JP6807711B2 - 酸化物中空粒子の製造法 - Google Patents

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本発明は、断熱塗膜用フィラー材として有用な酸化物中空粒子の製造法に関する。
断熱性材料のフィラーとして無機物中空粒子や無機物多孔質材料が使用されている。そ
のようなフィラー用粒子としては、微小中空ガラス球状体、高分子中空微小球体等が知ら
れている(特許文献1又は2)。
特開2001−172031号公報 特開2002−309180号公報
しかしながら、中空粒子として粒度分布がシャープな粒子(特許文献1)を用いた場合
、塗膜の平滑性が悪く塗装面にピンホールが発生し、そこを起点に剥離が生じるという問
題がある。また、中空粒子を、被塗装物の表地面から塗膜表面に向かって中空粒子の密度
が粗から密になるように配置した場合(特許文献2)には、塗膜中の断熱効果が均一にな
らず、用途によっては使用できないという問題があった。また、断熱塗膜の高機能化に伴
い、塗膜の薄層化が望まれており、薄膜においては十分な断熱効果を確保できないという
問題がある。
かかる観点から、本発明者は酸化物中空粒子の粒子径に着目して種々検討した結果、2
つ以上のピークを有する多峰性の粒度分布を有する酸化物中空粒子を開発し、先に特許出
願した(特願2015−149123)。そしてさらに、噴霧熱分解法による上記多峰性
の粒度分布を有する酸化物中空粒子の製造法を検討したところ、得られる酸化物中空粒子
の品質が一定せず、粒子強度も一定しないことが判明した。
従って、本発明の課題は、安定した特性を有する多峰性の粒度分布を有する酸化物中空
粒子の製造法を提供することにある。
そこで本発明者は、粒子の品質が一定しない原因について検討したところ、噴霧熱分解
法で製造する場合、原料が炉心管内を通過する時間は一定であることから、多峰性の粒度
分布を有する酸化物中空粒子の場合には、細かい粒子は溶融されても、大きい粒子は十分
に溶融されないという現象が生じる。逆に大きい粒子が溶融される温度に設定して製造し
た場合は、小さい粒子は溶融が進み過ぎて中空粒子を維持できず、割れたり収縮して中実
粒子になったりする現象が生じることが判明した。そこで、熱分解工程後の酸化物中空粒
子を、そのまま高温の溶融工程に付すのではなく、融点よりも−300〜−200℃の温
度に加熱することにより、品質の一定した多峰性の粒子分布を有する酸化物中空粒子が効
率良く得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の発明〔1〕及び〔2〕を提供するものである。
〔1〕平均粒子径が1〜20μmであり、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置にて少なく
とも2つ以上のピークの山を有する多峰性の粒度分布を有する酸化物中空粒子の製造法で
あって、(1)酸化物を構成する元素を含有する溶液の噴霧液滴から溶媒を除去する工程
、(2)乾燥された粒子を熱分解して酸化物中空粒子を形成する工程、及び(3)形成さ
れた酸化物中空粒子の融点又はガラス転移温度の−300〜−200℃の範囲で5分〜6
0分間加熱処理をする工程を有する酸化物中空粒子の製造法。
〔2〕工程(3)が、反応容器の底部から空気を導入しながら加熱処理する〔1〕記載の
酸化物中空粒子の製造法。
本発明方法によれば、一定の品質を有する多峰性の粒度分布を有する酸化物中空粒子が
効率良く得られる。
本発明酸化物中空粒子の粒度分布の様子を示すSEM像である。 本発明酸化物中空粒子の二峰性の粒度分布を示す図である。 本発明酸化物中空粒子のSEM像を示す。 本発明酸化物中空粒子のTEM像を示す。
