JP6824888B2 - 筋肉の疾患および障害を治療するための方法および組成物 - Google Patents

筋肉の疾患および障害を治療するための方法および組成物 Download PDF

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関連出願の相互参照
[0001] 本出願は2015年2月9日に出願の米国特許仮出願第62/113,943号、2015年4月10日に出願の米国特許仮出願第62/145,770号および2015年4月21日に出願の米国特許仮出願第62/150,679号の権益を主張し、それぞれの内容はここに参照により全体が組み込まれる。
電子的に提出されるテキストファイルの記載
[0002] これに添えて電子的に提出されるテキストファイルの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる:配列表のコンピュータ可読フォーマットコピー(ファイル名:PHAS_032/04WO_SeqList_ST25.txt、記録日:2016年2月9日、ファイルサイズ32キロバイト)。
[0003] デュシェンヌおよびベッカー筋ジストロフィー(DMDおよびBMD)はヒトの最も頻度が高い神経筋疾患であり、調査した集団によって3,500人〜6,000人の男の生産子につき1人で起こる(Bushby et al.(2010))。DMDおよびBMDは、ジストロフィン遺伝子の突然変異から生じる対立遺伝子の障害である。DMDでは機能しているジストロフィンは筋肉に完全に存在しないが、BMDでは正常な筋肉機能のために十分な量ではないが多少のジストロフィンが存在する。骨格筋力の低下に加えて、心筋でのジストロフィン欠乏は進行性の心筋症をもたらす。
[0004] 現在、DMD/BMDの治療に特異的な承認療法はない。筋力低下を治療して可能な限り歩行を維持するために、高用量コルチコステロイドがしばしば使用されるが、これらは受け入れがたい副作用および/または最適以下の応答を伴う。これらの治療法が心機能を助けるか妨げるかについても不確実である。筋ジストロフィーの骨格および心臓の異常の両方を治療するために、追加の治療的アプローチが必要である。
[0005] 本開示は、筋肉ミオパシーを治療、遅延、予防または改善するための、持続性血管作用性小腸ペプチド(VIP)治療法を提供する。ミオパシー性の筋肉は反復収縮の間の損傷を持続するが、それらは自身を適切に修復する能力を欠いているので、筋肉は線維性病変などの欠陥を起こす。これらの欠陥は、しばしば収縮する筋肉の能力を弱めることによって、筋肉機能を阻害することができる。これらの欠陥の形成を予防、遅延または改善することは、患者における筋肉ミオパシーを治療することができる。本明細書に開示されるVIP治療法は、筋肉ミオパシーを有する患者の心機能を改善することもできる。
[0006] 一部の態様では、本開示は、筋肉ミオパシーを治療する方法であって、それを必要とする患者に血管作用性小腸ペプチド(VIP)および1つまたは複数のエラスチン様ペプチド(ELP)を含む医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
[0007] 一部の態様では、本開示は、それを必要とする患者における筋収縮によって誘導された損傷から保護するための方法であって、血管作用性小腸ペプチド(VIP)および1つまたは複数のエラスチン様ペプチド(ELP)を含む医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
[0008] 一部の態様では、本開示は、心筋症の進行を遅延させる方法であって、それを必要とする患者に血管作用性小腸ペプチド(VIP)および1つまたは複数のエラスチン様ペプチド(ELP)を含む医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
[0009] 一部の態様では、本開示は、心筋症を治療する方法であって、それを必要とする患者に血管作用性小腸ペプチド(VIP)および1つまたは複数のエラスチン様ペプチド(ELP)を含む医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
[0010] 一部の態様では、医薬組成物は、配列番号15のアミノ酸配列を含む。
[0011]心エコー検査を通してモニタリングされた心機能を示す図:n=10〜11、P<0.05対対照。パネルAは、MDX(ジストロフィン欠損マウス)におけるFASを示す。PB1046治療は、治療の32週後にFASを保存する。心筋症の発症前のPB1046の投与は、mdxおよび二重ノックアウトマウスでQRS持続時間を保存し、mdxマウスで心機能(FASおよびE/A比)の衰退を遅らせた。 心エコー検査を通してモニタリングされた心機能を示す図:n=10〜11、P<0.05対対照。パネルBは、MDXマウスにおけるE/A比を示す。PB1046治療は、治療の32週後にFASを保存する。心筋症の発症前のPB1046の投与は、mdxおよび二重ノックアウトマウスでQRS持続時間を保存し、mdxマウスで心機能(FASおよびE/A比)の衰退を遅らせた。 [0012]ターミナルプロシージャでのMDXマウスにおける左心室機能のin vivo評価を示す図。n=4〜5(MDX)およびn=2(DKO)、P<0.05対対照)。mdxおよび二重ノックアウト処置動物は、保存されたdP/dtmax(収縮)およびより速いタウ(弛緩)を示した。 ターミナルプロシージャでのMDXマウスにおける左心室機能のin vivo評価を示す図。n=4〜5(MDX)およびn=2(DKO)、P<0.05対対照)。mdxおよび二重ノックアウト処置動物は、保存されたdP/dtmax(収縮)およびより速いタウ(弛緩)を示した。 ターミナルプロシージャでのMDXマウスにおける左心室機能のin vivo評価を示す図。n=4〜5(MDX)およびn=2(DKO)、P<0.05対対照)。mdxおよび二重ノックアウト処置動物は、保存されたdP/dtmax(収縮)およびより速いタウ(弛緩)を示した。 ターミナルプロシージャでのMDXマウスにおける左心室機能のin vivo評価を示す図。n=4〜5(MDX)およびn=2(DKO)、P<0.05対対照)。mdxおよび二重ノックアウト処置動物は、保存されたdP/dtmax(収縮)およびより速いタウ(弛緩)を示した。 ターミナルプロシージャでのMDXマウスにおける左心室機能のin vivo評価を示す図。n=4〜5(MDX)およびn=2(DKO)、P<0.05対対照)。mdxおよび二重ノックアウト処置動物は、保存されたdP/dtmax(収縮)およびより速いタウ(弛緩)を示した。 [0013]MDXマウスからの単離された長指伸筋での骨格筋生理学の評価からの結果を示す図。n=4〜16。PB1046による処置は未処置のマウスと比較して伸張性収縮を維持し、処置群での筋肉が収縮によって誘導された損傷に対してより耐性だったことを示した。 MDXマウスからの単離された長指伸筋での骨格筋生理学の評価からの結果を示す図。n=4〜16。PB1046による処置は未処置のマウスと比較して伸張性収縮を維持し、処置群での筋肉が収縮によって誘導された損傷に対してより耐性だったことを示した。 [0014]シリウスレッド染色で測定したMDXマウスにおけるコラーゲン含有量(パネルA〜B)を示す図。マクロファージ同定(パネルC)は、免疫組織化学によって判定したn=4〜7、P<0.05対対照。コラーゲン沈着によって判定した線維症の程度は、骨格筋(腓腹筋)および心筋の両方で低減された。 シリウスレッド染色で測定したMDXマウスにおけるコラーゲン含有量(パネルA〜B)を示す図。マクロファージ同定(パネルC)は、免疫組織化学によって判定したn=4〜7、P<0.05対対照。コラーゲン沈着によって判定した線維症の程度は、骨格筋(腓腹筋)および心筋の両方で低減された。 シリウスレッド染色で測定したMDXマウスにおけるコラーゲン含有量(パネルA〜B)を示す図。マクロファージ同定(パネルC)は、免疫組織化学によって判定したn=4〜7、P<0.05対対照。コラーゲン沈着によって判定した線維症の程度は、骨格筋(腓腹筋)および心筋の両方で低減された。
[0015] 骨格または心臓の筋肉に影響することができる筋肉ミオパシーは、筋線維がもはや正しく機能せず、筋肉消耗、麻痺および死にさえつながることがある筋力低下をもたらす障害である。心機能不全は様々な筋肉ミオパシーの頻度が高い発現症状であり、これらの状態をもつ個体の一般的な死因である。
[0016] しばしば、筋ジストロフィーなどの遺伝性ミオパシーでは、患者はジストロフィン遺伝子の突然変異を示す。ジストロフィン遺伝子は、筋収縮で構造的および調節的役割を演ずる。ジストロフィンはより大きな膜貫通複合体、ジストロフィン糖タンパク質複合体(DGC)の一部であり(Lapidos et al.(2004))、その不在は収縮性に直接的に影響を与える。多くの筋肉ミオパシー患者(例えば、デュシェンヌまたはベッカー筋ジストロフィー、またはジストロフィン関連の心筋症)では、ジストロフィンタンパク質は完全に不在であるか、部分的に機能しているだけである可能性がある。ジストロフィンの不在は、細胞内カルシウムを増加させ、一酸化窒素の過剰生産をもたらし、それはタンパク質分解、線維症、壊死、マクロファージの活性化を誘発し、最終的に骨格および心臓のミオパシーをもたらす(Townsend et al.(2011);Judge et al.(2011))。
[0017] 心筋細胞では、これらの病的な結果は、カルシウム透過性の増加および筋細胞カルシウム濃度の増加によって一部媒介され、それは、筋細胞および筋細胞壊死に応答する炎症性細胞中の炎症性サイトカインの発現を含む事象のカスケードを次に開始する(Zhou et al.(2010);Klinger et al.(2012))。さらに、細胞内環状グアノシン一リン酸(cGMP)シグナル伝達経路の破壊は、筋肉機能の喪失に直接的に寄与する(Lapidos et al.(2004);Townsend et al.(2011);Byers et al.(1991))。
[0018] 筋肉機能への直接的な作用に加えて、ジストロフィンの減少および結果として生じる一酸化窒素合成酵素活性の変化は、サイトカイン生成および細胞アポトーシスを刺激するミトコンドリアおよび代謝のストレスをもたらす。これらの事象は、筋肉質量のさらなる減少、筋肉機能の喪失、および最終的に線維症をもたらす。特に、心筋細胞ストレスはIL−6およびTGF−βの生成を増加させ、それは線維芽細胞、コラーゲン合成およびマクロファージの浸潤を刺激し、その全ては線維症の増加に寄与する。
[0019] 健康な筋肉では、急性組織損傷の後、浸潤性炎症性細胞および常在幹細胞が組織ホメオスタシスを回復する。しかし、慢性組織損傷の間、例えば筋肉のジストロフィーでは、炎症性細胞浸潤および線維芽細胞活性化が持続するが、幹細胞(例えばサテライト細胞)の修復能力が弱められる。多くのジストロフィーでは、筋肉は慢性炎症に関連した線維変性の恒常的サイクルを経る。DMDでは、筋肉傷害を修復する役割を担うサテライト細胞集団は、経時的に消耗されるか、または修復を媒介する能力を失い、筋肉組織は脂肪および線維性組織によって次第に置き換えられる。ジストロフィーでの筋肉組織の線維症および減少は、運動および収縮機能を低減する。
[0020] 筋肉の線維症は、筋線維の間の瘢痕組織の線維帯の過剰な形成である。線維症は任意の器官で起こることができるが、骨格筋線維症および心筋線維症が唯一の既知の筋肉線維症である。損傷を受けた筋肉の開放空間を充填するために、筋肉が傷害を受けた後に線維性瘢痕組織が発達し、再生性筋線維が接着するためのより多くの表面積を提供する。瘢痕組織を構成する結合組織細胞は、収縮、弛緩して運動を可能にすることができない。線維性瘢痕組織の過剰生産が始まると、筋肉は次第により弱くなる。
[0021] 血管作用性小腸ペプチド(VIP)は、線維症の発達で役割を果たす。VIPは、活性の中でもcAMPおよびcGMPレベルを増加させるために、VPAC1およびVPAC2受容体を通して作用する。重要なことに、マウスのマクロファージでは、VIPはDMDでの心臓線維症の重要な媒介物であるTGF−βの生成を低下させることが示された(Ameen et al.(2010);Burks et al.(2011);Bujak et al.(2007))。VIPは、筋肉ジストロフィーで筋肉の炎症および損傷を抑制する調節T細胞(Treg)も刺激する(Villata et al.(2014))。
[0022] 本開示は、安定した持続性の血管作用性小腸ペプチド(VIP)治療法を投与することによって、ミオパシー患者で症状の発症(筋肉線維症の発達を含む)を予防、遅延または改善する方法を提供する。
血管作用性小腸ペプチド
[0023] 血管作用性小腸ペプチド(VIP)は、2つの受容体、VPAC1およびVPAC2に結合する神経ペプチドである。VIPならびにその機能的および構造的に関連した類似体は、平滑筋弛緩(気管支拡張、腸管運動性)および様々な免疫機能のモジュレーション(消炎、免疫細胞保護)を含む、多くの生理機能を有することが知られている(Hinkle et al.(2005))。
[0024] 成熟したVIPは、以下の配列を有する28アミノ酸残基を有する:HSDAVFTDNYTRLRKQMAVKKYLNSILN(配列番号17)。VIPは、170アミノ酸の前駆体分子プレプロ−VIPのプロセシングからもたらされる。VIPおよび例示的な類似体の構造は、米国特許第4,835,252号、第4,939,224号、第5,141,924号、第4,734,400号、第4,605,641号、第6,080,837号、第6,316,593号、第5,677,419号、第5,972,883号、第6,489,297号、第7,094,755号および第6,608,174号に記載されている。
[0025] 一部の態様では、本開示は、1つまたは複数のVIPペプチド、変異体または類似体を含むことができる治療組成物を提供する。一部の実施形態では、VIPペプチドは変異体である。一部の実施形態では、VIPペプチドは類似体である。一部の実施形態では、VIPペプチドは、成熟したVIP(例えば配列番号17)である。一部の実施形態では、VIPペプチドは、成熟したVIP(例えば配列番号17)と比較して改変される。一部の実施形態では、改変されたVIPペプチドは、成熟したVIP(例えば配列番号17)と比較して変異体である。一部の実施形態では、改変されたVIPペプチドは、成熟したVIP(例えば配列番号17)と比較して機能的変異体である。一部の実施形態では、改変されたVIPペプチドは、成熟したVIP(例えば配列番号17)と比較して機能的類似体である。
[0026] 一部の実施形態では、改変されたVIPペプチドは、成熟したVIP(例えば配列番号17)のアミノ酸配列と比較して、1つまたは複数のアミノ酸置換を含有する。一部の実施形態では、成熟したVIP(配列番号17)のアミノ酸配列と比較して1〜20アミノ酸が置換される。一部の実施形態では、改変されたVIPペプチドは、成熟したVIP(配列番号17)のアミノ酸配列と比較して、約1つ、約2つ、約3つ、約4つ、約5つ、約6つ、約7つ、約8つ、約9つまたは約10個のアミノ酸置換を含有する。
[0027] 一部の実施形態では、改変されたVIPペプチドは、成熟したVIP(配列番号17)のアミノ酸配列と比較して、1つまたは複数のアミノ酸欠失を含有する。一部の実施形態では、成熟したVIP(配列番号17)のアミノ酸配列と比較して1〜20アミノ酸が欠失している。一部の実施形態では、改変されたVIPペプチドは、成熟したVIP(配列番号17)のアミノ酸配列と比較して、約1つ、約2つ、約3つ、約4つ、約5つ、約6つ、約7つ、約8つ、約9つまたは約10個のアミノ酸欠失を有する。一部の実施形態では、成熟したVIP(配列番号17)のアミノ酸配列と比較していずれかの末端で1〜10アミノ酸が欠失している。一部の実施形態では、成熟したVIP(配列番号17)のアミノ酸配列と比較して1〜10アミノ酸が両方の末端から欠失している。一部の実施形態では、改変されたVIPペプチドのアミノ酸配列は、成熟したVIP(配列番号17)のアミノ酸配列と少なくとも約70%同一である。一部の実施形態では、改変されたVIPペプチドのアミノ酸配列は、成熟したVIP(配列番号17)のアミノ酸配列と約70%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%または約97%同一である。百分率同一性は、http://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/で利用可能である、アラインメントプログラムClustalW2を使用して計算することができる。ペアワイズアラインメントのために、以下のデフォルトパラメータを使用することができる:タンパク質重量マトリックス=BLOSUM62;ギャップオープン=10;ギャップエクステンション=0.1。
