JP6823824B2 - マイクロ流体デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロ流体デバイスに関する。
現在、医療分野においては、赤血球、白血球、血小板、CD4陽性Tリンパ球などの数を測定したり、各種のたんぱく質、ホルモン、抗原抗体などのさまざまなパラメータを測定したり、血小板凝集機能を検査したりするために、血球測定器、顕微鏡、フローサイトメーターなどの大掛かりで高価な分析装置が用いられている。
このため、これらの測定を従来より安価、迅速、高感度に行うために、また、分析サンプルや試薬の量を大幅に低減するために、μ−TAS(マイクロ/微細トータル分析システム)を用いることが検討され、このμ−TASを実現するためのマイクロ流体デバイスが従来より提案されている (例えば、特許文献1及び2参照。)。
図16及び図17は、従来のマイクロ流体デバイスを説明するために示す図である。このうち、図16は特許文献1に記載されたマイクロ流体デバイス800を説明するために示す図であり、図17は特許文献2に記載されたマイクロ流体デバイス900を説明するために示す図である。
特許文献1に記載されたマイクロ流体デバイス800は、μ−TASに用いるマイクロ流体デバイスである。特許文献1に記載された800は、図16に示すように、主流路802と、主流路802に第1の液体供給流路804を介して連通し、重力・大気圧を用いて主流路802に第1の液体を供給するための第1の供給口(第1の液体溜)808と、主流路802に第2の液体供給流路806を介して連通し、重力を用いて主流路802に第2の液体を供給するための第2の供給口(第2の液体溜)810とを含む流体回路を有するマイクロ流体デバイスであって、流体回路は、第1の供給口808と第2の供給口810との高低差を用いて、第1の液体を第1の液体供給流路804から絞られた状態で主流路802に供給するように構成されている。特許文献1に記載されたマイクロ流体デバイス800は、重力を用いて流路(主流路802、第1の液体供給流路804、第2の液体供給流路806)に液体(第1の液体、第2の液体)を供給するマイクロ流体デバイスである。
特許文献2に記載されたマイクロ流体デバイス900は、流路に血液を流して血小板凝集を誘発することにより血小板機能を測定するためのマイクロ流体デバイスである。特許文献2に記載されたマイクロ流体デバイス900は、図17に示すように、内部に設けられた流路901を有し、流路901の少なくとも一部は血小板接着のためにコラーゲンがコーティングされており、複数の壁が該流路901におけるコラーゲンコート部が存在する位置に血液の流れる方向に沿って延在し且つ該流路の幅を分割して流路分割部903を形成し、該壁は表面粗さ(Ra)が10〜200nmになるような処理が施されている。特許文献2に記載されたマイクロ流体デバイス900は、ポンプ911の駆動力を用いて血液を流路901に供給するマイクロ流体デバイスである。
ところで、近年、医療分野、生化学分野、化学分野などの技術分野では、分析機器の小型・簡便化とともに分析の高速化・環境問題・人体負荷軽減などを考え微量試料による分析への要求が高まってきている。このため、マイクロ流体デバイスにおいても、分析機器の小型・簡便化に役立ち、かつ、微量試料による分析に適合したマイクロ流体デバイスが要請されている。
このような観点から言えば、特許文献1に記載されたマイクロ流体デバイス800は、ポンプの駆動力を用いなくとも重力・大気圧を用いて流路に液体を供給できるため、特許文献2に記載されたマイクロ流体デバイス900よりも、分析機器の小型・簡便化に役立ち、かつ、微量試料による分析に適合したマイクロ流体デバイスとなる。
特開2006−017562号公報 国際公開第2011/099569号明細書
しかしながら、本発明の発明者の実験により、特許文献1に記載されたマイクロ流体デバイス800においては、流路を構成する材質や、流路の幅・高さによっては、毛細管現象等により流路の終端部まで液体が進行しない(又は充填されない)という事態が発生する場合があるという問題があることが分かった。このような事態が発生すると、必要な分析ができなくなったり、必要な精度で分析ができなくなったりすることがある。
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、分析機器の小型・簡便化に役立ち、かつ、微量試料による分析に適合し、かつ、流路の終端部まで液体が進行しない(又は充填されない)という事態が従来よりも発生しにくいマイクロ流体デバイスを提供することを目的とする。
[1]本発明(態様1)のマイクロ流体デバイスは、第1流路と、前記第1流路の上流側に配設され、前記第1流路に液体を供給するための液溜め部と、前記第1流路の下流側に配設され、前記第1流路よりも狭い断面積を有する第2流路と、前記第2流路の下流側に配設され、気体を系外に排出するための排気口とを有し、前記第1流路は、前記液溜め部から前記第1流路に液体を供給する際に、前記気体及び前記液体がともに通過可能となるように構成され、前記第2流路は、前記液溜め部から前記第1流路に液体を供給する際に、前記気体は通過可能となるが、前記液体は通過不能となるように構成されていることを特徴とする。
本発明(態様1)において、液溜め部から第1流路に液体を供給する際に、気体は通過可能となるが、液体は通過不能となるように第2流路を構成するには、第2流路の幅を第1流路の幅よりも狭くしたり、第2流路を構成する壁のぬれ性を、第1流路を構成する壁のぬれ性よりも低くしたり、第2流路を構成する壁の表面粗さを、第1流路を構成する壁の表面粗さよりも粗くしたりすることができる。
[2]本発明(態様1)のマイクロ流体デバイスにおいては、第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有し、前記第1面に第1流路用溝及び第2流路用溝が形成され、かつ、前記第1流路用溝に連通するように液溜め部用貫通穴が形成された第1基板と、前記第1基板の前記第1面と対向する第3面及び前記第3面とは反対側の第4面を有する第2基板とを備え、前記第1流路及び前記第2流路は、前記第1基板と前記第2基板とに挟まれた空間に形成されてなることが好ましい。
[3]本発明(態様1)のマイクロ流体デバイスにおいては、第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有し、前記第1面に第1流路用溝が形成され、かつ、前記第1流路用溝に連通するように液溜め部用貫通穴が形成された第1基板と、前記第1基板の前記第1面と対向する第3面及び前記第3面とは反対側の第4面を有し、前記第3面における前記第1流路用溝に連通する位置に第2流路用溝が形成された第2基板とを備え、前記第1流路及び前記第2流路は、前記第1基板と前記第2基板とに挟まれた空間に形成されてなることが好ましい。
[4]本発明(態様1)のマイクロ流体デバイスにおいては、第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有し、前記第1面に第1流路用溝が形成され、かつ、前記第1流路用溝に連通するように液溜め部用貫通穴が形成され、かつ、前記第1流路用溝に連通するように前記第2流路が形成された第1基板と、前記第1基板の前記第1面と対向する第3面及び前記第3面とは反対側の第4面を有する第2基板とを備え、前記第1流路は、前記第1基板と前記第2基板とに挟まれた空間に形成されてなることが好ましい。
[5]本発明(態様1)のマイクロ流体デバイスにおいては、前記排気口を開閉して前記液体の送液を開始又は停止するための送液開始停止用部材をさらに備えることが好ましい。
[6]本発明(態様1)のマイクロ流体デバイスにおいては、前記第2流路を構成する底面、天面及び2つの側面のうち、前記底面と前記天面との間隔、及び、前記2つの側面間の間隔のうち狭い方の間隔は、0.005mm〜0.3mmの範囲内にあることが好ましい。
[7]本発明(態様2)のマイクロ流体デバイスは、流路と、前記流路の上流側に配設され、前記流路に液体を供給するための液溜め部と、前記流路を構成する底面、天面及び2つの側面のうち、前記2つの側面が空気壁からなることを特徴とする。
[8]本発明(態様2)のマイクロ流体デバイスにおいては、第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有し、前記流路に連通する位置に液溜め部用貫通穴が形成された第1基板と、前記第1基板の前記第1面と対向する第3面及び前記第3面とは反対の第4面を有する第2基板とを備え、前記第2基板の前記第3面には、前記流路に沿って両側よりも突出するとともに、前記第1基板の前記第1面との間で空隙を形成する突出面が形成され、前記第2基板の前記突出面が前記流路の底面となり、前記第1基板の前記第1面のうち前記突出面に対向する部分が前記流路の前記天面となることが好ましい。
