JP5825663B2 - ラムダセンサの極希薄領域応答性診断方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、ラムダセンサの出力値と、エンジン回転数と燃料噴射量に基づいて算出されたラムダセンサの出力予測値との偏差をしき値と比較し、その比較結果によりラムダセンサの故障の有無を判定する方法が提案されている。
車両が減速状態にあって、エンジン回転数が所定範囲内にある場合に、エンジンの一つの気筒に対して微小噴射を行い、その際のラムダセンサの出力信号に対して周波数解析を施して周波数スペクトルを得、前記周波数スペクトルの所定周波数において、所定レベルを越えるスペクトルが生じている場合、前記ラムダセンサの極希薄領域の応答性に問題無しと判定する一方、所定レベルを超えるスペクトルが生じていない場合には前記ラムダセンサの極希薄領域の応答性に問題有りと判定し、前記所定周波数は、前記微小噴射を行った際に、前記ラムダセンサが正常である場合に、その出力に対して周波数解析を施した結果、前記所定レベルを超えるスペクトルが得られる周波数とされるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るラムダセンサの極希薄領域応答性診断方法は、
車両が減速状態にあって、エンジン回転数が所定範囲内にある場合に、ラムダセンサの出力信号を無噴射時出力信号として取得する一方、エンジンの一つの気筒に対して微小噴射を行い、その際のラムダセンサの出力信号を微小噴射時出力信号として取得し、前記無噴射時出力信号及び前記微小噴射時出力信号のそれぞれに対して周波数解析を施し、それぞれ周波数スペクトルを得、前記周波数スペクトルの所定周波数において、双方のスペクトルレベルの差が、所定値を越える場合、前記ラムダセンサの極希薄領域の応答性に問題無しと判定する一方、所定値を超えていない場合には前記ラムダセンサの極希薄領域の応答性に問題有りと判定し、前記所定周波数は、前記微小噴射を行った際に、前記ラムダセンサが正常である場合に、その出力に対して周波数解析を施した結果、前記所定レベルを超えるスペクトルが得られる周波数とされるものも好適である。
さらに、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るコモンレール式燃料噴射制御装置は、
燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能として構成されてなると共に、前記高圧ポンプ及び燃料噴射弁の動作を制御する電子制御ユニットを有してなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
車両が減速状態にあって、エンジン回転数が所定範囲内にある場合に、前記エンジンの一つの気筒の燃料噴射弁に対して、微小噴射を実行せしめ、その際のラムダセンサの出力信号に対して周波数解析を施して周波数スペクトルを得、前記周波数スペクトルの所定周波数において、所定レベルを越えるスペクトルが生じているか否かを判定し、所定レベルを越えるスペクトルが生じていると判定された場合、前記ラムダセンサの極希薄領域の応答性に問題無しと判定する一方、所定レベルを超えるスペクトルは生じていないと判定された場合には前記ラムダセンサの極希薄領域の応答性に問題有りと判定するよう構成されてなり、前記所定周波数は、前記微小噴射を行った際に、前記ラムダセンサが正常である場合に、その出力に対して周波数解析を施した結果、前記所定レベルを超えるスペクトルが得られる周波数とされてなるものである。
またさらに、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るコモンレール式燃料噴射制御装置は、
燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能として構成されてなると共に、前記高圧ポンプ及び燃料噴射弁の動作を制御する電子制御ユニットを有してなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
