JP6807460B2 - 装着ヘッドおよび部品装着機 - Google Patents

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Description

本発明は、装着ヘッドおよび部品装着機に関するものである。
装着ヘッドは、回路基板に部品を装着する部品装着機を構成し、部品装着機による装着処理に用いられる。装着ヘッドは、負圧エアを供給された部品を吸着する吸着ノズルを取り付けられる。特許文献1には、装着処理において、吸着ノズルに保持された部品が回路基板に接触した後に、吸着ノズル内を正圧または大気圧として吸着ノズルから部品を開放する部品装着機が開示されている。
特開2004−311807号公報
装着ヘッドには、装着処理の精度向上のために多様な動作に対応可能となることの要請がある。例えば、装着処理の対象に極小部品が含まれる場合に、部品の開放に用いられる正圧エアにより装着済みの極小部品が位置ずれを生じないようにする必要がある。一方で、例えば対象の部品の種別や装着環境によっては、吸着ノズルから部品を確実に開放するために正圧エアを吸着ノズルに供給して真空破壊することを要する場合がある。
本明細書は、吸着ノズル内を正圧、負圧、および大気圧に切り換え可能として、種々の装着処理に対応し、特に正圧エアによる極小部品の位置ずれを防止可能な装着ヘッドおよび部品装着機を提供することを目的とする。
本明細書で開示する装着ヘッドは、負圧エアを供給されて部品を吸着する吸着ノズルを取り付けられ、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を回路基板に装着する装着処理に用いられる装着ヘッドであって、正圧エア供給源から供給される正圧エアが流通する正圧エア通路と、負圧エア供給源から供給される負圧エアが流通する負圧エア通路と、大気に開放される大気圧エア通路と、前記吸着ノズルとの間で連通して、前記吸着ノズルに供給されるエアが流通可能な共通エア通路と、前記共通エア通路に対して、前記正圧エア通路、前記負圧エア通路、および前記大気圧エア通路の何れか一つを選択的に連通させるバルブ装置と、を備える。
前記バルブ装置は、前記正圧エア通路、前記負圧エア通路、および前記大気圧エア通路が形成されたバルブボディと、前記バルブボディに対して摺動可能に設けられ、異なる3つの停止位置に位置決めされるスプールと、を備える。前記バルブボディは、前記スプールを摺動可能に支持するスプール穴を有する。前記スプール穴の一端部は、前記大気圧エア通路の少なくとも一部を構成する。
前記バルブ装置は、前記スプールの前記停止位置に応じて前記共通エア通路に対して、前記正圧エア通路、前記負圧エア通路、および前記大気圧エア通路の何れか一つを選択的に連通させ、前記スプールが3つの前記停止位置のうち前記スプール穴の一端部から最も離れた前記停止位置に位置決めされた場合に、前記共通エア通路に前記大気圧エア通路を連通させる。
本明細書で開示する第一の部品装着機は、上記の装着ヘッドと、前記装着処理において前記バルブ装置の動作を制御する制御装置と、を備える部品装着機であって、前記制御装置は、前記装着処理において、前記吸着ノズルに吸着された前記部品が前記回路基板に接触してから前記吸着ノズルを前記部品から離間させるまでの第一期間に、前記共通エア通路に前記正圧エア通路を連通させた後に、前記共通エア通路に前記大気圧エア通路を連通させて前記共通エア通路を大気圧にする。
本明細書で開示する第二の部品装着機は、上記の装着ヘッドと、前記装着処理において前記バルブ装置の動作を制御する制御装置と、を備える部品装着機であって、前記制御装置は、前記装着処理において、前記吸着ノズルに吸着された前記部品が前記回路基板に接触してから前記吸着ノズルが前記部品から離間するまでの第一期間に、前記共通エア通路に前記正圧エア通路を連通させ、さらに前記吸着ノズルを前記部品から離間させてから水平方向に移動させるまでの第二期間に、前記共通エア通路に前記大気圧エア通路を連通させて前記共通エア通路を大気圧にする。
本明細書で開示する第三の部品装着機は、上記の装着ヘッドと、前記装着処理において前記バルブ装置の動作を制御する制御装置と、を備える部品装着機であって、前記制御装置は、前記装着処理において、前記吸着ノズルに吸着された前記部品が前記回路基板に接触してから前記吸着ノズルを前記部品から離間させるまでの第一期間に、前記共通エア通路に前記大気圧エア通路を連通させて前記共通エア通路を大気圧にする。
このような装着ヘッドの構成によると、バルブ装置により共通エア通路に対して、正圧エア通路、負圧エア通路、および大気圧エア通路の何れか一つが選択的に連通される。これにより、装着処理の対象の部品の種別や装着環境に応じて吸着ノズル内の空気圧を選択的に切り換えることができる。よって、上記のような装着ヘッドを装着処理に用いることにより、正圧エアによる極小部品の位置ずれを防止したり、吸着ノズルから部品を確実に開放したりすることが可能となる。
このような第一の部品装着機の構成によると、吸着ノズルに保持された部品が回路基板に接触した後に正圧エアが供給されるので、速やかに共通エア通路の残圧を開放することができる。また、その後に共通エア通路を大気圧とすることによって、吸着ノズルが部品から離間した際に、吸着ノズルからエアが噴出等することを確実に防止できる。結果として、エアの噴出による極小部品の位置ずれを防止することができる。
このような第二の部品装着機の構成によると、第一期間においては共通エア通路に正圧エアが供給された状態となるので、吸着ノズルから部品が確実に開放される。これにより、吸着ノズルの先端に部品が付着して、回路基板に部品が適正に装着されない装着不良となることを防止できる。さらに、その後の第二機関においては共通エア通路が大気圧とされるので、吸着ノズルからエアが噴出することを確実に防止できる。結果として、吸着ノズルが水平方向に移動した場合に、既に装着済みの極小部品の位置ずれを防止することができる。
このような第三の部品装着機の構成によると、吸着ノズルに保持された部品が回路基板に接触した後に、共通エア通路を大気圧とすることによって共通エア通路の残圧を開放することができる。さらに、共通エア通路が大気圧とすることにより、吸着ノズルが部品から離間した際に、吸着ノズルからエアが噴出等することを確実に防止できる。結果として、エアの噴出による極小部品の位置ずれを防止することができる。
