JP6826913B2 - シーラント用樹脂組成物、積層フィルム及び容器 - Google Patents

シーラント用樹脂組成物、積層フィルム及び容器 Download PDF

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Description

本発明は、低分子量の有機化合物に対する非吸着性に優れ、かつヒートシール性、引張特性に優れるシーラント用樹脂組成物、積層フィルム及び容器に関する。
特許文献1では、融点を有するポリエチレンテレフタレートとエポキシ化合物を混合し、反応押出させることで溶融粘度を向上させたポリエステル樹脂組成物を作製後、カルボン酸を含有するポリエチレンをブロック共重合させることで耐衝撃性、耐寒性を保有させた熱融着性フィルムの開発に関して記載されている。
特許文献2では、共重合ポリエチレンテレフタレートと不飽和カルボン酸ないしはその無水物でグラフトされた変性ポリオレフィンの溶融混合によりヒートシール性、耐ピンホール性、耐衝撃性、柔軟性、延展性などに優れたポリエステル樹脂組成物に関して記載されている。
特開2004−155176号公報 特開平7−278419号公報
しかし、特許文献1の技術では融点を有するポリエチレンテレフタレートを使用しているため、柔軟性は増すものの、やはりポリエチレンテレフタレートが結晶化していて硬く、大幅な耐衝撃性の改善は難しい。
また、特許文献2の技術では、オレフィン系樹脂の比率が高く、柔軟性は高いものの、不飽和カルボン酸ないしはその無水物でグラフトされた変性ポリオレフィンはポリエチレンテレフタレートとの相溶性が低いため、ヒートシール強度があまり向上しないという問題が生じる。
本発明は、低分子量の有機化合物に対する非吸着性に優れ、かつヒートシール性、引張特性に優れるシーラント用樹脂組成物、積層フィルム及び容器を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、ポリエステル系樹脂(A)と、酸変性スチレン系エラストマー(B)と、エポキシ基含有樹脂(C)と、ポリエチレン系樹脂(D)とから構成されたブレンド樹脂を樹脂成分とし、前記ブレンド樹脂100質量%に対し、前記ポリエステル系樹脂(A)が76〜89質量%、前記酸変性スチレン系エラストマー(B)が1〜4質量%、前記エポキシ基含有樹脂(C)が1〜4質量%、前記ポリエチレン系樹脂(D)が1〜19質量%であり、前記ポリエステル系樹脂(A)が、テレフタル酸・ネオペンチルグリコール・エチレングリコール共重合ポリエチレンテレフタレートであり、前記酸変性スチレン系エラストマー(B)のスチレン含有率が10〜30質量%であることを特徴とするシーラント用樹脂組成物を提供する。
前記酸変性スチレン系エラストマー(B)が酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体であることが好ましい。
また、本発明は、基材と、シーラント層とを含む複数の層を有する積層フィルムであって、前記積層フィルムの一方の最表面となる前記シーラント層が、前記のシーラント用樹脂組成物からなることを特徴とする積層フィルムを提供する。
また、本発明は、前記の積層フィルムからなる容器であって、前記容器は、包装袋又はチューブ容器であり、前記シーラント層をシールしてなるシール部を有することを特徴とする容器を提供する。
本発明によれば、低分子量の有機化合物に対する非吸着性に優れ、かつヒートシール性、引張特性に優れるシーラント用樹脂組成物、積層フィルム及び容器を提供することができる。
以下、好適な実施形態に基づいて、本発明を説明する。
本実施形態のシーラント用樹脂組成物は、ポリエステル系樹脂(A)と、酸変性スチレン系エラストマー(B)と、エポキシ基含有樹脂(C)と、ポリエチレン系樹脂(D)とから構成されたブレンド樹脂を樹脂成分とすることを特徴としている。
[ポリエステル系樹脂(A)]
ポリエステル系樹脂(A)としては、芳香族ジカルボン酸を主成分とする酸成分と、脂肪族ジオール(グリコール)を主成分とするジオール成分とから構成されるポリエステル系共重合体が挙げられる。ポリエステル系共重合体において、酸成分とジオール成分はエステル結合を介して結合される。酸成分の原料には、メチルエステル等のアルキルエステルや、酸ハロゲン化物等のエステル形成可能な誘導体も使用可能である。
酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、トリメリット酸等のトリカルボン酸等が挙げられる。
