JP6822144B2 - マスターバッチ用ポリエステル組成物、フィルム用ポリエステル組成物、及びポリエステルフィルム - Google Patents

マスターバッチ用ポリエステル組成物、フィルム用ポリエステル組成物、及びポリエステルフィルム Download PDF

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Description

本発明は、ポリエステルフィルムに良好な静電密着性を付与して製膜性を向上させ、かつ滑り性、加工性を付与するためのマスターバッチ用ポリエステル組成物に関するものである。
ポリエステルは、機械的特性、及び化学的特性に優れており、包装用、磁気テープ用、光学用などのフィルムやシート等の広範な分野において使用されている。ポリエステルフィルムは、ポリエステルを溶融押出した後、二軸延伸して得られる。すなわち、押出機により溶融押出されたシート状物を回転する冷却ドラムの表面に密着させて引き取り(キャスティング)、次いで、該シート状物を冷却ドラムの後段に配置された延伸ロールへと導いて縦延伸し、さらに、テンターで横延伸した後、熱固定される。ここで、フィルムの厚みの均一性を高め、また、キャスティングの速度を高めるには、押出口金から溶融押出したシート状物を回転冷却ドラム表面で冷却する際に、該シート状物とドラム表面とが十分に高い付着力で密着していなければならない。このため、シート状物と回転ドラムの表面との付着力を高めるための方法として、押出口金と冷却回転ドラムの間にワイヤー状の電極を設けて高電圧を印加し、未固化のシート状物の表面に静電気を発生させて、該シート状物を冷却ドラムの表面に静電付着させて、急冷する、所謂、静電密着キャスト法が多く使用されている。
静電密着キャスト法において、シート状物の冷却ドラムへの静電密着性を向上させるには、シート状物表面における電荷量を多くすることが有効であり、該電荷量を多くするには、原料となるポリエステルを改質してその溶融比抵抗を低くすることが有効であることが知られている。そして、この溶融比抵抗を低くする方法として、原料ポリエステルの製造段階において、エステル化またはエステル交換反応中にアルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物を添加すること等が行われている(例えば、特許文献1参照。)。
溶融比抵抗を低くする別の方法として、多量のアルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物を添加して非常に低い溶融比抵抗を有するマスターバッチを別途製造し、フィルムの原料となるポリエステルに混合することも行われている(例えば、特許文献2参照。)。しかしマスターバッチの製造では多量のアルカリ金属やアルカリ土類金属化合物を添加することにより、異物が発生しやすいといった問題や、着色しやすい問題、熱安定性が低下する問題があった。またマスターバッチとして十分に低い値の溶融比抵抗が得られず、フィルム原料のポリエステルに対して多量のマスターバッチを混合する必要がありコスト面でも不利であった。
フィルム用のポリエステルには、フィルムを重ね合わせた時にフィルムが密着し、いわゆるブロッキングを起こしたり、ロール状のフィルムを加工する際にガイドロール等との滑り性の不良により傷などの欠陥が生じたりする問題がある。このようなフィルムの取り扱い上の問題を解決するためには、ポリエステル内部に無機粒子等の不活性粒子を含有させる方法が有効である。
特開2010−285527号公報 特開2008−201822号公報
本発明の目的は、十分に低い溶融比抵抗を有し、色調と熱安定性に優れたマスターバッチ用ポリエステル組成物、およびこのマスターバッチ用ポリエステル組成物を混合することで、冷却ドラムへの静電密着性を高めて製膜性を改善し、かつ、最適な滑り性を付与して、品位にも優れたポリエステルフィルムを提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
[1] ジカルボン酸成分とグリコール成分を構成成分とするポリエステル、マグネシウム化合物、アルカリ金属化合物、リン化合物、及び滑剤を含むポリエステル組成物であって、前記リン化合物が、リン酸トリアルキルエステルであり、該アルキルエステルのアルキル基が炭素数2〜4のアルキル基であるリン化合物、及びエチルジエチルホスホノアセテートからなる群より選ばれる少なくとも一種であって、下記(1)〜(4)を満足することを特徴とするマスターバッチ用ポリエステル組成物。
(1)ポリエステル組成物中、質量換算でマグネシウム原子を400〜2,700ppm、アルカリ金属原子を40〜270ppm、リン原子を200〜1,700ppm含有する
(2)ポリエステル組成物中、平均粒径0.5〜3.0μmの滑剤を7,000〜20,000ppm含有する
(3)ポリエステルを構成するジカルボン酸成分に対する、マグネシウム原子の量をm(mol%)、アルカリ金属原子の量をk(mol%)、リン原子の量をp(mol%)としたとき、式Iを満たす
2≦(m+k/2)/p≦3.5 (式I)
(4)溶融比抵抗ρiが0.005×10〜0.05×10Ω・cmを満たす
[2] 前記アルカリ金属が、カリウムである[1]に記載のマスターバッチ用ポリエステル組成物。
[3] 前記リン化合物が、リン酸トリアルキルエステルであり、該アルキルエステルのアルキル基が炭素数2〜4のアルキル基であるリン化合物である、[1]、[2]のいずれかに記載のマスターバッチ用ポリエステル組成物。
[4] 前記リン化合物が、リン酸トリエチルである[1]、[2]のいずれかに記載のマスターバッチ用ポリエステル組成物。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載のマスターバッチ用ポリエステル組成物を含有したフィルム用ポリエステル組成物。
[6] [5]に記載のフィルム用ポリエステル組成物からなるポリエステルフィルム。
本発明のマスターバッチ用ポリエステル組成物は、マグネシウム化合物、アルカリ金属化合物、リン化合物及び滑剤を特定量添加して製造され、低い溶融比抵抗を有するため、これを用いたフィルムの製膜性を改善でき、さらに異物が少なく色調と熱安定性にも優れ、製膜時の滑り性にも優れるため、包装用フィルム、工業用フィルムなど、幅広い用途に使用することができる。
図1は、実施例、比較例での金属量と溶融比抵抗の関係を示した図である。
[マスターバッチ用ポリエステル組成物]
本発明のマスターバッチ用ポリエステル組成物は、フィルム原料用ポリエステル樹脂に混合されることでフィルム用ポリエステル組成物となる。
