JP4276136B2 - エンジンの診断装置 - Google Patents
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Description
図7は、本発明に係る診断装置の実施形態(各実施形態共通)を、それが適用された車載用エンジンの一例と共に示す概略構成図である。
次に、本発明の第1実施形態におけるコントロールユニット100が実行する三元触媒50の劣化診断処理内容を具体的に説明する。
<1.基本燃料噴射量演算手段110:図10参照>
本演算手段110では、エンジン10の吸入空気量に基づいて任意の運転状態において目標トルクと目標空燃比を同時に実現する燃料噴射量を演算する。具体的には、図10に示されるように、基本燃料噴射量Tpを演算する。ここに、Kは定数であり、吸入空気量に対して常に理論空燃比を実現するよう調節させる値である。またCylはエンジンの気筒数(ここでは4)を表す。
本演算手段120では、A/Fセンサ51で検出される空燃比に基づいて、任意の運転状態において触媒50入口の空燃比が目標空燃比となるようF/B(フィードバック)制御するための補正項を求める。具体的には、図11に示されるように、目標空燃比TabfとA/Fセンサ検出空燃比Rabfとの偏差Dltabfから、空燃比補正項LalphaをPI制御により演算する。空燃比補正項Lalphaは前述の基本燃料噴射量Tpに乗ぜられる。
本演算手段130では、三元触媒50の劣化診断の許可判定を行う。具体的には、図12に示されるように、Twn≧TwndagかつNedagH≧Ne≧NedagLかつQadagH≧Qa≧QadagLかつΔNe≦DNedagかつΔQa≦Dqadagのとき、劣化診断許可フラグFpdag=1とし、診断を許可する。それ以外のときは診断禁止し、Fpdag=0とする。
ここに
Twn:エンジン冷却水温
Ne:エンジン回転数
Qa:吸入空気量
ΔNe:エンジン回転数変化率
ΔQa:吸入空気量変化率
である。ΔNe及びΔQaは前回jobで演算される値と今回jobで演算される値との差としてもよい。
本演算手段122では、空燃比補正項演算手段120(図11)において、目標空燃比の演算を行う。具体的には、図13に示される処理にて行う。すなわち、Fpdag=1となってから、T_dag[s]経過するまでは、Fpdag_r=1とし、目標空燃比を診断時用目標空燃比Tabf1とする。それ以外は、通常の目標空燃比Tabf0とする。T_dag[s]は、目標空燃比をTabf1にしたときに、O2センサ52の出力がTabf1相当に応答する時間よりも短くなるように設定し、(三元触媒50の)劣化指数Ind_det及び吸入空気量Qaに基づいて決めるものとする。すなわち、A/Fセンサ51の出力がTabf1相当になってからO2センサ52の出力がTabf1相当になるまでには、遅れ時間が発生するが、これは、前述のように三元触媒50の酸素貯蔵・放出性能に依存し、その性能を前記劣化指数Ind_det及び吸入空気量Qaから与えるものとしている。なお、本例では、Tabf0は理論空燃比相当の値とし、Tabf1は理論空燃比から所定値リーンにシフトした値とする。Tabf1の値は、実験から診断精度、排気性能の双方から決めるのが望ましい。
本演算手段140では、目標空燃比がTabf1までリーンシフトした際の、A/Fセンサ51とO2センサ52の応答遅れ時間を演算する。具体的には、図14に示されるように、目標空燃比演算手段122で演算されるFpdag_r=1となっている期間(前述のように本来はO2センサ52の出力がTabf1相当の値に応答する前に、Fpdag_r=0とするが)であるにも拘わらず、O2センサ52の出力が、応答したとき、すなわちO2センサ52の出力RVO2<KRVO2となったとき、三元触媒50の酸素貯蔵能力が劣化したと判断し、そのときの応答遅れ時間T_detを演算する。具体的には、図中に示されるように、Rabf>Tabf1−K_Tabf1となってから、RVO2<KRVO2となるまでの時間を応答遅れ時間T_detとする。