車両が減速状態にあって、エンジン回転数が所定範囲内にある場合に、ラムダセンサの出力信号を無噴射時出力信号として取得する一方、前記エンジンの一つの気筒の燃料噴射弁に対して、微小噴射を実行せしめ、その際のラムダセンサの出力信号を微小噴射時出力信号として取得し、前記無噴射時出力信号及び前記微小噴射時出力信号のそれぞれに対して周波数解析を施し、それぞれ周波数スペクトルを得、前記周波数スペクトルの所定周波数において、双方のスペクトルレベルの差が、所定値を越えるか否かを判定し、所定値を越えると判定された場合、前記ラムダセンサの極希薄領域の応答性に問題無しと判定する一方、所定値を超えていないと判定された場合には前記ラムダセンサの極希薄領域の応答性に問題有りと判定するよう構成されてなり、前記所定周波数は、前記微小噴射を行った際に、前記ラムダセンサが正常である場合に、その出力に対して周波数解析を施した結果、前記所定レベルを超えるスペクトルが得られる周波数とされてなるものも好適である。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態におけるラムダセンサの極希薄領域応答性診断方法が適用される内燃機関の燃料噴射制御装置の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
図1に示された内燃機関の燃料噴射制御装置は、具体的には、特に、コモンレール式燃料噴射制御装置が構成されたものとなっている。
かかる構成自体は、従来から良く知られているこの種の燃料噴射制御装置の基本的な構成と同一のものである。
かかる構成において、燃料タンク9の燃料は、フィードポンプ5により汲み上げられ、調量弁6を介して高圧ポンプ7へ供給されるようになっている。調量弁6には、電磁式比例制御弁が用いられ、その通電量が電子制御ユニット4に制御されることで、高圧ポンプ7への供給燃料の流量、換言すれば、高圧ポンプ7の吐出量が調整されるものとなっている。
また、フィードポンプ5は、高圧ポンプ装置50の上流側に高圧ポンプ装置50と別体に設けるようにしても、また、燃料タンク9内に設けるようにしても良いものである。
本発明のコモンレール1には、余剰高圧燃料をタンク9へ戻すリターン通路(図示せず)に、電磁制御式の圧力制御弁12が設けられており、調量弁6と共にレール圧の制御に用いられるようになっている。
かかる電子制御ユニット4には、コモンレール1の圧力を検出する圧力センサ11の検出信号やラムダセンサ13の出力信号、さらには、エンジン回転センサ14の出力信号が入力される他、アクセル開度、外気温度、大気圧などの各種の検出信号が、エンジン3の動作制御や燃料噴射制御などに供されるために入力されるようになっている。
本発明の実施の形態におけるエンジンシステムには、排出ガス中の窒素酸化物 (NOx) 低減や燃費向上等のため、排気ガス再循環装置101が設けられたものとなっている。
本発明の実施の形態における排気ガス再循環装置101は、公知・周知の構成を有してなるものである。すなわち、まず、排気ガス再循環装置101においては、排気ガスのエネルギーを利用して吸入空気の圧縮を可能とするターボチャージャ21が設けられている。
そして、排気管23の下流側にあっては、ラムダセンサ13が設けられて、排気ガス中の酸素濃度の検出が可能となっている。
本発明の実施の形態において前提とされる微小噴射量学習処理は、従来装置においても行われているもので、燃料噴射弁2−1〜2−nの劣化や故障等に起因して、特に、パイロット噴射における燃料噴射量の本来の燃料噴射量からのずれを補正するためのものである。
次いで、その変動周波数成分を基に、その時に実際に噴射されたであろう燃料量の推定値(推定噴射量)が算出される。
同図において、「オーバーラン較正」と表記されると共に符号M2−1が付された箇所は、先に説明した、微小噴射から始まり、所定の閾値に収束せしめられた推定噴射量を得るに要した通電時間ETが算出されるまでの一連の処理を模式的に表している。
この基準通電時間マップから読み出される基準通電時間と上述の通電時間ETは、減算処理(図3の符号M2−3が付された箇所)により差分ΔETが求められるようになっている。
学習値が取得された以後は、該当する目標レール圧、燃料噴射量における通電時間は、基準通電時間を学習値で補正したもの、すなわち、基準通電時間と差分通電時間学習値ΔETとの加算結果とされ(図3の符号M2−6参照)、燃料噴射弁2−1〜2−nの劣化等による通電時間、燃料噴射量のずれが補正されるようになっている。
電子制御ユニット4による処理が開始されると、最初に、ラムダセンサ13の極希薄領域応答性診断処理の直近の実行時から所定時間(又は所定期間)が経過したか否かが判定される(図4のステップS102参照)。ここで、所定時間、又は、所定期間は、特定の値に限定される必要はなく、使用されるラムダセンサ13の具体的な電気的特性や車両の具体的な仕様等を考慮して、試験やシミュレーション結果等に基づいて設定するのが好適である。
本発明の実施の形態においては、アクセル(図示せず)がオフで、かつ、無噴射状態にある場合に、車両が減速状態であると判定されるものとなっている。
