JP4129221B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4129221B2
JP4129221B2 JP2003370115A JP2003370115A JP4129221B2 JP 4129221 B2 JP4129221 B2 JP 4129221B2 JP 2003370115 A JP2003370115 A JP 2003370115A JP 2003370115 A JP2003370115 A JP 2003370115A JP 4129221 B2 JP4129221 B2 JP 4129221B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
air
fuel ratio
deterioration
sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003370115A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005133626A (ja
Inventor
慎二 中川
堀  俊雄
大輔 渡邉
誠 横山
洋一 飯星
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Car Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Car Engineering Co Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2003370115A priority Critical patent/JP4129221B2/ja
Publication of JP2005133626A publication Critical patent/JP2005133626A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4129221B2 publication Critical patent/JP4129221B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、エンジンの制御装置に係り、特に、排気通路に排気浄化用触媒を備えるとともに、該触媒の下流に空燃比検出手段を有するエンジンにおいて、前記触媒及び前記空燃比検出手段の劣化を確実に判定できるようにされたエンジンの制御装置に関する。
エンジンから排出される排気(に含まれるHC、CO、NOx等の有害成分)を浄化するため、排気通路に三元触媒等の排気浄化用触媒を配備するのが一般的である。近年、北米、欧州、日本国内等における規制強化に伴い、排気浄化用触媒、空燃比センサに代表される排気浄化システムの診断精度も高精度化が要求されつつある。このことから、触媒及び空燃比センサが劣化したか否かを判定する方策が幾つか提案されている。
例えば、下記特許文献1には、触媒上流の空燃比センサ出力信号と触媒下流の空燃比センサ出力信号の相関から触媒の劣化を判定することが提案されている。
また、下記特許文献2には、上流空燃比センサ出力信号の周波数に基づいて下流空燃比センサ出力信号をフィルタ処理し、上流空燃比センサ信号とフィルタ処理後の下流空燃比センサ出力信号の振幅比から触媒の劣化を判定することが提案されている。
一方、下記特許文献3には、排気通路における触媒上流(排気集合部)の平均空燃比の上下で空燃比を振動させたとき、上流平均空燃比に対する触媒下流の酸素センサ出力特性が触媒新品時と触媒劣化時で異なることに着目し、気筒毎に個別に空燃比を制御して空燃比を振動(変動)させることにより、触媒の劣化判定を行うことが提案されている。
特開平5−171924号公報(第1〜12頁、図1〜図6) 特開平7−305623号公報(第1〜19頁、図1〜図21) 特開平6−185345号公報(第1〜8頁、図1、図2)
前記特許文献1,2に所載の制御装置では、エンジンの全気筒の空燃比を等価に補正し、触媒上流の排気集合部における平均空燃比の振動現象と触媒下流の空燃比の振動現象とを用いて、触媒の劣化を判定するようになっているが、この場合、平均空燃比が触媒の高効率浄化範囲を逸脱することがあり、触媒下流の排気悪化を招くおそれがある。また、触媒上流の空燃比振動の周期も0.2Hz〜1Hzと比較的長く、劣化判定に要する時間もそれに応じて長くなる。また、振動周期が変化するため、それに応じて、種々のフィルタ処理が必要となり処理が複雑になるという問題もある。
また、前記特許文献3に所載の制御装置では、触媒上流の平均空燃比をリッチからリーンまで所定範囲に制御し、触媒下流の酸素センサの出力との関係を演算する必要があり、排気が悪化(有害成分排出量が増加)する時間や劣化判定に要する時間が長くなるおそれがある。
さらに、前記特許文献1、2、3に所載の制御装置は、いずれも、触媒の劣化(酸素貯蔵能力の低下)のみを判定するものであり、触媒下流の空燃比センサ、さらには、触媒上流の空燃比センサの劣化については、なんら配慮されていない。このため、例えば、触媒下流の空燃比センサが劣化した場合は、触媒が実際には劣化していないのに劣化したと誤判定してしまうおそれがある。
本発明は、前記した如くの問題を解消すべくなされたもので、その目的とするところは、排気通路に配在された排気浄化用触媒の劣化のみならず空燃比検出手段の劣化をも、排気の悪化を招くことなく比較的短時間で高精度に判定することができるようにされたエンジンの制御装置を提供することにある。
前記の目的を達成すべく、本発明に係る制御装置の第1態様は、排気通路に排気浄化用触媒と、該排気浄化用触媒の下流に センサとを有するエンジンに適用されるもので、特定の気筒において燃焼に供される混合気の空燃比を他の気筒におけるそれとは異ならしめるように制御する気筒別空燃比制御手段と、前記 センサ(空燃比検出手段から得られる信号に基づいて、前記触媒及び前 センサの劣化を判定する劣化判定手段と、を備える(図1参照)。
かかる第1態様においては、触媒及 センサの劣化判定にあたっては、燃焼に供される混合気の空燃比を特定の気筒(例えば1番気筒)については他の気筒(例えば2番、3番、4番気筒)におけるそれとは異なるように制御する。つまり、通常は全気筒において空燃比が同一(例えば、14.6)となるように制御されるのが普通であるが、本発明では少なくとも一つの気筒については空燃比をずらすように(例えば、12.0となるように)制御し、触媒上流の排気集合部において空燃比の周期的振動(変動)を生成し、その周期的空燃比変動に対する触媒下流の空燃比の応答を検出し、その検出結果から触媒及び触媒下流 センサの劣化を判定するようにされる。
本発明に係る制御装置の第2態様では、前記 センサ(空燃比検出手段から得られる信号を周波数解析する周波数解析手段を備え、前記劣化判定手段は、前記周波数解析手段により解析された所定周波数の位相とパワーに基づいて、前記触媒及び前 センサの性能劣化を判定するようにされる(図2参照)。
