JP6811416B2 - ソルダーレジスト用樹脂組成物、ソルダーレジスト用フィルム、ソルダーレジスト層付き回路基板、及びパッケージ - Google Patents

ソルダーレジスト用樹脂組成物、ソルダーレジスト用フィルム、ソルダーレジスト層付き回路基板、及びパッケージ Download PDF

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Description

ソルダーレジスト用樹脂組成物が開示される。より詳しくは、光重合性を有するソルダーレジスト用樹脂組成物が開示される。ソルダーレジスト用フィルム、ソルダーレジスト層付き回路基板、及びパッケージが開示される。
従来、ソルダーレジスト層(単にソルダーレジストとも呼ばれる)が知られている。ソルダーレジスト層は、回路基板の表面に形成される(例えば特許文献1参照)。ソルダーレジスト層は、ソルダーレジスト層を形成するための樹脂組成物(ソルダーレジスト用樹脂組成物)から形成される。ソルダーレジスト用樹脂組成物は、硬化によって、ソルダーレジスト層になる。ソルダーレジスト層は、電子部品の接続のための孔を有し得る。接続用の孔は、ソルダーレジスト用樹脂組成物がパターン状に硬化されることで形成される。ソルダーレジスト層は、電気接続の際のはんだの余計な付着を防止できる。ソルダーレジスト層は、湿気、汚れ、埃等の悪い物質から、回路を保護できる。ソルダーレジスト層は、回路基板を保護すること、回路基板に密着することが重要である。
近年、回路基板の薄型化、回路パターンの微細化が進んでいる。回路基板の薄型化は、電子機器の小型化及び高機能化に有用である。回路基板の薄型化にともなって、ソルダーレジスト層の薄型化が進んでいる。
しかしながら、回路基板の薄型化は、剛性の低下を招きやすくなり、回路基板の反りが生じやすくなる。回路基板の反りは、電子部品の実装性や、パッケージの取付けなどに悪影響を及ぼし得る。ソルダーレジスト層が形成された回路基板では、特に反りが問題になる。回路基板の反りは、ソルダーレジスト層と回路基板との密着性にも影響を及ぼし得る。ソルダーレジスト層と回路基板との間に隙間ができると、回路の保護力が低下する。隙間から水分が侵入すると、絶縁特性にも影響を及ぼす。
特開2007−49064号公報
本開示の目的は、回路基板との密着性が高く、回路基板の反りを低減させるソルダーレジスト用樹脂組成物を提供することにある。本開示の目的は、ソルダーレジスト用樹脂組成物を用いたソルダーレジスト用フィルム、ソルダーレジスト層付き回路基板、及びパッケージを提供することにある。
本開示の第1のソルダーレジスト用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)カルボキシル基含有光重合性樹脂と、(C)光重合開始剤と、(D)無機フィラーとを含有する。前記(D)無機フィラーは、球状で、平均比重が3以上である。前記(D)無機フィラーの含有量は、固形分中80〜98質量%である。
本開示の第2のソルダーレジスト用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)カルボキシル基含有光重合性樹脂と、(C)光重合開始剤と、(D)無機フィラーとを含有する。前記(B)カルボキシル基含有光重合性樹脂は、(B1)1分子あたり平均14個以上のベンゼン環を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂を含有する。前記(D)無機フィラーは、球状である。前記(D)無機フィラーの含有量は、固形分中80〜98質量%である。
本開示のソルダーレジスト用樹脂組成物は、回路基板との密着性が高く、回路基板の反りを低減させることができる。本開示のソルダーレジスト用フィルムは、回路基板との密着性が高く、回路基板の反りを低減させることができる。本開示のソルダーレジスト層付き回路基板及びパッケージは、回路基板とソルダーレジスト層との密着性が高く、反りが低減される。
パッケージの一例を示す概略断面図である。
ソルダーレジスト用樹脂組成物
本開示の第1のソルダーレジスト用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)カルボキシル基含有光重合性樹脂と、(C)光重合開始剤と、(D)無機フィラーとを含有する。(D)無機フィラーは、球状である。(D)無機フィラーの含有量は、第1のソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分中80〜98質量%である。(D)無機フィラーは、平均比重が3以上である。第1のソルダーレジスト用樹脂組成物は、球状の無機フィラーが高充填化されている。平均比重が3以上である無機フィラーは、強度を高める。
本開示の第2のソルダーレジスト用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)カルボキシル基含有光重合性樹脂と、(C)光重合開始剤と、(D)無機フィラーとを含有する。(D)無機フィラーは、球状である。(D)無機フィラーの含有量は、第2のソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分中80〜98質量%である。(B)カルボキシル基含有光重合性樹脂は、(B1)1分子あたり平均14個以上のベンゼン環を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂を含有する。第2のソルダーレジスト用樹脂組成物は、球状の無機フィラーが高充填化されている。1分子あたり平均14個以上のベンゼン環を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂は、強度を高める。
以下、特に断らない限り、単にソルダーレジスト用樹脂組成物という場合は、第1のソルダーレジスト用樹脂組成物及び第2のソルダーレジスト用樹脂組成物の両方を意味する。
ソルダーレジスト用樹脂組成物からソルダーレジスト用フィルムが得られる。ソルダーレジスト用フィルムは、加熱時に高流動性を発揮することができる。ソルダーレジスト用樹脂組成物によって形成されたソルダーレジスト層は、強靭性を有する。以上のことにより、本開示のソルダーレジスト用樹脂組成物は、回路基板との密着性が高く、回路基板の反りを低減させることができる。
以下、各成分について述べる。例えば、(A)エポキシ樹脂を(A)成分ということがある。
(A)エポキシ樹脂
(A)成分は、エポキシ樹脂である。エポキシ樹脂は、ソルダーレジスト用樹脂組成物に熱硬化性を付与する。エポキシ樹脂の熱硬化性により、強度が高まる。ソルダーレジスト用樹脂組成物では、熱硬化性と光硬化性との両方の硬化性が発揮され得る。
エポキシ樹脂の好ましい含有量は、エポキシ樹脂中のエポキシ基と、(B)成分である光重合性樹脂中のカルボキシル基とに基づいて規定され得る。エポキシ樹脂の含有量は、エポキシ基が、カルボキシル基1当量に対して、0.01〜2当量となる範囲が好ましく、0.1〜1.5当量となる範囲がより好ましく、0.8〜1.2当量となる範囲がさらに好ましい。また、エポキシ樹脂の好ましい含有量は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分に基づいて規定され得る。ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分とは、ソルダーレジスト用樹脂組成物中の常温(20℃)で固体である成分の合計を意味する。ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分には、溶剤は含まれない。エポキシ樹脂の含有量は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分中0.01〜5質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。