[9]本発明(態様2)のマイクロ流体デバイスにおいては、第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有し、前記流路に連通する位置に液溜め部用貫通穴が形成された第1基板と、前記第1基板の前記第1面と対向する第3面及び前記第3面とは反対の第4面を有する第2基板とを備え、前記第1基板の前記第1面には、前記流路に沿って両側よりも突出するとともに、前記第2基板の前記第3面との間で空隙を形成する突出面が形成され、前記第1基板の前記突出面が前記流路の前記天面となり、前記第2基板の前記第3面のうち前記突出面に対向する部分が前記流路の前記底面となることが好ましい。
[10]本発明(態様2)のマイクロ流体デバイスにおいては、第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有し、前記流路に連通する位置に液溜め部用貫通穴が形成された第1基板と、前記第1基板の前記第1面と対向する第3面及び前記第3面とは反対の第4面を有する第2基板とを備え、前記第1基板の前記第1面には、前記流路に沿って両側よりも突出する第1突出面が形成され、前記第2基板の前記第3面には、前記流路に沿って両側よりも突出するとともに、前記第1基板の前記第1突出面との間で空隙を形成する第2突出面が形成され、前記第2基板の前記第2突出面が前記流路の底面となり、前記第1基板の前記第1突出面が前記流路の前記天面となることが好ましい。
[11]本発明(態様2)のマイクロ流体デバイスにおいては、前記流路における前記底面と前記天面との間隔は、0.005mm〜0.1mmの範囲内にあることが好ましい。
[12]本発明(態様1及び2)のマイクロ流体デバイスにおいては、前記第1基板の前記第2面側で前記液溜め部と連通する液逃がし部をさらに有することが好ましい。
[13]本発明(態様1及び2)のマイクロ流体デバイスにおいては、前記第1流路又は前記流路を構成する底面、天面及び2つの側面のうち前記底面又は前記天面には、コラーゲンがコーティングされていることが好ましい。
本発明(態様1)のマイクロ流体デバイスは、第1流路の上流側に液溜め部を有することから、ポンプの駆動力を用いなくとも重力・大気圧を用いて流路に液体を供給することが可能となり、その結果、分析機器の小型・簡便化に役立ち、かつ、微量試料による分析に適合するマイクロ流体デバイスとなる。
また、本発明(態様1)のマイクロ流体デバイスは、液溜め部から第1流路に液体を供給する際に、気体は通過可能となるが、液体は通過不能となるように構成されている第2流路を有することから、液溜め部から供給された液体が第1流路を進行するのに応じて気体が排気口から排出されるようになる結果、液体に加わる重力・大気圧によって液体が第1流路の終端部までスムーズに流れるようになる。
その結果、本発明(態様1)のマイクロ流体デバイスは、分析機器の小型・簡便化に役立ち、かつ、微量試料による分析に適合し、かつ、流路の終端部まで液体が進行しない(又は充填されない)という事態が従来よりも発生しにくいマイクロ流体デバイスとなる。
本発明(態様2)のマイクロ流体デバイスは、第1流路の上流側に液溜め部を有することから、ポンプの駆動力を用いなくとも重力・大気圧を用いて流路に液体を供給することが可能となり、その結果、分析機器の小型・簡便化に役立ち、かつ、微量試料による分析に適合するマイクロ流体デバイスとなる。
また、本発明(態様2)のマイクロ流体デバイスは、底面、天面及び2つの側面のうち2つの側面が空気壁からなる流路を有することから、壁面抵抗が低減し、液体に加わる重力・大気圧や毛細管現象等によって液体が流路の終端部までスムーズに流れるようになる。なお、本発明(態様2)のマイクロ流体デバイスにおいては、後述する試験例により、空気壁の部分から液体が漏れ出ることが防止可能であることが確認されている(試験例4参照。)。
その結果、本発明(態様2)のマイクロ流体デバイスは、分析機器の小型・簡便化に役立ち、かつ、微量試料による分析に適合し、かつ、流路の終端部まで液体が進行しない(又は充填されない)という事態が従来よりも発生しにくいマイクロ流体デバイスとなる。
実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100を説明するために示す図。 実施形態1の変形例(変形例1及び2)に係るマイクロ流体デバイス100a,100bを説明するために示す図。 実施形態2に係るマイクロ流体デバイス101を説明するために示す図。 実施形態3に係るマイクロ流体デバイス102を説明するために示す図。 実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200を説明するために示す図。 実施形態4の変形例(変形例3及び4)に係るマイクロ流体デバイス200a,200bを説明するために示す図。 実施形態5に係るマイクロ流体デバイス201を説明するために示す図。 実施形態6に係るマイクロ流体デバイス202を説明するために示す図。 血小板凝集測定方法を説明するために示す図。 試験例1の結果を示す図。 試験例2の結果を示す図。 試験例3の結果を示す図。 試験例4の結果を示す図。 試験例5の結果を示す図。 変形例5及び変形例6に係るマイクロ流体デバイス100c,200cを説明するために示す図。 特許文献1に記載されたマイクロ流体デバイス800を説明するために示す図。 特許文献2に記載されたマイクロ流体デバイス900を説明するために示す図。
以下、本発明を図に示す実施形態に基づいて説明する。
[実施形態1]
1.マイクロ流体デバイスの構成
図1は、実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100を説明するために示す図である。図1(a)はマイクロ流体デバイス100の平面図であり、図1(b)はマイクロ流体デバイス100の断面図であり、図1(c)は図1(b)の要部拡大断面図(要部拡大A1−A1断面図及び要部拡大A2−A2断面図)である。
実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100は、図1に示すように、第1流路112と、第1流路112の上流側に配設され、第1流路112に液体10を供給するための液溜め部111と、第1流路112の下流側に配設され、第1流路112よりも狭い断面積を有する第2流路113と、第2流路113の下流側に配設され、気体を系外に排出するための排気口115とを有し、第1流路112は、液溜め部111から第1流路112に液体10を供給する際に、気体及び液体10がともに通過可能となるように構成され、第2流路113は、液溜め部111から第1流路112に液体10を供給する際に、気体は通過可能となるが、液体10は通過不能となるように構成されている。実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100は、本発明(態様1)のマイクロ流体デバイスである。
そして、実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100は、第1面121と第1面121とは反対側の第2面122とを有し、第1面121に第1流路用溝123及び第2流路用溝124が形成され、かつ、第1流路用溝123に連通するように液溜め部用貫通穴125が形成された第1基板120と、第1基板120の第1面121と対向する第3面131及び第3面131とは反対側の第4面132を有する第2基板130とを備え、第1流路112及び第2流路113は、第1基板120と第2基板130とに挟まれた空間に形成されてなる。
実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100においては、第2面122に形成された連通部118を介して液溜め部111に連通する液逃がし部117が形成されている。また、第2流路113に連通する排気孔114が形成されており、排気孔114の第2面122側の開口が排気口115となる。
実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100は、排気口115を開閉して液体10の送液を開始又は停止するための送液開始停止用部材116をさらに備える。送液開始停止用部材116は、例えば、弾力性のある樹脂製の部品、粘着性のあるテープなどを好適に用いることができる。
