JP6823947B2 - 小豆発酵食品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、小豆発酵食品の製造方法に関し、特に、小豆粉砕物に由来する膨化物を酵素または麹菌により糖化して得た小豆発酵食品であって、膨化小豆の糖化物の製造方法に関する。
米、麦、とうもろこし等の穀類から糖類を得る際、アミラーゼ等の酵素の添加、または麹菌(Aspergillus oryzae)等の添加(接種)により、穀類中のデンプンの糖鎖が加水分解され、オリゴ糖以下の二糖や単糖等の糖類となる。これらの糖類は、製糖や酒類の原料となり、現在の食品工業において広範に利用されている。
一般に収穫後の穀類中のデンプンは結晶化状態にあるため、麹菌はそのままの状態のデンプンを利用し難い。そこで、麹菌が穀類のデンプンを利用し易くするため、麹菌の添加に先立ち加水と加熱が必要とされる。当該加水と加熱によりデンプンのアルファ化が促進し、結晶化しているデンプンの糖鎖同士に間隙が生じ、麹菌の産生する酵素が入り込み易くなる。例えば、米が蒸し上げられて蒸し米となり、この蒸し米に種麹が添加されると麹菌の生育とともに液化・糖化酵素が生産され麹になる。この麹に水を加えて加熱すると麹のデンプンは液化される。そのままであれば、産物は甘酒となる。または、糖化後に酵母(Saccharomyces cerevisiae)等が添加され、アルコール発酵により酒(清酒)が製造される。
前出の穀類に加え豆類の糖化も検討されてきた(特許文献1,2,3等参照)。その中でも、小豆(あずき,adzuki bean,学名:Vigna angularis)は大豆等の他の豆類と比較してデンプンを多く含有する。このことから、糖化、発酵の材料として有望視されている。加えて小豆には、その種皮等に由来する抗腫瘍性成分(特許文献4参照)、抗アレルギー成分(特許文献5参照)、骨代謝活性成分(特許文献6参照)等が含有されていることが明らかとなった。そのため、小豆の糖化、発酵等を通じた小豆の高度利用が模索されてきた。
前出の特許文献1によると、小豆は煮熟後に摩砕され、ここに米麹が添加され発酵により糖化が進められる。特許文献2によると、小豆等の雑豆類の餡(あん)粒子は酵素処理で分解され、同時に酵母が添加され、生成する糖分がアルコールに変換され、このアルコールが分離除去される。特許文献3によると、小豆に麹菌が接種され発酵が行われる。特許文献1ないし3等に開示の手法により、小豆の発酵原料としての有用性は高まった。各引用文献の記載から明らかであるように、加熱は小豆の発酵に際して必須である。
ここで、小豆のデンプンの特徴として、個々のデンプン粒は集合して約100μm前後の複粒が形成されている。小豆のデンプンの場合、生の状態では複粒構造と称されるデンプンが凝集したデンプン粒の構造であり、これが加熱及び含水によりあん粒子(餡粒子)と称される粒構造となる。小豆のようにあん粒子が形成される構造は米等のデンプンの構造と大きく異なる。例えば、小豆を使用する汁粉(しるこ)や善哉(ぜんざい)等の食品においては、加熱後であっても特有の舌触りが残ることが多いのは、このような複粒構造によるためである。すなわち、小豆のデンプンの場合、あん粒子の構造は多少の加熱においても容易に破壊されずあん粒子は残存しがちである。
そのため、小豆のデンプンにおける複粒構造まで破壊しようとすると、小豆の煮熟や摩砕が過剰となる。そうすると、小豆は糊状(ペースト状)の半流動物状となる。この状態では、酵素の添加は可能ではあるものの、麹菌を添加して麹を調製することは難しい。糊状の溶液中では麹菌が付着して増殖する足場が存在しない。また、隙間も無いため、麹菌は呼吸できず増殖できない。あるいは、発酵等の反応に時間を要して腐敗するおそれもある。このことから、小豆においては、豆の粒を残したままでは麹菌が生育したとしてもあん粒子内にあるデンプンに酵素が作用できず、小豆自身のデンプンを液化・糖化できない。また、デンプンの構造のために加熱や粉砕を進めると豆の粒は消失して麹菌の増殖の障害となりやすい。いずれにおいても小豆は想像以上に糖化処理が困難な材料である。
現実問題として、既存の特許文献1ないし3等の手法を用いたとしても、実際に小豆中に含有されるデンプンの大半は有効に活用されているとは言い難い。そこで、前出の特許文献4ないし6等に報告されているような、小豆の利点を生かしつつ小豆の利用の途をさらに拡大するとともに、小豆のデンプンの特性に対応した新たな小豆のデンプンを糖化する方法が望まれるに至った。
特開2007−282529号公報 特許第3967366号公報 特開2008−263904号公報 特許第4971566号公報 特開2011−178680号公報 特開2014−91686号公報
前述の小豆に特有のデンプン粒の構造への対処と並行して、発明者らは、小豆の効率の良い粉砕条件を検討してきた。そして、粉砕により得た小豆の粉砕物の膨化による賦形化も鋭意検討してきた。その結果、小豆に特有のデンプン粒構造に対し効果的に対処可能な手法を得るに至った。そして、小豆のデンプンの良好な糖化処理方法を確立することができた。
