故に、基材フィルムに1/4λ位相差フィルムを使用する場合、その遅相軸に対しても畝の長さ方向を10〜80°の角度で積層される事が望ましい。
畝状に形成された凸部について更に図を用いて説明する。図7は、透明樹脂からなるフィルム(I)の片面に、UV硬化性樹脂組成物により、畝状に設けられた凸部を有する樹脂層(II)が形成された積層フィルムを、畝の長さ方向と直交する面で切って斜め上方から観察した図である。畝のピッチ(P)は、樹脂層(II)の複数の凸部によって決まる。
この断面において、凸部が形成されている表面を示す線は、規則的な周期を有する波状の曲線であることが好ましい。このように、曲線を描くことにより、タッチパネルとしたときに畝状に起因する筋状の線が認められなくなり、より画面の高精細化に対応することができ好適である。さらに、タッチパネルとして使用したときのすべり性が向上し、手触りが良くなるとともに、タッチパネルを長期に使用したときの抵抗値変化を抑制することができ、耐久性能をより一段と向上することができ好ましい。こうすることで、干渉縞の発生が抑えられ、コントラストが高く、ぎらつきが少なく、明瞭な表示を達成でき、耐久性に優れ、視認性の高い導電性積層フィルムおよびタッチパネルを提供することができる。
図8には畝状に形成された凸部の長さ方向と直交する断面の観察図である。この断面における凸部が描く曲線部および2つの凸部に挟まれた谷間部が描く曲線部はそれぞれ曲率半径(Rt)、(Rb)を持つ丸みを帯びた曲線である。この曲線は正弦曲線であってもよい。正弦曲線であると、その金型の作りやすさから好ましい。また、タッチパネルの感触と筋状の線の解消のしやすさ、ならびに干渉縞の防止効果や耐久性能面は、それぞれの曲率半径を調整することで調節することができる。その際には、曲率半径(Rt)、(Rb)はそれぞれ、ピッチ(P)の半分以上30倍以下が好ましく用いられ、更に好ましくはピッチ(P)の1倍以上で10倍以下、特に好ましくはピッチ(P)の3倍以上で10倍以下が用いられる。また、曲率半径(Rt)と(Rb)を同じにすることはその作りやすさから好ましく用いられるが、曲率半径(Rt)を(Rb)より大きくすることがタッチパネルでの感触を向上する面から好ましい。また、前記断面における凸部が描く曲線部と2つの凸部に挟まれた谷間部の曲線部とをつなぐ直線部分の、図8におけるフィルム平面方向の長さ(L)は、ピッチ(P)と比べて好ましくは三分の一以下、更に好ましくは五分の一以下、特に好ましくは十分の一以下が用いられる。
図9には、一好適例である、畝状に形成された凸部を有する樹脂層(II)の上方からの観察図を示す。本発明の導電性積層フィルムにおいて、畝状に形成された凸部の稜線が、導電性積層フィルムの平面上において規則的な周期(ピッチ)を有する波状の曲線を描くことが好ましい。図7では凸部の稜線が直線であったのに対し、図9では凸部がフィルム平面と平行な面上において規則的に蛇行している。畝状の凸部をこのようにすることで、筋状の線がより認められにくくなり、タッチパネルとして使用したときのすべり性が向上して手触りが良くなるとともに、タッチパネルを長期に使用したときの抵抗値変化を抑制することができ、耐久性能をより一段と向上することができ好ましい。
このときのフィルム平面内での規則的な曲線のピッチを(Pl)、曲線の幅を(W)とすると、ピッチ(Pl)はピッチ(P)の好ましくは1倍以上30倍以下、更に好ましくは2倍以上20倍以下、特に好ましくは3倍以上10倍以下であり、また、曲線の幅(W)はピッチ(P)の好ましくは二分の一倍以上30倍以下、更に好ましくは一倍以上20倍以下、特に好ましくは3倍以上10倍以下が用いられる。当該フィルム平面方向における規則的な曲線を、当該範囲未満にするとタッチパネルにしたときにぎらつき感が発生することがあり、また、範囲を超えると曲線にすることによる効果が薄れることがあり好ましくない。
(硬化性樹脂組成物)
硬化性樹脂組成物は、他の層には影響が低く、効率よく硬化でき、硬化条件のコントロールがしやすいという観点から、UV硬化性樹脂組成物であることが好ましい。UV硬化性樹脂組成物は、好ましくは(A)アクリロイル基を3以上有する多官能モノマー(以下「(A)成分」ともいう。)、(B)グリシジル(メタ)アクリレート系重合物にアクリル酸を付加反応させてなるポリマー(以下「(B)成分」ともいう。)および(C)任意にその他のアクリルオリゴマー(以下「(C)成分」ともいう。)を特定量で配合してなる。特に、(A)成分は、透明導電層(III)の硬度、透明樹脂からなるフィルム(I)への密着性等を付与し得る成分である。(B)成分は、透明導電層の硬度のさらなる向上、硬化性および硬化時のカール発生の低減などを付与し得る成分である。(C)成分は、強靭性等を付与し得る任意成分である。
硬化性樹脂組成物は、他の層には影響が低く、効率よく硬化でき、硬化条件のコントロールがしやすいという観点から、UV硬化性樹脂組成物であることが好ましい。UV硬化性樹脂組成物は、好ましくは(A)アクリロイル基を3以上有する多官能モノマー(以下「(A)成分」ともいう。)、(B)グリシジル(メタ)アクリレート系重合物にアクリル酸を付加反応させてなるポリマー(以下「(B)成分」ともいう。)および(C)任意にその他のアクリルオリゴマー(以下「(C)成分」ともいう。)を特定量で配合してなる。特に、(A)成分は、透明導電層(III)の硬度、透明樹脂からなるフィルム(I)への密着性等を付与し得る成分である。(B)成分は、透明導電層の硬度のさらなる向上、硬化性および硬化時のカール発生の低減などを付与し得る成分である。(C)成分は、強靭性等を付与し得る任意成分である。
(A)成分の表面張力は、充分な硬度および密着性を得ることができるという観点から、37mN/m以下の範囲が適当であり、さらに30mN/m以上が好ましい。表面張力の測定は、協和CBVP式表面張力計を用いる垂直板法(wilhemy method)による。
(A)成分の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロピレングリコール付加物のトリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレングリコール付加物のトリアクリレートなどが挙げられる。これらのうち、硬化塗膜が高硬度となることから、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートが好ましい。
硬化性樹脂組成物中の(A)成分の配合量は、40〜60重量%(ただし、(A)〜(C)成分の合計が100重量%である。)であることが適当であり、50〜60重量%が好ましい。
(B)成分は、上述のように、グリシジル(メタ)アクリレート系重合物にアクリル酸を付加反応させてなるポリマーアクリレートである。エポキシ基に対するアクリル酸の付加量は、未反応のエポキシが組成物の安定性に悪影響を与えるため、1:1〜1:0.8程度が適当であり、1:1〜1:0.9程度が好ましい。
グリシジル(メタ)アクリレート系重合物としては、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体、グリシジル(メタ)アクリレートとカルボキシル基とを含有しない各種α,β−不飽和単量体との共重合体等が挙げられる。該カルボキシル基を含有しないα,β−不飽和単量体としては、各種の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリルなどが例示できる。なお、グリシジル(メタ)アクリレートとカルボキシル基を含有しないα,β−不飽和単量体とを共重合させてグリシジル(メタ)アクリレート系重合物を得ようとする場合には、反応時に架橋が生じることなく、高粘度化やゲル化を有効に防止することができる。グリシジル(メタ)アクリレート系重合物の分子量は、硬化時のカール性の低減およびアクリル付加反応時のゲル化防止の観点より重量平均分子量5,000〜100,000程度であり、10,000〜50,000程度が好ましい。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で得られたものである。(B)成分中のグリシジル(メタ)アクリレートの使用割合は、透明導電層の硬度およびポリマーの移行性などを考慮して70重量%以上が適しており、75重量%以上が好ましい。
(B)成分の製造は、公知の共重合方法を適用できる。グリシジル(メタ)アクリレート系重合体の製造は、この単量体、重合開始剤、必要により連鎖移動剤および溶剤を反応容器に仕込み、窒素気流下に80〜90℃、3〜6時間程度の条件にて行うことが適切である。こうして得られたグリシジル(メタ)アクリレート系重合体とアクリル酸とを開環エステル化反応させて、(B)成分を収得できる。この反応は、通常は、アクリル酸自体の重合を防止するために酸素気流下に行うのがよく、また反応温度は100〜120℃、反応時間は5〜8時間程度が適切である。
硬化樹脂組成物中の(B)成分の配合量は、10〜60重量%(ただし、(A)〜(C)成分の合計が100重量%である。)であることが適しており、20〜50重量%が好ましい。
(C)成分の具体例としては、多官能ポリエステルアクリレート、多官能ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートが挙げられる。なかでも、硬化塗膜の耐擦傷性、強靭性等の観点から、多官能ウレタンアクリレートが好ましい。例えば(a)ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートと分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物とのウレタン反応生成物、(b)分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物にポリオール、ポリエステルまたはポリアミド系のジオールを反応させて付加体を合成した後、残ったイソシアネート基にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを付加させる反応生成物等が挙げられる(例えば、特開2002−275392号参照)。
多官能ウレタンアクリレートは、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートと2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネート化合物とからなるウレタン反応生成物である。ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどが好ましい。
硬化樹脂組成物中の(C)成分の配合量は、0〜50重量%(ただし、(A)〜(C)成分の合計が100重量%である。)が適している。
硬化樹脂組成物を硬化させるために用いる方法としては、熱や活性エネルギー線等が好適に用いられる。活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線等のいずれでもよい。電子線等により樹脂組成物を硬化させる場合には光重合開始剤は不要であるが、紫外線により硬化させる場合には、樹脂組成物100重量部に対し、通常、光重合開始剤1〜15重量部程度を含有させることができる。光重合開始剤としては、ダロキュアー1173、イルガキュアー651、イルガキュアー184、イルガキュアー907、イルガキュアー754(いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ベンゾフェノン等の各種の公知のものを使用できる。必要に応じて、上記以外の各種添加剤、例えば、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、光安定剤、溶剤、消泡剤、レベリング剤などを配合してもよい。
(フィルム(I)/樹脂層(II)からなる積層フィルムの物性)
本発明の導電性積層フィルムは、透明樹脂からなるフィルム(I)および透明導電層(III)を有し、任意的に樹脂層(II)を有するが、透明樹脂からなるフィルム(I)上に樹脂層(II)が形成されて得られる積層フィルムは、好ましくは以下の物性を有する。
本発明の導電性積層フィルムは、透明樹脂からなるフィルム(I)および透明導電層(III)を有し、任意的に樹脂層(II)を有するが、透明樹脂からなるフィルム(I)上に樹脂層(II)が形成されて得られる積層フィルムは、好ましくは以下の物性を有する。
(1)ヘイズは、曇価ともよばれ、曇り具合、拡散度合いを表すものであって、例えば、市販されているスガ試験機(株)HGM-2DP等を用いて、JIS K-7136に準拠してヘイズ(%)を測定することができる。標記フィルムのヘイズは、1%以下が好ましい。ヘイズが上記範囲外であると、白ぼけが発生しタッチパネルの視認性が低下する。
(2)全光線透過率(%)は、例えば、市販されているスガ試験機(株)HGM-2DP等を用いて、JIS K−7361に準拠して測定する場合、タッチパネルの視認性が向上することから、80%以上が好ましく、83%以上がより好ましく、85%以上がさらに好ましい。
