JP6816064B2 - 組成物、医薬組成物、医薬製剤、及びそれらの形成方法 - Google Patents

組成物、医薬組成物、医薬製剤、及びそれらの形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、一般に、粘液中での粒子輸送を助ける粒子、組成物、および方法に関する。
眼、鼻、肺、消化管、および女性生殖器系をはじめとする種々の身体侵入箇所に存在する粘液層は、本質的に粘着性であり、病原体、アレルゲン、および壊死組織片を効果的に捕捉し、粘液の入れ代わりにより速やかに除去することによって、身体をそれらから保護するのに役立つ。粘液膜を介して治療、診断または造影用粒子を効果的に送達するために、粒子は、粘液への粘着および粘液による急速な排除を回避するために、粘液層に容易に浸透できなければならない。いくつかの系統の証拠が、従来のナノ粒子は粘膜バリアを横断する能力がないことを示唆している。しかし、特定の表面コーティングで(共有結合または非共有結合により)修飾された(分解性またはそうでない)ポリマー性ナノ粒子は、生理学的に考慮された粘液サンプル中で、それらの粒子が水中におけるのとほぼ同じように急速に拡散できることが最近になって立証された。ポリマーをベースにしたこのような粘液浸透性粒子(MPP)は、薬物送達、診断、または造影での適用を可能にするため、種々の治療、造影、または診断用薬剤を封入することができる。
これらの改善にもかかわらず、一部の表面コーティングのみが、粒子の粘液浸透を促進することが示された。したがって、粘液浸透性粒子を必要とする組成物および方法を改善することは、医薬品の送達にとって有益である。
本説明は、一般に、粘液中での粒子輸送を助ける粒子、組成物、および方法に関する。一部の実施形態において、組成物および方法は、ポリマー主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有し、粘液浸透を促進する合成ポリマー、例えば、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)を含む。本出願の主題は、一部の事例で、相互に関係のある製品、特定の問題に対する代替解決策、ならびに/あるいは構造物および組成物の複数の異なる使用を含む。
一組の実施形態において、被覆された粒子を形成する方法が提供される。方法は、複数の芯粒子を表面改変剤で被覆して被覆された粒子を形成することを含み、表面改変剤は、ポリマー主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーを含み、合成ポリマーは、少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、その少なくとも約30%かつ約95%未満は加水分解されている。芯粒子のそれぞれは、医薬品またはその塩を含む。被覆された粒子は、粘液中で0.5を超える相対速度を有する。
別の組の実施形態において、複数の被覆された粒子を含む組成物が提供される。被覆された粒子のそれぞれは、医薬品またはその塩を含む芯粒子、および表面改変剤を含み芯粒子を取り囲むコーティングを備える。表面改変剤は、ポリマー主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーを含み、合成ポリマーは、少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、その少なくとも約30%かつ約95%未満は加水分解されている。被覆された粒子は、粘液中で0.5を超える相対速度を有する。
別の組の実施形態において、方法が提供される。方法は、粘液または粘液膜に、複数の被覆された粒子を含む組成物を送達することを含む。被覆された粒子は、医薬品またはその塩を含む芯粒子、および表面改変剤を含み芯粒子を取り囲むコーティングを備える。表面改変剤は、ポリマー主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーを含み、合成ポリマーは、少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、その少なくとも約30%かつ約95%未満は加水分解されている。被覆された粒子は、粘液中で0.5を超える相対速度を有する。
本発明のその他の利点および新規な特徴は、添付の図面と一緒にして考慮すると、本発明の種々の非限定的実施形態に関する以下の詳細な説明から明らかになるであろう。本明細書と参照により組み込まれた文献とが矛盾かつ/または相反する開示を含む場合、本明細書が優先するものとする。参照により組み込まれる2つ以上の文献が、互いに矛盾かつ/または相反する開示を含む場合、より最新の有効日を有する文献が優先するものとする。
本発明の非限定的実施形態は、添付の図を例として参照して説明されることになるが、これらの図は概略であり、一定の縮尺で描かれるように意図されていない。図において、例示されたそれぞれの同一またはほぼ同一の成分は通常、単一の数値で表される。明瞭さの目的のため、すべての成分がすべての図の中で標識されているわけではなく、また、当業者が本発明を理解できるようにするために、例示が必要でない場合には、本発明の各実施形態のすべての成分が示されているわけでもない。図では以下の通りである。
一組の実施形態に従いコーティングおよび固形医薬品の芯を有する粘液浸透粒子の略図である。 一組の実施形態に従い様々なポリ(ビニルアルコール)(PVA)をコーティングしたPSCOO粒子に対して、ヒト頸膣部粘液(CVM)中の集合体の平均速度<Vmean>を示すプロットである。 一組の実施形態に従い様々なPVAをコーティングしたPSCOO粒子に対して、CVM中の相対速度<Vmeanrelを示すプロットである。 一組の実施形態に従い、様々なPVAと共にインキュベートしたPSCOO粒子に対して、CVM中の相対速度<Vmeanrelを示すプロットであり、PVAの分子量および加水分解の程度によりマッピングされている。各データポイントは、特定のPVAで安定化させた粒子に対する<Vmeanrelを表す。 一組の実施形態に従い様々なPVAでコーティングしたPSCOOナノ粒子のインビトロの、インビトロでのCVM中のバルク輸送を示すプロットである。陰性対照は、200nmのPSCOO粒子でコーティングしていない;陽性対照は、Pluronic(登録商標)F127でコーティングした200nmのPSCOO粒子である。図4Aは、2種の異なるCVM試料で得たデータを表している。 一組の実施形態に従い様々なPVAでコーティングしたPSCOOナノ粒子のインビトロの、インビトロでのCVM中のバルク輸送を示すプロットである。陰性対照は、200nmのPSCOO粒子でコーティングしていない;陽性対照は、Pluronic(登録商標)F127でコーティングした200nmのPSCOO粒子である。図4Bは、2種の異なるCVM試料で得たデータを表している。 CVM中での複数粒子トラッキングで測定した場合、一組の実施形態に従い、様々なPVAを用いた乳化により調製したポリ(乳酸)(PLA)ナノ粒子(試料)に関して、集合体の平均速度<Vmean>(図5A)を示すプロットである。 CVM中での複数粒子トラッキングで測定した場合、一組の実施形態に従い、様々なPVAを用いた乳化により調製したポリ(乳酸)(PLA)ナノ粒子(試料)に関して、試料相対速度<Vmeanrel(図5B)を示すプロットである。 一組の実施形態に従い、様々なPVAを用いた乳化により調製したPLAナノ粒子に関して、CVM中の相対速度<Vmeanrelを示すプロットであり、PVAの分子量および加水分解の程度によりマッピングされている。各データポイントは、特定のPVAで安定化した粒子の<Vmeanrelを表している。「+」記号は、複合CVMサンプル中での測定値を表す。 一組の実施形態に従いCVM中の複数粒子トラッキングで測定した場合の、ピレンナノ粒子(試料)および対照に対する、集合体の平均速度<Vmean>(図7A)を示すプロットである。 一組の実施形態に従いCVM中の複数粒子トラッキングで測定した場合の、ピレンナノ粒子(試料)および対照に対する、試料相対速度<Vmeanrel(図7B)を示すプロットである。 一組の実施形態に従い、様々な表面改変剤(試料=ピレンナノ粒子、陽性=200nmPS−PEG5K、陰性=200nmPS−COO)を用いて得たピレン/ナノ結晶に対する、代表的CVM速度(Vmean)分布ヒストグラムである。 一組の実施形態に従い、様々な表面改変剤(試料=ピレンナノ粒子、陽性=200nmPS−PEG5K、陰性=200nmPS−COO)を用いて得たピレン/ナノ結晶に対する、代表的CVM速度(Vmean)分布ヒストグラムである。 一組の実施形態に従い、様々な表面改変剤(試料=ピレンナノ粒子、陽性=200nmPS−PEG5K、陰性=200nmPS−COO)を用いて得たピレン/ナノ結晶に対する、代表的CVM速度(Vmean)分布ヒストグラムである。 一組の実施形態に従い、様々な表面改変剤(試料=ピレンナノ粒子、陽性=200nmPS−PEG5K、陰性=200nmPS−COO)を用いて得たピレン/ナノ結晶に対する、代表的CVM速度(Vmean)分布ヒストグラムである。 一組の実施形態に従い、様々な表面改変剤(試料=ピレンナノ粒子、陽性=200nmPS−PEG5K、陰性=200nmPS−COO)を用いて得たピレン/ナノ結晶に対する、代表的CVM速度(Vmean)分布ヒストグラムである。 一組の実施形態に従い、様々な表面改変剤(試料=ピレンナノ粒子、陽性=200nmPS−PEG5K、陰性=200nmPS−COO)を用いて得たピレン/ナノ結晶に対する、代表的CVM速度(Vmean)分布ヒストグラムである。 一組の実施形態に従い、CVM中のPVAでコーティングしたピレンナノ結晶に対する相対速度<Vmeanrelのプロットであり、PVAの分子量および加水分解の程度によりマッピングされている。 インビボでの、ニュージーランド白ウサギの角膜中のエタボン酸ロテプレドノール(LE)の薬動学を示すプロットである。ウサギには、3種のLE−MPP(すなわち、LE−F127、LE−Tween80、およびLE−PVA)またはLotemax(登録商標)のうちのそれぞれ1種の1用量50μLを各眼に投与した。PVAは、分子量約2kDaを有し、約75%加水分解した。LEの用量はすべての場合0.5%であった。誤差棒は平均の標準的誤差を示す(n=6)。 様々なPVAでコーティングしたエタボン酸ロテプレドノール(LE)粒子の粘液移動性を、PVAの分子量(MW(kDa))および加水分解程度(%加水分解)の関数として示すプロットである。標的範囲内に粒子を形成しない試料は、「配合しない」と表示されている。
粘液中での粒子輸送を助ける粒子、組成物および方法が提供される。組成物および方法は、一部の実施形態で、低水溶性を有する医薬品を含む粒子の表面コーティングを修飾することを含むことができる。一部の実施形態において、表面コーティングは、ポリマー主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマー、例えばポリ(ビニルアルコール)(PVA)を含む。このような組成物および方法を使用して、薬物送達、造影および診断での適用を含む広範な範囲の適用のために、身体中の粘液バリア中での医薬品粒子の効率的な輸送を達成することができる。特定の実施形態において、このような粒子を含む医薬組成物は、粘膜バリアを通過する粒子を必要とする投与経路に好適である。
一部の実施形態において、組成物および方法は、粘液中での粒子輸送を助けるPVAの使用を含む。組成物および方法は、粘液浸透性粒子(MPP)を、例えば、特定のPVAの存在下での乳化処理によって作製することを含むことができる。特定の実施形態において、組成物および方法は、MPPを、既製の粒子から特定PVAでの非共有結合によるコーティングによって作製することを含む。他の実施形態において、組成物および方法は、特定のPVAの存在下に、ポリマー性担体を全く用いないか、または最小限のポリマー性担体を用いMPPを作製することを含む。しかし、他の実施形態において、ポリマー性担体を使用できることを認識されたい。
PVAは、水溶性の非イオン性合成ポリマーである。その表面活性特性のため、PVAは、食品および薬品工業において、乳液用安定化剤として、とりわけ、乳化技法による広範な種類の化合物の封入を可能にするために広範に使用される。PVAは、食品医薬品庁(FDA)に関して「一般に安全と認められる」または「GRAS」ステータスを有し、点耳、筋内、眼内、硝子体内、イオン泳動、眼、経口、局所、および経皮用製剤ならびに/または薬物送達システム中で使用されている。
以前の特定の研究において、多くの研究が、PVAを粘液粘着性ポリマーと記述し、粒子の製剤化工程中にPVAを組み込むと、強度に粘液粘着性である粒子が生じることを示唆または報告している。驚くべきことに、PVAが粘液粘着性ポリマーであるという確立された評価に反して、本発明者らは、本発明の文脈内で、特定等級のPVAを利用する組成物および方法が、粘液中での粒子輸送を助け、かつ本明細書に記載の特定の適用において粘液粘着性でないことを発見した。具体的には、粘液浸透性粒子は、PVAの加水分解度および/または分子量を目的に合わせることによって調製することができ、このことは、これまで知られていなかった。この発見は、MPPを製造するのに適用可能な技法および成分の在庫を相当に拡張し、かつ粘液浸透を促進することが示されている特定の現存材料、例えば、ポリ(エチレングリコール(PEG)および(ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)ブロックコポリマー)(Pluronic(登録商標))に関する特定の制約に好都合に対処する。
とりわけ、薬物送達への適用を考慮すると、PEG化されたまたはPluronic(登録商標)で被覆されたMPPに関係する特定の制約が存在する:すなわち、A)PEG化MPPを製造するための、既製の粒子のPEG化またはPEG含有ブロックコポリマーの使用は、FDAによって規定されるような新たな不活性成分を発生させる可能性がある。これらの新たな成分は、費用および時間のかかる前臨床および臨床安全性研究を必要とする可能性があり、FDA規制に関してPEG化MPPの実用可能性を制約する可能性のあるかなりの障害になる。B)ナノおよびミクロ封入への工業上最も一般的かつ最も普遍的な乳化技法により、Pluronic(登録商標)で被覆されたMPPを直接的に調製することは困難である。この制約は、Pluronic(登録商標)で被覆されるMPP中に効率的に封入され得る化合物の範囲を相当に縮小する。とりわけ、その制約は、最も一般的には二重乳化技法によって封入される、水溶性から難水溶性の成分(例えば、約1mg/mLを超える水溶性を有する薬物、タンパク質、オリゴヌクレオチドなど)の効率的な封入を妨げる。したがって、乳化技法によるMPPの直接調製を可能にする組成物および方法の改善は、有益である。C)Pluronic(登録商標)は、PVAに対して承認された投与経路である点耳、筋内、眼内、硝子体内の経路を介する投与に関して、現在、FDAによる承認を得ていない。さらに、FDAによって眼への投与に関して現在承認されている最大のPluronic(登録商標)濃度は0.2%であり、一方、PVAでは1.4%である。したがって、PVAを利用する(例えば、Pluronic(登録商標)の代わりに)MPPの調製を可能にする組成物および方法の改善は、おそらくは、粘液浸透性粒子技術の臨床的開発を全般的に、とりわけ前に言及した投与経路に関して大きく促進する。
本明細書に記載の一部の実施形態において、特定の組成物および粘膜バリア中での輸送が高められた粒子の作製方法を含む、組成物および粒子の作製方法は、上記の懸念の1つまたは複数、あるいはすべてに対処する。具体的には、一部の実施形態において、組成物および方法は、粘液浸透性粒子を、特定のPVAの存在下での乳化工程によって作製することを含む。有利には、MPPの調製にPVAを利用することによって、PEG化された、またはPluronic(登録商標)で被覆されたMPPの、薬物装填、封入可能材料の範囲、および/または臨床開発の複雑性に関する特定の制約に対処することができる。
一部の実施形態において、PEGまたはPluronic(登録商標)を使用しないで、粘液浸透性粒子を形成することが好都合であることもあるが、他の実施形態において、本明細書に記載の組成物および方法中に、PEGおよび/またはPluronic(登録商標)を含めることができる。
一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、芯−殻型の配置を有する。芯は、比較的水溶性の低い固形医薬品またはその塩、ポリマー性担体、脂質、および/またはタンパク質などの任意の適切な材料を含むことができる。芯は、また、一部の実施形態において、ゲルまたは液体を含むことができる。芯を、粘液中での粒子の移動を容易にする表面改変剤を含むコーティングまたは殻で被覆することができる。後でより詳細に説明するように、一部の実施形態において、表面改変剤は、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有するポリマー(例えば、合成ポリマーまたは天然ポリマー)を含むことができる。ポリマーの分子量および/または加水分解度は、粒子に特定の輸送特性、例えば粘液中での輸送の増加を付与するように選択することができる。
これより、粒子の非限定的例を提供する。図1の例示的実施形態に示すように、粒子(10)は、芯(16)(粒子の形態でよく、本明細書中で芯粒子と呼ばれる)およびその芯を取り囲むコーティング(20)を含む。一組の実施形態において、芯の実質的部分は、特定の有益かつ/または治療上の効果をもたらすことのできる1種または複数の固形医薬品(例えば、薬物、治療用薬剤、診断用薬剤、造影用薬剤)から構成される。芯は、例えば、医薬品のナノ結晶(すなわち、ナノ結晶性粒子)でよい。他の実施形態において、芯は、任意選択で、封入された、そうでなければ芯と会合した1種または複数の医薬品と共に、ポリマー性担体を含むことができる。さらに他の事例において、芯は、脂質、タンパク質、ゲル、液体、および/または対象に送達するのに適した別の材料を含むことができる。芯は、1種または複数の表面改変剤を付着させることのできる表面(24)を含む。例えば、一部の事例で、芯(16)は、内側表面(28)および外側表面(32)を備えるコーティング(20)で取り囲まれる。コーティングは、芯の表面(24)と結び付くことのできるポリマー(例えば、合成ポリマーまたはペンダントヒドロキシル基を有するポリマー)などの1種または複数の表面改変剤(34)から少なくとも部分的には形成することができる。表面改変剤(34)は、例えば、芯粒子に共有結合で結合されること、芯粒子に非共有結合で結合されること、芯に吸着されること、またはイオン相互作用、疎水性および/または親水性相互作用、静電相互作用、ファンデルヴァールス相互作用、またはこれらの組合せを介して芯に結合されることによって、芯粒子と会合することができる。一組の実施形態において、表面改変剤またはその一部は、粘液バリア(例えば、粘液または粘膜)中での粒子の輸送を容易にするように選択される。
粒子(10)は、粒子に特異性を任意選択で付与することのできる標的指向部分、タンパク質、核酸、および生物活性剤などの1種または複数の成分(40)を任意選択で含むことができる。例えば、標的指向性の薬剤または分子(例えば、タンパク質、核酸、核酸類似体、炭水化物、または小分子)は、存在するなら、粒子を対象の身体中の特定位置に案内するのを助けることができる。位置は、例えば、組織、特定の細胞型、または細胞内区画であり得る。1種または複数の成分(40)は、存在するなら、芯、コーティング、またはその双方と会合することができ、例えば、それらの成分は、芯の表面(24)、コーティングの内側表面(28)、コーティングの外側表面(32)と会合し、かつ/またはコーティング中に包埋されることができる。1種または複数の成分(40)は、共有結合、吸収を介して会合すること、あるいはイオン相互作用、疎水性および/または親水性相互作用、静電相互作用、ファンデルヴァールス相互作用、またはそれらの組合せを介して付着することができる。一部の実施形態において、成分は、当業者に公知の方法を使用して、被覆された粒子の1種または複数の表面改変剤に付着(例えば、共有結合で)できる。
図1に示したまたは本明細書に記載したもの以外の成分および配置が、特定の粒子および組成物に適している可能性があること、および図1に示した成分のすべてが、一部の実施形態において必ず存在するわけではないことを理解されたい。
一組の実施形態において、粒子(10)は、対象中に導入されると、対象中の1種または複数の構成要素、例えば、粘液、細胞、組織、臓器、粒子、体液(例えば、血液)、これらの部分、およびこれらの組合せと相互に作用することができる。一部のこのような実施形態において、粒子(10)のコーティングを、対象からの1種または複数の材料との好ましい相互作用(例えば、輸送、結合、吸着)を可能にする特性を備える表面改変剤またはその他の成分を含むように設計することができる。例えば、コーティングは、対象中での特定の相互作用を促進または低下させるために、特定の親水性、疎水性、表面電荷、官能基、結合特異性、および/または密度を有する表面改変剤またはその他の成分を含むことができる。1つの特定の例は、粘液中での粒子の移動を高めるために、粒子と対象の粘液との間の物理的および/または化学的相互作用を低下させるように1種または複数の表面改変剤の特定の親水性、疎水性、表面電荷、官能基、結合特異性、および/または密度を選択することを含む。その他の例を、後でより詳細に説明する。
一部の実施形態において、粒子が、対象中の粘膜バリア(例えば、粘液または粘膜)を横切って成功裡に輸送されると、対象中での粒子間のさらなる相互作用が起こる可能性がある。相互作用は、一部の事例で、コーティングおよび/または芯を介して起こることがあり、例えば、対象の1種または複数の構成要素から粒子(10)への、かつ/または粒子(10)から対象の1種または複数の構成要素への材料(例えば、医薬品、治療薬、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、核酸、栄養素など)の交換を含むことができる。例えば、芯が、医薬品から形成されるか、医薬品を含む一部の実施形態において、粒子からの医薬品の崩壊、放出および/または輸送は、対象における特定の有益な効果および/または治療効果につながることがある。かくして、本明細書に記載の粒子を、特定の疾患または身体状態の診断、予防、治療または管理のために使用することができる。
本明細書に記載の粒子の使用に関する具体例を、後に、対象中の粘膜バリア(例えば、粘液または粘膜)に投与するのに適していることの文脈中で提供する。本明細書中の多くの実施形態は、この文脈中、および材料の粘膜バリアを横切る輸送を必要とする疾患および状態に対して利益を提供することの文脈中で説明されるが、本発明は、このように限定されるものではなく、本明細書に記載の粒子、組成物、キット、および方法を使用して、その他の疾患または身体状態を予防、治療、または管理することができることを認識されたい。
粘液は、眼、鼻、肺、消化管、および女性生殖器系をはじめとする身体中への種々の侵入箇所で、病原体、毒素、および壊死組織片から保護する粘着性の粘弾性ゲルである。多くの合成ナノ粒子は、粘液に対して強粘液粘着性であり、急速に排除される末梢粘液層中に効果的に捕捉され、粘膜全体へのそれら粒子の分布および下にある組織に向かう浸透を大きく制約する。捕捉されたこれらの粒子の滞留時間は、器官に応じて、数秒から数時間の範囲に及ぶ末梢粘液層の入れ代わり速度によって制約される。医薬品(例えば、治療、診断および/または造影用薬剤)を含む粒子の粘液膜を介する有効な送達を確実にするため、このような粒子は、粘液バリア中で容易に拡散し、粘液への付着を回避できなければならない。
ポリマー性ナノ粒子の表面を粘液浸透性コーティングで修飾することによって、粘液への粘着を最小化し、それによって粘液バリアを横切る急速な粒子浸透を可能にすることができる。具体的には、500nmほどの大きさのポリマー性ナノ粒子は、共有結合により低分子量PEG(2kDa〜5kDa)の密なコーティングで、または非共有結合により特定のPluronic(登録商標)分子(例えば、P103、P105、F127)で被覆されると、ヒト粘液に、それらの粒子が純水中で運動するのとほぼ同じ速さで、かつ同様の大きさの被覆されていないポリマー性粒子よりもほぼ100倍より速い速度で浸透することができる。これらの改善にもかかわらず、少数の表面コーティングのみが、粒子の粘液浸透を容易にすることが示された。したがって、医薬品を送達するための粘液浸透性粒子を含む組成物および方法の改善は有益であろう。
芯粒子
図1に関して前に説明したように、粒子(10)は芯(16)を含みうる。芯は、有機材料、無機材料、ポリマー、脂質、タンパク質、またはこれらの組合せなどの任意の適切な材料から形成することができる。一組の実施形態において、芯は固体を含む。固体は、例えば、結晶性もしくは非晶性の固体、例えば、結晶性もしくは非晶性の固形医薬品(例えば、治療用薬剤、診断用薬剤、および/または造影用薬剤)またはその塩でよい。他の実施形態において、芯は、ゲルまたは液体(例えば、水中油型または油中水型乳液)を含むことができる。一部の実施形態において、芯中には1種を超える医薬品が存在できる。医薬品の具体例は、後でより詳細に呈示される。
医薬品は、芯中に任意の適切な量で、例えば、芯の少なくとも約0.01重量%、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、または少なくとも約99重量%の量で存在することができる。一実施形態において、芯は、100重量%の医薬品から形成される。一部の事例で、医薬品は、芯中に、約100重量%以下、約90重量%以下、約80重量%以下、約70重量%以下、約60重量%以下、約50重量%以下、約40重量%以下、約30重量%以下、約20重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下、約2重量%以下、または約1重量%以下で存在することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約80重量%で約100重量%以下の量で存在する)も可能である。その他の範囲も可能である。
芯粒子が比較的多量(例えば、芯粒子の少なくとも約50重量%)の医薬品を含む実施形態において、芯粒子は、薬剤をポリマー性担体中に封入することによって形成される粒子に比較して、増大した医薬品装填量を一般には有する。薬物装填量がより多いことは、ポリマー性担体を含む粒子の使用に比較して、所望の効果を達成するのに必要とされる粒子の数がより少ないことを意味するので、このことは、薬物送達への応用にとって好都合である。
本明細書に記載のように、比較的多量のポリマーまたはその他の材料が芯を形成する他の実施形態では、芯中に存在できる医薬品の量がより少ない。
芯は、種々の水溶性(すなわち、場合によっては1種または複数の緩衝液を含む水への溶解性)、および/または固体材料を表面改変剤で被覆する際の溶液への種々の溶解性を有する固体材料から形成することができる。例えば、固体材料は、25℃で、約5mg/mL以下、約2mg/mL以下、約1mg/mL以下、約0.5mg/mL以下、約0.1mg/mL以下、約0.05mg/mL以下、約0.01mg/mL以下、約1μg/mL以下、約0.1μg/mL以下、約0.01μg/mL以下、約1ng/mL以下、約0.1ng/mL以下、または約0.01ng/mL以下の水溶性(または被覆用溶液への溶解性)を有することができる。一部の実施形態において、固体材料は、少なくとも約1pg/mL、少なくとも約10pg/mL、少なくとも約0.1ng/mL、少なくとも約1ng/mL、少なくとも約10ng/mL、少なくとも約0.1μg/mL、少なくとも約1μg/mL、少なくとも約5μg/mL、少なくとも約0.01mg/mL、少なくとも約0.05mg/mL、少なくとも約0.1mg/mL、少なくとも約0.5mg/mL、少なくとも約1.0mg/mL、少なくとも約2mg/mLの水溶性(または被覆用溶液への溶解性)を有することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約10pg/mLかつ約1mg/mL以下の水溶性または被覆用溶液への溶解性)も可能である。その他の範囲も可能である。固体材料は、pH範囲(pH1からpH14まで)の間の任意の箇所で、これらのまたはその他の範囲の水溶性を有することができる。
一部の実施形態において、芯は、米国薬局方の慣行によって分類される溶解性の範囲:例えば、極めて溶けやすい:>1,000mg/mL、溶けやすい:100〜1,000mg/mL、やや溶けやすい:33〜100mg/mL、やや溶けにくい:10〜33mg/mL、溶けにくい:1〜10mg/mL、極めて溶けにくい:0.1〜1mg/mL、およびほとんど溶けない:<0.1mg/mLの1つに包含される材料から形成することができる。
芯は、疎水性または親水性でよいが、本明細書に記載の多くの実施形態において、芯は、実質上疎水性である。「疎水性」および「親水性」には、当業者によって理解されるような当技術分野で通常的な意味が付与され、本明細書中の多くの例で、相対的な用語である。材料の相対的な疎水性および親水性は、測定すべき物質からなる平面上での水滴の接触角を、例えば接触角測定器などの装置および押し固めた芯材料の粉末を使用して測定することによって求めることができる。
一部の実施形態において、材料(例えば、粒子の芯を形成する材料)は、少なくとも約20°、少なくとも約30°、少なくとも約40°、少なくとも約50°、少なくとも約60°、少なくとも約70°、少なくとも約80°、少なくとも約90°、少なくとも約100°、少なくとも約110°、少なくとも約120°、または少なくとも約130°の接触角を有する。一部の実施形態において、材料は、約160°以下、約150°以下、約140°以下、約130°以下、約120°以下、約110°以下、約100°以下、約90°以下、約80°以下、または約70°以下の接触角を有する。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約30°かつ約120°以下の接触角)も可能である。その他の範囲を可能である。