本発明のマスターバッチ用ポリエステル組成物の溶融比抵抗(ρi)は、0.005×10〜0.05×10Ω・cmである必要がある。溶融比抵抗は、後記する実施例の項で記載された方法で測定できる。ポリエステルフィルムの製膜性を改善するためには、フィルム用ポリエステル組成物としての溶融比抵抗が0.1×10〜0.3×10Ω・cmであることが望ましいが、マスターバッチ用ポリエステル組成物の溶融比抵抗が0.05×10Ω・cmよりも高い場合は、フィルム用ポリエステルの製膜性を改善するために多量のマスターバッチの添加量が必要になるため、マスターバッチとしての効能が低く製造コストの増大などの問題がある。マスターバッチ用ポリエステル組成物の溶融比抵抗が0.005×10Ω・cmより低い場合には、マスターバッチの添加量が少なくなりすぎるため偏析が起こりやすく、フィルムの溶融比抵抗にムラが生じ、製膜安定性が低下することがある。より好ましいマスターバッチ用ポリエステル組成物の溶融比抵抗は、0.005×10〜0.025×10Ω・cmである。
本発明のマスターバッチ用ポリエステル組成物には、溶融比抵抗を下げるためマグネシウム化合物、アルカリ金属化合物を添加している。また、これらの金属イオン成分は、未反応のジカルボン酸成分やオリゴマー成分のカルボニル末端基との反応により塩を形成、異物化すると推定されるが、これらの金属イオンを異物化させることなくポリエステル中で分散させ、さらに熱安定性を向上させるためにリン化合物を添加している。この異物が凝集すると、マスターバッチ用ポリエステル組成物を使用して得られたフィルム中の粗大欠点(粗大粒子)となる場合がある。
本発明で使用するマグネシウム化合物としては、公知のマグネシウム化合物を使用することができる。例えば、酢酸マグネシウムのような低級脂肪酸塩や、マグネシウムメトキサイドのようなアルコキサイド等が挙げられ、これらはいずれか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。特に、酢酸マグネシウムが好ましい。
マグネシウム原子の量は、マスターバッチ用ポリエステル組成物に対して400〜2700ppmである。マグネシウム原子量が400ppm未満の場合は溶融比抵抗が高くなり、フィルム用ポリエステル組成物の製膜性を改善するために多量のマスターバッチの添加量が必要になるため、マスターバッチとしての効能が低く製造コストの増大などの問題がある。マグネシウム原子量が2700ppmを超える場合には、不溶性の異物(マグネシウム塩)の生成量が多くなり、また耐熱性の低下を招きフィルムの着色が酷くなり好ましくない。好ましいマグネシウム原子の量は450〜2500ppmであり、より好ましいマグネシウム原子の量は450〜2000ppmである。
本発明で使用するアルカリ金属化合物のアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが上げられる。また、アルカリ金属化合物としては、例えば、酢酸リチウムや酢酸カリウムのような低級脂肪酸塩や、カリウムメトキサイドのようなアルコキサイド等が挙げられ、これらはいずれか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。アルカリ金属としては、カリウムが溶融比抵抗を下げる効果が大きく、好ましい。アルカリ金属化合物としては、酢酸塩が好ましく、酢酸カリウムが特に好ましい。
アルカリ金属原子の量は、マスターバッチ用ポリエステル組成物に対して40〜270ppmである。アルカリ金属原子量が40ppm未満の場合は溶融比抵抗が高くなり、フィルム用ポリエステル組成物の製膜性を改善するために多量のマスターバッチ用ポリエステルの添加量が必要になるため、マスターバッチとしての効能が低く製造コストの増大などの問題がある。アルカリ金属原子の量が、270ppmを超える場合には、耐熱性の低下を招きフィルムの着色が酷くなり好ましくない。好ましいアルカリ金属原子の量は45〜250ppmであり、より好ましいアルカリ金属原子の量は45〜200ppmである。
本発明で使用可能なリン化合物としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸及びこれらのエステル化合物が例示される。例えば、リン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル、リン酸モノメチル、リン酸ジメチル、リン酸モノブチル、リン酸ジブチル、亜リン酸、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリブチル、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、エチルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジエチル、フェニルホスホン酸ジフェニル、エチルジエチルホスホノアセテート、ホスフィン酸、メチルホスフィン酸、ジメチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ジメチルホスフィン酸メチル、ジフェニルホスフィン酸メチルが挙げられる。これらの内、本発明の効果を高度に発現させるためには、リン化合物としては、リン酸トリアルキルエステルであり、該アルキルエステルのアルキル基が炭素数2〜4のアルキル基であるリン化合物、及びエチルジエチルホスホノアセテートからなる群より選ばれる少なくとも一種であることが望ましい。中でも、炭素数が2〜4のアルキル基を有するリン酸トリエステルを使用することが好ましい。具体的には、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル等が挙げられ、これらはいずれか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。特にリン酸トリエチルは、マグネシウムイオンと適度な強さの相互作用を有する錯体を形成すると考えられ、溶融比抵抗が低く、異物が少なく色調に優れたポリエステル組成物が得られるため好ましい。
リン原子の量は、マスターバッチ用ポリエステル組成物に対して、200〜1700ppmである。リン原子量が200ppm未満の場合には、マグネシウムイオンとアルカリ金属イオンを安定化し、ポリエステル中に分散させる効果が低くなり不溶性の異物の生成量が多くなる。さらに異物化したマグネシウムは溶融比抵抗を下げる効果がなくなるため、マグネシウム添加量に対して溶融比抵抗が高くなる。また耐熱性の低下を招きフィルムの着色が酷くなり好ましくない。リン原子量が1700ppmを超えると、過剰なリン化合物がマグネシウムイオンと相互作用するため、マグネシウムイオンの電荷が溶融比抵抗を下げる効果に寄与せず、マグネシウム添加量に対して溶融比抵抗が高くなり、好ましくない。好ましいリン原子の量は220〜1000ppmである。
