JP6535106B2 - 熱電変換層、熱電変換素子および熱電変換層形成用組成物 - Google Patents

熱電変換層、熱電変換素子および熱電変換層形成用組成物 Download PDF

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Description

本発明は、熱電変換層、熱電変換素子および熱電変換層形成用組成物に関する。
熱エネルギーと電気エネルギーを相互に変換することができる熱電変換材料が、熱によって発電する発電素子やペルチェ素子のような熱電変換素子に用いられている。熱電変換素子は、熱エネルギーを直接電力に変換することができ、可動部を必要とせず、例えば、体温で作動する腕時計や僻地用電源、宇宙用電源等に用いられている。
熱電変換材料には、大きく分けて、p型熱電変換材料とn型電変換材料の2種類があり、このうちn型熱電変換材料としては、一般的に、ニッケル等の無機材料が知られている。しかしながら、無機材料は材料自体が高価であったり、有害物質を含んでいたり、さらに、熱電変換素子への加工工程が複雑である等の問題を有している。
そこで、近年、カーボンナノチューブ(以後、「CNT」とも称する)に代表される炭素材料を用いる技術が提案されており、例えば、非特許文献1においては、カーボンナノチューブにn型化ドーパントを添加して、n型熱電変換材料を提供する態様が開示されている。
Scientific Reports 2013, 3, 3344-1-7.
一方、近年、熱電変換素子が使用される機器の性能向上のために、熱電変換素子の熱電変換性能のより一層の向上が求められている。
このようななか、本発明者らは、非特許文献1の記載をもとにCNTにドーパントとしてトリフェニルホスフィンを添加したn型熱電変換材料を作製し、得られたn型熱電変換材料を用いて熱電変換層を作製したところ、昨今要求されている熱電変換性能(特にパワーファクター(以下、「PF」とも言う)、熱伝導率)を必ずしも満たさないことが明らかになった。また、高温環境下で長時間曝した場合にゼーベック係数などの熱電変換性能が低下し、性能安定性が不十分となる場合があることが明らかになった。
本発明は、上記実情に鑑みて、パワーファクターが高く、熱伝導率が低く、かつ、高温経時下での性能安定性に優れたn型特性を示す熱電変換層、この熱電変換層をn型熱電変換層として有する熱電変換素子、および、上記熱電変換層の形成に用いられる熱電変換層形成用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、水素結合性樹脂を使用することにより、上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) カーボンナノチューブ含有n型熱電変換材料と、水素結合性樹脂と、を含有する熱電変換層。
(2) 上記カーボンナノチューブ含有n型熱電変換材料が、カーボンナノチューブと、少なくとも1種のn型化ドーパントと、を含有する、(1)に記載の熱電変換層。
(3) 上記カーボンナノチューブ含有n型熱電変換材料中、上記n型化ドーパントの含有量が、上記カーボンナノチューブの含有量に対して7〜200質量%である、(2)に記載の熱電変換層。
(4) 上記水素結合性樹脂の含有量が、上記カーボンナノチューブの含有量に対して2〜80質量%である、(2)または(3)に記載の熱電変換層。
(5) 上記n型化ドーパントが、ポリオキシアルキレン系化合物、アミン系化合物、および、ホスフィン系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、(2)〜(4)のいずれかに記載の熱電変換層。
(6) 上記水素結合性樹脂が多糖類である、(1)〜(5)のいずれかに記載の熱電変換層。
(7) 上記水素結合性樹脂が、カルボキシル基またはその塩を有する、(6)に記載の熱電変換層。
(8) 上記水素結合性樹脂がセルロース誘導体である、(7)に記載の熱電変換層。
(9) 上記n型化ドーパントがポリオキシアルキレン系化合物である、(2)〜(8)のいずれかに記載の熱電変換層。
(10) (1)〜(9)のいずれかに記載の熱電変換層をn型熱電変換層として備えた、熱電変換素子。
(11) さらに、上記n型熱電変換層と電気的に接続されたp型熱電変換層を備え、
上記p型熱電変換層が、カーボンナノチューブを含有する、(10)に記載の熱電変換素子。
(12) カーボンナノチューブ含有n型熱電変換材料と、水素結合性樹脂と、を含有する熱電変換層形成用組成物。
(13) 上記カーボンナノチューブ含有n型熱電変換材料が、カーボンナノチューブと、少なくとも1種のn型化ドーパントと、を含有する、(12)に記載の熱電変換層形成用組成物。
(14) 上記カーボンナノチューブ含有n型熱電変換材料中、上記n型化ドーパントの含有量が、上記カーボンナノチューブの含有量に対して7〜200質量%である、(13)に記載の熱電変換層形成用組成物。
(15) 上記水素結合性樹脂の含有量が、上記カーボンナノチューブの含有量に対して2〜80質量%である、(13)または(14)に記載の熱電変換層形成用組成物。
(16) 上記n型化ドーパントが、ポリオキシアルキレン系化合物、アミン系化合物、および、ホスフィン系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、(13)〜(15)のいずれかに記載の熱電変換層形成用組成物。
(17) 上記水素結合性樹脂が多糖類である、(12)〜(16)のいずれかに記載の熱電変換層形成用組成物。
(18) 上記水素結合性樹脂が、カルボキシル基またはその塩を有する、(17)に記載の熱電変換層形成用組成物。
(19) 上記水素結合性樹脂がセルロース誘導体である、(18)に記載の熱電変換層形成用組成物。
(20) 上記n型化ドーパントがポリオキシアルキレン系化合物である、(13)〜(19)のいずれかに記載の熱電変換層形成用組成物。
本発明によれば、パワーファクターが高く、熱伝導率が低く、かつ、高温経時下での性能安定性に優れたn型特性を示す熱電変換層、この熱電変換層をn型熱電変換層として有する熱電変換素子、および、上記熱電変換層の形成に用いられる熱電変換層形成用組成物を提供することができる。
本発明の熱電変換素子の第1実施態様の断面図である。 本発明の熱電変換素子の第2実施態様の断面図である。 本発明の熱電変換素子の第3実施態様の概念図(上面図)である。 本発明の熱電変換素子の第3実施態様の概念図(正面図)である。 本発明の熱電変換素子の第3実施態様の概念図(底面図)である。 本発明の熱電変換素子の第4実施態様の概念図である。 本発明の熱電変換素子の第5実施態様の概念図である。