接触角の測定は、種々の技法を使用して行うことができ、ここでは、芯を形成するのに使用される出発材料のペレットと水の玉との間の静止接触角の測定について言及する。芯を形成するのに使用される材料は、微細粉末として受け入れるか、さもなければ乳鉢および乳棒を使用して微細粉末に粉砕した。その上で測定を行うための表面を形成するため、International Crystal Labsからの7mmペレット金型セットを使用して、粉末を押し固めた。金型に材料を詰め、ペレットプレスまたは高圧を使用せず、手で圧力を印加して粉末を押し固めてペレットとした。次いで、ペレットを、試験のため、ペレットの頂面および底面(それぞれ、水が添えられる表面および平行な反対側の表面として定義される)がどんな表面とも接触しないように浮かした。これは、金型セットのカラーからペレットを完全には取り出さないことによって行われた。したがって、ペレットは、側面でカラーに接触し、頂面および底面で接触しない。接触角を測定する場合、水は、ペレットの表面に30秒以上安定な接触角を有する水の球が得られるまで加えられた。水は、水の玉中に、水の玉に追加するのに使用されるピペットまたはシリンジの先端を水の玉に挿入するか接触させることによって追加された。一旦、安定な水の玉が得られたら、画像を撮影し、標準的な手段を使用して接触角を測定した。
芯が無機材料(例えば、造影用薬剤として使用するための)を含む実施形態において、無機材料としては、例えば、金属(例えば、Ag、Au、Pt、Fe、Cr、Co、Ni、Cu、Zn、およびその他の遷移金属)、半導体(例えば、ケイ素、ケイ素化合物および合金、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、ヒ化インジウム、およびリン化インジウム)、または絶縁材(例えば、酸化ケイ素などのセラミック)を挙げることができる。無機材料は、芯中に、任意の適切な量で、例えば、少なくとも約1重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも約90重量%、または少なくとも約99重量%の量で存在することができる。一実施形態において、芯は、100重量%の無機材料から形成される。一部の事例で、無機材料は、芯中に、約100重量%以下、約90重量%以下、約80重量%以下、約70重量%以下、約60重量%以下、約50重量%以下、約40重量%以下、約30重量%以下、約20重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下、約2重量%以下、または約1重量%以下の量で存在することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約1重量%かつ約20重量%以下で存在)も可能である。その他の範囲も可能である。
芯は、一部の事例で、量子ドット、炭素ナノチューブ、炭素ナノワイヤ、または炭素ナノロッドの形態でありうる。一部の事例で、芯は、生物学的起源でない材料を含むか、材料から形成される。
一部の実施形態において、芯は、合成ポリマーおよび/または天然ポリマーなどの1種または複数の有機材料を含む。合成ポリマーの例には、ポリメタクリレートなどの非分解性ポリマー、およびポリ乳酸、ポリグリコール酸およびこれらのコポリマーなどの分解性ポリマーが含まれる。天然ポリマーの例には、ヒアルロン酸、キトサン、およびコラーゲンが含まれる。芯の部分に適している可能性のあるポリマーのその他の例には、粒子上のコーティングを形成するのに適した後記のようなものが含まれる。一部の事例では、芯中に存在する1種または複数のポリマーを利用して、1種または複数の医薬品を封入または吸着することができる。
特定の実施形態において、芯は、脂質および/またはタンパク質を含む医薬品を含むことができる。その他の材料も可能である。
芯中にポリマーが存在するなら、ポリマーは、芯中に、任意の適切な量で、例えば、約100重量%以下、約90重量%以下、約80重量%以下、約70重量%以下、約60重量%以下、約50重量%以下、約40重量%以下、約30重量%以下、約20重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下、約2重量%以下、または約1重量%以下の量で存在することができる。一部の事例で、ポリマーは、芯の少なくとも約1重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも約90重量%、または少なくとも約99重量%の量で存在することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約1重量%かつ約20重量%以下の量で存在)も可能である。その他の範囲も可能である。一組の実施形態において、芯は、ポリマー成分から形成されるか、ポリマー成分を実質上含まない。
芯は、任意の適切な形状および/または大きさを有することができる。例えば、芯は、実質的には球状、非球状、卵状、棒形状、ピラミッド状、立方体状、円板形状、ワイヤ状、または不規則形状でよい。芯は、例えば、約10μm以下、約5μm以下、約1μm以下、約800nm以下、約700nm以下、約500nm以下、400nm以下、300nm以下、約200nm以下、約100nm以下、約75nm以下、約50nm以下、約40nm以下、約35nm以下、約30nm以下、約25nm以下、約20nm以下、約15nm以下、または約5nm以下の最大または最少断面寸法を有することができる。一部の事例で、芯は、例えば、少なくとも約5nm、少なくとも約20nm、少なくとも約50nm、少なくとも約100nm、少なくとも約200nm、少なくとも約300nm、少なくとも約400nm、少なくとも約500nm、少なくとも約1μm、または少なくとも約5μmの最大または最少断面寸法を有することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約50nmかつ約500nm未満の最大または最少断面寸法)も可能である。その他の範囲も可能である。一部の実施形態において、本明細書に記載の方法で形成される芯の大きさは、ガウス型分布を有する。特記しない限り、本明細書の粒子/芯の大きさの測定値は、最小断面寸法を指す。
当業者は、粒子の大きさ(例えば、最小または最大断面寸法)を測定するための技法に精通している。適切な技法の例には、(DLS)、透過電子顕微鏡法、走査電子顕微鏡法、電気抵抗計数、およびレーザー回折が含まれる、その他の適切な技法も当業者にとって公知である。粒子の大きさを測定するための多くの方法が知られているが、本明細書に記載の大きさ(例えば、平均粒径、厚さ)は、動的光散乱によって測定された大きさである。
芯粒子および被覆された粒子の形成方法
本明細書に記載の芯粒子は、任意の適切な方法で形成することができる。適切な方法としては、例えば、いわゆるトップ−ダウン技法、すなわち、比較的大きな粒子からより小さな粒子への大きさの縮小に基づく技法(例えば、粉砕または均一化)、またはいわゆるボトム−アップ技法、すなわち、より小さな粒子または個々の分子からの粒子の成長に基づく技法(例えば、液体中への沈降または噴霧凍結)を挙げることができる。
一部の実施形態において、芯粒子を、コーティングで被覆することができる。例えば、第1ステップで芯粒子を準備または形成し、第2ステップで粒子を被覆して被覆された粒子を形成することができる。他の実施形態では、芯粒子を、実質上同時に(例えば、単一ステップで)形成し被覆することができる。これらのおよびその他の方法の例を後で呈示する。
一部の実施形態において、本明細書に記載の被覆された粒子は、製剤化工程、粉砕工程、および/または希釈工程を利用することを含む方法によって形成される。特定の実施形態において、粒子を形成する方法は、粉砕工程を含み、製剤化工程および/または希釈工程を伴ってもよい。製剤化工程を利用して、芯材料、1種または複数の表面改変剤、およびその他の成分、例えば、そのそれぞれが本明細書中に記載のような、溶媒、等張化剤、キレート化剤、塩類、抗微生物剤、および/または緩衝剤(例えば、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸緩衝剤)を含む懸濁液または溶液を形成することができる。製剤化工程は、製剤化用容器を使用して実施することができる。芯材料およびその他の成分は、製剤化用容器中に同時にまたは異なる時点で添加することができる。芯材料および/または1種または複数のその他の成分の混合物を、容器中で撹拌および/または振盪、さもなければかき混ぜて、成分を懸濁および/または溶解することを促進することができる。芯材料、その他の成分、および/または混合物を含む流体の温度および/または圧力を、個別的に高めるか低下させて、懸濁および/または溶解の過程を促進することができる。一部の実施形態において、芯材料およびその他の成分は、製剤化用容器中で不活性雰囲気(例えば、窒素またはアルゴン)下に、および/または光から保護して、本明細書に記載のように処理される。製剤化用容器から得られる懸濁液または溶液を、次いで粉砕工程にかけることができ、それに続いて希釈工程にかけることもできる。
固体材料を含む芯に関連する一部の実施形態では、粉砕工程を利用して固体材料の大きさを縮小して、大きさの範囲がマイクロメートルからナノメートルの粒子を形成することができる。粉砕工程は、粉砕機またはその他の適切な装置を使用して実施することができる。ジェット粉砕、凍結粉砕、ボール粉砕、媒体粉砕、超音波処理、および均質化などの乾式および湿式粉砕法は、公知であり、本明細書に記載の方法で使用することができる。一般に、湿式粉砕法では、芯として使用される予定の材料の懸濁液を、賦形剤と一緒に、または賦形剤なしでかき混ぜて、粒径を小さくする。乾式粉砕は、芯として使用される予定の材料を、粉砕媒体と共に、賦形剤と一緒に、または賦形剤なしで混合して、粒径を小さくする方法である。凍結粉砕法では、芯として使用される予定の材料の懸濁液を、粉砕媒体と共に、賦形剤と一緒にまたは賦形剤なしで冷却された温度下で混合する。
芯材料の大きさを小さくするための粉砕またはその他の適切な工程の後に、懸濁液から被覆された粒子を形成および/または修飾するのに、希釈工程を利用することができる。被覆された粒子は、芯材料、1種または複数の表面改変剤、およびその他の成分、例えば、溶媒、等張化剤、キレート化剤、塩類、抗微生物剤、および緩衝剤(例えば、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸緩衝剤)を含むことができる。希釈工程を利用して、粉砕ステップの際にさらなる表面改変剤および/またはその他の成分で被覆された、または被覆されなかった粒子の溶液または懸濁液を希釈することによって、目標の投与濃度を達成することができる。特定の実施形態において、希釈工程を利用して、本明細書に記載のような粒子の表面から、第1表面改変剤を第2表面改変剤で交換することができる。
希釈工程は、製品容器または任意のその他の適切な装置を使用して実施することができる。特定の実施形態において、懸濁液は、製品容器中で希釈剤を用いて希釈される、すなわち希釈剤と混合されるか、さもなければ希釈剤で処理される。希釈剤は、本明細書に記載のような溶媒、表面改変剤、等張化剤、キレート化剤、塩類、または抗微生物剤、またはこれらの組合せを含むことができる。懸濁液および希釈剤を、製品容器中に同時にまたは異なる時点で添加することができる。特定の実施形態において、懸濁液が、粉砕媒体を必要とする粉砕工程から得られる場合、粉砕媒体を懸濁液から分離した後に、懸濁液を製品容器中に加えることができる。懸濁液、希釈剤、または懸濁液と希釈剤との混合物を、撹拌および/または振盪、さもなければかき混ぜて、本明細書に記載の被覆された粒子を形成することができる。懸濁液、希釈剤、または混合物の温度および/または圧力を、個別的に上昇または降下させて、被覆された粒子を形成することもできる。一部の実施形態において、懸濁液および希釈剤は、製品容器中で不活性雰囲気(例えば、窒素またはアルゴン)下に、かつ/または光から保護して処理される。
一部の実施形態において、本明細書に記載の芯粒子は、固体材料(例えば、医薬品)を1種または複数の安定剤/表面改変剤の存在下で粉砕することによって製造することができる。粒子の懸濁液を液体中で凝集または集成なしに安定させるために、固体材料の小さな粒子は、特に粒子表面上で1種または複数の安定剤/表面改変剤の存在を必要とすることがある。一部のこのような実施形態において、安定剤は、粒子上にコーティングを形成する表面改変剤として作用することができる。
本明細書に記載のように、一部の実施形態において、芯粒子を形成する方法は、粉砕および粒子上へコーティングを形成することの双方に適した安定剤/表面改変剤を選択すること、および粒子を粘液浸透性にすることを含む。例えば、後でより詳細に説明するように、特定のPVAポリマーの存在下でピレンを粉砕することによって製造されたモデル化合物ピレンの200〜500nmのナノ粒子は、生理学的粘液サンプルに十分に確立されたポリマーをベースにしたMPPと同一速度で浸透できる粒子をもたらすことが立証された。興味あることに、後でより詳細に説明するように、試験されたPVAポリマーの部分集合のみが、粉砕および粒子上へ粒子を粘液浸透性にするコーティングを形成することの双方に適することの判定基準に適合することが観察された。
湿式粉砕法において、粉砕は、1種または複数の安定剤(例えば、表面改変剤)、粉砕媒体、粉砕される予定の固体(例えば、固形医薬品)、および溶媒を含む分散液(例えば、水性分散液)中で実施することができる。任意の適切な量の安定剤/表面改変剤を、溶媒中に含めることができる。一部の実施形態において、安定剤/表面改変剤は、溶媒中に、重量%または重量対容積%(重量:容積)で、溶媒の少なくとも約0.001%、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約10%、少なくとも約12%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、または少なくとも約80%の量で存在することができる。一部の事例において、安定剤/表面改変剤は、溶媒中に約100%の量で存在することができる(例えば、安定剤/表面改変剤が溶媒である事例で)。他の実施形態において、安定剤/表面改変剤は、溶媒中に、溶媒の約100%以下、約80%以下、約60%以下、約40%以下、約20%以下、約15%以下、約12%以下、約10%以下、約8%以下、約7%以下、約6%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、または約1%以下で存在することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、溶媒の約5%以下かつ少なくとも約1%)も可能である。その他の範囲も可能である。選択された特定の範囲は、粒子が粘液に浸透する能力に影響を及ぼす可能性のある因子、例えば、粒子表面上の安定剤/表面改変剤からなるコーティングの安定性、粒子上の安定剤/表面改変剤からなるコーティングの平均厚さ、粒子上の安定剤/表面改変剤の配向、粒子上の安定剤/表面改変剤の密度、安定剤:薬物の比率、薬物濃度、形成される粒子の大きさ、および多分散性、ならびに形成される粒子の形態に影響を及ぼす可能性がある。
医薬品(またはその塩)は、溶媒中に任意の適切な量で存在することができる。一部の実施形態において、医薬品(またはその塩)は、重量%または重量対容積%(重量:容積)で、溶媒の少なくとも約0.001%、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約10%、少なくとも約12%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、または少なくとも約80%の量で存在する。一部の事例で、医薬品(またはその塩)は、溶媒中に溶媒の約100%以下、約90%以下、約80%以下、約60%以下、約40%以下、約20%以下、約15%以下、約12%以下、約10%以下、約8%以下、約7%以下、約6%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、または約1%以下の量で存在することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、溶媒の約20%以下かつ少なくとも約1%)も可能である。一部の実施形態において、医薬品は、上記範囲(但し、重量:容積)で存在する。
溶媒中での安定剤/表面改変剤の医薬品(またはその塩)に対する比率は、変更することもできる。一部の実施形態において、安定剤/表面改変剤の医薬品(またはその塩)に対する比率は、重量比、モル比、または重量:容積比で、少なくとも0.001:1、少なくとも0.01:1、少なくとも0.01:1、少なくとも1:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも5:1、少なくとも10:1、少なくとも25:1、少なくとも50:1、少なくとも100:1、または少なくとも500:1でよい。一部の事例で、安定剤/表面改変剤の医薬品(またはその塩)に対する比率は、重量比またはモル比で、1000:1以下、500:1以下、100:1以下、75:1以下、50:1以下、25:1以下、10:1以下、5:1以下、3:1以下、2:1以下、1:1以下、または0.1:1以下でよい。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも5:1かつ50:1以下の比率)も可能である。その他の範囲も可能である。
安定剤/表面改変剤は、例えば、ポリマーまたは界面活性剤でよい。ポリマーの例が、後でより詳細に説明するように、コーティング中で使用するのに適したポリマーである。コーティング中で表面改変剤として使用するのに適した界面活性剤の非限定的例には、L−α−ホスファチジルコリン(PC)、1,2−ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、オレイン酸、トリオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、天然レシチン、オレイルポリオキシエチレンエーテル、ステアリルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロックコポリマー、合成レシチン、ジオレイン酸ジエチレングリコール、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノリシノール酸グリセリル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール400、セチルピリジニウムクロリド、塩化ベンザルコニウム、オリーブ油、モノラウリン酸グリセリル、コーン油、綿実油、およびヒマワリ種子油が含まれる。上で言及した化合物の誘導体も可能である。上で言及した化合物と本明細書に記載のその他の化合物との組合せも、本発明の粒子中の表面改変剤として使用することができる。本明細書に記載のように、一部の実施形態において、表面改変剤は、安定剤、界面活性剤、および/または乳化剤として作用することができる。一部の実施形態において、表面改変剤は、粘液中での粒子輸送を助けることができる。
一部の実施形態において、粉砕のために使用される安定剤/表面改変剤は、粒子表面上に粒子を粘液浸透性にするコーティングを形成するが、他の実施形態では、安定剤/表面改変剤を、粒子が形成された後に、1種または複数の他の安定剤/表面改変剤で取り代えることができる。例えば、一組の方法において、粉砕工程中で第1安定剤/表面改変剤を使用して、芯粒子の表面を被覆することができ、次いで、第1安定剤/表面改変剤の全部または一部を、第2安定剤/表面改変剤で取り代えて、芯粒子の表面の全部または一部を被覆することができる。一部の事例で、第2安定剤/表面改変剤は、第1安定剤/表面改変剤に比べて、粒子をより粘液浸透性にすることができる。一部の実施形態において、多様な表面改変剤を含むコーティングを有する芯粒子を形成することができる。
粉砕には、任意の適切な粉砕媒体を使用することができる。一部の実施形態において、セラミックおよび/またはポリマー性材料および/または金属を使用することができる。適切な材料の例には、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、ケイ酸ジルコニウム、酸化イットリウム、ガラス、アルミナ、α−アルミナ、酸化アルミニウム、ポリスチレン、ポリ(メタクリル酸メチル)、チタン、鋼鉄が含まれる。粉砕媒体は、任意の適切な大きさを有することができる。例えば、粉砕媒体は、少なくとも約0.1mm、少なくとも約0.2mm、少なくとも約0.5mm、少なくとも約0.8mm、少なくとも約1mm、少なくとも約2mm、または少なくとも約5mmの平均直径を有することができる。一部の事例で、粉砕媒体は、約5mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約0.8mm以下、約0.5mm以下、または約0.2mm以下の平均直径を有することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約0.5mmかつ約1mm以下の平均直径)も可能である。その他の範囲も可能である。
粉砕には任意の適切な溶媒を使用することができる。溶媒の選択は、数ある因子の中でも、粉砕される固体材料(例えば、医薬品)、使用される安定剤/表面改変剤の個々の種類(例えば、粒子を粘液浸透性にすることのできるもの)、使用される粉砕材料などの因子に依存する可能性がある。適切な溶媒は、固体材料または粉砕材料を実質上溶解しないが、安定剤/表面改変剤を適切な程度まで溶解するものでよい。溶媒の非限定的例としては、医薬用賦形剤、ポリマー、医薬品、塩類、保存剤、粘度調整剤、等張性調整剤、風味マスキング剤、酸化防止剤、pH調整剤、およびその他の医薬用賦形剤などのその他の成分を任意選択で含んでいてもよい、水、緩衝溶液、その他の水性溶液、アルコール(例えば、エタノール、メタノール、ブタノール)、およびこれらの混合物を挙げることができる。他の実施形態では、有機溶媒を使用することができる。医薬品は、これらのまたはその他の溶媒に対して任意の適切な溶解度を、例えば、水溶性に関して、または被覆用溶液に対する溶解性に関して前記の1種または複数の範囲の溶解度を有することができる。
他の実施形態において、芯粒子は、乳化技法(乳化)によって形成することができる。一般に、乳化技法は、芯として使用される予定の材料を溶媒中に溶解または分散させることを含むことができ;次いで、この溶液または分散液を第2の非混和性溶媒中で乳化し、それによって材料を含む複数の粒子を形成する。適切な乳化技法は、例えば蒸発または抽出による後に続く溶媒除去を伴うか、または伴わない、水中油型乳液、油中水型乳液、水−油−水型乳液、油−水−油型乳液、水中油中固体型乳液、および油中水中固体型乳液などの形成を含むことができる。乳化技法は、汎用性があり、比較的低い水溶性を有する医薬品および比較的高い水溶性を有する医薬品を含む芯粒子を調製するのに有用である可能性がある。
一部の実施形態において、本明細書に記載の芯粒子は、1種または複数の安定剤の存在下での乳化によって製造することができる。一部のこのような実施形態において、安定剤は、粒子上にコーティングを形成する表面改変剤として作用することができる(すなわち、乳化および被覆ステップを、実質上同時に実施することができる)。
一部の実施形態において、乳化によって芯粒子を形成する方法は、乳化および粒子上へコーティングを形成することの双方に適し、かつ粒子を粘液浸透性にする安定剤を選択することを含む。例えば、後でより詳細に説明するように、特定のPVAポリマーの存在下で乳化によって製造されたモデルポリマーPLAの200〜500nmのナノ粒子は、確立されたポリマーをベースにしたMPPと同様の速度で、生理学的粘液サンプルに浸透できる粒子をもたらすことが立証された。興味あることに、後でより詳細に説明するように、試験されたPVAポリマーの部分集合のみが、乳化、および粒子上に粒子を粘液浸透性にするコーティングを形成することの双方に適することの判定基準に適合することが観察された。
他の実施形態において、粒子は、まず乳化技法を使用して形成され、続いて表面改変剤で被覆される。
乳化には、任意の適切な溶媒および溶媒の組合せを使用することができる。油相として役立つことのできる溶媒の一部の例が、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、エチルエーテル、石油エーテル(ヘキサン、ヘプタン)などの有機溶媒、およびピーナツ油、綿実油、紅花油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、ダイズ油、シリコーン油などのオイルである。水相として役立つことのできる溶媒の一部の例が、水および緩衝水溶液である。その他の溶媒も可能である。
他の実施形態において、芯粒子は、沈降技法により形成することができる。沈降技法(例えば、ミクロ沈降技法、ナノ沈降技法、結晶化技法、制御結晶化技法)は、芯として使用される、溶媒に実質上可溶性である材料(例えば、医薬品)および溶媒を含む第1溶液を形成することを含むことができる。この溶液を、材料が実質上不溶性である別の溶媒(すなわち、反溶媒)を含む第2溶液に添加し、それによって材料を含む複数の粒子を形成することができる。一部の事例で、1種または複数の表面改変剤、界面活性剤、材料、および/または生物活性薬剤は、第1および/または第2溶液中に存在することができる。コーティングは、芯を沈降させる工程中で形成することができる(例えば、沈降および被覆ステップは実質上同時に実施することができる)。他の実施形態では、粒子を、まず沈降技法を使用して形成し、続いて粒子を表面改変剤で被覆する。
一部の実施形態では、沈降技法を利用して、医薬品を含むか、または含まないポリマー性芯粒子を形成することができる。一般に、沈降技法は、芯として使用される予定のポリマーを溶媒(存在させる医薬品を含むか、または含まない)に溶解することを含み、次いで、この溶液を混和性反溶媒(存在させる賦形剤を含むか、または含まない)に添加して、芯粒子を形成する。一部の実施形態において、この技法は、例えば、水性溶液に溶けにくい(1〜10mg/L)、極めて溶けにくい(0.1〜1mg/mL)、またはほとんど溶けない(<0.1mg/mL)医薬品(例えば、比較的低い水溶性を有する医薬品)を含むポリマー性芯を調製するのに有用である可能性がある。
沈降には、任意の適切な溶媒を使用することができる。一部の実施形態において、沈降に適した溶媒としては、例えば、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、テトラヒドロフランを挙げることができる。その他の有機溶媒および非有機溶媒も使用できる。
沈降には、粉砕に使用することのできる本明細書に記載の溶媒をはじめとする任意の適切な反溶媒を使用することができる。一組の実施形態では、医薬用賦形剤、ポリマー、および医薬品などのその他の成分を任意選択で含んでいてもよい水性溶液(例えば、水、緩衝液、その他の水性溶液)、アルコール(例えば、エタノール、メタノール、ブタノール)、およびこれらの混合物が使用される。
乳化および沈降のための安定剤/表面改変剤は、ポリマーまたは界面活性剤でよく、粉砕に使用できる本明細書に記載の安定剤/表面改変剤を包含する。
乳化または沈降によって芯の全部または一部を形成するのに適した適切なポリマーの非限定的例としては、ポリアミン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーバメート、ポリウレア、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリアセチレン、ポリエチレン、ポリエチレンイミン(polyethyeneimines)、ポリイソシアネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアリレート、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、および多糖を挙げることができる。具体的なポリマーの非限定的例には、ポリ(カプロラクトン)(PCL)、エチレン酢酸ビニルポリマー(EVA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(L−乳酸)(PLLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)、ポリ(L−乳酸−co−グリコール酸)(PLLGA)、ポリ(D,L−ラクチド)(PDLA)、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L−ラクチド−co−カプロラクトン)、ポリ(D,L−ラクチド−co−カプロラクトン−co−グリコリド)、ポリ(D,L−ラクチド−co−PEO−co−D,L−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド−co−PPO−co−D,L−ラクチド)、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリウレタン、ポリ−L−リシン(PLL)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ−L−グルタミン酸、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリアンヒドリド、ポリオルトエステル、ポリ(エステルアミド)、ポリアミド、ポリ(エステルエーテル)、ポリカーボネート、ポリアルキレン(ポリエチレンおよびポリプロピレンなど)、ポリアルキレングリコール(ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリアルキレンオキシド(PEO)など)、ポリアルキレンテレフタレート(ポリ(エチレンテレフタレート)など)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル(ポリ(酢酸ビニル)など)、ポリビニルハライド(ポリ(塩化ビニル)(PVC)など)、ポリビニルピロリドン、ポリシロキサン、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン、誘導体化されたセルロース(アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど)、アクリル酸のポリマー(ポリ(メチル(メタ)アクリレート)(PMMA)、ポリ(エチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ヘキシル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソデシル(メタ)アクリレート)、ポリ(ラウリル(メタ)アクリレート)、ポリ(フェニル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)など)(本明細書中では、一緒にして「ポリアクリル酸」と呼ばれる)、およびこれらのコポリマーおよび混合物、ポリジオキサノンおよびそのコポリマー、ポリヒドロキシアルカン酸エステル、ポリプロピレンフマレート、ポリオキシメチレン、ポロキサマー、ポリ(オルト)エステル、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)、およびトリメチレンカーボネート、ポリビニルピロリドン、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、コラーゲン、DNA、RNA、カルボキシメチルセルロース、キトサン、デキストランを挙げることができる。