本発明のマスターバッチ用ポリエステル組成物には、フィルムのハンドリング特性を向上させる目的で滑剤を添加する。滑剤とは無機粒子等の不活性粒子であり、添加することにより、フィルム製膜時に表面に凹凸を形成させ、フィルムの走行性、滑り性、巻き取り性、加工性等を付与するものである。
本発明で使用する滑剤としてはチタン、アルミニウム、ケイ素、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどの金属の酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩、アルミナ酸塩が例示される。例えば、二酸化チタン、アルミナ、アルミノシリケート、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどのほか天然由来のタルク、マイカ、カオリナイト、ゼオライトなどの粒子が上げられるが、これらに限定されない。
滑剤の平均粒径は0.5〜3.0μmであり、より好ましくは0.8〜2.5μmである。0.5μm未満では、表面に凹凸を形成し、滑り性、走行性などのハンドリング性を付与する効果が低下するので好ましくない。一方、3.0μmを超えた場合は、粗大突起の形成によりフィルムの品質を損なう場合があるので好ましくない。滑剤の平均粒径は、実施例の項に記載の通り、レーザー光散乱方式の粒度分布計を用いて測定される。
滑剤量は、質量基準でマスターバッチ用ポリエステル組成物に対して7000〜20000ppmである。フィルム原料用ポリエステル樹脂に混合してフィルム用ポリエステル組成物にする際は、滑剤量が好ましい量となるよう、マスターバッチ用ポリエステル組成物を添加する。滑剤が7000ppm未満の場合、多量のマスターバッチ用ポリエステル組成物を添加するため、色調及び耐熱性が悪くなる。またマスターバッチとしての効能が低いため、製造コストの増大につながる。滑剤が20000ppmを超える場合、フィルム用ポリエステル組成物中の金属量が減り、溶融比抵抗が上がって製膜性が悪くなるため、好ましくない。また重合時に滑剤の凝集が発生し、ブレンド希釈後の粗大欠点(粗大粒子)数の増加につながるため、好ましくない。滑剤の含有量の下限は、8000ppm以上が好ましく、10000ppm以上がより好ましく、12000ppm以上がさらに好ましい。含有量の上限は、18000ppm以下が好ましい。
マスターバッチ用ポリエステル組成物中のマグネシウム原子、アルカリ金属原子、リン原子、および滑剤の含有量は、下記の実施例の項に記載の方法で定量することが可能である。マグネシウム化合物、アルカリ金属化合物、及びリン化合物のポリエステル中への添加時期は、特に限定されないが、ポリエステルの重合時、特にエステル化(もしくはエステル交換)工程の途中、またはエステル化(もしくはエステル交換)工程が終了した時点から重縮合工程が始まるまでの間に添加することで、ポリエステルの酸成分とマグネシウムイオンやアルカリ金属イオンが塩を形成して異物化することを抑制でき、またオリゴマー中に均一に分散できるため好ましい。滑剤のポリエステル中への添加時期は、特に限定されないが、ポリエステルの重合時、特にエステル化(もしくはエステル交換)工程の途中、またはエステル化(もしくはエステル交換)工程が終了した時点から重縮合工程が始まるまでの間に添加することで、オリゴマー中に均一に分散できるため好ましい。
ポリエステルの重合時にこれら化合物を添加した場合、マグネシウム原子、アルカリ金属原子は、ほぼ添加量がそのままポリエステル組成物中に残存するが、リン原子は減圧環境下で重合系外へ留去することがあるため、添加量と残存量の関係を予め把握した上で、リン化合物の添加量を決める必要がある。滑剤は、ほぼ添加量がそのままポリエステル組成物中に残存する。
ポリエステルが、ジカルボン酸成分とグリコール成分を構成成分とするポリエステルであるとき、ジカルボン酸成分に対するマグネシウム原子の量をm(mol%)、アルカリ金属原子の量をk(mol%)、リン原子の量をp(mol%)としたとき、マグネシウム原子、アルカリ金属原子、リン原子のモル比は下記の式Iを満たすことで、本発明の効果が得られる。
2≦(m+k/2)/p≦3.5 (式I)
リン原子がマグネシウムイオンとアルカリ金属イオンを異物化させることなく、安定化させていると考えられる。マグネシウムイオンが2価であるのに対してアルカリ金属イオンが1価であることから、マグネシウムイオンとアルカリ金属イオンの量の和を(m+k/2)と表し、これをpで除した比「(m+k/2)/p」をリン原子に対する、マグネシウムイオンとアルカリ金属イオンの相対的な量としている。
「(m+k/2)/p」の値が3.5を超える場合、リン原子の量がマグネシウム原子とアルカリ金属原子に対して相対的に少なく、マグネシウムイオンとアルカリ金属イオンを安定化し、ポリエステル中に分散させる効果が低くなり不溶性の異物(マグネシウム塩、アルカリ金属塩)の生成量が多くなる。さらに異物化したマグネシウムは溶融比抵抗を下げる効果がなくなるため、マグネシウム添加量に対して溶融比抵抗が高くなる。また、耐熱性の低下を招きフィルムの着色が酷くなる。「(m+k/2)/p」の値が2未満の場合には、リン原子の量がマグネシウム原子とアルカリ金属原子に対して相対的に過剰になり、過剰なリン化合物がマグネシウムイオンと相互作用するため、マグネシウムイオンの電荷が溶融比抵抗を下げる効果に寄与せず、マグネシウム添加量に対して溶融比抵抗が高くなる。「(m+k/2)/p」は、2.3以上、3以下であることがより好ましく、2.5以上、3以下であることがさらに好ましい。
式Iにおける、「(m+k/2)/p」は、マスターバッチ用ポリエステル組成物中の各原子の含有量からも算出できる。
前記と同様に、マグネシウム原子の量をm(mol%)、アルカリ金属原子の量をk(mol%)としたとき、金属量(マグネシウム原子とアルカリ金属原子の合計量)と溶融比抵抗の関係が下記の式IIを満たしている場合、添加した金属は異物化せず、溶融比抵抗(ρi)の低下に寄与していると考えられ、本発明のマスターバッチ用ポリエステル組成物は式IIを満たす。
R<1.2×10−2/(m+k/2) (式II)
(ここで、R=ρi×10−8
マグネシウム化合物、アルカリ金属化合物は溶融比抵抗を下げる効果を有しており、またマグネシウムイオンが2価であるのに対してアルカリ金属イオンが1価であることから、マグネシウムイオンとアルカリ金属イオンの量の和である(m+k/2)が溶融比抵抗に大きく作用する因子である。
