JP7322433B2 - 触媒 - Google Patents

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この発明は、プロピレン、イソブテン、ターシャリーブタノール等の不飽和化合物からアクロレイン、メタクロレイン等の不飽和アルデヒドや、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造する気相接触酸化反応に用いられる触媒、及びその製造方法に関する。
プロピレン、イソブテン、ターシャリーブタノール等の不飽和化合物からアクロレイン、メタクロレイン等の不飽和アルデヒド、及びアクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造する気相接触酸化反応において、モリブデン系の触媒が有用な触媒であることは良く知られており、工業的にも広く実用化されている。
これら各種反応におけるモリブデン系触媒の組成及び製造方法に関する特許文献としては、特許文献1、2等が知られている。特許文献1では、触媒調製時の温度や濁度の条件を調製し、また、特許文献2では、触媒の細孔分布を調製することにより、原料転化率や生成物選択率を向上させることを実現する。
特開2015-147188号公報 特開2017-176931号公報
しかしながら、これらの方法を用いても、目的とする酸化生成物収率は必ずしも満足すべきものではなかった。
そこで、この発明は、プロピレン、イソブテン、ターシャリーブタノール等の不飽和化合物からアクロレイン、メタクロレイン等の不飽和アルデヒド、及びアクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造する気相接触酸化反応に用いられる触媒として、転化率及び選択率が高く、高収率で不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造できる触媒を提供することを目的とする。
本発明者らが検討を行った結果、触媒を改良することにより、前記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1]不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造するための触媒であって、モリブデン(Mo)、ビスマス(Bi)及び鉄(Fe)を含み、ラマン分光法により測定された898cm-1±5cm-1における最大値に対する、940cm-1±5cm-1における最大値の比が0.37以上0.54以下である触媒。
[2]更にコバルト(Co)及び/又はニッケル(Ni)を含む[1]に記載の触媒。
[3]前記のMo,Bi,Fe,Co,Niの組成が下記式(1)で示される[1]又は[2]に記載の触媒。
MoBiFeCoNi (1)
(a=12のとき、b=0.5~7.0、c=0.05~3.0、d=0~10、e=0~10(但しd+e=0~10))
[4][1]乃至[3]のいずれかに記載の触媒の存在下、気相接触酸化により、プロピレンからアクロレイン及びアクリル酸を製造する方法。
[5]各供給源化合物を溶媒又は溶液に添加し一体化及び加熱することにより調製液とする調製工程、該調製液を乾燥処理して粉体とする乾燥工程、該粉体を成形し触媒前駆体とする成形工程及び該触媒前駆体を焼成して触媒とする焼成工程を含むMo、Bi及びFe含有不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸合成用触媒を製造する方法であって、Feの供給源化合物の溶媒又は溶液への添加が複数回であり、前記Feの供給源化合物を添加する複数回のうち少なくとも2回の添加において、添加される溶媒の種類又は溶液の組成が相違する、不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造するための触媒の製造方法。
この発明によれば、プロピレン、イソブテン、ターシャリーブタノール等の不飽和化合物からアクロレイン、メタクロレイン等の不飽和アルデヒド、及びアクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造する気相接触酸化反応に用いられる触媒として、原料転化率及び生成物選択率が高く、高収率で不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造できる触媒を得ることができる。