[0028] 様々な態様では、本開示は、成熟したVIP(すなわち、配列番号17)と比較して、VPAC2またはVPAC1への相対的受容体優先度を有する改変されたVIPペプチドを提供する。例えば、改変されたVIPペプチドは、VPAC1と比較して、少なくとも約2:1、約5:1、約10:1、約25:1、約50:1、約100:1、約500:1またはそれを超える、VPAC2への相対的結合優先度を有することができる。他の実施形態では、改変されたVIPペプチドは、VPAC2と比較して、少なくとも約2:1、約5:1、約10:1、約25:1、約50:1、約100:1、約500:1またはそれを超える、VPAC1への相対的結合優先度を有することができる。例えば、ある特定の実施形態では、改変されたVIPペプチドは、成熟したヒトVIP(配列番号17)の約2〜4倍の範囲内のEC50でVPAC2受容体を活性化する。しかし、一部の実施形態では、この同じ改変されたVIPペプチドは、VPAC1受容体の活性化において、成熟した未改変のヒトVIPペプチド(配列番号17)より50倍または100倍またはそれを超えてより強力でない。
[0029] 一部の実施形態では、改変されたVIPペプチドは、成熟したVIP(配列番号17)と比較して追加のアミノ酸残基を含有する。一部の実施形態では、改変されたVIPペプチドは、成熟したVIP(配列番号17)と比較してN末端および/またはC末端に追加される1つまたは複数のアミノ酸を含有する。そのような改変されたVIPペプチドは、改変されたN末端領域、例えばVIPのN末端ヒスチジンへの1〜約500アミノ酸の付加を含有することができ、それは異種哺乳動物(例えばヒト以外)のアミノ酸配列を含むことができる。VIPのN末端に追加される追加の配列は、1〜約100、1〜約50、1〜約20、1〜約10および1〜約5アミノ酸の生物学的に活性および生物学的に不活性の配列を含む、任意の配列のものであってよい。例えば、改変されたVIPは、成熟VIPの天然のN末端ヒスチジンのN末端に、単一のメチオニンを含有することができる。メチオニンは細菌発現系でメチオニンアミノペプチダーゼ(MA)によって時には除去することができるが、ヒスチジン(H)はMAにとって2位で最も好ましくない残基の1つである。一部の実施形態では、改変されたVIPペプチドは配列番号14である。N末端メチオニンを含有するそのような改変されたVIPペプチドは、隣接したアミノ酸がヒスチジンである場合はメチオニンが大腸菌によって除去されないので、大腸菌または他の細菌もしくは酵母の発現系で調製することができる。あるいは、N末端アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸、すなわち、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンおよびプロリンのいずれかであってよい。他の実施形態では、VIPペプチドは、内因性ペプチダーゼまたはプロテアーゼなどのペプチダーゼまたはプロテアーゼによって活性化される。そのような活性化可能な配列は、例えば、国際出願PCT/US2009/068656に記載されている。本明細書で用いるように、用語「ペプチダーゼ」および「プロテアーゼ」は互換性である。例えば、VIPペプチドは、ジペプチジルペプチダーゼによって活性化できるように設計することができる。例示的なジペプチジルペプチダーゼには、ジペプチジルペプチダーゼ−1(DPP−I)、ジペプチジルペプチダーゼ−3(DPP−III)、ジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP−IV)、ジペプチジルペプチダーゼ−6(DPP−VI)、ジペプチジルペプチダーゼ−7(DPP−VII)、ジペプチジルペプチダーゼ−8(DPP−VIII)、ジペプチジルペプチダーゼ−9(DPP−IX)、ジペプチジルペプチダーゼ−10(DPP−X)が含まれる。そのようなジペプチダーゼの基質配列は、公知である。
[0030] 一部の実施形態では、活性化可能なVIPペプチドのN末端は、構造Z−Nを有することができ、ここで、Zはジペプチダーゼの基質であり(例えば、Zはジペプチダーゼ曝露によって除去される)、NはVIPのN末端である。活性化可能なVIPペプチドは、式M−X−NのN末端配列を有することができ、そこで、Mはメチオニンであり、XはPro、AlaまたはSerであり、NはVIPまたはVIP類似体のN末端である。この方法では、MおよびXは、その後、宿主細胞(例えば、大腸菌)および/またはジペプチダーゼ(例えば、DPP−IV)に感受性であり、それによって除去される。あるいは、活性化可能なVIPのN末端配列はX1−X2−Nであってもよく、そこで、X1はGly、Ala、Ser、Cys、Thr、ValまたはProであり;X2はPro、AlaまたはSerであり;NはVIPのN末端である。X1−X2はジペプチダーゼ(例えば、DPP−IV)の基質であり、ジペプチダーゼ消化は、N、VIPまたはVIP類似体の所望のN末端を曝露させる。そのような実施形態では、宿主細胞(例えば、大腸菌)で、M−X1−X2−N(Mはメチオニンである)をコードする構築物の発現によってVIPペプチドを生成することができるが、その理由は、2位のGly、Ala、Ser、Cys、Thr、ValまたはProがMetの除去をシグナル伝達し、それによってN末端にX1−X2を残し、それはジペプチダーゼ(例えば、DPP−IV)がin vivoで活性化することができるからである。一部の実施形態では、ペプチダーゼは体内に存在することができ、注射の後に活性化可能なVIPペプチドに作用することができる。一部の実施形態では、活性化可能なVIPペプチドは、成熟したVIP(例えば配列番号17)と比較してN末端に追加されるアミノ酸配列MAAを含有する。一部の実施形態では、活性化可能なVIPペプチドは、配列番号18である。
[0031] 他の実施形態では、改変された活性化可能なVIPペプチドのN末端は構造M−Z−Nを有し、ここで、Mはメチオニンであり、Zはジペプチダーゼの基質であり(例えば、Zはジペプチダーゼ曝露によって除去される)、Nは活性化可能なVIPの非HisのN末端である。例えば、改変された活性化可能なVIPペプチドは、式M−X−NのN末端配列を有することができ、ここで、Mはメチオニンであり、XはPro、AlaまたはSerであり、Nは活性化可能なVIPの非HisのN末端である。この方法で、MおよびXは、その後、宿主細胞(例えば、大腸菌)および/またはジペプチダーゼ(例えば、DPP−IV)に感受性になり、それによって除去される。あるいは、活性化可能なVIPペプチドのN末端配列はX1−X2−Nであってもよく、ここで、X1はGly、Ala、Ser、Cys、Thr、ValまたはProであり、X2はPro、AlaまたはSerであり、Nは活性化可能なVIPの非HisのN末端である。X1−X2はジペプチダーゼ(例えば、DPP−IV)の基質であり、ジペプチダーゼ消化は、N、VIPの所望の非HisのN末端を曝露させる。
[0032] さらに他の実施形態では、活性化可能なVIPペプチドのN末端は、構造M−Z−S−Nを有し、ここでMはメチオニンであり、Zはジペプチダーゼの基質であり(例えば、Zはジペプチダーゼ曝露によって除去される)、Nは、成熟したVIPのN末端(His)であり、Sは、ジペプチダーゼ消化の後に曝露させられ、前述の通り活性化可能なVIPを提供する1つまたは複数のアミノ酸である。例えば、活性化可能なVIPペプチドは、式M−X−S−NのN末端配列を有することができ、ここで、Mはメチオニンであり、Xは、Pro、AlaまたはSerであり、Nは、成熟したVIP(例えば配列番号17)のN末端であり、Sは、ジペプチダーゼ消化の後に曝露させられ、受容体優先度を提供する1つまたは複数のアミノ酸である。あるいは、活性化可能なVIPペプチドのN末端配列はX1−X2−S−Nであってもよく、ここで、X1はGly、Ala、Ser、Cys、Thr、ValまたはProであり、X2はPro、AlaまたはSerであり、NはVIPの非His N末端であり、Sは、ジペプチダーゼ消化の後に曝露させられる1つまたは複数のアミノ酸である。X1−X2はジペプチダーゼ(例えば、DPP−IV)の基質であり、ジペプチダーゼ消化はSを曝露させる。
[0033] さらなる他の実施形態では、VIPペプチドは、治療的分子の半減期を延長させるのに有効な哺乳動物タンパク質などの、哺乳動物の異種タンパク質との融合によって改変される。そのような配列は、哺乳動物の配列、例えばアルブミン、トランスフェリンまたは抗体Fc配列であってもよい。そのような配列は、米国特許第7,238,667号(特にアルブミン融合に関する)、米国特許第7,176,278号(特にトランスフェリン融合に関する)および米国特許第5,766,883号に記載される。一部の実施形態では、VIPペプチドは、N末端での哺乳動物の異種タンパク質との融合によって改変される。一部の実施形態では、VIPは、C末端での哺乳動物の異種タンパク質との融合によって改変される。一部の実施形態では、VIPは、N末端およびC末端の両方での哺乳動物の異種タンパク質との融合によって改変される。
[0034] 一部の実施形態では、VIPペプチドのN末端へのN末端化学的修飾は、受容体優先度を提供する。タンパク質の化学的修飾およびその方法は、当技術分野で周知である。非限定的な例示的化学的修飾は、ペグ化、メチルグリオキサル化、還元アルキル化、過ギ酸酸化、スクシニル化、アミノエチル化およびリピド化である(Clifton、New Protein Techniques、New Jersey: Humana Press、1985。ISBX. 0-89603-126-8. Volume. 3 of. Methods in Molecular Biology)。システイン、メチオニン、ヒスチジン、リジン、アルギニン、トリプトファン、チロシン、カルボキシル基の改変によって結合することができる、ペグ化などの化学基が以前に記載されている(Lundblad、Techniques in Protein Modification、CRC Press、1995を参照)。
[0035] さらなる他の実施形態では、VIPペプチドは、プロリン、アラニンおよびセリンを含む配列などの、反復するアミノ酸配列を含むタンパク質との融合によって改変される(例えばPASylation(Schlapschy, M. et al.(2013))またはXTEN配列(Schellenberger, V. et al.(2009)))。
エラスチン様ペプチド
[0036] 一部の態様では、本開示は、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のエラスチン様ペプチド(ELP)を含む治療的組成物を提供する。一部の実施形態では、VIPペプチドおよび1つまたは複数のELPは、一緒に融合される。一部の実施形態では、VIPペプチドおよび1つまたは複数のELPは、組換え融合ポリペプチドとして生成される。一部の実施形態では、治療的組成物は、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPを別個の分子として含む。さらに他の実施形態では、組成物はVIP−ELP融合タンパク質およびELPを別個の分子として含む。一部の実施形態では、組成物は配列番号15を含む。一部の実施形態では、組成物は配列番号19を含む。一部の実施形態では、組成物は配列番号16を含む。
[0037] ELP配列は、エラスチンタンパク質に関係するかまたはその模倣物である構造ペプチド単位または配列を含む。ELP配列は、3〜約20アミノ酸、または一部の実施形態では4〜10アミノ酸、例えば4、5または6アミノ酸の構造単位から構築される。個々の構造単位の長さは異なることができるか、または均一であってもよい。例えば、構造単位は配列番号1〜13によって規定される単位を含み、それらはタンデム反復単位を含む反復構造単位として用いることができるか、または何らかの組合せで用いることができる。したがって、ELPは、配列番号1〜13から選択される構造単位(複数可)を事実上含む。
[0038] 一部の実施形態では、ELP単位のアミノ酸配列は、約1〜約500の構造単位、またはある特定の実施形態では約9〜約200の構造単位、またはある特定の実施形態では約10〜200の構造単位、またはある特定の実施形態では約50〜約200の構造単位、またはある特定の実施形態では約80〜約200の構造単位、または約80〜約150の構造単位、例えば配列番号1〜13によって規定される単位の1つまたは組合せである。したがって、構造単位は、約50〜約2000アミノ酸残基、または約100〜約800アミノ酸残基、または約200〜約700アミノ酸残基、または約400〜約600アミノ酸残基の長さを総合的に有することができる。例示的な実施形態では、ELP構造単位のアミノ酸配列は、約3構造単位、約7構造単位、約9構造単位、約10構造単位、約15構造単位、約20構造単位、約40構造単位、約80構造単位、約90構造単位、約100構造単位、約120構造単位、約140構造単位、約144構造単位、約160構造単位、約180構造単位、約200構造単位または約500構造単位を含む。例示的な実施形態では、構造単位は、約45アミノ酸残基、約90アミノ酸残基、約100アミノ酸残基、約200アミノ酸残基、約300アミノ酸残基、約400アミノ酸残基、約500アミノ酸残基、約600アミノ酸残基、約700アミノ酸残基、約720アミノ酸残基、約800アミノ酸残基または約1000アミノ酸残基の長さを総合的に有する。
[0039] ELPアミノ酸配列は、選択される製剤で可視的および可逆的逆相転移を示すことができる。すなわち、ELPアミノ酸配列は転移温度(Tt)未満において製剤中で構造的に無秩序および高度に可溶性であることができるが、製剤の温度がTtより高いときは急激な(2〜3℃の範囲)無秩序から秩序への相転移を示すことができる。アミノ酸ポリマーの温度、長さに加えて、アミノ酸組成、イオン強度、pH、圧、温度、選択される溶媒、有機溶質の存在およびタンパク質濃度も転移特性に影響することができ、これらは所望の吸収プロファイルのために製剤で調整することができる。活性薬剤の血漿中濃度または活性を経時的に判定することによって、吸収プロファイルを容易に試験することができる。
[0040] ある特定の実施形態では、ELP成分(複数可)は、以下を非限定的に含む多ペプチド構造単位(例えば、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、オクタペプチド、またはノナペプチド)で形成することができる:
(a)テトラペプチドVal−Pro−Gly−GlyまたはVPGG(配列番号1);
(b)テトラペプチドIle−Pro−Gly−GlyまたはIPGG(配列番号2);
(c)ペンタペプチドVal−Pro−Gly−X−Gly(配列番号3)またはVPGXG、ここでXは任意の天然または非天然のアミノ酸残基であり、Xはポリマーまたはオリゴマー反復配列の間で任意選択により異なる;
(d)ペンタペプチドAla−Val−Gly−Val−ProまたはAVGVP(配列番号4);
(e)ペンタペプチドIle−Pro−Gly−X−GlyまたはIPGXG(配列番号5)、ここでXは任意の天然または非天然のアミノ酸残基であり、Xはポリマーまたはオリゴマー反復配列の間で任意選択により異なる;