添加した金属が異物化した場合、異物化した金属がほとんど溶融比抵抗に寄与しないため、異物化していない系に比べ、溶融比抵抗が高くなる。そのため、式IIから外れる場合は、添加した金属量に対する溶融比抵抗が高く、異物化している金属が多くなっている可能性がある。一般的に、金属量と溶融比抵抗の値は反比例の関係にあると言える。図1は、後記する実施例1〜9、比較例1〜5の金属量(m+k/2)と溶融比抵抗の値(ρi)の関係をプロットした図である。図の中で、実施例は「◇」、比較例は「●」で表している。この図より、本願発明の効果が得られる範囲は、曲線より下の範囲であることが分かる。この曲線は、R=1.2×10−2/(m+k/2)の曲線であることから、上記式IIが導かれた。
本発明に係るポリエステルとは、ジカルボン酸成分とグリコール成分を構成成分とするポリエステルである。ジカルボン酸成分とグリコール成分は、一種または二種以上用いることが可能である。ジカルボン酸以外に多価カルボン酸、グリコール以外に多価アルコールを含んでも良い。またはヒドロキシカルボン酸、環状エステルからなる単位を含んでも良い。
ポリエステルの製造は、従来公知の方法で行うことができる。例えば、テレフタル酸とエチレングリコールからなるポリエステルの場合、テレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化後、重縮合する方法、もしくは、テレフタル酸ジメチルなどのテレフタル酸のアルキルエステルとエチレングリコールとのエステル交換反応を行った後、重縮合する方法のいずれの方法でも行うことができる。また、重合の装置は、回分式であっても、連続式であってもよい。
触媒は、ポリエステルの重合触媒として公知のアンチモン化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、スズ化合物、ゲルマニウム化合物等の金属含有ポリエステル重縮合触媒を使用することができる。この中で、異物抑制や熱安定性に優れるアルミニウム化合物を使用することが好ましい。
本発明のマスターバッチ用ポリエステル組成物は、重合触媒成分を含んでいる。アンチモン化合物を用いる場合、マスターバッチ用ポリエステル組成物中、質量換算でアンチモン原子として50〜300ppm含有していることが好ましい。アルミニウム化合物を用いる場合、マスターバッチ用ポリエステル組成物中、質量換算でアルミニウム原子として20〜100ppm含有していることが好ましい。チタン化合物を用いる場合、マスターバッチ用ポリエステル組成物中、質量換算でチタン原子として5〜150ppm含有していることが好ましい。スズ化合物を用いる場合、マスターバッチ用ポリエステル組成物中、質量換算でスズ原子として50〜200ppm含有していることが好ましい。ゲルマニウム化合物を用いる場合、マスターバッチ用ポリエステル組成物中、質量換算でゲルマニウム原子として50〜200ppm含有していることが好ましい。これら金属の重合触媒のうち、アンチモン化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、スズ化合物の場合は、ほぼ添加量がそのままポリエステル組成物中に残存するが、ゲルマニウム化合物の場合は、減圧環境下で重合系外へ留去することがあるため、ポリエステル組成物中の残存量が上記の範囲になるよう添加量を調整することが望ましい。
ポリエステルの重合触媒は、重合反応の任意の段階で反応系に添加することができる。例えば、エステル化反応もしくはエステル交換反応の開始前および反応途中の任意の段階、重縮合反応の開始直前、あるいは重縮合反応途中の任意の段階で、反応系への添加することができる。
前記ジカルボン酸としては、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、ダイマー酸などに例示される飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などに例示される不飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5−(アルカリ金属)スルホイソフタル酸、ジフェン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、パモン酸、アントラセンジカルボン酸などに例示される芳香族ジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
これらジカルボン酸以外の多価カルボン酸として、エタントリカルボン酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
前記グリコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、1,10−デカメチレングリコール、1,12−ドデカンジオールなどのアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどに例示される脂肪族グリコール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビスフェノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノールC、2,5−ナフタレンジオール、これらのグリコールにエチレンオキシドが付加したグリコール、などに例示される芳香族グリコールが挙げられる。
これらグリコール以外の多価アルコールとして、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセロール、ヘキサントリオールなどが挙げられる。
前記ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸、3−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
前記環状エステルとしては、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、グリコリド、ラクチドなどが挙げられる。
多価カルボン酸もしくはヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体としては、これらのアルキルエステル、酸クロライド、酸無水物などが挙げられる。
本発明で用いるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレートおよびこれらの共重合体が好ましく、特に好ましくはポリエチレンテレフタレートおよびこの共重合体である。
本発明のマスターバッチ用ポリエステル組成物中には、使用する目的に応じて、ジエチレングリコール抑制剤、蛍光増白剤、染料や顔料などの色調調整剤、紫外線防止剤、赤外線吸収色素、熱安定剤、界面活性剤、酸化防止剤などの各種添加剤を1種もしくは2種以上含有させることができる。ジエチレングリコール抑制剤としてはアルキルアミン化合物やアンモニウム塩化合物などの塩基性化合物を使用可能であり、酸化防止剤としては、芳香族アミン系、フェノール系などの酸化防止剤が使用可能であり、安定剤としては、イオウ系、アミン系などの安定剤が使用可能である。