ジオール成分としては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノール化合物またはそのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂の結晶性が高いと、シーラントの柔軟性が低下するため、非晶質のポリエステル系樹脂(A)が好ましい。例えばポリエチレンテレフタレートをベースとするポリエステル系樹脂であれば、エチレングリコール成分の一部が、エチレングリコールより長鎖のグリコール類で置換された共重合体が挙げられる。より長鎖のグリコール類としては、トリメチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。なかでも、テレフタル酸・ネオペンチルグリコール・エチレングリコール共重合ポリエチレンテレフタレート好ましい。
ポリエステル系樹脂の具体例としては、例えば株式会社ベルポリエステルプロダクツのベルペット(登録商標)E−02、E−03などが挙げられる。
[酸変性スチレン系エラストマー(B)]
酸変性スチレン系エラストマー(B)としては、例えばスチレン系エラストマーの変性により、酸官能基が導入されたエラストマーが挙げられる。スチレン系エラストマーとしては、ポリスチレン系芳香族ブロックからなるハードセグメントと、脂肪族ブロックからなるソフトセグメントを有するブロック共重合体が挙げられる。
ポリスチレン系芳香族ブロックとしては、ポリスチレンブロック、ポリ−α−メチルスチレンブロック等が挙げられる。ポリスチレン系芳香族ブロックの一部に、α−メチルスチレン、ブチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルピリジン等のスチレン系モノマーが共重合されてもよい。
脂肪族ブロックとしては、ポリエチレンブロック、ポリプロピレンブロック、ポリブチレンブロック、ポリブタジエンブロック、ポリイソプレンブロック等の1種又は2種以上が挙げられる。
スチレン系エラストマーに使用可能なスチレン系共重合体としては、スチレン−エチレン共重合体等、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン共重合体等の1種又は2種以上が挙げられる。
酸変性に用いられる酸官能基を有するモノマーとしては、不飽和のモノカルボン酸、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物等の1種又は2種以上が挙げられる。
不飽和モノカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等のα,β−不飽和カルボン酸モノマーの1種又は2種以上が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸としては、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸等の1種又は2種以上が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸等の1種又は2種以上が挙げられる。
酸変性スチレン系エラストマー(B)の製造方法は特に限定されず、スチレン系エラストマーを構成する共重合体を合成する際に、酸官能基を有するモノマーを共重合してもよい。あるいは未変性のスチレン系エラストマーと酸官能基を有するモノマーとを溶融混練等で反応させることにより、スチレン系エラストマーを酸変性してもよい。
酸変性スチレン系エラストマー(B)のスチレン含有率としては、10〜30質量%であることが好ましい。
酸変性スチレン系エラストマー(B)が、酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体であることが好ましい。
[エポキシ基含有樹脂(C)]
エポキシ基含有樹脂(C)としては、エポキシ基を有する樹脂である。エポキシ基含有樹脂(C)としては、エポキシ基含有ビニルモノマーを含む共重合体、ビスフェノール類とエピクロルヒドリンより合成されるフェノキシ樹脂、各種のエポキシ樹脂などが挙げられる。未変性樹脂とエポキシ化合物等とを化学反応させた樹脂、未変性樹脂中にエポキシ化合物を添加後に溶融混錬しエポキシ化合物を分散させた樹脂等も、エポキシ基含有樹脂(C)として用いることができる。
エポキシ基含有ビニルモノマーとしては、グリシジルメタクリレート(GMA)、グリシジルアクリレート等のグリシジルエステル類、アリルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類、エポキシブテン等のエポキシアルケン類、エポキシブタジエン等のエポキシジエン類などの1種又は2種以上が挙げられる。
エポキシ基含有ビニルモノマーの共重合体において、エポキシ基含有ビニルモノマーと共重合される、他のモノマーとしては、エチレンやプロピレン等のオレフィン類、(メタ)アクリル酸エステル等のアクリル系モノマー、酢酸ビニル等の1種又は2種以上が挙げられる。
エポキシ基含有ビニルモノマーを含む共重合体としては、エチレン―グリシジルメタクリレート(E−GMA)共重合体などが挙げられる。