実施形態における装着ヘッドを用いて装着処理を実行する部品装着機の構成を示す平面図である。 図1における装着ヘッドを示す側面図である。 装着ヘッドに構成されるエア供給回路を示す回路図である。 装着ヘッドにおけるバルブ装置のスプールが第一停止位置に位置決めされて吸着ノズルに負圧エアが供給された状態を示す断面図である。 装着ヘッドにおけるバルブ装置のスプールが第二停止位置に位置決めされて吸着ノズルに正圧エアが供給された状態を示す断面図である。 装着ヘッドにおけるバルブ装置のスプールが第三停止位置に位置決めされて吸着ノズルが大気に開放された状態を示す断面図である。 吸着ノズルを保持するツール軸のZ軸位置と、吸着ノズル内の空気圧との関係を示すタイミングチャートである。
1.実施形態
1−1.部品装着機の構成
部品装着機1は、図1に示すように、基板搬送装置11、部品供給装置12、部品移載装置13、部品カメラ14、基板カメラ15、および制御装置16を備える。基板搬送装置11は、ベルトコンベアなどにより構成され、回路基板(以下、単に「基板」と称する)90を搬送方向へと順次搬送する。基板搬送装置11は、部品装着機1の機内に基板90を搬入するとともに、機内の所定位置に基板90を位置決めする。基板搬送装置11は、部品装着機1による部品の装着処理が終了した後に、基板90を部品装着機1の機外に搬出する。
部品供給装置12は、基板90に装着される部品を供給する。部品供給装置12は、X軸方向に並んでセットされたフィーダ121を有する。フィーダ121は、多数の部品が収納されたキャリアテープを送り移動させて、フィーダ121の先端側に位置する供給位置において部品を採取可能に供給する。また、部品供給装置12は、リード部品などの比較的大型の電子部品を、トレイ(図示しない)上に並べた状態で供給してもよい。
部品移載装置13は、ヘッド駆動装置131および移動台132を備える。ヘッド駆動装置131は、直動機構により移動台132を水平方向(X軸方向およびY軸方向)に移動可能に構成されている。移動台132には、図示しないクランプ部材により装着ヘッド20が交換可能に固定される。装着ヘッド20は、部品供給装置12により供給される部品を、吸着ノズル50などのツールにより採取して基板90の所定の装着位置に装着する。装着ヘッド20の詳細構成については後述する。
部品カメラ14、および基板カメラ15は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を有するデジタル式の撮像装置である。部品カメラ14、および基板カメラ15は、外部入力される制御信号に基づいて撮像を行う。部品カメラ14、および基板カメラ15は、撮像により取得した画像データを送出する。
部品カメラ14は、光軸がZ軸方向の上向きとなるように部品装着機1の基台に固定されている。部品カメラ14は、吸着ノズル50に保持された部品を下方から撮像可能に構成されている。基板カメラ15は、光軸がZ軸方向の下向きとなるように部品移載装置13の移動台132に設けられる。基板カメラ15は、基板90を上方から撮像可能に構成されている。
制御装置16は、主として、CPUや各種メモリ、制御回路により構成される。制御装置16は、基板90に部品を装着する装着処理において、部品装着機1に複数設けられた各種センサから出力される情報、画像処理などによる認識処理の結果を入力する。そして、制御装置16は、制御プログラムや予め設定されている規定の装着条件などに基づいて、部品移載装置13へと制御信号を送出する。これにより、装着ヘッド20に保持された吸着ノズル50の位置および回転角度が制御される。
具体的には、制御装置16は、部品供給装置12により供給された部品を、負圧エアを供給された吸着ノズル50により吸着して、部品カメラ14により撮像する。制御装置16は、部品カメラ14の撮像により取得した画像データに基づいて、吸着ノズル50に対する部品の姿勢を認識する。このとき、制御装置16は、例えば基板90に対する位置決めの基準位置となる部品の部位や、部品の外観で特徴的な部位を画像処理により認識することによって、部品の姿勢を認識する。
そして、制御装置16は、基板90における所定位置の上方へと装着ヘッド20を移動させる。このとき、制御装置16は、画像処理により認識された部品の姿勢に基づいて吸着ノズル50の位置および角度を補正する。そして、制御装置16は、吸着ノズル50を下降させて基板90に部品を装着する。基板90に装着された部品は、例えば基板90の上面に予め塗布されている接合材(例えば、クリームはんだ)の粘性などによるタック力で保持される。制御装置16は、上記のようなピックアンドプレースサイクルを繰り返すことにより、基板90に部品を装着する装着処理を実行する。装着処理における吸着ノズル50の動作および供給されるエアの制御の詳細については後述する。
1−2.装着ヘッド20の詳細構成
装着ヘッド20は、図2に示すように、移動台132にクランプされるヘッド本体21を有する。ヘッド本体21には、R軸モータ22によって所定の角度ごとに回転角度を割り出し可能に、ロータリヘッド23が設けられている。ロータリヘッド23は、R軸と同心の円周上において周方向に等間隔に複数(例えば、12本)のツール軸24を、Z軸およびR軸に平行なθ軸方向(図2の上下方向)に摺動可能に且つθ軸周りに回転可能に保持する(図4Aを参照)。なお、ロータリヘッド23は、後述するバルブ装置40のバルブボディを構成する。
ツール軸24は、図略のスプリングの弾性力によりロータリヘッド23に対して上方に付勢されている。これにより、ツール軸24は、外力を付与されていない通常状態では、上昇端に位置している。ツール軸24の下端部には、正圧エアまたは負圧エアを供給されて部品を採取するツールが着脱可能に取り付けられる。上記のツールには、負圧エアにより部品を吸着する吸着ノズル50の他に、正圧エアまたは負圧エアにより動作するチャック(図示しない)が含まれる。また、ツール軸24は、吸着ノズル50を取り付けられると、図4Aに示すように、軸内スプリング241の弾性力により吸着ノズル50を下方に付勢する。