(3)透過光b*(%)は、例えば、市販されている大塚電子(株)製 色差計RETS−1200VA等を用いて、JIS Z−8722に準拠し測定する場合、タッチパネルの視認性が向上することから、0〜10%が好ましく、0〜5%がより好ましく、0〜2%がさらに好ましい。
(4)鉛筆硬度は、(株)東洋精機製 NPを用いて、JIS K5600−5−4により測定する場合、HB以上であることが好ましい。HB未満であるとITO成膜時に透明導電膜に傷が入ることがある。
(5)防眩性は、標記フィルムに蛍光灯(全光束3520lm)を映し、蛍光灯の輪郭のボケの程度を目視により評価する場合、蛍光灯の輪郭がまったくわからないことが好ましい。
(6)輝度ムラは、シャープ製モバイルツールSL−6000Nの画面を緑表示とした後、標記フィルムを乗せ、目視により評価する場合、画素の輝度ムラがほとんど認識できないことが好ましい。
(7)アンチニュートンリング性は、標記フィルムを平滑なガラス板(厚み3mm、素材:ソーダガラス)の上に樹脂層が密着するように乗せて指で押しつけ、ニュートンリングが発生するかを目視にて評価する場合、ニュートンリングが発生しないことが好ましい。
(8)熱収縮率(%)は、150℃に加熱した強制循環式乾燥機の中に標記フィルムを60分間静置させ、ミツトヨ製 寸法測定顕微鏡176−812を用いて加熱前後のフィルムの寸法変化を測定し、熱収縮率を算出する場合、1.5%以下が好ましく、1.3%以下がより好ましく、1.0%以下がさらに好ましい。熱収縮率が1.5%を超えると、タッチパネルの変形が発生する場合がある。
(9)位相差は、特に限定されるものではないが、透明樹脂からなるフィルム(I)が位相差フィルムである場合には、王子計測機器(株)製の「KOBRA−21ADH/PR」を用いて、波長550nmの透過光に対して測定した位相差(nm)では、128〜148nmが好ましく、133〜143nmがより好ましい。位相差が上記から外れると液晶ディスプレイのコントラスト、視認性が低下する場合がある。
<透明導電層(III)>
本発明の導電性積層フィルムは、透明樹脂からなるフィルム(I)の上に透明導電層(III)が積層されてなるか、あるいはフィルム(I)の上に上述の硬化性樹脂組成物よりなる樹脂層(II)等が適宜形成され、さらにその上に透明導電層(III)が積層されてなる。
本発明の導電性積層フィルムは、透明樹脂からなるフィルム(I)の上に透明導電層(III)が積層されてなるか、あるいはフィルム(I)の上に上述の硬化性樹脂組成物よりなる樹脂層(II)等が適宜形成され、さらにその上に透明導電層(III)が積層されてなる。
本発明の導電性積層フィルムを構成する透明導電層(III)は、可視光領域において透過度を有し、かつ導電性を有する層であればよく、特に限定されるものではないが、酸化錫を含有する酸化インジウム(酸化インジウムスズ、以下ITOともいう)、酸化チタンを含有する酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、ポリチオフェン、無機ナノ粒子等を分散した無機/有機複合系材料などから得られる層が挙げられる。本発明では、透明導電層(III)が、ITOからなる層であることが好ましく、より具体的には結晶性ITOからなる層であることが好ましい。
(透明導電層(III)の形成)
透明導電層(III)の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の従来公知の技術をいずれも用いることができるが、膜の均一性や透明基材への薄膜の密着性の観点から、スパッタリング法での薄膜形成が好ましい。また、用いる薄膜材料も上記以外に、例えば、アンチモンを含有する酸化錫などの金属酸化物のほか、金、銀、白金、パラジウム、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、コバルト、錫またはこれらの合金などを用いてもよい。この導電性薄膜の厚さは、30Å以上とすることが好ましく、これより薄いと表面抵抗が、1000Ω/□以下となる良好な導電性を有する連続被膜となり難いことがある。一方、厚くしすぎると透明性の低下などをきたすことがあるために、好適な厚さとしては、50〜2000Å程度である。
透明導電層(III)の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の従来公知の技術をいずれも用いることができるが、膜の均一性や透明基材への薄膜の密着性の観点から、スパッタリング法での薄膜形成が好ましい。また、用いる薄膜材料も上記以外に、例えば、アンチモンを含有する酸化錫などの金属酸化物のほか、金、銀、白金、パラジウム、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、コバルト、錫またはこれらの合金などを用いてもよい。この導電性薄膜の厚さは、30Å以上とすることが好ましく、これより薄いと表面抵抗が、1000Ω/□以下となる良好な導電性を有する連続被膜となり難いことがある。一方、厚くしすぎると透明性の低下などをきたすことがあるために、好適な厚さとしては、50〜2000Å程度である。
ITOからなる透明導電層(III)をスパッタリング法により形成する場合、ターゲットとして、従来公知のITOターゲットが用いられる。ITO膜の形成に用いるターゲット材として、酸化インジウムと酸化錫との重量比が、好ましくは99:0.5〜99:20、より好ましくは99:1〜90:15、さらに好ましくは99:1〜90:10のものを用いるのが望ましい。重量比が上記範囲外であると抵抗値の上昇が起こる。
ITO成膜時の温度は、透明樹脂からなるフィルム(I)のガラス転移温度(Tg)以下であることが好ましく、「室温〜透明樹脂のTg」がより好ましく、「室温〜透明樹脂のTg−20℃」がさらに好ましい。フィルム(I)を構成する透明樹脂のTg以上であるとフィルムの劣化が起こることがある。なお、硬化性樹脂組成物よりなる樹脂層(II)のTgが透明樹脂のTgよりも低い場合には、当該樹脂層(II)のTg以下の温度で成膜を行うのが望ましい。
また、ITO成膜時に雰囲気ガスとしてArに微量の酸素、好ましくはArとO2との合計に対して、好ましくは0.05〜20体積%、より好ましくは0.01〜10体積%、さらに好ましくは0.1〜3体積%のO2を導入すると、ITO薄膜の透明性と導電性を良くすることができる。
透明導電層(III)としてITO薄膜を形成する場合、そのITOは結晶性ITOであることが好ましい。結晶性ITO薄膜の成膜方法は、ターゲット電極(カソード)に印加する電力を間欠的に変化させるパルススパッタリング法、更に、このパルススパッタリング法に複数のカソード配置を基本構成としたデュアルカソードパルススパッタリング法が用いられる。これらのスパッタリング法は、よりよい真空度でのプラズマ放電にも対応させるため、マグネトロンスパッタリング法を用いることが好ましく、また安定したパルス電流の発生と条件設定の自由度をもたせるため、パルス発生ユニットにはバイポーラ型またはユニポーラ型を用いることが好ましい。結晶性ITO薄膜は、成膜後に150℃程度の温度レベルでアニールをすることにより結晶化する方法でも得ることができる。結晶化ITO膜とする事で耐久性が著しく向上する。
<易接着層>
本発明の導電性積層フィルムは、透明樹脂からなるフィルム(I)あるいは硬化樹脂層からなる樹脂層(II)と透明導電層(III)との間に、接着性を向上させるとともにガスバリア性を付与する目的で、易接着層を有することも好ましい。当該易接着層には、金属酸化物微粒子含有してもしなくても良いが、金属酸化物微粒子を含有することにより接着性が向上することから好ましい。通常、好ましい易接着層は、金属酸化物微粒子とポリシロキサンとを含有する組成物からなる塗工液を調製し、当該塗工液をフィルム(I)または樹脂層(II)に塗工、乾燥することにより得られる。
本発明の導電性積層フィルムは、透明樹脂からなるフィルム(I)あるいは硬化樹脂層からなる樹脂層(II)と透明導電層(III)との間に、接着性を向上させるとともにガスバリア性を付与する目的で、易接着層を有することも好ましい。当該易接着層には、金属酸化物微粒子含有してもしなくても良いが、金属酸化物微粒子を含有することにより接着性が向上することから好ましい。通常、好ましい易接着層は、金属酸化物微粒子とポリシロキサンとを含有する組成物からなる塗工液を調製し、当該塗工液をフィルム(I)または樹脂層(II)に塗工、乾燥することにより得られる。
(金属酸化物微粒子)
易接着層に用いられる金属酸化物微粒子は、金属元素の酸化物微粒子であればその種類は特に限定されないが、例えば、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ハフニウム、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化プラセオジウム、酸化ネオジウム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビニウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム、酸化カルシウム、酸化ガリウム、酸化リチウム、酸化ストロンチウム、酸化タングステン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、およびこれらの複合体、ならびにインジウム−スズ複合酸化物などの上記金属2種以上の複合体の酸化物などの微粒子が挙げられる。
易接着層に用いられる金属酸化物微粒子は、金属元素の酸化物微粒子であればその種類は特に限定されないが、例えば、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ハフニウム、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化プラセオジウム、酸化ネオジウム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビニウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム、酸化カルシウム、酸化ガリウム、酸化リチウム、酸化ストロンチウム、酸化タングステン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、およびこれらの複合体、ならびにインジウム−スズ複合酸化物などの上記金属2種以上の複合体の酸化物などの微粒子が挙げられる。
上記金属酸化物微粒子の1次平均粒子径は、好ましくは0.1〜100nm、より好ましくは0.1〜70nm、特に好ましくは0.1〜50nmである。金属酸化物微粒子の1次平均粒子径が上記範囲にあると、光透過性に優れた積層フィルムを得ることができる。
(ポリシロキサン)
易接着層に用いられるポリシロキサンは、多官能性ポリシロキサンであることが好ましい。
易接着層に用いられるポリシロキサンは、多官能性ポリシロキサンであることが好ましい。
多官能性ポリシロキサンとしては、ジメチルシロキサン連鎖を有する多官能ポリシロキサンと、ポリジメチルシロキサンとを脱アルコール反応させて得られるポリシロキサンが好ましいものとして挙げられる。多官能ポリシロキサンとポリジメチルシロキサンとは、末端官能基がアルコキシル基またはヒドロキシル基であることが好ましく、それぞれ異なる末端官能基を有するジメチルシロキサンとポリジメチルシロキサンとを脱アルコール反応させて、多官能性ポリシロキサンが得られる。
<反射防止層>
本発明の導電性積層フィルムは、可視光領域の透過度を向上させる目的で、透明性導電層(III)の下層側に反射防止層を有することも好ましい。反射防止層は通常、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム等の低屈折率層と、酸化チタン、酸化ニオブおよび酸化タンタル等の高屈折率層とを含む2層以上の積層構造からなる。
本発明の導電性積層フィルムは、可視光領域の透過度を向上させる目的で、透明性導電層(III)の下層側に反射防止層を有することも好ましい。反射防止層は通常、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム等の低屈折率層と、酸化チタン、酸化ニオブおよび酸化タンタル等の高屈折率層とを含む2層以上の積層構造からなる。
これらの無機酸化物からなる低、高屈折率層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法(ドライプロセス)または各金属アルコキサイド、酸化ジルコニウム等の無機酸化物の超微粒子を含む塗布液の塗工法(ウェットプロセス)など公知の方法を採用することができる。
また、低屈折層としてフッ素ポリマーを主成分とする有機材料を塗工することも好ましい。
<導電性積層フィルムの特性>
本発明の導電性積層フィルムは、好ましくは以下の各物性を有する。
本発明の導電性積層フィルムは、好ましくは以下の各物性を有する。
(1)ヘイズは、曇価ともよばれ、曇り具合、拡散度合いを表すものであって、例えば、市販されているスガ試験機(株)HGM-2DP等を用いて、JIS K-7136に準拠してヘイズ(%)を測定することができる。標記フィルムのヘイズは、1%以下が好ましい。ヘイズが上記範囲外であると、白ぼけが発生しタッチパネルの視認性が低下する。