実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100においては、第1基板120として、種々の樹脂製基板(例えばアクリル樹脂製の基板)を用いることができる。また、第2基板130として、種々の樹脂製基板(例えばシリコーンゴム製のシート及びコラーゲンIV型(コラーゲン4型)コーティングされたポリスチレン樹脂製の基板)を用いることができる。第1基板120と第2基板130とは、接着剤又は粘着剤を介して一体化させてもよいし、第1基板120と第2基板130とを重ねて密着させて一体化させてもよい。後者の場合、治具で第1基板120と第2基板130とを挟み込むようにしてもよい。また、第1基板120と第2基板130との間に緩衝層を介在させるようにしてもよい。
第1流路112は、幅が例えば2mmであり、高さが例えば0.5mmである。また、第2流路113は、幅が例えば1mmであり、高さが例えば0.005mm〜0.3mmの範囲内(例えば0.05mm)にある。第2流路113の高さが0.005mmよりも低い場合には、気体の排気能力が低下する。一方、第2流路113の高さが0.3mmよりも高い場合には、液溜め部111から第1流路112に液体10を供給する際に、液体10が第2流路113を通過できるようになってしまう場合があり、いずれにしても好ましくない。
液体10は、特に限定されるものではないが、マイクロ流体デバイス100を医療分野又は生化学分野における分析に用いる場合には、全血、多血小板血漿などを好ましく用いることができる。血小板凝集機能検査を行う場合には、第1流路112の底面又は天面(すなわち、第1基板120の第1面121又は第2基板130の第3面131)にコラーゲン(コラーゲンIV型)をコーティングしておくことが好ましい。
2.マイクロ流体デバイスの使用方法
まず、実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100の排気口115に、例えば粘着テープからなる送液開始停止用部材116を貼り付けて、排気口115を閉じておく。次に、測定対象となる液体10の所定量を液溜め部111に注入する。このとき、液体10が所定量よりも多く注入された場合には、余剰の液体10は連通部118を介して液逃がし部117に移送される。従って、液溜め部111には常に一定の液体10が貯留することになる。
次に、送液開始停止用部材116を排気口115から剥がして、排気口115を開く。すると、液溜め部111に貯留されていた液体10は、第1流路112中を下流に向かって進行する。そして、当該液体10が第1流路112を進行するのに応じて気体が排気口115から排出されるようになる結果、液体10に加わる重力・大気圧によって液体10が第1流路112の終端部までスムーズに流れるようになる。
なお、「第1流路112の形状・サイズ」、「第1基板120や第2基板130の材質」、「第1流路112を構成する底面、天面、2つの側面の表面粗さ」、「第1流路112を構成する底面、天面、2つの側面の濡れ性」などを適宜選択することにより、第1流路中を流れる液体10のスピードを調整することができる。
また、「第2流路113の形状・サイズ」、「第1基板120や第2基板130の材質」、「第2流路113を構成する底面、天面、2つの側面の表面粗さ」、「第2流路113を構成する底面、天面、2つの側面の濡れ性」などを適宜選択することにより、第2流路113において液体10が確実に通過不能となるようにすることができる。
3.マイクロ流体デバイスの効果
実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100は、第1流路112の上流側に液溜め部111を有することから、ポンプの駆動力を用いなくとも重力・大気圧を用いて第1流路に液体10を供給することが可能となり、その結果、分析機器の小型・簡便化に役立ち、かつ、微量試料による分析に適合するマイクロ流体デバイスとなる。
また、実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100は、液溜め部111から第1流路112に液体10を供給する際に、気体は通過可能となるが、液体10は通過不能となるように構成されている第2流路113を有することから、液溜め部111から供給された液体10が第1流路112を進行するのに応じて気体が排気口115から排出されるようになる結果、液体10に加わる重力・大気圧によって液体10が第1流路の終端部までスムーズに流れるようになる。
その結果、実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100は、分析機器の小型・簡便化に役立ち、かつ、微量試料による分析に適合し、かつ、流路の終端部まで液体10が進行しない(又は充填されない)という事態が従来よりも発生しにくいマイクロ流体デバイスとなる。
また、実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100は、第1流路112及び第2流路113が、第1基板120と第2基板130とに挟まれた空間に形成されてなることから、予め必要な加工を施した第1基板120と、第2基板130とを一体化させることにより、比較的簡単な方法で製造可能なマイクロ流体デバイスとなる。
また、実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100によれば、送液開始停止用部材116を備えることから、送液開始停止用部材116を用いて排気口115を開けたり閉じたりするという簡易な操作で、送液を開始したり送液を停止することができるようになる。
実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100によれば、第2流路113を構成する底面、天面及び2つの側面のうち、底面と天面との間隔、及び、2つの側面間の間隔のうち狭い方の間隔が、0.005mm〜0.3mmの範囲内にあることから、気体の排気能力を維持でき、また、液溜め部111から第1流路112に液体10を供給する際に、第2流路113中を液体10が通過できるようにはならなくなる。
[実施形態1の変形例]
図2は、実施形態1の変形例(変形例1及び2)に係るマイクロ流体デバイスを説明するために示す図である。図2(a)は変形例1に係るマイクロ流体デバイス100aの断面図であり、図2(b)は変形例2に係るマイクロ流体デバイス100bの断面図であり、図2(c)は変形例1に係るマイクロ流体デバイス100aの要部拡大断面図であり、図2(d)は変形例2に係るマイクロ流体デバイス100bの要部拡大断面図である。
変形例1に係るマイクロ流体デバイス100a及び変形例2に係るマイクロ流体デバイス100bは、基本的には実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100と同様の構成を有するが、第2流路113の構成が実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100の場合と異なる。すなわち、変形例1に係るマイクロ流体デバイス100aにおいては、図2(a)及び図2(c)に示すように、第2流路113は、縦長形状を有している。底面113aと天面113bとの間隔が広く、2つの側面113c,113d間の間隔が狭い。また、変形例2に係るマイクロ流体デバイス100bにおいては、図2(b)及び図2(d)に示すように、第2流路113は、断面積がさらに狭くなっている。第2流路113における、底面113aと天面113bとの間隔も、2つの側面113c,113d間の間隔もともに狭い。
そして、第2流路113を構成する底面113a、天面113b及び2つの側面113c,113dのうち、底面113aと天面113bとの間隔、及び、2つの側面113c,113d間の間隔のうち狭い方の間隔が、0.005mm〜0.3mmの範囲内にあり、極めて狭い。従って、第2流路113は、気体は通過可能となるが、液体10は通過不能となるような構成となる。
このように、変形例1に係るマイクロ流体デバイス100a及び変形例2に係るマイクロ流体デバイス100bはともに、第2流路113の構成が実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100の場合と異なるが、実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100の場合と同様に、第1流路112の上流側に液溜め部111を有するとともに、液溜め部111から第1流路112に液体10を供給する際に、気体は通過可能となるが、液体10は通過不能となるように構成されている第2流路113を有することから、分析機器の小型・簡便化に役立ち、かつ、微量試料による分析に適合し、かつ、流路の終端部まで液体10が進行しない(又は充填されない)という事態が従来よりも発生しにくいマイクロ流体デバイスとなる。
[実施形態2]
図3は、実施形態2に係るマイクロ流体デバイス101を説明するために示す図である。図3(a)はマイクロ流体デバイス101の断面図であり、図3(b)は図3(a)の要部拡大断面図(要部拡大A1−A1断面図、要部拡大A2−A2断面図、要部拡大A3−A3断面図)である。
