JP2004500906A - 電気的調節および化学的調節のための心臓デバイス、ならびに心肺障害の処置のための血管作用性腸ペプチド - Google Patents

電気的調節および化学的調節のための心臓デバイス、ならびに心肺障害の処置のための血管作用性腸ペプチド Download PDF

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Abstract

電気的除細動パルスまたは電気的ディマンド型ペーサーパルスを放電するか、または心停止、徐脈、不整脈、心臓停止、PEA、EMDのような状態および他の心臓状態を処置するための少なくとも1つの薬学的薬剤を送達するための方法およびデバイスを開示する。この薬学的薬剤は、心臓組織、心臓腔、または腹膜腔に送達され得る。この薬学的薬剤はまた、モルヒネのような鎮痛薬を含み得る。心筋収縮性の増大または血小板凝集の阻害のために用いられる薬学的薬剤、および血管作用性腸ポリペプチド(VIP)もまた含まれ、そしてT3およびT4のような甲状腺ホルモンが送達され得る。治療上有効な量の血管作用性腸ポリペプチドを投与することによる心停止または肺高血圧の患者の処置のための方法もまた、本発明により含まれる。

Description

【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、1999年11月12日に出願された合衆国特許出願第60/165,295号、および2000年10月3日に出願された合衆国特許出願第60/237,974号に基づく優先権を主張する。
【0002】
(連邦によって後援された研究の下になされた発明に対する権利の陳述)
利用可能でない。
【0003】
(技術分野)
本発明は、概して、心臓の収縮を調節するデバイスおよび方法に関する。詳細には、本発明は、心臓デバイスおよび心臓収縮の電気的および化学的調節のための使用の方法に関する。本発明はさらに、血管作動性腸ポリペプチド(VIP)および心臓停止または肺高血圧の処置におけるその使用に関する。
【0004】
(発明の背景)
心臓停止は、心臓における電気的または機械的機能不全があるときに生じ、そして心臓が血液ポンプ輸送をしなくなり、脳における酸素欠乏を引き起こす。多くの寄与因子があり、そして高血圧、糖尿病、肥満、加齢および薬物使用を含む。心臓停止は、即座に処置されない場合、死に至り;生存は、時を得た除細動および適切な医薬の投与に依存する。処置が遅れると死亡率は高くなるが、活発な処置が即座に開始される場合、予後は有意に改善される。現在まで、薬物治療は、心臓停止に起因する死亡率に対しほとんど効果を有さなかった。生存者の%を増加する試みにおいて、過去30年間の間の主要な目的は、できるだけ多くの人々に、BLSおよびACLSを含む心肺救急蘇生(CPR)技法を教えることであった。
【0005】
心臓の解剖学は、Surgery of the Chest(SabistonおよびSpencer、編、SaundersPubl.Philadelphia)のような標準的なテキストを含む多くの参考文献に詳細に記載かつ図示されている。基本的には、心臓は、心臓組織を規則的かつ連続的に収縮させる筋肉の特別のシステムを有している。それは、2つの主要なポンプ輸送チャンバーである左心室および右心室を有している。同時に収縮して、これらのチャンバーは、血液を大動脈および肺動脈に追い出す。血液は、左心房および右心房から、それぞれ両心室に入る。心房は、房室(AV)遅延として知られる、約100ミリ秒(ms)の間隔による主要な心室収縮に先行する別の動作で収縮する小さな前チャンバーである。これら収縮は、右心房に始まり、そして左心房に拡がる電気的励起または脱分極の波から生じる。次いで、この励起は、ヒス束を経由して心室中にその経路を遅延しながら、房室結節に入る。心臓組織は、その脱分極の後に収縮する。ヒス束は、心房から心室への脱分極の速度を調節し、そして特別の区画を取り囲むすべての筋肉組織が同時に収縮すること、および心房と心室とが適正な時間シークエンスで収縮することを確実にする。心室および心房の両方の1つの完全な収縮が、拍動を構成する。
【0006】
心臓に問題をもつ患者においては、心臓組織を通じて保持される脱分極は、不規則または無秩序(細動)になり得、心臓を不均一に拍動させるか、または拍動することを停止させ重篤な損傷または死亡を引き起こす。心臓の問題を検出およびモニターすることは、心電図において、心室収縮にともなう主要なR波とともに、QRS複合体として知られるより大きな信号をともなう、心房収縮にともなうP波として知られる小さな信号の外観に基づく。P波およびR波は、各々のチャンバーと接触した電気的導線によりタイミング信号として信頼性良く検出され得る。
【0007】
EMDに対する現在の処置は、不全収縮について:重炭酸ナトリウムとの0.5−1mgエピネフリン; 脈拍が得られないとき:繰り返される除細動、0.5−1mgエピネフリン、1mg/kgリドカインおよび5mg/kgIVブレチリウムからなる。アメリカ心臓学会(1986)JAMA 255:2905−2984。現在のプロトコールにかかわらず、成功した救急蘇生の率は、極端に低いままである。Eisenbergら(1990)は、EMDでの成功は0%、そして不全収縮では5%より少ないと報告している。
【0008】
上記を考慮して、エピネフリンの投薬量は15倍に増加された。Paradesら(1991)JAMA 265:1139−1144.高用量のアドレナリンは、従前に引用された結果を実質的に変化させなかった。Menegazziら(1993)、Ann.Emerg.Med.22:235−239。
【0009】
一般に、心臓停止は、左腕、顎、首または肩に重篤な痛みをともなうか、これらが先行するが、これは、すべての場合にあるとは限らず、ほとんど痛みがないかまったく痛みがない患者もある。
【0010】
心臓停止患者の処置は、胸部の痛みを軽減し、心臓の拍動を安定化し、そして心筋組織を保持することである。心臓停止の成功した軽減の48時間以内の主要な問題は不整脈であり、これは、不整脈薬物またはしばしばペースメーカーで処置され得る。最も効果的には、血栓崩壊治療を、停止の6時間以内に開始すべきであり、これには、ストレプトキナーゼ、アルテプラーゼ、ウロキナーゼおよびレトプラーゼが用いられる。始まり得る種々の合併症には、多くのオプションが存在する。リドカインは不整脈に、アトロフィンは徐脈に、モルフィネは一般的な痛みに用いられる。心筋収縮性(血圧)を増大するための薬物がある。アスピリンは血小板凝集を阻害するために用いられる。
【0011】
心臓停止患者の処置における使用のための理想的な薬物は、心臓の効果的な機械的収縮を増加するため、全身血管抵抗を低減するため、および心拍数を増加するために迅速かつ直接的に作用し得る。このような薬物の効果は、心臓停止に金する突然の心不全をともなう患者の生存を増加する。
【0012】
(除細動)
正常な心臓心拍の復活は、過去40年間に亘り発達し、かつ用いられた除細動と呼ばれるプロセスをともない得る。心臓を除細動するために、電気的除細動パルスと呼ばれる大きな電荷が心臓に印加される。この電気的除細動パルスは、心筋繊維を脱分極するために作用し、それ故、心臓は、正常に拍動することを回復し得る。さらに、移植可能な除細動器および不整脈制御ペースメーカーもまた、開発され、そして世界的な臨床使用に入っている。
【0013】
代表的な移植可能な除細動器は、なくなった刺激パルスを、心室に付着させたペーシング導線上に供給することによって作動する。R波は、同じ導線によって感知される。所望であれば、さらなる導線が、心房に接触してP波を感知する。以下に論議するAV連続ペーサーでは、心房導線はまた、心房刺激のために用いられる。
【0014】
移植可能な除細動器は、心房から心室への正常励起を行うHis束の能力の損傷により引き起こされる心臓ブロックのような、多くの心臓障害を処置することで有用である。移植可能な除細動器それ自身は、バッテリーで駆動され、気密にシールされ、完全に自己充足性の電気的デバイスであり、これは、皮膚の表面から1インチ以内の肩または腋下領域のような身体中の適切な部位に移植される。導線の遠位端は、心臓内の右心房および右心室に連結され、そして適切な血管を通って除細動器まで延びる。導線の近位端は、血管の開口部を通じて取り出され、そして除細動器に電気的に接続される。除細動器内で、刺激パルスがパルス発生器により形成される。過去には、パルス発生器は、いくつかの形態を採っていたが、2つの一般的なカテゴリーに分けられる:(1)パルス発生器は、R−Cタイミング回路からなるもの;そして(2)高周波数クロックの出力における発振がデジタル回路によりカウントされるもの(R−Cまたは結晶発振回路)、である。第2番目の種類の回路では、代表的には、パルス発生器は、所定の数のクロックパルスがカウントされるとき出力パルスを生成するためのデジタルカウンターおよび論理回路、ならびに自然または刺激された活動に応答してカウンターをリセットする手段を備える。初期の例は、米国特許第5,557,796号中に見出される。
【0015】
記録プログラムデータプロセッサーの小型化とともに、マイクロプロセッサー心臓除細動器システムは、より複雑ではあるが、なおより柔軟なカウントをする配置を生じた。例えば、心臓期間数を、規則的にインクリメントされるレジスター中に配置し得、そしてソフトウェアの指示により試験し得る。レジスターがプログラムされた数までカウントされると、ソフトウェアが分岐して、本出願の譲受人に譲渡された、Leckroneらによる1980年11月14日に出願された米国特許出願第207,003号「マルチモードマイクロプロセッサを基礎にしたプログラム可能な心臓ペーサー」におけるような、刺激パルスの形成を行う。
【0016】
電気的刺激のレベルは非常に重要である。なぜなら、導線遠位端の裸の電極を取り囲む心筋中の電荷密度が筋肉反応を決定するからである。代表的には、除細動およびディマンド型ペーシングのための電気的パルスは、異なる方法により心臓に送達される。移植されたデバイスからの除細動パルスは、歴史的には、心臓の外表面に縫い付けられた大領域電気的パッチを通じて送達される。第2の電極が、心臓内またはどこかに配置され得る。この電気的パッチまたはその相当物は、バッテリーにより充電されるキャパシターに連結され、これは、組織との接触物間に電気的除細動パルスを送達し得る。一旦キャパシターが除細動パルスを放電すると、電流が、心臓を除細動するように、被験体の心臓に直接入る。次いで、パルスは、対向電極を通じて身体中に存在する。
【0017】
この電荷密度に影響するいくつかの因子が存在することが知られ、これには、刺激パルス電流の振幅、電圧、刺激の持続時間または「パルス幅」、接触領域を含む電極のタイプおよび接触組織の抵抗および電気化学的因子ならびに用いられる導線システムのタイプ、即ち単極または双極が含まれる。単極システムでは、接地ターミナルは、除細動器それ自身の上にあるが、双極システムでは、導線の末端は、2つの間隔を置いて配置された接触を備え、その1つが、接地と見なされる。
【0018】
除細動器開発における進展は、例えば、除細動器内のごく小さなリードスイッチを作動させるための一連の磁気パルスを用い、外部から発生されるプログラムされた信号によって、速度、幅および振幅のようなパルスパラメーターを改変することを可能にした。過去には、心筋に送達される電荷密度は、可変電圧出力回路、種々の定電流出力回路、または可変パルス幅によりプログラム可能であった。一旦除細動器が移植され、そして選択されたパルス幅および振幅で稼動すると、後の日に、電流パラメーター情報に関係のない医者が、あらかじめ振幅を知ることなく、刺激の正確なレベルを確認することは極めて困難である。固定された(即ち、既知の)振幅および可変パルス幅出力を有する除細動器により、パルス幅を測ることによって、付与される刺激レベルを容易に決定し得る。その一方、1つの除細動器で、広範な範囲の刺激レベルを提供することで、振幅を変化することがより効果的であることが見出された。しかし、次に、刺激レベルは、表面上の電気的刺激測定によっては、容易に決定され得ない。
【0019】
ディマンド型ペーサーカテーテルの使用は、心臓へのディマンド型ペーシングパルスを付与することを可能にする。ディマンド型ペーサーカテーテルは、長い可撓性のプローブであり、通常、サイラスティックまたはポリウレタンから作製され、カテーテル内の長さに亘ってある電気的導線を備える。プローブの1端で、導線は、ディマンド型ペーサー電極と呼ばれる剥き出しの金属表面に連結される。この電極を上がって部分的行路で、導線は、戻り電極と呼ばれる第2の剥き出しの金属表面に連結される。最後に、プローブの他端で、導線は、心臓がそうでなれれば収縮を休止するとき、心臓にディマンド型ペーサーパルスを送るために、心臓の拍動を感知するコントローラを有するレギュレータおよびパルス発生器に連結される。
【0020】
ディマンド型ペーサーカテーテルは、心臓に至る静脈中の切開を作製することによって用いられる。ディマンド型ペーサー電極を備えるプローブの端部は、静脈中に挿入され、そして心臓まで、そして右心室中にたどって進む。ペーサー電極(単数または複数)を経由して心筋が脱分極を送達するとき、感知された信号は、プローブ中の導線ワイヤをコントローラまで伝わる。電極が、心臓からの信号を送達しない場合、コントローラは、失われた信号を感知し、そしてパルス発生器の引き金をひき、電気的ディマンド型ペーサーパルスを、ディマンド型ペーサー電極を経由して心筋に伝達する。一旦電極から発せられると、パルスは、右心室を刺激し、心臓の脱分極を引き起こす。このパルス電流は、「接地」または戻り電極を経由して戻る。
【0021】
異なる電気的パルスを付与するアプローチは、2つの手順を必要とし、1つはディマンド型ペーサーカテーテルを挿入するための手順であり、そして1つは除細動器の電気的パッチを付着するための手順であり、これらは、被験体を、高リスク状態および長い回復期間に曝す。しかし、高リスクは、パッチを置き換えるために静脈を経由して心臓に入り得る「導線」を用いることにより避けられ得る。