本発明方法は、平均粒子径が1〜20μmであり、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置
にて少なくとも2つ以上のピークの山を有する多峰性の粒度分布を有する酸化物中空粒子
の製造法であって、
(1)酸化物を構成する元素を含有する溶液の噴霧液滴から溶媒を除去する工程、
(2)乾燥された粒子を熱分解して酸化物中空粒子を形成する工程、及び
(3)形成された酸化物中空粒子の融点又はガラス転移温度の−300〜−200℃の
範囲で5分〜60分間加熱処理をする工程を有することを特徴とする。
本発明方法で得られる酸化物中空粒子の平均粒子径は、1μm〜20μmであり、好ま
しくは2μm〜20μmであり、より好ましくは2μm〜15μmである。20μmを超
える場合は、一部が球状でなくなることがあり、好ましくない。なお、平均粒子径の調整
は、噴霧に使用するスプレーノズルのノズル径あるいは霧化方式を変えることによって行
うことができ、2流体ノズル、4流体ノズル、超音波霧化方式などが利用できる。ここで
平均粒子径は、JIS R 1629「ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法
による粒子径分布測定方法」、レーザー回折・散乱法による粒径分布測定装置として、例
えばマイクロトラック(日機装株式会社製)などによって計算できる。
また、本発明方法で得られる酸化物中空粒子は、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置に
て少なくとも2つ以上のピークの山を有する多峰性の粒度分布を有する(図2)。
そのピークの山は2〜4個が好ましく、2〜3個がより好ましく、2個がさらに好まし
い。粒度分布において2つのピークの山を有する例を図2に示す。ピークの山が1個の中
空粒子では、塗膜を形成したときの熱伝導率が大きくなり、また塗膜表面が平滑にならず
、基材との密着性も十分でない。
これらの複数のピークの山のうち最大のピークの山の極大粒子径は、十分な断熱性、平
滑性、密着性等の点から、2〜30μmが好ましく、3〜25μmがより好ましく、5〜
15μmがさらに好ましい。複数のピークの山のうち最大のピークの山とは、ピークの高
さが最も高いピークの山を言う。また、この最大のピークの山は、塗膜の高い断熱性を保
持する点から、粒度分布のうち粒子径が大きい側にあるのが好ましい。すなわち、最大の
ピークの山が粒子径の大きい側にあり、二番目に大きいピークの山が粒子径の小さい側に
あるのが好ましい。
二番目に大きいピークの山の極大粒子径は、塗膜の断熱性、平滑性、密着性等の点から
、最大のピークの山の極大粒子径の1/10以下が好ましく、1/10〜1/30がより
好ましく、1/10〜1/20がさらに好ましい。
二番目に大きいピークの山の粒子は、全粒子中の5〜30重量%であるのが、塗膜の断
熱性、平滑性及び密着性の点で好ましい。より好ましくは、10〜30重量%であり、さ
らに好ましくは10〜20重量%である。
また、最大ピークの山の粒子は、全粒子中の30〜85重量%であるのが、塗膜の断熱
性、平滑性及び密着性の点で好ましく、より好ましくは35〜80重量%であり、さらに
好ましくは40〜80重量%である。
本発明の酸化物中空粒子は、中空室を区画する殻を有する粒子であるのが好ましく、単
なる多孔質とは相違するのが好ましい。本発明の粒子が、このような構造を有することは
、TEM像及びSEM像から明らかである。
また、本発明の中空粒子の殻は無気孔である。本発明の中空粒子の殻が無気孔であるこ
とは、透過型電子顕微鏡(TEM)像により確認できる。本発明の中空粒子は、殻が無気
孔であることにより、優れた断熱性、遮熱性を有する。
本発明の酸化物中空粒子は、無機酸化物中空粒子であればよいが、例えばアルミノシリ
ケート中空粒子、アルミナ中空粒子、シリカ中空粒子、ムライト中空粒子、フライアッシ