この発明に係る触媒について詳細に説明する。
この発明にかかる触媒は、プロピレン、イソブテン、ターシャリーブタノール等の不飽和化合物を原料とし、アクロレイン、メタクロレイン等の不飽和アルデヒドを主に製造し、同時にアクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸も製造する複合酸化物触媒である。
この複合酸化物触媒は、モリブデン(Mo)、ビスマス(Bi)及び鉄(Fe)を必須成分として含み、更にコバルト(Co)、ニッケル(Ni)等を含んでもよい触媒である。
このようなMo、Bi、Fe、Co、Niの組成を有する触媒としては、下記の式(1)で示される触媒をあげることができる。
MoBiFeCoNi (1)
なお、a=12のとき、b=0.5~7.0、c=0.05~3.0、d=0~10、e=0~10(但しd+e=0~10)を満たす。
そして、本発明に係る触媒は、この触媒を構成する各成分として、その成分たる元素(以下、「触媒成分元素」と称する。)を有する所定の化合物を、触媒の供給源となる化合物(以下、「供給源化合物」と称する。)として用い、この触媒成分元素を有する各供給源化合物を溶媒又は溶液に添加して一体化し、加熱して調製液を得(調製工程)、この調製液を乾燥処理して粉体を得(乾燥工程)、次いで、成形して触媒前駆体を得(成形工程)、そして、焼成すること(焼成工程)により、製造することができる。
[供給源化合物]
モリブデン(Mo)の供給源化合物としては、パラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、モリブデン酸、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸等が挙げられる。
ビスマス(Bi)の供給源化合物としては、塩化ビスマス、硝酸ビスマス、酸化ビスマ、次炭酸ビスマス等が挙げられ、ビスマス添加量は、上記組成式(1)において、a=12のとき、b=0.5~7となるように添加することが好ましく、より好ましくはb=0.7~5.0、更に好ましくはb=1.0~4.9となるように添加する。bが前記範囲内であることにより転化率に優れ、高選択率で不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造することができる触媒とすることができる。
鉄(Fe)の供給源化合物としては、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、酢酸第二鉄等が挙げられ、鉄添加量は、前記組成式(1)において、a=12のとき、c=0.05~3となるように添加することが好ましく、より好ましくはc=0.1~3、更に好ましくはc=0.2~2となるように添加される。cが前記範囲内であることにより転化率に優れ、高選択率で不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造することができる触媒とすることができる。
コバルト(Co)の供給源化合物としては、硝酸コバルト、硫酸コバルト、塩化コバルト、炭酸コバルト、酢酸コバルト等が挙げられ、コバルト添加量は、上記組成式(1)において、a=12のとき、d=0~10となるように添加することが好ましく、より好ましくはd=0.3~5.0、更に好ましくはd=0.5~3.0となるように添加される。dが前記範囲内であることにより転化率に優れ、高選択率で不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造することができる触媒とすることができる。
ニッケル(Ni)の供給源化合物としては、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、炭酸ニッケル、酢酸ニッケル等が挙げられ、ニッケル添加量は、前記組成式(1)において、a=12のとき、e=0~10なるように添加することが好ましく、より好ましくはe=0.3~8、更に好ましくはe=0.5~5となるように添加される。eが前記範囲内であることにより転化率に優れ、高選択率で不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造することができる触媒とすることができる。
なお、d+eは、0~10の条件を有する。d+eが前記範囲内であると、その他の触媒成分元素の含有割合が低くなりすぎず、bやcの範囲を満たすことによる効果をより高く享受することができる。
