以下、本発明の物理量センサー、物理量センサーデバイス、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る物理量センサーを示す平面図である。図2は、図1中のA−A線断面図である。図3は、素子部の部分拡大平面図である。図4は、素子部の変形例を示す部分拡大平面図である。図5および図6は、それぞれ、素子部が有する可動電極指と固定電極指を示す部分拡大平面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1中の紙面手前側および図2中の上側を「上」とも言い、図1中の紙面奥側および図2中の下側を「下」とも言う。また、各図に示すように、互いに直交する3つの軸をX軸、Y軸およびZ軸とし、X軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」とも言う。また、各軸の矢印方向先端側を「プラス側」とも言い、反対側を「マイナス側」とも言う。
図1に示す物理量センサー1は、X軸方向の加速度Axを検出することのできる加速度センサーである。このような物理量センサー1は、基板2(基部)と、基板2上に配置された素子部3と、素子部3を覆うように基板2に接合された蓋部8と、を有している。以下、これら各部について、順に詳細に説明する。
(基板)
図1に示すように、基板2は、矩形の平面視形状を有する板状をなしている。また、基板2は、上面側に開放する凹部21を有している。また、Z軸方向からの平面視で、凹部21は、素子部3を内側に内包するように、素子部3よりも大きく形成されている。このような凹部21は、素子部3と基板2との接触を防止(抑制)するための逃げ部として機能する。
また、図2に示すように、基板2は、凹部21の底面に設けられた3つの突起状のマウント部22、23、24を有している。そして、これらマウント部22、23、24に素子部3が接合されている。これにより、素子部3を、凹部21の底面と離間させた状態で基板2に固定することができる。
また、図1に示すように、基板2は、上面側に開放する溝部25、26、27を有している。また、溝部25、26、27の一端部は、それぞれ、蓋部8の外側に位置し、他端部は、それぞれ、凹部21に接続されている。
このような基板2としては、例えば、アルカリ金属イオン(可動イオン)を含むガラス材料(例えば、パイレックスガラス(登録商標)のような硼珪酸ガラス)で構成されたガラス基板を用いることができる。これにより、例えば、蓋部8の構成材料によっては、基板2と蓋部8とを陽極接合により接合することができ、これらを強固に接合することができる。また、光透過性を有する基板2が得られるため、物理量センサー1の外側から、基板2を介して素子部3の状態(例えば、素子部3が凹部21の底面に貼り付いてしまう現象である「スティッキング」の有無)を視認することができる。
ただし、基板2としては、特に限定されず、例えば、シリコン基板やセラミックス基板を用いてもよい。なお、基板2としてシリコン基板を用いる場合は、短絡を防止する観点から、高抵抗のシリコン基板を用いるか、表面に熱酸化等によってシリコン酸化膜(絶縁性酸化物)を形成したシリコン基板を用いることが好ましい。
また、図1に示すように、溝部25、26、27には配線71、72、73が設けられている。また、配線71、72、73の一端部は、それぞれ、蓋部8の外側に露出しており、外部装置との電気的な接続を行う電極パッドPとして機能する。また、図2に示すように、配線71の他端部は、凹部21の底面を通ってマウント部22まで引き回されており、マウント部22上で素子部3と電気的に接続されている。また、配線72の他端部は、凹部21の底面を通ってマウント部23まで引き回されており、マウント部23上で素子部3と電気的に接続されている。また、配線73の他端部は、凹部21の底面を通ってマウント部24まで引き回されており、マウント部24上で素子部3と電気的に接続されている。
配線71、72、73の構成材料としては、特に限定されず、例えば、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、Ti(チタン)、タングステン(W)等の金属材料、これら金属材料を含む合金、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZnO(Zinc Oxide)、IGZO(Indium、Gallium、Zinc、Oxideから構成されるアモルファス半導体)等の酸化物系の透明導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
(蓋部)
図1に示すように、蓋部8は、矩形の平面視形状を有する板状をなしている。また、図2に示すように、蓋部8は、下面側(基板2側)に開放する凹部81を有している。このような蓋部8は、凹部81内に素子部3を収納するようにして、基板2の上面に接合されている。そして、蓋部8および基板2によって、その内側に、素子部3を収納する収納空間Sが形成されている。
また、図2に示すように、蓋部8は、収納空間Sの内外を連通する連通孔82を有している。この連通孔82を介して、収納空間Sを所望の雰囲気に置換することができる。また、連通孔82内には封止部材83が配置され、封止部材83によって連通孔82が気密封止されている。
封止部材83としては、連通孔82を封止できれば、特に限定されず、例えば、金(Au)/錫(Sn)系合金、金(Au)/ゲルマニウム(Ge)系合金、金(Au)/アルミニウム(Al)系合金等の各種合金、低融点ガラス等のガラス材料等を用いることができる。
収納空間Sは、気密空間である。また、収納空間Sは、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが封入されて、使用温度(−40℃〜80℃程度)で、ほぼ大気圧となっていることが好ましい。収納空間Sを大気圧とすることで、粘性抵抗が増してダンピング効果が発揮され、素子部3(後述する可動部53)の振動を速やかに収束させることができる。そのため、物理量センサー1の加速度Axの検出精度が向上する。
このような蓋部8としては、例えば、シリコン基板を用いることができる。ただし、蓋部8としては、特に限定されず、例えば、ガラス基板やセラミックス基板を用いてもよい。また、基板2と蓋部8との接合方法としては、特に限定されず、基板2や蓋部8の材料によって適宜選択すればよいが、例えば、陽極接合、プラズマ照射によって活性化させた接合面同士を接合させる活性化接合、ガラスフリット等の接合材による接合、基板2の上面および蓋部8の下面に成膜した金属膜同士を接合する拡散接合等が挙げられる。
本実施形態では、図2に示すように、接合材の一例であるガラスフリット89(低融点ガラス)を介して基板2と蓋部8とが接合されている。基板2と蓋部8とを重ね合わせた状態では、溝部25、26、27を介して収納空間Sの内外が連通してしまうが、ガラスフリット89を用いることで、基板2と蓋部8とを接合すると共に、溝部25、26、27を封止することができる。そのため、より容易に、収納空間Sを気密封止することができる。なお、基板2と蓋部8とを陽極接合等(溝部25、26、27を封止できない接合方法)で接合した場合には、例えば、TEOS(テトラエトキシシラン)を用いたCVD法等で形成されたSiO2膜によって溝部25、26、27を塞ぐことができる。
(素子部)
図1に示すように、素子部3は、基板2に固定されている固定電極部4と、基板2に対して変位可能な可動電極部5と、を有している。また、固定電極部4は、第1固定電極部41と、第2固定電極部42と、を有している。
このような素子部3は、例えば、リン(P)、ボロン(B)等の不純物がドープされたシリコン基板をパターニングすることで形成することができる。また、素子部3は、陽極接合によって基板2(マウント部22、23、24)に接合されている。ただし、素子部3の材料や、素子部3の基板2への接合方法は、特に限定されない。
可動電極部5は、マウント部24に接合された接合部51aを有する固定部51と、固定部51に接続された支持部52と、支持部52に対してX軸方向に変位可能な可動部53と、支持部52と可動部53とを接続するバネ部54、55(弾性部)と、可動部53に設けられている可動電極指56と、を有している。なお、これら固定部51、支持部52、可動部53、バネ部54、55および可動電極指56は、一体的に形成されている。