実施形態2に係るマイクロ流体デバイス101は、基本的には実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100と同様の構成を有するが、第2流路用溝124の形成位置が実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100の場合と異なる。すなわち、実施形態2に係るマイクロ流体デバイス100は、図3に示すように、第2流路用溝124が、第2基板130の第3面131における第1流路用溝123に連通する位置に形成されている。
このように、実施形態2に係るマイクロ流体デバイス101は、第2流路用溝124の形成位置が実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100の場合と異なるが、実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100の場合と同様に、第1流路112の上流側に液溜め部111を有するとともに、液溜め部111から第1流路112に液体10を供給する際に、気体は通過可能となるが、液体10は通過不能となるように構成されている第2流路113を有することから、分析機器の小型・簡便化に役立ち、かつ、微量試料による分析に適合し、かつ、流路の終端部まで液体10が進行しない(又は充填されない)という事態が従来よりも発生しにくいマイクロ流体デバイスとなる。
また、実施形態2に係るマイクロ流体デバイス101によれば、第1基板120の第1面121の濡れ性を低くする(第1面121の表面粗さを粗くする、第1面121を撥水処理する)ことにより、第2流路の中を液体10が確実に通過不能となるように構成できる。
[実施形態3]
図4は、実施形態3に係るマイクロ流体デバイス102を説明するために示す図である。図4(a)はマイクロ流体デバイス102の断面図であり、図4(b)は図4(a)の要部拡大断面図(要部拡大A1−A1断面図、要部拡大A2−A2断面図)である。
実施形態3に係るマイクロ流体デバイス102は、基本的には実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100と同様の構成を有するが、第2流路113の形成位置が実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100の場合と異なる。すなわち、実施形態3に係るマイクロ流体デバイス102は、図4に示すように、第2流路113が、第1基板120の内部をくり貫く位置に形成されている。
このように、実施形態3に係るマイクロ流体デバイス102は、第2流路113の形成位置が実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100の場合と異なるが、実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100の場合と同様に、第1流路112の上流側に液溜め部111を有するとともに、液溜め部111から第1流路112に液体10を供給する際に、気体は通過可能となるが、液体10は通過不能となるように構成されている第2流路113を有することから、分析機器の小型・簡便化に役立ち、かつ、微量試料による分析に適合し、かつ、流路の終端部まで液体10が進行しない(又は充填されない)という事態が従来よりも発生しにくいマイクロ流体デバイスとなる。
また、実施形態3に係るマイクロ流体デバイス102によれば、第1基板120のみを加工すればよいため、第2基板130を切削加工することなくそのまま使用することができる。
[実施形態4]
1.マイクロ流体デバイスの構成
図5は、実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200を説明するために示す図である。図5(a)はマイクロ流体デバイス200の平面図であり、図5(b)はマイクロ流体デバイス200の断面図であり、図5(c)はマイクロ流体デバイス200の側面図であり、図5(d)は図5(c)の要部拡大断面図である。なお、図中、符号213,214は流路212の開口を示す。
実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200は、図5に示すように、流路212と、流路212の上流側に配設され、流路212に液体10を供給するための液溜め部211とを有し、流路212を構成する底面212a、天面212b及び2つの側面212c,212dのうち、2つの側面212c,212dが空気壁からなる。実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100は、本発明(態様2)のマイクロ流体デバイスである。
そして、実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200においては、第1面221と当該第1面221とは反対側の第2面222とを有し、流路212に連通する位置に液溜め部用貫通穴が形成された第1基板220と、第1基板220の第1面221と対向する第3面231及び第3面231とは反対の第4面を有する第2基板230とを備え、第2基板230の第3面231には、流路212に沿って両側よりも突出するとともに、第1基板220の第1面221との間で空隙を形成する突出面233が形成され、第2基板230の突出面233が流路212の底面212aとなり、第1基板220の第1面221のうち突出面233に対向する部分が流路212の天面212bとなる。
実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200においては、第2基板230として、溝234を形成するとともに、突出面233の高さが第3面231よりも流路212の高さ寸法に対応する値だけ低い第2基板を用いる。そして、第2基板230の第3面231の部分を第1基板220の第1面221に当接させた状態で、第1基板220と第2基板230とを一体化するようにしている。
実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200においては、第1基板220として、種々の樹脂製基板(例えばアクリル樹脂製の基板)を用いることができる。また、第2基板230として、種々の樹脂製基板(例えばアクリル樹脂製の基板及びコラーゲンIV型コーティングされたポリスチレン樹脂製の基板)を用いることができる。第1基板220と第2基板230とは、接着剤又は粘着剤を介して一体化させてもよいし、第1基板220と第2基板230とを重ねて密着させて一体化させてもよい。後者の場合、治具で第1基板220と第2基板230とを挟み込むようにしてもよい。また、第1基板220と第2基板230との間に緩衝層を介在させるようにしてもよい。
流路212は、幅が例えば2mmであり、高さ(底面212aと天面212bとの間隔)が0.005mm〜0.1mmの範囲内(例えば0.05mm)である。流路212の高さが0.005mmよりも低い場合には、液体10が進行しなくなる場合がある。一方、流路212の高さ(厚さ)が0.1mmよりも高い場合には、空気壁の部分から液体10が周囲に漏れ出し易くなってしまう場合があり、いずれにしても好ましくない。
液体10は、特に限定されるものではないが、マイクロ流体デバイス200を医療分野又は生化学分野における分析に用いる場合には、実施形態1の場合と同様に、全血、多血小板血漿などを好ましく用いることができる。血小板凝集機能検査を行う場合には、実施形態1の場合と同様に、流路212の底面又は天面(すなわち、第1基板220の第1面221又は第2基板230の突出面233)にコラーゲン(コラーゲンIV型)をコーティングしておくことが好ましい。
2.マイクロ流体デバイスの使用方法
まず、測定対象となる液体10の所定量を液溜め部211に注入する。すると、2つの側面212c,212dが空気壁からなる流路212を有することから、壁面抵抗が低減し、液体10に加わる重力・大気圧や毛細管現象等によって液体10が流路212の終端部までスムーズに流れるようになる。
なお、「流路212の形状・サイズ」、「第1基板220や第2基板230の材質」、「流路212を構成する底面、天面、2つの側面の表面粗さ」、「流路212を構成する底面、天面、2つの側面の濡れ性」などを適宜選択することにより、液体10が空気壁を介して周囲に漏れ出すという事態の発生を防止できる。また、流路中を流れる液体10のスピードを調整することができる。
3.マイクロ流体デバイスの効果