エポキシ樹脂は、特に限定されることなく、適宜のエポキシ樹脂を含み得る。エポキシ樹脂は、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、3官能エポキシ樹脂が挙げられる。ビフェニル型エポキシ樹脂の具体例は、NC3000、NC3000−H(いずれも日本化薬株式会社製)が挙げられる。ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の具体例は、EPPN−501H、EPPN−501HY、EPPN−502H(いずれも日本化薬株式会社製)が挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂の具体例は、EPPN−201(日本化薬株式会社製)が挙げられる。ビスフェノールA型エポキシ樹脂の具体例は、エピクロン840、エピクロン840−S、エピクロン850、エピクロン850−S、エピクロン860、エピクロン1050、エピクロン1055、エピクロン3050、エピクロン4050、エピクロン7050(いずれもDIC株式会社製)が挙げられる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂の具体例は、エピクロン830、エピクロン830−S(いずれもDIC株式会社製)が挙げられる。3官能エポキシ樹脂の具体例は、テクモアVG3101L、テクモアVG3101M80(いずれも株式会社プリンテック製)、EXA−7241(DIC株式会社製)が挙げられる。エポキシ樹脂は、1種で用いられてもよいし、2種以上で用いられてもよい。
エポキシ樹脂は、1分子中に2以上のエポキシ基を含むことが好ましい。その場合、ソルダーレジストのガラス転移温度(Tg)が効果的に高まり、さらに強靭性が向上する。それにより、ソルダーレジスト用樹脂組成物から形成される層(ソルダーレジスト層)が安定化し、回路基板の反りが低減される。例えば、1分子中に3つのエポキシ基を含むエポキシ樹脂は、3官能エポキシ樹脂と定義される。4以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂も同様に定義される。エポキシ樹脂中のエポキシ基の個数は、上限が特に制限されないが、例えば、10以下であってよい。
(A)エポキシ樹脂は、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂を含有することが好ましい。フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂は、カルド構造と呼ばれる立体配置を持っている。カルド構造とは、炭素原子に4つの芳香環が結合した蝶番(ちょうつがい)の構造を意味する。フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂のポリマーは、芳香環を多く含むため分子屈折が大きく、全体として高屈折率になるとともに、カルド構造の芳香環が互いに異なる面を向く構造をとるため、ポリマー全体で光学異方性を打ち消しあい低複屈折性を有するポリマーであり、耐熱性、透明性の高さと併せて光学材料用途に優れた特性を有する。フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂の具体例は、OGSOL CG−500、OGSOL EG−200(いずれも大阪ガスケミカル株式会社製)が挙げられる。
(B)カルボキシル基含有光重合性樹脂
(B)成分は、カルボキシル基含有光重合性樹脂である。カルボキシル基含有光重合性樹脂は、カルボキシル基を含有し、光重合性を有する樹脂である。カルボキシル基含有光重合性樹脂は、ソルダーレジスト用樹脂組成物に光硬化性を付与する。光重合性樹脂は、紫外線(UV)により硬化し得る。光重合性樹脂は、感光性樹脂とも呼ばれる。光重合性樹脂のカルボキシル基は、エポキシ基の熱硬化性を高める。熱硬化性と光硬化性との両方の硬化性の発揮は、強靭性を向上させる。
まず第1のソルダーレジスト用樹脂組成物における(B)成分について説明する。
カルボキシル基含有光重合性樹脂は、特に限定されることなく、適宜の光重合性樹脂を含み得る。カルボキシル基含有光重合性樹脂は、オリゴマーであってよい。カルボキシル基含有光重合性樹脂は、アクリル系樹脂であり得る。アクリル系とは、概念的に、アクリルとメタクリルとを含む。カルボキシル基含有光重合性樹脂は、例えば、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレートが挙げられる。エポキシアクリレートは、エポキシアクリレート樹脂とも呼ばれる。エポキシメタリレートは、エポキシメタクリレート樹脂とも呼ばれる。カルボキシル基含有光重合性樹脂は、たとえば、分子末端にカルボキシル基(−COOH)が存在し、分子内に−COO−を含むエポキシアクリレートであり得る。
カルボキシル基含有光重合性樹脂は、例えば、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、ビスフェノールF型エポキシアクリレート、クレゾールノボラック型エポキシアクリレート、フェノールノボラック型エポキシアクリレート、ビフェニル型エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、トリスフェノールメタン型エポキシアクリレートが挙げられる。ビスフェノールA型エポキシアクリレートの具体例は、ZAR−1035、ZAR−1494、ZAR−2000、ZAR−2001H(いずれも日本化薬株式会社製)が挙げられる。ビスフェノールF型エポキシアクリレートの具体例は、ZFR−1401H、ZFR−1491H(いずれも日本化薬株式会社製)が挙げられる。クレゾールノボラック型エポキシアクリレートの具体例は、CCR−1171H、CCR−1235、CCR−1291H、CCR−1307H、CCR−1309H(いずれも日本化薬株式会社製)が挙げられる。フェノールノボラック型エポキシアクリレートの具体例は、PCR−1222H、PCR−1173H、PCR−1221H、PCR−1220H(いずれも日本化薬株式会社製)が挙げられる。ビフェニル型エポキシアクリレートの具体例は、ZCR−1569H、ZCR−1601H、ZCR−1642H、ZCR−1664H、ZCR−1761H、ZCR−1797H、ZCR−1798H(いずれも日本化薬株式会社製)が挙げられる。ウレタンアクリレートの具体例は、UXE−3000、UXE−3002、UXE−3024(いずれも日本化薬株式会社製)が挙げられる。トリスフェノールメタン型エポキシアクリレートの具体例は、TCR−1348H、TCR−1323H、TCR−1347H、TCR−1338H、TCR−1041(いずれも日本化薬株式会社製)が挙げられる。カルボキシル基含有光重合性樹脂剤は、1種で用いられてもよいし、2種以上で用いられてもよい。
カルボキシル基含有光重合性樹脂は、(B1)1分子あたり平均14個以上のベンゼン環を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂を含有することが好ましい。1分子あたり平均14個以上のベンゼン環を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂は、(B1)成分と定義される。(B1)成分は高架橋構造を形成し得る。複数のベンゼン環は、ソルダーレジストのガラス転移温度(Tg)の向上に寄与する。特に1分子あたり平均14個以上のベンゼン環を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂は、ガラス転移温度(Tg)の向上に大きく寄与する。そのため、ソルダーレジスト層の強靭性が向上する。1分子あたり平均14個以上のベンゼン環を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂は、例えば、トリスフェノールメタン型エポキシアクリレートである。トリスフェノールメタン型エポキシアクリレートの具体例は、上述した通りである。(B1)成分の含有量は、(B1)成分以外のカルボキシル基含有光重合性樹脂と同じかそれよりも多いことが好ましい。(B)カルボキシル基含有光重合性樹脂は、(B1)成分のみを含んでもよい。
次に第2のソルダーレジスト用樹脂組成物における(B)成分について説明する。
(B)カルボキシル基含有光重合性樹脂は、(B1)1分子あたり平均14個以上のベンゼン環を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂を含有する。1分子あたり平均14個以上のベンゼン環を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂は、(B1)成分と定義される。(B1)成分は高架橋構造を形成し得る。複数のベンゼン環は、ソルダーレジストのガラス転移温度(Tg)の向上に寄与する。特に1分子あたり平均14個以上のベンゼン環を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂は、ガラス転移温度(Tg)の向上に大きく寄与する。そのため、ソルダーレジスト層の強靭性が向上する。