(e)ペンタペプチドIle−Pro−Gly−Val−GlyまたはIPGVG(配列番号6);
(f)ペンタペプチドLeu−Pro−Gly−X−GlyまたはLPGXG(配列番号7)、ここでXは任意の天然または非天然のアミノ酸残基であり、Xはポリマーまたはオリゴマー反復配列の間で任意選択により異なる;
(g)ペンタペプチドLeu−Pro−Gly−Val−GlyまたはLPGVG(配列番号8);
(h)ヘキサペプチドVal−Ala−Pro−Gly−Val−GlyまたはVAPGVG(配列番号9);
(i)オクタペプチドGly−Val−Gly−Val−Pro−Gly−Val−GlyまたはGVGVPGVG(配列番号10);
(j)ノナペプチドVal−Pro−Gly−Phe−Gly−Val−Gly−Ala−GlyまたはVPGFGVGAG(配列番号11);
(k)ノナペプチドVal−Pro−Gly−Val−Gly−Val−Pro−Gly−GlyまたはVPGVGVPGG(配列番号12);および
(l)ペンタペプチドXaa−Pro−Gly−Val−GlyまたはXPGVG(配列番号13)、ここでXは任意の天然または非天然のアミノ酸残基であり、Xはポリマーまたはオリゴマー反復配列の間で任意選択により異なる。
[0041] 配列番号1〜13に規定される多ペプチド構造単位はエラスチン様ペプチド成分を形成するか、またはELPを形成するために組合せで使用することができる。一部の実施形態では、ELPは1つを超える構造単位を含む。一部の実施形態では、ELPは配列番号1〜13のいずれかの2つ以上の構造単位を含み、それらは任意の組合せであってよい。一部の実施形態では、2つ以上の構造単位は同じであり、直列に反復される。一部の実施形態では、2つ以上の構造単位は異なり、交互に反復される。一部の実施形態では、ELPは、配列の1つまたは複数の部分について直列に反復される構造単位、さらに配列の他の部分について交互に反復される異なる構造単位を含む。一部の実施形態では、ELP成分は、配列番号1〜13から選択される構造単位の1つまたは組合せ(例えば、2、3または4個)から完全に(またはほとんど完全に)形成される。他の実施形態では、ELP成分の少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも90%は、配列番号1〜13から選択される構造単位の1つまたは組合せから形成される。ある特定の実施形態では、ELPはVal−Pro−Gly−X−Gly(配列番号3)のタンデム反復単位を含む反復配列単位を含有し、ここでXは上で規定される通りであり、ELP成分全体(VPGXG以外の構造単位を含むことができる)に関してとられるVal−Pro−Gly−X−Gly単位の百分率は、ELPの約50%超、または約75%超、または約85%超、または約95%超である。ELPは配列番号3の5〜15構造単位(例えば、約10構造単位)のモチーフを含有することができ、ゲスト残基Xはモチーフ中の単位の少なくとも2つまたは少なくとも3つの間で異なる。ゲスト残基は、例えば、無極性または疎水性の残基、例えばアミノ酸V、I、L、A、GおよびWから独立して選択することができる(および、所望の逆相転移特性を保持するように選択することができる)。ある特定の実施形態では、ゲスト残基は、V、GおよびAから選択される。一部の実施形態では、ELPはELP1シリーズ(VPGXG:V5A2G3)を含む。一部の実施形態では、ELPは配列番号21のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ELPはELP4シリーズ(VPGXG:V−5)を含む。一部の実施形態では、ELPは、ELP1およびELP4シリーズの組合せを含む。理論に束縛されることなく、ELPポリマーの疎水性の差は、ゲスト残基とELP1シリーズより疎水性であるELP4シリーズとのそれらの比によって判定される。
[0042] ある特定の実施形態では、ELPは[VPGXG]を含むELP−1シリーズであり、ここでmは1〜200の任意の数であり、各XはV、GおよびAから選択され、V:G:Aの比は約5:3:2であってよい。ある特定の実施形態では、ELPは[VPGXG]90を含み、ここで各XはV、GおよびAから選択され、V:G:Aの比は約5:3:2であってよい。ある特定の実施形態では、ELPは[VPGXG]120を含み、ここで各XはV、GおよびAから選択され、V:G:Aの比は約5:3:2であってよい。
[0043] ある特定の実施形態では、ELPは[VPGXG]144を含み、ここで各XはV、GおよびAから選択され、V:G:Aの比は約7:2:0である。ある特定の実施形態では、ELPは[VPGXG]144を含み、ここで各XはV、GおよびAから選択され、V:G:Aの比は約7:0:2である。ある特定の実施形態では、ELPは[VPGXG]144を含み、ここで各XはV、GおよびAから選択され、V:G:Aの比は約6:0:3である。ある特定の実施形態では、ELPは[VPGXG]144を含み、ここで各XはV、GおよびAから選択され、V:G:Aの比は約5:2:2である。
[0044] ある特定の実施形態では、ELPは[XPGVG]を含み、ここでmは1〜200の任意の数であり、各XはV、GおよびAから選択される。ある特定の実施形態では、ELPは[XPGVG]144を含み、ここでmは1〜200の任意の数であり、各XはV、GおよびAから選択され、V:G:Aの比は約5:0:4である。ある特定の実施形態では、ELPは[XPGVG]144を含み、ここで各XはV、GおよびAから選択され、V:G:Aの比は約5:0:4である。
[0045] あるいは、ELPは、[VPGVG]90または[VPGVG]120を含むELP−4シリーズである。このELPの120の構造単位は、約0.005〜約0.05mg/ml(例えば、約0.01mg/ml)のタンパク質で約37℃の転移温度を提供することができる。あるいは、ELPは、[VPGXG]144または[XPGVG]144を含む。例えば、これらのELPのいずれかの144構造単位は、約28℃から35℃の転移温度を提供することができる。
[0046] ある特定の実施形態では、ELPはXaa−Pro−Gly−Val−Gly(配列番号13)のタンデム反復単位を含む反復配列単位を含有し、ここでXは上で規定される通りであり、ELP成分全体(XPGVG以外の構造単位を含むことができる)に関してとられるXaa−Pro−Gly−Val−Gly単位の百分率は、ELPの約50%超、または約75%超、または約85%超、または約95%超である。ELPは配列番号13の5〜15構造単位(例えば、約9構造単位)のモチーフを含有することができ、ゲスト残基Xはモチーフ中の単位の少なくとも2つまたは少なくとも3つの間で異なる。ゲスト残基は、例えば、無極性または疎水性の残基、例えばアミノ酸V、I、L、A、GおよびWから独立して選択することができる(および、所望の逆相転移特性を保持するように選択することができる)。ある特定の実施形態では、ゲスト残基は、VおよびAから選択される。
[0047] ある特定の実施形態では、ELPは、配列番号1〜13のいずれかのタンデム反復単位を含む反復単位を、単独でまたは組合せで含有する。一実施形態では、ELPは配列番号1〜13のいずれかの2つ以上の反復配列を組合せで含有する。ある特定の実施形態では、ELPは配列番号3および配列番号13の反復配列を含有する。一部の実施形態では、ELPは配列番号3および配列番号13の反復配列を含有し、ここで、ゲスト残基は、例えば、無極性または疎水性の残基、例えばアミノ酸V、I、L、A、GおよびWから独立して選択される(および、所望の逆相転移特性を保持するように選択することができる)。ある特定の実施形態では、ゲスト残基は、VおよびAから選択される。一部の実施形態では、ELPは、本明細書に開示されるペンタペプチドの5コピーを含む9量体を含む。一部の実施形態では、ELPは、配列番号3および13を任意の組合せで含む9量体を含む。一部の実施形態では、ELPは、配列番号3および13が交互に並ぶ配列を含む。一部の実施形態では、ELPは、本明細書に開示される1つまたは複数のELP構造単位の9コピーを含む9量体を含む。一部の実施形態では、ELPは、本明細書に開示されるペンタペプチドの9コピーを含む9量体を含む。一部の実施形態では、ELPは、配列番号3および13を任意の組合せで含む9量体を含む。一部の実施形態では、ELPは、配列番号3および13が交互に並ぶ配列を含む。例えば、18、27、36、45、54、63、72、81、90、99、108、117、126、135、144、153、162、171または180コピーの9量体を有するELPを生成するために、様々な数の9量体のELPを組み合わせることができる。一部の実施形態では、ELPは、配列番号20のアミノ酸配列を含む。
[0048] ある特定の実施形態では、ELPは配列番号3を含む9量体を含み、ここで、ゲスト残基はV、GおよびAから選択される。ある特定の実施形態では、ELPは配列番号3を含む9量体を含み、ここで、V、GおよびAは7:2:0(アルファ)の比である。ある特定の実施形態では、ELPは配列番号3を含む9量体を含み、ここで、V、GおよびAは7:0:2(ベータv1)の比である。ある特定の実施形態では、ELPは配列番号3を含む9量体を含み、ここで、V、GおよびAは6:0:3(ベータv2)の比である。ある特定の実施形態では、ELPは配列番号3を含む9量体を含み、ここで、V、GおよびAは5:2:2(ガンマ)の比である。ある特定の実施形態では、ELPは配列番号13を含む9量体を含み、ここで、ゲスト残基はV、GおよびAから選択される。ある特定の実施形態では、ELPは配列番号13を含む9量体を含み、ここで、V、GおよびAは5:0:4(デルタ)の比である。
[0049] 一部の実施形態では、ELPは、アルファ、ベータv1、ベータv2および/またはデルタ9量体の組合せを含む。例えば、ガンマELPは、144量体が構築されるまで16コピーのアルファ9量体およびベータv1 9量体を交互に並べることによって構築される。ある特定の実施形態では、ELPはアルファおよびベータv1 9量体の組合せを含む。ある特定の実施形態では、ELPはアルファおよびベータv2 9量体の組合せを含む。ある特定の実施形態では、ELPはアルファおよびデルタ9量体の組合せを含む。ある特定の実施形態では、ELPはベータv1およびベータv2 9量体の組合せを含む。ある特定の実施形態では、ELPはベータv1およびデルタ9量体の組合せを含む。ある特定の実施形態では、ELPはベータv2およびデルタ9量体の組合せを含む。ある特定の実施形態では、ELPは、アルファ、ベータv1およびベータv2 9量体の組合せを含む。ある特定の実施形態では、ELPは、アルファ、ベータv1およびデルタ9量体の組合せを含む。ある特定の実施形態では、ELPは、アルファ、ベータv2およびデルタ 9量体の組合せを含む。例えば、特定の配置では、ELPベータv2は、以下の配列で繰り返される構造単位の以下のゲスト残基を含むことができる:A−V−A−V−V−A−V−A−V。繰り返される配列は、ELP中で約10回、約15回、約16回、約20回、約25回、約30回または約35回以上連続して繰り返すことができる。一部の態様では、ELPは、約10〜約20個の繰り返された配列を含有する。他の態様では、ELPは、約15〜20個の繰り返された配列を含有する。一部の態様では、ELPは、約16個の繰り返された配列を含有する。
[0050] 一部の実施形態では、ELPは、本明細書に開示される1つまたは複数のELP構造単位の10コピーを含む10量体を含む。一部の実施形態では、ELPは、本明細書に開示されるペンタペプチドの10コピーを含む10量体を含む。一部の実施形態では、ELPは、配列番号3および13を任意の組合せで含む10量体を含む。一部の実施形態では、ELPは、配列番号3および13が交互に並ぶ配列を含む。様々な数の10量体のELPを組み合わせて、例えば、20、30、40、60、90、100、120、150、160または200コピーの10量体を備えるELPを生成することができる。
[0051] 一部の実施形態では、ELPはβターン構造を形成することができる。βターン構造を形成するのに適する例示的なペプチド配列は、国際特許出願PCT/US96/05186に記載される。例えば、配列VPGXGの第4の残基(X)は、βターンの形成を排除することなく変更することができる。
[0052] 例示的なELPの構造は、表記ELP[X−n]を使用して記載することができ、ここで、kは特定のELP反復配列単位を指定し、括弧中の大文字は一文字アミノ酸コードであり、それらの対応する下付き文字は構造単位中の各ゲスト残基Xの相対比を指定し(該当する場合)、nはELPの全長を構造反復配列の数で記載する。例えば、ELP1[V−10]は、ペンタペプチドVPGXGの10反復単位を含有するELP成分を指定し、ここでXは約5:2:3の相対比のバリン、アラニンおよびグリシンであり;ELP1[K−4]は、ペンタペプチドVPGXGの4反復単位を含有するELP成分を指定し、ここでXは約1:2:1の相対比のリジン、バリンおよびフェニルアラニンであり;ELP1[K−9]は、ペンタペプチドVPGXGの9反復単位を含有するポリペプチドを指定し、ここでXは約1:7:1の相対比のリジン、バリンおよびフェニルアラニンであり;ELP1[V−5]は、ペンタペプチドVPGXGの5反復単位を含有するポリペプチドを指定し、ここでXはバリンであり;ELP1[V−20]は、ペンタペプチドVPGXGの20反復単位を含有するポリペプチドを指定し、ここでXはバリンであり;ELP2[5]は、ペンタペプチドAVGVP(配列番号4)の5反復単位を含有するポリペプチドを指定し;ELP3[V−5]は、ペンタペプチドIPGXG(配列番号5)の5反復単位を含有するポリペプチドを指定し、ここでXはバリンであり;ELP4[V−5]は、ペンタペプチドLPGXG(配列番号7)の5反復単位を含有するポリペプチドを指定し、ここでXはバリンである。
[0053] ELPに関して、Ttはゲスト残基の疎水性の関数である。したがって、ゲスト残基(複数可)の同一性およびそれらのモル分率(複数可)を変えることによって、広い範囲にわたって逆転移を示すELPを合成することができる。したがって、ELP配列により大きな分率の疎水性ゲスト残基を組み込むことによって、所与のELP長のTtを低下させることができる。適する疎水性ゲスト残基の例には、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびメチオニンが含まれる。中程度疎水性であるチロシンを、使用することもできる。反対に、グルタミン酸、システイン、リジン、アスパラギン酸、アラニン、アスパラギン、セリン、トレオニン、グリシン、アルギニンおよびグルタミンから選択されるものなどの残基を組み込むことによって、Ttを増加させることができる。
[0054] 分子量が100,000Daを超えるポリペプチドについては、PCT/US96/05186に開示される疎水性スケールは、特定のELP配列のおよそのTtを予測するための1つの手段を提供する。分子量が100,000Da未満のポリペプチドについては、Ttは以下の二次関数:Tt=M0+M1X+M2X2によって予測または判定することができ、ここでXは融合タンパク質のMWであり、M0=116.21;M1=−1.7499;M2=0.010349である。
[0055] 一部の実施形態では、ELPは、製剤条件で約10〜約37℃、例えば約20〜約37℃、または約25〜約37℃の範囲のTtを提供するように選択または設計される。一部の実施形態では、わずかに低い末梢温度を考慮すると、生理的条件(例えば、0.9%食塩水)での転移温度は約34〜36℃である。