かかる第2態様においては、前記した如くの、特定の気筒において空燃比をずらすことにより触媒上流で発生する周期的空燃比変動に対する触媒下流の空燃比の応答を触媒下流 センサで検出し、その信号を周波数解析し、得られた位相とパワーから触媒及び触媒下流 センサの劣化を判定するようにされる。
本発明に係る制御装置の第3態様では、前記周波数解析手段は、前記排気通路における前記触媒上流の排気集合部で発生する空燃比の周期的振動に相当する周波数faの位相とパワーを解析し、前記劣化判定手段は、前記周波数faの位相とパワーに基づいて、前記触媒及び前 センサ(空燃比検出手段の性能劣化を判定するようにされる(図3参照)。
かかる第3態様においては、前記した如くの、特定の気筒において空燃比をずらすことにより触媒上流の排気集合部で発生する空燃比の周期的振動に相当する周波数faの周期的空燃比変動に対する触媒下流の空燃比応答を触媒下流 センサで検出し、その信号を周波数解析し、周波数faの位相とパワーから触媒及び触媒下流 センサの劣化を判定するようにされる。
本発明に係る制御装置の第4態様では、前記劣化判定手段は、前記周波数解析手段により解析された所定周波数の位相が所定値A以下となり、かつ、そのパワーが所定値B以上となったとき、前記触媒が劣化したと判定するようにされる(図4参照)。
ここで、触媒上流から下流への空燃比の伝達特性は、触媒内の酸素貯蔵能力と排気の輸送時間に依存する。触媒の性能は酸素貯蔵能力に依存することが知られており、酸素貯蔵能力が低下すると、触媒上流から下流への空燃比の伝達特性が変化する。この伝達特性を無駄時間+一次遅れ系(時定数)で考えると、触媒が劣化(酸素貯蔵能力が低下)するほど出力は無駄時間、時定数が共に小さくなる。このため、特定の気筒において空燃比をずらすことにより発生する空燃比の周期的振動を触媒入口(触媒上流の排気集合部)から入力した場合、触媒が劣化するほど、触媒入口の空燃比振動波形の位相と触媒出口の空燃比振動波形の位相とのずれは小さくなり、触媒入口振動波形のパワーに対する触媒出口振動波形のパワーの比は大きくなる傾向にある。このことから、上記のように触媒下流の センサから得られる信号を周波数解析し、所定周波数の位相が所定値A以下でかつパワーが所定値B以上となったとき、触媒が劣化したと判定することができる。
本発明に係る制御装置の第5態様では、前記劣化判定手段は、前記周波数解析手段により解析された所定周波数の位相が所定値C以上となり、かつ、そのパワーが所定値D以下となったとき、前記 センサ(空燃比検出手段が劣化したと判定するようにされる(図5参照)。
ここで、 センサの伝達特性を無駄時間+一次遅れ系(時定数)で考えると、劣化するほど、時定数は大きくなる。このことから、特定の気筒において空燃比をずらすことにより発生する空燃比の周期的振動を触媒入口から入力した場合、触媒下流の センサが劣化するほど、触媒入口振動波形のパワーに対する触媒出口振動波形のパワーの比は小さくなる傾向にある。このことから、上記のように触媒下流の センサから得られる信号を周波数解析し、所定周波数のパワーが所定値D以下となったとき、触媒下流の センサが劣化したと判定することができる。
本発明に係る制御装置の第6態様では、前記所定周波数の位相及びパワーの変化履歴を記憶する履歴記憶手段を備え、前記劣化判定手段は、前記履歴記憶手段に記憶された前記変化履歴に基づいて、所定期間における前記位相の減少量が所定値以上となり、かつ、前記所定期間における前記パワーの増加量が所定値以上となったとき、前記触媒が劣化したと判定し、前記所定期間における前記位相の減少量が所定値以下となり、かつ、前記所定期間における前記パワーの減少量が所定値以上となったとき、前記 センサ(空燃比検出手段が劣化したと判定するようにされる(図6参照)。
かかる第6態様においては、触媒(及び センサ)の劣化判定にあたっては、特定の気筒において空燃比をずらすように制御し、その際、触媒出口の空燃比の振動波形のパワー及び位相を演算、記憶しておく。ここで、触媒が劣化すると、第4態様で述べたように、位相は小さくなり、パワーは大きくなる。また、触媒下流の センサが劣化(応答性が低下)すると、第5態様の結果から、位相は変化せず、パワーは小さくなる。このことから、記憶されたパワー及び位相の変化履歴に基づいて、触媒劣化と触媒下流の センサの劣化とを同時に分離して判定することができる。
本発明に係る制御装置の第7態様では、第3態様における周波数faは、エンジンが2回転する周期に相当する周波数とされる。
すなわち、前記した如くに、特定の気筒において空燃比をずらすように制御した際に発生する空燃比の周期的振動は、4サイクルエンジンの場合、エンジンが2回転する周期に相当するので、この周期である周波数faを劣化判定に用いるようにされる。
本発明に係る第8態様では、前記排気通路における前記触媒上流の排気集合部における空燃比が目標値となるように燃焼に供される混合気の空燃比を制御する平均空燃比制御手段を備える(図7参照)。言い換えれば、特定の気筒において空燃比をずらすように制御した際に発生する空燃比の周期的振動の中心となる空燃比(平均空燃比)が目標値となるように制御する平均空燃比制御手段を備える。
本発明に係る制御装置の第9態様では、前記平均空燃比制御手段は、前記排気通路における前記触媒上流の排気集合部に配在された空燃比検出手段の出力に基づいて、燃焼に供せられる混合気の空燃比をフィードバック制御するようにされる(図8参照)。
すなわち、前記排気集合部にも空燃比検出手段を配設し、該空燃比検出手段の出力に基づいて、特定の気筒において空燃比をずらすように制御した際に発生する空燃比の周期的振動の中心となる空燃比(平均空燃比)が目標値となるように燃焼に供せられる混合気の空燃比をフィードバック制御するようにされる。
本発明に係る制御装置の第10態様においては、前記目標値は、前記触媒の浄化効率が最も高くなる値に設定される。
前記第8、第9、第10態様により、劣化判定のために特定の気筒において空燃比をずらしても触媒に流入する排気の空燃比は、目標値(触媒の浄化効率が最も高くなる値、例えば理論空燃比=14.6)付近で維持されるので、外部に排出される排気の悪化(有害成分の増加)を避けられる。
本発明に係る制御装置の第11態様では、前記触媒上流の空燃比検出手段から得られる信号を周波数解析する周波数解析手段を備え、前記劣化判定手段は、前記周波数解析手段により解析された、エンジンの2回転成分の位相(Phase1)及びパワー(Power1)から前記触媒上流の空燃比検出手段の劣化を判定するとともに、前記触媒上流の空燃比検出手段の劣化情報、並びに、前記位相(Phase1)及び前記パワー(Power1)と、前記触媒下流の センサ(空燃比検出手段からの信号を周波数解析して得られる、エンジンの2回転成分の位相(Phase2)及びパワー(Power2)と、の関係に基づいて、前記触媒及び前記触媒下流の センサの劣化を判定することを特徴としている(図9参照)。