【0022】
さらに、単一のカテーテルを、除細動およびディマンド型ペーサーパルスの両方を印加するために心臓中に挿入し得る。このカテーテルは、心臓のパルスを感知するため、および心臓の状態に依存して心臓にディマンド型ペーサーパルスを自動的に送る、移植可能な自己充足性システムであり得る。
【0023】
一般に、除細動およびディマンド型ペーサーパルスを印加するためのカテーテルは、静脈中に挿入され、そして右心房を通り、そして心臓の右心室までたどり得る可撓性プローブを有する。接地電極およびディマンド型ペーサー電極が右心室中のプローブに一部に取り付けられる。除細動電極は、右心房中のプローブの一部分に取り付けられる。プローブの他端に連結されて、心臓の電気的パルスを感知および分析するためのコントローラを有するレギュレータがある。このレギュレータは、それらの個々のパルスを心臓に伝達するために、除細動キャパシターおよびディマンド型ペーサーキャパシターをさらに備え得る。除細動のためのキャパシターは、レギュレータ中に位置するバッテリーにより充電される。レギュレータは、胸壁の皮下組織中のような身体中に挿入され、その結果、このシステムは、身体内に独立して含まれる。
【0024】
心臓が、その電気信号を生成するとき、パルスは、プローブを通じて移送され、そしてコントローラに戻る。次いで、コントローラは、この情報を用い、心臓が適正に活動しているかどうかを決定する。もしそうでなければ、コントローラは、自動的に、ディマンド型ペーサーキャパシターまたは除細動キャパシターのいずれかに情報を与え、その各パルスを、その各電極に伝達する。次いで、これらパルスは、血液を通じ、そして周辺心臓組織中を移動し、それによって心臓を除細動またはディマンド型ペーシングする。最後に、電荷は、戻り電極を経由して移植されたコントローラに戻る。
【0025】
米国特許第5,690,680号は、腹膜中に薬学的薬剤を注入する、移植可能でプログラム可能な薬物送達システムを含む、心臓不整脈を処置するためのデバイスを論議する。米国特許第5,527,344号は、被験体に除細動薬物を自動的に送達するための薬物学的心房除細動器および方法を論議する。同様に、米国特許第5,220,917号は、心室除細動の自動的認識を備えた移植可能な薬物学的除細動器を論議している。
【0026】
しかし、これら治療形態の効き目は、多くの因子に依存する。成功する救急蘇生は、複数の医療装備に依存する。除細動は、迅速な非調整心筋収縮を終結させる。多くのその他の重要な問題が、成功した除細動の後になお生じ得る。非常に遅い心拍数(徐脈)が存在し得、心臓は常軌を逸し得るか(不整脈)、または心拍がないかも知れない(心臓停止)。しばしば、電気的衝撃は存在し得るが、なお有効な機械的収縮がない(電気機械的解離−EMD);これらの状態は、停止が首尾良く軽減された後、心筋組織に損傷を引き起こし得る。
【0027】
移植可能な除細動器は、除細動の生存を増大したが、移植可能な電気的除細動器をもつ患者の50%はなお死亡している。正確な病因は未知であるが、不全収縮またはパルスレス電気的活動(PEA)のいずれかであり得る。
【0028】
心臓停止をもつ被験体を処置するための新規薬物およびデバイスの開発における多くの進歩にかかわらず、先行技術におけるこれらの薬物およびデバイスは、生存率に対しポジティブな影響をほとんど与えないか、全く影響せず、それはなお10%より小さい。低生存率の1つの理由は、成功する処置は、異常心臓収縮または収縮の欠如の正確な原因を決定することに依存している、ということである。
【0029】
(肺高血圧)
肺高血圧は、加齢または高度である自然原因以外の理由のため、肺動脈圧が正常より上に上昇するときに生じる進行性の疾患である。原発性肺高血圧は稀であって、既知の原因はなく、20〜40歳の女性にしばしば発症する。二次的高血圧は、心臓または肺疾患のような存在する症状の結果、または特定薬物の使用の結果生じる。原発性高血圧の長期間の予後は乏しく;予後の後5年間生存する患者は25%に過ぎない。
【0030】
身体内で、血液は、肺システムを通って(肺循環)および残りの身体を通って(全身循環)流れる。通常、これら循環の両方を通って流れる血流は等しいが、肺循環で提供される抵抗は、一般に、全身循環で提供されるそれより多いにより少ない。肺血流に対する抵抗性が増大するとき、肺循環中の圧力は、任意の特定の流れに対してより大きい。この状態は、肺高血圧と呼ばれる。
【0031】
肺高血圧は、内側心筋層および内膜心筋層が厚化するときに始まり、低減した拡延性および増加した抵抗性を引き起こす。肺高血圧の事例を2つのグループに分け、原発性および二次的と称される。肺高血圧のほとんどの場合、遺伝的もしくは後天的異常もしくは術後により引き起こされるような、肺塞栓、心臓弁または心筋の機能不全、または血管能力と必須血流との間のミスマッチなどの肺血流への抵抗性の増加に対する明らかな原因がある。例えば、リウマチ性弁疾患のような後天的心臓疾患は、血流が心臓に戻るのを制限することにより肺動脈圧を増大させる。高血圧の基礎となる明らかな原因があるこれらの事例は、基礎となる原因にかかわらず、二次的肺高血圧として知られる。肺高血圧の診断は困難であり得る。なぜなら、高血圧の存在を確立するために用いられ得る決定的な値のセットがないからである。
【0032】
産業国では、慢性障害肺疾患は、二次的肺高血圧の症例の大部分の原因である。慢性障害肺疾患の例は、喘息、気管支炎および気腫であり、しばしばこれらの疾患は、併発し、概して気管支炎および気腫は一緒に存在する。上昇した肺動脈圧は、これらの疾患のいずれの効果でもあり得る。任意の慢性障害肺疾患の発生における寄与因子は、喫煙、再発性呼吸器感染、大気汚染およびアレルギーを包含する。
【0033】
任意の心臓血管異常は、遺伝性であれ後天性であれ、すでにCOPDを伴っている患者で生じると、さらなる合併症を生じ、そして肺動脈圧の増加の確率を上昇させ、肺高血圧を生じる。肺高血圧はCOPDの非存在下で生じ得るが、心臓または肺の異常の結果として、遺伝性または後天的に生じ得る。肺または心臓の系の疾患または異常を含む任意の因子によって生じる肺の血管収縮は、二次的肺高血圧の発症に寄与し得る。
【0034】
二次的肺高血圧の発症の原因である機構の多様な範囲は、治療に対する均一なアプローチが可能ではないことを意味する。基礎となる疾患の処置に注意が集中する。二次的肺高血圧の進行性の特質は、時間とともに治療が状態の改善にあまり有効ではなくなることを意味する。二次的肺高血圧の患者にとっての予後は、基礎となる疾患およびそれがどのようにうまく処置され得るかに依存する。
【0035】
既存の処置としては、低酸素血漿および肺血管抵抗性を減少する酸素療法が挙げられ、ここで、肺高血圧の基礎となる原因に従って戦略は変動する。二次的肺高血圧の処置の方法は、これまでに記載されている(米国特許第5,028,628号および同第5,554,610号を参照のこと)。ここで、種々の物質が原発性肺高血圧および二次的肺高血圧についての治療として示唆されている。カルシウムチャネルアンタゴニストおよび酵素インヒビターは、処置として使用されてきており、そしてヒドララジンのような血管拡張剤は、原発性肺高血圧を有する患者において使用することについて示唆されている。現在の治療は、二次的肺高血圧を伴う患者の寿命を延ばすように働き得るが、本明細書において提供され得る処置のような改善された処置についての必要性はなおも残存している。
【0036】
(血管作用性腸ペプチド)
VIPは、塩基性で直鎖状の28アミノ酸ポリペプチドであり、ブタ十二指腸から初めて単離され(Mutt et al.(1974)Eur.J.Biochem.42:581−589)、そして次に中枢神経系および末梢神経系ならびに消化管において広汎に見出された。VIPは、強力な血管拡張特性および血圧降下活性および全身性血管拡張活性を有する。静脈内に(IV)投与されるか、または心臓に直接投与されると、VIPは、心泊数および収縮力を増加させるAnderson et al.(1988)J.Cardio.Pharmacol.12:365−371;Rigel et al.(1988)Am.J.Physiol.255:H317−319;Karasawa et al.(1990)Eur.J.Pharmacol.187:9−17;and Unverferth et al.(1985)J.Lab.Clin.Med.106:542−550。
【0037】
VIPのアミノ酸構造は、1974年に明らかにされ、そしてこの構造は、セクレチンおよびグルカゴンと類似していることから、VIPは、グルカゴン−セクレチンファミリーに属するペプチドホルモンであると考えられている。構造的に関連するペプチドのこのファミリーの他のメンバーとしては、胃阻害ペプチド(GIP)、成長ホルモン放出因子(GHRF)およびアデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)が挙げられる。すべての分泌ペプチドのように、VIPは、より大きな前駆体分子からタンパク質分解によって誘導される。170アミノ酸前駆体のプレプロVIPは、ヒスチジン、イソロイシン、別の生物学的に活性なペプチドを包含する。Itoh et al.(1983)Nature 304:547−549。VIPは、少なくとも2つの機能的領域を含む:レセプター特異的結合の領域および生物学的活性に関与する領域。Gozes et al.(1989)Mol.Neurobiol.3:201−236。
【0038】
VIPは、いくつかの基本的な細胞機能を媒介または調節する。これらには、脳の活動、内分泌機能、心臓活動、呼吸、消化および性的能力が挙げられる。VIPの広汎な生理学的な分布は、生物学的活性の広いスペクトルに対する関与に関連する。VIPの作用は、複雑な性質を有し、レセプター調節、神経栄養因子の放出の誘導、神経伝達および神経調節を包含する。VIPは、中枢神経系および末梢神経系ならびに消化管において広汎に生じ、そして気管および胃腸管における副交感神経応答の役割を果たす。
【0039】
VIPは、交感神経系の発達の間の細胞増殖、分化および生存の重要なモジュレーターである。VIPは、いくつかの応答において神経調節因子として働く。Ferron et al.(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:8810−8812;and Kawatani et al.(1985)Science 229:879−881。コリン作用性研究において、VIPは、ニコチン応答に対する明かな効果なしに、交感神経神経節においてムスカリン性興奮に対する選択的効果を有する。このことは、VIPが電気活性に影響を与える内因性特性を有し、そしてまた、他の神経伝達因子と相互作用して生理学適応糖を調節することを示す。
【0040】
VIPは、神経膠細胞において見出され、そして生理学的に重要であるようである。VIPは、ニューロンと神経膠との間の連絡を媒介する。これは、神経発達および機能にとって基本的に重要な関係である。
【0041】
VIPの免疫応答性ファイバーは、イヌ心臓に存在し、そしてそれに対して内因性であるようである。Weihe et al.(1981)Neurosci.Let.26:283−288;and Weihe et al.(1984)Cell Tiss.Res.236:527−540。VIP含有ニューロンは、イヌ心臓に存在する。ここでは、VIPは、アドレナリン作用効果に類似するが、より維持される強力な全体的な心筋効果を発揮する。この効果は、例えばβアドレナリン作用性アゴニスト(例えば、プロテレノール)などのアデニル酸シクラーゼと共役する特異的な細胞表面膜レセプターを介して作用する、他の変力性薬物に質的に類似する。
【0042】
VIPは、イヌおよびヒトの両方の心臓において見出され、従って、イヌはヒトにおけるVIPの適切なモデルである。βブロックされ、アトロピン化されたイヌの迷走神経の遠心性刺激は、心拍数および収縮力を増加させる。これは、VIPの放出に起因し得る効果である。Rigel et al.(1984)Am.J.Physiol.246(heart circ.physiol.15)H168−173。VIPは、副交感神経神経が刺激されるとき、イヌの心房から放出される。Hill et al.(1993)J.Auton.Nerv.Sys.43:117−122;およびHill et al.(1995)。
【0043】
VIP、VIPアナログおよびVIP様ポリペプチドの多くの異なる潜在的な治療的使用が提案されている。VIPの活性の広汎な分布および種々の活性に起因して、VIP、VIPアナログおよびVIP様ペプチドは、とりわけ、喘息および勃起不全を包含する種々の状態のための処置として提示されてきた。
【0044】
VIPは、ピコグラムの量で存在するときに活性であり、そして溶液中で安定である。このことにより、医療状況における使用にとって特に適切となっている。
【0045】
VIPは、その血管拡張特性に起因して変力性および変時性の効果を有する。血管拡張因子は、血管拡張を生じるか、または動脈を介した血流の速度を増加させる。従って、VIPの投与の際に、血管拡張または血流の速度が増加することが予想される。VIPは、気管支拡張因子および肺の血管平滑筋の弛緩因子として作用する。
【0046】
心室の変力性状態は、いくつかのレセプターの活性化に影響を受け得る。これらのレセプターのいくつかは、アデニル酸シクラーゼに共役する。これらのうちほとんどは、βアドレナリン作用性レセプターであり、これは、それが対応する神経伝達因子であるノルエピネフリンにより活性化するときに、心収縮性の増加を媒介する。
【0047】
