JP2018158287A - 触媒の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】不飽和アルデヒドと酸素含有ガスとを気相で接触酸化し、不飽和カルボン酸を製造する際に用いる触媒として転化率に優れ且つ不飽和カルボン酸の選択率が高く、収率の向上が可能となる触媒を提供することを目的とする。【解決手段】 Mo及びSbを含む触媒の製造方法であって、各成分元素の供給源化合物を水性系で一体化及び加熱することにより調製液とする調液工程、該調製液を乾燥処理して粉体とする乾燥工程、該粉体を成型し触媒前駆体とする成型工程及び該触媒前駆体を焼成し触媒とする焼成工程を含み、該焼成工程の焼成雰囲気の酸素濃度が下記式(1)に従う触媒の製造方法。(αSb/αMo)×40≦ 酸素濃度(%)≦(αSb/αMo)×40+1.9 (1)(式中、αSbは調製液を孔径0.1μmのフィルターにより80℃で濾過した溶液におけるSbの濃度を表わし、αMoは調製液を同様に濾過した溶液におけるMoの濃度を表わす。)【選択図】なし

Description

本発明は、触媒の製造方法に関する。
従来、アクロレインやメタクロレイン等の不飽和アルデヒドと酸素含有ガスとを気相で接触酸化し、アクリル酸やメタクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造する際に用いる触媒の製造方法として、モリブデン及びアンチモンを含む触媒の製造方法が知られている。
例えば、特許文献1には、不飽和アルデヒドを原料とし、不飽和カルボン酸を製造するための触媒を製造する方法として、モリブデン含有割合と硫酸根含有割合に応じ、触媒の前駆化合物の焼成工程における酸素濃度を制御することが開示されている。
特開2013−226546号公報
しかしながら、これら従前知られた触媒の製造方法により製造された触媒を用いた、アクロレイン等の不飽和アルデヒドと酸素含有ガスとの気相接触酸化では、反応が十分ではなく、所望のカルボン酸を十分に得ることができなかった。それを改善するため、高温で気相接触酸化を行う、又は、酸化時間を延長するために触媒層の体積を大きくする等の方策がとられていた。しかしながら、該方策では所望の不飽和カルボン酸以外の化合物となる副反応が生じる場合があり、選択率の低下を引き起こし、結果として収率が低下するという問題があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものである。すなわち、アクロレイン等の不飽和アルデヒドと酸素含有ガスとを気相接触酸化し、アクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造する際に用いる触媒として転化率に優れ、且つ不飽和カルボン酸の選択率が高く、収率の向上が可能となる触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、モリブデン(Mo)及びアンチモン(Sb)を含む触媒の製造方法であって、各成分元素の供給源化合物を水性系で一体化及び加熱することにより調製液とする調液工程、該調製液を乾燥処理して粉体とする乾燥工程、該粉体を成型し触媒前駆体とする成型工程及び該触媒前駆体を焼成し触媒とする焼成工程を含み、該焼成工程の焼成雰囲気の酸素濃度を該調製液に溶解したアンチモン濃度とモリブデン濃度に応じ制御することにより、製造された触媒をアクロレインと酸素含有ガスとの気相接触酸化によるアクリル酸の製造に使用した場合、転化率に優れ、生成するアクリル酸の選択率を高くすることができ、収率の向上が可能となることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下である。
[1] モリブデン(Mo)及びアンチモン(Sb)を含む触媒の製造方法であって、
各成分元素の供給源化合物を水性系で一体化及び加熱することにより調製液とする調液工程、該調製液を乾燥処理して粉体とする乾燥工程、該粉体を成型し触媒前駆体とする成型工程及び該触媒前駆体を焼成し触媒とする焼成工程を含み、
該焼成工程の焼成雰囲気の酸素濃度が下記式(1)に従う触媒の製造方法。
(αSb/αMo)×40≦ 酸素濃度(%)≦(αSb/αMo)×40+1.9 (1)
(式中、αSbは調製液をAcrodisc Syringe Filter(Pall社製)孔径0.1μmのフィルターにより80℃で濾過した溶液におけるアンチモン(Sb)の濃度を表わし、αMoは調製液をAcrodisc Syringe Filter(Pall社製)孔径0.1μmのフィルターにより80℃で濾過した溶液におけるモリブデン(Mo)の濃度を表わす。)