(2)全光線透過率(%)は、例えば、市販されているスガ試験機(株)HGM-2DP等を用いて、JIS K−7361に準拠して測定する場合、タッチパネルの視認性が向上することから、80%以上が好ましく、83%以上がより好ましく、85%以上がさらに好ましい。
(3)透過光b*(%)は、例えば、市販されている大塚電子(株)製 色差計RETS−1200VA等を用いて、JIS Z−8722に準拠し測定する場合、タッチパネルの視認性が向上することから、0〜12%が好ましく、0〜7%がより好ましく、0〜4%がさらに好ましい。
(4)鉛筆硬度は、(株)東洋精機製 NPを用いて、JIS K5600−5−4により測定する場合、HB以上であることが好ましい。HB未満であるとITO成膜時に透明導電膜に傷が入ることがある。
(5)防眩性は、標記フィルムに蛍光灯(全光束3520lm)を映し、蛍光灯の輪郭のボケの程度を目視により評価する場合、蛍光灯の輪郭がまったくわからないことが好ましい。
(6)輝度ムラは、シャープ製モバイルツールSL−6000Nの画面を緑表示とした後、標記フィルムを乗せ、目視により評価する場合、画素の輝度ムラがほとんど認識できないことが好ましい。
(7)アンチニュートンリング性は、標記フィルムを平滑なガラス板(厚み3mm、素材:ソーダガラス)の上に曲線状の凸形状の面が密着するように乗せて指で押しつけ、ニュートンリングが発生するかを目視にて評価する場合、ニュートンリングが発生しないことが好ましい。
(8)熱収縮率(%)は、150℃に加熱した強制循環式乾燥機の中に標記フィルムを60分間静置させ、ミツトヨ製 寸法測定顕微鏡176−812を用いて加熱前後のフィルムの寸法変化を測定し、熱収縮率を算出する場合、1.5%以下が好ましく、1.3%以下がより好ましく、1.0%以下がさらに好ましい。熱収縮率が1.5%を超えると、タッチパネルの変形が発生する場合がある。
(9)位相差は、特に限定されるものではないが、透明樹脂からなるフィルム(I)が位相差フィルムである場合には、王子計測機器(株)製の「KOBRA−21ADH/PR」を用いて、波長550nmの透過光に対して測定した位相差(nm)では、128〜148nmが好ましく、133〜143nmがより好ましい。位相差が上記から外れると液晶ディスプレイのコントラスト、視認性が低下する場合がある。
(10)表面抵抗(Ω/□)は、例えば、市販されている三菱化学(株)製の低抵抗率計「ロレスタ−GP」を用いて測定する場合、200〜1500Ω/□が好ましく、250〜1000Ω/□がより好ましく、300〜500Ω/□がさらに好ましい。表面抵抗が、1500Ω/□を超えると、良好な導電性を有する連続皮膜となり難い場合がある。一方、200Ω/□未満であると、透明性の低下およびタッチパネルの誤作動を引き起こし易くなる場合がある。
タッチパネル
本発明のタッチパネルは、本発明の導電性積層フィルムを、4線式抵抗膜方式、5線式抵抗膜方式等のタッチパネルの上部電極および/または下部電極として好適に用いられる。そして、このタッチパネルを液晶ディスプレイの前面に配置することでタッチパネル機能を有する表示装置が得られる。
本発明のタッチパネルは、本発明の導電性積層フィルムを、4線式抵抗膜方式、5線式抵抗膜方式等のタッチパネルの上部電極および/または下部電極として好適に用いられる。そして、このタッチパネルを液晶ディスプレイの前面に配置することでタッチパネル機能を有する表示装置が得られる。
本発明のタッチパネルは、上述した導電性積層フィルムを有するものであり、好ましくは、下部電極として導電性積層フィルムを、上部電極として後述の導電性積層フィルム(B)を組み合わせて用いた構成である。導電性積層フィルムと導電性積層フィルム(B)とは、それぞれの透明導電層が対向するように、必要に応じてスペーサーを介して組み合わされることが好ましい。
タッチパネルの上部電極として用いられる導電性積層フィルム(B)は、透明導電層と、透明樹脂フィルムと、必要に応じて偏光板とがこの順に積層されてなることが好ましい。上部電極として用いられる導電性積層フィルム(B)を構成する透明樹脂フィルムは、位相差フィルムであってもよく、通常のPETフィルムなどの位相差を示さないフィルムであってもよい。また、導電性積層フィルム(B)として、導電性積層フィルムと同様のものを用いることもできる。
導電性積層フィルム(B)を構成する透明導電層としては、上述した導電性積層フィルム(A)を構成する透明導電層(III)と同様のものが挙げられ、中でもITOからなる透明導電層が好ましく、結晶性ITOからなる透明導電層がより好ましい。透明導電層は、透明樹脂フィルム上に必要に応じて易接着層、反射防止層などを介して形成される。
導電性積層フィルム(B)を構成する透明樹脂フィルムが位相差フィルムである場合、波長550nmの透過光に対する面内位相差が128〜148nm、好ましくは133〜143nmのフィルムであることが望ましく、1/4λ位相差フィルムであることが特に好ましい。
本発明で用いられる導電性積層フィルム(B)は、透明樹脂フィルムの透明導電層とは逆側に、偏光板を有することも好ましい。導電性積層フィルム(B)を構成する偏光板は、偏光膜、すなわち、入射光を互いに直行する2つの偏光成分に分け、その一方のみを通過させ、他の成分を吸収または分散させる働きを有する膜を有するものであれば特に限定されない。このような偏光膜としては、例えば、ポリビニルアルコール(以下「PVA」ともいう。)・ヨウ素系偏光膜;PVA系フィルムに二色性染料を吸着配向させたPVA・染料系偏光膜;PVA系フィルムの脱水反応、ポリ塩化ビニルフィルムの脱塩酸反応等により、ポリエンを形成させたポリエン系偏光膜;分子内にカチオン性基を含有する変性PVAからなるPVA系フィルムの表面および/または内部に二色性染料を有する偏光膜などが挙げられる。これらのうち、PVA・ヨウ素系偏光膜が好ましい。
偏光膜の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法を適用することができる。例えば、PVA系フィルムを延伸後、ヨウ素イオンを吸着させる方法;PVA系フィルムを二色性染料による染色後、延伸する方法;PVA系フィルムを延伸後、二色性染料で染色する方法;二色性染料をPVA系フィルムに印刷後、延伸する方法;PVA系フィルムを延伸後、二色性染料を印刷する方法などが挙げられる。より具体的には、ヨウ素をヨウ化カリウム溶液に溶解して、高次のヨウ素イオンを作り、このイオンをPVAフィルムに吸着させて延伸し、次いで1〜5重量%ホウ酸水溶液に浴温度30〜40℃で浸漬して偏光膜を製造する方法;またはPVAフィルムを上記と同様にホウ酸処理して一軸方向に3〜7倍程度延伸した後、0.05〜5重量%の二色性染料水溶液に浴温度30〜40℃で浸漬して染料を吸着し、次いで80〜100℃で乾燥して熱固定して偏光膜を製造する方法などが挙げられる。
偏光膜の厚さは、特に限定されるものではないが、10〜50μmが好ましく、15〜45μmがより好ましい。
これらの偏光膜は、そのまま本発明の偏光板の製造に用いてもよいが、接着剤層と接する面に、コロナ放電処理、プラズマ処理を施して用いることもできる。
本発明で用いる偏光板は、偏光膜のみから構成されていてもよいが、偏光膜に耐吸湿性等を付与する目的で保護膜を有していてもよい。
本発明に係る導電性積層フィルム(B)が偏光板を有する場合、透明導電層、位相差フィルム、および偏光板がこの順に積層されてなることが好ましく、具体的には、位相差フィルム、および透明導電層が積層された導電性積層フィルムの透明導電層と反対側の面に、感圧性接着剤により偏光膜と接着されて、偏光板を構成するのが好ましい。
上記感圧性接着剤としては、ポリビニルアルコール系感圧性接着剤、アクリル系感圧性接着剤、ゴム系感圧性接着剤、シリコーン系感圧性接着剤などが好適である。
本発明のタッチパネルでは、透明導電層、1/4λ位相差フィルムおよび偏光板がこの順に一体に積層された導電性積層フィルム(B)を上部電極として用い、対応する下部電極として1/4λ位相差フィルムであるフィルム(I)上に樹脂層(II)と透明導電層(III)とが積層された導電性積層フィルムを用いることにより、反射光が好適に抑制され、視認性が特に向上するため好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」はいずれも「重量部」を表す。
各種物性は、次のようにして測定あるいは評価した。
<実施例1〜12および比較例1〜4>
(1)ヘイズ
スガ試験機(株)HGM-2DPを用い、JIS K-7136に準拠してヘイズ(%)を測定した。
<実施例1〜12および比較例1〜4>
(1)ヘイズ
スガ試験機(株)HGM-2DPを用い、JIS K-7136に準拠してヘイズ(%)を測定した。
(2)全光線透過率
スガ試験機(株)HGM-2DPを用い、JIS K−7361に準拠して全光線透過率(%)を測定した。
スガ試験機(株)HGM-2DPを用い、JIS K−7361に準拠して全光線透過率(%)を測定した。
(3)透過光b*
大塚電子(株)製 色差計RETS−1200VAを用い、JIS Z−8722に準拠して透過光b*(%)を測定した。
大塚電子(株)製 色差計RETS−1200VAを用い、JIS Z−8722に準拠して透過光b*(%)を測定した。
(4)鉛筆硬度
(株)東洋精機製 鉛筆引掻塗膜硬さ試験機NPを用いて、JIS K−5600−5−4に準拠して鉛筆硬度を測定した。
(株)東洋精機製 鉛筆引掻塗膜硬さ試験機NPを用いて、JIS K−5600−5−4に準拠して鉛筆硬度を測定した。
(5)防眩性
フィルムに蛍光灯(全光束3520lm)を映し、蛍光灯の輪郭のボケの程度を以下の基準で目視により評価した。
フィルムに蛍光灯(全光束3520lm)を映し、蛍光灯の輪郭のボケの程度を以下の基準で目視により評価した。
A :蛍光灯の輪郭がまったくわからない
B :蛍光灯の輪郭が僅かにわかる
C :蛍光灯の輪郭がはっきりわかる
(6)輝度ムラ
シャープ製モバイルツールSL−6000Nの画面を緑表示とした後、フィルムを乗せ、以下の基準で目視により評価した。
B :蛍光灯の輪郭が僅かにわかる
C :蛍光灯の輪郭がはっきりわかる
(6)輝度ムラ
シャープ製モバイルツールSL−6000Nの画面を緑表示とした後、フィルムを乗せ、以下の基準で目視により評価した。
A :画素の輝度ムラがほとんど認識できない
B :画素の輝度ムラが認識できるが、目立たない
C :画素の輝度ムラがはっきり認識できる
(7)アンチニュートンリング性
フィルムを平滑なガラス板(厚み3mm、素材:ソーダガラス)の上に粒子含有樹脂層が密着するように乗せて指で押しつけ、ニュートンリングが発生するかを目視にて評価した。
B :画素の輝度ムラが認識できるが、目立たない
C :画素の輝度ムラがはっきり認識できる
(7)アンチニュートンリング性
フィルムを平滑なガラス板(厚み3mm、素材:ソーダガラス)の上に粒子含有樹脂層が密着するように乗せて指で押しつけ、ニュートンリングが発生するかを目視にて評価した。
A :ニュートンリングが発生しない
B :ニュートンリングがわずかに発生する
C :ニュートンリングが明らかに発生する
(8)熱収縮率
150℃に加熱した強制循環式乾燥機の中にフィルムを60分間静置させ、ミツトヨ製寸法測定顕微鏡176−812を用いて加熱前後のフィルムの寸法変化を、フィルムの縦方向(MD)、幅方向(TD)についてそれぞれ測定し、熱収縮率(%)を算出した。
B :ニュートンリングがわずかに発生する
C :ニュートンリングが明らかに発生する
(8)熱収縮率
150℃に加熱した強制循環式乾燥機の中にフィルムを60分間静置させ、ミツトヨ製寸法測定顕微鏡176−812を用いて加熱前後のフィルムの寸法変化を、フィルムの縦方向(MD)、幅方向(TD)についてそれぞれ測定し、熱収縮率(%)を算出した。
(9)残留溶剤
160℃に加熱した強制循環式乾燥機の中にフィルムを30分間静置させ、加熱前後の重量変化を調べ、重量減少率(%)を残留溶剤(%)とした。
160℃に加熱した強制循環式乾燥機の中にフィルムを30分間静置させ、加熱前後の重量変化を調べ、重量減少率(%)を残留溶剤(%)とした。
(10)位相差
王子計測機器(株)製の「KOBRA−21ADH/PR」を用いて、波長550nmにおける位相差(nm)を測定した。
王子計測機器(株)製の「KOBRA−21ADH/PR」を用いて、波長550nmにおける位相差(nm)を測定した。
(11)表面抵抗
三菱化学(株)製の低抵抗率計「ロレスタ−GP」を用い、透明導電層の表面抵抗値(Ω/□)を測定した。
三菱化学(株)製の低抵抗率計「ロレスタ−GP」を用い、透明導電層の表面抵抗値(Ω/□)を測定した。
(12)タッチパネルのコントラスト評価
暗室にて、タッチパネルの黒表示画面を正面方向から見て、目視で色味変化を観察して下記基準で評価した。
暗室にて、タッチパネルの黒表示画面を正面方向から見て、目視で色味変化を観察して下記基準で評価した。
A :タッチパネルの色味変化が無く、クリア感がある
B :タッチパネルの色味変化が無い
C :タッチパネルの色味変化が多少観察される
