JP6811121B2 - ハニカムフィルタの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、微粒子の捕集に用いられるハニカムフィルタの製造方法に関する。
特許文献1には、微粒子の捕集に用いられるハニカムフィルタとして、炭化ケイ素からなるハニカムフィルタが開示されている。特許文献2には、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子を含むモノリス基材に貴金属が担持された排ガス浄化触媒が開示されている。セリア−ジルコニア複合酸化物粒子で基材を構成することで熱容量が小さくし、モノリス基材の温度を上げやすくして、触媒の暖機性能を向上させることが記載されている。
国際公開第2006/041174号 特開2015−85241号公報
ところで、特許文献1に開示されるハニカムフィルタの暖機性能を向上させるために、ハニカムフィルタの壁部として、特許文献2に開示されるセリア−ジルコニア複合酸化物粒子を含む基材を採用することが考えられる。しかしながら、特許文献2に開示されるセリア−ジルコニア複合酸化物粒子を含む基材は、壁部が微粒子を含むガスをほとんど通過させることができないために、微粒子を捕集するハニカムフィルタの壁部としては不適である。炭化ケイ素粒子は再結晶することで、粒子間に気孔が形成されるが、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子は無機バインダで結合しているため、粒子間にガスが通過するために適当なサイズの気孔が形成されないためである。また、炭化ケイ素等の基材からなる壁部をセリア−ジルコニア複合酸化物により被覆する構成も考えられるが、セリア−ジルコニア複合酸化物の担持量が壁部に被覆可能な範囲に限定されるため、排ガスの浄化性能の向上効果は小さい。この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、暖機性能に優れるとともに圧力損失が低く、微粒子の捕集に適した壁部を有するハニカムフィルタの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明のハニカムフィルタの製造方法は、壁部によって区画されるとともに一端側から他端側に延びる複数のセルを有し、微粒子の捕集に用いられるハニカムフィルタの製造方法であって、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子と無機バインダを含む混合物を成形して、上記壁部を有するハニカム成形体を作製する成形工程と、上記セルの片方の端部を封止する封止工程と、上記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製する焼成工程と、上記ハニカム成形体又は上記ハニカム焼成体の上記壁部にニードルを突き刺して、上記壁部を貫通する気孔を形成する気孔形成工程とを有することを要旨とする。
この構成によれば、ハニカム成形体又はハニカム焼成体の壁部にニードルを突き刺して、壁部を貫通する気孔を形成する気孔形成工程を有することにより、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子を構成成分とする基材からなる壁部のガス透過性を向上させることができる。これにより、暖機性能に優れるとともに圧力損失が低く、微粒子の捕集に適した壁部を有するハニカムフィルタを製造することができる。
本発明のハニカムフィルタの製造方法について、上記ニードルの直径が50〜200μmであることが好ましい。この構成によれば、ニードルの直径に基づいて微粒子の捕集に適した気孔を形成することができる。
本発明のハニカムフィルタの製造方法について、上記気孔は、上記壁部の面積0.25〜10mmあたりに1つ形成させることが好ましい。この構成によれば、壁部を貫通する気孔の容積が十分なものとなるため、圧力損失の低減と、高い捕集性能を満たすことができる。
本発明のハニカムフィルタの製造方法について、上記混合物は、アルミナ粒子を含むことが好ましい。この構成によれば、担持した触媒を高分散させることができ、ガスの浄化性能を向上させると共に、高温状態における機械的強度の高いハニカムフィルタを製造することができる。