さらなる積極的な変力性心臓レセプター経路が同定されているが、生理学的役割はまだ確立されていない。これらには、ヒスタミン、セロトニン、エンケファリンおよびVIPを含むβアドレナリン作用性アゴニストに対して応答する経路が挙げられる。これらのうち、VIPは、潜在的に重要なアゴニストである。なぜなら、VIPは、心臓の神経繊維に存在し、アデニル酸シクラーゼと共役し、そして静脈内投与されるとき、収縮性および冠状血管拡張の両方の増加を媒介する。VIPが中枢神経系に特異的な2つの異なる結合部位を有するいくつかの証左が存在する。
【0048】
VIPの変時性効果の時間経過は、用量依存性であるが、変力性効果からの回復についての時間経過はそうではない。このことは、心臓の運動に起因して生じる、細胞外空間における神経伝達因子レベルにおける変動性に起因し得る。交感神経刺激の定常レベルにおいて、心臓が異なる速度で拍動したイヌは、変力性応答から異なる回復時間を示した。従って、VIP変力性効果からの回復は、心拍数に影響を受ける。これは、次いで、変時性効果により変化する。従って、VIPの変力性および変時性の効果は、関連しないが、同じ機構を通じては生じない。2つの応答について異なるレセプターが存在し得るか、または開始した生化学カスケードはこれら2つについて異なる。
【0049】
インタクトな内皮は、アセチルコリンに対応して応答する血管弛緩を達成するに必要である。内皮層は、血管の収縮性に対する自律効果およびホルモン効果を調節する。血管作用性刺激に応答して、内皮細胞は、内皮由来弛緩因子(えDRF)または内皮由来収縮因子と呼ばれる短い寿命の血管拡張因子を放出する。内皮細胞依存性機構は、冠状循環を含む、種々の血管床において重要である。
【0050】
VIPの天然の特性は改善された。C末端は、レセプター認識部位を有し、そしてN末端は、最小限の結合能力を有する活性化部位を有する。これらは、VIP機能に必須である。機能に必須ではないペプチドが操作および変更され、いくつかの場合において、天然のVIPに増して増加したレベルの活性を生じた。これらのVIPアナログおよびVIP様ペプチドは、VIPが有効な任意の状況において利用され得る。いくつかのVIPアナログは、保存特性が改善され、そして天然に存在するVIPに比較して作用期間が増強し、そして従って、卓越した薬物であり得る。EP A 0613904;および米国特許第4,737,487号;同第5,428,015号;および同第5,521,157号。VIPアンタゴニストはVIP機能を変更する。米国特許第5,217,953号。
【0051】
VIPの神経支配(inervation)は、気道および肺の血管において実証され(Dey et al.(1981)Cell Tiss.Res.220:231−238)、そして肺はVIPにとって重要な生理学的標的であると考えられている。ラット脳は、VIP特異的なレセプター部位を有し(Taylor et al.(1979)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:660−664)、そしてモルモットの脳も有する(Robberecht et al.(1978)Eur.J.Biochem.90:147−154)。レセプター分子複合体は、腸に(Laburthe et al.(1984)Eur.J.Biochem.139:181−187)および肺において同定された。Paul et al.(1985)Regul.Peptide 3:S52。異なる薬理学的特性を有する2つのクラスのレセプターは、ラット肺において(Patthi et al.(1988)J.Biol.Chem.263:363−369)、およびヒト結腸線癌腫細胞(El Baattari et al.(1988)J.Biol.Chem.263:685−689)において検出された。
【0052】
ラット(Ishihara et al.(1992)Neuron 8:811−819)およびヒト(Sreedharan et al.(1993)Biochem.Biophys.Res.Comm.193:546−553;and Sreedharan et al.(1995)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:2939−2943)のVIPレセプターをコードするcDNAがクローニングされ、少なくともこれらのうち1つは、セクレチンレセプターに構造的に関連する。このVIPレセプターに対するmRNAは、肝臓、肺、腸および脳を含む、いくつかの組織において見出された。別のVIPレセプターに対するmRNAは、胃、精巣および脳において見出された。
【0053】
VIPレセプター(単数または複数)は、アデニル酸シクラーゼと共役し得る。なぜなら、VIP刺激されたアデニル酸シクラーゼが中枢神経系の種々の領域(Quick et al.(1978)Biochem.Pharmacol.27:2209−2213 and Deschodt−Lanckman et al.(1977)FEBS Lett.83:76−80)、ならびに肝臓および下垂体(Rostene(1984)Progr.Neurobiol.22:103−129)において同定されたからである。ラット感覚ニューロンの研究(Dobson et al.(1994)Neurosc.Lett.167:19−23)は、VIP転写物は環状アデノシン一リン酸(cAMP)応答性エレメントに結合する細胞転写因子の活性化を介して増加し得る。Tsukada et al.(1987)J.Biol.Chem.262:8743−8747;and Giladi et al.(1990)Brain Res.Mol.Brain Res.7:261−267。
【0054】
cAMPに対するVIP活性は、GTPからGDPへの加水分解を刺激するシグナル伝達因子であるGタンパク質を介して媒介され得る。なぜなら、GTPおよびそのアナログは、VIP−レセプター結合を阻害し、そしてVIPに対して応答してcAMPを増強するからである。Paul(1989)Biochem.Pharmacol.38:699−702。VIPレセプターがGタンパク質と共役するとき、このことは、見出された一連のVIP効果の説明が付き得る。なぜならGタンパク質は、広汎に存在し、そしていくつかのシグナル伝達経路に関与するからである。VIPは、PC12細胞において自分のmRNAを誘導する。これはおそらく、アデニル酸シクラーゼのその活性化の結果である。Tsukada et al.(1995)Mol.Cell.Endocrinol.107:231−239。VIP発現はまた、翻訳レベルまたは翻訳後レベルにおいても起こる。Agoston et al.(1992)。VIPは、その自分の合成のオートクライン調節因子として作用し得る。
【0055】
VIP処置は、続いての再チャレンジに対する応答を喪失させ(Rosselin et al.(1988)Ann.NY Acad.Sci.527:220−237);VIPへの短期間の暴露は、レセプター−ペプチド複合体のインターナリゼーションを生じる(Boissard et al.(1986)Cancer Res.46:44064413)。これは、組織特異的であり得る特徴である(Anteunis et al.(1989)Am.J.Physiol.256:G689−697)。インターナリゼーションの後、VIPは、リゾチームで分解され、そして細胞内エフェクターとして作用し得るが、他方、レセプターは、細胞表面に対して再サイクリングされる。
【0056】
VIP結合部位およびVIP刺激されたアデニル酸シクラーゼは、異なる因子との前インキュベーションにより減少され得る(Turner et al.(1988)J.Pharmacol.Exp.Ther.247:417 423)が、異なる因子は、異なる機構によって機能するようである。VIPレセプターは、そのような暴露後、軽ベシクル画分へと移行するようである。いくつかの細胞株において、レセプターの半減期は、約2時間であり、そしてNグリコシル化が移行に必要であった。インターナライズされたVIPレセプターは、アデニル酸シクラーゼ活性から解離する(Hejblum et al.(1988)Cancer Res.48:6201−6210)が、そのインターナリゼーションプロセスは、cAMP蓄積からは完全には独立していない。従って、VIPシグナル伝達は、 cAMPの上昇以外の複数の経路に依存する。
【0057】
(甲状腺ホルモン)
甲状腺ホルモン(例えば、T4、T3、そのアナログ、誘導体およびそれらの組合せ)(本明細書以後甲状腺ホルモンという)の注入は、心臓停止を受けた患者を有効に蘇生させる。Rubin et al.米国特許第5,158,978号。心臓血管欠陥を有する患者に投与された甲状腺ホルモンは、心臓の律動および機能を回復または改善するために有効である。甲状腺ホルモンは、標準的な処置が失敗する場合に有効であり、従って、標準的処置を超えた改善である。
【0058】
甲状腺ホルモンは、心臓および末梢循環系に対して顕著な効果を奏する。Dillman et al.(1990)Am.J.Med.88:626−630。甲状腺低下および甲状腺亢進の心臓血管症状は、1世紀を超える時間にわたってしられている(Graves et al.(1835)Clinical Lectures,London Medical Surgical(part 2)7:516−519)が、甲状腺ホルモンの心臓活性因子としての治療的能力の研究は最近である。甲状腺ホルモンは、心筋の能力に迅速に影響を与え得る。Novitsky et al.(1989)Eur.J.Cardio.Surg.3:140−145。
【0059】
甲状腺ホルモンには、チロキシン(0−(4−ヒドロキシ−3,5−ジヨードフェニル)−3,5−ジヨードチロシン;T4)および3,5,3−トリヨードチロニン(トリヨードチロニンまたはT3)のL型が包含される。T3は、その生物学的効果においてT4に質的に類似するが、モルベースではより強力である。いくらかのT3は、甲状腺において合成されるが、天然に存在するT3の大部分は、酵素5’デヨージナーゼによる末梢組織におけるT4の代謝によって合成される。
【0060】
血清T3は、心臓停止の間顕著に減少する。Wortsman et al.(1987)Arch Intern.Med.147:245−248。この研究は、46人の患者から構成され、そのうち24人は、集中治療室(ICU)において心臓停止を有し、そして22人は、ICUに入院したが心臓停止を有しなかったコントロール群であった。甲状腺機能試験に関して2群の間に統計学的に有意な差異が存在した。心臓停止群は、0分での停止の間に有意により低いT3を有し、有意に逆T3(rT3)を上昇させ、そしてコントロール群に比較して、停止後10分でさらに差異が増大した。この著者は、「甲状腺機能を測定する試験における異常は、心臓停止の心臓血管の緊急の間、極度に共通していた」と結論づけた。Wortsman et al.(1987)。
【0061】
第31回AAMI年会においてRubinおよびRuffy両博士によって提示された最近の研究において、著者らの予備的なデータは、甲状腺ホルモンが、心臓停止の間に首尾よく蘇生し得ることを示した。心臓停止の間の制御されていない5匹のイヌの群では、除細動および標準的な薬物の使用にもかかわらず、CPRは成功しなかった。次いで、これらの動物には、T4の大ボーラス用量を投与した。すべてのこれらの動物は、首尾よく蘇生した。次いで、小さな制御された研究が行われた。4匹のイヌを、それらに4μg/kgのT3を静脈内ボーラス投与し、そして除細動させた後、数分間の間心室細動のままにした。4匹のイヌのうち3匹が首尾よく蘇生した。Rubin et al.(1996)T3 in the use of Cardiac Resuscitation,31 st Annual Meeting of Association for the Advancement of Medical Instrumentation(AAMI),Philadelphia PA。以前は、6分間の期間にわたり心室細動で放置されたイヌのうち、17%のみが蘇生し得た。Skinner et al.(1971)Ann.Thor.Surg.11:201−209。従って、コントロール研究において、7分間の期間を使用して、CPRを試行する前に、動物を心室細動のままで放置させた。
【0062】
T3は、急性および慢性の心臓収縮性を調節する。しかし、この機構は、十分理解されていない。甲状腺ホルモン(T3およびT4)およびイソプロテレノールは、単離されたラット心臓の収縮に対して急性の効果を生じる。Ririe et al.(1995)Anesthesiol.82:1004−1012。この研究はまた、急性の変力性効果がβアドレナリン作用性レセプターによるかまたはcAMPの産生の増加によって媒介されたかどうかを決定することを模索した。この研究は、以下を実証した。T3は、ボーラス注射後の最大dp/dtを迅速かつ有意に増加させた。しかし、T4の最大ボーラスの後の収縮性は、変化しないままであった。イソプロテレノールもまた、dp/dtを増加させたが、その作用の発生は、T3よりも有意に遅かった(ピーク作用T3:15秒対イソプロテレノールについて60秒)。また、T3の急性の変力性効果の作用は、βアドレナリン作用性レセプター機構ともcAMPの生成ちも無関係であることが示された。Ririe et al.(1995)。分離されたウサギ心室心筋におけるT3は、Na+チャネルのバーストモードゲーティングを急速に増加させた。Na+チャネルバーストが停止し、そして虚血性の心筋における急性T3投与の急性の正の変力性効果に寄与し得る吐血論づけられた。Dudley et al.(1993)Circ.Res.73:301−313。
【0063】
心臓血管欠陥(compromise)のための甲状腺ホルモン治療は、以下を包含するがそれらに限定されない:任意の機械的心臓支持システムにおける補助治療、EMD、心臓肺後のバイパス、心臓停止、心筋症および遅不整脈。任意の心臓支持システムにおける補助治療は、以下を含むがそれらに限定されない状況における支持の間およびその後に、心機能を増強するために有用である:心臓肺バイパス、心室補助デバイスおよび動脈内バルーン。
