JP6811460B2 - ポリアミド樹脂めっき成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアミド樹脂成形体(前駆体)の表面にめっき層が形成されているポリアミド樹脂めっき成形体に関する。
ポリアミド樹脂は、優れた機械特性、耐熱性、耐薬品性および成形性を有しているため、自動車や電気・電子部品用途へ幅広く利用されている。例えば、エンジンカバー等の自動車エンジン周辺部品や、ドアミラー、ホイールキャップ、ルーフモールなど外装部品、コネクター、ブレーカー等の電気・電子部品などに好適に使用される。
従来から、自動車の加飾部品として、高級感および/または美感を付与するために、表面に銅またはニッケル等のめっき層が形成されているポリマー成形体が知られている。ポリアミド樹脂においても、前述の性能を生かしつつ金属調の外観を付与するために、めっき処理する技術が改良されている。ポリアミド樹脂にめっき層を密着させるためには、ポリアミド樹脂に無機充填剤を配合しておき、塩酸エッチングによって成形品表面の粗面化処理を行い、無機充填剤が溶出した凹痕に金属皮膜が入り込むことが必要である。そのため、塩酸エッチングに適したワラストナイトを配合したポリアミド樹脂組成物が提案されている(特許文献1〜3)。
特開昭61−268754号公報 特開昭60−96648号公報 特開昭58−45258号公報
本発明の発明者等は、特許文献1〜3の技術では、めっき層の密着強度は大きくなるものの、金属めっき後の外観が損なわれるという新たな問題が生じることを見い出した。例えば、ワラストナイトが塩酸エッチング時に溶解除去されると、大きな凹凸が形成されるため、めっき後のめっき層の密着強度は大きくなる。しかしながら、めっき層の表面平滑性および/または光沢性が低下し、結果として、めっき層の外観品質が十分ではなかった。特に、ポリマー成形体を射出成形により製造し、その表面にめっき層を形成した場合、めっき層の表面粗さは、その直下にウェルド部を有する領域で、顕著に上昇し、ウェルド領域での表面平滑性に関する外観品質の低下は深刻な問題であった。
本発明は、成形体の強度および剛性に十分に優れているとともに、めっき層の外観品質および密着強度が十分に優れているポリアミド樹脂めっき成形体を提供することを目的とする。
本明細書中、ウェルド部はめっき層形成前の成形体において、成形時に溶融ポリマーが合流した部分のことである。
ウェルド領域は、めっき層表面において、その直下にウェルド部(例えば、ウェルドライン)を有する領域のことである。
本発明の要旨は以下の通りである。
<1>(A)相対粘度が1.8以上3.0未満であるポリアミド樹脂50〜80質量部;および
(B)平均粒子径が0.1〜6μmであり、かつアスペクト比が4〜15であるタルク20〜50質量部
をこれらの合計量が100質量部となるように含有し、
(C)耐衝撃改良材0〜30質量部
をさらに含有するポリアミド樹脂組成物を含む成形体の表面に金属めっき層を有する、ポリアミド樹脂めっき成形体。
<2>前記金属めっき層表面が1μm以下の算術平均粗さおよび70%以上の光沢度計による反射率を有す
る、<1>に記載のポリアミド樹脂めっき成形体。
<3>前記ポリアミド樹脂組成物を含む成形体が、前記金属めっき層を有する表面にウェルド部を有する、<1>または<2>に記載のポリアミド樹脂めっき成形体。
<4>前記耐衝撃改良材がオレフィン系ポリマーである、<1>〜<3>のいずれかに記載のポリアミド樹脂めっき成形体。
<5>前記耐衝撃改良材が酸変性オレフィン系ポリマーである、<1>〜<4>のいずれかに記載のポリアミド樹脂めっき成形体。
<6>前記耐衝撃改良材の含有量が、前記ポリアミド樹脂(A)および前記タルク(B)の合計量100質量部に対して、7〜28質量部である、<1>〜<5>のいずれかに記載のポリアミド樹脂めっき成形体。
本発明のポリアミド樹脂めっき成形体は、強度および剛性に十分に優れている。
本発明のポリアミド樹脂めっき成形体は、めっき層の密着強度が十分に高い。
本発明のポリアミド樹脂めっき成形体は、表面平滑性および光沢性に関する外観品質に十分に優れている。
本発明のポリアミド樹脂めっき成形体は、特に、めっき層において直下にウェルド部を有する領域の表面粗さが十分に小さいため、ウェルド領域の表面平滑性に十分に優れている。
[ポリアミド樹脂めっき成形体]
本発明のポリアミド樹脂めっき成形体は、前駆体としてのポリアミド樹脂成形体の表面に金属めっき層を有している。ポリアミド樹脂成形体は以下で説明するポリアミド樹脂組成物から構成されている。
[ポリアミド樹脂組成物]
本発明において、ポリアミド樹脂組成物は、成分(A)としてのポリアミド樹脂(以下、「ポリアミド樹脂(A)」ということがある)および成分(B)としてのタルク(以下、「タルク(B)」ということがある)、さらに成分(C)としての耐衝撃改良材(以下、「耐衝撃改良材(C)」ということがある)を含有してもよい。
ポリアミド樹脂(A)は、特に制限はないが、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸の残基を主たる構成成分とする樹脂である。その原料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸;ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム;テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン;メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン;1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂環族ジアミン;アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。本発明においては、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマーまたはコポリマーを2種以上配合してもよい。