すなわち、この第11態様においては、特定の気筒において空燃比をずらすことにより触媒上流で発生する空燃比の周期的振動を触媒上流の空燃比検出手段で検出し、その出力信号を周波数解析し、その位相(Phase1)とパワー(Power1)から触媒上流の空燃比センサの応答劣化を検出する。さらに、その応答劣化を考慮して、触媒上流空燃比検出手段の出力から得られる位相(Phase1)とパワー(Power1)と、触媒下流 センサの出力から得られる位相(Phase2)とパワー(Power2)の関係から、触媒及び触媒下流の センサの劣化を判定するようにされる。
本発明に係る制御装置の第12態様では、前記平均空燃比制御手段は、前記劣化判定手段から得られる、前記触媒上流の空燃比検出手段の劣化情報、前記触媒の劣化情報、及び、前記触媒下流の センサ(空燃比検出手段の劣化情報のうちの少なくとも一つに基づいて、燃焼に供せられる混合気の空燃比をフィードバック制御するようにされる(図10参照)。
ここで、触媒上流の空燃比検出手段の応答性は、前記触媒の入口(排気集合部)の平均空燃比を目標値とするフィードバック制御を行う際に影響する。そこで センサの応答性変化(劣化)に応じて、フィードバック制御のパラメータ(例えば、フィードバックゲイン)を変え、常にフィードバック制御を最適化するようにされる。
本発明に係る制御装置の第13態様においては、前記劣化判定手段から得られる、前記触媒上流の空燃比検出手段の劣化情報、前記触媒の劣化情報、及び、前記触媒下流の センサ(空燃比検出手段の劣化情報に基づいて、前記触媒上流の空燃比検出手段、前記触媒、及び、前記触媒下流の センサの正常時に対する前記触媒下流の排気悪化量を演算する排気悪化量演算手段を備える(図11参照)。
ここで、三元触媒での排気浄化性能は、触媒の性能だけでなく、触媒上流の空燃比検出手段の性能、触媒下流の センサの性能も大きく影響する。このことから、触媒及び触媒上下流の センサの劣化状態を検出(判定)し、排気浄化システムの性能を総合的に診断し、触媒下流の排気悪化量を演算するようにされる。
本発明に係る制御装置の第14態様においては、前記気筒別空燃比制御手段は、各気筒に対して配備された燃料噴射弁の燃料噴射態様(燃料噴射量、燃料噴射時期、一燃焼サイクル中の噴射回数等)及び又は吸排気弁の開閉態様(開閉時期、リフト量等)を気筒毎に個別に制御可能とされる。
本発明に係る制御装置の第15態様では、前記気筒別空燃比制御手段は、燃焼に供される混合気の空燃比を一気筒のみ他の気筒と異ならしめることにより、前記排気通路における前記触媒上流の排気集合部において空燃比に周期的振動を発生させるようにされる(図12参照)。
すなわち、一気筒のみ平均空燃比よりリッチもしくはリーンにすることでも、触媒上流の排気集合部における空燃比に周期的な振動を発生することが可能である。
以上に述べた本発明に係る制御装置は、特に、排ガス規制が強化されている車載用エンジンに好適である。
以上より、本発明においては、気筒間の空燃比を不均一にすることで、特にエンジンの2回転周期に相当する空燃比の振動を、簡易にかつ高精度に、触媒入口で生成し、それを基本信号として、触媒及びその下流の センサの診断を行うことを特徴とするものである。
本発明に係る制御装置は、触媒の劣化判定にあたっては、燃焼に供される混合気の空燃比を特定(一つ又は複数)の気筒については他の気筒におけるそれとは異なるように制御することで、触媒上流の排気集合部において空燃比の周期的振動(好ましくはエンジンの2回転周期に相当する変動)を生成し、その周期的空燃比変動に対する触媒下流の空燃比の応答を検出し、その検出結果から触媒の劣化を判定するようにされるので、触媒の劣化のみならず センサの劣化をも、排気の悪化を招くことなく比較的短時間で高精度に判定することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図13は、本発明に係る制御装置の第1実施形態を、それが適用された車載用エンジンの一例と共に示す概略構成図である。
図示のエンジン10は、多気筒エンジンであって、シリンダ12と、このシリンダ12内に摺動自在に嵌挿されたピストン15と、を有し、該ピストン15上方には燃焼室17が画成される。燃焼室17には、点火プラグ35が臨設されている。
燃料の燃焼に供せられる空気は、吸気通路20の始端部に設けられたエアクリーナ21から取り入れられ、エアフローセンサ24を通り、電制スロットル弁25を通ってコレクタ27に入り、このコレクタ27から前記吸気通路20(の分岐通路部)の下流端に配在された吸気弁28を介して各気筒の燃焼室17に吸入される。
前記吸気通路20の下流部分(分岐通路部)には、燃料噴射弁30が臨設されており、この燃料噴射弁30には、図示されていないが、燃料タンク、燃料ポンプ、燃圧レギュレータ等を備えた燃料供給系により所定圧力に調圧された燃料が供給されるようになっている。
燃焼室17に吸入された空気と燃料噴射弁30から噴射された燃料との混合気は、点火プラグ35により点火されて爆発燃焼せしめられ、その燃焼廃ガス(排気)は、燃焼室17から排気弁48を介して排気通路40の上流部分を形成する個別通路部40A(図15参照)に排出され、その個別通路部40Aから排気集合部40Bを通って排気通路40に配備された三元触媒50に流入して浄化された後、外部に排出される。
また、排気通路40における三元触媒50より下流側にはOセンサ51が配在され、排気通路40における触媒50より上流側の排気集合部40BにはA/Fセンサ52が配在されている。
前記A/Fセンサ52は、排気中に含まれる酸素の濃度に対して線形の出力特性を持つ。排気中の酸素濃度と空燃比の関係はほぼ線形になっており、したがって、酸素濃度を検出するA/Fセンサ52により、前記排気集合部における空燃比を求めることが可能となる。また、前記Oセンサ51からの信号により、三元触媒50下流の酸素濃度もしくはストイキに対してリッチもしくはリーンであるかを求めることができる。
また、燃焼室17から排気通路40に排出された排気ガスの一部は、必要に応じてEGR通路41を介して吸気通路20に導入され、吸気通路20の分岐通路部を介して各気筒の燃焼室17に還流される。前記EGR通路41には、EGR率を調整するためのEGRバルブ42が介装されている。
そして、本実施形態の制御装置1においては、エンジン10の種々の制御を行うため、マイクロコンピュータを内蔵するコントロールユニット100が備えられている。
コントロールユニット100は、基本的には、図14に示される如くに、CPU101、入力回路102、入出力ポート103、RAM104、ROM105等で構成される。