1分子あたり平均14個以上のベンゼン環を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂は、アクリル系樹脂であり得る。アクリル系とは、概念的に、アクリルとメタクリルとを含む。(B1)成分は、例えば、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレートが挙げられる。エポキシアクリレートは、エポキシアクリレート樹脂とも呼ばれる。エポキシメタリレートは、エポキシメタクリレート樹脂とも呼ばれる。1分子あたり平均14個以上のベンゼン環を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂は、例えば、トリスフェノールメタン型エポキシアクリレートである。トリスフェノールメタン型エポキシアクリレートの具体例は、TCR−1348H、TCR−1323H、TCR−1347H、TCR−1338H、TCR−1041(いずれも日本化薬株式会社製)が挙げられる。
(B)カルボキシル基含有光重合性樹脂は、(B1)成分以外の光重合性樹脂を含み得る。カルボキシル基含有光重合性樹脂は、オリゴマーであってよい。カルボキシル基含有光重合性樹脂は、アクリル系樹脂であり得る。カルボキシル基含有光重合性樹脂は、例えば、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレートが挙げられる。ただし、(B)カルボキシル基含有光重合性樹脂は、(B1)成分のみを含んでもよい。カルボキシル基含有光重合性樹脂は、たとえば、分子末端にカルボキシル基(−COOH)が存在し、分子内に−COO−を含むエポキシアクリレートであり得る。
カルボキシル基含有光重合性樹脂は、例えば、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、ビスフェノールF型エポキシアクリレート、クレゾールノボラック型エポキシアクリレート、フェノールノボラック型エポキシアクリレート、ビフェニル型エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートが挙げられる。ビスフェノールA型エポキシアクリレートの具体例は、ZAR−1035、ZAR−1494、ZAR−2000、ZAR−2001H(いずれも日本化薬株式会社製)、M−510(東亞合成株式会社製)が挙げられる。ビスフェノールF型エポキシアクリレートの具体例は、ZFR−1401H、ZFR−1491H(いずれも日本化薬株式会社製)が挙げられる。クレゾールノボラック型エポキシアクリレートの具体例は、CCR−1171H、CCR−1235、CCR−1291H、CCR−1307H、CCR−1309H(いずれも日本化薬株式会社製)が挙げられる。フェノールノボラック型エポキシアクリレートの具体例は、PCR−1222H、PCR−1173H、PCR−1221H、PCR−1220H(いずれも日本化薬株式会社製)が挙げられる。ビフェニル型エポキシアクリレートの具体例は、ZCR−1569H、ZCR−1601H、ZCR−1642H、ZCR−1664H、ZCR−1761H、ZCR−1797H、ZCR−1798H(いずれも日本化薬株式会社製)が挙げられる。ウレタンアクリレートの具体例は、UXE−3000、UXE−3002、UXE−3024(いずれも日本化薬株式会社製)が挙げられる。カルボキシル基含有光重合性樹脂剤は、1種で用いられてもよいし、2種以上で用いられてもよい。
(B1)1分子あたり平均14個以上のベンゼン環を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂の好ましい含有量は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分中3〜15質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることがより好ましい。(B1)成分の含有量は、(B1)成分以外のカルボキシル基含有光重合性樹脂と同じかそれよりも多いことが好ましい。
次に第1、第2のソルダーレジスト用樹脂組成物に共通する(B)成分について説明する。
カルボキシル基含有光重合性樹脂は、クレゾールノボラック型の構造を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂を含有することが好ましい。クレゾールノボラック型の構造を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂の例は、上述のクレゾールノボラック型エポキシアクリレートである。クレゾールノボラック型エポキシアクリレートの具体例は、上述した通りである。
(B)カルボキシル基含有光重合性樹脂の好ましい含有量は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分に基づいて規定され得る。カルボキシル基含有光重合性樹脂の含有量は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分中1〜15質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることがより好ましい。光重合性のために、(B)成分が(A)成分よりも多いことが好ましい。(B)成分は、(A)成分の1.5倍以上であってもよく、2倍以上であってもよい。
(B)カルボキシル基含有光重合性樹脂は、酸価が60〜100mgKOH/gであることが好ましい。カルボキシル基含有光重合性樹脂の酸価が60mgKOH/g以上であると、現像性が高まる。カルボキシル基含有光重合性樹脂の酸価が100mgKOH/g以下であると、ソルダーレジストが加水分解されにくくなる。前記の酸価の範囲によって、ソルダーレジスト層の耐水性及び耐熱性が向上する。
(B1)1分子あたり平均14個以上のベンゼン環を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂の酸価は、60〜100mgKOH/gであることが好ましい。その理由は上記と同じである。
カルボキシル基含有光重合性樹脂の分子量は、特に限定されないが、例えば、質量平均分子量(Mw)が、4000〜5000であり得る。特に(B1)成分は、質量平均分子量(Mw)が、4000〜5000であることが好ましい。
(C)光重合開始剤
(C)成分は、光重合開始剤である。光重合開始剤は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の光硬化性を高める。光重合開始剤によって、光重合性樹脂は容易に重合が進行する。
光重合開始剤の好ましい含有量は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分に基づいて規定され得る。光重合開始剤の含有量は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分中0.01〜5質量%であることが好ましく、0.01〜3質量%であることがより好ましい。
光重合開始剤は、特に限定されることなく、適宜の光重合開始剤を含み得る。光重合開始剤は、例えば、ベンゾイン、メチルベンゾフェノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン誘導体、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルが挙げられる。光重合開始剤の具体例は、IRGACURE651、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE2959、IRGACURE127、IRGACURE819、DAROCUR1173(BASFジャパン株式会社製)、KAYACURE DETX−S、KAYACURE EPA(いずれも日本化薬株式会社製)が挙げられる。光重合開始剤は、1種で用いられてもよいし、2種以上で用いられてもよい。