一部の実施形態では、沈降技法を使用して、主として医薬品からなる粒子(例えば、ナノ結晶)を形成することができる。一般に、このような沈降技法は、芯として使用される予定の医薬品を溶媒に溶解し、次いで、この溶液を、賦形剤を含むか、または含まない混和性反溶媒に添加して、芯粒子を形成することを含む。一部の実施形態において、この技法は、例えば、水性溶液に溶けにくい(1〜10mg/L)、極めて溶けにくい(0.1〜1mg/mL)、またはほとんど溶けない(<0.1mg/mL)医薬品(例えば、比較的低い水溶性を有する医薬品)の粒子を調製するのに有用である可能性がある。
一部の実施形態において、塩(または錯体)の形成による沈降を利用して、医薬品の塩からなる粒子(例えば、ナノ結晶)を形成することができる。一般に、塩形成による沈降は、芯として使用される予定の材料を賦形剤を含むか、または含まない溶媒に溶解し、続いて医薬品との不溶性塩または錯体を形成する対イオンまたは錯化剤を添加して、芯粒子を形成することを含む。この技法は、水性溶液に溶ける医薬品(例えば、比較的高い水溶性を有する医薬品)の粒子を調製するのに有用である可能性がある。一部の実施形態において、1つまたは複数の帯電したまたはイオン化可能な基を有する医薬品は、対イオン(例えば、カチオンまたはアニオン)と相互に作用して、塩錯体を形成することができる。 種々の対イオンを使用して、金属(例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移金属)を含む塩錯体を形成することができる。カチオン性対イオンの非限定的例には、亜鉛、カルシウム、アルミニウム、亜鉛、バリウム、およびマグネシウムが含まれる。アニオン性対イオンの非限定的例には、リン酸イオン、炭酸イオン、および脂肪酸が含まれる。対イオンは、例えば、一価、二価、または三価でよい。その他の対イオンも当技術分野で公知であり、本明細書に記載の実施形態で使用することができる。その他のイオン性および非イオン性錯化剤も可能である。
沈降法では、種々の様々な酸を使用することができる。一部の実施形態において、適切な酸としては、デカン酸(deconic acid)、ヘキサン酸、粘液酸、オクタン酸を挙げることができる。他の実施形態において、適切な酸としては、酢酸、アジピン酸、L−アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、カプリン酸(デカン酸)、炭酸、クエン酸、フマル酸、ガラクタル酸、D−グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、塩酸、DL−乳酸、ラウリン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、パルミチン酸、リン酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、(+)−L−酒石酸、またはチオシアン酸を挙げることができる。他の実施形態において、適切な酸としては、アルギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、(+)−樟脳酸、カプリル酸(オクタン酸)、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ゲンチシン酸、2−オキソグルタル酸、イソ酪酸、ラクトビオン酸、マロン酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パモン酸(エンボン酸)、プロピオン酸、(−)−L−ピログルタミン酸、またはp−トルエンスルホン酸を挙げることができる。さらに他の実施形態において、適切な酸としては、2,2−ジクロロ酢酸、4−アセトアミド−安息香酸、(+)−カンファ−10−スルホン酸、カプロン酸(ヘキサン酸)、桂皮酸、ギ酸、臭化水素酸、DL−マンデル酸、硝酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、またはウンデシル酸(ウンデカ−10−エン酸)を挙げることができる。1種または複数のこのような酸の混合物も使用することができる。
沈降法では、種々の様々な塩基を使用することができる。一部の実施形態において、適切な塩基としては、アンモニア、L−アルギニン、水酸化カルシウム、コリン、N−メチル−グルカミン、リシン、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムが挙げられる。別の実施形態において、適切な塩基としては、ベネタミン、ベンザチン、ベタイン、デアノール、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、ヒドラバビン、モルホリン、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、またはトロメタミンを挙げることができる。他の実施形態において、適切な塩基としては、ジエタノールアミン(2,2’−イミノビス(エタノール))、エタノールアミン(2−アミノエタノール)、エチレンジアミン、1H−イミダゾール、ピペラジン、トリエタノールアミン(2,2’,2’’−ニトリロトリス(エタノール))、または水酸化亜鉛を挙げることができる。1種または複数のこのような塩基の混合物も使用することができる。
塩の形成による沈降には、粉砕に使用できる本明細書に記載の溶媒をはじめとする任意の適切な溶媒を使用することができる。一組の実施形態では、医薬用賦形剤、ポリマー、および医薬品などのその他の成分を任意選択で含んでいてもよい水性溶液(例えば、水、緩衝液、その他の水性溶液)、アルコール(例えば、エタノール、メタノール、ブタノール)、およびこれらの混合物が使用される。
沈降法において、塩は、非塩形態の医薬品に比べて、より低い水溶性(または、塩を含む溶媒への溶解性)を有することができる。塩の水溶性(または溶媒への溶解性)は、25℃で、例えば、約5mg/mL以下、約2mg/mL以下、約1mg/mL以下、約0.5mg/mL以下、約0.1mg/mL以下、約0.05mg/mL以下、または約0.01mg/mL以下、約1μg/mL以下、約0.1μg/mL以下、約0.01μg/mL以下、約1ng/mL以下、約0.1ng/mL以下、または約0.01ng/mL以下でよい。一部の実施形態において、塩は、少なくとも約1pg/mL、少なくとも約10pg/mL、少なくとも約0.1ng/mL、少なくとも約1ng/mL、少なくとも約10ng/mL、少なくとも約0.1μg/mL、少なくとも約1μg/mL、少なくとも約5μg/mL、少なくとも約0.01mg/mL、少なくとも約0.05mg/mL、少なくとも約0.1mg/mL、少なくとも約0.5mg/mL、少なくとも約1.0mg/mL、少なくとも約2mg/mLの水溶性(または溶媒への溶解性)を有することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約0.001mg/mLかつ約1mg/mL以下の水溶性(または溶媒への溶解性))も可能である。その他の範囲も可能である。塩は、pH範囲(例えば、pH1〜pH14)の任意の箇所でこれらのまたはその他の範囲の水溶性を有することができる。
一部の実施形態において、沈降のために使用される溶媒は、本明細書に記載の1種または複数の表面改変剤を含み、粒子が溶液から沈降するにつれて、1種または複数の表面改変剤からなるコーティングを粒子の周りに形成することができる。表面改変剤は、溶媒中に任意の適切な濃度で、例えば、水性溶液中に、重量/容積%で、少なくとも約0.001%、少なくとも約0.005%、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、または少なくとも約5%の濃度で存在することができる。一部の事例で、表面改変剤は、溶媒中に、重量/容積%で、約5%以下、約1%以下、約0.5%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、約0.01%以下、または約0.005%以下の濃度で存在する。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約0.01(重量/容積)%かつ約1(重量/容積)%以下の濃度)も可能である。その他の範囲も可能である。
芯粒子の別の典型的な形成方法は、凍結乾燥技法を含む。この技法では、医薬品またはその塩を、表面改変剤を含んでいてもよい水性溶液に溶解することができる。この溶液に対イオンを添加し、溶液を直ちに急速凍結し、凍結乾燥することができる。乾燥粉末を、適切な溶媒(例えば、水などの水性溶液)中で所望の濃度で再構成することができる。
対イオンを、凍結乾燥用溶媒に任意の適切な範囲で添加することができる。一部の事例で、対イオンの医薬品(例えば、塩)に対する比率は、重量比またはモル比で、少なくとも0.1:1、少なくとも1:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも5:1、少なくとも10:1、少なくとも25:1、少なくとも50:1、または少なくとも100:1でよい。一部の事例で、対イオンの医薬品(例えば、塩)に対する比率は、重量比またはモル比で、100:1以下、75:1以下、50:1以下、25:1以下、10:1以下、5:1以下、3:1以下、2:1以下、1:1以下、または0.1:1以下でよい。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも5:1かつ50:1以下の比率)も可能である。その他の範囲も可能である。
表面改変剤が凍結乾燥前の溶媒中に存在するなら、表面改変剤は、任意の適切な濃度で、例えば、水性溶液中に重量/容積%で、少なくとも約0.001%、少なくとも約0.005%、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、または少なくとも約5%の濃度で存在することができる。一部の例で、表面改変剤は、溶媒中に、重量/容積%で、約5%以下、約1%以下、約0.5%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、約0.01%以下、または約0.005%以下の濃度で存在する。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約0.01(重量/容積)%かつ約1(重量/容積)%以下の濃度)も可能である。その他の範囲も可能である。
溶媒中に存在する表面改変剤の濃度は、表面改変剤の臨界ミセル濃度(CMC)を超えても超えなくてもよく、使用される個々の表面改変剤に依存する。他の実施形態において、安定な粒子は、医薬品を含む溶液に過剰な対イオンを添加することによって形成することができる。次いで、沈降物を、遠心などの種々の方法で洗浄することができる。生じたスラリーを超音波で処理することができる。1種または複数の表面改変剤を添加して、生じる粒子を安定化することができる。
芯粒子を形成するその他の方法もあり得る。芯粒子を形成するための技法としては、例えば、コアセルベーション−相分離、溶融分散、界面沈積、インサイチュでの重合、マクロ分子の自己集合(例えば、高分子電解質複合体または高分子電解質−界面活性剤複合体の形成)、噴霧乾燥および噴霧凝結、エレクトロスプレー、空気懸濁コーティング、パンおよび噴霧コーティング、凍結乾燥、通風乾燥、真空乾燥、流動床乾燥、沈降(例えば、ナノ沈降、ミクロ沈降)、臨界流体抽出、ならびにリソグラフィー法(例えば、軟質リソグラフィー、ステップおよび急速インプリントリソグラフィー、干渉リソグラフィー、フォトリソグラフィー)を挙げることができる。
本明細書に記載の方法とその他の方法との組合せもあり得る。例えば、一部の実施形態で、まず、医薬品からなる芯を沈降によってまず形成し、次いで、芯の大きさを、粉砕工程でさらに縮小する。
医薬品からなる粒子の形成に続いて、粒子を、粒子と結びつく、かつ/または粒子を被覆することのできる(第2)表面改変剤を含む溶液に任意選択で暴露することができる。医薬品が第1表面改変剤からなるコーティングを既に含む実施形態では、第2表面改変剤の全部または一部を第2安定剤/表面改変剤で取り代えて、粒子表面の全部または一部を被覆することができる。一部の事例で、第2表面改変剤は、第1表面改変剤に比べて、粒子をより粘液浸透性にすることができる。他の実施形態では、多様な表面改変剤を含むコーティング(例えば、単層または複層の状態で)を有する粒子を形成することができる。他の実施形態では、多様なコーティング(例えば、各コーティングは、異なる表面改変剤を任意選択で含む)を有する粒子を形成することができる。一部の事例で、コーティングは、表面改変剤からなる単層の形態で存在する。その他の配置も可能である。
本明細書に記載の方法のいずれにおいても、粒子を、溶液中で表面改変剤と共に少なくとも約1分間、少なくとも約2分間、少なくとも約5分間、少なくとも約10分間、少なくとも約15分間、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間、少なくとも約60分間、またはそれ以上インキュベートすることによって、粒子を被覆することができる。一部の事例で、インキュベーションは、約10時間以下、約5時間以下、または約60分以下で行うことができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、60分以下かつ少なくとも2分のインキュベーション時間)も可能である。
粒子のコーティング
図1に図示した実施形態で示すように、芯(16)を、1種または複数の表面改変剤を含むコーティング(20)で取り囲むことができる。一部の実施形態において、コーティングは、芯の表面上に配置される1種または複数の表面改変剤、またはその他の分子で形成される。コーティングおよび表面改変剤の個々の化学的構成および/または成分は、粒子に特定の機能性、例えば、粘膜バリア中での増強された輸送を付与するように選択することができる。
芯を取り囲むコーティングは、芯を完全に取り囲むような実施形態もあり得るが、必ずしも完全に取り囲む必要はないことを理解されたい。例えば、コーティングは、芯の表面積の少なくとも約10%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約99%を取り囲むことができる。一部の事例で、コーティングは、芯を実質的に取り囲む。他の事例で、コーティングは、芯を完全に取り囲む。他の実施形態において、コーティングは、芯の表面積の約100%以下、約90%以下、約80%以下、約70%以下、約60%以下、または約50%以下を取り囲む。上で言及した範囲の組合せ(例えば、芯の表面積の80%を超えかつ100%未満を取り囲む)も可能である。
コーティングの成分を、一部の事例では、芯の表面の全域に均一に、他の事例では非均一に分布させることができる。例えば、コーティングは、一部の事例において、材料を全く含まない部分(例えば、孔)を含むことができる。所望なら、コーティング中へのまたはコーティングからの特定の分子および成分の浸透および/または輸送を可能にするが、コーティング中へのまたはコーティングからのその他の分子または成分の浸透および/または輸送を防止するように、コーティングを設計することができる。特定の分子がコーティング中におよび/またはコーティングを横切って浸透および/または輸送される能力は、例えば、コーティングを形成する表面改変剤の充填密度、およびコーティングを形成する成分の化学的および物理的特性に依存する可能性がある。本明細書に記載のように、コーティングは、1つの材料層(例えば、単層)を、または一部の実施形態では複数の材料層を含むことができる。単一種の表面改変剤、または複数種の表面改変剤が存在できる。
粒子のコーティングは、任意の適切な厚さを有することができる。例えば、コーティングは、少なくとも約1nm、少なくとも約5nm、少なくとも約10nm、少なくとも約30nm、少なくとも約50nm、少なくとも約100nm、少なくとも約200nm、少なくとも約500nm、少なくとも約1μm、または少なくとも約5μmの平均厚さを有することができる。一部の事例で、コーティングの平均厚さは、約5μm以下、約1μm以下、約500nm以下、約200nm以下、約100nm以下、約50nm以下、約30nm以下、約10nm以下、または約5nm以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約1nmかつ約100nm以下の平均厚さ)も可能である。その他の範囲も可能である。複数のコーティングを有する粒子の場合、各コーティング層は、上記の厚さの1つを有することができる。
一部の実施形態において、本明細書に記載の組成物および方法は、芯表面に対する表面改変部分の共有結合での連結を必要としないで、芯粒子を親水性表面改変剤で被覆することを可能にすることができる。一部のこのような実施形態では、疎水性表面を有する芯を、本明細書に記載のポリマーで被覆し、それによって、芯自体の特性を実質上改変することなしに、芯表面上に複数の表面改変部分を存在させることができる。例えば、表面改変剤を、芯粒子の外側表面に吸着させることができる。しかし、他の実施形態において、表面改変剤は、芯粒子に共有結合で連結される。表面改変剤が芯の表面上に吸着される特定の実施形態において、表面改変剤は、溶液中の表面改変剤の他の分子と、任意選択でその他の成分(例えば、組成物/製剤中の)と共に平衡状態で存在することができる。一部の事例で、吸着された表面改変剤は、芯の表面上に本明細書に記載の密度で存在することができる。表面改変剤は溶液中の他の成分と平衡状態で存在するので、密度は、平均密度でよい。
本明細書に記載の粒子のコーティングおよび/または表面改変剤は、疎水性材料、親水性材料、および/または両親媒性材料などの任意の適切な材料を含む形成されることができる。一部の実施形態において、コーティングは、ポリマーを含む。特定の実施形態において、ポリマーは合成ポリマー(すなわち、天然では産生されないポリマー)を含む。他の実施形態において、ポリマーは天然ポリマー(例えば、タンパク質、多糖、ゴム)である。特定の実施形態において、ポリマーは表面活性を有するポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは非イオン性ポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは直鎖状の合成非イオン性ポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは非イオン性ブロックコポリマーである。一部の実施形態において、ポリマーはコポリマーでよく、例えば、ここで、1つの反復単位は比較的疎水性であり、もう1つの反復単位は比較的親水性である。コポリマーは、例えば、ジブロック、トリブロック、交互、またはランダムコポリマーでよい。ポリマーは、帯電性、または非帯電性でよい。
一部の実施形態において、コーティングは、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーを含む。例えば、特定の実施形態において、ポリマーとしては、ポリ(ビニルアルコール)、部分加水分解ポリ(酢酸ビニル)、またはビニルアルコールと酢酸ビニルとのコポリマーを挙げることができる。特定の実施形態において、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーとしては、ポリ(エチレングリコール)−ポリ(酢酸ビニル)−ポリ(ビニルアルコール)コポリマー、ポリ(エチレングリコール)−ポリ(ビニルアルコール)コポリマー、ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(ビニルアルコール)コポリマー、およびポリ(ビニルアルコール)−ポリ(アクリルアミド)コポリマーを挙げることができる。理論に拘泥するものではないが、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーを含むコーティングを備える粒子は、粒子表面上へ複数のヒドロキシル基を少なくとも部分的には露呈しているので、対照粒子に比較して低減された粘液粘着性を有する可能性がある。低減された粘液粘着性についての1つの考え得る機構は、ヒドロキシル基が、例えば、粒子/粘液環境中で水およびその他の分子を配列することによって粒子の微視的環境を改変することである。付加的または代わりの考え得る機構は、ヒドロキシル基が、ムチン繊維の粘着性領域を遮蔽し、それによって粒子の粘着性を低減し、かつ粒子輸送を加速することである。
さらに、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーで被覆された粒子が粘液浸透性である能力は、また、ポリマーの加水分解度に少なくとも部分的には依存する可能性がある。一部の実施形態において、ポリマーの疎水性部分(例えば、加水分解されていないポリマー部分)は、ポリマーが芯の表面に粘着することを可能にし(例えば、芯表面が疎水性である事例で)、かくして、芯とポリマーの間での強力な会合を可能にする可能性がある。驚くべきことに、表面改変剤を含む一部の実施形態において、あまりにも高い加水分解度のPVAは、PVAと芯との間での十分な粘着を可能にせず(例えば、芯が疎水性である事例で)、かくして、このようなポリマーで被覆された粒子は、一般に、十分な粘液粘着の低減を示さないことが見出された。一部の実施形態において、あまりにも低い加水分解度は、おそらくは粒子の微視的環境を改変するのに、および/またはムチン繊維の粘着性領域を遮蔽するのに利用できるヒドロキシル基の量がより少ないため、粘液中での粒子輸送を増進しない。
ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーは、任意の適切な加水分解度(および、結果的には様々な量のヒドロキシル基)を有することができる。適切な加水分解レベルは、ポリマーの分子量、芯の組成、芯の疎水性などのさらなる因子に依存する可能性がある。一部の実施形態において、合成ポリマー(例えば、PVA、部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル)、またはビニルアルコールと酢酸ビニルとのコポリマー)は、その少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約87%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%が加水分解されていてもよい。一部の実施形態において、合成ポリマーは、その約100%以下、約98%以下、約97%以下、約96%以下、約95%以下、約94%以下、約93%以下、約92%以下、約91%以下、約90%以下、約87%以下、約85%以下、約80%以下、約75%以下、約70%以下、または約60%以下が加水分解されていてもよい。上で言及した範囲の組合せ(例えば、その少なくとも約80%かつ約95%以下が加水分解されたポリマー)も可能である。その他の範囲も可能である。
本明細書に記載の合成ポリマー(例えば、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有するもの)の分子量は、芯の粘液粘着性を低減するように、かつポリマーと芯との十分な会合を確実にするように選択することができる。特定の実施形態において、合成ポリマーの分子量は、少なくとも約1kDa、少なくとも約2kDa、少なくとも約5kDa、少なくとも約8kDa、少なくとも約9kDa、少なくとも約10kDa、少なくとも約12kDa、少なくとも約15kDa、少なくとも約20kDa、少なくとも約25kDa、少なくとも約30kDa、少なくとも約40kDa、少なくとも約50kDa、少なくとも約60kDa、少なくとも約70kDa、少なくとも約80kDa、少なくとも約90kDa、少なくとも約100kDa、少なくとも約110kDa、少なくとも約120kDa、少なくとも約130kDa、少なくとも約140kDa、少なくとも約150kDa、少なくとも約200kDa、少なくとも約500kDa、または少なくとも約1000kDaである。一部の実施形態において、合成ポリマーの分子量は、約1000kDa以下、約500kDa以下、約200kDa以下、約180kDa以下、約150kDa以下、約130kDa以下、約120kDa以下、約100kDa以下、約85kDa以下、約70kDa以下、約65kDa以下、約60kDa以下、約50kDa以下、または約40kDa以下、約30kDa以下、約20kDa以下、約15kDa以下、または約10kDa以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約10kDaかつ約30kDa以下の分子量)も可能である。上で言及した分子量範囲を上で言及した加水分解範囲と組み合わせて、適切なポリマーを形成することもできる。
一部の実施形態において、本明細書に記載の合成ポリマーは、PVAであるか、PVAを含む。PVAは、界面活性特性を備える非イオン性ポリマーである。それは、ポリ(酢酸ビニル)の加水分解によって典型的には製造される。部分的に加水分解されたPVAは、2種の反復単位:すなわち、ビニルアルコール単位および残留酢酸ビニル単位から構成される。ビニルアルコール単位は、比較的親水性であり、酢酸ビニル単位は、比較的疎水性である。一部の事例で、ビニルアルコール単位および酢酸ビニル単位の配列分布は、ブロック状である。例えば、一連のビニルアルコール単位には、一連の酢酸ビニル単位、さらにビニルアルコール単位が続き、ブロック状方式で分布された単位を備える混合ブロックコポリマー型配列を有するポリマーを形成する。特定の実施形態において、反復単位は、コポリマー、例えば、ジブロック、トリブロック、交互、またはランダムコポリマーを形成する。PVA以外のポリマーは、親水性単位および疎水性単位からなるこれらの配置を有することもできる。
特定の実施形態において、表面改変剤は、その約98%以下が加水分解され、かつ約75kDa以下の分子量を有するPVA、またはその約95%未満が加水分解されたPVAである。一部の実施形態において、表面改変剤は、95%を超える加水分解度および31kDaを超える分子量の双方の特性を有さないPVAである。特定の実施形態において、このような表面改変剤を使用して、コルチコステロイド(例えば、LE)などの特定に医薬品および/または本明細書に記載のその他の化合物を被覆することができる。
一部の実施形態において、本明細書に記載の合成ポリマーの親水性単位は、実質上、粒子の外側表面に存在することができる。例えば、親水性単位は、コーティングの外側表面の大部分を形成することができ、粒子を含む水性溶液中で粒子を安定化するのを助けることができる。疎水性単位は、実質上、コーティングの内部および/または芯粒子の表面に存在して、例えば、コーティングが芯へ付着するのを容易にすることができる。
合成ポリマーの比較的親水性の単位の比較的疎水性の単位に対するモル分率は、芯の粘液粘着性を低減するように、かつポリマーと芯との十分な会合を確実にするようにそれぞれ選択することができる。本明細書に記載のように、ポリマーの疎水性単位のモル分率は、ポリマーと芯との十分な会合が起こり、それによってポリマーが芯に粘着したままである確率を高めるように選択することができる。合成ポリマーの比較的親水性の単位の比較的疎水性の単位に対するモル分率は、例えば、少なくとも0.5:1、少なくとも1:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも5:1、少なくとも7:1、少なくとも10:1、少なくとも15:1、少なくとも20:1、少なくとも25:1、少なくとも30:1、少なくとも40:1、少なくとも50:1、少なくとも75:1、または少なくとも100:1でよい。一部の実施形態において、合成ポリマーの比較的親水性の単位の比較的疎水性の単位に対するモル分率は、例えば、100:1以下、75:1以下、50:1以下、40:1以下、30:1以下、25:1以下、20:1以下、15:1以下、10:1以下、7:1以下、5:1以下、3:1以下、2:1以下、または1:1以下でよい。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも1:1かつ50:1以下の比率)も可能である。その他の範囲も可能である。
PVAポリマーの分子量は、また、粒子を粘液浸透性にするポリマーの有効性を増大させるように仕立てることができる。種々の分子量および加水分解度を有するPVAポリマーの例を、表1に示す。
特定の実施形態において、合成ポリマーは、式:
で表され、式中、nは0〜22730(両端を含む)の整数であり、mは0〜11630(両端を含む)の整数である。特定の実施形態において、nは25〜20600(両端を含む)の整数である。一部の実施形態において、mは5〜1100(両端を含む)の整数である。特定の実施形態において、mは、0〜400(両端を含む)または1〜400(両端を含む)の整数である。nおよびmは、ブロックの長さではなく、それぞれ、ポリマー中のビニルアルコールおよび酢酸ビニル反復単位の全含有量を表す。
nの値は可変である。特定の実施形態において、nは、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも500、少なくとも800、少なくとも1000、少なくとも1200、少なくとも1500、少なくとも1800、少なくとも2000、少なくとも2200、少なくとも2400、少なくとも2600、少なくとも3000、少なくとも5000、少なくとも10000、少なくとも15000、少なくとも20000、または少なくとも25000である。一部の事例で、nは、30000以下、25000以下、20000以下、25000以下、20000以下、15000以下、10000以下、5000以下、3000以下、2800以下、2400以下、2000以下、1800以下、1500以下、1200以下、1000以下、800以下、500以下、300以下、200以下、100以下、または50以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、nは、少なくとも50かつ2000以下である)も可能である。その他の範囲も可能である。
