JP6807600B2 - 不動産活用支援装置、方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
一方で、不動産の売買価格等の評価は不透明な部分も多かった。
本実施形態に係る不動産活用支援装置は、不動産の購入希望者や売却希望者のほか、自らが所有する不動産の評価を単に知りたい者など、幅広く不動産の客観的な評価を把握したいユーザの要求に応じて不動産を評価し、さらには当該不動産の有効な活用を支援する装置である。
具体的に、不動産活用支援装置1はサーバコンピュータ等によって実現され、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブといったハードウェア資源、CPUが実行するコンピュータプログラム等のソフトウェア資源により、相場査定情報記憶部1A、収益査定情報記憶部1B、実需査定情報記憶部1C、購入希望情報記憶部1D、売却希望情報記憶部1E、出店要項情報記憶部1F、購入保証情報記憶部1G、アクセス履歴記憶部1H、相場査定処理部11、収益査定処理部12、実需査定処理部13、算出処理部14、判別処理部15、収益情報処理部16、履歴情報取得部17、及び通信処理部18からなる機能ブロックを構成する。
ここで、相場査定とは、事例価格や公示価格等に基づいた取引において想定される額、あるいは実際に同様のケースで売買された額に基づいて不動産を評価し、その評価を査定額として算出するものである。
ここで、収益査定とは、不動産で店舗を運営させるなどした場合に、不動産所有者が得られるであろう収益に基づいて不動産を評価して、その評価を査定額として算出するものである。
この収益査定情報記憶部1Bには例えば、図3に示されるように、所定の店舗等によって収益を測った場合の予想収益、必要経費、還元利回りといった情報が記憶されている。
ここで、実需査定とは、不動産の購入を実際に希望する購入希望者の要求や、所定の住所地において実際に購入を検討すると考えられる顧客像などの実需に基づいて不動産を評価して、その評価を査定額として算出するものである。具体的に、不動産の購入を実際に希望する購入希望者の要求は、後述する購入希望情報記憶部1Dに記憶されているデータにより把握される。一方、実際に購入を検討すると考えられる顧客像は、査定対象の住所地が存するエリアの統計あるいは白書等から把握される。
この購入希望情報記憶部1Dには例えば、図5に示されるように、購入希望者ごとに、購入を希望する場所に係る希望地住所、購入希望価格、購入希望内容の詳細といった情報が記憶されている。
購入希望内容の詳細は例えば、土地形状、広さ、土地のみ又は建物付きの土地のいずれを希望するか、といったものである。
この売却希望情報記憶部1Eには例えば、図6に示されるように、売却希望者ごとに、売却を希望する場所に係る希望地住所、売却希望価格、売却希望内容の詳細といった情報が記憶されている。
売却希望内容の詳細は例えば、土地形状、広さ、建物の有無といったものである。
出店要項とは、所定の店舗を出店させるために要求される立地条件や仕様といった情報であり、当該出店要項に応じた不動産においてのみ、所定の不動産の出店が可能となる。
この出店要項情報記憶部1Fには例えば、図7に示されるように、出店要項として、所定の店舗毎に、出店を希望する希望地、必要とする土地面積、周辺環境(国道沿い等)が記憶されている。
なお、この購入保証情報記憶部1Gに記憶される購入希望情報は、購入希望情報記憶部1Dに記憶されている購入希望情報とは異なり、後述する相場査定、収益査定、及び実需査定による査定や平均査定額、さらには購入希望割合の算定の基礎としては利用されない。
このアクセス履歴記憶部1Hには、公開されている売却希望情報ごとに、いつ、どれだけのアクセス履歴があったか登録される。
この相場査定処理部11は、ユーザから所定の不動産についての査定を要求された際に、相場査定情報記憶部1Aを参照して、相場査定による査定額を算出する。具体的には例えば、ユーザから受け付けた査定対象の不動産の情報について、相場査定情報記憶部1Aを参照し、指定された不動産が存する土地の事例価格があった場合に、当該事例価格を基本価格として取得する。そして、査定対象の不動産の詳細に基づき、該当する補正情報に応じた係数を基本価格に乗じて相場査定による査定額を算出する。