本発明のハニカムフィルタの製造方法について、上記気孔形成工程は、上記ハニカム成形体に対して加熱した上記ニードルを突き刺して、上記気孔を形成する工程であることが好ましい。この構成によれば、ハニカム成形体に含まれる有機成分等の揮発性成分を気化させながらニードルを突き刺すことができるため、ニードルを突き刺す際の抵抗を低減することができる。また、ハニカム成形体には壁部内のセリア−ジルコニア粒子間に空隙が形成されていないため、基材としての強度が高く、ニードルを付き刺した際に、壁部の形状を好適に保ちつつ気孔を形成することができる。
本発明のハニカムフィルタの製造方法について、上記気孔形成工程には、基部と、上記基部から突出する複数のニードルとを有する治具を用いることが好ましい。この構成によれば、治具を用いることによって複数のニードルを同時に突き刺すことができるため、複数の気孔を効率良く形成することができる。
本発明のハニカムフィルタの製造方法について、上記封止工程は、上記気孔形成工程よりも後に行うことが好ましい。この構成によれば、気孔形成工程で生じた屑を、セルの端部から容易に除去することができる。
本発明によれば、暖機性能に優れるとともに圧力損失が低く、微粒子の捕集に適した壁部を有するハニカムフィルタを製造することができる。
ハニカムフィルタの斜視図。 図1の2−2線断面図。 (a)は、ハニカムフィルタに気孔を形成する治具の斜視図、(b)は、ハニカムフィルタに気孔を形成する治具の正面図、(c)は、治具によりハニカムフィルタに形成された気孔を示す説明図。 (a)、(b)は、ニードルを貫通させる方向を示す模式図。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
まず、本発明の製造方法で製造されるハニカムフィルタについて説明する。
図1に示すように、本実施形態のハニカムフィルタ10は、筒状の周壁11と、周壁11の内部を周壁11の軸方向の一端側から他端側に延びる複数のセルSに区画する断面ハニカム形状の区画壁12とを備えている。周壁11と区画壁12とによって壁部13が構成されている。ハニカムフィルタ10のセル構造は特に限定されるものではないが、例えば、区画壁12の壁厚が0.1〜0.7mmであり、セル密度が1cmあたり15.5〜124セルであるセル構造とすることができる。なお、上記「0.1〜0.7mm」は、「0.1mm以上0.7mm以下」を意味するものとし、「A〜B」は「A以上B以下」を意味するものとする。
壁部13は、セリア−ジルコニア複合酸化物(以下、「CZ複合酸化物」ともいう。)と無機バインダとアルミナを構成成分とする基材によって形成されている。すなわち、壁部13を構成する基材には、CZ複合酸化物と無機バインダとアルミナが含まれている。そして、基材を構成する粒子の表面には貴金属等の触媒が担持されている。
基材に担持される触媒としては、貴金属、アルカリ金属(元素周期表1族)、アルカリ土類金属(元素周期表2族)、希土類元素(元素周期表3族)、遷移金属元素が挙げられるが、貴金属であることが好ましい。貴金属としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属が挙げられる。貴金属の担持量は特に限定されないが、ハニカムフィルタ10の見掛けの体積(L)に対して、0.1〜20g/Lであることが好ましく、0.5〜15g/Lであることがより好ましい。
図2に示すように、複数のセルSのうち所定のセルSは、端部が封止部14により封止されている。すなわち、ハニカムフィルタ10は、セルSとして、一端側の端部が開放され、他端側の端部が封止された第1セルS1と、第1セルS1に隣接して一端側の端部が封止され、他端側の端部が開放された第2セルS2とを備えている。第1セルS1と第2セルS2は互いに異なる側の端部が封止されているため、矢印で示すように、第1セルS1に一端側から流入したガスは、第1セルS1と第2セルS2の間の壁部13の内部を通過して、第2セルS2の他端側から流出する。この際、壁部13における第1セルS1側の表面に微粒子が捕集される。