D :タッチパネルの色味変化が大きい
(13)タッチパネルの視認性評価
視野角を変えた時の画面の色変化を目視観察した。
B :タッチパネルの色味変化が無い
C :タッチパネルの色味変化が多少観察される
D :タッチパネルの色味変化が大きい
(13)タッチパネルの視認性評価
視野角を変えた時の画面の色変化を目視観察した。
A :タッチパネルの色味変化が無く、クリア感がある
B :タッチパネルの色味変化が無い
C :タッチパネルの色味変化が多少観察される
D :タッチパネルの色味変化が大きい
(14)タッチパネルのアンチニュートンリング性評価
タッチパネルの上部電極側の表面を、電極間が接触するように指で押しつけ、ニュートンリングが発生するかを目視にて評価した。
B :タッチパネルの色味変化が無い
C :タッチパネルの色味変化が多少観察される
D :タッチパネルの色味変化が大きい
(14)タッチパネルのアンチニュートンリング性評価
タッチパネルの上部電極側の表面を、電極間が接触するように指で押しつけ、ニュートンリングが発生するかを目視にて評価した。
A :ニュートンリングが発生しない
B :ニュートンリングがわずかに発生する
C :ニュートンリングが明らかに発生する
(15)タッチパネルの筋状の線評価
明るい通常の部屋にて、タッチパネルの黒表示画面を正面及び斜め方向から見て、目視で筋状の線が観察できるか調べ、下記基準で評価した。
B :ニュートンリングがわずかに発生する
C :ニュートンリングが明らかに発生する
(15)タッチパネルの筋状の線評価
明るい通常の部屋にて、タッチパネルの黒表示画面を正面及び斜め方向から見て、目視で筋状の線が観察できるか調べ、下記基準で評価した。
A :タッチパネルの筋状の線が全く観察されない
B :タッチパネルの筋状の線がわずかに観察される
C :タッチパネルの筋状の線がはっきりと観察される
(16)タッチパネルの打鍵耐久性評価
タッチパネル研究所製、高荷重打鍵試験機を使用し、シリコーンゴム(曲率半径8cm)を使用し、荷重750g、打鍵速度10Hzにて室温で打鍵耐久性評価を行った。初期の通電電圧を3Vとして電流を流し、当該電圧が三分の二(2V)に低下するまでの打鍵回数を調べた。
B :タッチパネルの筋状の線がわずかに観察される
C :タッチパネルの筋状の線がはっきりと観察される
(16)タッチパネルの打鍵耐久性評価
タッチパネル研究所製、高荷重打鍵試験機を使用し、シリコーンゴム(曲率半径8cm)を使用し、荷重750g、打鍵速度10Hzにて室温で打鍵耐久性評価を行った。初期の通電電圧を3Vとして電流を流し、当該電圧が三分の二(2V)に低下するまでの打鍵回数を調べた。
A :打鍵回数1000万回以上
B :打鍵回数500万回〜1000万回未満
C :打鍵回数500万回未満
(17)タッチパネルの手触り性評価
タッチパネルについて、その表面を指で擦り、手触り性の評価を下記の基準で行った。
B :打鍵回数500万回〜1000万回未満
C :打鍵回数500万回未満
(17)タッチパネルの手触り性評価
タッチパネルについて、その表面を指で擦り、手触り性の評価を下記の基準で行った。
A :タッチパネルの表面凸凹感を全く感じない
B :タッチパネルの表面凹凸感がやや感じられる
C :タッチパネルの表面凹凸感が直ぐに分かるほど感じられる
[合成例1](環状オレフィン系重合体Aの合成)
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン227.5部、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン22.5部、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部、トルエン(開環重合反応用溶媒)750部とを窒素置換した反応容器内に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(1.5モル/L)0.62部と、t−ブタノール/メタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/L)3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環共重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であった。
B :タッチパネルの表面凹凸感がやや感じられる
C :タッチパネルの表面凹凸感が直ぐに分かるほど感じられる
[合成例1](環状オレフィン系重合体Aの合成)
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン227.5部、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン22.5部、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部、トルエン(開環重合反応用溶媒)750部とを窒素置換した反応容器内に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(1.5モル/L)0.62部と、t−ブタノール/メタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/L)3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環共重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であった。
このようにして得られた開環共重合体溶液4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環共重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6H5)3]3 0.48部を添加し、水素ガス圧力100kg/cm2、反応温度160℃の条件下で、3時間加熱攪拌して水素添加反応を行った。
得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、これを乾燥して、水素添加された環状オレフィン系重合体Aを得た。
[作製例1](環状オレフィン系重合体フィルムA−1の製造)
合成例1で得られた環状オレフィン系重合体Aを、固形分濃度が30%となるようにトルエンに溶解した。得られた溶液の室温における溶液粘度は30,000mPa・sであった。この溶液に、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を、環状オレフィン系重合体A100重量部に対して0.1重量部を添加し、得られた溶液を日本ポール製の孔径5μmの金属繊維焼結フィルターを用い、差圧が0.4MPa以内に収まるように溶液の流速をコントロールしながら濾過した後、クラス1000のクリーンルーム内に設置した井上金属工業製の「INVEXラボコーター」を用い、アクリル酸系表面処理剤によって親水化(易接着性化)処理された、厚みが100μmのPETフィルム(東レ(株)製の「ルミラーU94」)に塗布した。次いで、得られた液層に対して、50℃で一次乾燥処理を行い、さらに、90℃で二次乾燥処理を行った後、PETフィルムから剥離させることにより、厚さ188μmの環状オレフィン系重合体フィルムA−1を形成した。得られた環状オレフィン系重合体フィルムA−1の残留溶媒量は0.5重量%であり、光線透過率は93%以上であった。
合成例1で得られた環状オレフィン系重合体Aを、固形分濃度が30%となるようにトルエンに溶解した。得られた溶液の室温における溶液粘度は30,000mPa・sであった。この溶液に、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を、環状オレフィン系重合体A100重量部に対して0.1重量部を添加し、得られた溶液を日本ポール製の孔径5μmの金属繊維焼結フィルターを用い、差圧が0.4MPa以内に収まるように溶液の流速をコントロールしながら濾過した後、クラス1000のクリーンルーム内に設置した井上金属工業製の「INVEXラボコーター」を用い、アクリル酸系表面処理剤によって親水化(易接着性化)処理された、厚みが100μmのPETフィルム(東レ(株)製の「ルミラーU94」)に塗布した。次いで、得られた液層に対して、50℃で一次乾燥処理を行い、さらに、90℃で二次乾燥処理を行った後、PETフィルムから剥離させることにより、厚さ188μmの環状オレフィン系重合体フィルムA−1を形成した。得られた環状オレフィン系重合体フィルムA−1の残留溶媒量は0.5重量%であり、光線透過率は93%以上であった。
[作製例2](環状オレフィン系重合体フィルムA−2の製造)
作製例1にて得られた環状オレフィン系重合体フィルムA−1を、風向制御板を設けた縦延伸炉内で148℃に加熱し、延伸機炉内温度分布が148±0.2℃以内にコントロールされた層内にて炉内速度4.0m/minでフィルム長手方向に1.2倍に、フィルム幅方向を固定しない一軸延伸をしてR0が138nm、R0のばらつきが±5nmかつ光軸がフィルム長手方向に対して0±2度の環状オレフィン系重合体フィルムA−2を得た。
作製例1にて得られた環状オレフィン系重合体フィルムA−1を、風向制御板を設けた縦延伸炉内で148℃に加熱し、延伸機炉内温度分布が148±0.2℃以内にコントロールされた層内にて炉内速度4.0m/minでフィルム長手方向に1.2倍に、フィルム幅方向を固定しない一軸延伸をしてR0が138nm、R0のばらつきが±5nmかつ光軸がフィルム長手方向に対して0±2度の環状オレフィン系重合体フィルムA−2を得た。
[作製例3](偏光膜の製造)
ヨウ素濃度が0.03重量%、ヨウ化カリウム濃度が0.5重量%である水溶液からなる、温度30℃の染色浴中で、PVAを延伸倍率3倍で前延伸加工し、次いで、ホウ酸濃度が5重量%、ヨウ化カリウム濃度が8重量%である水溶液からなる、温度55℃の架橋浴中で、延伸倍率2倍で後延伸加工した後、乾燥処理することにより、偏光膜を得た。
ヨウ素濃度が0.03重量%、ヨウ化カリウム濃度が0.5重量%である水溶液からなる、温度30℃の染色浴中で、PVAを延伸倍率3倍で前延伸加工し、次いで、ホウ酸濃度が5重量%、ヨウ化カリウム濃度が8重量%である水溶液からなる、温度55℃の架橋浴中で、延伸倍率2倍で後延伸加工した後、乾燥処理することにより、偏光膜を得た。
[調製例1](混合接着剤の調製)
PVA系樹脂である和光純薬工業(株)製の163−03045(分子量:22,000、ケン化度:88モル%)に、水を加えて固形分濃度が7重量%の水溶液を調製した。一方、ポリウレタン系樹脂である大日本インキ化学工業(株)製のWLS−201(固形分濃度35重量%)100部に、ポリエポキシ系硬化剤である大日本インキ工業(株)製のCR−5L(有効成分100%品)5部を配合し、水で希釈して固形分濃度が20重量%の水溶液を調製した。得られたポリウレタン系樹脂水溶液とポリビニルアルコール系樹脂水溶液とを、重量比で1:1(固形分重量比で80:20)の割合で混合し、固形分濃度が15重量%の混合接着剤を調製した。
PVA系樹脂である和光純薬工業(株)製の163−03045(分子量:22,000、ケン化度:88モル%)に、水を加えて固形分濃度が7重量%の水溶液を調製した。一方、ポリウレタン系樹脂である大日本インキ化学工業(株)製のWLS−201(固形分濃度35重量%)100部に、ポリエポキシ系硬化剤である大日本インキ工業(株)製のCR−5L(有効成分100%品)5部を配合し、水で希釈して固形分濃度が20重量%の水溶液を調製した。得られたポリウレタン系樹脂水溶液とポリビニルアルコール系樹脂水溶液とを、重量比で1:1(固形分重量比で80:20)の割合で混合し、固形分濃度が15重量%の混合接着剤を調製した。
[製造例1](積層フィルムB−1の製造)
UV硬化樹脂(JSR(株)製 デソライトKZ−9136)を、グラビアリバース法にて、環状オレフィン系重合体フィルム作製例1により得られたA−1の片面に塗布後、畝形状が形成されたロールに密着させながら、1J/cm2の紫外線を照射して、厚さ2μmの土台の上に凸部の最大高さ2μm、ピッチP1000μmの正弦曲線を持つ畝形樹脂層を有する積層フィルムB−1を得た。
UV硬化樹脂(JSR(株)製 デソライトKZ−9136)を、グラビアリバース法にて、環状オレフィン系重合体フィルム作製例1により得られたA−1の片面に塗布後、畝形状が形成されたロールに密着させながら、1J/cm2の紫外線を照射して、厚さ2μmの土台の上に凸部の最大高さ2μm、ピッチP1000μmの正弦曲線を持つ畝形樹脂層を有する積層フィルムB−1を得た。
得られた積層フィルムB−1の各種物性を測定または評価した結果を表1に示す。
[製造例2](積層フィルムB−2の製造)
環状オレフィン系重合体フィルムA−1に替えて、環状オレフィン系重合体フィルム作製例2で得られたA−2を用いた以外は製造例1と同様にして積層フィルムB−2を得た。得られた積層フィルムB−2の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