この収益査定処理部12は、ユーザから所定の不動産についての査定を要求された際に、まず出店要項情報記憶部1Fを参照して、査定対象の不動産において出店可能な店舗を特定する。ユーザから受け付けた不動産の詳細な情報に基づき、出店の条件を満たす店舗が特定されると、収益査定情報記憶部1Bを参照して、出店可能な店舗による予想収益、必要経費、還元利回りといった情報を取得する。そして、予想収益から必要経費を差し引き、還元利回りで除すると、収益査定による査定額として、当該店舗による収益を把握することができる。
また、収益査定情報記憶部1Bには、不動産の詳細な情報に応じて、所定の店舗による予想収益、必要経費、還元利回りを補正するための補正情報として、不動産の詳細な情報に応じた係数を記憶されていてもよい。この場合、不動産の詳細な情報に応じて、予想収益等に係数を乗じ、不動産の詳細に応じた査定額を算出することができる。
この実需査定処理部13は、ユーザから所定の不動産についての査定を要求された際に、まず購入希望情報記憶部1Dを参照して、査定を要求された不動産に対する購入希望情報の有無を判別する。その結果、査定を要求された不動産に対する購入希望情報があった場合には、当該購入希望情報に含まれる購入希望価格を実需査定による査定額とする。
なお、本例では、該当する購入希望情報が複数あった場合には、最も価格が大きいものを実需査定による査定額とするが、これに限らず、該当する購入希望情報に含まれる購入希望価格の平均値を実需査定による査定額とすることもできる。
これにより、いずれの査定による査定額であれば、取引が容易且つ迅速に成立し得るかを把握することができる。
平均査定額は、相場査定、収益査定、及び実需査定による査定額に対し、購入希望情報の割合を乗じて合算したものである。上述の例であれば、平均査定額は、相場査定額1200万円×50%+1400万円×30%+1500万円×20%で1320万円と算出される。
この平均査定額により、相場査定、収益査定、及び実需査定という異なる算出の仕方を取る複数の査定額に対し、現実に存在する購入希望情報を反映させた査定額を把握することできる。
この判別処理部15は、ユーザから受け付けた査定対象の不動産の情報に基づき、出店要項情報記憶部1Fを参照して、各店舗が要求する出店条件を満たすか否かを判別し、条件が満足する店舗を特定する。
この収益情報処理部16は、ユーザから受け付けた査定対象の不動産の情報に基づき、収益査定情報記憶部1Bを参照して、出店要項を満たす店舗を出店させた場合に得られるであろう収益を算出する。
このユーザに対するアクセス履歴の提供は、不動産の売却希望者との媒介契約に基づき、不動産の売却の進捗状況を報告するものである。
なお、このユーザ端末2は、データの送受信処理を実行するウェブブラウザ等の通信処理部や、データの入出力を行ためのディスプレイや、タッチパネルあるいはキーボードといった入出力処理部を有している。
なお、本実施形態に係る不動産活用支援装置1を利用したサービスの提供においては随時、所定のWebサイト等を介して、ユーザから不動産の購入希望登録を受け付けており、受け付けられた購入希望情報は購入希望情報記憶部1Dに登録される。この点、図7は、所定のWebサイト上において、購入希望情報を受け付ける画面の例であり、ユーザは購入希望情報として、各項目に係る情報を入力する。
なお、ユーザによる査定の要求においては、所定の不動産に係る情報として、不動産の所在地、建物の有無、広さ、前面道路など、不動産を特定する情報と共に査定額に影響し得る情報の提供が要求される。
具体的には、ユーザから受け付けた査定対象の不動産の情報について、ユーザから指定された不動産が存する場所の公示価格や事例価格を基本価格とし、不動産の詳細に基づいて、該当する補正情報に応じた係数を基本価格に乗じることによって算出される。
具体的には、まず出店要項情報記憶部1Fを参照して、査定対象の不動産において出店可能な店舗を特定する。そして、ユーザから受け付けた不動産の詳細な情報に基づき、出店の条件を満たす店舗が特定されると、収益査定情報記憶部1Bを参照して、出店可能な店舗による予想収益、必要経費、還元利回りといった情報を取得する。さらに、予想収益から必要経費を差し引き、還元利回りで除すると、収益査定による査定額が算出される。
