JP6815603B2 - ジナフトチオフェン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

ジナフトチオフェン誘導体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規なジナフトチオフェン誘導体及びその製造方法に関する。
ジナフト[2,1−b:1’,2’−d]チオフェン(単に、ジナフトチオフェンともいう)は、硫黄原子及び芳香族環を含むため、高い屈折率を示すことが知られている。
例えば、特許第5240798号公報(特許文献1)には、ジナフトチオフェン化合物又はジナフトチオフェン骨格を主鎖若しくは側鎖に有する重合体を含む屈折率向上剤が記載されている。しかし、ジナフトチオフェン化合物は、溶媒(特に、水性溶媒など)に対する溶解性が極めて低いことから、その利用が著しく制限されている。
なお、特許文献1には、ジナフトチオフェン化合物は、スルホ基(又はスルホン酸基)などの種々の置換基を有していてもよいことが記載されているものの、スルホン酸基を有するジナフトチオフェン誘導体、特に、所定の置換位置にスルホン酸基を有するジナフトチオフェン誘導体及びその製造方法については具体的に記載されていない。
特許第5240798号公報(特許請求の範囲、[0031][0038]、実施例)
従って、本発明の目的は、溶媒に対する溶解性と、高い屈折率とを両立できる新規ジナフトチオフェン誘導体及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、水性溶媒に対する溶解性に優れる新規ジナフトチオフェン誘導体及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、特定のジナフトチオフェン誘導体を、高い生成率[転化率(又は反応率)及び選択率]で製造できる方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ジナフトチオフェンの特定の置換位置に特定の置換基を有する新規ジナフトチオフェン誘導体は、溶媒(特に、水性溶媒)に対する溶解性と高い屈折率とを両立できること、特定の方法でスルホン化することにより、高い転化率及び選択率で調製できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明のジナフトチオフェン誘導体は、下記式(1)で表される化合物又はその塩である。
Figure 0006815603
[式中、Xは硫黄原子又はスルホニル基、Rは基−SOY(式中、Yはヒドロキシル基、(ポリ)アルコキシ基、アミノ基又は置換アミノ基を示す)、kは0又は1、Rはそれぞれアルキル基又はアルコキシ基、m1及びm2はそれぞれ0又は1、n1及びn2はそれぞれ0〜4の整数、p1及びp2はそれぞれ0又は1、数字1〜13は位置番号を示し、n1+p1及びn2+p2はそれぞれ0〜4の整数である]。
前記式(1)において、Xは硫黄原子、各RにおけるYはそれぞれヒドロキシル基、C1−4アルコキシ基、アミノ基、(モノ又はジ)C1−4アルキルアミノ基又は(モノ又はジ)C6−12アリールアミノ基(特に、ヒドロキシル基、C1−2アルコキシ基、アミノ基、(モノ又はジ)C1−2アルキルアミノ基又は(モノ又はジ)C6−10アリールアミノ基)、各RはそれぞれC1−4アルキル基又はC1−4アルコキシ基、m1及びm2はそれぞれ0、n1及びn2はそれぞれ0〜2の整数(特に、0)、p1及びp2はそれぞれ0であってもよい。前記化合物又はその塩は、水性溶媒に溶解可能であり、かつ温度25℃、波長633nmにおける屈折率が1.63〜1.77であってもよい。
また、本発明は、ジナフトチオフェン化合物と、スルホン化剤とを、スルホン類(特に、スルホラン)、ニトリル類及びカルボン酸類から選択された少なくとも1種を含む溶媒中で反応させて、前記式(1)において、各RにおけるYがヒドロキシル基である化合物又はその塩を製造する方法も包含する。前記スルホン化剤は、クロロスルホン酸及び/又は発煙硫酸を含んでいてもよい。ジナフトチオフェン化合物と、スルホン化剤との割合は、前者/後者(モル比)=1/0.7〜1/20程度であってもよい。
本発明は、前記方法で生成した化合物(前記式(1)において、Yがヒドロキシル基である化合物)とエステル化剤(例えば、オルトギ酸トリエステルなど)とを反応させ、前記式(1)において、各RにおけるYが(ポリ)アルコキシ基である化合物を製造する方法;及び前記方法で生成した化合物(前記式(1)において、Yがヒドロキシル基である化合物)とチオニルハライドとを反応させ、前記式(1)において、Yがハロゲン原子である化合物を生成し、この化合物とアミン類とを反応させ、前記式(1)において、各RにおけるYがアミノ基又は置換アミノ基である化合物を製造する方法も含む。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「ジナフトチオフェン」は、ジナフト[2,1−b:1’,2’−d]チオフェンの意味に用いる。また、「アミン類」は、アンモニアを含む意味に用いる。さらに、「(ポリ)アルコキシ」は、アルコキシ基とポリアルコキシ基の双方を含む意味に用いる。
本発明では、新規ジナフトチオフェン誘導体が、特定の位置に特定の置換基を有するため、溶媒(特に、水性溶媒)に対する溶解性と、高い屈折率とを両立できる。このような新規ジナフトチオフェン誘導体は、ジナフトチオフェン化合物を特定の溶媒中でスルホン化剤と反応させることにより、高い転化率(又は反応率)及び選択率で製造できるため、高収率で得ることができる。
[新規ジナフトチオフェン誘導体及びその特性]
本発明の新規ジナフトチオフェン誘導体は、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 0006815603
[式中、Xは硫黄原子又はスルホニル基、Rは基−SOY(式中、Yはヒドロキシル基、(ポリ)アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子を示す)、kは0又は1、Rはそれぞれ置換基、m1及びm2はそれぞれ0又は1、n1及びn2はそれぞれ0〜4の整数、p1及びp2はそれぞれ0又は1、数字1〜13は位置番号を示し、n1+p1及びn2+p2はそれぞれ0〜4の整数である]。
前記式(1)において、高い屈折率を有し、かつ着色(又は黄変)を抑制できる観点からは、Xは硫黄原子であるのが好ましく、溶解性を向上する観点からは、Xはスルホニル基であるのが好ましい。通常、Xは硫黄原子であってもよい。
基Rで表される基−SOYにおいて、基Yの(ポリ)アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、t-ブトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルコキシ基、;ポリエトキシ基などのポリC2−6アルコキシ基などが挙げられる。好ましい(ポリ)アルコキシ基としては、アルコキシ基、好ましくはC1−4アルコキシ基、さらに好ましくはC1−2アルコキシ基(特に、メトキシ基)などが挙げられる。
基Yの置換アミノ基としては、N−モノ置換アミノ基とN,N−ジ置換アミノ基とに大別できる。N−モノ置換アミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基などのN−C1−6アルキルアミノ基(好ましくはN−C1−4アルキルアミノ基、さらに好ましくはN−C1−2アルキルアミノ基);フェニルアミノ基、(アルキルフェニル)アミノ基[例えば、トリルアミノ基(例えば、p−トリルアミノ基など)、キシリルアミノ基など]、ビフェニリルアミノ基、ナフチルアミノ基(例えば、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基など)などのN−C6−12アリールアミノ基(好ましくはN−C6−10アリールアミノ基、さらに好ましくはN−C6−8アリールアミノ基)などが挙げられる。
N,N−ジ置換アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのN,N−ジC1−6アルキルアミノ基(好ましくはN,N−ジC1−4アルキルアミノ基、さらに好ましくはN,N−ジC1−2アルキルアミノ基);ジフェニルアミノ基、ジ(アルキルフェニル)アミノ基(例えば、ジトリルアミノ基、ジキシリルアミノ基など)、ジビフェニリルアミノ基、ジナフチルアミノ基などのN,N−ジC6−12アリールアミノ基(好ましくはN,N−ジC6−10アリールアミノ基、さらに好ましくはN,N−ジC6−8アリールアミノ基)などが挙げられる。なお、N−モノ置換アミノ基及びN,N−ジ置換アミノ基において、アミノ基に置換するアリール基は、アルキル基(例えば、メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基、好ましくはC1−2アルキル基など)に置換されていてもよい。
基Yのハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、好ましくは塩素原子であってもよい。
これらの基Yは、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。これらの基Yのうち、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基又は置換アミノ基が好ましく、なかでも、ヒドロキシル基、C1−4アルコキシ基、アミノ基、(モノ又はジ)C1−4アルキルアミノ基又は(モノ又はジ)C6−12アリールアミノ基(特に、ヒドロキシル基、C1−2アルコキシ基、アミノ基、(モノ又はジ)C1−2アルキルアミノ基又は(モノ又はジ)C6−10アリールアミノ基)が好ましい。また、基Yは、ジナフトチオフェン誘導体に要求される特性に応じて選択してもよく、例えば、水性溶媒に対する溶解性が必要な用途では、ヒドロキシル基が好ましく、高い屈折率が必要な用途では、屈折率の低下を有効に抑制し易い点から、アルコキシ基、アミノ基又は置換アミノ基(好ましくはアルコキシ基又はアミノ基、特にアミノ基)が好ましい。なお、置換基数が増加すると、通常、屈折率が低下する傾向にあるが、基Yがアルコキシ基である場合、意外なことに置換基数が増加すると屈折率が向上する場合がある。さらに、ジナフトチオフェン誘導体が複数の基−SOYを有する場合(k、p1及びp2のうち、少なくとも一つが1である場合)、複数の基Yは、同一又は異なっていてもよく、通常、同一である。
なお、基Yがヒドロキシル基である場合、基−SOY(スルホ基又はスルホン酸基)は塩(又はスルホン酸塩)を形成していてもよい。代表的な塩としては、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩など)、重金属塩、アンモニウム塩などの無機塩;アミン塩(例えば、トリメチルアミン塩などの3級アミン塩、アニリン塩など)、4級アンモニウム塩(例えば、テトラメチルアンモニウム塩などのテトラアルキルアンモニウム塩など)などの有機塩;又はこれらの複塩などが挙げられる。これらの塩のうち、取扱い性の観点から、ナトリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などが好ましい。塩を形成すると、屈折率が低下するおそれがあるが、溶媒に対する溶解性が向上する場合がある。
kは0又は1であり、ジナフトチオフェン誘導体に求める特性に応じて選択してもよく、例えば、溶媒に対する溶解性が必要な用途では、k=1であるのが好ましく、高い屈折率が必要な用途では、k=0であるのが好ましい。
p1及びp2はそれぞれ0又は1であり、溶解性を高める観点からは1であるのが好ましい。p1及び/又はp2が1である場合、基Rは、ジナフトチオフェンの1〜4−位及び10〜13−位のいずれの位置に置換してもよく、例えば、ジナフトチオフェンの3−位及び/又は11−位に置換する場合が多い。また、屈折率を高める観点からは、p1及びp2はそれぞれ0であるのが好ましく、通常、0である場合が多い。
基Rはそれぞれ置換基であり、置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基など);シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基など);アリール基(例えば、フェニル基など);アラルキル基(例えば、ベンジル基など);アルコキシ基(例えば、メトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルコキシ基など);シクロアルキルオキシ基(例えば、シクロヘキシルオキシ基など);アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基など);アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基など);アルコキシアルキル基(例えば、メトキシメチル基など);シクロアルコキシアルキル基(例えば、シクロヘキシルオキシメチル基など);アリールオキシアルキル基(例えば、フェノキシメチル基など);アラルキルオキシアルキル基(例えば、ベンジルオキシメチル基など);ビニル基;アリル基;アリルオキシ基;(メタ)アクリロイルオキシアルキル基[例えば、(メタ)アクリロイルオキシメチル基など];(メタ)アクリロイルオキシアルコキシ基[例えば、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エトキシ基など];スチリル基;グリシジルオキシ基;ヒドロキシル基;ヒドロキシアルキル基[例えば、ヒドロキシメチル基など];ヒドロキシアルコキシ基(例えば、2−ヒドロキシエトキシ基など);ホルミル基;カルボキシル基;アルキルカルボニル基(例えば、メチルカルボニル基など);アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基など);N−アルキルアミノカルボニル基(例えば、N−エチルアミノカルボニル基など);アミノ基;ニトロ基;シアノ基;チオール基;ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など);などが挙げられる。
これらの置換基のうち、アルキル基又はアルコキシ基、なかでも、C1−4アルキル基又はC1−4アルコキシ基(例えば、C1−2アルキル基又はC1−2アルコキシ基など)が好ましい。
基Rの置換数m1及びm2は、それぞれ0又は1であり、特に、0であってもよい。m1及びm2は、互いに同一又は異なっていてもよい。また、基Rの置換数n1及びn2は、それぞれ0〜4の整数であればよく、例えば、0〜3の整数、好ましくは0〜2の整数、さらに好ましくは0又は1(特に、0)であってもよい。n1及びn2は、互いに同一又は異なっていてもよい。n1及びn2が1以上である場合、基Rの置換位置は特に制限されず、ジナフトチオフェン骨格の1〜4−位及び/又は10〜13−位のいずれの位置に置換していてもよい。複数(又は2以上)の基Rが置換する場合、基Rの種類は、それぞれ互いに同一又は異なっていてもよい。m1及びm2並びにn1及びn2の値が小さい(特に、m1及びm2の双方が0であり、かつn1及びn2の双方が0である)と、屈折率の低下を有効に防止しつつ、高い屈折率と溶媒(水性溶媒など)に対する溶解性とをバランスよく両立(又は向上)し易いため好ましい。
また、n1+p1及びn2+p2はそれぞれ0〜4の整数、例えば、0〜3(例えば、1〜3)の整数、好ましくは0〜2の整数、さらに好ましくは0又は1(特に、0)であってもよい。
前記式(1)で表される代表的な化合物としては、例えば、m1及びm2、n1及びn2並びにp1及びp2がそれぞれ0である化合物などが挙げられ、これらの化合物は、基Yの種類に応じて、スルホン酸類(Yがヒドロキシル基)又はその塩、スルホン酸エステル類(Yがアルコキシ基)、スルホニルアミド類(Yがアミノ基)、N置換スルホニルアミド類(Yが置換アミノ基)、スルホニルハライド類(Yがハロゲン原子)に大別できる。
スルホン酸類又はその塩としては、例えば、5−スルホ−ジナフトチオフェン;5,9−ジスルホ−ジナフトチオフェン;及びこれらのスルホン酸類に対応する塩(例えば、ナトリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩など);並びにこれらのスルホン酸類又はその塩に対応するS,S−ジオキシド体[すなわち、前記式(1)において、Xがスルホニル基である化合物]などが挙げられる。
スルホン酸エステル類としては、前記スルホン酸類又はその塩において例示した化合物のスルホ基がアルコキシスルホニル基[例えば、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基などのC1−6アルコキシスルホニル基(好ましくはC1−4アルコキシスルホニル基、さらに好ましくはC1−2アルコキシスルホニル基)など]である化合物、例えば、5−アルコキシスルホニル−ジナフトチオフェン(例えば、5−メトキシスルホニル−ジナフトチオフェン、5−エトキシスルホニル−ジナフトチオフェンなどの5−C1−6アルコキシスルホニル−ジナフトチオフェンなど);5,9−ビス(アルコキシスルホニル)−ジナフトチオフェン[例えば、5,9−ビス(メトキシスルホニル)−ジナフトチオフェン、5,9−ビス(エトキシスルホニル)−ジナフトチオフェンなどの5,9−ビス(C1−6アルコキシスルホニル)−ジナフトチオフェンなど];及びこれらの化合物に対応するS,S−ジオキシド体などが挙げられる。
スルホニルアミド類としては、前記スルホン酸類又はその塩において例示した化合物のスルホ基がスルファモイル基である化合物、例えば、5−スルファモイル−ジナフトチオフェン5,9−ジスルファモイル−ジナフトチオフェン、及びこれらの化合物に対応するS,S−ジオキシド体などが挙げられる。