また、ハニカムフィルタ10は、セルSとして、第1セルS1及び第2セルS2の少なくとも一方に隣接して、一端側の端部と他端側の端部の両方が開放された第3セルS3を更に備えてもよい。第3セルS3の一端側の端部から流入したガスは、壁部13の表面を通過して同じ第3セルS3の他端側の端部から流出することができる。第3セルS3が第1セルS1に隣接している場合、第1セルS1に一端側から流入したガスは、第1セルS1と第3セルS3の間の壁部13の内部を通過して、第3セルS3の他端側から流出することもできる。第3セルを備えることにより、ハニカムフィルタ10の圧力損失を低下させることができる。
第3セルS3の配置位置は、第1セルS1及び第2セルS2の少なくとも一方に隣接している範囲において適宜選択される。例えば、図2に示すように、ハニカムフィルタ10の外周側における断面積が小さいセルSを第3セルS3とすることができる。また、全てのセルSに占める第3セルS3の割合は特に限定されるものではないが、1/3以下であることが好ましい。
図2に示すように、封止部14の長さTは特に限定されるものではないが、区画壁12の壁厚よりも厚いことが好ましい。また、区画壁12の壁厚が0.1〜0.7mmである場合、封止部14の長さTは、1〜10mmであることが好ましい。
本実施形態のハニカムフィルタ10は、車両や建設機械等の内燃機関から排出されるガスに含まれる微粒子の捕集に用いられる。そのため、区画壁12は、処理対象のガスを通過させるための気孔を有している。処理対象のガスを通過させるための気孔を有する区画壁12は、例えば、以下に記載する特定のガス透過係数を満たす壁部である。
上記特定のガス透過係数は、例えば、1.0μm以上3.0μm以下である。
ガス透過係数は、例えば、公知のマスフロメータを用いて以下の方法により測定することができる。
まず、ハニカムフィルタ10を金属管の中に気密状態に配置し、金属管を通じてハニカムフィルタ10に空気を流通させる。そして、ハニカムフィルタ10の前後における空気の圧力差ΔPを測定する。圧力差ΔPの測定は、ハニカムフィルタ10に流入させる空気流量Qを公知のマスフロメータを用いて0〜80L/minの範囲で変化させて、20点の空気流量に対して実施する。得られた20点のデータを、Qを横軸、ΔP/Qを縦軸としたグラフ上にプロットし、プロットを結ぶ直線の切片からガス透過係数を求める。
区画壁12の気孔率は特に限定されないが、50〜80%であることが好ましく、55〜75%であることがより好ましい。封止部14の気孔率は特に限定されないが、40〜80%であることが好ましく、40〜75%であることがより好ましい。区画壁12の気孔率は、水銀圧入法にて、接触角を130°、表面張力を485mN/mの条件で測定することができる。
次に、上記のハニカムフィルタ10の製造方法について説明する。本実施形態の製造方法は、以下に記載する混合工程、成形工程、封止工程、焼成工程、気孔形成工程、担持工程を有している。
(混合工程)
混合工程は、CZ複合酸化物粒子と無機バインダとアルミナ粒子を有する原料組成物を混合して混合物を作製する工程である。CZ複合酸化物粒子としては、セリアとジルコニアの固溶体を用いることが好ましい。セリアとジルコニアの固溶体は、例えば、硝酸セリウムなどのセリウム塩と、オキシ硝酸ジルコニウムなどのジルコニウム塩を溶解させた水溶液に、アンモニア水を加えて共沈殿を生成させ、得られた沈殿物を乾燥させた後に400〜500℃で5時間程度焼成することにより調製することができる。
本発明のCZ複合酸化物粒子は、セリアを10質量%以上含むことが好ましく、20質量%以上含むことがより好ましい。また、セリアを70質量%以下含むことが好ましく、60質量%以下含むことがより好ましい。セリアを10質量%以上含むことで、処理対象となるガス中の酸素の吸蔵放出能が高くなり、70質量%以下とすることで熱耐久性が高くなる。
CZ複合酸化物粒子は、セリウム以外の希土類元素から選択される元素をさらに含んでいてもよい。希土類元素としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)などが挙げられる。
原料組成物として用いるCZ複合酸化物粒子の平均粒子径は特に限定されるものではないが、1〜10μmであることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。