これらの添加剤は、合計でマスターバッチ用ポリエステル組成物中に、好ましくは10質量%以下の割合で添加することができ、より好ましくは5質量%以下の割合である。
本発明のマスターバッチ用ポリエステル組成物は、ペレットでの色調(Co−b)は0〜40であることが好ましく、0〜30であることがより好ましい。マスターバッチ用ポリエステル組成物は、フィルム原料用ポリエステル樹脂に混合されてフィルム用ポリエステル組成物となり、フィルムへと成形される。マスターバッチ用ポリエステル組成物のペレットでの色調(Co−b)が相対的に高い値であっても、フィルム原料用ポリエステル樹脂で希釈されて、フィルムとしての色調が好ましい範囲であれば問題ない。
本発明のマスターバッチ用ポリエステル組成物の固有粘度(IV)は、0.3〜0.7dl/gであることが好ましい。マスターバッチ用ポリエステル組成物は、フィルム原料用ポリエステル樹脂に混合されてフィルム用ポリエステル組成物となり、フィルムへと成形される。マスターバッチ用ポリエステル組成物のペレットでの固有粘度(IV)が相対的に高い値や低い値であっても、フィルム原料用ポリエステル樹脂で希釈されて、フィルムとしての固有粘度(IV)が好ましい範囲であれば問題ない。
[フィルム用ポリエステル組成物、ポリエステルフィルム]
本発明のフィルム用ポリエステル組成物は、上記マスターバッチ用ポリエステル組成物と、フィルム原料用ポリエステル樹脂(組成物)を任意の割合で混合したものである。本発明のフィルム用ポリエステル組成物から公知の製膜法を用いて、ポリエステルフィルムを得ることが可能である。
フィルム原料用ポリエステル樹脂(組成物)には、溶融比抵抗を下げるためのアルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物を含有していなくてもよく、また含有していてもよい。アルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物を含有せず溶融比抵抗が高いフィルム原料用ポリエステル樹脂に、本発明のマスターバッチ用ポリエステル組成物を混合した場合には、一般的なフィルム用ポリエステル組成物と同等以上の製膜性を達成することができる。すでにアルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物を含有するフィルム原料用ポリエステル組成物に、本発明のマスターバッチ用ポリエステル組成物を混合した場合には、その製膜性をさらに高めることができる。
フィルム原料用ポリエステル樹脂(組成物)に使用可能なポリエステルは、前記マスターバッチ用ポリエステル組成物に使用可能なポリエステルと同様である。フィルム原料用ポリエステル樹脂(組成物)に使用するポリエステルと、マスターバッチ用ポリエステル組成物に使用するポリエステルが、同じ構成成分からなるポリエステルであることは好ましい態様である。
フィルム用ポリエステル組成物中のマグネシウム原子量は15〜150ppm、アルカリ金属量は1.5〜15ppm、リン原子量は7〜80ppmであることが望ましい。具体的には、本発明のマスターバッチ用ポリエステル組成物を1〜20質量%含んだフィルム用ポリエステル組成物とすることが好ましく、該マスターバッチ用ポリエステル組成物を2〜10質量%含んだフィルム用ポリエステル組成物とすることがより好ましい。このような範囲となるようにマスターバッチ用ポリエステル組成物を混合すると、溶融比抵抗、色調、耐熱性のバランスに優れたフィルムを得ることができる。フィルムでの色調(Co−b)は、実施例の項で説明する方法で測定した場合、0〜6であることが好ましく、0〜5.2であることがより好ましく、0〜5であることがさらに好ましい。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、主な特性値の測定法を、以下に説明する。
(1)ポリエステル樹脂・組成物の固有粘度(IV)
ポリエステル組成物(ポリエステル樹脂)をフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンの6/4(重量比)混合溶媒を使用して溶解し、温度30℃にて測定した。
(2)溶融比抵抗
275℃で溶融させたポリエステル組成物の両端部に2本の電極(直径0.6mmのステンレス針金)が置かれ、幅2cmの2枚の石英板で挟む形で、幅2cm、厚さ0.6mmの均一な溶融ポリエステル組成物の層を形成し、280℃の温度条件下、120Vの直流電圧を印加した時の電流(io)を測定し、これを次式に当てはめて溶融比抵抗値ρi(Ω・cm)を求めた。
ρi(Ω・cm)=(A/L)×(V/io)
[A:電極面積(cm)、L:電極間距離(cm)、V:電圧(V)]
A(cm)=[溶融ポリエステル組成物層の幅]×[厚み]=2(cm)×0.06(cm)であり、V=120(V)である。Lは電極の直径を含めずに測定した値で、1.3cmである。
(3)アルミニウム、マグネシウム、カリウム、リチウム、リンの定量方法
厚みが5mm、内径50mmのステンレス製円形リング中でポリエステル組成物を[融点+20℃]に加熱溶融させてサンプルピースを作製し、蛍光X線分析により、元素量を求め、ppm(質量基準)で表示した。なお、定量の際には、予め各元素量既知のサンプルから求めた検量線を使用した。
(4)色調(Co−b)
色差計(日本電色工業(株)製、ZE−2000)を用いて、ポリエステル組成物のペレットまたはフィルムの色差(L、a、b)を測定した。ペレットは測定セルに入れて反射法で測定した。フィルムは10枚重ねて反射法で測定した。
(5)耐熱性
マスターバッチ用ポリエステル組成物を混合して製膜したポリエステルフィルムをガラスアンプルに投入し、窒素置換後、13.3kPaの減圧下(窒素雰囲気)でガラスアンプルの封を実施し、300℃で2時間加熱処理した時の加熱処理前後の固有粘度を測定した。耐熱性は、加熱処理による固有粘度低下(ΔIV=[加熱処理後のIV]−[加熱処理前のIV])で表示する。通常、加熱処理で固有粘度は低下するので、ΔIVの絶対値が小さいほど、耐熱性は良好である。
(6)粗大欠点数
粗大欠点数の測定は、位相差光学顕微鏡(Nikon社製、)、対物レンズ(同社製、倍率10倍、開口度0.5)を用いて観察したキャストフィルム中の粒子の画像から画像解析により粒子の大きさと個数を計測する。この粒子は、滑剤が凝集したものが主であり、マグネシウムイオン、アルカリ金属イオン由来の異物が凝集したものも含まれる。画像解析では、10μm以上の凝集した粒子数を計測し、視野を変えながら20回の計測を行い、合計の凝集した粒子数を求め、視野面積1平方mm当たりの10μm以上の凝集した粒子数を計算し、粗大欠点数とした。粗大欠点数が300個未満を○、300個以上を×と判断した。