N置換スルホニルアミド類としては、前記スルホン酸類又はその塩において例示した化合物のスルホ基がN置換スルファモイル基[例えば、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基などのN−C1−6アルキルスルファモイル基(好ましくはN−C1−4アルキルスルファモイル基、さらに好ましくはN−C1−2アルキルスルファモイル基);N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基などのN,N−ジC1−6アルキルスルファモイル基(好ましくはN,N−ジC1−4アルキルスルファモイル基、さらに好ましくはN,N−ジC1−2アルキルスルファモイル基);N−フェニルスルファモイル基、N−トリルスルファモイル基(例えば、N−p−トリルスルファモイル基など)、N−キシリルスルファモイル基、N−ビフェニリルスルファモイル基、N−(1−ナフチル)スルファモイル基、N−(2−ナフチル)スルファモイル基などのN−C6−12アリールスルファモイル基(好ましくはN−C6−10アリールスルファモイル基、さらに好ましくはN−C6−8アリールスルファモイル基);N,N−ジフェニルスルファモイル基、N,N−ジトリルスルファモイル基(例えば、N,N−ジ(p−トリル)スルファモイル基など)、N,N−ジキシリルスルファモイル基、N,N−ジビフェニリルスルファモイル基、N,N−ジ(1−ナフチル)スルファモイル基、N,N−ジ(2−ナフチル)スルファモイル基などのN,N−ジC6−12アリールスルファモイル基(好ましくはN,N−ジC6−10アリールスルファモイル基、さらに好ましくはN,N−ジC6−8アリールスルファモイル基)など]である化合物が挙げられる。代表的には、例えば、N−アルキルスルファモイル−ジナフトチオフェン類[例えば、5−(N−メチルスルファモイル)−ジナフトチオフェン、5−(N−エチルスルファモイル)−ジナフトチオフェンなどの5−(N−C1−6アルキルスルファモイル)−ジナフトチオフェン;5,9−ビス(N−メチルスルファモイル)−ジナフトチオフェン、5,9−ビス(N−エチルスルファモイル)−ジナフトチオフェンなどの5,9−ビス(N−C1−6アルキルスルファモイル)−ジナフトチオフェン;及びこれらの化合物に対応するS,S−ジオキシド体など];N,N−ジアルキルスルファモイル−ジナフトチオフェン類[例えば、5−(N,N−ジメチルスルファモイル)−ジナフトチオフェン、5−(N,N−ジエチルスルファモイル)−ジナフトチオフェンなどの5−(N,N−ジC1−6アルキルスルファモイル)−ジナフトチオフェン;5,9−ビス(N,N−ジメチルスルファモイル)−ジナフトチオフェン、5,9−ビス(N,N−ジエチルスルファモイル)−ジナフトチオフェンなどの5,9−ビス(N,N−ジC1−6アルキルスルファモイル)−ジナフトチオフェン;及びこれらの化合物に対応するS,S−ジオキシド体など];N−アリールスルファモイル−ジナフトチオフェン類{例えば、5−(N−フェニルスルファモイル)−ジナフトチオフェン、5−[N−(p−トリル)スルファモイル]−ジナフトチオフェン、5−[N−(2,4−キシリル)スルファモイル]−ジナフトチオフェン、5−[N−(4−ビフェニリル)スルファモイル]−ジナフトチオフェン、5−[N−(1−ナフチル)スルファモイル]−ジナフトチオフェン、5−[N−(2−ナフチル)スルファモイル]−ジナフトチオフェンなどの5−(N−C6−12アリールスルファモイル)−ジナフトチオフェン;5,9−ビス(N−フェニルスルファモイル)−ジナフトチオフェン、5,9−ビス[N−(p−トリル)スルファモイル]−ジナフトチオフェン、5,9−ビス[N−(2,4−キシリル)スルファモイル]−ジナフトチオフェン、5,9−ビス[N−(4−ビフェニリル)スルファモイル]−ジナフトチオフェン、5,9−ビス[N−(1−ナフチル)スルファモイル]−ジナフトチオフェン、5,9−ビス[N−(2−ナフチル)スルファモイル]−ジナフトチオフェンなどの5,9−ビス(N−C6−12アリールスルファモイル)−ジナフトチオフェン;及びこれらの化合物に対応するS,S−ジオキシド体など};N,N−ジアリールスルファモイル−ジナフトチオフェン類{例えば、5−(N,N−ジフェニルスルファモイル)−ジナフトチオフェン、5−[N,N−ジ(p−トリル)スルファモイル]−ジナフトチオフェン、5−[N,N−ジ(2,4−キシリル)スルファモイル]−ジナフトチオフェン、5−[N,N−ジ(4−ビフェニリル)スルファモイル]−ジナフトチオフェン、5−[N,N−ジ(1−ナフチル)スルファモイル]−ジナフトチオフェン、5−[N,N−ジ(2−ナフチル)スルファモイル]−ジナフトチオフェンなどの5−(N,N−ジC6−12アリールスルファモイル)−ジナフトチオフェン;5,9−ビス(N,N−ジフェニルスルファモイル)−ジナフトチオフェン、5,9−ビス[N,N−ジ(p−トリル)スルファモイル]−ジナフトチオフェン、5,9−ビス[N,N−ジ(2,4−キシリル)スルファモイル]−ジナフトチオフェン、5,9−ビス[N,N−ジ(4−ビフェニリル)スルファモイル]−ジナフトチオフェン、5,9−ビス[N,N−ジ(1−ナフチル)スルファモイル]−ジナフトチオフェン、5,9−ビス[N,N−ジ(2−ナフチル)スルファモイル]−ジナフトチオフェンなどの5,9−ビス(N,N−ジC6−12アリールスルファモイル)−ジナフトチオフェン;及びこれらの化合物に対応するS,S−ジオキシド体など}などが挙げられる。
スルホニルハライド類としては、前記スルホン酸類又はその塩において例示した化合物のスルホ基がハロスルホニル基[例えば、クロロスルホニル基、ブロモスルホニル基(好ましくはハロスルホニル基)など]である化合物、例えば、5−クロロスルホニル−ジナフトチオフェン、5−ブロモスルホニル−ジナフトチオフェンなどの5−ハロスルホニル−ジナフトチオフェン;5,9−ビス(クロロスルホニル)−ジナフトチオフェン、5,9−ビス(ブロモスルホニル)−ジナフトチオフェンなどの5,9−ビス(ハロスルホニル)−ジナフトチオフェン;及びこれらの化合物に対応するS,S−ジオキシド体など)などが挙げられる。
これらの化合物のうち、スルホン酸類又はその塩、スルホン酸エステル類[例えば、5−C1−4アルコキシスルホニル−ジナフトチオフェン(例えば、5−メトキシスルホニル−ジナフトチオフェンなどの5−C1−2アルコキシスルホニル−ジナフトチオフェンなど)及びこれらの化合物に対応するS,S−ジオキシド体など]、スルホニルアミド類、N置換スルホニルアミド類(例えば、N−アリールスルファモイル−ジナフトチオフェン類など)などが好ましい。
特に、溶媒(特に、後述する水性溶媒)に対する溶解性に優れる点から、上記化合物のうち、5−スルホ−ジナフトチオフェン又はその塩、5,9−ジスルホ−ジナフトチオフェン又はその塩、5,9−ビス(N−C6−10アリールスルファモイル)−ジナフトチオフェン[例えば、5,9−ビス[N−(p−トリル)スルファモイル]−ジナフトチオフェンなどの5,9−ビス(N−C6−8アリールスルファモイル)−ジナフトチオフェンなど](特に、5,9−ジスルホ−ジナフトチオフェン又はその塩)、及びこれらの化合物に対応するS,S−ジオキシド体が好ましい。
また、高い屈折率を有する観点から、1つの基−SOYを有するジナフトチオフェン誘導体(単に、1置換体ともいう)では、基Yがアミノ基又は置換アミノ基(特に、アミノ基)である化合物、例えば、5−スルファモイル−ジナフトチオフェン、5−(N−C6−10アリールスルファモイル)−ジナフトチオフェン[例えば、5−[N−(p−トリル)スルファモイル]−ジナフトチオフェンなどの5−(N−C6−8アリールスルファモイル)−ジナフトチオフェンなど](特に、5−スルファモイル−ジナフトチオフェン)、及びこれらの化合物に対応するS,S−ジオキシド体が好ましく、2つの基−SOYを有するジナフトチオフェン誘導体(単に、2置換体ともいう)では、基Yがアルコキシ基である化合物、例えば、5,9−ビス(C1−4アルコキシスルホニル)−ジナフトチオフェン(例えば、5,9−ビス(メトキシスルホニル)−ジナフトチオフェンなどの5,9−ビス(C1−2アルコキシスルホニル)−ジナフトチオフェンなど)、及びこれらの化合物に対応するS,S−ジオキシド体が好ましい。