コントロールユニット100には、入力信号として、エアフローセンサ24により検出される吸入空気量に応じた信号、スロットルセンサ28により検出されるスロットル弁25の開度に応じた信号、クランク角センサ37から得られるクランクシャフト18の回転(エンジン回転数)・位相をあらわす信号、排気通路40における三元触媒50より下流側に配置されたOセンサ51により検出される排気中の酸素濃度に応じた信号、排気通路40における触媒50より上流側の排気集合部40Bに配置されたA/Fセンサ52により検出される酸素濃度(空燃比)に応じた信号、シリンダ12に配設された水温センサ16により検出されるエンジン冷却水温に応じた信号、アクセルセンサ36から得られるアクセルペダル19の踏み込み量(運転者の要求トルクを示す)に応じた信号等が供給される。
コントロールユニット100においては、A/Fセンサ52、酸素センサ51、スロットルセンサ28、エアフローセンサ24、クランク角センサ37、水温センサ16、及びアクセルセンサ36、等の各センサの出力が入力され、入力回路102にてノイズ除去等の信号処理を行った後、入出力ポート103に送られる。入力ポートの値はRAM104に保管され、CPU101内で演算処理される。演算処理の内容を記述した制御プログラムはROM105に予め書き込まれている。制御プログラムに従って演算された各アクチュエータ操作量を表す値はRAM104に保管された後、入出力ポート103に送られる。
点火プラグ35に対する作動信号は点火出力回路116内の一次側コイルの通流時はONとなり、非通流時はOFFとなるON・OFF信号がセットされる。点火時期はONからOFFになる時点である。入出力ポート103にセットされた点火プラグ35用の信号は点火出力回路116で点火に必要な十分なエネルギーに増幅され点火プラグ35に供給される。また、燃料噴射弁30の駆動信号は開弁時ON、閉弁時OFFとなるON・OFF信号がセットされ、燃料噴射弁駆動回路117で燃料噴射弁30を開弁するのに十分なエネルギーに増幅されて燃料噴射弁30に送られる。電制スロットル弁25の目標開度を実現する駆動信号は、電制スロットル弁駆動回路118を経て、電制スロットル弁25に送られる。
コントロールユニット100ではA/Fセンサ52の信号から三元触媒50上流の空燃比を算出し、Oセンサ51の信号から、三元触媒50下流の酸素濃度もしくはストイキに対してリッチもしくはリーンであるかを算出する。また、両センサ51、52の出力を用いて三元触媒50の浄化効率が最適となるよう燃料噴射量もしくは吸入空気量を逐次補正するF/B制御を行う。
次に、コントロールユニット100が実行する制御の内容を具体的に説明する。
図15は、制御システム図で、コントロールユニット100は、機能ブロック図で示されている如くの、基本燃料噴射量演算部121、#1(1番気筒)空燃比補正量演算部122、空燃比補正項演算部123、劣化診断許可判定部124、周波数成分演算部125、及び、劣化性能演算部126を備えている。通常運転時(劣化判定時以外)は、基本燃料噴射量Tp及び空燃比補正項Lalphaにより全気筒の空燃比が理論空燃比となるよう各気筒燃料噴射量Tiが演算される。応答特性検出許可時は、排気集合部40B(三元触媒50の入口)で空燃比の周期的振動を起こすべく1番気筒#1の当量比(空燃比とは反比例する)のみ所定量増量し燃料噴射量をTi1とする構成となっている。以下、各ブロック121〜126の詳細説明を行う。
基本燃料噴射量演算部121(図16参照)
本演算部121では、エンジン10の吸入空気量に基づいて任意の運転条件において目標トルクと目標空燃比を同時に実現する燃料噴射量を演算する。具体的には、図16に示されるように、エンジン回転数Neと吸入空気量Qaに基づいて、基本燃料噴射量Tpを演算する。ここにKは定数であり、吸入空気量Qaに対して常に理論空燃比を実現するよう調整するための値である。またCylはエンジン10の気筒数(ここでは4)を表す。
空燃比補正項演算部123(図17参照)
ここでは、A/Fセンサ52で検出される空燃比に基づいて、任意の運転条件において排気通路集合部40B(触媒50入口)の平均空燃比が目標空燃比(目標値)となるようF/B制御する。具体的には、図17に示されるように、目標空燃比TabfとA/Fセンサ検出空燃比Rabfとの偏差Dltabfから、空燃比補正項LalphaをPI制御により演算する。空燃比補正項Lalphaは前述の基本燃料噴射量Tpに乗ぜられる。
劣化診断許可判定部124(図18参照)
本判定部124では、三元触媒50及びOセンサ51の劣化診断の許可判定を行う。具体的には図18に示されるように、Twn≧Twndag、かつ、ΔNe≦DNedag、かつ、ΔQa≦Dqadag、かつ、Fcmpdag=0のとき、応答特性検出許可フラグFpdag=1とし、応答特性の検出を許可する。それ以外のときは応答特性検出禁止し、Fpdag=0とする。
ここに、
Twn:エンジン冷却水温
ΔNe:エンジン回転数変化率
ΔQa:空気流入量変化率
である。ΔNe及びΔQaは前回jobで演算される値と今回jobで演算される値との差としてもよい。
#1(1番気筒)空燃比補正量演算部122(図19参照)
本演算部122では、#1(1番気筒)の空燃比補正量の演算を行う。通常運転時、すなわちFpdag=0のときは、前述の基本燃料噴射量Tp及びF/B制御操作量Lalphaにより排気通路集合部(触媒入口)の空燃比が目標空燃比となるよう各気筒に対する燃料噴射量が演算される。Fpdag=1のときは、排気通路集合部40Bで空燃比の振動を起こすべく1番気筒#1の当量比のみ所定量Kchos1だけ増量する。具体的には図19に示される処理にて行う。すなわち、Fpdag=1のときは1番気筒当量比変化量Chos1=Kchos1とし、Fpdag=0のときはChos1=0とする。なお、Kchos1の値はエンジン及び触媒の特性に合わせて排気が悪化しないよう設定するのが好ましい。
周波数成分演算部125(図20参照)
本演算部125では、触媒50下流のOセンサ51の出力信号の周波数解析を行う。具体的には、図20に示されるように、Oセンサ51の出力信号をDFT(Discrete Fourier Transform)を用いてエンジン10の2回転周期に相当する周波数のパワースペクトルPower2及び位相スペクトルPhase2を演算する。ここでは、特定の周波数のみのスペクトルを演算するため、FFT(Fast Fourier Transform)ではなくDFTを用いる。なお、サンプリング周期は、サンプリング定理より、エンジン2回転周期の2倍より大きければよいが、ここでは、クランク角センサ37からの気筒判別信号(4気筒の場合、180°毎に出力)により割り込み処理を行う。なお、DFTの処理内容については、多くの文献、書物があるので、ここでは、省略する。
劣化性能演算部126(図21参照)