しかして、ステップS106において、車両が減速状態であると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS110の処理へ進む一方、車両は減速状態ではないと判定された場合(YESの場合)には、車両が減速状態であると判定されるまでステップS106が繰り返されることとなる。
すなわち、エンジン回転数Nsが、N1を越え、且つ、N2(N1<N2)を下回っているか否かが判定され、エンジン回転数Nsが、N1を越え、且つ、N2(N1<N2)を下回っている(N1<Ns<N2)と判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS112の処理へ進む一方、N1<Ns<N2が成立していないと判定された場合(NOの場合)には、先のステップS106の処理へ戻ることとなる。
なお、本発明の実施の形態において、所定エンジン回転数範囲は、1900rpm<Ns<2100rpmに設定されたものとなっている。かかる所定エンジン回転数範囲は、後述するようにラムダセンサ13の出力信号に対する周波数解析により得られるスペクトル周波数を考慮して定められるもので、勿論、本発明の実施の形態における範囲に限定される必要は無いものである。
次いで、微小噴射後におけるラムダセンサ13の出力酸素濃度が電子制御ユニット4に読み込まれ、電子制御ユニット4の適宜なデータ記憶領域に記憶される。
ここで、周波数解析は、例えば、従来から良く知られている高速フーリエ変換(FFT)などの手法を用いたものが好適である。なお、周波数解析に用いる手法は、特定の手法に限定されるものではなく、適宜選択されるべきものである。
すなわち、ステップS114の算出結果について、所定のスペクトル周波数において基準を越えるスペクトルが得られているか否かが判定される。
ここで、図7を参照しつつ、本発明の実施の形態におけるラムダセンサ13の出力酸素濃度の周波数解析におけるスペクトルについて説明する。
本願発明は、そのようなラムダセンサ13の特性に基づいて、ラムダセンサの応答性の診断、特に、極希薄領域における応答性の適否を診断可能としたものである。
まず、図7において、横軸はスペクトル周波数を、縦軸はスペクトルのレベルを、それぞれ示している。
同図において、実線の特性線は、先に述べたようにエンジン3の一つの気筒に対して微小噴射(図4のステップS112参照)を行った際に得られたラムダセンサ13の出力酸素濃度に対して周波数解析(図4のステップS114参照)を施した場合のスペクトル算出例である。
微小噴射を行った場合の同図の実線で表された特性線に比して、16.7Hzにおいて近傍の周波数に比して特段高いスペクトルレベルは生じていないのが確認できるものとなっている。
ラムダセンサ13の出力酸素濃度の計測を行う際のエンジン回転数範囲(図4のステップS110参照)は、上述の本発明の実施の形態における設定範囲に限定される必要はなく、ラムダセンサ13の出力酸素濃度の計測結果に対する周波数解析の容易性等を考慮して適宜定め得るものである。
この第2の構成例は、微小噴射を行った際のラムダセンサ13の出力酸素濃度の周波数解析結果と、無噴射でのラムダセンサ13の出力酸素濃度の周波数解析結果を比較することで、ラムダセンサ13の極希薄領域応答性の良否を診断するようにしたものである。
以下、図5及び図6を参照しつつ具体的に説明する。
図5において、ステップS202〜S210は、図4におけるステップS102〜S110と基本的に同一の処理内容であるので、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
上述のステップS214、又は、ステップS216のいずれかの処理が実行された後は、必要な計測データが取得されたか否かが判定される(図6のステップS218参照)。すなわち、微小噴射を行った状態におけるラムダセンサ13の出力酸素濃度と、無噴射状態におけるラムダセンサ13の出力酸素濃度が、それぞれ取得されたか否かが判定され、双方取得されたと判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS220の処理へ進む一方、双方のデータが取得された状態ではないと判定された場合(NOの場合)は、先のステップS212(図5参照)へ戻り、同ステップ以降の処理が繰り返されることとなる。
なお、本発明の実施の形態においては、所定スペクトル周波数は16.7Hzである。
なお、このステップS226の処理は、図4のステップS120の処理と基本的に同一である。
2−1〜2−n…燃料噴射弁
3…エンジン