このような新規ジナフトチオフェン誘導体は、従来のジナフトチオフェン誘導体と比べて、溶媒(特に、後述する水性溶媒)に対する溶解性に優れている。代表的な溶媒としては、例えば、水;アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどのC1−4アルカンモノオール;エチレングリコールなどのC2−4アルカンジオールなど);エーテル類(例えば、ジメチルエーテルなどの鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどの環状エーテル類など);グリコールエーテル類[例えば、セロソルブ類(例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのC1−4アルキルセロソルブなど)、カルビトール類(例えば、メチルカルビトール、エチルカルビトールなどのC1−4アルキルカルビトールなど)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどの(ポリ)C2−4アルキレングリコールモノC1−4アルキルエーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどの(ポリ)C2−4アルキレングリコールジC1−4アルキルエーテルなど];グリコールエーテルアセテート類[例えば、セロソルブアセテート類(例えば、メチルセロソルブアセテートなどのC1−4アルキルセロソルブアセテートなど)、カルビトールアセテート類(例えば、メチルカルビトールアセテートなどのC1−4アルキルカルビトールアセテートなど)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどの(ポリ)C2−4アルキレングリコールモノC1−4アルキルエーテルアセテートなど];ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど);エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチルなど);カーボネート類(ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネートなど);カルボン酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸など);ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリルなど);アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなど);スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシドなど);ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなど);及びこれらの混合溶媒などが挙げられる。
これらの溶媒のうち、水及び/又は水溶性有機溶媒(例えば、アルコール類(例えば、C1−3アルカンモノオール;C2−4アルカンジオールなど);環状エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなど);グリコールエーテル類[例えば、(ポリ)C2−4アルキレングリコールモノC1−4アルキルエーテル;(ポリ)C2−4アルキレングリコールジC1−4アルキルエーテルなど];グリコールエーテルアセテート類[例えば、(ポリ)C2−4アルキレングリコールモノC1−4アルキルエーテルアセテートなど];アセトン;有機酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸など);ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリルなど);アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなど);スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシドなど)を含む水性溶媒が好ましい。これらの水性溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせた混合溶媒として使用することもできる。これらの水性溶媒のうち、取扱い性の点から、水、アルコール類が特に好ましい。
また、本発明の新規ジナフトチオフェン誘導体は、溶解性が高いにも拘らず、高い屈折率を有しているため、屈折率向上剤として利用してもよい。新規ジナフトチオフェン誘導体の屈折率は、温度25℃、波長633nmにおいて、例えば、1.6〜1.81程度の範囲から選択でき、例えば、1.61〜1.8(例えば、1.62〜1.79)、好ましくは1.625〜1.78(例えば、1.63〜1.77)、さらに好ましくは1.635〜1.765(例えば、1.64〜1.76)程度であってもよい。特に、基−SOYを1つ有するジナフトチオフェン誘導体では、例えば、1.68〜1.8、好ましくは1.7〜1.79(例えば、1.72〜1.78)、さらに好ましくは1.74〜1.77(例えば、1.75〜1.765)程度であってもよく、基Yがアミノ基又は置換アミノ基(特に、アミノ基)であると、屈折率が高いようである。また、基−SOYを2つ有するジナフトチオフェン誘導体では、例えば、1.61〜1.76、好ましくは1.64〜1.755(例えば、1.67〜1.75)、さらに好ましくは1.7〜1.745(例えば、1.72〜1.74)程度であってもよく、基Yがアルコキシ基であると、屈折率が高いようである。なお、屈折率は、スピンコート法により形成した膜を、測定波長633nmで測定してもよい。また、膜の形成が困難な場合、濃度の異なる複数の溶液を調製し、測定波長589nmで各溶液の屈折率を測定して、得られた結果から屈折率−濃度の関係を表す近似式を算出し、濃度100%に外挿した値を屈折率としてもよい。具体的には、例えば、後述する実施例に記載の方法により測定してもよい。
本発明のジナフトチオフェン誘導体は、前記例示の溶媒(特に、水、アルコール類などの水性溶媒)を含む組成物(コーティング組成物又は溶液)を形成してもよい。従来のジナフトチオフェン誘導体に比べて溶媒に対する溶解性が高いためか、このような組成物を基材上に塗布して乾燥することにより、均質な高屈折率膜を容易に形成できる。特に、少なくとも水性溶媒(好ましくは水、アルコール類、特に、水)を含む水性組成物は、環境に対する負荷が小さく取扱いも容易であるのみならず、有機溶媒に対する耐性(又は耐膨潤性)が低い基材上であっても、高屈折率膜を容易に形成し易い。そのため、反射防止膜(例えば、インデックスマッチングフィルム(又はインデックスマッチング層)など)などに有効に利用できる。
また、前記組成物は、必要により、さらに、バインダーとしての他の樹脂(例えば、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂などの透明樹脂など)と混合して、高屈折率膜の成膜性や機械的特性などを向上してもよい。前記組成物は、本発明の効果を害さない限り、必要に応じて、さらに、慣用の添加剤(例えば、可塑剤、安定剤(熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、界面活性剤、着色剤、消泡剤など)を含んでいてもよい。前記組成物におけるジナフトチオフェン誘導体の割合は、例えば、0.1〜80重量%、好ましくは1〜50重量%程度であってもよい。
また、本発明のジナフトチオフェン誘導体は、モノマーとして使用することにより、ポリマー(又はオリゴマー)を形成してもよい。ポリマー(又はオリゴマー)としては、例えば、ジナフトチオフェン骨格がメチレン基で繋がれたポリマー、ポリスルホン又はポリエーテルスルホンなどが挙げられる。
これらのポリマー(又はオリゴマー)は慣用の重合方法により調製でき、例えば、ジナフトチオフェン骨格がメチレン基で繋がれたポリマーは、特許文献1の段落[0048]、実施例4などに記載の方法、すなわち、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体の存在下、パラホルムアルデヒドを反応させる方法などにより調製してもよい。また、ポリスルホン又はポリエーテルスルホンは、例えば、新規ジナフトチオフェン誘導体の2つの基−SOYをスルホニルクロリド化した化合物と、芳香族化合物(例えば、ジフェニルエーテルなど)とを、ルイス酸触媒の存在下、フリーデルクラフツ反応させて重合する方法などにより調製してもよい。このようにして得られるポリマーは、光学フィルム(高屈折率膜)、レンズなどの光学部材として利用してもよく、ポリマー型屈折率向上剤として、他の樹脂(例えば、上述の透明樹脂など)に混合して使用してもよい。
[新規ジナフトチオフェン誘導体の製造方法]
(Yがヒドロキシル基である化合物)
本発明の新規ジナフトチオフェン誘導体のうち、前記式(1)の基Rにおいて、Yがヒドロキシル基である化合物(下記式(1a)で表される化合物)又はその塩は、下記式(2)で表される化合物(スルホン酸基を有していないジナフトチオフェン化合物)と、スルホン化剤とを、特定の溶媒中で反応させることにより容易に製造できる(スルホン化工程)。
Figure 0006815603
[式中、X、k、R、m1及びm2、n1及びn2、p1及びp2は前記式(1)に同じであり、n1+p1及びn2+p2はそれぞれ0〜4の整数である]。
