JPH0763092A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置

Info

Publication number
JPH0763092A
JPH0763092A JP5208064A JP20806493A JPH0763092A JP H0763092 A JPH0763092 A JP H0763092A JP 5208064 A JP5208064 A JP 5208064A JP 20806493 A JP20806493 A JP 20806493A JP H0763092 A JPH0763092 A JP H0763092A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
injection amount
fuel ratio
fuel
air
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5208064A
Other languages
English (en)
Inventor
Michio Morishita
道夫 森下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP5208064A priority Critical patent/JPH0763092A/ja
Publication of JPH0763092A publication Critical patent/JPH0763092A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】燃料噴射弁の経時変化等により気筒群間で燃料
噴射量にばらつきが生じても、気筒群毎に下流側空燃比
センサを設けたり、各気筒群からの排気ガスを触媒上流
で合流させたりせずに、気筒群間で空燃比に差が生ずる
のを抑制する。 【構成】エンジン本体1の気筒群G1,G2毎の排気系
を、排気マニホルド19及び触媒コンバータ18からな
るデュアルマニバータ14によって構成する。触媒コン
バータ18内の触媒21,22上流に共通の上流側酸素
センサ25を設け、下流に共通の下流側酸素センサ26
を設ける。電子制御装置(ECU)36は、各酸素セン
サ25,26の出力に応じ基本噴射量を補正して最終噴
射量を求め、その値に応じて燃料噴射弁7を駆動制御す
る。ECU36は下流側酸素センサ26の出力周期と上
流側酸素センサ25の出力周期との偏差が判定値より小
さいとき、判定値以上となるように気筒群G1,G2毎
に基本噴射量を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の燃料噴射制御
装置に係り、より詳しくは、排気ガス浄化用触媒の上流
側及び下流側にそれぞれ空燃比センサを設け、上流側空
燃比センサによる空燃比フィードバック制御に加えて、
下流側空燃比センサによる空燃比フィードバック制御を
行うようにした内燃機関の燃料噴射制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、一般的な内燃機関の燃料噴射
制御に際しては、機関への吸入空気量及び機関回転数
(あるいは吸気管圧力)に基づき基本噴射量を演算し、
その基本噴射量を補正して最終的な目標噴射量(最終噴
射量)を求めている。この補正の1つとして、空燃比補
正係数を用いた空燃比フィードバック制御がある。すな
わち、排気系に設けられた触媒が高い浄化性能を発揮す
るのは、空燃比A/Fが理論空燃比となったときであ
る。そのため、内燃機関からの排気ガス中の特定成分濃
度(一般的には酸素濃度)を、触媒上流に設けた空燃比
センサ(一般的には酸素センサ)で検出し、その検出信
号に基づいて空燃比補正係数を演算し、この補正係数で
基本噴射量を補正する。補正により得られた最終噴射量
に応じた燃料噴射を行うことで、空燃比A/Fを理論空
燃比近傍に収束させるようにしている。
【0003】そして、上記空燃比フィードバック制御に
関連する技術として、ダブル酸素センサシステムが提案
されている。このシステムは、触媒の下流に別の酸素セ
ンサを設け、上流側酸素センサによる空燃比フィードバ
ック制御に加え、下流側酸素センサによる空燃比フィー
ドバック制御を行うものである。下流側酸素センサは、
触媒の酸素ストレージ効果を利用して空燃比A/Fをで
きる限り理論空燃比に近づけるべく、空燃比A/Fを補
正するために用いられる。下流側酸素センサの出力特性
(周期、振幅等)は、通常、上流側酸素センサの出力特
性とは大きく異なる傾向を示す。このシステムでは、2
つの酸素センサの出力に基づく空燃比フィードバック制
御を行うことで、上流側酸素センサの出力特性のばらつ
きを下流側酸素センサにより吸収し、排気エミッション
を良好に維持しようとしている。
【0004】ところで、上記システムを適用した技術と
しては、例えば特開平4−339149号公報に開示さ
れたものがある。この技術では、多気筒内燃機関が第1
気筒群及び第2気筒群の2つの気筒群を有し、両気筒群
の排気系としてデュアル排気管が用いられている。デュ
アル排気管は、点火順序の影響により排気ガス干渉が起
こって機関出力が低下するのを防止するための排気管で
ある。デュアル排気管の各々の途中箇所には触媒が配置
され、各触媒の上流に上流側酸素センサが設けられ、触
媒下流の排気管集合部に共通の下流側酸素センサが設け
られている。そして、上下各酸素センサの出力に基づく
空燃比A/Fのフィードバック制御が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術においては、1つの酸素センサを2つの気筒群の共通
の下流側酸素センサとして機能させているので、燃料噴
射弁の経時変化等により気筒群間で燃料噴射量がばらつ
いた場合、空燃比A/Fが大きく変動する問題がある。
【0006】例えば、第1気筒群の燃料噴射量が大、第
2気筒群の燃料噴射量が小になったとすると、第1気筒
群には空燃比A/Fのリッチな混合気が流れ、第2気筒
群には空燃比A/Fのリーンな混合気が流れる。この状
態で空燃比フィードバック制御が実行されると、仮に上
流側酸素センサがリッチ信号を出力している状態では、
燃料噴射量が減量補正される。この際、第1気筒群から
の排気ガス中の酸素濃度は第2気筒群からの排気ガス中
の酸素濃度よりも高いので、第1気筒群の空燃比A/F
が理論空燃比よりもリーンになる(上流側酸素センサが
リーン信号を出力する)まで、同気筒群の燃料噴射量が
減量される。第2気筒群でも同量だけ燃料噴射量が減量
されるので、もともとリーンである第2気筒群の空燃比
A/Fはさらにリーンになる。
【0007】前記とは逆に、上流側酸素センサがリーン
信号を出力している状態では、燃料噴射量が増量補正さ
れる。この際、第2気筒群からの排気ガス中の酸素濃度
が第1気筒群からの排気ガス中の酸素濃度よりも低いの
で、第2気筒群の空燃比A/Fが理論空燃比よりもリッ
チになる(上流側酸素センサがリッチ信号を出力する)
まで、同気筒群の燃料噴射量が減量される。第1気筒群
でも同量だけ燃料噴射量が増量されるので、もともとリ
ッチである第1気筒群の空燃比A/Fはよりリッチにな
る。
【0008】このようにして、触媒に流れる排気ガスは
第1気筒群側では濃く、第2気筒群側では希薄になり、
気筒群間で空燃比A/Fに差が生ずる。このため、双方
の濃度の影響を受けて下流側酸素センサのリッチ・リー
ンの反転が早くなり、同酸素センサの出力特性は上流側
酸素センサの出力特性と同様な傾向を示すようになる。
その結果、このような下流側酸素センサの出力に応じて
基本噴射量の補正をすると過補正となり、気筒群間での
空燃比A/Fの差がさらに拡大してしまう。
【0009】前記の不具合に対しては、下流側酸素セン
サを気筒群毎に設けることが考えられる。しかし、この
ようにすると気筒群間での空燃比A/Fの差を小さくで
きるものの、下流側酸素センサの数が増える分、システ
ムのコストが上昇してしまう。
【0010】別の対策として、第1気筒群からの排気ガ
スと第2気筒群からの排気ガスとを触媒上流で混合させ
て、触媒内における排気ガス中の酸素濃度を均一にする
ことが考えられる。しかし、このようにすると、排気ガ
ス干渉を抑える排気系のデュアル効果が損なわれ、本来
の目的である性能(機関出力)向上が得られない。
【0011】一方、上流側酸素センサ及び下流側酸素セ
ンサの各出力信号に基づき触媒の劣化を検出する技術が
開発されている(例えば、特開昭61−286550号
公報参照)。この技術では、触媒劣化により下流側酸素
センサが未燃ガスの影響を大きく受け、その出力の振幅
が大きくなるとともに周期が短くなることを、触媒の劣
化検出に利用している。しかし、上記したように、気筒
群間で燃料噴射量にばらつきが生ずると、下流側酸素セ
ンサのリッチ・リーンの反転が早くなる。この出力特性
は、触媒劣化時の下流側酸素センサの出力特性と類似し
ている。このため、触媒が劣化していないにもかかわら
ず劣化していると誤判定してしまうおそれがある。
【0012】第1〜第3の発明は前述した事情に鑑みて
なされたものであり、その目的は、排気ガス干渉を起こ