複数の吸着ノズル50のそれぞれは、ノズル内エア通路51に負圧エアを供給されて部品を吸着する。複数の吸着ノズル50は、R軸モータ22の駆動に伴ってロータリヘッド23が回転することにより、R軸周りの所定の角度位置(例えば、ツール軸24の昇降位置)に順次割り出される。装着ヘッド20は、図2に示すように、ヘッド本体21に固定されたθ軸モータ25を有する。θ軸モータ25の出力軸には、複数のギヤを介して回転力を伝達可能に全てのツール軸24が連結されている。ツール軸24および吸着ノズル50は、θ軸モータ25の動作によりθ軸周りに一体的に回転(自転)し、回転角度や回転速度を制御される。
また、ヘッド本体21には、上下方向(Z軸方向)に移動可能に作動部材26が設けられている。作動部材26は、Z軸モータ27の駆動により動作するボールねじ機構28によりZ軸方向に昇降する。作動部材26は、複数のツール軸24のうち上記の昇降位置に割り出されたツール軸24の上端部に接触するレバー29を有する。レバー29は、作動部材26のZ軸方向下方への移動に伴って下降する。レバー29は、接触するツール軸24のスプリングの弾性力に抗してツール軸24をZ軸方向下方へと押圧し、ツール軸24を下降させる。ツール軸24および吸着ノズル50は、Z軸モータ27の駆動によりZ軸方向に一体的に昇降し、Z方向位置や移動速度を制御される。
1−3.エア供給回路30の構成
装着ヘッド20は、図3に示すように、エア供給回路30を備える。エア供給回路30は、吸着ノズル50に正圧エアまたは負圧エアを供給可能とし、且つ吸着ノズル50内を大気に開放可能とする。エア供給回路30は、正圧エア通路31、負圧エア通路32、複数の大気圧エア通路33、複数の共通エア通路34、正圧バルブ35、レギュレータバルブ36、および複数のバルブ装置40を備える。
正圧エア通路31は、バルブボディとしてのロータリヘッド23に形成され、正圧エア供給源81から供給される正圧エアが流通するエア通路である。上記の正圧エア供給源81は、例えば装着ヘッド20の外部に設けられたブロワーやコンプレッサー等により構成される。本実施形態において、正圧エア通路31は、正圧バルブ35およびレギュレータバルブ36を介して正圧エア供給源81に接続される。正圧バルブ35は、正圧エア通路31と正圧エア供給源81の連通状態と遮断状態とを切り換える。
正圧バルブ35は、本実施形態において、2位置のソレノイドバルブである。正圧バルブ35は、ソレノイドが給電により励磁されると開状態となる。これにより、正圧バルブ35は、正圧エア通路31と正圧エア供給源81を連通状態とし、正圧エア通路31に正圧エアが流通可能な状態とする。一方で、正圧バルブ35は、ソレノイドが給電されない場合に閉状態となる。これにより、正圧バルブ35は、正圧エア通路31と正圧エア供給源81を遮断状態とし、正圧エア通路31に正圧エアが流通しない状態とする。
レギュレータバルブ36は、正圧バルブ35と正圧エア供給源81との間に配置される。レギュレータバルブ36は、正圧エア供給源81により供給される空気圧を調整する。本実施形態において、レギュレータバルブ36は、正圧エア供給源81により供給される正圧エアの空気圧を一定程度低減させた規定圧力に減圧し、安定した正圧エアの供給を可能としている。
負圧エア通路32は、バルブボディとしてのロータリヘッド23に形成され、負圧エア供給源82から供給される負圧エアが流通するエア通路である。上記の負圧エア供給源82は、例えば装着ヘッド20の内部に設けられた負圧ポンプ等により構成される。本実施形態において、負圧エア通路32は、負圧エア供給源82に常時接続するように構成される。よって、負圧エア通路32は、負圧エア供給源82が駆動している間は負圧エアが流通可能な状態にある。
複数の大気圧エア通路33のそれぞれは、バルブボディとしてのロータリヘッド23に形成され、大気に開放されるエア通路である。大気圧エア通路33は、装着ヘッド20が配置された部品装着機1の機内の気圧と等しく維持される。これにより、大気圧エア通路33が吸着ノズル50のノズル内エア通路51と連通した場合に、ノズル内エア通路51が負圧であれば給気されて大気圧となり、一方でノズル内エア通路51が正圧であれば排気されて大気圧となる。大気圧エア通路33の詳細構成については後述する。
複数の共通エア通路34のそれぞれは、対応する吸着ノズル50との間で連通して、吸着ノズル50に供給されるエアが流通可能なエア通路である。本実施形態において、共通エア通路34は、本管341、第一枝管342、および第二枝管343を有する。共通エア通路34の本管341は、ツール軸24に形成され、吸着ノズル50のノズル内エア通路51と連通する。第一枝管342および第二枝管343は、ロータリヘッド23に形成され、本管341からそれぞれ分岐する。
第一枝管342は、バルブ装置40の切り換えによって正圧エア通路31または負圧エア通路32と連通し得る。第二枝管343は、バルブ装置40の切り換えによって大気圧エア通路33と連通し得る。共通エア通路34は、ロータリヘッド23に設けられたツール軸24の数量だけ形成される。また、共通エア通路34は、本実施形態において、吸着ノズル50がツール軸24に取り付けられると、吸着ノズル50にエアを供給可能に常時連通する。
バルブ装置40は、共通エア通路34に対して、正圧エア通路31、負圧エア通路32、および大気圧エア通路33の何れか一つを選択的に連通させる。バルブ装置40は、上記の機能を有するものであれば、1または複数のバルブにより構成することが可能である。また、バルブ装置40を構成するバルブとしては、種々の流体バルブを採用し得る。
本実施形態において、バルブ装置40は、図4Aに示すように、バルブボディとしてのロータリヘッド23と、スプール41と、ステッピングモータ42と、作動軸43とを備えて構成される3位置のメカバルブである。ロータリヘッド23は、上記のように、正圧エア通路31、負圧エア通路32、大気圧エア通路33、共通エア通路34の第一枝管342および第二枝管343が形成されている。以下では、「ロータリヘッド23」を「バルブボディ23」とも称する。
スプール41は、バルブボディ23に形成されたスプール穴231に対して摺動可能に設けられ、異なる3つの停止位置(第一停止位置P1、第二停止位置P2、第三停止位置P3)に位置決めされる。スプール41は、共通エア通路34の第一枝管342または第二枝管343に、正圧エア通路31、負圧エア通路32、および大気圧エア通路33の何れか一つを連通した状態を切り換える部材である。スプール41には、バルブボディ23の上面より突出した上端に係合部411が形成されている。