環状オレフィン系重合体フィルムA−1に替えて、環状オレフィン系重合体フィルム作製例2で得られたA−2を用いた以外は製造例1と同様にして積層フィルムB−2を得た。得られた積層フィルムB−2の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
[製造例3](積層フィルムB−3の製造)
製造例1において、畝形状樹脂層の形状について、畝形状の凸部分の曲率半径(Rt)を10000μm(ピッチPの10倍)、凹部分の曲率半径(Rb)を3000μm(ピッチPの3倍)、凸部の曲線と凹部の曲線とをつなぐ直線の幅(L)を100μm(ピッチPの十分の一)としたこと以外は同様にして、高さ2μm、ピッチ1000μmの規則的な曲線を持つ畝形樹脂層を有する積層フィルムB−3を得た。得られた積層フィルムB−3の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
製造例1において、畝形状樹脂層の形状について、畝形状の凸部分の曲率半径(Rt)を10000μm(ピッチPの10倍)、凹部分の曲率半径(Rb)を3000μm(ピッチPの3倍)、凸部の曲線と凹部の曲線とをつなぐ直線の幅(L)を100μm(ピッチPの十分の一)としたこと以外は同様にして、高さ2μm、ピッチ1000μmの規則的な曲線を持つ畝形樹脂層を有する積層フィルムB−3を得た。得られた積層フィルムB−3の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
[製造例4](積層フィルムB−4の製造)
環状オレフィン系重合体フィルムA−1に替えて、環状オレフィン系重合体フィルムA−2を用いた以外は製造例3と同様にして積層フィルムB−4を得た。得られた積層フィルムB−4の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
環状オレフィン系重合体フィルムA−1に替えて、環状オレフィン系重合体フィルムA−2を用いた以外は製造例3と同様にして積層フィルムB−4を得た。得られた積層フィルムB−4の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
[製造例5](積層フィルムB−5の製造)
製造例1において、畝形状樹脂層の上方からの形状について、畝形状の稜線が規則的な曲線を描き、具体的にはフィルム平面内での規則的な曲線のピッチ(Pl)を8000μm(ピッチPの8倍)、曲線の幅(W)を5000μm(ピッチPの5倍)となる正弦曲線となるようにしたこと以外は同様にして、高さ2μm、ピッチP1000μmの規則的な曲線を持つ畝形樹脂層を有する積層フィルムB−5を得た。得られた積層フィルムB−5の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
製造例1において、畝形状樹脂層の上方からの形状について、畝形状の稜線が規則的な曲線を描き、具体的にはフィルム平面内での規則的な曲線のピッチ(Pl)を8000μm(ピッチPの8倍)、曲線の幅(W)を5000μm(ピッチPの5倍)となる正弦曲線となるようにしたこと以外は同様にして、高さ2μm、ピッチP1000μmの規則的な曲線を持つ畝形樹脂層を有する積層フィルムB−5を得た。得られた積層フィルムB−5の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
[製造例6](積層フィルムB−6の製造)
環状オレフィン系重合体フィルムA−1に替えて、環状オレフィン系重合体フィルムA−2を用い、畝形状樹脂層の断面の形状を製造例3と同様にした以外は、製造例5と同様にして積層フィルムB−6を得た。得られた積層フィルムB−6の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
環状オレフィン系重合体フィルムA−1に替えて、環状オレフィン系重合体フィルムA−2を用い、畝形状樹脂層の断面の形状を製造例3と同様にした以外は、製造例5と同様にして積層フィルムB−6を得た。得られた積層フィルムB−6の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
[比較製造例1](積層フィルムB−7の製造)
製造例1において、畝形樹脂層の形状を、断面が二等辺三角形となる高さ2μm、ピッチ1000μmとなる突条にした以外は同様にして、積層フィルムB−7を得た。得られた積層フィルムB−7の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
製造例1において、畝形樹脂層の形状を、断面が二等辺三角形となる高さ2μm、ピッチ1000μmとなる突条にした以外は同様にして、積層フィルムB−7を得た。得られた積層フィルムB−7の各種物性を測定または評価した結果を表1に併せて示す。
[実施例1](導電性積層フィルムC−1の製造)
積層フィルムB−1における畝形状樹脂層の面に、大気中で50W・min/m2のコロナ放電処理を行なった。
積層フィルムB−1における畝形状樹脂層の面に、大気中で50W・min/m2のコロナ放電処理を行なった。
その表面に、アルゴンガス流入下でインジウムと錫とを含んだターゲットを用いて、下記の条件により透明導電層をスパッタリング法により形成し、導電性積層フィルムC−1を得た。得られた導電性積層フィルムC−1の透明導電層における表面抵抗値を測定したところ、550Ω/□であった。各種物性を測定および評価した結果を表2に示す。
(条件)
基材温度:50℃以下
ターゲット:In2O3/SnO2=90/10(重量比)の酸化物
雰囲気:アルゴン流入下
アルゴン流量:100〜500sccm
出力:1〜1.5Kw
[実施例2](導電性積層フィルムC−2の製造)
積層フィルムB−1に替えて、積層フィルムB−2を用いた以外は実施例1と同様にして導電性積層フィルムC−2を得た。各種物性を測定および評価した結果を表2に併せて示す。
基材温度:50℃以下
ターゲット:In2O3/SnO2=90/10(重量比)の酸化物
雰囲気:アルゴン流入下
アルゴン流量:100〜500sccm
出力:1〜1.5Kw
[実施例2](導電性積層フィルムC−2の製造)
積層フィルムB−1に替えて、積層フィルムB−2を用いた以外は実施例1と同様にして導電性積層フィルムC−2を得た。各種物性を測定および評価した結果を表2に併せて示す。
[実施例3](導電性積層フィルムC−3の製造)
積層フィルムB−1に替えて、積層フィルムB−3を用いた以外は実施例1と同様にして導電性積層フィルムC−3を得た。各種物性を測定および評価した結果を表2に併せて示す。
積層フィルムB−1に替えて、積層フィルムB−3を用いた以外は実施例1と同様にして導電性積層フィルムC−3を得た。各種物性を測定および評価した結果を表2に併せて示す。
[実施例4](導電性積層フィルムC−4の製造)
積層フィルムB−1に替えて、積層フィルムB−4を用いた以外は実施例1と同様にして導電性積層フィルムC−4を得た。各種物性を測定および評価した結果を表2に併せて示す。
積層フィルムB−1に替えて、積層フィルムB−4を用いた以外は実施例1と同様にして導電性積層フィルムC−4を得た。各種物性を測定および評価した結果を表2に併せて示す。
[実施例5](導電性積層フィルムC−5の製造)
積層フィルムB−1に替えて、積層フィルムB−5を用いた以外は実施例1と同様にして導電性積層フィルムC−5を得た。各種物性を測定および評価した結果を表2に併せて示す。
積層フィルムB−1に替えて、積層フィルムB−5を用いた以外は実施例1と同様にして導電性積層フィルムC−5を得た。各種物性を測定および評価した結果を表2に併せて示す。
[実施例6](導電性積層フィルムC−6の製造)
積層フィルムB−1に替えて、積層フィルムB−6を用いた以外は実施例1と同様にして導電性積層フィルムC−6を得た。各種物性を測定および評価した結果を表2に併せて示す。
積層フィルムB−1に替えて、積層フィルムB−6を用いた以外は実施例1と同様にして導電性積層フィルムC−6を得た。各種物性を測定および評価した結果を表2に併せて示す。
[比較例1](導電性積層フィルムC−7の製造)
積層フィルムB−1に替えて、積層フィルムB−7を用いた以外は実施例1と同様にして導電性積層フィルムC−7を得た。各種物性を測定および評価した結果を表2に併せて示す。
積層フィルムB−1に替えて、積層フィルムB−7を用いた以外は実施例1と同様にして導電性積層フィルムC−7を得た。各種物性を測定および評価した結果を表2に併せて示す。
[比較例2](導電性積層フィルムC−8の製造)
積層フィルムB−1に替えて、環状オレフィン系重合体フィルムA−1を用い、畝形状樹脂層の面の代わりに環状オレフィン系重合体フィルムA−1の片面を用いた以外は実施例1と同様にして導電性積層フィルムC−8を得た。各種物性を測定および評価した結果を表2に示す。
積層フィルムB−1に替えて、環状オレフィン系重合体フィルムA−1を用い、畝形状樹脂層の面の代わりに環状オレフィン系重合体フィルムA−1の片面を用いた以外は実施例1と同様にして導電性積層フィルムC−8を得た。各種物性を測定および評価した結果を表2に示す。
[実施例7](タッチパネルの作製)
実施例1で得られた導電性積層フィルムC−1を下部電極として、188μmのPETフィルムに実施例1と同様の方法でITOをスパッタリングしたフィルムを上部電極とした。この2枚を、透明導電膜面が対向するように、スペーサーを介して重ね合わせ、液晶表示素子上に配置して、本発明のタッチパネルを得た。その構成を図10に示す。得られたタッチパネルについて、コントラストと視認性、アンチニュートンリング性と筋状の線、ならびに打鍵耐久性評価や手触り性評価を行った。結果を表3に示す。
実施例1で得られた導電性積層フィルムC−1を下部電極として、188μmのPETフィルムに実施例1と同様の方法でITOをスパッタリングしたフィルムを上部電極とした。この2枚を、透明導電膜面が対向するように、スペーサーを介して重ね合わせ、液晶表示素子上に配置して、本発明のタッチパネルを得た。その構成を図10に示す。得られたタッチパネルについて、コントラストと視認性、アンチニュートンリング性と筋状の線、ならびに打鍵耐久性評価や手触り性評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例8](偏光板、タッチパネルの作製)
環状オレフィン系重合体フィルムA−2に実施例1と同様の方法でITOをスパッタリングした導電性位相差フィルムの透明導電膜の反対側に、調製例1で得られた混合接着剤を塗工し、偏光膜に当接するように積層させ上部電極とした。なおその際、偏光膜の吸収軸と導電性積層フィルムにおける位相差フィルムの光軸とが、45°の角度をなすように貼り合わせた。
環状オレフィン系重合体フィルムA−2に実施例1と同様の方法でITOをスパッタリングした導電性位相差フィルムの透明導電膜の反対側に、調製例1で得られた混合接着剤を塗工し、偏光膜に当接するように積層させ上部電極とした。なおその際、偏光膜の吸収軸と導電性積層フィルムにおける位相差フィルムの光軸とが、45°の角度をなすように貼り合わせた。
実施例2で得られた導電性積層フィルムC−2を下部電極として、この2枚を、透明導電膜面が対向するように、スペーサーを介して重ね合わせ、液晶表示素子上に配置して、本発明のタッチパネルを得た。その構成を図11に示す。
この時、液晶表示素子の偏光軸を45°方向とし、下部電極の位相差フィルムの光軸を0°方向とし、畝形状の軸を35°方向とし、上部電極の位相差フィルムの光軸を90°方向とし、偏光板の光軸を45°となるように配置した。
得られたタッチパネルについて、コントラストとアンチニュートンリング性と視認性を評価した。結果を表3に示す。
[実施例9](タッチパネルの作製)
導電性積層フィルムC−3を使用した以外は実施例7と同様にして、各種評価を行った。結果を表3に併せて示す。
導電性積層フィルムC−3を使用した以外は実施例7と同様にして、各種評価を行った。結果を表3に併せて示す。
[実施例10](偏光板、タッチパネルの作製)
導電性積層フィルムC−4を使用した以外は実施例8と同様にして、各種評価を行った。結果を表3に併せて示す。
導電性積層フィルムC−4を使用した以外は実施例8と同様にして、各種評価を行った。結果を表3に併せて示す。
[実施例11](タッチパネルの作製)
導電性積層フィルムC−5を使用した以外は実施例7と同様にして、各種評価を行った。結果を表3に併せて示す。
導電性積層フィルムC−5を使用した以外は実施例7と同様にして、各種評価を行った。結果を表3に併せて示す。
[実施例12](偏光板、タッチパネルの作製)
導電性積層フィルムC−6を使用し、畝形状のフィルム面内方向での規則的周期の中心線の軸を35°方向とした以外は実施例8と同様にして、各種評価を行った。結果を表3に併せて示す。
導電性積層フィルムC−6を使用し、畝形状のフィルム面内方向での規則的周期の中心線の軸を35°方向とした以外は実施例8と同様にして、各種評価を行った。結果を表3に併せて示す。
[比較例3](タッチパネルの作製)
導電性積層フィルムC−1に替えて導電性積層フィルムC−7を用いた以外は、実施例7と同様にしてタッチパネルを得た。得られたタッチパネルについて、各種評価を行った。結果を表3に併せて示す。
