JP6846245B2 - 噴霧熱分解による微小粒子製造装置 - Google Patents

噴霧熱分解による微小粒子製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、噴霧熱分解法による微小粒子の製造装置に関する。
従来の噴霧熱分解法は、超音波霧化装置やノズルを用いて、管状炉などの加熱炉に原料溶液を霧状(ミスト状)に噴霧し、炉内で加熱処理して液滴を乾燥させて、微小粒子や中空粒子を合成する技術である。この方法は、微小粒子を原料投入・加熱処理・回収まで連続で一気通貫生産するため、反応系外からの不純物の混入を回避でき、かつ大量に生産できる利点がある。
噴霧乾燥装置の改良技術としては、乾燥筒体の内壁の周囲吹出口から乾燥用熱風を吹き出すことで、液滴を積極的に乾燥させる技術(特許文献1);一つの槽内に噴霧乾燥部と流動造粒部とを有する噴霧乾燥造粒装置であって、前記噴霧乾燥部の円錐部の上端付近に、前記円錐部の内面に沿って下向き又は斜め下向きへ気流を導入する手段と、排気を行う手段と、を備えたことを特徴とする噴霧乾燥造粒装置(特許文献2);円筒状の側面から圧縮ガスを壁面に噴流をなすように吹き込むことにより壁面への付着物量を抑制する技術(特許文献3);粉体を乾燥ゾーンの周囲に冷ガスを導入して冷風ゾーンを形成する技術(特許文献4)が報告されている。
特開2005−291530号公報 特開2002−45675号公報 特表平7−506530号公報 特開昭63−267401号公報
噴霧熱分解法において、ノズルや超音波霧化装置を用いて、原料溶液を液滴にして噴霧する際、液滴が加熱炉の壁面に付着してしまい、付着物が不良品となる。噴霧熱分解法は、原料投入・加熱処理・回収まで連続で一気通貫生産するため、不良品が製品と混じってしまい、製品収率を低下させてしまう欠点があった。そのため、通常、付着物を発生させないために、炉内に吹き込む原料溶液の液滴量を制限しており、その結果、噴霧熱分解法の利点である生産性を落としてしまっている。
一方、特許文献1の手段では、内壁の周囲吹出口から乾燥用熱風を吹き出すため、吹き込む熱風の量によって微小粒子の流れが大きく変化し、均一な微小粒子が得られなくなったり、逆流したりするおそれがある。特許文献2の手段では、熱変性がしやすい成分を連続的に流動造粒するために、冷風を導入する技術である。特許文献3の手段では、圧縮ガスを噴流をなすように吹き込むため微小粒子の流れが大きく変化し、制御が困難である。特許文献4の手段は、冷却ガスを円筒側面部から導入する技術である。これらの手段では、効率的に加熱炉の壁面に液滴が付着することを防止できない。かように従来の手段では、噴霧する溶液の組成や粘性などの性状、流量、噴霧角などにより、空気量、空気の向きや流れなどの調整が必要となるため、付着を防止することは難しかった。
従って、本発明の課題は、噴霧熱分解法において、加熱炉内の壁面に液滴が付着するのを効率的に防止し、収率良く、高品質の微小粒子を製造するための手段を提供することにある。
そこで本発明者は、前記課題を解決すべく種々検討した結果、噴霧熱分解装置の内部に熱風や冷風を吹き込むのではなく、加熱炉の上部に空気導入口を設け、液滴が付着する領域の炉芯管の材質を多孔質焼結アルミナ製にして、炉芯管内を減圧することにより、焼結アルミナ製の炉芯管外から炉心管内へエアーを導入して、炉芯管の内壁面及び下部へのエアーカーテンを形成することにより、装置上部から噴霧された液滴の流れが大きく変化することなく、かつ壁面への付着を防止でき、その結果、高品質の微小粒子が高収率で得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔3〕を提供するものである。
〔1〕炉芯管及びその外周に加熱源を有する加熱炉と、炉芯管の上部に原料溶液噴霧用ノズルと、炉芯管の下部に微小粒子回収装置とを有する噴霧熱分解微小粒子製造装置であって、加熱炉の上部の炉芯管と加熱源との間に空気導入口を設け、
炉芯管のうち、前記ノズルから噴霧された液滴が炉芯管の壁に到達する領域を多孔質焼結アルミナ製とし、炉芯管の下部の微小粒子回収装置を炉芯管内部を負圧にする微小粒子回収装置としたことを特徴とする微小粒子製造装置。