図1に示すように、固定部51は、素子部3のほぼ中央部に位置している。そして、固定部51は、マウント部24と接合された接合部51aを有している。また、図2に示すように、固定部51は、配線73と電気的に接続されている。なお、以下では、Z軸方向から見た平面視で、固定部51をY軸方向に二等分する仮想軸を中心軸Lとする。
また、図1に示すように、支持部52は、固定部51を間に挟んでX軸方向に並んで一対設けられている。一方の支持部52は、固定部51からX軸方向プラス側に向けて延出しており、他方の支持部52は、固定部51からX軸方向マイナス側に向けて延出している。これら2つの支持部52は、それぞれ、基板2から浮遊した状態で、固定部51に支持されている。なお、各支持部52は、X軸方向に延在する長手形状となっているが、各支持部52の形状は、特に限定されない。
また、図1に示すように、可動部53は、Z軸方向から見た平面視で、枠状をなしており、固定部51、支持部52、バネ部54、55および固定電極部4を囲んでいる。このように、可動部53を枠状とすることで、可動部53の質量をより大きくすることができる。そのため、可動部53が、受けた加速度に対して敏感に反応して可動するようになり、物理量センサー1の感度を向上させることができる。なお、可動部53は、中心軸Lに対して対称的に形成されている。
可動部53の形状について、具体的に説明すると、可動部53は、内側に第1固定電極部41が配置された開口部538と、内側に第2固定電極部42が配置された開口部539と、を有している。また、可動部53は、固定部51、支持部52、バネ部54、55および第1、第2固定電極部41、42を囲む枠部531と、開口部538のX軸方向プラス側に位置し、枠部531からY軸方向マイナス側へ延出する第1Y軸延在部532aと、第1Y軸延在部532aの先端部からX軸方向マイナス側へ延出する第1X軸延在部533aと、開口部538のX軸方向マイナス側に位置し、枠部531からY軸方向マイナス側へ延出する第1Y軸延在部532bと、第1Y軸延在部532bの先端部からX軸方向プラス側へ延出する第1X軸延在部533bと、開口部539のX軸方向プラス側に位置し、枠部531からY軸方向プラス側へ延出する第2Y軸延在部534aと、第2Y軸延在部534aの先端部からX軸方向マイナス側へ延出する第2X軸延在部535aと、開口部539のX軸方向マイナス側に位置し、枠部531からY軸方向プラス側へ延出する第2Y軸延在部534bと、第2Y軸延在部534bの先端部からX軸方向プラス側へ延出する第2X軸延在部535bと、を有している。
また、第1、第2Y軸延在部532a、534aは、それぞれ、バネ部54の近くに設けられ、バネ部54に沿って配置されており、第1、第2Y軸延在部532b、534bは、それぞれ、バネ部55の近くに設けられ、バネ部55に沿って配置されている。また、第1、第2X軸延在部533a、535aは、それぞれ、一方(X軸方向プラス側)の支持部52の近くに設けられ、その支持部52に沿って配置されており、第1、第2X軸延在部533b、535bは、それぞれ、他方(X軸方向マイナス側)の支持部52の近くに設けられ、その支持部52に沿って配置されている。
また、可動部53は、開口部538の余ったスペースを埋めるように、枠部531から開口部538内へ突出する突出部536と、開口部539の余ったスペースを埋めるように、枠部531から開口部539内へ突出する突出部537と、を有している。このように、突出部536、537を設けることで、可動部53の大型化を招くことなく、可動部53の質量をより大きくすることができる。そのため、より感度が向上し、感度の高い物理量センサー1となる。
また、バネ部54、55は、弾性変形可能であり、バネ部54、55が弾性変形することで、可動部53が支持部52に対してX軸方向に変位する。図1に示すように、バネ部54は、一方の支持部52のX軸方向プラス側の端部と枠部531のX軸方向プラス側の端部とを接続し、バネ部55は、他方の支持部52のX軸方向マイナス側の端部と枠部531のX軸方向マイナス側の端部とを接続している。バネ部54、55をこのように配置すると、可動部53をX軸方向の両側で支持することができ、可動部53の姿勢および挙動が安定する。そのため、可動部53の不要な振動(X軸方向以外への変位)を低減することができ、物理量センサー1は、より高い精度で、加速度Axを検出することができる。
次に、固定電極部4について説明する。図1に示すように、固定電極部4は、開口部538内に位置する第1固定電極部41と、開口部539内に位置する第2固定電極部42と、を有している。これら第1、第2固定電極部41、42は、Y軸方向に並んで配置されており、間に中心軸Lが位置するように配置されている。
図1に示すように、第1固定電極部41は、基板2に接合された接合部411aを有する固定部411と、固定部411に接続されている支持部412と、支持部412に接続された複数の固定電極指413と、を有している。なお、これら固定部411、支持部412および固定電極指413は、一体形成されている。
固定部411は、マウント部22と接合された接合部411aを有している。また、固定部411は、固定部51とY軸方向に並んで位置しており、固定部51の近くに設けられている。また、図2に示すように、固定部411は、配線71と電気的に接続されている。
支持部412は、途中で2股に分岐したT字状をなしている。具体的には、支持部412は、X軸方向(第1方向)に延在する第1延在部412aと、Y軸方向(第1方向と異なる第2方向)に延在し、第1延在部412aと固定部411とを接続する第2延在部412bと、を有している。
第1延在部412aは、固定部411に対してY軸方向プラス側に位置し、X軸方向に延在する棒状をなしている。そして、第1延在部412aに固定電極指413が接続されている。一方、第2延在部412bは、第1延在部412aと固定部411との間に位置し、Y軸方向に延在する棒状をなしている。そして、第2延在部412bの一端(Y軸方向プラス側の端)が第1延在部412aの延在方向中央部に接続されており、他端(Y軸方向マイナス側の端)が固定部411に接続されている。
固定電極指413は、第1延在部412aからY軸方向両側に延出している。すなわち、固定電極指413は、第1延在部412aのY軸方向プラス側に位置する固定電極指413’と、Y軸方向マイナス側に位置する固定電極指413”と、を有している。また、固定電極指413’、413”は、それぞれ、X軸方向に沿って互いに離間して複数設けられている。
第2固定電極部42は、上述した第1固定電極部41と同様に、基板2に接合された接合部421aを有する固定部421と、固定部421に接続されている支持部422と、支持部422に接続された複数の固定電極指423と、を有している。なお、これら固定部421、支持部422および固定電極指423は、一体形成されている。
固定部421は、マウント部23と接合された接合部421aを有している。また、固定部421は、固定部51のY軸方向マイナス側に並んで位置しており、固定部51の近くに設けられている。また、図2に示すように、固定部421は、配線72と電気的に接続されている。
支持部422は、途中で2股に分岐したT字状をなしている。具体的には、支持部422は、X軸方向に延在する第1延在部422aと、Y軸方向に延在し、第1延在部422aと固定部421とを接続する第2延在部422bと、を有している。
第1延在部422aは、固定部421に対してY軸方向マイナス側に位置し、X軸方向に延在する棒状をなしている。そして、第1延在部422aに固定電極指423が接続されている。一方、第2延在部422bは、第1延在部422aと固定部421との間に位置し、Y軸方向に延在する棒状をなしている。そして、第2延在部422bの一端(Y軸方向マイナス側の端)が第1延在部422aの延在方向中央部に接続されており、他端(Y軸方向プラス側の端)が固定部421に接続されている。
固定電極指423は、第1延在部422aからY軸方向両側に延出している。すなわち、固定電極指423は、第1延在部412aのY軸方向プラス側に位置する固定電極指423’と、Y軸方向マイナス側に位置する固定電極指423”と、を有している。また、固定電極指423’、423”は、それぞれ、X軸方向に沿って互いに離間して複数設けられている。
以上、第1固定電極部41および第2固定電極部42について説明した。このような第1、第2固定電極部41、42の形状および配置は、中心軸Lに対して線対称である(ただし、固定電極指413、423がX軸方向にずれていることを除く)。