[2] 前記触媒が下記組成式(2)で示される触媒である、[1]に記載の触媒の製造方法。
Mo12CuSbSi (2)
(式中、XはNb及び/又はWを示し、YはMg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を示し、ZはFe、Co、Ni及びBiからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を示し、a〜iはそれぞれの元素の原子比を示し、0<a≦12、0≦b≦12、0<c≦12、0≦d≦8、0<e≦500、0≦f≦500、0≦g≦500、0≦h≦500の範囲にあり、iは他の元素の酸化状態を満足させる値である。)
[3] 前記αSb/αMoが0.002以上である、[1]または[2]に記載の触媒の製造方法。
[4] 前記アンチモン(Sb)の供給源化合物が3価のアンチモン化合物を含む、[1]乃至[3]のいずれかに記載の触媒の製造方法。
[5] 前記アンチモン(Sb)の供給源化合物が、アンチモン(Sb)を含む複数の成分元素を共に含む化合物以外の供給源化合物を含む、[1]乃至[4]のいずれかに記載の触媒の製造方法。
[6] [1]乃至[5]のいずれかに記載の触媒の製造方法により製造された触媒を用いて、アクロレインを酸素含有ガスにより気相接触酸化するアクリル酸の製造方法。
本発明によれば、触媒の酸化状態を最適化することができ、該触媒を用いてアクロレインと酸素含有ガスとを気相で接触酸化を行うと、比較的低温度で、アクロレインの転化率に優れ、高選択率でアクリル酸を製造することができる。
以下において、本発明について詳細に説明する。
尚、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、銅(Cu)、アンチモン(Sb)、ケイ素(Si)、炭素(C)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ビスマス(Bi)の各元素は、それぞれカッコ内の元素記号を用いて表記する場合がある。
本発明のMo及びSb含む触媒の製造方法は各成分元素の供給源化合物を水性系で一体化及び加熱することにより調製液とする調液工程、該調製液を乾燥処理して粉体とする乾燥工程、該粉体を成型し触媒前駆体とする成型工程及び該触媒前駆体を焼成し触媒とする焼成工程を含む。
上記各成分元素の供給源化合物を水性系で一体化及び加熱するとは、各成分元素の供給源化合物の水溶液ないし水分散液を一括にあるいは段階的に混合又は熟成処理することを意味する。すなわち、(イ)上記の各供給源化合物を一括して混合する方法、(ロ)上記の各供給源化合物を一括して混合し、そして熟成処理する方法、(ハ)上記の各供給源化合物を段階的に混合する方法、(ニ)上記の各供給源化合物を段階的に混合・熟成処理を繰り返す方法、及び(イ)〜(ニ)を組み合わせた方法はいずれも上記各成分元素の供給
源化合物の水性系での一体化の概念に含まれる。
なお、「熟成」とは、化学大辞典(共立出版)にも記載があるように、「工業原料又は半製品を、一定時間、一定温度等の特定条件のもとに処理して必要とする物理性、化学性の取得、上昇あるいは所定反応の進行等をはかる操作」をいう。本発明においては、上記一定時間は1分〜24時間の範囲であり、上記の一定温度は室温〜200℃の範囲である。
上記各成分元素の供給源化合物を水性系で一体化する際の水の量は、各供給源化合物を完全に溶解又は均一に分散できる量であれば特に限定されないが、例えば、後述する乾燥の条件を勘案して適宜に決定することができる。水の量は、各供給源化合物の合計100重量部に対して100重量部〜2000重量部であることが好ましい。水の量が上記所定量未満の少量では供給源化合物を完全に溶解できず、又は均一に混合できないことがある。また、水の量が多量であれば、熱処理時のエネルギーコストがかさむおそれがある。調製液の調製過程における混合や攪拌を通じて、供給源化合物の一体化は進行するが、一体化をさらに促進するために、好ましくは室温〜200℃、より好ましくは70℃〜100℃で、好ましくは1分〜24時間、より好ましくは30分〜6時間、熟成処理することができる。
尚、本発明の各成分元素の供給源化合物とは、水性系に供する各成分元素の最終の化合物を供給源化合物とする。すなわち、例えば成分元素「A」の供給源化合物「B」を水性系に供し、成分元素「A」を含む化合物「C」とした後に、該化合物「C」を水性系より取り出し、次いで該化合物「C」を再び水性系に供した場合、化合物「B」は化合物「C」に変化しており、水性系に供する最終の化合物ではないので、成分元素「A」の供給源化合物ではなく、化合物「C」が成分元素「A」の供給源化合物となる。更に、各成分元素の供給源化合物とは、各成分元素のそれぞれについてのそれぞれの化合物のみを意味するのではなく、複数の成分元素を共に含む化合物(たとえばMoとPとについてのリンモリブデン酸アンモニウムなど)を包含するものである。その場合、該複数の成分元素を共に含む化合物はそれぞれの成分元素の供給源化合物とする。すなわち、該リンモリブデン酸アンモニウムはリンの供給源化合物であり、またモリブデンの供給源化合物でもある。
