JP6806898B2 - 導電膜、熱電変換層、熱電変換素子、熱電変換モジュール、導電膜の製造方法、組成物 - Google Patents

導電膜、熱電変換層、熱電変換素子、熱電変換モジュール、導電膜の製造方法、組成物 Download PDF

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Description

本発明は、導電膜、熱電変換層、熱電変換素子、熱電変換モジュール、導電膜の製造方法、及び組成物に関する。
カーボンナノチューブ(以下、「CNT」ともいう。)に代表される炭素材料は、優れた導電性を示すため、各種用途への展開が規定されている。例えば、特許文献1の実施例4では、CNTを含有する分散液と、バインダーとしてのカルボキシメチルセルロースと、を含む組成物を用いて熱電変換層を形成する方法を開示している。
特開2014−239092号公報
本発明者らは、特許文献1の実施例4を参照して分散組成物を調製して、各種基板上にカーボンナノチューブとカルボキシメチルセルロースを含む膜(導電膜)を形成する検討を行った。
この結果、得られた膜は基板密着性に乏しいことを明らかとした。特に、非極性基板に対する密着性を更に改善する必要があることを明らかとした。
そこで、本発明は、優れた基板密着性を有する導電膜及びその製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記導電膜を用いて形成される熱電変換層、熱電変換素子、及び熱電変換モジュールを提供することを課題とする。
また、本発明は、上記導電膜を形成するための組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、改質処理により酸素原子含有量を所定範囲に調整したカーボンナノチューブを用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成できることを見出した。
〔1〕 カーボンナノチューブと、極性基を有する絶縁性高分子と、を含む導電膜であり、
上記カーボンナノチューブの酸素原子含有量が、0.5〜5.0atm%であり、
上記絶縁性高分子の含有量が、上記カーボンナノチューブの含有量に対して、10〜100質量%である、導電膜。
〔2〕 上記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブである、〔1〕に記載の導電膜。
〔3〕 上記カーボンナノチューブのG/D比が30以上である、〔1〕又は〔2〕に記載の導電膜。
〔4〕 上記絶縁性高分子が水溶性高分子である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の導電膜。
〔5〕 上記水溶性高分子が多糖類である、〔4〕に記載の導電膜。
〔6〕 上記多糖類がセルロース又はその誘導体である、〔5〕に記載の導電膜。
〔7〕 〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の導電膜を含む、熱電変換層。
〔8〕 〔7〕に記載の熱電変換層を備える、熱電変換素子。
〔9〕 〔8〕に記載の熱電変換素子を複数個備えた、熱電変換モジュール。
〔10〕 〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の導電膜の製造方法であり。
酸素原子含有量が0.5〜5.0atm%となるようにカーボンナノチューブを改質処理する工程と、
上記改質処理により酸素原子含有量が調整されたカーボンナノチューブと、極性基を有する絶縁性高分子とを含み、上記絶縁性高分子の含有量が、上記カーボンナノチューブの含有量に対して、10〜100質量%である組成物を得る工程と、
上記組成物を用いて基板上に導電膜を形成する工程と、を有する、導電膜の製造方法。
〔11〕 酸素原子含有量が0.5〜5.0atm%のカーボンナノチューブと、極性基を有する絶縁性高分子と、を含み、
上記絶縁性高分子の含有量が、上記カーボンナノチューブの含有量に対して、10〜100質量%である、組成物。
本発明によれば、優れた基板密着性を有する導電膜及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、上記導電膜を用いて形成される熱電変換層、熱電変換素子、及び熱電変換モジュールを提供することができる。
また、本発明によれば、上記導電膜を形成するための組成物を提供することができる。
本発明の熱電変換素子の実施態様の一例を示す断面図である。 本発明の導電膜の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。 比較例1の導電膜のSEM画像である。 実施例で作製する熱電変換モジュールの模式図である。 熱電変換モジュールの出力を測定する装置を示す模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリル」との記載は、「アクリル及びメタアクリルのいずれか一方又は双方」の意味を表す。
〔導電膜〕
本発明の導電膜の特徴点としては、酸素原子含有量が0.5〜5.0atm%であるカーボンナノチューブ(以下「特定CNT」ともいう。)と、極性基を有する絶縁性高分子(以下「特定絶縁性高分子」ともいう。)と、を所定量比で含む点が挙げられる。
本発明の導電膜は、上記の構成とすることにより、極性及び非極性の双方の基板に対して優れた密着性を示し、また、優れた導電性を示す。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
特定CNTと特定絶縁性高分子とを所定量比で含む組成物を用いて基板上に導電膜を形成した場合、導電膜中において、特定CNTは分子中の酸素原子(具体的には、酸素性官能基)の存在により特定絶縁性高分子中の極性基と水素結合等により相互作用し、この結果として、特定CNTの周囲は、特定絶縁性高分子によって被覆されていると考えられる。なお、ここでいう被覆とは、特定CNTの一部を被覆する形態、及び特定CNTの全体を被覆する形態のいずれも含む。特に、特定CNTは、酸素原子含有量を0.5〜5.0atm%としており、特定絶縁性高分子との相互作用が良好で、特定絶縁性高分子が特定CNT表面に濡れ広がるため、特定CNTの周囲に形成される特定絶縁性高分子の被膜は、比較的薄いと推測される。
本発明者らは、上記導電膜において、相互作用をすると推測される特定CNT及び特定絶縁性高分子の使用量を所定の関係にすることにより、導電膜の各種基板への密着性が向上することを知見している。具体的には、特定絶縁性高分子の含有量が、特定CNTの含有量に対して10〜100質量%の場合、極性基板及び非極性基板の双方の基板への優れた密着性が発現することを知見している。
特定絶縁性高分子の含有量が、特定CNTの含有量に対して10質量%未満である場合、導電膜は、極性基板に対して良好な密着性が得られない。一般的に、CNTは疎水性を示すことが知られている。特定CNTは酸素原子含有量が0.5〜5atm%であり、若干親水化はしているが、特定絶縁性高分子の含有量が10質量%未満である場合、特定CNTの露出が多すぎて、極性基板に対して良好な密着性が得られない。また、上記特定絶縁性高分子の含有量が10質量%未満である導電膜は、非極性基板に対しても良好な密着性が得られにくい。その理由は、特定絶縁性高分子は、バインダーとしても作用しているためであり、特定CNTに対する特定絶縁性高分子の含有量が10質量%未満である場合、膜が脆くなる。このため、上記導電膜を溶剤に浸漬した際、CNTと基板間に隙間ができ溶媒が浸透することによって剥離しやすい。