〔2〕前記炉芯管の下部の微小粒子回収装置が、サイクロン粉体回収機又はバグフィルターである〔1〕記載の微小粒子製造装置。
〔3〕前記炉芯管内部を負圧にし、炉芯管に前記多孔質焼結アルミナ製領域を設けることにより、前記空気導入口から導入されたエアーが加熱源で加熱され、該多孔質焼結アルミナ製領域から炉芯管内部に流入し、炉芯管の壁面に下部方向の加熱エアーカーテンを形成させる〔1〕又は〔2〕記載の微小粒子製造装置。
本発明の噴霧熱分解装置によれば、加熱炉内の噴霧液滴の流れを大きく変えることなく、噴霧液滴の炉芯管壁面への付着が防止でき、ヒーターで加熱された空気を導入することで熱分解処理の低下がないため、均一な高品質の微小粒子が高収率で得られる。
従来の噴霧熱分解装置の概略図である。 本発明の熱分解装置の概略図である。 本発明の熱分解装置の加熱炉の概略図である。 本発明の加熱炉、炉芯管内部のエアーの流れの概略図である。 実施例の加熱炉の炉芯管の概略図である。 比較例の加熱炉の炉芯管の概略図である。 実施例の試験後の炉芯管内部の概略図である。 比較例の試験後の炉芯管内部の概略図である。
本発明の噴霧熱分解微小粒子製造装置は、図1及び図2のように、炉芯管及びその外周に加熱源を有する加熱炉と、炉芯管の上部に原料溶液噴霧用ノズルと、炉芯管の下部に微小粒子回収装置とを有する。
本発明装置の加熱炉は、炉芯管とその外周に加熱源とを有する。そして、加熱炉の上部には、原料溶液噴霧用ノズルを有する。さらに、加熱炉の下部には、生成する微小粒子の回収装置を有する。
原料溶液噴霧用ノズルから噴霧された液滴は、加熱炉内で乾燥、熱分解されて微小粒子となり、生成した微小粒子は加熱炉の下部の微小粒子回収装置で回収される。
本発明の装置は、前記微小粒子製造装置において、(1)加熱炉の上部の炉芯管と加熱源との間に空気導入口を設け;
(2)炉芯管のうち、前記ノズルから噴霧された液滴が炉芯管の壁に到達する領域を多孔質焼結アルミナ製とし;(3)炉芯管の下部の微小粒子回収装置を炉芯管内部を負圧にする微小粒子回収装置としたことを特徴とする。
前記(1)空気導入口は、図2、図3、図4、図5及び図7のように、加熱炉の上部の炉芯管と加熱源との間に設けられる。当該空気導入口の形態は、炉芯管の内圧を減圧したことにより、図4のように、加熱炉の上部から導入した空気が、多孔質焼結アルミナを介して炉芯管内に吸引され、壁面に炉芯管上部から下部方向へのエアーの流れが形成されるような形態であれば、特に限定されず、例えば、加熱炉の上部に設けられた孔やスリットなどのいずれの形態でもよい。
空気導入口は、製造する粒子の生産量、空気導入量などに応じて、幅を適宜変更することができる。また、加熱炉上部に孔を設けた場合、孔にバルブを設置し、エアーカーテンを形成する空気量を適宜制御できるようにすることも可能である。
(2)炉芯管のうち、前記ノズルから噴霧された液滴が炉芯管の壁に到達する領域を多孔質焼結アルミナ製とする。ここで、液滴が炉芯管の壁に到達する領域は、炉芯管の長手方向のうち上部から1/5〜1/2の領域が好ましく、1/4〜1/2の領域がより好ましい。多孔質焼結アルミナ製の炉芯管は、気孔を有する多孔質な材質であるため、炉芯管内を減圧することにより、エアーを吸引することができる。焼結アルミナの多孔性を調整することにより、エアーの吸引量を制御することが可能である。
焼結アルミナ製の炉芯管は、図2、図3のように、液滴が付着する部分に設置し、その上部や下部には金属製や焼結アルミナ以外のセラミック製の炉芯管を設置するのがよい。
多孔質焼結アルミナ製の炉芯管の強度は、上部に金属製や焼結アルミナ以外のセラミック製の炉芯管を置いたときに割れやつぶれが発生しないこと、装置内の減圧によりわれや欠けが発生しないことを満足すればよい。
炉芯管の下部の微小粒子回収装置は、炉芯管内部を負圧にする装置とする。このような装置としては、サイクロン粉体回収機、バグフィルター等が挙げられる。これらの装置を用いることにより、炉芯管の内圧を減圧にし、炉芯管内部にエアーを吸引することができる。このとき、炉芯管内の圧力は−5Pa〜−40Paが好ましく、−10Pa〜−30Paがより好ましい。
