JP6822347B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
図1には、本実施形態の制御装置20を備える内燃機関10と、内燃機関10の出力トルクが入力される変速機100と、変速機100の出力トルクが入力される車輪101とが図示されている。
要求トルク設定部M10には、ベース要求トルク算出部M11とディザ時補正トルク算出部M12とが設けられている。ベース要求トルク算出部M11は、アクセル操作量ACCPを基に、ベース要求トルクTrqBを算出する。ベース要求トルクTrqBは、アクセル操作量ACCPに応じて定まる車輪101(駆動輪)のためのトルクと、オルタネータや空調装置のコンプレッサなどの補機のためのトルク(負荷トルク)との和となる。そのため、ベース要求トルク算出部M11は、オルタネータやコンプレッサなどの補機の操作量を加味し、ベース要求トルクTrqBを算出する。
ばね上制振用補正トルク算出部M20は、要求トルク設定部M10の加算器M13で算出された要求トルクTrqを、車輪101(駆動輪)で発生させるトルクの要求値である要求車輪トルクWTrq0に換算する車輪トルク換算部M21を含んでいる。車輪トルク換算部M21は、変速機100で選択されている変速比を加味し、要求トルクTrqを要求車輪トルクWTrq0に換算する。
(条件1−1)後述する空燃比制御部M70による空燃比フィードバック制御(以下、「空燃比F/B制御」という。)によって導出される空燃比フィードバック補正値(以下、「空燃比F/B補正値」という。)FAFの絶対値が規定値未満であること。
(条件1−2)空燃比制御部M70による空燃比学習制御によって、空燃比の学習が完了していること。
(条件1−3)パージガスの濃度が所定値未満であること。
目標空燃比設定部M30は、空燃比の目標値である目標空燃比AFTを設定する。
<スロットル開度目標値算出部M40>
スロットル開度目標値算出部M40は、吸入空気量GAの目標値である吸気量目標値GATを算出する吸気量目標値設定部M41を含んでいる。この吸気量目標値設定部M41は、要求トルク設定部M10の加算器M14で算出された要求トルクTrqと、目標空燃比設定部M30で設定された目標空燃比AFTと、機関回転速度NEとを基に、吸気量目標値GATを算出する。このとき、吸気量目標値設定部M41は、要求トルクTrqが大きいほど吸気量目標値GATが大きくなるように、吸気量目標値GATを算出する。そのため、ディザ時トルク補正量TrqDによって要求トルクTrqが増大補正されている場合、吸気量目標値GATは、ディザ時トルク補正量TrqDが大きいほど大きくなる。すなわち、ディザ制御が実施されているために噴射量補正要求値αが「0」よりも大きいときには、ディザ制御が実施されていないために噴射量補正要求値αが「0」と等しいときよりも、ディザ時トルク補正量TrqDが「0」よりも大きい分、吸気量目標値GATが大きくなる。よって、本実施形態では、このようにディザ時トルク補正量TrqDが「0」ではない状況下での吸気量目標値GATの算出を、「ディザ時補正制御」という。つまり、吸気量目標値設定部M41は、ディザ時補正制御を実施可能である。
スロットルバルブ制御部M50には、スロットル開度目標値算出部M40の逆エアモデルM42で算出されたスロットル開度目標値TATにスロットル開度TAが近づくように、スロットルバルブ14の作動を制御する。
ベース噴射量算出部M60には、スロットル開度目標値算出部M40の逆エアモデルM42で算出された機関負荷率KLを基にベース噴射量QBを算出する。ベース噴射量QBは、規定の満充填時理論噴射量QTHに機関負荷率KLを乗算することで導出される。満充填時理論噴射量QTHとして、機関負荷率KLが「100%」であり、且つ空燃比検出値AFが目標空燃比AFTと等しいときにおける燃料噴射量の算出値が設定されている。
空燃比制御部M70は、空燃比検出値AFと目標空燃比AFTとの偏差が小さくなるように空燃比F/B補正値FAFを更新する空燃比F/B制御を実施する。また、空燃比制御部M70は、空燃比F/B補正値FAFの絶対値が小さくなるように、空燃比学習値KGを更新する空燃比学習制御を実施する。空燃比制御部M70は、空燃比F/B補正値FAFの絶対値が規定値以上にならないようになると、空燃比の学習が完了したと判定することができる。
<ディザ制御部M80>
ディザ制御部M80は、所定のディザ制御の実施条件が成立したときに、ディザ制御を実施する。例えば、ディザ制御の実施条件は、三元触媒17の昇温が要求されていること、及び、目標空燃比AFTが理論空燃比と等しいことを含んでいる。
(条件2−1)第1の気筒#1が、目標空燃比AFT(すなわち、理論空燃比)よりも混合気の空燃比がリッチとなるリッチ燃焼気筒となり、第1の気筒#1以外の他の気筒#2〜#4が、目標空燃比AFT(すなわち、理論空燃比)よりも混合気の空燃比がリーンとなるリーン燃焼気筒となること。
(条件2−2)リッチ燃焼気筒とリーン燃焼気筒とを含む全ての気筒#1〜#4内における混合気の空燃比の平均値が目標空燃比AFTと等しくなること。
噴射弁制御部M90は、第1の気筒#1用の燃料噴射弁13から噴射される燃料の量がリッチ燃焼気筒用の噴射量指令値QBFiと等しくなるように、第1の気筒#1用の燃料噴射弁13を駆動させる。また、噴射弁制御部M90は、第1の気筒#1以外の他の気筒#2〜#4用の燃料噴射弁13から噴射される燃料の量がリーン燃焼気筒用の噴射量指令値QBFdと等しくなるように、各気筒#2〜#4用の燃料噴射弁13を駆動させる。