同様に、mの値は可変である。例えば、特定の実施形態において、mは、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも50、少なくとも70、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも800、少なくとも1000、少なくとも1200、少なくとも1500、少なくとも1800、少なくとも2000、少なくとも2200、少なくとも2400、少なくとも2600、少なくとも3000、少なくとも5000、少なくとも10000、または少なくとも15000である。一部の事例で、mは、15000以下、10000以下、5000以下、3000以下、2800以下、2400以下、2000以下、1800以下、1500以下、1200以下、1000以下、800以下、500以下、400以下、350以下、300以下、250以下、200以下、150以下、100以下、70以下、50以下、30以下、20以下、または10以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、mは、少なくとも5かつ200以下である)も可能である。その他の範囲も可能である。
一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、比較的親水性のブロックおよび比較的疎水性のブロックを有するブロックコポリマーを含むコーティングを備える。一部の事例で、親水性ブロックは、実質上、粒子の外側表面に存在することができる。例えば、親水性ブロックは、コーティングの外側表面の大部分を形成することができ、粒子を含む水性溶液中で粒子を安定化するのを助けることができる。実質上、コーティングの内部および/または芯粒子の表面に存在して、例えば、コーティングが芯へ付着するのを容易にすることができる。一部の事例で、コーティングは、トリブロックコポリマーを含む表面改変剤を含み、ここで、トリブロックコポリマーは、親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置を含む。親水性ブロック−疎水性ブロックの配置を有するジブロックコポリマーもあり得る。ブロックコポリマーとコーティングとして使用するのに適したその他のポリマーとの組合せもあり得る。櫛状、ブラシ状、または星状コポリマーなどの非直鎖状ブロック配置もあり得る。一部の実施形態において、比較的親水性のブロックは、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマー(例えば、PVA)を含む。
ブロックコポリマーの親水性ブロックおよび疎水性ブロックの分子量は、芯の粘液粘着性を低減し、かつブロックコポリマーと芯との十分な会合を確実にするようにそれぞれ選択することができる。ブロックコポリマーの疎水性ブロックの分子量は、ブロックコポリマーと芯との十分な会合が起こり、それによってブロックコポリマーが芯に粘着したままである確率を高めるように選択することができる。
特定の実施形態において、ブロックコポリマーの(1種または複数の)比較的疎水性のブロックまたは反復単位の分子量は、合わせて、少なくとも約0.5kDa、少なくとも約1kDa、少なくとも約2kDa、少なくとも約3kDa、少なくとも約4kDa、少なくとも約5kDa、少なくとも約6kDa、少なくとも約10kDa、少なくとも約12kDa、少なくとも約15kDa、少なくとも約20kDa、または少なくとも約50kDa、少なくとも約60kDa、少なくとも約70kDa、少なくとも約80kDa、少なくとも約90kDa、少なくとも約100kDa、少なくとも約110kDa、少なくとも約120kDa、少なくとも約130kDa、少なくとも約140kDa、少なくとも約150kDa、少なくとも約200kDa、少なくとも約500kDa、または少なくとも約1000kDaである。一部の実施形態において、(1種または複数の)比較的疎水性のブロックまたは反復単位の分子量は、合わせて、約1000kDa以下、約500kDa以下、約200kDa以下、約150kDa以下、約140kDa以下、約130kDa以下、約120kDa以下、約110kDa以下、約100kDa以下、約90kDa以下、約80kDa以下、約50kDa以下、約20kDa以下、約15kDa以下、約13kDa以下、約12kDa以下、約10kDa以下、約8kDa以下、または約6kDa以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約3kDaかつ約15kDa以下)も可能である。その他の範囲も可能である。
一部の実施形態において、ブロックコポリマーの(1種または複数の)比較的親水性のブロックまたは反復単位は、合わせて、ブロックコポリマーの少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約35重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約45重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約55重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、または少なくとも約70重量%を構成する。一部の実施形態において、ブロックコポリマーの(1種または複数の)比較的親水性のブロックまたは反復単位は、合わせて、ブロックコポリマーの約90重量%以下、約80重量%以下、約60重量%以下、約50重量%以下、または約40重量%以下を構成する。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約30重量%かつ約80重量%以下)も可能である。その他の範囲も可能である。
一部の実施形態において、ブロックコポリマーの(1種または複数の)比較的親水性のブロックまたは反復単位の分子量は、合わせて、少なくとも約0.5kDa、少なくとも約1kDa、少なくとも約2kDa、少なくとも約3kDa、少なくとも約4kDa、少なくとも約5kDa、少なくとも約6kDa、少なくとも約10kDa、少なくとも約12kDa、少なくとも約15kDa、少なくとも約20kDa、または少なくとも約50kDa、少なくとも約60kDa、少なくとも約70kDa、少なくとも約80kDa、少なくとも約90kDa、少なくとも約100kDa、少なくとも約110kDa、少なくとも約120kDa、少なくとも約130kDa、少なくとも約140kDa、少なくとも約150kDa、少なくとも約200kDa、少なくとも約500kDa、または少なくとも約1000kDaである。特定の実施形態において、(1種または複数の)比較的親水性のブロックまたは反復単位の分子量は、合わせて、約1000kDa以下、約500kDa以下、約200kDa以下、約150kDa以下、約140kDa以下、約130kDa以下、約120kDa以下、約110kDa以下、約100kDa以下、約90kDa以下、約80kDa以下、約50kDa以下、約20kDa以下、約15kDa以下、約13kDa以下、約12kDa以下、約10kDa以下、約8kDa以下、約6kDa以下、約5kDa以下、約3kDa以下、約2kDa以下、または約1kDa以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約0.5kDaかつ約3kDa以下)も可能である。その他の範囲も可能である。2つの親水性ブロックが疎水性ブロックの両側に位置する実施形態において、2つの親水性ブロックの分子量は、実質上同一であるか、異なってもよい。
特定の実施形態において、表面改変剤のポリマーはポリエーテル部分を含む。特定の実施形態において、ポリマーはポリアルキルエーテル部分を含む。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリエチレングリコールである尾部を含む。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリプロピレングリコールである中心部分を含む。特定の実施形態において、ポリマーは、中心部分としてポリブチレングリコールを含む。特定の実施形態において、ポリマーは、中心部分としてポリペンチレングリコールを含む。特定の実施形態において、ポリマーは、中心部分としてポリヘキシレングリコールを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載のポリマーの1種からなるジブロックコポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは、本明細書に記載のポリマーの1種からなるトリブロックコポリマーである。本明細書中で開示されるように、PEGのいかなる列挙も、ポリエチレンオキシド(PEO)で置き換えることができ、PEOのいかなる列挙もPEGで置き換えることができる。一部の実施形態において、ジブロックまたはトリブロックコポリマーは、1種または複数のブロックとして、ポリマー(例えば、PVA)の主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマー(本明細書に記載のような種々の加水分解度および種々の分子量を有する)を含む。合成ポリマーのブロックは、ブロックコポリマーの中心部分または末端部分を形成することができる。
特定の実施形態において、ポリマーは、ポリアルキルエーテル(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール)および別のポリマー(例えば、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマー(例えば、PVA))からなるトリブロックコポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリアルキルエーテルおよび別のポリアルキルエーテルからなるトリブロックコポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリエチレングリコールおよび別のポリアルキルエーテルからなるトリブロックコポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリプロピレングリコールおよび別のポリアルキルエーテルからなるトリブロックコポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリアルキルエーテルの少なくとも1種の単位を含むトリブロックコポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは、2種の異なるポリアルキルエーテルからなるトリブロックコポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリエチレングリコール単位を含むトリブロックコポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリプロピレングリコール単位を含むトリブロックコポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは、両側に2つのより親水性の単位が位置するより疎水性の単位からなるトリブロックコポリマーである。特定の実施形態において、親水性単位は、同一種のポリマーである。一部の実施形態において、親水性単位としては、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマー(例えば、PVA)が挙げられる。特定の実施形態において、ポリマーは、両側に2つのより親水性の単位が位置するポリプロピレングリコール単位を含む。特定の実施形態において、ポリマーは、より疎水性の単位が両側に位置する2つのポリエチレングリコール単位を含む。特定の実施形態において、ポリマーは、2つのポリエチレングリコール単位が両側に位置するポリプロピレングリコール単位を有するトリブロックコポリマーである。中心ブロックの両側に位置する2つのブロックの分子量は、実質上同一であるか、異なりうる。
特定の実施形態において、ポリマーは、式:
を有し、式中、nは、2〜1140(両端を含む)の整数であり、mは、2〜1730(両端を含む)の整数である。特定の実施形態において、nは、10〜170(両端を含む)の整数である。特定の実施形態において、mは、5〜70(両端を含む)の整数である。特定の実施形態において、nは、少なくともmの2倍、mの3倍、またはmの4倍である。
特定の実施形態において、コーティングは、コーティング中に単独で、またはポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマー(例えば、PVA)などの別のポリマーと組み合わせて存在する、ポリ(エチレングリコール)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレングリコール)のトリブロックコポリマー(以後、「PEG−PPO−PEGトリブロックコポリマー」)を含む表面改変剤を含む。本明細書に記載のように、一部の実施形態では、PEGブロックをPEOブロックで相互に交換することができる。PEG−PPO−PEGトリブロックコポリマーのPEG(またはPEO)およびPPO部分の分子量は、本明細書に記載のように、粒子の粘液粘着を低減するように選択することができる。理論に拘泥するものではないが、PEG−PPO−PEGトリブロックコポリマーを含むコーティングを有する粒子は、少なくとも部分的には粒子表面上に複数のPEG(またはPEO)部分が露呈されているので、対照粒子に比較して粘液粘着を低減することができる。PPO部分は、芯表面に粘着することができ(例えば、芯表面が疎水性である場合)、そのため芯とトリブロックコポリマーとの間の強力な会合を可能にする。一部の事例で、PEG−PPO−PEGトリブロックコポリマーは、非共有結合性相互作用を介して芯と会合する。比較が目的の場合、対照粒子は、例えば、被覆された粒子と類似の大きさのカルボキシレート修飾ポリスチレン粒子でよい。
特定の実施形態において、表面改変剤としては、商品名Pluronic(登録商標)を有するポロキサマーを含むポリマーが挙げられる。本明細書に記載の実施形態で有用である可能性のあるPluronic(登録商標)ポリマーとしては、限定はされないが、F127、F38、F108、F68、F77、F87、F88、F98、L101、L121、L31、L35、L43、L44、L61、L62、L64、L81、L92、N3、P103、P104、P105、P123、P65、P84およびP85が挙げられる。
特定のPluronic(登録商標)分子の分子量の例を表2に示す。
その他の範囲も、可能であり、本明細書に記載の特定の実施形態において有用である可能性があるが、一部の実施形態において、PEG−PPO−PEGトリブロックコポリマーの疎水性ブロックは、前記分子量の1つ(例えば、少なくとも約3kDaかつ約15kDa以下)を有し、親水性ブロックは、合わせて、ポリマーに対して前記範囲の1つの重量パーセント(例えば、少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%少なくとも約25重量%、または少なくとも約30重量%、かつ約80重量%以下)を有する。これらの基準内に包含される特定のPluronic(登録商標)ポリマーとしては、例えば、F127、F108、P105およびP103が挙げられる。
表面改変剤が粒子または芯を粘液浸透性にする能力は、表面改変剤が芯に付着する能力および/または芯/粒子表面上の表面改変剤の密度を含む、個々の芯/表面改変剤の組合せに少なくとも部分的には依存することを認識されたい。かくして、一部の実施形態において、個々の表面改変剤は、1種の粒子または芯の移動度を増強することができるが、別の種類の粒子または芯の移動度を増強しない可能性がある。
本明細書に記載の実施形態の多くは、単一のコーティングに関係するが、他の実施形態において、粒子は単一のコーティングを含むが、他の実施形態において、粒子は、1つを超えるコーティング(例えば、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上のコーティング)を含むことができ、各コーティングは、必ずしも、粘液浸透性材料から形成される、または粘液浸透性材料を含む必要はない。一部の事例で、中間コーティング(すなわち、芯表面と外側コーティングとの間のコーティング)は、芯表面への外側コーティングの付着を容易にするポリマーを含むことができる。多くの実施形態において、粒子の外側コーティングは、粘液中での粒子の輸送を容易にする材料を含むポリマーを含む。
かくして、コーティング(例えば、内側コーティング、中間コーティング、および/または外側コーティング)は、任意の適切なポリマーを含むことができる。一部の事例で、ポリマーは、生体適合性および/または生分解性でよい。一部の事例で、ポリマー性材料は、1種を超えるポリマー(例えば、少なくとも2、3、4、5種またはそれ以上のポリマー)を含むことができる。一部の事例で、ポリマーは、ランダムコポリマーまたは本明細書に記載のようなブロックコポリマー(例えば、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー)でよい。
適切なポリマーの非限定的例としては、ポリアミン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーバメート、ポリウレア、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリアセチレン、ポリエチレン、ポリエチレンイミン、ポリイソシアネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル、およびポリアリレートを挙げることができる。具体的なポリマーの非限定的例には、ポリ(カプロラクトン)(PCL)、エチレン酢酸ビニルポリマー(EVA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(L−乳酸)(PLLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)、ポリ(L−乳酸−co−グリコール酸)(PLLGA)、ポリ(D,L−ラクチド)(PDLA)、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L−ラクチド−co−カプロラクトン)、ポリ(D,L−ラクチド−co−カプロラクトン−co−グリコリド)、ポリ(D,L−ラクチド−co−PEO−co−D,L−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド−co−PPO−co−D,L−ラクチド)、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリウレタン、ポリ−L−リシン(PLL)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ−L−グルタミン酸、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリアンヒドリド、ポリオルトエステル、ポリ(エステルアミド)、ポリアミド、ポリ(エステルエーテル)、ポリカーボネート、ポリアルキレン(ポリエチレンおよびポリプロピレンなど)、ポリアルキレングリコール(ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリアルキレンオキシド(PEO)など)、ポリアルキレンテレフタレート(ポリ(エチレンテレフタレート)など)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル(ポリ(酢酸ビニル)など)、ポリビニルハライド(ポリ(塩化ビニル)(PVC)など)、ポリビニルピロリドン、ポリシロキサン、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン、誘導体化されたセルロース(アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど)、アクリル酸のポリマー(ポリ(メチル(メタ)アクリレート)(PMMA)、ポリ(エチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ヘキシル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソデシル(メタ)アクリレート)、ポリ(ラウリル(メタ)アクリレート)、ポリ(フェニル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)など)(本明細書中では、一緒にして「ポリアクリル酸」と呼ばれる)、およびこれらのコポリマーおよび混合物、ポリジオキサノンおよびそのコポリマー、ポリヒドロキシアルカン酸エステル、ポリプロピレンフマレート、ポリオキシメチレン、ポロキサマー、ポリ(オルト)エステル、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)、およびトリメチレンカーボネート、ポリビニルピロリドンを挙げることができる。
ポリマーの分子量は、様々でよい。一部の実施形態において、分子量は、少なくとも約0.5kDa、少なくとも約1kDa、少なくとも約2kDa、少なくとも約3kDa、少なくとも約4kDa、少なくとも約5kDa、少なくとも約6kDa、少なくとも約8kDa、少なくとも約10kDa、少なくとも約12kDa、少なくとも約15kDa、少なくとも約20kDa、少なくとも約30kDa、少なくとも約40kDa、または少なくとも約50kDaでよい。一部の実施形態において、分子量は、約50kDa以下、約40kDa以下、約30kDa以下、約20kDa以下、約12kDa以下、約10kDa以下、約8kDa以下、約6kDa以下、約5kDa以下、または約4kDa以下でよい。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約2kDaかつ約15kDa以下の分子量)も可能である。その他の範囲も可能である。分子量は、光散乱、ゲル浸透クロマトグラフィーなどの任意の公知の技法を使用して測定することができる。その他の方法も当技術分野で公知である。
特定の実施形態において、ポリマーは生体適合性である、すなわち、ポリマーは、生存対象中に挿入または注入された場合に、有害な応答を典型的には誘導せず;例えば、それは、重大な炎症、および/または免疫系による、例えば、T細胞介在性応答を介する、ポリマーの急性拒絶を含まない。もちろん、「生体適合性」は、相対的な用語であり、生体組織と高度に適合性であるポリマーについてさえ、若干程度の免疫応答が予想されることが認識されるであろう。しかし、本明細書中で使用する場合、「生体適合性」は、免疫系の少なくとも一部による材料の急性拒絶に関連し、すなわち、対象中に埋め込まれた非生体適合性材料は、免疫系による材料の拒絶を十分に制御できないほど重症で、かつしばしば材料を対象から除去しなければならないほどの程度である対象における免疫応答を誘導する。生体適合性を測定するための1つの簡単な試験は、ポリマーをインビトロで細胞に暴露することであり:生体適合性ポリマーは、中度の濃度、例えば約50μg/106細胞の濃度で有意な細胞死を典型的にはもたらさないポリマーである。例えば、生体適合性ポリマーは、繊維芽細胞または上皮細胞などの細胞に暴露された場合に、このような細胞によって貪食、さもなければ取り込まれた場合でさえ、細胞死を引き起こす可能性は約20%未満である。一部の実施形態において、物質は、それをインビトロで細胞に添加することによってもたらされる細胞死が20%以下であり、かつそれらをインビボで投与することが、望ましくない炎症またはその他のこのような有害作用を誘導しないなら、「生体適合性」である。
特定の実施形態において、生体適合性ポリマーは、生分解性でよく、すなわち、ポリマーは、体内でまたは細胞に導入された場合などの生理学的環境内で、化学的および/または生物学的に(例えば、細胞機構によってまたは加水分解によって)分解することができる。例えば、ポリマーは、水(例えば、対象内の)への暴露で自発的に加水分解するものでよく、かつ/またはポリマーは、熱(例えば約37℃の温度)への暴露で分解することができる。ポリマーの分解は、使用されるポリマーまたはコポリマーに応じて、様々な速度で起こり得る。例えば、ポリマーの半減期(ポリマーの50%がモノマーおよび/またはその他の非ポリマー性部分に分解される時間)は、ポリマーに応じて、数日、数週間、数か月、または数年の桁でよい。ポリマーは、例えば、酵素活性または細胞機構によって、一部の事例では、例えばリソチーム(例えば、比較的低いpHを有する)への暴露を介して、生物学的に分解される可能性がある。一部の事例で、ポリマーは、モノマー、および/または細胞が細胞に対する重大な毒性効果なしに再使用または処理できる(すなわち、成分を細胞にインビトロで添加した場合に、死滅する細胞は約20%未満である)その他の非ポリマー性部分に分解される可能性がある。例えば、ポリラクチドは加水分解されて乳酸を形成し、ポリグリコリドは加水分解されてグリコール酸を形成する可能性がある、等々。
生分解性ポリマーの例には、限定はされないが、ポリ(エチレングリコール)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレングリコール)トリブロックコポリマー、ポリ(ラクチド)(またはポリ(乳酸))、ポリ(グリコリド)、(またはポリ(グリコール酸))、ポリ(オルトエステル)、ポリ(カプロラクトン)、ポリリシン、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ウレタン)、ポリ(アンヒドリド)、ポリ(エステル)、ポリ(炭酸トリメチレン)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ウレタン)、ポリ(β−アミノエステル)など、およびこれらのおよび/またはその他のポリマーのコポリマーまたは誘導体、例えば、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)が含まれる。
特定の実施形態において、ポリマーは、所望の適用で許容される期間内で生分解性であればよい。インビボ療法などの特定の実施形態において、このような分解は、通常、温度が25〜37℃でpHが6〜8の生理学的溶液への暴露で、約5年、1年、6か月、3か月、1か月、15日、5日、3日、またはさらには1日未満(例えば、1〜4時間、4〜8時間、4〜24時間、1〜24時間)の期間で起こる。他の実施形態において、ポリマーは、所望の適用に応じて、約1時間〜数週間の期間で分解する。
本明細書に記載のコーティングおよび粒子は、ポリマーを含むことができるが、一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、ポリマーでなく(例えば、非ポリマー)かつ医薬品でない疎水性材料を含む。例えば、一部の実施形態において、粒子の全部または一部を、不動態化層で被覆することができる。非ポリマー性材料の非限定的例としては、特定の金属、ワックス、および有機材料(例えば、有機シラン、過フッ化またはフッ化有機材料)を挙げることができる。
粘膜粘着性が低減された粒子
本明細書に記載のように、一部の実施形態において、方法は、その粘膜粘着性を低減することが望まれる粒子などの材料を突き止めることを含む。粘液中での拡散性の増加を必要とする材料は、例えば、疎水性であり、多くの水素結合の供与体または受容体を有し、かつ/または高度に帯電性である可能性がある。一部の事例では、材料として、結晶性または非晶性の固体材料を挙げることができる。芯として役立つ可能性のある材料は、本明細書に記載の適切なポリマーで被覆されていてもよく、それによって表面上に複数の表面改変部分を伴う粒子を形成し、粘液粘着性の低減をもたらすことができる。低減された粘液粘着性を有すると記載される本明細書中の粒子は、別法として、粘液中での輸送を増加させること、粘液中で移動性があるか、または粘液浸透性(すなわち、粘液浸透性粒子)であることとして特徴付けられ、粒子は、(陰性)対照粒子に比べて、より速く粘液中で輸送されることを意味する。(陰性)対照粒子は、粘液粘着性であることが知られている粒子、例えば、本明細書に記載のコーティングで被覆されていない非修飾粒子または芯、例えば200nmのカルボキシル化ポリスチレン粒子でよい。
特定の実施形態において、本発明の方法は、修飾された物質からなる医薬組成物または製剤を、例えば、対象の粘液または粘膜表面に送達(例えば、局所送達)するために構成された製剤の状態で調製することを含む。表面改変部分を有する医薬組成物は、例えば、粘液粘着性が低減されているため、対象の粘膜表面に送達することができ、対象中の粘膜バリアを通過することができ、かつ/または粘膜表面での粒子の滞留を延長し、かつ/または均一な分布を増加させることができる。当業者にとって公知であるように、粘液は、ほとんどの外来粒子を捕捉する粘弾性のある粘着性物質である。捕捉された粒子は、下にある上皮に到達することができず、かつ/または粘液排除機構によって急速に排除される。粒子が下にある上皮に到達するため、および/または粒子が粘膜組織中に長く滞留するためには、粒子は、粘液分泌液に急速に浸透し、かつ/または粘液排除機構を回避しなければならない。粒子が粘液に実質的に粘着しないなら、粒子は、ムチン繊維間の間隙流体中に拡散し、下にある上皮に到達することができ、かつ/または粘液排除機構によって排除されない。したがって、粘液粘着性材料(例えば、疎水性である医薬品)を粒子の粘液粘着性を低減するための材料で修飾することは、下にある上皮への粒子の効率的な送達および/または粘膜表面での粒子の長い滞留を可能にすることができる。