フェノキシ樹脂としては、両末端にエポキシ基を有する重合体をエポキシ基含有樹脂として用いることができる。フェノキシ樹脂を構成するビスフェノール類としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、それらの共重合型などが挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は、エポキシ基を有するモノマー又はプレポリマーであってもよい。
未変性樹脂とエポキシ化合物とから得られるエポキシ基含有樹脂としては、例えばポリオレフィン等の未変性樹脂に、溶融混練によりエポキシ化合物を分散させて得られる樹脂や、ラジカル重合開始剤等を用いてエポキシ系化合物と反応させて得られる樹脂等が挙げられる。エポキシ化合物としては、エポキシ樹脂のモノマー又はプレポリマーや、エポキシ化脂肪酸オクチルエステル等のエポキシ系可塑剤が挙げられる。溶融混練等により得られた変性樹脂のペレットをエポキシ基含有樹脂(C)として配合することが好ましい。
未変性樹脂の酸化により得られるエポキシ基含有樹脂としては、例えばエポキシ化ポリブタジエンなどが挙げられる。例えば炭素原子間に二重結合(C=C)を有する不飽和の未変性樹脂を酸化することで、二重結合にエポキシ基を導入することができる。エポキシ化されなかった二重結合の一部又は全部が水素化されてもよい。
エポキシ基含有樹脂(C)としては、ポリエチレンを主成分とするエポキシ基含有樹脂が特に好ましく、例えば、エチレンとエポキシ基含有ビニルモノマーを含む共重合体、ポリエチレンをエポキシ化合物により変性した樹脂、ポリエチレンにエポキシ化合物を分散させた樹脂等が挙げられる。
ポリエチレンを主成分とするエポキシ基含有樹脂(C)のエチレン含有率としては、特に限定されないが、例えば50質量%以上、80質量%程度、90質量%程度、95質量%程度等が挙げられる。
エポキシ基含有樹脂(C)の具体例を次に例示する。エチレンとエポキシ基を有する化合物が共重合された共重合体としては、アルケマ株式会社のロタダー(登録商標)、住友化学株式会社のボンドファースト(登録商標)等が挙げられる。ポリエチレンにエポキシ基を有する化合物が添加されている樹脂としては、東ソー株式会社のペトロセン(登録商標)DLZ19Aなどが挙げられる。
[ポリエチレン系樹脂(D)]
ポリエチレン系樹脂(D)としては、ポリエチレン(PE)のホモポリマー、エチレンと炭素数が4個のα−オレフィン(1−ブテン等)を共重合させた直鎖状低密度ポリエチレン(C4−LLDPE)、エチレンと炭素数が6個のα−オレフィン(1−ヘキセン等)を共重合させた直鎖状低密度ポリエチレン(C6−LLDPE)、エチレンと炭素数が8個のα−オレフィン(1−オクテン等)を共重合させた直鎖状低密度ポリエチレン(C8−LLDPE)、エチレン―酢酸ビニル共重合体(EVA)等の1種又は2種以上が挙げられる。
高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレンは、ホモポリマーでもよく、コモノマーを含んでも構わない。エチレンを主体とするポリオレフィン系樹脂であれば、重合時の触媒等は特に制約はない。また2種類以上のポリエチレン系樹脂をブレンドして使用しても構わない。
ポリエチレン系樹脂(D)のエチレン含有率としては、例えば50質量%以上、80質量%程度、90質量%程度、95質量%程度、100重量程度%等が挙げられる。
なお、ポリエチレンを主成分とするエポキシ基含有樹脂(C)は、ポリエチレン系樹脂(D)から除外される。ポリエチレン系樹脂(D)は、エポキシ基を有しないポリエチレン系樹脂である。
[シーラント用樹脂組成物]
本実施形態のシーラント用樹脂組成物は、ポリエステル系樹脂(A)と、酸変性スチレン系エラストマー(B)と、エポキシ基含有樹脂(C)と、ポリエチレン系樹脂(D)とから構成されたブレンド樹脂を樹脂成分としている。
ブレンド樹脂100質量%に対し、ポリエステル系樹脂(A)が76〜89質量%、酸変性スチレン系エラストマー(B)が1〜4質量%、エポキシ基含有樹脂(C)が1〜4質量%、ポリエチレン系樹脂(D)が1〜19質量%であることが好ましい。
前記樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、適宜の添加剤を添加することができる。つまり、本実施形態のシーラント用樹脂組成物は、前記ブレンド樹脂と添加剤とから構成されてもよい。添加剤としては、例えば酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、着色剤等が挙げられる。
[シーラント層]
本実施形態のシーラント用樹脂組成物は、積層フィルム又は容器のシーラント層を構成するために用いることができる。シーラント層の厚さは、加工性、柔軟性、非吸着性等の観点から選択することが好ましい。特に限定されないが、例えば20〜200μmの厚さが好ましい。シーラント層は、シーラント用樹脂組成物が単体でフィルム状に成形されたシーラントフィルムであってもよい。