ステッピングモータ42は、ヘッド本体21に固定されている。作動軸43は、ステッピングモータ42の駆動により所定量だけ昇降される。スプール41の係合部411は、作動軸43の作動爪431に対して、R軸周りに離脱可能に且つZ軸方向に係合可能に構成されている。これにより、バルブボディ23のR軸周りの回転角度の割り出しによって、作動軸43の作動爪431に複数のバルブ装置40のスプール41の係合部411が順次係合される。
上記のような構成により、スプール41は、ステッピングモータ42の駆動により昇降する作動軸43に外力を付与されて、バルブボディ23のスプール穴231に対する上下方向の停止位置(P1−P3)を制御される。なお、スプール41は、ある程度の摩擦力をもってスプール穴231に支持されている。これにより、スプール41は、自重による上下方向への摺動を規制されている。そのため、スプール41は、上記の摩擦力を上回る外力が付与されない限り、位置決めされた停止位置(P1−P3)に保持される。
ここで、バルブボディ23におけるスプール穴231の一端部は、大気圧エア通路33の少なくとも一部を構成する。具体的には、スプール穴231は、図4Aに示すように、バルブボディ23を上下方向に貫通するように形成され、下方の一端部が大気に開放されている。つまり、スプール穴231の下方の一端部は、大気圧エア通路33を構成し、スプール41の停止位置(本実施形態において第三停止位置P3)によっては、共通エア通路34の第二枝管343と連通する構成となっている。
上記のような構成からなるバルブ装置40は、スプール41の3つの停止位置(P1−P3)に応じて共通エア通路34に対して、正圧エア通路31、負圧エア通路32、および大気圧エア通路33の何れか一つを選択的に連通させる。具体的には、バルブ装置40は、図4Aに示すように、スプール41を第一停止位置P1に位置決めすると、共通エア通路34の第一枝管342に負圧エア通路32を連通させる。これにより、吸着ノズル50のノズル内エア通路51に負圧エアが供給されて、吸着ノズル50が部品を吸着可能な状態とされる。
また、バルブ装置40は、図4Bに示すように、スプール41を第二停止位置P2に位置決めすると、共通エア通路34の第一枝管342に正圧エア通路31を連通させる。これにより、吸着ノズル50のノズル内エア通路51に正圧エアが供給されて、真空破壊により吸着ノズル50が部品を開放する状態とされる。さらに、バルブ装置40は、図4Cに示すように、スプール41を第三停止位置P3に位置決めすると、共通エア通路34の第二枝管343に大気圧エア通路33を連通させる。これにより、吸着ノズル50のノズル内エア通路51が大気に開放される。
上記のように、本実施形態におけるバルブ装置40は、バルブボディ23に対してスプール41を一方向(下方から上方に向かう方向)に移動させて3つの停止位置(P1−P3)に順次位置決めした場合に、共通エア通路34に対して、負圧エア通路32、正圧エア通路31、および大気圧エア通路33の順で連通させる。また、バルブ装置40は、(図4Cに示すように、スプール41が3つの停止位置(P1−P3)のうちスプール穴231の一端部から最も離れた第三停止位置P3に位置決めされた場合に、共通エア通路34に大気圧エア通路33を連通させる。
ここで、従来の汎用的な装着ヘッドにおけるバルブ装置には、例えば吸着ノズルに正圧エアを供給または遮断する第一バルブと、吸着ノズルに負圧エアを供給または遮断する第二バルブとを備えるものがある。このような構成において、吸着ノズルが吸着した部品を基板に押し付けた状態(即ち、吸着ノズルの先端が部品により閉塞された状態)を維持して吸着ノズル内を負圧から大気圧に移行させて真空破壊をすることがある。
そのためには、例えば第二バルブをOFFにするとともに第一バルブをONにして所定量だけ正圧エアを供給した後に、第一バルブおよび第二のバルブを共にOFFとしてエアの流通を遮断する制御が考えられる。しかしながら、このような制御をしても第一バルブの動作精度や応答性の関係から吸着ノズル内に残圧が生じる。また、エア通路にシール性が確保されていることから、吸着ノズル内の残圧が低減して大気圧と等しくなるまでにある程度の時間を要するものと考えられる。
これに対して、本実施形態の装着ヘッド20は、バルブ装置40の動作により共通エア通路34に大気圧エア通路33が連通されると、吸着ノズル50のノズル内エア通路51が大気に開放される。これにより、吸着ノズル50は、その先端からエアを吸引も噴出もしない状態となる。即ち、装着ヘッド20は、共通エア通路34に大気圧エア通路33を連通することにより、ノズル内エア通路51の残圧を速やかに低減できる。このように、装着ヘッド20は、バルブ装置40の動作により吸着ノズル50内の空気圧を適宜切り換えることにより、装着処理における細やかな制御を可能としている。
1−4.装着ヘッド20を用いた装着処理
1−4−1.装着処理における装着ヘッド20の動作
部品装着機1により実行される装着処理における装着ヘッド20の動作について、図5を参照して説明する。ここで、部品装着機1の制御装置16は、装着処理において、部品を保持した吸着ノズル50を基板90の所定位置の上方へと移動させた後に、吸着ノズル50の下降を開始する(図5のT1)。これにより、吸着ノズル50は、ツール軸24と一体的に下降する。
吸着ノズル50がある程度下降すると、部品が基板90に接触する(図5のT2)。ここで、「部品が基板に接触」とは、部品の下面が基板90の上面の高さに達して両者が接触し得る状態であり、例えば基板90の上面にクリームはんだなどの接合材が塗布されている場合には当該接合材が部品と基板90との間に介在している状態を含む。制御装置16は、部品が基板90に接触した後に、ツール軸24の軸内スプリング241の弾性力に抗してさらにツール軸24を所定高さまで下降させて停止させる(図5のT3)。
図5のT2−T3の期間において、吸着ノズル50は、下降せず、軸内スプリング241の圧縮量に応じた付勢力をもって、部品を基板90側へと押し付ける。制御装置16は、この状態をある程度維持した後に、ツール軸24の上昇を開始する(図5のT4)。ツール軸24がある程度上昇すると、吸着ノズル50がツール軸24に対する下端位置に達して部品から離間する(図5のT5)。その後に、吸着ノズル50は、ツール軸24と一体的に上昇し、ロータリヘッド23の上昇端に達する(図5のT6)。