ポリアミド樹脂(A)の具体的な例としては、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリペンタメチレンアジパミド(ポリアミド56)、ポリペンタメチレンセバカミド(ポリアミド510)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリデカメチレンセバカミド(ポリアミド1010)、ポリデカメチレンドデカミド(ポリアミド1012)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド6/66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド66/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミド(ポリアミド6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ポリアミドXD6)、ポリキシリレンセバカミド(ポリアミドXD10)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T/5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T/M5T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド10T/66)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド10T/612)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド12T)およびこれらの共重合体などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。なお、上記標記において、「ポリアミドX/ポリアミドY」は、ポリアミドXを構成するモノマーおよびポリアミドYを構成するモノマーをモノマー成分として含有する、コポリマーとしてのポリアミドを意味する。例えば、「ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド」はカプロラクタム、ヘキサメチレンジアミンおよびテレフタル酸をモノマー成分として含有するポリアミド(コポリマー)のことである。
中でも好ましいポリアミド樹脂(A)としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド6/66を挙げることができ、特に好ましくはポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610である。
ポリアミド樹脂(A)の重合度には特に制限はないが、ポリアミド樹脂(A)の濃度0.01g/mlの96%濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度が、1.8以上3.0未満の範囲、特に2.0以上2.8以下の範囲であることが必要である。相対粘度が1.8以上であれば、得られる成形体において、物性、特に衝撃強度が高く、めっき層の密着性を向上させることができる。一方、相対粘度が3.0未満であれば、得られる成形体においてめっき層の光沢性および表面平滑性に関する外観品質、特に表面平滑性をより向上させることができる。ポリアミド樹脂の相対粘度が過小であると、めっき層の密着強度が低下し、成形体の強度および剛性が低下する。当該相対粘度が過大であると、めっき層の外観品質、特に光沢性に関する外観品質が低下する。
ポリアミド樹脂(A)の含有量は、当該ポリアミド樹脂(A)と後述のタルク(B)との合計量100質量部に対して、50〜80質量部であり、成形体の強度およびめっき層の外観品質のさらなる向上の観点から好ましくは60〜80質量部であり、成形体の強度および剛性ならびにめっき層の外観品質および密着強度のさらなる向上の観点から好ましくは65〜75質量部である。当該含有量が過少であると、めっき層の外観品質および密着強度が低下する。当該含有量が過多であると、めっき層の密着強度が低下する。ポリアミド樹脂組成物が2種類以上のポリアミド樹脂(A)を含む場合、それらの合計含有量が上記範囲内であればよい。
タルク(B)は、珪酸マグネシウムを成分とする天然鉱物を精製、粉砕及び分級したもので、化学式MgSi10(OH)で示される白色粉末状粒子であり滑石とも呼ばれている。この化合物は、結晶学的には三斜晶系に分類される板状白色物質である。タルク(B)はその形状に起因して板状タルクとも呼ばれ得る。本発明において、タルク(B)として、針状、球状等の形状のものは排除される。
タルク(B)は特定の平均粒子径と特定のアスペクト比を満足する。このようなタルク(B)により、従来より知られる剛性や耐衝撃強度、寸法安定性などを向上させる補強効果以外にも、樹脂成形体表面に金属めっきを施した際の、めっき層の表面平滑性および光沢性に関する外観品質およびめっき層の密着強度に優れた成形体が得られる。タルク(B)は、後述するめっき工程におけるエッチング工程において、微視的にみて、成形体表層からポリアミド樹脂とともに除去されることで、その除去された跡がアンカー効果を発揮し、めっき層の密着性を向上させ得るものと考えられる。またタルク(B)は、ポリアミド樹脂(A)との組み合わせにより、はじめて、めっき層(特にウェルド領域)の外観品質を向上させ得る。そのメカニズムの詳細は明らかではないが、タルク(B)はポリアミド樹脂(A)中、特にウェルド部で分散性が向上することに起因するものと考えられる。
タルク(B)の平均粒子径は0.1〜6μm、特に0.5〜5μmであり、成形体の強度ならびにめっき層の外観品質および密着強度のさらなる向上の観点から、好ましくは1〜4μm、より好ましくは1.5〜3.5μmである。平均粒子径が0.1μm未満であると剛性や強度、寸法安定性などへの効果が劣り、さらにアンカー効果が小さいためめっき層の密着強度に劣る場合がある。また、6μmを超えるとエッチングされた跡が荒れるため、めっき表面平滑性および光沢性に関する外観品質が劣る場合がある。
タルク(B)の平均粒子径は、レーザー回折散乱方式粒度分布計等によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。測定装置としては、例えば、Microtrac社製MT3300EXIIが挙げられる。タルク(B)の平均粒子径は、タルクのいわゆる長径(最大長)に基づくものであり、顕微鏡等により測定された、任意の100個のタルクについての平均値を用いている。
タルク(B)のアスペクト比は4〜15の範囲、特に5〜11の範囲であり、成形体の強度ならびにめっき層の外観品質および密着強度のさらなる向上の観点から、好ましくは5〜6.8である。アスペクト比が4より小さいと、得られる成形体の剛性および寸法安定性が低下する場合があり、また、アスペクト比が15を超えるとめっき層の密着強度に劣る場合やウェルド部の強度低下および外観品質が劣る場合がある。