シーラントフィルムは、2層以上のシーラント層を含んでもよい。少なくとも最内層のシーラント層が、本実施形態のシーラント用樹脂組成物から構成されることが好ましい。
シール方法には特に制約はなく、熱板シール、超音波シール、高周波シール、インパルスシール等が挙げられる。
[積層フィルム及び容器]
本実施形態の積層フィルムは、基材と、シーラント層とを含む複数の層を有する。シーラント層は、積層フィルムの少なくとも一方の最表面に設けられている。
本実施形態の容器は、本実施形態の積層フィルムから構成することができる。例えば、包装袋又はチューブ容器であり、本実施形態のシーラント層をシールしてなるシール部を有する。
本実施形態の容器は、最内層のシーラント用樹脂組成物のみを用いた単層構成とすることもできるが、水蒸気バリア性やガスバリア性を確保するため多層構成とすることが好ましい。多層成形容器の場合、その各層がいずれも樹脂からなるものでもよく、紙やアルミ箔などの異種材料を1層又は複数層積層してもよい。容器の胴部又は積層フィルムの厚さは、特に限定されないが、例えば50〜1000μmが好ましい。容器の構成は、包装袋やチューブ容器であることが好ましい。容器は、内容品が収容される胴部に対して、キャップ、スパウト等の付属品を有してもよい。
積層フィルム又は容器の最内層以外の層、すなわち最外層や中間層等には、他の種類の熱可塑性樹脂や接着性樹脂等の樹脂層を1種または2種以上設けることができる。接着性樹脂としては、酸変性ポリエチレンや酸変性ポリプロピレン等の酸変性ポリオレフィンが挙げられる。積層フィルム又は容器は、シーラント層以外の層として、樹脂層又は樹脂以外の異種材料を含む基材層を有することが好ましい。
基材層としては、耐熱性や強度などの機械的特性、印刷適性に優れた延伸フィルムが好ましく、具体的には、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(O−PET)フィルム、2軸延伸ナイロン(O−Ny)フィルム、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム等を挙げることができる。基材層の厚さは通常10〜50μmであり、好ましくは10〜30μmである。
基材層は、2層以上から構成されてもよい。基材層は、水分やガスの侵入を防ぐため、水蒸気バリア性樹脂やガスバリア性樹脂を含むことが好ましい。
水蒸気バリア性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂が挙げられる。
ガスバリア性樹脂としては、ナイロン等のポリアミド樹脂や、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等が挙げられる。
本実施形態の容器は、加熱溶融して多層に押し出したチューブ状の樹脂を、ブロー成形等の中空成形により底部および口部を有する一体成形容器として製造することもできる。ブロー成形法としては、ダイレクトブロー成形法やインジェクションブロー成形法などが挙げられる。チューブ容器の場合、筒状のスリーブから所定の長さの胴部を形成し、肩部や口部を別体の成形品から構成することもできる。この場合、胴部と肩部や口部とは熱溶着等によりシールして製造することもできる。筒状スリーブは、押出成形でチューブ状に成形してもよく、押出成形でシート状に成形し、背部を縦方向に熱溶着して筒状としてもよい。
チューブ容器等の多層成形容器の製造工程においては、各層の樹脂を多層で押し出してブロー成形や押出成形等により成形することができる。多層成形容器に用いられるすべての樹脂層を同時に押し出して、多層を一括して成形してもよい。また、ラミネートチューブを製造する場合は、最内層を含む1層または複数層を有する樹脂チューブを先に成形した後、この樹脂チューブの上に紙やアルミ箔などの異種材料や最外層を含む残りの層を積層することもできる。
本実施形態の容器は、特に、飲食物や化粧品、薬剤等、香料や有効成分を含有する内容品の包装に好適に利用することができる。
特に限定されないが、本実施形態の容器は、次の包装品に適している。
1)微量な有効成分が含まれる化粧品や医薬品などの包装袋やチューブ容器。
2)微量な有効成分が含まれる化粧品等の詰め替え用の包装袋。
3)サプリメントなどの機能性食品用の包装袋。
4)入浴剤などの詰め替え用の包装袋。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
(シーラントフィルムの作製方法)
表1に示す組成により、各実施例および比較例のシーラント用樹脂組成物を溶融混練し、厚さ60μmのシーラントフィルムを、Tダイ押出機を用いて作製した。
Figure 0006826913
なお、表1において用いた略語の意味は、次のとおりである。ここで、ρは密度、Tmは融点、IVは極限粘度、MFRはメルトフローレートを意味する。