代表的な前記式(2)で表される化合物としては、例えば、m1及びm2の双方が0であり、かつn1及びn2の双方が0である化合物、すなわち、ジナフトチオフェン、ジナフトチオフェン−S,S−ジオキシドなどが挙げられる。ジナフトチオフェンは、慣用の方法、例えば、特許文献1に記載の方法、すなわち、1,1’−ビナフトールとジメチルチオカルバモイルクロライドとを塩基存在下で反応させてジメチルチオカルバメート体を生成し、このジメチルチオカルバメート体をスルホラン中で熱還流させる方法;石油残渣中に含まれるジナフトチオフェンを分離精製する方法などにより合成してもよい。また、S,S−ジオキシド体は、後述する方法などにより調製してもよい。
スルホン化剤としては、例えば、クロロスルホン酸、発煙硫酸、三酸化硫黄などが利用できる。これらのスルホン化剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらのスルホン化剤のうち、後述する特定の溶媒と組み合わせた際に、スルホン化反応の転化率(又は反応率)、及び選択率(ジナフトチオフェンの5−位及び/又は9−位への置換選択率)に優れる点から、クロロスルホン酸が好ましい。
本発明者らは、ジナフトチオフェン化合物と、慣用のスルホン化剤とを単純に反応させても、前記式(1a)で表される化合物は単離できないにも拘らず、理由は定かではないが、一般的なスルホン化反応では使用されない前記特定の溶媒の存在下で反応させることにより、予想外に高い反応率及び選択率で前記式(1a)で表されるスルホン酸基含有化合物が得られ、かつ単離可能になることを見出した。
本発明において、前記特定の溶媒としては、例えば、スルホン類(例えば、スルホラン、2,4−ジメチルスルホランなど)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリルなど)、カルボン酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸など)などが挙げられる。また、これらの溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの溶媒のうち、スルホン化反応の転化率及び選択率に優れる点から、スルホン類(特に、スルホラン)が好ましい。なお、反応は、本発明の効果を害さない範囲で、他の溶媒(例えば、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素類など)を少量(例えば、全溶媒量に対して、0.1〜30重量%、好ましくは1〜5重量%程度)含む混合溶媒中で行ってもよいが、溶媒を回収及び再利用し易く経済性が高い点から、通常、単独溶媒であるのが好ましい。
ジナフトチオフェン化合物(例えば、前記式(2)で表される化合物)とスルホン化剤との割合は、例えば、前者/後者(モル比)=1/0.5〜1/50、好ましくは1/0.7〜1/20、さらに好ましくは1/0.9〜1/3程度であってもよい。特に、5−位にスルホン酸基を有する化合物を選択的に調製する場合、例えば、前者/後者(モル比)=1/1〜1/2(例えば、1/1〜1/1.8)、好ましくは1/1.05〜1/1.7(例えば、1/1.1〜1/1.6)、さらに好ましくは1/1.15〜1/1.5(例えば、1/1.2〜1/1.4)程度であってもよく、5,9−位にスルホン酸基を有する化合物を選択的に調製する場合、例えば、前者/後者(モル比)=1/2〜1/20、好ましくは1/2.2〜1/10、さらに好ましくは1/2.3〜1/5(例えば、1/2.5〜1/3)程度であってもよい。なお、スルホン化剤が発煙硫酸である場合、発煙硫酸を構成する硫酸及び三酸化硫黄の総モル数をスルホン化剤のモル数としてもよい。
溶媒の使用割合は、ジナフトチオフェン化合物(例えば、前記式(2)で表される化合物)100重量部に対して、例えば、100〜1000重量部、好ましくは200〜900重量部、さらに好ましくは300〜800重量部程度であってもよい。溶媒量が多すぎると転化率が低下するおそれがある。
反応温度は、例えば、25〜100℃、好ましくは35〜70℃、さらに好ましくは35〜45℃程度であってもよい。温度が高すぎると、副反応により、転化率や収率が低下するおそれがある。
反応は、空気中又は不活性ガス(例えば、窒素;アルゴン、ヘリウムなどの希ガスなど)中で行ってもよい。また、反応は、常圧下、加圧下又は減圧下で行ってもよい。反応終了後、反応生成物は、洗浄、抽出、濃縮、ろ過、再沈殿、遠心分離、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの慣用の分離精製手段や、これらを組み合わせた方法により、分離精製してもよい。
本発明では、前記特定の溶媒の存在下でスルホン化反応するため、高い転化率(又は反応率)、及び高い選択率(ジナフトチオフェンの5−位及び/又は9−位への置換選択率)で前記式(1a)で表される化合物を生成できる。そのため、前記式(1a)で表される化合物の生成率(又は転化率×選択率)は、前記式(2)で表される化合物の使用量に対して、例えば、20mol%以上(例えば、25〜100mol%)程度の範囲から選択でき、例えば、30mol%以上(例えば、35〜98mol%)、好ましくは40mol%以上(例えば、50〜95mol%)、さらに好ましくは60mol%以上(例えば、70〜90mol%)程度であってもよい。
(Yが(ポリ)アルコキシ基である化合物)
本発明の新規ジナフトチオフェン誘導体のうち、前記式(1)において、基RのYが(ポリ)アルコキシ基である化合物(下記式(1b)で表される化合物)は、例えば、下記反応工程式に従って、前記式(1a)で表される化合物と、エステル化剤(例えば、下記式(3)で表されるオルトギ酸トリエステルなど)とを反応させることにより製造できる(エステル化工程)。
Figure 0006815603
[式中、Rはアルキル基又は(ポリ)アルコキシアルキル基を示し、X、k、R、m1及びm2、n1及びn2、p1及びp2は前記式(1)に同じであり、n1+p1及びn2+p2はそれぞれ0〜4の整数である]。
前記式(3)において、基Rで表されるアルキル基又は(ポリ)アルコキシアルキル基は、前記基Yの項に例示の(ポリ)アルコキシ基に対応するアルキル基又は(ポリ)アルコキシアルキル基と好ましい態様も含めて同様であってもよい。
代表的な前記式(3)で表されるオルトギ酸トリエステルとしては、前記基Rに対応するオルトギ酸トリエステル、例えば、オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル、オルトギ酸トリn−プロピル、オルトギ酸トリイソプロピル、オルトギ酸トリn−ブチル、オルトギ酸トリsec−ブチル、オルトギ酸トリt−ブチルなどのオルトギ酸トリ直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキルエステル、;オルトギ酸トリ(2−エトキシエチル)、オルトギ酸トリ[2−(2−エトキシエトキシ)エチル]などのオルトギ酸トリ[(ポリ)C2−4アルコキシC2−4アルキルエステル]などが挙げられ、好ましくはオルトギ酸トリ直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキルエステル、さらに好ましくはオルトギ酸トリメチルなどのオルトギ酸トリC1−2アルキルエステルなどが挙げられる。
前記式(1a)で表される化合物のスルホン酸基1モルと、オルトギ酸トリエステルとの割合は、例えば、前者/後者(モル比)=1/1〜1/100、好ましくは1/5〜1/50、さらに好ましくは1/10〜1/30程度であってもよい。
また、反応は、反応に不活性な溶媒(例えば、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類など)の存在下で行ってもよい。溶媒の使用割合は、前記式(1a)で表される化合物100重量部に対して、例えば、1〜1000重量部、好ましくは10〜500重量部、さらに好ましくは50〜100重量部程度であってもよい。
反応温度は、例えば、50〜200℃、好ましくは70〜150℃(例えば、80〜110℃)程度であってもよい。反応は、還流しながら行ってもよい。
反応は、空気中又は不活性ガス(例えば、窒素;アルゴン、ヘリウムなどの希ガスなど)中で行ってもよい。また、反応は、常圧下、加圧下又は減圧下で行ってもよい。反応終了後、反応生成物は、前記慣用の分離精製手段や、これらを組み合わせた方法により、分離精製してもよい。
(Yがアミノ基又は置換アミノ基である化合物)
本発明の新規ジナフトチオフェン誘導体のうち、前記式(1)において、基RのYがアミノ基又は置換アミノ基である化合物(下記式(1d)で表される化合物)は、下記反応工程式に従って調製でき、例えば、前記式(1a)で表される化合物と、式SOY (式中、Yはハロゲン原子を示す)で表されるスルフィニルハライド(又はチオニルハライド)とを反応させ、下記式(1c)で表される化合物(前記式(1)において、基RのYが前記Y、すなわちハロゲン原子であるスルホニルハライド化合物)を生成し(ハロゲン化工程)、さらに、この化合物と、下記式(4)で表されるアミン類とを反応させることにより製造できる(アミド化工程)。