また、特定絶縁性高分子の含有量が、特定CNTの含有量に対して100質量%超である場合、導電膜は、極性基板に対しては良好な密着性が得られるが、非極性基板に対しては良好な密着性が得られない。また、特定絶縁性高分子の含有量が、特定CNTの含有量に対して100質量%超である場合、導電性が低くなることも確認している。
なお、本発明の導電膜は、上述したように、特定絶縁性高分子の被膜は比較的薄いと推測されるため、導電膜が特定絶縁性高分子を含んでいても、トンネル効果が抑制されることなくキャリアが特定絶縁性高分子中を通過できるため、優れた導電性を維持できると考えている。
更に、本発明者らは、上記導電膜を熱電変換層に適用した場合、熱電変換層は、高い導電性と低い熱伝導性を示し、この結果として、性能指数Zが優れることを知見している。
熱電変換層においてCNT同士が近い距離で存在するほど(言い換えると、複数のCNT間の距離が近いほど)、熱電変換層の熱伝導率が高まり、この結果として、性能指数Zが小さくなる。これに対して、上述したとおり、本発明の導電膜中では、特定CNTの周囲は特定絶縁性高分子の被膜により覆われていると推測される。このため、特定CNTと特定絶縁性高分子の被膜との界面でフォノンが散乱されやすく、この結果として、低熱伝導性を示すと考えられる。特定絶縁性高分子の含有量が、特定CNTの含有量に対して10質量%未満である場合、熱伝導率が高くなることを確認している。
以下、まず、本発明の導電膜に含まれる各成分について述べ、その後、本発明の導電膜の製造方法について述べる。
<特定CNT>
特定CNTは、酸素原子含有量が所定の範囲のものであれば特に制限されない。
以下に、まず、酸素原子含有量について説明し、次に、特定CNTの製造方法について説明する。
(酸素原子含有量)
本発明において、特定CNTの酸素原子含有量は、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)を用いて、下記の方法により測定される。
≪XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)による測定≫
XPSにより「約531eVにおけるC−O又はC=O由来の酸素原子(1s)のピーク面積A」、及び「約285eVにおける炭素原子(1s)のピーク面積B」を求め、得られたピーク面積に基づき、下記式(1)により原子百分率を算出する。
式(1): 酸素原子含有量(atm%)=(A)/(A+B)×100
式(1)中、
A:約531eVにおけるC−O又はC=O由来の酸素原子(1s)のピーク面積
B:約285eVにおける炭素原子(1s)のピーク面積
特定CNTの酸素原子含有量は、0.5〜5.0atm%である。本発明の効果がより優れる点で、特定CNTの酸素原子含有量は、1.0〜3.0atm%が好ましい。
特定CNTは、後述する原料CNTの説明欄に記載するように、単層CNT、2層CNT、及び多層CNT等であってもよい。なお、導電膜を導電材料として用いる場合、特定CNTとしては、単層CNT、2層CNT、及び多層CNTのいずれであってもよいが、導電膜を熱電変換層等の半導体特性が必要な用途に適用する場合、特定CNTとしては、半導体特性の高い単層CNTが好ましい。
CNTの種類に関しては、後述する原料CNTの規定と同様である。
特定CNTのラマンスペクトルのG−バンドとD−バンドの強度比G/D(以下、「G/D比」という。)は、導電膜及び熱電変換層等の導電性がより優れる点で、30以上であることが好ましく、40以上がより好ましい。なお、G/D比の上限は、例えば、200程度である。後述するする改質処理は、特定CNTのG/D比が上記範囲となる条件で実施されることが好ましい。
(特定CNTの製造方法)
特定CNTの製造方法としては、例えば、原料CNT(ここでいう原料CNTとは、酸素原子含有量が0.5〜5.0atm%を満たさないCNTを意図する。)に対して、改質処理を実施し、原料CNTの表面を酸素性官能基で修飾する方法が挙げられる。
酸素性官能基としては、酸素原子を含む官能基を意図する。酸素性官能基としては、例えば水酸基、カルボニル基、カルボキシ基、エポキシ基、及びホルミル基等が挙げられる。
改質処理の方法としては、原料CNTの酸素含有量を所定範囲に調整できれば特に限定されないが、例えば、下記に示す処理が一例として挙げられる。
・焼成処理
改質処理として焼成処理を実施する場合、原料CNTを空気フロー下で焼成する方法が挙げられる。焼成温度は特に制限されないが、例えば、300〜800℃であり、400〜700℃が好ましく、450〜650℃がより好ましく、450〜550℃が更に好ましい。また、焼成時間は特に制限されないが、例えば、5〜720分であり、15〜600分が好ましく、60〜550分がより好ましい。なお、焼成処理により、原料CNTに酸素原子が導入されるが、酸素原子の導入量が多すぎると、製造される特定CNTの後述するG/D比が低下する場合がある。したがって、焼成処理は、製造される特定CNTのG/D比が30以上となる条件で実施されることが望ましい。
・プラズマ処理
改質処理としてプラズマ処理を実施する場合、プラズマ処理の原料ガス及び圧力は特に限定されないが、酸素ガスフロー下で真空雰囲気にて実施されることが好ましい。
・酸化剤を用いた酸化処理
改質処理として酸化剤を用いた酸化処理を実施する場合、酸化剤としては特に限定されないが、例えば、過酸化水素、m−クロロ過安息香酸(m−CPBA)、過酢酸、過マンガン酸カリウム、硫酸、及び硝酸等が挙げられる。
酸化処理は、例えば、原料CNTを酸化剤を含む溶液中に浸漬する方法が挙げられる。
処理温度は特に制限されないが、例えば、−80〜200℃であり、0〜100℃が好ましく、20〜100℃がより好ましい。また、浸漬時間は特に制限されないが、例えば、5〜720分であり、10〜300分が好ましい。
(原料CNT)
以下、特定CNTの製造方法に用いることができる原料CNTについて説明する。
CNTは、一般的に、1枚の炭素膜(グラフェンシート)が円筒状に巻かれた単層CNT、2枚のグラフェンシートが同心円状に巻かれた2層CNT、及び、複数のグラフェンシートが同心円状に巻かれた多層CNTがある。本発明では、原料CNTとして、単層CNT、2層CNT、及び多層CNTを各々単独で用いてもよく、2種以上を併せて用いてもよい。特に、半導体特性が求められる用途においては、単層CNT及び2層CNTを用いることが好ましく、単層CNTを用いることがより好ましい。
単層CNTは、半導体性のものであっても、金属性のものであってもよく、両者を併せて用いてもよい。また、原料CNTは、金属等が内包されているCNTであってもよく、フラーレン等の分子が内包されているCNT(特にフラーレンを内包したものをピーポッドという)であってもよい。
原料CNTはアーク放電法、CVD(chemical vapor deposition)法、及びレーザー・アブレーション法等によって製造することができる。原料CNTは、いずれの方法によって得られたものであってもよいが、好ましくはアーク放電法及びCVD法により得られたものである。
原料CNTは精製処理されたものであることも好ましい。CNTを製造する際には、同時にフラーレン、グラファイト、及び非晶性炭素が副生成物として生じることがある。原料CNTは、これら副生成物を除去するために精製されたものであってもよい。CNTの精製方法は特に限定されないが、洗浄、遠心分離、ろ過、酸化、及びクロマトグラフ等の方法が挙げられる。その他に、硝酸及び硫酸等による酸処理、並びに、超音波処理も不純物の除去には有効である。併せて、フィルターによる分離除去を行うことも、純度を向上させる観点からより好ましい。