図1に示すように、可動電極指56は、開口部538内に位置する可動電極指561と、開口部539内に位置する可動電極指562と、を有している。
また、可動電極指561は、支持部412のY軸方向両側に位置し、Y軸方向に延在している。すなわち、可動電極指561は、支持部412のY軸方向プラス側に位置する可動電極指561’と、Y軸方向マイナス側に位置する可動電極指561”と、を有している。また、可動電極指561’、561”は、それぞれ、X軸方向に沿って互いに離間して複数設けられている。また、可動電極指561’は、枠部531からY軸方向マイナス側に向けて延出し、可動電極指561”は、第1X軸延在部533a、533bからY軸方向プラス側に向けて延出している。
また、各可動電極指561は、対応する固定電極指413に対してX軸方向プラス側に位置し、この固定電極指413とギャップ(空隙)を介して対向している。
また、可動電極指562は、支持部422のY軸方向両側に位置し、Y軸方向に延在している。すなわち、可動電極指562は、支持部422のY軸方向プラス側に位置する可動電極指562’と、Y軸方向マイナス側に位置する可動電極指562”と、を有している。また、可動電極指562’、562”は、それぞれ、X軸方向に沿って互いに離間して複数設けられている。また、可動電極指562’は、第2X軸延在部535a、535bからY軸方向マイナス側に向けて延出し、可動電極指562”は、枠部531からY軸方向プラス側に向けて延出している。
また、各第2可動電極指562は、対応する固定電極指423に対してX軸方向マイナス側に位置し、この固定電極指423とギャップ(空隙)を介して対向している。
このような物理量センサー1に加速度Axが加わると、その加速度Axの大きさに基づいて、可動部53がバネ部54、55を弾性変形させながらX軸方向に変位する。このような変位に伴って、可動電極指561と固定電極指413とのギャップおよび可動電極指562と固定電極指423とのギャップがそれぞれ変化し、この変位に伴って、可動電極指561と固定電極指413との間の静電容量および可動電極指562と固定電極指423との間の静電容量の大きさがそれぞれ変化する。そのため、これら静電容量の変化に基づいて加速度Axを検出することができる。
ここで、上述したように、各可動電極指561は、対応する固定電極指413に対してX軸方向プラス側に位置し、逆に、各可動電極指562は、対応する固定電極指423に対してX軸方向マイナス側に位置している。すなわち、各可動電極指561は、対をなす固定電極指413に対してX軸方向の一方側に位置し、各可動電極指562は、対をなす固定電極指423に対してX軸方向の他方側に位置している。そのため、加速度Axが加わると、可動電極指561と固定電極指413とのギャップが縮まり、可動電極指562と固定電極指423とのギャップが広がるか、または、可動電極指561と固定電極指413とのギャップが広がり、可動電極指562と固定電極指423とのギャップが縮まる。そのため、固定電極指413および可動電極指561の間から得られる第1検出信号と、固定電極指423および可動電極指562の間から得られる第2検出信号と、を差動演算することで、ノイズをキャンセルすることができ、より精度よく、加速度Axを検出することができる。
以上、物理量センサー1の構成について簡単に説明した。このような物理量センサー1は、前述したように、支持部412からY軸方向両側に延出した複数の固定電極指413と、支持部412のY軸方向両側に位置し、固定電極指413とX軸方向に対向する複数の可動電極指561と、を有している。そのため、固定電極指413と可動電極指561との間に、十分に大きい静電容量を形成しつつ、各電極指413、561の長さを短くすることができる。同様に、物理量センサー1は、支持部422からY軸方向両側に延出した複数の固定電極指423と、支持部422のY軸方向両側に位置し、固定電極指423とX軸方向に対向する複数の可動電極指562と、を有している。そのため、固定電極指423と可動電極指562との間に、十分に大きい静電容量を形成しつつ、各電極指413、423、561、562の長さを短くすることができる。これにより、優れた検出精度を発揮することができると共に、電極指413、423、561、562の破損が抑制され、優れた耐衝撃性を発揮することのできる物理量センサー1となる。さらには、電極指413、423、561、562の破損が抑制されている分、電極指413、423、561、562の厚さを薄くすることができ、物理量センサー1の小型化や高感度化を図ることができる。
また、前述したように、固定部411、421は、それぞれ、固定部51とY軸方向に並び、固定部51の近くに配置されている。そのため、熱や残留応力等に起因して基板2に反りや撓みが生じた際の可動部53と固定電極部4とのZ軸方向のずれの差、具体的には、可動電極指561と固定電極指413とのZ軸方向のずれの差、可動電極指562と固定電極指423とのZ軸方向のずれの差をより効果的に抑制することができる。
次に、素子部3についてさらに詳細に説明する。なお、以下では、製造上の問題、具体的には、例えば、シリコン基板をエッチングして素子部3を形成する際のマスクずれ、エッチング残り(残渣部)等については、考慮せずに説明する。
まず、固定電極部4について詳細に説明するが、第1固定電極部41と第2固定電極部42とは、互いに同様の構成であるため、以下では、第1固定電極部41について代表して説明し、第2固定電極部42については、その説明を省略する。
前述したように、第1固定電極部41において、第2延在部412bは、固定部411からY軸方向プラス側に延出している。また、図3に示すように、第2延在部412bの幅W1(Z軸方向から見た平面視で、第2延在部412bの延在方向に直交する方向の長さ。すなわち、X軸方向の長さ)は、固定部411の幅W2(幅W1の方向と同じ方向の長さ。すなわち、X軸方向の長さ)よりも小さい。すなわち、W1<W2の関係を満たす。また、第2延在部412bは、固定部411の幅方向の中央部に接続されている。
そして、第2延在部412bの固定部411との接続部412A(すなわち、第2延在部412bのY軸方向マイナス側の端部)は、固定部411側(Y軸方向マイナス側)に向けて幅W1が漸増するテーパー状をなしている。そのため、次のような効果を発揮することができる。例えば、物理量センサー1に落下等による衝撃が加わると、基板2と接合されている固定部411から第1固定電極部41へ応力が伝わる。そのため、従来のように、固定部411の第2延在部412bとの接続部が角になっていると、当該部分に応力が集中してしまい、第1固定電極部41が破損し易くなる。これに対して、本実施形態では、接続部412Aがテーパー状をなしており、角になっていないため、接続部412Aへの応力集中が緩和される。そのため、優れた耐衝撃性を有する物理量センサー1となる。ここで、本明細書において、「テーパー」とは、例えば、線形テーパー、指数関数テーパー、放物線テーパー等を含み、幅の増加率(テーパー角度)が長手方向(幅と直交する方向)に沿って増大する場合、一定の場合、減少する場合のいずれの場合も含む概念である。図示の接続部412Aは、幅W1の増加率が固定部411に向かって増大するものである。
特に、本実施形態では、支持部412がT字状となっており、その先端側(Y軸方向プラス側)の質量が大きい。そのため、接続部412Aに応力が加わり易くなっている。そのため、接続部412Aへの応力集中が緩和されることで、第1固定電極部41の破損をより効果的に抑制することができる。
さらに、接続部412Aの幅方向の両側に位置する外縁412A’、412A”が、それぞれ、凹状に湾曲している。これにより、固定部411と第2延在部412bとがより滑らかに接続され、接続部412Aへの応力集中をより効果的に緩和することができる。特に、本実施形態では、外縁412A’、412A”がそれぞれ逆円弧状に湾曲している。これにより、固定部411と第2延在部412bとがさらに滑らかに接続され、接続部412Aへの応力集中をさらに効果的に緩和することができる。そのため、より優れた耐衝撃性を有する物理量センサー1となる。なお、本実施形態では、外縁412A’、412A”が共に凹状に湾曲しているが、これに限定されず、例えば、外縁412A’、412A”の一方だけが凹状に湾曲していてもよい。すなわち、接続部412Aは、片テーパー状となっていてもよい。