導電性積層フィルムC−1に替えて導電性積層フィルムC−7を用いた以外は、実施例7と同様にしてタッチパネルを得た。得られたタッチパネルについて、各種評価を行った。結果を表3に併せて示す。
[比較例4](タッチパネルの作製)
導電性積層フィルムC−1に替えて導電性積層フィルムC−8を用いた以外は、実施例7と同様にしてタッチパネルを得た。得られたタッチパネルについて、各種評価を行った。結果を表3に併せて示す。
導電性積層フィルムC−1に替えて導電性積層フィルムC−8を用いた以外は、実施例7と同様にしてタッチパネルを得た。得られたタッチパネルについて、各種評価を行った。結果を表3に併せて示す。
<実施例13〜22および比較例5〜8>
(1)表面形状
ザイゴ(株)非接触三次元表面形状・粗さ測定機を用い、フィルム表面形状を測定した。
(1)表面形状
ザイゴ(株)非接触三次元表面形状・粗さ測定機を用い、フィルム表面形状を測定した。
(2)全光線透過率
スガ試験機(株)HGM-2DPを用い、JIS K−7361に準拠して全光線透過率(%)を測定した。
スガ試験機(株)HGM-2DPを用い、JIS K−7361に準拠して全光線透過率(%)を測定した。
(3)透過光b*
大塚電子(株)製 色差計RETS−1200VAを用い、JIS Z−8722に準拠して透過光b*(%)を測定した。
大塚電子(株)製 色差計RETS−1200VAを用い、JIS Z−8722に準拠して透過光b*(%)を測定した。
(4)鉛筆硬度
(株)東洋精機製 鉛筆引掻塗膜硬さ試験機NPを用いて、JIS K−5600−5−4に準拠して鉛筆硬度を測定した。
(株)東洋精機製 鉛筆引掻塗膜硬さ試験機NPを用いて、JIS K−5600−5−4に準拠して鉛筆硬度を測定した。
(5)輝度ムラ(ぎらつき発生程度)
シャープ製モバイルツールSL−6000Nの画面を緑表示とした後、フィルムを乗せ、以下の基準で目視により評価した。
シャープ製モバイルツールSL−6000Nの画面を緑表示とした後、フィルムを乗せ、以下の基準で目視により評価した。
A :画素の輝度ムラがほとんど認識できない
B :画素の輝度ムラが認識できるが、目立たない
C :画素の輝度ムラがはっきり認識できる
(6)アンチニュートンリング性(干渉縞の発生の抑制程度)
フィルムを平滑なガラス板(厚み3mm、素材:ソーダガラス)の上に粒子含有樹脂層が密着するように乗せて指で押しつけ、ニュートンリングが発生するかを目視にて評価した。
B :画素の輝度ムラが認識できるが、目立たない
C :画素の輝度ムラがはっきり認識できる
(6)アンチニュートンリング性(干渉縞の発生の抑制程度)
フィルムを平滑なガラス板(厚み3mm、素材:ソーダガラス)の上に粒子含有樹脂層が密着するように乗せて指で押しつけ、ニュートンリングが発生するかを目視にて評価した。
A :ニュートンリングが発生しない
B :ニュートンリングがわずかに発生する
C :ニュートンリングが明らかに発生する
(7)位相差
王子計測機器(株)製の「KOBRA−21ADH/PR」を用いて、波長550nmにおける位相差(R0:nm)を測定した。
B :ニュートンリングがわずかに発生する
C :ニュートンリングが明らかに発生する
(7)位相差
王子計測機器(株)製の「KOBRA−21ADH/PR」を用いて、波長550nmにおける位相差(R0:nm)を測定した。
(8)表面抵抗
三菱化学(株)製の低抵抗率計「ロレスタ−GP」を用い、透明導電層の表面抵抗値(Ω/□)を測定した。
三菱化学(株)製の低抵抗率計「ロレスタ−GP」を用い、透明導電層の表面抵抗値(Ω/□)を測定した。
(9)タッチパネルのコントラスト評価
暗室にて、タッチパネルの黒表示画面を正面方向から見て、目視で色味変化を観察して下記基準で評価した。
暗室にて、タッチパネルの黒表示画面を正面方向から見て、目視で色味変化を観察して下記基準で評価した。
A :タッチパネルの色味変化が無く、クリア感がある
B :タッチパネルの色味変化が無い
C :タッチパネルの色味変化が多少観察される
D :タッチパネルの色味変化が大きい
(10)タッチパネルの視認性評価
視野角を変えた時の画面の色変化を目視観察した。
B :タッチパネルの色味変化が無い
C :タッチパネルの色味変化が多少観察される
D :タッチパネルの色味変化が大きい
(10)タッチパネルの視認性評価
視野角を変えた時の画面の色変化を目視観察した。
A :タッチパネルの色味変化が無く、クリア感がある
B :タッチパネルの色味変化が無い
C :タッチパネルの色味変化が多少観察される
D :タッチパネルの色味変化が大きい
(11)タッチパネルのアンチニュートンリング性(干渉縞の発生の抑制程度)評価
タッチパネルの上部電極側の表面を、電極間が接触するように指で押しつけ、ニュートンリングが発生するかを目視にて評価した。
B :タッチパネルの色味変化が無い
C :タッチパネルの色味変化が多少観察される
D :タッチパネルの色味変化が大きい
(11)タッチパネルのアンチニュートンリング性(干渉縞の発生の抑制程度)評価
タッチパネルの上部電極側の表面を、電極間が接触するように指で押しつけ、ニュートンリングが発生するかを目視にて評価した。
A :ニュートンリングが発生しない
B :ニュートンリングがわずかに発生する
C :ニュートンリングが明らかに発生する
(12)タッチパネルの筋状の線評価
明るい通常の部屋にて、タッチパネルの黒表示画面を正面および斜め方向から見て、目視で筋状の線が観察できるか調べ、下記基準で評価した。
B :ニュートンリングがわずかに発生する
C :ニュートンリングが明らかに発生する
(12)タッチパネルの筋状の線評価
明るい通常の部屋にて、タッチパネルの黒表示画面を正面および斜め方向から見て、目視で筋状の線が観察できるか調べ、下記基準で評価した。
A :タッチパネルの筋状の線が全く観察されない
B :タッチパネルの筋状の線がわずかに観察される
C :タッチパネルの筋状の線がはっきりと観察される
(13)タッチパネルの打鍵耐久性評価
タッチパネル研究所製、高荷重打鍵試験機を使用し、シリコーンゴム(曲率半径8cm)を使用し、荷重750g、打鍵速度10Hzにて室温で打鍵耐久性評価を行った。初期の通電電圧を3Vとして電流を流し、当該電圧が三分の二(2V)に低下するまでの打鍵回数を調べた。
B :タッチパネルの筋状の線がわずかに観察される
C :タッチパネルの筋状の線がはっきりと観察される
(13)タッチパネルの打鍵耐久性評価
タッチパネル研究所製、高荷重打鍵試験機を使用し、シリコーンゴム(曲率半径8cm)を使用し、荷重750g、打鍵速度10Hzにて室温で打鍵耐久性評価を行った。初期の通電電圧を3Vとして電流を流し、当該電圧が三分の二(2V)に低下するまでの打鍵回数を調べた。
A :打鍵回数1000万回以上
B :打鍵回数500万回〜1000万回未満
C :打鍵回数500万回未満
(14)タッチパネルの手触り性評価
タッチパネルについて、その表面を指で擦り、手触り性の評価を下記の基準で行った。
B :打鍵回数500万回〜1000万回未満
C :打鍵回数500万回未満
(14)タッチパネルの手触り性評価
タッチパネルについて、その表面を指で擦り、手触り性の評価を下記の基準で行った。
A :タッチパネルの表面凸凹感を全く感じない
B :タッチパネルの表面凹凸感がやや感じられる
C :タッチパネルの表面凹凸感が直ぐに分かるほど感じられる
(15)フィルムの厚み測定
フィルムの厚みはマイクロメーターで測定した。
B :タッチパネルの表面凹凸感がやや感じられる
C :タッチパネルの表面凹凸感が直ぐに分かるほど感じられる
(15)フィルムの厚み測定
フィルムの厚みはマイクロメーターで測定した。
[作製例4](環状オレフィン系樹脂フィルムA−1aの製造)
環状オレフィン系樹脂として、ノルボルネン系樹脂(JSR株式会社製:商品名「ARTON D4531」、ガラス転移温度130℃)を用いた。この原料を乾燥温度100℃で、窒素下で除湿乾燥を行い、押出機(ジーエムエンジニアリング社製:GM−65)に導き260℃で溶融し、ギアポンプを用いて定量で送液し、5μmリーフディスクフィルターを用いて、異物を除去し、250℃に設定したアルミ鋳込みヒーターにより加熱されたTダイから押出を実施した。このときのTダイの開口は1.0mmであり、Tダイ出口と冷却ロール1のフィルムの圧着点との間の距離は70mmとした。冷却ロール1は、300mmφのロールの表面に、頂角100度でピッチ50μのプリズム形状の凸部がロール周方向に連続して彫刻された、畝形状の凸部を有するものであった。Tダイから押出された溶融物を冷却ロール1に圧着させた。冷却ロール1の温度は120℃としてノルボルネン系樹脂フィルムの表面に当該形状が良く転写するようにした。そして、その下流側に300mmφの冷却ロール2を、さらに下流側に300mmφの剥離ロールを設けた。それぞれのロールの温度を115℃、100℃として、フィルム表面温度98℃で剥離ロールからフィルムを剥離させて、頂角100度でピッチ50μmのプリズム形状の凸部がフィルム長手方向に連続した、畝形状の凸部を持つ250μm厚みのノルボルネン系樹脂フィルムA−1aを得た。
環状オレフィン系樹脂として、ノルボルネン系樹脂(JSR株式会社製:商品名「ARTON D4531」、ガラス転移温度130℃)を用いた。この原料を乾燥温度100℃で、窒素下で除湿乾燥を行い、押出機(ジーエムエンジニアリング社製:GM−65)に導き260℃で溶融し、ギアポンプを用いて定量で送液し、5μmリーフディスクフィルターを用いて、異物を除去し、250℃に設定したアルミ鋳込みヒーターにより加熱されたTダイから押出を実施した。このときのTダイの開口は1.0mmであり、Tダイ出口と冷却ロール1のフィルムの圧着点との間の距離は70mmとした。冷却ロール1は、300mmφのロールの表面に、頂角100度でピッチ50μのプリズム形状の凸部がロール周方向に連続して彫刻された、畝形状の凸部を有するものであった。Tダイから押出された溶融物を冷却ロール1に圧着させた。冷却ロール1の温度は120℃としてノルボルネン系樹脂フィルムの表面に当該形状が良く転写するようにした。そして、その下流側に300mmφの冷却ロール2を、さらに下流側に300mmφの剥離ロールを設けた。それぞれのロールの温度を115℃、100℃として、フィルム表面温度98℃で剥離ロールからフィルムを剥離させて、頂角100度でピッチ50μmのプリズム形状の凸部がフィルム長手方向に連続した、畝形状の凸部を持つ250μm厚みのノルボルネン系樹脂フィルムA−1aを得た。
[作製例5](環状オレフィン系樹脂フィルムA−2aの製造)
畝の長さが1000μmであり、畝の長さ方向における畝と畝との間隔が50μmであること以外は冷却ロール1と同様の冷却ロール2を用いたこと以外は作製例1と同様にして、頂角100度で畝のピッチ50μm、長さ1000μmのプリズム形状の凸部がフィルム長手方向に連続し、畝の長さ方向における畝と畝との間隔が50μmである、断続的な畝形状の凸部を持つ250μm厚みのノルボルネン系樹脂フィルムA−2aを得た。
畝の長さが1000μmであり、畝の長さ方向における畝と畝との間隔が50μmであること以外は冷却ロール1と同様の冷却ロール2を用いたこと以外は作製例1と同様にして、頂角100度で畝のピッチ50μm、長さ1000μmのプリズム形状の凸部がフィルム長手方向に連続し、畝の長さ方向における畝と畝との間隔が50μmである、断続的な畝形状の凸部を持つ250μm厚みのノルボルネン系樹脂フィルムA−2aを得た。
[作製例6](環状オレフィン系樹脂フィルムA−3aの製造)
幅1000μm、長さ2000μm、深さ10μmの平面形状が方形の凹部を格子状に有すること以外は冷却ロール1と同様の冷却ロール3を用いたこと以外は作製例1と同様にして、幅1000μm、長さ2000μm、高さ10μm、各格子の間隔が100μm(形状イメージは、図4(1)相当)の平面形状が方形の凸部を海島状に持つ250μm厚みのノルボルネン系樹脂フィルムA−3aを得た。
幅1000μm、長さ2000μm、深さ10μmの平面形状が方形の凹部を格子状に有すること以外は冷却ロール1と同様の冷却ロール3を用いたこと以外は作製例1と同様にして、幅1000μm、長さ2000μm、高さ10μm、各格子の間隔が100μm(形状イメージは、図4(1)相当)の平面形状が方形の凸部を海島状に持つ250μm厚みのノルボルネン系樹脂フィルムA−3aを得た。
[作製例7](環状オレフィン系樹脂フィルムA−4aの製造)
幅1000μm、長さ2000μm、深さ10μmの平面形状が楕円状の凹部を海島状に有すること以外は冷却ロール1と同様の冷却ロール4を用いたこと以外は作製例1と同様にして、幅1000μm、長さ2000μm、高さ10μm、各間隔2000μm及び500μm(形状イメージは、図4(3)相当)の平面形状が楕円状の凸部を海島状に持つ250μm厚みのノルボルネン系樹脂フィルムA−4aを得た。
幅1000μm、長さ2000μm、深さ10μmの平面形状が楕円状の凹部を海島状に有すること以外は冷却ロール1と同様の冷却ロール4を用いたこと以外は作製例1と同様にして、幅1000μm、長さ2000μm、高さ10μm、各間隔2000μm及び500μm(形状イメージは、図4(3)相当)の平面形状が楕円状の凸部を海島状に持つ250μm厚みのノルボルネン系樹脂フィルムA−4aを得た。
