JP6828260B2 - 熱転写受像シート - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写方式のプリンタに使用される熱転写受像シ−トに関する。
熱転写記録媒体は、一般に熱転写方式のプリンタに使用されるインクリボンを指し、サ−マルリボンとも呼ばれる。一般的な熱転写記録媒体は、基材の一方の面に熱転写層を、他方の面に耐熱滑性層(バックコ−ト層)をそれぞれ設けた構成を有する。通常熱転写層は、インクの層であって、プリンタのサ−マルヘッドに発生する熱によって、インクが昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)され、熱転写受像シ−ト側に転写される。
熱転写方式の一つである昇華転写方式は、プリンタの高機能化と合わせて各種画像を簡便にフルカラ−形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書等のカ−ド類、アミュ−ズメント用出力物等に広く利用されている。用途の多様化と共に、小型化、高速化、低コスト化、また得られる印画物の耐久性向上を求める声も大きくなっており、近年では、基材の同じ側に、印画物への耐久性を付与する保護層が互いに重ならないように設けられた複数の熱転写層を有する熱転写記録媒体が普及してきている。
昇華転写用の熱転写受像シートとしては、基材シート上に、空隙を有する樹脂層および染料受容層をこの順に積層形成したものが一般的である。空隙を有する樹脂層は、サーマルヘッドからの熱印加時の断熱性、およびクッション性を熱転写受像シートに付与するために必要不可欠である。しかし、空隙を有する樹脂層は熱収縮し易いため、印画後に受像層側が凹面となるように熱転写受像シートがカールする(以下、「凹カール」と称する。)ことがある。印画後の凹カールが大きくなると、印画物の外観を損ねるだけでなく、プリンタから排出された熱転写受像シート同士が接触し、排紙整列性へも悪影響を及ぼす。
上述した問題に関連して、例えば特許文献1には、基材シートと、基材シートの一方の面に多孔質層と染料受容層とをこの順に有してなる熱転写シートであって、多孔質層が30μm未満の厚さを有し、かつポリプロピレン樹脂を含む多孔質層フィルムからなる熱転写受像シ−トが提案されている。
特開2012−158121号公報
しかしながら、発明者らが特許文献1に記載の熱転写受像シ−トを用いて検討したところ、詳細は後述するが、低温低湿環境下において印画後に生じる凹カールを十分抑制できないことが分かった。
上記事情を踏まえ、本発明は、低温低湿環境下でも印画後に生じる凹カールを好適に抑制できる熱転写受像シ−トを提供することを目的とする。
本発明は、シート状の基材と、
前記基材の第一面上に形成された第一ポリオレフィン樹脂層と、
前記基材において、前記第一面と反対側の第二面上に形成された第二ポリオレフィン樹脂層と、
前記第一ポリオレフィン樹脂層上に形成された、複数の空隙を有する多孔質層と、
前記多孔質層上に形成された染料受容層と、
を備え、
JIS Z 2255により測定した前記第一ポリオレフィン樹脂層の超微小負荷硬さ
Aと、JIS Z 2255により測定した前記第二ポリオレフィン樹脂層の超微小負荷硬さBとの比率A/Bが、1.3以上であり、
前記第一ポリオレフィン樹脂層および前記第二ポリオレフィン樹脂層が、いずれも低密度ポリエチレン(LDPE)で形成され、前記第一ポリオレフィン樹脂層の結晶化度が前記第二ポリオレフィン樹脂層の結晶化度よりも高い、
熱転写受像シ−トである。
前記第一ポリオレフィン樹脂層は、(JIS K 6748:1995)に定義される高密度ポリエチレンを含んで形成されてもよい。
本発明の熱転写受像シ−トによれば、低温低湿環境下でも印画後に生じる凹カールを好適に抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る熱転写受像シートを模式的に示す断面図である。
本発明の一実施形態について、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態の熱転写受像シート1を示す図である。熱転写受像シート1は、シート状の基材10と、基材10の第一面10aに設けられた第一ポリオレフィン樹脂層21と、基材10において、第一面10aと反対側の第二面10bに設けられた第二ポリオレフィン樹脂層22と、第一ポリオレフィン樹脂層21上に設けられた多孔質層30と、多孔質層30上に設けられた染料受容層40とを備えている。
基材10としては、公知のものを使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレ−ト(PEN)等のポリエステル、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムや、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、樹脂ラミネート紙等の紙類等が挙げられる。樹脂フィルムおよび紙類は、単独で用いられてもよいし、両者が組み合わされた複合体が基材10とされてもよい。