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、小豆の粉砕とその粉砕物の膨化による賦形化を図ることにより、従来改善の困難であった小豆のデンプンの処理効率を高め、容易かつ簡便に小豆のデンプンを糖化することが可能な小豆発酵食品の製造方法を提供する。
すなわち、請求項1の発明は、小豆を粉砕して最大粒径を500μm以下かつ平均粒径を100μm以下とする小豆原料粉末を得る小豆粉砕工程と、前記小豆原料粉末を二軸エクストルーダー内にて加熱しながら混練して小豆混練物を得る加熱混練工程と、前記小豆混練物を前記二軸エクストルーダーの吐出部からの吐出時に膨化させて長軸方向の粒径が、2ないし10mmである小豆膨化物を得る膨化工程と、前記小豆膨化物に糖化酵素を添加し前記小豆膨化物を液化及び糖化させて小豆由来の糖を得る酵素反応工程とを備えることを特徴とする小豆発酵食品の製造方法に係る。
請求項2の発明は、小豆を粉砕して最大粒径を500μm以下かつ平均粒径を100μm以下とする小豆原料粉末を得る小豆粉砕工程と、前記小豆原料粉末を二軸エクストルーダー内にて加熱しながら混練して小豆混練物を得る加熱混練工程と、前記小豆混練物を前記二軸エクストルーダーの吐出部からの吐出時に膨化させて長軸方向の粒径が、2ないし10mmである小豆膨化物を得る膨化工程と、蒸した米に麹菌を接種して調製した米麹を前記小豆膨化物に添加し、前記米麹を通じた前記小豆膨化物の発酵により小豆由来の糖を得る発酵工程とを備えることを特徴とする小豆発酵食品の製造方法に係る。
請求項3の発明は、小豆を粉砕して最大粒径を500μm以下かつ平均粒径を100μm以下とする小豆原料粉末を得る小豆粉砕工程と、前記小豆原料粉末を二軸エクストルーダー内にて加熱しながら混練して小豆混練物を得る加熱混練工程と、前記小豆混練物を前記二軸エクストルーダーの吐出部からの吐出時に膨化させて長軸方向の粒径が、2ないし10mmである小豆膨化物を得る膨化工程と、前記小豆膨化物に麹菌を接種して調製した小豆麹を、前記小豆膨化物に添加し、前記小豆麹を通じた前記小豆膨化物の発酵により小豆由来の糖を得る発酵工程とを備えることを特徴とする小豆発酵食品の製造方法に係る。
請求項4の発明は、前記小豆粉砕工程における前記小豆の粉砕が気流粉砕機による粉砕である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の小豆発酵食品の製造方法に係る。
請求項1の発明に係る小豆発酵食品の製造方法によると、小豆を粉砕して最大粒径を500μm以下かつ平均粒径を100μm以下とする小豆原料粉末を得る小豆粉砕工程と、前記小豆原料粉末を二軸エクストルーダー内にて加熱しながら混練して小豆混練物を得る加熱混練工程と、前記小豆混練物を前記二軸エクストルーダーの吐出部からの吐出時に膨化させて長軸方向の粒径が、2ないし10mmである小豆膨化物を得る膨化工程と、前記小豆膨化物に糖化酵素を添加し前記小豆膨化物を液化及び糖化させて小豆由来の糖を得る酵素反応工程とを備えるため、粉砕後の小豆原料粉末の粒径が均質化されて粉末自体の品質の安定化が図られ、小豆膨化物が水を含んだ際であっても形状保持は容易となり、また、含水時の粒同士の隙間が生じやすくなるとともに、小豆のデンプンの処理効率を高め、容易かつ簡便に小豆のデンプンを糖化することが可能となる。
請求項2の発明に係る小豆発酵食品の製造方法によると、小豆を粉砕して最大粒径を500μm以下かつ平均粒径を100μm以下とする小豆原料粉末を得る小豆粉砕工程と、前記小豆原料粉末を二軸エクストルーダー内にて加熱しながら混練して小豆混練物を得る加熱混練工程と、前記小豆混練物を前記二軸エクストルーダーの吐出部からの吐出時に膨化させて長軸方向の粒径が、2ないし10mmである小豆膨化物を得る膨化工程と、蒸した米に麹菌を接種して調製した米麹を前記小豆膨化物に添加し、前記米麹を通じた前記小豆膨化物の発酵により小豆由来の糖を得る発酵工程とを備えるため、粉砕後の小豆原料粉末の粒径が均質化されて粉末自体の品質の安定化が図られ、小豆膨化物が水を含んだ際であっても形状保持は容易となり、また、含水時の粒同士の隙間が生じやすくなるとともに、小豆の粉砕とその粉砕粉の膨化による賦形化を図ることにより、小豆のデンプンの処理効率を高め、容易かつ簡便に小豆のデンプンを糖化することが可能となる。
請求項3の発明に係る小豆発酵食品の製造方法によると、小豆を粉砕して最大粒径を500μm以下かつ平均粒径を100μm以下とする小豆原料粉末を得る小豆粉砕工程と、前記小豆原料粉末を二軸エクストルーダー内にて加熱しながら混練して小豆混練物を得る加熱混練工程と、前記小豆混練物を前記二軸エクストルーダーの吐出部からの吐出時に膨化させて長軸方向の粒径が、2ないし10mmである小豆膨化物を得る膨化工程と、前記小豆膨化物に麹菌を接種して調製した小豆麹を、前記小豆膨化物に添加し、前記小豆麹を通じた前記小豆膨化物の発酵により小豆由来の糖を得る発酵工程とを備えるため、粉砕後の小豆原料粉末の粒径が均質化されて粉末自体の品質の安定化が図られ、小豆膨化物が水を含んだ際であっても形状保持は容易となり、また、含水時の粒同士の隙間が生じやすくなるとともに、小豆の粉砕とその粉砕粉の膨化による賦形化を図ることにより、麹菌の増殖を容易にして小豆のデンプンの処理効率を高め、容易かつ簡便に小豆のデンプンを糖化することが可能となる。