[作製例8](環状オレフィン系樹脂フィルムA−5aの製造)
表面状態が鏡面状態であること以外は冷却ロール1と同様の冷却ロール5を用いたこと以外は作製例1と同様にして、フィルム表面に凸部を持たない250μm厚みのノルボルネン系樹脂フィルムA−5aを得た。
表面状態が鏡面状態であること以外は冷却ロール1と同様の冷却ロール5を用いたこと以外は作製例1と同様にして、フィルム表面に凸部を持たない250μm厚みのノルボルネン系樹脂フィルムA−5aを得た。
[作製例9](偏光膜の製造)
ヨウ素濃度が0.03重量%、ヨウ化カリウム濃度が0.5重量%である水溶液からなる、温度30℃の染色浴中で、PVAを延伸倍率3倍で前延伸加工し、次いで、ホウ酸濃度が5重量%、ヨウ化カリウム濃度が8重量%である水溶液からなる、温度55℃の架橋浴中で、延伸倍率2倍で後延伸加工した後、乾燥処理することにより、30μm厚みの偏光膜を得た。
ヨウ素濃度が0.03重量%、ヨウ化カリウム濃度が0.5重量%である水溶液からなる、温度30℃の染色浴中で、PVAを延伸倍率3倍で前延伸加工し、次いで、ホウ酸濃度が5重量%、ヨウ化カリウム濃度が8重量%である水溶液からなる、温度55℃の架橋浴中で、延伸倍率2倍で後延伸加工した後、乾燥処理することにより、30μm厚みの偏光膜を得た。
[調製例2](混合接着剤の調製)
PVA系樹脂である和光純薬工業(株)製の163−03045(分子量:22,000、ケン化度:88モル%)に、水を加えて固形分濃度が7重量%の水溶液を調製した。一方、ポリウレタン系樹脂である大日本インキ化学工業(株)製のWLS−201(固形分濃度35重量%)100部に、ポリエポキシ系硬化剤である大日本インキ工業(株)製のCR−5L(有効成分100%品)5部を配合し、水で希釈して固形分濃度が20重量%の水溶液を調製した。得られたポリウレタン系樹脂水溶液とポリビニルアルコール系樹脂水溶液とを、重量比で1:1(固形分重量比で80:20)の割合で混合し、固形分濃度が15重量%の混合接着剤を調製した。
PVA系樹脂である和光純薬工業(株)製の163−03045(分子量:22,000、ケン化度:88モル%)に、水を加えて固形分濃度が7重量%の水溶液を調製した。一方、ポリウレタン系樹脂である大日本インキ化学工業(株)製のWLS−201(固形分濃度35重量%)100部に、ポリエポキシ系硬化剤である大日本インキ工業(株)製のCR−5L(有効成分100%品)5部を配合し、水で希釈して固形分濃度が20重量%の水溶液を調製した。得られたポリウレタン系樹脂水溶液とポリビニルアルコール系樹脂水溶液とを、重量比で1:1(固形分重量比で80:20)の割合で混合し、固形分濃度が15重量%の混合接着剤を調製した。
[製造例7](透明樹脂からなるフィルムB−1bの製造)
作製例4にて得られた環状オレフィン系樹脂フィルムA−1aを、風向制御板を設けた延伸炉内で表面賦形された反対面が145℃になるよう加熱し、遠赤外ヒーターを用いて表面賦形された面が155℃となるよう加熱しコントロールされた槽内にて、延伸速度が300%/分で、フィルム幅方向に2.5倍の延伸倍率になるようテンター式の横延伸機による一軸延伸をして、位相差R0が138nm、R0のばらつきが±5nmかつ光軸がフィルム幅方向に対して0±2度の環状オレフィン系樹脂フィルムからなる厚み100μmのフィルムB−1bを得た。当該フィルムの予め表面賦形された面の表面形状をザイゴ(株)非接触三次元表面形状・粗さ測定機により調べたところ、凸部をもつ畝形状であって、dH/dLが最大で0.01であり、畝の長さ方向と直交する断面における表面を示す線が、高さ2μm、ピッチ130μmの波状の曲線であった。
作製例4にて得られた環状オレフィン系樹脂フィルムA−1aを、風向制御板を設けた延伸炉内で表面賦形された反対面が145℃になるよう加熱し、遠赤外ヒーターを用いて表面賦形された面が155℃となるよう加熱しコントロールされた槽内にて、延伸速度が300%/分で、フィルム幅方向に2.5倍の延伸倍率になるようテンター式の横延伸機による一軸延伸をして、位相差R0が138nm、R0のばらつきが±5nmかつ光軸がフィルム幅方向に対して0±2度の環状オレフィン系樹脂フィルムからなる厚み100μmのフィルムB−1bを得た。当該フィルムの予め表面賦形された面の表面形状をザイゴ(株)非接触三次元表面形状・粗さ測定機により調べたところ、凸部をもつ畝形状であって、dH/dLが最大で0.01であり、畝の長さ方向と直交する断面における表面を示す線が、高さ2μm、ピッチ130μmの波状の曲線であった。
[製造例8](透明樹脂からなるフィルムB−2bの製造)
環状オレフィン系樹脂フィルムA−1aに替えて、環状オレフィン系樹脂フィルム作製例5で得られたA−2aを用いた以外は製造例7と同様にして、環状オレフィン系樹脂フィルムからなる厚み100μmのフィルムB−2bを得た。当該フィルムのR0は138nm、R0のばらつきが±5nmかつ光軸がフィルム幅方向に対して0±2度であり、当該フィルムの予め表面賦形された面の表面形状をザイゴ(株)非接触三次元表面形状・粗さ測定機により調べたところ、凸部をもつ畝形状であって、畝の長さ方向の畝と畝との間隔が50μmであり、dH/dLが最大で0.02であり、畝の長さ方向と直交する断面における表面を示す線が、高さ2μm、ピッチ130μmの曲線であった。
環状オレフィン系樹脂フィルムA−1aに替えて、環状オレフィン系樹脂フィルム作製例5で得られたA−2aを用いた以外は製造例7と同様にして、環状オレフィン系樹脂フィルムからなる厚み100μmのフィルムB−2bを得た。当該フィルムのR0は138nm、R0のばらつきが±5nmかつ光軸がフィルム幅方向に対して0±2度であり、当該フィルムの予め表面賦形された面の表面形状をザイゴ(株)非接触三次元表面形状・粗さ測定機により調べたところ、凸部をもつ畝形状であって、畝の長さ方向の畝と畝との間隔が50μmであり、dH/dLが最大で0.02であり、畝の長さ方向と直交する断面における表面を示す線が、高さ2μm、ピッチ130μmの曲線であった。
[製造例9](透明樹脂からなるフィルムB−3bの製造)
環状オレフィン系樹脂フィルムA−1aに替えて、環状オレフィン系樹脂フィルム作製例6で得られたA−3aを用い、ニップロールを使用した縦一軸延伸機を用いた以外は製造例7と同様にして、環状オレフィン系樹脂フィルムからなる厚み130μmのフィルムB−3bを得た。当該フィルムのR0は138nm、R0のばらつきが±5nmかつ光軸がフィルム長手方向に対して0±2度であり、当該フィルムの予め表面賦形された面の表面形状をザイゴ(株)非接触三次元表面形状・粗さ測定機により調べたところ、幅920μm、長さ5000μm、高さ1μm、格子の幅が延伸方向と平行な方向で108μm、それと垂直な方向で250μmの平面形状が方形の凸部を海島状に有し、dH/dLが最大で0.02であり、縦断面に現れる凸部を示す線が曲率半径15000μmのエッジ部を有する曲線状であった。
環状オレフィン系樹脂フィルムA−1aに替えて、環状オレフィン系樹脂フィルム作製例6で得られたA−3aを用い、ニップロールを使用した縦一軸延伸機を用いた以外は製造例7と同様にして、環状オレフィン系樹脂フィルムからなる厚み130μmのフィルムB−3bを得た。当該フィルムのR0は138nm、R0のばらつきが±5nmかつ光軸がフィルム長手方向に対して0±2度であり、当該フィルムの予め表面賦形された面の表面形状をザイゴ(株)非接触三次元表面形状・粗さ測定機により調べたところ、幅920μm、長さ5000μm、高さ1μm、格子の幅が延伸方向と平行な方向で108μm、それと垂直な方向で250μmの平面形状が方形の凸部を海島状に有し、dH/dLが最大で0.02であり、縦断面に現れる凸部を示す線が曲率半径15000μmのエッジ部を有する曲線状であった。
[製造例10](透明樹脂からなるフィルムB−4bの製造)
環状オレフィン系樹脂フィルムA−3aに替えて、環状オレフィン系樹脂フィルム作製例7で得られたA−4aを用いた以外は製造例9と同様にして、環状オレフィン系樹脂フィルムからなる厚み130μmのフィルムB−4bを得た。当該フィルムのR0は138nm、R0のばらつきが±5nmかつ光軸がフィルム長手方向に対して0±2度であり、当該フィルムの予め表面賦形された面の表面形状をザイゴ(株)非接触三次元表面形状・粗さ測定機により調べたところ、幅720μm、長さ5000μm、高さ1μmの平面形状が楕円状の凸部を海島状に有し、dH/dLが最大で0.01であり、縦断面に現れる凸部を示す線が曲率半径15000μmのエッジ部を有する曲線状であった。
環状オレフィン系樹脂フィルムA−3aに替えて、環状オレフィン系樹脂フィルム作製例7で得られたA−4aを用いた以外は製造例9と同様にして、環状オレフィン系樹脂フィルムからなる厚み130μmのフィルムB−4bを得た。当該フィルムのR0は138nm、R0のばらつきが±5nmかつ光軸がフィルム長手方向に対して0±2度であり、当該フィルムの予め表面賦形された面の表面形状をザイゴ(株)非接触三次元表面形状・粗さ測定機により調べたところ、幅720μm、長さ5000μm、高さ1μmの平面形状が楕円状の凸部を海島状に有し、dH/dLが最大で0.01であり、縦断面に現れる凸部を示す線が曲率半径15000μmのエッジ部を有する曲線状であった。
[製造例11](透明樹脂からなるフィルムB−5bの製造)
環状オレフィン系樹脂フィルムA−1aに替えて、市販のポリカーボネート樹脂からなるプリズム表面賦形フィルム(五洋紙工株式会社製、GTL5000F、厚み240μm、ガラス転移温度125℃)を用い、表面賦形された面が155℃、反対面が140℃となるようにしたこと以外は製造例7と同様にして、ポリカーボネート樹脂からなる厚み100μmのフィルムB−5bを得た。当該フィルムのR0は140nm、R0のばらつきが±7nmかつ光軸がフィルム幅方向に対して±3度であり、当該フィルムの予め表面賦形された面の表面形状をザイゴ(株)非接触三次元表面形状・粗さ測定機により調べたところ、凸部をもつ畝形状であって、dH/dLが最大で0.02であり、畝の長さ方向と直交する断面における表面を示す線が、高さ2μm、ピッチ130μmの波状の曲線であった。
環状オレフィン系樹脂フィルムA−1aに替えて、市販のポリカーボネート樹脂からなるプリズム表面賦形フィルム(五洋紙工株式会社製、GTL5000F、厚み240μm、ガラス転移温度125℃)を用い、表面賦形された面が155℃、反対面が140℃となるようにしたこと以外は製造例7と同様にして、ポリカーボネート樹脂からなる厚み100μmのフィルムB−5bを得た。当該フィルムのR0は140nm、R0のばらつきが±7nmかつ光軸がフィルム幅方向に対して±3度であり、当該フィルムの予め表面賦形された面の表面形状をザイゴ(株)非接触三次元表面形状・粗さ測定機により調べたところ、凸部をもつ畝形状であって、dH/dLが最大で0.02であり、畝の長さ方向と直交する断面における表面を示す線が、高さ2μm、ピッチ130μmの波状の曲線であった。
[製造例12](透明樹脂からなるフィルムB−6bの製造)
環状オレフィン系樹脂フィルムA−1aに替えて、環状オレフィン系樹脂フィルム作製例8で得られたA−5aを用いた以外は製造例7と同様にして、環状オレフィン系樹脂フィルムからなる厚み100μmのフィルムB−6bを得た。当該フィルムのR0は138nm、R0のばらつきが±5nmかつ光軸がフィルム幅方向に対して0±2度であり、ザイゴ(株)非接触三次元表面形状・粗さ測定機により調べたところ、当該フィルムの表面は平滑であり、dH/dLが概ね0であった。
環状オレフィン系樹脂フィルムA−1aに替えて、環状オレフィン系樹脂フィルム作製例8で得られたA−5aを用いた以外は製造例7と同様にして、環状オレフィン系樹脂フィルムからなる厚み100μmのフィルムB−6bを得た。当該フィルムのR0は138nm、R0のばらつきが±5nmかつ光軸がフィルム幅方向に対して0±2度であり、ザイゴ(株)非接触三次元表面形状・粗さ測定機により調べたところ、当該フィルムの表面は平滑であり、dH/dLが概ね0であった。
[実施例13](導電性積層フィルムC−1cの製造)
フィルムB−1bにおける凸を有する面に、大気中で50W・min/m2のコロナ放電処理を行った。
フィルムB−1bにおける凸を有する面に、大気中で50W・min/m2のコロナ放電処理を行った。
その表面に、アルゴンガス流入下でインジウムと錫とを含んだターゲットを用いて、下記の条件により透明導電層をスパッタリング法により形成し、導電性積層フィルムC−1cを得た。得られた導電性積層フィルムC−1cの透明導電層における表面抵抗値を測定したところ、550Ω/□であった。各種物性を測定および評価した結果を表4に示す。
(条件)
基材温度:50℃以下
ターゲット:ITO(In2O3/SnO2=90/10(重量比))
雰囲気:アルゴン流入下
アルゴン流量:100〜500sccm
出力:1〜1.5Kw
透明導電層の厚み:55nm
[実施例14](導電性積層フィルムC−2cの製造)