図3に示すように、本処理ルーチンにおいて、駆動トルク変換部M24は、ばね上制振制御の実施条件が成立しているか否かを判定する(S11)。すなわち、駆動トルク変換部M24は、上記の条件1−1、条件1−2及び条件1−3の何れもが成立しているときには、実施条件が成立していると判定する。一方、駆動トルク変換部M24は、条件1−1、条件1−2及び条件1−3のうち少なくとも1つの条件が成立していないときには、実施条件が成立していると判定しない。そして、実施条件が成立していない場合(S11:NO)、駆動トルク変換部M24は、その処理を後述するステップS14に移行する。
図4に示すように、本処理ルーチンにおいて、要求値算出部M81は、上記のディザ制御の実施条件が成立しているか否かを判定する(S21)。実施条件が成立していない場合(S21:NO)、要求値算出部M81は、本処理ルーチンを一旦終了する。一方、実施条件が成立している場合(S21:YES)、要求値算出部M81は、ばね上制振制御が未だ実施されているか否かを判定する(S22)。ばね上制振制御が未だ実施されている場合(S22:YES)、要求値算出部M81は、ばね上制振制御の実施が終了するまでステップS22の判定を繰り返す。
図5に示すタイミングt1以前では、ディザ制御の実施条件が成立していない一方で、ばね上制振制御の実施条件が成立している。そのため、図5に示すように、タイミングt1以前では、ディザ制御が実施されていない一方で、ばね上制振制御が実施されている。これにより、ばね上振動が発生する期間では、ばね上制振制御の実施による吸気量目標値GATの補正によって、スロットル開度TAが補正される。
次に、内燃機関の制御装置の第2の実施形態を図6及び図7に従って説明する。第2の実施形態では、ばね上制振制御を実施するときにはディザ制御及びディザ時補正制御の実施を禁止する点が第1の実施形態と相違している。そこで、以下の説明においては、第1の実施形態と相違している部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図6に示すように、本処理ルーチンにおいて、駆動トルク変換部M24は、上記のばね上制振制御の実施条件が成立しているか否かを判定する(S31)。実施条件が成立していない場合(S31:NO)、駆動トルク変換部M24は、制振用トルク補正量TrqSを「0」と等しくする(S32)。その後、駆動トルク変換部M24は、本処理ルーチンを一旦終了する。
図7に示すように、本処理ルーチンにおいて、要求値算出部M81は、上記のディザ制御の実施条件が成立しているか否かを判定する(S41)。実施条件が成立していない場合(S41:NO)、要求値算出部M81は、本処理ルーチンを一旦終了する。一方、実施条件が成立している場合(S41:YES)、要求値算出部M81は、上記のばね上制振制御の実施条件が成立しているか否かを判定する(S42)。
本実施形態では、ばね上制振制御が実施されるときには、ディザ制御及びディザ時補正制御の実施が禁止される。これにより、ディザ時補正制御による吸入空気量GAの補正と、ばね上制振制御による吸入空気量GAの補正とが互いに干渉することを防止できる。その結果、吸入空気量GAが急変することが抑制される。したがって、各気筒#1〜#4内での混合気の空燃比の変動を抑制でき、ひいては各気筒#1〜#4内での混合気の燃焼が不安定になることを抑制できる。
・第1の実施形態では、ディザ制御及びディザ時補正制御を実施するときには、ばね上制振制御を実施しないようにしている。しかし、ディザ時補正制御の実施による吸入空気量GAの補正と、ばね上制振制御の実施による吸入空気量GAの補正との干渉度合いを低減させることができるのであれば、ディザ制御の実施中でもばね上制振制御を実施させるようにしてもよい。ただし、この場合、ばね上制振制御の実施による吸入空気量GAの補正量に制限を設けることが好ましい。例えば、駆動トルク変換部M24で導出された制振用トルク補正量TrqSに所定の補正ゲイン(0よりも大きく、且つ1よりも小さい値)を乗算し、この減少補正後の制振用トルク補正量TrqSを要求トルク設定部M10の加算器M14に入力させる。これにより、要求トルクTrqの増大補正が抑制される分、ばね上制振制御の実施による吸入空気量GAの補正量を小さくすることができる。
・内燃機関10は、4気筒の内燃機関以外の他の内燃機関(例えば、6気筒の内燃機関)であってもよい。
Claims (1)
- 内燃機関の複数の気筒のうちの一部の気筒が、理論空燃比よりも混合気の空燃比がリッチとなるリッチ燃焼気筒となり、前記各気筒のうちの前記リッチ燃焼気筒とは別の気筒が、理論空燃比よりも混合気の空燃比がリーンとなるリーン燃焼気筒となるように、前記各気筒内への燃料供給量を調整するディザ制御を実施するディザ制御部と、
吸入空気量の目標値である吸気量目標値を算出する吸気量目標値算出部と、を備え、
前記吸気量目標値算出部は、
前記ディザ制御が実施されているときには、同ディザ制御が実施されていないときよりも前記吸気量目標値が大きくなるように、同吸気量目標値を算出するディザ時補正制御と、
車両のばね上振動に応じて前記吸気量目標値を補正するばね上制振制御と、を実施するようになっており、
前記ディザ制御及び前記ばね上制振制御の何れか一方の制御が実施されているときには、他方の制御の実施を禁止する、又は、同他方の制御に制限を設ける
内燃機関の制御装置。
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