【0064】
甲状腺ホルモン処置は、除細動後および心筋梗塞の結果であり、そして心臓の電気的作用および物理的作用が解離して、その結果その電気的刺激がもはや、同時の物理的運動を生成しなくなった場合に発生するEMDにおいて適応される。甲状腺ホルモン処置は、心外膜除細動を伴う心臓を再始動する試みが行われるときか、または初期の試行が有効な心臓収縮を回復するにおい失敗したときの心臓肺バイパスの後において有用である。
【0065】
心臓停止をともなう患者を処置するための新たな薬物およびデバイスの開発における多くの進展に関わらず、先行技術におけるこれらの薬物およびデバイスは、生存率に対してほとんどまたは全く正の効果を有せず、これは、なおも10%未満である。低い生存率についての1つの理由は、首尾よい処置が異常心臓収縮または収縮の欠如についての精確な原因を決定することに依存することである。
【0066】
(発明の開示)
本発明は、肺高血圧および心臓停止のような心臓疾患に罹患する患者を処置するための方法、デバイスおよび組成物に関する。
【0067】
(肺高血圧)
本発明は、患者の状態を改善するに十分な量のVIPを投与する工程を包含する、二次的肺高血圧の処置のための方法を包含する。VIPは、投与のための任意の適切なキャリアと組み合わせた組成物の形態で投与され得る。患者は、概して、何らかの基礎的な疾患によって生じる二次的肺高血圧に罹患する。種々の方法は、投与に適切であると記載され、使用される方法は、患者の状況および状態によって決定される。VIP組成物は、使用される投与の方法によって変動し、その変動因子には、存在するVIPの百分率およびどのキャリア物質が存在するかが包含される。
【0068】
本発明はまた、患者の状態を改善するための処置として、二次的肺高血圧患者に投与するために適切な、VIP、VIPアナログおよびVIP様ペプチドの組成物を包含する。その組成物は、適切な非毒性かつ非干渉性の成分を含み得る。VIPは、好ましくは、二次的肺高血圧の少なくとも一つの症状を改善する所望の効果を達成するために適切な、要求される範囲の用量を投与するために、その組成物において変動する量で存在する。
【0069】
本発明は、二次的肺高血圧の少なくとも一つの症状を改善するに十分な量の、VIPを含む組成物を、患者に投与する工程を包含する、二次的肺高血圧の処置のための方法をさらに包含する。心臓への直接投与としては、心臓内注射が挙げられるがそれに限定されない。非経口的投与としては、中央静脈ラインへの注射が挙げられるがそれに限定されない。肺投与としては、吸入器またはアトマイザにより気道系を通じるような直接気管支内注入が挙げられるがそれらに限定されない。
【0070】
本発明は、二次的肺高血圧の処置のためのVIPの組成物の投与の方法をさらに包含する。適切な方法としては、心臓への直接投与、非経口投与および肺投与が挙げられるがそれらに限定されない。心臓への直接投与としては、直接の心臓内注射が挙げられるがそれらに限定されない。非経口投与としては、中心静脈ラインへの注射が挙げられるがそれに限定されない。肺投与としては、吸入器またはアトマイザにより気道系を通じるような直接気管支内注入が挙げられるがそれらに限定されない。
【0071】
本発明は、二次的肺高血圧の処置におけるVIPの組成物の送達のためのキットをさらに包含する。キットは、例えば、単位用量のVIPの組成物を備える。この組成物は、包装されており、そして患者への投与のために準備がされているか、または乾燥されているかのいずれかであり、そして投与の前に可溶化される。含まれるのはまた、患者へのVIPの投与のための方法、およびそのキットの使用のための任意の書面での指示書である。
【0072】
本発明は、二次的肺高血圧患者のための処置としての、ある範囲のVIPおよびVIPアナログの組成物、ならびにそれらの投与のための方法を包含する。この処置は、二次的肺高血圧の少なくとも一つの症状の改善を生じる。二次的肺高血圧は、疾患、障害または手術を含むがそれに限定されない任意の手段により生じ得る。
【0073】
(心臓停止)
本発明は、心臓停止に罹患する患者の状態を改善し、そして心臓機能を回復するに十分な、VIPの量を投与するための方法を包含する。VIPは、投与のために適切な任意のキャリアと組み合わせた組成物の形態で投与され得る。患者は、概して、心不全に起因して心臓停止に罹患するが、VIP投与は、例えば、疾患に起因することなどの任意の理由に起因した、心不全または機能不全の任意の形態の処置のために適切である。種々の方法が、投与のために適切であると記載される。使用される方法は、患者の状況および状態によって決定される。VIP組成物は、使用される投与の方法によって変動し、その変動因子には、存在するVIPの百分率およびどのキャリア物質が存在するかが包含される。
【0074】
本発明はまた、心臓停止の処置のために患者に投与するために適切な、VIP、VIPアナログおよびVIP様ペプチドの組成物を包含する。その組成物は、適切な非毒性かつ非干渉性の成分を含み得る。VIPは、好ましくは、心臓停止を改善する所望の効果を達成するために適切な、要求される範囲の用量を投与するために、その組成物において変動する量で存在する。
【0075】
本発明はさらに、心臓停止を改善し、そして有効な心臓機能を回復するに十分な量の、VIPを含む組成物を患者に投与する工程を包含する、心臓停止の処置のための方法を包含する。心臓への直接投与としては、心臓内注射が挙げられるがそれに限定されない。非経口的投与としては、中央静脈ラインへの注射が挙げられるがそれに限定されない。肺投与としては、吸入器またはアトマイザにより気道系を通じるような直接気管支内注入が挙げられるがそれらに限定されない。
【0076】
本発明は、心臓停止の処置のためのVIPの組成物の投与の方法をさらに包含する。適切な方法としては、心臓への直接投与、非経口投与および肺投与が挙げられるがそれらに限定されない。心臓への直接投与としては、直接の心臓内注射が挙げられるがそれらに限定されない。非経口投与としては、中心静脈ラインへの注射が挙げられるがそれに限定されない。肺投与としては、吸入器またはアトマイザにより気道系を通じるような直接気管支内注入が挙げられるがそれらに限定されない。
【0077】
本発明は、心臓停止の処置におけるVIPの組成物の送達のためのキットをさらに包含する。キットは、例えば、単位用量のVIPの組成物を備える。この組成物は、包装されており、そして患者への投与のために準備がされているか、または乾燥されているかのいずれかであり、そして投与の前に可溶化される。含まれるのはまた、患者へのVIPの投与のための方法、およびそのキットの使用のための任意の書面での指示書である。
【0078】
本発明は、心臓停止のための処置としての、ある範囲のVIPおよびVIPアナログの組成物、ならびにそれらの投与のための方法を包含する。この処置は、二次的肺高血圧の少なくとも一つの症状の改善を生じる。二次的肺高血圧は、疾患、障害または手術を含むがそれに限定されない任意の手段により生じ得る。
【0079】
(除細動)
一つの実施形態において、本発明は、徐脈、不整脈、心臓停止、PEAおよびEMDのような状態を処置するに必要であるとき、薬物および電気パルスを送達するデバイスに関する。電気パルスは、電気的除細動パルスまたは電気ディマンド型ペーシングパルス(electrical demand pacing pulses)であり得る。
【0080】
本発明はさらに、除細動が心臓に対して機械的活動を回復したかどうかを決定し、およびそうでない場合、EMDに罹患する患者の状態を改善するに十分な活性な薬学的薬剤の量を送達し、そして心臓機能を回復させるデバイスを包含する。その薬剤は、任意の適切なキャリアと組み合わせた薬学的組成物の形態において投与され得る。患者は、概して、心不全に起因して心臓停止に罹患するが、投与は、例えば、疾患に起因することなどの任意の理由に起因した、心不全または機能不全の任意の形態の処置のために適切である。その薬学的組成物は、使用される投与の方法によって変動し、その変動因子には、存在するVIPの百分率およびどのキャリア物質が存在するかが包含される。
【0081】
本発明は、心臓停止後の除細動が心臓に対する機械的活動を回復したかどうかを決定し、およびそうでない場合、心臓への活性な薬学的薬剤を投与するデバイスを包含し、その投与には心臓内注射が包含されるがそれに限定されない。
【0082】
本発明は、心臓停止後の除細動が心臓に対する機械的活動を回復したかどうかを決定し、およびそうでない場合、中央静脈ラインへの活性な薬学的薬剤を投与するデバイスをさらに包含する。
【0083】
本発明は、心臓停止後の除細動が心臓に対する機械的活動を回復したかどうかを決定し、およびそうでない場合、腹腔への活性な薬学的薬剤を投与するデバイスをさらに包含する。
【0084】
薬学的薬剤としては、限定なしに、モルヒネのような鎮静剤が含まれる。本発明の範囲内に含まれるのはまた、心筋収縮性を増強するために使用される薬学的薬剤である。
【0085】
本発明の好ましい実施形態において、送達された薬学的薬剤は、心臓の有効な機械的収縮を迅速かつ直接増強し、全身の欠陥抵抗を減少し、そして心拍数を増強するように作用する(例えば、VIPならびにそのアナログおよび誘導体)。別の実施形態において、甲状腺ホルモン(例えば、T3およびT4ならびにそのアナログおよび誘導体)が送達され得る。
【0086】
薬学的薬剤は、除細動およびディマンド型ペーサーパルスを適用するために使用される単一のカテーテルによって、または二次カテーテルのような他の手段によって送達され得る。
【0087】
デバイスはまた、患者における所定の薬学的薬剤の濃度をモニターするための手段、および適切な量の、モニターされるのと同じ薬学的薬剤またはモニターされる薬学的薬剤の濃度に影響を与える異なる薬学的薬剤を投与することによって、薬学的薬剤の濃度を調整するための手段を包含する。
【0088】
心臓の機械的活動を検出する当該分野において公知の任意の方法(限定なしに、カテーテルにおけるインピーダンスの任意の変化または超音波を包含する)を使用して、右心室におけるパルス波が使用に適切であるか検出する。
【0089】
1つの実施形態において、機械的活動センサは、除細動パルスが送達された後10秒で起動される。収縮活動が検出されないとき、適切な量の強心薬が心臓へと有効に送達される。心臓への有効な送達は、当該分野において公知の任意の方法によってであり得、これには、限定なしに、右心室腔を介して心筋への直接、冠状脈管系へ、および心膜への方法が包含される。
【0090】
別の実施形態において、そのデバイスは、適切な量の強心薬の注射によって心臓停止後のrT3の形成を反転させ得る。従って、好ましい実施形態において、強心薬を含むポンプが除細動が発生した30秒後に起動され、そして機械的活動が検出されないときは、右心室へ強心薬を注射する。
【0091】
(発明を実施するための最良の形態)
(肺高血圧)
心臓における変時性および変力性の応答を調節するにおけるVIPの役割は、なお知られていないが、VIPは、強力な変時性および冠状血管拡張因子であることが示された。イヌにおけるその変力性、変時性および冠状血管拡張特性に鑑み、VIPは、ヒトの心臓血管機能の調節におけるポリペプチド作用性神経伝達因子として重要な役割を果たし得る。VIPは、今や、二次的肺高血圧患者の処置において有効であることが見出された。
【0092】
VIPは、冠状動脈に対して静脈内でまたは直接投与されるとき、イヌの心臓において有意な変力性効果を有することが示された。従って、VIPは、伝統的な処置方法が、心不全に罹患する二次的肺高血圧患者における肺または心臓の機能の回復をもたらさなかった場合に、ヒトの代替処置として使用するために特に適切である。VIPは、標準的な処置が失敗したときに有効であり得る。従って、VIPは、標準的な処置方法に対する改善であるか、または標準的な方法の代わりに使用され得る。
【0093】
二次的肺高血圧の処置のための標準的な方法は、二次高血圧を生じる基礎の疾患を矯正することを目的とし、そして、一般的に、低酸素血症および肺欠陥抵抗を減少させる酸素療法を包含する。血管拡張治療はまた、原発性肺高血圧の症例において使用されてきた。ここで、使用される物質は、ニフェジピンおよびプロスタグランジンEを包含する。二次的肺高血圧に起因した心不全を有する患者について、最も頻繁に処方される治療は、流体制限、心拍量を増加するためのジギタリスグリコシド、ならびに血管内容積および血管外の流体蓄積を減少させる利尿剤である。
【0094】
VIPの全身血管拡張特性によって、VIPは、二次的肺高血圧患者の一般的な処置において使用するために適切となっている。ここでは、二次的肺高血圧は、疾患に起因した動脈の肥大化により生じる。
【0095】
二次的肺高血圧の処置のためのVIPの使用は、二次的肺高血圧が任意の原因に起因して生じた任意の状況における治療を包含するがそれに限定されない。本明細書において「二次高血圧」とは、肺循環の血圧が正常圧を超えて上昇し、好ましくは、高度および加齢以外の任意の理由により上昇した状態をいう。本発明の目的のために、二次的肺高血圧は、任意の原因から生じ、これには、慢性障害肺疾患または原発性心臓疾患(先天性または後天性のいずれか)が含まれるがそれらに限定されない。
【0096】
二次的肺高血圧は、小肺動脈の壁の肥大化に起因して生じ得、これは、多くの原因を有し、その原因としては、任意の疾患あるいは肺動脈における先天性または後天性の異常が挙げられるがそれらに限定されない。肺動脈において上昇した圧力はまた、冠状動脈の機能不全、疾患または異常により生じ得る。
【0097】