「NPG変性PET」・・・ベルペット(登録商標)E−03(テレフタル酸・ネオペンチルグリコール・エチレングリコール共重合ポリエチレンテレフタレート、ρ=1.29g/cm、Tmなし、IV=0.83、(株)ベルポリエステルプロダクツ製)
「酸変性SEBS」・・・無水マレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(スチレン比率20wt%、ρ=0.89g/cm、Tmなし、MFR=8.0g/10min(230℃、2.16kgf))
「エポキシ基含有PE」・・・ペトロセン(登録商標)DLZ19A(エポキシ基含有LDPE、ρ=0.919g/cm、Tm=106℃、MFR=8.0g/10min(190℃、2.16kgf)、東ソー(株)製)
「PE」・・・メタロセン触媒重合C6−LLDPE(ρ=0.915g/cm、Tm=121℃、MFR=1g/10min(190℃、2.16kgf))
(積層フィルムの製造方法)
各実施例および比較例のシーラントフィルムを、PETフィルムおよびAl箔とドライラミネートにより貼り合わせ、PET12μm/Al箔9μm/シーラントフィルム60μmの層構成を有する積層フィルムを得た。
(四方シール袋の製造方法)
各実施例および比較例の積層フィルムを2枚、シーラントフィルム同士を対向させ、充填用の開口部を残した四方シールによりヒートシールして、四方シール袋を得た。
(1)シール強度の測定方法
JIS Z 1526に準じて、シーラントフィルム同士を対向させた2枚の積層フィルムをヒートシールし、そのシール強度(15mm/N)を引張速度300mm/分、幅15mmにて測定した。ヒートシール条件は、シール温度150℃、180℃、200℃、220℃、圧力0.2MPa、加熱時間1秒である。
(2)シーラントフィルムの引張伸度の測定方法
シーラントフィルム単体の引張伸度(%)は、JIS K 7127「プラスチック−引張特性の試験方法」に規定された測定方法に準じて測定した。試験片の幅は15mm、引張速度は300mm/minとした。引張伸度の掴み具間の距離は50mmとした。
(3)酢酸トコフェロール残存率の測定方法
有効成分として酢酸α−トコフェロール(ビタミンEアセテート)を含む市販の化粧水5mlを内寸7cm×7cmの四方シール袋に入れ、開口部を圧力0.2MPa、時間1秒、温度180℃でヒートシールして密封した。密封した四方シール袋を40℃で1ヶ月保管した後に開封し、化粧水中の酢酸α−トコフェロールの残存量を高速液体クロマトグラフィ法で定量し、前記残存量をもとに、酢酸トコフェロール残存率(%)を算出した。
表2に、(1)〜(3)の測定結果を示す。
Figure 0006826913
表2の結果から本発明の実施形態(実施例1、2)によれば、ポリエステル系樹脂(A)と、酸変性スチレン系エラストマー(B)と、エポキシ基含有樹脂(C)と、ポリエチレン系樹脂(D)との4種類を溶融混合したシーラントフィルムを使用することで、ヒートシール強度、引張伸度ともに、ポリエステル系樹脂(A)単体フィルム(比較例7)よりも大きく向上し、酢酸トコフェロール残存率は同等であることが確認できた。
2種類の樹脂(比較例1,3,6)又は3種類の樹脂(比較例2,4,5)を溶融混合したシーラントフィルムでは、シール強度もしくは引張伸度が比較例7より大きく向上しているものも一部あるが、実施例1,2のようにシール強度及び引張伸度がともに向上する配合は確認されなかった。

Claims (4)

  1. ポリエステル系樹脂(A)と、酸変性スチレン系エラストマー(B)と、エポキシ基含有樹脂(C)と、ポリエチレン系樹脂(D)とから構成されたブレンド樹脂を樹脂成分とし、
    前記ブレンド樹脂100質量%に対し、前記ポリエステル系樹脂(A)が76〜89質量%、前記酸変性スチレン系エラストマー(B)が1〜4質量%、前記エポキシ基含有樹脂(C)が1〜4質量%、前記ポリエチレン系樹脂(D)が1〜19質量%であり、
    前記ポリエステル系樹脂(A)が、テレフタル酸・ネオペンチルグリコール・エチレングリコール共重合ポリエチレンテレフタレートであり、
    前記酸変性スチレン系エラストマー(B)のスチレン含有率が10〜30質量%であることを特徴とするシーラント用樹脂組成物。
  2. 前記酸変性スチレン系エラストマー(B)が酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体であることを特徴とする請求項に記載のシーラント用樹脂組成物。
  3. 基材と、シーラント層とを含む複数の層を有する積層フィルムであって、前記積層フィルムの一方の最表面となる前記シーラント層が、請求項1又は2に記載のシーラント用樹脂組成物からなることを特徴とする積層フィルム。
  4. 請求項に記載の積層フィルムからなる容器であって、前記容器は、包装袋又はチューブ容器であり、前記シーラント層をシールしてなるシール部を有することを特徴とする容器。
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