(7)滑剤の平均粒径
レーザー光散乱方式の粒度分布計(Leeds&Northrup社製、Microtrac HRA model9320−X100)を用いて、滑剤のエチレングリコールスラリーを水で希釈して実質的に水系で測定した。測定結果の体積累計50%径を平均粒径とした。
(参考例1)フィルム原料用ポリエステル樹脂(X)の製造
撹拌機、蒸留塔、圧力調整器を備えたステンレス製オートクレーブにテレフタル酸、エチレングリコール、三酸化二アンチモン0.54重量部仕込んだ。さらにテレフタル酸に対して、ジエチレングリコール抑制剤として0.3mol%のトリエチルアミンを加え、240℃、ゲージ圧0.35MPaでエステル化に生成する水を逐次除去しながら2時間エステル化反応を行った。
続いて、1時間で系の温度を280℃まで昇温して、この間に系の圧力を徐々に減じて150Paとし、この条件下で1時間重縮合反応を行い、フィルム原料用ポリエステル樹脂(X)を得た。得られたポリエステル樹脂の固有粘度は0.62dl/g、溶融比抵抗は3.2×10Ω・cmであった。
(実施例1)
(1)シリカスラリーの調整
ホモジナイザー付きの分散槽にエチレングリコール5リットルと平均粒径2.4μmのシリカ粒子(富士シリシア化学製、サイリシア310)750gを入れて8000rpmで2時間攪拌分散し、150g/lのスラリーとした。
(2)マスターバッチ用ポリエステル組成物の製造
撹拌機、蒸留塔、圧力調整器を備えたステンレス製オートクレーブにテレフタル酸、エチレングリコールを仕込んだ。ポリエステルの理論量に対して、シリカスラリーをシリカが16,000ppmとなるよう仕込み、トリエチルアミンをテレフタル酸に対して0.3mol%になるように加え、常法に従いエステル化反応を行い、オリゴマーを得た。
続いて、塩基性酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム二水和物、酢酸カリウム、リン酸トリエチルをそれぞれポリエステルの理論量に対してアルミニウム原子として60ppm、マグネシウム原子として1000ppm、カリウム原子として100ppm、リン原子として660ppmとなるように添加し、1時間で系の温度を280℃まで昇温して、この間に系の圧力を徐々に減じて150Paとし、この条件下で80分間重縮合反応を行い、マスターバッチ用ポリエステル組成物のペレットを得た。得られたポリエステル組成物の物性を表1に示す。アルミニウム原子、マグネシウム原子、カリウム原子は、添加量がそのまま残存量(含有量)となったが、リン原子は、重縮合反応工程で一部が重合系外へ留去したため、添加量に対して残存量(含有量)が減少した(以下の例でも同様である。)。
(3)ポリエステルフィルムの製膜
上記で製造したマスターバッチ用ポリエステル組成物のペレットと、フィルム原料用ポリエステル樹脂(X)のペレットを質量比で5:95の割合で混合し、135℃で10時間真空乾燥した。次いで、二軸押出機に定量供給し、280℃でシート状に溶融押し出しして、表面温度20℃に保った金属ロール上で急冷固化し、厚さ1400μmのキャストフィルムを得た。
次に、このキャストフィルムを加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に3.5倍延伸して一軸配向フィルムを得た。引き続いて、テンターで、120℃で幅方向に4.0倍に延伸し、フィルム幅長を固定した状態で、260℃、0.5秒間赤外線ヒーターで加熱し、さらに200℃で23秒間3%の弛緩処理をし、厚さ100μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。粗大欠点数は、キャストフィルムで測定した。
(実施例2)
実施例1の重合方法において、シリカスラリー、塩基性酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム二水和物、酢酸カリウム、リン酸トリエチルをそれぞれポリエステルの理論量に対して、シリカとして8000ppm、アルミニウム原子として30ppm、マグネシウム原子として500ppm、カリウム原子として50ppm、リン原子として330ppmとなるように添加した以外は、実施例1と同様な方法でマスターバッチ用ポリエステル組成物のペレットを得た。得られたポリエステル組成物の物性を表1に示す。
得られたマスターバッチ用ポリエステル組成物とフィルム原料用ポリエステル樹脂(X)のペレットを質量比で10:90の割合で混合し、実施例1と同様な方法でポリエステルフィルムの製膜を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。
(実施例3)
実施例1の重合方法において、塩基性酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム二水和物、酢酸カリウム、リン酸トリエチルをそれぞれポリエステルの理論量に対してアルミニウム原子として80ppm、マグネシウム原子として2500ppm、カリウム原子として250ppm、リン原子として1650ppmとなるように添加した以外は、実施例1と同様な方法でマスターバッチ用ポリエステル組成物のペレットを得た。得られたポリエステル組成物の物性を表1に示す。
製膜方法は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
(実施例4)(参考例)
実施例1の重合方法において、塩基性酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム二水和物、酢酸カリウム、リン酸トリエチルをそれぞれポリエステルの理論量に対してアルミニウム原子として60ppm、マグネシウム原子として1000ppm、カリウム原子として250ppm、リン原子として530ppmとなるように添加した以外は、実施例1と同様な方法でマスターバッチ用ポリエステル組成物のペレットを得た。得られたポリエステル組成物の物性を表1に示す。
製膜方法は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
(実施例5)
実施例1の重合方法において、塩基性酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム二水和物、酢酸カリウム、リン酸トリプロピルをそれぞれポリエステルの理論量に対してアルミニウム原子として60ppm、マグネシウム原子として1000ppm、カリウム原子として100ppm、リン原子として660ppmとなるように添加した以外は、実施例1と同様な方法でマスターバッチ用ポリエステル組成物のペレットを得た。得られたポリエステル組成物の物性を表1に示す。