りにくくするために気筒群毎に排気ガスの通路を集合さ
せた排気系を有し、かつ、触媒の上流及び下流にそれぞ
れ空燃比センサを設け、各空燃比センサの出力に基づき
空燃比フィードバック制御を行うようにした内燃機関に
おいて、燃料噴射弁の経時変化等により気筒群間で燃料
噴射量にばらつきが生じても、気筒群毎に下流側空燃比
センサを設けたり、各気筒群からの排気ガスを触媒上流
で合流させたりする対策を採らずに、気筒群間で空燃比
に差が生ずるのを抑制できる内燃機関の燃料噴射制御装
置を提供することにある。さらに、第3の発明の目的
は、前記目的に加え、気筒群間での燃料噴射量のばらつ
きによる影響を除いて触媒の劣化判定を行い、その判定
精度を向上させることができる内燃機関の燃料噴射制御
装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は、図1に示すように、複数の気筒群M1
A,M1Bを有する機関本体M1と、前記機関本体M1
の各気筒に連通する吸気通路M2において気筒群M1
A,M1B毎に設けられ、その吸気通路M2を流通する
空気に燃料を噴射して混合気を生成するための燃料噴射
弁M3A,M3Bと、前記各気筒からの排気ガスを流通
可能にした気筒数と同数の排気分岐部M4A(a),M
4B(a)、及び同排気分岐部M4A(a),M4B
(a)の下流側に設けられた気筒群数と同数の排気集合
部M4A(b),M4B(b)からなり、排気ガス干渉
を防止するための排気通路M4A,M4Bと、前記排気
通路M4A,M4Bの各排気集合部M4A(b),M4
B(b)の途中に配設された排気ガス浄化用の触媒M5
A,M5Bと、前記機関本体M1の運転状態を検出する
運転状態検出手段M6と、前記運転状態検出手段M6に
よる運転状態に基づき、各燃料噴射弁M3A,M3Bの
共通の基本噴射量を算出する基本噴射量算出手段M7
と、前記触媒M5A,M5Bの上流に設けられ、同触媒
M5A,M5Bによる浄化前の排気ガス中の特定成分濃
度を検出する上流側空燃比センサM8と、前記触媒M5
A,M5Bの下流に共通に設けられ、同触媒M5A,M
5Bによる浄化後の排気ガス中の特定成分濃度を検出す
る1つの下流側空燃比センサM9と、前記混合気の空燃
比を所定空燃比とするべく、前記上流側空燃比センサM
8及び下流側空燃比センサM9の各出力に応じて、前記
基本噴射量算出手段M7による基本噴射量を補正して最
終噴射量を算出する最終噴射量算出手段M10と、前記
最終噴射量算出手段M10による最終噴射量に応じて燃
料噴射弁M3A,M3Bを駆動制御する駆動制御手段M
11とを備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記上流側空燃比センサM8の出力状態及び下流側空燃
比センサM9の出力状態の変化度合を算出する変化度合
算出手段M12と、前記変化度合算出手段M12による
変化度合が予め設定した所定値よりも小さいとき、その
変化度合が所定値以上となるように、基本噴射量算出手
段M7による基本噴射量を気筒群M1A,M1B毎に補
正する基本噴射量補正手段M13とを設けている。
【0014】第2の発明は、前記第1の発明の構成に加
え、複数の気筒群を2つの気筒群M1A,M1Bにて構
成し、前記変化度合算出手段M12による変化度合が所
定値よりも小さいとき、基本噴射量補正手段M13によ
り、一方の気筒群M1A(M1B)での基本噴射量を増
量補正するとともに、他方の気筒群M1B(M1A)で
の基本噴射量を減量補正して、前記変化度合を所定値以
上にするようにしている。
【0015】第3の発明は、前記第1又は第2の発明の
構成に加え、図1において二点鎖線で示すように、基本
噴射量補正手段M13による補正量が予め定めた所定範
囲から外れても、基本噴射量補正後の変化度合算出手段
M12による変化度合が所定値よりも小さいとき、上流
側空燃比センサM8の出力状態と、下流側空燃比センサ
M9の出力状態との変化度合に基づき触媒M5A,M5
Bの劣化判定を行う触媒劣化判定手段M14を設けてい
る。
【0016】
【作用】第1又は第2の発明における機関本体M1の運
転時には、吸気通路M2を流通する空気に、燃料噴射弁
M3A,M3Bからの噴射燃料が加わって所定空燃比の
混合気が生成される。混合気は、吸気通路M2から各気
筒群M1A,M1Bの各気筒に取り込まれる。また、各
気筒からの排気ガスは、排気通路M4A,M4Bの排気
分岐部M4A(a),M4B(a)を通り、排気集合部
M4A(b),M4B(b)で集合される。この際、排
気ガス干渉が抑制される。排気ガスは、各排気集合部M
4A(b),M4B(b)の途中に配設された触媒M5
A,M5Bで浄化される。
【0017】前記機関本体M1の運転に際しては、燃料
噴射弁M3A,M3Bによる燃料噴射が以下のようにし
て制御される。機関本体M1の運転状態が運転状態検出
手段M6によって検出される。前記運転状態検出手段M
6による運転状態に基づき、各燃料噴射弁M3A,M3
Bからの基本噴射量が基本噴射量算出手段M7によって
算出される。また、機関本体M1の運転時には、触媒M
5A,M5Bによる浄化前の排気ガス中の特定成分濃度
が上流側空燃比センサM8によって検出される。触媒M
5A,M5Bによる浄化後の排気ガス中の特定成分濃度
が下流側空燃比センサM9によって検出される。この
際、気筒群M1A,M1B間で燃料噴射量にばらつきが
なく、触媒M5A,M5Bが劣化していなければ、下流
側空燃比センサM9の出力特性は、上流側空燃比センサ
M8の出力特性とは異なる傾向を示す。
【0018】最終噴射量算出手段M10は、機関本体M
1への混合気の空燃比を所定空燃比とするために、上流
側空燃比センサM8及び下流側空燃比センサM9の各出
力に応じて、前記基本噴射量を補正して最終噴射量を算
出する。算出された最終噴射量に応じ、駆動制御手段M
11は燃料噴射弁M3A,M3Bを駆動制御する。
【0019】ところで、上記したように1つの空燃比セ
ンサが複数の気筒群M1A,M1Bの共通の下流側空燃
比センサM9として機能している。このため、前記のよ
うな燃料噴射制御が行われていて、燃料噴射弁M3A,
M3Bの経時変化等により気筒群M1A,M1B間で燃
料噴射量にばらつきが生じた場合、気筒群M1A,M1
B間で空燃比に差が生じ、触媒M5A,M5Bを流れる
排気ガス中の特定成分濃度が気筒群M1A,M1B毎に
異なるようになる。すると、触媒M5A,M5Bを流れ
る排気ガス中の特定成分濃度の影響を受けて、下流側空
燃比センサM9の出力特性は上流側空燃比センサM8の
出力特性と同様な傾向を示すようになる。その結果、こ
の下流側空燃比センサM9の出力に従って基本噴射量の
補正をすると、過補正となり、気筒群M1A,M1B間
での空燃比の差がさらに拡大してしまう。
【0020】これに対し第1又は第2の発明では、変化
度合算出手段M12が、上流側空燃比センサM8の出力
状態及び下流側空燃比センサM9の出力状態の変化度合
を算出する。算出された変化度合が予め設定した所定値
よりも小さいとき、基本噴射量補正手段M13は基本噴
射量算出手段M7によって求められた基本噴射量を、気
筒群M1A,M1B毎に補正する。
【0021】従って、気筒群M1A,M1B間で燃料噴
射量がばらついても、基本噴射量の補正によりそのばら
つきが吸収され、上下両空燃比センサM8,M9の出力
状態の変化度合が所定値以上にされる。すなわち、下流
側空燃比センサM9の出力特性が、上流側空燃比センサ
M8の出力特性とは異なる傾向を示すようになる。この
下流側空燃比センサM9の出力に応じて前記基本噴射量
を補正すれば、気筒群M1A,M1B間での空燃比の差
が少なくなる。
【0022】特に、複数の気筒群が2つの気筒群M1
A,M1Bにて構成された第2の発明では、前記変化度
合算出手段M12による変化度合が所定値よりも小さい
とき、基本噴射量補正手段M13は、一方の気筒群M1
A(M1B)での燃料噴射量を増量補正するとともに、
他方の気筒群M1B(M1A)での燃料噴射量を減量補
正する。
【0023】なお、前記のように空燃比の差を小さくす
るに当たって、気筒群M1A,M1B毎に下流側空燃比
センサを設けたり、各気筒群M1A,M1Bからの排気
ガスを触媒M5A,M5B上流で合流させたりする対策
を採っていない。このため、上記の対策にともなう弊害
(下流側空燃比センサの追加や排気ガス干渉の発生)は
ない。
【0024】ところで、気筒群M1A,M1B間で燃料
噴射量にばらつきが生じているときの下流側空燃比セン
サM9の出力状態は、触媒M5A,M5Bが劣化してい
るときの下流側空燃比センサM9の出力状態と類似して
いる。このため、気筒群M1A,M1B間で燃料噴射量
にばらつきが生じているときに、何らかの対策を打たず
に触媒M5A,M5Bの劣化判定を行うと、誤判定して
しまうおそれがある。
【0025】これに対し第3の発明では、基本噴射量補
正手段M13による補正量が所定範囲から外れても、基
本噴射量補正後の変化度合算出手段M12による変化度
合が依然として所定値よりも小さいとき、触媒劣化判定
手段M14が上流側空燃比センサM8の出力状態と、下
流側空燃比センサM9の出力状態との変化度合に応じて
触媒M5A,M5Bの劣化判定を行う。すなわち、各気