制御装置16は、図5のT5以降に、他の吸着ノズル50により保持されている部品を基板90の所定位置に装着すべく装着ヘッド20を移動させる。これに伴い、上記のように部品の装着を終了した吸着ノズル50は、ロータリヘッド23のR軸周りの回転および装着ヘッド20の移動により、水平方向(XY方向)へと移動される。本実施形態において、装着を終了した吸着ノズル50は、ロータリヘッド23の上昇端に達した後に水平移動を開始するものとする(図5のT7)。
ここで、装着処理の対象となる部品には、基板に接触する面積が小さい極小部品が含まれる。さらに、基板製品や極小部品の仕様によっては、基板に塗布される接合材のタック力が小さいことがある。このような極小部品が基板に装着する場合に、極小部品を基板に押し付けた状態で吸着ノズル内に残圧が生じていると、極小部品から吸着ノズルが離間する際にエアが噴出して極小部品が位置ずれを生じるおそれがある。
また、ロータリヘッド23に設けられたバルブが吸着用の負圧エアと、真空破壊用の正圧エアとを切り換えるバルブである場合には、同一のピックアンドプレースサイクルにおいて装着を終了した吸着ノズルからは正圧エアが噴出した状態が維持される。そうすると、部品を吸着ノズルに連動して水平移動する吸着ノズルから噴出された正圧エアが基板に既に装着された極小部品に影響するおそれがある。
装着ヘッド20には、装着処理の精度向上のために多様な動作(吸着ノズル50に正圧エアや負圧エアを供給するなどの動作)に対応しつつ、極小部品のような部品には正圧エアの影響が及ばないように細やかな制御を可能とすることが求められる。そこで、本実施形態において、装着ヘッド20は、上記のような構成からなるバルブ装置40を備え、以下のような複数の制御態様に示す装着処理の実行を可能としている。
1−4−2.装着処理の第一制御態様
部品装着機1の制御装置16は、装着処理において、吸着ノズル50に吸着された部品が基板90に接触してから吸着ノズル50を部品から離間させるまでの第一期間R1(T2−T5)に、共通エア通路34に正圧エア通路31を連通させた後に、共通エア通路34に大気圧エア通路33を連通させて共通エア通路34を大気圧にするようにバルブ装置40の動作を制御する。
より具体的には、制御装置16は、第一期間R1(T2−T5)において、先ず共通エア通路34に正圧エア通路31を連通させる。本実施形態において、制御装置16は、部品が基板90に接触した後でありツール軸24が所定高さまで下降する前(図5のT21)に、バルブ装置40のスプール41を第一停止位置P1から第二停止位置P2へと移動させる。これにより、吸着ノズル50は、部品を基板90側に押し付けた状態を維持しつつ、共通エア通路34を介してノズル内エア通路51にエアが供給される。そのため、ノズル内エア通路51は、図5の太実線で示す空気圧線L1のように、負圧Vnから大気圧Vaを越えて正圧Vp1に達する(図5のT31)。
制御装置16は、共通エア通路34が正圧Vp1に達した後に、共通エア通路34に大気圧エア通路33を連通させる。つまり、制御装置16は、バルブ装置40のスプール41を第二停止位置P2から第三停止位置P3へと移動させる(図5のT31)。これにより、吸着ノズル50は、部品を基板90側に押し付けた状態を維持しつつ、共通エア通路34を介してノズル内エア通路51を大気に開放される。そのため、ノズル内エア通路51は、正圧Vp1から大気圧Vaと減圧される。
ここで、吸着ノズル50と部品は、負圧エアの作用以外にも吸着ノズル50の先端に付着した異物や両者間を引き合うように作用する静電気などによって離間しづらい状態となることがある。これに対して、上記のような制御態様によると、吸着ノズル50に保持された部品が基板90に接触した後に、共通エア通路34が正圧Vp1に達するまで正圧エアが供給されるので、部品と吸着ノズル50が離間しやすい状態とすることができる。
さらに、その後に共通エア通路34を大気圧Vaとすることによって、共通エア通路34の残圧を確実に開放することができる。これにより、その後にツール軸24と吸着ノズル50が一体的に上昇して吸着ノズル50が部品(特に、極小部品)から離間する際に、吸着ノズル50内は既に大気圧Vaとなっているので、吸着ノズル50からエアが噴出することを確実に防止できる。結果として、エアの噴出による極小部品の位置ずれを防止することができる。
また、本実施形態におけるバルブ装置40では、スプール穴231の一端部に大気圧エア通路33が形成されている。これにより、共通エア通路34が大気圧エア通路33に連通された状態において、吸着ノズル50から大気に開放されるまでのエア通路の長さを短くすることができる。これにより、共通エア通路34を大気圧エア通路33に連通した際に、速やかに共通エア通路34の残圧を開放して吸着ノズル50内を大気圧Vaとすることができる。
1−4−3.装着処理の第二制御態様
部品装着機1の制御装置16は、第一期間R1(T2−T5)において、第一制御態様と同様に、先ず共通エア通路34に正圧エア通路31を連通させる。これにより、ノズル内エア通路51は、図5の太破線で示す空気圧線L2のように、負圧Vnから大気圧Vaを越えて正圧の所定値(以下、「正圧Vp2」と称する)に達する(図5のT32)。なお、図5は、空気圧線L2を視認しやすくするため、第一制御態様の空気圧線L1と重複する部分をずらして示している。本実施形態において、正圧Vp2は、エア供給回路30においてレギュレータバルブ36により減圧された規定圧力に相当する。
次に、制御装置16は、共通エア通路34が正圧Vp2に達した状態を一定期間Rc(T32−T33)維持する。続いて、制御装置16は、その後に、共通エア通路34に大気圧エア通路33を連通させて共通エア通路34を大気圧Vaにする。上記のような制御態様によると、吸着ノズル50に保持された部品が基板90に接触した後に、共通エア通路34が所定の正圧Vp2に達した状態を一定期間Rc維持されるので、部品と吸着ノズル50がより離間しやすい状態とすることができる。
さらに、その後に共通エア通路34を大気圧Vaとすることによって、共通エア通路34およびノズル内エア通路51の残圧を速やかに開放することができる。これにより、吸着ノズル50が部品(特に、極小部品)から離間する際に、吸着ノズル50からエアが噴出することを防止して、極小部品の位置ずれを防止することができる。