製膜方法は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
(実施例6)
実施例1の重合方法において、塩基性酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム二水和物、酢酸リチウム二水和物、リン酸トリエチルをそれぞれポリエステルの理論量に対してアルミニウム原子として60ppm、マグネシウム原子として1000ppm、リチウム原子として90ppm、リン原子として660ppmとなるように添加した以外は、実施例1と同様な方法でマスターバッチ用ポリエステル組成物のペレットを得た。得られたポリエステル組成物の物性を表1に示す。
製膜方法は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
(実施例7)(参考例)
実施例1の重合方法において、塩基性酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム二水和物、酢酸カリウム、エチルジエチルホスホノアセテートをそれぞれポリエステルの理論量に対してアルミニウム原子として60ppm、マグネシウム原子として1000ppm、カリウム原子として100ppm、リン原子として660ppmとなるように添加した以外は、実施例1と同様な方法でマスターバッチ用ポリエステル組成物のペレットを得た。得られたポリエステル組成物の物性を表1に示す。
製膜方法は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
(実施例8)
実施例1の重合方法において、シリカスラリー、塩基性酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム二水和物、酢酸カリウム、リン酸トリエチルをそれぞれポリエステルの理論量に対してシリカとして12000ppm、アルミニウム原子として60ppm、マグネシウム原子として1000ppm、カリウム原子として100ppm、リン原子として660ppmとなるように添加した以外は、実施例1と同様な方法でマスターバッチ用ポリエステル組成物のペレットを得た。得られたポリエステル組成物の物性を表1に示す。
得られたマスターバッチ用ポリエステル組成物とフィルム原料用ポリエステル樹脂(X)のペレットを質量比で6.7:93.3の割合で混合し、実施例1と同様な方法でポリエステルフィルムの製膜を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。
(実施例9)
実施例1の重合方法において、シリカスラリー、塩基性酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム二水和物、酢酸カリウム、リン酸トリエチルをそれぞれポリエステルの理論量に対してシリカとして18000ppm、アルミニウム原子として60ppm、マグネシウム原子として1000ppm、カリウム原子として100ppm、リン原子として660ppmとなるように添加した以外は、実施例1と同様な方法でマスターバッチ用ポリエステル組成物のペレットを得た。得られたポリエステル組成物の物性を表1に示す。
得られたマスターバッチ用ポリエステル組成物とフィルム原料用ポリエステル樹脂(X)のペレットを質量比で4.4:95.6の割合で混合し、実施例1と同様な方法でポリエステルフィルムの製膜を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。
(比較例1)
実施例1の重合方法において、塩基性酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム二水和物、酢酸カリウム、リン酸トリエチルをそれぞれポリエステルの理論量に対してアルミニウム原子として60ppm、マグネシウム原子として1000ppm、カリウム原子として100ppm、リン原子として400ppmとなるように添加した以外は、実施例1と同様な方法でマスターバッチ用ポリエステル組成物のペレットを得た。得られたポリエステル組成物の物性を表2に示す。
製膜方法は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
(比較例2)
実施例1の重合方法において、塩基性酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム二水和物、酢酸カリウム、リン酸トリエチルをそれぞれポリエステルの理論量に対してアルミニウム原子として30ppm、マグネシウム原子として500ppm、カリウム原子として50ppm、リン原子として660ppmとなるように添加した以外は、実施例1と同様な方法でマスターバッチ用ポリエステル組成物のペレットを得た。得られたポリエステル組成物の物性を表2に示す。
製膜方法は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
(比較例3)
実施例1の重合方法において、塩基性酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム二水和物、酢酸カリウム、リン酸トリエチルをそれぞれポリエステルの理論量に対してアルミニウム原子として60ppm、マグネシウム原子として2000ppm、カリウム原子として50ppm、リン原子として660ppmとなるように添加した以外は、実施例1と同様な方法でマスターバッチ用ポリエステル組成物のペレットを得た。得られたポリエステル組成物の物性を表2に示す。
製膜方法は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
(比較例4)
実施例1の重合方法において、塩基性酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム二水和物、酢酸カリウム、リン酸トリエチルをそれぞれポリエステルの理論量に対してアルミニウム原子として60ppm、マグネシウム原子として1000ppm、カリウム原子として1000ppm、リン原子として660ppmとなるように添加した以外は、実施例1と同様な方法でマスターバッチ用ポリエステル組成物のペレットを得た。得られたポリエステル組成物の物性を表2に示す。
製膜方法は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
(比較例5)
実施例1の重合方法において、塩基性酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム二水和物、酢酸カリウム、リン酸トリメチルをそれぞれポリエステルの理論量に対してアルミニウム原子として60ppm、マグネシウム原子として1000ppm、カリウム原子として100ppm、リン原子として660ppmとなるように添加した以外は、実施例1と同様な方法でマスターバッチ用ポリエステル組成物のペレットを得た。得られたポリエステル組成物の物性を表2に示す。