ュバルーン等が挙げられ、特にアルミノシリケート中空粒子が好ましい。
本発明の酸化物中空粒子の形状は、図1及び図3から明らかなように、球状であり、平
均円形度は0.85以上であるのが好ましい。このような形状は、例えば噴霧熱分解法に
より製造することにより達成される。
ここで、円形度は、走査型電子顕微鏡写真から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)
を測定し、周囲長(PM)に対する真円の面積を(B)とすると、その粒子の円形度はA
/Bとして表される。そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想
定すると、周囲長はPM=2πr、面積はB=πr2であるから、B=π×(PM/2π
2となり、この粒子の円形度は、円形度=A/B=A×4π/(PM)2として算出され
る。100個の粒子について円形度を測定し、その平均値でもって平均円形度とする。な
お、本発明の中空粒子は、各種フィラーとして混合したときの分散性、混合性など点から
、平均円形度は、0.85以上、好ましくは0.90以上である。
本発明の酸化物中空粒子の殻の厚みは、熱伝導率の点から、500nm以下が好ましく
、50〜500nmがより好ましく、50〜450nmがさらに好ましく、50〜400
nmがさらに好ましい。殻の厚みは透過型電子顕微鏡(TEM)像から測定できる。
本発明の酸化物中空粒子の熱伝導率は、0.005〜0.1W/m・Kが好ましく、0
.005〜0.08W/m・Kがより好ましく、0.02〜0.06W/m・Kがさらに
好ましい。本発明の中空粒子は熱伝導率が小さいため、断熱材料、遮熱材料として優れて
いる。ここで、熱伝導率は、迅速熱伝導率計QTM−500(京都電子工業社製)を用い
た非定常熱線法により測定できる。
本発明の酸化物中空粒子の圧縮強度は、5〜500MPaであるのが好ましく、10〜
500MPaであるのがより好ましく、30〜500MPaであるのがさらに好ましい。
ここで圧縮強度は、微小圧縮試験機 MCT−510(株式会社島津製作所製)により測
定できる。
本発明方法の工程(1)は、酸化物を構成する元素を含有する溶液の噴霧液滴から溶媒
を除去する工程(単に乾燥工程ともいう)である。
ここで、酸化物を構成する元素を含有する溶液としては、水等の溶媒に溶解する化合物
であり、無機塩、金属アルコキシド等が挙げられる。より具体的には、アルミニウム塩、
チタン塩、マグネシウム塩、アルミノケイ酸塩、アルミニウムアルコキシド、テトラエト
キシシラン、テトラメトキシシラン等が挙げられる。また、アルミニウム酸化物、ケイ素
酸化物を溶媒に分散した溶液、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物のゾル溶液も原料溶液
として用いることができる。さらに、溶融温度、耐熱性、粒子強度を調整するために他の
元素の原料を添加することもできる。また、これらの原料化合物から得られる酸化物とし
ては、無機酸化物、例えば金属酸化物、アルミナ、シリカ、アルミニウムおよびケイ素か
らなる酸化物などが挙げられ、より具体的には、アルミナ、シリカ、アルミニウムおよび
ケイ素からなる酸化物、チタン酸化物、マグネシウム酸化物、ジルコニウム酸化物、バリ
ウム酸化物、セリウム酸化物、イットリウム酸化物などが挙げられ、これら酸化物を組み
合わせた複合酸化物も挙げられる。
これらの酸化物を構成する元素の原料を溶解あるいは分散する溶媒としては、水及び有
機溶媒が挙げられるが、環境への影響、製造コストの点から水が好ましい。
噴霧する溶液中の酸化物を構成する元素の原料濃度は、得られる酸化物中空粒子の密度
、強度等を考慮し、0.01mol/L〜飽和濃度が好ましく、0.1mol/L〜0.