前記(1)、(2)及び(3)の構成を採用することにより、図4に示すように、炉芯管の内圧を減圧にし、加熱炉の上部に設けた空気導入口から空気を導入し、焼結アルミナ製の炉芯管からヒーターで加熱されたエアーを吸引して、炉芯管の壁面に上部から下部方向へのエアーカーテンを形成することができる。本発明は、強制的に空気を導入するような空気の流れで生じるものではない。従って、液滴の付着を防止できるとともに、噴霧装置から生じた液滴が乾燥して形状が均一になるまでの間に、大きな乱流を生じないため、均一な形状の微小粒子が得られる。
また、上記エアーカーテンは壁面に沿って形成され、噴霧液滴の大部分の流れには影響させないのが好ましい。かかる点から、エアーカーテンは、炉芯管の壁面から40mmの厚みに形成させるのが好ましく、25mmの厚みに形成させるのがより好ましい。
次に、本発明装置による微小粒子製造の流れを説明する。
本発明の噴霧熱分解装置としては、図2に示すように、前記のエアーカーテンを形成させる以外は、原料溶液を乾燥ゾーン及び加熱ゾーンを有する縦型の噴霧熱分解装置の上部から噴霧し、乾燥及び熱分解させ、粉体を回収する装置である。
まず、原料溶液を噴霧熱分解装置の上部から噴霧し、乾燥させて、前記原料溶液の噴霧液滴を形成し、当該液滴から溶媒を除去する。
前記原料溶液の噴霧には、超音波式の噴霧装置、流体ノズルによる噴霧装置など一般的な液滴を形成する装置を使用することができる。生産性の観点から、流体ノズルによる噴霧装置を使用するのが好ましく、具体的には、2流体ノズルや4流体ノズルで噴霧するのが、粒子径の調整、生産性の点で好ましい。ここで2流体ノズルの方式には、空気と前記溶液とをノズル内部で混合する内部混合方式と、ノズル外部で空気と前記溶液を混合する外部混合方式があるが、いずれも採用できる。
噴霧される液滴の平均粒子径は、ノズル径や空気の圧力によって調整することができ、0.5〜150μmが好ましく、1〜100μmがより好ましく、1〜50μmがさらに好ましい。
原料溶液としては、目的とする微小粒子を構成する元素を含有する溶液が挙げられ、目的とする微小粒子が無機酸化物微小粒子の場合、無機酸化物微小粒子を構成する元素を含有する溶液が好ましく、水等の溶媒に溶解する化合物がより好ましい。そのような化合物としては、無機塩、金属アルコキシド等が挙げられる。より具体的には、アルミニウム塩、チタン塩、マグネシウム塩、アルミノケイ酸塩、アルミニウムアルコキシド、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン等が挙げられる。また、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物を溶媒に分散した溶液、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物のゾル溶液も原料溶液として用いることができる。さらに、溶融温度、耐熱性、粒子強度を調整するために他の元素の原料を添加することもできる。また、これらの原料化合物から得られる酸化物としては、無機酸化物、例えば金属酸化物、アルミナ、シリカ、アルミニウムおよびケイ素からなる酸化物などが挙げられ、より具体的には、アルミナ、シリカ、アルミニウムおよびケイ素からなる酸化物、チタン酸化物、マグネシウム酸化物、ジルコニウム酸化物、バリウム酸化物、セリウム酸化物、イットリウム酸化物などが挙げられ、これら酸化物を組み合わせた複合酸化物も挙げられる。
これらの酸化物を構成する元素の原料を溶解あるいは分散する溶媒としては、水及び有機溶媒が挙げられるが、環境への影響、製造コストの点から水が好ましい。
原料溶液中の酸化物を構成する元素の原料濃度は、得られる酸化物粒子の密度、強度等を考慮し、0.01mol/L〜飽和濃度が好ましく、0.1mol/L〜2.0mol/Lがより好ましい。なお、元素の原料濃度を高くすれば、得られる酸化物粒子の粒子径が大きくなるため、粒子径の大きい粒子を得るためには元素濃度を0.3〜1.5mol/Lとするのが好ましい。