[0056] エラスチン様ペプチド(ELP)タンパク質ポリマーおよび組換え融合タンパク質は、米国特許出願公開第2010/0022455号に記載されている通りに調製することができる。一部の実施形態では、ELPは、広範囲の分子量にわたる任意の配列および特定の長さの高度に反復性のポリペプチドを急速にクローニングするための、反復ライゲーションを通して構築される。単一のサイクルで、各々オリゴマーのコピーを含有する親プラスミドの2つの半分を一緒にライゲーションし、それによってオリゴマーを二量体化して機能的プラスミドを再構成する。所望の数の反復配列を有するオリゴマー遺伝子を組み立てるために、この過程を反復して実行する。例えば、1つのELP構造サブユニット(例えば、ペンタペプチドまたはペンタペプチドの9量体)をベクターに挿入する。ベクターを消化し、別のELP構造単位(例えば、ペンタペプチドまたはペンタペプチドの9量体)を挿入する。ELPポリマーが所望の長さになるまで、以降の各回の消化およびライゲーションは、結果として生じるベクターに含有されるELP構造単位の数を倍増する。
[0057] 他の実施形態では、ELPはランダムコイルまたは非球状の拡張構造を含む。例えば、ELPは、米国特許出願公開第2008/0286808号、WIPO特許出願公開第2008/155134号および米国特許出願公開第2011/0123487号に開示されるアミノ酸配列を含む。
[0058] 例えば、一部の実施形態では、ELPアミノ酸配列は、少なくとも40アミノ酸の非構造化組換えポリマーを含む。例えば、非構造化ポリマーは、非構造化ポリマーに含有されるグリシン(G)、アスパラギン酸(D)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)およびプロリン(P)残基の合計が全アミノ酸の約80%を超えて構成する場合と規定することができる。一部の実施形態では、Chou−Fasmanアルゴリズムによって判定したとき、アミノ酸の少なくとも50%は二次構造が欠けている。非構造化ポリマーは、約100を超える、150、200またはそれを超える連続したアミノ酸を含む。一部の実施形態では、アミノ酸配列はランダムコイルドメインを形成する。特に、「ランダムコイル立体配座」を有するか形成するポリペプチドまたはアミノ酸ポリマーは、規定された二次および三次構造を実質的に欠く。
[0059] 様々な実施形態では、意図される対象はヒトであり、体温は約37℃であり、したがって、治療剤はこの温度(例えば約28℃から約37℃まで)でまたはその近くで持続的放出を提供するように設計される。水素結合および/または疎水性相互作用の反転による循環への徐放性は、体温が一定であっても、製品が注射部位で拡散するときの濃度の低下によって推進される。他の実施形態では、対象は非ヒト哺乳動物であり、治療剤は、一部の実施形態では、例えばある特定の飼いならされたペット(例えば、イヌまたはネコ)または畜産動物(例えば、ウシ、ウマ、ヒツジまたはブタ)については約30〜約40℃であってよい哺乳動物の体温で持続的放出を示すように設計される。一般的に、治療剤が注射のために溶液のままであるように、Ttは、製剤の保存条件(約2℃〜約30℃、または約10℃〜約25℃、または約15℃〜約22℃、または約2℃〜約8℃であってよい)よりも高い。あるいは、治療剤は、冷凍して、例えば約−80℃〜約−20℃で保存することができる。
[0060] 一部の実施形態では、ELPは、両端を含む27℃〜36℃の範囲で、転移温度を提供することができる。一部の実施形態では、ELPは、両端を含む28℃〜35℃の範囲で、転移温度を提供することができる。一部の実施形態では、ELPは、両端を含む29℃〜34℃の範囲で、転移温度を提供することができる。一部の実施形態では、ELPは、両端を含む27℃〜33℃の範囲で、転移温度を提供することができる。一部の実施形態では、ELPは、両端を含む30℃〜33℃の範囲で、転移温度を提供することができる。一部の実施形態では、ELPは、両端を含む31℃〜31℃の範囲で、転移温度を提供することができる。一部の実施形態では、ELPは、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃または36℃の転移温度を提供することができる。一部の実施形態では、ELPは、110mMのNaCl中に10mg/mLのタンパク質濃度で、両端を含む28℃〜35℃の範囲で転移温度を提供することができる。
[0061] 一部の実施形態では、ELPタンパク質ポリマーは、任意の配列および広範囲の分子量にわたる特定の長さの高度に反復性のポリペプチドをコードするDNAを急速にクローニングするために、反復ライゲーションを通して構築される。単一のサイクルでは、各々オリゴマーのコピーを含有する親プラスミドの2つの半分を一緒にライゲーションし、それによってオリゴマーを二量体化して機能的プラスミドを再構成する。所望の数の反復配列を有するオリゴマー遺伝子を組み立てるために、この過程を反復して実行する。例えば、1つのELP構造サブユニット(例えば、ペンタペプチドまたはペンタペプチドの9量体)がベクターに挿入される。ベクターを消化し、別のELP構造単位(例えば、ペンタペプチドまたはペンタペプチドの9量体)を挿入する。ELPポリマーが所望の長さになるまで、以降の各回の消化およびライゲーションは、結果として生じるベクターに含有されるELP構造単位の数を倍増する。最初の構造単位中のペンタペプチドの数を変えることによって、様々な長さのELPを容易に構築することができる。ELPの代替の長さを生成するために、構築の代替手段(すなわち、反復ライゲーション以外の)を使用することができる。
[0062] 一部の実施形態では、ベクターは1つまたは複数の追加のアミノ酸またはELP構造単位反復配列を含有する。例えば、ベクターは、ゲスト位置にバリンを有するELPのN末端に追加の五量体反復配列を、およびゲスト残基にトリプトファンを有するC末端に追加の五量体を追加することができる。分子の吸光係数を増加させ、例えば280nmで吸光度のより優れた測定を可能にする手段としてトリプトファンを使用することができ、そのことはタンパク濃度の判定のためにまたは精製中のタンパク含有量のモニタリングのために有益である可能性がある。いずれかの末端に追加される五量体は、コードするDNAがELPコード配列のいずれかの末端への融合パートナーのクローニングのための制限酵素認識部位を含有するように、設計することもできる。
[0063] 一部の実施形態では、治療組成物は活性薬剤および1つまたは複数のELPを含む。一部の実施形態では、治療組成物は、N末端またはC末端のいずれかに1つまたは複数のELPを有する活性薬剤を含む。一部の実施形態では、治療組成物は、N末端またはC末端の両方に1つまたは複数のELPを有する活性薬剤を含む。一部の実施形態では、ELPは概ね同じサイズである。一部の実施形態では、ELPはサイズが異なる。一部の実施形態では、一方の末端のELPは、他方の末端のELPより大きい。一部の実施形態では、N末端のELPはC末端のELPより大きい。一部の実施形態では、C末端のELPはN末端のELPより大きい。
ミオパシーおよび治療方法
[0064] ミオパシーは、筋線維が多くの理由のいずれか1つのために機能しないで筋肉の脱力をもたらす、神経筋疾患である。表現型的に、これらの疾患は、筋肉組織の炎症、骨格筋の消耗、筋肉の減少、ならびに呼吸および心臓不全を通して早発の死を引き起こすことがある線維症によって特徴付けられる。筋肉ミオパシーは、骨格筋、心筋および/または平滑筋を含む任意のタイプの筋肉に影響することができる。一部の実施形態では、ミオパシーは筋肉線維症の増加によって特徴付けられる。一部の実施形態では、ミオパシーは、低下した筋力および/または力収縮性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、ミオパシーは減少した筋細胞短縮によって特徴付けられる。一部の実施形態では、ミオパシーは減少した筋細胞再伸長速度によって特徴付けられる。一部の実施形態では、ミオパシーは減少した筋細胞弛緩によって特徴付けられる。一部の実施形態では、筋細胞は骨格筋の筋細胞である。一部の実施形態では、筋細胞は心筋細胞である。
[0065] 一部の態様では、本開示は、筋肉ミオパシーを治療する方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、筋肉ミオパシーを予防する方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、筋肉ミオパシーを遅延させる方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、筋肉ミオパシーの進行を遅くする方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、筋肉ミオパシーを改善する方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。
[0066] 本明細書に開示される医薬組成物によって治療、予防、遅延または改善することができるミオパシーのタイプには、限定されずに、筋ジストロフィー、ミオトニー、神経ミオトニー、先天性ミオパシー(例えばネマリンミオパシー、マルチ/ミニコアミオパシー、中心核ミオパシー)、ミトコンドリアのミオパシー、家族性周期性四肢麻痺、炎症性ミオパシー、代謝ミオパシー(例えば糖原病、脂質保存障害);後天性ミオパシー(例えば、薬物性ミオパシー、グルココルチコイドミオパシー、アルコール性ミオパシー)、皮膚筋炎、多発筋炎、封入体筋炎、骨化性筋炎、横紋筋融解およびミオグロビン尿症が含まれる。
[0067] 本明細書に開示される医薬組成物によって治療、予防、遅延または改善することができる筋ジストロフィーのタイプには、限定されずに、BMD(ベッカー筋ジストロフィー)、DMD(デュシェンヌ筋ジストロフィー)、筋強直性ジストロフィー、LGMD(肢帯筋ジストロフィー)、眼球咽頭筋ジストロフィー、先天性筋ジストロフィー、末梢型筋ジストロフィー、ランドジー−デジェリーヌ筋ジストロフィー、エメリー−ドライフス筋ジストロフィーおよび顔面肩甲上腕筋ジストロフィーが含まれる。
[0068] 心筋症は、心不全につながる、心筋の収縮する能力のかなりの衰退である。疾患は、不整脈および心室機能不全の様々な開始に伴って経時的に進行する。疾患の初期に心電図異常を見出すことができ、年齢と共に進行する。心筋症の発達は、初期の拡張期機能不全と、続く偏心性肥大によって特徴付けられる。
[0069] 一部の態様では、本開示は、心筋症を治療する方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、心筋症を予防する方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、心筋症を遅延させる方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、心筋症の進行を遅くする方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、心筋症を改善する方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。
[0070] 本明細書に開示される医薬組成物によって治療、予防、遅延または改善することができる心筋症のタイプには、限定されずに、遺伝的心筋症(例えば、肥大型心筋症(HCMまたはHOCM);催不整脈性右心室心筋症(ARVC);孤立性心室非圧縮;ミトコンドリアのミオパシー)、拡張型心筋症(DCM)、収縮性心筋症(RCM))、後天性心筋症(例えば産褥性心筋症;タコツボ心筋症;レフラー心内膜炎)、代謝性/貯蔵心筋症(例えば、アミロイド症、ヘモクロマトーシス)、炎症性心筋症(例えば「ウイルス性心筋炎」;シャガス病によって引き起こされる心筋症)、内分泌の心筋症(例えば糖尿病性心筋症;甲状腺機能亢進症によって引き起こされる心筋症;先端巨大)、毒性によって引き起こされる心筋症(例えば、化学療法心筋症、アルコール性心筋症)、X連鎖拡張型心筋症および/または神経筋心筋症(例えば筋ジストロフィー)が含まれる。一部の好ましい実施形態では、心筋症は筋ジストロフィーから生じる。一部の実施形態では、心筋症はデュシェンヌ筋ジストロフィーから生じる。一部の実施形態では、心筋症はベッカー筋ジストロフィーから生じる。
[0071] 心筋症症状の治療、予防、遅延または改善は、当技術分野で公知である任意の手段によって測定することができる。例えば、評価は、心エコー評価、噴門磁気共鳴画像(MRI)、後期ガドリニウム増強による心臓MRIを含むことができる。特に、LVのサイズ、厚さ、容量、EFおよび心筋の瘢痕/炎症性負荷ならびに緊張を評価することができる。緊張、LVの径および容量の変化ならびに瘢痕負荷が鍵となる尺度である。
[0072] ミオパシー症状の治療、予防、遅延または改善は、当技術分野で公知である任意の手段によって測定することができる。例えば、ミオパシー患者を評価するために使用される検査には、限定されずに、イソ酵素によるクレアチンキナーゼ(CK)レベル、電解質、カルシウムおよびマグネシウムのレベル、血清中ミオグロビンレベル、血清クレアチニンおよび血中尿素窒素レベル、尿検査(例えば、顕微鏡評価での赤血球減少の陽性尿検査によって示されるミオグロビン尿症、完全血球算定、赤血球沈降速度、甲状腺機能検査法、アスパラギン酸アミノ基転移酵素レベル、心電図記録、抗核抗体レベル、筋電図記録法、磁気共鳴画像化および/または筋生検が含まれる。本明細書に開示される医薬組成物の投与の効果は、骨格筋、心筋、腓腹筋、四頭筋、横隔膜筋および/または前脛骨筋を非限定的に含む、任意の関連する筋肉で測定することができる。
[0073] 一部の態様では、本開示は、心臓衰退を予防する方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、心臓衰退を遅延させる方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、心臓衰退の進行を遅くする方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、心臓衰退を改善する方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、心臓衰退は、未処置のミオパシー対象での心臓衰退と比較して、約1週、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約8カ月、約1年、約2年、約5年および/または約10年の間、予防、遅延または改善される。一部の実施形態では、心臓衰退は、未処置のミオパシー対象での心臓衰退と比較して、約1%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%予防、遅延または改善される。一部の実施形態では、心臓衰退のこの予防、遅延または改善は、本明細書に開示される時点で観察される。例えば、心臓衰退は、32週後に約20%遅延させることができる。一部の実施形態では、心臓衰退は、変力性の低下である。一部の実施形態では、心臓衰退は、拡張機能の低下である。一部の実施形態では、心臓衰退は、心筋の肥厚である。一部の実施形態では、心臓衰退は、心臓肥大である。
[0074] 一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、未処置のミオパシー対象と比較して対象で心機能を改善する。一部の実施形態では、心機能は、未処置のミオパシー対象の心機能と比較して、約1週、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約8カ月、約1年、約2年、約5年および/または約10年の間改善される。一部の実施形態では、心機能は、未処置のミオパシー対象の心機能と比較して、約1%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%改善される。一部の実施形態では、心機能のこの改善は、本明細書に開示される時点で観察される。一部の実施形態では、心臓の改善は、変力性の増加である。一部の実施形態では、心臓の改善は、拡張機能の増加である。一部の実施形態では、心臓の改善は、心筋症対象と比較して心筋のより少ない肥厚である。一部の実施形態では、心臓の改善は、心筋症対象と比較してより少ない心肥大である。