そして、上記の操作により得られた調製液を乾燥処理することにより、粉体を得ることができる。この乾燥は、通常の方法により行うことができ、調製液を充分に乾燥できる方法であれば特に制限されない。例えばドラム乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等が好ましい方法として挙げられる。噴霧乾燥は、調製液から短時間に均質な粉体状態に乾燥することができるので、本発明に好ましく適用できる方法である。
上記乾燥の温度は、調製液における供給源化合物の濃度等によっても異なるが、通常90℃〜200℃、好ましくは130℃〜170℃にて行われる。かかる乾燥により得られる粉体の粒径は、10μm〜200μmとなるようにするのが好ましい。このため、乾燥後、乾燥物の粒径が大きい場合には粉砕により好ましい粒径の粉体とすることもできる。
得られた上記粉体は、成型工程により触媒前駆体とする。この成型工程は、通常の方法、例えば、(A)打錠成形、(B)押出成形、(C)担持成形等の方法により行われる。成形体の形状は、好ましくは球状、円柱状、リング状等の適宜の形状である。
成形をする際には、バインダー(成形助剤)を使用することができる。例えば、打錠成形する場合には、シリカ、グラファイト、結晶性セルロース等のバインダーを上記粉体100重量部に対して好ましくは約0.01重量部〜50重量部程度使用することが好ましい。また、押出成形する場合には、シリカゲル、珪藻土、アルミナ粉末等のバインダーを
上記粉体100重量部に対して、好ましくは約0.01重量部〜50重量部程度使用することが好ましい。また、必要によりセラミックス繊維、ウイスカー等の無機繊維を触媒粒子の機械的強度向上材として用いることもできる。強度向上のためには、セラミックス繊維が特に好ましい。これらの繊維の使用量は、粉体100重量部に対して好ましくは1重量部〜30重量部である。上記バインダー及び機械的向上剤は、通常、予め上記粉体と混合して用いられる。
また、上記バインダーとして、セルロースやポリビニルアルコール等の高分子化合物を用いることができる。これらの高分子化合物は、供給源化合物を混合し、必要に応じて乾燥等をして得た上記触媒前駆化合物を成形する際に添加することが好ましい。また、この場合、高分子化合物の添加量は、焼成前の乾燥状態の粉体に対し、0.01質量%〜10質量%であることが好ましい。
上記の触媒前駆体は、焼成工程を行うことにより、本件触媒とすることができる。この焼成工程における焼成温度は300℃〜450℃が好ましい。焼成時間は0.5時間〜10時間であることが好ましい。焼成温度が300℃未満の場合は、触媒の活性相が十分に形成されないおそれがある。一方、焼成温度が450℃を超える場合は、触媒の活性相が分解するおそれがある。また、焼成時間が0.5時間未満の場合には、活性相が十分に形成されないおそれがある。一方、焼成時間が10時間を超える場合には不経済である。
上記焼成工程における焼成の雰囲気ガス中の酸素濃度は、調製工程により調製された調製液中に溶解しているSb濃度及びMo濃度に応じ、制御される。すなわち、該焼成工程の焼成雰囲気の酸素濃度が下記式(1)に従う。
(αSb/αMo)×40≦ 酸素濃度(%)≦(αSb/αMo)×40+1.9 (1)
(式中、αSbは調製液をAcrodisc Syringe Filter(Pall社製)孔径0.1μmのフィルターにより80℃で濾過した溶液におけるアンチモン(Sb)の濃度を表わし、αMoは調製液をAcrodisc Syringe Filter(Pall社製)孔径0.1μmのフィルターにより80℃で濾過した溶液におけるモリブデン(Mo)の濃度を表わす。)
該焼成工程の焼成雰囲気の酸素濃度が前記範囲内であることにより製造された触媒は酸化状態が最適となり、アクロレインを酸素含有ガスとの気相接触酸化によるアクリル酸の製造において、触媒上で効率的に酸化反応が起こることにより、アクリル酸の収率が向上することとなるのである。
尚、Sbの供給源化合物は、Sbを含む複数の成分元素を共に含む化合物以外の供給源化合物を含むことが、製造された触媒の活性が向上し、アクリル酸製造時の収率を向上できるため好ましい。前記αSb/αMoの値が高いほうが触媒前駆体の酸化状態が還元されている傾向であり、それに併せて焼成雰囲気の酸素濃度範囲を調整することにより焼成後の触媒の酸化状態が最適化される傾向にある。