UV硬化樹脂(JSR(株)製 デソライトKZ−9136)を、グラビアリバース法にて、フィルム製造例8により得られたフィルムB−2bの凸を有する面に塗布後、1J/cm2の紫外線を照射して硬化させた。このフィルムのUV硬化樹脂膜上に実施例13と同様の条件でスパッタリングを行い、透明導電層を形成し、導電性積層フィルムC−2cを得た。各種物性を測定および評価した結果を表4に併せて示す。
基材温度:50℃以下
ターゲット:ITO(In2O3/SnO2=90/10(重量比))
雰囲気:アルゴン流入下
アルゴン流量:100〜500sccm
出力:1〜1.5Kw
透明導電層の厚み:55nm
[実施例14](導電性積層フィルムC−2cの製造)
UV硬化樹脂(JSR(株)製 デソライトKZ−9136)を、グラビアリバース法にて、フィルム製造例8により得られたフィルムB−2bの凸を有する面に塗布後、1J/cm2の紫外線を照射して硬化させた。このフィルムのUV硬化樹脂膜上に実施例13と同様の条件でスパッタリングを行い、透明導電層を形成し、導電性積層フィルムC−2cを得た。各種物性を測定および評価した結果を表4に併せて示す。
[実施例15](導電性積層フィルムC−3cの製造)
フィルムB−1bに替えて、フィルムB−3bを用いた以外は実施例13と同様にして導電性積層フィルムC−3cを得た。各種物性を測定および評価した結果を表4に併せて示す。
フィルムB−1bに替えて、フィルムB−3bを用いた以外は実施例13と同様にして導電性積層フィルムC−3cを得た。各種物性を測定および評価した結果を表4に併せて示す。
[実施例16](導電性積層フィルムC−4cの製造)
フィルムB−1bに替えて、フィルムB−4bを用いた以外は実施例13と同様にして導電性積層フィルムC−4cを得た。各種物性を測定および評価した結果を表4に併せて示す。
フィルムB−1bに替えて、フィルムB−4bを用いた以外は実施例13と同様にして導電性積層フィルムC−4cを得た。各種物性を測定および評価した結果を表4に併せて示す。
[実施例17](導電性積層フィルムC−5cの製造)
フィルムB−1bに替えて、フィルムB−5bを用いた以外は実施例13と同様にして導電性積層フィルムC−5cを得た。各種物性を測定および評価した結果を表4に併せて示す。
フィルムB−1bに替えて、フィルムB−5bを用いた以外は実施例13と同様にして導電性積層フィルムC−5cを得た。各種物性を測定および評価した結果を表4に併せて示す。
[比較例5](導電性積層フィルムC−6cの製造)
フィルムB−1bに替えて、環状オレフィン系樹脂フィルムA−1aを用いた以外は実施例13と同様にして導電性積層フィルムC−6cを得た。各種物性を測定および評価した結果を表4に併せて示す。
フィルムB−1bに替えて、環状オレフィン系樹脂フィルムA−1aを用いた以外は実施例13と同様にして導電性積層フィルムC−6cを得た。各種物性を測定および評価した結果を表4に併せて示す。
[比較例6](導電性積層フィルムC−7cの製造)
フィルムB−1bに替えて、環状オレフィン系樹脂フィルムA−5aを用いた以外は実施例13と同様にして導電性積層フィルムC−7cを得た。各種物性を測定および評価した結果を表4に示す。
フィルムB−1bに替えて、環状オレフィン系樹脂フィルムA−5aを用いた以外は実施例13と同様にして導電性積層フィルムC−7cを得た。各種物性を測定および評価した結果を表4に示す。
[実施例18](タッチパネルの作製)
実施例1で得られた導電性積層フィルムC−1cを下部電極として、188μmのPETフィルムに実施例13と同様の方法でITOをスパッタリングして得られたフィルムを上部電極とした。この2枚を、透明導電膜面が対向するように、スペーサーを介して重ね合わせ、液晶表示素子上に配置して、本発明のタッチパネルを得た。その構成を図5に示す。得られたタッチパネルについて、コントラストと視認性、アンチニュートンリング性と筋状の線、ならびに打鍵耐久性評価や手触り性評価を行った。結果を表5に示す。
実施例1で得られた導電性積層フィルムC−1cを下部電極として、188μmのPETフィルムに実施例13と同様の方法でITOをスパッタリングして得られたフィルムを上部電極とした。この2枚を、透明導電膜面が対向するように、スペーサーを介して重ね合わせ、液晶表示素子上に配置して、本発明のタッチパネルを得た。その構成を図5に示す。得られたタッチパネルについて、コントラストと視認性、アンチニュートンリング性と筋状の線、ならびに打鍵耐久性評価や手触り性評価を行った。結果を表5に示す。
[実施例19](偏光板、タッチパネルの作製)
フィルムB−6bに実施例13と同様の方法でITOをスパッタリングして形成した導電性位相差フィルムの透明導電膜の反対側に、調製例2で得られた混合接着剤を塗工し、作製例9で作製した偏光膜に当接するように積層させ上部電極とした。なおその際、偏光膜の吸収軸と導電性積層フィルムにおける位相差フィルムの光軸とが、45°の角度をなすように貼り合わせた。
フィルムB−6bに実施例13と同様の方法でITOをスパッタリングして形成した導電性位相差フィルムの透明導電膜の反対側に、調製例2で得られた混合接着剤を塗工し、作製例9で作製した偏光膜に当接するように積層させ上部電極とした。なおその際、偏光膜の吸収軸と導電性積層フィルムにおける位相差フィルムの光軸とが、45°の角度をなすように貼り合わせた。
実施例14で得られた導電性積層フィルムC−2cを下部電極として、この2枚を、透明導電膜面が対向するように、スペーサーを介して重ね合わせ、液晶表示素子上に配置して、本発明のタッチパネルを得た。その構成を図6に示す。
この時、液晶表示素子の偏光軸を45°方向とし、下部電極の位相差フィルムの光軸を0°方向とし、畝形状の軸を35°方向とし、上部電極の位相差フィルムの光軸を90°方向とし、偏光板の光軸を45°となるように配置した。
得られたタッチパネルについて、コントラストとアンチニュートンリング性と視認性を評価した。結果を表5に示す。
[実施例20](タッチパネルの作製)
導電性積層フィルムC−1cに替えて導電性積層フィルムC−3cを使用した以外は実施例18と同様にして、各種評価を行った。結果を表5に併せて示す。
導電性積層フィルムC−1cに替えて導電性積層フィルムC−3cを使用した以外は実施例18と同様にして、各種評価を行った。結果を表5に併せて示す。
[実施例21](偏光板、タッチパネルの作製)
導電性積層フィルムC−2cに替えて導電性積層フィルムC−4cを使用した以外は実施例19と同様にして、各種評価を行った。結果を表5に併せて示す。
導電性積層フィルムC−2cに替えて導電性積層フィルムC−4cを使用した以外は実施例19と同様にして、各種評価を行った。結果を表5に併せて示す。
[実施例22](タッチパネルの作製)
導電性積層フィルムC−1cに替えて導電性積層フィルムC−5cを使用した以外は実施例18と同様にして、各種評価を行った。結果を表5に併せて示す。
導電性積層フィルムC−1cに替えて導電性積層フィルムC−5cを使用した以外は実施例18と同様にして、各種評価を行った。結果を表5に併せて示す。
[比較例7](タッチパネルの作製)
導電性積層フィルムC−1cに替えて導電性積層フィルムC−6cを用いた以外は、実施例18と同様にしてタッチパネルを得た。得られたタッチパネルについて、各種評価を行った。結果を表5に併せて示す。
導電性積層フィルムC−1cに替えて導電性積層フィルムC−6cを用いた以外は、実施例18と同様にしてタッチパネルを得た。得られたタッチパネルについて、各種評価を行った。結果を表5に併せて示す。
[比較例8](タッチパネルの作製)
導電性積層フィルムC−1cに替えて導電性積層フィルムC−7cを用いた以外は、実施例18と同様にしてタッチパネルを得た。得られたタッチパネルについて、各種評価を行った。結果を表5に併せて示す。
導電性積層フィルムC−1cに替えて導電性積層フィルムC−7cを用いた以外は、実施例18と同様にしてタッチパネルを得た。得られたタッチパネルについて、各種評価を行った。結果を表5に併せて示す。
本発明の導電性積層フィルムは、液晶ディスプレイやタッチパネルなどのディスプレイの透明電極として好適に用いることができ、タッチパネル用途、なかでも表示装置用のタッチパネル用途に特に好適である。本発明のタッチパネルは、液晶表示素子などの各種表示装置用のタッチパネルとして有用であり、たとえば、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ノートPC、OA機器、医療機器、あるいはカーナビゲーションシステム等の電子機器のタッチパネルとして好適に用いることができる。
Claims (21)
- 透明樹脂からなるフィルム(I)に透明導電層(III)が積層されてなる導電性積層フィルムであって、透明導電層(III)側の表面部が複数の凸部を有しており、表面が曲面で形成されている、複数の凸部を含む部位を有することを特徴とする導電性積層フィルム。
- 前記複数の凸部が畝状に形成され、且つ前記凸部が蛇行していることを特徴とする請求項1に記載の導電性積層フィルム。
- 前記複数の凸部が畝状に形成され、且つ前記凸部の伸長方向において前記凸部の高さが変動を持つことを特徴とする請求項1に記載の導電性積層フィルム。
- 前記複数の凸部が設けられた位置および複数の凸部の高さの変化に規則性がないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性積層フィルム。
- 前記フィルム(I)と透明導電層(III)との間に、硬化性樹脂組成物よりなる樹脂層(II)を持つことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の導電性積層フィルム。
- 樹脂層(II)において、その透明導電層(III)側の表面部に、複数の凸部が畝状に形成され、その畝の長さ方向と直交する面における断面における、前記凸部が形成された表面を表わす線が波状の曲線であることを特徴とする請求項5に記載の導電性積層フィルム。
- 前記波状の曲線が、規則的な周期を有する波状の曲線であることを特徴とする請求項6に記載の導電性積層フィルム。
- 前記畝状に形成された複数の凸部がその長さ方向に蛇行していることを特徴とする請求項6または7に記載の導電性積層フィルム。
- 前記畝状に形成された複数の凸部がその長さ方向に沿って規則的な周期で蛇行していることを特徴とする請求項8に記載の導電性積層フィルム。
- 前記樹脂層(II)において、凸部の最大高さが0.1〜10μmであり、凸部が形成する畝の周期が100〜5000μmの範囲であることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の導電性積層フィルム。
- 前記凸部が、フィルム面から垂直方向に見て海島状に存在していることを特徴とする請求項1に記載の導電性積層フィルム。
- 前記フィルム(I)と透明導電層(III)との間に、硬化性樹脂組成物よりなる樹脂層(II)を持つことを特徴とする、請求項11に記載の導電性積層フィルム。
- 前記フィルム(I)が、延伸加工により得られたフィルムであることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の導電性積層フィルム。
- 前記フィルム(I)が、波長550nmの透過光に対する面内位相差が128〜148nmの範囲にある位相差フィルムであることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の導電性積層フィルム。
- 前記フィルム(I)が、環状オレフィン系樹脂およびポリカーボネート樹脂の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の導電性積層フィルム。
- 前記フィルム(I)は、環状オレフィン系樹脂を含み、
前記環状オレフィン系樹脂は、下記式(1)で表される単量体の少なくとも1種を(共)重合して得られることを特徴とする請求項16に記載の導電性積層フィルム。
(i)それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または酸素、窒素、イオウもしくはケイ素を含有していてもよい1価の有機基、(ii)R1とR2、R3とR4が、それぞれ結合したアルキリデン基、(iii)R1とR2、R3とR4、R2とR3が、それぞれ結合した単環または多環の炭素環もしくは複素環。) - 前記樹脂層(II)がUV硬化性樹脂組成物により形成されていることを特徴とする請求項5〜10および12のいずれかに記載の導電性積層フィルム。
- 透明導電層(III)が、結晶性ITOにより形成されていることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の導電性積層フィルム。
- 請求項1〜19のいずれかに記載の導電性積層フィルムを有することを特徴とするタッチパネル。
- 請求項1〜19のいずれかに記載の導電性積層フィルムと、透明導電層、位相差フィルム、および偏光板がこの順に積層されてなる導電性積層フィルムとを有することを特徴とするタッチパネル。
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