[0075] 一部の態様では、本開示は、線維症の発達を予防する方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、線維症の発達を遅延させる方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、線維症の進行を遅くする方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、線維症の発達を改善する方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、線維症の発達は、未処置のミオパシー対象での線維症の発達と比較して、約1週、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約8カ月、約1年、約2年、約5年および/または約10年の間、予防、遅延または改善される。一部の実施形態では、線維症の発達は、未処置のミオパシー対象での線維症の発達と比較して、約1%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%予防、遅延または改善される。一部の実施形態では、線維症のこの予防、遅延または改善は、本明細書に開示される時点で観察される。一部の実施形態では、線維症は、生検での組織学的技術(例えばヘマトキシリンおよびエオシン(HE)およびトリクローム染色)を使用して測定され、そこでは、線維症は全組織面積に対する存在するコラーゲンの百分率を判定することによって評価することができる。
[0076] 一部の態様では、本開示は、コラーゲンの生成を低減する方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、コラーゲンの生成を遅延させる方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、コラーゲンの生成を改善する方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、コラーゲンの生成は、未処置のミオパシー対象でのコラーゲンの生成と比較して、約1週、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約8カ月、約1年、約2年、約5年または約10年の間、低減、遅延または改善される。一部の実施形態では、コラーゲンの生成は、未処置のミオパシー対象でのコラーゲンの生成と比較して、約1%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%低減、遅延または改善される。一部の実施形態では、コラーゲン生成のこの低減、遅延または改善は、本明細書に開示される時点で観察される。例えば、ミオパシー患者で生成されるコラーゲンの量は、32週後に約25%減少することができる。
[0077] 一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、対象で筋肉収縮性および/または収縮力を維持する。一部の実施形態では、筋肉収縮性および/または収縮力は、健康対象の筋肉収縮性および/または収縮力の約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約99%で維持される。一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、健康対象の筋肉収縮性および/または収縮力と比較して、約1週、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約8カ月、約1年、約2年、約5年および/または約10年の間、対象で筋肉収縮性および/または収縮力を維持する。一部の実施形態では、筋肉収縮性および/または収縮力の程度は、本明細書に開示される時点で、対象で維持される。健康対象は、筋ジストロフィーまたは他の筋肉消耗疾患もしくは障害を患っていない対象と規定される。
[0078] 一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、対象で筋力を維持する。一部の実施形態では、筋力は、健康対象の筋力の約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約99%で維持される。一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、健康対象の筋力と比較して、約1週、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約8カ月、約1年、約2年、約5年および/または約10年の間、対象で筋力を維持する。一部の実施形態では、筋力の程度は、本明細書に開示される時点で、対象で維持される。筋肉機能は、全体対象レベルで、器官レベルおよび/または筋細胞レベルで測定することができる。骨格の筋力は、当技術分野で公知である任意の手段によって、例えば手動筋肉検査および/またはダイナモメーターの使用によって測定することができる。心筋強度は、当技術分野で公知である任意の手段によって、例えば、心電図、心エコー検査、磁気共鳴画像化(MRI)、圧力容積評価(例えば、拍出率、短縮率、拡張終期容積(EDV)、収縮終期容積(ESV)、拍出量(SV)、心筋緊張、拡張終期圧(EDP)、収縮終期圧(ESP))を用いることによって測定することができる。例えば、一部の実施形態では、医薬組成物の投与は、未処置のミオパシー対象と比較してFAS(fractional area shortening)を保存する。一部の実施形態では、医薬組成物の投与は、未処置のミオパシー対象と比較して拍出率を保存する。一部の実施形態では、医薬組成物の投与は、未処置のミオパシー対象と比較して心室充填速度を増加する。一部の実施形態では、医薬組成物の投与は、未処置のミオパシー対象と比較して圧上昇の最大速度を上昇させる。さらに他の実施形態では、医薬組成物の投与は、未処置のミオパシー対象と比較して弛緩のタウ定数を増加する。
[0079] 一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、対象で収縮によって誘導される筋肉損傷を予防、遅延または改善する。一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、未処置のミオパシー対象と比較して、収縮によって誘導される筋肉損傷を約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%および/または約95%予防、遅延または改善する。一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、未処置のミオパシー対象と比較して、対象で収縮によって誘導される筋肉損傷を約1週、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約8カ月、約1年、約2年、約5年および/または約10年の間予防、遅延または改善する。一部の実施形態では、収縮によって誘導される筋肉損傷の予防、遅延または改善の程度は、本明細書に開示される時点で、対象で観察される。例えば、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、収縮によって誘導される筋肉損傷を10週後に25%低減することができる。一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、比筋力を変化させずに対象で収縮によって誘導される筋肉損傷を予防、遅延または改善する。一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、対象で収縮によって誘導される筋肉損傷の予防、遅延、進行の減速または改善を実行し、比筋力を向上させる。
[0080] 一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、筋細胞機能を維持する。一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、筋細胞短縮、筋細胞再伸長、弛緩および/または筋細胞収縮性を維持する。一部の実施形態では、筋細胞短縮、筋細胞再伸長、弛緩および/または筋細胞収縮性は、健康対象での筋細胞短縮、筋細胞再伸長、弛緩および/または筋細胞収縮性の約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約99%で維持される。一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、健康対象での筋細胞短縮、筋細胞再伸長、弛緩および/または筋細胞収縮性と比較して、対象で筋細胞短縮、筋細胞再伸長、弛緩および/または筋細胞収縮性を約1週、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約8カ月、約1年、約2年、約5年および/または約10年の間維持する。一部の実施形態では、筋細胞短縮、筋細胞再伸長、弛緩および/または筋細胞収縮性の程度の維持は、本明細書に開示される時点で、対象で観察される。筋細胞機能は、例えば機能および/もしくは傷害に関連したバイオマーカーの測定、ならびに/または筋細胞の直接検査を含む、当技術分野で公知である任意の手段を通して検査することができる。一部の実施形態では、筋細胞は骨格の筋細胞である。一部の実施形態では、筋細胞は心筋細胞である。
[0081] 一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、筋肉中の免疫細胞数に影響する。一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、筋肉中の免疫細胞数を減少させる。一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、筋肉中のマクロファージ数を減少させる。一部の実施形態では、免疫細胞数は、未処置のミオパシー対象の筋肉中の免疫細胞数の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約99%減少する。一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、未処置のミオパシー対象の筋肉中の免疫細胞数と比較して、対象の筋肉中の免疫細胞数を約1週、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約8カ月、約1年、約2年、約5年および/または約10年の間減少させる。一部の実施形態では、筋肉中の免疫細胞数のこの減少は、本明細書に開示される時点で、対象で観察される。例えば、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、筋肉中の免疫細胞数を32週後に約25%減少させることができる。
[0082] 一部の態様では、本開示は、炎症を予防する方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、炎症を遅延させる方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、炎症の発達を遅くする方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、炎症を改善する方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の態様では、本開示は、炎症を低減する方法であって、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPの医薬組成物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、炎症は、未処置のミオパシー対象での炎症と比較して、約1週、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約8カ月、約1年、約2年、約5年および/または約10年の間、予防、遅延、低減または改善される。一部の実施形態では、炎症は、未処置のミオパシー対象での炎症と比較して、約1%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%予防、遅延、低減または改善される。一部の実施形態では、炎症のこの予防、遅延、低減または改善は、本明細書に開示される時点で観察される。一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の投与は、炎症誘発性サイトカインの発現または活性を阻害することによって、炎症を予防、遅延、低減または改善する。一部の実施形態では、炎症誘発性サイトカインは、限定されずにOPN、LTβ4、TNF−アルファ、インターロイキン−6(IL−6)および可溶性腫瘍壊死因子−アルファ受容体(sTNFR)を含む、任意の炎症誘発性サイトカインである。
医薬組成物および投与
[0083] 本開示は、血管作用性小腸ペプチドおよび1つまたは複数のELPを、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤および/または希釈剤と一緒に含む医薬組成物を提供する。
[0084] 本開示は、本明細書に開示される治療剤ならびに1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤および/または希釈剤を含む持続的放出製剤を提供する。例えば、そのような賦形剤には、塩および水素結合を安定させる作用をすることができる他の賦形剤が含まれる。当技術分野で公知である任意の適当な賦形剤を使用することができる。例示的な賦形剤には、限定されずに、ヒスチジン、グリシンまたはアルギニンなどのアミノ酸;グリセロール;スクロースなどの糖;ポリソルベート20およびポリソルベート80などの界面活性剤;クエン酸;クエン酸ナトリウム;抗酸化剤;ナトリウム、カリウムおよびカルシウムなどのアルカリ土類金属塩を含む塩;塩化物およびリン酸塩などの対イオン;保存剤;糖アルコール(例えばマンニトール、ソルビトール);ならびに緩衝剤が含まれる。例示的な塩には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、二塩基性リン酸ナトリウム、塩基性リン酸ナトリウム、塩基性リン酸カリウムおよび二塩基性リン酸カリウムが含まれる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、増強された効能、生物学的利用能、治療半減期、持続性、分解抵抗性などを有する。
[0085] ある特定の実施形態では、製剤は、約5mMヒスチジン〜約100mMヒスチジンを含むことができる。一部の実施形態では、製剤は、約50mMヒスチジン、約40mMヒスチジン、約30mMヒスチジン、約25mMヒスチジン、約20mMヒスチジンまたは約15mMヒスチジンを含む。ある特定の実施形態では、製剤は、約10mM塩化ナトリウム〜約200mM塩化ナトリウムを含むことができる。一部の実施形態では、製剤は、約20mM塩化ナトリウム、約40mM塩化ナトリウム、約60mM塩化ナトリウム、約75mM塩化ナトリウム、約100mM塩化ナトリウム、約120mM塩化ナトリウムまたは約150mM塩化ナトリウムを含む。ある特定の実施形態では、製剤は、約10mMヒスチジン〜約30mMヒスチジン、および約60mM塩化ナトリウム〜約80mM塩化ナトリウムを含むことができる。ある特定の実施形態では、製剤は、約20mMヒスチジンおよび約75mM塩化ナトリウムを含むことができる。