請求項4の発明に係る小豆発酵食品の製造方法によると、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記小豆粉砕工程における前記小豆の粉砕が気流粉砕機による粉砕であるため、小豆以外の混入は抑制され、しかも、粉砕により生じた小豆原料粉末の粒度分布は比較的揃う。
第1実施形態の小豆発酵食品の製造方法の概略図である。 第2実施形態の小豆発酵食品の製造方法の概略図である。 第3実施形態の小豆発酵食品の製造方法の概略図である。 二軸エクストルーダーの概略図である。 気流粉砕機により小豆を粉砕したときの粒度分布図である。 カッティングミルにより小豆を粉砕したときの粒度分布図である。 気流粉砕機を使用した小豆のデンプン粒の写真である。 小豆膨化物の第1の写真である。 小豆膨化物の第2の写真である。 小豆膨化物の浸漬時の写真である。
本発明における小豆発酵食品の製造方法について、図1ないし図4を用いながら説明する。図1は第1実施形態の製造方法を示す概略図である。はじめに原料である小豆(あずき,adzuki bean,学名:Vigna angularis)が用意される。原料の小豆は、収穫後に適宜選別された加熱されていない生状態の小豆である。この乾燥した生状態の小豆とは、小豆を含水により軟化することなく、収穫、洗浄後、自然乾燥あるいは通風乾燥等により水分含量を10ないし20%にまで低下させた小豆であり、一般に流通している形態である。なお、生状態の小豆には、水蒸気や炒ることにより表面を殺菌した小豆も含まれる。
小豆は粉砕され、最大粒径は500μm以下の小豆原料粉末にされる(「小豆粉砕工程」)。背景技術にて述べたとおり、小豆のデンプンにあっては、生の状態では複粒構造と称されるデンプンが凝集したデンプン粒の構造である。これが加熱及び含水によりあん粒子と称される粒構造となる。そのため、予め小豆は粉砕されることにより、最終的に小豆内のデンプンのあん粒子の構造は破壊され、内部に含有されるデンプンは利用されやすくなる。小豆原料粉末の最大粒径が500μm以下の場合、小豆の種皮も含めて粉砕される。これに対し最大粒径が500μmを上回る条件の場合、粉砕不足による小豆のデンプンのあん粒子の残存が問題となる。また、種皮の粉砕も不十分である。
さらに、小豆原料粉末は、望ましくは、最大粒径は500μm以下であり、かつ平均粒径は100μm以下である。平均粒径100μm以下、より好ましくは50μm以下とすることにより、あん粒子はほぼ消滅するとともに粉砕後の小豆原料粉末の粒径は均質化され、粉末自体の品質の安定化も図られる。
本明細書における「平均粒径」とは、後出の実施例のレーザー回折・散乱式 粒子径・粒度分布測定装置を用いてレーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(累積平均径)を意味する。
小豆を粉砕して小豆原料粉末を得る際、乾式による粉砕装置、粉砕方法等は自由に選択される。例えば、カッティングミルやハンマーミル等が挙げられる。しかしながら、カッティングミル等の場合、小豆を粉砕しても粒径の大きな粉末が残ることが多い。そのため、前述の最大粒径値、平均粒径値を充足するべく粉砕後の篩分けが必要となる。また、その分、歩留まりが悪くなりやすい。
そこで、粉砕以外の処理を省略して小豆から小豆原料粉末を得る方法として、小豆は気流粉砕機により粉砕される。気流粉砕とは、粉砕装置の粉砕室内に生じた気流の渦の中に原料の小豆が投入され、この小豆同士が互いに衝突して砕ける現象が利用される。こうして小豆の段階から順次微粉末になるまで粒径は細かく粉化される粉砕方法である。このことから自明なように、仮に含水して膨潤した小豆を気流粉砕機に投入した場合、湿った小豆が装置の粉砕室に貼り付く等、十分な粉砕は不可能である。従って、気流粉砕の場合、小豆は含水していない乾燥生小豆とする必要がある。
気流粉砕の結果、粉砕前の3ないし6mmの豆粒大の小豆は、前述の粉末状まで粉砕される。生小豆を粉砕する気流粉砕機として、例えば、特開2007−275849号公報に開示のジェットミル、特開2011−206621号公報に開示の気流式粉砕機等の各種装置が挙げられる。前記のジェットミルの場合、同装置の粉砕室内に圧縮空気等の気体が噴射され、気流の渦が生成される。また、前記の気流式粉砕機の場合、ファン等の回転翼が粉砕室内に備えられ、当該回転翼により気流の渦が生じる。
気流粉砕法(気流粉砕機)の一つ目の利点に、小豆が装置内の粉砕部分と接触しない点である。カッティングミル等の通常の粉砕においては、小豆と粉砕用の刃や装置の壁面等との接触は不可避である。しかし、気流粉砕法によると気流に乗った小豆同士の衝突であるため、小豆以外の混入は他の粉砕方法と比較して抑えられる。