(D)無機フィラー
(D)成分は、無機フィラーである。無機フィラーは、球状である。球状の無機フィラーは高充填化されやすい。無機フィラーは、ソルダーレジストの強靭性を向上させる。第1のソルダーレジスト用樹脂組成物における無機フィラーは、平均比重が3以上である。第2のソルダーレジスト用樹脂組成物における無機フィラーは、平均比重が3以上であることが好ましい。無機フィラーの含有量は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分中80〜98質量%である。無機フィラーの含有量が80質量%以上となることで、強靭性が高まる。無機フィラーの含有量が98質量%以下となることで、硬化性が高まる。無機フィラーの含有量は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分中83〜93質量%であることが好ましい。ソルダーレジスト用樹脂組成物から形成されるソルダーレジスト層は、球状の無機フィラーが高充填化される。そのため、ソルダーレジスト層は、強靭性が高くなる。特に、平均比重が3以上である無機フィラーは、強靭性を効果的に向上させる。無機フィラーの平均比重は大きければ大きいほどよく、無機フィラーの平均比重の上限は特に限定されないが、実用的には、無機フィラーの平均比重は、例えば、10以下が好ましい。なお、球状は、完全な球だけでなく、球と認識できる形状を含む。例えば、無機フィラーは、表面が凸凹となっていても、全体として丸ければ、球状である。球状は、例えば、棒状及び繊維状を含まない。
無機フィラーは、平均粒径が5μm以下であることが好ましい。その場合、ソルダーレジスト層の厚みが確保されやすくなる。無機フィラーは、最大粒径が10μm以下であることが好ましい。その場合、ソルダーレジスト層の厚みが確保されやすくなる。無機フィラーの最大粒径は、好ましくは、ソルダーレジスト層の厚みよりも小さい。ソルダーレジスト層の厚みよりも大きい粒径の無機フィラーは、ソルダーレジスト層の特性を低下させ得る。無機フィラーの平均粒径が5μm以下であり、最大粒径が10μm以下であると、ソルダーレジスト層の厚みが小さくなっても、特性の良好なソルダーレジスト層が得られる。無機フィラーの平均粒径の下限は、特に限定されないが、例えば、1μmであってよい。無機フィラーの最小粒径は、特に限定されないが、例えば、0.1μmであってよい。無機フィラーの粒径は、例えば、レーザ回折式粒度分布測定装置により測定される。
無機フィラーは、例えば、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウムが挙げられる。無機フィラーは、1種で用いられてもよいし、2種以上で用いられてもよい。無機フィラーは、平均比重が3以上となるように選択され得る。無機フィラーが2種以上の場合は、無機フィラー全体の平均比重が3以上となるように選択され得る。
(E)光重合性化合物
(E)成分は、(B)成分以外の光重合性化合物である。ソルダーレジスト用樹脂組成物は、(B)成分以外の光重合性化合物をさらに含有することが好ましい。(E)成分は、便宜上、(E)光重合性化合物と記載される。(E)成分は、カルボキシル基を含まない。(E)光重合性化合物は、耐水性及び耐熱性を向上させ、流動性を高め、ガラス転移温度(Tg)を向上させることができる。なお、(B)成分は光重合性を有する化合物の範疇であるが、(B)成分は(E)光重合性化合物から除外される。
(E)光重合性化合物の好ましい含有量は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分に基づいて規定され得る。(E)光重合性化合物の含有量は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分中0.1〜3質量%であることが好ましく、1〜2質量%であることがより好ましい。光重合性化合物が液状の場合、前記の含有量は、固形分100%に対する量となる。(E)成分は、(B)成分よりも含有量が少なくてよい。
光重合性化合物は、光重合性を有する分子及び光重合性樹脂のいずれか又は両方を含み得る。光重合性化合物は、アクリル系モノマーが好ましい。アクリル系モノマーは、概念的に、アクリルモノマーとメタクリルモノマーとを含む。アクリル系モノマーは、比較的分子量が小さいことが好ましい。アクリル系モノマーの分子量は、例えば、300以下であってよい。アクリル系モノマーは液状であってもよい。液状のアクリル系モノマーは、溶剤に似た機能を発揮し得る。液状のアクリル系モノマーはいわば希釈剤となり得る。アクリル系モノマーは、例えば、アクリレート、ヒドロキシアクリレート、単官能アクリレート、多官能アクリレートが挙げられる。光重合性化合物の具体例は、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ビスコート 192(大阪有機化学株式会社製)、KAYARAD R−128H、KAYARAD NPGDA、KAYARAD HX−220、KAYARAD GPO−303、KAYARAD DPHA(いずれも日本化薬株式会社製)、アロニックスM−309、アロニックスM−310(いずれも東亞合成株式会社製)が挙げられる。これらは、1種で用いられてもよいし、2種以上で用いられてもよい。
(E)光重合性化合物は、フルオレン骨格を有する光重合性化合物を含有することが好ましい。フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂及びカルボキシル基含有光重合性樹脂の場合と同様に、フルオレン骨格を有する光重合性化合物も、カルド構造と呼ばれる立体配置を持っている。この場合も、フルオレン骨格を有する光重合性化合物のポリマーは、芳香環を多く含むため分子屈折が大きく、全体として高屈折率になるとともに、カルド構造の芳香環が互いに異なる面を向く構造をとるため、ポリマー全体で光学異方性を打ち消しあい低複屈折性を有するポリマーであり、耐熱性、透明性の高さと併せて光学材料用途に優れた特性を有する。フルオレン骨格を有する光重合性化合物の具体例は、OGSOL GA−5000、OGSOL EA−0200(いずれも大阪ガスケミカル株式会社製)が挙げられる。
ここで、(D)無機フィラーの屈折率と、(A)エポキシ樹脂、(B)カルボキシル基含有光重合性樹脂及び(E)光重合性化合物の樹脂全体としての屈折率との差が0.25以内であることが好ましい。樹脂全体としての屈折率は、ソルダーレジスト用樹脂組成物に含有される樹脂成分((A)(B)(E)の各成分)の重量比より算出することができる。(D)成分と樹脂成分の屈折率の差が0.25以内であると、ソルダーレジスト用樹脂組成物に紫外線を照射する場合に、反射及び散乱を抑制して、紫外線の透過率を向上させることができ、ソルダーレジスト用樹脂組成物を十分に光硬化させることができる。
(F)溶剤
(F)成分は、溶剤である。ソルダーレジスト用樹脂組成物は、溶剤を含有してもよい。溶剤は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の塗布を容易にさせる。溶剤の使用により、ソルダーレジスト用樹脂組成物は液状になり得る。溶剤は、揮発性成分となり得る。溶剤は、ソルダーレジスト用フィルムにほとんど残存しなくてもよい。溶剤は、ソルダーレジスト用フィルムに残存しないことが好ましい。溶剤は、1種類を含んでもよいし、2種類以上を含んでもよい。沸点の異なる2種類以上の溶剤が用いられてもよい。沸点の異なる溶剤を用いた場合、1種類の溶剤のときよりも塗膜の外観が良好になりやすい。
溶剤は、メチルエチルケトンを含むことが好ましい。メチルエチルケトン(MEK)は、揮発成分の残存を低減させ得る。MEKは、比較的低い沸点の溶剤である。低沸点の溶剤は、塗布やアフターキュアの際に残りにくい。
溶剤は、メチルイソブチルケトンを含むことが好ましい。メチルイソブチルケトン(MIBK)は、揮発成分の残存を低減させ得る。MIBKは、比較的低い沸点の溶剤である。低沸点の溶剤は、塗布やアフターキュアの際に残りにくい。MIBKは、MEKよりも沸点が低い。