以下に、本発明の熱電変換層、熱電変換素子および熱電変換層形成用組成物について説明する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレートおよびメタクリレートの双方またはいずれかを表すものであり、これらの混合物をも包含するものである。
また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[熱電変換層]
まず、本発明の熱電変換層の特徴点について説明する。
本発明の熱電変換層の特徴点は、カーボンナノチューブ(CNT)含有n型熱電変換材料と、水素結合性樹脂とを含有する点にある。
熱電変換層中において、CNTは大気に晒されると、大気中の酸素をドーパントとしてp型化し、ホールを生成する。この結果、CNTをn型熱電変換材料として用いる場合においては、CNTにn型化ドーパントを添加することで生じる電子が上述のホールによりトラップされ、パワーファクターが低下してしまうと考えられる。
一方、発明者らは、熱電変換層においてCNT同士が近い距離で存在するほど(言い換えると、複数のCNT間の距離が近いほど)、熱電変換層の熱伝導率が高まり、結果として熱電変換効率が低下してしまうことを知見している。
本発明者らは、熱電変換層に水素結合性樹脂を含有することで上記の問題が解決できることを知見するに至った。このような樹脂を使用することにより所望の効果が得られる理由の詳細は不明だが、以下のように推測される。
熱電変換層において、水素結合性樹脂は、樹脂中に含まれる水素結合性官能基により弱いネットワークを形成することで、CNTのp型化ドーパントである酸素の系中への侵入を遮断していると考えられる。つまり、水素結合性樹脂の存在により、CNTが酸素によってp型化されにくくなり、CNTをn型熱電変換材料として用いる場合にドーピングによって生じた電子がトラップされて失活することが抑制される。この結果、n型性能に優れ、パワーファクターの高い熱電変換層とすることができる。
一方で、熱電変換層において、水素結合性樹脂はバインダーとしてCNT同士の距離を広げる機能も有する。このため、得られる熱電変換層は熱伝導率が低く、熱電変換効率に優れたものとなる。特に、水素結合性樹脂としてセルロース誘導体を用いた場合に、パワーファクターがより高く、熱伝導性がより低い熱電変換層を得ることができる。
更に、本発明の熱電変換層は、高温経時での性能安定性にも優れることが確認されている。
後述するように、CNT含有n型熱電変換材料は、CNTとn型化ドーパントとを含有する構成であってもよい。一般的に、高温経時下では上記のn型化ドーパント(例えば、特に、アミン系化合物、ホスフィン系化合物)も大気中の酸素で酸化され易い傾向にある。n型化ドーパントが酸化されるとCNTのドーピング効率が低下し、一方で、大気中の酸素によるCNTのp型化が生じやすくなる。この結果、ゼーベック係数が低下(言い換えると、n型性能が低下)してしまう傾向がある。
これに対して、本発明の熱電変換層は水素結合性樹脂を含有することで、CNTのみならず、n型化ドーパントの酸化も抑制され、高温経時下であっても良好な性能安定性を保持することが可能となる。
以下、本発明の熱電変換層に含有される各成分について述べ、その後、本発明の熱電変換層の製造方法について述べる。
〔カーボンナノチューブ含有n型熱電変換材料〕
本発明で用いるカーボンナノチューブ(CNT)含有n型熱電変換材料は、CNTをn型熱電変換材料として機能させたものであればその構成は特に限定されない。
本発明で用いることができるCNT含有n型熱電変換材料としては、例えば、CNTとn型化ドーパントとを混合した材料、および、窒素ドープCNT等が挙げられる。窒素ドープCNTとは、CNTを化学気相成長法(chemical vapor deposition、以下「CVD」法ともいう)によって合成する際に窒素源を共存させることで、CNT中に窒素をドーピングした材料である。
以下、CNTおよびn型化ドーパントの各成分についてそれぞれ詳述する。
<カーボンナノチューブ>
カーボンナノチューブ(CNT)は、1枚の炭素膜(グラフェンシート)が円筒状に巻かれた単層CNT、2枚のグラフェンシートが同心円状に巻かれた2層CNT、および、複数のグラフェンシートが同心円状に巻かれた多層CNTがある。本発明においては、単層CNT、2層CNT、多層CNTを各々単独で用いてもよく、2種以上を併せて用いてもよい。特に、導電性および半導体特性において優れた性質を持つ単層CNTおよび2層CNTを用いることが好ましく、単層CNTを用いることがより好ましい。
単層CNTは、半導体性のものであっても、金属性のものであってもよく、両者を併せて用いてもよい。また、CNTには金属等が内包されていてもよく、フラーレン等の分子が内包されたもの(特にフラーレンを内包したものをピーポッドという)を用いてもよい。
CNTはアーク放電法、CVD法、レーザー・アブレーション法等によって製造することができる。本発明に用いられるCNTは、いずれの方法によって得られたものであってもよいが、好ましくはアーク放電法およびCVD法により得られたものである。
CNTを製造する際には、同時にフラーレンやグラファイト、非晶性炭素が副生成物として生じることがある。これら副生成物を除去するために精製してもよい。CNTの精製方法は特に限定されないが、洗浄、遠心分離、ろ過、酸化、クロマトグラフ等の方法が挙げられる。その他に、硝酸、硫酸等による酸処理、超音波処理も不純物の除去には有効である。併せて、フィルターによる分離除去を行うことも、純度を向上させる観点からより好ましい。
精製の後、得られたCNTをそのまま用いることもできる。また、CNTは一般に紐状で生成されるため、用途に応じて所望の長さにカットして用いてもよい。CNTは、硝酸、硫酸等による酸処理、超音波処理、凍結粉砕法等により短繊維状にカットすることができる。また、併せてフィルターによる分離を行うことも、純度を向上させる観点から好ましい。
本発明においては、カットしたCNTだけではなく、あらかじめ短繊維状に作製したCNTも同様に使用できる。
CNTの平均長さは特に限定されないが、製造容易性、成膜性、導電性等の観点から、0.01〜1000μmであることが好ましく、0.1〜100μmであることがより好ましい。
単層CNTの直径は、特に限定されないが、耐久性、成膜性、導電性、熱電性能等の観点から、0.5nm以上4.0nm以下が好ましく、より好ましくは0.6nm以上3.0nm以下、さらに好ましくは0.7nm以上2.0nm以下である。CNTの70%以上の直径分布(以下、「70%以上の直径分布」を単に「直径分布」とも言う)が、3.0nm以内であることが好ましく、2.0nm以内であることがより好ましく、1.0nm以内であることがより好ましく、0.7nm以内であることが特に好ましい。