VIPでの補助治療は、二次的肺高血圧のための標準的な処置の間およびその後の心臓および肺の機能を改善するために有用である。VIPはまた、標準的な方法が、二次的肺高血圧を改善するのに失敗したときに使用するためにも適切である。VIPは、心臓腔へ直接、非経口的または肺システムへ直接投与される。
【0098】
本発明は、二次的肺高血圧患者の処置における使用のために適切なVIPの組成物を包含する。本明細書において使用される「VIP」、「VIPアナログ」および「VIP様ペプチド」とは、任意の天然のVIPペプチドまたは任意の合成ペプチドであって、天然のVIPペプチドに実質的に類似し、そして天然のVIP活性を保持するが、その活性を変更または増強するように操作されたものをいう。「実質的に類似する」とは、ペプチドのVIP活性にとって必須でないアミノ酸が、その活性を変化または増強させる試行において変更されたが、ペプチドはなおも、天然のVIPペプチドに対して高いレベルのアミノ酸配列類似性を保持するペプチドを意味する。
【0099】
本明細書において使用されるVIPの「組成物(単数)または(複数)」とは、少なくとも一部のVIPを含む任意の処方物を意味する。VIPに加えて、そのような処方物は、適切な非毒性でかつ非干渉性の成分を含み得る。そのような成分としては、液体賦形剤、医学的薬剤、薬学的薬剤、キャリアおよび補助的物質(例えば、湿潤剤または乳化剤)およびpH緩衝剤が挙げられるがそれらに限定されない。適切な液体賦型剤としては、水、生理食塩水、グリセロールまたはエタノールが挙げられるがそれらに限定されない。
【0100】
注射のための組成物は、液体溶液もしくは懸濁物、エマルジョン、または注射前に液体への溶解または懸濁のために適切な固体形態として供給され得る。呼吸管を介した投与のために、好ましい組成物は、固体、粉末または適切な噴霧デバイスとともに使用したときに液体のエアゾールを提供するものである。要求される任意の組成物において使用されるVIPは、例えば、Bachemを含む種々の商用供給源から準備のできた形で入手され得る。
【0101】
組成物は、当該分野において公知の任意の方法により滅菌され得、そして用量単位に分割され得、そして送達ビヒクル中に封入され得る。
【0102】
組成物は、その組成物の形態に適切な経路で投与される。本発明における代表的な経路としては、静脈内、心臓内、皮下、筋肉内、経眼、および肺内が挙げられるがそれらに限定されない。従って、液体組成物は、おそらく、静脈経路を介して投与され、そして粉末形態は、肺経路を介して投与される。投与はおそらく、肺システムへの直接投与を介してであるか、または心臓腔への直接注射である。
【0103】
本発明はまた、二次的肺高血圧に罹患する患者の処置のための方法を包含する。この方法は、患者にVIP組成物を投与する工程を包含する。投与の方法は、状況および患者の状態の重症度に従って変動し得る。投与の適切な方法としては、直接、非経口注射、肺注入または肺注射が挙げられるがそれらに限定されない。
【0104】
本明細書において使用される「肺高血圧の処置」とは、二次的肺高血圧の基礎的原因を軽減することならびに/または正常な心臓および肺の機能もしくはその患者が処置を始める前に有していたよりも改善した状態の心臓および肺の機能へと回復することによって、患者の健康を改善するための試行における介入をいう。そのような処置の治療的効果としては、心臓または肺の機能不全の再発の予防、1つ以上の症状の軽減および基礎となる原因疾患の効果を減少することが挙げられるがそれらに限定されない。処置の後の回復についての改善された予後もまた存在し得る。
【0105】
二次的肺高血圧は、通常、基礎となる疾患に起因して生じるが、本発明は、その二次的肺高血圧が生じた様式に関わらず、処置のために適切である。二次的肺高血圧原因としては、疾患、および先天性または後天性のもしくは冠状の欠陥が挙げられるがそれらに限定されない。
【0106】
適切な用量は、1を超える適用においてまたは注入を介して投与され得る。投与されるVIPの用量は、初期用量に対する応答に従って変動し得る。VIP効果に対するいくつかの脱感作が生じ得ることが、特に変力性効果ではなく変時性効果のものについて示された。時間とともに、二次的肺高血圧患者に対する改善効果を生じるために必要なVIP用量はこのようにして増加し得る。
【0107】
患者の状態における改善の所望の効果を達成するために投与されるに必要なVIP用量は、いくつかの因子(症状の重症度ならびに患者の大きさおよび全身の健康を含む)に依存して変動する。一般的に、VIPの好ましい量は、血流力学的安定性を達成および維持するに十分な量の、1つの用量に続き反復用量で与えられる。用量の一般的範囲は、500μgと10gとの間である。この量は、患者の体重および疾患の重症度により変動し、より重症の患者に、および疾患の重症度が増すと増量された量で与えられる。VIPは、二次的肺高血圧のための治療のみとして、または当該分野において公知の他の治療とともに使用され得る。好ましくは、蘇生を受けつつある完全な心不全を伴う二次的肺高血圧患者は、VIPとともに除細動のような他の伝統的な処置を受けるが、VIPは、代替治療の非存在下で投与され得る。
【0108】
いくつかの用量は、所望の効果を生成するに必要であり得る。用量の数値は、初期用量に対する患者の応答に従って判定され得る。適切な投薬量の範囲は、二次的肺高血圧の少なくとも一つの症状の改善を生成するに十分多いが、所望されない副作用を誘導しないような範囲である。必要とされる投薬量は、当業者により決定され得る。
【0109】
本明細書において使用される「改善」とは、VIPの組成物の投与の結果として生じた、患者の状態における任意の改善を意味する。このことは、これまで予期されていたものに対して、生存時間における任意の増強を包含する。特に良好に応答する患者において、正常な肺および/または心臓の機能のいくらかの回復が存在するはずである。これは、このことを通じた完全な治療を目的であることは意味しない。
【0110】
「患者」は、脊椎動物(好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト)である。哺乳動物としては、ヒト、家畜、競技用動物およびペットが挙げられるがそれらに限定されない。本発明での処置のために適切な被検体は、任意の手段によって生じる二次的肺高血圧に罹患した被検体である。
【0111】
投与の適切な方法は、当該分野において周知の方法であり、そして直接注射および肺の投与を包含する。VIPは、単独でまたはVIPを含む組成物中でのいずれかで投与され得る。投与は、心臓腔へ直接注射する経路により得、これは、最も直接的であり、そしてVIPの好ましい送達方法である。なぜなら、これは、イヌにおいて有効であることが示されているからである。しかし、心臓への直接注射が可能でない場合において、投与は、丸剤によって経口によるか、または非経口的(静脈または筋肉内の注射のいずれか)であり得る。投与されたVIPの量は、概して、500μgから10gの範囲にある。これは、例えば、Abboject単位用量シリンジを用いて達成され得る。この方法のために、VIPの組成物は、単位投薬量として、シリンジ内にパッケージングされ得る。投与はまた、非経口注射を介してであり得る。このことは、任意の生存する静脈ラインへの静脈内であり得る。これには、患者の中央静脈ラインが含まれるがそれに限定されない。この投与は、当該分野において公知の標準的に利用可能な技術の方法により達成され、そして当業者の能力の範囲内である。
【0112】
VIPの投与の別の方法は、肺システムへの投与である。このことは、直接の帰還しない注射の方法によるか、または呼吸器気道を通じた注入の方法によって直接達成され得る。直接注射は、当該分野において公知の方法を通じて達成され得る。注入を介して投与されるVIP組成物は、いくつかのプロペラントおよびおそらく分散補助剤を含むことが必要であり、そして患者の肺へ圧力下でスプレーされる。適切な組成物は、米国特許第5,006,343号および同第5,011,678号に記載される。この投与を達成するための方法は、当該分野において公知であり、そして当業者の技術の範囲内にある。種々の適切なデバイスは、アトマイザおよび吸入器を含む使用のために利用可能である。以下を参照のこと:Lindberg(1993)Summary of Lecture at Management Forum”creating the future for portable inhalers”。本明細書における使用のために適切なさらなるデバイスは、以下に記載されるがそれらに限定されない:WO94/13271、WO94/08552、WO93/09832および米国特許第5,239,993号。
【0113】
本発明はまた、二次的肺高血圧患者の処置のためのVIPの組成物の非経口投与のための包装されたキットを包含する。そのようなキットは、VIPの組成物(包装され、そして使用に準備ができた、生理学的に受容可能な希釈剤に溶解されているか、または使用直前の生理学的に受容可能な希釈剤での可溶化のために乾燥されている)を備え得る。希釈剤は、心臓または肺の機能を増強する種々の治療上有効な物質をさらに含むように処方され得る。これには、治療上有効な量でのカルシウムおよびマグネシウムが含まれるがそれらに限定されない。
【0114】
キットに含まれるものはまた、VIPの組成物の投与のための方法であり、これは例えば、注射に適切なデバイス。適切なデバイスとしては、シリンジが挙げられるがそれに限定されない。含まれるものはまた、キットの使用のための書面での指示書であり得る。そのようなキットにおいて提示されるVIPの組成物は、単位投薬量形態であり得るが、本発明は、すべての量および包装形態を包含する。
【0115】
代替のキットは、肺投与または非経口以外の他の適切な方法のために包装され得る。そのような方法としては、肺注入が挙げられるがそれらに限定されない。そのようなキットは、VIPの組成物(包装され、そして使用に準備ができている)を含み得る。肺注入のためのVIPは、肺注入のための使用に適切な粉末として提供され得る。このキットに含まれる、VIPの投与のために適切な方法は、患者の肺に直接組成物を送達するための使用に適切な、任意の吸入器またはアトマイザであり得る。本発明は、肺投与のために治療的に有効な量のVIPを含むアトマイザおよび吸入器をさらに含む。このキットはまた、必要に応じて、二次的肺高血圧の処置において使用するための書面の指示書を含む。
【0116】
注射のために適切なデバイス、アトマイザおよび吸入器を処方する方法は、当該分野において公知であり、そして詳細には記載しない。適切な注射デバイスの例は、Abboject「Unit of Use Syringe」(Abbott Laboratory)である。これは、心臓内の針を介しての心臓へのアドレナリンの単回用量を送達し、そしてVIPの心臓外に容易に適合され得る。
【0117】
心臓における変時性および変力性の応答を調節するにおけるVIPの役割は、なお知られていないが、VIPは、強力な強心薬および冠状血管拡張因子であることが示された。イヌにおけるその変力性、変時性および冠状血管拡張の特性に鑑み、VIPは、ヒト心臓血管機能の調節におけるポリペプチド作用性神経伝達因子として重要な役割を果たし得る。VIPは、今や、心臓停止患者の処置において有効であることが見出された。
【0118】
VIPは、冠状動脈に対して静脈内または直接与えられるとき、イヌ心臓において有意な変力性効果を有することが示された。従って、VIPは、伝統的な処置方法(例えば、除細動)が心臓機能の回復を生じなかったときにヒトにおける代替治療としての使用に適切である。VIPは、標準的な処置が失敗し多ときに有効であり得、そして従って標準的な処置方法に対する改善であるか、または標準的な方法の代わりに使用され得る。
【0119】
心臓停止の処置のためのVIPの使用としては、心臓停止が生じ、そして心臓機能を回復させる試みが失敗に終わった場合における補助治療が挙げられるがそれに限定されない。
【0120】
心臓停止は、多くの方法で生じ得る。これには、冠状動脈疾患のような任意の疾患の結果として、手術(例えば、冠状バイパス手術または心臓移植)の間の心筋梗塞が含まれるがそれに限定されない。他の寄与因子としては、高血圧、喫煙、糖尿病、肥満、加齢および薬物使用が挙げられる。
【0121】
心臓を再始動する試みは、一般的に、エピネフリン、アトロピンまたは重炭酸ナトリウムのような薬物と組み合わせた除細動により行われる。リドカインおよびアトロピンはまた、初期除細動が心臓拍動を生成するにおいて成功しない場合に使用される。
【0122】
VIPと組み合わせた補助治療は、心臓停止のための標準的な処置の間およびその後に心臓機能を増強するためにもまた有用である。VIPはまた例えば、冠状バイパス手術を行うために、心臓を停止させたときに、心臓を再始動するための方法として有用である。VIPはまた、標準的な方法が有効な心臓収縮を回復することに失敗したときに使用するためにも適切である。
【0123】
心臓蘇生のためにVIPは、心臓腔に直接、非経口でまたは肺システムに直接にのいずれかで投与される。
【0124】
本発明は、心臓停止患者の処置における使用のために適切なVIPの組成物を包含する。
【0125】
この組成物は、その組成物の形態に適切な経路により投与される。本発明における代表的な経路としては、静脈内、心臓内、皮下、筋肉内、経眼、および肺内が挙げられるがそれらに限定されない。従って、液体組成物は、おそらく、静脈経路を介して投与され、そして粉末形態は、肺経路を介して投与される。投与はおそらく、肺システムへの直接投与を介してであるか、または心臓腔への直接注射である。
【0126】
本発明はまた、心臓停止に罹患する患者の処置のための方法を包含する。この方法は、患者にVIP組成物を投与する工程を包含する。投与の方法は、状況および患者の状態の重症度に従って変動し得る。投与の適切な方法としては、直接、非経口注射、肺注入または肺注射が挙げられるがそれらに限定されない。
【0127】