溶剤は、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンを含むことが好ましい。メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンの両方の溶剤を含むことで、塗膜の外観が良好になる。これらの溶剤の併用は、均一な塗膜を形成できる。溶剤は、メチルエチルケトンとメチルイソブチルケトンとのみからなってもよい。メチルエチルケトンは、メチルイソブチルケトンよりも量が多いことが好ましい。例えば、メチルエチルケトンは、メチルイソブチルケトンの2倍以上の量となってもよい。
溶剤の好ましい含有量は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分に基づいて規定され得る。溶剤の含有量は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分を100質量部としたときに、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。なお、ソルダーレジスト用樹脂組成物は、溶剤を含有しなくてもよい。
(G)その他の成分
ソルダーレジスト用樹脂組成物は、適宜、上記(A)〜(F)の成分以外のその他の成分を含み得る。(G)その他の成分は、(G)追加成分と定義される。ソルダーレジスト用樹脂組成物は、追加成分を含んでもよいし、含まなくてもよい。
追加成分は、例えば、着色剤を含んでもよい。着色剤は、ソルダーレジスト層に着色を付与する。着色により、ソルダーレジスト層の下にある回路の隠匿性を高めることができる。着色剤の含有量は、特に限定されるものではないが、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分中0.01〜1質量%であることが好ましい。着色剤の含有量が固形分中0.01質量%以上であると、光透過性を低減させ、隠匿性が向上する。着色剤の含有量が固形分中1質量%以下であると、紫外光の透過率の低下を抑制し、光硬化性が良好になる。着色剤の含有量は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分中0.05〜0.6質量%であることがより好ましい。着色剤は、例えば、ヘリオゲンブルー、パリオトールイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ピグメントイエロー、カーボンブラックが挙げられる。着色剤は、1種を含んでもよいし、2種以上を含んでもよい。
追加成分は、例えば、熱硬化促進剤を含んでもよい。熱硬化促進剤は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の熱硬化性を向上させる。熱硬化促進剤は、例えば、エポキシ樹脂硬化促進剤を含み得る。熱硬化促進剤の含有量は、(A)成分であるエポキシ樹脂100質量部に対して0.1〜1質量部が好ましい。熱硬化促進剤は、例えば、イミダゾール化合物、トリフェニルホスフィン、メラミンが挙げられる。イミダゾール化合物の具体例は、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(いずれも四国化成工業株式会社製)が挙げられる。
追加成分は、その他の適宜の添加剤を含んでもよい。添加剤は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の趣旨に反しない限り、必要に応じて、用いられ得る。
ソルダーレジスト用樹脂組成物の適用
ソルダーレジスト用樹脂組成物は、上記(A)〜(D)の成分、及び、場合に応じてさらに上記(E)〜(G)のなかから選ばれる1つ以上の成分を混合することで調製され得る。ソルダーレジスト用樹脂組成物は液状であってよい。ソルダーレジスト用樹脂組成物は、物体の表面への塗布によって塗膜を形成する。塗膜は、乾燥により乾燥塗膜となる。乾燥塗膜は、いわゆるドライフィルムと呼ばれる。乾燥塗膜は、未硬化である。乾燥塗膜は、光及び熱によって硬化し、硬化塗膜となる。光は、紫外線を含む。光重合性樹脂は、紫外線の照射により重合し、硬化する。熱硬化性樹脂は、加熱により硬化する。硬化塗膜は、硬化体であり、ソルダーレジスト層になる。ソルダーレジスト層は、現像可能に形成され得る。硬化している部分と硬化していない部分とをパターン状に有する硬化工程後の塗膜は、硬化していない部分が除去されることで、硬化している部分のパターン状の硬化塗膜が現れる。このパターン状の硬化塗膜がソルダーレジスト層になり得る。
ソルダーレジスト用樹脂組成物は、アルカリ性水溶液により現像可能であることが好ましい。アルカリ性水溶液により現像可能であると、適用範囲が広がる。アルカリ性水溶液の現像液は広く普及している。例えば、硬化工程後の塗膜は、アルカリ性水溶液で洗浄されることで、パターン状の硬化塗膜が現像される。
ソルダーレジスト用樹脂組成物では、フィルム状に硬化されたときに、硬化体は、比重が2.8以上であることが好ましい。この場合、ソルダーレジスト層が高比重になり、強靭性が向上する。硬化体の比重は大きければ大きいほどよく、硬化体の比重の上限は特に限定されないが、例えば、実用的には、硬化体の比重は、10以下が好ましい。
ソルダーレジスト用樹脂組成物では、フィルム状に硬化されたときに、硬化体は、弾性率が20GPa以上であることが好ましい。硬化体の弾性率が高くなることで硬化体は変形しにくくなり、ソルダーレジスト層の強靭性が向上する。硬化体の弾性率は25GPa以上であることがより好ましい。硬化体の弾性率は大きければ大きいほどよく、硬化体の弾性率の上限は特に限定されないが、例えば、実用的には、硬化体の弾性率は100GPa以下が好ましい。なお、上記の弾性率は30℃での弾性率である。
ソルダーレジスト用樹脂組成物では、フィルム状に硬化されたときに、硬化体は、200℃の弾性率が3GPa以上であることが好ましい。200℃といった高温で弾性率が高いと、回路基板の加熱処理時の反りが効果的に低減され得る。硬化体の200℃での弾性率は大きければ大きいほどよく、硬化体の200℃での弾性率の上限は特に限定されないが、例えば、実用的には、硬化体の200℃での弾性率は30GPa以下が好ましい。
ソルダーレジスト用樹脂組成物では、フィルム状に硬化されたときに、硬化体は、20℃の熱膨張率が20ppm/℃以下であることが好ましい。20℃の熱膨張率が20ppm/℃以下であると、硬化体と回路基板との熱膨張率が近くなりやすくなるため、反りがさらに低減され得る。硬化体の20℃での熱膨張率の下限は特に限定されないが、例えば、硬化体の20℃での熱膨張率は8ppm/℃以上であってよい。
ソルダーレジスト用樹脂組成物では、フィルム状に硬化されたときに、硬化体は、500〜700nmの波長における光透過率が60%以下であることが好ましい。この場合、可視光が光透過しにくくなるため、回路の隠匿性が向上する。光透過率の下限は、特にないが、例えば、0%であってよい。着色剤の配合は、光透過率を低減させ得る。
上記において、「フィルム状に硬化されたとき」の「硬化体」は、パターンを有さない硬化フィルムを意味する。硬化フィルムは、連続した一体形状を有する。硬化フィルムの厚みは、適用されるソルダーレジスト層と同じ厚みであってよい。例えば、硬化フィルムの厚みは、20、30、40、50、80、100μmから適宜選択される厚みを有し得る。好ましくは、硬化フィルムの厚みは50μmである。硬化体で規定される上記の特性は、硬化フィルムの厚みを50μmとしたときの値として計測されるものであってよい。
ソルダーレジスト用フィルム
ソルダーレジスト用フィルムは、ソルダーレジスト用樹脂組成物から形成される。ソルダーレジスト用フィルムは、未硬化のフィルムである。ソルダーレジスト用フィルムは、ソルダーレジスト用樹脂組成物の一態様といえる。ソルダーレジスト用フィルムは、(F)溶剤を含まなくてよい。ソルダーレジスト用フィルムは、硬化により、ソルダーレジスト層になる。ソルダーレジスト用フィルムは、回路基板の上に貼り付けられ得る。ソルダーレジスト用フィルムは、ソルダーレジスト層の形成を容易にさせる。
ソルダーレジスト用フィルムは、厚みが50μm以下であることが好ましい。この場合、ソルダーレジスト層が薄膜化する。ソルダーレジスト用フィルムの厚みは、10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましい。ソルダーレジスト用フィルムの厚みが大きくなるほど、強靭性が高まる。ソルダーレジスト用フィルムの厚みが大きくなるほど、保護性が高まる。