[触媒の製造方法]
次に、本発明にかかる触媒の製造方法について説明する。
本発明に係る触媒は、前記の通り、調製工程、乾燥工程、成形工程及び焼成工程によって製造することができる。
[調製工程]
前記調製工程は、前記触媒成分元素を有する各供給源化合物を溶媒又は溶液に添加して一体化し、加熱して調製液を得る工程である。
前記溶媒は、各供給源化合物を溶解又は懸濁させるための媒体であり、水、若しくはメタノール、エタノール等の水と相溶性を有する有機溶媒、又はこれらの混合物からなる水性溶媒をあげることができる。
前記溶液とは、前記溶媒に1種又は複数種の供給源化合物を溶解、懸濁、又は一体化させた液である。
前記の一体化とは、前記各触媒成分元素の供給源化合物の水溶液あるいは水分散液を一括に、あるいは段階的に混合し、加熱を行うことをいう。具体的には、前記の各供給源化合物を一括して混合し、次いで加熱する方法、前記の各供給源化合物を段階的に混合・加熱処理を繰り返す方法、及びこれらの方法を組み合わせる方法があげられ、これらのいずれもが、各触媒成分元素の供給源化合物の一体化という概念に含まれる。
前記の加熱とは、前記の一体化工程で得られた混合液又は混合分散液を所定温度で所定時間、撹拌することをいう。この加熱により、混合液又は混合分散液の粘度が上昇し、混合分散液の場合、その中の固体成分の沈降を緩和し、とりわけ次の乾燥工程での成分の不均一化を抑制するのに有効となり、得られる最終製品である触媒の原料転化率や選択率等の触媒活性がより良好となる。
前記加熱における温度は、60℃~95℃が好ましく、70℃~90℃がより好ましい。熟成温度が60℃未満では、加熱処理の効果が十分ではなく、良好な活性を得られない場合がある。一方、95℃を超えると、加熱処理中の水の蒸発が多く、工業的な実施には不利である。更に100℃を超えると、溶解槽に耐圧容器が必要となり、また、ハンドリングも複雑になり、経済性及び操作性の面で著しく不利となる。
前記加熱にかける時間は、2時間~12時間がよく、3時間~8時間が好ましい。加熱時間が2時間未満では、触媒の活性及び選択性が十分に発現しない場合がある。一方、12時間を超えても加熱の効果が増大することはなく、工業的な実施には不利である。
前記撹拌方法としては、任意の方法を採用することができ、例えば、撹拌翼を有する撹拌機による方法や、ポンプによる外部循環による方法等が挙げられる。
[乾燥工程]
得られた調製液は、乾燥工程にかけることにより、固形物が得られる。この乾燥工程における乾燥方法及び得られる乾燥物の状態については特に限定はなく、例えば、通常のスプレードライヤー、スラリードライヤー、ドラムドライヤー等を用いて粉体状の乾燥物を得てもよいし、また、通常の箱型乾燥器、トンネル型焼成炉を用いてブロック状又はフレーク状の乾燥物を得てもよい。
[加熱処理工程]
前記乾燥工程で得られた固形物は、必要に応じて、加熱処理工程が行われる。この加熱処理は、空気中で200℃~400℃、好ましくは250℃~350℃の温度域で短時間に行われる処理である。その際の炉の形式及びその方法については特に限定はなく、例えば、通常の箱型加熱炉、トンネル型加熱炉等を用いて乾燥物を固定した状態で加熱してもよいし、また、ロータリーキルン等を用いて乾燥物を流動させながら加熱してもよい。
[成形工程及び焼成工程]
前記の乾燥工程又は加熱処理工程で得られた固形物又は加熱処理物は、押出し成形、打錠成形、あるいは担持成形等の方法により任意の形状に賦形することにより、成形体が得られる。次いで、この成形体を、好ましくは450℃~650℃の温度条件にて1時間~16時間程度の最終熱処理に付す。焼成方法としては、前記の加熱処理工程で用いられる方法を採用することができる。
以上のようにして、高活性で、かつ目的とする酸化生成物を高い収率で与える複合酸化物の触媒が得られる。
[供給源化合物の添加方法]
前記の調製工程において、各供給源化合物の全てを1つの調製工程にかけてもいいが、各供給源化合物をそれぞれ単独で又はいくつかのグループに分けて調製工程を行って複数の調製液を得、得られた複数の調製液を一度に、又は順番に混合してもよく、また、1つ又は複数の調製液を前記乾燥工程にかけ、得られた固形物を残りの供給源化合物の調製工程において、溶媒又は溶液に添加してもよい。
[鉄(Fe)の供給源化合物の添加方法]