本明細書において使用される「心臓停止の処置」とは、心臓停止を軽減することならびに/または正常な心臓の機能もしくはその患者が処置を始める前に有していたよりも改善した状態の心臓の機能へと回復することによって、患者の健康を改善するための試行における介入をいう。そのような処置の治療的効果としては、心臓機能の回復、心臓機能不全の再発の予防、症状の軽減および心臓停止の効果の減少が挙げられるがそれらに限定されない。処置の後の回復についての改善された予後もまた存在し得る。
【0128】
心臓停止は、通常心不全に起因して生じるが、本発明は、心臓停止がどのように生じたかに関わらず処置のために適切である。心臓停止の原因としては、心不全、疾患および手術が挙げられるがそれらに限定されない。
【0129】
「心(臓)停止」、「心臓機能不全」または「心筋梗塞」とは、患者の心臓が鼓動を停止し、そしてもはや血液を体中にくみ出すように機能しない状態をいう。心臓停止は、任意の公知の原因から生じ得る。これらの原因としては、心臓発作、疾患または手術が挙げられるがそれらに限定されない。
【0130】
患者の状態における改善の所望の効果を達成するために投与されるために必要なVIPの用量は、いくつかの因子に依存して変動する。これには、症状の重症度、患者の大きさおよび健康ならびに心臓停止の発症から経過した時間が上げられるがそれらに限定されない。投与されるVIPの好ましい量は、患者および環境に依存する。一般に、これは、血流力学的な安定性を達成および維持するため十分な量の、一回用量続いて反復用量で、与えられる。一般的な半には、500μgと10gとの間である。この量は、患者の体重、状況の重症度および心臓停止の発症からの時間により変動し、より重症な患者および停止からの時間が増えると、より多い量が与えられる。好ましくは、蘇生を受ける患者は、他の伝統的な処置(例えば、除細動)とともにVIPを受けるが、VIPは、代替治療の存在下でも投与され得る。
【0131】
適切な用量は、1を超える適用でまたは注入を介して投与され得る。心臓停止患者に投与されるVIPの用量は、初期用量に対する応答に従って変動し得る。VIPに対するいくらかの脱感作が生じ得、特に変力性効果ではなく変時性効果に対して生じ得ることが示された。時間とともに、心臓停止患者に対する改善効果を生成するに必要なVIPの用量はこのように増加し得る。
【0132】
いくつかの用量は、所望の効果を生成するに必要であり得るが、用量の数値は、初期用量に対する患者の応答に従って判定され得る。適切な投薬量の範囲は、二次的肺高血圧の改善を生成するに十分多いが、所望されない副作用を誘導しないような範囲である。必要とされる投薬量は、当業者により決定され得る。
【0133】
投与の適切な方法は、当該分野において周知である方法であり、そしてこれには、直接注射および肺投与が挙げられる。これらはまた、肺高血圧の処置に関して本明細書において記載される。
【0134】
本発明はまた、心臓停止患者の処置のためのVIPの組成物の非経口投与のための包装されたキットを包含する。そのようなキットは、VIPの組成物(包装され、そして使用に準備ができた、生理学的に受容可能な希釈剤に溶解されているか、または使用直前の生理学的に受容可能な希釈剤での可溶化のために乾燥されている)を備え得る。希釈剤は、心臓の機能を増強する種々の治療上有効な物質をさらに含むように処方され得る。これには、治療上有効な量でのカルシウムおよびマグネシウムが含まれるがそれらに限定されない。
【0135】
キットに含まれるものはまた、VIPの組成物の投与のための方法であり、これは例えば、注射に適切なデバイス。適切なデバイスとしては、シリンジが挙げられるがそれに限定されない。含まれるものはまた、キットの使用のための書面での指示書であり得る。そのようなキットにおいて提示されるVIPの組成物は、単位投薬量形態であり得るが、本発明は、すべての量および包装形態を包含する。
【0136】
代替のキットは、肺投与または非経口以外の他の適切な方法のために包装され得る。そのような方法としては、肺注入が挙げられるがそれらに限定されない。そのようなキットは、VIPの組成物(包装され、そして使用に準備ができている)を含み得る。肺注入のためのVIPは、肺注入のための使用に適切な粉末として提供され得る。このキットに含まれる、VIPの投与のために適切な方法は、患者の肺に直接組成物を送達するための使用に適切な、任意の吸入器またはアトマイザであり得る。本発明は、肺投与のために治療的に有効な量のVIPを含むアトマイザおよび吸入器をさらに含む。このキットはまた、必要に応じて、心臓停止の処置において使用するための書面の指示書を含む。
【0137】
(除細動)
除細動電流が印加された後、本明細書に記載されたデバイスは、任意の心臓において任意の拍動または機械的活動が生じているかどうかをセンサを介して検出する。このことは、当該分野において公知の任意の方法により、および好ましくは2つの方法のうちの一つの方法により達成され得る。電気的には、カテーテルにおけるインピーダンスに任意の変化が存在するかどうかを測定し得る。既知の電圧が、そのカテーテルを通過し、そして電気抵抗の周波数測定値が得られる。変化がない場合、それは、容量における変化が右心室に生じていないと推定され得る。右心室への拍動波を検出するための第二の方法は、超音波を介する。カテーテルに配置された2つの変換器が「ピッチおよびキャッチ」として働く。この2つの変換器の間の測定された距離において変化がないと、機械的活動が生じていないことを示す。
【0138】
除細動パルスの後数秒が送達され、機械的活動センサが起動される。10秒が好ましいが、これは4から12秒の範囲が包含される。収縮活動が検出されない場合、そのセンサは、適切な用量の強心薬を心臓へ送達するようにこのデバイスに指示する。
【0139】
複数の研究が心臓停止後にrT3の形成が存在することを実証した。これは、適切な強心薬(例えば、T3,VIP、アドレナリン、バソプレッシンまたは他の薬剤)の注射によって反転され得る。強心薬を含むポンプは、除細動が生じた後約30秒でセンサにより機械的活動が検出されないときに起動される。このポンプは溶液を右心室へカテーテルを介して注入する。この流体は、当該分野において公知の任意の方法(例えば、溶液を含むリザーバへ導入された高圧COを介する)によりポンプから推進され得る。
【0140】
図1をみると、患者10は、心臓14をともなう胸12を有するように示される。心臓14は、心臓組織15からなり、そして外部表面13により規定される。静脈16は、心臓14の右心房20に、上大動脈18を通じて入る。右心房20は、右心室22と連絡する。心臓14は、左心室26と連絡する左心房24をさらに含む。次いで、左心室26は、動脈28に供給しこれは、心臓から離れて進む。右心室22および左心室26は、それぞれ、胸12から外右心室壁23および外左心室壁25により分離される。右心室22は、左心室26から隔壁30により分離される。隔壁30は、右心室22内に外部壁32を、および左心室26において外側壁34を有する。外側壁32と外側壁34の間の隔壁30の部分は、隔壁30の内部36を規定する。
【0141】
心臓14に配置されるのは、先端41で終止する、近位端部42および遠位端部40を有し、細長く、可撓性で、電気的に非伝導性のプローブ39のカテーテル38である。プローブ39の近位端部42に電気的に接続および結合されるのは、レギュレータ44である。レギュレータ44のとなりには、薬物リザーバ45が存在する。薬物リザーバ45は、レギュレータ44内に配置され得る。薬物カテーテル42は、薬物リザーバ45に連結され、そして心臓腔、心臓組織、または腹腔へ薬学的組成物を輸送し得る。
【0142】
カテーテル38,レギュレータ44および薬物リザーバ45は、電気信号を心臓に送達することにより患者10の心臓14の収縮を調節し得るシステム46を備える。この信号には、電気的除細動パルスおよび電気的ディマンド型ペーサーパルスが含まれる。システム46はまた、薬学的薬剤を心臓腔、心臓組織または腹腔に送達することにより心臓14の収縮を調節し得る。薬学的薬剤は、薬物送達システム60により送達され得る。このシステムは、薬物リザーバ45、薬物回路47および薬物カテーテル50を備える。この薬物送達システム60は、薬学的薬剤を患者10に送達する。システム46はまた、電気的除細動パルスまたは電気的ディマンド型ペーサーパルスを心臓14に送達すること、および薬学的薬剤を患者10に送達することの組合せにより心臓14の収縮を調節し得る。
【0143】
図2において示されるのは、心臓14に配置されたカテーテル38の遠位端部40の拡大図である。この図は、心臓14の心房付近の膜切片48および隔壁30の反対側の端部における筋肉切片50を有する隔壁30を示す。筋肉切片50は、外左心室壁25および外右心室壁23の交差点に配置された心臓組織15を含み、そして外部表面13へと延びる。隔壁30の広さは、約0.7cmから約1.2cmまで変動し、ここで最も広い部分は、筋肉切片50である。隔壁30の膜切片付近で内部36に配置されるのは、ヒス(His)束52である。ヒス束52は、心臓組織15を通じて移動して心臓14を収縮させる、心臓14からの電気パルスを調節するように機能する。
【0144】
カテーテル38は、図2において、接地電極56、出口58および補助除細動器電極72を含むようにさらに示される。プローブ39を隔壁30に固定するためおよび少なくとも電気的除細動パルスの一部を隔壁30の内部36に直接送信するための除細動器手段もまた提供される。図2は、プローブ39の先端41を放出し、そして点66において終止するらせん64である除細動器電極62を示す。らせん64を回転させることによって、これは、隔壁30の内部36へと進行し、それにより、プローブ39を隔壁30に固定し、そして除細動パルスを内部36に直接送達することが可能になる。代替の実施形態としては、除細動器電極62が挙げられる。これは、隔壁30に挿入され得る、スパイクおよびスペアである。
【0145】
心臓14を除細動するために、心臓組織15の重要な部分は、除細動パルスにより脱極されなければならない。隔壁30の内部36に配置される心臓組織15は、周囲の心臓組織15よりも高い電気的伝導性を有する。従って、内部36に直接電気的除細動パルスを送達することによって、より少ないエネルギーが心臓14を除細動するために必要とされる。従って、患者10の安全性は、増加する。なぜなら、血液の電気分解が生じるかまたは心臓組織15が焼き付く確率が減るからである。
【0146】
除細動器電極62の最適な挿入は、内部36における高く伝導性の心臓組織15の利点を利用するように隔壁30内に存在するべきであるが、心臓を調節するその機能を破壊しないようにヒス束52から可能な限り離れてあるべきである。理想的には、除細動器電極62は、図3において示される隔壁30の筋肉切片50に挿入される。この位置づけは、挿入されるべき除細動器電極62についてより広い領域を提供する、隔壁30の最も広い部分を使用するさらなる利点を有する。最小限には、除細動器電極62は、ヒス束52から5cmに挿入されるべきである。図3は、心臓14に存在する組織層68をさらに示す。一定期間にわたり、組織層68は、カテーテル38に結合し、そしてその上で増殖する。次いで、この結合効果は、除細動パルスが心臓組織15を通じて流れる能力を増大させる。
【0147】
図4および5において示される実施形態は、プローブ39の先端41において配置される端部表面70を有するプローブ39を示す。端部表面70に結合されるのは、ディマンド型ペーサーパルスを送達し得るディマンド型ペーサー電極60であり、そしてそこから絶縁されるべき除細動器電極62から距離を空けて位置づけされる。図4において示されるのはまた、除細動器電極62と電気的に接続された補助除細動器電極72であり、これは、電極除細動パルスを送達し得る。
【0148】
電気信号は、近位端部42から遠位端部40にプローブ39内に長手方向に配置される電気伝導性経路74によってそのそれぞれの電極に送達される。電気伝導性経路74は、図4に示される第一の端部75を有する。電気伝導性経路74は、接地電極56と電気的に接続される接地リード76、ディマンド型ペーサー電極60に電気的に接続されるディマンド型ペーサーリード78、および補助除細動器電極72および除細動器電極62の両方と電気的に接続される除細動器リード80を備える。代替の実施形態において、除細動器リード80は、除細動器電極62のみ電気的に接続される。すべてのリードおよび電極は、電気的な短絡を生じないように互いに絶縁および分離されている。好ましい実施形態において、すべてのリードは、エネルギー喪失を最小限にするために、低いインピーダンスを有する材料(代表的には10オーム未満)から作製される。プローブ39の近位端部42には、受け口84を有する心房腔82がある。
【0149】
(除細動器)
図4のカテーテル38は、いくつかの形態で作動する。第一の形態において、カテーテル38は、除細動器として独立して作用する。心臓14を除細動するために、除細動パルスは、除細動器リード80を下って送信され、そこで、除細動器電極62から隔壁30の内部36へと放電される。除細動パルスは、代表的に、約0.5ジュールから約50.0ジュールの間の範囲にある。従って、除細動器電極62が有効であるためには、除細動器電極62は、そのような電荷を、それ自体または直ぐ周囲の心臓組織15に損傷なしに送達し得なければならない。
【0150】
このことを達成するために、拡張期電極62には、電気表面積85が提供される。この面積は、心臓組織15が焼き付けないように十分な低いレベルで、隔壁30の内部36に電気的除細動パルスを均一に送達するに十分な広さである。除細動器電極62は、約1.2平方cmから約2.0平方cmの範囲の電気表面積85を有する。そのような面積は、一般的に除細動器電極62が約0.5cmから約1.0cmの範囲の長さを有すること、およびらせん64は約7フレンチ(cm)から約11フレンチ(cm)の範囲の厚さを有することを必要とする。除細動器およびその動作の実施形態は、米国特許第5,374,287号および同第5,476,502号に記載される。