基材10の厚さについては、印画物としてのコシ、強度や耐熱性等を考慮すると、25マイクロメートル(μm)以上250μm以下の範囲のものが使用可能である。より好ましくは、50μm以上200μm以下程度の厚さが好ましい。
多孔質層30は、多数の空隙を有しており、サーマルヘッドからの熱印加時の断熱性、およびクッション性等を熱転写受像シート1に付与する。多孔質層30を形成する樹脂としては、特に限定されるものではなく、公知の樹脂材料を適宜選択することができる。断熱性とクッション性の観点からは、発泡ポリエステル樹脂や発泡ポリスチレン樹脂等が好ましい。
多孔質層30の厚さは、10μm以上80μm以下であればよいが、20μm以上60μm以下程度がより好ましい。
染料受容層40としては、公知の各種バインダ樹脂を用いることができる。バインダ樹脂の一例として、塩化ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、塩化ビニル−アクリル−エチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル−スチレン共重合体等を挙げることができる。これらは単独で使用されてもよいし、2種以上が混合されて使用されてもよい。
染料受容層40の厚さは、0.1μm以上10μm以下であればよいが、0.2μm以上8μm以下程度がより好ましい。また、染料受容層40は、必要に応じて造膜助剤、離型剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、架橋剤、蛍光染料等の公知の各種添加剤を含有してもよい。
第一ポリオレフィン樹脂層21および第二ポリオレフィン樹脂層22の材料となる樹脂は、成形性の観点から低密度ポリエチレン(LDPE)を主成分として含むことが好ましい。
第一ポリオレフィン樹脂層21の硬度は、第二ポリオレフィン樹脂層22よりも高い。具体的には、JIS Z 2255に基づいて計測した第一ポリオレフィン樹脂層21の超微小負荷硬さをAとし、JIS Z 2255に基づいて計測した第二ポリオレフィン樹脂層22の超微小負荷硬さをBとしたときに、A/Bが1.3以上になるよう、それぞれの硬度が設定されている。
上述の硬度設定は、様々な方法で実現することが可能である。第一ポリオレフィン樹脂層21と第二ポリオレフィン樹脂層22とを同一の樹脂材料で形成する場合の方法としては、第一ポリオレフィン樹脂層21のみにエージング処理を施し、結晶化度を高くする方法が例示できる。例えば、基材10の第一面10a上に第一ポリオレフィン樹脂層21となる樹脂材料を溶融押し出しし、第二ポリオレフィン樹脂層22となる樹脂材料を溶融押し出しする前にエージングを行ってもよい。
第一ポリオレフィン樹脂層21と第二ポリオレフィン樹脂層22とを異なる樹脂材料で形成する場合の方法として、第一ポリオレフィン樹脂層21の樹脂材料に高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のLDPE以外の樹脂を加える方法や、より硬度の高いLDPEで第一ポリオレフィン樹脂層21を形成する方法等が例示できる。LDPE以外の樹脂を加える場合は、LDPE以外の樹脂の比率が一定以上になると、多孔質層30と第一ポリオレフィン樹脂層21との密着性が損なわれる可能性があることに留意する。
上記のように構成された熱転写受像シート1の作用について説明する。
熱転写受像シート1において、多数の空隙を含む多孔質層30は、断熱効果やクッション効果等の重要な機能を発揮する層である。その反面、空隙を含まない樹脂層に比して熱収縮率が大きい。多孔質層30が熱収縮を起こすと、基材10の第一面10a上に形成された多孔質層30が収縮する際に発生する力が基材10を撓ませるように作用する。その結果、熱転写受像シート1は、第一面10a側が凹となるようにカールする。これが凹カールである。
熱転写受像シートの含水量は、凹カール現象の発生の有無および程度に影響を与える。熱転写受像シートが含有する水分の一部は、印画時にサーマルヘッドから印加される熱によって気化する。例えば、40℃90%RHのような高温高湿下に熱転写受像シートを保管・印画した場合、室温保管時と比較して含水量が増え、印画時に発生する気化熱は大きくなる。この気化熱の発生によって多孔質層にかかる実効熱量は低下するため、熱収縮、および凹カールは低減する。一方、例えば5℃20%RHのような低温低湿下に熱転写受像シートを保管・印画した場合、含水量が低下し、印画時に発生する気化熱が少なくなるため、多孔質層にかかる実効熱量は増加する。その結果、多孔質層30の熱収縮、および凹カールは顕著となる。