直径、直径分布は後述する方法で測定できる。
使用されるCNTには、欠陥のあるCNTが含まれていることがある。このようなCNTの欠陥は、熱電変換層用分散物などの導電性を低下させるため、低減することが好ましい。CNTの欠陥の量は、ラマンスペクトルのG−バンドとD−バンドの強度比G/D(以下、G/D比という。)で見積もることができる。G/D比が高いほど欠陥の量が少ないCNT材料であると推定できる。特に、単層CNTを用いる場合には、G/D比が10以上であることが好ましく、30以上であることがより好ましい。
[単層CNTの直径、直径分布の算出]
本明細書中、単層CNTの直径は下記の方法により評価した。すなわち、単層CNTの532nm励起光でのラマンスペクトルを測定し(励起波長532nm)、ラジアルブリージング(RBM)モードのシフトω(RBM)(cm−1)より、下記算出式を用いて算出した。最大ピークより算出した値をCNTの直径とした。直径分布は各ピークトップの分布から求めた。
算出式:直径(nm)=248/ω(RBM)
熱電変換性能の観点から、熱電変換層中のCNTの含有量は、熱電変換層中の全固形分に対して、5〜95質量%であることが好ましく、30〜90質量%であることがより好ましく、40〜80質量%であることが特に好ましい。
CNTは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記固形分とは、熱電変換層を形成する成分を意図し、溶媒、分散剤は含まれない。
<n型化ドーパント>
n型化ドーパントは、CNTを還元や、電子供与してn型化できるものであれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。
n型化ドーパントとしては、例えば、アンモニア、テトラメチルフェニレンジアミン、ステアリルアミン、トリベンジルアミン等のアミン系化合物、ポリエチレンイミン等のイミン化合物、カリウム等のアルカリ金属、トリフェニルホスフィン、トリオクチルホスフィン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィン)プロパン等のホスフィン系化合物、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム等の金属水素化物、ヒドラジン、コバルトセン、フェロセン、2−(2−メトキシフェニル)−1,3−ジメチル―2,3−ジヒドロ―1H−ベンゾ[d]イミダゾール等の還元性物質や電子供与体化合物等を用いることができる。具体的には、Scientific Reports 3,3344に記載されるような公知の化合物を用いることができる。
また、上述した化合物以外に、ポリオキシアルキレン系化合物も用いることができる。
ポリオキシアルキレン系化合物としては、ポリアルキレンオキシド構造を有している化合物であれば、その構造は特に限定されない。アルキレンオキシドの好ましい例としては、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド、またはこれらの混合物等を挙げることができる。
本発明で用いることができるポリオキシアルキレン系化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール型の高級アルコールエチレンオキサイド付加物、フェノールやナフトール等のエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー等が挙げられる。なかでも、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、 高級アルコールエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物を好ましく用いることができ、高級アルコールエチレンオキサイド付加物が特に好ましい。
本発明で用いることができるポリオキシアルキレン系化合物としては、例えば、以下の化合物が例示される。但し、ポリオキシアルキレン基単位の数は下記具体例に限定されず、任意の整数をとることができる。
n型化ドーパントは、上記の中でも、より高いパワーファクターおよびより優れた高温経時下での性能安定性を得る観点から、ポリオキシアルキレン系化合物、アミン系化合物、およびホスフィン系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、ポリオキシアルキレン系化合物であることがより好ましい。
CNT含有n型熱電変換材料中、n型化ドーパントの含有量は、CNTの含有量に対して7〜200質量%であることが好ましい。熱電変換性能(特にパワーファクター)をより高くする観点から、n型化ドーパントの含有量は、CNTの含有量に対して12〜150質量%であることがより好ましく、20〜100質量%であることが特に好ましい。
n型化ドーパントとCNTとを混合してCNT含有n型熱電変換材料を調製する方法は特に限定されず、公知の方法により行うことができる。
〔水素結合性樹脂〕
本発明で用いることができる水素結合性樹脂は、水素結合性を有する官能基(以下、「水素結合性官能基」ともいう)を有する樹脂を意味し、その構造は特に限定されない。
水素結合性官能基としては、例えば、OH基、NH基、NHR基(Rは、芳香族または脂肪族炭化水素を表す)、COOH基、CONH基、NHOH基、SO3H基(スルホン酸基)、−OP(=O)OH2基(リン酸基)等や、−NHCO−、−NH−、−CONHCO−、−NH−NH−、−C(=O)−(カルボニル基)、−ROR−(エーテル基:Rは、それぞれ独立に、2価の芳香族炭化水素または2価の脂肪族炭化水素を表す。ただし、2つのRは同一であっても異なっていてもよい。)等を有する基が挙げられる。
水素結合性官能基を有する樹脂としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、キサンタンガム、グァーガム、ヒドロキシエチルグァーガム、カルボキシメチルグァーガム、トラガントガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、プルラン、マンナン、グルコマンナン、デンプン、カードラン、カラギーナン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、デキストラン、ケラト硫酸、サクシノグルカン、カロニン酸、アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコール、マクロゴール、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、ゼラチン、寒天、カードラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリロニトリル、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、ナイロン、ポリエチレンテレフタラート、澱粉、化工澱粉、ベントナイト、キシラン等が挙げられる。