【0151】
(ディマンド型ペーサー)
動作の代替方法において、カテーテル38は、ディマンド型ペーサーとして機能し得る。動作のこの方法において、ディマンド型ペーサーパルスは、ディマンド型ペーサー電極60へと送達される。ディマンド型ペーサー電極60は、約0.4mmから10.0mmの間の範囲の電極表面積96を有し、そして高度に伝導性で、非腐食性の金属(例えば、チタンまたは白金)から作製される。ディマンド型ペーサー電極60の電気表面積96は、除細動器電極62の電気表面積85よちも有意に狭い。このことは、ディマンド型ペーサーパルスが、除細動パルス(10,000ミリアンペアほども高くなり得る)よりもはるかにより小さな電流要求(代表的に約0.1ミリアンペアから約10.0ミリアンペアの範囲の)を有するという事実に起因する。従って、ディマンド型ペーサー電極60は、除細動器電極62として機能し得る。なぜなら、ディマンド型ペーサー電極60を通じた除細動パルスの送達は、電極を破壊するようであり、そして周囲の心臓組織15を焼き付けるからである。
【0152】
図5において示される好ましい実施形態において、ディマンド型ペーサー電極60は、除細動器電極62が隔壁30に固定されるときにペーサー電極60が隔壁30の外側壁32に対して配置されるように端部表面70に配置される。そのような位置において、ディマンド型ペーサー電極62からのディマンド型ペーサーパルスは最も効率がよい。なぜなら、そのパルスのより多くが、直接心臓組織15に送達されるからである。
【0153】
しばしば、ディマンド型ペーシングは、心臓14の除細動の直ぐ後に開始する。しかし、研究により、除細動器電極の直ぐ近くの組織は、ディマンド型ペーサーパルスに対して有効に組織が反応し得る前で、除細動パルスを受けた後の期間を必要とすることが見出された。従って、ディマンド型ペーシングが除細動パルスの送達後直ぐに続くことを可能にするために、ディマンド型ペーサー電極60は、除細動器電極62から少なくとも3mm離れて配置されるべきである。このディマンド型ペーサーおよびその動作の実施形態は、米国特許第5,374,287号および同第5,476,502号において考察される。
【0154】
心臓へ化学物質を送達するための成分に関して、カテーテル38は、化学物質除細動器として独立して作動する。図6において示されるように、心臓筋肉14を化学的に活性化するために、薬学的薬剤は、薬物カテーテルの下の薬物リザーバ45から放出される。そこで、その薬剤は、出口51から心臓組織15へと送達される。図7は、代替の実施形態を示す。ここでは、薬学的薬剤は、出口51から心臓腔22へと送達される。図8は、さらに別の実施形態を示す。ここでは、薬学的薬剤は、出口51から腹腔へと送達される。
【0155】
(電気的および化学的な調節)
本発明はまた、心臓14の収縮または収縮の欠如を検知するための支配手段(センサ)および分析するための支配手段、ならびに分析の結果に依存して電気的除細動パルス、電気的ディマンド型ペーサーパルスまたは薬学的薬剤を放出するための支配手段を提供する。例としてであり限定ではなく、図9において示されるレギュレータ44が存在する。センサ44は、電気伝導性経路74の第一の端部75に電気的に接続される。センサ44は、コントローラ48、ディマンド型ペーサー回路100および除細動器回路102を備える。
【0156】
心臓が電気信号を生成すると、コントローラ48は、接地リード76およびディマンド型ぺーサーリード78を横切るかまたは接地リード76および除細動器リード80のいずれかで電気ポテンシャルを検知する。コントローラ48はまた、所定の薬学的薬剤の濃度も検知する。次いで、コントローラ98は、電気ポテンシャルまたはそのような電気ポテンシャルまたは薬学的薬剤の非存在を分析し、そしてその分析に依存してディマンド型ペーサー回路100、除細動器回路102または薬物回路47に信号を送信する。
【0157】
ディマンド型ペーサー回路100がコントローラ48から信号を受けるとき、ディマンド型ペーサー回路100内のキャパシタは、ディマンド型ペーサーパルスをディマンド型ペーサーリード78に送信し、これは、ディマンド型ペーサー電極60へと以前に考察したように進行する。除細動器回路102がコントローラ48から信号を受けるとき、除細動器回路102内のキャパシタは、除細動パルスを除細動器リード80に送信し、これは、除細動器電極62へと以前に考察したように進行する。キャパシタは、コントローラ98に配置される電源からそれらのエネルギーを受ける。薬物回路47がコントローラ48から信号を受けるとき、適切な量の所定の薬学的薬剤が薬物カテーテル50を通じて薬物リザーバ45から心臓腔22、心臓組織15または腹腔へと放出される。
【0158】
あるいは、コントローラ48は、カテーテル38から独立したセンサから信号を受け得る。例えば、そのセンサは、患者10の外部に接続され得る。レギュレータ44の動作は、米国特許第3,857,398号において考察される。
【0159】
レギュレータ44は、患者10内で自己保持され得る(例えば、胸壁の皮下組織内)か、またはレギュレータ44は、病院内に維持される患者をモニターするために患者の外側に配置され得る。
【0160】
1つの実施形態において、薬物リザーバ45は、レギュレータ44の隣にある。別の実施形態において、薬物リザーバ45は、レギュレータ内に配置される。さらに別の実施形態において、薬物リザーバは患者の外に配置される。
【0161】
図10に示されるように、シャント72は、そのデバイスが患者10の心臓14に埋め込まれた後に薬物リザーバ45を薬学的薬剤で充填し得る。
【0162】
患者10の心臓14の収縮または収縮の欠如を検知、分析およびモニターするための手段は、以下のように模式的に規定される。センサは、心臓14によって生成する型の電気信号を受ける。分析器は、任意の異常な心臓活動を検出し、そして電気的除細動パルス、電気的ディマンド型ペーサーパルスがその異常心臓活動を改善するかどうかを決定する。次いで、分析器は、適切な信号をディマンド型ペーサー回路100、除細動器回路102に送信する。除細動がセンサによって決定されるようには心臓筋肉を活性化しない場合、そのセンサは、薬学的薬剤の薬物リザーバからの注射を指示する。
【0163】
モニターシステムは、センサ、分析器、電気パルスの放電および薬学的薬剤の送達を調整し、そして心臓の活動およびそのような放電または配置の効果を記録する。そのモニターシステムは、インピーダンス、超音波、血圧、所定の動脈または静脈の直径、および当該分野において公知の他の方法によって、心臓14の電気的活動および機械的活動を検出および測定する。
【0164】
心臓収縮を再始動または制御するための薬学的薬剤としては、エピネフリン、アトロピン、重炭酸ナトリウム、VIPおよび甲状腺ホルモン(例えば、T3およびT4)が挙げられるがそれらに限定されない。
【0165】
本明細書において使用される「VIP」およびその誘導体とは、任意の天然のVIPペプチド、または任意の合成ペプチドであって、天然のVIPペプチドに実質的に類似し、そして天然のVIPの活性を保持するが、その活性を変更または増強するように操作されたものをいう。「実質的に類似する」とは、ペプチドのVIP活性にとって必須でないアミノ酸が、その活性を変化または増強させる試行において変更されたが、ペプチドはなおも、天然のVIPペプチドに対して高いレベルのアミノ酸配列類似性を保持するペプチドを意味する。
【0166】
本明細書において使用される「組成物(単数)または(複数)」とは、心臓筋肉を活性化し得る薬学的薬剤を含む任意の処方物を意味する。そのような処方物は、適切な非毒性でかつ非干渉性の成分を含み得る。そのような成分としては、液体賦型剤、医学的薬剤、薬学的薬剤、キャリアおよび補助的物質(例えば、湿潤剤または乳化剤)およびpH緩衝剤が挙げられるがそれらに限定されない。適切な液体賦型剤としては、水、生理食塩水、グリセロールまたはエタノールが挙げられるがそれらに限定されない。注射のための組成物は、液体溶液もしくは懸濁物、エマルジョン、または注射前に液体への溶解または懸濁のために適切な固体形態として供給され得る。組成物は、当該分野において公知の任意の方法により滅菌され得、そして用量単位に分割され得、そして送達ビヒクル中に封入され得る。
【0167】
「処置」とは、心臓停止を軽減することおよび/または心臓機能を回復することによって患者の健康を改善する試みにおける介入をいう。処置の治療的効果としては、心臓機能の回復、心臓機能不全の再発の予防、症状の軽減、心臓停止の効果の減少が挙げられるがそれらに限定されない。処置の後の回復についての改善された予後もまた存在し得る。
【0168】
「心(臓)停止」、「心臓機能不全」または「心筋梗塞」とは、患者の心臓が鼓動を停止し、そしてもはや血液循環を提供しない状態をいう。心臓停止は、任意の公知の原因から生じ得る。これらの原因としては、心臓発作、疾患または手術が挙げられるがそれらに限定されない。心臓停止は、「突然死」でもあり得る。すなわち、何らかの基礎的な疾患に見かけ上関連しない。
【0169】
「心臓状態」、「心臓の状態」または「心臓疾患」としては、血栓、不整脈および徐脈、遅延不全収縮(bradyasystole)、心臓停止、EMDおよびPEAが挙げられる。
【0170】
患者の状態における改善の所望の効果を達成するために投与されるために必要とされる薬学的薬剤の用量は、いくつかの因子に依存して変動する。このような因子としては、症状の重症性、患者の大きさおよび健康、ならびに心臓停止の発生から経過した時間が挙げられる。投与されるべき好ましい量は、薬学的薬剤、患者および環境に依存する。用量は患者の体重、状況の重症度および心臓停止の発生からの時間により変動する。ここで、より重症の患者および停止からより時間が経っている場合は、より多くの量が与えられる。
【0171】
適切な投薬量は、改善を生成するに十分な大きさであるが、所望されない副作用を誘導しないような大きさである範囲である。要求される投薬量は、当業者によって決定され得る。
【0172】
「改善」とは、電気的処置または化学的な処置の結果として生じた、患者の状態における任意の改善を意味する。このことは、これまで予期されていたものに対して、生存時間における任意の増強を包含する。特に良好に応答する患者において、有効な心臓機能のいくらかの回復が存在するはずである。このことは、完全な治療を意味するが、これは、これが目的とすることではない。
【0173】
「患者」とは、脊椎動物(好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト)である。哺乳動物としては、ヒト、家畜、競技用動物およびペットが挙げられるがそれらに限定されない。本発明での処置のために適切な被検体は、任意の手段によって生じる心臓停止に罹患した被検体である。
【0174】
本発明はまた、包装されたキットを包含する。このキットは、薬物リザーバにおいて使用するための薬物パケットを用いて包装されたデバイスを含み得る。薬物パケットは、VIP、T3、T4または心臓収縮に対する影響を有することが知られる他の薬学的薬剤を含む薬学的組成物を含み得る。この薬物パケットは、薬学的薬剤(包装され、そして使用に準備ができた、生理学的に受容可能な希釈剤に溶解されているか、または使用直前の生理学的に受容可能な希釈剤での可溶化のために乾燥されている)を含み得る。好ましくは、薬学的薬剤及び希釈剤は、薬学的薬剤の送達前の可溶化を可能にするために破られ得る膜により分離される。希釈剤は、心臓の機能を増強する種々の治療上有効な物質をさらに含むように処方され得る。これには、治療上有効な量でのカルシウムおよびマグネシウムが含まれるがそれらに限定されない。
【0175】
1つの実施形態において、キットは、デバイスを含み、ここで、種々の形態の薬物送達のための成分は、そのデバイスが患者の特定の心臓状態を処置することが必要に応じてアセンブルされ得るように存在する。
【0176】
本明細書において引用したすべての参考文献(前出および後出の両方)は、本明細書により参考として援用される。上記本発明は、例示および実施例により、明確さおよび理解の目的のために、いくらか詳細に記載してきたが、特定の変化および改変が実施され得ることは当業者に明白である。従って、説明および実施例は、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではなく、これは、添付の特許請求の範囲によって規定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、患者の心臓および胸において移植された薬物リザーバの1つの実施形態を有する本発明のシステムの斜視図である。
【図2】
図2は、心臓に配置されたカテーテルの遠位端部の拡大図である。
【図3】
図3は、隔壁の筋肉部分に挿入された除細動発生電極を例示する。
【図4】
図4は、プローブの先端に配置された端部面を有するプローブを示す。
【図5】
図5は、プローブの先端に配置された端部面を有するプローブを示す。
【図6】
図6は、心臓筋肉を化学的に活性化するための、または薬物カテーテルの下流の薬物リザーバから薬学的薬剤を放出することによる送達局面を示す。ここでは、出力口から心臓組織へ送達される。
【図7】
図7は、出力口から心臓腔への薬学的薬剤の送達を示す。
【図8】
図8は、出力口から腹腔への薬学的薬剤の送達を示す。
【図9】
図9は、レギュレータの例示である。
【図10】
図10は、薬物リザーバの別の実施形態を有するデバイスの拡大図である。ここで、その薬物リザーバには、シャントの使用によるシステムの移植の後に薬学的薬剤が充填され得る。

Claims (62)

  1. 隔壁、心臓組織、心臓腔を有する心臓および腹膜腔の収縮を再開または調節するための装置であって、