筒群M1A,M1B間での燃料噴射量のばらつきの影響
が除かれた状態で触媒劣化判定が行われる。従って、ば
らつきの影響が除かれた分、劣化判定の精度が向上す
る。
【0026】
【実施例】以下、第1〜第3の発明を具体化した一実施
例を図2〜図8に従って説明する。
【0027】車両には、内燃機関としてのガソリンエン
ジンが搭載されている。図2に示すように、ガソリンエ
ンジンの主要部を構成する機関本体としてのエンジン本
体1には、4つの気筒(第1気筒♯1、第2気筒♯2、
第3気筒♯3、第4気筒♯4)が順に配列されている。
これらの気筒♯1〜♯4は2つの気筒群に分割されてい
る。一方の気筒群である第1気筒群G1は、第1気筒♯
1及び第4気筒♯4からなる。他方の気筒群である第2
気筒群G2は、第2気筒♯2及び第3気筒♯3からな
る。気筒♯1〜♯4はそれぞれ燃焼室(図示しない)を
備えており、各燃焼室に吸気通路2が連通するととも
に、排気通路12又は排気通路13が連通している。
【0028】吸気通路2には、上流側からエンジン本体
1に向けて順に、エアクリーナ3、スロットルバルブ
4、サージタンク5、吸気マニホルド6が配設されてお
り、これらを介して外気がエンジン本体1に取り込まれ
る。スロットルバルブ4は吸気通路2を流通する吸入空
気の量を調節するためのものであり、アクセルペダル
(図示しない)の操作に連動して開閉される。また、サ
ージタンク5は吸入空気の脈動を平滑化させるためのも
のである。
【0029】吸気マニホルド6には、各気筒♯1〜♯4
に向けて燃料を噴射供給するための燃料噴射弁7が取付
けられている。そして、各燃料噴射弁7から噴射される
燃料と吸気通路2内へ導入された外気とからなる混合気
は、各燃焼室内へ導入される。
【0030】各燃焼室に導入された混合気に着火するた
めに、エンジン本体1には気筒♯1〜♯4毎に点火プラ
グ8が取付けられている。点火プラグ8はディストリビ
ュータ9にて分配された点火信号に基づいて駆動され
る。ディストリビュータ9は、イグナイタ11から出力
される高電圧を、エンジン本体1のクランク角に同期し
て点火プラグ8に分配する。そして、燃焼室内へ導入さ
れた混合気が点火プラグ8の点火によって爆発・燃焼さ
れ、エンジン本体1の駆動力が得られる。本実施例では
各気筒♯1〜♯4の配列順序とは異なる順序、例えば、
第1気筒♯1、第3気筒♯3、第4気筒♯4及び第2気
筒♯2の順で点火が行われる。このような順で燃焼室に
て生成した燃焼ガスは、排気通路12,13を通じて外
部へ排出される。
【0031】排気通路12,13の上流側部分はデュア
ルマニバータ14によって構成されている。デュアルマ
ニバータ14は、内部がセパレータ15によって2つの
空間(第1空間16、第2空間17)に仕切られた触媒
コンバータ18と、各気筒♯1〜♯4及び触媒コンバー
タ18間を接続する排気マニホルド19とを備えてい
る。
【0032】排気マニホルド19は第1分岐管19A、
第2分岐管19B、第3分岐管19C及び第4分岐管1
9Dからなり、それらの上流端は対応する番号の気筒♯
1〜♯4に接続されている。第1分岐管19A及び第4
分岐管19Dの各下流端は、第1空間16に連通した状
態で触媒コンバータ18に接続されている。同様に、第
2分岐管19B及び第3分岐管19Cの各下流端は、第
2空間17に連通した状態で触媒コンバータ18に接続
されている。
【0033】このため、第1気筒♯1からの排気ガス及
び第4気筒♯4からの排気ガスは、それぞれ第1分岐管
19A及び第4分岐管19Dに沿って流れる。そして、
これらの2つの分岐管19A,19Dからの排気ガス
は、若干の時間差をもって触媒コンバータ18内の第1
空間16に流入する。同様に、第2気筒♯2からの排気
ガス及び第3気筒♯3からの排気ガスは、それぞれ第2
分岐管19B及び第3分岐管19Cに沿って流れる。そ
して、これらの2つの分岐管19B,19Cからの排気
ガスは、若干の時間差をもって触媒コンバータ18内の
第2空間17に流入する。
【0034】触媒コンバータ18の各空間16,17に
は、その上流部分及び下流部分を残した状態でそれぞれ
触媒21,22が収容されている。それぞれの空間1
6,17で合流した排気ガスは触媒21,22を通過す
る。その通過の途中で、排気ガス中の有害成分の浄化が
行われる。すなわち、触媒21,22の作用により、一
酸化炭素(CO)及び炭化水素(HC)の酸化と、窒素
酸化物(NOx)の還元とが同時に行われ、二酸化炭
素、水蒸気及び窒素に清浄化される。
【0035】触媒コンバータ18の下流には、第1空間
16に連通した状態で第1導出管23が接続されるとと
もに、第2空間17に連通した状態で第2導出管24が
接続されている。両導出管23,24の下流端は互いに
集合されて1本となっている。このため、上記のように
触媒21,22で浄化された後の排気ガスは、対応する
導出管23,24を通った後に合流する。
【0036】本実施例では、前記排気マニホルド19の
第1分岐管19A及び第4分岐管19Dによって排気分
岐部が構成され、第1空間16及び第1導出管23によ
って排気集合部が構成されている。さらに、これら排気
分岐部及び排気集合部によって排気通路12が構成され
ている。同様に、前記排気マニホルド19の第2分岐管
19B及び第3分岐管19Cによって排気分岐部が構成
され、第2空間17及び第2導出管24によって排気集
合部が構成されている。さらに、これら排気分岐部及び
排気集合部によって排気通路13が構成されている。
【0037】上記構成のデュアルマニバータ14では、
触媒21,22をできるだけ排気通路12,13の上流
に配置し、かつ排気干渉を受けにくいデュアル排気管と
することにより、排気浄化とエンジン出力の向上とを両
立させている。
【0038】触媒コンバータ18内において、両触媒2
1,22の上流には上流側空燃比センサとしての1つの
上流側酸素センサ25が配設され、両触媒21,22の
下流には下流側空燃比センサとしての1つの下流側酸素
センサ26が配設されている。より詳しくは、各気筒群
G1,G2からの排気ガスが上下各酸素センサ25,2
6に均等に当たるようにするために、セパレータ15に
おいて、両触媒21,22よりも上流側部分に開口が設
けられ、ここに上流側酸素センサ25が取付けられてい
る。同様に、セパレータ15において、両触媒21,2
2よりも下流側部分に開口が設けられ、ここに下流側酸
素センサ26が取付けられている。
【0039】上流側酸素センサ25は、図4(a)に示
すように、触媒21,22による浄化前の排気ガス中の
特定成分濃度である残存酸素濃度を検知し、その濃度に
応じた電気信号(出力電圧V1)を出力する。下流側酸
素センサ26は、図4(d)に示すように、触媒21,
22による浄化後の排気ガス中の特定成分濃度である残
存酸素濃度を検知し、その濃度に応じた電気信号(出力
電圧V2)を出力する。
【0040】図2に示すように、前記エンジン本体1に
は、上記上流側酸素センサ25及び下流側酸素センサ2
6以外にも、スロットルセンサ27、吸気圧センサ2
8、水温センサ29、回転数センサ30、気筒判別セン
サ31、車速センサ32、シフト位置センサ33等が設
けられている。吸気圧センサ28及び回転数センサ30
は、基本噴射量算出の際に必要なエンジン本体1の運転
状態を検出するための運転状態検出手段となっている。
【0041】スロットルセンサ27はスロットルバルブ
4の近傍に設けられ、その開度(スロットル開度)TA
を検出する。吸気圧センサ28はサージタンク5に設け
られ、吸気管圧力(絶対圧)PMを検出する。水温セン
サ29はウォータアウトレットハウジング等に取付けら
れ、エンジン本体1内を流れる冷却水の温度(冷却水
温)THWを検出する。回転数センサ30は、前記ディ
ストリビュータ9に内蔵されたロータ(図示しない)の
回転からエンジン本体1の回転数(エンジン回転数)N
Eを検出する。気筒判別センサ31は、同じくディスト
リビュータ9のロータの回転に応じてエンジン本体1の
クランク角の変化を所定の割合で検出する。車速センサ
32はエンジン本体1に駆動連結された変速機(図示し
ない)に設けられ、車両の走行速度(車速)SPDを検
出する。シフト位置センサ33は運転席のシフトレバー
34の近傍に設けられ、変速機の変速操作時のシフト位
置を検出する。
【0042】前記各センサ25〜33からの出力信号に
応じて燃料噴射弁7及びイグナイタ11を駆動制御する
ために電子制御装置(以下、単に「ECU」という)3
6が設けられている。図3にはこのECU36の電気的
構成等を示す。ECU36は、中央処理装置(CPU)
37、読出し専用メモリ(ROM)38、ランダムアク
セスメモリ(RAM)39、バックアップRAM41、
外部入力回路42及び外部出力回路43を備え、これら
は互いにバス44によって接続されている。
【0043】CPU37は、基本噴射量算出手段、最終
噴射量算出手段、駆動制御手段、変化度合算出手段、基
本噴射量補正手段及び触媒劣化判定手段を構成してい
る。CPU37は、予め設定された制御プログラムに従
って各種演算処理を実行する。ROM38は、CPU3
7で演算処理を実行するために必要な制御プログラムや