ソルダーレジスト用フィルムは、好ましくは80〜98質量%、より好ましくは83〜93質量%の無機フィラーを含有する。ソルダーレジスト用フィルムは、好ましくは、平均比重が2.8以上である。ソルダーレジスト用フィルムは、硬化すると、硬化フィルムになる。硬化フィルムは、好ましくは、30℃の弾性率が20GPa以上であり、200℃の弾性率が3GPa以上であり、20℃の熱膨張率が20ppm/℃以下である。硬化フィルムは、好ましくは、500〜700nmの波長における光透過率が60%以下である。
ソルダーレジスト用フィルムは、液状のソルダーレジスト用樹脂組成物を樹脂フィルムの上に塗布し、乾燥することで得られる。樹脂フィルムは、ソルダーレジスト用フィルムを形成するための基材の機能を有する。樹脂フィルムは、ソルダーレジスト用フィルムを保護する保護フィルムとして機能し得る。樹脂フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含む。PETフィルムが好ましい。樹脂フィルムは、ソルダーレジスト用樹脂組成物が塗布される面が、離型処理されていることが好ましい。離型処理によって、ソルダーレジスト用フィルムは容易に樹脂フィルムから剥離される。
ソルダーレジスト用フィルムは、フィルム状の成形物であるため、取り扱いが容易で、容易にソルダーレジスト層を形成できる。ソルダーレジスト用フィルムは、上記の成分から形成されているため、熱により一度軟化しつつ、硬化することが可能である。ソルダーレジスト用フィルムは、加熱時に高流動性を発揮することができる。そのため、回路の凹凸に追随した形状のソルダーレジスト層を形成しやすい。回路は、ソルダーレジスト層に埋め込まれてもよい。ソルダーレジスト用フィルムによって、隙間がなく、密着性の高いソルダーレジスト層を得ることができる。
なお、ソルダーレジスト用フィルムと樹脂フィルムとを含む積層体は、ソルダーレジスト用フィルム付きシートと定義される。シートになることで、取り扱い性が高まる。樹脂フィルムは、ソルダーレジスト用フィルムを保護できる。このシートは、ソルダーレジスト層の形成のときに、ソルダーレジスト用フィルムが剥がされる。ソルダーレジスト用フィルムは、回路基板に貼り付けられる。
ソルダーレジスト用樹脂組成物では、フィルム状に硬化されたときに、硬化体は、365nmの波長における光透過率が20%以上であることが好ましい。この場合の硬化体の具体例として、上記のソルダーレジスト用フィルムが挙げられる。上述のように、ソルダーレジスト用フィルムは、未硬化のフィルムである。365nmの波長における光透過率が20%以上であれば、紫外線の照射により、上記のようなソルダーレジスト用フィルムを十分に光硬化させることができる。
ソルダーレジスト層付き回路基板
ソルダーレジスト層付き回路基板は、ソルダーレジスト層と回路基板とを備えている。ソルダーレジスト層は、上述のソルダーレジスト用樹脂組成物から形成される。回路基板は、電気接続部を備えている。ソルダーレジスト層は、電気接続部が露出するパターンで、回路基板の上に形成されている。電気接続部は、配線、はんだなどの電気接続によって電子部品への電気的な接続を行う部分である。回路基板は、パターン状の回路を有し得る。電気接続部は、パターン状の回路の一部で形成され得る。
ソルダーレジスト層付き回路基板は、例えば、回路基板の準備、ソルダーレジスト用フィルムの配置、パターン状の紫外線照射、現像、紫外線追加照射、及び、加熱により形成され得る。
回路基板の準備では、回路基板が適宜準備される。回路基板の上には回路が設けられている。回路は導電体で形成されている。導電体は、例えば、銅を含む。回路は、適宜のパターンを有し得る。回路基板は、例えば、銅張積層板から形成される。
ソルダーレジスト用フィルムの配置では、回路基板の上に、ソルダーレジスト用フィルムが配置される。ソルダーレジスト用フィルムと回路基板とは接する。このとき、ソルダーレジスト用フィルムは回路基板に圧着されてもよい。
パターン状の紫外線照射では、紫外線が所望のパターンで照射される。紫外線は、ソルダーレジスト用フィルムに与える全量のうちの一部であってよい。紫外線照射を数回に分けることで、良好なソルダーレジスト層が得られる。紫外線照射を分ける場合、紫外線の残部は、現像後に照射される。紫外線照射は、露光を意味する。硬化のパターンは、例えば、紫外線(すなわち光)を遮断するパターンマスクで形成され得る。ソルダーレジスト用フィルムのうち、マスクされる部分は、紫外線があたらず、マスクされない部分は、紫外線があたる。ソルダーレジスト用フィルムの紫外線が照射された部分は、硬化する。現像では、ソルダーレジスト用フィルムのうちの硬化していない部分が現像液により除去される。現像液は、例えば、アルカリ水溶液である。現像後のソルダーレジスト用フィルムは、パターン状になる。現像は、例えば、紫外線照射後の回路基板を現像液に浸漬させることを含んでもよい。現像後、回路基板は、水で洗浄されてもよい。現像後、ソルダーレジスト用フィルムが除去された部分には、回路の一部が露出し得る。この露出した回路の一部が、電気接続部となり得る。
現像後に、紫外線追加照射及び加熱が行われる。紫外線追加照射及び加熱によって、ソルダーレジストを完全に硬化させることができる。紫外線追加照射では、紫外線の残部が照射される。紫外線の照射は、光重合をさらに進行させる。加熱では、ソルダーレジスト用フィルムの光硬化した部分が、熱によって熱硬化する。紫外線追加照射及び加熱は、このうちのどちらか一方の後に他方を行ってもよいし、これらを同時に行ってもよい。現像後の硬化工程は、アフターキュアとも呼ばれる。硬化により、ソルダーレジスト層が形成される。
ソルダーレジスト用フィルムに紫外線を照射した後、現像してソルダーレジスト層を形成する場合において、紫外線の露光量と、現像前後のソルダーレジスト層の表面の明るさとの関係は、好ましくは以下の通りである。紫外線の露光量が300mJ/cmである場合、現像前のソルダーレジスト層の表面の明るさを1とすると、現像後のソルダーレジスト層の表面の明るさの変化率は、好ましくは1.15以下である。ここで、現像前とは、紫外線を照射する前と照射した後のうち、紫外線を照射する前を意味する。また現像後とは、紫外線追加照射を行う場合には、この紫外線追加照射を行う前と行った後のうち、紫外線追加照射を行う前を意味する。現像前及び現像後の意味については、以下も同様である。紫外線の露光量が700mJ/cmである場合、現像前のソルダーレジスト層の表面の明るさを1とすると、現像後のソルダーレジスト層の表面の明るさの変化率は、好ましくは1.10以下であり、より好ましくは1.05以下である。
なお、上記はソルダーレジスト層付き回路基板の製造方法の一例であり、ソルダーレジスト層付き回路基板は、異なる方法(変形例)で得られてもよい。変形例は、例えば、液状のソルダーレジスト用樹脂組成物が回路基板の上に塗布されて、硬化されて、現像されることを含む。変形例は、例えば、現像前に紫外線の全量が照射されることを含む。
ソルダーレジスト層付き回路基板は、強靭性の高いソルダーレジスト層が回路基板に設けられているため、回路基板の反りが低減される。特に、熱硬化の際に高い温度が付与されても、反りが生じにくい。ところで、従来のソルダーレジスト層は、通常、回路基板との密着性を高めるために弾性率が低くなるように設計されている。一方、上記のソルダーレジスト用樹脂組成物から形成されるソルダーレジスト層は、弾性率が高くなるように設計されている。弾性率の向上によって、ソルダーレジスト層の強靭性が高まり、回路基板の反りを低減させる。この点が従来とは大きく異なる。
上記のソルダーレジスト層は密着性が高い。従来のレジスト層の形成では、密着性を高めるために、回路基板の表面を粗化処理した後、レジスト層を形成することが多い。一方、上記のソルダーレジスト用樹脂組成物では、粗化処理を行わなくても密着性の高いソルダーレジスト層を形成することが可能である。ソルダーレジスト層は、ソルダーレジスト層と回路基板との界面に隙間を生じさせにくい。ソルダーレジスト層付き回路基板は、好ましい態様では、回路基板のソルダーレジスト層側の面が粗化処理されていない。粗化処理がないことで、製造性が向上する。ただし、回路基板のソルダーレジスト層側の面は粗化処理されてもよい。
パッケージ