更に、αSb/αMoは0.002以上が好ましく、0.004以上であることがより好ましい。前記範囲内であることにより製造された触媒は酸化状態が最適化される傾向にあり、アクリル酸の収率を向上させることができる。
更に本発明の製造方法により製造された触媒は下記組成式(2)で表されることが好ましい。
Mo12CuSbSi (2)
(式中、XはNb及び/又はWを示し、YはMg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を示し、ZはFe、Co、Ni及びBiからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を示し、a〜iはそれぞれの元素の原子比を示し、0
<a≦12、0≦b≦12、0<c≦12、0≦d≦8、0<e≦500、0≦f≦500、0≦g≦500、0≦h≦500の範囲にあり、iは他の元素の酸化状態を満足させる値である。)
上記組成式(2)の触媒とすることで、より高収率でアクリル酸を製造することができる。
Moの供給源化合物の具体例としては、パラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、モリブデン酸、ケイモリブデン酸アンモニウム等が挙げられる。
Vの供給源化合物の具体例としては、バナジン酸アンモニウム、五酸化バナジウム、シュウ酸バナジウム、硫酸バナジウム等が挙げられ、Vの添加量は、0<a≦12となるように添加することが好ましく、より好ましくは0.1≦a≦6、更に好ましくは1≦a≦5となるように添加する。aが前記範囲内であることにより選択性の高い触媒とすることができる。
Cuの供給源化合物としては、硫酸銅、硝酸銅、塩化第一銅等が挙げられ、Cuの添加量は0<c≦12となるように添加することが好ましく、より好ましくは0.1≦c≦6、更に好ましくは0.5≦c≦4となるように添加する。cが前記範囲内であることにより選択性の高い触媒とすることができる。
Sbの供給源化合物としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等の酸化アンチモン等や酢酸アンチモン等の3価のアンチモン化合物、5価のアンチモン化合物が挙げられるが、水溶性が高いことより、3価のアンチモン化合物が好ましく、中でも三酸化アンチモン、酢酸アンチモンがより好ましい。Sbの添加量は0<e≦500となるように添加することが好ましく、より好ましくは0.1≦e≦100、更に好ましくは0.2≦e≦50となるように添加する。eが前記範囲内であることにより選択性の高い触媒とすることができる。
Siの供給源化合物としては、シリカ、粒状シリカ、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等が挙げられる。Siの添加量は0≦g≦500となるように添加することが好ましく、より好ましくは0.1≦g≦400、更に好ましくは1≦g≦300となるように添加する。gが前記範囲内であることにより選択性の高い触媒とすることができる。
Cの供給源化合物としては、Siと一体化した緑色炭化珪素、黒色炭化珪素などが挙げられ、炭化珪素は微粉末のものが好ましい。Cの添加量は、0≦h≦500となるように添加することが好ましく、より好ましくは0.1≦h≦400、更に好ましくは1≦h≦300となるように添加する。hが前記範囲内であることにより選択性の高い触媒とすることができる。
XはNb及び/又はWであり、Nbであることが好ましい。
Xの添加量は0≦b≦12となるように添加することが好ましく、より好ましくは0.1≦b≦6、更に好ましくは0.5≦b≦4となるように添加する。bが前記範囲内であることにより選択性の高い触媒とすることができる。
YはMg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であれば特に限定されない。
Yの添加量は0≦d≦8となるように添加することが好ましく、より好ましくは0.01≦d≦6、更に好ましくは0.1 ≦d≦4となるように添加する。dが前記範囲内であることにより選択性の高い触媒とすることができる。
ZはFe、Co、Ni及びBiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であれば
特に限定されないが、Fe、Co及びNiからなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、Niであることが更に好ましい。