また、例えば、図4に示すように、外縁412A’、412A”は、それぞれ、直線状に延びていてもよい(湾曲していなくてもよい)。すなわち、図4における接続部412Aは、幅W1の増加率が一定(リニア)のテーパー状をなしている。このことは、後に説明する各接続部412B、413A、52A、561Aについても同様である。
また、第2延在部412bの第1延在部412aとの接続部412B(すなわち、第2延在部412bのY軸方向プラス側の端部)は、第1延在部412a側(Y軸方向プラス側)に向けて幅W1が漸増するテーパー状をなしている。そのため、接続部412Aをテーパー状としたのと同様に、例えば、物理量センサー1に落下等による衝撃が加わった際の接続部412Bへの応力集中を緩和することができる。そのため、より優れた耐衝撃性を有する物理量センサー1となる。
さらに、接続部412Bの幅方向の両側に位置する外縁412B’、412B”が、それぞれ、凹状に湾曲している。これにより、第1延在部412aと第2延在部412bとがより滑らかに接続され、接続部412Bへの応力集中をより効果的に緩和することができる。特に、本実施形態では、外縁412B’、412B”がそれぞれ逆円弧状に湾曲している。これにより、第1延在部412aと第2延在部412bとがさらに滑らかに接続され、接続部412Bへの応力集中をさらに効果的に緩和することができる。そのため、より優れた耐衝撃性を有する物理量センサー1となる。なお、本実施形態では、外縁412B’、412B”が共に凹状に湾曲しているが、これに限定されず、例えば、外縁412B’、412B”の一方だけが凹状に湾曲していてもよい。すなわち、接続部412Bは、片テーパー状となっていてもよい。
このような接続部412Bは、接続部412Aとほぼ同じ形状および大きさとなっている。
また、固定電極指413の支持部412との接続部413A(すなわち、固定電極指413のY軸方向マイナス側の端部)は、支持部412側に向けて幅W4(Z軸方向から見た平面視で、固定電極指413の延在方向に直交する方向の長さ。すなわち、X軸方向の長さ)が漸増するテーパー状をなしている。そのため、接続部412A、412Bをテーパー状としたのと同様に、例えば、物理量センサー1に落下等による衝撃が加わった際の接続部413Aへの応力集中を緩和することができる。そのため、より優れた耐衝撃性を有する物理量センサー1となる。
さらに、接続部413Aの幅方向の両側に位置する外縁413A’、413A”が、それぞれ、凹状に湾曲している。これにより、固定電極指413と支持部412とがより滑らかに接続され、接続部413Aへの応力集中をより効果的に緩和することができる。特に、本実施形態では、外縁412A’、412A”がそれぞれ逆円弧状に湾曲している。これにより、固定電極指413と支持部412とがさらに滑らかに接続され、接続部413Aへの応力集中をさらに効果的に緩和することができる。そのため、より優れた耐衝撃性を有する物理量センサー1となる。なお、本実施形態では、外縁413A’、413A”が共に凹状に湾曲しているが、これに限定されず、例えば、外縁413A’、413A”の一方だけが凹状に湾曲していてもよい。すなわち、接続部413Aは、片テーパー状となっていてもよい。
また、接続部413Aの幅W4の変化量ΔW4(接続部413Aの最小幅W4’と最大幅W4”の差)は、接続部412Aの幅W1の変化量ΔW1(接続部412Aの最小幅W1’と最大幅W1”の差)よりも小さい。すなわち、ΔW4<ΔW1の関係を満足している。また、接続部413Aの長さは、接続部412Aの長さよりも短い。特に、本実施形態では、接続部413Aの両外縁413A’、413A”および接続部412Aの両外縁412A’、412A”がそれぞれ逆円弧状であるため、各外縁413A’、413A”の曲率半径が、各外縁412A’、412A”の曲率半径よりも小さい、とも言える。これにより、次のような効果を発揮することができる。
前述したように、物理量センサー1は、可動電極指561と固定電極指413との間の静電容量の変化に基づいて加速度Axを検出するように構成されている。このような検出方法において、より精度よく加速度Axを検出するためには、可動電極指561と固定電極指413との間の静電容量を大きくすることが有効である。そして、静電容量を大きくするには、可動電極指561と固定電極指413とのギャップを小さくすること、可動電極指561と固定電極指413との対向面積を大きくすることが、有効である。
この点に鑑みて、接続部413Aの幅W4の変化量ΔW4が大き過ぎると、可動電極指561と固定電極指413とのギャップを小さくしつつ、可動電極指561と固定電極指413との対向面積を大きくすることが困難となる。すなわち、図5に示すように、可動電極指561と固定電極指413とのギャップを小さくした場合、可動電極指561が接続部413Aにぶつかってしまうのを避けるために、可動電極指561を短くしなければならず、可動電極指561と固定電極指413との対向面積を大きくすることが困難となる。反対に、図6に示すように、可動電極指561を長くして可動電極指561と固定電極指413との対向面積を大きくした場合、可動電極指561が接続部413Aにぶつかってしまうのを避けるために、可動電極指561と固定電極指413とのギャップを大きくしなければならない。そのため、本実施形態では、ΔW4<ΔW1の関係を満足するように設計されており、これにより、可動電極指561と固定電極指413とのギャップを小さくしつつ、可動電極指561と固定電極指413との対向面積を大きくすることを容易としている。
次に、可動電極部5について詳細に説明する。前述したように、可動電極部5において、支持部52は、固定部51からX軸方向両側に延出している。また、図3に示すように、支持部52の幅W5(Z軸方向から見た平面視で、支持部52の延在方向に直交する方向の長さ。すなわち、Y軸方向の長さ)は、固定部51の幅W6(幅W5の方向と同じ方向の長さ。すなわち、Y軸方向の長さ)よりも小さい。すなわち、W5<W6の関係を満たす。また、支持部52は、固定部51の幅方向の中央部に接続されている。
そして、支持部52の固定部51との接続部52A(すなわち、支持部52の固定部51側の端部)は、固定部51側に向けて幅W5が漸増するテーパー状をなしている。そのため、接続部412Aをテーパー状としたのと同様に、例えば、物理量センサー1に落下等による衝撃が加わった際の接続部52Aへの応力集中を緩和することができる。そのため、より優れた耐衝撃性を有する物理量センサー1となる。
特に、本実施形態では、支持部52がその先端部(固定部51と反対側の端部)で可動部53を支持している。そのため、支持部52の先端側の質量が大きく、接続部52Aに応力が加わり易い形状となっている。そのため、接続部52Aへの応力集中が緩和されることで、可動電極部5の破損をより効果的に抑制することができる。
さらに、接続部52Aの幅方向の両側に位置する外縁52A’、52A”が、それぞれ、凹状に湾曲している。これにより、固定部51と支持部52とがより滑らかに接続され、接続部52Aへの応力集中をより効果的に緩和することができる。特に、本実施形態では、外縁52A’、52A”がそれぞれ逆円弧状に湾曲している。これにより、固定部51と支持部52とがさらに滑らかに接続され、接続部52Aへの応力集中をさらに効果的に緩和することができる。そのため、より優れた耐衝撃性を有する物理量センサー1となる。なお、本実施形態では、外縁52A’、52A”が共に凹状に湾曲しているが、これに限定されず、例えば、外縁52A’、52A”の一方だけが凹状に湾曲していてもよい。すなわち、接続部52Aは、片テーパー状となっていてもよい。
また、可動電極指561の可動部53との接続部561A(すなわち、可動電極指561の固定端側の端部)は、可動部53側に向けて幅W7(Z軸方向から見た平面視で、可動電極指561の延在方向に直交する方向の長さ。すなわち、X軸方向の長さ)が漸増するテーパー状をなしている。そのため、接続部413Aをテーパー状としたのと同様に、例えば、物理量センサー1に落下等による衝撃が加わった際の接続部561Aへの応力集中を緩和することができる。そのため、より優れた耐衝撃性を有する物理量センサー1となる。