精製の後、得られたCNTをそのまま原料CNTとして用いることもできる。また、一般にCNTは紐状で生成されるため、用途に応じて所望の長さにカットして原料CNTとして用いてもよい。CNTは、硝酸及び硫酸等による酸処理、超音波処理、並びに、凍結粉砕法等により短繊維状にカットすることができる。また、併せてフィルターによる分離を行うことも、純度を向上させる観点から好ましい。
本発明においては、原料CNTとして、カットしたCNTだけではなく、あらかじめ短繊維状に作製したCNTも同様に使用できる。
原料CNTの平均長さは特に限定されないが、製造容易性、成膜性、及び導電性等の観点から、0.01〜1000μmが好ましく、0.1〜100μmがより好ましい。
原料CNTを単層CNTとする場合、単層CNTの直径は、特に限定されないが、耐久性、成膜性、導電性、及び半導体特性(熱電性能等)の観点から、0.5〜4.0nmが好ましく、0.6〜3.0nmがより好ましく、0.7〜2.0nmが更に好ましい。
原料CNTは、欠陥が低減されていることが好ましい。使用されるCNTには、欠陥のあるCNTが含まれていることがある。このようなCNTの欠陥は、導電膜及び熱電変換層等の導電性を低下させるため、低減することが好ましい。CNTの欠陥の量は、G/D比で見積もることができる。G/D比が高いほど欠陥の量が少ないCNT材料であると推定できる。特に、原料CNTとして単層CNTを用いる場合、原料CNTのG/D比は、30以上が好ましく、40以上がより好ましい。なお、原料CNTのG/D比上限は、例えば、200程度である。
(単層CNTの直径の算出)
なお、本明細書で記載する単層CNTの直径は、下記の方法により評価したものである。すなわち、単層CNTの532nm励起光でのラマンスペクトルを測定し(励起波長532nm)、ラジアルブリージング(RBM)モードのシフトω(RBM)(cm−1)より、下記算出式を用いて算出する。なお、上記ωは、RBMモード中の最大ピークの値を採用する。算出式:直径(nm)=248/ω(RBM)
導電性の観点から、導電膜中の特定CNTの含有量は、導電膜中の全質量に対して、10〜95質量%であることが好ましく、10〜90質量%であることがより好ましく、30〜85質量%であることが更に好ましく、50〜80質量%であることが特に好ましく、52〜80質量%であることが最も好ましい。
特定CNTは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上の特定CNTを併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
また、導電膜は、特定CNT以外のCNTも含んでいてもよい。導電膜が特定CNT以外のCNTも含む場合、特定CNTの含有量は、導電膜中の全CNTの含有量に対して、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、100質量%が特に好ましい。
<特定絶縁性高分子>
特定絶縁性高分子は、極性基を有する絶縁性高分子である。
本明細書において、「絶縁性」とは、導電率が10-6S/m以下を意図する。
極性基としては、例えば、OH基、NH2基、NHR基(Rは、芳香族又は脂肪族炭化水素を表す)、COOH基、CHO基、CONH2基、NHOH基、SO3H基(スルホン酸基)、S(=O)OH基、及び−OP(=O)OH2基(リン酸基)等の1価の基、並びに、−NHCO−、−NHSO2−、−NH−、−CONHCO−、−SO2NHSO2−、−NH−NH−、−C(=O)−(カルボニル基)、−C(=O)O−、−S(=O)−、及び−ROR−(エーテル基:Rは、それぞれ独立に、2価の芳香族炭化水素又は2価の脂肪族炭化水素を表す。ただし、2つのRは同一であっても異なっていてもよい。)等の2価の基が挙げられる。極性基としては、水酸基、カルボキシ基、及びスルホン酸基等の酸性基が好ましく、水酸基又はカルボキシ基がより好ましい。
特定絶縁性高分子としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、キサンタンガム、グァーガム、ヒドロキシエチルグァーガム、カルボキシメチルグァーガム、トラガントガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、プルラン、マンナン、グルコマンナン、デンプン、カードラン、カラギーナン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、デキストラン、ケラト硫酸、サクシノグルカン、カロニン酸、アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコール、マクロゴール、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、ゼラチン、寒天、カードラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシスチレン、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリロニトリル、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、ナイロン、ポリエチレンテレフタラート、ポリスチレンスルホン酸、澱粉、化工澱粉、ベントナイト、及びキシラン等が挙げられる。
また、極性基が、カルボキシ基及びスルホン酸基等の酸性基である場合、その一部若しくは全てがナトリウム塩、カリウム塩、及びアンモニウム塩等の塩になっていてもよい。
また、セルロースナノファイバーを使用することもできる。
特定絶縁性高分子は、分散性により優れる点で、水溶性高分子が好ましい。なお、水溶性高分子とは、水に対する溶解度(25℃)が1g/L以上の高分子を意図する。
水溶性高分子としては、特定CNTとの相互作用により優れる点で、多糖類であることが好ましく、カルボキシ基若しくはスルホン酸基を有する多糖類、又は、カルボキシ基若しくはスルホン酸基の塩を有する多糖類がより好ましい。
多糖類としては、セルロース若しくはセルロース誘導体が好ましい。
カルボキシ基若しくはスルホン酸基を有するセルロース若しくはセルロース誘導体、及びカルボキシ基若しくはスルホン酸基の塩を有するセルロース若しくはセルロース誘導体としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシエチルセルロース、及びカルボキシエチルセルロースナトリウム等が挙げられる。
特定絶縁性高分子の重量平均分子量は特に限定されないが、分散安定性の観点から、重量平均分子量は1000〜120万であることが好ましく、1000〜80万であることがより好ましい。特定絶縁性高分子の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて確認できる。
GPC測定方法としてはより具体的には、対象物を100mM硝酸ナトリウム水溶液に溶解させ、高速GPC装置(例えば、HLC−8220GPC(東ソー株式会社製))を用いて、ポリエチレンオキサイド換算で算出することができる。なお、GPC測定の条件は以下の通りである。
カラム:東ソー社製 TSKGEL G5000PWXL
TSKGEL G4000PWXL
TSKGEL G2500PWXL
カラム温度:40℃
流速:1mL/min
溶離液:100mM硝酸ナトリウム水溶液
導電膜中、特定絶縁性高分子の含有量は、特定CNTの含有量に対して10〜100質量%である。導電膜中、特定絶縁性高分子の含有量は、特定CNTの含有量に対して20〜100質量%であることが好ましく、30〜85質量%であることがより好ましい。
また、導電性及び熱伝導性の観点から、導電膜中の特定絶縁性高分子の含有量は、導電膜中の全質量に対して、5〜50質量%であることが好ましく、15〜50質量%であることがより好ましく、20〜47質量%であることが更に好ましい。