Figure 0006815603
[式中、Yはハロゲン原子、R及びRはそれぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基を示し、X、k、R、m1及びm2、n1及びn2、p1及びp2は前記式(1)に同じであり、n1+p1及びn2+p2はそれぞれ0〜4の整数である]。
(ハロゲン化工程)
式SOY (式中、Yはハロゲン原子を示す)で表されるスルフィニルハライド(又は前記式(1c))において、基Yで表されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられ、塩素原子であるのが好ましい。
具体的なスルフィニルハライドとしては、前記基Yに対応する化合物、すなわち、フッ化スルフィニル、塩化スルフィニル(又は塩化チオニル)、臭化スルフィニルなどが挙げられ、塩化チオニルが好ましい。
スルフィニルハライドの使用割合は、前記式(1a)で表される化合物のスルホン酸基1モルに対して、例えば、1〜200モル、好ましくは、30〜150モル、さらに好ましくは70〜110モル程度であってもよい。
反応は、反応促進剤(脱塩酸剤又は反応性中間体形成剤)の存在下で行ってもよい。反応促進剤としては、例えば、第3級アミン類(例えば、トリエチルアミンなどのトリアルキルアミン、ベンジルジメチルアミンなどの芳香族第3級アミン、ピリジンなどの複素環式第3級アミンなど)などの有機塩基、N,N−ジメチルホルムアミド(単に、DMFともいう)などのアミド類などが挙げられる。これらの反応促進剤は、単独で又は二種以上組合わせて用いてもよい。これらの反応促進剤のうち、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類が好ましい。反応促進剤の使用割合は、前記式(1a)で表される化合物1モルに対して、例えば、0.01〜0.5モル、好ましくは0.1〜0.3モル程度であってもよい。
また、反応は、反応に不活性な溶媒(例えば、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、スルホキシド類、ハロゲン化炭化水素類など)の存在下で行ってもよい。これらの溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。溶媒の使用割合は、ジナフトチオフェン化合物(例えば、前記式(1a)で表される化合物)100重量部に対して、例えば、1〜1000重量部、好ましくは10〜500重量部、さらに好ましくは50〜100重量部程度であってもよい。
反応温度は、例えば、60〜100℃、好ましくは65〜80℃(例えば、70〜78℃)程度であってもよい。反応は、還流しながら行ってもよい。
反応は、空気中又は不活性ガス(例えば、窒素;アルゴン、ヘリウムなどの希ガスなど)中で行ってもよい。また、反応は、常圧下、加圧下又は減圧下で行ってもよい。反応終了後、反応生成物は、前記慣用の分離精製手段や、これらを組み合わせた方法により、分離精製してもよい。なお、ハロゲン化工程の終了後、生成物を分離精製することなく、アミド化工程を行ってもよい。
(アミド化工程)
前記式(4)において、基R及びRはそれぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基であり、アルキル基及びアリール基としては、前記基Yの項に例示の置換アミノ基に対応するアルキル基及びアリール基と好ましい態様も含めて同様であってもよい。これらの基R及びRのうち、水素原子、C1−2アルキル基、アルキル基(例えば、直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基、好ましくはC1−2アルキル基など)に置換されていてもよいC6−10アリール基が好ましく、特に、水素原子又はC6−8アリール基(例えば、p−トリル基などのトリル基など)であるのが好ましい。また、基R及びRのうち、少なくとも一方が水素原子であるのが好ましい。なお、基R及びRは、互いに同一又は異なっていてもよい。
代表的な前記式(4)で表されるアミン類としては、前記基R及びRに対応するアミン類、例えば、アンモニア;一級アミン(又はN−モノ置換アミン)[例えば、メチルアミン、エチルアミンなどの直鎖状又は分岐鎖状一級C1−6アルキルアミン(好ましくは直鎖状又は分岐鎖状一級C1−4アルキルアミン、さらに好ましくは一級C1−2アルキルアミン);アニリン、(アルキルフェニル)アミン[例えば、トルイジン(例えば、p−トルイジンなど)、キシリジンなど]、アミノビフェニル、ナフチルアミンなどの一級C6−12アリールアミン(好ましくは一級C6−10アリールアミン、さらに好ましくは一級C6−8アリールアミン)など];二級アミン(又はN,N−ジ置換アミン)[例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミンなどの直鎖状又は分岐鎖状二級C1−6アルキルアミン(好ましくは直鎖状又は分岐鎖状二級C1−4アルキルアミン、さらに好ましくはジC1−2アルキルアミン);ジフェニルアミン、ジ(アルキルフェニル)アミン[例えば、ジトリルアミン(例えば、ジ−p−トリルアミンなど)など]、ジナフチルアミンなどの二級C6−12アリールアミン(好ましくは二級C6−10アリールアミン、さらに好ましくは二級C6−8アリールアミン)などが挙げられる。これらのアミン類のうち、アンモニア、一級C1−4アルキルアミン、二級C1−4アルキルアミン、一級C6−10アリールアミンが好ましく、特に、アンモニア又はトルイジン(例えば、p−トルイジンなど)が好ましい。
前記式(1c)で表される化合物の基SO(又はハロスルホニル基、特にクロロスルホニル基)[又は式(1a)で表される化合物のスルホン酸基]1モルと、アミン類との割合は、例えば、前者/後者(モル比)=1/1〜1/200、好ましくは1/1.1〜1/100、さらに好ましくは1/1.2〜1/20程度であってもよい。
反応は、反応促進剤(脱塩酸剤又は反応性中間体形成剤)の存在下で行ってもよい。反応促進剤としては、前記ハロゲン化工程に例示の反応促進剤と同様の化合物が例示できる。これらの反応促進剤のうち、例えば、第3級アミン類(例えば、ピリジンなどの複素環式第3級アミンなど)などの有機塩基、DMFなどのアミド類が好ましい。反応促進剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもでき、例えば、DMFなどのアミド類を単独で用いてもよく、前記アミド類とピリジンなどの第3級アミン類(例えば、複素環式第3級アミン)とを組み合わせてもよい。
反応促進剤の使用割合は、前記式(1c)で表される化合物の基SO(又はハロスルホニル基、特にクロロスルホニル基)[又は式(1a)で表される化合物のスルホン酸基]1モルに対して、例えば、0.01〜300モル、好ましくは50〜250モル(例えば、90〜210モル)程度であってもよい。
反応は、反応に不活性な溶媒の存在下又は非存在下で行ってもよく、具体的な溶媒としては、例えば、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、スルホキシド類、ハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。また、アミン類や反応促進剤(例えば、DMFなどのアミド類など)が液体の場合、これらを溶媒として用いてもよい。これらの溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。好ましい溶媒としては、DMFなどのアミド類などが挙げられる。
溶媒の使用割合は、前記式(1c)で表される化合物[又は式(1a)で表される化合物]100重量部に対して、例えば、100〜5000重量部、好ましくは200〜4000重量部、さらに好ましくは2000〜3500重量部程度であってもよい。
反応温度は、例えば、20〜120℃、好ましくは25〜100℃程度であってもよい。反応は、還流しながら行ってもよい。
反応は、空気中又は不活性ガス(例えば、窒素;アルゴン、ヘリウムなどの希ガスなど)中で行ってもよい。また、反応は、常圧下又は加圧下で行ってもよい。反応終了後、前記慣用の分離精製手段や、これらを組み合わせた方法により、分離精製してもよい。
(Xがスルホニル基である化合物)
前記式(1)において、Xがスルホニル基である化合物、すなわち、S,S−ジオキシド体は、対応するXが硫黄原子である化合物を慣用の酸化剤(例えば、過酸化水素など)で酸化することにより調製してもよい。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、S,S−ジオキシド体の調製(又はジナフトチオフェン骨格の酸化)は、いずれの段階で行ってもよく、例えば、前記スルホン化工程より前に、前記式(2)においてXが硫黄原子である化合物を酸化してもよく、前記式(1)においてXが硫黄原子である化合物(例えば、前記式(1a)、(1b)、(1c)又は(1d)においてXが硫黄原子である化合物など)を調製してから酸化してもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下に、評価方法を示す。