本演算手段150では、三元触媒50の劣化判定を行う。具体的には、図15に示されるように、応答遅れ時間T_detと吸入空気量Qaから劣化指数Ind_detを求める。劣化指数Ind_det≦Ind_det_NGのときは、触媒性能が限界まで劣化したと判断し、例えば、劣化報知器60(図9参照)を点灯すべく、Fdet=1とする。なお、劣化限界を表すInd_det_NGは、目標とする排気性能(診断性能)に応じて決めることになる。また、新たに演算された劣化指数Ind_detは、次回の診断時の目標空燃比Tabf1の持続時間T_dagを演算する際に用いる(図13)。
以上のように、診断時は、触媒50の下流のO2センサ52の出力が応答しない程度(排気が悪化しない)に触媒50の入口空燃比をシフトさせる。しかしながら、触媒50が劣化してくると、O2センサ52の出力は応答するようになり、この場合、触媒劣化を検出するとともに、次回の診断時の入口空燃比シフト時間を触媒50の下流のO2センサ52の出力が応答しない程度調整するものである。
次に、本発明の第2実施形態におけるコントロールユニット100が実行する三元触媒50の劣化診断処理内容を具体的に説明する。
本実施形態の基本燃料噴射量演算手段110は第1実施形態のもの(図10)と同じ、また、空燃比補正項演算手段120は、第1実施形態のもの(図11)と目標空燃比演算手段以外は略同じ、劣化診断許可判定手段130も第1実施形態のもの(図13)と同じであるので、詳述しない。
本演算手段222では、空燃比補正項演算手段120(図16)において、目標空燃比の演算を行う。具体的には、図17に示される処理にて行う。すなわちFpdag=1かつInd_OSC<Tg_OSCのときは、Fpdag_r=1とし、目標空燃比を診断時用目標空燃比Tabf1とする。それ以外は、通常の目標空燃比Tabf0とする。ここに、Ind_OSCはOSC指数を示し触媒内の貯蔵酸素量を表す。Tg_OSCは目標OSC指数を示す。Tg_OSCは、目標空燃比をTabf1にしたときに、O2センサ52の出力がTabf1相当に応答するときのOSC指数(Ind_OSC)よりも小さくなるように設定しする。すなわち、A/Fセンサ51の出力がTabf1相当になってからO2センサ52の出力がTabf1相当になるまでには、遅れ時間が発生するが、これは、前述のように三元触媒50の酸素貯蔵・放出性能に依存し、その酸素貯蔵状態をOSC指数で与えるものとしている。なお、本例では、Tabf0は理論空燃比相当の値とし、Tabf1は理論空燃比から所定値リーンにシフトした値とする。Tabf1の値は、実験から診断精度、排気性能の双方から決めるのが望ましい。
目標空燃比がTabf1までリーンシフトした際に、三元触媒50に貯蔵される酸素量をOSC指数として演算する。具体的には、図18に示されるように、Fpdag=1かつRabf>Tabf0+K_Tabf0のとき、OSC指数(Ind_OSC)を演算する。Ind_OSCは、(V_Ads_r×K_Qa×Qa)の積算値で表される。また、V_Ads_rは、V_AdsとV_Desの差で表される。正味酸素貯蔵速度V_Ads_rは、酸素貯蔵速度V_Adsと酸素脱離速度V_Desの差で表される。さらに、V_AdsとV_DesはRabfに基づいて決められる。
本演算手段250、三元触媒50の劣化判定を行う。具体的には、図19に示されるように、目標空燃比演算手段222で演算されるFpdag_r=1となっている期間(前述のように本来はO2センサ52の出力がTabf1相当の値に応答する前にTabf0に戻すよう目標OSC指数(Tg_OSC)を決めておりFpdag_r=0とするが)であるにも拘わらず、O2センサ52の出力が、応答したとき、RVO2<KRVO2となったとき、三元触媒50の酸素貯蔵能力が劣化したと判断し、そのときのOSC指数(Ind_OSC)を新たな目標OSC指数(Tg_OSC0)として定義する。Tg_OSC0≦Ind_det_NGのときは、触媒性能が限界まで劣化したと判断し、例えば、劣化報知器60を点灯すべく、Fdet=1とする。なお、劣化限界を表すInd_det_NGは、目標とする排気性能(診断性能)に応じて決めることになる。また、新たに演算された目標OSC指数(Tg_OSC0)は、次回診断時の目標空燃比Tabf1の持続時間を決定するための目標OSC指数として用いる(図17)。以上のように、診断時は、触媒下流のO2センサ52の出力が応答しない程度(排気が悪化しない)に触媒入口空燃比をシフトさせる。しかしながら、触媒が劣化してくると、O2センサ52の出力は応答するようになり、この場合、触媒劣化を検出するとともに、次回の診断時の入口空燃比シフト時間を触媒下流のO2センサ52の出力が応答しない程度調整する。