本実施形態の熱転写受像シート1では、基材の両面に設けられたポリオレフィン樹脂層のうち、より硬度が高い第一ポリオレフィン樹脂層21が多孔質層30の直下に位置している。したがって、多孔質層30が収縮しようとする力に硬度の高い第一ポリオレフィン樹脂層21が抗するため、多孔質層22の熱収縮が抑制される結果、凹カールが抑制される。
さらに、第二面10b上に形成された第二ポリオレフィン樹脂層22は、第一ポリオレフィン樹脂層21よりも相対的に硬度が低い。したがって、第二ポリオレフィン樹脂層22の熱収縮量は第一ポリオレフィン樹脂層21の熱収縮量よりも大きくなる。その結果、第二ポリオレフィン樹脂層22が収縮すると、収縮する際に発生する力は基材10を撓ませるように作用する。この力は、第二面10b側が凹となるように基材10をカールさせる力であるため、上述した凹カールに対しては、抑制するように作用する。
以上説明したように、本実施形態の熱転写受像シート1によれば、基材10の両面に設けられた第一ポリオレフィン樹脂層21と第二ポリオレフィン樹脂層22において、JIS Z 2255に基づいて計測した第一ポリオレフィン樹脂層21の超微小負荷硬さが、JIS Z 2255に基づいて計測した第二ポリオレフィン樹脂層22の超微小負荷硬さの1.3倍以上に設定されている。その結果、第一ポリオレフィン樹脂層21および第二ポリオレフィン樹脂層22が、それぞれ異なる機序で凹カールの発生を抑制するように作用する。したがって、低温低湿環境下であっても、印画後の凹カールを好適に抑制することができる。
本実施形態の熱転写受像シートにおいては、多孔質層30と染料受容層40との間に下引き層が設けられてもよい。下引き層は、多孔質層30と染料受容層40との密着性向上や、印画後の熱転写受像シートの保存性向上等を目的とする。
下引き層の材料としては、目的を考慮しつつ、公知の各種材料から選択して用いることができる。例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、およびこれら樹脂の共重合体等を挙げることができる。上述した材料は、単独で用いられてもよいし、2種以上を混合して用いられてもよい。
下引き層の厚さは、0.1μm以上3μm以下であればよいが、0.2μm以上1.0μm以下程度が好ましい。
また、第二ポリオレフィン樹脂層22上に補助樹脂層が形成されてもよい。補助樹脂層を形成することにより、プリンタ内における熱転写受像シートの搬送性向上、染料受容層40とのブロッキング防止等の効果を得ることができる。補助樹脂層の材質は、発揮させようとする機能を考慮しつつ、公知の樹脂材料から選択することができる。例えば、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド等のバインダ樹脂などが挙げられる。補助樹脂層には、必要に応じてフィラーや帯電防止剤等の、公知の各種添加剤が加えられてもよい。
次に、本発明の熱転写受像シートについて、実施例を用いてさらに説明する。以下の説明において、「部」とは、特に断りのない限り質量基準である。また、本発明は実施例の説明により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
基材10として厚さ140μmの上質紙を使用した。厚さ20μmの片面コロナ処理された発泡ポリプロピレンフィルム(多孔質層30)のコロナ処理面側に、低密度ポリエチレン樹脂(LC525、日本ポリエチレン(株)製)を溶融押し出しして第一ポリオレフィン樹脂層21を形成し、サンドウィッチラミネーション(以下、「サンドラミ」)にて基材10の第一面10aと第一ポリオレフィン樹脂層21とを貼り合わせた。第一ポリオレフィン樹脂層21の厚さは20μmとした。
次に、厚さ40μmの片面コロナ処理されたポリプロピレンフィルム(補助樹脂層)のコロナ処理面側に、低密度ポリエチレン樹脂(LC600A、日本ポリエチレン(株)製)を溶融押し出しして第二ポリオレフィン樹脂層22を形成し、サンドラミにて基材10の第二面10bと第二ポリオレフィン樹脂層22とを貼り合わせた。第二ポリオレフィン樹脂層22の厚さは20μmとした。
さらに、多孔質層30の上面にコロナ処理を施し、下記組成の下引き層塗布液を、乾燥後の厚さが0.5μmとなるように塗布後、乾燥して下引き層を形成した。更に、下引き層の上に、下記組成の染料受容層塗布液を、乾燥後の厚さが2μmとなるように塗布後、乾燥して染料受容層40を形成し、実施例1の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液>
塩化ビニル共重合体エマルション 20.0部
(ビニブラン278、日信化学工業(株)製)
ポリビニルピロリドン 20.0部
(ピッツコール K−90、第一工業製薬(株)製)
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 4.0部