二つ目の利点に、粉砕により生じた小豆原料粉末の粒度分布が比較的揃っていることである。後記実施例において詳述するが、気流粉砕機とカッティングミルとの粒度分布を比較した場合、気流粉砕機を用いた粉砕では粒度分布は小粒径側にまとまり、分散の少ない分布である。従って、気流粉砕機の使用は小豆原料粉末の品質を安定化させる観点から好ましい。
未粉砕または規定よりも大きい小豆の破片の除去とともに小豆原料粉末の粉砕後の粒径を揃えるため、必要により篩別が加えられる。ここでは小豆原料粉末は20メッシュないし50メッシュの適宜の目開きの篩に通される。使用する篩の規格はJIS Z 8801−1(2006)に準拠する。こうして、まず、小豆から小豆原料粉末を得ることができる。
小豆原料粉末は、図4の概略構造図にて示す二軸エクストルーダー10にて加工される。ここで、二軸エクストルーダー10の構造を説明する。二軸エクストルーダー10の本体筒であるハウジング11の内部に第1スクリュ13と第2スクリュ14が収容される。このように、スクリュが2本備えられていることから二軸であり、第1スクリュ13と第2スクリュ14はモータ20により駆動される。第1スクリュ13の表面には螺旋状の突条15が備えられ、第2スクリュ14の表面にも螺旋状の突条16が備えられる。第1スクリュ13と第2スクリュ14の両突条15,16は相互に噛み合う。二軸エクストルーダー10のハウジング11の上部にはフィーダー(ホッパー)21が備えられる。ここに、原料は投入される。ハウジング11の末端には吐出部17が装着され、吐出部17の吐出口18から混練を終えて吐出される。また、吐出後の切断用にカッター22が備えられる。
二軸エクストルーダー10のハウジング11には加熱部12が設けられ、ハウジング11内は加熱可能となる。小豆原料粉末1はフィーダー21内に投入され、ハウジング11内に誘導される。小豆原料粉末1は、ハウジング11内で第1スクリュ13と第2スクリュ14の回転により攪拌とともにハウジング11(加熱部12)を通じて加熱される。螺旋状の両突条15,16の向きと第1スクリュ13及び第2スクリュ14の回転方向から、小豆原料粉末1はフィーダー21の位置から吐出部17側へ徐々に流動される。小豆原料粉末1は、ハウジング11内での加熱とともに、第1スクリュ13及び第2スクリュ14の回転に伴い圧力も加えられる。なお、小豆原料粉末1がハウジング11内を流動しやすくするため、ごく少量の水もフィーダー21から添加される。
従って、小豆原料粉末1は二軸エクストルーダー10により加熱されながら混練されることにより、小豆原料粉末1は二軸エクストルーダー10内にて転化して、これから小豆混練物2が得られる(「加熱混練工程」)。当該加熱混練工程を経ることにより、小豆原料粉末のデンプンのアルファ化は促進する。
ハウジング11内を流動する小豆混練物2は、両スクリュの回転を通じて吐出部17から二軸エクストルーダー10の外へ押し出される。押し出しされた小豆混練物2はハウジング11内と外部の圧力差から膨張して小豆膨化物3に転化する。さらに、小豆膨化物3は吐出部17から押し出されるとほぼ同時にカッター22により所定の大きさに切断される。従って、小豆混練物2は二軸エクストルーダー10の吐出部17からの吐出時に膨化され、小豆膨化物3が得られる(「膨化工程」)。
この小豆膨化物は所定の大きさを有する粒状物である。形状は円形、円筒形、紡錘形等の適宜である。小豆膨化物の大きさと形状は吐出部17の口金(吐出口)(図示せず)の大きさと形状に依存する。そこで、小豆膨化物の大きさを容易に把握するため、最大部分の大きさ、すなわち長軸方向の粒径が用いられる。小豆膨化物の長軸方向の粒径は、概ね2ないし10mm、好ましくは4ないし7mmとすることが望ましい。この範囲の大きさは、ちょうど米や豆類(小豆)の粒に近い大きさである。
粒径が10mmを上回る大きさの場合、粒が大きくなり脆くなりやすい。また、水を含むとさらに脆くなり形状保持が容易ではなくなる。また、粒径が2mmを下回る大きさの場合、粒は小さく硬さも伴う。しかしながら、含水時、粒同士の隙間が小さくなる。そのため、後述の発酵工程に供するには不向きとなる。そこで、前述範囲の粒径が好例である。
小豆粉砕工程、加熱混練工程、及び膨化工程を経て調製した小豆膨化物は、小豆そのものでも小豆の粉末でもない。小豆膨化物は、小豆の粉砕とともにデンプンのアルファ化が行われ、所定の大きさに再構成(賦形)した粒状物である。従って、小豆膨化物は、小豆または加熱済み小豆のあん粒子への対応、小豆の粉砕物の再構成(賦形)による糖化(後述)を大きく好転させるといえる。
次に、小豆膨化物に糖化酵素が添加され、小豆膨化物の液化及び糖化が行われる。そして、小豆膨化物から小豆由来の糖(膨化小豆糖化物)が産生される(「酵素反応工程」)。一連の流れが小豆発酵食品の第1実施形態の製造方法である。第1実施形態の製造方法において、糖化酵素には、アミラーゼ、グルコアミラーゼ等が使用される。さらに、小豆に由来するタンパク質の分解のためにプロテアーゼ等の分解酵素も添加される。当該酵素反応工程における温度、時間は、小豆膨化物の処理量、添加した酵素の種類等を勘案して、好適な条件に調整される。