H NMR及び13C NMR)
Bruker(株)製「Ascend 500」又はBruker(株)製「Avance III HD 400MHz」を使用し、溶媒としてジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)又はクロロホルム−d(CDCl)、標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて測定した。
(屈折率)
実施例で調製した試料をメタノール、クロロホルム、ジクロロメタン、又はテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、スピンコート法により成形した厚み100nm程度の膜を評価サンプルとして、エリプソメーター(溝尻光学(株)製「DHA−OLX/S6」)を用いて、温度25℃、波長633nmにおける屈折率を測定した。
なお、5−スルホ−ジナフトチオフェン(DNT−5−SA)は、製膜化が困難であったため、0〜28重量%の範囲で濃度の異なるジメチルスルホキシド(DMSO)溶液を6種類調製し、アッベ屈折計((株)アタゴ製「NAR−3T」)を用いて、温度26℃、波長589nmにおける各溶液の屈折率を測定した。得られた屈折率の結果から、良好な濃度依存性が認められ、屈折率−濃度の関係(比例関係)を表す近似式を算出し、濃度を100重量%に外挿した値をDNT−5−SAの屈折率とした。
(融点)
融点測定装置(ビュッヒ社製「535」)を用いて、JIS K 4101(1993)[5.1 目視による方法]に準じて融点を測定した。
(溶解性)
試料1mgを溶媒と混合して、温度25℃における溶解性を目視で確認し、以下の基準で評価した。なお、溶媒には、水、メタノール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、DMSO、THF、酢酸エチル及びクロロホルムを用いた。
○:0.03mL未満の溶媒に溶解する
△:0.03〜1mL未満の溶媒に溶解する
×:1mL以上の溶媒に溶解する又は溶解しない。
(実施例1)
500mLフラスコにジナフトチオフェン50g(175.8mmol)と、スルホラン350gとを仕込み、30℃まで昇温した。昇温後、クロロスルホン酸26.5g(1.3モル比)を20分かけて滴下した。滴下後の温度は40〜44℃であり、恒温槽で前記温度に保温して14時間反応させた。反応後、10℃以下まで冷却し、クエンチ剤としての水50gと、生成物を溶解するためのメタノール50gとを加えて55℃まで昇温した。昇温後、熱ろ過を行い、残渣を50gのメタノールで洗浄した。ろ液を高速(又は高性能)液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析すると、ジナフト[2,1−b:1’,2’−d]チオフェン−5−ジスルホン酸(DNT−5−SA又は5−スルホ−ジナフトチオフェン)の生成率は81mol%であった。得られたろ液を52℃まで昇温し、200gの水を加えて、蒸留ヘッドの温度が100℃になるまで濃縮した。その後、600gの水を加え、10℃以下まで冷却してろ過を行った。得られた湿結晶を150mLの水で洗浄し、乾燥することによって40.7gのDNT−5−SAを淡黄色固体で得た(HPLCによる純度:97%、理論収率:61mol%)。なお、スルホン酸基の置換位置は、類縁化合物のスペクトルデータと比較して決定した。得られた化合物の屈折率は1.720であった。
Figure 0006815603
H NMR(DMSO−d、400MHz):δ(ppm)5.61(brs,1H)、7.62−7.69(m,4H)、8.10(1H,d,J=8.7Hz)、8.16−8.18(1H,m)、8.22(1H,d,J=8.7Hz)、8.60(1H,s)、8.72−8.75(m,2H)、9.13−9.15(m,1H)。
13C NMR(DMSO−d、100MHz):δ(ppm)119.8、121.2、124.7、125.09、125.11、125.2、125.3、125.6、127.9、128.0、125.5、128.9、129.1、129.5、130.2、131.3、131.9、136.6、139.1、143.1。
(実施例2)
500mLフラスコにジナフトチオフェン50g(175.8mmol)と、アセトニトリル350gとを仕込み、30℃まで昇温した。昇温後、クロロスルホン酸20.5g(1モル比)を20分かけて滴下した。滴下後の温度は40〜44℃であり、恒温槽で前記温度に保温して3時間反応させた。反応後、10℃以下まで冷却し、水50gと、メタノール50gとを加えて55℃まで昇温した。昇温後、熱ろ過を行い、残渣を50gのメタノールで洗浄した。ろ液をHPLCで分析したところ、DNT−5−SAの生成率は30mol%であった。
(実施例3)
500mLフラスコにジナフトチオフェン50g(175.8mmol)と、スルホラン175gとを仕込み、クロロスルホン酸55.3g(2.7モル比)を21分かけて滴下した。滴下後の温度は40℃であり、恒温槽で前記温度に保温して7時間で反応させた。反応後、10℃以下まで冷却し、水145g、トルエン100gを加えて90℃まで昇温し、熱ろ過を行った。ろ液の水層をHPLCで分析すると、ジナフト[2,1−b:1’,2’−d]チオフェン−5,9−ジスルホン酸(DNT−5,9−SA又は5,9−ジスルホ−ジナフトチオフェン)の生成率は81mol%であった。水層に含まれるDNT−5,9−SAを塩析によって精製し、イオン交換樹脂を用いて脱塩化を行って、1530gのDNT−5,9−SA水溶液を黄色液体として得た(濃度:3.9重量%、理論収率:76mol%)。なお、2つのスルホン酸基の置換位置は、2次元NMR(HMQC、HMBC)及び類縁化合物のスペクトルデータと比較して決定した。得られた化合物の屈折率は1.641であった。
Figure 0006815603
H NMR(DMSO−d、400MHz):δ(ppm)7.61−7.69(m,8H)、8.60(2H,s)、8.71−8.73(4H,m)、9.11−9.13(m,2H)。
13C NMR(DMSO−d、100MHz):δ(ppm)119.8、124.9、125.1、125.2、128.0、125.5、129.6、131.1、137.4、143.2。
(実施例4)
500mLフラスコにジナフトチオフェン50g(175.8mmol)と、スルホラン350gとを仕込み、5%発煙硫酸225.1g(13.2モル比)を21分かけて滴下した。滴下後、100℃に昇温し、恒温槽で前記温度に保温して2時間反応させた。反応後、10℃以下まで冷却し、水145g、トルエン100gを加えて90℃まで昇温し、熱ろ過を行った。ろ液の水層をHPLCで分析すると、DNT−5,9−SAの生成率は40mol%であった。
(実施例5)
500mLフラスコにジナフトチオフェン50g(175.8mmol)と、酢酸350gとを仕込み、5%発煙硫酸225.1g(13.2モル比)を21分かけて滴下した。滴下後、100℃に昇温し、恒温槽で前記温度に保温して3時間反応させた。反応後、10℃以下まで冷却し、水145g、トルエン100gを加えて90℃まで昇温し、熱ろ過を行った。ろ液の水層をHPLCで分析すると、DNT−5,9−SAの生成率は37mol%であった。
(参考例1)
500mLフラスコにジナフトチオフェン50g(175.8mmol)を仕込み、98%硫酸703.9g(40モル比)を20分かけて滴下し、3時間100℃で反応させた。反応後、10℃以下まで冷却し、水50g、メタノール50gを加えて55℃まで昇温して、熱ろ過を行い、残渣を50gのメタノールで洗浄した。ろ液をHPLCで分析したところ、多種のスルホン化物及び副生成物が検出され、前記多種のスルホン化物のうち、DNT−5−SAやDNT−5,9−SAの存在も確認されたものの、いずれのスルホン化物も生成量が微量過ぎて単離できなかった。
(実施例6)
50mLフラスコにDNT−5−SA 0.270g(0.74mmol)を仕込み、オルトギ酸トリメチル2ml(18.3mmol)を加えて撹拌しながら3時間加熱還流を行った。反応後、過剰のオルトギ酸トリメチルを減圧留去し、残渣をクロロホルムに溶解させ、不溶部をろ別した。得られたろ液を減圧により脱溶媒及び乾燥して、ジナフト[2,1−b:1’,2’−d]チオフェン−5−スルホン酸メチルエステル(DNT−5−SAM又は5−メトキシスルホニル−ジナフトチオフェン)0.268gを得た(HPLCによる純度:98.4%、理論収率:94.7mol%)。得られた化合物の屈折率は1.705であり、融点は203.0℃であった。
Figure 0006815603
H NMR(CDCl、500MHz):δ(ppm)3.82(s,3H)、7.59−7.77(m,4H)、7.97−8.08(m,3H)、8.77−8.81(m,4H)、8.81(s,1H)、8.96(d,J=8.3Hz,1H)。
13C NMR(CDCl、125MHz):δ(ppm)56.7、120.7、125.6、125.7、125.9、126.0、126.6、126.7、127.3、128.3、129.0、129.5、130.0、130.3、130.4、132.2、135.2、136.5、141.6。
(実施例7)
50mLフラスコにDNT−5,9−SA 0.500g(1.1249mmol)を仕込み、オルトギ酸トリメチル3ml(27.4mmol)を加えて撹拌しながら3時間加熱還流を行った。反応後、過剰のオルトギ酸トリメチルを減圧留去し、残渣をクロロホルムに溶解させ、不溶部をろ別した。得られたろ液を減圧により脱溶媒及び乾燥して、ジナフト[2,1−b:1’,2’−d]チオフェン−5,9−ジスルホン酸メチルエステル(DNT−5,9−SAM又は5,9−ビス(メトキシスルホニル)−ジナフトチオフェン)0.504gを得た(HPLCによる純度:98.1%、理論収率:93.0mol%)。得られた化合物の屈折率は1.730であり、融点は259.2℃であった。
Figure 0006815603
H NMR(CDCl、500MHz):δ(ppm)3.86(s,6H)、7.68−7.72(m,2H)、7.78−7.82(m,2H)、8.80−8.88(m,6H)。
13C NMR(CDCl、125MHz):δ(ppm)57.0、126.1、126.3、126.4、126.8、126.9、128.1、130.6、130.9、135.3、138.2。
(実施例8)
50mLフラスコにDNT−5−SA 0.5g(1.37mmol)、塩化チオニル15g(30重量倍、92モル比)、DMF 0.2g(0.2モル比)をそれぞれ仕込み、還流(76℃)するまで昇温した。昇温後、2時間反応させた。反応後、10℃以下まで冷却して、塩化チオニルを減圧留去した後、残渣にDMF 5mL及びアンモニア水(30重量%)5mLを加えて室温で5時間撹拌した。反応後、反応液を水50mLに滴下し、析出する固体をろ取することによって、0.45gのジナフト[2,1−b:1’,2’−d]チオフェン−5−スルホンアミド(DNT−5−SAm又は5−スルファモイル−ジナフトチオフェン)0.45gを淡褐色固体で得た(H NMRによる純度:94%、理論収率85.0mol%)。得られた化合物の屈折率は1.758であり、融点は262.7℃であった。
Figure 0006815603
H NMR(DMSO−d、500MHz):δ(ppm)7.65−7.82(m,4H)、7.83(br,2H)、8.15−8.22(m,2H)、8.27(d,J=8.7Hz,1H)、8.67−8.71(m,1H)、8.82−8.88(m,3H)。
13C NMR(DMSO−d、125MHz):δ(ppm)121.7、122.8、125.5、126.1、126.2、126.3、126.4、126.5、126.6、127.0、129.4、129.5、130.0、130.1、132.4、134.0、136.2、138.4、141.0。
(実施例9)
50mLフラスコにDNT−5,9−SA 0.61g(1.37mmol)、塩化チオニル15g(30重量倍、92モル比)、DMF 0.2g(0.2モル比)をそれぞれ仕込み、還流(76℃)するまで昇温した。昇温後、2時間反応させた。反応後、10℃以下まで冷却して、塩化チオニルを減圧留去した後、残渣にDMF 20mL、p−トルイジン0.36g(3.39mmol)及びピリジン0.045mL(0.56mmol)を加え、95℃で2時間撹拌した。反応後、反応液を水50mLに滴下し、析出する固体をろ取乾燥し、シリカゲルカラム(展開溶媒:酢酸エチル)により精製して、0.50gのN,N’−ビス(p−トリル)ジナフト[2,1−b:1’,2’−d]チオフェン−5、9−ジスルホンアミド(DNT−5,9−SAmT又は5,9−ビス[N−(p−トリル)スルファモイル]−ジナフトチオフェン)を淡褐色固体で得た(H NMRによる純度:99%、理論収率:58.0mol%)。得られた化合物の屈折率は1.684であり、融点は145.0℃であった。
Figure 0006815603
H NMR(DMSO−d、500MHz):δ(ppm)2.06(s,6H)、6.90−6.97(m,8H)、7.67−7.73(m,4H)、7.76−7.84(m,4H)、8.15−8.22(m,2H)、8.70(d,J=8.7Hz,2H)、8.93(d,J=8.7,2H)、9.01(s,2H)、10.71(s,2H)。
13C NMR(DMSO−d、125MHz):δ(ppm)20.1、119.8、125.3、125.9、126.0、126.1、126.3、127.2、129.5、129.6、133.2、133.4、134.3、134.5、138.3。
実施例1、3及び6〜9で得られた化合物の屈折率及び溶解性の評価結果を表1に示す。
Figure 0006815603
表1の結果から明らかなように、実施例の新規ジナフトチオフェン誘導体は、溶媒に対する溶解性が高いことが分かる。特に、実施例1、3及び8〜9では、疎水性の高いジナフトチオフェン骨格を有しているにも拘らず、水やメタノールなどの水性溶媒に対する溶解性が向上し、実施例6及び7では、クロロホルムに対する溶解性が向上した。
また、実施例では、置換基を有しているにも拘らず、意外にも高い屈折率を有している。特に、1置換体ではスルファモイル基を有する実施例8が、また、2置換体では2つのメトキシスルホニル基を有する実施例7が、比較的高い屈折率を有していた。なお、実施例7は2置換体であっても、1置換体の実施例6に比べて、意外にも屈折率が向上した。
本発明では、溶媒(特に、水性溶媒)に対する溶解性と、高い屈折率とを両立できるため、新規ジナフトチオフェン誘導体は、光学用材料[例えば、反射防止膜(例えば、インデックスマッチングフィルムなど)などのディスプレイ材料、屈折率向上剤など]などに利用できる。また、本発明の新規ジナフトチオフェン誘導体は、ポリスルホンやポリエーテルスルホンなどを調製するのに有用なモノマー成分(高屈折率なモノマー成分)として使用することもできる。

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表される化合物又はその塩。
    Figure 0006815603
    [式中、Xは硫黄原子又はスルホニル基、Rは基−SOY(式中、Yはヒドロキシル基、アミノ基又は置換アミノ基を示す)、kは0又は1、Rはそれぞれアルキル基又はアルコキシ基、m1及びm2はそれぞれ0又は1、n1及びn2はそれぞれ0〜4の整数、p1及びp2はそれぞれ0又は1、数字1〜13は位置番号を示し、n1+p1及びn2+p2はそれぞれ0〜4の整数である。]
  2. 式(1)において、各RにおけるYがそれぞれヒドロキシル基、アミノ基、(モノ又はジ)C1−4アルキルアミノ基又は(モノ又はジ)C6−12アリールアミノ基、RがそれぞれC1−4アルキル基又はC1−4アルコキシ基、n1及びn2がそれぞれ0〜2の整数である請求項1記載の化合物又はその塩。
  3. 式(1)において、Xが硫黄原子、各RにおけるYがそれぞれヒドロキシル基、アミノ基、(モノ又はジ)C1−2アルキルアミノ基又は(モノ又はジ)C6−10アリールアミノ基、m1及びm2がそれぞれ0、n1及びn2がそれぞれ0、p1及びp2がそれぞれ0である請求項1又は2記載の化合物又はその塩。
  4. 水性溶媒に溶解可能であり、かつ温度25℃、波長633nmにおける屈折率が1.63〜1.77である請求項1〜3のいずれかに記載の化合物又はその塩。
  5. ジナフトチオフェン化合物と、スルホン化剤とを、スルホン類、ニトリル類及びカルボン酸類から選択された少なくとも1種を含む溶媒中で反応させて、請求項1記載の式(1)において、各RにおけるYがヒドロキシル基である化合物又はその塩を製造する方法。
  6. スルホン化剤が、クロロスルホン酸及び/又は発煙硫酸を含む請求項5記載の方法。
  7. ジナフトチオフェン化合物と、スルホン化剤との割合が、前者/後者(モル比)=1/0.7〜1/20である請求項5又は6記載の方法。
  8. スルホン類が、スルホランを含む請求項5〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 請求項5〜8のいずれかに記載の方法で生成した化合物とチオニルハライドとを反応させ、式(1)において、Yがハロゲン原子である化合物を生成し、この化合物とアミン類とを反応させ、式(1)において、各RにおけるYがアミノ基又は置換アミノ基である化合物を製造する方法。
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