乾燥工程は、前記原料溶液の噴霧液滴から溶媒を除去する乾燥工程であり、ここでは、噴霧液滴粒子から溶媒が蒸発し、液滴粒子表面に無機塩が析出し、粒子内部に空隙が形成される。この乾燥工程の温度は、用いる原料溶液の噴霧液滴から、溶媒が蒸発する温度であればよいが、乾燥工程で無機塩が析出する必要性から、室温〜600℃の範囲内であって0.1秒から1分程度で当該蒸発及び析出が生じる温度であるのが好ましい。より好ましくは100℃〜600℃であり、さらに好ましくは150℃〜500℃であり、さらに好ましくは150〜450℃である。
本発明装置においては、上記乾燥工程において、噴霧液滴が焼結アルミナ製の炉芯管から吸引され壁面に形成されたエアーカーテンにより壁面に付着するのが防止される。
次に、乾燥された粒子は、加熱され熱分解される。この熱分解工程は、乾燥された液滴および粒子を熱分解して酸化物粒子を形成する工程であり、ここでは、液滴および粒子表面の無機塩が熱分解および酸化されて酸化物粒子が生成する。この熱分解工程の温度は、前記熱分解および酸化反応が進行する温度であればよいが、熱分解工程で酸化反応が終了する必要性から、150℃〜1200℃が好ましい。また0.1秒〜1分程度で当該酸化反応が終了する温度が好ましく、具体的には、400℃〜1200℃が好ましく、500℃〜1200℃が好ましい。
また、本発明方法においては、微小粒子として中空粒子も製造することができる。中空粒子を製造する場合、酸化物粒子の表面を溶融し、粒子強度の高い中空粒子を得るため、熱分解工程後に、粒子の外殻表面の孔を閉塞させて、さらに溶融工程を行うのが好ましい。溶融工程は、形成された酸化物粒子の表面を溶融する工程であり、酸化物粒子の表面を溶融し、表面に存在する孔を閉塞させる工程である。この溶融工程の温度は、酸化物粒子の表面が溶融する温度であればよいが、溶融工程で溶融により酸化物粒子表面の孔が閉塞する点から600℃以上が好ましい。また、0.1秒〜1分程度で酸化物粒子表面が溶融する点から、700℃以上が好ましく、800℃以上がより好ましく、900℃以上がさらに好ましく、1200℃以上がさらに好ましい。なお、経済性の点から1500℃以下が好ましい。また、溶融温度が600〜1200℃と低い酸化物であれば、熱分解ゾーンと溶融ゾーンの加熱温度を同じにしてもよい。
溶融工程が終了した酸化物中空粒子は、表面の孔が閉塞されていることから外殻に孔がなく、粒子強度の高い酸化物中空粒子となっている。
熱分解工程、更に必要により溶融工程を行った酸化物中空粒子を冷却後回収すれば、目的の酸化物中空粒子が得られる。酸化物中空粒子の回収は、サイクロン粉体回収機やバグフィルターを用いた粉体回収装置を用いることができる。また、酸化物中空粒子の回収にあたっては、フィルターを通過させることにより粒子径の調整をすることができる。
本発明装置により得られる酸化物粒子の好ましい例としては、中空室を区画する殻を有する酸化物中空粒子であって、形状がほぼ球状(平均円形度0.85以上)、平均粒子径が0.5μm〜100μm、前記殻の厚みが4500nm以下のものが挙げられる。
ここで、円形度は、走査型電子顕微鏡写真から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定し、周囲長(PM)に対する真円の面積を(B)とすると、その粒子の円形度はA/Bとして表される。そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円の周囲長および面積は、それぞれPM=2πr、B=πr2であるから、B=π×(PM/2π)2となり、この粒子の円形度は、円形度=A/B=A×4π/(PM)2として算出される。100個の粒子について円形度を測定し、その平均値でもって平均円形度とする。なお、本発明の酸化物中空粒子は、各種フィラーとして混合したときの分散性、混合性など点から、平均円形度は、0.85以上、好ましくは0.90以上である。