タルク(B)のアスペクト比は、タルクの長径(最大長)と厚みの比率を表した値である。タルク(B)のアスペクト比は、顕微鏡等により測定された、任意の100個のタルクについての平均値を用いている。
タルク(B)は、全体として上述のアスペクト比および平均粒子径を満たすものであれば、二種以上のタルクの混合物であってもよい。
タルク(B)は、市販品として入手することもできるし、または製造することもできる。
タルク(B)の市販品として、例えば、板状タルク「ハイフィラー♯5000PJ」(松村産業社製)、板状タルク「P−8」(日本タルク社製)、板状タルク「JM−209」(浅田製粉社製)、板状タルク「SG−2000」(日本タルク社製)等が挙げられる。
タルク(B)の製造方法は、特に限定されたものではなく、公知の各種製造方法等にて製造される。上述したアスペクト比及び平均粒子径を有する板状タルクは、粉砕または造粒により製造することができ、例えば、タルクの原石を衝撃式粉砕機やミクロンミル型粉砕機で粉砕して製造したり、更にジェットミルなどで粉砕した後、サイクロンやミクロンセパレータ等で分級調整する等の方法で製造することができる。タルクのアスペクト比及び平均粒子径は、粉砕装置および粉砕時間により適宜調整することができ、必要に応じて分級することにより、タルク(B)を製造することができる。
タルク(B)としては、原石を粉砕して得たものを直接用いてもよく、また、少なくとも一部を表面処理したものを用いてもよい。表面処理には、たとえば、有機チタネート系カップリング剤、有機シランカップリング剤、不飽和カルボン酸、又はその無水物をグラフトした変性ポリオレフィン、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル等を表面処理剤として用いることができる。表面処理剤を用いる場合には、1種単独で用いてもよく、また、二種以上併用してもよい。
タルク(B)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)と当該タルク(B)との合計量100質量部に基づいて決定され、上記したポリアミド樹脂(A)の含有量に対応する値であればよい。詳しくは、タルク(B)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)と当該タルク(B)との合計量100質量部に対して、20〜50質量部であり、成形体の強度およびめっき層の外観品質のさらなる向上の観点から好ましくは20〜40質量部であり、成形体の強度および剛性ならびにめっき層の外観品質および密着強度のさらなる向上の観点から好ましくは25〜35質量部である。当該含有量が過多であると、めっき層の外観品質および密着強度が低下する。当該含有量が過少であると、めっき層の密着強度が低下する。ポリアミド樹脂組成物が2種類以上のタルク(B)を含む場合、それらの合計含有量が上記範囲内であればよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、さらに耐衝撃改良材(C)を配合してもよい。耐衝撃改良材を配合することにより、ポリアミド樹脂組成物の耐衝撃性およびめっき層の密着強度だけでなく、めっき層の外観品質をさらに向上させることができる。本発明に用いられる耐衝撃改良材は、ポリアミド樹脂と溶融混練することでポリアミド樹脂中に分散し、樹脂組成物の耐衝撃性を向上するものであれば限定されず、例えば、オレフィン系ポリマー、アクリル系ゴム、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム、ウレタン系ゴム、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、スチレン−ブタジエン共重合体(SBS)などが挙げられる。これらの中でも、ポリアミド樹脂(A)との相溶性に優れるため、成形体の強度および剛性ならびにめっき層の外観品質および密着強度のさらなる向上の観点から、オレフィン系ポリマーが好ましい。
オレフィン系ポリマーは、モノマー成分として、オレフィン系モノマーを含有し、芳香族ビニル系モノマーおよび/またはジエン系モノマーをさらに含有していてもよいポリマーである。オレフィン系ポリマーは、成形体の強度および剛性ならびにめっき層の外観品質および密着強度のさらなる向上の観点から、酸変性されていることが好ましい。オレフィン系ポリマーが酸変性されているとは、モノマー成分として、不飽和カルボン酸をさらに含有するという意味である。オレフィン系ポリマーが不飽和カルボン酸を含有する場合、その含有量(導入量)は、オレフィン系ポリマー100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましい。ポリオレフィン系ポリマーが2種類以上の不飽和カルボン酸を含む場合、それらの合計含有量が上記範囲内であればよい。
オレフィン系モノマーは炭素原子数2〜30、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜5のオレフィン系モノマーである。オレフィン系モノマーとして、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセン等からなる群から選択される1種以上のモノマーが挙げられる。オレフィン系モノマーはエチレンを含むことが好ましい。
芳香族ビニル系モノマーとして、スチレン、アルキルスチレン、アリールスチレン、ハロゲン化スチレン、アルコキシスチレン、ビニル安息香酸エステル等からなる群から選択される1種以上のモノマーが挙げられる。好ましくはスチレンである。
ジエン系モノマーとして、イソプレン、ブタジエン、クロロプレン等からなる群から選択される1種以上のモノマーが挙げられる。好ましくはブタジエンである。
不飽和カルボン酸として、
アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸(これらの金属塩を含む);
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メチルマレイン酸、メチルフマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸等の不飽和ジカルボン酸(これらの金属塩を含む);
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸アミノエチル等の不飽和モノカルボン酸エステル;