初期データを予め記憶している。RAM39は、CPU
37の演算結果を一時記憶する。バックアップRAM4
1は、電源が切られた後にも各種データを保持するよう
に、バッテリによってバックアップされている。
【0044】外部入力回路42には、上流側酸素センサ
25、下流側酸素センサ26、スロットルセンサ27、
吸気圧センサ28、水温センサ29、回転数センサ3
0、気筒判別センサ31、車速センサ32及びシフト位
置センサ33がそれぞれ接続されている。また、外部出
力回路43には、燃料噴射弁7及びイグナイタ11がそ
れぞれ接続されている。そして、CPU37は外部入力
回路42を介して各センサ25〜33からの出力信号を
入力値として読み込む。また、CPU37はこれら入力
値に基づき、外部出力回路43を介して燃料噴射弁7及
びイグナイタ11を駆動制御する。
【0045】例えば、CPU37は、空燃比(混合気中
の空気/燃料の重量比)A/Fを上流側酸素センサ25
及び下流側酸素センサ26の各出力信号から検出し、そ
の空燃比A/Fが理論空燃比となるように燃料噴射弁7
からの燃料噴射量を調整する。この燃料噴射量の調整を
行うために、CPU37は次式(1)に基づき、燃料噴
射弁7の最終噴射量TAUを算出する。
【0046】 TAU=TAUP×FAF1×FAF2×(FWL+α)+β …(1) ここで、TAUPは理論空燃比を得るように設定された
基本噴射量であり、回転数センサ30によるエンジン回
転数NEと、吸気圧センサ28による吸気管圧力PMと
に基づき求められる。
【0047】FAF1は上流側酸素センサ25の出力信
号の変化にともない変化する第1のフィードバック補正
係数であり、FAF2は下流側酸素センサ26の出力信
号の変化にともない変化する第2のフィードバック補正
係数である。これらのフィードバック補正係数FAF
1,FAF2は、空燃比A/Fが理論空燃比となるよう
に前記基本噴射量TAUPを補正するための補正係数で
ある。
【0048】図4(c),(f)には、気筒群G1,G
2間で燃料噴射量にばらつきがない場合の第1のフィー
ドバック補正係数FAF1及び第2のフィードバック補
正係数FAF2の変化をそれぞれ示す。また、図5
(c),(f)には、気筒群G1,G2間で燃料噴射量
にばらつきが生じた場合の、第1のフィードバック補正
係数FAF1及び第2のフィードバック補正係数FAF
2の変化をそれぞれ示す。
【0049】上記式(1)中のFWLは、冷間時の運転
性確保を目的として、基本噴射量TAUPを増量補正す
るために用いられる暖機増量値である。α,βは他の運
転状態パラメータ、例えばスロットル開度TA、バッテ
リ電圧等に基づき決定される補正量である。
【0050】CPU37は、上流側酸素センサ25及び
下流側酸素センサ26の各出力信号に基づき、第1のフ
ィードバック補正係数FAF1及び第2のフィードバッ
ク補正係数FAF2を以下のようにして求める。
【0051】CPU37は、図4(a)で示すように、
上流側酸素センサ25の出力電圧V1と予め設定された
基準電圧Vr1とを比較する。CPU37は、図4
(b)で示すように、出力電圧V1が基準電圧Vr1よ
りも高ければリッチと判定し、低ければリーンと判定す
る。CPU37はリッチの場合、前回の検出結果と比較
し、リーンからリッチに反転したか否かを判定する。リ
ーンからリッチに反転すると、図4(c)に示すよう
に、CPU37はFAF1−RS1(RS1はスキップ
量)を新たな第1のフィードバック補正係数FAF1と
するとともに、リーンからリッチに反転がないとFAF
1−KI1(KI1は積分量,RS1≫KI1)を新た
な第1のフィードバック補正係数FAF1とする。
【0052】また、CPU37は上流側酸素センサ25
からの信号に基づく空燃比A/Fがリーンの場合、前回
の検出結果と比較し、リッチからリーンに反転したか否
かを判定する。リッチからリーンに反転すると、CPU
37はFAF1+RS1を新たな第1のフィードバック
補正係数FAF1とするとともに、リッチからリーンに
反転がないとFAF1+KI1を新たな第1のフィード
バック補正係数FAF1とする。
【0053】従って、リッチとリーンとの間で反転があ
ると、CPU37は燃料噴射量を増減するべく第1のフ
ィードバック補正係数FAF1を階段状に変化(スキッ
プ)させるとともに、リッチ又はリーンのときには第1
のフィードバック補正係数FAF1を徐々に増減させ
る。
【0054】なお、空燃比A/Fが理論空燃比に制御さ
れているとき、第1のフィードバック補正係数FAF1
は「1.0」を中心に変動する。前記と同様にして、C
PU37は、図4(d)で示すように、下流側酸素セン
サ26の出力電圧V2と予め設定された基準電圧Vr2
とを比較する。CPU37は、図4(e)で示すよう
に、出力電圧V2が基準電圧Vr2よりも高ければリッ
チと判定し、低ければリーンと判定する。CPU37は
リッチの場合、前回の検出結果と比較し、リーンからリ
ッチに反転したか否かを判定する。リーンからリッチに
反転すると、図4(f)に示すように、CPU37はF
AF2−RS2(RS2はスキップ量)を新たな第2の
フィードバック補正係数FAF2とするとともに、リー
ンからリッチに反転がないとFAF2−KI2(KI2
は積分量,RS2≫KI2)を新たな第2のフィードバ
ック補正係数FAF2とする。
【0055】また、CPU37は下流側酸素センサ26
からの信号に基づく空燃比A/Fがリーンの場合、前回
の検出結果と比較し、リッチからリーンに反転したか否
かを判定する。リッチからリーンに反転すると、CPU
37はFAF2+RS2を新たな第2のフィードバック
補正係数FAF2とするとともに、リッチからリーンに
反転がないとFAF2+KI2を新たな第2のフィード
バック補正係数FAF2とする。
【0056】従って、リッチとリーンとの間で反転があ
ると、CPU37は燃料噴射量を増減するべく第2のフ
ィードバック補正係数FAF2を階段状に変化(スキッ
プ)させるとともに、リッチ又はリーンのときには第2
のフィードバック補正係数FAF2を徐々に増減させ
る。
【0057】なお、図5には気筒群G1,G2間で燃料
噴射量にばらつきが生じた場合の、上下両酸素センサ2
5,26の出力電圧V1,V2、両フィードバック補正
係数FAF1,FAF2等を示す。図中の(a)〜
(f)は前記した図4の(a)〜(f)に対応してい
る。
【0058】図4及び図5からわかるように、気筒群G
1,G2間で燃料噴射量のばらつきがない場合には、上
流側酸素センサ25と下流側酸素センサ26とでは全く
異なる傾向の波形が出力されている。しかし、燃料噴射
量のばらつきが生ずると、下流側酸素センサ26の出力
波形は上流側酸素センサ25の出力波形に近似してく
る。例えば、上流側酸素センサ25の出力周期をT1と
し、下流側酸素センサ26の出力周期をT2とした場
合、次のような傾向が見られる。燃料噴射量にばらつき
がない場合には、出力周期T1に比べ出力周期T2の方
が極めて大きい。これに対し、燃料噴射量にばらつきが
生じた場合には、出力周期T1と出力周期T2とはほぼ
同じになる。
【0059】前記のような上下両酸素センサ25,26
の出力波形での傾向は、気筒群G1,G2間で燃料噴射
量にばらつきが生じた場合以外にも、触媒21,22が
劣化した場合にも見られる。すなわち、触媒21,22
が劣化すると、排気ガスの十分な浄化が行われない。そ
の結果、未燃ガスの影響を受けて下流側酸素センサ26
の出力波形の振幅が大きく、かつ出力周期T2が小さく
なることがわかっている。
【0060】図3に示すように、CPU37は前述した
式(1)に基づき最終噴射量TAUを算出すると、それ
に応じた駆動信号を、外部出力回路43を介して燃料噴
射弁7に出力する。この信号の出力により、燃料噴射弁
7の開弁時間が制御されて所定量の燃料が噴射される。
このようにして空燃比A/Fが理論空燃比となるように
フィードバック制御が行われる。
【0061】また、CPU37は外部出力回路43を介
してイグナイタ11を制御する。そのために、エンジン
本体1の運転状態に応じた最適な点火時期が予めROM
38に記憶されており、CPU37は回転数センサ30
を含む上記各種センサからの信号によりエンジン本体1
の運転状態を検知し、最適な点火時期を演算する。そし
て、CPU37は外部出力回路43を介してイグナイタ
11へ点火指示信号を出力し点火時期を制御する。
【0062】次に、前記のように構成された本実施例の
作用及び効果を説明する。図6及び図7のフローチャー
トはCPU37によって実行される各処理のうち、基本
噴射量TAUPを気筒群G1,G2毎に補正して、第1
気筒群G1の基本噴射量TAUP1と、第2気筒群G2
の基本噴射量TAUP2とを求めるためのルーチンを示
しており、所定のタイミングで実行される。
【0063】なお、前回の基本噴射量補正ルーチンの実
行時において、例えば、第1の補正係数K1を用いて第
1気筒群G1の基本噴射量TAUP1を増量補正し、か
つ第2の補正係数K2を用いて第2気筒群G2の基本噴
射量TAUP2を減量補正しているとする。第1の補正
係数K1は、例えば「1.01」のような「1.00」
よりも大きな値である。第2の補正係数K2は、例えば