1−4−4.装着処理の第三制御態様
上記の第一、第二制御態様は、吸着ノズル50が部品から離間する際のエアの噴出等を防止することから、装着する部品が極小部品である場合に特に有用である。これに対して、極小部品が既に基板90に装着されており、且つ装着対象の極小部品以外の部品については吸着ノズル50と離間する際に正圧エアを加えて確実に吸着ノズル50から開放させることが要求されることがある。
そこで、第三制御態様では、部品装着機1の制御装置16は、装着処理において、先ず吸着ノズル50に吸着された部品が基板90に接触してから吸着ノズル50が部品から離間するまでの第一期間R1(T2−T5)に、共通エア通路34に正圧エア通路31を連通させる。本実施形態において、制御装置16は、ツール軸24が所定高さまで下降させて停止された後(図5のT31)に、バルブ装置40のスプール41を第一停止位置P1から第二停止位置P2へと移動させる。
これにより、吸着ノズル50は、部品を基板90側に押し付けた状態を維持しつつ、共通エア通路34を介してノズル内エア通路51にエアが供給される。そのため、ノズル内エア通路51は、図5の一点鎖線で示す空気圧線L3のように、負圧Vnから大気圧Vaを越えて正圧Vp2に達する(図5のT34)。さらに、制御装置16は、吸着ノズル50を部品から離間させてから水平方向に移動させるまでの第二期間R2(T5−T7)に、共通エア通路34に大気圧エア通路33を連通させて共通エア通路34を大気圧にする。なお、図5は、空気圧線L3を視認しやすくするため、第一制御態様の空気圧線L1と重複する部分をずらして示している。
本実施形態において、制御装置16は、ツール軸24と吸着ノズル50が一体的に上昇し始めた後(図5のT51)に、バルブ装置40のスプール41を第二停止位置P2から第三停止位置P3へと移動させる。これにより、吸着ノズル50は、部品から離間する際にエアを噴出して部品を確実に開放し、その後に正圧エアの供給を遮断されるとともに共通エア通路34を介してノズル内エア通路51を大気に開放される。そのため、ノズル内エア通路51は、正圧Vp2から大気圧Vaと減圧される。
このような構成によると、第一期間R1においては共通エア通路34に正圧エアが供給された状態となるので、吸着ノズル50から部品が確実に開放される。これにより、吸着ノズル50の先端に部品が付着して、基板90に部品が適正に装着されない装着不良となることを防止できる。さらに、その後の第二期間R2においては共通エア通路34が大気圧Vaとされるので、吸着ノズル50からエアが噴出することを確実に防止できる。結果として、吸着ノズル50が水平方向に移動した場合に、既に装着済みの極小部品の位置ずれを防止することができる。
1−4−5.装着処理の制御態様について
部品装着機1の制御装置16は、上記のような装着処理の制御態様を適宜実行する。また、制御装置16は、装着対象の部品の種別や部品の装着位置などに応じて複数の制御態様を切り換えて実行してもよい。部品の種別ごとに実行する装着処理の制御態様が装着条件として予め設定されると、例えば部品が極小部品である場合に、極小部品から吸着ノズル50が離間する際の影響を低減することが可能な第一制御態様や第二制御態様により装着処理が実行される。一方で、極小部品よりも大きな部品等の場合には、吸着ノズル50と部品の開放を優先した第三制御態様や通常の制御態様により装着処理が実行される。
また、装着対象の部品が同一であっても、部品の装着位置によってはその周辺に極小部品が既に装着されていることがある。そこで、部品の装着位置ごとに装着処理の制御態様が装着条件として予め設定されると、例えば既に極小部品が装着されたエリア内の装着位置に装着対象の部品が装着される場合に、吸着ノズル50が部品から離間した後に周辺の極小部品への影響を低減することが可能な第一制御態様や第二制御態様により装着処理が実行される。
一方で、極小部品より大きな部品のみが装着されるなど吸着ノズル50から噴出されるエアの影響を受けにくいエリア内の装着位置に部品が装着される場合には、吸着ノズル50と部品の開放を優先した第三制御態様や通常の制御態様により装着処理が実行される。さらに、装着位置が含まれるエリアと異なるエリアであって装着後の水平移動で吸着ノズル50が通過するエリアに極小部品が含まれることがある。このような場合には、遅くともそのエリアを通過するまでにノズル内エア通路51が大気に開放されるようにバルブ装置40の動作が制御される。
また、制御装置16は、部品の種別や装着位置に加えて、各種条件に応じて装着処理の制御態様を適宜切り換えるようにしてもよい。上記の各種条件には、例えば装着環境や部品の装着に用いられる接合材の種別などが含まれ得る。装着対象の部品が極小部品であっても接合材の種別によってはタック力が十分に大きいことがあり、このような場合には吸着ノズル50と部品の開放を優先した第三制御態様や通常の制御態様が選択され得る。また、制御装置16は、部品の種別や装着位置、各種条件を複合的に勘案して各種の制御態様を切り換えるようにしてもよい。
本実施形態において、装着処理の各種の制御態様におけるバルブ装置40を動作させるタイミングは、上記のように例示して説明した。これに対して、第一制御態様および第二制御態様において、バルブ装置40の動作により共通エア通路34に負圧エアから正圧エアに切り換えて供給するタイミング、および正圧エアから大気圧エアに切り換えて開放するタイミングは、上記の第一期間R1(T2−T5)内であれば適宜設定することができる。
同様に、第三制御態様において、バルブ装置40の動作により共通エア通路34に負圧エアから正圧エアに切り換えて供給するタイミングは、上記の第一期間R1(T2−T5)内であれば適宜設定することができる。さらに、第三制御態様において、バルブ装置40の動作により共通エア通路34を正圧エアから大気圧エアに切り換えて開放するタイミングは、上記の第二期間R2(T5−T7)内であれば適宜設定することができる。
なお、上記のバルブ装置40の動作のタイミングは、装着対象の部品の種別や部品の装着位置に応じて切り換えられるように、装着条件として予め適宜設定されてもよい。このとき、バルブ装置40の各動作について、部品と基板90の接触を検出したこと、共通エア通路34やノズル内エア通路51の空気圧が所定値に達したこと、吸着ノズル50と部品の離間を検出したこと、吸着ノズル50が所定の高さに達したことなどをトリガーとして、これらから設定された時間を経過した後にバルブ装置40が所定の動作をするように設定され得る。