特定絶縁性高分子は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上の上記特定絶縁性高分子を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
上述した通り、導電膜中、特定CNTの周囲は、特定絶縁性高分子による被膜で覆われていると考えられる。なお、ここでいう被覆とは、特定CNTの一部を被覆する形態、及び特定CNTの全体を被覆する形態のいずれも含む。
特定絶縁性高分子による被膜厚さは、導電性により優れる点で、1〜30nm程度であることが好ましい。
後述する組成物中及び導電膜において、特定CNTは、単独で存在するよりも、複数の特定CNT同士がファンデルワールス力等の相互作用によりバンドル(束)構造体を形成して存在する場合が多い。特定絶縁性高分子は、このバンドル(束)構造体の周囲を覆っていると考えられる。なお、本発明者らは、特定絶縁性高分子と混合する前後の特定CNTのバンドル径の太さをSEMにより観察し、特定絶縁性高分子と混合後のバンドル径が、特定絶縁性高分子と混合前のバンドル径に対して増加(1倍超〜2倍)することを確認している。
したがって、特定絶縁性高分子による被膜厚さは、特定絶縁性高分子に被覆されたバンドル(束)構造体の太さから、未被覆のバンドル(束)構造体の太さを差し引くことにより得ることができる。なお、未被覆のバンドル(束)構造体とは、特定絶縁性高分子に被覆されたバンドル(束)構造体に含まれる特定絶縁性高分子を除去処理することにより得られるバンドル(束)構造体を意図する。例えば、特定絶縁性高分子が水溶性高分子である場合、上記水溶性高分子は水で溶解除去することができる。
<任意成分>
上記導電膜は、上述した特定CNT及び特定絶縁性高分子以外の成分(ドーパント、分散剤(界面活性剤)、酸化防止剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、及び可塑剤等)を含んでいてもよい。なお、上記分散剤は、導電膜の製造時に使用されるものであってもよいが、導電性向上の観点から、その含有量は少ないほどよく、実質的に含まれないことが好ましい。
<導電膜の厚み>
本発明の導電膜の平均厚みは、用途によって適宜変更されるため、限定されないが、熱電変換層へ適用した際には、導電性と温度差付与の観点から、0.1〜500μmであることが好ましく、2〜300μmであることがより好ましく、3〜200μmであることが更に好ましく、5〜100μmであることが特に好ましい。
なお、導電膜の平均厚みは、任意の10点における導電膜の厚みを測定し、それらを算術平均して求める。
〔導電膜の製造方法〕
上記導電膜を製造する方法は特に制限されないが、例えば、以下に示す工程1〜工程3を含む製造方法が挙げられる。
工程1:酸素原子含有量が0.5〜5.0atm%となるようにCNT(原料CNT)を改質処理する工程(改質処理工程)
工程2:工程1により得られた特定CNTと特定絶縁性高分子とを含み、上記絶縁性高分子の含有量が、上記カーボンナノチューブの含有量に対して、10〜100質量%である組成物を得る工程(組成物形成工程)
工程3:上記組成物を用いて基板上に導電膜を形成する工程(成膜工程)
(工程1)
工程1は、CNT(原料CNT)の酸素原子含有量を0.5〜5.0atm%に改質処理する工程であり、つまり、特定CNTを製造する工程である。
特定CNTの製造方法としては、上述のとおりであり、例えば、焼成処理、プラズマ処理、及び酸化剤を用いた酸化処理等を実施し、原料CNTの表面を酸素性官能基で修飾する方法が挙げられる。
(工程2)
工程2は、工程1により得られた特定CNTと特定絶縁性高分子とを含み、上記絶縁性高分子の含有量が、上記カーボンナノチューブの含有量に対して、10〜100質量%である組成物を得る工程である。
まず、組成物中に含有される各成分について述べ、その後、組成物の調製方法について述べる。
(1)特定CNT
特定CNTの定義、具体例及び好適な態様については上述のとおりである。組成物中の特定CNTの含有量は特に制限されないが、組成物全量に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。また、固形分中、1〜95質量%であることが好ましく、1〜90質量%であることがより好ましく、5〜70質量%であることが更に好ましく、10〜50質量%であることが特に好ましい。なお、上記固形分とは、導電膜を形成する成分を意図し、溶媒は含まれない。
(2)特定絶縁性高分子
特定絶縁性高分子の定義、具体例及び好適な態様については上述のとおりである。組成物中の特定絶縁性高分子の含有量は特に制限されないが、組成物全量に対して、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがより好ましい。また、固形分中、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.5〜50質量%であることがより好ましく、1〜40質量%であることが更に好ましい。なお、上記固形分とは、導電膜を形成する成分を意図し、溶媒は含まれない。
また、組成物中、上記特定絶縁性高分子の含有量は、上記特定CNTの含有量に対して、10〜100質量%であり、20〜100質量%であることが好ましく、30〜85質量%であることがより好ましい。
(3)分散媒
組成物は、特定CNT及び特定絶縁性高分子の他に分散媒を含むのが好ましい。
分散媒(溶媒)は、特定CNTを分散できればよく、水、有機溶剤及びこれらの混合溶媒を用いることができる。有機溶剤としては、例えば、アルコール系溶媒、クロロホルム等の脂肪族ハロゲン系溶媒、DMF(ジメチルホルムアミド)、NMP(N−メチルピロリドン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、及びアセトニトリル等の非プロトン性の極性溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、テトラメチルベンゼン、及びピリジン等の芳香族系溶媒、シクロヘキサノン、アセトン、及びメチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、THF(テトラヒドロフラン)、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、及びジグライム等のエーテル系溶媒、並びに、酢酸エチル、及び酢酸ブチル等のエステル系溶媒等が挙げられる。
分散媒は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、分散媒は、あらかじめ脱気しておくことが好ましい。分散媒中における溶存酸素濃度を、10ppm以下とすることが好ましい。脱気の方法としては、減圧下超音波を照射する方法、及び、アルゴン等の不活性ガスをバブリングする方法等が挙げられる。
更に、分散媒として水以外を使用する場合は、あらかじめ脱水しておくことが好ましい。分散媒中における水分量を、1000ppm以下とすることが好ましく、100ppm以下とすることがより好ましい。分散媒の脱水方法としては、モレキュラーシーブを用いる方法及び蒸留等の公知の方法を用いることができる。
組成物中の分散媒の含有量は、組成物全量に対して、50〜99.9質量%であることが好ましい。
(4)その他の成分
上述した成分の他、ドーパント、分散剤(界面活性剤)、酸化防止剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、及び可塑剤等が含まれていてもよい。
組成物は、熱電変換層への応用の観点から、ドーパントを含んでいてもよい。