図2は第2実施形態の製造方法を示す概略図である。まず、第2実施形態の製造方法において、小豆の粉砕により最大粒径500μm以下の小豆原料粉末が得られる「小豆粉砕工程」、小豆原料粉末の二軸エクストルーダー内における加熱、混練により小豆混練物が得られる「加熱混練工程」、小豆混練物の二軸エクストルーダーの吐出部からの吐出時に膨化されて小豆膨化物が得られる「膨化工程」までの各工程は、前述の第1実施形態の製造方法と共通である。
第2実施形態の製造方法の特徴として、米麹が調製されこれが小豆膨化物に添加される。蒸す等により加熱された米に麹菌(Aspergillus oryzaeに代表されるアスペルギルス属)が接種される。麹菌は米の表面で増殖して米麹が出来上がる。この米麹が前述の膨化工程までを終えて得られる小豆膨化物に添加される。そして、米麹の麹菌が分泌する酵素により小豆膨化物のデンプンは分解されて糖が産生される。すなわち、米麹を通じた小豆膨化物の発酵により、小豆由来の糖(膨化小豆糖化物)が得られる(「発酵工程」)。一連の流れが小豆発酵食品の第2実施形態の製造方法である。
図3は第3実施形態の製造方法を示す概略図である。同じく、図3に示す第3実施形態の製造方法においても、小豆の粉砕により最大粒径500μm以下の小豆原料粉末が得られる「小豆粉砕工程」、小豆原料粉末の二軸エクストルーダー内における加熱、混練により小豆混練物が得られる「加熱混練工程」、小豆混練物の二軸エクストルーダーの吐出部からの吐出時に膨化されて小豆膨化物が得られる「膨化工程」までの各工程は、前述の第1実施形態の製造方法と共通である。
第3実施形態の製造方法の特徴として、小豆膨化物そのものに麹菌を接種して小豆麹が調製され、これが小豆膨化物に添加される。製造の途中または事前に作製された小豆膨化物に麹菌(Aspergillus oryzaeに代表されるアスペルギルス属)が接種される。なお、適量の水が小豆膨化物に添加される。麹菌は小豆膨化物の表面等で増殖して小豆麹が出来上がる。この小豆麹は前述の膨化工程までを終えて得られる小豆膨化物に添加される。そして、小豆麹の麹菌が分泌する酵素により小豆膨化物のデンプンは分解されて糖が産生される。すなわち、小豆麹を通じた小豆膨化物の発酵により、小豆由来の糖(膨化小豆糖化物)が得られる(「発酵工程」)。一連の流れが小豆発酵食品の第3実施形態の製造方法である。
第3実施形態の小豆麹のもととなる小豆膨化物は、前述の二軸エクストルーダーによる加工を経ているため加熱済みである。従って、小豆膨化物のデンプンは既にアルファ化されていて、麹菌は利用しやすい状態にある。また、小豆膨化物は膨化の際に生じた多孔質構造であるため、細孔内に麹菌の菌糸等も入り込みやすく、理想的な足場ということができる。なお、小豆麹の調製に際し、麹菌の増殖のため適度な水も添加され、米麹と同様の温度、湿度等の制御下にて作製される。
この明細書において、「麹菌」とは、アスペルギルス属の菌体(コウジカビ)そのものであり、菌糸や胞子の状態をいう。「米麹,小豆麹」とは、生育、増殖の足場となる米や小豆膨化物に麹菌を接種(播種)して適度に培養した状態の粒状物をいう。なお、「米麹,小豆麹」には、前述のとおり、自家培養としても、予め出来上がった市販の米麹等を別途購入(別途調達)して添加してもよい。
米麹または小豆麹を小豆膨化物に添加して行う発酵は、一般的な酒造、味噌や醤油の製造の温度、湿度、時間等と同様の条件である。ここで、前述のとおり、小豆膨化物は長軸方向の粒径を概ね2ないし10mm、好ましくは4ないし7mmとする粒状の有形物である。小豆膨化物は米麹または小豆麹とほぼ同様の大きさである。そのため、小豆膨化物と、米麹または小豆麹は、均一に混合されやすい。加えて、各粒の間に適度な間隙が生じる。この間隙を通じて空気が流通する。それゆえ、麹菌の呼吸に必要な酸素は供給される。麹菌の増殖に必要な酸素の供給は、小豆膨化物の使用により大きく改善される。この点、小豆のデンプンを糊状にして、ここに麹菌を接種する手法から大きく前進したといえる。
米麹が使用される第2実施形態の製造方法では、麹菌は米のデンプンを利用できるため麹菌の増殖は速い。そこで、小豆膨化物の発酵も速まる。ただし、米のデンプン由来の糖も混入する。そのため、小豆本来の発酵産物の濃度が希釈される。これに対し、小豆麹が使用される第3実施形態の製造方法では、麹菌以外すべて小豆由来の成分である。そのため、小豆由来成分の濃度の高い小豆発酵食品を得ることができる。
これらの点から、効率的な発酵を所望するならば、第2実施形態の米麹を使用が好例である。もしくは、極力小豆の成分または小豆由来の成分のみの抽出を所望するのならば、第3実施形態の小豆麹の使用が好例である。このように、既存の酒造、味噌や醤油の製造技術を効果的に活用して小豆由来の糖(小豆発酵食品)、つまり膨化小豆糖化物を得ることができる。しかも、濃度に応じての使い分けも可能である。