実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200は、流路212の上流側に液溜め部211を有することから、ポンプの駆動力を用いなくとも重力・大気圧や毛細管現象等を用いて第1流路に液体10を供給することが可能となり、その結果、分析機器の小型・簡便化に役立ち、かつ、微量試料による分析に適合するマイクロ流体デバイスとなる。
また、実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200は、底面、天面及び2つの側面のうち2つの側面が空気壁からなる流路を有することから、壁面抵抗が低減し、液体に加わる重力・大気圧や毛細管現象等によって液体が流路の終端部までスムーズに流れるようになる。なお、実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200においては、後述する試験例により、空気壁の部分から液体が漏れ出ることが防止可能であることが確認されている(試験例4参照。)。
その結果、実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200は、分析機器の小型・簡便化に役立ち、かつ、微量試料による分析に適合し、かつ、流路の終端部まで液体が進行しない(又は充填されない)という事態が従来よりも発生しにくいマイクロ流体デバイスとなる。
また、実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200は、第2基板230の第3面231には、流路212に沿って2本の溝234を形成されるとともに、流路212に沿って両側よりも突出するとともに、第1基板220の第1面221との間で空隙を形成する突出面231が形成され、第2基板230の突出面233が流路212の底面212aとなり、第1基板220の第1面221のうち突出面233に対向する部分が流路212の天面212bとなることから、予め必要な加工を施した第1基板220及び第2基板230とを一体化させることにより、比較的簡単な方法で製造可能なマイクロ流体デバイスとなる。また、流路212の2つの側面212c,212dが空気壁となる構造を比較的簡単な方法で作製することができる。
実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200によれば、流路212を構成する底面212a、天面212b及び2つの側面212c,212dのうち、底面212aと天面212bとの間隔が、0.005mm〜0.1mmの範囲内にあることから、液体10が通過速度が遅くならず、また、空気壁の部分から液体10が周囲に漏れ出すことがなくなる。
[実施形態4の変形例]
図6は、実施形態4の変形例(変形例3及び4)に係るマイクロ流体デバイス200a,200bを説明するために示す図である。図6(a)はマイクロ流体デバイス200aの側面図であり、図6(b)はマイクロ流体デバイス200bの側面図である。
変形例3に係るマイクロ流体デバイス200a及び変形例3に係るマイクロ流体デバイス200bは、基本的には実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200と同様の構成を有するが、流路212の高さを規定する方法が実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200の場合と異なる。すなわち、変形例3に係るマイクロ流体デバイス200aにおいては、図6(a)に示すように、第2基板230として、溝234を形成した第2基板を用いるとともに、流路212の高さ寸法に対応する厚さ寸法を有するスペーサー(シムテープ)240を、溝234の両側における第3面231の部分に配置した状態で、第1基板220と第2基板230とを一体化するようにしている。また、変形例4に係るマイクロ流体デバイス200bにおいては、図6(b)に示すように、第2基板230として、突出面233を残して底部235を形成した第2基板を用いるとともに、突出面233の突出高さ寸法に流路212の高さ寸法を加算した高さ寸法に対応する厚さ寸法を有するスペーサー241を、底部235の両端部に配置した状態で、第1基板220と第2基板230とを一体化するようにしている。
このように、変形例3に係るマイクロ流体デバイス200a及び変形例4に係るマイクロ流体デバイス200bはともに、流路212の高さを規定する方法が実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200の場合と異なるが、実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200の場合と同様に、流路212の上流側に液溜め部211を有するとともに、底面、天面及び2つの側面のうち2つの側面が空気壁からなる流路を有することから、分析機器の小型・簡便化に役立ち、かつ、微量試料による分析に適合し、かつ、流路の終端部まで液体が進行しない(又は充填されない)という事態が従来よりも発生しにくいマイクロ流体デバイスとなる。
[実施形態5]
図7は、実施形態5に係るマイクロ流体デバイス201を説明するために示す図である。図7(a)はマイクロ流体デバイス201の断面図であり、図7(c)はマイクロ流体デバイス201の側面図である。
実施形態5に係るマイクロ流体デバイス201は、基本的には実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200と同様の構成を有するが、第1基板220に溝224及び突出面223を形成している点で実施形態4に係るマイクロ流体デバイス100の場合と異なる。すなわち、実施形態5に係るマイクロ流体デバイス201は、図7に示すように、第1基板220の第1面221には、流路212に沿って両側よりも突出する(溝224から突出する)とともに、第2基板230の第3面231との間で空隙を形成する突出面223が形成され、第1基板220の突出面223が流路212の天面212bとなり、第2基板230の第3面231のうち突出面223に対向する部分が流路212の底面212aとなる。
このように、実施形態5に係るマイクロ流体デバイス201は、第1基板220に突出面223が形成されている点で実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200の場合と異なるが、実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200の場合と同様に、流路212の上流側に液溜め部211を有するとともに、底面、天面及び2つの側面のうち2つの側面が空気壁からなる流路を有することから、分析機器の小型・簡便化に役立ち、かつ、微量試料による分析に適合し、かつ、流路の終端部まで液体10が進行しない(又は充填されない)という事態が従来よりも発生しにくいマイクロ流体デバイスとなる。
また、実施形態5に係るマイクロ流体デバイス201によれば、第1基板220のみを加工すればよいため、第2基板230をそのまま使用することができる。
[実施形態6]
図8は、実施形態6に係るマイクロ流体デバイス202を説明するために示す図である。図8(a)はマイクロ流体デバイス202の断面図であり、図8(c)はマイクロ流体デバイス202の側面図である。
実施形態6に係るマイクロ流体デバイス202は、基本的には実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200と同様の構成を有するが、第1基板220及び第2基板230の両方に突出面(第1突出面223及び第2突出面233)を形成している点で実施形態4に係るマイクロ流体デバイス100の場合と異なる。すなわち、実施形態6に係るマイクロ流体デバイス202は、図8に示すように、第1基板220の第1面221には、流路212に沿って両側よりも突出する(溝224から突出する)第1突出面223が形成され、第2基板230の第3面231には、流路212に沿って両側よりも突出する(溝234から突出する)とともに、第1基板220の第1突出面223との間で空隙を形成する第2突出面233が形成され、第2基板230の第2突出面233が流路212の底面212aとなり、第1基板220の第1突出面223が流路212の天面212bとなる。
このように、実施形態6に係るマイクロ流体デバイス202は、第1基板220及び第2基板230の両方に突出面(第1突出面223及び第2突出面233)が形成されている点で実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200の場合と異なるが、実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200の場合と同様に、流路212の上流側に液溜め部211を有するとともに、底面、天面及び2つの側面のうち2つの側面が空気壁からなる流路を有することから、分析機器の小型・簡便化に役立ち、かつ、微量試料による分析に適合し、かつ、流路の終端部まで液体10が進行しない(又は充填されない)という事態が従来よりも発生しにくいマイクロ流体デバイスとなる。