特に、本発明においては、鉄(Fe)の供給源化合物が調製工程に複数回、かけられる。すなわち、鉄(Fe)の供給源化合物の溶媒又は溶液への添加は、複数回行われる。これは、この方法を採用することにより、不飽和化合物の転化率、不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の選択率をより高くすることができる。
ところで、鉄(Fe)の供給源化合物の添加がおこなわれる複数回のうち、少なくとも2回は、添加される対象の溶媒又は溶液の組成が相違する。これは、同じ組成の溶媒又は溶液に鉄(Fe)の供給源化合物を添加した場合、その後の工程を経ても、結果的に同じ状態の触媒としての鉄成分が得られ、1回にまとめて添加した場合と差が生じず、また、後記する本発明の触媒のラマン分光法の測定において生じる特徴を生じさせない。
[本発明の触媒の特徴]
本願発明にかかる触媒は、ラマン分光法により測定された特定の波長幅の最大値に対する別の特定の波長幅の最大値との比に特徴を有する。具体的には、ラマン分光法により測定された898cm-1±5cm-1における最大値に対する、940cm-1±5cm-1における最大値の比が0.37以上となり、0.39以上が好ましく、0.41以上がより好ましい。一方、この最大値の比の上限は、0.54以下であり、0.52以下が好ましく、0.50以下がより好ましい。この範囲を外れると、不飽和化合物の転化率や、不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の選択率等の触媒性能を十分に向上させることが難しくなる傾向がある。
[用途]
本発明にかかる触媒を用いることにより、原料転化率や生成物選択率等の触媒性能をより向上させることができ、プロピレン、イソブテン、ターシャリーブタノール等の不飽和化合物を分子状酸素含有ガスにより気相接触酸化して、対応するアクロレイン、メタクロレイン等の不飽和アルデヒドや、アクリル酸、メタクロレイン等の不飽和アルデヒドを高収率で製造することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、プロピレン転化率、アクロレイン選択率、アクリル酸選択率、アクロレイン収率、アクリル酸収率、合計収率の定義は、下記の通りである。
・プロピレン転化率(モル%)=(反応したプロピレンのモル数/供給したプロピレンのモル数)×100
・アクロレイン選択率(モル%)=(生成したアクロレインのモル数/反応したプロピレンのモル数)×100
・アクリル酸選択率(モル%)=(生成したアクリル酸のモル数/反応したプロピレンのモル数)×100
・アクロレイン収率(モル%)=(生成したアクロレインのモル数/供給したプロピレンのモル数)×100
・アクリル酸収率(モル%)=(生成したアクリル酸のモル数/供給したプロピレンのモル数)×100
・合計収率(モル%)=アクロレイン収率(モル%)+アクリル酸収率(モル%)
<ラマンスペクトルの測定>
触媒サンプルナノフォトン(株)製、RAMANtouchを用い、励起レーザー波長532nm、回折格子1200gr/mmの条件でラマンスペクトル測定を行った。測定により898cm-1±5cm-1における最大値、及び940cm-1±5cm-1における最大値をそれぞれ求め、898cm-1±5cm-1における最大値に対する、940cm-1±5cm-1における最大値の比((940cm-1±5cm-1における最大値)/(898cm-1±5cm-1における最大値))を計算した。
(実施例1)
<触媒の調製>
容器に温水14.6Lを入れ、更にパラモリブデン酸アンモニウム四水和物2.31kgを加えて溶解させ、溶液とした。次いで、該溶液にヒュームドシリカの水分散液3.98kgを加えて、撹拌し、懸濁液とした(以下、「懸濁液A」と称する)。該ヒュームドシリカ水分散液は、ヒュームドシリカ5kg(比表面積200m/g)をイオン交換水20Lに加えてヒュームドシリカ懸濁液とした後に、該ヒュームドシリカ懸濁液を、ホモジナイザーであるULTRA-TURRAX T115KT(IKA社製)により、60分間分散処理を行い、ヒュームドシリカ水分散液としたものであり、ケイ素の供給源化合物とした。
別の容器に純水2.90Lを入れ、更に硝酸鉄九水和物0.35kg、硝酸コバルト六水和物1.41kg及び硝酸ニッケル六水和物1.43kgを加えて、加温して溶解させた(以下、「溶液B」と称する)。溶液Bを懸濁液Aに添加し、均一になるように攪拌し、加熱乾燥し、固形物を得た。次いで該固形物を空気雰囲気で300℃、1時間熱処理し、熱処理した固形物Aを得た。