無機バインダとしては、例えば、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト、アタパルジャイロ、ベントナイト、ベーマイトが挙げられる。混合物中の無機バインダの割合は特に限定されないが、10〜30質量%であることが好ましい。
アルミナ粒子としては、例えば、θ相のアルミナ粒子(以下、「θ−アルミナ粒子」ともいう。)、γ相のアルミナ粒子(以下、「γ−アルミナ粒子」ともいう。)が挙げられる。θ−アルミナ粒子は、1000℃程度の高温に曝されても相転移が抑制されるため、θ−アルミナ粒子を壁部13の基材の構成成分に用いることにより、高温状態におけるハニカムフィルタ10の機械的強度が向上する。γ−アルミナ粒子は比表面積が高く、触媒として用いる貴金属を高分散させることができる。混合物中のアルミナ粒子の割合は特に限定されないが、10〜50質量%であることが好ましい。アルミナ粒子の平均粒子径は特に限定されないが、二次粒子として1〜10μmであることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置にて測定することができる。
上記原料組成物には、必要に応じて、CZ複合酸化物粒子及びアルミナ粒子以外のその他の無機粒子、無機繊維、有機繊維、有機バインダ、造孔剤、成形助剤、分散媒を加える。
その他の無機粒子としては、CZ複合酸化物粒子やアルミナ粒子よりも熱膨張係数が小さい粒子(以下、「低熱膨張係数粒子」ともいう。)を用いることが好ましい。低熱膨張係数粒子を含有させた場合には、壁部13の基材の熱膨張係数を小さくすることができるため、ハニカムフィルタ10の耐熱衝撃性が向上する。低熱膨張係数粒子としては、コージェライト、チタン酸アルミニウム、リチウムアルミノケイ酸塩系材料を用いることができる。リチウムアルミノケイ酸塩系材料としては、例えば、βスポジュメンやβユークリプタイトが挙げられる。
無機繊維を構成する材料としては、例えば、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ガラス、が挙げられる。
有機繊維を構成する材料としては、例えば、アクリル繊維、ポリエステル繊維などが挙げられる。有機繊維の寸法は特に限定されるものではないが、直径が1〜50μmであることが好ましく、3〜40μmであることがより好ましい。また、長さが0.1〜30mmであることが好ましく、0.1〜10mmであることがより好ましい。
有機バインダとしては、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
造孔剤としては、アクリル樹脂、コークス、デンプンが挙げられる。
成形助剤としては、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール、界面活性剤が挙げられる。
分散媒としては、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコールが挙げられる。
上記原料組成物は、公知のミキサーやアトライタなどを用いて混合してもよく、さらにニーダーなどで混練してもよい。
(成形工程)
成形工程は、混合工程により得られた混合物を成形してハニカム成形体を作製する工程である。ハニカム成形体は、後の焼成工程における焼成収縮を経てハニカムフィルタ10と同一形状となるよう、例えば、混合物を押出金型を用いて押出成形し、所定の長さに切断することにより作製する。すなわち、ハニカムフィルタ10の周壁11と区画壁12とを構成する基材を一度に押出成形することにより作製する。
(封止工程)
封止工程は、成形工程により得られたハニカム成形体のセルSの端部に封止材ペーストを充填して、封止部14を形成する工程である。封止材ペーストとしては、上記混合物と同様のものを用いることができる。封止工程によって封止部14を形成したハニカム成形体に対しては、必要に応じて乾燥を行う。封止材ペーストを充填するセルSを適宜選択することにより、上記第1セルS1、第2セルS2、第3セルS3を形成することができる。
(焼成工程)