この実需査定による査定額を算出する処理は、具体的には図9に示されるように、二段階の処理によって構成される。即ち、購入希望情報記憶部1Dを参照し、ユーザから査定の要求を受け付けた不動産について、当該不動産の購入を希望する購入希望情報の有無を判別する(S201)。
その結果、査定を要求された不動産に対する購入希望情報があった場合には、当該購入希望情報に含まれる購入希望価格を実需査定による査定額とする。なお、該当する購入希望情報が複数あった場合には、最も価格が大きいものを実需査定による査定額とする(S202)。
具体的には、査定を要求された不動産が土地であって、その利用目的が住居であった場合に、査定を要求された不動産が存するエリアの平均世帯年収に対し、所定の係数を乗じて一般的な住宅ローンによる借入額を算出した上、年齢別人口割合等に基づく係数を乗じるなどし、これによって得られた額を実需査定による査定額とする(S204)。
そして、算出された割合に基づき、相場査定、収益査定、及び実需査定の査定額から平均査定額を算出する(S106)。ここで、平均査定額は、相場査定、収益査定、及び実需査定による査定額に対し、購入希望情報の割合を乗じて合算したものである。即ち、平均査定額は、購入希望情報の割合に基づく相場査定額の寄与分、収益査定の寄与分、及び実需査定による寄与分を合算して得られる。
この際、判別処理部15は、査定対象の不動産が出店要項を満たすことのできなかった店舗について、いずれの条件を満たせなかったかを特定し、条件の追加によって出店要項の具備が可能となる店舗と、具備が要求される条件を特定する。
この収益情報処理部16は、ユーザから受け付けた査定対象の不動産の情報に基づき、収益査定情報記憶部1Bを参照して、出店要項を満たす店舗を出店させた場合に得られるであろう収益を算出する。
この画面上には、ユーザから指定された不動産の所在地や詳細情報を任意に表示した上で、査定情報として、相場査定、収益査定、及び実需査定による査定額と購入希望割合、平均査定額、購入保証価格が表示されている。
ここで、購入保証価格は、購入保証情報記憶部1Gに登録されている購入希望情報であって、査定対象の不動産の購入を希望する購入希望情報の価格を表示したものである。なお、該当する購入希望情報が複数あった場合には、価格の最も高いものを選択的に表示するのが好適である。
さらに、補足情報として、出店要項を満たさない店舗についても、所定の条件を具備させることで出店が可能な店舗の情報が表示されている。
まず、ユーザが査定対象の不動産の所有者であった場合、売却を希望することができる。この場合、査定結果画面に設けられた「売却希望」ボタンを押下することにより、不動産活用支援装置1を利用したサービスを提供するサービス提供者に対し、不動産の売却を依頼することができる。
この画面では、査定情報として、相場査定、収益査定、及び実需査定による査定額と購入希望割合、平均査定額、購入保証価格を参照しながら、不動産の売却希望価格を入力できるようになっている。
ユーザとしては、これらの情報を参照することにより、どの程度の額によってどの程度の売却の可能性があるかを把握することができる。例えば、売却希望額を購入希望割合の大きい査定額に合わせれば、他の査定額に合わせるよりも早く確実に売却できるであろうことが予想される。また、平均査定額は、各種の査定と実際の購入希望に基づいて合理的と考えられる額であることから、これを当初の売却希望額とするのもよい。さらに、短期に資金が必要な場合など、早急に不動産を売却したい場合には、売却希望額を購入保証価格とすることで、早急且つ確実に不動産を売却できる。
この画面では、査定情報として、相場査定、収益査定、及び実需査定による査定額と購入希望割合、平均査定額、購入保証価格を参照しながら、不動産の購入希望価格を入力できるようになっている。
ユーザとしては、これらの情報を参照することにより、どの程度の額によってどの程度の購入の可能性があるかを把握することができる。例えば、購入希望額を購入希望割合の大きい査定額に合わせれば、他の購入希望と競合して購入しにくいことが予想される。また、平均査定額は、各種の査定と実際の購入希望に基づいて合理的と考えられる額であることから、これを当初の購入希望額とするのもよい。
なお、ウェブサイト上への公開においては適宜、売却希望情報のうちの所定の情報、具体的には売却希望者の氏名や連作先等が省かれて公開される。