「0.99」のような「1.00」よりも小さな値であ
る。そして、第1の補正係数K1を乗算することにより
基本噴射量TAUP1を増量補正し、第2の補正係数K
2を乗算することにより基本噴射量TAUP2を減量補
正しているものとする。
【0064】さて、図6の基本噴射量補正ルーチンが開
始されると、CPU37はまずステップ101におい
て、上下両酸素センサ25,26による空燃比A/Fの
フィードバック実行条件が成立しているか否かを判定す
る。この判定条件が成立するのは、以下に示す各条件が
成立していない場合である。この条件としては、冷却水
温THWが所定値より低いこと、エンジン始動時である
こと、始動後増量時であること、高負荷走行時であるこ
と、燃料カット時であること、リーン信号又はリッチ信
号が長く継続して出力されていること等が挙げられる。
【0065】次に、CPU37はステップ102におい
て、気筒群G1,G2毎に基本噴射量TAUP1,TA
UP2を補正するための条件が成立しているか否かを判
定する。この判定条件としては、冷却水温THW、エン
ジン回転数NE、吸気管圧力PM、車速SPD、シフト
位置、上流側酸素センサ25のフィードバック状態等の
いずれか、あるいは組合せにより決定する。
【0066】CPU37は上記ステップ101,102
の両方の判定条件が満たされるまでは、これらの処理を
繰り返す。そして両判定条件が成立すると、CPU37
はステップ103において、下流側酸素センサ26の出
力周期T2と、上流側酸素センサ25の出力周期T1と
の偏差ΔTを求め、この偏差ΔTが予め設定された判定
値A以上であるか否かを判定する。この判定条件が成立
していると、CPU37は、燃料噴射弁7の経時変化等
により気筒群G1,G2間で燃料噴射量がばらついてお
らず、しかも触媒21,22が劣化していないと判断
し、このルーチンを終了する。一方、ステップ103の
判定条件が成立していないと、燃料噴射弁7の経時変化
等に起因して気筒群G1,G2間で燃料噴射量がばらつ
いているか、あるいは触媒21,22が劣化しているお
それがあると判断し、ステップ104において前回の補
正内容を確認する。ここでは、CPU37は前回の基本
噴射量補正ルーチン実行時において、第1気筒群G1の
基本噴射量TAUP1が増量補正され、かつ第2気筒群
G2の基本噴射量TAUP2が減量補正されたか、ある
いはこれとは逆に基本噴射量TAUP1が減量補正さ
れ、かつ基本噴射量TAUP2が増量補正されたかを確
認する。既述したように、第1の補正係数K1により基
本噴射量TAUP1が増量補正され、かつ第2の補正係
数K2により基本噴射量TAUP2が減量補正されてい
る。
【0067】前記補正内容を確認すると、CPU37は
ステップ105において、確認した内容と同様の傾向
(増・減量の方向)で各気筒群G1,G2の基本噴射量
TAUP1,TAUP2を補正する。この補正に際して
は、第1の補正係数K1及び第2の補正係数K2をそれ
ぞれ所定値ずつ変更する。例えば、この所定値を共通の
「0.01」とした場合、第1の補正係数K1を「1.
01」から「1.02」に変更し、第2の補正係数K2
を「0.99」から「0.98」に変更する。そして、
基本噴射量TAUP1に第1の補正係数K1を乗算し、
基本噴射量TAUP2に第2の補正係数K2を乗算し、
その結果を新たな基本噴射量TAUP1,TAUP2と
する。これらの更新にともない、最終噴射量TAUも気
筒群G1,G2間で異なる値となる。この最終噴射量T
AUに基づき、燃料噴射弁7の開弁時間が調整されるこ
とで、第1気筒群G1の噴射量が増量され、第2気筒群
G2の噴射量が減量される。
【0068】次に、CPU37はステップ106におい
て、前記ステップ103と同様にして、下流側酸素セン
サ26の出力周期T2と、上流側酸素センサ25の出力
周期T1との偏差ΔTが判定値A以上であるか否かを判
定する。この判定条件が成立していると、CPU37
は、燃料噴射弁7の経時変化等があるにもかかわらず、
前記ステップ105での基本噴射量TAUP1,TAU
P2の増減補正により、気筒群G1,G2間での燃料噴
射量のばらつきが吸収されていると判断し、図7のステ
ップ107へ移行する。
【0069】ステップ107において、CPU37は前
記ステップ105で用いた第1の補正係数K1及び第2
の補正係数K2が、予め設定した上限値Kmax 及び下限
値Kmin 間の範囲内に属しているか否かを判定する。上
・下限値Kmax ,Kmin はともに実験により求められた
値であり、例えば「1.04」,「0.96」等の値を
採る。ステップ107の処理を行うのは、上記の範囲か
ら外れた補正係数K1,K2を用いて基本噴射量TAU
P1,TAUP2の補正を行うと、気筒群G1,G2間
の燃料噴射量のばらつきを吸収できても、他の不具合を
新たに招いてしまうからである。そのため、両補正係数
K1,K2に上・下限の制限を付している。
【0070】前記ステップ107の判定条件が成立して
いないと、CPU37はそのままこのルーチンを終了す
る。一方、ステップ107の判定条件が成立している
と、CPU37はステップ108へ移行し、次回の基本
噴射量補正ルーチンの実行に備えて、両補正係数K1,
K2をそれぞれ記憶する。これは、基本噴射量補正ルー
チンの次回実行時に、今回の補正係数K1,K2を用
い、その値を基準としてステップ105での補正係数K
1,K2を決定すれば、その分、ステップ103の判定
条件を成立させるまでに要する時間を短縮できるからで
ある。両補正係数K1,K2の記憶後、CPU37はこ
のルーチンを終了する。
【0071】図6に示すように、前記ステップ105で
基本噴射量TAUP1,TAUP2の補正を実行したに
もかかわらず、ステップ106の判定条件が成立してい
ないと、CPU37はステップ109へ移行する。ステ
ップ109において、CPU37は第1の補正係数K1
が上限値Kmax よりも小さく、第2の補正係数K2が下
限値Kmin よりも大きいか否かを判定する。この判定条
件が成立していると、CPU37は前記したステップ1
05〜108の各処理を繰り返す。この繰り返しによ
り、第1の補正係数K1が「0.01」ずつ増加され
て、第1気筒群G1の基本噴射量TAUP1が徐々に増
量される。第2の補正係数K2が「0.01」ずつ減少
されて、第2気筒群G2の基本噴射量TAUP2が徐々
に減量される。そして、これらの基本噴射量TAUP
1,TAUP2の補正によりステップ106,107の
判定条件が成立すると、CPU37はそのときの補正係
数K1,K2をそれぞれ記憶して、このルーチンを終了
する。
【0072】前記ステップ109の判定条件が成立しな
いと、CPU37は図7のステップ110以降の処理を
行う。すなわち、第1の補正係数K1が上限値Kmax 以
上となり、第2の補正係数K2が下限値Kmin 以下とな
るまで、基本噴射量TAUP1,TAUP2を補正して
も、出力周期T2,T1の偏差ΔTが判定値A以上にな
らない場合がある。このような現象が起こるのは、誤っ
た方向に基本噴射量TAUP1,TAUP2を補正して
しまった場合、及び触媒21,22が劣化している場合
が考えられる。
【0073】CPU37は、ステップ110において、
前記ステップ101と同様に上下両酸素センサ25,2
6による空燃比A/Fのフィードバック実行条件が成立
しているか否かを判定する。また、CPU37はステッ
プ111において、前記ステップ102と同様に気筒群
G1,G2毎に基本噴射量TAUP1,TAUP2を補
正するための条件が成立しているか否かを判定する。C
PU37は上記ステップ110,111の両方の判定条
件が満たされるまでは、これらの処理を繰り返す。そし
て両判定条件が成立すると、CPU37はステップ11
2において、両補正係数K1,K2をともに強制的に
「1.00」にして、基本噴射量TAUP1,TAUP
2に対する補正量を一旦「0」に戻す。
【0074】次に、CPU37はステップ113におい
て、前記ステップ105で行われた補正とは逆の傾向
(増・減量の方向)で、各気筒群G1,G2の基本噴射
量TAUP1,TAUP2をそれぞれ補正する。この補
正に際しては、第1の補正係数K1及び第2の補正係数
K2をそれぞれ所定値ずつ変更する。例えば、この所定
値を共通の「0.01」とした場合、第1の補正係数K
1を「1.00」から「0.99」に変更し、第2の補
正係数K2を「1.00」から「1.01」に変更す
る。そして、基本噴射量TAUP1に第1の補正係数K
1を乗算し、基本噴射量TAUP2に第2の補正係数K
2を乗算し、その結果を新たな基本噴射量TAUP1,
TAUP2とする。これらの更新にともない、最終噴射
量TAUも気筒群G1,G2間で異なる値となる。この
最終噴射量TAUに基づき、燃料噴射弁7の開弁時間が
調整されることで、第1気筒群G1の噴射量が減量さ
れ、第2気筒群G2の噴射量が増量される。
【0075】次に、CPU37はステップ114におい
て、前記ステップ103と同様にして、上下両酸素セン
サ25,26の出力周期T1,T2の偏差ΔTが判定値
A以上であるか否かを判定する。この判定条件が成立し
ていると、CPU37は、燃料噴射弁7の経時変化等が