[粉砕装置の選択]
発明者らは、小豆原料粉末を調製するに当たり、粉砕装置の違いによる影響を検討した。粉砕装置として、気流式粉砕機(ミナミ産業株式会社製,ミナクロンミル)とカッティングミル(株式会社レッチェ製,型番SM100C)の2種類を用いた。そして、小豆を粉砕して小豆原料粉末を得るに際し、粉砕装置に起因する粒度の相違を検証した。原料となる小豆は北海道産(品種:エリモショウズ)、水分含量約15%とし、両粉砕装置とも共通の原料とした。両装置を用いて粉砕した後、生じた小豆粉末の粒度分布を測定した。気流式粉砕機により粉砕した小豆粉末はそのまま測定に供した。カッティングミルにより粉砕した小豆粉末は、JIS Z 8801−1(2006)に準拠した30mesh(目開き500μm)の篩により篩別し、大きい側の粒を除去した。
図5は気流式粉砕機、図6はカッティングミルの粒度分布図であり、レーザー回折・散乱式 粒子径・粒度分布測定装置(日機装株式会社製,MT3300)による測定結果である。平均粒径は、同測定装置を用いてレーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径とした。
気流式粉砕機の粒度分布図(図5)は単一のピークを有し、最大粒径(累積100%)は208.3μm、平均粒径(累積50%)は43.91μmであった。カッティングミルの粒度分布図(図6)は2つのピークを有し、最大粒径(累積100%)は1000μmを超過した。平均粒径(累積50%)は66.76μmであった。双方の粒度分布図の比較から明らかであるように、気流式粉砕機を用いた粉砕の方が、粉砕により生じた小豆粉末の均一性、ばらつきの少なさ、粒子の細かさにおいて優れている。特に、一回の粉砕処理により比較的均質な小豆粉末を得ることができるため、気流式粉砕の利点は大きい。
両図の粒度分布図から、10ないし100μmの範囲だけ着目すると傾向の相違は小さいようにも思われる。しかし、粉砕しきれていない500μm以上の粒子は無視できず、この除去のための篩別の手間が必要となる。このことからも、気流式粉砕機を用いた粉砕は簡便である。
図7は気流式粉砕機により小豆を粉砕して得た小豆原料粉末のデンプンの光学顕微鏡写真である。デンプンを見やすくするため、ヨウ素溶液により染色した。この写真からわかるように、細かな粒が散在している。図示しないが、小豆デンプンのあん粒子の場合、写真の粒が凝集した形態であり、大きさは明らかに相違した。従って、図7の写真中の粒はあん粒子の構造が砕けて生じた個々のデンプンと考える。
[小豆膨化物の作製]
前述の「粉砕装置の選択」の結果を踏まえ、発明者らは気流式粉砕機を小豆の粉砕の最適と判断し、以降の実験に必要な小豆原料粉末を調製した。この小豆原料粉末を二軸エクストルーダー内に投入して5種類の小豆膨化物を作製した(試作例T1,T2,T3,T4,及びT5)。試作例T1,T2,T3,T4は、株式会社スエヒロEPM製,EA−20を使用した。試作例T5は、同社製,α−100を使用した。
〈試作例T1〉
小豆原料粉末を二軸エクストルーダー(EA−20)内に20kg/hrの供給量にて投入した。同時に、混練の都合から、少量の水も添加した。スクリュの回転数は180rpmに設定し、二軸エクストルーダー内の温度は中間部分を約80℃、吐出部部分を約120℃とした。小豆原料粉末は二軸エクストルーダー内で小豆混練物に転化し、吐出部の口金(吐出口)(口径3mm)から押し出し時の膨化と同時にカッターにより切断して小豆膨化物を得た。当該小豆膨化物(T1)は、長軸方向の粒径13mm、短軸方向の粒径約8mmの大きさであった。また、小豆膨化物(T1)の嵩比重は0.143g/mLであった。
〈試作例T2〉
小豆原料粉末を二軸エクストルーダー(EA−20)内に25kg/hrの供給量にて投入した。同時に、混練の都合から、少量の水も添加した。スクリュの回転数は200rpmに設定し、二軸エクストルーダー内の温度は中間部分を約80℃、吐出部部分を約137℃とした。小豆原料粉末は二軸エクストルーダー内で小豆混練物に転化し、吐出部の口金(吐出口)(口径1mm)から押し出し時の膨化と同時にカッターにより切断して小豆膨化物を得た。当該小豆膨化物(T2)はほぼ球状であり粒径約2ないし3mmの大きさであった。また、小豆膨化物(T2)の嵩比重は0.288g/mLであった。
〈試作例T3〉
小豆原料粉末を二軸エクストルーダー(EA−20)内に20kg/hrの供給量にて投入した。同時に、混練の都合から、少量の水も添加した。スクリュの回転数は180rpmに設定し、二軸エクストルーダー内の温度は中間部分を約80℃、吐出部部分を約132℃とした。小豆原料粉末は二軸エクストルーダー内で小豆混練物に転化し、吐出部の口金(吐出口)(口径2mm)から押し出し時の膨化と同時にカッターにより切断して小豆膨化物を得た。当該小豆膨化物(T3)は、長軸方向の粒径約4.5mm、短軸方向の粒径約4mmの大きさであった。また、小豆膨化物(T3)の嵩比重は0.211g/mLであった。
〈試作例T4〉