また、水素結合性官能基がカルボキシル基等の酸性基である場合には、その一部もしくは全てがナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等の塩になっていてもよい。
上記のなかでも、より高いパワーファクターおよびより優れた高温経時下での性能安定性を得る観点から、水素結合性樹脂は多糖類であることが好ましく、カルボキシル基またはその塩を有する多糖類であることがより好ましく、ゼーベック係数等の熱電変換性能のその他の性能をより向上させる観点から、セルロース誘導体であることが特に好ましい。
水素結合性樹脂の重量平均分子量は特に限定されないが、分散安定性の観点から、重量平均分子量は1000〜120万であることが好ましく、1000〜80万であることがより好ましい。水素結合性樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて確認できる。
GPC測定方法としてはより具体的には、対象物を100mM硝酸ナトリウム水溶液に溶解させ、高速GPC装置(例えば、HLC−8220GPC(東ソー株式会社製))を用いて、ポリエチレンオキサイド換算で算出する事ができる。なお、GPC測定の条件は以下の通りである。
カラム:東ソー社製 TSKGEL G5000PWXL
TSKGEL G4000PWXL
TSKGEL G2500PWXL
カラム温度:40℃
流速:1mL/min
溶離液:100mM硝酸ナトリウム水溶液
熱電変換層中、水素結合性樹脂の含有量は、CNTの含有量に対して2〜80質量%であることが好ましい。水素結合性樹脂の含有量を上述の範囲とすることで、パワーファクターがより高く、熱伝導性がより低く、更に高温経時下での性能安定性により優れた熱電変換層とすることができる。
熱電変換層中、水素結合性樹脂の含有量は、CNTの含有量に対して7〜70質量%であることがより好ましく、12〜70質量%であることが更により好ましく、12〜50質量%であることが特に好ましく、13〜50質量%であることが最も好ましい。
熱電変換層中、上述の水素結合性樹脂とn型化ドーパントの配合比(水素結合性樹脂/n型化ドーパント)は、質量比で1/80〜10/1であることが好ましく、1/20〜5/1であることがより好ましく、1/8〜2/1であることが更に好ましく、1/4〜2/1であることが特に好ましい。
〔任意成分〕
本発明の熱電変換層には、上述したCNT含有n型熱電変換材料および水素結合性樹脂以外の他の成分(分散媒、高分子化合物、界面活性剤、酸化防止剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、可塑剤など)が含まれていてもよい。各成分の定義、具体例および好適な態様は、それぞれ、後述する熱電変換層形成用組成物に含有される各成分と同じである。
〔熱電変換層の製造方法〕
熱電変換層を製造する方法は特に制限されないが、例えば、以下に示す第1の好適な態様や第2の好適な態様などが挙げられる。
<第1の好適な態様>
熱電変換層の製造方法の第1の好適な態様は、CNT含有n型熱電変換材料と、水素結合性樹脂とを含有する熱電変換層形成用組成物を用いる方法である。
まず、組成物について述べ、その後、製造方法について述べる。
(熱電変換層形成用組成物)
上述のとおり、熱電変換層形成用組成物は、CNT含有n型熱電変換材料と、水素結合性樹脂とを含有する。
まず、組成物中に含有される各成分について述べ、その後、組成物の調製方法について述べる。
なお、以下に示す第1の好適な態様においては、CNTとn型化ドーパントとを含有するCNT含有n型熱電変換材料を用いた例を示すが、勿論、窒素ドープCNTを用いた場合にも同様の方法で熱電変換層を形成することができる。
(1)カーボンナノチューブ(CNT)
CNTの定義、具体例および好適な態様については上述のとおりである。熱電変換層形成用組成物中のカーボンナノチューブの含有量は特に制限されないが、組成物全量に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
(2)n型化ドーパント
n型化ドーパントについては、定義、具体例および好適な態様については上述のとおりである。熱電変換層形成用組成物中のn型化ドーパントの含有量は特に制限されないが、組成物全量に対して、0.05〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。
(3)水素結合性樹脂
水素結合性樹脂については、定義、具体例および好適な態様については上述のとおりである。熱電変換層形成用組成物中の水素結合性樹脂の含有量は特に制限されないが、組成物全量に対して、0.05〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがより好ましい。
組成物中、上述の水素結合性樹脂とn型化ドーパントの配合比(水素結合性樹脂/n型化ドーパント)は、質量比で1/80〜10/1であることが好ましく、1/20〜5/1であることがより好ましく、1/8〜2/1であることが更に好ましく、1/4〜2/1であることが特に好ましい。
(4)分散媒
熱電変換層形成用組成物は、CNT、水素結合性樹脂の他に分散媒を含有するのが好ましい。
分散媒(溶媒)は、CNTを分散できればよく、水、有機溶媒およびこれらの混合溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、クロロホルム等の脂肪族ハロゲン系溶媒、DMF(ジメチルホルムアミド)、NMP(N−メチルピロリドン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)等の非プロトン性の極性溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、テトラメチルベンゼン、ピリジン等の芳香族系溶媒、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケントン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、THF(テトラヒドロフラン)、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジグライム等のエーテル系溶媒等が挙げられる。