パッケージは、上記のソルダーレジスト層付き回路基板と、電子部品と、封止材と、電気接続用の端子とを備える。電子部品は、ソルダーレジスト層付き回路基板に実装される。電子部品は、回路基板の回路に電気的に接続される。封止材は、ソルダーレジスト層付き回路基板に電子部品を封止する。電気接続用の端子は、電子部品と電気的に接続される。回路基板の回路は、電子部品と電気接続用の端子とを電気的に繋ぐ。電子部品と回路とは、ワイヤを介して電気的に接続されてもよい。電気接続用の端子は、外部に露出する。電気接続用の端子は、例えば、はんだボールで形成され得る。電気接続用の端子は、回路基板のソルダーレジスト層のある面とは反対の面に形成されてもよい。封止材は、電子部品を回路基板に固着させ得る。パッケージは、上記のソルダーレジスト層付き回路基板を含むので、反りが低減される。パッケージは、特に高温の反りを効果的に低減する。
ソルダーレジスト層は、電子部品の重みに起因する反りに対しても有効である。パッケージでは電子部品の重みにより回路基板に反りが発生しやすいが、上記のパッケージではソルダーレジスト層により反りが低減され得る。
ソルダーレジスト層は、封止材と接触し得る。従来のソルダーレジスト層は、表面が平滑で封止材との密着性が悪い場合がある。従来のソルダーレジスト層は光沢面を有しやすい。密着性を高めるために、従来のソルダーレジスト層は粗化処理される場合がある。一方、上記のソルダーレジスト層は、無機フィラーの高充填によって、平滑性が低減され得る。上記のソルダーレジスト層は、光沢面を有しにくい。上記のソルダーレジスト層は、凹凸面を有し得る。パッケージは、好ましい態様では、ソルダーレジスト層の表面が粗化処理されていない。粗化処理がないことで、製造性が向上する。ただし、ソルダーレジスト層の表面は粗化処理されていてもよい。
図1は、パッケージの例を示す。パッケージ1は、ソルダーレジスト層付き回路基板10と、電子部品20と、封止材30と、電気接続用の端子40と、ワイヤ50とを備える。ソルダーレジスト層付き回路基板10は、ソルダーレジスト層11と、回路基板12とを備えている。回路基板12は、基板と回路とを備えている。ただし、回路は、ソルダーレジスト層11に埋め込まれている。図1では、回路の一部である電気接続部13が破線で表示されている。ワイヤ50は、回路基板12の回路と電子部品20とを電気的に接続する。ワイヤ50は、はんだによって電気接続部13と接続され得る。回路の一部は、基板を貫通しており、電気接続用の端子40と電気的に接続されている。
たわみ実験
ソルダーレジスト用樹脂組成物によって基板の反りを低減させる効果は、例えば、次の方法(たわみ実験)で確認される。まず、長さ200mm×幅20mmのサイズで厚み0.06mmの基板を準備する。基板は1層で構成される。基板は、例えば、樹脂基板である。そして、この基板の両面に、厚み20μmのソルダーレジスト用フィルムを貼り付け、光及び熱で樹脂を硬化させる。これにより、両面にソルダーレジスト層を備えるソルダーレジスト層付き基板(試験板と定義される)が得られる。なお、実験の単純化のため、基板には回路が形成されていなくてよい。実験の単純化のため、ソルダーレジスト層はパターンを有していなくてよい。ソルダーレジスト層は、途切れのない一体的な層であってよい。次に、試験板の長さ100mm分をはみ出させて地表に水平な台の上に試験板を置く。このように試験板が置かれると、試験板のはみ出した部分は垂れ下がり、試験板はたわむ。そして、たわみ量を測定する。たわみ量は、試験板の台の上に載っている部分の上面から、試験板の垂れ下がった先端までの、地表に垂直な長さで定義される。たわみ量は、複数回の測定の平均値で算出されると精度が高まる。上記のたわみを利用した方法によって、上記のソルダーレジスト用樹脂組成物を利用した試験板は、ソルダーレジスト層が形成されていない基板に比べてたわみ量が1/3以下になることが確認されている。よって、回路基板の反りはソルダーレジスト層によって低減され得る。
(実施例1〜6及び比較例1)
(調製)
表1に示す配合組成により、原料を混合し、実施例及び比較例のソルダーレジスト用樹脂組成物を調製した。ソルダーレジスト用樹脂組成物をPETフィルム上に塗布し、乾燥させて、ソルダーレジスト用フィルムを形成した。
表1で示す材料は以下のとおりである。
−−(A)成分−−
・2官能エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「エピクロン840」)。
・3官能エポキシ樹脂:トリフェノールメタン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EXA−7241」)。
−−(B)成分−−
・(B1)1分子あたり平均14個以上のベンゼン環を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂:トリスフェノールメタン型エポキシアクリレート、酸化98mgKOH/g、日本化薬株式会社製「TCR−1348H」。
・クレゾールノボラック型の構造を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂:クレゾールノボラック型エポキシアクリレート、酸価60mgKOH/g、日本化薬株式会社製「CCR−1309H」。
・上記以外のカルボキシル基含有光重合性樹脂:ビスフェノールA型エポキシアクリレート、酸価98mgKOH/g、東亞合成株式会社製「M−510」。
−−(C)成分−−
・光重合開始剤:BASFジャパン株式会社製「IRGACURE184」。
−−(D)成分−−
・酸化アルミニウム:球状の無機フィラー、平均比重3.96、最大粒径10μm。
・酸化アルミニウム:球状の無機フィラー、平均比重3.96、最大粒径5μm。
・シリカ:球状の無機フィラー、平均比重2.21、平均粒径5μm。
−−(E)成分−−
・光重合性化合物:アクリル系モノマー、東亞合成株式会社製「アロニックスM−309」。
−−(F)成分−−
・溶剤:MEK(メチルエチルケトン)。
−−(G)成分−−
・着色剤:ヘリオゲンブルー。
・着色剤:パリオトールイエロー。
なお、表1で示す配合組成の単位は、質量部である。また、樹脂原料には溶剤を含んでいるものがある。
(評価)
上記で得たソルダーレジスト用フィルムを用い、上述の「たわみ実験」に記載された方法で、基板と、基板の両面に設けられたソルダーレジスト層(硬化塗膜)とを有する試験板を形成した。この試験板から、上述の「たわみ実験」の方法で、たわみ量を測定した。
ソルダーレジスト層(硬化フィルム)について、比重、30℃の弾性率、200℃の弾性率、20℃の熱膨張率、ガラス転移温度及び500〜700nmの波長における光透過率を測定した。なお、弾性率はJIS K 7161(1994)に準じて測定される。熱膨張率はJIS K 7197(1991)に準じて測定される。
表1に結果を示す。実施例のソルダーレジスト用フィルムは、比較例に比べて、たわみ量を低減させている。
上記実施例のソルダーレジスト用フィルムは、回路基板上に配置され、パターン状に硬化され、アルカリ性水溶液で現像されることで、良好なソルダーレジスト層となった。
Figure 0006811416
(実施例7〜9)
(調製)
表2に示す配合組成により、原料を混合し、各実施例のソルダーレジスト用樹脂組成物を調製した。ソルダーレジスト用樹脂組成物をPETフィルム上に塗布し、乾燥させて、ソルダーレジスト用フィルムを形成した。
表2で示す材料は以下のとおりである。
−−(A)成分−−
・2官能エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「エピクロン840」)。
・フルオレン骨格をもつエポキシ樹脂(大阪ガスケミカル株式会社製「OGSOL CG−500」)。
−−(B)成分−−
・(B1)1分子あたり平均14個以上のベンゼン環を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂:トリスフェノールメタン型エポキシアクリレート、酸化98mgKOH/g、日本化薬株式会社製「TCR−1348H」。
・クレゾールノボラック型の構造を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂:クレゾールノボラック型エポキシアクリレート、酸価60mgKOH/g、日本化薬株式会社製「CCR−1309H」。
−−(C)成分−−
・光重合開始剤:BASFジャパン株式会社製「IRGACURE184」。
−−(D)成分−−
・酸化アルミニウム:球状の無機フィラー、平均比重3.96g/cm、最大粒径5μm。