本発明装置で得られる酸化物中空粒子の平均粒子径は、0.5μm〜100μmであり、好ましくは1μm〜50μmであり、より好ましくは2μm〜30μmであり、さらに好ましくは2μm〜20μmであり、さらに好ましくは2μm〜10μmである。100μmを超える場合は一部が円形度の小さい球となることがあり、好ましくない。なお、平均粒子径の調整は、噴霧に使用する流体ノズルの直径および圧縮空気の圧力の調節によって行うことができる。ここで粒子径は、電子顕微鏡の解析によって測定でき、その平均は、JIS R 1629「ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法」、レーザー回折・散乱法による粒子径分布測定装置として、例えばマイクロトラック(日機装株式会社製)などによって計算できる。
本発明装置で得られる酸化物中空粒子の粒子径分布(粒度分布)は、せまい程好ましく、粒子の80%以上が平均粒子径の±5.0μmにあるのが好ましく、粒子の80%以上が平均粒子径の±4.5μmにあるのがより好ましく、粒子の80%以上が平均粒子径の±4.0μmにあるのがさらに好ましい。
本発明装置で得られる酸化物中空粒子の殻の厚みは、4500nm以下であり、1〜2000nmが好ましく、10〜500nmがより好ましく、50〜350nmがさらに好ましい。殻の厚みが4500nmを超えると、中空室が十分でなく、熱伝導率が十分に小さい粒子とならない。また、殻の厚みが小さすぎる場合には、粒子の強度が十分でない可能性がある。殻の厚みは透過型電子顕微鏡(TEM)像から測定できる。
本発明装置によれば、乾燥前の液滴が壁面に付着するのが効率良く防止できるため、均一な品質の微小粒子が高収率で得られる。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
図5に示すように、固着が発生しやすい熱分解ゾーンの炉芯管の材質を、多孔質の焼結アルミナとし、それ以外の部分の炉芯管材質を溶融アルミナとした。
炉芯管の大きさは、直径220mm、厚み10mmであり、焼結アルミナ製の炉芯管の長さは200mm、溶融アルミナ製の炉芯管の長さは200mm、組み立てた炉芯管の長さ600mmであった。
ノズルユニットを炉芯管に設置した。次いで蒸留水1リットルに硝酸アルミニウムを0.04mol、オルトケイ酸テトラエチルを0.16mol溶解したアルミニウム及びケイ素の混合水溶液を溶液タンクに投入した。投入された水溶液は送液ポンプにより、2流体ノズルを介してミスト状に噴霧され、乾燥ゾーン(約400℃)、次いで熱分解ゾーン(800℃)を通過させた。バグフィルターで回収し、アルミノシリケート微小粒子を得た。
8時間後、熱分解ゾーンに用いた焼結アルミナ製の炉芯管の内側を確認したところ、図7に示すように固着はほとんど確認されなかった。
(比較例1)
図6に示すように全ての炉芯管の材質を溶融アルミナ(直径220mm、厚み10mm、長さ200mm、3段積み)とし、以下実施例1と同様に行った。
8時間後、図8に示すように、熱分解ゾーンに用いた炉芯管の内側には固着が確認された。

Claims (3)

  1. 炉芯管及びその外周に加熱源を有する加熱炉と、炉芯管の上部に原料溶液噴霧用ノズルと、炉芯管の下部に微小粒子回収装置とを有する噴霧熱分解微小粒子製造装置であって、加熱炉の上部の炉芯管と加熱源との間に空気導入口を設け、
    炉芯管のうち、前記ノズルから噴霧された液滴が炉芯管の壁に到達する領域を多孔質焼結アルミナ製とし、炉芯管の下部の微小粒子回収装置を炉芯管内部を負圧にする微小粒子回収装置としたことを特徴とする微小粒子製造装置。
  2. 前記炉芯管の下部の微小粒子回収装置が、サイクロン粉体回収機又はバグフィルターである請求項1記載の微小粒子製造装置。
  3. 前記炉芯管内部を負圧にし、炉芯管に前記多孔質焼結アルミナ製領域を設けることにより、前記空気導入口から導入されたエアーが加熱源で加熱され、該多孔質焼結アルミナ製領域から炉芯管内部に流入し、炉芯管の壁面に下部方向の加熱エアーカーテンを形成させる請求項1又は2記載の微小粒子製造装置。
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