    近位端部、および先端にて終わる遠位部分を有する電気非伝導性プローブを有するカテーテル;
    該プローブを介して電気信号を伝達し得る電気伝導性経路であって、該電気信号が電気的除細動パルスまたは電気的ディマンド型ペーサーパルスを含む、電気伝導性経路;
    該プローブの該先端において、該プローブを該隔壁に固定し、そして心臓収縮に影響を及ぼすに十分な電気的パルスを伝達するための該電気伝導性経路と電気的に連結した除細動器手段;
    該心臓の機械的活動を検出するためのセンサ;および
    該心臓の収縮に影響を及ぼし得る薬学的薬剤を送達し得る薬物送達システム、を備える装置であって、ここで、該センサは、該除細動器および該薬物送達システムに作動可能に連結され、その結果、除細動の際に、該心臓が通常の機械的活動を再開せず、該センサが、該心臓に所定量の該薬学的薬剤を送達するように、該薬物送達システムに信号伝達する、
    装置。
  2. 請求項1に記載の装置であって、前記薬物送達システムが、
    前記薬学的薬剤を貯蔵するための薬物リザーバ;および
    該薬物リザーバから前記心臓組織、前記心臓腔または前記腹膜腔へと液体を輸送する薬物カテーテル、
    を備える、装置。
  3. 請求項1に記載の装置であって、該装置が、電気的除細動パルス、電気的ディマンド型ペーサーパルス、または薬学的薬剤、またはそれらの組み合わせが心臓の収縮を再開または調節するために必要とされるか否かを決定するための分析器をさらに備える、装置。
  4. 請求項3に記載の装置であって、該装置が、前記センサ、前記分析器、前記電気的除細動パルスまたは前記ディマンド型ペーサーパルスの放電、前記薬学的薬剤の送達を連携させ、そして前記心臓の収縮または該収縮の欠除および該放電または該心臓に対する該送達の効果を記録するためのモニタリングシステムをさらに備える、装置。
  5. 請求項1に記載の装置であって、前記薬学的薬剤が、VIP、そのアナログもしくは誘導体、または甲状腺ホルモン、そのアナログもしくは誘導体を含む、装置。
  6. 請求項1に記載の装置であって、前記薬学的薬剤が、エピネフリン、アトロピン、炭酸水素ナトリウムまたはリドカインを含む、装置。
  7. 請求項1に記載の装置であって、前記薬学的薬剤が鎮痛薬を含む、装置。
  8. 請求項1に記載の装置であって、前記薬学的薬剤が、心筋収縮性を増大させる、装置。
  9. 請求項1に記載の装置であって、該装置が、電気的除細動パルスまたは電気的ディマンド型ペーサーパルスの放電、または少なくとも1つの薬学的薬剤の前記送達を制御するためのコントローラをさらに備える、装置。
  10. 隔壁、心臓組織、心臓腔を有する心臓および腹膜腔の収縮を再開または調節するための方法であって、該方法は、以下の工程:該心臓の収縮または収縮の欠除を感知および分析する工程;電気的除細動パルスもしくは電気的ディマンド型ペーサーパルスまたは該心臓の収縮に影響を及ぼし得る薬学的薬剤が、該心臓の収縮を再開または調節するか否かを決定する工程;該電気的除細動パルスもしくは電気的ディマンド型ペーサーパルスを該隔壁に放電する工程、または該心臓、該心臓腔または該腹膜腔に該薬学的薬剤を送達する工程;該心臓の収縮または収縮の欠除をモニターする工程;および必要であれば、これらの工程を反復する、方法。
  11. 請求項10に記載の方法であって、前記薬学的薬剤が、VIP、そのアナログもしくは誘導体、または甲状腺ホルモン、そのアナログもしくは誘導体を含む、方法。
  12. 請求項10に記載の方法であって、前記薬学的薬剤が、エピネフリン、アトロピン、炭酸水素ナトリウムまたはリドカインを含む、方法。
  13. 請求項10に記載の方法であって、前記薬学的薬剤が鎮痛薬を含む、方法。
  14. 請求項10に記載の方法であって、前記薬学的薬剤が、心筋収縮性を増大させる、方法。
  15. 心臓の収縮を再開または調節する際に使用するためのキットであって、該キットが、
    該心臓の収縮に影響を及ぼし得る薬学的薬剤の治療上有効な量を送達するためのシステム;
    電気的除細動パルスまたは電気的ディマンド型ペーサーパルスを放電するためのシステム;および
    心臓の機械的活動に対する除細動の効果を決定し、そして必要であれば、該薬学的薬剤の送達を開始するためのセンサ、
    を含む、キット。
  16. 請求項15に記載のキットであって、前記薬学的薬剤が、VIPもしくはその誘導体、甲状腺ホルモンもしくはその誘導体;エピネフリン、アトロピン、炭酸水素ナトリウムもしくはリドカイン;鎮痛薬;または心筋収縮性を増大させる物質のうちの少なくとも1つを含む、キット。
  17. 請求項15に記載のキットであって、前記治療上有効な量を送達するためのシステムが、前記薬学的薬剤を貯蔵するための薬物リザーバ;該薬物リザーバから前記心臓組織へと液体を輸送する薬物カテーテル;または、該薬物リザーバから前記心臓腔へと液体を輸送する薬物カテーテル;または該薬物リザーバから前記腹膜腔へと液体を輸送する薬物カテーテル;またはそれらの組み合わせを備える、キット。
  18. 請求項15に記載のキットであって、前記電気的除細動パルスまたは電気的ディマンド型ペーサーパルスを放電するためのシステムが、近位端部、および先端にて終わる遠位部分を有する電気非伝導性プローブを有するカテーテル;該プローブを介して電気信号を伝達し得る電気伝導性経路であって、該電気信号は、該電気的除細動パルスまたは電気的ディマンド型ペーサーパルスを含む、電気伝導性経路;および前記プローブの前記先端において、該プローブを前記心臓に固定し、そして該心臓の収縮に影響を及ぼすに十分な電気的パルスを伝達するための該電気伝導性経路と電気的に連結した除細動器手段、を含む、キット。
  19. 隔壁、心臓組織、心臓腔、右心室腔を有する心臓および腹膜腔の収縮を再開または調節するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    (a)カテーテルを有するデバイスを用いて、該心臓組織に除細動電流を印加する工程;
    (b)パルスまたは機械的活動の存在を検出する工程;
    (c)機械的活動センサを作動させる工程;
    (d)収縮性活動の存在または非存在を検出する工程;および
    (e)適切な用量の強心薬を投与する工程、
    を包含する、方法。
  20. 請求項19に記載の方法であって、前記パルスまたは機械的活動の存在を検出する工程が、前記カテーテルにおけるインピーダンスの変化を測定すること、または超音波によりパルス波を検出することにより生じる、方法。
  21. 請求項20に記載の方法であって、前記インピーダンスの変化が、前記カテーテルを介して既知の電圧を通過させ、そして電気抵抗を測定することにより測定される、方法。
  22. 請求項20に記載の方法であって、前記パルス波を検出する工程が、少なくとも2つの変換器を用いて、該2つの変換器の間の距離の変化を測定する工程を包含する、方法。
  23. 請求項19に記載の方法であって、前記強心薬が、右心室腔に送達される、方法。
  24. 患者におけるrT3の増加、および患者における過去の心停止を改善する方法であって、該方法は、該患者の右心室腔に強心薬を注射する工程を包含する、方法。
  25. 請求項24に記載の方法であって、前記強心薬が、カテーテルおよびポンプを有するデバイスを用いて投与され、該ポンプが該強心薬を含有し、そして除細動パルスを施し、そして前記心臓の機械的活動の非存在を検出した後に作動される、方法。
  26. 二次的肺高血圧を有する患者の処置のための方法であって、該方法は、該高血圧症の少なくとも1つの症状を改善するに十分な量の血管作用性腸ポリペプチドもしくはそのアナログ、または血管作用性腸ペプチド様ペプチドを含む組成物を投与する工程を包含する、方法。
  27. 請求項26に記載の方法であって、前記肺高血圧が、先天性または後天性いずれかの心臓疾患により引き起こされる、方法。
  28. 請求項26に記載の方法であって、前記血管作用性腸ペプチドの量が、前記疾患を改善するに十分である、方法。
  29. 請求項28に記載の方法であって、前記血管作用性腸ペプチドが、前記患者の心臓腔への直接注射により投与される、方法。
  30. 請求項28に記載の方法であって、前記血管作用性腸ペプチドが、非経口注射により投与される、方法。
  31. 請求項30に記載の方法であって、前記血管作用性腸ペプチドが、非経口静脈注射により投与される、方法。
  32. 請求項31に記載の方法であって、前記血管作用性腸ペプチドが、前記患者の中心静脈ラインへ投与される、方法。
  33. 請求項28に記載の方法であって、前記血管作用性腸ペプチドが、患者の肺システムに直接投与される、方法。
  34. 請求項33に記載の方法であって、前記血管作用性腸ペプチドが、直接気管内注射により投与される、方法。
  35. 請求項33に記載の方法であって、前記血管作用性腸ペプチドが、前記患者の呼吸器系を介して注入により投与される、方法。
  36. 請求項29、30または31のいずれかに記載の方法であって、前記血管作用性腸ペプチドが、少なくとも1回の迅速なボーラス注射を介して投与される、方法。
  37. 請求項26に記載の方法であって、前記血管作用性腸ペプチドが経口投与される、方法。
  38. 請求項26に記載の方法であって、前記血管作用性腸ペプチドが、約50μgと10gとの間の量で投与される、方法。
  39. 請求項26に記載の方法であって、前記組成物が、約1g/mlと10g/mlとの間の濃度で血管作用性腸ポリペプチドを含む、方法。
  40. 請求項26に記載の方法であって、前記血管作用性腸ポリペプチドの組成物が、他の治療物質を含む、方法。
  41. 請求項26に記載の方法に従って使用するためのキットであって、該キットは、包装され、使用準備ができた血管作用性腸ペプチドの単位用量の組成物、該血管作用性腸ポリペプチドの組成物の投与のための適切な方法、および必要に応じて書面による説明書、を含むキット。
  42. 請求項26に記載の方法であって、前記二次的肺高血圧が、先天性または後天性いずれかの肺疾患により引き起こされる、方法。
  43. 心停止を有する患者の処置のための方法であって、該方法は、該心停止を改善するに十分な量の血管作用性腸ポリペプチド、もしくはその薬学的に受容可能な塩、それらのアナログ、または血管作用性腸ポリペプチド様ペプチドを含む組成物を該患者に投与する工程を包含する、方法。
  44. 請求項43に記載の方法であって、前記処置が、心機能を回復する、方法。
  45. 請求項43〜44のいずれか1項に記載の方法であって、前記ペプチドが、血管作用性腸ポリペプチドのアナログ、または血管作用性腸ポリペプチド様ペプチドである、方法。
  46. 請求項45に記載の方法であって、前記組成物が、水、生理食塩水、グリセロールまたはエタノールからなる群より選択される液体賦形剤とともに、必要に応じて適切な薬学的薬剤および医学的薬剤とともに、VIPを含む、方法。
  47. 疾患に起因した心不全を有する患者を処置するための方法であって、該方法が、心機能を回復するに十分な量の血管作用性腸ポリペプチドを含む組成物を該患者に投与する工程を包含する、方法。
  48. 心臓の電気停止を有する患者の処置のための方法であって、有効な心機能を回復させるに十分な量の血管作用性腸ポリペプチドを含む組成物を投与する工程を包含する、方法。
  49. 電気機械的解離から生じる突発性心不全を有する患者の処置のための方法であって、該方法は、心臓拍動を回復するに十分な量の血管作用性腸ポリペプチドを含む組成物を投与する工程を包含する、方法。
  50. 請求項49に記載の方法であって、前記心臓拍動が、正常な洞調律である、方法。
  51. 請求項43、47〜49のいずれか1項に記載の方法であって、前記血管作用性腸ポリペプチドが、患者の心臓腔への直接注入により投与される、方法。
  52. 請求項43、47〜49のいずれか1項に記載の方法であって、前記血管作用性腸ポリペプチドが、非経口注射により投与される、方法。
  53. 請求項52に記載の方法であって、前記血管作用性腸ポリペプチドが、非経口静脈注射により投与される、方法。
  54. 請求項52に記載の方法であって、前記血管作用性腸ポリペプチドが、前記患者の中心静脈ラインへ非経口静脈注射により投与される、方法。
  55. 請求項52に記載の方法であって、前記血管作用性腸ポリペプチドが、前記患者の肺システムに直接投与される、方法。
  56. 請求項55に記載の方法であって、前記血管作用性腸ポリペプチドが、直接気管内注入により前記肺システムに直接投与される、方法。
  57. 請求項55に記載の方法であって、前記血管作用性腸ポリペプチドが、前記患者の呼吸器系を介して注入により前記肺システムに直接投与される、方法。
  58. 請求項43、47〜49、52または55に記載の方法であって、前記血管作用性腸ポリペプチドが、少なくとも1回の迅速なボーラス注射により投与される、方法。
  59. 請求項43、47〜49のいずれか1項に記載の方法であって、前記血管作用性腸ポリペプチドが500μgと10gとの間の量で存在する、方法。
  60. 請求項43、47〜49のいずれか1項に記載の方法であって、前記組成物が血管作用性腸ポリペプチドを5g/mlの濃度で含む、方法。
  61. 心臓停止患者の処置において使用するためのキットであって、該キットは、治療上有効な量のVIPの組成物、VIPの組成物の投与のための方法、および必要に応じて、該キットを使用するために書面による説明書を含む、キット。
  62. 請求項61に記載のキットであって、前記VIPが、投与のための単一用量単位に包装されている、キット。
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