・シリカ:球状の無機フィラー、平均比重2.21g/cm、平均粒径5μm。
−−(E)成分−−
・光重合性化合物:アクリル系モノマー、東亞合成株式会社製「アロニックスM−309」。
・フルオレン骨格をもつ光重合性化合物、大阪ガスケミカル株式会社製「OGSOL GA−5000」。
−−(F)成分−−
・溶剤:MEK(メチルエチルケトン)。
−−(G)成分−−
・着色剤:ヘリオゲンブルー。
・着色剤:パリオトールイエロー。
なお、表2で示す配合組成の単位は、質量部である。また、樹脂原料には溶剤を含んでいるものがある。
(評価)
ソルダーレジスト層(硬化フィルム)について、365nmの波長における光透過率及び300mJ/cm及び700mJ/cmの露光量で光硬化させて得られたソルダーレジスト層の現像前と比較した際の明るさの変化率を測定した。明るさの変化率は、現像前の明るさを1としたときの変化率として評価した。
表2に結果を示す。実施例7、8のソルダーレジスト用フィルムは、実施例9に比べて365nmの波長における光透過率が高いため、紫外線の照射により、上記のようなソルダーレジスト用フィルムを反射及び散乱を抑制しつつ十分に光硬化させることができる。更に、実施例9に比べて現像前後での変化率が小さいため、後の工程で樹脂など溶出が抑制できる。
Figure 0006811416

Claims (21)

  1. (A)エポキシ樹脂と、
    (B)カルボキシル基含有光重合性樹脂と、
    (C)光重合開始剤と、
    (D)無機フィラーと、
    (E)光重合性化合物と、を含有し、
    前記(D)無機フィラーは、球状で、平均比重が3以上であり、
    前記(D)無機フィラーの含有量は、固形分中80〜98質量%であり、
    前記(E)光重合性化合物は、フルオレン骨格を有する光重合性化合物を含有する、
    ソルダーレジスト用樹脂組成物。
  2. (A)エポキシ樹脂と、
    (B)カルボキシル基含有光重合性樹脂と、
    (C)光重合開始剤と、
    (D)無機フィラーと、を含有し、
    前記(B)カルボキシル基含有光重合性樹脂は、(B1)1分子あたり平均14個以上のベンゼン環を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂を含有し、
    前記(D)無機フィラーは、球状であり、
    前記(D)無機フィラーは、平均比重が3以上であり、
    前記(D)無機フィラーの含有量は、固形分中80〜98質量%である、
    ソルダーレジスト用樹脂組成物。
  3. (A)エポキシ樹脂と、
    (B)カルボキシル基含有光重合性樹脂と、
    (C)光重合開始剤と、
    (D)無機フィラーと、を含有し、
    前記(A)エポキシ樹脂は、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂を含有し、
    前記(D)無機フィラーは、球状で、平均比重が3以上であり、
    前記(D)無機フィラーの含有量は、固形分中80〜98質量%である、
    ソルダーレジスト用樹脂組成物。
  4. 前記(B)カルボキシル基含有光重合性樹脂は、クレゾールノボラック型の構造を含むカルボキシル基含有光重合性樹脂を含有する、
    請求項2に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  5. 前記(A)エポキシ樹脂は、1分子中に2以上のエポキシ基を含む、
    請求項1乃至のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  6. 前記(B)カルボキシル基含有光重合性樹脂は、酸価が60〜100mgKOH/gである、
    請求項1乃至のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  7. 前記(A)エポキシ樹脂は、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂を含有する、
    請求項1、2、4乃至のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  8. (E)光重合性化合物をさらに含有し、
    前記(E)光重合性化合物から前記(B)カルボキシル基含有光重合性樹脂は除外される、
    請求項2乃至のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  9. 前記(D)無機フィラーの屈折率と、前記(A)エポキシ樹脂、前記(B)カルボキシル基含有光重合性樹脂及び前記(E)光重合性化合物の樹脂全体としての屈折率との差が0.25以内である、
    請求項1又はに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  10. 前記(E)光重合性化合物は、フルオレン骨格を有する光重合性化合物を含有する、
    請求項又はに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  11. 前記(D)無機フィラーは、最大粒径が10μm以下である、
    請求項1乃至10のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  12. (F)溶剤を含有し、
    前記(F)溶剤は、メチルエチルケトンを含む、
    請求項1乃至11のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  13. アルカリ性水溶液により現像可能である、
    請求項1乃至12のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  14. フィルム状に硬化されたときに、硬化体は、比重が2.8以上である、
    請求項1乃至13のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  15. フィルム状に硬化されたときに、硬化体は、30℃の弾性率が20GPa以上である、
    請求項1乃至14のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  16. フィルム状に硬化されたときに、硬化体は、200℃の弾性率が3GPa以上であり、20℃の熱膨張率が20ppm/℃以下である、
    請求項1乃至15のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  17. フィルム状に硬化されたときに、硬化体は、500〜700nmの波長における光透過率が60%以下である、
    請求項1乃至16のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  18. フィルム状に硬化されたときに、硬化体は、365nmの波長における光透過率が20%以上である、
    請求項1乃至17のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
  19. 請求項1乃至18のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物から形成され、厚みが50μm以下である、
    ソルダーレジスト用フィルム。
  20. 請求項1乃至19のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物から形成されたソルダーレジスト層と、
    電気接続部を備えた回路基板と、
    を備え、
    前記ソルダーレジスト層は、前記電気接続部が露出するパターンで、前記回路基板の上に形成されている、
    ソルダーレジスト層付き回路基板。
  21. 請求項20に記載のソルダーレジスト層付き回路基板と、
    前記ソルダーレジスト層付き回路基板に実装される電子部品と、
    前記電子部品を前記ソルダーレジスト層付き回路基板に封止する封止材と、
    前記電子部品と電気的に接続され、外部に露出する電気接続用の端子と、
    を備える、
    パッケージ。
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