これにより、ユーザは、売却を希望した不動産の取引の進捗状況を把握することができる。
また、本実施形態に係る不動産活用支援装置1を介して、ユーザの不動産の売買や、店舗への不動産の提供を仲介することができる。
1A 相場査定情報記憶部
1B 収益査定情報記憶部
1C 実需査定情報記憶部
1D 購入希望情報記憶部
1E 売却希望情報記憶部
1F 出店要項情報記憶部
1G 購入保証情報記憶部
1H アクセス履歴記憶部
11 相場査定処理部
12 収益査定処理部
13 実需査定処理部
14 算出処理部
15 判別処理部
16 収益情報処理部
17 履歴情報取得部
18 通信処理部
2 ユーザ端末
NW ネットワーク
Claims (8)
- 現実の購入希望に基づいて不動産を評価すると共に、当該不動産の活用を支援する装置であって、
所定の不動産について、購入希望者による購入希望額を含む購入希望情報を記憶する購入希望情報記憶手段と、
上記所定の不動産について、複数の査定額を算出する査定処理手段と、
上記所定の不動産に対する購入希望情報に基づき、上記複数の査定額ごとに、上記購入希望額が合致する購入希望情報の割合を算出する算出処理手段と、を有する、
ことを特徴とする不動産活用支援装置。 - 上記査定処理手段は、
上記所定の不動産について、相場に基づく相場査定を実行する相場査定処理手段と、
上記所定の不動産について、予想収益に基づく収益査定を実行する収益査定処理手段と、
上記所定の不動産について、実需に基づく実需査定を実行する実需査定処理手段と、によって構成される、
請求項1記載の不動産活用支援装置。 - 上記算出処理手段はさらに、上記相場査定、収益査定、及び実需査定の価格から、上記購入希望情報の割合に基づいた平均査定額を算出する、
請求項2記載の不動産活用支援装置。 - 上記不動産の評価を要求するユーザが利用するユーザ端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、
上記ユーザ端末から、上記所定の不動産の売却希望と共に、売却希望額を受け付ける売却希望額受付手段、をさらに有する、
請求項1乃至3いずれかの項に記載の不動産活用支援装置。 - 店舗毎の出店要項を記憶した出店要項記憶手段と、
上記所定の不動産について、上記出店要項記憶手段を参照して、上記出店要項を満たす店舗を判別する判別処理手段と、
上記出店要項を満たす店舗による予想収益を算出する収益情報処理手段と、
上記ユーザ端末に対し、上記予想収益を提示する予想収益提示手段と、
上記ユーザ端末から、上記所定の不動産における店舗の出店要求を受け付ける出店要求受付手段と、をさらに有する、
請求項4記載の不動産活用支援装置。 - 上記ユーザ端末から受け付けた所定の不動産の売却希望と売却希望額を含む情報を記憶する売却希望情報記憶手段と、
所定のウェブサイト上で、上記売却希望情報記憶手段に記憶されている売却希望情報を公開する公開手段と、
上記公開されている売却希望情報に対するアクセス履歴を取得する履歴情報取得手段と、
上記ユーザ端末に対して、上記売却希望情報に対するアクセス履歴を提供するアクセス履歴提供手段と、をさらに有する、
請求項4又は5記載の不動産活用支援装置。 - 現実の購入希望に基づいて不動産を評価すると共に、当該不動産の活用を支援する方法であって、
所定の不動産について、購入希望者による購入希望額を含む購入希望情報を記憶する購入希望情報記憶手段、を有するコンピュータにより、
上記所定の不動産について、複数の査定額を算出する処理と、
上記所定の不動産に対する購入希望情報に基づき、上記複数の査定額ごとに、上記購入希望額が合致する購入希望情報の割合を算出する処理と、を実行する、
ことを特徴とする不動産活用支援方法。 - 現実の購入希望に基づいて不動産を評価すると共に、当該不動産の活用を支援するためのコンピュータプログラムであって、
所定の不動産について、購入希望者による購入希望額を含む購入希望情報を記憶する購入希望情報記憶手段、を有するコンピュータに対し、
上記所定の不動産について、複数の査定額を算出する処理と、
上記所定の不動産に対する購入希望情報に基づき、上記複数の査定額ごとに、上記購入希望額が合致する購入希望情報の割合を算出する処理と、を実行させる、
コンピュータプログラム。
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