Zの添加量は0≦f≦500となるように添加することが好ましく、より好ましくは0.1≦f≦400、更に好ましくは1≦f≦300となるように添加する。fが前記範囲内であることにより選択性の高い触媒とすることができる。
前記X、前記Y、前記Zそれぞれの成分元素の供給源化合物としては、成分元素の酸化物、硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、水酸化物、カルボン酸塩、カルボン酸アンモニウム塩、ハロゲン化アンモニウム塩、水素酸、アセチルアセテート、アルコキシド等が挙げられる。
また、本件触媒の製造においては、触媒を構成する複数の成分元素を共に含む化合物を予め形成しておき、これを供給源化合物として使用することもできる。例えば本件触媒がSbおよびNiを含む場合には、Sb−Ni−Oで示される複合酸化物を、Sb、NiおよびSiを含む場合にはSb−Ni−Si−Oで示される複合酸化物を、それぞれ供給源化合物として使用することもできる。
但し、前記Sbを含む複数の成分元素を共に含む化合物は難水溶性である可能性が高いことより、Sbの供給源化合物としては、前記Sbを含む複数の成分元素を共に含む化合物以外の供給源化合物を含むことが好ましい。
以上の方法で製造される本件触媒は、不飽和アルデヒドと酸素含有ガスとを気相接触酸化し、不飽和カルボン酸を製造するための触媒として、好ましくはアクロレインと酸素含有ガスを気相接触酸化して、アクリル酸を製造するための触媒として使用することができる。
アクロレインと酸素含有ガスとの気相接触酸化により、アクリル酸を製造するためには、既存の方法を使用することができる。例えば、反応器としては、固定床管型反応器を用いることができる。この場合、反応は、反応器を通じて単流通法を用いてもリサイクル法を用いても行うことができ、この種の反応に一般的に使用される条件下で実施できる。
例えば、アクロレイン1体積%〜15体積%、分子状酸素0.5体積%〜25体積%、水蒸気0〜40体積%、窒素、炭酸ガス等の不活性ガス20体積%〜80体積%等からなる混合ガスを、内径が好ましくは15mm〜50mmの各反応管の各反応帯に充填した触媒層に250℃〜450℃、0.1MPa〜1MPaの加圧下、空間速度(SV)300hr−1〜15000hr−1で混合ガスを導入することにより、アクリル酸を製造することができる。本発明では、より生産性を上げるために高負荷反応条件下、例えば、より高いアクロレインガス濃度、又は高い空間速度の条件下で運転することもできる。かくして、本発明で製造された上記本件触媒により、高選択率及び高収率でアクリル酸を製造することができる。
尚、空間速度とは次式で示される値である。
・空間速度SV(hr−1)=反応器に供給するアクロレインガスの体積流量(0℃、1気圧条件)/反応器に充填された触媒の体積(反応性の無い固形物は含まない)
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
アクロレイン転化率、アクリル酸選択率、アクリル酸収率は、下記の式(1)〜(3)のように定義する。
(1)アクロレイン転化率(モル%)=100×(反応したアクロレインのモル数)/(供給したアクロレインのモル数)
(2)アクリル酸選択率(モル%)=100×(生成したアクリル酸モル数)/(転化
したアクロレインモル数)
(3)アクリル酸収率(モル%)=100×(生成したアクリル酸モル数)/(供給したアクロレインモル数)
<調製液中のアンチモン濃度(αSb)及びモリブデン濃度(αMo)の測定>
調製液5mlをサンプリングし、Acrodisc Syringe Filter(Pall社製)孔径0.1μmのフィルターにより80℃で濾過した。濾過した濾液を60℃とし、純水および硝酸を加えて50mlに定容した。定容した溶液をICP-OES(Thermo Fisher Scientific社製 iCAP6500DUO型)にてプラズマ発光分析によりSb濃度及びM
o濃度を測定し、測定結果よりαSb/αMoを計算した。
<アクロレイン転化率、アクリル酸選択率>
製造された触媒33mlを、ナイターを入れたジャケット付き反応管(内径21mm)に充填して加熱し、組成ガス(アクロレイン6体積%、酸素8体積%、スチーム22体積%、窒素ガス64体積%)を導入し、空間速度SVを1550hr−1として反応させた。
因みに、ナイター浴は、アルカリ金属の硝酸塩からなる熱媒体に反応管を入れて反応させる塩浴をいい、この熱媒体は200℃以上で溶融し、400℃まで使用可能で除熱効率がよいので、発熱量の大きな酸化反応に適した反応浴である。
〔実施例1〜4、比較例1〜4〕