マレイン酸水素メチル、イタコン酸水素メチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル等の不飽和ジカルボン酸エステル;
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸無水物;
マレイミド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸;
からなる群から選択される1種以上のモノマー等が挙げられる。
これらの中でも、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸エステルおよび不飽和ジカルボン酸無水物が好ましく、不飽和ジカルボン酸および不飽和ジカルボン酸無水物がより好ましく、マレイン酸および無水マレイン酸がさらに好ましい。
オレフィン系ポリマーの具体例として、例えば、以下の重合体が挙げられる:
オレフィン系モノマー単独重合体、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ1−ブテン、ポリ1−ペンテン、ポリメチルペンテン等;
オレフィン系モノマー共重合体、好ましくはエチレン/オレフィン系モノマー共重合体[当該共重合体中、オレフィン系モノマーは、上記したオレフィン系モノマーのうち、エチレン以外の1種以上のモノマー(炭素原子数3〜30、好ましくは3〜10、より好ましくは3〜5のオレフィン系モノマー)のことである]、例えば、エチレン/プロピレン共重合体;
オレフィン系モノマー/不飽和カルボン酸共重合体、好ましくはエチレン/オレフィン系モノマー/不飽和カルボン酸共重合体[当該共重合体中、オレフィン系モノマーは、上記したオレフィン系モノマーのうち、エチレン以外の1種以上のモノマー(炭素原子数3〜30、好ましくは3〜10、より好ましくは3〜5のオレフィン系モノマー)のことである]、エチレン/不飽和カルボン酸共重合体、例えば、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸ブチル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体;
オレフィン系モノマー/芳香族ビニル系モノマー/ジエン系モノマー共重合体、好ましくは、エチレン/芳香族ビニル系モノマー/ジエン系モノマー共重合体;
オレフィン系モノマー/芳香族ビニル系モノマー/ジエン系モノマー/不飽和カルボン酸共重合体、好ましくはエチレン/芳香族ビニル系モノマー/ジエン系モノマー/不飽和カルボン酸共重合体;
が挙げられる。
これらのオレフィン系ポリマーの具体例の中でも、成形体の強度および剛性ならびにめっき層の外観品質および密着強度のさらなる向上の観点から、オレフィン系モノマー共重合体、オレフィン系モノマー/不飽和カルボン酸共重合体、オレフィン系モノマー/芳香族ビニル系モノマー/ジエン系モノマー共重合体、オレフィン系モノマー/芳香族ビニル系モノマー/ジエン系モノマー/不飽和カルボン酸共重合体が好ましく、より好ましくはエチレン/オレフィン系モノマー共重合体、エチレン/オレフィン系モノマー/不飽和カルボン酸共重合体、エチレン/芳香族ビニル系モノマー/ジエン系モノマー共重合体、エチレン/芳香族ビニル系モノマー/ジエン系モノマー/不飽和カルボン酸共重合体であり、さらに好ましくはエチレン/オレフィン系モノマー/不飽和カルボン酸共重合体、エチレン/芳香族ビニル系モノマー/ジエン系モノマー/不飽和カルボン酸共重合体である。
好ましいエチレン/オレフィン系モノマー/不飽和カルボン酸共重合体は酸変性エチレン−1−ブテン共重合体であり、例えば、無水マレイン酸変性エチレン−1−ブテン共重合体「タフマーMH5020」(三井化学社製)として入手可能である。
好ましいエチレン/芳香族ビニル系モノマー/ジエン系モノマー/不飽和カルボン酸共重合体は酸変性スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)であり、例えば、無水マレイン酸変性スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)「M1943」(旭化成ケミカルズ社製)として入手可能である。
オレフィン系ポリマーは、上記した市販品のほか、他の市販品として入手することもできるし、または公知の重合方法により製造することもできる。
耐衝撃改良材(C)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)とタルク(B)との合計量100質量部に対して、0〜30質量部であり、成形体の強度およびめっき層の外観品質(特に光沢性)のさらなる向上の観点から好ましくは2〜30質量部であり、成形体の強度ならびにめっき層の外観品質(特に光沢性)および密着強度のより一層の向上の観点から好ましくは7〜28質量部、特に7〜15質量部である。当該含有量が過多であると、成形体の剛性および耐熱性、めっき層の外観品質(特に光沢性)が劣る場合があるため好ましくない。ポリアミド樹脂組成物が2種類以上の耐衝撃改良材(C)を含む場合、それらの合計含有量が上記範囲内であればよい。
耐衝撃改良材(C)は、成形体の耐衝撃性およびめっき層表面の外観平滑性のさらなる向上の観点から、ポリアミド樹脂中に0.01〜1μmの分散径を有していることが好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物はメルトボリュームレート(MVR)が通常は3〜200cm/10分であり、成形体の強度および剛性ならびにめっき層の外観品質および密着強度のさらなる向上の観点から、好ましくは20〜200cm/10分であり、より好ましくは30〜150cm/10分である。
メルトボリュームレート(MVR)は流動性の1つの指標であり、JIS K7210に準じて測定された値を用いている。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、他の樹脂(ポリマー)、分散剤、耐熱剤、難燃剤、界面活性剤、顔料、染料、結晶核剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、強化材などの各種添加剤をさらに配合することが可能である。
他の樹脂としてはポリエステル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、上記したポリアミド樹脂(A)以外のポリアミド樹脂などが挙げられる。