また、実施形態6に係るマイクロ流体デバイス202によれば、第1基板220及び第2基板230の両方に突出面(第1突出面223及び第2突出面233)が形成されていることから、流路の形状が安定して丸くなり、壁面抵抗がより一層低くなるとともに、空気壁の部分から液体が漏れ出ることがより一層防止されるようになる。
[本発明の応用例]
本発明のマイクロ流体デバイスは、血小板凝集測定方法に好適に用いることができる。
図9は、血小板凝集測定方法を説明するために示す図である。図9(a)は血小板凝集測定装置300を示す図であり、図9(b)は蛍光検出時の励起光、流路幅及び受光部の位置を示す図である。なお、図中、符号352は受光部を示す。
1.血小板凝集測定装置
血小板凝集測定装置としては、図9に示すように、マイクロ流体デバイスをスライド自在に載置するスライドチャンバー310と、マイクロ流体デバイスの試料に405nmの励起光を照射する青色レーザ発振器(例えばオーディオテクニカ製SU-61C-405-5)320と、青色レーザ発振器320からのレーザ光のうち390nm±45nmの波長の光のみ通過させるバンドパスフィルタ(例えばEdmund Op-tics製・86-337)330と、マイクロ流体デバイスの試料からの蛍光を通過させるとともに励起光を吸収する、中心波長526nm半値全幅53nmの色ガラスフィルタ(例えばEdmund Optics製・46-053)340と、色ガラスフィルタ340を通過した蛍光のフォトン数をカウントするフォトンカウンティングヘッド(例えば浜松ホトニクス製H12406)350と、カウンティングユニット(例えば浜松ホトニクス製C8855-01)360と、カウンティングユニット360からの出力を処理するパーソナルコンピュータ(PC)370を備える血小板凝集測定装置300を用いる。
2.マイクロ流体デバイス
マイクロ流体デバイスとしては、例えば実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100(但し、第1基板120としてアクリル樹脂基板を用い、第2基板130としてコラーゲンIV型をコーティングしたポリリスチレン板を用いたもの)を用いる。
3.測定サンプルの作製
(1)第2基板130の流路になる部分におけるコラーゲンIV型を生理食塩水(PBS)を用いて湿潤する。
(2)次に、第1基板120と第2基板130とを重ねて密着し、挟み込み治具によりこれらを挟み込んでマイクロ流体デバイス100とする。
(3)次に、送液開始停止用部材116を用いて排気口115を閉じたマイクロ流体デバイス100を加熱ステージ上で37℃に保持した後、あらかじめキナクリン二塩酸塩(Sigma-Aldrich製Q3251)により蛍光染色しておいた全血を液溜め部111に注入する。
(4)次に、送液開始停止用部材116を用いて排気口115を開ける。これにより、蛍光染色しておいた全血は、第1流路112の供給され、第1流路112の終端部まで進行し、血小板がコラーゲンに付着する。
(5)次に、マイクロ流体デバイス100の第1基板120と第2基板130とを分離し、第2基板130を生理食塩水で洗浄する。
(6)そして、コラーゲンに付着した成分以外の成分が除去された試料を測定サンプルとする。
4.蛍光の検出
測定サンプルに励起光を入射し、その際に発生する蛍光を光電子増倍管(PMT)により計測する。図9(a)に示すように,励起光には405nm青色レーザ発振器320からの励起光を用い、これを中心波長390nm半値全幅45nmのバンドパスフィルタ330を透過させてから測定サンプルに入射する。図9(b)に示すように,励起光はデフォーカスして,流路幅全体を照射するようにする。血小板や流路自体で発生した蛍光は,中心波長526nm半値全幅53nmの色ガラスフィルタ340を透過させた後に、フォトンカウンティングヘッド350により検出する。検出したフォトンは,カウンティングユニット360を用いて1秒間当たりのフォトン数として計測する。これにより、血小板凝集の程度を評価することができる。
5.共焦点レーザ顕微鏡観察
なお、マイクロ流体デバイス100を用いて作製した測定サンプルを、共焦点レーザ顕微鏡により観察することによっても、血小板凝集の程度を評価することができる。
[試験例]
以下、試験例により本発明のマイクロ流体デバイスの効果を説明する。
[試験例1]
試験例1は、本発明(態様1)のマイクロ流体デバイスが、液体に加わる重力・大気圧によって液体が第1流路の終端部までスムーズに流れることを確認するための試験例である。
1.試料の調製
(1)試料1
基本的には、実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100を試料1とした。但し、第1基板120として、アクリル樹脂製基板に切削加工で溝及び貫通孔を形成したものを用いた。また、第1流路112として長さ30mmのものを用いた。第2基板130として、シリコーンゴムシートを用いた。
(2)試料2
基本的には、実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100を試料2とした。但し、第1基板120として、アクリル樹脂製基板に切削加工で溝及び貫通孔を形成したものを用いた。また、第2基板130として、コラーゲンIV型をコーティングしたポリスチレン板を用いた。また、液逃がし部117が1個だけ形成されたものを用いた。
2.評価方法
(1)試料1
粘着テープからなる送液開始停止用部材116を用いて排気口115を閉じた状態で、青色に着色した水11からなる液体を液溜め部111に貯留し、その後、送液開始停止用部材116を剥がして排気口115を開けることにより、液溜め部111に貯留されている液体を第1流路112に供給した。そして、液体が第1流路112の終端部までスムーズに流れるかどうかを確認した。
(2)試料2
基本的には試料1の場合と同様な方法で評価した。但し、液体として全血12を用いた。
3.評価結果
図10は、試験例1の結果を示す図である。図10(a)は試料1についての結果を示す写真であり、図10(b)は試料2についての結果を示す写真であり、図10(c)は第1流路を流れる液体の速度を示すグラフである。
(1)試料1
図10(a)及び図10(b)からも分かるように、試料1及び試料2のいずれの場合も、液体に加わる重力・大気圧によって液体が第1流路112の終端部までスムーズに流れることが確認できた。また、図10(c)からも分かるように、試料2の方が試料1よりも、第1流路112中を流れる液体の速度が速いことが確認できた(試料1:60秒 vs 試料2:10秒)。
[試験例2]
試験例2は、第1流路が長い場合であっても、本発明(態様1)のマイクロ流体デバイスが、液体に加わる重力・大気圧によって液体が第1流路の終端部までスムーズに流れることを確認するための試験例である。
1.試料の調製
基本的には、実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100を試料3とした。但し、第1基板120として、アクリル樹脂製基板に切削加工で溝及び貫通孔を形成したものを用いた。また第1流路112として、長いもの(長さ230mm)であって、ヘアピン状に4回屈曲させたものを用いた。また、第1流路112として、幅2mm、高さ0.8mmのものを用いた。また、第2基板130として、コラーゲンIV型をコーティングしたポリスチレン板を用いた。また、液逃がし部が形成されていないものを用いた。
2.評価方法
粘着テープからなる送液開始停止用部材116を用いて排気口115を閉じた状態で、全血12からなる液体を液溜め部111に貯留し、その後、送液開始停止用部材116を剥がして排気口115を開けることにより、液溜め部111に貯留されている液体を第1流路112に供給した。そして、液体が第1流路112の終端部までスムーズに流れるかどうかを確認した。
3.評価結果
図11は、試験例2の結果を示す図である。図11(a)は送液中の写真であり、図11(b)は送液が止まったときの写真である。
図11(a)及び図11(b)からも分かるように、第1流路112が長い場合であっても、液体に加わる重力・大気圧によって液体が第1流路112の終端部までスムーズに流れることが確認できた。
[試験例3]
試験例3は、本発明(態様1)のマイクロ流体デバイスを発展させると、1つのマイクロ流体デバイスで湿潤化工程・血液送液工程・洗浄工程を連続して行うことが可能になるを示すための試験例である。
1.試料の調製