分散媒は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
また、分散媒は、あらかじめ脱気しておくことが好ましい。分散媒中における溶存酸素濃度を、10ppm以下とすることが好ましい。脱気の方法としては、減圧下超音波を照射する方法、アルゴン等の不活性ガスをバブリングする方法等が挙げられる。
さらに、分散媒として水以外を使用する場合は、あらかじめ脱水しておくことが好ましい。分散媒中における水分量を、1000ppm以下とすることが好ましく、100ppm以下とすることがより好ましい。分散媒の脱水方法としては、モレキュラーシーブを用いる方法、蒸留等、公知の方法を用いることができる。
熱電変換層形成用組成物中の分散媒の含有量は、組成物全量に対して、25〜99.99質量%であることが好ましく、30〜99.95質量%であることがより好ましく、30〜99.9質量%であることがさらに好ましい。
なかでも、分散媒としては、CNTの分散性がより優れ、熱電変換層の特性(導電率および熱起電力)がより向上する点で、水、または、ClogP値が3.0以下のアルコール系溶媒が好適に挙げられる。なお、ClogP値とは、後述の方法により算出することができる。
アルコール系溶媒とは、−OH基(ヒドロキシ基)を含む溶媒を意図する。
上記アルコール系溶媒はClogP値が3.0以下を示すが、CNTの分散性がより優れ、熱電変換素子の特性がより向上する点で、1.0以下が好ましい。下限は特に制限されないが、上記効果の点で、−3.0以上が好ましく、−2.0以上がより好ましく、−1.0以上がさらに好ましい。
(ClogP値)
まず、logP値とは、分配係数P(Partition Coefficient)の常用対数を意味し、ある化合物が油(ここではn−オクタノール)と水の2相系の平衡でどのように分配されるかを定量的な数値として表す物性値であり、数字が大きいほど疎水性の化合物であることを示し、数字が小さいほど親水性の化合物であることを示すため、化合物の親疎水性を表す指標として用いることができる。
logP=log(Coil/Cwater)
Coil=油相中のモル濃度
Cwater=水相中のモル濃度
一般に、logP値は、n−オクタノールと水を用いて実測により求めることもできるが、本発明においては、logP値推算プログラムを使用して求められる分配係数(ClogP値)(計算値)を使用する。具体的には、本明細書においては、“ChemBioDraw ultra ver.12”から求められるClogP値を使用する。
(5)その他の成分
上述した成分の他、高分子化合物、界面活性剤、酸化防止剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、可塑剤などが含まれていてもよい。
高分子化合物としては、共役高分子および非共役高分子が挙げられる。
界面活性剤としては、公知の界面活性剤(カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤など)が挙げられる。なかでも、アニオン性界面活性剤が好ましく、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウムがより好ましい。
酸化防止剤としては、イルガノックス1010(日本チガバイギー製)、スミライザーGA−80(住友化学工業(株)製)、スミライザーGS(住友化学工業(株)製)、スミライザーGM(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
耐光安定剤としては、TINUVIN 234(BASF製)、CHIMASSORB 81(BASF製)、サイアソーブUV−3853(サンケミカル製)等が挙げられる。
耐熱安定剤としては、IRGANOX 1726(BASF製)が挙げられる。
可塑剤としては、アデカサイザーRS(アデカ製)等が挙げられる。
上記分散媒以外のその他の成分の含有率は、組成物全量に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
(熱電変換層形成用組成物の調製方法)
熱電変換層形成用組成物は、上記の各成分を混合して調製することができる。好ましくは、分散媒、CNT含有n型熱電変換材料としてのCNTおよびn型化ドーパント、水素結合性樹脂、所望により他の成分を混合して、CNTを分散させて調製する。
なお、第1の好適な態様における調製では、上述のとおりCNT含有n型熱電変換材料の構成成分であるCNTとn型化ドーパントとをそれぞれ別途に添加した例を示したが、勿論、CNT含有n型熱電変換材料としてあらかじめCNTとn型化ドーパントとを混在させたものを組成物中に導入する形態であってもよい。
組成物の調製方法に特に制限はなく、通常の混合装置等を用いて常温常圧下で行うことができる。例えば、各成分を溶媒中で撹拌、振とう、混練して溶解または分散させて調製すればよい。溶解や分散を促進するため超音波処理を行ってもよい。
また、上記分散工程において溶媒を室温以上沸点以下の温度まで加熱する、分散時間を延ばす、または撹拌、浸とう、混練、超音波等の印加強度を上げる等によって、カーボンナノチューブの分散性を高めることができる。
(製造方法)
熱電変換層形成用組成物を用いて熱電変換層を製造する方法は特に制限されないが、例えば、基材上に上記組成物を塗布し、成膜する方法などが挙げられる。
成膜方法は特に限定されず、例えば、スピンコート法、エクストルージョンダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、ステンシル印刷法、メタルマスク印刷法、ロールコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、インクジェット法など、公知の塗布方法を用いることができる。
また、塗布後は、必要に応じて乾燥工程を行う。例えば、熱風を吹き付けることにより溶媒を揮発、乾燥させることができる。
<第2の好適な態様>
熱電変換層の製造方法の第2の好適な態様は、CNTおよび水素結合性樹脂を含有する熱電変換層前駆体形成用組成物を用いて熱電変換層前駆体を作製した後に、上述したn型化ドーパントを熱電変換層前駆体に付与してCNT含有n型熱電変換材料を構成させ、かつ、CNTをドープn型化する方法である。
まず、組成物について述べ、その後、製造方法について述べる。
(熱電変換層前駆体形成用組成物)