純水 56.0部
<染料受容層塗布液>
塩化ビニル−アクリル共重合体エマルション 72.0部
(ビニブラン747、日信化学工業(株)製)
ポリエーテル変性シリコーン 3.0部
(X−22−4515、信越化学工業(株)製)
純水 25.0部
(実施例2)
実施例1の熱転写受像シ−トにおいて、第一ポリオレフィン樹脂層21の材料を、上述のLC600Aと高密度ポリエチレン樹脂(HF560、日本ポリエチレン(株)製)とを1:1の重量比率で混合した混合材料に変更した。それ以外は実施例1と同様の手順により、実施例2の熱転写受像シートを得た。
(実施例3)
実施例1の熱転写受像シ−トにおいて、第一ポリオレフィン樹脂層21の材料をLC600Aに変更した。さらに、基材10の第一面10aと第一ポリオレフィン樹脂層21とを貼り合わせた直後に、50℃環境下にて48時間エージングを施した。それ以外は実施例1と同様の手順により、実施例3の熱転写受像シートを得た。
(比較例1)
LC600Aを用いて第一ポリオレフィン樹脂層21を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱転写受像シートを得た。
(比較例2)
LC600Aを用いて第一ポリオレフィン樹脂層21を形成し、上述のLC525を用いて第二ポリオレフィン樹脂層22を形成した以外は、実施例1と同様の手順により、比較例2の熱転写受像シートを得た。
(比較例3)
上述の混合材料を用いて第一ポリオレフィン樹脂層21および第二ポリオレフィン樹脂層22を形成した以外は、実施例1と同様の手順により、比較例3の熱転写受像シートを得た。
次に、各例の評価に使用する熱転写記録媒体の製造手順について説明する。
(評価用熱転写記録媒体の作製)
基材として、4.5μmの片面易接着処理付きPETフィルムを使用し、その非易接着処理面に下記組成の耐熱滑性層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布後、乾燥し、耐熱滑性層付き基材を得た。
<耐熱滑性層塗布液>
シリコ−ン系アクリルグラフトポリマー 50.0部
(東亜合成(株)US−350)
メチルエチルケトン 50.0部
次に、耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の染料層塗布液を、イエロー層形成用インキ、マゼンタ層形成用インキ、シアン層形成用インキの順に、いずれも乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布後、乾燥して熱転写層を形成した。
<染料層塗布液>
〔イエロー層形成用インキ〕
・イエロー染料 5.0部
・ブチラール樹脂 5.0部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
〔マゼンタ層形成用インキ〕
・マゼンタ染料 5.0部
・ブチラール樹脂 5.0部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
〔シアン層形成用インキ〕
・シアン染料 5.0部
・ブチラール樹脂 5.0部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
次に、シアン層と次のイエロー層との間の領域に、下記組成の保護層塗布液を、離型層形成用インキ、剥離層形成用インキの順に、いずれも乾燥後の塗布量がそれぞれ0.3g/mと1.0g/mとなるように塗布後、乾燥して熱転写層を形成し、評価用熱転写記録媒体を得た。
<保護層塗布液>
〔離型層形成用インキ〕
・セルロース誘導体 30.0部
・トルエン 35.0部
・メチルエチルケトン 35.0部
・シリコーン微粒子(平均粒子径:2.0μm) 1.0部
〔剥離層形成用インキ〕
・変性アクリル樹脂 30.0部
・トルエン 35.0部
・メチルエチルケトン 35.0部
次に、各例の評価方法の詳細について説明する。
<超微小負荷硬さ試験>
実施例1、2、および比較例1、2の各例の各熱転写受像シートの断面サンプルを作製し、第一ポリオレフィン樹脂層21および第二ポリオレフィン樹脂層22の超微小負荷硬さを、走査型プローブ顕微鏡(AFM5400L、(株)日立ハイテクサイエンス製)を用いてJIS Z 2255に基づき測定した。
<印画後カール評価>
(1.室温環境)
各例の熱転写受像シ−トおよび評価用熱転写記録媒体を、評価用サ−マルプリンタ(解像度300×300DPI)にセットし、23℃50%RH(相対湿度)環境下で2時間調湿した。ハガキサイズ(100ミリメートル(mm)×148mm)の各例の熱転写受像シ−ト、および評価用熱転写記録媒体を使用し、評価用サ−マルプリンタにて印画速度2.0msec/lineで黒ベタ画像を10枚連続印画した。平坦な定盤上に、印画面を上にして印画後の熱転写受像シート(印画物)を置き、四隅のカール高さを金尺で計測した。各例10枚の熱転写受像シートにおける最大値をカール高さ値として採用した。カール高さの評価基準は、以下の3段階である。△は実用上問題ないレベルを意味する。