基本的には、実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100を試料4とした。但し、第1基板120として、アクリル樹脂製基板に切削加工で溝及び貫通孔を形成したものを用いた。また、第1流路112として、試料3と同様に長いものであって、ヘアピン状に3回屈曲させたものを用いた。但し、第1流路112として、途中で3箇所の分岐部分、2箇所の液溜め部(111a,111b)及び3箇所の排出口(115a,115b,115c)が設けられているものを用いた(後述する図12(a)参照。)。また、第1基板120として、第2流路が形成されていないものを用いた。また、第2基板130として、シリコーンゴムシートを用いた。また、液逃がし部が形成されていないものを用いた。
2.評価方法
(1)粘着テープからなる送液開始停止用部材116を用いて1つの液溜め部(第2液溜め部111b)及び2つの排気口(第2排気口115b及び第3排気口115c)を閉じるとともに、1つの液溜め部(第1液溜め部111a)及び1つの排気口(第1排気口115a)を開いた状態で、薄青色に着色した水13(生理食塩水を想定)を液溜め部111aから第1流路112に供給した。これにより、薄青色に着色した水13は、第1流路112における主流路(観察を行う流路)を越えて進行し、第1排気口115aの近傍にまで到達した(図12(b1)〜図12(b2)参照。)。
(2)次に、送液開始停止用部材116を用いて第1排気口115aを閉じるとともに、送液開始停止用部材116を剥がして第2排気口115bを開いた状態で、濃赤色に着色した水14(全血を想定)を液溜め部111aから第1流路112に供給した。これにより、濃赤色に着色した水14は、第1流路112における主流路(観察を行う流路)を越えて進行し、第2排気口115bの近傍にまで到達した(図12(b3)〜図12(b5)参照。)。
(3)次に、送液開始停止用部材116を用いて第2排気口115b及び第1液溜め部111aを閉じるとともに、送液開始停止用部材116を剥がして第2液溜め部111b及び第3排気口115cを開いた状態で、黄色に着色した水15(生理食塩水を想定)を液溜め部111bから第1流路112に供給した。これにより、黄色に着色した水15は、第1流路112における主流路(観察を行う流路)を越えて進行し、第3排気口115cの近傍にまで到達した(図12(b5)〜図12(b8)参照。)。
3.評価結果
図12は、試験例3の結果を示す図である。図12(a)は試料4の平面写真であり、図12(b1)〜図12(b8)は各工程を示す写真である。図12中、「閉」は、送液開始停止用部材で各液溜め部又は各排気口を閉じた状態を示し、「開」は、送液開始停止用部材で各液溜め部又は各排気口を開けた状態を示し、「注」は、各液溜め部に液体を注入している状態を示す。
図12(a)及び図12(b1)〜図12(b8)から分かるように、薄青色に着色した水13及び黄色に着色した水15に代えて生理食塩水を用い、濃赤色に着色した水14に代えて全血又は多血小板血漿を用いれば、第1流路112における主流路(観察を行う流路)において、湿潤化工程・血液送液工程・洗浄工程を連続して行うことが可能になることが確認できた。
[試験例4]
試験例4は、本発明(態様2)のマイクロ流体デバイスが、毛細管現象や液体に加わる重力・大気圧によって液体が第1流路の終端部までスムーズに流れることを確認するための試験例である。
1.試料の調製
基本的には、実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200を試料5とした。但し、第1基板220として、アクリル樹脂製基板に切削加工で貫通孔を形成したものを用いた。また、第2基板230として、アクリル樹脂製基板に切削加工で溝を形成したものを用いた。また、第1基板220と第2基板230との間に厚さを変えたシムテープ(0.005mm〜0.1mm)を挟んだ状態で第1基板120と第2基板とを一体化したものを用いた。
2.評価方法
赤色に着色した水16(図13(a)参照。)からなる液体を液溜め部211に供給することにより、液溜め部211から液体を流路212に供給した。そして、液体が流路212の終端部までスムーズに流れるかどうかを確認した。
3.評価結果
図13は、試験例4の結果を示す図である。図13(a)は試料5の結果を示す写真であり、図13(b)は試料5についてのシムテープの厚さ(流路高さ)と第1流路を流れる液体の流速との関係を示すグラフである。
図13(a)からも分かるように、空気壁の部分から液体が漏れ出ることが防止されていることが確認できた。また、図13(b)からも分かるように、毛細管現象や液体に加わる重力・大気圧によって液体が第1流路の終端部までスムーズに流れることが確認できた。この場合、図13(b)を参照して、シムテープの厚さが0.05mm以下のものは、シムテープの厚さを変化させても液体の流速が変わらないことから、毛細管現象のみによって液体が駆動されており、シムテープの厚さが0.05mmよりも厚いものは、シムテープの厚さを厚くすれば流速が速くなることから、毛細管現象に加えて重力・大気圧によっても液体が駆動されていることが推察される。
[試験例5]
試験例5は、本発明(態様2)のマイクロ流体デバイスが、湿潤化工程・血液送液工程を連続して行うことが可能なマイクロ流体デバイスであることを示すための試験例である。
1.試料の調製
基本的には、実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200を試料6とした。但し、第1基板220として、アクリル樹脂製基板に切削加工で貫通孔を形成したものを用いた。また、第2基板230として、コラーゲンIV型をコーティングしたポリスチレン板に切削加工で溝を形成したものを用いた。また、第1基板220と第2基板230との間にシムテープ(0.05mm)を挟んだ状態で第1基板120と第2基板230とを一体化したものを用いた。
2.評価方法
生理食塩水17を液溜め部211に供給することにより、液溜め部211から生理食塩水17を流路212に供給した。そして、生理食塩水17が流路212のうち前半の流路の中間点に到達したところで、液溜め部211から生理食塩水17を除去するとともに、液溜め部211に全血12を注入した。そして、後者の操作により、液溜め部211から全血12を流路212に供給できるかどうかを確認した。
3.評価結果
図14は、試験例5の結果を示す図である。
図14から分かるように、生理食塩水17を流路212のうち前半の流路の中間点まで送液した後、全血12を送液することにより、全血12を流路212のうち後半の流路の中間点まで送液するとともに、生理食塩水17を流路212の終端部まで送液することができた。これにより、本発明(態様2)のマイクロ流体デバイスが、湿潤化工程・血液送液工程を連続して行うことが可能なマイクロ流体デバイスであることが確認できた。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記に示すような変形実施も可能である。
(1)上記各実施形態においては、切削加工を用いて第1基板に溝や貫通孔を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではない。射出成形法によって、溝や貫通孔を有する第1基板を作製してもよい。
(2)上記各実施形態においては、第1基板120,220の表裏面(第2面122,222及び第1面121,221)を貫通するように液溜め部111,211を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではない。図15は、変形例5及び変形例6に係るマイクロ流体デバイス100c,200cを説明するために示す図である。図15(a)は変形例5に係るマイクロ流体デバイス100cを説明するために示す図であり、図15(b)は変形例6に係るマイクロ流体デバイス200cを説明するために示す図である。
例えば、図15(a)及び図15(b)に示すように、第1基板120,220を実施形態1に係るマイクロ流体デバイス100の第1基板120又は実施形態4に係るマイクロ流体デバイス200の第1基板220よりも薄肉に構成するとともに、第2面122,222から突出するように突出面を形成した後、この突出面と裏面(第1面112、222)とを貫通するように液溜め部を形成してもよい。