5mol/Lがより好ましい。
前記溶液は、超音波式の噴霧装置で液滴を形成することが可能であるが、生産性の観点
から、圧縮空気によって噴霧液滴とするのが好ましい。具体的には、2流体ノズルや4流
体ノズルで噴霧するのが、粒子径の調整、生産性の点で好ましい。ここで2流体ノズルの
方式には、空気と前記溶液とをノズル内部で混合する内部混合方式と、ノズル外部で空気
と前記溶液を混合する外部混合方式があるが、いずれも採用できる。
噴霧される液滴の平均粒子径は、ノズル径や空気の圧力によって調整することができ、
0.5〜60μmが好ましく、1〜20μmがより好ましく、1〜15μmがさらに好ま
しい。
(1)乾燥工程は、前記溶液の噴霧液滴から溶媒を除去する乾燥工程であり、ここでは
、噴霧液滴粒子から溶媒が蒸発し、液滴粒子表面に無機塩が析出し、粒子内部に空隙が形
成される。この乾燥工程の温度は、用いる原料溶液の噴霧液滴から、溶媒が蒸発する温度
であればよいが、乾燥工程で無機塩が析出する必要性から、50〜800℃の範囲内であ
って0.1秒から1分程度で当該蒸発及び析出が生じる温度であるのが好ましい。より好
ましくは100℃〜800℃であり、さらに好ましくは150℃〜700℃であり、さら
に好ましくは150〜600℃である。
本発明方法の工程(2)は、乾燥された粒子を熱分解して酸化物中空粒子を形成する工
程(単に熱分解工程ともいう)である。
ここでは、液滴および粒子表面の無機塩が熱分解および酸化されて酸化物中空粒子が生
成する。この熱分解工程の温度は、前記熱分解および酸化反応が進行する温度であればよ
いが、熱分解工程で酸化反応が終了する必要性から、150℃〜1000℃が好ましい。
また0.1秒〜1分程度で当該酸化反応が終了する温度が好ましく、具体的には、400
℃〜900℃が好ましく、500℃〜900℃が好ましい。
本発明方法の工程(3)は、形成された酸化物中空粒子の融点又はガラス転移温度の−
300〜−200℃の範囲で5分〜60分間加熱する工程である。この工程により、酸化
物中空粒子の表面に存在する孔を閉塞させることができる。この工程を、酸化物中空粒子
の融点又はガラス転移温度−200℃よりも高い温度で行うと、溶融は迅速に進行するが
、本発明のように2つ以上のピークの山を有する粒子の場合、一部が溶融したり、割れが
生じたり、中実粒子が生成する等の問題が生じる。酸化物中空粒子の融点又はガラス転移
温度は、酸化物の種類によりわかるため、加熱温度は予め設定することができる。
工程(3)は、加熱に長時間を要するため、反応容器の底部から空気を導入しながら加
熱処理するのが好ましい。具体的には、底部が多孔質に加工された流動層式の加熱炉を用
いて、底部から1L/minの空気を供給しながら行うのが好ましい。
工程(1)〜(3)は連続して行ってもよいが、工程(3)は別バッチで行うのが好ま
しい。
工程(3)が終了した酸化物中空粒子は、表面の孔が閉塞されていることから外殻に孔
がなく、粒子強度の高い酸化物中空粒子となっている(図3)。従って、工程(3)を行
った酸化物中空粒子を冷却後回収すれば、目的の酸化物中空粒子が得られる。酸化物中空
粒子の回収は、高性能サイクロン粉体回収機やバグフィルターを用いた粉体回収装置を用
いることができる。また、酸化物中空粒子の回収にあたっては、フィルターを通過させる
ことにより粒子径の調整をすることができるが、熱分解工程後に分級を行っている場合は
、最終工程での分級は必要としない。
次に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
実施例1〜6及び比較例1〜6
原料化合物として、オルトケイ酸テトラエチル、硝酸アルミニウム九水和物を蒸留水に
溶解し、0.4mol/L原料水溶液を作製した。噴霧熱分解装置の溶液ポンプに投入し
、2流体ノズルを介してミスト状に噴霧し、乾燥工程(750℃)、次いで、乾燥された
粒子を熱分解して酸化物中空粒子を形成する工程(1000℃)を通過させることで酸化
物中空粒子の前駆体を作製した。
得られた前駆体はバグフィルターを用いて回収し、融点(ガラス転移温度)をTG−D