さらに、一部の実施形態において、粘液粘着性が低減された本明細書に記載の粒子は、より粘液粘着性である粒子に比較して、組織表面での粒子のより良好な分布を促進し、かつ/または組織表面での存在を延長する。例えば、一部の事例で、胃腸管などの管腔空間は、粘液で被覆された表面で取り囲まれている。このような空間に送達された粘液粘着性粒子は、身体の自然な排除機構によって、管腔空間および粘液で被覆された表面から典型的には除去される。粘液粘着性が低減された本明細書に記載の粒子は、粘液粘着性粒子に比較して、管腔空間に比較的より長期間留まることができる。この長い存在が、粒子の排除を防止または低減することができ、かつ/または組織表面上への粒子のより良好な分布を可能にすることができる。長い存在は、また、管腔空間中での粒子輸送に影響を及ぼすことができ、例えば、粒子は、粘液層中に分布することができ、かつ下にある上皮に到達することができる。
特定の実施形態において、本明細書に記載のポリマーで被覆された材料(例えば、芯)は、対象中の粘液または粘膜バリアを通過し、かつ/または粘膜表面で粒子の長い滞留を呈示し、かつ/または粒子の均一な分布を増大させることができ、例えば、このような物質は、(陰性)対照粒子に比較して、対象の身体からより徐々に(少なくとも2倍、5倍、10倍、さらには少なくとも20倍より徐々に)排除される。(陰性)対照粒子は、粘液粘着性であることが知られている粒子、例えば、本明細書に記載のコーティングで被覆されていない非修飾粒子または芯、例えば、200nmのカルボキシル化ポリスチレン粒子でよい。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、次の通り定義される特定の相対速度<Vmeanrelを有する:
式中、<Vmean>は、全平均軌跡平均速度であり、Vmeanは、その軌跡にわたって平均化された個々の粒子の速度であり、サンプルは、注目の粒子であり、陰性対照は、200nmのカルボキシル化ポリスチレン粒子であり、陽性対照は、2kDa〜5kDaのPEGで密にPEG化された200nmのポリスチレン粒子である。
相対速度は、多様な粒子追跡技法によって測定することができる。例えば、CCDカメラを具備した蛍光顕微鏡を使用して、各サンプル内のいくつかの領域から100Xの倍率下に、粒子、すなわちサンプル、陰性対照、および陽性対照のそれぞれの種類について、66.7msの時間分解能で15の動画(15コマ/秒)を記録することができる。サンプル、陰性および陽性対照は、軌跡を観察するための蛍光性粒子でよい。別法として、非蛍光性粒子を、蛍光性分子、蛍光性タグを付けた表面薬剤、または蛍光性タグを付けたポリマーで被覆することができる。最新の画像処理ソフトウェア(例えば、Image ProまたはMetaMorph)を使用して、多様な粒子の少なくとも3.335秒の時間尺度にわたる個々の軌跡(50コマ)を測定することができる。
一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、粘液中で、約0.3以上、約0.4以上、約0.5以上、約0.6以上、約0.7以上、約0.8以上、約0.9以上、約1.0以上、約1.1以上、約1.2以上、約1.3以上、約1.4以上、約1.5以上、約1.6以上、約1.7以上、約1.8以上、約1.9以上または約2.0以上の相対速度を有する。一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、粘液中で、約10.0以下、約8.0以下、約6.0以下、約4.0以下、約3.0以下、約2.0以下、約1.9以下、約1.8以下、約1.7以下、約1.6以下、約1.5以下、約1.4以下、約1.3以下、約1.2以下、約1.1以下、約1.0以下、約0.9以下、約0.8以下、または約1.7以下の相対速度を有する。上で言及した範囲の組合せ(例えば、約0.5以上かつ約6.0以下の相対速度)も可能である。その他の範囲も可能である。粘液は、例えば、ヒト頸膣粘液でよい。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、粘液または粘膜バリア中で、対照粒子または対応粒子(例えば、非修飾であるおよび/または本明細書に記載のコーティングで被覆されていない対応粒子)に比べて、より大きな速度または拡散率で拡散することができる。一部の事例で、本明細書に記載の粒子は、粘液または粘膜バリアを、対照粒子または対応粒子に比べて、少なくとも約10倍、20倍、30倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、2000倍、5000倍、10000倍、またはそれ以上である速度または拡散率で通過することができる。一部の事例で、本明細書に記載の粒子は、粘液または粘膜バリアを、対照粒子または対応粒子に比べて、約10000倍以下、約5000倍以下、約2000倍以下、約1000倍以下、約500倍以下、約200倍以下、約100倍以下、約50倍以下、約30倍以下、約20倍以下、または約10倍以下である速度または拡散率で通過することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、対照粒子または対応粒子に比べて少なくとも約10倍かつ約1000倍以下)も可能である。その他の範囲も可能である。
本明細書に記載の比較の目的に関して、対応粒子は、試験粒子とほぼ同一の大きさ、形状、および/または密度であるが、試験粒子を粘液中で移動性にするコーティングを欠いている。一部の事例で、測定は、約1秒、約0.5秒、約2秒、約5秒、または約10秒の時間尺度をベースにする。当業者は、二乗幾何平均変位および速度または拡散率を測定する方法を承知であろう。
さらに、本明細書に記載の粒子は、対応粒子または対照粒子に比べて、少なくとも約10倍、20倍、30倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、2000倍、5000倍、10000倍、またはそれ以上である二乗幾何平均変位で、粘液または粘膜バリアを通過できる。一部の事例で、本明細書に記載の粒子は、対照粒子または対応粒子に比べて、約10000倍以下、約5000倍以下、約2000倍以下、約1000倍以下、約500倍以下、約200倍以下、約100倍以下、約50倍以下、約30倍以下、約20倍以下、または約10倍以下である二乗幾何平均変位で粘液または粘膜バリアを通過することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、対照粒子または対応粒子に比べて、少なくとも約10倍かつ約1000倍以下)も可能である。その他の範囲も可能である。
一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、前記粒子が水中を拡散できる速度または拡散率にほぼ等しい速度で粘膜バリア中を拡散する。一部の事例で、本明細書に記載の粒子は、粒子が同一条件下で水中を拡散する拡散率の約1/100以下、約1/200以下、約1/300以下、約1/400以下、約1/500以下、約1/600以下、約1/700以下、約1/800以下、約1/900以下、約1/1000以下、約1/2000以下、約1/5000以下、約1/10,000以下である速度または拡散率で、粘膜バリアを通過することができる。一部の事例で、本明細書に記載の粒子は、粒子が同一条件下で水中を拡散する拡散率の約1/10,000以上、約1/5000以上、約1/2000以上、約1/1000以上、約1/900以上、約1/800以上、約1/700以上、約1/600以上、約1/500以上、約1/400以上、約1/300以上、約1/200以上、または約1/100以上である速度または拡散率で、粘膜バリアを通過することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、粒子が同一条件下で水中を拡散する拡散率の約1/5000以上かつ1/500未満)も可能である。その他の範囲も可能である。測定は、約1秒、約0.5秒、約2秒、約5秒、または約10秒の時間尺度をベースにすることができる。
個々の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、粒子が水中を拡散する拡散率の約1/500未満である拡散率で、ヒト頸膣粘液中を拡散することができる。一部の事例で、測定は、約1秒、約0.5秒、約2秒、約5秒、または約10秒の時間尺度をベースにすることができる。
特定の実施形態において、本発明は、ヒト頸膣粘液などの粘液中を、特定の絶対拡散率で移動する粒子を提供する。例えば、本明細書に記載の粒子は、少なくとも約1×10-4μm/秒、2×10-4μm/秒、5×10-4μm/秒、1×10-3μm/秒、2×10-3μm/秒、5×10-3μm/秒、1×10-2μm/秒、2×10-2μm/秒、4×10-2μm/秒、5×10-2μm/秒、6×10-2μm/秒、8×10-2μm/秒、1×10-1μm/秒、2×10-1μm/秒、5×10-1μm/秒、1μm/秒、または2μm/秒の拡散率で移動できる。一部の事例で、粒子は、約2μm/秒以下、約1μm/秒以下、約5×10-1μm/秒以下、約2×10-1μm/秒以下、約1×10-1μm/秒以下、約8×10-2μm/秒以下、約6×10-2μm/秒以下、約5×10-2μm/秒以下、約4×10-2μm/秒以下、約2×10-2μm/秒以下、約1×10-2μm/秒以下、約5×10-3μm/秒以下、約2×10-3μm/秒以下、約1×10-3μm/秒以下、約5×10-4μm/秒以下、約2×10-4μm/秒以下、または約1×10-4μm/秒以下の拡散率で移動できる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、約2×10-4μm/秒以上かつ約1×10-1μm/秒以下)も可能である。その他の範囲も可能である。一部の事例で、測定は、約1秒、約0.5秒、約2秒、約5秒、または約10秒の時間尺度をベースにしている。
本明細書に記載の移動度(例えば、相対速度、拡散率)の多くは、ヒト頸膣粘液中で測定できるが、それらの移動度は、その他の種類の粘液中でも同様に測定できることを理解されたい。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、表面改変部分を所定の密度で含む。表面改変部分は、例えば、粒子を含む溶媒に暴露される表面改変剤の一部でよい。例として、PVAの加水分解された単位/ブロックは、表面改変剤PVAの表面改変部分であり得る。一部の事例で、表面改変部分および/または表面改変剤は、nm2当たりの単位または分子数で、少なくとも約0.001、少なくとも約0.002、少なくとも約0.005、少なくとも約0.01、少なくとも約0.02、少なくとも約0.05、少なくとも約0.1、少なくとも約0.2、少なくとも約0.5、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約5、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約50、少なくとも約100個、またはそれ以上の密度で存在する。一部の事例で、表面改変部分および/または表面改変剤は、nm2当たりの単位または分子数で、約100以下、約50以下、約20以下、約10以下、約5以下、約2以下、約1以下、約0.5以下、約0.2以下、約0.1以下、約0.05以下、約0.02以下、または約0.01以下の密度で存在する。上で言及した範囲の組合せ(例えば、nm2当たりの単位または分子数で少なくとも約0.01かつ約1以下)も可能である。その他の範囲も可能である。一部の実施形態において、上記の密度値は、表面改変剤が溶液中で他の成分と平衡状態で存在する場合の平均密度でよい。
当業者は、表面改変部分の平均密度を推定する方法を承知しているであろう(例えば、そのそれぞれが、参照により本明細書に組み込まれる、S.J. Budijono et al., Colloids and Surfaces A: Physicochem. Eng. Aspects 360(2020)105-110、およびJoshi, et al., Anal. Chim. Acta 104 (1979)153-160を参照されたい)。例えば、本明細書に記載のように、表面改変部分の平均密度は、HPLC定量およびDLS分析を使用して測定することができる。表面密度の測定が課題となる粒子の懸濁液を、まずDLSを使用して大きさで分類する:少量を適切な濃度(例えば、約100μg/mL)まで希釈し、z平均直径を粒径の代表測定値と見なす。次いで、残りの懸濁液を2つのアリコートに分割する。HPLCを使用して、第1アリコートを、芯材量の全濃度について、および表面改変部分の全濃度についてアッセイする。再度HPLCを使用して、第2アリコートを、遊離または非拘束の表面改変部分の濃度についてアッセイする。第2アリコートから遊離または非拘束の表面改変部分のみを得るため、粒子、それゆえ任意の拘束された表面改変部分を、超遠心によって除去する。表面改変部分の全濃度から非拘束の表面改変部分の濃度を差し引くことによって、拘束された表面改変部分の濃度を求めることができる。芯材料の全濃度も、第1アリコートから求めたので、芯材料と表面改変部分との間の質量比率を求めることができる。表面改変部分の分子量を利用して、芯材料の質量に対する表面改変部分の数を計算することができる。この数を表面密度の測定に転用するために、芯材料の質量当たりの表面積を計算する必要がある。粒子の体積は、芯材料の質量当たりの表面積の計算を可能にするDLSから得られる直径を有する球のそれとして近似される。この方式で、表面積当たりの表面改変部分の数を求めることができる。特記しない限り、本明細書中の密度値は、この方法を使用して測定された。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、粒子のゼータ電位に影響を及ぼす表面改変部分および/または表面改変剤を含む。被覆された粒子のゼータ電位は、例えば、少なくとも約−100mV、少なくとも約−75mV、少なくとも約−50mV、少なくとも約−40mV、少なくとも約−30mV、少なくとも約−20mV、少なくとも約−10mV、少なくとも約−5mV、少なくとも約5mV、少なくとも約10mV、少なくとも約20mV、少なくとも約30mV、少なくとも約40mV、少なくとも約50mV、少なくとも約75mV、または少なくとも約100mVでよい。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約−50mVかつ約50mV以下のゼータ電位)も可能である。その他の範囲も可能である。
本明細書に記載の被覆された粒子は、任意の適切な形状および/または大きさを有することができる。一部の実施形態において、被覆された粒子は、芯の形状に実質上類似した形状を有する。一部の事例で、本明細書に記載の被覆された粒子は、ナノ粒子でよい、すなわち、粒子は、約1μm未満の特徴的な寸法を有し、粒子の特徴的な寸法は、粒子と同一の体積を有する完全球の直径である。他の実施形態において、より大きな大きさもあり得る(例えば、約1〜10μm)。複数の粒子は、一部の実施形態において、平均サイズで特徴づけることもできる(例えば、複数の粒子についての平均最大断面寸法、または平均最小断面寸法)。複数の粒子は、例えば、約10μm以下、約5μm以下、約1μm以下、約800nm以下、約700nm以下、約500nm以下、400nm以下、300nm以下、約200nm以下、約100nm以下、約75nm以下、約50nm以下、約40nm以下、約35nm以下、約30nm以下、約25nm以下、約20nm以下、約15nm以下、または約5nm以下の平均サイズを有することができる。一部の事例で、複数の粒子は、例えば、少なくとも約5nm、少なくとも約20nm、少なくとも約50nm、少なくとも約100nm、少なくとも約200nm、少なくとも約300nm、少なくとも約400nm、少なくとも約500nm、少なくとも約1μm、または少なくとも約5μmの平均サイズを有することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約50nmかつ約500n以下の平均サイズ)も可能である。その他の範囲も可能である。一部の実施形態において、本明細書に記載の方法で形成される芯の大きさは、ガウス型分布を有する。
医薬品
一部の実施形態において、被覆された粒子は、少なくとも1種の医薬品を含む。医薬品は、粒子の芯中に、および/または粒子のコーティング中に存在することができる(例えば、芯および/またはコーティングの全体に分散されて)。一部の事例で、医薬品は、粒子の表面上に(例えば、コーティングの外側表面上、コーティングの内側表面、芯の表面上に)配置することができる。医薬品は、一般に公知である技法(例えば、コーティング、吸着、共有結合、封入、またはその他の方法)を使用して、粒子内に含められ、かつ/または粒子の一部に配置されることができる。一部の事例で、医薬品は、粒子を被覆する前または間に、粒子の芯中に存在することができる。一部の事例で、医薬品は、本明細書に記載のように、粒子の芯を形成する際に存在する。
医薬品の非限定的例には、造影用薬剤、診断用薬剤、治療用薬剤、検出可能な標識を有する薬剤、核酸、核酸類似体、小分子、ペプチド模倣体、タンパク質、ペプチド、脂質、ワクチン、ウイルスベクター、ウイルス、および界面活性剤が含まれる。
一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に含められる医薬品は、標的とされる予定の粘膜組織中で治療、診断、または造影効果を有する。粘膜組織の非限定的例には、口腔(例えば、口内および食道膜および扁桃表面を含む)、眼、消化管(例えば、胃、小腸、大腸、結腸、直腸を含む)、鼻、呼吸器(例えば、鼻、咽頭、気管および気管支の膜)、および生殖器(例えば、膣、頸管および尿道の膜)の組織が含まれる。
任意の適切な数の医薬品が、本明細書に記載の粒子中に存在することができる。例えば、少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、またはそれ以上であるが、一般には10種未満の医薬品が、本明細書に記載の粒子中に存在することができる。
粘液粘着性である多くの薬物が、当技術分野で公知であり、本明細書に記載の粒子中で医薬品として使用することができる(例えば、Khanvilkar K, Donovan MD, Flanagen DR, Drug transfer through mucus, Advanced Drug Delivery Reviews 48 (2001) 173-193;Bhat PG, Flanagan DR, Donovan MD. Drug diffusion through cystic fibrotic mucus: steady-state permeation, rheologic properties, and glycoprotein morphology, J Pharm Sci, 1996 Jun;85(6):624-30を参照されたい)。医薬品のさらなる非限定的例には、造影および診断用薬剤(放射線不透過剤、標識化抗体、標識化核酸プローブ、着色または蛍光色素などの色素、等々)、ならびに補助薬(放射線増感剤、トランスフェクション増強剤、走化性薬剤および走化性誘引剤、細胞粘着および/または細胞移動性を調節するペプチド、細胞浸透化剤、ワクチン増強剤、多剤耐性抑制剤および/または流出ポンプ阻害剤、等々)が含まれる。
医薬品のさらなる非限定的例には、アロキシプリン、アウラノフィン、アザプロパゾン、ベノリレート、ジフルニサル、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェンカルシウム(calcim)、フルルビプロフェン、フロセミド、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、エタボン酸ロテプレドノール、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、アルベンダゾール、ヒドロキシナフトエ酸ベフェニウム、カンベンダゾール、ジクロロフェン、イベルメクチン、メベンダゾール、オキサムニキン、オクスフェンダゾール、エンボン酸オキサンテル、プラジカンテル、エンボン酸ピランテル、チアベンダゾール、アミオダロンHCl、ジソピラミド、酢酸フレカイニド、硫酸キニジンが含まれる。抗菌剤:ベネタミンペニシリン、シノキサシン、シプロフロキサシンHCl、クラリスロマイシン、クロファジミン、クロキサシリン、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、エチオナミド、イミペネム、ナリジクス酸、ニトロフラントイン、リファンピシン、スピラマイシン、スルファベンズアミド、スルファドキシン、スルファメラジン、スルフアセトアミド、スルファジアジン、スルファフラゾール、スルファメトキサゾール、スルファピリジン、テトラサイクリン、トリメトプリム、ジクマロール、ジピリダモール、ニクマロン、フェニンジオン、アモキサピン、マプロチリンHCl、ミアンセリンHCl、ノルトリプチリンHCl、トラゾドンHCl、マレイン酸トリミプラミン、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド、グリクラジド、グリピジド、トラザミド、トルブタミド、ベクラミド、カルバマゼピン、クロナゼパム、エトトイン、メトイン、メススキシミド、メチルフェノバルビトン、オクスカルバゼピン、パラメタジオン、フェナセミド、フェノバルビトン、フェニトイン、フェンスキシミド、プリミドン、スルチアム、バルプロ酸、アンホテリシン、硝酸ブトコナゾール、クロトリマゾール、硝酸エコナゾール、フルコナゾール、フルシトシン、グリセオフルビン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ナタマイシン、ナイスタチン、硝酸スルコナゾール、テルビナフィンHCl、テルコナゾール、チオコナゾール、ウンデセン酸、アロプリノール、プロベネシド、スルフィン−ピラゾン、アムロジピン、ベニジピン、ダロジピン、ジリタゼムHCl、ジアゾキシド、フェロジピン、酢酸グアナベンズ、イスラジピン、ミノキシジル、ニカルジピンHCl、ニフェジピン、ニモジピン、フェノキシベンズアミンHCl、プラゾシンHCl、レセルピン、テラゾシンHCl、アモジアキン、クロロキン、クロルプログアニルHCl、ハロファントリンHCl、メフロキンHCl、ログアニルHCl、プリメタミン、硫酸キニン、メシル酸ジヒドロエルゴタミン、酒石酸エルゴタミン、マレイン酸メチセルギド、マレイン酸ピゾチフェン、コハク酸スマトリプタン、アトロピン、ベンズヘキソールHCl、ビペリデン、エトプロパジンHCl、ヒオスシアミン、メペンゾレートブロミド、オキシフェンシルシミンHCl、トロピカミド、アミノグルテチミド、アムサクリン、アザチオプリン、ブスルファン、クロランブシル、シクロスポリン、ダカルバジン、エストラムスチン、エトポシド、ロムスチン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトタン、ミトザントロン、プロカルバジンHCl、クエン酸タモキシフェン、テストラクトン、ベンズニダゾール、クリオキノール、デコキネート、ジヨードヒドロキシキノリン、フロ酸ジロキサニド、ジニトルミド、フルゾリドン、メトロニダゾール、ニモラゾール、ニトロフラゾン、オルニダゾール、チニダゾール、カルビマゾール、プロピルチオウラシル、アルプラゾラム、アミロバルビトン、バルビトン、ベンタゼパム、ブロマゼパム、ブロムペリドール、ブロチゾラム、ブトバルビトン、カルブロマール、クロルジアゼポキシド、クロルメチアゾール、クロルプロマジン、クロバザム、クロチアゼパム、クロザピン、ジアゼパム、ドロペリドール、エチナメート、フルナニゾン、フルニトラゼパム、フルオプロマジン、デカン酸フルペンチキソル、デカン酸フルフェナジン、フルラゼパム、ハロペリドール、ロラゼパム、ロルメタゼパム、メダゼパム、メプロバメート、メタカロン、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、ペントバルビトン、ペルフェナジンピモジド、プロクロルペラジン、スルピリド、テマゼパム、チオリダジン、トリアゾラム、ゾピクロン、アセブトロール、アルプレノロール、アテノロール、ラベタロール、メトプロロール、ナドロール、オクスプレノロール、ピンドロール、プロプラノロール、アムリノン、ジギトキシン、ジゴキシン、エノキシモン、ラナトシドC、メジゴキシン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、酢酸コルチゾン、デゾキシメタゾン、デキサメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、フルニソリド、フルコルトロン、プロピオン酸フルチカゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、アセタゾラミド、アミロリド、ベンドロフルアジド、ブメタニド、クロロチアジド、クロルサリドン、エタクリン酸、フルセミド、メトラゾン、スピロノラクトン、トリアムテレン、メシル酸ブロモクリプチン、マレイン酸リスリド、ビサコジル、シメチジン、シサプリド、ジフェノキシレートHCl、ドンペリドン、ファモチジン、ロペラミド、メサラジン、ニザチジン、オメプラゾール、オンダンセルトンHCl、ラニチジンHCl、スルファサラジン、アクリバスチン、アステミゾール、シンナリジン、シクリジン、シプロヘプタジエン(cyproheptadie)HCl、ジメンヒドリネート、フルナリジンHCl、ロラタジン、メクロジンHCl、オキサトミド、テルフェナジン、ベザフィブレート、クロフィブレート、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、プロブコール、硝酸アミル、三硝酸グリセリル、二硝酸イソソルビド、一硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリスリトール、β−カロテン、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、コデイン、デキストロプロピオキシフェン、ジアモルフィン、ジヒドロコデイン、メプタジノール、メタドン、モルフィン、ナルブフィン、ペンタゾシン、クエン酸クロミフェン、ダナゾール、エチニルエストラジオール、酢酸メドロキシプロゲステロン、メストラノール、メチルテストステロン、ノルエチステロン、ノルゲストレル、エストラジオール、結合型エストロゲン(oestrogens)、プロゲステロン、スタノゾロール、スチルベストロール(stibestrol)、テストステロン、チボロン、アンフェンタミン、デクスアンフェタミン、デクスフェンフルラミン、フェンフルラミン、およびマジンドールが含まれる。
用途および医薬組成物
本明細書に記載の粒子は、任意の適切な適用分野で採用することができる。一部の事例で、粒子は、医薬組成物(例えば、本明細書に記載のような)、例えば、医薬品(例えば、薬物、治療用薬剤、診断用薬剤、造影用薬剤)を粘液または粘膜表面を通って、またはそれらに送達するのに使用される医薬組成物の一部である。医薬組成物は、少なくとも1種の本明細書に記載の粒子、および1種または複数の薬学上許容される賦形剤または担体を含むことができる。組成物は、対象の状態を治療、予防、および/または診断する際に使用することができ、方法は、対象に医薬組成物を投与することを含む。本明細書に記載の物品および方法によって治療される予定の対象または患者は、霊長類、哺乳動物、および脊椎動物など、ヒトまたは非ヒト動物を意味することができる。
対象を治療することに関連する方法は、疾患、障害および/または状態にかかりやすい可能性はあるが、それらを有するとは診断されなかった対象における疾患、障害または状態の発症を予防すること;疾患、障害または状態を抑制すること、例えば、その進行を遅らせること;ならびに疾患、障害または状態を軽減すること、例えば、疾患、障害および/または状態の退縮をもたらすことを含むことができる。疾患または状態を治療することは、たとえ根底にある病態生理学に影響を及ぼさなくても、個々の疾患または状態の少なくとも1種の症状を改善すること(例えば、このような薬剤が疼痛の原因を治療することはないにしても鎮痛薬を投与することによって対象の疼痛を治療するような)を含む。
一部の実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物は、例えば低減された粘液粘着性のため、対象中の粘膜表面に送達され、対象中の粘膜バリア(例えば、粘液)を通過することができ、かつ/または粘膜表面で粒子の長い滞留および/または均一分布の増加を呈示することができる。粘膜組織の非限定的例には、口腔(例えば、頬側および食道の膜、ならびに扁桃表面を含む)、眼、消化管(例えば、胃、小腸、大腸、結腸、直腸を含む)、鼻腔、呼吸器(例えば、鼻腔、咽頭、気管および気管支の膜を含む)、生殖器(例えば、膣、頸管および尿道の膜を含む)が含まれる。
本明細書に記載され、かつ本明細書に記載の物品および方法により使用するための医薬組成物は、薬学上許容される賦形剤または担体を含むことができる。薬学上許容される賦形剤または薬学上許容される担体としては、任意の適切な種類の非毒性で不活性な固体、半固体または液体状充填剤、希釈剤、封入用材料または製剤用補助剤を挙げることができる。薬学上許容される担体として役立つことのできる材料の若干の例が、糖(ラクトース、グルコースおよびスクロースなど)、デンプン(コーンスターチおよび馬鈴薯デンプンなど)、セルロースおよびその誘導体(カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなど)、粉末トラガカントゴム、麦芽、ゼラチン、タルク、カカオバターおよび坐薬用ワックスなどの賦形剤、油(ピーナツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油およびダイズ油など)、グリコール(プロピレングリコールなど)、エステル(オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなど)、寒天、界面活性剤(Tween80など)、緩衝剤(水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなど)、アルギン酸、パイロジェン不含水、等張生理食塩水、Ringer溶液、エチルアルコール、リン酸緩衝溶液であり、その他の非毒性で適合性のある滑沢剤(ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなど)、着色剤、放出剤、被覆剤、甘味剤、風味剤および芳香剤、保存剤および酸化防止剤も、製剤業者の判断により組成物中に存在することができる。当業者に認識されているように、賦形剤は、後で説明するような投与経路、送達される医薬品、薬剤送達のタイムコース、等々に基づいて選択することがでる。