特定CNTは大気中ではそれ自体がp型半導体特性を示す。このため、特定CNTと特定絶縁性高分子とからなる導電膜を熱電変換層とした場合、通常、p型熱電変換層として機能する。一方、組成物がドーパントとしてn型化ドーパントを含む場合、得られる導電膜を、n型熱電変換層として機能させることができる。n型化ドーパントとしては、公知のものを用いることができる。
また、組成物は、分散剤(界面活性剤)を含んでいてもよい。
分散剤(界面活性剤)としては、公知の界面活性剤(カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びノニオン系界面活性剤等)が挙げられる。なかでも、アニオン性界面活性剤が好ましく、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、又はドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
上記分散剤の含有量は、組成物全量に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
また、組成物は、酸化防止剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、及び可塑剤等も含んでいてもよい。
酸化防止剤としては、イルガノックス1010(日本チバガイギー製)、スミライザーGA−80(住友化学工業(株)製)、スミライザーGS(住友化学工業(株)製)、及びスミライザーGM(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
耐光安定剤としては、TINUVIN 234(BASF製)、CHIMASSORB 81(BASF製)、及びサイアソーブUV−3853(サンケミカル製)等が挙げられる。
耐熱安定剤としては、IRGANOX 1726(BASF製)が挙げられる。
可塑剤としては、アデカサイザーRS(アデカ製)等が挙げられる。
≪組成物の調製方法≫
組成物は、上記の各成分を混合して調製できる。好ましくは、分散媒に特定CNT、特定絶縁性高分子、及び所望により他の成分を混合して、特定CNTを分散させて調製する。
組成物の調製方法に特に制限はなく、通常の混合装置等を用いて常温常圧下で行うことができる。例えば、各成分を溶媒中で撹拌、振とう、混練して溶解又は分散させて、組成物を調製すればよい。溶解及び分散を促進するため超音波処理を行ってもよい。
また、上記分散工程において溶媒を室温以上沸点以下の温度まで加熱する、分散時間を延ばす、又は、撹拌、振とう、混練、及び超音波等の印加強度を上げる等によって、特定CNTの分散性を高めることができる。
(工程3)
工程3は、工程2で得られた上記組成物を用いて、基板上に導電膜を形成する工程である。
基板上に導電膜を形成する方法は特に限定されないが、例えば、塗布による方法が挙げられる。
組成物の基板への塗布方法は特に制限されず、例えば、スピンコート法、エクストルージョンダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、ステンシル印刷法、メタルマスク印刷法、ロールコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、及びインクジェット法等の公知の塗布方法を用いることができる。
また、塗布後は、必要に応じて乾燥工程を行う。例えば、熱風を吹き付けることにより溶媒を揮発、及び乾燥させることができる。
また、組成物に分散剤(例えば、デオキシコール酸ナトリウム等の界面活性剤)が含まれている場合、上述の乾燥により得られた塗膜から分散剤を除去することが好ましい。分散剤を含む導電膜と比較すると、上記塗膜から分散剤を除去することにより形成される導電膜は、導電性がより優れる。このため、上記塗膜から分散剤を除去することが好ましい。
乾燥により得られた塗膜から分散剤を除去する方法としては、上記塗膜を、特定CNT及び特定絶縁性高分子は溶解せずに上記分散剤を溶解できる水又は有機溶剤に浸漬させる方法が挙げられる。なお、分散剤がデオキシコール酸ナトリウム等の界面活性剤の場合、分散剤除去の有機溶剤としてメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、アセトン、2−ブタノン、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート、1−メトキシ−2−プロパノール、ジメチルスルホキシド、ブタノール、sec−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブタノール、グリセリン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、酢酸メチル、酢酸エチル、及びシクロヘキサノン等を使用することができる。浸漬時間は、特に限定されないが、例えば、5分〜24時間である。
≪基板≫
本発明の導電膜は、極性基板及び非極性基板のいずれに対しても高い密着性を示すため、基板としては特に限定されない。
基板としては、例えば、樹脂基板、金属基板、セラミック基板、及び、ガラス基板等が挙げられる。
なお、樹脂基板の材料としては、例えば、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、又は、ポリエチレンナフタレート等)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、及び、シクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。
〔熱電変換層〕
上記導電膜は、熱電変換層として使用できる。
上記導電膜を熱電変換層に適用した場合、上熱電変換層は、高い導電性と低い熱伝導性を示し、この結果として、性能指数Zが優れる。
上記導電膜は、p型熱電変換層及びn型熱電変換層のいずれにも適用することができる。特定CNTは、大気中ではp型半導体特性を示す。このため、特定CNTと特定絶縁性高分子とからなる導電膜は、通常、p型熱電変換層として機能する。一方、後述するように、導電膜をドープ化(n型化ドーピング)することによってもn型熱電変換層を形成することができる。また、上述したように、n型化ドーパントを含む組成物を用いて導電膜を形成した場合、得られる導電膜は、n型熱電変換層として機能する。
以下、導電膜のドープ化(n型化ドーピング)について説明する。
(導電膜のドープ化)
導電膜のドープ化は、特に限定されず、例えば、n型化ドーパントを溶媒に溶解させた溶液中に、導電膜を浸漬する方法等が挙げられる。溶媒の具体例は上述した組成物に用いられる溶剤と同様のものを使用できる。
導電膜中のn型化ドーパントの含有量は、特定CNTの含有量に対して、0.01〜100質量%であることが好ましく、0.1〜50質量%であることがより好ましい。
ドープ化の後に、必要に応じて乾燥工程を行ってもよい。例えば、熱風を吹き付けることにより溶媒を揮発、乾燥させることができる。
〔熱電変換素子、熱電変換モジュール〕
本発明の熱電変換素子は、上記熱電変換層を備えていればよく、その構成は特に制限されないが、例えば、上記熱電変換層と、熱電変換層と電気的に接続した電極対とを備える態様が挙げられる。上記熱電変換層は、p型熱電変換層として機能することが好ましい。つまり、上記熱電変換素子は、上記熱電変換層をp型熱電変換層として備えていることが好ましい。
また、本発明の熱電変換モジュールは、上記熱電変換素子を複数個備えていれば、その構成は特に制限されない。
以下に、図1を参照して、上記熱電変換素子の実施形態の一例について述べる。