焼成工程は、ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製する工程である。焼成によって、CZ複合酸化物等の粒子間が無機バインダで結合されることにより、ハニカム焼成体の機械的強度が向上する。焼成工程は、公知の単独炉、いわゆるバッチ炉や、連続炉を用いて行うことができる。焼成温度は特に限定されないが、800〜1300℃が好ましく、900〜1200℃であることがより好ましい。焼成時間は特に限定されないが、上記の焼成温度において1〜20時間保持することが好ましく、1〜15時間保持することがより好ましい。焼成雰囲気は特に限定されないが、酸素濃度が1〜20%であることが好ましい。
なお、ハニカム成形体が有機繊維や有機バインダなどの有機成分を含む場合には、焼成工程の前に脱脂工程を行う。脱脂工程は、公知の単独炉、いわゆるバッチ炉や、連続炉を用いて行うことができる。脱脂温度は特に限定されないが、300〜800℃が好ましく、400〜750℃であることがより好ましい。脱脂時間は特に限定されないが、上記の脱脂温度において1〜10時間保持することが好ましく、2〜5時間保持することがより好ましい。脱脂雰囲気は特に限定されないが、酸素濃度が0.1〜20%であることが好ましい。脱脂工程は、焼成工程とは別の炉を用いて別途行ってもよいし、焼成工程と同じ炉を用いて連続的に行ってもよい。
(気孔形成工程)
気孔形成工程は、ニードルを用いてハニカム焼成体の区画壁12に区画壁12を貫通する気孔を形成する工程である。図3(a)、(b)に示すように、本工程では、ハニカム焼成体10Aの外周面の一部(半周)に沿った基部21と、この基部21から突出する複数のニードル22とを備える一対の治具20を用いる。ハニカム焼成体10Aの径方向の両側、具体的には、区画壁12における一方向に延びる壁を縦壁12Aとし、縦壁12Aに交差する壁を横壁12Bとした場合における、縦壁12Aの厚さ方向の両側から一対の治具20でハニカム焼成体10Aを挟み込む。そして、図4(a)に示すように、各縦壁12Aをニードル22が貫通するように、ニードル22を突き刺した後、ハニカム焼成体10Aから治具20を取り外す。これにより、ハニカム焼成体10Aの区画壁12の縦壁12Aを厚さ方向に貫通する気孔が形成される。
また、図4(b)に示すように、必要に応じて、区画壁12の横壁12Bの厚さ方向の両側からも一対の治具20でハニカム焼成体10Aを挟み込む操作を同様に行うことにより、区画壁12の横壁12Bを厚さ方向に貫通する気孔を形成してもよい。
治具20のニードル22の直径は、50〜200μmに設定されている。したがって、ニードル22により形成された区画壁12を貫通する気孔の直径も50〜200μmとなる。ニードル22の直径を選択することにより、この気孔の直径を調整することができる。ニードル22の直径は、全て同じであってもよいし、上記範囲内において、それぞれ異なっていてもよい。なお、区画壁12を貫通する気孔の直径は、区画壁12の表面を電子顕微鏡で観察することによって測定することができる。
また、本工程において形成される上記気孔の数は特に限定されるものではないが、例えば、区画壁12の表面に、0.25〜10mmあたりに1個であることが好ましい。
また、治具20に備えられるニードル22の位置や本数は適宜変更してもよい。例えば、図3(c)に示すように、個々のニードル22の間隔Lを約1cmにし、セルSの延びる方向とニードル22の並列方向とを揃えると、セルSの延びる方向に沿って約1cm間隔で気孔を形成することができる。
上記の混合工程、成形工程、封止工程、焼成工程、気孔形成工程を経ることにより、CZ複合酸化物を構成成分とする基材からなり、微粒子の捕集に適した壁部を有するハニカムフィルタ10を製造することができる。
(担持工程)
担持工程は、気孔形成工程により気孔を形成したハニカムフィルタ10にさらに触媒を担持する工程である。触媒を担持する方法としては、例えば、触媒の粒子や錯体を含む溶液にハニカムフィルタ10を浸漬した後、ハニカムフィルタ10を引き上げて、加熱する方法が挙げられる。触媒を担持することによって、ハニカムフィルタ10の壁部13は、CZ複合酸化物を構成成分とする基材と、この基材に担持された触媒とを備えるものとなる。
本実施形態の作用及び効果を説明する。
(1)ハニカム焼成体の壁部にニードルを突き刺して、壁部を貫通する気孔を形成する気孔形成工程を有することにより、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子を構成成分とする基材からなる壁部のガス透過性を向上させることができる。したがって、暖機性能に優れるとともに圧力損失が低く、微粒子の捕集に適した壁部を有するハニカムフィルタを製造することができる。