[0086] 医薬組成物は、体温(例えば37℃、または一部の実施形態では34〜36℃)でマトリックスの形成を可能にするのに十分であるpH、イオン強度で、および一般的に賦形剤で製剤化される。医薬組成物は、それが貯蔵条件でマトリックスを形成しないように一般的に調製される。製剤は、冷凍、冷蔵または室温で保存することができる。保存条件は、約−10℃未満、または約−20℃未満、または約−40℃未満、または約−70℃未満などの凍結未満であってよい。貯蔵条件は、一般的に製剤の転移温度未満、例えば約32℃未満、または約30℃未満、または約27℃未満、または約25℃未満、または約20℃未満、または約15℃未満である。一部の実施形態では、製剤は2〜8℃で保存される。例えば、製剤は血液と等張性であるか、または生理的条件を模倣するイオン強度を有することができる。例えば、製剤は、少なくとも25mM塩化ナトリウムのそれ、または少なくとも30mM塩化ナトリウムのそれ、または少なくとも40mM塩化ナトリウムのそれ、または少なくとも50mM塩化ナトリウムのそれ、または少なくとも75mM塩化ナトリウムのそれ、または少なくとも100mM塩化ナトリウムのそれ、または少なくとも150mM塩化ナトリウムのそれのイオン強度を有することができる。ある特定の実施形態では、製剤は、0.9%食塩水(154mM塩化ナトリウム)のそれに等しいイオン強度を有する。
[0087] 一部の実施形態では、製剤は生理的pHで製剤化される。一部の実施形態では、製剤は、約5.5〜約8.5の範囲内のpHで製剤化される。一部の実施形態では、製剤は、約6.0〜約8.0の範囲内のpHで製剤化される。一部の実施形態では、製剤は、約6.5〜約7.5の範囲内のpHで製剤化される。一部の実施形態では、製剤は7.5のpHで製剤化される。一部の実施形態では、より低いpHの製剤は、より高いpHの製剤と比較して改善された製剤安定性を実証する。一部の実施形態では、より高いpHの製剤は、より低いpHの製剤と比較して改善された製剤安定性を実証する。
[0088] 一部の実施形態では、製剤は保存条件で安定している。安定性は、当技術分野の任意の適当な手段を使用して測定することができる。一般的に、安定した製剤とは、分解生成物または不純物の5%未満の増加を示すものである。一部の実施形態では、製剤は、貯蔵条件で少なくとも約1カ月間、少なくとも約2カ月間、少なくとも約3カ月間、少なくとも約4カ月間、少なくとも約5カ月間、少なくとも約6カ月間、少なくとも約1年または少なくとも約2年以上の間安定している。一部の実施形態では、製剤は、25℃において少なくとも約1カ月間、少なくとも約2カ月間、少なくとも約3カ月間、少なくとも約4カ月間、少なくとも約5カ月間、少なくとも約6カ月間、または少なくとも約1年以上の間安定している。
[0089] 製剤中のタンパク質濃度は、投与の温度でコアセルベートの形成を可能にするように調整される。例えば、より高いタンパク質濃度はコアセルベート形成の推進を助け、この目的のために必要なタンパク質濃度は使用されるELPシリーズによって異なる。例えば、ELP1−120または同等の転移温度を有するELPを使用する一部の実施形態では、タンパク質は約1mg/mL〜約200mg/mLの範囲内で存在するか、または約5mg/mL〜約125mg/mLの範囲内で存在する。ELP4−120または同等の転移温度を有するアミノ酸配列を使用する実施形態では、タンパク質は約0.005mg/mL〜約10mg/mLの範囲内で存在するか、または約0.01mg/mL〜約5mg/mLの範囲内で存在する。
[0090] 例示的な実施形態では、本開示は、本明細書に開示される(例えばメチオニンなどのN末端部分を有する)血管作用性小腸ペプチド、および[VPGXG]90、[VPGXG]120、[VPGXG]160または[VPGXG]180を含み、各XはV、GおよびAから選択される、1つまたは複数のアミノ酸配列を含む持続的放出医薬組成物を提供する。V、GおよびAは、約5:3:2、約7:2:0、約7:0:2、約6:0:3または約5:2:2の比で存在することができる。あるいは、アミノ酸配列は、[VPGVG]90または[VPGVG]120を含む。例示的な実施形態では、本開示は、(例えばメチオニンなどのN末端部分を有する)血管作用性小腸ペプチドまたはその誘導体、および[XPGVG]144を含み、各XはV、GおよびAから選択される、1つまたは複数のアミノ酸配列を含む持続的放出医薬組成物を提供する。V、GおよびAは、約5:0:4の比で存在することができる。あるいは、アミノ酸配列は、[XPGVG]144を含む。製剤は、ヒト対象への投与に応じた水性形からの可逆的マトリックスの形成のための、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤および/または希釈剤をさらに含む。VIPおよびその誘導体は、米国特許出願公開第2011/0178017号に開示される。
[0091] 別の態様では、本開示は、本明細書に開示される血管作用性小腸ペプチドの持続的放出レジメンを送達するための方法を提供する。本方法は、必要とする対象に本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含み、ここで、医薬組成物は1カ月につき約1〜約8回投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、1カ月につき約1回、約2回、約3回および/または約4回投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は週単位で投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は日単位で投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は1週につき1〜3回投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は2週おきに1回投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は1カ月につき1〜2回投与される。特定の実施形態では、医薬組成物は、1カ月につき約1回投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、2カ月おきに約1回、3カ月おきに約1回、4カ月おきに約1回、5カ月おきに約1回および/または6カ月おきに約1回投与される。一部の実施形態では、米国特許出願公開第2011/0178017号に記載の通り、受容体結合性プロファイルを変更するために、VIPはN末端にメチオニンなどの追加の部分を有することができる。一部の実施形態では、VIPはELP1(約90〜約180ELP単位を有する)に融合される。一部の実施形態では、VIPはELP4(約90〜約180ELP単位を有する)に融合される。一部の実施形態では、VIPはELPbeta v2(約90〜約180ELP単位を有する)に融合される。医薬組成物は、1週につき1回、1週につき2回または1カ月につき1〜8回の投与のために前充填されたペンまたはシリンジの形で詰め込むことができるか、あるいは従来のバイアルなどに充填することができる。
[0092] 有利には、活性薬剤の持続的放出のために、組成物は長期の薬物動態学的曝露を提供する。特定の態様では、最大曝露レベルは、投与の約10時間後、約24時間後、約48時間後または約72時間後に達成することができる。一般的に、最大曝露レベルは、投与の約10時間後〜約48時間後の間に達成される。最大曝露レベルが達成された後、組成物は持続的放出レベルを達成することができ、それによって最大レベルのかなりの百分率がしばらくの間得られる。例えば、持続的レベルは、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%または約100%であってよい。持続率を維持するための例示的な期間は、最大曝露率が達成されてから約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約1週間、約2週間、約4週間、約6週間または約8週間である。その後、持続レベルは、低減された曝露レベルに下がってもよい。そのような低減された曝露率は、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%または約60%であってよい。
[0093] 一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は長期投与される。一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、約6カ月、約7カ月、約8カ月、約9カ月、約10カ月、約11カ月、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年、約10年以上の間投与される。医薬組成物は、本明細書に開示される任意の必要な用量および/または頻度で投与することができる。
[0094] 一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、ミオパシーの症状が改善するまで投与される。一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、ミオパシーの症状が良くなるまで投与される。一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、ミオパシーの症状が遅延されるまで投与される。一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、ミオパシーの症状が治癒するまで投与される。
[0095] 一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、患者が1つまたは複数のミオパシー症状を示し始める前に投与される。一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、ミオパシー症状の発症時に投与される。一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、患者が心筋症を示し始める前に投与される。一部の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、心筋症の症状の発症時に投与される。
[0096] 一部の実施形態では、医薬組成物は、筋肉消耗を有すると判定された対象に投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、筋肉ミオパシーを有すると判定された対象に投与される。一部の実施形態では、対象は、非ミオパシー対象と比較して血液中に循環する筋タンパク質のレベルが増加していると判定される。一部の実施形態では、対象は、非ミオパシー対象と比較して血液中に循環するクレアチンキナーゼ(CK)のレベルが増加していると判定される。一部の実施形態では、対象は、非ミオパシー対象と比較して血液中に循環する乳酸脱水素酵素(LDH)のレベルが増加していると判定される。一部の実施形態では、対象は、非ミオパシー対象と比較して血液中に循環するピルビン酸キナーゼ(PK)のレベルが増加していると判定される。筋タンパク質レベルは、血清酵素検査を使用して判定することができる。
[0097] 一部の実施形態では、対象は、尿中の電解質のレベルが変更されていると判定される。一部の実施形態では、対象は、非ミオパシー対象と比較して尿中のカルシウムのレベルが増加していると判定される。一部の実施形態では、対象は、非ミオパシー対象と比較して尿中のマグネシウムのレベルが増加していると判定される。尿中の電解質のレベルは、尿検査を使用して判定することができる。
[0098] 一部の実施形態では、医薬組成物は、炎症性ミオパシーを有すると判定された対象に投与される。一部の実施形態では、対象は、非ミオパシー対象と比較して血液中に循環する抗体のレベルが増加していると判定される。一部の実施形態では、対象は、非ミオパシー対象と比較して血液中に循環する筋肉炎関連の抗体のレベルが増加していると判定される。一部の実施形態では、筋肉炎関連の抗体には、限定されずに、Jo−1、PL−7、Pl−12、EK、OJ、KS、ZoおよびHaが含まれる。一部の実施形態では、筋肉炎関連の抗体は、限定されずに、抗体Jo−1、PL−7、Pl−12、EK、OJ、KS、ZoおよびHaが結合するものを含む抗原に結合する。一部の実施形態では、抗体には、限定されずに、SRP、Mi−2、PMS1、P155、p140、CADM−140、MJ(p140)、MU、SAE、デコリン、KU、KJ、HMGCR、Mup44、コルタクチン、核孔、FHL1、PM−Scl、56kD、SSA/ro、U1−nRNP、U2−NRNP、Fer、MASおよびミトコンドリアが含まれる。一部の実施形態では、抗体は、限定されずに、SRP、Mi−2、PMS1、P155、p140、CADM−140、MJ(p140)、MU、SAE、デコリン、KU、KJ、HMGCR、Mup44、コルタクチン、核孔、FHL1、PM−Scl、56kD、SSA/ro、U1−nRNP、U2−NRNP、Fer、MASおよびミトコンドリア抗体が結合するものを含む抗原に結合する。
[0099] 一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して異常な心エコー図を有すると判定される。一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して心臓性能の変化を有すると判定される。一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して増加したP−R間隔を有すると判定される。一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して増加したU波を有すると判定される。一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して広いQRSを有すると判定される。一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して非特異的ST−T変化を有すると判定される。一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して洞不整脈を有すると判定される。一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して、前胸部に深部のQ波および上昇したR波を有すると判定される。一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して異常な強直性収縮(TC)を有すると判定される。一部の実施形態では、強直性収縮は、心エコーで左心室「充填不足」の出現をもたらす、持続的イオン誘導筋細胞収縮として現れるカルシウム調節不全の期間から生じる(Su et al.(2015)。一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して不整脈を有すると判定される。一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して洞性頻脈を有すると判定される。一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して収縮期機能不全を有すると判定される。一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して拡張期機能不全を有すると判定される。一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して、減少した僧帽弁収縮期波速度を有すると判定される。一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して壁運動異常を有すると判定される。心臓の機能および/または特徴は、心電図を使用して測定することができる。