更に、別の容器に純水8.70L、25%アンモニア水0.32kgを入れ、パラモリブデン酸アンモニウム四水和物0.64kgを加えて溶解し、「溶液C」とした。次いで、溶液Cに炭酸ナトリウム14.1g及び硝酸カリウム18.9gを加えて溶解し、「溶液D」とした。前記熱処理した固形物Aを3.10kg及び硝酸鉄九水和物0.10kgを溶液Dに添加し、均一になるように混合した。次いでNaを0.53%固溶した次炭酸ビスマス0.95kgを加えて30分間混合し、触媒活性成分とした。該触媒活性成分を加熱して水分を除去し、乾燥品とし、次いで該乾燥品を粉砕し、触媒活性成分の粉体を得た(以下、「粉体A」と称する)。
得られた粉体Aを最高温度440℃で6時間事前焼成した。事前焼成粉体に対して5重量%分の結晶セルロース及び5重量%分の鱗片状ガラスを添加し、十分混合した後、30重量%グリセリン水溶液、アルミナ及びシリカを主成分とする球状の担体を用いて、転動造粒法により、担持成形体を調製した。(株)ダルトン製マルメライザーQJ-230T-2型(円筒直径23cm)に直径4.0mmの球状の担体(気孔率50%、吸水率20%)を投入し、150rpmで回転させた。次いで結晶セルロースと鱗片状ガラスを添加した事前焼成粉体とグリセリン水溶液を交互に添加することを40分間繰り返すことにより担体に担持させ、担持成形体を得た。このとき使用したグリセリン水溶液の量は、事前焼成粉体100重量部に対して、36重量部であった。該担持成形体を空気雰囲気下、505℃で2時間、焼成を行い、球状触媒を得た。担持された触媒を担体から剥がし、1.0mm~2.0mmの篩を通し顆粒状の触媒Aを得た。
触媒Aの組成比(モル比)は以下の通りであった。
Mo/Bi/Fe/Co/Ni/Na/K/Si=12/2.9/0.8/3.4/3.4/0.4/0.15/8.4
<プロピレンの気相接触酸化反応>
プロピレンの気相接触酸化反応には、ステンレス鋼製内径7mmの反応管を用いた。反応管内に触媒Aを3.0g充填し、原料混合ガスを導入する入口側にはムライトボール1.5φを充填した。熱媒にはナイターを用い、320℃で反応を行った。
プロピレン10体積%、スチーム12体積%、酸素15体積%、窒素63体積%の原料混合ガスを圧力70kPaで該反応管内にいる入口側より導入し、触媒層との接触時間1.8秒にて、プロピレンの気相接触酸化を実施した。この時、プロピレンの空間速度は191h-1であった。反応結果を表1にまとめた。
(比較例1)
<触媒の調製>
硝酸鉄九水和物を0.46kg加えた以外は、実施例1と同様に熱処理した固形物Aを得た。
更に、別の容器に純水1.17L、25%アンモニア水42.8gを入れ、パラモリブデン酸アンモニウム四水和物86.5gを加えて溶解し、溶液Cとした。次いで、溶液Cに炭酸ナトリウム2.0g及び硝酸カリウム2.6gを加えて溶解し、溶液Dとした。前記熱処理した固形物0.42kgを溶液Dに添加し、均一になるように混合した。次いでNaを0.53%固溶した次炭酸ビスマス0.13kgを加えて30分間混合し、触媒活性成分とした。該触媒活性成分を加熱して水分を除去し、乾燥品とし、次いで該乾燥品を粉砕し、触媒活性成分の粉体Aを得た。
粉体Aに対し、0.5重量%分のポリエチレンオキサイド、5重量%分の鱗片状ガラス及び5重量%分のレーヨン短繊維を添加し、十分混合した後、純水、アルミナ及びシリカを主成分とする球状の担体を用いて、回転数150rpmで転動造粒法により、担持成形体を調製した。該担持成形体を空気雰囲気下、505℃で2時間、焼成を行い、球状触媒を得た。担持された触媒を担体から剥がし、1.0mm~2.0mmの篩を通し顆粒状の触媒Bを得た。
触媒Bの組成比(モル比)は以下の通りであった。
Mo/Bi/Fe/Co/Ni/Na/K/Si=12/2.9/0.8/3.4/3.4/0.4/0.15/8.4
<プロピレンの気相接触酸化反応>
実施例1と同様に反応を行った。反応結果を表1にまとめた。
(比較例2)
容器に温水3.20Lを入れ、更にパラモリブデン酸アンモニウム四水和物0.32kgを加えて溶解させ、溶液とした。次いで、該溶液にヒュームドシリカの水分散液0.55kgを加えて、撹拌し、懸濁液Aとした。
別の容器に純水0.38Lを入れ、更に硝酸コバルト六水和物0.20kg及び硝酸ニッケル六水和物0.20kgを加えて、加温して溶解させ、溶液Bとした。溶液Bを懸濁液Aに添加し、均一になるように攪拌し、加熱乾燥し、固形物を得た。次いで該固形物を空気雰囲気で300℃、1時間熱処理し、熱処理した固形物Aを得た。