製膜方法は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
(比較例6)
実施例1の重合方法において、シリカスラリー、塩基性酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム二水和物、酢酸カリウム、リン酸トリメチルをそれぞれポリエステルの理論量に対してシリカとして5000ppm、アルミニウム原子として60ppm、マグネシウム原子として1000ppm、カリウム原子として100ppm、リン原子として660ppmとなるように添加した以外は、実施例1と同様な方法でマスターバッチ用ポリエステル組成物のペレットを得た。得られたポリエステル組成物の物性を表2に示す。
得られたマスターバッチ用ポリエステル組成物とフィルム原料用ポリエステル樹脂(X)のペレットを質量比で16:84の割合で混合し、実施例1と同様な方法でポリエステルフィルムの製膜を行った。得られたフィルムの特性を表2に示す。
(比較例7)
実施例1の重合方法において、シリカスラリー、塩基性酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム二水和物、酢酸カリウム、リン酸トリメチルをそれぞれポリエステルの理論量に対してシリカとして30000ppm、アルミニウム原子として60ppm、マグネシウム原子として1000ppm、カリウム原子として100ppm、リン原子として660ppmとなるように添加した以外は、実施例1と同様な方法でマスターバッチ用ポリエステル組成物のペレットを得た。得られたポリエステル組成物の物性を表2に示す。
得られたマスターバッチ用ポリエステル組成物とフィルム原料用ポリエステル樹脂(X)のペレットを質量比で2.7:97.3の割合で混合し、実施例1と同様な方法でポリエステルフィルムの製膜を行った。得られたフィルムの特性を表2に示す。
実施例1〜9のマスターバッチ用ポリエステル組成物は、溶融比抵抗が低く、異物が少なく、これを用いて得られたフィルムの色調、熱安定性は優れている。また、上記式IIを満たすことより、添加した金属は異物化せず、溶融比抵抗(ρi)の低下に寄与していると考えられる。アルカリ金属としてリチウムを用いた実施例6に比べ、カリウムを用いた実施例1は、溶融比抵抗がより低くなり、色調が優れたものとなっている。リン化合物としてエチルジエチルホスホノアセテートを用いた実施例7に比べ、リン酸トリアルキルエステル(アルキル基が炭素数2〜4)を用いた実施例1、5は、色調が優れたものとなっている。リン酸トリプロピルを用いた実施例5に比べ、リン酸トリエチルを用いた実施例1は、溶融比抵抗がより低くなっている。
比較例1のマスターバッチ用ポリエステル組成物は、リン化合物の含有量が相対的に少ない((m+k/2)/pの比が大きい)ため、マグネシウム量が同じ実施例1と比べて色調が悪く、得られたフィルムの耐熱性が悪い。比較例2では、リン化合物の含有量が相対的に多い((m+k/2)/pの比が小さい)ため、溶融比抵抗が高く製膜性が悪いと言える。比較例3では、マグネシウム量とアルカリ金属量の合計が相対的に多い((m+k/2)/pの比が大きい)ため、色調が悪い。比較例4では、カリウム化合物の含有量が多いため、実施例1と比べて色調が悪く、得られたフィルムの耐熱性が悪い。比較例5では、リン化合物としてリン酸トリメチルを用いたものであるが、溶融比抵抗が高く、製膜性が悪いと言える。比較例6では、マスターバッチとしての滑剤量が少ないため、多量のマスターバッチをフィルムに添加するため、フィルムとしての色調が悪い。比較例7では、マスターバッチとしての滑剤量が多いため、マスターバッチの添加量が少なく、フィルムとしての溶融比抵抗が低く、製膜性が悪いと言える。またマスターバッチの重合時に多量の滑剤を添加するため、粗大欠点数が多い。
本発明のマスターバッチ用ポリエステル組成物は、十分に低い溶融比抵抗を有し、異物が少なく、色調と熱安定性にも優れているため、フィルム原料用ポリエステルに混合することで製膜性を改善し、かつ、最適な滑り性を付与して、品位にも優れたポリエステルフィルムを製造できるという効果がある。したがって、本発明のマスターバッチ用ポリエステル組成物を用いたフィルムは、例えば、帯電防止性フィルム、易接着性フィルム、カード用、ダミー缶用、農業用、建材用、化粧材用、壁紙用、OHPフィルム用、印刷用、インクジェット記録用、昇華転写記録用、レーザービームプリンタ記録用、電子写真記録用、熱転写記録用、感熱転写記録用、プリント基板配線用、メンブレンスイッチ用、プラズマディスプレイ用近赤外線吸収フィルム、タッチパネルやエレクトロルミネッセンス用の透明導電性フィルム、マスキングフィルム用、写真製版用、レントゲンフィルム用、写真ネガフィルム用、位相差フィルム用、偏光フィルム用、偏光膜保護(TAC)用、偏向板や位相差板の検査用プロテクトフィルム及び/又はセパレータフィルム、感光性樹脂フィルム用、視野拡大フィルム用、拡散シート用、反射フィルム用、反射防止フィルム用、紫外線防止用、バックグラインドテープ用など、幅広い用途に使用することができる。

Claims (3)

  1. ジカルボン酸成分とグリコール成分を構成成分とするポリエステル、マグネシウム化合物、アルカリ金属化合物、リン化合物、及び滑剤を含むポリエステル組成物であって、前記リン化合物が、リン酸トリアルキルエステルであり、該アルキルエステルのアルキル基が炭素数2〜4のアルキル基であるリン化合物であり、下記(1)〜(4)を満足することを特徴とするマスターバッチ用ポリエステル組成物。
    (1)ポリエステル組成物中、質量換算でマグネシウム原子を400〜2,700ppm、アルカリ金属原子を40〜270ppm、リン原子を200〜1,700ppm含有する
    (2)ポリエステル組成物中、平均粒径0.5〜3.0μmの滑剤を7,000〜20,000ppm含有する
    (3)ポリエステルを構成するジカルボン酸成分に対する、マグネシウム原子の量をm(mol%)、アルカリ金属原子の量をk(mol%)、リン原子の量をp(mol%)としたとき、式Iを満たす
    2≦(m+k/2)/p≦ (式I)
    (4)溶融比抵抗ρiが0.005×100.025×10Ω・cmを満たす
  2. 前記アルカリ金属が、カリウムである請求項1に記載のマスターバッチ用ポリエステル組成物。
  3. 前記リン化合物が、リン酸トリエチルである請求項1、2のいずれかに記載のマスターバッチ用ポリエステル組成物。
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