[00100] 一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して増加した炎症誘発性サイトカイン発現を有すると判定される。一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して増加した炎症誘発性サイトカイン活性を有すると判定される。一部の実施形態では、炎症誘発性サイトカインは、限定されずにOPN、LTβ4、TNF−アルファ、インターロイキン−6(IL−6)および可溶性腫瘍壊死因子−アルファ受容体(sTNFR)を含む、任意の炎症誘発性サイトカインである。対象での炎症誘発性サイトカインの発現または活性は、サイトカインアッセイを通して測定することができる。
[00101] 一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して減少したnNOSタンパク質発現を有すると判定される。一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して減少したnNOS活性を有すると判定される。一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して変化したnNOSタンパク質蓄積を有すると判定される。一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して、骨格筋のサイトゾルに増加したnNOSタンパク質蓄積を有すると判定される。一部の実施形態では、対象は、非心筋症対象と比較して、骨格筋の筋線維鞘に減少したnNOSタンパク質蓄積を有すると判定される。タンパク質蓄積は、組織学的技術によって検査することができる。タンパク質発現は、免疫沈降技術によって検査することができる。タンパク質活性は、NOS触媒アッセイによって測定することができる。
[00102] 医薬組成物は一般的に「全身性送達」のためであり、これは、薬剤が病的部位または作用部位に局所的に送達されないことを意味する。代わりに、薬剤は注射部位から血流中に吸収され、そこで、薬剤は全身的に作用するか、または循環を通して作用部位に輸送される。治療剤は任意の公知の経路によって、例えば、経口的、静脈内、筋肉内、経鼻的、皮下、膣内におよび直腸内に投与することができる。一実施形態では、製剤は一般的に皮下投与のためのものである。一実施形態では、薬剤が皮下に投与されるとき、薬物動態学的(PK)パラメータは延長される。一実施形態では、融合タンパク質の半減期が延長される。一実施形態では、他の手段(例えば静脈内)によって投与される薬剤と比較して、薬剤が皮下に投与されるときのPKパラメータは延長される。一実施形態では、他の手段(例えば静脈内)によって投与される薬剤と比較して、薬剤が皮下に投与されるときに薬剤の貯蔵所は延長される。
[00103] 一部の実施形態では、製剤は約月1回投与され、皮下または筋肉内に投与することができる。一部の実施形態では、製剤は約週1回投与され、皮下または筋肉内に投与することができる。一部の実施形態では、投与部位は病的部位ではなく、例えば、意図された作用部位でない。
[00104] 様々な実施形態では、活性薬剤の血漿中濃度は、製剤の複数回の投与、例えば少なくとも2回、少なくとも約5回または少なくとも約10回の投与の過程で、10倍、または約5倍、または約3倍を超えて変化することはない。投与は、実質的に等間隔、例えば、約1日ごと、または約1週に1回、または1カ月につき1〜約5回、または約2カ月ごとに1回または約3カ月ごとに1回である。
[00105] 本明細書に開示される医薬組成物は、未融合であるか非コンジュゲート型の対応物より小さい用量および/または低い頻度で投与することができる。当業者は各場合に望ましい用量を決定することができるが、治療的恩恵の達成のための治療剤の適する用量は、例えば、1日につきレシピエントの1キログラム体重につき約1マイクログラム(μg)〜約100ミリグラム(mg)の範囲内、好ましくは1日につき1キログラム体重につき約10μg〜約50mgの範囲内、最も好ましくは1日につき1キログラム体重につき約100μg〜約10mgの範囲内であってよい。一部の実施形態では、医薬組成物は低用量で投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、1日につき体重1キログラムにつき1mgから1日につき体重1キログラムにつき約9mgまでの間の用量で投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、1日につき体重1キログラムにつき約1mg、1日につき体重1キログラムにつき約3mgおよび/または1日につき体重1キログラムにつき約9mgで投与される。所望の用量は、1用量または1日に適当な間隔で投与される2つ以上の下位用量として提示することができる。これらの下位用量は、例えば1単位剤形につき約10μg〜約1000mg、好ましくは約50μg〜約500mg、最も好ましくは約50μg〜約250mgの有効成分を含有する単位剤形で投与することができる。あるいは、レシピエントの状態がそれを必要とするならば、用量は連続注入として投与することができる。
[00106] ある特定の実施形態では対象はヒトであるが、他の実施形態では非ヒト哺乳動物、例えば家畜化されたペット(例えば、イヌまたはネコ)または家畜もしくは畜産動物(例えば、ウマ、ウシ、ヒツジまたはブタ)であってもよい。
併用療法
[00107] 本明細書に開示される医薬組成物は、ミオパシー、筋ジストロフィーおよび/または心筋症を治療、予防、遅延または改善するために使用される、物理的療法、呼吸療法、言語療法、作業療法、矯正手術および/または治療剤を限定されずに含む、様々な療法と投与することができる。本明細書に開示される医薬組成物は、単独で、または1つまたは複数の治療剤と組み合わせて使用することができる。1つまたは複数の治療剤は、それを必要とする対象に治療効果を発揮する任意の化合物、分子または物質であってよい。
[00108] 1つまたは複数の治療剤は、別個の医薬組成物として、または単一の医薬組成物中に混合して、対象に「同時投与すること」、すなわち、協調的な方法で投与することができる。「同時投与する」によって、1つまたは複数の治療剤は、本医薬組成物と同時に投与することもできるか、または別々に、例えば異なる時間でおよび異なる頻度で投与することができる。1つまたは複数の治療剤は、任意の公知の経路によって、例えば、経口的、静脈内、筋肉内、経鼻的、皮下、膣内、直腸内などに投与することができ、治療剤は任意の従来の経路によって投与することもできる。多くの実施形態では、少なくとも1つの治療剤は、皮下に投与されてもよい。
[00109] これらの1つまたは複数の治療剤には、限定されずに、コルチコステロイド;ステロイド、フェニトイン;プロカインアミド;キニーネ;糖質コルチコイド(例えば、デフラザコルト、VBP15、プレドニゾントリアムシノロン、全身性メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、ブデソニド、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾンおよび/またはコルチゾン);抗痙攣薬;免疫抑制薬(例えば、シクロスポリン、タクロリムス、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、シロリムス、エベロリムス、アザチオプリン、ミコフェノール酸、メトトレキセート、バシリキシマブ、ダクリズマブ、リツキシマブ、抗胸腺細胞グロブリン、抗リンパ球グロブリン);ペニシリン(例えば、ペニシリンおよびアモキシシリン);セファロスポリン(例えば、セファレキシン);マクロライド(例えば、エリスロマイシン、クラリスロマイシンおよびアジスロマイシン);フルオロキノロン(例えば、オフロキサシン、レボフロキサシンおよびオフロキサシン);スルホンアミド(例えば、コトリモキサゾールおよびトリメトプリム);テトラサイクリン(例えば、テトラサイクリンおよびドキシサイクリン);アミノグリコシド系(例えば、ゲンタマイシンおよびトブラマイシン));ACE阻害剤(例えば、ペリンドプリルおよびエナラプリル);アンギオテンシンII受容体ブロッカー;ベータブロッカー;カルシウムチャネル遮断薬;ジゴキシン;抗不整脈薬;抗凝固剤;抗生物質;利尿剤(例えば、スピロノラクトン、エプレレノン);エクソンスキップ療法(例えば、エテプリルセン、ドリサペルセン);抗ミオスタチン抗体(例えば、PF−06252616);抗結合組織増殖因子抗体(例えば、FG−3019)、PDE5阻害剤(例えば、タダラフィル、シルデナフィル);PDE9阻害剤;NF−κB阻害剤;終止コドンリードスルー薬物(例えば、アタルレン);ユートロフィンモジュレータ(例えば、SMT C1100、SMT022357);抗線維症の薬剤(例えば、ハロフギノン、アンギオテンシン[1−7]);コエンザイムQ10の合成類似体(例えば、イデベノン);同種異系心細胞療法(例えば、CAP−1002;Toll様受容体アンタゴニスト(例えば、IMO−8400);無機質コルチコイド受容体アンタゴニスト;β−アドレナリン受容体アンタゴニスト;レズベラトロル;SIRT1活性化因子を含む。
[00110] 2つ以上の治療剤を併用するときは、各治療剤の投薬量は独立して使用するときの薬剤の投薬量と一般的に同一である。しかし、治療剤が他の代謝を妨害するとき、各治療剤の投薬量は適切に調整される。あるいは、2つ以上の治療剤が相乗作用を示す場合、1つまたは複数の用量を低減することができる。各治療剤は、同時に、または適当な間隔で別々に投与することができる。
[00111] 本出願全体において「a」、「an」および「the」などの単数形は便宜上使用されるが、文脈または明示的記述が別途示す場合以外は、単数形は複数形を含むこととすることを理解するべきである。全ての数値範囲は、数値範囲の中のいずれの数値地点をも含むと理解するべきで、いずれの数値地点をも個々に列挙するものと解釈するべきである。同じ成分または特性を対象とする全ての範囲の端点は包含的であり、個々に組合せ可能であることとする。
[00112] 参照される数値表示に関連して使用されるとき、用語「約」は、参照数値表示プラスまたはマイナス参照数値表示の最高10%を意味する。例えば、語「約50」は、45〜55の範囲を含む。
[00113] 本明細書で用いるように、単語「含む」およびその変異体は非限定的であることとし、そのため、リスト中のアイテムの列挙は、この技術の材料、組成物、器具および方法で同じく有益であろう他の同様のアイテムを除外するものではない。同様に、用語「することができる」および「してもよい」およびそれらの変異形は非限定的であることとし、そのため、実施形態がある特定の要素または特徴を含むことができるかまたは含んでもよいとの叙述は、それらの要素または特徴を含有しない本技術の他の実施形態を排除しない。含む、含有するまたは有するなどの用語の同義語としてのオープンエンドの用語「含む」は、本開示を記載および請求するために本明細書で使用されるが、本技術またはその実施形態は、列挙された成分「からなる」または「から事実上なる」などのより限定的な用語を使用して代わりに記載することができる。
[00114] 特に明記されない限り、本明細書の全ての専門用語および科学用語は、この開示が属する分野の当業技術者が通常理解するのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるそれらに類似するかまたは同等であるいかなる方法および材料も本開示の実施または試験で用いることができるが、好ましい方法および材料が本明細書に記載される。
[00115] この開示は、以下の非限定的実施例でさらに例示される。
実施例1−筋ジストロフィー患者における心筋症および骨格筋ミオパシーに及ぼすPB1046の影響
[00116] 骨格および心臓の症状の発症の遅延に対するPB1046治療の効能を試験するために、デュシェンヌ筋ジストロフィーおよびベッカー筋ジストロフィー患者で臨床治験を実行する。
[00117] 設計:これは、無作為化された(2:1)二重盲検プラセボ比較治験である。最初に、18才以上の患者を評価するが、試験は12才以上の青年に開放される。用量応答を評価するために、少なくとも2つの用量レベル、例えば、0.4mg/kgから3.2mg/kgの間の用量、例えば0.8mg/kgおよび1.6mg/kgが評価される。安全性に関する考慮によって、より高いかより低い用量を評価することもできる。各用量レベルで、少なくとも6人の患者が治療される。
[00118] 主要な研究エンドポイントは効能であり、それは、12週間の治療後の全体的な心臓/領域性機能特性におけるベースラインからの変化として測定される。この機能は、24週後にさらに評価される。心エコー検査および後期ガドリニウム増強による心臓MRIが、評価のために使用される。左心室円周歪に及ぼす治療の影響が測定される。左心室拡張終期容積(LVEDV)、右心室拡張終期容積(RVEDV)、心臓線維症の尺度としての増強の程度、短縮率(FS)および/または心拍出量(CO)を測定する。LVのサイズ、厚さ、容積、拍出率および心筋の瘢痕/炎症性負荷、ならびに緊張、LVの径および容積の変化、および瘢痕負荷が鍵となる測定である。
[00119] 二次の効能エンドポイントは、呼吸機能、定量的筋力、機能および品質の評価である。
[00120] 試験が終わると、患者はData Safety Monitoring Boardの推奨に基づいて、連続した非盲検療法を勧められる。
実施例2−PB1046、安定した持続性の血管作用性小腸ペプチド受容体アゴニスト、による長期治療は、デュシェンヌ筋ジストロフィーのマウスモデルにおいて心臓および骨格の筋肉の機能を改善する
[00121] 材料および方法:MDX(C57BL10/ScSnDMDmdx、ジストロフィン欠損、n=21)およびDKO(二重ノックアウト)mdx/utrn−/−(ジストロフィン/ユートロフィン欠損、n=13)マウスに、試験期間(MDXの場合は32週、DKOの場合は最高4週)の間、PB1046(1.5mg/kg)または0.9%NaCl食塩水(対照)を週に3回皮下に投与した。左心室機能(心エコー検査;ECHOを通して)および心電図検査(ECG)の変化を、ルーチン検査の間モニタリングした。終末の評価は、全身/左心室血行動態を測定する圧カテーテルを有する機器を取り付けた動物での麻酔をかけた調製物、または長指伸筋(EDL)での骨格筋力評価(MDXだけ)を含んだ。組織試料は、組織学的評価(シリウス染色ならびにマクロファージおよびCDの計数)のために、瞬間冷凍したかまたはホルマリンで固定した。
[00122] 心室性能の最も一般的に使用される心エコーパラメータは短縮率(FS%)であり、それは、心筋収縮性の推定値として使用され、拡張期終期の左心室の直径と収縮期終期のその直径の間の比である。測定された面積短縮率(FAS)および短縮率。FASを計算するために、左心室面積を乳頭状レベルにおいて短軸で可視化し、および断面画像を使用して、拡張終期および収縮終期の心内膜辺縁を手動でトレースした。治療クールの前および間に、FASを動物で判定した。初期収縮期における左心室(LV)圧上昇の速度(dP/dtmax)は、LV全体の収縮性を測定する。発揮される収縮力がより大きいほど、左心室圧の増加速度はより大きい。この速度は、侵襲的に、例えばLVの中のハイファイ微差圧力計カテーテルを使用して、ならびに非侵襲的に、僧帽弁閉鎖不全症噴流の連続波ドップラー検査から測定することができる。等容性弛緩の間の心室圧の指数関数的減衰を表すタウも、測定した。より長いタウは、心臓の機能不全を示す。
[00123] マウスの両脚からの長指伸筋(EDL)の筋肉を腱の所で切り裂き、Krebs−Henselet(K−H)緩衝液中に置いた。一部適応させて、Hellerら(2013)およびRodino−Klapacら(2007)に開示されている通り、筋肉を分析した。簡潔には、1つの腱を力変換器のレバーアームに結び、他の腱をリニアサーボモーターに結び付けた。筋肉が安定したら、それを1グラムの最適な長さにセットし、30秒おきの3つの1Hz痙攣からなるウォームアップにかけ、その後毎分3つの150Hz痙攣が続いた。3分の休止時間の後、各刺激の間に1分の休止時間を置いてEDLを50、100、150および200Hzで刺激して、最大強直力を判定した。刺激の後、筋肉長を測定した。5分の休止の後、収縮誘導傷害へのEDL筋肉の感受性を評価した。500msの刺激の後、筋肉を最適な長さの10%だけ長くし、150Hzで700ms刺激した。刺激の後、筋肉を最適な長さに戻した。このサイクルを、合計10サイクルまで毎分繰り返した。