さらに、接続部561Aの幅方向の両側に位置する外縁561A’、561A”が、それぞれ、凹状に湾曲している。これにより、可動電極指561と可動部53とがより滑らかに接続され、接続部561Aへの応力集中をより効果的に緩和することができる。特に、本実施形態では、外縁561A’、561A”がそれぞれ逆円弧状に湾曲している。これにより、可動電極指561と可動部53とがさらに滑らかに接続され、接続部561Aへの応力集中をさらに効果的に緩和することができる。そのため、より優れた耐衝撃性を有する物理量センサー1となる。なお、本実施形態では、外縁561A’、561A”が共に凹状に湾曲しているが、これに限定されず、例えば、外縁561A’、561A”の一方だけが凹状に湾曲していてもよい。すなわち、接続部561Aは、片テーパー状となっていてもよい。
また、接続部561Aの幅W7の変化量ΔW7(接続部561Aの最小幅W7’と最大幅W7”の差)は、接続部52Aの幅W5の変化量ΔW5(接続部52Aの最小幅W5’と最大幅W5”の差)よりも小さい。すなわち、ΔW7<ΔW5の関係を満足している。また、接続部561Aの長さは、接続部52Aの長さよりも短い。特に、本実施形態では、接続部561Aの両外縁561A’、561A”および接続部52Aの両外縁52A’、52A”がそれぞれ逆円弧状であるため、各外縁561A’、561A”の曲率半径が、各外縁52A’、52A”の曲率半径よりも小さい、とも言える。これにより、前述したΔW4<ΔW1の関係を満足するのと同じ効果を発揮することができる(図5および図6参照)。すなわち、可動電極指561と固定電極指413とのギャップを小さくしつつ、可動電極指561と固定電極指413との対向面積を大きくすることができ、より精度よく加速度Axを検出することができる。
なお、可動電極指562の可動部53との接続部562Aの構成については、前述した接続部561Aの構成と同様であるため、その説明を省略する。
以上、物理量センサー1について説明した。このような物理量センサー1は、前述したように、基部としての基板2と、基板2に設けられ、物理量としての加速度Axを検出する素子部3と、を有している。また、素子部3は、基板2に固定されている固定電極部4と、基板2に対して変位可能な可動電極部5と、を有している。また、固定電極部4は、基板2に接続されている固定部411と、固定部411に接続されている支持部412と、支持部412に接続されている固定電極指413と、を有している。そして、支持部412の固定部411との接続部412Aは、固定部411側に向けて幅W1が漸増するテーパー状をなしている。これにより、前述した理由から、接続部412Aへの応力集中が緩和され、優れた耐衝撃性を有する物理量センサー1が得られる。
また、前述したように、接続部412Aの幅方向の両外縁412A’、412A”のうちの少なくとも一方(本実施形態は両方)は、凹状に湾曲している。これにより、接続部412Aへの応力集中がより効果的に緩和され、より優れた耐衝撃性を有する物理量センサー1が得られる。
また、前述したように、支持部412は、X軸方向(第1方向)に延在し、固定電極指413が接続されている第1延在部412aと、X軸方向と異なるY軸方向(第2方向)に延在し、第1延在部412aと固定部411とを接続する第2延在部412bと、を有している。また、第2延在部412bの第1延在部412aとの接続部412Bは、第1延在部412a側に向けて幅W1が漸増するテーパー状をなしている。これにより、接続部412Bへの応力集中が緩和され、より優れた耐衝撃性を有する物理量センサー1が得られる。
また、前述したように、固定電極指413の支持部412との接続部413Aは、支持部412側に向けて幅W4が漸増するテーパー状をなしている。これにより、接続部413Aへの応力集中が効果的に緩和され、より優れた耐衝撃性を有する物理量センサー1が得られる。
また、前述したように、固定電極指413の支持部412との接続部412Aの幅方向の両外縁413A’、413A”のうちの少なくとも一方(本実施形態では両方)は、凹状に湾曲している。これにより、接続部413Aへの応力集中がより効果的に緩和され、より優れた耐衝撃性を有する物理量センサー1が得られる。
また、前述したように、固定電極指413の支持部412との接続部413Aの幅W4の変化量ΔW4は、支持部412の固定部411との接続部412Aの幅W1の変化量ΔW1よりも小さい。これにより、可動電極指561と固定電極指413とのギャップを小さくしつつ、可動電極指561と固定電極指413との対向面積を大きくすることができる。そのため、可動電極指561と固定電極指413との間の静電容量を大きくすることができ、加速度Axをより精度よく検出することができる。
また、物理量センサー1は、基部としての基板2と、基板2に設けられ、物理量としての加速度Axを検出する素子部3と、を有している。また、素子部3は、基板2に固定されている固定電極部4と、基板2に対して変位可能な可動電極部5と、を有している。また、可動電極部5は、基板2に接続されている固定部51と、固定部51に接続されている支持部52と、支持部52に対して変位可能な可動部53と、支持部52と可動部53とを接続する弾性部としてのバネ部54、55と、可動部53に設けられている可動電極指561と、を有している。そして、支持部52の固定部51との接続部52Aは、固定部51側に向けて幅W5が漸増するテーパー状をなしている。これにより、前述した理由から、接続部52Aへの応力集中が緩和され、優れた耐衝撃性を有する物理量センサー1が得られる。
また、前述したように、接続部52Aの幅方向の両外縁52A’、52A”のうちの少なくとも一方(本実施形態では両方)は、凹状に湾曲している。これにより、接続部52Aへの応力集中がより効果的に緩和され、より優れた耐衝撃性を有する物理量センサー1が得られる。
また、前述したように、可動電極指561の可動部53との接続部561Aは、可動部53側に向けて幅W7が漸増するテーパー状をなしている。これにより、接続部561Aへの応力集中が効果的に緩和され、より優れた耐衝撃性を有する物理量センサー1が得られる。
また、前述したように、可動電極指561の可動部53との接続部561Aの幅方向の両外縁561A’、561A”のうちの少なくとも一方(本実施形態では両方)は、凹状に湾曲している。これにより、接続部561Aへの応力集中がより効果的に緩和され、より優れた耐衝撃性を有する物理量センサー1が得られる。
また、前述したように、可動電極指561の可動部53との接続部561Aの幅W7の変化量ΔW7は、支持部52の固定部51との接続部52Aの幅W5の変化量ΔW5よりも小さい。これにより、可動電極指561と固定電極指413とのギャップを小さくしつつ、可動電極指561と固定電極指413との対向面積を大きくすることができる。そのため、可動電極指561と固定電極指413との間の静電容量を大きくすることができ、加速度Axをより精度よく検出することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図7は、本発明の第2実施形態に係る物理量センサーを示す平面図である。なお、説明の便宜上、図7では、基板および蓋部の図示を省略し、素子部のみを図示している。
本実施形態に係る物理量センサー1は、主に、素子部3の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態の物理量センサー1と同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態の物理量センサー1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図7では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図7に示すように、本実施形態の物理量センサー1では、第1固定電極部41において、第1延在部412aが第2延在部412bの先端部からX軸方向プラス側(X軸方向片側)に延出している。そして、第2延在部412bの第1延在部412aとの接続部412Bは、X軸方向プラス側にのみ幅W1が漸増する片テーパー状となっている。また、第2延在部412bは、X軸方向マイナス側に偏って固定部411に接続されている。そして、第2延在部412bの固定部411との接続部412Aは、X軸方向プラス側にのみ幅W1が漸増する片テーパー状となっている。以上、第1固定電極部41について説明したが、第2固定電極部42についても同様の構成となっている。