上述のとおり、熱電変換層前駆体形成用組成物は、CNTおよび水素結合性樹脂を含有する。CNTおよび水素結合性樹脂の定義、具体例および好適な態様については上述のとおりである。組成物中のCNTおよび水素結合性樹脂の含有量の好適な態様は上述した第1の好適な態様と同じである。
熱電変換層前駆体形成用組成物は、CNTおよび水素結合性樹脂の他に分散媒を含有するのが好ましい。分散媒の具体例および好適な態様は上述した第1の好適な態様と同じである。
熱電変換層前駆体形成用組成物は、さらに、その他の成分を含有してもよい。その他の成分の具体例および好適な態様は上述した第1の好適な態様と同じである。
(製造方法)
熱電変換層前駆体形成用組成物を用いて熱電変換層前駆体を製造する方法は特に制限されず、その具体例および好適な態様は、上述した第1の好適な態様の熱電変換層の製造方法と同じである。
第2の好適な態様では、熱電変換層前駆体を作製した後に、上述したn型化ドーパントを用いてCNTをドープn型化する。このようにして、熱電変換層が得られる。
ドープn型化は、n型化ドーパントを用いた方法であれば特に制限されないが、例えば、熱電変換層前駆体を、上述したn型化ドーパントを溶媒に溶解させた溶液に浸漬する方法などが挙げられる。溶媒の具体例は上述した分散媒と同じである。
ドープn型化の後に、必要に応じて乾燥工程を行う。例えば、熱風を吹き付けることにより溶媒を揮発、乾燥させることができる。
〔厚み〕
本発明の熱電変換層の平均厚さは、温度差を付与する観点等から、1〜500μmであることが好ましく、2〜300μmであることがより好ましく、3〜200μmであることが更に好ましく、5〜100μmであることが特に好ましい。
なお、熱電変換層の平均厚さは、任意の10点における熱電変換層の厚みを測定し、それらを算術平均して求める。
[熱電変換素子]
本発明の熱電変換素子は、上述した本発明の熱電変換層を備えていれば、その構成は特に制限されない。本発明の熱電変換素子は、上述した本発明の熱電変換層をn型熱電変換層として備えていることが好ましい。
以下に、本発明の熱電変換層をn型熱電変換層として適用した本発明の熱電変換素子について、その各好適態様を詳述する。
なお、以下の説明においては、本発明の熱電変換層を単に「n型熱電変換層」と称する。
本発明の熱電変換素子は、熱電変換層が上述したn型熱電変換層のみからなるものでもよいし、さらに上記n型熱電変換層と電気的に接続されたp型熱電変換層(好ましくは、CNTを含有するp型熱電変換層)を備えるものでもよい。n型熱電変換層とp型熱電変換層とは両者が電気的に接続されていれば、直接両者が接していても、導体(例えば、電極)が間に配置されていてもよい。
〔第1実施態様〕
図1に、本発明の熱電変換素子の第1実施態様の断面図を示す。
図1に示す熱電変換素子110は、第1の基材12上に、第1の電極13および第2の電極15を含む一対の電極と、第1の電極13および第2の電極15間に、CNT含有n型熱電変換材料と水素結合性樹脂とを含有するn型熱電変換層14を備えている。第2の電極15の他方の表面には第2の基材16が配設されており、第1の基材12および第2の基材16の外側には互いに対向して金属板11および17が配設されている。
〔第2実施態様〕
図2に、本発明の熱電変換素子の第2実施態様の断面図を示す。
図2に示す熱電変換素子120は、第1の基材22上に、第1の電極23および第2の電極25が配置され、その上にCNT含有n型熱電変換材料と水素結合性樹脂とを含有するn型熱電変換層24が設けられている。また、n型熱電変換層24の他方の表面には第2の基材26が設けられている。
〔第3実施態様〕
図3A〜図3Cに、本発明の熱電変換素子の第3実施態様を概念的に示す。なお、図3Aは上面図(図3Bを紙面上方から見た図)、図3Bは正面図(後述する基板等の面方向から見た図)、図3Cは底面図(図3Bを紙面下方から見た図)である。
図3A〜図3Cに示すように、熱電変換素子130は、基本的に、第1基板32と、CNT含有n型熱電変換材料と水素結合性樹脂とを含有するn型熱電変換層34と、第2基板30と、第1の電極36および第2の電極38とを有して構成される。
具体的には、第1基板32の表面には、n型熱電変換層34が形成される。また、第1基板32の表面には、n型熱電変換層34を第1基板32の基板面方向(以下、単に『面方向』とも言う。言い換えれば、第1基板32および第2基板30を積層する方向とは直交する方向。)に挟むようにして、n型熱電変換層34に接触して第1の電極36および第2の電極38(電極対)が形成される。
また、図3A〜図3Cにおいては図示しないが、第1基板32とn型熱電変換層34との間、または、第2基板30とn型熱電変換層34との間において、粘着層が配置されていてもよい。
図3A〜図3Cに示すように、第1基板32は、低熱伝導部32a、および、低熱伝導部32aよりも熱伝導率が高い高熱伝導部32bを有する。同様に、第2基板30も、低熱伝導部30a、および、低熱伝導部30aよりも熱伝導率が高い高熱伝導部30bを有する。
熱電変換素子130において、両基板は、互いの高熱伝導部が、第1の電極36と第2の電極38との離間方向(すなわち通電方向)に異なる位置となるように配置される。
熱電変換素子130は、好ましい態様として、粘着層で貼着される第2基板30を有し、さらに、第1基板32および第2基板30が、共に、低熱伝導部および高熱伝導部を有する。熱電変換素子130は、高熱伝導部および低熱伝導部を有する基板を2枚用い、両基板の高熱伝導部を面方向に異なる位置として、この2枚の基板で熱電変換層を挟持してなる構成を有する。
すなわち、熱電変換素子130は、熱電変換層の面方向に温度差を生じさせて熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換素子(以下、in plane型の熱電変換素子とも言う)であって、図示例においては、低熱伝導部と低熱伝導部よりも熱伝導率が高い高熱伝導部とを有する基板を用いることにより、n型熱電変換層34の面方向に温度差を生じさせて、熱エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
〔第4実施態様〕
図4に、熱電変換素子の第4実施態様を概念的に示す。
図4に示す熱電変換素子140は、p型熱電変換層(p型熱電変換部)41とn型熱電変換層(n型熱電変換部)42とを有しており、両者は並列に配置されている。n型熱電変換層42は、CNT含有n型熱電変換材料と水素結合性樹脂とを含有するn型熱電変換層である。p型熱電変換層41およびn型熱電変換層42の構成については、後段で詳述する。