[00124] EDLの筋肉断面積によって最大強直力を割り算することによって、比力を計算した。比較目的のために、全ての力測定は、収縮材料の単位断面積(CSA)あたりで表した(正規化された等尺性の力または緊張、mN/mm)。CSAは、以下の式を使用して計算した:
Figure 0006824888
[00125] さらに、線維症のマーカーとしてコラーゲン沈着の程度を判定するために、シリウスレッドで染色することによって組織試料を分析した。
[00126] 結果:長期PB1046は、MDXマウスで心臓衰退を遅らせた。FAS(収縮期機能の指数)は、試験期間中保存された(P<0.05)(図1A)。心室充填速度(E/A比−拡張期機能の指数)は、試験期間全体でより速い傾向があったが、統計的有意性に到達しなかった(図1B)。短縮率(FS)も、試験期間の間保存された(データ示さず)。
[00127] これらの時点で、心電図も評価した。試験全体で、PB1046処置MDXマウスは、プラセボ処置動物と比較したときより短いQRS(心室伝導を保存した)を有する傾向があったが、統計的有意性に到達しなかった(データ示さず)。DKOマウスで類似の傾向が記され、PB1046処置は対照で見られたQRS延長を鈍化させた(データ示さず)。
[00128] in vivo分析は、MDXマウスでのPB1046処置により、圧上昇の高められた最大速度(dP/dtmax−収縮期機能の指数)が有意により大きく(図2A〜B)、弛緩のタウ定数がより速かった(P<0.05)(図2C〜E)ことを示した。
[00129] 骨格筋機能の評価では、PB1046処置は、MDXマウスにおいて比力を変化させることなく、孤立性EDL筋肉で収縮誘導傷害から保護した(図3A〜B)。
[00130] 増加した骨格および心臓の機能と一致して、PB1046はMDXマウスの腓腹筋において線維症の程度(コラーゲン量)を有意に減少させた(四頭筋、横隔膜または前脛骨筋では統計的に有意な効果はなかったが、傾向は明白であった)(図4A)。さらに、MDX心筋でコラーゲン量を低減する傾向があった(図4B)。nは小さかったが、DKOマウス心臓において線維症で類似の傾向が見られた(データ示さず)。
[00131] PB1046処置後に、全マクロファージ数の有意な低減が観察された(図4C)。一方、他の免疫細胞(CD3、CD4、CD8;データ示さず)では、差は観察されなかった。
[00132] 結論:新規VIP受容体アゴニストPB1046による長期治療は、心臓衰退を遅らせることによってDMDミオパシーを改善し、骨格筋収縮誘導傷害から保護した。心機能に及ぼす正の変力性および変弛緩作用に加えて、線維症(コラーゲン量)の減少が、心臓および骨格の筋肉へのPB1046の正の作用に寄与する可能性がある。
参照による組込み
[00133] 引用される全ての刊行物、特許および公開特許は、全ての目的のためにここに参照により完全に組み込まれる。
[00134] 本出願は、以下の刊行物を全ての目的のために参照により完全に組み込む:米国特許出願公開2001/0034050号;米国特許出願公開第2009/0220455号;米国特許第8,334,257号;米国特許出願公開第2013/0310538号;米国特許出願公開第2013/0172274号;米国特許出願公開第2011/0236384号;米国特許第6,582,926号;米国特許第7,429,458号;米国特許第7,364,859号;米国特許第8,178,495号;米国特許出願公開第2013/0079277号;米国特許出願公開第2013/0085099号;米国特許出願公開第2013/0143802号;米国特許出願公開第2014/0024600号;米国特許出願公開第2011/0178017号;米国特許第7,709,227号;米国特許出願公開第2011/0123487号;米国特許第8,729,018号;米国特許出願公開第2014/0171370号;米国特許出願公開第2013/0150291号;WO/2014/113434;米国特許出願公開第2014/0213516号および2014年11月21日に出願の米国特許出願第62/082945号。
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Claims (60)

  1. 筋肉ミオパシーを治療するための医薬組成物であって、それを必要とする患者に6カ月以上の間投与され、VPAC2選択的血管作用性小腸ペプチド(VIP)と、エラスチン様ペプチド(ELP)とを含む融合タンパク質を含有し
    前記VIPが配列番号14のアミノ酸配列を含み、
    前記ELPが、少なくとも90のVPGXG(配列番号3)の反復配列を含み、Xが5:2:3の比でVal、AlaおよびGlyから独立して選択される、
    医薬組成物。
  2. 筋収縮によって誘導される損傷から保護するための医薬組成物であって、それを必要とする患者に6カ月以上の間投与され、VPAC2選択的血管作用性小腸ペプチド(VIP)と、エラスチン様ペプチド(ELP)とを含む融合タンパク質を含有し
    前記VIPが配列番号14のアミノ酸配列を含み、
    前記ELPが、少なくとも90のVPGXG(配列番号3)の反復配列を含み、Xが5:2:3の比でVal、AlaおよびGlyから独立して選択される、
    医薬組成物。
  3. 心筋症の進行を遅らせるための医薬組成物であって、それを必要とする患者に6カ月以上の間投与され、VPAC2選択的血管作用性小腸ペプチド(VIP)と、エラスチン様ペプチド(ELP)とを含む融合タンパク質を含有し
    前記VIPが配列番号14のアミノ酸配列を含み、
    前記ELPが、少なくとも90のVPGXG(配列番号3)の反復配列を含み、Xが5:2:3の比でVal、AlaおよびGlyから独立して選択される、
    医薬組成物。
  4. 心筋症を治療するための医薬組成物であって、それを必要とする患者に6カ月以上の間投与され、VPAC2選択的血管作用性小腸ペプチド(VIP)と、エラスチン様ペプチド(ELP)とを含む融合タンパク質を含有し
    前記VIPが配列番号14のアミノ酸配列を含み、
    前記ELPが、少なくとも90のVPGXG(配列番号3)の反復配列を含み、Xが5:2:3の比でVal、AlaおよびGlyから独立して選択される、
    医薬組成物。
  5. 前記医薬組成物が筋肉線維症を低減する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  6. 前記ELPがVPGXG(配列番号3)の120反復配列単位を含む、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 前記医薬組成物が皮下、筋肉内または静脈内投与のために製剤化される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  8. 前記医薬組成物が皮下投与される、請求項に記載の医薬組成物。
  9. 前記医薬組成物が低用量で投与される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  10. 前記用量が1日につき0.1mg/kgから1日につき10mg/kgの間にある、請求項に記載の医薬組成物。
  11. 前記医薬組成物が日ごとに投与される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  12. 前記医薬組成物が週に1〜3回投与される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  13. 前記医薬組成物が週ごとに投与される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  14. 前記医薬組成物が月に1〜2回投与される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  15. 未処置の患者と比較して前記筋肉線維症が約5%、10%、20%、30%、40%または50%低減される、請求項5に記載の医薬組成物。
  16. 未処置の患者と比較して前記筋肉線維症が約1カ月、6カ月、1年または5年の間遅延される、請求項5に記載の医薬組成物。
  17. 前記患者の筋肉収縮性が保存される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  18. 健康対象と比較して前記患者の前記筋肉収縮性が約90%、80%、70%、60%または50%で保存される、請求項1に記載の医薬組成物。
  19. 前記患者の筋肉強度が保存される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  20. 健康対象と比較して前記患者の前記筋肉強度が約90%、80%、70%、60%または50%で保存される、請求項19に記載の医薬組成物。
  21. 前記筋肉が骨格筋である、請求項1〜2のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  22. 前記筋肉が心筋である、請求項1〜2のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  23. 前記医薬組成物が未処置筋細胞のそれと比較して筋細胞短縮を保存する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  24. 前記医薬組成物が未処置筋細胞のそれと比較して筋細胞再伸長速度を保存する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  25. 前記医薬組成物が未処置筋細胞のそれと比較して筋細胞収縮性を保存する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  26. 前記医薬組成物が未処置筋細胞のそれと比較して筋細胞弛緩を保存する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  27. 前記筋細胞が心筋細胞である、請求項2〜2のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  28. 前記筋細胞が骨格筋細胞である、請求項2〜2のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  29. 前記患者が筋ジストロフィーを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  30. 前記筋ジストロフィーが、筋緊張性筋ジストロフィー、デュシェンヌ筋ジストロフィー、ベッカー筋ジストロフィー、肢帯筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕筋ジストロフィー、先天性筋ジストロフィー、眼球咽頭筋ジストロフィー、末梢型筋ジストロフィーおよびエメリー−ドライフス筋ジストロフィーからなる群から選択される、請求項29に記載の医薬組成物。
  31. 前記心筋症が筋ジストロフィーから生じる、請求項3または4に記載の医薬組成物。
  32. 前記筋ジストロフィーがデュシェンヌ筋ジストロフィー、ベッカー筋ジストロフィーまたはX連鎖拡張型心筋症である、請求項3に記載の医薬組成物。
  33. 前記医薬組成物が配列番号15または配列番号20を含むタンパク質を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  34. 前記医薬組成物が対象に皮下投与される、請求項3に記載の医薬組成物。
  35. 前記医薬組成物が1カ月につき1〜2回対象に投与される、請求項3に記載の医薬組成物。
  36. 前記医薬組成物が低用量で投与される、請求項3に記載の医薬組成物。
  37. 前記医薬組成物が1日につき1mg/kgから1日につき9mg/kgの間の用量で投与される、請求項3に記載の医薬組成物。
  38. 前記対象が筋ジストロフィーを有する、請求項3に記載の医薬組成物。
  39. 前記筋ジストロフィーがデュシェンヌ筋ジストロフィー、ベッカー筋ジストロフィーまたはX連鎖拡張型心筋症である、請求項3に記載の医薬組成物。
  40. 前記対象が心筋症を有する、請求項39に記載の医薬組成物。
  41. 血管作用性小腸ペプチド(VIP)および1つまたは複数のエラスチン様ペプチド(ELP)を含む前記医薬組成物が持続的放出のために製剤化される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  42. 前記医薬組成物の投与が未処置のミオパシー対象と比較して短縮率を保存する、請求項3または4に記載の医薬組成物。
  43. 未処置のミオパシー対象と比較して前記短縮率が約20%〜50%保存される、請求項4に記載の医薬組成物。
  44. 前記医薬組成物の投与が未処置のミオパシー対象と比較して心室充填速度を増加させる、請求項3または4に記載の医薬組成物。
  45. 未処置のミオパシー対象と比較して前記心室充填速度が約10〜50%増加する、請求項4に記載の医薬組成物。
  46. 前記医薬組成物の投与が未処置のミオパシー対象と比較して圧上昇の最大速度を上昇させる、請求項3または4に記載の医薬組成物。
  47. 未処置のミオパシー対象と比較して圧の前記最大速度が約20%〜約50%上昇する、請求項4に記載の医薬組成物。
  48. 前記医薬組成物の投与が未処置のミオパシー対象と比較して弛緩のタウ定数を増加させる、請求項3または4に記載の医薬組成物。
  49. 未処置のミオパシー対象と比較して弛緩のタウ定数が約10%〜約50%増加する、請求項4に記載の医薬組成物。
  50. 前記医薬組成物の投与が未処置のミオパシー対象と比較して筋肉中のコラーゲン量を低下させる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  51. 未処置のミオパシー対象と比較して筋肉中のコラーゲン量が約20%〜約50%低下する、請求項5に記載の医薬組成物。
  52. 前記医薬組成物の投与が未処置のミオパシー対象と比較して筋肉中の免疫細胞数を減少させる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  53. 前記免疫細胞がマクロファージである、請求項5に記載の医薬組成物。
  54. 未処置のミオパシー対象と比較して前記マクロファージ細胞数が筋肉中で約20〜50%減少する、請求項5に記載の医薬組成物。
  55. 前記筋肉が腓腹筋、四頭筋、横隔膜の筋肉、前脛骨筋および/または心筋である、請求項5〜5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  56. 筋肉ミオパシーを治療するための医薬組成物であって、それを必要とする患者に6カ月以上の間投与され、配列番号15のアミノ酸配列を含むタンパク質を含有する、医薬組成物。
  57. 筋収縮によって誘導される損傷から保護するための医薬組成物であって、それを必要とする患者に6カ月以上の間投与され、配列番号15のアミノ酸配列を含むタンパク質を含有する、医薬組成物。
  58. 心筋症の進行を遅らせるための医薬組成物であって、それを必要とする患者に6カ月以上の間投与され、配列番号15のアミノ酸配列を含むタンパク質を含有する、医薬組成物。
  59. 心筋症を治療するための医薬組成物であって、それを必要とする患者に6カ月以上の間投与され、配列番号15のアミノ酸配列を含むタンパク質を含有する、医薬組成物。
  60. 前記医薬組成物が筋肉線維症を低減する、請求項559のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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