分散剤としてはロジン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル化合物、カルボン酸アミド系ワックス等が挙げられる。脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸カルシウム、モンタン酸カルシウム等の高級脂肪族モノカルボン酸の金属塩が挙げられる。脂肪酸エステル化合物としては、ステアリルステアレート、グリセリンステアレート、ペンタエリストールステアレート等の高級脂肪族モノカルボン酸とアルコールとのエステル化合物が挙げられる。カルボン酸アミド系ワックスとしては、ステアリン酸とセバシン酸とエチレンジアミンを重縮合させた化合物等が挙げられる。
耐熱剤としては、例えば、銅化合物、ハロゲン化カリウム、フェノール系化合物、リン系化合物などの熱安定性を保持するためのものが挙げられる。特に銅化合物とハロゲン化カリウムの併用、フェノール系化合物およびリン系化合物の併用は、耐熱性、熱安定性、流動性保持効果が大きく好ましい。
銅化合物としてはヨウ化銅、塩化銅、臭化銅、酢酸銅などが挙げられる。
ハロゲン化カリウムとしては、ヨウ化カリウム、臭化カリウムなどが挙げられる。
フェノール系化合物としては、ヒンダードフェノール系化合物が好ましく用いられ、N、N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが好ましく用いられる。
リン系化合物としては、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビスフェニレンホスファイト、ジ−ステアリルペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、トリフェニルホスファイト、3,5−ジブチル−4−ヒドロキシベンジルホスフォネートジエチルエステルなどが挙げられる。
難燃剤としては、リン系難燃剤、窒素系難燃剤および水酸化マグネシウムなどのハロゲン原子を含まない非ハロゲン系難燃剤、臭素系難燃剤に代表されるハロゲン系難燃剤を挙げることができる。これらの難燃剤を2種以上配合してもよい。
界面活性剤としては、脂肪酸塩、ロジン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸ジエステル塩、α−オレフィン硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩等のアニオン界面活性剤;モノもしくはジアルキルアミン又はそのポリオキシエチレン付加物、モノ又はジ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤;アルキルグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸モノグリセリド、アミンオキシド等のノニオン界面活性剤;カルボベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシスルホベタイン等の両性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上のものを挙げることができる。
[ポリアミド樹脂組成物の製造方法]
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法は、本発明の樹脂組成物の優れた効果が発現されれば、特に制限は無い。本発明のポリアミド樹脂組成物は、例えば、上記各構成成分を、押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー等を用いて、設定温度200〜300℃にて混練することにより製造され得る。これらのうち、押出機、特に二軸押出機を用いて製造することが好ましい。例えば、二軸押出機を用いた場合、押出機のL/D(スクリュー長/スクリュー径)、ベントの有無、混練温度、滞留時間、それぞれの成分の添加位置および添加量をコントロールすることが望ましい。一般に押出機のL/Dを長く、滞留時間を長くすることはタルク(B)の樹脂中への分散をより均一にさせるため好ましい。さらに、複数のサイドフィーダーを利用することは、サイドフィーダー1つあたりのタルク(B)の供給量を抑え、タルク(B)の分散を向上させることになるため、好ましい方法である。
[ポリアミド樹脂めっき成形体の製造方法]
本発明のポリアミド樹脂めっき成形体を製造するためには、まず、上記したポリアミド樹脂組成物を用い、公知の成形方法を適用し、前駆体としてポリアミド樹脂成形体を得る。ポリアミド樹脂成形体の形状は、用途に応じた所望の形状が選択されればよい。公知の成形方法は、射出成形法、射出圧縮成形法、圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、発泡成形法などの任意の成形方法であってもよい。中でも、射出成形法が有用である。射出成形法により得られる成形体は、2つ以上のサイドゲートを用いた場合、ウェルド部を有するが、成形体がそのようなウェルド部の上にめっき層を有する場合においても、めっき層の外観品質を向上させることができるためである。
次いで、得られた成形体に金属めっき層(本明細書中、単にめっき層ということがある)を形成し、ポリアミド樹脂めっき成形体を得ることができる。
めっき層の種類および厚み等は、用途に応じて適宜選択することができる。
めっき層は金属から構成される層であり、例えば、金、銅、ニッケル、クロム、スズ、亜鉛、黄銅、ニッケルパラジウム等からなる群から選択される1種以上の金属から構成される。
めっき層の厚みは通常、0.1〜100μmであり、好ましくは1〜50μmである。
めっき層の厚みは、後述のめっき層の形成方法におけるエッチング工程において、タルク(B)を溶解除去して形成される凹部がない領域における任意の5カ所のめっき層の厚みである。
めっき層の形成方法はエッチング工程およびめっき工程を含む。
(エッチング工程)
エッチング工程は、ポリアミド樹脂成形体の少なくともめっき層形成面にエッチングを行い、当該面に現出しているタルク(B)を溶解除去する工程である。
エッチング方法はタルク(B)を溶解除去できれば特に限定されず、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等の強酸成分の水溶液に浸漬する方法を用いることができる。強酸成分の濃度は通常、1〜10mol/Lであり、好ましくは1.5〜6mol/Lである。
エッチング工程において強酸性水溶液には通常、塩化ナトリウム等の添加剤が含有されていてもよい。