次に、本発明の第3実施形態におけるコントロールユニット100が実行する三元触媒50の劣化診断処理内容を具体的に説明する。
本実施形態の基本燃料噴射量演算手段110は第1実施形態のもの(図10)と同じ、また、空燃比補正項演算手段120は、第1実施形態のもの(図11)と目標空燃比演算手段以外は略同じ、劣化診断許可判定手段130も第1実施形態のもの(図13)と同じであるので、詳述しない
本選択手段360では、上述の2つの劣化診断方式のどちらを用いて三元触媒50の特性を診断するかを選択するものである。具体的には、図21に示されるように、劣化指数(Ind_det)と吸入空気量(Qa)との比Ind_det/Qaを診断方式選択指数(Ind_Sel)とする。Ind_Sel≧Ind_Sel0のとき、方式選択フラグF_sel=1とする。診断方式選択指数(Ind_Sel)は、Qaが大きいほど、小さくなり、また、触媒50が劣化しているほど、小さくなる。すなわち、触媒50の伝達特性(遅れ時間)が短いほど、Ind_Selは小さくなる。このInd_Selが所定値Ind_Sel0以上のとき、触媒50の伝達特性が大きいと判断し、F_sel=1とし、後述のように、触媒50の伝達特性が大きいときに有利なステップ応答方式を選択する。また、Ind_Selが所定値Ind_Sel0以下のとき、触媒50の伝達特性が小さいと判断し、F_sel=0とし、後述のように、触媒50の伝達特性が小さいときに有利な周波数応答方式を選択する。
本演算手段322では、空燃比補正項演算手段120(図20)において目標空燃比の演算を行う。具体的には、図22に示される処理にて行う。すなわち、F_sel=1のときは、ステップ応答方式目標空燃比演算手段322Aで演算される目標空燃比(Tabf)とフラグFpdag_rを演算する。また、F_sel=0のときは、周波数応答方式目標空燃比演算手段322Bで演算される目標空燃比(Tabf)とフラグFpdag_rを演算する。
本演算手段322Aでは、ステップ応答方式の目標空燃比を演算する。具体的には、図23に示される処理にて行う。すなわちFpdag=1となってから、T_dag[s]経過するまでは、Fpdag_r=1とし、目標空燃比を診断時用目標空燃比Tabf1とする。それ以外は、通常の目標空燃比Tabf0とする。T_dag[s]は、目標空燃比をTabf1にしたときに、O2センサ52の出力がTabf1相当に応答する時間よりも短くなるように設定し、(三元触媒50の)劣化指数Ind_det及び吸入空気量Qaに基づいて決めるものとする。すなわち、A/Fセンサ51の出力がTabf1相当になってからO2センサ52の出力がTabf1相当になるまでには、遅れ時間が発生するが、これは、前述のように三元触媒50の酸素貯蔵・放出性能に依存し、その性能を前記劣化指数Ind_det及び吸入空気量Qaから与えるものとしている。なお、本例では、Tabf0は理論空燃比相当の値とし、Tabf1は理論空燃比から所定値リーンにシフトした値とする。Tabf1の値は、実験から診断精度、排気性能の双方から決めるのが望ましい。
本演算手段322Bでは、周波数応答方式の目標空燃比を演算する。具体的には、図24に示される処理にて行う。すなわちFpdag_r=Fpdagとし、Fpdag_r=1のとき、目標空燃比をTabf1LとTabf1Rを周波数fa[Hz]で切り換えるものである。それ以外は、通常の目標空燃比Tabf0とする。本例では、Tabf0は理論空燃比相当の値とし、Tabf1Rは理論空燃比から所定値リッチにシフトした値とし、Tabf1Lは理論空燃比から所定値リーンにシフトした値とする。Tabf1R(L)及びfaの値は、実験から診断精度、排気性能の双方から決めるのが望ましい。