本明細書に記載の粒子を含む医薬組成物は、当技術分野で公知の任意の経路を経て対象に投与することができる。これらの経路としては、限定はされないが、経口、舌下、経鼻、皮内、皮下、筋内、経直腸、経膣、静脈内、動脈内、槽内、腹腔内、硝子体内、眼周囲、局所(散剤、クリーム剤、軟膏剤、または点滴剤として)、頬側、および吸入投与が挙げられる。一部の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、注射剤(静脈内、筋内または皮下)、点滴輸液調合物、または坐剤のように非経口で投与することができる。当業者に認識されているように、所望の生物学的効果を達成するための投与経路および有効投与量は、投与される薬剤、標的器官、投与される調合物、投与のタイムコース、治療される疾患、意図した用途、等々によって決めることができる。
例として、粒子を、経鼻スプレーとして製剤化される予定の医薬組成物中に、医薬組成物が鼻腔粘液層を横切って送達されるように含めることができる。別の例として、粒子を、吸入剤として製剤化される予定の医薬組成物中に、医薬組成物が肺粘液層を横切って送達されるように含めることができる。別の例として、組成物を経口で投与する予定なら、組成物を、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、またはシロップ剤として製剤化することができる。同様に、粒子を、眼、消化管、鼻腔、呼吸器、直腸、尿道および/または膣組織を経て送達する予定の医薬組成物中に含めることができる。
眼粘液膜経路によって適用するため、対象組成物を、点眼薬または眼用軟膏として製剤化することができる。これらの製剤は、従来の手段で調製することができ、所望なら、対象組成物を、緩衝またはpH調整剤、張性調節剤、粘度調整剤、懸濁安定化剤、保存剤、およびその他の医薬用賦形剤などの、任意の従来の添加物と混合することができる。さらに、特定の実施形態において、本明細書に記載の対象組成物を、凍結乾燥するか、または噴霧乾燥などの別の適切な乾燥技法にかけることができる。
一部の実施形態において、吸入薬またはエアロゾル製剤の状態で投与できる本明細書に記載の粒子は、吸入療法で有用な補助薬、診断用薬剤、造影用薬剤、または治療用薬剤などの1種または複数の医薬品を含む。粒子状薬剤の粒径は、エアロゾル製剤の投与により、実質上すべての薬剤の肺中への吸入を可能にするようでなければならず、例えば、約20μm未満、例えば、約1〜約10μm、例えば、約1〜約5μmでよいが、その他の範囲もあり得る。薬剤の粒径は、従来の手段で、例えば粉砕またはミクロ化によって縮小することができる。別法として、粒子状薬剤を、懸濁液の霧化により肺へ投与することができる。最終的なエアロゾル製剤は、製剤の総重量に対して重量/重量%で、例えば、0.005〜90%、0.005〜50%、0.005〜10%、約0.005〜5%、または0.01〜1.0%の薬剤を含むことができる。その他の範囲も可能である。
本明細書に記載の製剤は、成層圏のオゾンの分解を誘発する可能性のある成分を含まないことが望ましいが、必須ではない。とりわけ、一部の実施形態において、CCl3F、CCl22、およびCF3CCl3などのクロロフルオロカーボンを含まないか、本質的にそれらから構成されることはない噴射剤が、選択される。
エアロゾルは、噴射剤を含むことができる。噴射剤は、噴射剤よりもより高い極性および/またはより高い沸点を有する補助薬を含んでいてもよい。使用できる極性補助薬としては、(例えば、C2-6)脂肪族アルコールおよびポリオール、例えば、エタノール、イソプロパノールおよびプロピレングリコール、好ましくはエタノールが挙げられる。一般に、ほんの少量(例えば、0.05〜3.0重量/重量%)極性補助薬が、分散液の安定性を改善するに必要とされる可能性があり、5重量/重量%の過剰量で使用すると、薬剤を溶解してしまう傾向があり得る。本明細書に記載の実施形態による製剤は、約1重量/重量%未満、例えば、約0.1重量/重量%の極性補助薬を含むことができる。しかし、本明細書に記載の製剤は、極性補助薬、特にエタノールを実質上含まなくてもよい。適切な揮発性補助薬としては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、ペンタンおよびイソペンタンなどの飽和炭化水素、ならびにジメチルエーテルなどのアルキルエーテルが挙げられる。一般に、噴射剤の50重量/重量%までの揮発性補助薬、例えば、30重量/重量%までの揮発性飽和C1−C6炭化水素を含むことができる。任意選択で、本発明によるエアロゾル製剤は、さらに、1種または複数の界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、吸入による投与に生理学上許容されることがある。この範疇に含まれる界面活性剤としては、例えば、L−α−ホスファチジルコリン(PC)、1,2−ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、オレイン酸、トリオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、天然レシチン、オレイルポリオキシエチレンエーテル、ステアリルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロックコポリマー、合成レシチン、ジオレイン酸ジエチレングリコール、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノリシノール酸グリセリル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール400、セチルピリジニウムクロリド、塩化ベンザルコニウム、オリーブ油、モノラウリン酸グリセリル、コーン油、綿実油、およびヒマワリ種子油が含まれる。
本明細書に記載の製剤は、適切な容器中の選択された噴射剤および/または噴射助剤中に、例えば、超音波処理の助けを借りて、粒子を分散させることによって調製することができる。粒子を、噴射助剤中に懸濁し、適切な容器中に充填することができる。次いで、容器のバルブを所定の位置に取り付け、噴射剤を加圧し、バルブを通して従来の方式で充填することにより導入する。かくして、粒子を、液化された噴射剤中に懸濁または溶解し、定量バルブを備え作動装置に適合した容器中に密閉する。このような定用量吸入器は、当技術分野で周知である。計量バルブは、10〜500μL、好ましくは25〜150μLを計量して供給することができる。特定の実施形態において、分散は、粒子(乾燥粉末として留まる)のための乾燥粉末吸入器(例えば、回転吸入器)を使用して達成することができる。他の実施形態では、ナノ球を水性流体中に懸濁させ、肺中でエアロゾル化される予定の微細小滴に霧化することができる。
粒子の分解をもたらす可能性のある剪断に薬剤を暴露することを最小化するので、音波式ネブライザーを使用することもできる。通常、水性エアロゾルは、粒子の水性溶液または懸濁液を薬学上許容される従来の担体および安定剤と一緒にして製剤化することによって調製される。担体および安定剤は、個々の組成物の要件により相違するが、典型的には、非イオン性界面活性剤(Tween、Pluronic(登録商標)、またはポリエチレングリコール)、血清アルブミンのような無害なタンパク質、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、グリシンなどのアミノ酸、緩衝剤、塩類、糖、または糖アルコールが挙げられる。エアロゾルは、一般に、等張溶液から調製される。
経口投与用の液状剤形としては、薬学上許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルが挙げられる。活性成分(すなわち、ミクロ粒子、ナノ粒子、リポソーム、ミセル、ポリヌクレオチド/脂質複合体)に加えて、液状剤形は、当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、水またはその他の溶媒;可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(とりわけ、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ソルビタンのポリエチレングリコールと脂肪酸とのエステル、およびこれらの組合せを含むことができる。不活性希釈剤の他にも、経口組成物は、湿潤化剤、乳化および懸濁剤、甘味剤、風味剤、ならびに芳香剤などの補助薬を含むこともできる。
注射可能な調合物、例えば、注射可能な滅菌水性または油性懸濁液は、適切な分散または湿潤化剤および懸濁剤を使用し、公知の技術により製剤化することができる。注射可能な滅菌調合物は、また、非経口で許容される非毒性の希釈剤または溶媒中の溶液注射可能な溶液、懸濁液、または乳液、例えば1,3−ブタンジオール中溶液でよい。採用できる許容される媒体および溶媒としては、数ある中でも、水、リンガー溶液、米国薬局方溶液、および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌した不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として通常的に採用される。この目的の場合、合成のモノまたはジグリセリドをはじめとする任意の刺激の強くない不揮発性油を採用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射可能物質の調合物中で使用される。特定の実施形態において、粒子は、1(重量/容積)%のカルボキシメチルセルロースナトリウムおよび0.1(容積/容積)%のTween80を含む担体流体中に懸濁される。
注射可能な製剤を、例えば、細菌保持性フィルターを通す濾過によって、あるいは使用前に滅菌水またはその他の注射可能な滅菌媒体中に溶解または分散させることのできる滅菌固体組成物の形態中に滅菌剤を組み込むことによって、滅菌することができる。
経直腸または経膣投与のための組成物は、外界温度で固体であるが、体温で液体であり、それゆえ直腸腔または膣腔中で融解し粒子を放出する、カカオバター、ポリエチレングリコール、または坐剤用ワックスなどの適切な非刺激性賦形剤または担体と粒子を混合することによって調製できる坐剤でよい。
経口投与用の固形剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が挙げられる。このような固形剤形において、粒子は、少なくとも1種の不活性で薬学上許容される賦形剤または担体、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カリウムと、および/またはa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤または増量剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアラビアゴムなどの結合剤、c)グリセロールなどの保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯またはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなど野嶋溶解遅延剤、f)第四級アンモニウム化合物などの吸収加速剤、g)例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤化剤、h)カオリンおよびベントナイトクレーなどの吸収剤、およびi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物などの滑沢剤と混合される。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形は、緩衝剤を含むこともできる。
類似タイプの固形組成物を、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールのような賦形剤を使用する軟質および硬質充填ゼラチンカプセル剤中の充填剤として採用することもできる。
固形剤形の錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤は、医薬製剤の技術分野で周知の腸溶性コーティングおよびその他のコーティングなどのコーティングおよび殻を備えて調製することができる。それらは、任意選択で不透明化剤を含むことができ、かつ腸管の特定部分で活性成分のみを、またはそれらを優先的に遅延方式で放出する組成を有することもできる。使用できる包埋用組成物の例が、ポリマー性物質およびワックスである。
類似タイプの固形組成物を、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールのような賦形剤を使用する軟質および硬質充填ゼラチンカプセル剤中の充填剤として採用することもできる。
本発明の医薬組成物の局所または経皮投与のための剤形としては、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、溶液剤、噴霧剤、吸入剤、または貼付剤が挙げられる。粒子は、滅菌条件下で、薬学上許容される担体、および必要なら任意の必要とされる保存剤または緩衝剤と混合される。眼用製剤、点耳剤、および点眼剤も、本発明の範囲内で考えられる。
軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、およびゲル剤は、本明細書に記載の粒子に加えて、動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカントゴム、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、および酸化亜鉛、またはこれらの混合物などの賦形剤を含むことができる。
散剤および噴霧剤は、本明細書に記載の粒子に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含むことができる。噴霧剤は、さらに、クロロフルオロ炭化水素などの通例的噴射剤を含むことができる。
経皮貼付剤は、身体への化合物の制御送達を提供する付加的利点を有する。このような剤形は、適当な媒体中にミクロ粒子またはナノ粒子を溶解または分散させることによって調製することができる。吸収増強剤を使用して、皮膚を横切る化合物の流れを増大させることができる。速度は、速度調製膜を準備することによって、あるいは粒子をポリマーマトリックスまたはゲル中に分散させることによって調節することができる。
医薬品を含む本明細書に記載の粒子を、送達すべき対象に、診断、予防または治療処置の一部として、治療有効量の組み込まれた医薬品を対象に送達するのに十分な量で、投与することができる。一般に、医薬品または成分の有効量は、所望の生物学的応答を誘発するのに必要な量を指す。粒子中の医薬品の所望濃度は、限定はされないが、薬物の吸収、不活化、および排泄速度、ならびに対象組成物からの化合物の送達速度、所望の生物学的最終目標、送達されるべき薬剤、標的組織などをはじめとする多くの因子に依存する。投与値は、また、軽減されるべき状態の重症度によって変わることに留意されたい。さらに、任意の特定の対象に対して、個体の必要性および組成物の投与を管理または監督する者の専門的判断により、具体的な投与レジメンを長期にわたって調節すべきであることを理解されたい。典型的には、投与は、当業者に公知の技法を使用して決定される。
医薬品は、組成物および/または製剤中に、任意の適切な量で、例えば、組成物および/または製剤の少なくとも約0.01重量%、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%で存在することができる。一部の事例で、医薬品は、組成物および/または製剤中に、約30重量%以下、約20重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下、約2重量%以下、または約1重量%以下で存在することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約0.1重量%かつ約10重量%以下の量で存在)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、医薬品は、組成物および/または製剤の約0.1〜2重量%で存在する。特定の実施形態において、医薬品は、組成物および/または製剤の約2〜20重量%で存在する。特定の実施形態において、医薬品は、組成物および/または製剤の約0.2重量%で存在する。特定の実施形態において、医薬品は、組成物および/または製剤の約0.4重量%で存在する。特定の実施形態において、医薬品は、組成物および/または製剤の約1重量%で存在する。特定の実施形態において、医薬品は、組成物および/または製剤の約2重量%で存在する。特定の実施形態において、医薬品は、組成物および/または製剤の約5重量%で存在する。特定の実施形態において、医薬品は、組成物および/または製剤の約10重量%で存在する。
対象に投与すべき医薬品の濃度および/または量は、いずれも、当業者が容易に決めることができる。また、既知の方法を、局所組織中での濃度、粒子からの拡散速度、ならびに治療用製剤の投与の前および後の局所血流をアッセイするために利用可能である。
本明細書に記載の組成物および/または製剤は、任意の適切な容量オスマル濃度を有することができる。一部の実施形態において、本明細書に記載の組成物および/または製剤は、少なくとも約0mOsm/L、少なくと約5mOsm/L、少なくとも約25mOsm/L、少なくとも約50mOsm/L、少なくとも約75mOsm/L、少なくとも約100mOsm/L、少なくとも約150mOsm/L、少なくとも約200mOsm/L、少なくとも約250mOsm/L、または少なくとも約310mOsm/Lの容量オスマル濃度を有することができる。特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物および/または製剤は、約310mOsm/L以下、約250mOsm/L以下、約200mOsm/L以下、約150mOsm/L以下、約100mOsm/L以下、約75mOsm/L以下、約50mOsm/L以下、約25mOsm/L以下、または約5mOsm/L以下の容量オスマル濃度を有することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約0mOsm/Lかつ約50mOsm/L以下の容量オスマル濃度)も可能である。その他の範囲も可能である。組成物および/または製剤の容量オスマル濃度は、例えば、組成物および/または製剤の溶媒中に存在する塩の濃度を変更することによって変えることができる。
一組の実施形態において、組成物および/または製剤は、1種または複数のキレート化剤を含む。本発明で使用されるキレート化剤は、金属イオンと反応して1つまたは複数の結合を介して錯体を形成する能力を有する化学化合物を指す。1つまたは複数の結合は、典型的には、イオン結合または配位結合である。キレート化剤は、無機または有機化合物でよい。特定の化学反応(例えば、酸化反応)を触媒する能力のある金属イオンは、その金属イオンがキレート化剤に結合されて錯体を形成すると、その触媒活性を喪失することがある。したがって、キレート化剤は、それが金属イオンに結合されると、保存性を示す可能性がある。ホスホン酸、アミノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ポリアミン、アミノアルコール、およびポリマー性キレート化剤などの、保存性を有する任意の適切なキレート化剤を使用することができる。キレート化剤の具体例には、限定はされないが、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、テトラホウ酸塩、トリエチルアミンジアミン、ならびにこれらの塩および誘導体が含まれる。特定の実施形態において、キレート化剤はEDTAである。特定の実施形態において、キレート化剤はEDTAの塩である。特定の実施形態において、キレート化剤はEDTA二ナトリウムである。
キレート化剤は、本明細書に記載の被覆された粒子を含む組成物および/または製剤中に、適切な濃度で存在することができる。特定の実施形態において、キレート化剤の濃度は、約0.0003重量%以上、約0.001重量%以上、約0.003重量%以上、約0.01重量%以上、約0.03重量%以上、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.3重量%以上、約1重量%以上、または約3重量%以上である。特定の実施形態において、キレート化剤の濃度は、約3重量%以下、約1重量%以下、約0.3重量%以下、約0.1重量%以下、約0.05重量%以下、約0.03重量%以下、約0.01重量%以下、約0.003重量%以下、約0.001重量%以下、または約0.0003重量%以下である。上で言及された範囲の組合せ(例えば、約0.01重量%以上かつ約0.3重量%以下の濃度)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、キレート化剤の濃度は約0.001〜0.1重量%である。特定の実施形態において、キレート化剤の濃度は約0.005重量%である。特定の実施形態において、キレート化剤の濃度は約0.01重量%である。特定の実施形態において、キレート化剤の濃度は約0.05重量%である。特定の実施形態において、キレート化剤の濃度は約0.1重量%である。
一部の実施形態において、キレート化剤は、本明細書に記載の形成工程および/または希釈工程中に、組成物および/または製剤中に、1つまたは複数の上で言及した範囲で存在することができる。特定の実施形態において、キレート化剤は、最終製品において、組成物および/または製剤中に、1つまたは複数の上で言及した範囲で存在することができる。
一部の実施形態において、本明細書に記載の被覆された粒子を含む組成物および/または製剤中に、抗微生物薬を含めることができる。本発明で使用される抗微生物薬は、細菌、微生物、真菌、ウイルス、胞子、酵母、カビ、および感染症に一般的に付随するその他の微生物などの微生物から阻害、予防、または保護するのに有効な生物活性薬剤を指す。抗微生物薬の例には、セファロスポリン、クリンダマイシン、クロラムフェニコール(chlorampheanicol)、カルバペネム、ミノサイクリン、リファンピン、ペニシリン、モンバクタム、キノロン、テトラサイクリン、マクロライド、スルファ抗生物質、トリメトプリム、フシジン酸、アミノグリコシド、アンホテリシンB、アゾール、フルシトシン、シロフンギン、殺菌性ニトロフラン化合物、金属銀または約2.5重量%の銅を含む銀合金のナノ粒子、クエン酸銀、酢酸銀、安息香酸銀、ビスマスピリチオン、亜鉛ピリチオン、過炭酸亜鉛、過ホウ酸亜鉛、ビスマス塩、パラベン(例えば、安息香酸のメチル、エチル、プロピル、ブチルおよびオクチルエステル)、クエン酸、塩化ベンザルコニウム(BAC)、リファマイシン、および過炭酸ナトリウムが含まれる。
抗微生物薬は、本明細書に記載の被覆された粒子を含む組成物および/または製剤中に、適切な濃度で存在することができる。特定の実施形態において、抗微生物薬の濃度は、約0.0003重量%以上、約0.001重量%以上、約0.003重量%以上、約0.01重量%以上、約0.03重量%以上、約0.1重量%以上、約0.3重量%以上、約1重量%以上、または約3重量%以上でよい。特定の実施形態において、抗微生物薬の濃度は、約3重量%以下、約1重量%以下、約0.3重量%以下、約0.1重量%以下、約0.03重量%以下、約0.01重量%以下、約0.003重量%以下、約0.001重量%以下、または約0.0003重量%以下でよい。上で言及した範囲の組合せ(例えば、約0.001重量%以上かつ約0.1重量%以下の濃度)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、抗微生物薬の濃度は約0.001〜0.05重量%である。特定の実施形態において、抗微生物薬の濃度は約0.002重量%である。特定の実施形態において、抗微生物薬の濃度は約0.005重量%である。特定の実施形態において、抗微生物薬の濃度は約0.01重量%である。特定の実施形態において、抗微生物薬の濃度は約0.02重量%である。特定の実施形態において、抗微生物薬の濃度は約0.05重量%である。
一部の実施形態において、抗微生物薬は、本明細書に記載の形成工程および/または希釈工程中に、組成物および/または製剤中に、1つまたは複数の上で言及した範囲で存在することができる。特定の実施形態において、抗微生物薬は、最終製品中において、組成物および/または製剤中に、1つまたは複数の上で言及した範囲で存在することができる。
一部の実施形態において、等張化剤を、本明細書に記載の被覆された粒子を含む組成物および/または製剤中に含めることができる。本発明で使用される等張化剤は、製剤の組成を所望の容量オスマル濃度範囲に調節するのに使用できる化合物または物質を指す。特定の実施形態において、所望の容量オスマル濃度範囲は、血液と適合性のある等張範囲である。特定の実施形態において、所望の容量オスマル濃度範囲は低張性である。特定の実施形態において、所望の容量オスマル濃度範囲は高張性である。等張化剤の例には、グリセリン、ラクトース、マンニトール、デキストロース、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ソルビトール、生理食塩水−クエン酸ナトリウム(SSC)などが含まれる。特定の実施形態において、1種または複数の等張化剤の組合せを使用することができる。特定の実施形態において、等張化剤はグリセリンである。特定の実施形態において、等張化剤は塩化ナトリウムである。
等張化剤(本明細書に記載のような)は、本明細書に記載の被覆された粒子を含む組成物および/または製剤中に適切な濃度で存在することができる。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は、約0.003重量%以上、約0.01重量%以上、約0.03重量%以上、約0.1重量%以上、約0.3重量%以上、約1重量%以上、約3重量%以上、約10重量%以上、約20重量%以上、または約30重量%以上である。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は、約30重量%以下、約10重量%以下、約3重量%以下、約1重量%以下、約0.3重量%以下、約0.1重量%以下、約0.03重量%以下、約0.01重量%以下、または約0.003重量%以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、約0.1重量%以上かつ約10重量%以下の濃度)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は約0.1〜1%である。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は約0.5〜3%である。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は約0.25重量%である。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は約0.45重量%である。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は約0.9重量%である。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は約1.2重量%である。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は約2.4重量%である。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は約5重量%である。
一部の実施形態において、等張化剤は、本明細書に記載の形成工程および/または希釈工程中に、組成物および/または製剤中に1つまたは複数の上で言及した範囲で存在することができる。特定の実施形態において、等張化剤は、最終製品において、組成物および/または製剤中に1つまたは複数の上で言及した範囲で存在することができる。
粒子を含む製剤のイオン強度が、粒子の多分散性に影響を及ぼす可能性があることが、当技術分野で認識されている。多分散性は、製剤中の粒子の大きさの不均一性に関する尺度である。粒径の不均一性は、製剤中での個々の粒径の相違および/または凝集の存在のためである可能性がある。粒子を含む製剤は、粒子が本質的に同一の大きさ、形状、および/または質量を有するなら、実質上均一または「単分散性」と考えられる。種々の大きさ、形状、および/または質量の粒子を含む製剤は、不均一または「多分散性」と考えられる。
粒子を含む製剤のイオン強度は、また、粒子コロイドの安定性に影響を及ぼす可能性がある。例えば、製剤の相対的に高いイオン強度は、製剤の粒子に凝集をもたらし、それゆえ製剤を不安定にする可能性がある。一部の実施形態において、粒子を含む製剤は、粒子間反発力によって安定化される。例えば、粒子は、電気的または静電的に帯電されることがある。帯電した2つの粒子は、互いに反発し、衝突および凝集を防止することができる。粒子間反発力が弱まるか引力になると、粒子は凝集し始める可能性がある。例えば、製剤のイオン強度が特定のレベルまで増加すると、粒子の電荷(例えば、負電荷)は、製剤中に存在する反対に帯電したイオン(例えば、溶液中のNa+イオン)によって中和されることができる。結果として、粒子は、衝突し、互いに結合して、より大きなサイズの凝集体(例えばクラスターまたはフロック)を形成する可能性がある。形成された粒子凝集体も、大きさを異にする可能性があり、したがって、製剤の多分散性も増大する可能性がある。例えば、大きさが同一の粒子を含む製剤は、製剤のイオン強度を特定のレベルを超えて高めると、(例えば、凝集により)種々の大きさを有する粒子を含む製剤になる可能性がある。凝集の過程で、凝集体は、大きさが成長し、最終的には容器の底部に沈降し、製剤は、コロイドとして不安定であると考えられる。いったん製剤中の粒子が凝集体を形成すると、凝集体を個々の粒子に崩壊させるのは困難であるのが通常である。
本明細書に記載の特定の製剤は、数ある中でも、製剤中への特定濃度の1種または複数のイオン性等張化剤(例えば、NaClなどの塩)の存在が、製剤中に存在する粒子の凝集度を実際に低減または維持し、かつ/または凝集を有意に増加させないという、予想外の特性を示す。特定の実施形態において、製剤の多分散性は、1種または複数のイオン性等張化剤を製剤中に添加すると、減少するか、相対的に一定であるか、あるいは感知できる量で変化することはない。