あるにもかかわらず、前記ステップ113での基本噴射
量TAUP1,TAUP2の増減補正により、気筒群G
1,G2間で燃料噴射量のばらつきが吸収されていると
判断し、ステップ107,108の処理を実行し、この
ルーチンを終了する。
【0076】前記ステップ113で基本噴射量TAUP
1,TAUP2の補正を実行したにもかかわらず、ステ
ップ114の判定条件が成立しないと、CPU37はス
テップ115へ移行する。ステップ115において、C
PU37は第1の補正係数K1が下限値Kmin よりも大
きく、第2の補正係数K2が上限値Kmax よりも小さい
か否かを判定する。この判定条件が成立していると、C
PU37は前記したステップ113,114の各処理を
繰り返す。この繰り返しにより、第1の補正係数K1が
「0.01」ずつ減少されて、基本噴射量TAUP1が
徐々に減量される。また、第2の補正係数K2が「0.
01」ずつ増加されて、基本噴射量TAUP2が徐々に
増量される。そして、これらの基本噴射量TAUP1,
TAUP2の補正によりステップ114,107の判定
条件が成立すると、CPU37はステップ108でその
ときの第1の補正係数K1及び第2の補正係数K2をそ
れぞれ記憶して、このルーチンを終了する。
【0077】前記ステップ115の判定条件が成立しな
いと、CPU37は、出力周期T2,T1の偏差ΔTが
判定値A以上とならない原因が、気筒群G1,G2間で
の燃料噴射量のばらつきによるものではないと判断し、
ステップ200の触媒劣化検出ルーチンを実行し、この
基本噴射量補正ルーチンを終了する。
【0078】このように本実施例では、下流側酸素セン
サ26の出力状態(出力周期T2)及び上流側酸素セン
サ25の出力状態(出力周期T1)の変化度合(偏差Δ
T)を算出する。算出した偏差ΔTと判定値Aとを比較
し(ステップ103)、偏差ΔTが判定値Aよりも小さ
いとき、その偏差ΔTが判定値A以上となるように基本
噴射量TAUP1,TAUP2をそれぞれ補正してい
る。この補正として、第1気筒群G1の基本噴射量TA
UP1を増量し、第2気筒群G2の基本噴射量TAUP
2を減量している(ステップ105)。これらの補正を
しても、偏差ΔTが判定値A以上にならない場合には、
基本噴射量TAUP1を減量補正し、基本噴射量TAU
P2を増量補正している(ステップ113)。このた
め、気筒群G1,G2間での空燃比A/Fの差を小さく
することができる。
【0079】より詳細には、本実施例では1つの酸素セ
ンサを一対の気筒群G1,G2の共通の下流側酸素セン
サ26として機能させている。このため、燃料噴射弁7
の経時変化等により気筒群G1,G2間で燃料噴射量に
ばらつきが生じた場合、気筒群G1,G2間で空燃比A
/Fに差が生じ、触媒21,22に流れる排気ガス中の
酸素濃度が気筒群G1,G2毎に異なるようになる。す
ると、触媒21,22を流れる排気ガス中の酸素濃度の
影響を受けて、下流側酸素センサ26の出力特性は上流
側酸素センサ25の出力特性と同様な傾向を示すように
なる。その結果、この下流側酸素センサ26の出力に従
って基本噴射量TAUP1,TAUP2の補正をすると
過補正となり、気筒群G1,G2間の空燃比A/Fの差
がさらに拡大してしまう。
【0080】これに対し本実施例では、気筒群G1,G
2間で燃料噴射量がばらついた場合には、そのばらつき
が、基本噴射量TAUP1,TAUP2の補正により吸
収され、上下両酸素センサ25,26の出力周期T1,
T2の偏差ΔTが判定値A以上にされる。すなわち、下
流側酸素センサ26の出力特性が、上流側酸素センサ2
5の出力特性とは異なる傾向を示すようになる。従っ
て、この下流側酸素センサ26の出力に応じて空燃比フ
ィードバック制御を行えば、気筒群G1,G2間での空
燃比A/Fの差を小さくできる。
【0081】なお、前記のように空燃比A/Fの差を小
さくするに当たって、気筒群G1,G2毎に下流側空燃
比センサを設けたり、各気筒群G1,G2からの排気ガ
スを触媒21,22上流で合流させたりする対策を採っ
ていない。このため、上記の対策にともなう弊害(下流
側空燃比センサの追加や排気ガス干渉の発生)はない。
【0082】さらに、本実施例では気筒群G1,G2間
の燃料噴射量が均一になるので、各気筒群G1,G2で
の燃焼状態も均一となる。その結果、運転性の向上や燃
費の改善が期待できる。
【0083】また、燃料噴射弁7の燃料噴射量のばらつ
きを自動的に補正できるので、従来のものに比べ、流量
公差の大きな燃料噴射弁7でも使用可能となる。次に、
触媒劣化検出ルーチンを図8に従って説明する。
【0084】このルーチンの処理が開始されると、CP
U37はまずステップ201において下流側酸素センサ
26が活性状態であるか否かを判定する。例えば、下流
側酸素センサ26の出力電圧V2が基準電圧Vr2(例
えば、0.45V)よりも低い状態から高い状態へ移行
している場合、あるいは高い状態から低い状態へ移行し
ている場合には、下流側酸素センサ26が活性状態であ
るとする。
【0085】この判定条件が成立していると、CPU3
7はステップ202において、RAM39からエンジン
回転数NEを読み出し、その値が所定の範囲(NE1<
NE<NE2)内に属しているか否かを判定する。
【0086】ステップ202の判定条件が成立している
と、CPU37はステップ203において、RAM39
から吸気管圧力PMを読み出し、その値が所定の範囲
(PM1<PM<PM2)内に属しているか否かを判定
する。NE1,NE2,PM1,PM2はそれぞれ実験
により求められたしきい値である。
【0087】前記ステップ203の判定条件が全て成立
していると、CPU37はエンジン本体1の運転状態
が、アイドル状態、加減速状態、燃料増量域等を除いた
定常状態であると判断し、ステップ204以降の処理を
実行する。一方、前記ステップ201,202,203
の判定条件の1つでも成立していないと、CPU37は
このルーチンを一旦終了する。
【0088】ステップ204において、CPU37は下
流側酸素センサ26の出力波形の振幅ΔV2が所定値
(例えば0.3V)より大きいか否かを判定する。この
判定条件が成立していると、CPU37は触媒21,2
2が劣化しているものとみなし、ステップ206へ移行
する。
【0089】また、ステップ204の判定条件が成立し
ていないと、CPU37はステップ205において、上
流側酸素センサ25の出力周期T1と下流側酸素センサ
26の出力周期T2との比(T1/T2)が所定値(例
えば、0.3)より大きいか否かを判定する。この判定
条件が成立していると、CPU37は下流側酸素センサ
26の出力周期T2が正常時に比べ小さくなっており、
触媒21,22が劣化しているおそれがあるとみなし、
ステップ206へ移行する。ステップ205の判定条件
が成立していないと、CPU37は触媒21,22が劣
化していないと判断し、このルーチンを一旦終了する。
【0090】ステップ206において、CPU37は、
ステップ204の判定条件あるいはステップ205の判
定条件が成立している累積時間を計測するために、カウ
ンタCの値を「1」インクリメントする。続いて、CP
U37はステップ207においてカウンタCの値が所定
値(例えば、「100」)を越えたか否かを判定する。
この判定条件が成立していないと、CPU37は触媒劣
化判定ルーチンを一旦終了する。
【0091】出力波形の振幅ΔV2が所定値より大きな
状態が続くか、あるいは出力周期の比(T1/T2)が
所定値より大きな状態が続くと、ステップ206の処理
によりカウンタCの値が「1」ずつ加算されてゆく。こ
の加算により、ステップ207の判定条件が成立する
と、CPU37は触媒21,22が劣化していると判断
し、ステップ208で劣化判定し、このルーチンを終了
する。
【0092】このように、本実施例では既述した気筒群
G1,G2毎の基本噴射量TAUP1,TAUP2を可
能な限り補正したにもかかわらず、出力周期T2,T1
の偏差ΔTが判定値Aよりも小さいとき、触媒21,2
2の劣化判定を行うようにしている。このため、劣化判
定の精度を良くすることができる。
【0093】より詳細には、気筒群G1,G2間で燃料
噴射量にばらつきが生じているときの下流側酸素センサ
26の出力特性は、触媒21,22が劣化しているとき
の下流側酸素センサ26の出力特性と類似している。こ
のため、気筒群G1,G2間で燃料噴射量にばらつきが
生じているときに、何らからの対策を打たずに触媒2
1,22の劣化判定を行うと、誤判定してしまうおそれ
がある。
【0094】これに対し本実施例では、前記のように基
本噴射量TAUP1,TAUP2の補正を実行すること
により、気筒群G1,G2間での燃料噴射量のばらつき
の影響を除き、その後に触媒劣化判定を行うようにして
いる。従って、燃料噴射量のばらつきの影響が除かれた
分、判定精度が向上する。
【0095】なお、第1〜第3の発明は前記実施例の構
成に限定されるものではなく、例えば以下のように各発
明の趣旨から逸脱しない範囲で任意に変更してもよい。 (1)前記実施例における基本噴射量補正ルーチンで
は、両気筒群G1,G2の基本噴射量TAUP1,TA
UP2の補正を同時に行っているが、この補正を異なる