p型熱電変換層41の上端部は第1の電極45Aに、また、n型熱電変換層42の上端部は第3の電極45Bにそれぞれ電気的および機械的に接続されている。第1の電極45Aおよび第3の電極45Bの外側には、上側基材46が配置されている。p型熱電変換層41およびn型熱電変換層42の下端部は、それぞれ下側基材43に支持された第2の電極44に電気的および機械的に接続されている。このように、p型熱電変換層41およびn型熱電変換層42は第1の電極45A、第2の電極44、および第3の電極45Bにより直列接続されている。つまり、p型熱電変換層41およびn型熱電変換層42は、第2の電極44を介して、電気的に接続されている。
熱電変換素子140は、上側基材46および下側基材43間に温度差(図4中の矢印方向)を与え、例えば、上側基材46側を低温部、下側基材43側を高温部にする。このような温度差を与えた場合、p型熱電変換層41の内部においては正の電荷を持ったホール47が低温部側(上側基材46側)に移動し、第1の電極45Aは第2の電極44より高電位となる。一方、n型熱電変換層42の内部では、負の電荷を持った電子48が低温部側(上側基材46側)に移動し、第2の電極44は第3の電極45Bより高電位となる。その結果、第1の電極45Aと第3の電極45B間に電位差が生じ、例えば電極の終端に負荷を接続すると電力を取り出すことができる。この際、第1の電極45Aは正極、第3の電極45Bは負極となる。
〔第5実施態様〕
なお、熱電変換素子140は、例えば、図5に示すように、複数のp型熱電変換層41、41・・・と複数のn型熱電変換層42、42・・・とを交互に配置し、これらを第1および第3の電極45と第2の電極44とで直列接続することによって、より高い電圧を得ることができる。
図5に示すように、本発明においては、複数の熱電変換素子を電気的に接続させ、いわゆるモジュール(熱電変換モジュール)を構成してもよい。
以下、熱電変換素子を構成する各部材について詳述する。
〔基材〕
熱電変換素子中の基材(第1実施態様の第1の基材12および第2の基材16、第2実施形態の第1の基材22および第2の基材26、第3実施形態の低熱伝導部32a、30a、第4実施形態の上側基材46および下側基材43)は、ガラス、透明セラミックス、プラスチックフィルム等の基材を用いることができる。本発明の熱電変換素子において、基材はフレキシビリティーを有しているのが好ましく、具体的には、ASTM D2176に規定の測定法による耐屈曲回数MITが1万サイクル以上であるフレキシビリティーを有しているのが好ましい。このようなフレキシビリティーを有する基材は、プラスチックフィルムが好ましく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−フタレンジカルボキシレート、ビスフェノールAとイソおよびテレフタル酸のポリエステルフィルム等のポリエステルフィルム、ゼオノアフィルム(商品名、日本ゼオン社製)、アートンフィルム(商品名、JSR社製)、スミライトFS1700(商品名、住友ベークライト社製)等のポリシクロオレフィンフィルム、カプトン(商品名、東レ・デュポン社製)、アピカル(商品名、カネカ社製)、ユーピレックス(商品名、宇部興産社製)、ポミラン(商品名、荒川化学社製)等のポリイミドフィルム、ピュアエース(商品名、帝人化成社製)、エルメック(商品名、カネカ社製)等のポリカーボネートフィルム、スミライトFS1100(商品名、住友ベークライト社製)等のポリエーテルエーテルケトンフィルム、トレリナ(商品名、東レ社製)等のポリフェニルスルフィドフィルム等が挙げられる。入手の容易性、耐熱性(好ましくは100℃以上)、経済性および効果の観点から、市販のポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、各種ポリイミドやポリカーボネートフィルム等が好ましい。
基材の厚さは、取り扱い性、耐久性等の点から、好ましくは5〜3000μm、より好ましくは10〜1000μm、さらに好ましくは12.5〜500μm、特に好ましくは12.5〜100μmである。基材の厚みをこの範囲にすることで、熱伝導率が低下せず、外部衝撃による熱電変換層の損傷も起こりにくい。
〔電極〕
熱電変換素子中の電極を形成する電極材料としては、ITO(Indium−Tin−Oxide)、ZnO等の透明電極材料、銀、銅、金、アルミニウム等の金属電極材料、CNT、グラフェン等の炭素材料、PEDOT(poly(3,4−ethylenedioxythiophene))/PSS(polystyrene sulfonate)等の有機材料、銀、カーボン等の導電性微粒子を分散した導電性ペースト、銀、銅、アルミニウム等の金属ナノワイヤーを含有する導電性ペースト等が使用できる。これらの中でも、アルミニウム、金、銀もしくは銅の金属電極材料、またはこれらの金属を含有する導電性ペーストが好ましい。
〔p型熱電変換層〕
第4実施形態の熱電変換素子が有するp型熱電変換層としては、公知のp型熱電変換層が使用される。p型熱電変換層に含まれる材料としては、公知の材料(例えば、NaCo、CaCo等の複合酸化物、MnSi1.73、Fe1−xMnSi、Si0.8Ge0.2、β−FeSi等のシリサイド、CoSb、FeSb、RFeCoSb12(RはLa、CeまたはYbを示す)等のスクッテルダイト、BiTeSb、PbTeSb、Bi2Te、PbTe等のTeを含有する合金等)、CNTが適宜使用される。
なお、n型熱電変換層の形成方法(製造方法)は、上述した本発明の熱電変換層の製造方法と同様の方法により形成することができ、その具体例についても上述したとおりである。
[熱電発電用物品]
本発明の熱電発電物品は、本発明の熱電変換素子を用いた熱電発電物品である。
ここで、熱電発電物品としては、具体的には、温泉熱発電機、太陽熱発電機、廃熱発電機等の発電機や、腕時計用電源、半導体駆動電源、小型センサー用電源などが挙げられる。
すなわち、上述した本発明の熱電変換素子は、これらの用途に好適に用いることができる。
[熱電変換層形成用組成物]
本発明の熱電変換層形成用組成物の定義、具体例および好適な態様は、上述した熱電変換層形成用組成物と同じである。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1(手法a)〕
<熱電変換層形成用組成物の調製>
まず、単層CNTを前処理した。具体的には、単層CNT(第1表に記載のCNT:C1)500mgとアセトン250mLをメカニカルホモジナイザー(エスエムテー社製、HIGH−FLEX HOMOGENiZER HF93)を用いて、18000rpmで5分間混合して、分散液を得た。この分散液をブフナーろうとと吸引瓶をもちいて減圧濾過することにより、布状のCNT膜(バッキーペーパー)を得た。布状CNTは1cm□以下のサイズにカットして次工程のCNT分散液(熱電変換層形成用組成物)の調製に用いた。