4…電子制御ユニット
13…ラムダセンサ
Claims (8)
- 車両が減速状態にあって、エンジン回転数が所定範囲内にある場合に、エンジンの一つの気筒に対して微小噴射を行い、その際のラムダセンサの出力信号に対して周波数解析を施して周波数スペクトルを得、前記周波数スペクトルの所定周波数において、所定レベルを越えるスペクトルが生じている場合、前記ラムダセンサの極希薄領域の応答性に問題無しと判定する一方、所定レベルを超えるスペクトルが生じていない場合には前記ラムダセンサの極希薄領域の応答性に問題有りと判定し、前記所定周波数は、前記微小噴射を行った際に、前記ラムダセンサが正常である場合に、その出力に対して周波数解析を施した結果、前記所定レベルを超えるスペクトルが得られる周波数であることを特徴とするラムダセンサの極希薄領域応答性診断方法。
- 微小噴射は、目標レール圧と目標燃料噴射量から定まる基準通電時間を、微小噴射学習処理によって得られた差分通電時間学習値によって補正した値を通電時間として燃料噴射弁を通電駆動することによってなされるものであり、
前記微小噴射量学習処理は、
前記燃料噴射弁が無噴射状態において、レール圧に応じた微小噴射量の燃料噴射である微小噴射を複数回行い、その際生ずるエンジン回転数の変動量に基づいて前記微小噴射の際に噴射されたであろうと推定される推定噴射量を求める一方、レール圧と燃料噴射量を入力パラメータとして、種々のレール圧及び燃料噴射量に対する燃料噴射弁の取付の際に取得された通電時間が基準通電時間として読み出し可能に構成された基準通電時間マップから得られる、前記推定噴射量及び前記微小噴射の際のレール圧に対応する基準通電時間と、前記微小噴射の際の通電時間との差分を得、学習値として更新可能に記憶するものであって、前記エンジン回転数の変動量は、エンジン回転信号の周波数成分の変動分である回転変動周波数成分を基に算出されることを特徴とする請求項1記載のラムダセンサの極希薄領域応答性診断方法。 - 車両が減速状態にあって、エンジン回転数が所定範囲内にある場合に、ラムダセンサの出力信号を無噴射時出力信号として取得する一方、エンジンの一つの気筒に対して微小噴射を行い、その際のラムダセンサの出力信号を微小噴射時出力信号として取得し、前記無噴射時出力信号及び前記微小噴射時出力信号のそれぞれに対して周波数解析を施し、それぞれ周波数スペクトルを得、前記周波数スペクトルの所定周波数において、双方のスペクトルレベルの差が、所定値を越える場合、前記ラムダセンサの極希薄領域の応答性に問題無しと判定する一方、所定値を超えていない場合には前記ラムダセンサの極希薄領域の応答性に問題有りと判定し、前記所定周波数は、前記微小噴射を行った際に、前記ラムダセンサが正常である場合に、その出力に対して周波数解析を施した結果、前記所定レベルを超えるスペクトルが得られる周波数であることを特徴とするラムダセンサの極希薄領域応答性診断方法。
- 微小噴射は、目標レール圧と目標燃料噴射量から定まる基準通電時間を、微小噴射学習処理によって得られた差分通電時間学習値によって補正した値を通電時間として燃料噴射弁を通電駆動することによってなされるものであり、
前記微小噴射量学習処理は、
前記燃料噴射弁が無噴射状態において、レール圧に応じた微小噴射量の燃料噴射である微小噴射を複数回行い、その際生ずるエンジン回転数の変動量に基づいて前記微小噴射の際に噴射されたであろうと推定される推定噴射量を求める一方、レール圧と燃料噴射量を入力パラメータとして、種々のレール圧及び燃料噴射量に対する燃料噴射弁の取付の際に取得された通電時間が基準通電時間として読み出し可能に構成された基準通電時間マップから得られる、前記推定噴射量及び前記微小噴射の際のレール圧に対応する基準通電時間と、前記微小噴射の際の通電時間との差分を得、学習値として更新可能に記憶するものであって、前記エンジン回転数の変動量は、エンジン回転信号の周波数成分の変動分である回転変動周波数成分を基に算出されることを特徴とする請求項3記載のラムダセンサの極希薄領域応答性診断方法。 - 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能として構成されてなると共に、前記高圧ポンプ及び燃料噴射弁の動作を制御する電子制御ユニットを有してなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