タイミングで行うようにしてもよい。また、一方の気筒
群G1(G2)のみの基本噴射量TAUP1(TAUP
2)を増量補正、あるいは減量補正するようにしてもよ
い。
【0096】(2)前記実施例では、基本噴射量補正ル
ーチンにおいて、ステップ105,113の処理が実行
される毎に一定の値ずつ補正係数K1,K2を変化させ
たが、その変化の程度を異ならせてもよい。すなわち、
時間の経過とともに基本噴射量の補正量が変化するよう
にしてもよい。また、補正係数K1及び補正係数K2
を、互いに異なる値ずつ変化させてもよい。
【0097】(3)図8の触媒劣化検出ルーチンにおい
て、ステップ204もしくは205のいずれか一方の判
定処理を省略してもよい。また、ステップ205の処理
内容にかえて、下流側酸素センサ26の出力周期T2と
所定運転状態パラメータ、例えばエンジン回転数NEに
応じた所定値との比較により触媒21,22の劣化を判
定してもよい。
【0098】(4)第1〜第3の発明を、3つ以上の気
筒群からなる内燃機関に適用してもよい。また、各気筒
群を3つ以上の気筒から構成してもよい。 (5)前記実施例では、下流側酸素センサ26の出力周
期T2と上流側酸素センサ25の出力周期T1との偏差
ΔT(=T2−T1)を求め、これを変化度合とした
が、両出力周期T2,T1の比(T2/T1)を変化度
合としてもよい。
【0099】(6)前記実施例では上下両酸素センサ2
5,26の出力状態として出力波形の周期を用いたが、
これにかえて出力波形の周波数を用いてもよい。 (7)前記実施例では、各気筒♯1〜♯4に対応して、
その気筒数と同数(この場合4個)の燃料噴射弁7を設
けたが、気筒群G1,G2に対応して、その気筒群数と
同数(2個)の燃料噴射弁を設けてもよい。前記実施例
を例に採れば、第1気筒♯1及び第4気筒♯4に共通の
燃料噴射弁を設け、第2気筒♯2及び第3気筒♯3に共
通の燃料噴射弁を設けてもよい。
【0100】(8)第1〜第3の発明は、吸入空気量と
エンジン回転数NEとから基本噴射量TAUPを求める
タイプの燃料噴射制御装置にも適用できる。
【0101】
【発明の効果】以上詳述したように第1又は第2の発明
では、排気ガス干渉を起こりにくくするために気筒群毎
に排気ガスの通路を集合させた排気系を有し、かつ、触
媒の上流及び下流にそれぞれ空燃比センサを設け、上下
各空燃比センサの出力に基づき空燃比フィードバック制
御を行うようにした内燃機関において、上流側空燃比セ
ンサの出力状態及び下流側空燃比センサの出力状態の変
化度合を算出し、その変化度合が予め設定した所定値よ
りも小さいとき、その変化度合が所定値以上となるよう
に気筒群毎に基本噴射量を補正するようにしている。特
に、第2の発明では、複数の気筒群が2つの気筒群から
なる場合、一方の気筒群での基本噴射量を増量補正する
とともに、他方の気筒群での基本噴射量を減量補正し
て、変化度合を所定値以上にするようにしている。
【0102】このため、燃料噴射弁の経時変化等により
気筒群間で燃料噴射量にばらつきが生じても、気筒群毎
に下流側空燃比センサを設けたり、各気筒群からの排気
ガスを触媒上流で合流させたりする対策を採らずに、前
記燃料噴射量のばらつきを吸収し、気筒群間で空燃比に
差が生ずるのを抑制できる。従って、下流側空燃比セン
サ追加によるコスト上昇を抑えることができる。また、
排気ガス合流に起因する、排気ガス干渉による機関出力
低下を招くことがない。
【0103】また、第3の発明では、基本噴射量に対す
る補正量が予め定めた所定範囲から外れても、変化度合
が所定値よりも小さいとき、上流側空燃比センサの出力
状態と、下流側空燃比センサの出力状態との変化度合に
基づき触媒の劣化判定を行うようにしている。このた
め、前記第1又は第2の発明の効果に加え、気筒群間で
の燃料噴射量のばらつきによる影響を除いて触媒の劣化
判定を行うことができ、その分劣化判定の精度が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1〜第3の発明の基本的な概念構成を説明す
る概念構成図である。
【図2】第1〜第3の発明を具体化した一実施例におい
て、ガソリンエンジン及びその周辺装置を示す概略構成
図である。
【図3】一実施例におけるECUの構成等を示すブロッ
ク図である。
【図4】一実施例において、気筒群間で燃料噴射量のば
らつきがない場合の上下両酸素センサの出力波形、フィ
ードバック補正係数等を示す特性図である。
【図5】一実施例において、気筒群間で燃料噴射量のば
らつきが生じた場合の上下両酸素センサの出力波形、フ
ィードバック補正係数等を示す特性図である。
【図6】一実施例において、CPUにより実行される基
本噴射量補正ルーチンを説明するフローチャートであ
る。
【図7】同じく、基本噴射量補正ルーチンを説明するフ
ローチャートである。
【図8】一実施例において、CPUにより実行される触
媒劣化検出ルーチンを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…機関本体としてのエンジン本体、2…吸気通路、7
…燃料噴射弁、12,13…排気通路、18…排気集合
部の一部を構成する触媒コンバータ、19…排気分岐部
を構成する排気マニホルド、21,22…触媒、23…
排気集合部の一部を構成する第1導出管、24…排気集
合部の一部を構成する第2導出管、25…上流側空燃比
センサとしての上流側酸素センサ、26…下流側空燃比
センサとしての下流側酸素センサ、28…運転状態検出
手段の一部を構成する吸気圧センサ、30…運転状態検
出手段の一部を構成する回転数センサ、37…基本噴射
量算出手段、最終噴射量算出手段、駆動制御手段、変化
度合算出手段、基本噴射量補正手段及び触媒劣化判定手
段としてのCPU、G1…第1気筒群、G2…第2気筒
群、T1,T2…出力状態としての出力周期、ΔT…変
化度合、A…所定値としての判定値
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 45/00 368 G

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の気筒群を有する機関本体と、 前記機関本体の各気筒に連通する吸気通路において気筒
    群毎に設けられ、その吸気通路を流通する空気に燃料を
    噴射して混合気を生成するための燃料噴射弁と、 前記各気筒からの排気ガスを流通可能にした気筒数と同
    数の排気分岐部、及び同排気分岐部の下流側に設けられ
    た気筒群数と同数の排気集合部からなり、排気ガス干渉
    を防止するための排気通路と、 前記排気通路の各排気集合部の途中に配設された排気ガ
    ス浄化用の触媒と、 前記機関本体の運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 前記運転状態検出手段による運転状態に基づき、各燃料
    噴射弁の共通の基本噴射量を算出する基本噴射量算出手
    段と、 前記触媒の上流に設けられ、同触媒による浄化前の排気
    ガス中の特定成分濃度を検出する上流側空燃比センサ
    と、 前記触媒の下流に共通に設けられ、同触媒による浄化後
    の排気ガス中の特定成分濃度を検出する1つの下流側空
    燃比センサと、 前記混合気の空燃比を所定空燃比とするべく、前記上流
    側空燃比センサ及び下流側空燃比センサの各出力に応じ
    て、前記基本噴射量算出手段による基本噴射量を補正し
    て最終噴射量を算出する最終噴射量算出手段と、 前記最終噴射量算出手段による最終噴射量に応じて燃料
    噴射弁を駆動制御する駆動制御手段とを備えた内燃機関
    の燃料噴射制御装置において、 前記上流側空燃比センサの出力状態及び下流側空燃比セ
    ンサの出力状態の変化度合を算出する変化度合算出手段
    と、 前記変化度合算出手段による変化度合が予め設定した所
    定値よりも小さいとき、その変化度合が所定値以上とな
    るように、基本噴射量算出手段による基本噴射量を気筒
    群毎に補正する基本噴射量補正手段とを設けたことを特
    徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 複数の気筒群を2つの気筒群にて構成
    し、前記変化度合算出手段による変化度合が所定値より
    も小さいとき、基本噴射量補正手段により、一方の気筒
    群での基本噴射量を増量補正するとともに、他方の気筒
    群での基本噴射量を減量補正して、前記変化度合を所定
    値以上にするようにしたことを特徴とする請求項1に記
    載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 【請求項3】 基本噴射量補正手段による補正量が予め
    定めた所定範囲から外れても、基本噴射量補正後の変化
    度合算出手段による変化度合が所定値よりも小さいと
    き、上流側空燃比センサの出力状態と、下流側空燃比セ
    ンサの出力状態との変化度合に基づき触媒の劣化判定を
    行う触媒劣化判定手段を設けたことを特徴とする請求項