なお、壁部に気孔を形成する方法として、ニードルではなく、レーザーを用いる方法も考えられる。しかしながら、この方法は、強度が比較的高いセラミック製の基材に適したものであり、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子と無機バインダからなる基材を対象とした場合には、壁部の形状を好適に保ちつつ気孔を形成することが難しい。ニードルを用いた上記方法によれば、こうした問題の発生を抑制することができる。
(2)ニードルの直径が50〜200μmである。したがって、ニードルの直径に基づいて微粒子の捕集に適した気孔を形成することができる。
(3)気孔は、壁部の面積0.25〜10mmあたりに1個形成させる。したがって、壁部を貫通する気孔の容積が十分なものとなり、圧力損失の低減と、高い捕集性能を満たすことができる。
(4)混合物は、アルミナ粒子を含む。したがって、担持した触媒を高分散できると共に、高温状態における機械的強度の高いハニカムフィルタを製造することができる。
(5)気孔形成工程には、基部と、基部から突出する複数のニードルとを有する治具を用いる。治具を用いることによって複数のニードルを同時に突き刺すことができるため、複数の気孔を効率良く形成することができる。
本実施形態は、次のように変更して実施することも可能である。また、上記実施形態の構成や以下の変更例に示す構成を適宜組み合わせて実施することも可能である。
・気孔形成工程は、焼成工程よりも前に、ハニカム成形体に対して行ってもよい。また、このハニカム成形体は、封止工程を経たものであってもよい。また、ハニカム成形体に対して気孔形成工程を行う場合には、ハニカム成形体に対して、加熱したニードルを突き刺して気孔を形成することが好ましい。この場合、ハニカム成形体に含まれる有機成分等の揮発性成分が気化する温度以上に加熱したニードルを用いると、揮発性成分を気化させながらニードルを突き刺すことができるため、ニードルを突き刺す際の抵抗を低減することができる。また、ハニカム成形体には壁部内のセリア−ジルコニア粒子間に空隙が形成されていないため、基材としての強度が高く、ニードルを付き刺した際に、壁部の形状を好適に保ちつつ気孔を形成することができる。ニードルの加熱温度は特に限定されないが、200〜500℃であることが好ましい。
・封止工程は、脱脂工程、焼成工程、気孔形成工程の後に行ってもよい。特に、封止工程を気孔形成工程より後に行うことにより、気孔形成工程で生じた屑を、セルの端部から容易に除去することができる。
・一対の治具を用いて、ハニカム焼成体の径方向の両側からニードルを突き刺す態様に代えて、ハニカム焼成体の径方向の片側のみからニードルを突き刺す態様であってもよい。
・本実施形態では、成形工程において周壁と区画壁とを同時に成形していたが、区画壁のみを成形してもよい。この場合、例えば、焼成工程の後に、区画壁の外周に外周コート層を形成してもよい。
・封止工程において、第3セルが形成されなくてもよい。すなわち、全てのセルが一端側と他端側のどちらかの端部が封止されるように封止部を形成してもよい。この構成により、ハニカムフィルタの捕集効率を向上させることができる。
・混合工程で作製した混合物は、アルミナ粒子を含まないものであってもよい。
以下、上記実施形態をさらに具体化した実施例について説明する。
(実施例1)
下記原料組成物を混合して混合物を調製した。
平均粒子径2μmのCZ複合酸化物粒子:28.0質量%
平均粒子径2μmのθ−アルミナ粒子:14.0質量%
平均繊維径3μm、平均繊維長60μmのαアルミナ繊維(無機繊維):6.0質量%
ベーマイト(無機バインダ):11.0質量%
メチルセルロース(有機バインダ):8.0質量%
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(成形助剤):5.0質量%
イオン交換水(分散媒):28.0質量%