ここでは、周波数成分演算部125で求められたPower2、Phase2を用いて、触媒50及びOセンサ51の劣化判定を行う。具体的には、図21に示されるように(Phase2)≦(所定値A)、かつ、(Power2)≧(所定値B)のとき触媒50が劣化したと判定するものである。また、(Phase2)≧(所定値C)、かつ、(Power2)≦(所定値D)のときOセンサ20が劣化したと判定する。また、触媒50の劣化及び酸素センサ51の劣化のいずれの場合も、劣化報知灯57(図15参照)を点灯(Fdat=1)し、例えば運転者に劣化を通知する。所定値A〜Dは、エンジン及び触媒の特性及び目標とする診断性能に応じて経験的に決めるのがよい。
このような構成とされた本実施形態の制御装置1では、触媒50の劣化判定にあたっては、燃焼に供される混合気の空燃比を1番気筒#1については他の気筒(#2、#3、#4)におけるそれとは異なるように制御することで、触媒50上流の排気集合部40Bにおいて空燃比の周期的振動(エンジン10の2回転周期に相当する変動)を生成し、その周期的空燃比変動に対する触媒50下流の空燃比の応答をOセンサ51の出力に基づいて検出し、その検出結果から触媒50の劣化を判定するようにされるので、触媒50の劣化のみならずOセンサ51の劣化をも、排気の悪化を招くことなく比較的短時間で高精度に判定することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る制御装置の第2実施形態を説明する。第2実施形態の各部の構成は、前述した第1実施形態(図13〜図21)のものと、劣化性能演算部126(図21)以外の部分は略同じであるので、重複説明を省略し、以下においては、本実施形態の劣化性能演算部226について図22を参照しながら説明する。
本実施形態の劣化性能演算部226は、周波数成分演算部で求められたPower2、Phase2を用いて、触媒50及びOセンサ51の劣化判定を行う。具体的には、Phase2及びPower2(の履歴)を一旦記憶しておく。記憶手段としては、RAM、フラッシュROM、外部HDD(Hard Disk Drave)等を用いることができる。記憶されているPhase2(0)とPhase2(k)の差をΔPhase2とし、記憶されているPower2(0)とPower2(k)の差をΔPower2とする。なお、Phase2(0)とPhase2(k)は、一定期間T前後の位相及びパワースペクトルとし、kの方が0よりも時間的には後で演算された結果である。(ΔPhase2)≧(所定値E)、かつ、−(ΔPower2)≧(所定値F)のとき、触媒50が劣化したと判定し、また、(ΔPhase2)≦(所定値G)、かつ、(ΔPower2)≧(所定値H)のとき、Oセンサ51が劣化したと判定する。
また、触媒50の劣化及びOセンサ51の劣化のいずれの場合も、劣化報知灯57を点灯(Fdat=1)し、例えば運転者に劣化を通知する。
なお、Power2(0)、Phase2(0)は、触媒50及びOセンサ51が新品時の特性としてチューニングしておくのもよい。また、所定値A〜Dは、エンジン及び触媒の特性及び目標とする診断性能に応じて経験的に決めるのがよい。上述の一定期間Tも触媒もしくはOセンサの性能が変化するダイナミクスを考慮して決めるのがよい。
このように、本実施形態の制御装置2においては、触媒50(及びOセンサ51)の劣化判定にあたっては、特定の気筒(1番気筒#1)において空燃比を他の気筒とは異ならしめるように制御し、その際、Oセンサ51の出力から触媒50下流の空燃比の振動波形のパワー及び位相を演算し、その履歴を記憶しておく。ここで、触媒50が劣化すると、前述したようにように、位相は小さくなり、パワーは大きくなる。また、触媒50下流のOセンサ51が劣化(応答性が低下)すると、前述したように、位相は変化せず、パワーは小さくなる。このことから、記憶されたパワー及び位相の変化履歴に基づいて、触媒50の劣化と触媒50下流のOセンサ51の劣化とを同時に分離して判定することができる。
これにより、触媒下流のOセンサ51の劣化に起因して触媒50が劣化したと誤判定してしまうことを回避できる。
[第3実施形態]
次に、本発明に係る制御装置の第3実施形態を、図23に示される制御システム図を参照しながら説明する。第3実施形態の制御装置3における各部の構成は、前述した第1実施形態(図13〜図21)のものと、周波数成分演算部125(図20)及び劣化性能演算部126(図21)以外の部分は略同じであるので、重複説明を省略し、以下においては、本実施形態の周波数成分演算部(第1周波数成分演算部325A、第2周波数成分演算部325B)及び劣化性能演算部326について説明する。
第1周波数成分演算部325A、第2周波数演算部325B(図24参照)
第1周波数演算部325Aでは、触媒50上流のA/Fセンサ52の出力信号の周波数解析を行い、第2周波数成分演算部325Bでは、触媒50下流のOセンサ51の出力信号の周波数解析を行う。
具体的には、第1周波数成分演算部325Aにおいては、図24に示されるように、A/Fセンサ52の出力信号をDFTを用いてエンジン10の2回転周期に相当する周波数のパワースペクトルPower1及び位相スペクトルPhase1を演算する。ここでは、特定の周波数のみのスペクトルを演算するため、FFTではなくDFTを用いる。なお、サンプリング周期は、サンプリング定理より、エンジン2回転周期の2倍より大きければよいが、ここでは、一般的にクランク角センサ37からの気筒判別信号(4気筒の場合、180°毎に出力)により割り込み処理を行う。なお、DFTの処理内容については、多くの文献、書物があるので、ここでは、省略する。また、第2周波数成分演算部325Bにおいても、触媒50下流のOセンサ51の出力信号をDFTを用いてエンジン10の2回転周期に相当する周波数のパワースペクトルPower2及び位相スペクトルPhase2を演算する(第1実施形態と同様)。
劣化性能演算部326(図25参照)
ここでは、第1周波数成分演算部325Aで求められたPower1、Phase1及び第2周波数成分演算部325Bで求められたPower2、Phase2を用いて、A/Fセンサ52、触媒50、及び、Oセンサ51の劣化判定を行う。具体的には、図25に示されるように、(Phase1)≧(所定値E)、かつ、(Power2)≦(所定値F)のとき、A/Fセンサ52が劣化したと判定する。また、この診断において、A/Fセンサ52が劣化していないと判定されたときのみ、(Phase2−Phase1)≦(所定値G)、かつ、(Power2/Phase1)≧(所定値H)のとき、触媒50が劣化したと判定する。また、(Phase2−Phase1)≧(所定値I)、かつ、(Power2/Power1)≦(所定値J)のとき、Oセンサ51が劣化したと判定する。また、A/Fセンサ52の劣化、触媒50の劣化及び、Oセンサ20の劣化のいずれの場合も、劣化報知灯57を点灯(Fdat=1)し、例えば運転者に劣化を通知する。所定値E〜Jは、エンジン及び触媒の特性及び目標とする診断性能に応じて経験的に決めるのがよい。
[第4実施形態]