    1又は2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
JP5208064A 1993-08-23 1993-08-23 内燃機関の燃料噴射制御装置 Pending JPH0763092A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5208064A JPH0763092A (ja) 1993-08-23 1993-08-23 内燃機関の燃料噴射制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5208064A JPH0763092A (ja) 1993-08-23 1993-08-23 内燃機関の燃料噴射制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0763092A true JPH0763092A (ja) 1995-03-07

Family

ID=16550049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5208064A Pending JPH0763092A (ja) 1993-08-23 1993-08-23 内燃機関の燃料噴射制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0763092A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1213469A2 (en) 2000-12-08 2002-06-12 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Exhaust gas recirculation system for an internal combustion engine
US6725655B2 (en) 2000-12-07 2004-04-27 Nissan Motor Co., Ltd. Exhaust manifold for internal combustion engine
WO2004081353A1 (de) * 2003-03-14 2004-09-23 Emitec Gesellschaft Für Emissionstechnologie Mbh Mehrsträngiges abgassystem mit mindestens einem messfühler, wabenkörper mit einer ausnehmung für mindestens einen messfühler und verfahren zum betrieb eines mehrsträngigen abgassystems
DE102004059511B3 (de) * 2004-12-10 2005-11-10 Audi Ag System zur Steuerung des mindestens zwei Zylindergruppen einer Brennkraftmaschine zugeführten Luft/Kraftstoffverhältnisses

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6725655B2 (en) 2000-12-07 2004-04-27 Nissan Motor Co., Ltd. Exhaust manifold for internal combustion engine
EP1213469A2 (en) 2000-12-08 2002-06-12 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Exhaust gas recirculation system for an internal combustion engine
WO2004081353A1 (de) * 2003-03-14 2004-09-23 Emitec Gesellschaft Für Emissionstechnologie Mbh Mehrsträngiges abgassystem mit mindestens einem messfühler, wabenkörper mit einer ausnehmung für mindestens einen messfühler und verfahren zum betrieb eines mehrsträngigen abgassystems
JP2006520438A (ja) * 2003-03-14 2006-09-07 エミテク・ゲゼルシャフト・フュール・エミシオーンテクノロギー・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 少なくとも1つの検知器を備える多重線路排気システム、少なくとも1つの検知器のための開口を有するハニカム体、および多重線路排気システムの動作方法
CN100404811C (zh) * 2003-03-14 2008-07-23 排放技术有限公司 具有至少一个测量传感器的多路排气系统
US7721527B2 (en) 2003-03-14 2010-05-25 Emitec Gesellschaft Fuer Emissionstechnologie Mbh Multi-line exhaust system having at least one measurement sensor, honeycomb body having a recess for at least one measurement sensor, and method for operating a multi-line exhaust system
DE102004059511B3 (de) * 2004-12-10 2005-11-10 Audi Ag System zur Steuerung des mindestens zwei Zylindergruppen einer Brennkraftmaschine zugeführten Luft/Kraftstoffverhältnisses

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3577728B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
US6594987B2 (en) Apparatus for detecting fault in exhaust system of internal combustion engine
JP2893308B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPH0526032A (ja) エンジンの排気浄化装置
JP4042690B2 (ja) 内燃機関の触媒劣化診断装置
JPH07224703A (ja) 空燃比制御方法
US5440877A (en) Air-fuel ratio controller for an internal combustion engine
JP2917632B2 (ja) エンジンの空燃比制御装置
JPH08261045A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPH07229439A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPH0914022A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP5754364B2 (ja) ハイブリッド動力装置の空燃比制御装置
JPH0763092A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JPH06229290A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPH02245441A (ja) 内燃機関
JP2000097088A (ja) 内燃機関の燃料噴射量制御装置
JP3550756B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP2737482B2 (ja) 内燃機関における触媒コンバータ装置の劣化診断装置
JP4276136B2 (ja) エンジンの診断装置
JP3834951B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP2013047484A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP2600772B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP3601210B2 (ja) エンジンの空燃比制御装置
JP2681965B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP3937712B2 (ja) エンジンの空燃比制御装置