更に、別の容器に純水0.13L、25%アンモニア水15.6gを入れ、パラモリブデン酸アンモニウム四水和物31.5gを加えて溶解し、溶液Cとした。次いで、溶液Cに炭酸ナトリウム0.7g及び硝酸カリウム0.9gを加えて溶解し、溶液Dとした。前記熱処理した固形物Aを0.15kg及び硝酸鉄九水和物20.2gを溶液Dに添加し、均一になるように混合した。次いでNaを0.53%固溶した次炭酸ビスマス46.6gを加えて30分間混合し、触媒活性成分とした。該触媒活性成分を加熱して水分を除去し、乾燥品とし、次いで該乾燥品を粉砕し、触媒活性成分の粉体Aを得た。
粉体Aの事前焼成、及び転動造粒は実施例1と同様に行い、触媒Cを得た。
触媒Cの組成比(モル比)は以下の通りであった。
Mo/Bi/Fe/Co/Ni/Na/K/Si=12/2.9/0.8/3.4/3.4/0.4/0.15/8.4
<プロピレンの気相接触酸化反応>
実施例1と同様に反応を行った。反応結果を表1にまとめた。
(比較例3)
容器に温水4.23Lを入れ、更にパラモリブデン酸アンモニウム四水和物0.42kg、炭酸ナトリウム2.2gを加えて溶解させ、溶液とした。別の容器に純水0.15Lを入れ、硝酸カリウム3.0gを溶解させ、前記溶液に添加した。次いで、該溶液にヒュームドシリカの水分散液0.55kgを加えて、撹拌し、懸濁液Aとした。
別の容器に純水0.44Lを入れ、更に硝酸鉄九水和物64.5g、硝酸コバルト六水和物0.20kg及び硝酸ニッケル六水和物0.20kgを加えて、加温して溶解させ、溶液Bとした。溶液Bを懸濁液Aに添加し、均一になるように攪拌した。更に、Naを0.53%固溶した次炭酸ビスマス0.15kgを加えて撹拌し、加熱乾燥し、固形物を得た。次いで該固形物を空気雰囲気で300℃、1時間熱処理し、熱処理した固形物Aを得た。次いで固形物Aを粉砕し、触媒活性成分の粉体Aを得た。
粉体Aの事前焼成、及び転動造粒は実施例1と同様に行い、触媒Dを得た。触媒Dの組成比(モル比)は以下の通りであった。
Mo/Bi/Fe/Co/Ni/Na/K/Si=12/2.9/0.8/3.4/3.4/0.4/0.15/8.4
<プロピレンの気相接触酸化反応>
実施例1と同様に反応を行った。反応結果を表1にまとめた。
Figure 0007322433000001

Claims (4)

  1. 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造するための触媒であって、
    モリブデン(Mo)、ビスマス(Bi)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)及び珪素(Si)を含むと共に、前記のMo,Bi,Fe,Co,Niの組成が下記式(1)で示され、
    ラマン分光法により測定された898cm-1±5cm-1における最大値に対する、
    940cm-1±5cm-1における最大値の比が0.37以上0.54以下である複合酸化物触媒。
    Mo Bi Fe Co Ni (1)
    (a=12のとき、b=0.5~7.0、c=0.05~3.0、d=0.3~10、e=0.3~10(但しd+e=0~10))
  2. 前記Mo、Bi、Fe、Co、Ni、Na、K及びSiの組成は下記式で示される請求項1に記載の複合酸化物触媒。
    Mo12Bi2.9Fe0.8Co3.4Ni3.4Na0.40.15Si8.4
  3. 請求項1又は2に記載の複合酸化物触媒の存在下、気相接触酸化により、プロピレンからアクロレイン及びアクリル酸を製造する方法。
  4. 各供給源化合物を溶媒又は溶液に添加し一体化及び加熱することにより調製液とする調製工程、該調製液を乾燥処理して粉体とする乾燥工程、該粉体を成形し触媒前駆体とする成形工程及び該触媒前駆体を焼成して触媒とする焼成工程を含む請求項1又は2に記載の不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸合成用複合酸化物触媒を製造する方法であって、
    Feの供給源化合物の溶媒又は溶液への添加が複数回であり、
    前記Feの供給源化合物を添加する複数回のうち少なくとも2回の添加において、添加される溶媒の種類又は溶液の組成が相違する、不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造するための触媒の製造方法。
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