本演算手段340では、三元触媒50の特性を演算する。すなわち、F_sel=1のときは、ステップ応答方式遅れ時間演算手段340Aで遅れ時間(T_det)を演算する。また、F_sel=0のときは、周波数応答方式特性演算手段340BでPower0,Power1,Phase0,Phase1を演算する。
本演算手段340Aでは、ステップ応答方式が選択された場合の三元触媒50の遅れ時間を演算する。目標空燃比がTabf1までリーンシフトした際の、A/Fセンサ51とO2センサ52の応答遅れ時間を演算する。具体的には、図26に示されるように、目標空燃比演算手段322で演算されるFpdag_r=1となっている期間(前述のように本来はO2センサ52の出力がTabf1相当の値に応答する前に、Fpdag_r=0とするが)であるにも拘わらず、O2センサ52の出力が、応答したとき、すなわちO2センサ52の出力RVO2<KRVO2となったとき、三元触媒50の酸素貯蔵能力が劣化したと判断し、そのときの応答遅れ時間T_detを演算する。具体的には、図中に示されるように、Rabf>Tabf1−K_Tabf1となってから、RVO2<KRVO2となるまでの時間を応答遅れ時間T_detとする。
本演算手段340Bでは、周波数応答方式が選択されたときの三元触媒50の特性を演算する。具体的には、図27に示されるように、RabfとRVO2の信号から、DFT(Discrete Fourier Transform)を用いて、周波数fa[Hz]のパワー(Power0,Power1)及び位相(Phase0,Phase1)を演算する。
本演算手段350では、三元触媒50の劣化度を判定する。すなわち、F_sel=1のときは、ステップ応答方式劣化度判定演算手段350Aで三元触媒50の劣化度を判定し、F_sel=0のときは、周波数応答方式劣化度判定演算手段350Bで三元触媒50の劣化度を判定する。
本演算手段350Aでは、ステップ応答方式が選択された場合の三元触媒50の劣化判定を行う。具体的には、図29に示されるように、応答遅れ時間T_detと吸入空気量Qaから劣化指数Ind_detを求める。劣化指数Ind_det≦Ind_det_NGのときは、触媒性能が限界まで劣化したと判断し、例えば、劣化報知器60を点灯すべく、Fdet=1とする。なお、劣化限界を表すInd_det_NGは、目標とする排気性能(診断性能)に応じて決めることになる。また、新たに演算された劣化指数Ind_detは、次回の診断時の目標空燃比Tabf1の持続時間T_dagを演算する際に用いる(図23参照)。以上のように、診断時は、触媒50下流のO2センサ52の出力が応答しない程度(排気が悪化しない)に触媒50入口空燃比をシフトさせる。しかしながら、触媒50が劣化してくると、O2センサ52の出力は応答するようになり、この場合、触媒50の劣化を検出するとともに、次回の診断時の入口空燃比シフト時間を触媒50下流のO2センサ52の出力が応答しない程度に調整する。
本演算手段350Bでは、周波数応答方式が選択された場合の三元触媒50の劣化判定を行う。具体的には、図30に示されるように、Phase2―Phase1≧(所定値A)かつ(Power2/Power1)≧(所定値B)のとき、触媒性能が限界まで劣化したと判断し、例えば、劣化報知器60を点灯すべく、Fdet=1とする。(Power2/Power1)は劣化指数Ind_detとする。なお、劣化限界を表す所定値A及び所定値Bは、目標とする排気性能(診断性能)に応じて決めることになる。
10 エンジン
19 水温センサ
24 エアフローセンサ
30 燃料噴射弁
36 クランク角センサ
50 三元触媒
51 A/Fセンサ
52 O2センサ
100 コントロールユニット
110 基本燃料噴射量演算手段
120 空燃比補正項演算手段
122 目標空燃比演算手段
130 劣化診断許可判定手段