例えば、一部の実施形態において、組成物および/または製剤の多分散性は、付加されたイオン強度の存在下で、および/または組成物および/または製剤の付加されたイオン強度が比較的一定に保持されるか、増加する(例えば、形成工程および/または希釈工程中で)場合に、比較的一定である。特定の実施形態において、イオン強度が少なくとも50%まで増加すると、多分散性は、約200%以下、約150%以下、約100%以下、約75%以下、約50%以下、約30%以下、約20%以下、約10%以下、約3%以下、または約1%以下まで増加する。特定の実施形態において、イオン強度を少なくとも50%まで増加させると、多分散性は、約1%以上、約3%以上、約10%以上、約30%以上、または約100%以上まで増加する。上で言及した範囲の組合せ(例えば、50%以下かつ1%以上の多分散性の増加)も可能である。その他の範囲も可能である。
本明細書に記載の製剤のイオン強度は、製剤に1種または複数のイオン性等張化剤(例えば、NaClなどの塩)を添加することなどの種々の手段を介して調節することができる。特定の実施形態において、本明細書に記載の製剤のイオン強度は、約0.0005M以上、約0.001M以上、約0.003M以上、約0.01M以上、約0.03M以上、約0.1M以上、約0.3M以上、約1M以上、約3M以上、または約10M以上である。特定の実施形態において、本明細書に記載の製剤のイオン強度は、約10M以下、約3M以下、約1M以下、約0.3M以下、約0.1M以下、約0.03M以下、約0.01M以下、約0.003M以下、約0.001M以下、または約0.0005M以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、約0.01M以上かつ約1M以下のイオン強度)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、本明細書に記載の製剤のイオン強度は約0.1Mである。特定の実施形態において、本明細書に記載の製剤のイオン強度は約0.15Mである。特定の実施形態において、本明細書に記載の製剤のイオン強度は約0.3Mである。
特定の実施形態において、製剤の多分散性は、製剤中に1種または複数のイオン性等張化剤を添加しても変化しない。特定の実施形態において、多分散性は、製剤中に1種または複数のイオン性等張化剤を添加しても有意に増加しない。特定の実施形態において、多分散性は、製剤中に1種または複数のイオン性等張化剤を添加すると本明細書に記載のレベルまで増加する。
本明細書に記載の製剤の多分散性は、多分散性指数(PDI)により測定することができる。PDIは、粒径分布の幅を記述するのに使用され、強度自動補正機能を用いて測定された動的光散乱(DLS)のキュムラント(cumulant)解析から計算されることが多い。これらのパラメーターに関する計算は、規格ISO13321:1996EおよびISO22412:2008中で規定されている。PDIは、無次元であり、DLSで測定する場合、0.05より小さい値は高度に単分散性のサンプルを示し、0.7を超える値は極めて広範な粒径分布を示すように目盛られている。特定の実施形態において、本明細書に記載の製剤および/または組成物のPDIは、約1以下、約0.9以下、約0.8以下、約0.7以下、約0.6以下、約0.5以下、約0.4以下、約0.3以下、約0.2以下、約0.15以下、約0.1以下、約0.05以下、約0.01以下、または約0.005以下である。特定の実施形態において、本明細書に記載の製剤および/または組成物のPDIは、約0.005以上、約0.01以上、約0.05以上、約0.1以上、約0.15以上、約0.2以上、約0.3以上、約0.4以上、約0.5以上、約0.6以上、約0.7以上、約0.8以上、約0.9以上、または約1以上である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、約0.1以上かつ約0.5以下のPDI)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、製剤のPDIは約0.1である。特定の実施形態において、製剤のPDIは約0.15である。特定の実施形態において、製剤のPDIは約0.2である。
特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物および/または製剤は、高度に分散性であることができ、凝集体を形成する傾向がない。粒子が凝集体を形成する場合でさえも、組成物および/または製剤を激しくかき混ぜることなしに、凝集体を容易に個々の粒子に解体することができる。
一般に、製剤は、対象へ投与する前または投与する際に、無菌であることが望ましい。無菌製剤は、細菌、微生物、真菌、ウイルス、胞子、酵母、カビ、および感染症に一般的に付随するその他のものなどの病原性微生物を本質的には含まない。一部の実施形態では、本明細書に記載の被覆された粒子を含む組成物および/または製剤を、無菌化処理および/またはその他の滅菌処理に付すことができる。無菌化処理は、製剤の成分、最終製剤、および/または薬品容器の蓋を、加熱、γ線照射、エチレンオキシド、または濾過などの工程を介して滅菌すること、次いで無菌環境中で合わせることを典型的には含む。一部の事例で、無菌化処理が好ましい。他の実施形態において、最終滅菌が好ましい。
その他の滅菌方法の例には、放射線滅菌(例えば、γ線、電子線、またはX線照射)、加熱滅菌、滅菌濾過、およびエチレンオキシド滅菌が含まれる。用語「放射線」および「照射」は、本明細書中で、互換的に使用される。他の滅菌法と異なり、放射線滅菌は、高度の透過能力および即時的効果という利点を有し、一部の例では、温度、圧力、真空度、または湿度を調整する必要がない。特定の実施形態において、本明細書に記載の被覆された粒子を滅菌するのに使用される放射線は、γ線である。γ線は、被覆された粒子の中または上の、ほとんどまたは実質上すべての微生物を死滅させるのに十分な線量で印加されうる。本明細書に記載の被覆された粒子の温度および放射線量は、全γ線照射期間中、比較的一定でよい。γ線照射は、任意の適切な温度(例えば、外界温度、約40℃、約30〜約50℃)で実施できる。特記しない限り、本明細書に記載のγ線照射の測定値は、約40℃で実施されたものを指す。
滅菌処理を利用する実施形態において、処理は、(1)本明細書に記載の被覆された粒子の粒径を有意に変化させないこと、(2)本明細書に記載の被覆された粒子の活性成分(薬物など)の完全性を有意に変化させないこと、および(3)処理中または処理の後に許容されない濃度の不純物を生じさせないことが望まれる可能性がある。特定の実施形態において、処理中または処理の後に生じる不純物は、本明細書に記載の被覆された粒子の活性成分の分解物である。
本明細書に記載の組成物および/または製剤は、任意の適切なpH値を有することができる。用語「pH」は、特記しない限り、外界温度(例えば、約20℃、約23℃、または約25℃)で測定されたpHを指す。組成物および/または製剤は、例えば、酸性のpH、中性のpH、または塩基性のpHを有し、例えば、組成物および/または製剤が送達される予定である、身体中の場所に依存する可能性がある。特定の実施形態において、組成物および/または製剤は、生理学的pHを有する。特定の実施形態において、組成物および/または製剤のpH値は、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約6.2、少なくとも約6.4、少なくとも約6.6、少なくとも約6.8、少なくとも約7、少なくとも約7.2、少なくとも約7.4、少なくとも約7.6、少なくとも約7.8、少なくとも約8、少なくとも約8.2、少なくとも約8.4、少なくとも約8.6、少なくとも約8.8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約11、または少なくとも約12である。特定の実施形態において、組成物および/または製剤のpH値は、約12以下、約11以下、約10以下、約9以下、約8.8以下、約8.6以下、約8.4以下、約8.2以下、約8以下、約7.8以下、約7.6以下、約7.4以下、約7.2以下、約7以下、約6.8以下、約6.6以下、約6.4以下、約6.2以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下、約2以下、または約1以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約5かつ約8.2以下のpH値)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物および/または製剤のpH値は、少なくとも約5で、かつ約8以下である。
一組の実施形態において、複数の被覆された粒子を含む組成物が提供される。被覆された粒子は、医薬品またはその塩を含む芯粒子、および芯粒子を取り囲み表面改変剤を含むコーティングを備える。医薬品またはその塩を含む芯粒子は、例えば、固体でよく、pH範囲の間の任意の箇所で25℃で約1mg/mL以下(25℃で約0.1mg/mL以下)の水溶性を有することができる。しかし、本明細書に記載のように、その他の芯(例えば、ポリマー性芯)を使用することができる。表面改変剤は、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーであるか、それを含む。ポリマーは、少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下(例えば、約200kDa以下)の分子量を有し、ポリマーの少なくとも約30%(例えば、少なくとも約70%)かつ約98%以下(例えば、約95%未満)は加水分解されている。合成ポリマーは、例えば、ポリ(ビニルアルコール)、部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル)、またはビニルアルコールと酢酸ビニルとのコポリマーでよい。特定の実施形態において、ポリマーは、その約98%以下が加水分解されており、かつ約75kDa以下の分子量を有するPVA、またはその約95%未満が加水分解されているPVAである。表面改変剤は、芯粒子の表面に吸着されることができる。特定の事例で、表面改変剤は、芯粒子の表面上に、少なくとも約0.001分子/nm2(例えば、少なくとも約0.01分子/nm2)の密度で存在する。被覆された粒子は、粘液中で0.5を超える相対速度を有する。被覆された粒子は、少なくとも約20nmかつ約1μm以下(例えば、約500nm以下)の平均サイズを有することができる。コーティングの厚さは、例えば、約100nm以下(例えば、約50nm以下、約30nm以下、約10nm以下)でよい。組成物は、1種または複数の薬学上許容される担体、添加物、および/または希釈剤を含む医薬組成物でよい。組成物中に存在する表面改変剤の総量は、例えば、約0.001重量%〜約5重量%の間(例えば、約0.01重量%〜約5重量%の間、または約0.1重量%〜約5重量%の間)でよい。一部の実施形態において、組成物のPDIは、約0.1以上かつ約0.5以下(例えば、約0.3以下、または約0.2以下)である。一部の実施形態において、任意選択で、複数の被覆された粒子は、溶液(水性溶液)中に、組成物中の1種または複数の表面改変剤と共に存在する。溶液中の遊離表面改変剤および粒子表面上の表面改変剤は、同一の(または異なる)表面改変剤でよく、かつ組成物中で互いに平衡状態で存在することができる。このような組成物の患者または対象への(例えば、粘液または粘液膜への)使用および/または送達方法も提供される。
一組の実施形態において、複数の被覆された粒子を含む組成物が提供される。被覆された粒子は、医薬品またはその塩を含む芯粒子、および芯粒子を取り囲む表面改変剤を含むコーティングを備える。医薬品またはその塩を含む芯粒子は、例えば、固体でよく、pH範囲の間の任意の箇所で25℃で約1mg/mL以下(25℃で約0.1mg/mL以下)の水溶性を有することができる。しかし、本明細書に記載のように、その他の芯(例えば、ポリマー性芯)を使用することができる。表面改変剤は、ポリ(ビニルアルコール)であるか、ポリ(ビニルアルコール)を含み、ポリ(ビニルアルコール)は、PVA13K87、PVA31K98、PVA31K87、PVA9K80、PVA2K75、PVA57K87、PVA85K87、PVA105K80、PVA130K87(ここで、「K」の前後の数字は、それぞれPVAの分子量(kDa)および加水分解度(%)を指す)、およびこれらの組合せから選択される。表面改変剤は、芯粒子の表面上に吸収され得る。特定の事例で、表面改変剤は、芯粒子の表面上に、少なくとも約0.001分子/nm2(例えば、少なくとも約0.01分子/nm2)の密度で存在する。被覆された粒子は、粘液中で0.5を超える相対速度を有する。被覆された粒子は、少なくとも約20nmかつ約1μm以下(例えば、約500nm以下)の平均サイズを有することができる。コーティングの厚さは、例えば、約100nm以下(例えば、約50nm以下、約30nm以下、約10nm以下)でよい。組成物は、1種または複数の薬学上許容される担体、添加物、および/または希釈剤を含む医薬組成物でよい。組成物中に存在する表面改変剤の総量は、例えば、約0.001重量%〜約5重量%の間(例えば、約0.01重量%〜約5重量%の間、または約0.1重量%〜約5重量%の間)でよい。一部の実施形態において、組成物のPDIは、約0.1以上かつ約0.5以下(例えば、約0.3以下、または約0.2以下)である。一部の実施形態において、任意選択で、複数の被覆された粒子は、組成物中の1種または複数の表面改変剤と共に溶液(水性溶液)中に存在する。溶液中の遊離表面改変剤および粒子表面上の表面改変剤は、同一の(または異なる)表面改変剤でよく、かつ組成物中で互いに平衡状態で存在することができる。このような組成物の患者または対象への(例えば、粘液または粘液膜への)使用および/または送達方法も提供される。
本発明のこれらのその他の態様は、本発明の特定の個々の実施形態を例示することを意図するが、特許請求の範囲で規定されるようなその範囲を限定することを意図しない以下の例を考慮して、さらに認識されるであろう。
(例1)
以下に特定のポリ(ビニルアルコール)ポリマー(PVA)の物理的吸着により既製の重合体粒子から粘液侵入性粒子を形成する方法の非限定的な例を述べる。カルボキシル化ポリスチレンナノ粒子(PSCOO)を、安定した著しい粘液付着挙動を有する既製粒子/芯粒子として用いた。PVAは、芯粒子の周囲のコーティングを形成する表面改変剤としての役割を果たした。粘液に侵入する被覆粒子の有効性を判定するために種々の分子量(MW)および加水分解度のPVAを評価した。
PSCOO粒子を種々のPVAポリマーの存在下で水溶液中でインキュベートして、特定のPVAが粒子と粘液成分との相互作用を最小限にし、粘液中への速やかな粒子の侵入をもたらし得る粘液不活性コーティングにより芯粒子を物理的に(非共有結合により)被覆することができるかどうかを判定した。他の実施形態において、PVAは、粘液中の粒子の可動性を増加させることができる他の表面改変剤と交換することができるが、これらの実験では、PVAは、芯粒子の周囲のコーティングとしての役割を果たしており、得られた粒子を粘液中のそれらの可動性について試験した。試験したPVAは、平均分子量が2kDa〜130kDa、平均加水分解度が75%〜99+%の範囲にあった。試験したPVAを上で示した表1に示す。
粒子修飾法は、次の通りであった。200nmカルボキシル化修飾赤色蛍光ポリスチレンナノ粒子(PSCOO)をInvitrogenから購入した。PSCOO粒子(0.4〜0.5重量%)をPVA水溶液(0.4〜0.5重量%)中で室温で少なくとも1時間インキュベートした。
ヒト子宮頸膣粘液(CVM)中の修飾ナノ粒子の可動性および分布を蛍光顕微鏡および多粒子追跡ソフトウエアを用いて明らかにした。一般的な実験では、≦0.5μLのインキュベート済みのナノ懸濁液(対応するPVAの0.5重量%水溶液で約10倍に希釈)を20μLの新鮮なCVMに対照とともに加えた。通常のナノ粒子(Invitrogen製の200nm青色蛍光カルボン酸修飾ポリスチレンマイクロスフェア)を、CVM試料のバリア特性を確認するための陰性対照として用いた。PEG2kDaを共有結合により被覆した黄緑色蛍光ポリスチレンナノ粒子を、安定したMPP挙動を有する陽性対照として用いた。CCDカメラを装着した蛍光顕微鏡を用いて、各種類の粒子の各試料、すなわち、試料(テキサスレッドフィルターセットを通して観察)、陰性対照(DAPIフィルターセットを通して観察)および陽性対照(FITCフィルターセットを通して観察)内の数箇所のエリアについて100倍の倍率のもとに66.7m秒の時間分解能で15秒の動画(15コマ/秒)を記録した。次に、高度な画像処理ソフトウエアを用いて、複数の粒子の個々の軌跡を少なくとも3.335秒(50コマ)の時間スケールにわたって測定した。得られる輸送データは、軌跡平均速度Vmean、すなわち、その軌跡にわたって平均した個々の粒子の速度、および集合体平均速度<Vmean>、すなわち、粒子の集合体にわたって平均したVmeanの形でここに示す。異なる試料間の容易な比較を可能にし、CVM試料の貫通性の自然変動に関して速度データを標準化するために、集合体平均(絶対)速度を式1に示す式により相対試料速度<Vmeanrelに変換した。複数の粒子の追跡により、陽性および陰性対照の<Vmean>の差によって実証されたようにすべての供試CVM試料中で陰性対照は、束縛されたが、陽性対照は、可動性であったことが確認された(表3)。
特定(ただし、興味深いことに、すべてとは限らない)のPVAの存在下でインキュベートしたナノ粒子が陽性対照と同じ速度またはほぼ同じ速度でCVM中を輸送されたことが発見された。具体的には、PVA2K75、PVA9K80、PVA13K87、PVA31K87、PVA57K86、PVA85K87、PVA105K80およびPVA130K87で安定化した粒子は、陰性対照のものを有意に超え、実験誤差の範囲内で、陽性対照のものと区別できなかった<Vmean>を示した。結果を表3および図2Aに示す。これらの試料について、<Vmeanrel値は、図2Bに示すように0.5を超えていた。
他方で、PVA95K95、PVA13K98、PVA31K98およびPVA85K99とともにインキュベートしたナノ粒子は、0.1以下のそれぞれの<Vmeanrel値(表3および図2B)によって実証されたように大部分はまたは完全に固定化していた。 粒子を粘液侵入性にするPVAの特性を確認するために、種々のPVAとのインキュベーションにより調製したナノ粒子の<Vmeanrelを、用いたPVAのMWおよび加水分解度に対してマッピングした(図3)。95%未満の加水分解度を有する少なくともそれらのPVAがナノ結晶を粘液侵入性にしたと結論された。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、PVAにおける非加水分解セグメントの含有率が十分である(例えば、いくつかの実施形態において5%を超える)場合に、PVAの非加水分解(酢酸ビニル)単位が芯粒子の表面との有効な疎水性結合をもたらすことができ、さらに被覆粒子の表面に存在するPVAの親水性(ビニルアルコール)単位がそれらを親水性にし、粘液との付着相互作用から被覆粒子を遮蔽することができると考えられる。
粘液付着性粒子を物理的吸着により粘液侵入性粒子に転換する特定のPVAグレードの能力をさらに確認するために、種々のPVAとともにインキュベートしたPSCOOナノ粒子をバルク輸送アッセイを用いて試験した。この方法において、20μLのCVMを毛細管に収集し、一端を粘土で密封する。次いで、毛細管の開放端を0.5重量/容量%の薬物である粒子の20μLの水性懸濁液中に浸す。所望の時間、一般的に18時間後に、毛細管を懸濁液から除去し、外側を拭き取る。粘液試料を含む毛細管を超遠心管に入れる。抽出媒を管に加え、混合しながら1時間インキュベートし、これにより、毛細管から粘液を除去し、粘液から薬物を抽出する。次いで、試料を遠心分離して、ムチンおよび他の不溶性成分を除去する。抽出試料中の薬物の量をHPLCを用いて定量することができる。これらの実験の結果は、顕微鏡法の結果とよく一致しており、陽性(粘液侵入性粒子)と陰性対照(通常の粒子)との間の輸送の明らかな差別化を示している。種々のPVAとともにインキュベートしたPSCOOナノ粒子のバルク輸送結果を図4に示す。これらの結果は、種々のPVAとともにインキュベートしたPSCOOナノ粒子に関する顕微鏡検査/粒子追跡所見を裏付けており、ナノ粒子を部分的に加水分解されたPVAとともにインキュベートすることが粘液侵入を向上させることを実証している。
(例2)
以下に特定のポリ(ビニルアルコール)ポリマー(PVA)の存在下で乳化法により粘液侵入性粒子を形成する方法の非限定的な例を述べる。薬学的に適切な生分解性ポリマーである、ポリラクチド(PLA)を水中油型乳化法により芯粒子を形成するための材料として用いた。PVAは、乳化安定剤および表面改変剤としての役割を果たし、表面改変剤は、生成した芯粒子の周囲のコーティングを形成する。粘液に侵入する形成粒子の有効性を判定するために種々の分子量(MW)および加水分解度のPVAを評価した。
ジクロロメタン中PLA溶液を種々のPVAの存在下の水溶液中で乳化して、特定のPVAが粘液中への速やかな粒子の侵入をもたらし得るコーティングで得られたナノ粒子の表面を物理的に(非共有結合により)被覆することができるかどうかを判定した。これらの実験では、PVAは、固化により芯粒子を形成する乳化有機相の液滴の周囲の安定化コーティングを形成する界面活性剤としての役割を果たした。他の実施形態において、PVAは、粘液中の粒子の可動性を増加させることができる他の表面改変剤と交換することができるが、得られた粒子を粘液中のそれらの可動性について試験した。試験したPVAは、平均分子量が2kDa〜130kDa、平均加水分解度が75%〜99+%の範囲にあった。試験したPVAを上で示した表1に示す。
乳化溶媒蒸発法は、次の通りであった。ジクロロメタン中PLA(グレード100DL7Aポリラクチド、Surmodicsから購入)の約0.5mLの20〜40mg/ml溶液を約4mLのPVA水溶液(0.5〜2重量%)中で音波処理により乳化して、<500nmの目標数平均粒径を有する安定乳剤を得た。得られた乳剤を即時に室温で減圧下での徹底的な回転蒸発にかけて、有機溶剤を除去した。得られた懸濁液を1μmガラス繊維フィルターによりろ過して、すべての凝集体を除去した。表4に種々のPVAを用いてこの乳化手順によって得られたナノ懸濁液の粒径特性を示す。すべての場合に、蛍光有機色素ナイルレッドを乳化有機相に加えて、得られた粒子を蛍光標識した。
ヒト子宮頸膣粘液(CVM)中の生成したナノ粒子の可動性および分布を蛍光顕微鏡および多粒子追跡ソフトウエアを用いて明らかにした。一般的な実験では、≦0.5uLのナノ懸濁液(必要な場合、PVA濃度の約0.5%に希釈)を20μLの新鮮なCVMに対照とともに加えた。通常のナノ粒子(Invitrogen製の200nm青色蛍光カルボン酸修飾ポリスチレンマイクロスフェア)を、CVM試料のバリア特性を確認するための陰性対照として用いた。PEG2kDaを共有結合により被覆した黄緑色蛍光ポリスチレンナノ粒子を、安定したMPP挙動を有する陽性対照として用いた。CCDカメラを装着した蛍光顕微鏡を用いて、各種類の粒子の各試料、すなわち、試料(テキサスレッドフィルターセットを通して観察、封入ナイルレッドによるもの)、陰性対照(DAPIフィルターセットを通して観察)および陽性対照(FITCフィルターセットを通して観察)内の数箇所のエリアについて100倍の倍率のもとに66.7m秒の時間分解能で15秒の動画(15コマ/秒)を記録した。次に、高度な画像処理ソフトウエアを用いて、複数の粒子の個々の軌跡を少なくとも3.335秒(50コマ)の時間スケールにわたって測定した。得られる輸送データは、軌跡平均速度Vmean、すなわち、その軌跡にわたって平均した個々の粒子の速度、および集合体平均速度<Vmean>、すなわち、粒子の集合体にわたって平均したVmeanの形でここに示す。異なる試料間の容易な比較を可能にし、CVM試料の貫通性の自然変動に関して速度データを標準化するために、集合体平均(絶対)速度を式1に示す式により相対試料速度<Vmeanrelに変換した。複数の粒子の追跡により、すべての供試CVM試料中で陰性対照は、束縛されたが、陽性および陰性対照の<Vmean>の差によって実証されたように、陽性対照は、可動性であったことが確認された(表5)。
特定(ただし、興味深いことに、すべてとは限らない)のPVAの存在下で調製したナノ粒子が陽性対照と同じ速度またはほぼ同じ速度でCVM中を輸送されたことが発見された。具体的には、PVA2K75、PVA9K80、PVA13K87、PVA31K87、PVA85K87、PVA105K80およびPVA130K87で安定化した粒子は、表5および図5Aに示すように、陰性対照のものを有意に超え、陽性対照のものと実験誤差範囲内で区別できなかった<Vmean>を示した。これらの試料について、<Vmeanrel値は、図5Bに示すように、0.5を超えていた。
他方で、PVA95K95、PVA13K98、PVA31K98およびPVA85K99を用いて得られたピレンナノ粒子は、0.4以下のそれぞれの<Vmeanrel値(表5および図5B)によって実証されたように大部分はまたは完全に固定化していた。粒子を粘液侵入性にするPVAの特性を確認するために、種々のPVAを用いて調製したナノ粒子の<Vmeanrelを、用いたPVAのMWおよび加水分解度に対してマッピングした(図6)。95%未満の加水分解度を有する少なくともそれらのPVAがナノ結晶を粘液侵入性にしたと結論された。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、PVAにおける非加水分解セグメントの含有率が十分である(例えば、いくつかの実施形態において5%を超える)場合にPVAの非加水分解(酢酸ビニル)単位が芯粒子の表面との有効な疎水性結合をもたらすことができ、さらに被覆粒子の表面に存在するPVAの親水性(ビニルアルコール)単位がそれらを親水性にし、粘液との付着相互作用から被覆粒子を遮蔽することができると考えられる。
(例3)
以下に特定のポリ(ビニルアルコール)ポリマー(PVA)の存在下でナノ粉砕により粘液侵入性非重合体固体粒子を形成する方法の非限定的な例を述べる。モデル疎水性化合物であるピレンをナノ粉砕により処理される芯粒子として用いた。PVAは、芯粒子の粒径の減少を促進するナノ粉砕助剤および芯粒子の周囲のコーティングを形成する表面改変剤としての役割を果たした。粘液に侵入するナノ粉砕粒子の有効性を判定するために種々の分子量(MW)および加水分解度のPVAを評価した。
ピレンを種々のPVAの存在下で水性分散液中でナノ粉砕して、特定のMWおよび加水分解度のPVAが1)数百ナノメートルへの粒径の減少を促進し、2)粘液成分と粒子との相互作用を最小限にし、粘液付着を妨げるような粘液不活性コーティングにより得られたナノ粒子の表面を物理的に(非共有結合により)被覆することができるかどうかを判定した。これらの実験では、PVAは、芯粒子の周囲のコーティングとしての役割を果たしており、得られた粒子を粘液中のそれらの可動性について試験した。試験したPVAは、平均分子量が2kDa〜130kDa、平均加水分解度が75%〜99+%の範囲にあった。試験したPVAを上で示した表1に示す。ポリビニルピロリドン(Kollidon)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Methocel)、Tween、Spanなどの薬学的に適切な賦形剤を含む、表6に示す様々な他のポリマー、オリゴマーおよび小分子を同様に試験した。
ピレンおよび上述の安定剤/表面改変剤のうちの1種を含む水性分散液を、粒径が500nm未満に減少するまで(動的光散乱法により測定)粉砕媒体とともに撹拌した。表7に様々な安定剤/表面改変剤の存在下でナノ粉砕することにより得られたピレン粒子の粒径特性を示す。Span20、Span80またはオクチルグルコシドを安定剤/表面改変剤として用いた場合、安定なナノ懸濁液を得ることができなかった。したがって、これらの安定剤/表面改変剤は、粒径の減少を効果的に促進することができないため、さらなる検討から除外した。
ヒト子宮頸膣粘液(CVM)中の生成したピレンナノ粒子の可動性および分布を蛍光顕微鏡および多粒子追跡ソフトウエアを用いて明らかにした。一般的な実験では、≦0.5uLのナノ懸濁液(必要な場合、界面活性剤濃度の約1%に希釈)を20μLの新鮮なCVMに対照とともに加えた。通常のナノ粒子(Invitrogen製の200nm黄緑色蛍光カルボン酸修飾ポリスチレンマイクロスフェア)を、CVM試料のバリア特性を確認するための陰性対照として用いた。PEG5kDaを共有結合により被覆した赤色蛍光ポリスチレンナノ粒子を、安定したMPP挙動を有する陽性対照として用いた。CCDカメラを装着した蛍光顕微鏡を用いて、各種類の粒子の各試料、すなわち、試料(ピレン)、陰性対照および陽性対照内の数箇所のエリアについて100倍の倍率のもとに66.7m秒の時間分解能で15秒の動画(15コマ/秒)を記録した(ピレンの天然青色蛍光がピレンナノ粒子を対照と別個に観察することを可能にした)。次に、高度な画像処理ソフトウエアを用いて、複数の粒子の個々の軌跡を少なくとも3.335秒(50コマ)の時間スケールにわたって測定した。得られる輸送データは、軌跡平均速度Vmean、すなわち、その軌跡にわたって平均した個々の粒子の速度、および集合体平均速度<Vmean>、すなわち、粒子の集合体にわたって平均したVmeanの形でここに示す。異なる試料間の容易な比較を可能にし、CVM試料の貫通性の自然変動に関して速度データを標準化するために、集合体平均(絶対)速度を式1に示す式により相対試料速度<Vmeanrelに変換した。
ピレン粒子の可動性を定量化する前に、粘液試料中のそれらの空間分布を視覚的に評価した。ピレン/Methocelナノ懸濁液は、CVM中で均一な分布を達成せず、粘液メッシュサイズよりはるかに大きい領域に著しく凝集した(データは示さず)ことが認められた。そのような凝集は、粘液付着挙動を示唆するものであり、粘液侵入を効果的に妨げる。したがって、粒子の可動性のさらなる定量的解析は、不必要であると考えられた。陽性対照と同様に、すべての他の供試ピレン/表面改変剤系は、CVM中でかなり均一な分布を達成した。複数の粒子の追跡により、すべての供試CVM試料中で陰性対照は、束縛されたが、陽性および陰性対照の<Vmean>の差によって実証された(表8)ように、陽性対照は、可動性であったことが確認された。