エッチング工程において強酸性水溶液の液温は特に限定されず、例えば、10〜50℃であり、好ましくは20〜40℃である。
エッチング工程において浸漬時間は特に限定されず、例えば、1〜30分間であり、好ましくは2〜20分間である。
エッチング工程は1段階で行ってもよいし、または2段階以上の多段階で行ってもよい。例えば、塩酸水溶液を用いて2段階でエッチング工程を行う場合、通常は各段階における強酸性成分濃度、液温、浸漬時間等の条件は上記した範囲内であればよい。この場合、1段階目のエッチング工程の方が、2段階目のエッチング工程よりも、上記範囲内で、より強い条件で実施されることが好ましい。
(めっき工程)
めっき工程は、めっき層を形成する工程である。めっき方法はめっき層を形成できる限り特に限定されず、通常は無電解めっき法を採用する。
めっき工程は、少なくともめっき段階を含む。めっき工程は、めっき段階の前に、触媒化段階、アクセレーティング段階およびポストアクセレーティング段階を含むことが好ましい。
・触媒化段階
触媒化段階は、無電解めっきの工程で、成形品表面で選択的にめっき反応を進行させるための段階である。例えば、塩化パラジウム、塩化スズ等の触媒の水溶液にポリアミド樹脂成形体を浸漬する。触媒の濃度は、従来からポリアミド樹脂成形体表面に金属めっき層を形成するための無電解めっき法において採用されている触媒の濃度であってよい。触媒水溶液は2種以上の触媒を含んでもよい。
触媒化段階において触媒水溶液には通常、塩酸、ギ酸、硫酸、硝酸等の酸成分が含有されていてもよい。
触媒化段階において触媒水溶液の液温は特に限定されず、例えば、10〜50℃であり、好ましくは20〜40℃である。
触媒化段階において浸漬時間は特に限定されず、例えば、1〜30分間であり、好ましくは2〜20分間である。
・アクセレーティング段階
アクセレーティング段階は、活性なパラジウム核を成形品表面に定着させるための段階である。例えば、硫酸、塩酸等の強酸性水溶液にポリアミド樹脂成形体を浸漬する。強酸性水溶液の強酸性成分の濃度は通常、0.05〜2mol/Lであり、好ましくは0.1〜1mol/Lである。
アクセレーティング段階において強酸性水溶液には通常、塩化ナトリウム等の添加剤が含有されていてもよい。
アクセレーティング段階において強酸性水溶液の液温は特に限定されず、例えば、10〜60℃であり、好ましくは30〜50℃である。
アクセレーティング段階において浸漬時間は特に限定されず、例えば、1〜30分間であり、好ましくは1〜20分間である。
・ポストアクセレーティング段階
ポストアクセレーティング段階は、成形品表面を中和させるための段階である。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強塩基性水溶液にポリアミド樹脂成形体を浸漬する。強塩基性水溶液の強塩基性成分の濃度は通常、0.1〜2mol/Lであり、好ましくは0.3〜1mol/Lである。
ポストアクセレーティング段階において強塩基性水溶液の液温は特に限定されず、例えば、10〜60℃であり、好ましくは30〜50℃である。
ポストアクセレーティング段階において浸漬時間は特に限定されず、例えば、1〜30分間であり、好ましくは1〜20分間である。
・めっき段階
めっき段階は、例えば無電解めっき法によりめっき層を形成する段階である。
無電解めっき法は、外部電源を用いることなくめっき層を形成できれば特に限定されない。例えば、上記しためっき層を構成する金属が析出し得る原料および還元剤を含む混合水溶液にポリアミド樹脂成形体を浸漬する。原料成分の濃度および還元剤の濃度はそれぞれ、従来からポリアミド樹脂成形体表面に金属めっき層を形成するための無電解めっき法において採用されている原料成分の濃度および還元剤の濃度であってよい。
原料成分は、無電解めっき法で従来から使用されている原料の中から、所望のめっき層を構成する金属に応じて適宜選択されればよい。
還元剤は、無電解めっき法で従来から使用されている還元剤の中から選択されればよい。
めっき段階において混合水溶液には通常、pH調整剤等の添加剤が含有されていてもよい。
めっき段階において混合水溶液の液温は特に限定されず、例えば、10〜50℃であり、好ましくは20〜40℃である。
めっき段階において浸漬時間は特に限定されず、例えば、1〜120分間であり、好ましくは5〜60分間である。
めっき段階は1段階で行ってもよいし、または2段階以上の多段階で行ってもよい。例えば、2段階でめっき段階を行う場合、通常は各段階における原料濃度、還元剤濃度、液温、浸漬時間等の条件は上記した範囲内であればよい。
ポリアミド樹脂めっき成形体の製造方法においては通常、工程と工程との間および/または段階と段階との間において、成形体の水洗を行ってもよい。
[ポリアミド樹脂めっき成形体]
本発明のポリアミド樹脂めっき成形体は、めっき層が表面平滑性に優れている。例えば、めっき層表面の算術平均粗さRaは1μm以下、好ましくは0.7μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。めっき層表面の算術平均粗さの下限値は特に限定されず、当該算術平均粗さは通常、0.1μm以上である。Raが1μmを超えると、表面に目視で凹凸が見えたり、筋状の跡が見えたりするため、表面平滑性が低下する。
めっき層は、直下にウェルド部を有するウェルド領域および直下にウェルド部を有さない非ウェルド領域を含む。本発明においては、めっき層表面において、非ウェルド領域だけでなく、ウェルド領域においても、上記算術平均粗さを有している。
算術平均粗さRaは、ミツトヨ製SJ−310を用いて測定された値を用いている。
本発明のポリアミド樹脂めっき成形体は、めっき層が光沢性に優れている。例えば、めっき層表面の反射率は70%以上、好ましくは71%以上、より好ましくは73%以上、さらに好ましくは75%以上である。めっき層表面の反射率の上限値は特に限定されず、当該反射率は通常、98%以下、特に90%以下である。反射率が70%未満であると、反射する像に揺らぎが見られ、鏡面が得られないため好ましくない。
本発明においては、めっき層表面において、非ウェルド領域だけでなく、ウェルド領域においても、上記反射率を有している。
反射率は、日本電色工業製PG−II Mを用いて測定された、角度60°の光沢度に基づく値を用いている。
本発明のポリアミド樹脂めっき成形体は、めっき層が密着強度に優れている。例えば、めっき層の密着強度は0.5kg/cm以上、好ましくは0.6kg/cm以上、より好ましくは0.8kg/cm以上、さらに好ましくは1.0kg/cm以上である。めっき層の密着強度の上限値は特に限定されず、当該密着強度は通常、3kg/cm以下、特に2kg/cm以下である。密着強度が0.5kg/cm未満であると、めっき層は容易に剥離するため好ましくない。)