140 応答遅れ時間演算手段
150 劣化度判定演算手段
240 OSC指数演算手段
250 劣化度判定演算手段
340 特性演算手段
350 劣化度判定演算手段
360 診断方式選択手段
Claims (21)
- エンジンのいずれかの診断対象の特性からその性能の劣化を診断するエンジンの診断装置であって、
前記診断対象の特性を検出するための入力信号生成手段と、前記診断対象の特性を検出する特性検出手段と、該特性検出手段により検出された前記診断対象の特性に基づいて、前記入力信号生成手段のパラメータを補正するパラメータ補正手段と、を備えていることを特徴とするエンジンの診断装置。 - 前記パラメータ補正手段は、前記診断対象の特性に代えて、又は、それに加味して、エンジンの運転状態及び又は環境条件に基づき、前記入力信号生成手段のパラメータを補正することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの診断装置。
- エンジンのいずれかの診断対象の特性からその性能の劣化を診断するエンジンの診断装置であって、
前記診断対象の特性を検出するための入力信号生成手段と、前記診断対象の特性を検出する特性検出手段と、該特性検出手段により検出された前記診断対象の特性に基づいて、前記特性検出手段のパラメータを補正するパラメータ補正手段と、を備えていることを特徴とするエンジンの診断装置。 - 前記パラメータ補正手段は、前記診断対象の特性に代えて、又は、それに加味して、エンジンの運転状態及び又は環境条件に基づき、前記特性検出手段のパラメータを補正することを特徴とする請求項3に記載のエンジンの診断装置。
- エンジンのいずれかの診断対象の特性からその性能の劣化を診断するエンジンの診断装置であって、
前記診断対象の特性を検出するための入力信号生成手段と、前記診断対象の前記特性を検出する特性検出手段と、該特性検出手段により検出された前記診断対象の特性に基づいて、前記入力信号生成手段の前記パラメータを補正する第1のパラメータ補正手段と、前記特性検出手段により検出された前記診断対象の特性に基づいて、前記特性検出手段のパラメータを補正する第2のパラメータ補正手段と、を備えていることを特徴とするエンジンの診断装置。 - 前記第1及び第2のパラメータ補正手段は、前記診断対象の特性に代えて、又は、それに加味して、エンジンの運転状態及び又は環境条件に基づき、それぞれ前記入力信号生成手段及び前記特性検出手段のパラメータを補正することを特徴とする請求項5に記載のエンジンの診断装置。
- エンジンのいずれかの診断対象の特性からその性能の劣化を診断するエンジンの診断装置であって、
前記診断対象の特性を検出するための複数の入力信号生成手段と、前記診断対象の特性を検出する複数の特性検出手段と、該複数の特性検出手段の内のいずれかの検出結果に基づいて、前記複数の入力信号生成手段のいずれを用いて入力信号のパラメータを生成するか、及び/又は、前記複数の特性検出手段で検出された前記特性のうちのいずれを用いて前記特性を検出するかを判定選択する判定選択手段と、を備えていることを特徴とするエンジンの診断装置。 - 前記判定選択手段は、前記診断対象の特性に代えて、又は、それに加味して、エンジンの運転状態及び又は環境条件に基づき、前記判定選択を行うことを特徴とする請求項7に記載のエンジンの診断装置。
- 前記診断対象は、排気通路に設けられた排気浄化用の触媒とされ、前記入力信号生成手段は、目標空燃比を達成すべく空燃比調節手段に対する信号を生成供給するようにされ、前記特性検出手段は、前記触媒の上流及び下流に配在された排気成分検出手段を有し、前記診断時の目標空燃比に実空燃比が制御されたとき、前記触媒上流及び下流の排気成分検出手段の応答時間差に基づいて、前記触媒の特性を検出するようにされ、前記パラメータ補正手段は、前記特性検出手段の検出結果に基づいて、前記診断時の目標空燃比及びその持続時間を補正するようにされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの診断装置。