また、可動電極部5では、前述した第1実施形態の構成から、固定部51のX軸方向マイナス側に位置する支持部52が省略されており、固定部51と可動部53とがバネ部55を介して接続されている。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。さらには、前述した第1実施形態と比較して、物理量センサー1の小型化を図ることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図8は、本発明の第3実施形態に係る物理量センサーを示す部分拡大平面図である。なお、説明の便宜上、図8では、基板および蓋部の図示を省略し、さらに、素子部の一部のみを図示している。
本実施形態に係る物理量センサー1は、主に、素子部3の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態の物理量センサー1と同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態の物理量センサー1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図8では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図8に示すように、本実施形態の物理量センサー1では、固定電極指413の接続部413Aは、支持部412側に向けて幅W4が一定である。同様に、可動電極指561の接続部561Aは、可動部53側に向けて幅W7が一定である。これにより、対応する可動電極指561との干渉が抑制される(図5および図6参照)。そのため、可動電極指561と固定電極指413とのギャップを小さくしつつ、可動電極指561と固定電極指413との対向面積を大きくすることができる。そのため、可動電極指561と固定電極指413との間の静電容量を大きくすることができ、加速度Axをより精度よく検出することができる。
以上、固定電極指413および可動電極指561について説明したが、固定電極指423および可動電極指562についても同様の構成となっている。
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図9は、本発明の第4実施形態に係る物理量センサーを示す部分拡大平面図である。図10は、図9に示す物理量センサーの変形例を示す部分拡大平面図である。なお、説明の便宜上、図9では、基板および蓋部の図示を省略し、さらに、素子部の一部のみを図示している。
本実施形態に係る物理量センサー1は、主に、素子部3の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態の物理量センサー1と同様である。
なお、以下の説明では、第4実施形態の物理量センサー1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図9では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図9に示すように、本実施形態の物理量センサー1では、固定電極指413の接続部413Aは、X軸方向マイナス側(対応する可動電極指561と反対側)にのみ幅W4が漸増する片テーパー状となっている。これに対して、可動電極指561の接続部561Aは、X軸方向プラス側(対応する固定電極指413と反対側)にのみ幅W7が漸増する片テーパー状となっている。
このような構成とすることで、各接続部413A、561Aへの応力集中を緩和することができる。さらに、可動電極指561と固定電極指413とのギャップを小さくしつつ、可動電極指561と固定電極指413との対向面積を大きくすることができる。そのため、可動電極指561と固定電極指413との間の静電容量を大きくすることができ、加速度Axをより精度よく検出することができる。
以上、固定電極指413および可動電極指561について説明したが、固定電極指423および可動電極指562についても同様の構成となっている。
このような第4実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。なお、本実施形態では、接続部413Aが片テーパー状となっているが、例えば、図10に示すような構成であってもよい。すなわち、接続部413Aは、両テーパー状であるが、X軸方向プラス側(対応する可動電極指561側)が、X軸方向マイナス側(対応する可動電極指561と反対側)よりも幅の変化量が小さい構成であってもよい。他の接続部561Aについても同様である。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図11は、本発明の第5実施形態に係る物理量センサーを示す平面図である。なお、説明の便宜上、図11では、基部および蓋部の図示を省略し、素子部のみを図示している。
本実施形態に係る物理量センサー1は、主に、素子部3の構成が異なること以外は、前述した第2実施形態の物理量センサー1と同様である。
なお、以下の説明では、第5実施形態の物理量センサー1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図11では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図11に示すように、本実施形態の物理量センサー1では、第1固定電極部41は、固定部411からX軸方向両側に向けて延出する一対の支持部412を有している。そして、各支持部412に、複数の固定電極指413が設けられている。同様に、第2固定電極部42は、固定部421からX軸方向両側に向けて延出する一対の支持部422を有している。そして、各支持部422に、複数の固定電極指423が設けられている。
このような第5実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図12は、本発明の第6実施形態に係る物理量センサーを示す平面図である。なお、説明の便宜上、図12では、基部および蓋部の図示を省略し、素子部のみを図示している。
本実施形態に係る物理量センサー1は、主に、素子部3の構成が異なること以外は、前述した第5実施形態の物理量センサー1と同様である。
なお、以下の説明では、第6実施形態の物理量センサー1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図12では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図12に示すように、本実施形態の物理量センサー1では、第1固定電極部41および第2固定電極部42が、X軸方向に並んで設けられている。また、第1固定電極部41は、固定部411と、固定部411からX軸方向プラス側に延出する支持部412と、支持部412からY軸方向両側に延出する固定電極指413と、を有している。また、第2固定電極部42は、固定部421と、固定部421からX軸方向マイナス側に延出する支持部422と、支持部422からY軸方向両側に延出する固定電極指423と、を有している。そして、支持部412の固定部411との接続部412Aおよび支持部422の固定部421との接続部422Aがそれぞれテーパー状となっている。
また、可動電極部5は、一対の固定部51と、各固定部51に接続された一対の支持部52と、各支持部52に対して変位可能な可動部53と、一方の支持部52と可動部53とを接続する一対のバネ部54と、他方の支持部52と可動部53とを接続する一対のバネ部55と、可動部53に設けられた可動電極指56と、を有している。
一対の固定部51は、Y軸方向に並んで配置され、これらの間に固定部411、421が位置している。これにより、4つの固定部411、421、51、51を近くに配置することができる。
また、Y軸方向プラス側に位置する固定部411に接続された支持部52は、固定部411からY軸方向プラス側に延出する第1延在部521と、第1延在部521の先端部(Y軸方向プラス側の端部)からX軸方向両側に延出する第2延在部522と、を有している。そして、第2延在部522の両端部において、一対のバネ部54を介して、可動部53と接続されている。このような支持部52では、第1延在部521の固定部51との接続部52Aおよび第1延在部521の第2延在部522との接続部52B、すなわち、第1延在部521の両端部がテーパー状となっている。これにより、上述した第1実施形態での説明と同様に、接続部52A、52Bへの応力集中が緩和される。なお、接続部52A、52Bの構成としては、特に限定されないが、例えば、前述した接続部412A、412Bと同様の構成とすることができる。