図1に示す熱電変換素子110は、第1の基材12上に、第1の電極13及び第2の電極15を含む一対の電極と、第1の電極13及び第2の電極15間に、特定CNTと特定絶縁性高分子とを所定量比で含む熱電変換層14を備えている。第2の電極15の他方の表面には第2の基材16が配設されており、第1の基材12及び第2の基材16の外側には互いに対向して金属板11及び17が配設されている。
以下、熱電変換素子を構成する各部材について詳述する。
<基材>
熱電変換素子中の基材は、ガラス、透明セラミックス、及びプラスチックフィルム等の基材を用いることができる。上記熱電変換素子において、基材はフレキシビリティーを有しているのが好ましく、具体的には、ASTM D2176に規定の測定法による耐屈曲回数MITが1万サイクル以上であるフレキシビリティーを有しているのが好ましい。このようなフレキシビリティーを有する基材は、プラスチックフィルムが好ましく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、及び、ビスフェノールAとイソ及びテレフタル酸のポリエステルフィルム等のポリエステルフィルム;ゼオノアフィルム(商品名、日本ゼオン社製)、アートンフィルム(商品名、JSR社製)、及びスミライトFS1700(商品名、住友ベークライト社製)等のポリシクロオレフィンフィルム;カプトン(商品名、東レ・デュポン社製)、アピカル(商品名、カネカ社製)、ユーピレックス(商品名、宇部興産社製)、及びポミラン(商品名、荒川化学社製)等のポリイミドフィルム;ピュアエース(商品名、帝人化成社製)、及びエルメック(商品名、カネカ社製)等のポリカーボネートフィルム;スミライトFS1100(商品名、住友ベークライト社製)等のポリエーテルエーテルケトンフィルム;トレリナ(商品名、東レ社製)等のポリフェニルスルフィドフィルム;等が挙げられる。入手の容易性、耐熱性(好ましくは100℃以上)及び経済性の観点から、市販のポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、各種ポリイミド、又はポリカーボネートフィルム等が好ましい。
基材の厚さは、取り扱い性、耐久性等の観点から、好ましくは5〜3000μm、より好ましくは5〜500μm、更に好ましくは5〜100μm、特に好ましくは5〜50μmである。基材の厚みをこの範囲にすることで、熱電変換層に効率的に温度差を付与することができ、外部衝撃による熱電変換層の損傷も起こりにくい。
<電極>
熱電変換素子中の電極を形成する電極材料としては、ITO(Indium−Tin−Oxide)、及びZnO等の透明電極材料;銀、銅、金、ニッケル及びアルミニウム等の金属電極材料;CNT、及びグラフェン等の炭素材料;PEDOT(poly(3,4−ethylenedioxythiophene))/PSS(polystyrene sulfonate)、及びPEDOT/Tos(Tosylate)等の有機材料;が挙げられる。なお、電極は、金、銀、銅、若しくはカーボン等の導電性微粒子を分散した導電性ペースト、はんだ、又は、金、銀、銅、若しくはアルミニウム等の金属ナノワイヤーを含む導電性ペースト等を使用して形成できる。
<金属板>
熱電変換素子中の金属板を形成する金属材料としては、特に限定されず、熱電変換素子に通常用いられる金属材料で形成されればよい。
〔組成物〕
本発明の組成物は、特定CNTと特定絶縁性高分子とを含み、上記絶縁性高分子の含有量が、上記カーボンナノチューブの含有量に対して、10〜100質量%である。
本発明の上記組成物は、上述した導電膜の製造方法の工程2に記載した組成物の態様と同じである。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
(CNTの改質処理)
単層CNT3g(OCSiAl社製TUBALL)をるつぼにとり、卓上マッフル炉(デンケン社製 KDF S−80)にて、空気フロー下、500℃で300分間焼成した。
(酸素原子含有量の測定)
特定CNTの酸素原子含有量は、XPSを用いて、下記の方法により測定した。具体的には、XPSにより「約531eVにおけるC−O又はC=O由来の酸素原子(1s)のピーク面積A」、及び「約285eVにおける炭素原子(1s)のピーク面積B」を求め、得られたピーク面積に基づき、下記式(1)により原子百分率を算出した。結果を第1表に示す。
式(1): 酸素原子含有量(atm%)=(A)/(A+B)×100
式(1)中、
A:約531eVにおけるC−O又はC=O由来の酸素原子(1s)のピーク面積
B:約285eVにおける炭素原子(1s)のピーク面積
(分散組成物の調製)
改質処理したCNT800mgとアセトン400mLをメカニカルホモジナイザー(エスエムテー社製、HIGH−FLEX HOMOGENIZER HF93)を用いて、18000rpmで5分間混合して、分散液を得た。この分散液を、濾紙(直径125mm)を設置したブフナー漏斗と吸引瓶とを用いて減圧濾過することにより、バッキーペーパー膜を得た。得られた膜を50℃で30分間、120℃で30分間乾燥後、0.3cm角以下のサイズにカットして次工程のCNT分散組成物の調製に用いた。
次に、カルボキシメチルセルロースナトリウム40mg(アルドリッチ社製、低粘度品)、及びデオキシコール酸ナトリウム(東京化成工業社製)1200mgを分散溶媒の水16mLに溶解させ、上述のとおりカット処理した単層CNT400mgを加えた。この組成物を、メカニカルホモジナイザー(エスエムテー社製、HIGH−FLEX HOMOGENIZER HF93)を用いて、1000rpmで2分間、5000rpmで5分間混合して、予備混合物を得た。得られた予備混合物を、薄膜旋回型高速ミキサー「フィルミックス40−40型」(プライミクス社製)を用いて、10℃以下の恒温層中、周速10m/secで2分間、次いで周速40m/secで5分間、高速旋回薄膜分散法で分散処理した。得られた分散組成物を自転・公転ミキサー(シンキー社製、あわとり練太郎ARE−310)にて、2000rpmで30秒間混合、2200rpmで30秒間脱泡して、CNT分散組成物を調製した。
(導電膜の作製)
厚さ1.1mm、大きさ40mm×50mmのガラス基板にテフロン(登録商標)製の枠1枚(厚さ0.2μm)を貼り付け、その枠内に得られたCNT分散組成物を塗布した。50℃で30分間、120℃で30分間乾燥後、エタノールに1時間浸漬して分散剤を除去し、50℃で30分間、120℃で150分間乾燥して導電膜を得た。
(測定用の導電膜サンプルの作製)
得られた導電膜を1cm角程度のサイズにカットし、導電率(σ)、ゼーベック係数(S)、熱伝導率(κ)、及び性能指数Zの測定用の導電膜サンプルとした。なお、後述する各実施例及び各比較例についても、実施例1と同様に、測定用の導電膜サンプルを作製した。
[実施例2〜12、16〜20、及び比較例2、3]
第1表に記載した条件に変更した以外は実施例1と同様の方法により、実施例2〜12、16〜20、及び比較例2、3の導電膜を作製した。
[実施例13]
(CNTの改質処理)
単層CNT10g(OCSiAl社製TUBALL)を回転式真空プラズマ装置(YHS−DΦS)を用いて、酸素200mL/min、圧力100Pa、パワー250W、及び回転速度6rpmの条件にて30分間処理した。
(分散組成物の調製及び導電膜の作製)
分散組成物の調製及び導電膜の作製は、実施例1と同様にして行った。
[実施例14]
(CNTの改質処理)
単層CNT800mg(OCSiAl社製TUBALL)を1Lのガラス製反応容器に測りとり、純水400mLを加えた。上記反応容器に、更に30wt%過酸化水素水400mLを加え、室温で45分間反応させた。反応終了後、ブフナー漏斗を用いて減圧濾取した後、得られた固形分を純水で洗浄することにより、改質処理したCNTを回収した。得られたCNTを、50℃で30分間、120℃で30分間乾燥した。