酸素を除く構成成分の実験式が表1に示す組成である触媒を以下のようにして製造した。なお、使用した各供給源化合物の量は、表1に示す量である。
塩基性炭酸ニッケルを純水に分散させ、これにシリカ及び三酸化アンチモンを加えて十分に撹拌してスラリー状液とした。該スラリー状液を加熱して濃縮し、乾燥した。得られた乾燥固体をマッフル炉にて800℃で3時間焼成し、生成固体を粉砕して60メッシュ篩を通過する粉末(Sb−Ni−Si−O粉末)を得た。一方、純水を80℃に加熱し、パラモリブデン酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウムを順次攪拌しながら溶解した。これに硫酸銅を純水57mlに溶解させた硫酸銅水溶液を加え、さらに水酸化ニオブを加えて攪拌し、スラリー液を得た。 該スラリー液に、三酸化アンチモンを加え、上記Sb−Ni−Si−O粉末を撹拌しながら徐々に加えた後、90℃で4時間撹拌混合して調製液とした。
該調製液を150℃で噴霧乾燥し粉体を得た。
該粉体に対して1.5重量%のグラファイトを添加混合し、小型打錠成形機にて成形して触媒前駆体とした。
該触媒前駆体を表1の焼成条件で焼成し、触媒を製造した。
得られた触媒を用いて熱媒温度235℃でアクロレインを酸素含有ガスにて気相接触酸化し、アクロレイン転化率、アクリル酸選択率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2018158287
本発明の製造方法により製造された触媒は実施例において示されているように、アクロレインと酸素含有ガスとを気相で接触酸化した場合、熱媒温度が低くても、アクロレインの転化率に優れ、且つアクリル酸の選択率が高く、収率の向上が可能となっている。

Claims (6)

  1. モリブデン(Mo)及びアンチモン(Sb)を含む触媒の製造方法であって、
    各成分元素の供給源化合物を水性系で一体化及び加熱することにより調製液とする調液工程、該調製液を乾燥処理して粉体とする乾燥工程、該粉体を成型し触媒前駆体とする成型工程及び該触媒前駆体を焼成し触媒とする焼成工程を含み、
    該焼成工程の焼成雰囲気の酸素濃度が下記式(1)に従う触媒の製造方法。
    (αSb/αMo)×40≦ 酸素濃度(%)≦(αSb/αMo)×40+1.9 (1)
    (式中、αSbは調製液をAcrodisc Syringe Filter(Pall社製)孔径0.1μmのフィルターにより80℃で濾過した溶液におけるアンチモン(Sb)の濃度を表わし、αMoは調製液をAcrodisc Syringe Filter(Pall社製)孔径0.1μmのフィルターにより80℃で濾過した溶液におけるモリブデン(Mo)の濃度を表わす。)
  2. 前記触媒が下記組成式(2)で示される触媒である、請求項1に記載の触媒の製造方法。
    Mo12CuSbSi (2)
    (式中、XはNb及び/又はWを示し、YはMg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を示し、ZはFe、Co、Ni及びBiからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を示し、a〜iはそれぞれの元素の原子比を示し、0<a≦12、0≦b≦12、0<c≦12、0≦d≦8、0<e≦500、0≦f≦500、0≦g≦500、0≦h≦500の範囲にあり、iは他の元素の酸化状態を満足させる値である。)
  3. 前記αSb/αMoが0.002以上である、請求項1または2に記載の触媒の製造方法。
  4. 前記アンチモン(Sb)の供給源化合物が3価のアンチモン化合物を含む、請求項1乃
    至3のいずれか1項に記載の触媒の製造方法。
  5. 前記アンチモン(Sb)の供給源化合物が、アンチモン(Sb)を含む複数の成分元素を共に含む化合物以外の供給源化合物を含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の触媒の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の触媒の製造方法により製造された触媒を用いて、アクロレインを酸素含有ガスにより気相接触酸化するアクリル酸の製造方法。
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CN115038521A (zh) * 2020-01-31 2022-09-09 三菱化学株式会社 催化剂的制造方法及丙烯酸的制造方法
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