次に、本発明に係る制御装置の第4実施形態を、図26に示される制御システム図を参照しながら説明する。第4実施形態の制御装置4における各部の構成は、前述した第3実施形態(図23〜図25)のものと、劣化性能演算部326(図25)及び空燃比補正項演算部123(第1実施形態の図17)以外の部分は略同じであるので、重複説明を省略し、以下においては、本実施形態の劣化性能演算部426及び空燃比補正項演算部423について説明する。
劣化性能演算部426(図27参照)
本演算部426では、劣化指数Ind1,Ind2a,Ind2b,Ind3が演算され、空燃比補正項演算部423に反映される点が第3実施形態のものと異なる。なお、触媒下流Oセンサ51の出力は空燃比補正項演算部423に入力される。
図27に示される劣化性能演算部426では、第1周波数成分演算部325Aで求められたPower1、Phase1及び第2周波数成分演算部325Bで求められたPower2、Phase2を用いて、A/Fセンサ52の劣化指数Ind1、触媒50の劣化指数Ind2a,Ind2b及びOセンサ51の劣化指数Ind3の演算を行う。具体的には、図27に示されるように、Power1からA/Fセンサ52の劣化指数Ind1を求める。Power1とInd1の関係は、実験から求めるのがよい。また、Phase2から触媒50の劣化指数Ind2a、Power2から触媒50の劣化指数Ind2bを、Power2からOセンサ51の劣化指数Ind3を求める。ただし、Ind2a及びInd2bの更新は、触媒50の性能変化が発生したときに行い、Ind3の更新はOセンサ51の性能変化が発生したときに行う。各々の性能変化判定は、図27の上部に示されているように、第2実施形態の劣化性能演算部226(図22)に準じる。ただし、Phase2(k)、Phase2(k+n)、Power2(k)、Power2(k+n)は、一定期間T前後の位相及びパワースペクトルとし、k+nの方がkよりも時間的には後で演算された結果であり、kはシフトしていく。すなわち、一定期間T毎に、Phase2及びPower2を演算し、その変化量から触媒50及びOセンサ51の特性変化を検出し、変化量が一定値を超えた場合は、劣化指数を更新する。上述の一定期間Tも触媒50もしくはOセンサ51の性能が変化するダイナミクスを考慮して決めるのがよい。
空燃比補正項演算部423(図28参照)
この演算部423では、空燃比補正項の演算と、図27に示される劣化性能演算部426で演算されたA/Fセンサ52の劣化指数Ind1、触媒50の劣化指数Ind2a,Ind2b及びOセンサ51の劣化指数Ind3の反映を行う。具体的には、図28に示されるように、目標空燃比TabfとA/Fセンサ検出空燃比Rabfとの偏差Dltabfから、空燃比補正項LalphaをPI制御により演算する。空燃比補正項Lalphaは前述の基本燃料噴射量Tpに乗ぜられる。また目標空燃比Tabfは、触媒下流Oセンサ出力RVOが目標出力TgRVOの偏差に基づいてPI制御で求める。また、本PI制御には、触媒モデルベースの無駄時間補正項を施す。A/Fセンサ52の劣化指数Ind1は、空燃比補正項Lalphaを演算するPI制御のPゲイン、Iゲインの調整に用いる。またOセンサ51の劣化指数Ind3は目標空燃比Tabfを演算するPI制御のPゲイン、Iゲインの調整に用いる。また触媒50劣化指数Ind2a,Ind2bは触媒モデルベースの無駄時間補正部分に、下記に示すように反映する。
触媒モデルベース補正(図29参照)
図29に示すように、無駄時間補償は、触媒50の伝達特性のうち、無駄時間の部分を除いた伝達特性(図中では、(A)の部分で一次遅れ系)と無駄時間の部分も含む伝達特性(図中では、(B)の部分で一次遅れ+無駄時間)のそれぞれから得られる出力の差Mhosを演算することで構成される。ここに、Ind2bは一次遅れ系の時定数として反映され、また、Ind2bは無駄時間として反映される。
なお、上記実施形態では、いずれも三元触媒50下流の空燃比検出手段としてOセンサ51を用いたが、Oセンサの変わりにA/Fセンサを用いてもよい。
本発明に係る制御装置の第1態様の説明に供される図。 本発明に係る制御装置の第2態様の説明に供される図。 本発明に係る制御装置の第3態様の説明に供される図。 本発明に係る制御装置の第4態様の説明に供される図。 本発明に係る制御装置の第5態様の説明に供される図。 本発明に係る制御装置の第6態様の説明に供される図。 本発明に係る制御装置の第8態様の説明に供される図。 本発明に係る制御装置の第9態様の説明に供される図。 本発明に係る制御装置の第11態様の説明に供される図。 本発明に係る制御装置の第12態様の説明に供される図。 本発明に係る制御装置の第13態様の説明に供される図。 本発明に係る制御装置の第15態様の説明に供される図。 本発明に係るエンジンの制御装置の第1実施形態の全体構成を示す制御システム図。 第1実施形態におけるコントロールユニットの内部構成図。 第1実施形態の制御システム図。 第1実施形態における基本燃料噴射量演算部の説明に供される図。 第1実施形態における空燃比補正項演算部の説明に供される図。 第1実施形態における劣化診断許可判定部の説明に供される図。 第1実施形態における1番気筒空燃比補正量演算部の説明に供される図。 第1実施形態における周波数成分演算部の説明に供される図。 第1実施形態における劣化性能演算部の説明に供される図。 第2実施形態における劣化性能演算部の説明に供される図。 第3実施形態の制御システム図。 第3実施形態における第1周波数成分演算部の説明に供される図。 第3実施形態における劣化性能演算部の説明に供される図。 第4実施形態の制御システム図。 第4実施形態における劣化性能演算部の説明に供される図。 第4実施形態における空燃比補正項演算部の説明に供される図。 第4実施形態における触媒モデルベース補正の説明に供される図。
符号の説明
1(2、3、4) 第1(第2、第3、第4)実施形態の制御装置
10 エンジン
16 水温センサ
17 燃焼室
19 アクセルペダル
20 吸気通路
21 エアクリーナ
24 エアフローセンサ
25 電制スロットル弁
27 コレクタ
28 スロットル開度センサ
30 燃料噴射弁
35 点火プラグ
36 アクセル開度センサ
37 クランク角(エンジン回転数)センサ
40 排気通路
40B 排気集合部
41 EGR通路
50 三元触媒
51 Oセンサ
52 A/Fセンサ
100 コントロールユニット
121 基本燃料噴射量演算部
122 空燃比補正量演算部
123、423 空燃比補正項演算部
124 劣化診断許可判定部
125、325A、325B 周波数成分演算部
126、226、326、426 劣化性能演算部

Claims (15)

  1. 排気通路に排気浄化用触媒と、該排気浄化用触媒の下流に センサとを有するエンジンの制御装置であって、
    前記制御装置は、
    特定の気筒における燃焼に供される混合気の空燃比を他の気筒におけるそれとは異ならしめるように制御する気筒別空燃比制御手段と、