ここで、実施形態において例示した装着処理の第一制御態様では、制御装置16は、吸着ノズル50を下降させて部品が基板90に接触した後に吸着ノズル50に正圧エアを供給して、共通エア通路34およびノズル内エア通路51が所定値である正圧Vp1に達するように制御した。これに対して、制御装置16は、部品の種別や装着位置、各種条件によっては、部品が基板90に接触した後に吸着ノズル50に正圧エアを供給した場合に、共通エア通路34およびノズル内エア通路51が大気圧Vaを越える前に、共通エア通路34に大気圧エア通路33を連通させてもよい。
これにより、ノズル内エア通路51は、先ず正圧エアを供給されて加圧されるとともに、その後に大気に開放されて大気圧Vaとなる。このような構成によると、吸着ノズル50内の残圧を開放し、速やかに大気圧Vaとすることができる。よって、その後にツール軸24と吸着ノズル50が一体的に上昇して吸着ノズル50が部品(特に、極小部品)から離間する際にエアが噴出されないので、極小部品の位置ずれを防止することができる。
2.実施形態の変形態様
2−1.バルブ装置40の構成および制御態様について
実施形態におけるバルブ装置40は、バルブボディ23に対してスプール41を一方向(下方から上方に向かう方向)に移動させて3つの停止位置(P1−P3)に順次位置決めした場合に、共通エア通路34に対して、負圧エア通路32、正圧エア通路31、および大気圧エア通路33の順で連通させる。これに対して、スプール41を一方向に移動させた場合に、共通エア通路34に連通させるエア通路の順は、種々の態様を採用し得る。
また、大気圧エア通路33は、負圧エア通路32や正圧エア通路31と異なりエア供給源(81,82)と連通される必要がない。そのため、バルブ装置40は、例えば4位置のメカバルブとし、4位置のうち2位置で共通エア通路34が大気に開放されるように構成されてもよい。このような構成により、バルブ装置40は、例えば共通エア通路34に負圧エア通路32を連通させた状態から、スプール41の移動によって正圧エア通路31の連通を介することなく共通エア通路34に大気圧エア通路33を連通可能としてもよい。
上記のようなバルブ装置40を用いた装着処理の制御態様として、部品装着機1の制御装置16は、装着処理において、例えば吸着ノズル50に吸着された部品が基板90に接触してから吸着ノズル50を部品から離間させるまでの第一期間R1に、共通エア通路34に大気圧エア通路33を連通させて共通エア通路34を大気圧Vaにする。このとき、ノズル内エア通路51は、図5の二点鎖線で示す空気圧線L4のように、負圧Vnから大気圧Vaとなる。なお、図5は、空気圧線L4を視認しやすくするため、第一制御態様の空気圧線L1と重複する部分をずらして示している。
このような構成によると、吸着ノズル50に保持された部品が基板90に接触した後に、共通エア通路34を大気圧Vaとすることによって共通エア通路34およびノズル内エア通路51の残圧を開放することができる。さらに、共通エア通路34を大気圧Vaとすることにより、吸着ノズル50が部品から離間した際に、吸着ノズル50からエアが噴出等することを確実に防止できる。結果として、エアの噴出による極小部品の位置ずれを防止することができる。なお、上記のようなバルブ装置40の構成においても実施形態にて例示した態様と同様に、装着対象の部品の種別や装着位置、各種条件に応じて制御態様を切り換えることが可能であり、またバルブ装置40を動作させるタイミングや空気圧についても同様に適宜設定することが可能である。
2−2.バルブ装置40のその他の構成について
また、実施形態において、バルブ装置40は、3位置のメカバルブであり、単体で共通エア通路34に3種類のエア通路(31,32,33)を切り換え可能とした。このような構成によると、1つのスプール41の停止位置(P1−P3)によってバルブ装置40の動作を制御できる。また、バルブ装置40全体として小型化を図ることができるので、3種類の空気圧を切り換え可能な装着ヘッド20として装置の大型化を抑制できる。
これに対して、バルブ装置は、複数のバルブを組み合わせて構成されてもよい。具体的には、バルブ装置は、共通エア通路34と正圧エア通路31の連通状態(ON)と遮断状態(OFF)とを切り換え可能な第一バルブ、および共通エア通路34と負圧エア通路32の連通状態(ON)と大気圧エア通路33の連通状態(OFF)を切り換える第二バルブを備える構成としてもよい。
上記のようなバルブ装置は、第一バルブをOFFにするとともに第二バルブをONにして、共通エア通路34を介して吸着ノズル50に負圧エアを供給する。また、バルブ装置は、第一バルブをOFFに維持して第二バルブをOFFにして、共通エア通路34および吸着ノズル50を大気に開放する。さらに、バルブ装置は、第二バルブをOFFに維持して第一バルブをONにして、共通エア通路34を介して吸着ノズル50に正圧エアを供給する。このとき、第二バルブを介して大気圧エア通路33に正圧エアが流通するが、吸着ノズル50には正圧エアが供給されるため真空破壊として十分に機能する。
また、実施形態において、バルブ装置40は、装着ヘッド20のロータリヘッド23をバルブボディ23として構成した。これに対して、バルブ装置40は、バルブボディの一部または全部をロータリヘッド23とは別に設けられてもよい。このような構成においても実施形態と同様の効果を奏する。但し、共通エア通路34およびノズル内エア通路51の残圧を速やかに開放する観点からは、これらのエア通路(34,51)の長さが短くして容積を小さくした方が有利であるため、実施形態において例示した態様が好適である。
1:部品装着機、 16:制御装置、 20:装着ヘッド、 23:ロータリヘッド(バルブボディ)、 231:スプール穴、 30:エア供給回路、 31:正圧エア通路、 32:負圧エア通路、 33:大気圧エア通路、 34:共通エア通路、 341:本管、 342:第一枝管、 343:第二枝管、 40:バルブ装置、 41:スプール、 50:吸着ノズル、 51:ノズル内エア通路、 81:正圧エア供給源、 82:負圧エア供給源、 90:基板(回路基板)、 P1−P3:(スプールの)停止位置、 R1:第一期間、 Rc:一定期間、 R2:第二期間、 Vn:負圧、 Va:大気圧、 Vp1,Vp2:正圧、 L1,L2,L3,L4:空気圧線