- 前記パラメータ補正手段は、前記特性検出手段の検出結果に基づいて、前記診断時の目標空燃比の持続時間を、前記応答時間差よりも小さくなるように補正することを特徴とする請求項9に記載のエンジンの診断装置。
- 前記パラメータ補正手段は、前記触媒の下流の排気成分検出手段の出力が、前記診断時の目標空燃比相当の値に応答したときは、前記触媒の上流及び下流の排気成分検出手段の応答時間差を更新することを特徴とする請求項10に記載のエンジンの診断装置。
- 前記パラメータ補正手段は、前記特性検出手段の検出結果に基づいて、前記触媒内の酸素貯蔵量を推定し、前記診断時の目標空燃比の持続時間を、前記目標空燃比が理論空燃比よりリーンのときは、前記酸素貯蔵量が所定値以上となるまでの時間とし、前記目標空燃比が理論空燃比よりリッチのときは、前記酸素貯蔵量が所定値以下となるまでの時間とすることを特徴とする請求項9に記載のエンジンの診断装置。
- 前記パラメータ補正手段は、前記特性検出手段の検出結果に基づいて、前記触媒内の最大酸素貯蔵量及び現在の酸素貯蔵量を推定して保持し、前記診断時の目標空燃比の持続時間を、前記目標空燃比が理論空燃比よりリーンのときは、前記酸素貯蔵量の前記最大酸素貯蔵量に対する割合が所定値以上となるまでの時間とし、前記目標空燃比が理論空燃比よりリッチのときは、前記酸素貯蔵量の前記最大酸素貯蔵量に対する割合が所定値以下となるまでの時間とすることを特徴とする請求項9に記載のエンジンの診断装置。
- 前記パラメータ補正手段は、前記触媒内の酸素貯蔵量を、直接的もしくは間接的に検出された空燃比、吸入空気量、及び触媒温度を加味して推定することを特徴とする請求項12又は13に記載のエンジンの診断装置。
- 前記パラメータ補正手段は、前記酸素貯蔵量が所定値以上もしくは所定値以下とならなくても、前記触媒下流の排気成分検出手段の出力が前記診断時の目標空燃比相当の値に応答したときは、前記保持した最大酸素貯蔵量を更新することを特徴とする請求項13又は14に記載のエンジンの診断装置。
- 前記診断対象は、排気通路に設けられた排気浄化用の触媒とされ、第1の入力信号生成手段は、診断時に目標空燃比をステップ的に変更するようにされ、第1の特性検出手段は、前記触媒の上流及び下流に配在された排気成分検出手段を有し、前記目標空燃比のステップ変更時に、前記触媒上流及び下流の排気成分検出手段の応答時間差に基づいて、前記触媒の特性を検出するようにされ、第2の入力信号生成手段は、前記診断時の目標空燃比を所定周波数で周期的に振動させるようにされ、第2の特性検出手段は、前記診断時の目標空燃比が所定周波数で周期的に振動せしめられたとき、前記触媒上流及び下流の排気成分検出手段の出力信号の所定周波数成分に基づいて、前記触媒の特性を検出するようにされ、前記判定選択手段は、前記第1又は第2の特性検出手段の検出結果に基づいて、前記触媒の特性の検出のために前記第1及び第2の入力信号生成手段のいずれを用いて入力信号のパラメータを生成するか、及び/又は、前記第1及び第2の特性検出手段で検出した特性のうちのいずれを用いるかを判定選択するようにされていることを特徴とする請求項7又は8に記載のエンジンの診断装置。
- 前記判定選択手段は、前記触媒の応答特性に基づいて、前記判定選択を行うことを特徴とする請求項16に記載のエンジンの診断装置。
- 前記触媒の応答特性は、直接的もしくは間接的に検出された前記触媒の酸素貯蔵性能、吸入空気量、空燃比、及び触媒温度に基づいて検出することを特徴とする請求項17に記載のエンジンの診断装置。
- 空燃比調節手段として、燃料噴射弁等の燃料供給手段及び又はスロットル弁等の吸気量調節手段が用いられていることを特徴とする請求項9から18のいずれか一項に記載のエンジンの診断装置。
- 前記排気成分検出手段は、O2センサもしくはA/Fセンサであることを特徴とする請求項9から19のいずれか一項に記載のエンジンの診断装置。
- 請求項1から20のいずれか一項に記載のエンジンの診断装置が適用されたエンジンを搭載した自動車。
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