車両が減速状態にあって、エンジン回転数が所定範囲内にある場合に、前記エンジンの一つの気筒の燃料噴射弁に対して、微小噴射を実行せしめ、その際のラムダセンサの出力信号に対して周波数解析を施して周波数スペクトルを得、前記周波数スペクトルの所定周波数において、所定レベルを越えるスペクトルが生じているか否かを判定し、所定レベルを越えるスペクトルが生じていると判定された場合、前記ラムダセンサの極希薄領域の応答性に問題無しと判定する一方、所定レベルを超えるスペクトルは生じていないと判定された場合には前記ラムダセンサの極希薄領域の応答性に問題有りと判定するよう構成されてなり、前記所定周波数は、前記微小噴射を行った際に、前記ラムダセンサが正常である場合に、その出力に対して周波数解析を施した結果、前記所定レベルを超えるスペクトルが得られる周波数であることを特徴とするコモンレール式燃料噴射制御装置。 - 電子制御ユニットは、目標レール圧と目標燃料噴射量から定まる基準通電時間を、微小噴射学習処理によって得られた差分通電時間学習値によって補正した値を通電時間として燃料噴射弁を通電駆動することによって前記燃料噴射弁に微小噴射を実行せしめ、
前記微小噴射量学習処理は、
前記燃料噴射弁が無噴射状態において、レール圧に応じた微小噴射量の燃料噴射である微小噴射を複数回行い、その際生ずるエンジン回転数の変動量に基づいて前記微小噴射の際に噴射されたであろうと推定される推定噴射量を求める一方、レール圧と燃料噴射量を入力パラメータとして、種々のレール圧及び燃料噴射量に対する燃料噴射弁の取付の際に取得された通電時間が基準通電時間として読み出し可能に構成された基準通電時間マップから得られる、前記推定噴射量及び前記微小噴射の際のレール圧に対応する基準通電時間と、前記微小噴射の際の通電時間との差分を得、学習値として更新可能に記憶するものであって、前記エンジン回転数の変動量は、エンジン回転信号の周波数成分の変動分である回転変動周波数成分を基に算出されることを特徴とする請求項5記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。 - 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能として構成されてなると共に、前記高圧ポンプ及び燃料噴射弁の動作を制御する電子制御ユニットを有してなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
車両が減速状態にあって、エンジン回転数が所定範囲内にある場合に、ラムダセンサの出力信号を無噴射時出力信号として取得する一方、前記エンジンの一つの気筒の燃料噴射弁に対して、微小噴射を実行せしめ、その際のラムダセンサの出力信号を微小噴射時出力信号として取得し、前記無噴射時出力信号及び前記微小噴射時出力信号のそれぞれに対して周波数解析を施し、それぞれ周波数スペクトルを得、前記周波数スペクトルの所定周波数において、双方のスペクトルレベルの差が、所定値を越えるか否かを判定し、所定値を越えると判定された場合、前記ラムダセンサの極希薄領域の応答性に問題無しと判定する一方、所定値を超えていないと判定された場合には前記ラムダセンサの極希薄領域の応答性に問題有りと判定するよう構成されてなり、前記所定周波数は、前記微小噴射を行った際に、前記ラムダセンサが正常である場合に、その出力に対して周波数解析を施した結果、前記所定レベルを超えるスペクトルが得られる周波数であることを特徴とするコモンレール式燃料噴射制御装置。 - 電子制御ユニットは、目標レール圧と目標燃料噴射量から定まる基準通電時間を、微小噴射学習処理によって得られた差分通電時間学習値によって補正した値を通電時間として燃料噴射弁を通電駆動することによって前記燃料噴射弁に微小噴射を実行せしめ、
前記微小噴射量学習処理は、
前記燃料噴射弁が無噴射状態において、レール圧に応じた微小噴射量の燃料噴射である微小噴射を複数回行い、その際生ずるエンジン回転数の変動量に基づいて前記微小噴射の際に噴射されたであろうと推定される推定噴射量を求める一方、レール圧と燃料噴射量を入力パラメータとして、種々のレール圧及び燃料噴射量に対する燃料噴射弁の取付の際に取得された通電時間が基準通電時間として読み出し可能に構成された基準通電時間マップから得られる、前記推定噴射量及び前記微小噴射の際のレール圧に対応する基準通電時間と、前記微小噴射の際の通電時間との差分を得、学習値として更新可能に記憶するものであって、前記エンジン回転数の変動量は、エンジン回転信号の周波数成分の変動分である回転変動周波数成分を基に算出されることを特徴とする請求項7記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
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