密着強度はJIS H8630附属書1に記載された密着試験方法により測定された値を用いている。
本発明のポリアミド樹脂めっき成形体は剛性に優れている。例えば、当該成形体のポリマー部分の曲げ弾性率は2500Mpa以上、好ましくは3500Mpa以上、より好ましくは4500Mpa以上である。ポリマー部分の曲げ弾性率の上限値は特に限定されず、当該曲げ弾性率は通常、20000Mpa以下、特に10000Mpa以下である。曲げ弾性率が過小であると、成形体は曲げにより容易に破壊されるため好ましくない。
曲げ弾性率はISO178に準じて測定された値を用いている。
本発明のポリアミド樹脂めっき成形体は強度に優れている。例えば、当該成形体のポリマー部分の衝撃強度は3kJ/m以上、好ましくは5kJ/m以上、より好ましくは7kJ/m以上、さらに好ましくは10kJ/m以上である。ポリマー部分の衝撃強度の上限値は特に限定されず、当該衝撃強度は通常、150kJ/m以下、特に100kJ/m以下である。衝撃強度が過小であると、成形体は衝撃により容易に破壊されるため好ましくない。
衝撃強度はシャルピー衝撃強度であり、ISO179−1に準じて測定された値を用いている。
[用途]
本発明のポリアミド樹脂めっき成形体は、例えば、バンパー、フロントグリル、エンブレム、ホイールキャップ、内装部品、外装部品等の自動車部品の用途に適している。
以下、実施例により本発明をさらに詳述するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。まず、実施例における評価方法について説明する。
(評価方法)
(1)試験片の成形条件
めっき評価以外の評価では、以下の成形条件で得られた試験片を用いた。
各実施例および比較例により得られたポリアミド樹脂組成物ペレットを、80℃で一晩真空乾燥した後、各試験片の成形条件は以下のように行った。
成形機:住友重機械工業製SE−180EV
シリンダー温度:280℃
金型温度:70℃
射出速度:50〜100mm/s
保圧時間:6秒
冷却時間:15秒
(2)めっき評価用プレート
めっき評価では、以下の方法で得られたプレートを用いた。
キャビティサイズが長さ200mm、幅50mm、厚み2.5mmで、長手方向の両端にサイドゲートを有し、かつ1500番による鏡面磨きを施した金型を用いて、めっき評価用の平板プレートを作成した。成形品の中央にウェルドが形成されている。成形条件は上記(1)においてと同様である。
(3)めっき工程
めっき評価では、上記(2)の方法で得られたプレートに対して以下のめっき工程により形成されためっき層を評価した。
1.エッチング
TNエッチャントMK(奥野製薬工業製)20ml/L、35質量%塩酸180ml/L、塩化ナトリウム80g/Lとの混合水溶液(液温35℃)に、プレートを10分間浸漬した。
2.ポストエッチング
エッチングされたプレートを、35質量%塩酸50ml/L水溶液(液温25℃)に2分間浸漬した。
3.触媒化
ポストエッチングされたプレートを、TNキャタリスト(奥野製薬工業製)200g/L、CRPキャタリスト85H(奥野製薬工業製)10ml/L、35質量%塩酸30ml/Lとの混合水溶液(液温35℃)に5分間浸漬した。
4.水洗
触媒化されたプレートを、水洗した。
5.アクセレーティング
水洗されたプレートを、98%硫酸50ml/L水溶液(液温40℃)に2分間浸漬した。
6.水洗
アクセレーティングされたプレートを、水洗した。
7.ポストアクセレーティング
水洗されたプレートを、水酸化ナトリウム20g/L水溶液(液温40℃)に3分間浸漬した。
8.水洗
ポストアクセレーティングされたプレートを、水洗した。
9.化学ニッケルめっき
水洗されたプレートを、化学ニッケルSEP−LF−A(奥野製薬工業製)80ml/L、化学ニッケルSEP−LF−B(奥野製薬工業製)150ml/Lとの混合水溶液(液温35℃、pH9.0)に10分浸漬した。
10.水洗
化学ニッケルめっきされたプレートを、水洗した。
11.硫酸銅めっき
水洗されたプレートを、DuNC CU−S(奥野製薬工業製)(液温25℃)に浸漬した。
外観評価用プレートは40分浸漬した。
密着強度測定用プレートは180分浸漬した。
12.水洗、乾燥
硫酸銅めっきされたプレートを、水洗した。
(4)めっき層の表面平滑性
外観評価用として作成しためっき処理プレートの算術平均粗さRaを、ミツトヨ製SJ−310を用いて測定した。測定条件は1mm/s、測定範囲は4mmとした。ウェルド領域と非ウェルド領域とで測定した。ウェルド領域の算術平均粗さは、その直下のプレート表面におけるウェルドラインを中心に垂直に跨ぐように測定した。
◎:0.5μm以下(優良);
○:0.5μm超0.7μm以下(良);
△:0.7μm超1μm以下(実用上問題なし);
×:1μm超(実用上問題あり)。
(5)めっき層表面の光沢性
外観評価用として作成しためっき処理プレートを測定に供した。詳しくは、日本電色工業製PG−II Mを用いて、角度60°の光沢度を測定し、1000で除した値を反射率(%)として算出した。非ウェルド領域で測定した。
◎◎:75%以上(最良);
◎:73%以上75%未満(優良);
○:71%以上73%未満(良);
△:70%以上71%未満(実用上問題なし);
×:70%未満(実用上問題あり)。
(6)めっき層の密着強度
密着強度測定用のめっき処理プレートを80℃、5時間アニールした後、カッターで10mm幅の切れ込みをいれ、剥離速度25mm/分でめっき膜(層)の密着強度を測定した。
◎◎:1.0kg/cm以上(最良);
◎:0.8kg/cm以上1.0kg/cm未満(優良);
○:0.6kg/cm以上0.8kg/cm未満(良);
△:0.5kg/cm以上0.6kg/cm未満(実用上問題なし);
×:70%未満(実用上問題あり)。
(7)曲げ弾性率
ISOタイプA1号ダンベルを作成し、ISO178に準じて、曲げ弾性率を測定した。
◎:4500Mpa以上(優良);
○:3500Mpa以上4500Mpa未満(良);
△:2500Mpa以上3500Mpa未満(実用上問題なし);
×:2500Mpa未満(実用上問題あり)。
(8)衝撃強度
ISOタイプA1号ダンベルから、ISO179−1に準じてノッチをつけた試験片を作成し、シャルピー衝撃強度を測定した。
◎◎:10kJ/m以上(最良);
◎:7kJ/m以上10kJ/m未満(優良);
○:5kJ/m以上7kJ/m未満(良);