TA(ブルカー・エイエックスエス社製:TG−DTA2000SR)にて測定したとこ
ろ、ガラス転移温度は800℃であった。
回収した酸化物中空粒子の前駆体を、底部が多孔質に加工されたさやに投入し、底部か
ら1L/minの空気を供給しながら加熱温度:450〜650℃、熱処理時間:1〜1
20分間、熱処理することでアルミノシリケート系の酸化物中空粒子を得た。
得られた酸化物中空粒子は、以下の物性を測定した。
・粒度分布:レーザ回折・散乱法により、マイクロトラック(日機装株式会社製)で
測定(JIS R 1629「ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒
子径分布測定方法」に準拠)。
・熱伝導率:非定常熱線法により、迅速熱伝導率計QTM−500(京都電子工業社
製)で測定。
・圧縮強度:微小圧縮試験機MCT−510(株式会社島津製作所製)で測定。
・粒子密度:定容積膨張法により、乾式密度測定装置(島津製作所社製:アキュピッ
ク)で測定。(見掛け密度)
比較例5、比較例6として、乾燥工程(750℃)、次いで、乾燥された粒子を熱分解
して酸化物中空粒子を形成する工程(1000℃)、形成された酸化物中空粒子の表面を
溶融する工程(700〜1000℃)を、同一炉心管内を、同一の滞留時間(1分間)で
通過させることで酸化物中空粒子を作製した。
表1に、溶融工程の製造条件と粒度分布の測定結果を示す。また、表2に、得られた酸
化物中空粒子の物性の測定結果を示す。
表1及び表2中の評価は、次のとおりとした。
熱伝導率
◎:0.05W/m・K以下
○:0.1W/m・K以下
×:0.1W/m・K超え
圧縮強度
◎:30MPa以上
○:5MPa以上
×:5MPa未満
粒子密度
◎:0.5g/cm3以下
○:0.7g/cm3以下
×:0.7g/cm3以下超え
表1及び表2より、本発明方法により得られる酸化物中空粒子は、多峰性の粒度分布を
有しているにもかかわらず、いずれの山のピークの粒子も、適当な粒子強度および熱伝導
率を有しているため、塗膜のフィラー材として、十分な断熱効果が得られる。
一方、比較例1は、溶融工程の温度が低く、第一粒子の溶融が不十分となり、多孔性の
中空粒子となるため、粒子強度が低く、粒子が割れてしまうので、熱伝導率が高くなり、
粒子密度が大きくなる。比較例2は、溶融工程の温度が高く、第二粒子の溶融が進行し過
ぎることで、中実の粒子となるため、熱伝導率が高くなり、粒子密度が大きくなる。比較
例3は、溶融工程の時間が短く、第一粒子の溶融が不十分となり、多孔性の中空粒子とな
るため、粒子強度が低く、粒子が割れてしまうので、熱伝導率が高くなり、粒子密度が大
きくなる。比較例4は、溶融工程の時間が長く、第二粒子の溶融が進行し過ぎることで、
中実の粒子となるため、熱伝導率が高くなり、粒子密度が大きくなる。比較例5と6は、
滞留時間が短く、第一粒子と第二粒子の溶融のバランスが取れない。比較例5は第一粒子
の溶融が不十分であり、比較例6では第二粒子の溶融が進行し過ぎている。

Claims (2)

  1. 平均粒子径が1〜20μmであり、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置にて少なくとも2つ以上のピークの山を有する多峰性の粒度分布を有するアルミノシリケート中空粒子又はムライト中空粒子の製造法であって、(1)アルミノシリケート又はムライトを構成する元素を含有する溶液の噴霧液滴から溶媒を除去する工程、(2)乾燥された粒子を熱分解してアルミノシリケート中空粒子又はムライト中空粒子を形成する工程、及び(3)形成されたアルミノシリケート粒子又はムライト中空粒子の融点又はガラス転移温度の−300〜−200℃の範囲で5分〜60分間加熱処理をする工程を有するアルミノシリケート中空粒子又はムライト中空粒子の製造法。
  2. 工程(3)が、反応容器の底部から空気を導入しながら加熱処理する請求項1記載のアルミノシリケート中空粒子又はムライト中空粒子の製造法。
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