また、Y軸方向マイナス側に位置する固定部411に接続された支持部52は、固定部411からY軸方向マイナス側に延出する第1延在部521と、第1延在部521の先端部(Y軸方向プラス側の端部)からX軸方向両側に延出する第2延在部522と、を有している。そして、第2延在部522の両端部において、一対のバネ部55を介して、可動部53と接続されている。このような支持部52では、第1延在部521の固定部51との接続部52Aおよび第1延在部521の第2延在部522との接続部52B、すなわち、第1延在部521の両端部がテーパー状となっている。これにより、上述した第1実施形態での説明と同様に、接続部52A、52Bへの応力集中が緩和される。なお、接続部52A、52Bの構成としては、特に限定されないが、例えば、前述した接続部412A、412Bと同様の構成とすることができる。
このような第6実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図13は、本発明の第7実施形態に係る物理量センサーを示す平面図である。なお、説明の便宜上、図13では、基部および蓋部の図示を省略し、素子部のみを図示している。
本実施形態に係る物理量センサー1は、主に、素子部3の構成が異なること以外は、前述した第5実施形態の物理量センサー1と同様である。
なお、以下の説明では、第7実施形態の物理量センサー1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図13では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図13に示すように、本実施形態の物理量センサー1では、第1固定電極部41は、固定部411と、固定部411からX軸方向両側に延出する一対の支持部412と、各支持部412からY軸方向プラス側(中心軸Lと反対側)に延出する固定電極指413と、を有している。また、各支持部412は、固定部411に対してY軸方向マイナス側(中心軸L側)に偏って配置されている。そして、各支持部412の固定部411との接続部412Aは、Y軸方向プラス側にのみ幅W1が漸増する片テーパー状となっている。これにより、接続部412Aへの応力集中を緩和することができる。
また、第2固定電極部42は、固定部421と、固定部421からX軸方向両側に延出する一対の支持部422と、各支持部422からY軸方向マイナス側(中心軸Lと反対側)に延出する固定電極指423と、を有している。また、各支持部422は、固定部421に対してY軸方向プラス側(中心軸L側)に偏って配置されている。そして、各支持部422の固定部421との接続部422Aは、Y軸方向マイナス側にのみ幅W1が漸増する片テーパー状となっている。これにより、接続部422Aへの応力集中を緩和することができる。
また、可動電極部5は、前述した第1実施形態の構成から支持部52が省略されており、固定部51と、固定部51に対して変位可能な可動部53と、固定部51と可動部53とを接続する一対のバネ部54、55と、可動部53に設けられた可動電極指56と、を有している。
固定部51は、可動部53の外側に位置しており、X軸方向に離間して一対設けられている。そして、これら一対の固定部51の間に可動部53が位置している。また、可動部53のX軸方向プラス側において、一方の固定部51と可動部53とがバネ部54を介して接続されており、X軸方向マイナス側において、他方の固定部51と可動部53とがバネ部55を介して接続されている。
このような第7実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。なお、本実施形態では、固定部51が一対設けられているが、これら一対の固定部51は、例えば、可動部53を囲む枠状とすることで一体化してもよい。
<第8実施形態>
次に、本発明の第8実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図14は、本発明の第8実施形態に係る物理量センサーを示す平面図である。なお、説明の便宜上、図14では、基部および蓋部の図示を省略し、素子部のみを図示している。
本実施形態に係る物理量センサー1は、主に、素子部3の構成が異なること以外は、前述した第5実施形態の物理量センサー1と同様である。
なお、以下の説明では、第8実施形態の物理量センサー1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図14では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図14に示すように、本実施形態の物理量センサー1では、第1固定電極部41は、固定部411と、固定部411からX軸方向両側に延出する一対の支持部412と、各支持部412からY軸方向プラス側(中心軸Lと反対側)に延出する固定電極指413と、を有している。また、各支持部412は、固定部411に対してY軸方向プラス側(中心軸Lと反対側)に偏って配置されている。そして、各支持部412の固定部411との接続部412Aは、Y軸方向マイナス側にのみ幅W1が漸増する片テーパー状となっている。これにより、接続部412Aへの応力集中を緩和することができる。
また、第2固定電極部42は、固定部421と、固定部421からX軸方向両側に延出する一対の支持部422と、各支持部422からY軸方向マイナス側(中心軸Lと反対側)に延出する固定電極指423と、を有している。また、各支持部422は、固定部421に対してY軸方向マイナス側(中心軸Lと反対側)に偏って配置されている。そして、各支持部422の固定部421との接続部422Aは、Y軸方向プラス側にのみ幅W1が漸増する片テーパー状となっている。これにより、接続部422Aへの応力集中を緩和することができる。
また、可動電極部5では、固定部51が一対設けられている。一対の固定部51は、素子部3の中央部に位置し、X軸方向に並んで配置されている。また、一対の固定部51は、間に固定部411、421を挟むように位置している。そのため、4つの固定部411、421、51、51を近くに配置することができる。
また、X軸方向プラス側に位置する固定部51からは、X軸方向プラス側に支持部52が延出しており、X軸方向マイナス側に位置する固定部51からは、X軸方向マイナス側に支持部52が延出している。
また、X軸方向プラス側に位置する支持部52の先端部と可動部53とがバネ部54を介して接続されており、X軸方向マイナス側に位置する支持部52の先端部と可動部53とがバネ部55を介して接続されている。
このような第8実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第9実施形態>
次に、本発明の第9実施形態に係る物理量センサーデバイスについて説明する。
図15は、本発明の第9実施形態に係る物理量センサーデバイスを示す断面図である。
図15に示すように、物理量センサーデバイス1000は、ベース基板1010と、ベース基板1010上に設けられた物理量センサー1と、物理量センサー1上に設けられた回路素子1020(IC)と、物理量センサー1と回路素子1020とを電気的に接続するボンディングワイヤーBW1と、ベース基板1010と回路素子1020とを電気的に接続するボンディングワイヤーBW2と、物理量センサー1および回路素子1020をモールドするモールド部1030と、を有している。ここで、物理量センサー1としては、例えば、前述した第1〜第8実施形態のいずれかを用いることができる。
ベース基板1010は、物理量センサー1を支持する基板であり、例えば、インターポーザー基板である。このようなベース基板1010の上面には複数の接続端子1011が配置されており、下面には複数の実装端子1012が配置されている。また、ベース基板1010内には、図示しない内部配線が配置されており、この内部配線を介して、各接続端子1011が、対応する実装端子1012と電気的に接続されている。このようなベース基板1010としては、特に限定されず、例えば、シリコン基板、セラミック基板、樹脂基板、ガラス基板、ガラスエポキシ基板等を用いることができる。