この混合物を用いて、押出成形機によって円柱状の成形体を成形した。次に、この成形体を所定の長さに切断してハニカム成形体を作製した後、図2に示すように所定のセルの端部を封止剤にて封止して封止部を形成した。封止剤の組成は、上記混合物と同じ組成である。また、封止部の長さは約3mmとした。次に、ハニカム成形体を乾燥させた後、700℃で3時間脱脂し、1100℃で10時間焼成することにより、ハニカム焼成体を作製した。図3に示すように、ハニカム焼成体の両側から挟み込み、壁部にニードルを突き刺した。ニードルにより形成された気孔の直径は約100μmであり、ニードルにより形成された気孔の数は、区画壁の表面における単位面積当たりの数として、4個/mmであった。
次に、ジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液([Pd(NH(NO]HNO、パラジウム濃度100g/L)溶液と硝酸ロジウム溶液([Rd(NO]、ロジウム濃度50g/L)を3:1の溶液の体積割合で混合調製した。この混合溶液中に、上記工程により製造されたハニカムフィルタを浸漬し、15分間保持した。その後、110℃で2時間乾燥し、窒素雰囲気中500℃で1時間焼成することによって、パラジウム触媒とロジウム触媒を担持した。触媒の担持量は、パラジウムとロジウムの合計でハニカムフィルタの見掛けの体積当たり0.14g/Lであった。得られたハニカムフィルタは、直径が117mm、長さが80mmの円柱状であり、セルの密度が46個/cm(300cpsi)、壁部の厚さが0.254mm(10mil)であった。
(ガス透過係数の測定)
実施例1のハニカムフィルタを使用してガス透過係数を測定した。まず、ハニカムフィルタを金属管の中に気密状態に配置し、金属管を通じてハニカムフィルタに空気を流通させた。そして、ハニカムフィルタの前後における空気の圧力差ΔPを測定した。圧力差ΔPの測定は、ハニカムフィルタに流入させる空気流量Qを公知のマスフロメータを用いて0〜80L/minの範囲で変化させて、20点の空気流量に対して実施した。得られた20点のデータを、Qを横軸、ΔP/Qを縦軸としたグラフ上にプロットし、プロットを結ぶ直線の切片からガス透過係数kを求めた。その結果、実施例1のハニカムフィルタのガス透過係数は、2.8μmであった。この結果から、実施例1のハニカムフィルタは、微粒子を捕集するフィルタとして機能するものであることが確認された。
10…ハニカムフィルタ、11…周壁、12…区画壁、13…壁部、14…封止部、22…ニードル、10A…ハニカム焼成体、S…セル。

Claims (7)

  1. 壁部によって区画されるとともに一端側から他端側に延びる複数のセルを有し、微粒子の捕集に用いられるハニカムフィルタの製造方法であって、
    セリア−ジルコニア複合酸化物粒子と無機バインダを含む混合物を成形して、前記壁部を有するハニカム成形体を作製する成形工程と、
    前記セルの片方の端部を封止する封止工程と、
    前記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製する焼成工程と、
    前記ハニカム成形体又は前記ハニカム焼成体の前記壁部にニードルを突き刺して、前記壁部を貫通する気孔を形成する気孔形成工程とを有することを特徴とするハニカムフィルタの製造方法。
  2. 前記ニードルの直径が50〜200μmである請求項1に記載のハニカムフィルタの製造方法。
  3. 前記気孔は、前記壁部の面積0.25〜10mmあたりに1個形成させる請求項1又は2に記載のハニカムフィルタの製造方法。
  4. 前記混合物は、アルミナ粒子を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のハニカムフィルタの製造方法。
  5. 前記気孔形成工程は、前記ハニカム成形体に対して加熱した前記ニードルを突き刺して、前記気孔を形成する工程である請求項1〜4のいずれか一項に記載のハニカムフィルタの製造方法。
  6. 前記気孔形成工程においては、基部と、前記基部から突出する複数のニードルとを有する治具を用いる請求項1〜5のいずれか一項に記載のハニカムフィルタの製造方法。
  7. 前記封止工程は、前記気孔形成工程よりも後に行う請求項1〜6のいずれか一項に記載のハニカムフィルタの製造方法。
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