小豆原料粉末を二軸エクストルーダー(EA−20)内に20kg/hrの供給量にて投入した。同時に、混練の都合から、少量の水も添加した。スクリュの回転数は200rpmに設定し、二軸エクストルーダー内の温度は中間部分を約81℃、吐出部部分を約125℃とした。小豆原料粉末は二軸エクストルーダー内で小豆混練物に転化し、吐出部の口金(吐出口)(口径2.5mm)から押し出し時の膨化と同時にカッターにより切断して小豆膨化物を得た。当該小豆膨化物(T4)は、長軸方向の粒径約7mm、短軸方向の粒径約5mmの大きさであった。また、小豆膨化物(T3)の嵩比重は0.204g/mLであった。
〈試作例T5〉
試作例T1ないしT4の小豆膨化物を作製した発明者らは製造量を増加するべく、試作例T5の作製に際し、より大きな処理量のエクストルーダーを使用した。小豆原料粉末を二軸エクストルーダー(α−100)内に80kg/hrの供給量にて投入した。同時に、混練の都合から、少量の水も添加した。スクリュの回転数は150rpmに設定し、二軸エクストルーダー内の温度は中間部分を約100℃、吐出部部分を約120℃とした。小豆原料粉末は二軸エクストルーダー内で小豆混練物に転化し、吐出部の口金(吐出口)(口径1.5mm)から押し出し時の膨化と同時にカッターにより切断して小豆膨化物を得た。当該小豆膨化物(T5)はほぼ球状であり粒径約4ないし5mmの大きさであった。また、小豆膨化物(T5)の嵩比重は0.292g/mLであった。
〈小豆膨化物の作製結果〉
図8(a)は試作例T1、同(b)はT2、同(c)はT3であり、図9(a)は試作例T4、同(b)はT5である。撮影条件のばらつき等により実際の大きさは把握しにくいものの、いずれの試作例とも、ほぼ大きさ及び形状に揃った粒状物(有形物)として仕上がった。各写真から容易に把握されるように、いずれも豆や米の粒に近似した大きさ、形状である。そのため、麹菌が接種される米等と比較して違和感は少ない。二軸エクストルーダーを使用して小豆原料粉末から小豆膨化物を得る製造方法によると、吐出部の口金部品の交換等により、容易に所望の大きさ、形状の小豆膨化物を得ることができる。さらに、連続処理が可能なため、生産効率も良い。小豆膨化物は二軸エクストルーダー内の加熱を経ているため、小豆膨化物内のデンプンのアルファ化も進む。この小豆膨化物は水分含量も少ないことから保存にも好都合である。そこで、予め半製品の状態で作り置くことも可能である。
[湿潤化評価]
小豆膨化物に麹菌を接種する状況を想定すると、湿潤状態である。当該条件下においても小豆膨化物はその形状を安易に崩壊することなく保持し続けることが必要である。そこで、試作例の小豆膨化物に対して湿潤化試験を行った。試作例T1ないしT5の小豆膨化物を10gずつ秤量し、200mLのビーカー内に投入した。図10の上段はその様子である。ビーカーに付した数字が試作例を示す。続いて、各ビーカーの小豆膨化物が浸る量の50℃の湯を注入し、緩やかに攪拌した。図10の下段はその様子である。
試作例T1の嵩比重は他よりも低いため、湯を加えても浮き上がった。その分、攪拌を円滑に行うことができなかった。試作例T2ないしT4については、不用意な浮き上がりも無く、攪拌を行うことができた。なお、試作例T4については、攪拌時にやや重く感じた。試作例T5は、試作例T2とT3の中間の大きさを目標に設計した小豆膨化物である。そのため、試作例T2とT3と同程度の感触により攪拌することができた。
湿潤化試験の結果を踏まえると、試作例T1の小豆膨化物の粒径ではやや大きすぎといえる。糖化時の効率化を勘案するのならば、小豆膨化物の粒径は試作例T1よりも小さくすることが望ましい。そこで、最小の試作例T2を下限として、粒径の範囲は2ないし10mmである。
[小豆膨化物の糖化試験]
試作例を通じて小豆膨化物を作製した発明者らは、前出の試作例T5の小豆膨化物を使用し、第1ないし第3実施形態に対応する3種類の「糖化試験1,2,3」に供した。糖化(酵素または麹菌の作用)により生じた糖の定量に際し、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)を使用し、予め濃度を調製したグルコース、マルトースのピーク面積を同HPLCにて測定し、糖量の検量線を作成した上でHPLCのピーク面積同士を比較し糖の量を算出した。測定に際し、HPLCのカラムにSugar−D(ナカライテスク株式会社製)、溶離液に70%アセトニトリルを用い40℃にて流通した。検出器は示差屈折率計を用いた。当該測定において、グルコースは単糖の代表として、マルトースは二糖の代表として選択した。糖化試験1ないし3の結果は次に示す表1である。
〈糖化試験1:第1実施形態に対応(酵素添加)〉
試作例T5の小豆膨化物を36g秤量し、ここに水100mL、αアミラーゼ(天野エンザイム株式会社製,クライスターゼT10S)9000U以上とプロテアーゼ(同社製,プロテアーゼ A「アマノ」SD)16500U以上を添加した。そして、1時間に1回攪拌しながら60℃、6時間静置した。反応後、溶液を分取し前述のHPLCにより糖の量を測定した。