    前記O センサから得られる信号を周波数解析する周波数解析手段と、
    前記周波数解析手段により解析された所定周波数の位相及びパワーに基づいて、前記排気浄化用触媒及び前 センサの劣化を判定する劣化判定手段と、
    を備えていることを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記周波数解析手段は、前記排気通路における前記触媒上流の排気集合部で発生する空燃比の周期的振動に相当する周波数faの位相とパワーを解析し、前記劣化判定手段は、前記周波数faの位相とパワーに基づいて、前記触媒及び前 センサの劣化を判定することを特徴とする請求項に記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記劣化判定手段は、前記周波数解析手段により解析された所定周波数の位相が所定値以下となり、かつ、そのパワーが所定値以上となったとき、前記触媒が劣化したと判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記劣化判定手段は、前記周波数解析手段により解析された所定周波数の位相が所定値以上となり、かつ、そのパワーが所定値以下となったとき、前記 センサが劣化したと判定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記所定周波数の位相及びパワーの変化履歴を記憶する履歴記憶手段を備え、前記劣化判定手段は、前記履歴記憶手段に記憶された前記変化履歴に基づいて、所定期間における前記位相の減少量が所定値以上となり、かつ、前記所定期間における前記パワーの増加量が所定値以上となったとき、前記触媒が劣化したと判定し、前記所定期間における前記位相の減少量が所定値以下となり、かつ、前記所定期間における前記パワーの減少量が所定値以上となったとき、前記 センサが劣化したと判定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のエンジンの制御装置。
  6. 前記周波数faは、エンジンが2回転する周期に相当することを特徴とする請求項に記載のエンジンの制御装置。
  7. 前記排気通路における前記触媒上流の排気集合部における空燃比が目標値となるように燃焼に供される混合気の空燃比を制御する平均空燃比制御手段を備えていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のエンジンの制御装置。
  8. 前記平均空燃比制御手段は、前記排気通路における前記触媒上流の排気集合部に配在された空燃比検出手段の出力に基づいて、燃焼に供せられる混合気の空燃比をフィードバック制御することを特徴とする請求項に記載のエンジンの制御装置。
  9. 前記目標値は、前記触媒の浄化効率が最も高くなる値に設定されていることを特徴とする請求項又はに記載のエンジンの制御装置。
  10. 前記触媒上流の空燃比検出手段から得られる信号を周波数解析する周波数解析手段を備え、前記劣化判定手段は、前記周波数解析手段により解析された、エンジンの2回転成分の位相(Phase1)及びパワー(Power1)から前記触媒上流の空燃比検出手段の劣化を判定するとともに、前記触媒上流の空燃比検出手段の劣化情報、並びに、前記位相(Phase1)及び前記パワー(Power1)と、前記触媒下流の センサからの信号を周波数解析して得られる、エンジンの2回転成分の位相(Phase2)及びパワー(Power2)と、の関係に基づいて、前記触媒及び前記触媒下流の センサの劣化を判定することを特徴とする請求項又はに記載のエンジンの制御装置。
  11. 前記平均空燃比制御手段は、前記劣化判定手段から得られる、前記触媒上流の空燃比検出手段の劣化情報、前記触媒の劣化情報、及び、前記触媒下流の センサの劣化情報のうちの少なくとも一つに基づいて、燃焼に供せられる混合気の空燃比をフィードバック制御することを特徴とする請求項10に記載のエンジンの制御装置。
  12. 前記劣化判定手段から得られる、前記触媒上流の空燃比検出手段の劣化情報、前記触媒の劣化情報、及び、前記触媒下流の センサの劣化情報に基づいて、前記触媒上流の空燃比検出手段、前記触媒、及び、前記触媒下流の センサの正常時に対する前記触媒下流の排気悪化量を演算する排気悪化量演算手段を備えていることを特徴とする請求項10又は11に記載のエンジンの制御装置。
  13. 前記気筒別空燃比制御手段は、各気筒に対して配備された燃料噴射弁の燃料噴射態様及び又は吸排気弁の開閉態様を気筒毎に個別に制御可能とされていることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のエンジンの制御装置。
  14. 前記気筒別空燃比制御手段は、燃焼に供される混合気の空燃比を一気筒のみ他の気筒と異ならしめることにより、前記排気通路における前記触媒上流の排気集合部において空燃比に周期的振動を発生させるようにされていることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載のエンジンの制御装置。
  15. 請求項1から14のいずれか一項に記載のエンジンの制御装置を搭載した車両。
JP2003370115A 2003-10-30 2003-10-30 エンジンの制御装置 Expired - Fee Related JP4129221B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003370115A JP4129221B2 (ja) 2003-10-30 2003-10-30 エンジンの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003370115A JP4129221B2 (ja) 2003-10-30 2003-10-30 エンジンの制御装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008058916A Division JP2008185035A (ja) 2008-03-10 2008-03-10 エンジンの制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005133626A JP2005133626A (ja) 2005-05-26
JP4129221B2 true JP4129221B2 (ja) 2008-08-06

Family

ID=34647221