Claims (8)

  1. 負圧エアを供給されて部品を吸着する吸着ノズルを取り付けられ、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を回路基板に装着する装着処理に用いられる装着ヘッドであって、
    正圧エア供給源から供給される正圧エアが流通する正圧エア通路と、
    負圧エア供給源から供給される負圧エアが流通する負圧エア通路と、
    大気に開放される大気圧エア通路と、
    前記吸着ノズルとの間で連通して、前記吸着ノズルに供給されるエアが流通可能な共通エア通路と、
    前記共通エア通路に対して、前記正圧エア通路、前記負圧エア通路、および前記大気圧エア通路の何れか一つを選択的に連通させるバルブ装置と、
    を備え
    前記バルブ装置は、
    前記正圧エア通路、前記負圧エア通路、および前記大気圧エア通路が形成されたバルブボディと、
    前記バルブボディに対して摺動可能に設けられ、異なる3つの停止位置に位置決めされるスプールと、を備え、
    前記バルブボディは、前記スプールを摺動可能に支持するスプール穴を有し、
    前記スプール穴の一端部は、前記大気圧エア通路の少なくとも一部を構成し、
    前記バルブ装置は、前記スプールの前記停止位置に応じて前記共通エア通路に対して、前記正圧エア通路、前記負圧エア通路、および前記大気圧エア通路の何れか一つを選択的に連通させ、前記スプールが3つの前記停止位置のうち前記スプール穴の一端部から最も離れた前記停止位置に位置決めされた場合に、前記共通エア通路に前記大気圧エア通路を連通させる、装着ヘッド。
  2. 前記バルブ装置は、前記バルブボディに対して前記スプールを一方向に移動させて3つの前記停止位置に順次位置決めした場合に、前記共通エア通路に対して、前記負圧エア通路、前記正圧エア通路、および前記大気圧エア通路の順で連通させる、請求項に記載の装着ヘッド。
  3. 請求項1または2に記載の前記装着ヘッドと、
    前記装着処理において前記バルブ装置の動作を制御する制御装置と、
    を備える部品装着機であって、
    前記制御装置は、前記装着処理において、前記吸着ノズルに吸着された前記部品が前記回路基板に接触してから前記吸着ノズルを前記部品から離間させるまでの第一期間に、前記共通エア通路に前記正圧エア通路を連通させた後に、前記共通エア通路に前記大気圧エア通路を連通させて前記共通エア通路を大気圧にする、部品装着機。
  4. 負圧エアを供給されて部品を吸着する吸着ノズルを取り付けられ、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を回路基板に装着する装着処理に用いられる装着ヘッドを備える部品装着機であって、
    前記装着ヘッドは、
    正圧エア供給源から供給される正圧エアが流通する正圧エア通路と、
    負圧エア供給源から供給される負圧エアが流通する負圧エア通路と、
    大気に開放される大気圧エア通路と、
    前記吸着ノズルとの間で連通して、前記吸着ノズルに供給されるエアが流通可能な共通
    エア通路と、
    前記共通エア通路に対して、前記正圧エア通路、前記負圧エア通路、および前記大気圧
    エア通路の何れか一つを選択的に連通させるバルブ装置と、
    を備え、
    前記部品装着機は、前記装着処理において前記バルブ装置の動作を制御する制御装置をさらに備え、
    前記制御装置は、装着対象の前記部品の種別、前記部品の装着位置、および前記回路基板に塗布される接合材の種別の少なくとも一つに応じて複数の制御態様を切り換えて実行し、
    前記複数の制御態様は、
    前記装着処理において、前記吸着ノズルに吸着された前記部品が前記回路基板に接触してから前記吸着ノズルを前記部品から離間させるまでの第一期間に、前記共通エア通路に前記正圧エア通路を連通させた後に、前記共通エア通路に前記大気圧エア通路を連通させて前記共通エア通路を大気圧にする制御態様と、
    前記第一期間に、前記共通エア通路に前記正圧エア通路を連通させ、さらに前記吸着ノズルを前記部品から離間させてから水平方向に移動させるまでの第二期間に、前記共通エア通路に前記大気圧エア通路を連通させて前記共通エア通路を大気圧にする制御態様と、を含む、部品装着機。
  5. 前記制御装置は、前記第一期間において、前記共通エア通路に前記正圧エア通路を連通させて前記共通エア通路が正圧に達した後に、前記共通エア通路に前記大気圧エア通路を連通させて前記共通エア通路を大気圧にする、請求項3または4に記載の部品装着機。
  6. 前記制御装置は、前記第一期間において、前記共通エア通路に前記正圧エア通路を連通させて前記共通エア通路が正圧の所定値に達した状態を一定期間維持した後に、前記共通エア通路に前記大気圧エア通路を連通させて前記共通エア通路を大気圧にする、請求項3または4に記載の部品装着機。
  7. 請求項1または2に記載の前記装着ヘッドと、
    前記装着処理において前記バルブ装置の動作を制御する制御装置と、
    を備える部品装着機であって、
    前記制御装置は、前記装着処理において、前記吸着ノズルに吸着された前記部品が前記回路基板に接触してから前記吸着ノズルが前記部品から離間するまでの第一期間に、前記共通エア通路に前記正圧エア通路を連通させ、さらに前記吸着ノズルを前記部品から離間させてから水平方向に移動させるまでの第二期間に、前記共通エア通路に前記大気圧エア通路を連通させて前記共通エア通路を大気圧にする、部品装着機。
  8. 請求項1または2に記載の前記装着ヘッドと、
    前記装着処理において前記バルブ装置の動作を制御する制御装置と、
    を備える部品装着機であって、
    前記制御装置は、前記装着処理において、前記吸着ノズルに吸着された前記部品が前記回路基板に接触してから前記吸着ノズルを前記部品から離間させるまでの第一期間に、前記共通エア通路に前記大気圧エア通路を連通させて前記共通エア通路を大気圧にする、部品装着機。
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