また、物理量センサー1は、基板2を下側(ベース基板1010側)に向けてベース基板1010上に配置されている。そして、物理量センサー1は、接合部材を介してベース基板1010に接合されている。
また、回路素子1020は、物理量センサー1上に配置されている。そして、回路素子1020は、接合部材を介して物理量センサー1の蓋部8に接合されている。また、回路素子1020は、ボンディングワイヤーBW1を介して物理量センサー1の各電極パッドPと電気的に接続され、ボンディングワイヤーBW2を介してベース基板1010の接続端子1011と電気的に接続されている。このような回路素子1020には、物理量センサー1を駆動する駆動回路や、物理量センサー1からの出力信号に基づいて加速度を検出する検出回路や、検出回路からの信号を所定の信号に変換して出力する出力回路等が、必要に応じて含まれている。
また、モールド部1030は、物理量センサー1および回路素子1020をモールドしている。これにより、物理量センサー1や回路素子1020を水分、埃、衝撃等から保護することができる。モールド部1030としては、特に限定されないが、例えば、熱硬化型のエポキシ樹脂を用いることができ、例えば、トランスファーモールド法によってモールドすることができる。
以上のような物理量センサーデバイス1000は、物理量センサー1を有している。そのため、物理量センサー1の効果を享受でき、信頼性の高い物理量センサーデバイス1000が得られる。
なお、物理量センサーデバイス1000の構成としては、上記の構成に限定されず、例えば、物理量センサー1がセラミックパッケージに収納された構成となっていてもよい。
<第10実施形態>
次に、本発明の第10実施形態に係る電子機器について説明する。
図16は、本発明の第10実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。
図16に示すモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューター1100は、本発明の物理量センサーを備える電子機器を適用したものである。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1108を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、加速度センサーとして機能する物理量センサー1が内蔵されている。ここで、物理量センサー1としては、例えば、前述した第1〜第8実施形態のいずれかを用いることができる。
このようなパーソナルコンピューター1100(電子機器)は、物理量センサー1を有している。そのため、前述した物理量センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
<第11実施形態>
次に、本発明の第11実施形態に係る電子機器について説明する。
図17は、本発明の第11実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。
図17に示す携帯電話機1200(PHSも含む)は、本発明の物理量センサーを備える電子機器を適用したものである。この図において、携帯電話機1200は、アンテナ(図示せず)、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1208が配置されている。このような携帯電話機1200には、加速度センサーとして機能する物理量センサー1が内蔵されている。ここで、物理量センサー1としては、例えば、前述した第1〜第8実施形態のいずれかを用いることができる。
このような携帯電話機1200(電子機器)は、物理量センサー1を有している。そのため、前述した物理量センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
<第12実施形態>
次に、本発明の第12実施形態に係る電子機器について説明する。
図18は、本発明の第12実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。
図18に示すデジタルスチールカメラ1300は、本発明の物理量センサーを備える電子機器を適用したものである。この図において、ケース(ボディー)1302の背面には表示部1310が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1310は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。そして、撮影者が表示部1310に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押すと、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。このようなデジタルスチールカメラ1300には、加速度センサーとして機能する物理量センサー1が内蔵されている。ここで、物理量センサー1としては、例えば、前述した第1〜第8実施形態のいずれかを用いることができる。
このようなデジタルスチールカメラ1300(電子機器)は、物理量センサー1を有している。そのため、前述した物理量センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
なお、本発明の電子機器は、前述した実施形態のパーソナルコンピューターおよび携帯電話機、本実施形態のデジタルスチールカメラの他にも、例えば、スマートフォン、タブレット端末、時計(スマートウォッチを含む)、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンタ)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等のウェアラブル端末、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、移動体端末基地局用機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、ネットワークサーバー等に適用することができる。
<第13実施形態>
次に、本発明の第13実施形態に係る移動体について説明する。
図19は、本発明の第13実施形態に係る移動体を示す斜視図である。
図19に示す自動車1500は、本発明の物理量センサーを備える移動体を適用した自動車である。この図において、自動車1500には、加速度センサーとして機能する物理量センサー1が内蔵されており、物理量センサー1によって車体1501の姿勢を検出することができる。物理量センサー1の検出信号は、車体姿勢制御装置1502に供給され、車体姿勢制御装置1502は、その信号に基づいて車体1501の姿勢を検出し、検出結果に応じてサスペンションの硬軟を制御したり、個々の車輪1503のブレーキを制御したりすることができる。ここで、物理量センサー1としては、例えば、前述した第1〜第8実施形態のいずれかを用いることができる。
このような自動車1500(移動体)は、物理量センサー1を有している。そのため、前述した物理量センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
なお、物理量センサー1は、他にも、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
また、移動体としては、自動車1500に限定されず、例えば、飛行機、ロケット、人工衛星、船舶、AGV(無人搬送車)、二足歩行ロボット、ドローン等の無人飛行機等にも適用することができる。
以上、本発明の物理量センサー、物理量センサーデバイス、電子機器および移動体を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、前述した実施形態を適宜組み合わせてもよい。また、前述した実施形態では、X軸方向(第1方向)とY軸方向(第2方向)とが直交しているが、これに限定されず、交差していればよい。
また、前述した実施形態では、素子部が1つの構成について説明したが、素子部が複数設けられていてもよい。この際に、複数の素子部を検出軸が互いに異なるように配置することで、複数の軸方向の加速度を検出することができる。
また、前述した実施形態では、物理量センサーとして加速度を検出する加速度センサーについて説明したが、物理量センサーが検出する物理量としては、加速度に限定されず、例えば、角速度、圧力等であってもよい。