○(good):カール高さが5mm未満である。
△(fair):カール高さが5mm以上10mm未満である。
×(bad) :カール高さが10mm以上である。
併せて、印画後に排出された印画物の排紙整列性を評価した。排紙整列性の評価基準は、以下の2段階である。
〇(good):印画物が印画順に積層され、かつ印画物同士の排出方向における積層ズレが5mm以下である。
×(bad) :印画物が印画順に積層されるが、印画物同士の排出方向における積層ズレが5mmより大である。または、新しい印画物が凹カール部分から古い印画物の下に滑り込み、印画順通りに積層されない。
(2.低温低湿環境)
各例の熱転写受像シ−トおよび評価用熱転写記録媒体を、評価用サ−マルプリンタにセットし、5℃20%RH環境下で2時間調湿した。その後、1と同様の手順で連続印画を行い、カール高さおよび排紙整列性を評価した。
結果を表1に示す。
Figure 0006828260
表1に示すように、第一ポリオレフィン樹脂層21の超微小負荷硬さAと、第二ポリオレフィン樹脂層22の超微小負荷硬さBの比率A/Bが1.3以上である各実施例の熱転写受像シ−トは、室温環境および低温低湿環境のいずれで印画した場合でも印画後凹カールが小さく抑えられており、排紙整列性も問題なかった。
第一ポリオレフィン樹脂層21に高密度ポリエチレンを含有させた実施例2では、第一ポリオレフィン樹脂層21の超微小負荷硬さが向上されていることにより、比率A/Bの値が2を超えており、より顕著な効果が確認された。また、実施例3のように第一ポリオレフィン樹脂層21と第二ポリオレフィン樹脂層22を同一の樹脂材料で形成した場合においても、第一ポリオレフィン樹脂層21のみに選択的にエージング処理を施すことで、比率A/Bを1.3以上とすることができた。その結果、低温低湿環境における印画後カールを実用上問題ないレベルに抑えることができた。
一方、比率A/Bが1.0である比較例1および比較例3の熱転写受像シ−トは、低温低湿環境においてカールを十分抑制できなかった。比率A/Bが1未満である比較例2の熱転写受像シ−トにおいては、室温環境においても大きな印画後凹カールが認められた。
特に、第一ポリオレフィン樹脂層および第二ポリオレフィン樹脂層の両方の硬度を高く設定した比較例3の熱転写受像シートが低温低湿環境におけるカールを十分抑制できなかったことは、本発明の熱転写受像シートが、従来の熱転写受像シートとは異質な効果を奏することを示していると言える。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成要素の組み合わせを変えたり、各構成要素に種々の変更を加えたり、削除したりすることが可能である。
たとえば、第一ポリオレフィン層の層厚を第二ポリオレフィン層の厚みより大きくすることにより、第一ポリオレフィン層の硬度を第二ポリオレフィン層の硬度よりも大きくしても、同様の効果を得ることができる。
本発明の熱転写受像シ−トは、昇華転写方式のプリンタに好適に使用することができ、プリンタの高速・高機能化と併せて、各種画像を簡便にフルカラ−形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書等のカ−ド類、アミュ−ズメント用出力物等に広く利用できる。
1 熱転写受像シート
10 基材
10a 第一面
10b 第二面
21 第一ポリオレフィン樹脂層
22 第二ポリオレフィン樹脂層
30 多孔質層
40 染料受容層

Claims (2)

  1. シート状の基材と、
    前記基材の第一面上に形成された第一ポリオレフィン樹脂層と、
    前記基材において、前記第一面と反対側の第二面上に形成された第二ポリオレフィン樹脂層と、
    前記第一ポリオレフィン樹脂層上に形成された、複数の空隙を有する多孔質層と、
    前記多孔質層上に形成された染料受容層と、
    を備え、
    JIS Z 2255により測定した前記第一ポリオレフィン樹脂層の超微小負荷硬さAと、JIS Z 2255により測定した前記第二ポリオレフィン樹脂層の超微小負荷硬さBとの比率A/Bが、1.3以上であり、
    前記第一ポリオレフィン樹脂層および前記第二ポリオレフィン樹脂層が、いずれも低密度ポリエチレン(LDPE)で形成され、前記第一ポリオレフィン樹脂層の結晶化度が前記第二ポリオレフィン樹脂層の結晶化度よりも高い、
    熱転写受像シ−ト。
  2. 前記第一ポリオレフィン樹脂層が、(JIS K 6748:1995)に定義される高密度ポリエチレンを含む、請求項1に記載の熱転写受像シート。
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