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003370115A Expired - Fee Related JP4129221B2 (ja) 2003-10-30 2003-10-30 エンジンの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4129221B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4756382B2 (ja) 2007-02-19 2011-08-24 株式会社デンソー 排気浄化システムの劣化判定装置
KR100962875B1 (ko) 2008-08-14 2010-06-09 현대자동차일본기술연구소 내연기관용 촉매의 열화 진단 장치 및 방법
JP5333058B2 (ja) 2009-08-27 2013-11-06 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置
JP2011185159A (ja) 2010-03-09 2011-09-22 Denso Corp 過給機付き内燃機関の異常診断装置
JP2012229663A (ja) * 2011-04-27 2012-11-22 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の空燃比制御装置
JP5825663B2 (ja) * 2011-07-25 2015-12-02 ボッシュ株式会社 ラムダセンサの極希薄領域応答性診断方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置
JP6046370B2 (ja) * 2012-04-09 2016-12-14 日立オートモティブシステムズ株式会社 エンジンの制御装置
JP5918702B2 (ja) 2013-01-18 2016-05-18 日立オートモティブシステムズ株式会社 エンジンの制御装置
JP6900034B2 (ja) * 2017-07-19 2021-07-07 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 エンジン状態観測器を用いたエンジン制御方法、エンジン制御プログラム及びエンジン制御装置
JP7232532B2 (ja) * 2020-08-13 2023-03-03 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 エンジン状態観測器を用いたエンジン制御方法、エンジン制御プログラム及びエンジン制御装置
WO2023079791A1 (ja) * 2021-11-04 2023-05-11 日立Astemo株式会社 内燃機関の制御装置及び制御方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2826611B2 (ja) * 1990-11-15 1998-11-18 三菱自動車工業株式会社 触媒劣化診断方法
JP3292019B2 (ja) * 1995-10-03 2002-06-17 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の触媒劣化判定装置
JP3510132B2 (ja) * 1999-01-27 2004-03-22 株式会社日立製作所 エンジンの制御装置
KR100305832B1 (ko) * 1999-07-21 2001-09-13 이계안 주파수 분석을 이용한 엔진 실화 검출 시스템과 검출방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005133626A (ja) 2005-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4130800B2 (ja) エンジンの制御装置
JP4464876B2 (ja) エンジンの制御装置
EP1657415B1 (en) Engine Self-diagnosis system
JP4700079B2 (ja) 気筒間の空燃比の不均衡を判断するための装置
JP3878398B2 (ja) エンジンの自己診断装置および制御装置
JP4129221B2 (ja) エンジンの制御装置
JP4193869B2 (ja) 排ガス浄化触媒の劣化診断装置
US20060090456A1 (en) Control apparatus for an internal combustion engine
JP2008185035A (ja) エンジンの制御装置
JP2008180225A (ja) エンジンの制御装置
JP2006052684A (ja) エンジンの制御装置
JP6054925B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2012145054A (ja) 多気筒内燃機関の気筒間空燃比ばらつき異常検出装置
US20130110378A1 (en) Control Device of Engine
JP3550756B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP4888368B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4276136B2 (ja) エンジンの診断装置
JP2005240618A (ja) エンジンの制御装置
JP4275046B2 (ja) エンジンの制御装置
US9057337B2 (en) Air-fuel ratio control system for internal combustion engine
JP6252093B2 (ja) 気筒間空燃比ばらつき異常検出装置
WO2023074030A1 (ja) 触媒劣化診断装置
JP2013181486A (ja) 内燃機関の制御装置
US7415818B2 (en) Control device of internal combustion engine
JP3879596B2 (ja) 空燃比センサ状態判定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080507

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080516

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4129221

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120523

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130523

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130523

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees