JP6812869B2 - 複合酸化物触媒の製造方法 - Google Patents

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本発明は、複合酸化物触媒の製造方法に関する。
従来、プロピレン等のオレフィンを酸素含有ガスと気相接触酸化によりアクロレイン等の不飽和アルデヒド及びアクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造するために用いる触媒の製造方法については種々提案されている。
例えば、特許文献1には、プロピレンから、アクロレイン及びアクリル酸を製造する気相接触酸化反応に用いられる触媒の製造方法として、モリブデン、鉄、ニッケル又はコバルトの少なくとも一つ、及びシリカを含む原料塩水溶液を乾燥して得た乾燥物を加熱処理して触媒前駆体粉末を製造する前工程を経た後、触媒前駆体粉末とビスマス化合物とを水性溶媒とともに一体化し、乾燥、焼成する後工程を経て調製することが開示されている。特許文献2には、プロピレン等からアクロレイン等を製造する気相接触酸化反応等に用いられる触媒の製造方法として、モリブデン、鉄、ニッケル又はコバルトの少なくとも一つ、及びシリカを含む触媒前駆体を製造する前工程、該触媒前駆体、モリブデン及びビスマス化合物より触媒を調整する後工程よりなり、前記前工程で用いられるモリブデンが、特定量であることが記載されている。
特開2003−205240号公報 特開2003−220335号公報
しかしながら、これら従前知られた複合酸化物触媒の製造方法により製造された複合酸化物触媒では、それを用いてプロピレン等のオレフィンを酸素含有ガスと気相接触酸化しても、反応効率が十分ではなく、対応するアクロレイン等の不飽和アルデヒド及びアクリル酸等の不飽和カルボン酸を高収率で得ることができず、複合酸化物触媒の活性向上目的に高温で気相接触酸化すると、副反応が生じ、より収率が低下するという問題があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものである。すなわち、プロピレン等のオレフィンを酸素含有ガスと気相接触酸化により対応するアクロレイン等の不飽和アルデヒド及びアクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造する際に用いる複合酸化物触媒として、原料であるプロピレン等のオレフィンの供給量が多い、すなわち複合酸化物触媒にかかる負荷が高い条件下においても、原料の転化率に優れ、且つ、所望とする不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の選択率が高く、収率の向上が可能となる複合酸化物触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、触媒活性元素がモリブデン(Mo)、ビスマス(Bi)、鉄(Fe)、ケイ素(Si)、並びに、コバルト(Co)及び/又はニッケル(Ni)を含む複合酸化物触媒を製造する方法において、少なくともモリブデン(Mo)の供給源化合物、鉄(Fe)の供給源化合物、ケイ素(Si)の供給源化合物、並びに、コバルト(Co)の供給源化合物及び/又はニッケル(Ni)の供給源化合物を水性系で一体化及び加熱することにより触媒前駆体とする前工程と、少なくと
も該触媒前駆体、モリブデン(Mo)の供給源化合物及びビスマス(Bi)の供給源化合物を水性系で一体化及び加熱することにより触媒活性成分とする後工程とを経て調製する複合酸化物触媒の製造方法であって、
前工程におけるモリブデン(Mo)の供給源化合物中のモリブデン(Mo)と後工程におけるモリブデン(Mo)の供給源化合物中のモリブデン(Mo)との総和に対する、後工程におけるビスマス(Bi)の供給源化合物中のビスマス(Bi)の原子比が0.22以上0.42以下であり、且つ、後工程におけるモリブデン(Mo)の供給源化合物中のモリブデン(Mo)に対する、後工程におけるビスマス(Bi)の供給源化合物中のビスマス(Bi)の原子比が0.71以上1.68以下であることにより、製造された複合酸化物触媒を使用して、プロピレンを酸素含有ガスと気相接触酸化すると、プロピレンの供給量が多く、複合酸化物触媒に対し負荷が高い条件下であったとしても、プロピレンの転化率に優れ、且つ、アクロレイン及びアクリル酸の選択率が高く、収率の向上が可能となることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下である。
[1] 触媒活性元素としてモリブデン(Mo)、ビスマス(Bi)、鉄(Fe)、ケ
イ素(Si)、並びに、コバルト(Co)及び/又はニッケル(Ni)を含む、オレフィ
ンを酸素含有ガスと気相接触酸化により対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸
を製造する際に用いる複合酸化物触媒を製造する方法において、少なくともモリブデン(
Mo)の供給源化合物、鉄(Fe)の供給源化合物、ケイ素(Si)の供給源化合物、並
びに、コバルト(Co)の供給源化合物及び/又はニッケル(Ni)の供給源化合物を水
性系で一体化及び加熱することにより触媒前駆体とする前工程と、少なくとも該触媒前駆
体、モリブデン(Mo)の供給源化合物及びビスマス(Bi)の供給源化合物を水性系で
一体化及び加熱することにより触媒活性成分とする後工程とを経て調製する複合酸化物触
媒の製造方法であって、前工程におけるモリブデン(Mo)の供給源化合物中のモリブデ
ン(Mo)と後工程におけるモリブデン(Mo)の供給源化合物中のモリブデン(Mo)
との総和に対する、後工程におけるビスマス(Bi)の供給源化合物中のビスマス(Bi
)の原子比が0.22以上0.40以下であり、且つ、後工程におけるモリブデン(Mo
)の供給源化合物中のモリブデン(Mo)に対する、後工程におけるビスマス(Bi)の
供給源化合物中のビスマス(Bi)の原子比が0.71以上1.68以下である複合酸化
物触媒の製造方法。
[2] 前記触媒活性成分が下記組成式(1)で示される[1]に記載の複合酸化物触媒
の製造方法。
MoBiCoNiFeSi (1)
(式中、Xはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、硫黄(S)、
セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)及びランタン(La)からなる群から選ばれる少
なくとも1種の元素であり、Yはナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(R
b)及びセシウム(Cs)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Zはホ
ウ素(B)であり、a〜jはそれぞれの元素の原子比を示し、a=12のとき、b=0.
5〜7、c=0〜10、d=0〜10(但しc+d=1〜10)、e=0.05〜3、f
=0〜2、g=0.04〜2、h=0〜3、i=1〜48の範囲にあり、または他の元
素の酸化状態を満足させる値である。)
[3] [1]又は[2]に記載の複合酸化物触媒の製造方法により製造された複合酸化物の存在下、気相接触酸化により、プロピレンよりアクロレイン及びアクリル酸を製造する方法。
本発明によれば、複合酸化物触媒のモリブデン、ビスマス等の各触媒活性元素の分散性を向上することが可能となり、活性種形成が促進することにより、触媒性能が向上し、高
負荷条件であっても、プロピレンの転化率に優れ、更に、過度の酸化反応を抑制することができたことにより、高選択率でアクロレイン及びアクリル酸を製造することができる。
以下において、本発明について詳細に説明する。
尚、モリブデン(Mo)、ビスマス(Bi)、鉄(Fe)、ケイ素(Si)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、硫黄(S)、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、ランタン(La)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、ホウ素(B)の各元素は、それぞれカッコ内の元素記号を用いて表記する場合がある。
本発明は触媒活性元素としてモリブデン(Mo)、ビスマス(Bi)、鉄(Fe)、ケイ素(Si)、並びに、コバルト(Co)及び/又はニッケル(Ni)を含む複合酸化物触媒(以下「触媒」と称する場合がある。)の製造方法である。
本発明の製造方法は二つの工程を経て調製する複合酸化物触媒の製造方法である。
一つの工程は前工程であり、少なくともMoの供給源化合物、Feの供給源化合物、Siの供給源化合物、並びに、Coの供給源化合物及び/又はNiの供給源化合物を水性系で一体化及び加熱することにより触媒前駆体とする工程である。
前工程におけるMoの供給源化合物としては、パラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、モリブデン酸、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸等があげられる。
前工程におけるFeの供給源化合物としては、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、酢酸第二鉄等があげられる。
前工程におけるSiの供給源化合物としては、シリカ、粒状シリカ、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等をあげることができる。
前工程におけるCoの供給源化合物としては、硝酸コバルト、硫酸コバルト、塩化コバルト、炭酸コバルト、酢酸コバルト等があげられる。
前工程におけるNiの供給源化合物としては、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、炭酸ニッケル、酢酸ニッケル等があげられる。
尚、前工程においては、Mo、Fe、Si、並びに、Co及び/又はNi以外の成分元素の供給源化合物を供給しても構わない。例示される成分元素としては、Bi、X成分(Mg,Ca,Zn,S,Ce,Sm及びLaからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素)、Y成分(Na,K,Rb及びCsからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素)が挙げられる。
前工程でBiの供給源化合物を使用する場合、後工程で例示された供給源化合物を使用することが好ましい。
前工程における少なくともMoの供給源化合物、Feの供給源化合物、Siの供給源化合物、並びに、Coの供給源化合物及び/又はNiの供給源化合物を水性系で一体化とは、上記触媒活性元素の供給源化合物の水溶液ないし水分散液を一括にあるいは段階的に混合又は熟成処理することを意味する。すなわち、(イ)上記の各供給源化合物を一括して混合する方法、(ロ)上記の各供給源化合物を一括して混合し、そして熟成処理する方法、(ハ)上記の各供給源化合物を段階的に混合する方法、(ニ)上記の各供給源化合物を段階的に混合・熟成処理を繰り返す方法、及び(イ)〜(ニ)を組み合わせた方法はいずれも上記触媒活性元素の供給源化合物の水性系での一体化の概念に含まれる。ここで、上記熟成とは、「工業原料もしくは半製品を、一定時間、一定温度などの特定条件のもとに処理して、必要とする物理性、化学性の取得、上昇あるいは所定反応の進行などをはかる
操作」(化学大辞典/共立出版)のことをいう。なお、この発明において、上記の一定時間とは、10分〜24時間の範囲をいい、上記の一定温度とは、室温から水溶液ないし水分散液の沸点までの範囲をいう。
また、上記の前工程における加熱とは、上記の各触媒活性元素の供給源化合物個々の酸化物や複酸化物の形成、一体化により生じた複合化合物の酸化物や複酸化物の形成、生成最終複合酸化物の形成等のための熱処理をいう。そして、加熱は必ずしも1回に限らない。すなわち、この加熱は上記(イ)〜(ニ)で示される一体化の各段階で任意に行うことができ、また一体化後に必要に応じて追加して行っても構わない。上記の加熱温度は、通常200℃〜600℃の範囲である。
さらに、上記の一体化及び加熱においては、これら以外に、必要により乾燥、粉砕、成形等をその前後や途中に実施してもよい。
このようにして以上の前工程により触媒前駆体を得ることができる。
別の一つの工程は後工程であり、少なくとも触媒前駆体、Moの供給源化合物及びBiの供給源化合物を水性系で一体化及び加熱することにより触媒活性成分とする工程である。尚、該触媒前駆体とは、前工程で調製された触媒前駆体である。
後工程におけるMoの供給源化合物としては、パラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、モリブデン酸、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸等があげられる。
尚、後工程におけるMoの供給源化合物は前工程のMoの供給源化合物と同じであることが好ましい。同じであることにより、転化率及び選択率の高い触媒となる可能性がある。
後工程におけるBiの供給源化合物としては、塩化ビスマス、硝酸ビスマス、酸化ビスマス、次炭酸ビスマス等があげられる。また、X成分(Mg,Ca,Zn,S,Ce,Sm及びLaからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素)又はY成分(Na,K,Rb及びCsからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素)を固溶させた、BiとX成分又はY成分との複合した供給源化合物とすることもできる。
尚、後工程においては、Mo、Bi以外の触媒活性元素の供給源化合物を供給しても構わない。例示される触媒活性元素としては、Fe、Si、Co、Ni、X成分(Mg,Ca,Zn,S,Ce,Sm及びLaからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素)、Y成分(Na,K,Rb及びCsからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素)が挙げられる。
後工程でFeの供給源化合物を使用する場合、後工程で例示された供給源化合物を使用することが好ましい。
後工程でSiの供給源化合物を使用する場合、後工程で例示された供給源化合物を使用することが好ましい。
後工程でCoの供給源化合物を使用する場合、後工程で例示された供給源化合物を使用することが好ましい。
後工程でNiの供給源化合物を使用する場合、後工程で例示された供給源化合物を使用することが好ましい。
後工程における少なくとも触媒前駆体、Moの供給源化合物及びBiの供給源化合物を水性系で一体化とは、前工程における一体化と同じく、上記触媒活性元素の供給源化合物の水溶液ないし水分散液を一括にあるいは段階的に混合又は熟成処理することを意味する。すなわち、(イ)上記の各供給源化合物を一括して混合する方法、(ロ)上記の各供給源化合物を一括して混合し、そして熟成処理する方法、(ハ)上記の各供給源化合物を段
階的に混合する方法、(ニ)上記の各供給源化合物を段階的に混合・熟成処理を繰り返す方法、及び(イ)〜(ニ)を組み合わせた方法はいずれも上記各触媒活性元素の供給源化合物の水性系での一体化の概念に含まれる。ここで、上記熟成とは、「工業原料もしくは半製品を、一定時間、一定温度などの特定条件のもとに処理して、必要とする物理性、化学性の取得、上昇あるいは所定反応の進行などをはかる操作」(化学大辞典/共立出版)のことをいう。なお、この発明において、上記の一定時間とは、10分〜24時間の範囲をいい、上記の一定温度とは、室温から水溶液ないし水分散液の沸点までの範囲をいう。
また、上記の後工程における加熱とは、前工程における加熱と同じく、上記の触媒活性元素の各供給源化合物個々の酸化物や複酸化物の形成、一体化により生じた複合化合物の酸化物や複酸化物の形成、生成最終複合酸化物の形成等のための熱処理をいう。そして、加熱は必ずしも1回に限らない。すなわち、この加熱は上記(イ)〜(ニ)で示される一体化の各段階で任意に行うことができ、また一体化後に必要に応じて追加して行っても構わない。上記の加熱温度は、通常200℃〜600℃の範囲である。
さらに、上記の一体化及び加熱においては、これら以外に、必要により乾燥、粉砕、成形等をその前後や途中に実施してもよい。
このようにして、以上の後工程により触媒活性成分を得ることができる。
前工程におけるMoの供給源化合物中のMoと後工程におけるMoの供給源化合物中のMoとの総和に対する、後工程におけるBiの供給源化合物中のBiの原子比は0.22〜0.42であり、0.22〜0.40が好ましく、0.23〜0.35がより好ましい。該原子比が小さすぎると製造された複合酸化物触媒のオレフィンと反応する触媒構造部位の形成が不十分となり所望の転化率が得られない可能性があり、また、大きすぎると酸素と反応する触媒構造部位の形成が不十分となるため、所望の転化率、所望とする不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の選択率が得られない可能性がある。
後工程におけるMoの供給源化合物中のMoに対する、後工程におけるBiの供給源化合物中のBiの原子比は0.71〜1.68であり、0.75〜1.60が好ましく、0.77〜1.50がより好ましい。該原子比が小さすぎると複合酸化物触媒のオレフィンと反応する触媒構造部位の形成が不十分となり所望の転化率が得られない可能性があり、また、大きすぎると酸素と反応する触媒構造部位の形成が不十分となるため、所望の転化率、所望とする不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の選択率が得られない可能性がある。
前記触媒活性成分は、押出成型、打錠成型、あるいは不活性担体に担持する担持成型等の方法により任意の形状に賦形することができる。
成型方法が押出成型の場合、押出圧力は10kgf〜25kgfが好ましく、15kgf〜20kgfがより好ましい。該押出圧力範囲内で押出成型を行うことにより、適度な比表面積を有する複合酸化物触媒とすることが可能となり、更に、良好な細孔径分布を有する複合酸化物触媒とすることができる。
また、成型方法が打錠成型の場合、打錠成型の圧力は15kgf〜35kgfが好ましく、20kgf〜25kgfがより好ましい。該圧力範囲内で打錠成型を行うことにより、適度な比表面積を有する複合酸化物触媒とすることが可能となり、更に、良好な細孔径分布を有する複合酸化物触媒とすることができる。
前記成型の際、製造される複合酸化物触媒の強度を上昇させ、触媒の粉化率を低減する効果があるものとして一般に知られているガラス繊維などの無機繊維、各種ウィスカーなどを粉体等に添加してもよい。また、触媒物性を再現よく制御するために、硝酸アンモニウム、セルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、ステアリン酸など一般に粉体結合剤として知られている添加物を使用することもできる。
複合酸化物触媒の強度が低いと触媒を取扱う際、特に反応器に充填する際に触媒が粉化や割れが生じ、差圧(反応管入口と出口の圧力差)が大きくなる場合がある。差圧が大きくなると、プロピレン等の原料と酸素含有ガスを含む原料混合ガスを複合酸化物触媒が充填された反応器に送風するコンプレッサー等に多大な負荷がかかる。
又、気相接触酸化が進むにつれ、複合酸化物触媒の粉化が生じる場合には、時間と共に差圧が上昇することになり、コンプレッサーのフィード能力の限界を超え、原料混合ガスを反応管に送り込めなくなる場合がある。更には、粉化と共に、複合酸化物触媒の活性成分が剥離してしまう場合があり、必要とされる触媒性能が発現しなくなることもある。これらの理由で触媒の粉化率は2.0%以下であることが好ましく、1.5%以下がより好ましく、1.0%以下が更に好ましい。触媒の粉化を抑制するためにガラス繊維の添加や成型時の強度を上げることで対応可能だが、細孔容積に影響を与えて触媒性能が低下する可能性もあるので注意が必要である。
次いで、任意の形状に賦形された触媒活性成分を、好ましくは450〜650℃の温度条件にて1〜16時間程度の最終熱処理に付すことにより複合酸化物触媒とすることができる。以上のようにして、プロピレン等のオレフィンを酸素含有ガスと気相接触酸化により対応するアクロレイン等の不飽和アルデヒド及びアクリル酸等の不飽和カルボン酸とする際に用いる、高活性で有用な複合酸化物触媒が得られる。
更に本発明の製造方法における触媒活性成分は下記組成式(1)で表されることが好ま
しい。
MoBiCoNiFeSi (1)
(式中、Xはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、硫黄(S)、
セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)及びランタン(La)からなる群から選ばれる少
なくとも1種の元素であり、Yはナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(R
b)及びセシウム(Cs)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Zはホ
ウ素(B)であり、a〜jはそれぞれの元素の原子比を示し、a=12のとき、b=0.
5〜7、c=0〜10、d=0〜10(但しc+d=1〜10)、e=0.05〜3、f
=0〜2、g=0.04〜2、h=0〜3、i=1〜48の範囲にあり、または他の元
素の酸化状態を満足させる値である。)
上記組成式(1)の複合酸化物触媒とすることで、より高収率でアクロレイン及びアク
リル酸を製造することができる。
本発明の複合酸化物触媒の製造にあたり、Moの供給源化合物としては、パラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、モリブデン酸、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸等が挙げられる。
Biの添加量は、前記組成式(1)において、a=12のとき、b=0.5〜7となるように添加することが好ましく、より好ましくはb=0.7〜5.0、更に好ましくはb=1.0〜4.9となるように添加する。bが前記範囲内であることにより原料の転化率に優れ、高選択率でアクロレイン及びアクリル酸を製造することができる複合酸化物触媒とすることができる。
Coの添加量は、前記組成式(1)において、a=12のとき、c=0〜10となるように添加することが好ましく、より好ましくはc=0.5〜8.0、更に好ましくはc=1.0〜5.0となるように添加する。
Niの添加量は、前記組成式(1)において、a=12のとき、d=0〜10となるように添加することが好ましく、より好ましくはd=0.5〜8.0、更に好ましくはd=1〜5.0となるように添加する。但し、c+d=1〜10となるように添加することが好ましく、より好ましくはc+d=1.5〜9.0、更に好ましくはc+d=2.0〜8
.0となるように添加する。
Feの添加量は、前記組成式(1)において、a=12のとき、e=0.05〜3となるように添加することが好ましく、より好ましくはe=0.1〜3、更に好ましくはe=0.3〜2となるように添加する。
XはMg、Ca、Zn、S、Ce、Sm及びLaからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Mgの供給源化合物としては、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム等があげられる。Caの供給源化合物としては、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、酢酸カルシウム等があげられる。Znの供給源化合物としては、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、炭酸亜鉛、酢酸亜鉛等があげられる。Sの供給源化合物としては、各種金属の硫酸塩、各種金属の亜硫酸塩、硫化水素、硫酸等があげられる。Ceの供給源化合物としては、硝酸セリウム、硫酸セリウム、塩化セリウム、炭酸セリウム、酢酸セリウム等があげられる。Smの供給源化合物としては、硝酸サマリウム、硫酸サマリウム、塩化サマリウム、炭酸サマリウム、酢酸サマリウム等があげられる。Laの供給源化合物としては、硝酸ランタン、硫酸ランタン、塩化ランタン、炭酸ランタン、酢酸ランタン等があげられる。尚、Xの供給源化合物は前工程、後工程いずれに使用しても構わない。X成分の添加量は、前記組成式(1)において、a=12のとき、f=0〜2となるように添加することが好ましく、より好ましくはf=0〜1.5、更に好ましくはf=0〜1.0となるように添加する。
YはNa、K、Rb及びCsからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Naの供給源化合物としては、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化ナリウム、炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等をあげることができる。Kの供給源化合物としては、硝酸カリウム、硫酸カリウム、塩化カリウム、炭酸カリウム、酢酸カリウム等をあげることができる。Rbの供給源化合物としては、硝酸ルビジウム、硫酸ルビジウム、塩化ルビジウム、炭酸ルビジウム、酢酸ルビジウム等をあげることができる。Csの供給源化合物としては、硝酸セシウム、硫酸セシウム、塩化セシウム、炭酸セシウム、酢酸セシウム等をあげることができる。尚、Yの供給源化合物は前工程、後工程いずれに使用しても構わない。Y成分の添加量は、前記組成式(1)において、a=12のとき、g=0.04〜2となるように添加することが好ましく、より好ましくはg=0.05〜1.5、更に好ましくはg=0.06〜1.2となるように添加する。
また、Y成分(Na,K,Rb及びCsからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素)を固溶させた、BiとY成分との複合炭酸塩化合物として供給することもできる。
例えば、Y成分としてNaを用いた場合、BiとNaとを複合炭酸塩化合物は、炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムの水溶液等に、硝酸ビスマス等の水溶性ビスマス化合物の水溶液を滴下混合し、得られた沈殿を水洗、乾燥することによって製造することができる。
Siの供給源化合物としては、シリカ、粒状シリカ、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等が挙げられるが、容易に触媒の比表面積、細孔容積、細孔容積の分布を制御できることから、熱分解シリカであるヒュームドシリカが好ましい。
Siの添加量は、前記組成式(1)において、a=12のとき、h=1〜48となるように添加することが好ましく、より好ましくはh=2〜45、更に好ましくはh=3〜40、とりわけ好ましくは、h=5〜35となるように添加する。hが小さすぎると複合酸化物触媒の活性成分の分散性が低下する傾向にあり、hが大きすぎると複合酸化物触媒の活性成分の割合が少なくなり、十分な触媒性能が得られない可能性がある。
以上のようにして製造された複合酸化物触媒は、例えば、プロピレンからアクロレイン
及びアクリル酸を製造する反応に使用される。プロピレンからアクロレイン及びアクリル酸を製造する気相接触酸化反応は、原料混合ガス組成として5容量%〜15容量%のプロピレン、5容量%〜18容量%の分子状酸素、0〜40容量%の水蒸気及び20容量%〜70容量%の不活性ガス、例えば窒素、炭酸ガスなどからなる混合ガスを前記のようにして製造した複合酸化物触媒上に300℃〜450℃の温度範囲及び常圧〜150kPaの圧力下、そして0.5秒〜4秒の接触時間で導入することによって遂行される。
上記、原料混合ガス中のプロピレンの含有量は7容量%〜12容量%の範囲が好ましく、また、プロピレンの空間速度は30h−1〜300h−1の範囲が好ましく、50h−1〜250h−1の範囲がより好ましい。空間速度が低い条件、すなわち、プロピレンの負荷が低い条件では副生成物が多くなり、生成目的物の収率が低下する原因になる。又、空間速度が高い条件、すなわち、プロピレンの負荷が高い条件では転化率が98%より低くなって、原料であるプロピレンの未反応量が多くなり生産量が低下する可能性がある。工業的な観点からプロピレン転化率は98.5%以上になることが好ましい。
尚、空間速度とは次式で示される値である。
・空間速度SV(h−1)=反応器に供給するオレフィンガスの体積流量(0℃、1気圧条件)/反応器に充填された複合金属酸化物触媒の体積(反応性の無い固形物は含まない)
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<複合酸化物触媒Aの調製>
容器に温水2.97Lを入れ、更にパラモリブデン酸アンモニウム298.5gを加えて溶解させ、溶液とした。次いで、該溶液にシリカの水分散液557.5gを加えて、撹拌し、懸濁液とした(以下、「懸濁液A」と称する)。該シリカ水分散液は、シリカ5kgをイオン交換水22.5Lに加えてシリカ懸濁液とした後に、該シリカ懸濁液を、ホモジナイザーであるULTRA-TURRAX T115KT(IKA社製)により、30分間分散処理を行い
、シリカ水分散液としたものである
別の容器に純水425mlを入れ、更に硝酸第二鉄48.3g、硝酸コバルト197.3g及び硝酸ニッケル200.5gを加えて、加温して溶解させた(以下、「溶液B」と称する)。溶液Bを懸濁液Aに添加し、均一になるように攪拌し、加熱乾燥し、固形物を得た。次いで該固形物を空気雰囲気で300℃、1時間熱処理し、触媒前駆体粉末とした。 更に、別の容器に純水60ml、アンモニア水7mlを入れ、パラモリブデン酸アンモニウム18.1gを加えて溶解し、「溶液C」とした。次いで、溶液Cにホウ砂1.1g及び硝酸カリウム0.28gを加えて溶解し、「溶液D」とした。前記触媒前駆体粉末66.9gを溶液Dに添加し、均一になるように混合した。次いでNaを0.53%固溶した次炭酸ビスマス21.5gを加えて30分間混合した後、水分を除去するため加熱乾燥し、乾燥品を得た。該乾燥品を粉砕し、得られた粉体を、高さ方向の圧縮強度が20kgf〜25kgfとなるように円柱状に打錠成型し、成形品(外径:5mm、高さ3mm)とした。尚、該圧縮強度は木屋式強度測定機により測定したものである。該成形品を空気雰囲気下、515℃で焼成を2時間行って複合酸化物触媒Aを得た。
<プロピレンの気相接触酸化反応>
複合酸化物触媒Aを粉砕し、目開き2mmの篩により粗粒を除き、目開き1mmの篩により微粒を除いたものをプロピレンの気相接触酸化用の触媒として使用した。触媒12m
lを内径7.5mmのU字型反応管内に充填し、触媒層を形成した。該反応管を内径90mmのステンレス鋼製ナイターバス(熱媒温度330℃)に入れて加温を行った。プロピレン9.5容量%、スチーム12容量%、酸素15容量%、窒素63.5容量%の原料混合ガスを圧力70kPaで反応管内に導入し、触媒層との接触時間1.9秒にて通過させて、プロピレンの酸化反応を実施した。この時、プロピレンの空間速度は176h−1であった。複合酸化物触媒の組成比、Mo,Biの原子比等を表1に、反応結果を表2にまとめた。
ここで、プロピレン転化率、アクロレイン選択率、アクリル酸選択率、アクロレイン収率、アクリル酸収率、合計収率の定義は、下記の通りである。
・プロピレン転化率(モル%)=(反応したプロピレンのモル数/供給したプロピレンのモル数)×100
・アクロレイン選択率(モル%)=(生成したアクロレインのモル数/反応したプロピレンのモル数)×100
・アクリル酸選択率(モル%)=(生成したアクリル酸のモル数/反応したプロピレンのモル数)×100
・アクロレイン収率(モル%)=(生成したアクロレインのモル数/供給したプロピレンのモル数)×100
・アクリル酸収率(モル%)=(生成したアクリル酸のモル数/供給したプロピレンのモル数)×100
・合計収率(モル%)=アクロレイン収率(モル%)+アクリル酸収率(モル%)
(実施例2)
<複合酸化物触媒Bの調製>
懸濁液Aを調製する際に用いた温水及びパラモリブデン酸アンモニウムがそれぞれ3.22L、298.5gであり、溶液Cに用いたパラモリブデン酸アンモニウムが14.5gであり、溶液Dに添加した触媒前駆体粉末が69.9gであること以外は実施例1と同様の条件で触媒を調製し複合酸化物触媒Bを得た。実施例1と同様の条件にてプロピレンの酸化反応を実施した。複合酸化物触媒の組成比、Mo,Biの原子比等を表1に、反応結果を表2にまとめた。
(比較例1)
<複合酸化物触媒Cの調製>
懸濁液Aを調製する際に用いた温水及びパラモリブデン酸アンモニウムがそれぞれ2.72L、273.3gであり、溶液Cに用いたパラモリブデン酸アンモニウムが21.7gであり、溶液Dに添加した触媒前駆体粉末が63.9gであること以外は実施例1と同様の条件で触媒を調製し複合酸化物触媒Cを得た。実施例1と同様の条件にてプロピレンの酸化反応を実施した。複合酸化物触媒の組成比、Mo,Biの原子比等を表1に、反応結果を表2にまとめた。
(比較例2)
<複合酸化物触媒Dの調製>
懸濁液Aを調製する際に用いた温水及びパラモリブデン酸アンモニウム及びシリカ水分散液がそれぞれ3.75L、377.5g、565.4gであり、溶液Bに用いた硝酸第二鉄及び硝酸コバルト及び硝酸ニッケルがそれぞれ47.1g、192.4g、195.5gであり、溶液Cに用いたパラモリブデン酸アンモニウムが5.5gであり、溶液Dに添加した触媒前駆体粉末が77.6gであること以外は実施例1と同様の条件で触媒を調製し複合酸化物触媒Dを得た。実施例1と同様の条件にてプロピレンの酸化反応を実施した。複合酸化物触媒の組成比、Mo,Biの原子比等を表1に、反応結果を表2にまとめた。
(比較例3)
<複合酸化物触媒Eの調製>
懸濁液Aを調製する際に用いた温水及びパラモリブデン酸アンモニウム及びシリカ水分散液がそれぞれ3.98L、400.2g、557.5gであり、溶液Bに用いた硝酸第二鉄及び硝酸コバルト及び硝酸ニッケルがそれぞれ48.3g、197.3g、200.5gであり、溶液Cに用いたパラモリブデン酸アンモニウムが3.6gであり、溶液Dに添加した触媒前駆体粉末が15.8gであること以外は実施例1と同様の条件で触媒を調製し複合酸化物触媒Eを得た。実施例1と同様の条件にてプロピレンの酸化反応を実施した。複合酸化物触媒の組成比、Mo,Biの原子比等を表1に、反応結果を表2にまとめた。
(比較例4)
<複合酸化物触媒Fの調製>
懸濁液Aを調製する際に用いた温水及びパラモリブデン酸アンモニウム及びシリカ水分散液がそれぞれ3.23L、267.3g、1224.7gであり、溶液Bに用いた硝酸第二鉄及び硝酸コバルト及び硝酸ニッケルがそれぞれ35.5g、145.2g、145.1gであり、溶液Cに用いたパラモリブデン酸アンモニウムが13.0gであり、溶液Dを調製する際に用いたホウ砂及び硝酸カリウムがそれぞれ0.9g、0.23gであり、溶液Dに添加した触媒前駆体粉末が76.5gであり、添加した次炭酸ビスマスが15.8gであること以外は実施例1と同様の条件で触媒を調製し複合酸化物触媒Fを得た。実施例1と同様の条件にてプロピレンの酸化反応を実施した。複合酸化物触媒の組成比、Mo,Biの原子比等を表1に、反応結果を表2にまとめた。
Figure 0006812869
Figure 0006812869
本発明の製造方法により製造された複合酸化物触媒は実施例において示されているように、プロピレンの気相接触酸化反応に用いた場合、所望とするアクロレイン及びアクリル酸の選択率が高く、収率の向上が可能となっている。

Claims (3)

  1. 触媒活性元素としてモリブデン(Mo)、ビスマス(Bi)、鉄(Fe)、ケイ素(S
    i)、並びに、コバルト(Co)及び/又はニッケル(Ni)を含む、オレフィンを酸素
    含有ガスと気相接触酸化により対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造す
    る際に用いる複合酸化物触媒を製造する方法において、
    少なくともモリブデン(Mo)の供給源化合物、鉄(Fe)の供給源化合物、ケイ素(
    Si)の供給源化合物、並びに、コバルト(Co)の供給源化合物及び/又はニッケル(
    Ni)の供給源化合物を水性系で一体化及び加熱することにより触媒前駆体とする前工程
    と、少なくとも該触媒前駆体、モリブデン(Mo)の供給源化合物及びビスマス(Bi)
    の供給源化合物を水性系で一体化及び加熱することにより触媒活性成分とする後工程とを
    経て調製する複合酸化物触媒の製造方法であって、
    前工程におけるモリブデン(Mo)の供給源化合物中のモリブデン(Mo)と後工程に
    おけるモリブデン(Mo)の供給源化合物中のモリブデン(Mo)との総和に対する、後
    工程におけるビスマス(Bi)の供給源化合物中のビスマス(Bi)の原子比が0.22
    以上0.40以下であり、且つ、後工程におけるモリブデン(Mo)の供給源化合物中の
    モリブデン(Mo)に対する、後工程におけるビスマス(Bi)の供給源化合物中のビス
    マス(Bi)の原子比が0.71以上1.68以下である複合酸化物触媒の製造方法。
  2. 前記触媒活性成分が下記組成式(1)で示される請求項1に記載の複合酸化物触媒の製
    造方法。
    MoBiCoNiFeSi (1)
    (式中、Xはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、硫黄(S)
    、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)及びランタン(La)からなる群から選ばれる
    少なくとも1種の元素であり、Yはナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(
    Rb)及びセシウム(Cs)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Zは
    ホウ素(B)であり、a〜jはそれぞれの元素の原子比を示し、a=12のとき、b=0
    .5〜7、c=0〜10、d=0〜10(但しc+d=1〜10)、e=0.05〜3、
    f=0〜2、g=0.04〜2、h=0〜3、i=1〜48の範囲にあり、またjは他の
    元素の酸化状態を満足させる値である。)
  3. 請求項1又は2に記載の複合酸化物触媒の製造方法により製造された複合酸化物の存在
    下、気相接触酸化により、プロピレンよりアクロレイン及びアクリル酸を製造する方法。
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