10…液体、11…青色に着色した水、12…全血、13…薄青色に着色した水、14…濃赤色に着色した水、15…黄色に着色した水、16…赤色に着色した水、17…生理食塩水、100,100a,100b,101,102…マイクロ流体デバイス、111…液溜め部、112…第1流路、113…第2流路、113a…底面、113b…天面、113c,113d…側面、114…排気孔、115…排気口、116…送液開始停止用封止部品、117…液逃がし部、118…連通部、120…第1基板、121…第1面、122…第2面、123…第1流路用溝、124…第2流離用溝、130…第2基板、131…第1面、132…第2面、200,200a,200b,201,212…マイクロ流体デバイス、211…液溜め部、212…流路、213,214…開口、212a…底面、212b…天面、212c,212d…側面、220…第1基板、221…第1面、222…第2面、230…第2基板、231…第1面、232…第2面、233…突出面、234…溝、800…マイクロ流体デバイス、801…液体回路、802…主流路、804…第1の液体供給流路、806…第2の液体供給流路、808…第1の供給口(第1の液体溜)、810…第2の供給口(第2の液体溜)、812…液体の排出口、820…基板、830…液体回路形成層、840…被覆層、850…裏面層、900…マイクロ流体デバイス、901…流路、903…流路分割部、905…不純物流入防止部、906…流入口、907…排出口、909…リザーバー、911…ポンプ、912…ヒーター、913…カメラ、914…排出管、915…画像解析装置

Claims (10)

  1. 第1流路と、
    前記第1流路の上流側に配設され、前記第1流路に液体を供給するための液溜め部と、
    前記第1流路の下流側に配設され、前記第1流路よりも狭い断面積を有する第2流路と、
    前記第2流路の下流側に配設され、気体を系外に排出するための排気口とを有し、
    前記第1流路は、前記液溜め部から前記第1流路に液体を供給する際に、前記気体及び前記液体がともに通過可能となるように構成され、
    前記第2流路は、前記液溜め部から前記第1流路に液体を供給する際に、前記気体は通過可能となるが、前記液体は通過不能となるように構成されたマイクロ流体デバイスであって、
    第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有し、前記第1面に第1流路用溝が形成され、かつ、前記第1流路用溝に連通するように液溜め部用貫通穴が形成された第1基板と、
    前記第1基板の前記第1面と対向する第3面及び前記第3面とは反対側の第4面を有し、前記第3面における前記第1流路用溝に連通する位置に第2流路用溝が形成された第2基板とを備え、
    前記第1流路及び前記第2流路は、前記第1基板と前記第2基板とに挟まれた空間に形成されてなることを特徴とするマイクロ流体デバイス。
  2. 第1流路と、
    前記第1流路の上流側に配設され、前記第1流路に液体を供給するための液溜め部と、
    前記第1流路の下流側に配設され、前記第1流路よりも狭い断面積を有する第2流路と、
    前記第2流路の下流側に配設され、気体を系外に排出するための排気口とを有し、
    前記第1流路は、前記液溜め部から前記第1流路に液体を供給する際に、前記気体及び前記液体がともに通過可能となるように構成され、
    前記第2流路は、前記液溜め部から前記第1流路に液体を供給する際に、前記気体は通過可能となるが、前記液体は通過不能となるように構成されたマイクロ流体デバイスであって、
    第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有し、前記第1面に第1流路用溝が形成され、かつ、前記第1流路用溝に連通するように液溜め部用貫通穴が形成され、かつ、前記第1流路用溝に連通するように前記第2流路が形成された第1基板と、
    前記第1基板の前記第1面と対向する第3面及び前記第3面とは反対側の第4面を有する第2基板とを備え、
    前記第1流路は、前記第1基板と前記第2基板とに挟まれた空間に形成されてなることを特徴とするマイクロ流体デバイス。
  3. 請求項1又は2に記載のマイクロ流体デバイスにおいて、
    前記排気口を開閉して前記液体の送液を開始又は停止するための送液開始停止用部材をさらに備えることを特徴とするマイクロ流体デバイス。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロ流体デバイスにおいて、
    前記第2流路を構成する底面、天面及び2つの側面のうち、前記底面と前記天面との間隔、及び、前記2つの側面間の間隔のうち狭い方の間隔は、0.005mm〜0.3mmの範囲内にあることを特徴とするマイクロ流体デバイス。
  5. 請求項1又は2に記載のマイクロ流体デバイスにおいて、
    前記第1基板の前記第2面側で前記液溜め部と連通する液逃がし部をさらに有することを特徴とするマイクロ流体デバイス。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロ流体デバイスにおいて、
    前記第1流路又は前記流路を構成する底面、天面及び2つの側面のうち前記底面又は前記天面には、コラーゲンがコーティングされていることを特徴とするマイクロ流体デバイス。
  7. 第1流路と、
    前記第1流路の上流側に配設され、前記第1流路に液体を供給するための液溜め部と、
    前記第1流路の下流側に配設され、前記第1流路よりも狭い断面積を有する第2流路と、
    前記第2流路の下流側に配設され、気体を系外に排出するための排気口とを有し、
    前記第1流路は、前記液溜め部から前記第1流路に液体を供給する際に、前記気体及び前記液体がともに通過可能となるように構成され、
    前記第2流路は、前記液溜め部から前記第1流路に液体を供給する際に、前記気体は通過可能となるが、前記液体は通過不能となるように構成されたマイクロ流体デバイスであって、
    前記排気口を開閉して前記液体の送液を開始又は停止するための送液開始停止用部材をさらに備えることを特徴とするマイクロ流体デバイス。
  8. 第1流路と、
    前記第1流路の上流側に配設され、前記第1流路に液体を供給するための液溜め部と、
    前記第1流路の下流側に配設され、前記第1流路よりも狭い断面積を有する第2流路と、
    前記第2流路の下流側に配設され、気体を系外に排出するための排気口とを有し、
    前記第1流路は、前記液溜め部から前記第1流路に液体を供給する際に、前記気体及び前記液体がともに通過可能となるように構成され、
    前記第2流路は、前記液溜め部から前記第1流路に液体を供給する際に、前記気体は通過可能となるが、前記液体は通過不能となるように構成されたマイクロ流体デバイスであって、
    前記第2流路を構成する底面、天面及び2つの側面のうち、前記底面と前記天面との間隔、及び、前記2つの側面間の間隔のうち狭い方の間隔は、0.005mm〜0.3mmの範囲内にあることを特徴とするマイクロ流体デバイス。
  9. 第1流路と、
    前記第1流路の上流側に配設され、前記第1流路に液体を供給するための液溜め部と、
    前記第1流路の下流側に配設され、前記第1流路よりも狭い断面積を有する第2流路と、
    前記第2流路の下流側に配設され、気体を系外に排出するための排気口とを有し、
    前記第1流路は、前記液溜め部から前記第1流路に液体を供給する際に、前記気体及び前記液体がともに通過可能となるように構成され、
    前記第2流路は、前記液溜め部から前記第1流路に液体を供給する際に、前記気体は通過可能となるが、前記液体は通過不能となるように構成されたマイクロ流体デバイスであって、
    前記第1流路又は前記流路を構成する底面、天面及び2つの側面のうち前記底面又は前記天面には、コラーゲンがコーティングされていることを特徴とするマイクロ流体デバイス。
  10. 第1流路と、
    前記第1流路の上流側に配設され、前記第1流路に液体を供給するための液溜め部と、
    前記第1流路の下流側に配設され、前記第1流路よりも狭い断面積を有する第2流路と、
    前記第2流路の下流側に配設され、気体を系外に排出するための排気口とを有し、
    前記第1流路は、前記液溜め部から前記第1流路に液体を供給する際に、前記気体及び前記液体がともに通過可能となるように構成され、
    前記第2流路は、前記液溜め部から前記第1流路に液体を供給する際に、前記気体は通過可能となるが、前記液体は通過不能となるように構成されたマイクロ流体デバイスであって、
    第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有し、前記第1面に第1流路用溝及び第2流路用溝が形成され、かつ、前記第1流路用溝に連通するように液溜め部用貫通穴が形成された第1基板と、
    前記第1基板の前記第1面と対向する第3面及び前記第3面とは反対側の第4面を有する第2基板とを備え、
    前記第1流路及び前記第2流路は、前記第1基板と前記第2基板とに挟まれた空間に形成されてなり、
    前記第1基板の前記第2面側で前記液溜め部と連通する液逃がし部をさらに有することを特徴とするマイクロ流体デバイス。
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