(分散組成物の調製及び導電膜の作製)
分散組成物の調製及び導電膜の作製は、実施例1と同様にして行った。
[実施例15]
(CNTの改質処理)
単層CNT800mg(OCSiAl社製TUBALL)を1Lのガラス製反応容器に測りとり、酢酸エチル800mLを加えた。上記反応容器に、更にm−CPBA(m−クロロ過安息香酸)80mgを加え、0℃で45分間反応(酸化反応)させた。反応終了後、ブフナー漏斗を用いて減圧濾過、得られた固形分を純水で洗浄することにより、改質処理したCNTを回収した。得られたCNTを、50℃で30分間、120℃で30分間乾燥した。
(分散組成物の調製及び導電膜の作製)
分散組成物の調製及び導電膜の作製は、実施例1と同様にして行った。
[比較例1]
CNTの改質処理をしなかったこと以外は実施例1と同様にして行った。
[比較例4]
CNTの改質処理を60℃で行ったこと以外は実施例14と同様にして行った。
[比較例5]
(分散組成物の調製)
実施例1と同様の条件で改質処理したCNT800mgとアセトン400mLをメカニカルホモジナイザー(エスエムテー社製、HIGH−FLEX HOMOGENIZER HF93)を用いて、18000rpmで5分間混合して、分散液を得た。この分散液を、濾紙(直径125mm)を設置したブフナー漏斗と吸引瓶とを用いて減圧濾過することにより、バッキーペーパー膜を得た。得られた膜を50℃で30分間、120℃で30分間乾燥後、0.3cm角以下のサイズにカットして次工程のCNT分散組成物の調製に用いた。
次に、ポリスチレン200mg(アルドリッチ社製)を分散溶媒のジクロロベンゼン16mLに溶解させ、上述のとおりカット処理した単層CNT400mgを加えた。この組成物を、ミリングにて分散処理した。得られた分散組成物を自転・公転ミキサー(シンキー社製、あわとり練太郎ARE−310)にて、2000rpmで30秒間混合、2200rpmで30秒間脱泡して、CNT分散組成物を調製した。
(導電膜の作製)
厚さ1.1mm、大きさ40mm×50mmのガラス基板にテフロン(登録商標)製の枠1枚(厚さ0.2μm)を貼り付け、その枠内に得られたCNT分散組成物を塗布した。100℃で30分間、200℃で150分間乾燥して導電膜を得た。
[比較例6]
CNTの改質処理(焼成)を400℃300分間行ったこと以外は実施例1と同様にして行った。
[比較例7]
CNTの改質処理(焼成)を700℃200分間行ったこと以外は実施例1と同様にして行った。
[評価]
<基板密着性>
下記に示す基板1〜5の各々にテフロン(登録商標)製の枠1枚(厚さ0.2μm)を貼り付け、その枠内に各実施例及び比較例のCNT分散組成物を塗布した。基板上のCNT分散組成物を50℃で30分間、120℃で30分間乾燥することにより、導電膜を有する基板を得た。
なお、各実施例及び比較例につき、各基板種毎に上記導電膜を10枚ずつ作製した。
(基板の種類)
基板1:ポリイミドフィルム(宇部興産製(極性基板))
基板2:ガラス(極性基板)
基板3:テフロン(登録商標)コートされたポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製(非極性基板))
基板4:銅箔(デンカエレクトロン社製(極性基板))
基板5:ポリイミド領域/テフロン(登録商標)コートポリイミド領域を有するフィルム(極性領域及び非極性領域を有するハイブリッド基板)
なお、基板5のポリイミド領域/テフロン(登録商標)コートポリイミド領域を有するフィルムは、ポリイミドとテフロン(登録商標)コートされたポリイミドとの界面を面内に有する基板であり、ガラス基板に、両面テープを介して、ポリイミドフィルム、及びテフロン(登録商標)加工されたポリイミドフィルムを貼り付けて作製した。
(評価方法)
得られた導電膜を用いて、下記の手順により基板密着性の評価を実施した。
まず、エタノール中に、上記導電膜を基板ごと1時間浸漬した。次いで、浸漬後の導電膜を50℃で30分間、更に120℃で150分間乾燥した後、乾燥後の導電膜を観察し、下記評価基準に基づいて基板密着性を評価した。
(評価基準)
「A」:導電膜が基板から剥離せず、基板からの部分的な剥離が全く認められない。
「B」:導電膜が基板から剥離せず、基板から部分的に剥離している箇所がわずかに有る。
「C」:導電膜が基板から剥離せず、基板から部分的に剥離している箇所が多く有る。
「D」:導電膜10枚のうち1〜4枚が基板から剥離した。
「E」:導電膜10枚のうち5枚以上が基板から剥離した。
<導電率(σ)>
熱電特性測定装置MODEL RZ2001i(オザワ科学社製)を用いて、約80℃及び105℃における導電膜の導電率を測定し、内挿により、100℃における導電率を算出した。1実施例(比較例)につき10サンプル測定し、その平均値を用いた。
なお、導電率の評価は、下記に示す式により規格化した値に基づいて実施した。
(導電率(σ))
比較例1を基準比較例とし、下記式より各実施例及び各比較例の各規格化導電率を求めた。評価基準は下記の通りである。結果を第1表に示す。
(規格化導電率)=(各実施例又は各比較例の導電膜の導電率)/(比較例1の導電膜の導電率)
≪評価基準≫
「A」:規格化導電率が1.5以上
「B」:規格化導電率が1.3以上、1.5未満
「C」:規格化導電率が1.1以上、1.3未満
「D」:規格化導電率が0.9以上、1.1未満
「E」:規格化導電率が0.7以上、0.9未満
「F」:規格化導電率が0.7未満
なお、第1表及び第2表中の略語を下記に示す。
「CMC−Na」:カルボキシメチルセルロースナトリウム(水溶性高分子)
「PSS−Na」:ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(水溶性高分子)
「CNF」:セルロースナノファイバー(水溶性高分子)
「HEC」:ヒドロキシエチルセルロース(水溶性高分子)
「PVA」:ポリビニルアルコール(水溶性高分子)
「PVP」:ポリビニルピロリドン(水溶性高分子)
また、実施例1〜20、比較例1〜7の導電膜の形成に用いられた組成物(CNT分散組成物)中における、「特定CNT含量に対する特定絶縁性高分子の含有量」は、第1表及び第2表に記載される「特定CNT含量に対する特定絶縁性高分子の含有量」に相当する。
第1表から、本発明の導電膜は、非極性基板及び極性基板のいずれの基板に対しても高い密着性を示すことが明らかである。また、本発明の導電膜は、導電性にも優れていることが分かる。図2に、本発明(実施例4)の導電膜のSEM画像を示す。
実施例1〜7の対比から、特定絶縁性高分子の含有量が、特定CNTの含有量に対して、20〜100質量%(好ましくは、30〜85質量%)である場合、基板密着性及び導電性がより優れることが確認できた。
実施例8〜12の対比から、特定CNTの酸素原子含有量が、1.0〜3.0atm%の場合、基板密着性及び導電性がより優れることが確認できた。なお、実施例8〜12の結果から、酸素原子含有量が少ないほどG/D比が高い傾向にあることが確認された。
実施例4及び実施例13〜15の対比から、改質処理が焼成処理である場合、基板密着性及び導電性がより優れることが確認できた。
実施例4及び実施例16〜20の対比から、特定絶縁性高分子が、セルロース又はセルロース誘導体である(好ましくは、カルボキシ基又はスルホン酸基の塩を有するセルロース又はセルロース誘導体である)基板密着性及び導電性がより優れることが確認できた。
一方、第1表から、比較例の導電膜は、基板に対する密着性に劣ることが明らかである。また、比較例の導電膜は、導電性にも劣る傾向があることが分かる。