特定(ただし、興味深いことに、すべてとは限らない)のPVAの存在下で得られたナノ粒子が陽性対照と同じ速度またはほぼ同じ速度でCVM中を輸送されたことが発見された。具体的には、PVA2K75、PVA9K80、PVA13K87、PVA31K87、PVA85K87およびPVA130K87で安定化したピレンナノ粒子は、表8および図7Aに示すように、陰性対照のものを有意に超え、陽性対照のものと実験誤差範囲内で区別できなった<Vmean>を示した。これらの試料について、<Vmeanrel値は、図7Bに示すように、0.5を超えていた。
他方で、PVA95K95、PVA13K98、PVA31K98およびPVA85K99を含む他の安定剤/表面改変剤を用いて得られたピレンナノ粒子は、0.5以下、ほとんどの安定剤/表面改変剤について0.4以下のそれぞれの<Vmeanrel値(表8および図7B)によって実証されたように大部分はまたは完全に固定化していた。さらに、図8A〜8Fは、粒子の集合体内のVmeanの分布を示すヒストグラムである。これらのヒストグラムは、PVA31K98、PVA85K99、Kollidon25およびKollicoat IRで安定化した試料(代表的な粘液付着性試料として選択)の粘液付着挙動と対照的に、PVA2K75およびPVA9K80で安定化した試料の粘液拡散挙動を示している(PVA13K87、PVA31K87、PVA85K87およびPVA130K87で安定化した試料について同様なヒストグラムが得られたが、ここでは示さない)。
ピレンナノ結晶を粘液侵入性にするPVAの特性を確認するために、種々のPVAで安定化したピレンナノ結晶の<Vmeanrelを、用いたPVAのMWおよび加水分解度に対してマッピングした(図9)。95%未満の加水分解度を有する少なくともそれらのPVAがナノ結晶を粘液侵入性にしたと結論された。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、PVAにおける非加水分解セグメントの含有率が十分である(例えば、いくつかの実施形態において5%を超える)場合にPVAの非加水分解(酢酸ビニル)セグメントが芯粒子の表面との有効な疎水性結合をもたらすことができ、さらに被覆粒子の表面に存在するPVAの親水性(ビニルアルコール)セグメントがそれらを親水性にし、粘液との付着相互作用から被覆粒子を遮蔽することができると考えられる。
(例4)
本非限定的例は、表面改変剤として、Pluronic(登録商標)F127、Tween80(登録商標)、またはPVAを含有するLE MPPは、Lotemax(登録商標)と比較して、ウサギにおけるLEの改善された曝露を示したことを実証する。
LEの曝露を向上させるLE MPPの能力が、表面改変剤としてのF127のLE MPP中への包含に限定されないことを実証するために、さらに2種の表面改変剤:Tween80(登録商標)およびポリビニルアルコール(PVA)を試験した。Tween80(登録商標)は、頭部基を形成するペグ化ソルビタンと、アルキルテイルとからなるFDA認可された表面改変剤である。Tween80(登録商標)は、とりわけ、オリゴマー性であること、したがって分子量が有意に低いという点で、一連の他の表面改変剤(例えば、F127およびPVA)とは異なる。PVAは、例えば、ポリ酢酸ビニルを部分的に加水分解し、ポリ酢酸ビニルおよびポリビニルアルコールのランダムコポリマーを作り出すことによって生成される、FDA認可されたポリマーである。PVAは、とりわけ、PEGを含有していないという点で、一連の他の表面改変剤(例えば、F127およびTween80(登録商標))とは異なる。先に、一部のPVAは粘液浸透を可能にするが、他のPVAはそうでないことを示した。この区別された粘液浸透挙動は、PVAの分子量および加水分解の程度により制御し得る。これらの実験からの結果に基づき、約2kDaの分子量を有し、約75%加水分解されたPVAが、LE MPPの粘液浸透特性の実験に対して選択された。
LE MPPを形成するため、本明細書に記載されているような微粉砕手順を利用した。一組の実験において、LEを含有する水性分散液およびF127、Tween80(登録商標)、およびPVA(2kDa、75%加水分解)から選択される1種の表面改変剤を粉砕媒体と共に微粉砕し、動的光散乱で測定した場合、粒径が約300nm未満に減少するまでこれを続けた。以前に記述された特徴付け方法に基づき、ヒト頸膣部粘液中で粘液移動性を特徴付けた。すべて3種のLE MPP(すなわち、LE−F127、LE−Tween80、およびLE−PVA)が粘液浸透特性を示した(図10)。
インビボにおいて、ニュージーランド白ウサギへの、3種のLE MPPのうちのそれぞれ1種の単回の点眼は、同様に投与した用量のLotemax(登録商標)からのLEレベルより有意に高い、ウサギ角膜中LEレベルをもたらした(図10)。これらの結果は、薬物を含有するMPP、組成物、および/または配合物が、粒子の粘液浸透特性に基づき、薬物の曝露を向上することを実証している。
(例5)
以下の非限定的例は、エタボン酸ロテプレドノール(LE)をコア材として含む粘液浸透粒子の生成において、異なる表面改変剤(例えば、ポリ(ビニルアルコール)(PVA))の査定について記載している。
本例において、比較的疎水性の医薬品であるLEは、表面改変剤としての様々な種類のPVAの存在下で、微粉砕媒体と共に水性懸濁剤として微粉砕された。分子量(MW)および加水分解の程度を含めた、試験したPVAの特徴を表9に列挙する。LE粒子が均一に小さくなるまで、すなわち、動的光散乱で測定した場合(DLS)、Z−平均直径(D)≦500nmおよび多分散指数(PDI)<0.20となるまで微粉砕工程を行った。LEナノ粒子に対する、DLSで測定した、生成された粒径および多分散指数もまた表9に列挙されている。
生成されたナノ懸濁液由来のLEナノ粒子粘液浸透能力を、再構成した頸膣部粘液(CVM)(例2において記載されている通り)において高分解能暗視野顕微鏡により特徴付けた。典型的な試料調製物中で、20μLの再水和されたCVMおよび5%w/vのLEのナノ粒子濃度での0.5μLのナノ懸濁液を顕微鏡スライド上に堆積させた。DPPCまたはDPPC+2PEG−PE中で微粉砕したLEの場合、1%w/vのLEの濃度での1μLのナノ懸濁液を使用した。15秒の長さおよび一時的な解像度66.7ms(15フレーム/秒)で、高い倍率(100×)での暗視野顕微鏡下、粘液試料内の無作為抽出領域のビデオを撮った。記録したビデオの中で、十分に確立した陽性対照(Pluronic(登録商標)F127中で微粉砕したLEナノ粒子、「移動性」または「粘液浸透性」)および陰性対照(SDS中で微粉砕したLEナノ粒子、「移動性がない」または「粘液浸透性でない」)に対して、粒子の動きの程度(すなわち、粒子全体の速度および移動性であるようにみえる粒子の量)を目視により比較することによって、ビデオにおけるLEナノ粒子の移動性を判定し、それぞれ「移動性」および「移動性がない」に分類した。
LEナノ結晶に粘液浸透性を付与するPVAの特徴を特定するために、様々なPVAと共に微粉砕することによって得られたLEナノ粒子に対して移動性を、使用したPVAのMWおよび加水分解程度に対してマッピングした(図11)。加水分解程度>95%および分子量>31kDaの両方の特性を有するこれらのPVAは、安定したナノ結晶または粘液浸透性であるものを生成することができなかったことが観察された。いかなる理論にも拘束されることを望むことなく、PVAの非加水分解性セグメント(酢酸ビニル)は、PVA中のこれらのセグメントの含有量が十分である場合(例えば、一部の実施形態では2%以上)、芯粒子の表面との効果的な疎水性連結を提供することができる;その一方で、コーティングした粒子表面に存在するPVAの親水性セグメント(ビニルアルコール)は、コーティングした粒子に親水性を付与し、コーティングした粒子を、粘液との接着性の相互作用から遮蔽することができると考えられている。結果は、次の表面改変剤:PVA2K75、PVA13K87、PVA31K87、PVA31K98、PVA85K87、およびPVA130K87がLEナノ粒子を粘液浸透性にすることを示唆している。
他の実施形態
本発明のいくつかの実施形態が本明細書中に記載され、例示されてきたが、当業者であれば、機能を実施するための、ならびに/または結果および/もしくは本明細書に記載されている利点のうちの1つもしくは複数を得るための様々な他の手段および/または構造を容易に想定し、このような変形および/または修正のそれぞれは、本発明の範囲内であるとみなされる。さらに一般的には、当業者は、本明細書に記載されているすべてのパラメーター、寸法、物質、および構成は例示的であることが意図されており、実際のパラメーター、寸法、物質、および/または構成は、本発明の教示が使用される特定の適用(複数可)に依存することになることを容易に理解されよう。当業者であれば、慣用的試験だけを使用して、本明細書に記載されている本発明の特定の実施形態に対する多くの同等物を認識する、または確かめることができる。したがって、上に列挙した実施形態は、例としてのみ提示され、添付の特許請求の範囲およびこの同等物の範囲内で、具体的に記載され、特許請求されたものとは他のやり方で本発明を実施することができることが理解されるものとする。本発明は、本明細書に記載されているそれぞれ個々の特徴、システム、物品、物質、キット、および/または方法を対象とする。さらに、2種以上のこのような特徴、システム、物品、物質、キット、および/または方法のあらゆる組合せは、このような特徴、システム、物品、物質、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、本発明の範囲内に含まれる。
不定冠詞「a」および「an」は、本明細書の明細書および特許請求の範囲の中で使用する場合、反対であると明らかに示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
「および/または」という句は、本明細書中の明細書および特許請求の範囲において使用する場合、要素の「いずれかまたは両方」がこのように結合したことを意味する、すなわち、ある場合には接続的に存在する要素であり、他の場合には、非接続的に存在すると理解されるべきである。反対であると明らかに示されていない限り、具体的に特定されたような要素と関連しているか、または関連していないかに関わらず、「および/または」節により具体的に特定された要素以外の他の要素が存在してもよい。したがって、非限定的例として、「Aおよび/またはB」の言及は、「含む」などの制限のない言語と関連して使用された場合、一実施形態では、Bを含まないA(B以外の要素を含んでもよい);別の実施形態では、Aを含まないB(A以外の要素を含んでもよい);さらに別の実施形態では、AとBの両方(他の要素を含んでもよい)などを指すことができる。
明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用する場合、「または」は、上記に定義されたような「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内のアイテムを分離する場合、「または」または「および/または」はすべてを含むと解釈されるものとし、すなわち、数字のうちの、または要素のリストのうちの少なくとも1つを包含するばかりでなく、1つより多くも含み、さらなる列挙されていないアイテムも含んでもよい。明らかに反対を示す唯一の用語、例えば、「〜のうちの1つのみ」または「〜のうちの正確に1つ」または、特許請求の範囲で使用された場合、「からなる」は、数字または要素のリストのうちの正確に1つの要素の包含を指すことになる。一般的に、「または」という用語は、本明細書で使用する場合、排他的用語、例えば、「いずれか」「〜のうちの1つ」「〜のうちの1つのみ」または「正確に1つの」などに先行された場合、排他的代替形態(すなわち「どれか一方であり両方ではない」)を示すように解釈されるものとする。「から基本的になる」が特許請求の範囲内で使用された場合、特許法律の分野で使用されているその通常の意味を有するべきである。
本明細書の明細書および特許請求の範囲で使用する場合、「少なくとも1つの」という句は、必ずしも、要素のリスト内に具体的に列挙されたそれぞれおよびすべての要素の少なくとも1つを含むわけではなく、要素のリストの中の要素のいずれの組合せも除外せずに、1種または複数の要素のリストに関連して、要素のリストの中の要素のうちのいずれか1種または複数から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解すべきである。この定義はまた、具体的に特定されたこれらの要素と関連しているか、または関連していないかに関わらず、「少なくとも1つの」という句が指す要素のリスト内に具体的に特定された要素以外の要素が存在してもよいことを可能にする。したがって、非限定的例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または、同等に、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」または、同等に「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bは存在せずに、少なくとも1つのA(1つより多くのAを含んでもよい)を指すことができ(B以外の要素を含んでもよい);別の実施形態では、Aは存在せずに、少なくとも1つのB(1つより多くのBを含んでもよい)を指すことができ(A以外の要素を含んでもよい);さらに別の実施形態では、少なくとも1つのA(1つより多くのAを含んでもよい)および少なくとも1つのB(1つより多くのBを含んでもよい)を指すことができる(他の要素を含んでもよい)。
特許請求の範囲、ならびに上記明細書の中で、すべてのつなぎ言葉、例えば、「含む(comprising)」「含む(including)」、「保持する」、「有する」、「含有する」、「含む(involving)」「保持する(holding)」などは制限のない、すなわち、これらを含むが、これらに限定されないことを意味することを理解されたい。唯一のつなぎ言葉「からなる」および「から本質的になる」は、それぞれ閉じられたまたは半ば閉じられたつなぎ言葉であるものとし、United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures, Section 2111.03に示されている通りである。
[付記]
[付記1]
複数の被覆された粒子を含む組成物であって、被覆された粒子のそれぞれが、
医薬品またはその塩を含む芯粒子、および
芯粒子を取り囲む表面改変剤を含むコーティング
を含有し、
表面改変剤が、ポリマー主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーを含み、前記ポリマーが、少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、前記ポリマーが、少なくとも約30%かつ約95%未満加水分解されており、
前記被覆された粒子が粘液中で0.5を超える相対速度を有する、組成物。
[付記2]
複数の被覆された粒子を含む組成物を粘液または粘液膜に送達することを含む方法であって、前記被覆された粒子が、
医薬品またはその塩を含む芯粒子、および
芯粒子を取り囲む表面改変剤を含むコーティング
を含有し、
前記表面改変剤が、ポリマー主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーを含み、前記ポリマーが、少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、前記ポリマーが、少なくとも約30%かつ約95%未満加水分解されており、
前記被覆された粒子が粘液中で0.5を超える相対速度を有する、方法。
[付記3]
複数の芯粒子を表面改変剤で被覆して被覆された粒子を形成することを含む、前記被覆された粒子の形成方法であって、
前記表面改変剤が、ポリマー主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーを含み、前記ポリマーが、少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、前記ポリマーが、少なくとも約30%かつ約95%未満加水分解されており、
前記芯粒子のそれぞれが、医薬品またはその塩を含み、
前記被覆された粒子が粘液中で0.5を超える相対速度を有する、方法。
[付記4]
表面改変剤が、芯粒子に共有結合で結合している、付記1から3のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記5]
表面改変剤が、芯粒子に非共有結合で吸着している、付記1から4のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記6]
合成ポリマーが、ポリビニルアルコールである、付記1から5のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記7]
表面改変剤が、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する直鎖ポリマーを含む、付記1から6のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記8]
ポリマーが、少なくとも約2kDa、少なくとも約5kDa、少なくとも約10kDa、少なくとも約20kDa、少なくとも約50kDa、少なくとも約80kDa、少なくとも約100kDa、または少なくとも約120kDaの分子量を有する、付記1から7のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記9]
ポリマーが、約200kDa以下、約180kDa以下、約150kDa以下、約130kDa以下、約100kDa以下、約80kDa以下、約50kDa以下、または約30kDa以下の分子量を有する、付記1から8のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記10]
ポリマーが、少なくとも約40%加水分解されている、少なくとも約50%加水分解されている、少なくとも約60%加水分解されている、少なくとも約70%加水分解されている、少なくとも約80%加水分解されている、または少なくとも約90%加水分解されている、付記1から9のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記11]
ポリマーが、約94%未満、約90%未満、約85%未満、または約80%未満加水分解されている、付記1から10のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記12]
表面改変剤が、被覆ステップ中の溶液中に存在し、医薬品またはその塩が、25℃で溶液中で約1mg/mL未満の溶解度を有する、付記1から11のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記13]
芯粒子のそれぞれが、固体結晶性医薬品またはその塩を含む、付記1から12のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記14]
芯粒子のそれぞれが、固体非晶性医薬品またはその塩を含む、付記1から13のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記15]
芯粒子のそれぞれが、固体医薬品の塩を含む、付記1から14のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記16]
芯粒子のそれぞれが、ポリマー、脂質、タンパク質、またはこれらの組合せ中に封入された医薬品またはその塩を含む、付記1から15のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記17]
医薬品が、治療用薬剤または診断用薬剤の少なくとも1種である、付記1から16のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記18]
医薬品が、小分子、ペプチド、ペプチド模倣体、タンパク質、核酸、または脂質の少なくとも1種である、付記1から17のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記19]
医薬品またはその塩が、25℃で約5mg/mL以下、約1mg/mL以下、または約0.1mg/mL以下の水溶性を有する、付記1から18のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記20]
医薬品が、芯粒子の少なくとも約50重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、または少なくとも約99重量%を構成する、付記1から19のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記21]
芯粒子が、少なくとも約50nm、または少なくとも約100nm、かつ1μm以下の平均サイズを有する、付記1から20のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記22]
被覆された粒子が、少なくとも約50nm、または少なくとも約100nm、かつ1μm以下の平均サイズを有する、付記1から21のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記23]
被覆された粒子が、粘液中で0.6、0.7、0.8、0.9または1.0を超える相対速度を有する、付記1から22のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記24]
粘液がヒト子宮頸膣粘液である、付記1から23のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記25]
付記1から24のいずれか1つに記載の組成物および1種または複数の薬学上許容される担体を含む医薬組成物。
[付記26]
粘液膜への吸入、注射、または局所投与に適し、付記1から25のいずれか1つに記載の組成物を含む医薬製剤。
[付記27]
芯粒子を実質上同時に形成し被覆することを含む、付記1に記載の方法。
[付記28]
表面改変剤を含む溶液中で粉砕することによって芯粒子を形成することを含む、付記1から27のいずれか1つに記載の方法。
[付記29]
粉砕媒体を、芯粒子、および表面改変剤を含む溶液と組み合わせるステップをさらに含む、付記1から28のいずれか1つに記載の方法。
[付記30]
粉砕媒体を使用して芯粒子のサイズを縮小するステップをさらに含む、付記1から29のいずれか1つに記載の方法。
[付記31]
表面改変剤が、被覆ステップ中の溶液中に、または組成物中に、少なくとも約0.01%(重量/容積)、少なくとも約0.05%(重量/容積)、少なくとも約0.1%(重量/容積)、少なくとも約0.3%(重量/容積)、少なくとも約0.5%(重量/容積)、または少なくとも約1.0%(重量/容積)の濃度で存在する、付記1から30のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記32]
組成物が、約0.5以下、約0.3以下、又は約0.2以下のPDIを有する、付記1から31のいずれか1つに記載の方法または組成物。
[付記33]
組成物が、約0.1以上かつ約0.5以下、約0.1以上かつ約0.3以下、または約0.1以上かつ約0.2以下のPDIを有する、付記1から32のいずれか1つに記載の方法または組成物。

Claims (23)

  1. 複数の粘液浸透性被覆ナノ粒子を含む組成物であって、前記被覆ナノ粒子のそれぞれが、
    医薬品またはその塩を含む芯粒子、および
    前記芯粒子を取り囲む表面改変剤から実質的になるコーティング
    を含有する粘液浸透性被覆ナノ粒子であって、
    前記芯粒子が、実質的にポリマー成分を含まず、
    前記医薬品またはその塩が、前記芯粒子の少なくとも約80重量%を構成し、
    前記表面改変剤が、ポリビニルアルコールポリマーであり、前記ポリ(ビニルアルコール)ポリマーが、少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、前記ポリ(ビニルアルコール)ポリマーが、少なくとも約30%かつ約95%未満加水分解度を有し
    前記ポリ(ビニルアルコール)ポリマーが、約0.01重量%〜約5重量%の間の量で、前記組成物中に存在し、
    前記粘液浸透性被覆ナノ粒子が粘液中で0.5を超える相対速度を有する、組成物。
  2. 前記表面改変剤が、前記芯粒子に共有結合で結合している、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記表面改変剤が、前記芯粒子に非共有結合で吸着している、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記ポリ(ビニルアルコール)ポリマーが、少なくとも約2kDa、少なくとも約5kDa、少なくとも約10kDa、少なくとも約20kDa、少なくとも約50kDa、少なくとも約80kDa、少なくとも約100kDa、または少なくとも約120kDaの分子量を有する、請求項1からのいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記ポリ(ビニルアルコール)ポリマーが、約200kDa以下、約180kDa以下、約150kDa以下、約130kDa以下、約100kDa以下、約80kDa以下、約50kDa以下、または約30kDa以下の分子量を有する、請求項1からのいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記ポリ(ビニルアルコール)ポリマーが、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%加水分解度を有する、請求項1からのいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記ポリ(ビニルアルコール)ポリマーが、約94%未満、約90%未満、約85%未満、または約80%未満加水分解度を有する、請求項1からのいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記芯粒子のそれぞれが、前記医薬品の塩を含む、請求項1からのいずれか1項に記載の組成物。
  9. 前記医薬品またはその塩が、25℃で約5mg/mL以下、約1mg/mL以下、または約0.1mg/mL以下の水溶性を有する、請求項1からのいずれか1項に記載の組成物。
  10. 組成物が、約0.5以下、約0.3以下、又は約0.2以下の多分散性指数(PDIを有する、請求項1からのいずれか1項に記載の組成物。
  11. 組成物が、約0.1以上かつ約0.5以下、約0.1以上かつ約0.3以下、または約0.1以上かつ約0.2以下のPDIを有する、請求項1から10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 前記医薬品が、芯粒子の少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、または少なくとも約99重量%を構成する、請求項1から11のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 前記被覆ナノ粒子が、少なくとも約50nm、または少なくとも約100nm、かつ1μm以下の平均サイズを有する、請求項1から12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 前記被覆ナノ粒子が、粘液中で0.6、0.7、0.8、0.9または1.0を超える相対速度を有する、請求項1から13のいずれか1項に記載の組成物。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載の組成物および1種または複数の薬学上許容される担体を含む医薬組成物。
  16. 粘膜表面への吸入、注射、または局所投与に適し、請求項1から14のいずれか1項に記載の組成物又は請求項15に記載の医薬組成物を含む医薬製剤。
  17. 複数の芯粒子を表面改変剤で被覆して被覆ナノ粒子を形成する被覆工程を含み、
    前記表面改変剤が、ポリビニルアルコールポリマーを含み、前記ポリ(ビニルアルコール)ポリマーが、少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、前記ポリ(ビニルアルコール)ポリマーが、少なくとも約30%かつ約95%未満加水分解度を有し
    前記芯粒子のそれぞれが、医薬品またはその塩を含み、
    前記被覆ナノ粒子が粘液中で0.5を超える相対速度を有する、
    請求項1から14のいずれか1項に記載の組成物、請求項15に記載の医薬組成物、又は請求項16に記載の医薬製剤の形成方法。
  18. 前記表面改変剤が、前記被覆工程中の溶液中に存在し、前記医薬品またはその塩が、25℃で溶液中で約1mg/mL未満の溶解度を有する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記被覆工程において、前記芯粒子の形成と被覆とが実質上同時に行われる、請求項17又は18に記載の方法。
  20. 前記表面改変剤を含む溶液中で粉砕することによって前記芯粒子を形成することを含む、請求項17から19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 粉砕媒体を、前記表面改変剤を含む溶液および前記芯粒子と組み合わせる工程をさらに含む、請求項17から20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 粉砕媒体を使用して前記芯粒子のサイズを縮小する工程をさらに含む、請求項17から21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記表面改変剤が、前記被覆工程中の溶液中に、少なくとも約0.01%(重量/容積)、少なくとも約0.05%(重量/容積)、少なくとも約0.1%(重量/容積)、少なくとも約0.3%(重量/容積)、少なくとも約0.5%(重量/容積)、または少なくとも約1.0%(重量/容積)の濃度で存在する、請求項17から22のいずれか1項に記載の方法。
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