比較として、試作例T5の小豆膨化物を36g秤量し、ここに水100mLを注入するとともに、前出の酵素を添加せず、60℃、6時間静置した。また、対照として、小豆膨化物を使用せずに水100mLに前出の酵素を添加して60℃、6時間静置した。比較と対照についても前述のHPLCにより糖の量を測定した。
〈糖化試験2:第2実施形態に対応(米麹添加)〉
試作例T5の小豆膨化物を22.5g秤量し、米麹(株式会社ビオック製,清酒用種麹経済酒用で製麹)13.5g(以降、米麹Aと称す。)、及び水100mLを混合した。当該混合物を1時間に1回攪拌しながら60℃、6時間静置した。発酵後、溶液を分取し前述のHPLCにより糖の量を測定した(米麹Aの発酵)。また、前出の米麹を「株式会社ビオック製,清酒用種麹白銀」(以降、米麹Bと称す。)に変更し、その他の条件、添加量を米麹Aの発酵と同一として発酵した。発酵後、溶液を分取し前述のHPLCにより糖の量を測定した(米麹Bの発酵)。
〈糖化試験3:第3実施形態に対応(小豆麹添加)〉
はじめに、試作例T5の小豆膨化物を15g秤量し、ここに麹菌(株式会社ビオック製,白金)を約1.5mgと適宜の水を添加して35℃、38時間静置した。こうして小豆膨化物に麹菌が増殖した小豆麹を調製した。
次に、試作例T5の小豆膨化物を22.5g秤量し、前述の調製により得た小豆麹13.5g、及び水100mLを混合した。当該混合物を1時間に1回攪拌しながら60℃、6時間静置した。発酵後、溶液を分取し前述のHPLCにより糖の量を測定した(小豆麹の発酵)。
Figure 0006823947
〈糖化試験の結果と考察〉
生成したグルコース及びマルトースは単位体積当たりの重量パーセント濃度(wt%/vol)として表記した。同表1より、酵素による小豆膨化物の液化及び糖化を確認した。並びに米麹、小豆麹の添加においても小豆膨化物の液化及び糖化も確認した。特に、米麹、小豆麹の接種において、麹菌の増殖を阻害する要因は見当たらず、順調に発酵を促進することができた。
すなわち、小豆膨化物は、麹菌増殖の足場としても良好であるとともに、麹菌の呼吸も容易とする理想的な材料であるといえる。小豆全体を粉砕して小豆膨化物を調製可能であることから、小豆の成分の全てを得ることができ、小豆中の未利用成分の活用も容易となる。また、麹菌の発酵代謝産物も小豆の成分に加わることから、より栄養価や薬理効果も期待できる。
本発明は、小豆を粉末状体から小豆膨化物に加工することによって小豆の粉末の賦形化を可能とした。そこで、麹菌のための足場を作り出すことに成功し、麹菌の効率の良い増殖を可能とすることができた。従って、小豆の成分の酵素処理、麹菌による発酵を通じて新規な糖化産物を作り出すことができる。

Claims (4)

  1. 小豆を粉砕して最大粒径を500μm以下かつ平均粒径を100μm以下とする小豆原料粉末を得る小豆粉砕工程と、
    前記小豆原料粉末を二軸エクストルーダー内にて加熱しながら混練して小豆混練物を得る加熱混練工程と、
    前記小豆混練物を前記二軸エクストルーダーの吐出部からの吐出時に膨化させて長軸方向の粒径が、2ないし10mmである小豆膨化物を得る膨化工程と、
    前記小豆膨化物に糖化酵素を添加し前記小豆膨化物を液化及び糖化させて小豆由来の糖を得る酵素反応工程とを備える
    ことを特徴とする小豆発酵食品の製造方法。
  2. 小豆を粉砕して最大粒径を500μm以下かつ平均粒径を100μm以下とする小豆原料粉末を得る小豆粉砕工程と、
    前記小豆原料粉末を二軸エクストルーダー内にて加熱しながら混練して小豆混練物を得る加熱混練工程と、
    前記小豆混練物を前記二軸エクストルーダーの吐出部からの吐出時に膨化させて長軸方向の粒径が、2ないし10mmである小豆膨化物を得る膨化工程と、
    蒸した米に麹菌を接種して調製した米麹を前記小豆膨化物に添加し、前記米麹を通じた前記小豆膨化物の発酵により小豆由来の糖を得る発酵工程とを備える
    ことを特徴とする小豆発酵食品の製造方法。
  3. 小豆を粉砕して最大粒径を500μm以下かつ平均粒径を100μm以下とする小豆原料粉末を得る小豆粉砕工程と、
    前記小豆原料粉末を二軸エクストルーダー内にて加熱しながら混練して小豆混練物を得る加熱混練工程と、
    前記小豆混練物を前記二軸エクストルーダーの吐出部からの吐出時に膨化させて長軸方向の粒径が、2ないし10mmである小豆膨化物を得る膨化工程と、
    前記小豆膨化物に麹菌を接種して調製した小豆麹を、前記小豆膨化物に添加し、前記小豆麹を通じた前記小豆膨化物の発酵により小豆由来の糖を得る発酵工程とを備える
    ことを特徴とする小豆発酵食品の製造方法。
  4. 前記小豆粉砕工程における前記小豆の粉砕が気流粉砕機による粉砕である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の小豆発酵食品の製造方法。
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