なお、比較例1の導電膜は、SEMによる観察から、特定絶縁性高分子が特定CNTには被覆せず、偏在していることが確認された。これば酸素原子含有量が所定範囲未満であり、CNTと特定絶縁性高分子の相互作用が不十分であったためと考えられる。図3に、比較例1の導電膜のSEM画像を示す。
次に、実施例1〜20、及び比較例1〜7の導電膜を用いて、以下に示す熱伝導性(κ)及び性能指数Zの評価を実施した。
<ゼーベック係数(S)>
熱電特性測定装置MODEL RZ2001i(オザワ科学社製)を用いて、約80℃及び105℃における導電膜のゼーベック係数(絶対温度1K当りの熱起電力)を測定し、内挿により、100℃におけるゼーベック係数を算出した。1実施例(比較例)につき10サンプル測定し、その平均値を用いた。
<熱伝導率(κ)の評価>
以下の式により各実施例及び各比較例の導電膜の熱伝導率(κ)を算出した。なお、熱拡散率、比熱、及び密度についても、導電率及びゼーベック係数と同様に1実施例(比較例)につき10サンプル測定し、その平均値を用いた。
(熱伝導率[W/mK])=(比熱[J/kg・K])×(密度[kg/m3])×(熱拡散率[m2/s])
なお、上記式において、「比熱」はDSC法(示差走査熱量測定法)により測定し、「密度」は質量/体積より測定した。「熱拡散率」は、サーモウェーブアナライザーTA33(株式会社ベテル社製)を用いて測定した。
熱伝導率(κ)の評価は、下記に示す式により規格化した値に基づいて実施した。具体的には、比較例1を基準比較例とし、下記式より各実施例及び各比較例の各規格化熱伝導率(以下、「規格化熱伝導率」ともいう。)を求めた。評価基準は下記の通りである。結果を第2表に示す。
(規格化熱伝導率)=(各実施例又は各比較例の導電膜の熱伝導率)/(比較例1の導電膜の熱伝導率)
≪評価基準≫
「A」:規格化熱伝導率が0.5未満
「B」:規格化熱伝導率が0.5以上、0.7未満
「C」:規格化熱伝導率が0.7以上、0.9未満
「D」:規格化熱伝導率が0.9以上、1.1未満
「E」:規格化熱伝導率が1.1以上
(性能指数Z比の評価)
以下の式により性能指数Zを算出した。
(性能指数Z)=[(導電率)×(ゼーベック係数)]/熱伝導率
なお、導電率、ゼーベック係数、及び熱伝導率としては、上述の各種測定方法により得られた値を用いた。
算出された各実施例及び各比較例の性能指数Zの値を用いて、下記に示す式により規格化性能指数Z比(以下、「Z比」ともいう。)を算出した。具体的には、下記式より各実施例及び各比較例のZ比を求めた。基準比較例には比較例1を用いた。結果を第2表に示す。
(Z比)=(各実施例又は各比較例の熱電変換層の性能指数Z)/(比較例1の熱電変換層の性能指数Z)
≪評価基準≫
「A」:Z比が3.0以上
「B」:Z比が2.2以上、3.0未満
「C」:Z比が1.4以上、2.2未満
「D」:Z比が0.6以上、1.4未満
「E」:Z比が0.6未満
第2表から、本発明の導電膜を熱電変換層とした場合、低い熱伝導性を示し、また、性能指数Zにも優れることが確認された。
実施例1〜7の対比から、特定絶縁性高分子の含有量が、特定CNTの含有量に対して、30〜85質量%である場合、優れた導電率と優れた熱伝導性とを両立し、この結果として、性能指数Zがより優れることが確認できた。
一方、第1表及び第2表から、比較例の導電膜を熱電変換層とした場合、優れた導電率と、優れた熱伝導性とを両立することができず、この結果として、性能指数Zが劣っていることが確認された。
(熱電変換モジュールの製造)
[実施例21]
以下のようにして、実施例21の熱電変換モジュールを作製した。
まず、幅1.6cm×長さ14cmの基板120(ポリイミド基板)に、スクリーン印刷により、銀ペーストを印刷し、銀ペーストの印刷物を120℃で1時間乾燥させて、電極130を16対と配線132を同時に形成した。なお、電極1つ当たりのサイズは、幅3mm×長さ2.5mmである。また、後述する16個の熱電変換層150が直列に接続されるように、1対の電極130間が銀配線により接続される。
次いで、メタルマスク印刷により、実施例4のCNT分散組成物を幅3mm×長さ6mmで印刷して、塗膜を形成した。なお、塗膜は、1対の電極130と接続される位置において、16個形成した。
上記塗膜を50℃で30分間、120℃で30分間乾燥した後、エタノール中に上記塗膜を基板ごと1時間浸漬し、分散剤を除去した。次いで、分散剤除去後の塗膜を50℃で30分間、120℃で150分間乾燥することにより、熱電変換層150を16個有する熱電変換モジュール200を得た。
[比較例8]
比較例1のCNT分散組成物を用いた以外は実施例21と同様に行い、熱電変換モジュールを得た。
(熱電変換モジュールの評価)
図5は、実施例における熱電変換モジュールの評価方法を説明するための図である。図5に示すように、熱電変換モジュール200の発電層側をアラミドフィルム310により保護した。そして、熱電変換モジュール200の下部をホットプレート330上に設置した銅プレート320で挟みこんで固定することにより、熱電変換モジュール200の下部を効率的に加熱できるようにした。
次いで、熱電変換モジュール200の両端における取り出し電極(図示せず)にソースメーター(ケースレーインスツルメンツ社製)の端子(図示せず)を取り付け、ホットプレート330の温度を100℃で一定に保って、熱電変換モジュール200に温度差を付与した。
電流−電圧特性を測定し、短絡電流及び開放電圧を測定した。測定結果から、「(出力)=[(電流)×(電圧)/4]」によって出力を算出した。その結果、出力は実施例21>比較例8となり、実施例21の熱電変換層の性能を支持する結果が得られた。
11、17 金属板
12 第1の基材
13 第1の電極
14 熱電変換層
15 第2の電極
16 第2の基材
120 基板
130 電極
132 配線
150 熱電変換層
200 熱電変換モジュール
310 アラミドフィルム
320 銅プレート
330 ホットプレート

Claims (9)

  1. 単層カーボンナノチューブと、極性基を有する絶縁性高分子と、を含む導電膜であり、
    前記単層カーボンナノチューブの酸素原子含有量が、0.5〜5.0atm%であり、
    前記絶縁性高分子の含有量が、前記単層カーボンナノチューブの含有量に対して、10〜100質量%であり、
    前記単層カーボンナノチューブの含有量が、導電膜中の全質量に対して50〜90質量%である、導電膜。
  2. 前記単層カーボンナノチューブのG/D比が30以上である、請求項1に記載の導電膜。
  3. 前記絶縁性高分子が水溶性高分子である、請求項1又はに記載の導電膜。
  4. 前記水溶性高分子が多糖類である、請求項に記載の導電膜。
  5. 前記多糖類がセルロース又はその誘導体である、請求項に記載の導電膜。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電膜を含む、熱電変換層。
  7. 請求項に記載の熱電変換層を備える、熱電変換素子。
  8. 請求項に記載の熱電変換素子を複数個備えた、熱電変換モジュール。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法であり、
    酸素原子含有量が0.5〜5.0atm%となるように単層カーボンナノチューブを改質処理する工程と、
    前記改質処理により酸素原子含有量が調整された単層カーボンナノチューブと、極性基を有する絶縁性高分子とを含み、前記絶縁性高分子の含有量が、前記単層カーボンナノチューブの含有量に対して、10〜100質量%である組成物を得る工程と、
    前記組成物を用いて基板上に導電膜を形成する工程と、を有する、導電膜の製造方法。
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