△:3kJ/m以上5kJ/m未満(実用上問題なし);
×:3kJ/m未満(実用上問題あり)。
(9)流動性(MVR)
JIS K7210に準じ、測定温度275℃、荷重5kgで測定した。
(原料)
(A−1)ポリアミド6「A1030BRL−1」(ユニチカ社製、相対粘度2.5)
(A−2)ポリアミド610「70NN」(アルケマ社製、相対粘度2.5)
(A−3)ポリアミド6「A1030BRT」(ユニチカ社製、相対粘度3.5)
(B−1)板状タルク「ハイフィラー♯5000PJ」(松村産業社製、平均粒子径1.8μm、平均アスペクト比6)
(B−2)板状タルク「P−8」(日本タルク社製、平均粒子径3μm、アスペクト比8)
(B−3)板状タルク「JM−209」(浅田製粉社製、平均粒子径5μm、アスペクト比7)
(B−4)板状タルク「SG−2000」(日本タルク社製、平均粒子径1μm、アスペクト比11)
(B−5)板状タルク「D−800」(日本タルク社製、平均粒子径0.8μm、アスペクト比20)
(B−6)板状タルク「MSK−1B」(日本タルク社製、平均粒子径7.3μm、アスペクト比4)
(B−7)板状タルク「HAR W92」(イメリス社製、平均粒子径12μm、アスペクト比15)
(C−1)耐衝撃改良材、無水マレイン酸変性エチレン−1−ブテン共重合体「タフマーMH5020」(三井化学社製)
(C−2):耐衝撃改良材、無水マレイン酸変性SEBS「M1943」(旭化成ケミカルズ社製)
(M−1):ワラストナイト「FPW#5000」(キンセイマテック社製、平均径3μm、アスペクト比3)
(実施例1)
ポリアミド樹脂(A−1)70質量部を、クボタ製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1を用いて計量し、スクリュー径26mm、L/D=48(12バレル)の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM26SS)の主供給口に供給した。押出機のバレル温度設定は、270℃〜290℃、スクリュー回転数400rpm、吐出量25kg/hとした。6バレル目と9バレル目にサイドフィーダーを配置し、それぞれ板状タルクを等量供給した。つまり、6バレル目のサイドフィーダーより板状タルク(B−1)15質量部を供給し、9バレル目のサイドフィーダーより板状タルク(B−1)をさらに15質量部供給し、溶融混練を行った。最後に、ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングして、ポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。得られたポリアミド樹脂組成物ペレットを80℃で一晩真空乾燥した後、各試験に供した。各試験験の結果を表1に示す。
(実施例2〜13および比較例1〜7)
各成分の配合量を表1または表2に示した量に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリアミド樹脂組成物ペレットを作成し、各試験に供した。なお、(C)耐衝撃改良材を配合する場合は、(A)ポリアミド樹脂と一括混合し、押出機の主供給口から供給した。各試験験の結果を表1または表2に示す。
(比較例8)
板状タルクの代わりにワラストナイトを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ポリアミド樹脂組成物ペレットを作成し、各試験に供した。各試験験の結果を表2に示す。
Figure 0006811460
Figure 0006811460
実施例1〜13では、強度および剛性に優れ、表面平滑性および反射率に関する外観品質にも優れ、密着強度が高いめっき成形体を得ることできた。
比較例1では、板状タルクの配合量が過小であったため、密着強度に劣るめっき成形体が得られた。
比較例2では、板状タルクの配合量が過大であったため、密着強度に劣り、表面平滑性および反射率に関する外観に劣るめっき成形体が得られた。
比較例3では、ポリアミド樹脂の相対粘度が高すぎたため、反射率に関する外観に劣るめっき成形体が得られた。
比較例4では、板状タルクのアスペクト比が過大であったため、めっき層の密着強度が劣り、ウェルド領域の表面平滑性に関する外観が劣るめっき成形体が得られた。
比較例5,6では、板状タルクの平均粒子径が過大であったため、反射率または反射率および表面平滑性に関する外観に劣るめっき成形体が得られた。
比較例7では、耐衝撃改良材の含有量が多かったため、反射率に関する外観に劣るめっき成形体が得られた。
比較例8では、板状タルクの代わりにワラストナイトを用いたため、表面粗および反射率に関する外観に劣るめっき成形体が得られた。
本発明のポリアミド樹脂めっき成形体は、バンパー、フロントグリル、エンブレム、ホイールキャップ、内装部品、外装部品等の自動車部品用途として適している。

Claims (6)

  1. (A)相対粘度が1.8以上3.0未満であるポリアミド樹脂50〜80質量部;および
    (B)平均粒子径が0.1〜6μmであり、かつアスペクト比が4〜15であるタルク20〜50質量部
    をこれらの合計量が100質量部となるように含有し、
    (C)耐衝撃改良材0〜30質量部
    をさらに含有するポリアミド樹脂組成物を含む成形体の表面に金属めっき層を有する、ポリアミド樹脂めっき成形体。
  2. 前記金属めっき層表面が1μm以下の算術平均粗さおよび70%以上の光沢度計による反射率を有する、請求項1に記載のポリアミド樹脂めっき成形体。
  3. 前記ポリアミド樹脂組成物を含む成形体が前記表面にウェルド部を有する、請求項1または2に記載のポリアミド樹脂めっき成形体。
  4. 前記耐衝撃改良材がオレフィン系ポリマーである、請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂めっき成形体。
  5. 前記耐衝撃改良材が酸変性オレフィン系ポリマーである、請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂めっき成形体。
  6. 前記耐衝撃改良材の含有量が、前記ポリアミド樹脂(A)および前記タルク(B)の合計量100質量部に対して、7〜28質量部である、請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミド樹脂めっき成形体。
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