次に、分散剤としてデオキシコール酸ナトリウム(東京化成工業社製)1200mg、水素結合性樹脂としてカルボキシメチルセルロース ナトリウム塩(CMC−Na:アルドリッチ社製、高粘度品)100mg、n型化ドーパントとしてエマルゲン350(花王社製)400mgを、分散溶媒の水16mLに溶解させ、上述のとおり前処理した単層CNT(第1表に記載のCNT:C1)400mgを加えた。この組成物を、メカニカルホモジナイザー(エスエムテー社製、HIGH−FLEX HOMOGENiZER HF93)を用いて、7分間混合して、予備混合物を得た。得られた予備混合物を、薄膜旋回型高速ミキサー「フィルミックス40−40型」(プライミクス社製)を用いて、10℃の恒温層中、周速10m/secで2分間、次いで周速40m/secで5分間、高速旋回薄膜分散法で分散処理した。得られた分散組成物を自転・公転ミキサー(シンキー社製、あわとり錬太郎)にて、2000rpmで30秒間混合、2200rpmで30秒間脱泡して、CNT分散液(熱電変換層形成用組成物)を調製した。
以下、第1表に本実施例で使用したCNT(C1〜C3)を示す。
表中、「直径」および「直径分布」は上述した方法により算出した値を意味し、「GD比」とは、ラマンスペクトルのG−バンドとD−バンドの強度比を意味する。
また、「e−Dips法」とは、改良直噴熱分解合成法(enhanced Direct Injection Pyrolytic Synthesis)を意味する。
なお、実施例32、33において用いたC2、C3についても、上記実施例1と同様の前処理を行っている。
(第1表)
<熱電変換層の製造>
厚さ1.1mm、大きさ40mm×50mmのガラス基板にテフロン(登録商標。以下、同様)製の枠を貼り付け、その枠内に得られた熱電変換層形成用組成物を塗布した。50℃で30分、120℃で30分乾燥後、エタノールに1時間浸漬して分散剤を除去し、50℃で30分、120℃で150分乾燥して膜(熱電変換層)を得た。得られた熱電変換層の厚みは7.1μmであった。
〔実施例2〜29、32〜36および比較例1〜4、6(手法a)〕
CNTの種類、分散剤の種類、溶媒の種類、水素結合性樹脂の種類および添加量、n型化ドーパントの種類、添加量および熱電変換層の厚さを第2表に記載のものに変更した以外は実施例1の調製方法に準じて、実施例2〜29、32〜36および比較例1〜4、6のCNT分散液(熱電変換層形成用組成物)をそれぞれ調製した。次いで、実施例1と同様の方法により膜(熱電変換層)を形成した。実施例34〜36については、テフロン製の枠の厚さを変えることで、熱電変換層の厚さを調整した。
なお、第2表の「水素結合性樹脂」欄に記載した「低粘度CMC−Na」はカルボキシメチルセルロース ナトリウム塩(アルドリッチ社製の低粘度品)であり、「PVA」はポリビニルアルコールであり、「PVP」はポリビニルピロリドンであり、「PAA−Na」はポリアクリル酸ナトリウムである。
また、第2表の「水素結合性樹脂」欄に記載した「PEO20ステアリルエーテル」は、和光純薬社製の高級アルコールエチレンオキサイド付加物であり、「PEO(Mw=1000)」は重量平均分子量1000のポリオキシエチレンである。
〔実施例30(手法b)〕
<CNT分散液の調製>
まず、単層CNTを前処理した。具体的には、単層CNT(第1表に記載のCNT:C1)500mgとアセトン250mLをメカニカルホモジナイザー(エスエムテー社製、HIGH−FLEX HOMOGENiZER HF93)を用いて、18000rpmで5分間混合して、分散液を得た。この分散液をブフナーろうとと吸引瓶をもちいて減圧濾過することにより、布状のCNT膜(バッキーペーパー)を得た。布状CNTは1cm□以下のサイズにカットして次工程のCNT分散液(熱電変換層形成用組成物)の調製に用いた。
分散剤としてデオキシコール酸ナトリウム(東京化成工業社製)1200mg、水素結合性樹脂としてカルボキシメチルセルロース ナトリウム塩(アルドリッチ社製、低粘度品)100mgを、分散溶媒の水16mLに溶解させ、上述のとおり前処理した単層CNT(第1表に記載のCNT:C1)400mgを加えた。この組成物を、メカニカルホモジナイザー(エスエムテー社製、HIGH−FLEX HOMOGENiZER HF93)を用いて、7分間混合して、予備混合物を得た。得られた予備混合物を、薄膜旋回型高速ミキサー「フィルミックス40−40型」(プライミクス社製)を用いて、10℃の恒温層中、周速10m/secで2分間、次いで周速40m/secで5分間、高速旋回薄膜分散法で分散処理した。得られた分散組成物を自転・公転ミキサー(シンキー社製、あわとり錬太郎)にて、2000rpmで30秒間混合、2200rpmで30秒間脱泡して、CNT分散液を調製した。
<熱電変換層前駆体の作製>
次に、厚さ1.1mm、大きさ40mm×50mmのガラス基板にテフロン製の枠を貼り付け、その枠内にCNT分散液を塗布した。50℃で30分、120℃で30分乾燥後、エタノールに1時間浸漬して分散剤を除去し、50℃で30分、120℃で150分乾燥して膜(熱電変換層前駆体)を得た。熱電変換層の厚みは、7μmであった。
<ドープn型化>
コバルトセン50mgを10mlのトルエンに溶解した。得られた膜(熱電変換層前駆体)を1cm×1cmに切り出し、この溶液に浸漬した。3時間後、膜を取出し、50℃で30分、120℃で150分乾燥して膜(熱電変換層)を得た。
〔実施例31、比較例5(手法b)〕
水素結合性樹脂の種類および添加量、n型化ドーパントの種類、並びに、浸漬溶媒を第2表に記載のものに変更した以外は実施例30の調製方法に準じて、実施例31および比較例5のCNT分散液(熱電変換層形成用組成物)をそれぞれ調製した。
次いで、実施例30と同様の方法により熱電変換層前駆体の形成とドープn型化とを行い、膜(熱電変換層)を得た。
〔評価〕
得られた熱電変換層について以下のとおり評価を行った。
<ゼーベック係数および導電率>
上述のとおりガラス基板上に形成した熱電変換層を1cm□にカットし、熱電特性測定装置MODEL RZ2001i(オザワ科学株式会社製)を用いて、80℃と120℃におけるゼーベック係数(絶対温度1K当りの熱起電力)および導電率を測定し、内挿により、100℃におけるゼーベック係数および導電率を算出した。結果を第2表に示す。評価基準は以下のとおりである。
(ゼーベック係数)
・AA:−50uV/K未満
・A:−50uV/K以上−40uV/K未満
・B:−40uV/K以上−30uV/K未満
・C:−30uV/K以上−20uV/K未満
・D:−20uV/K以上0uV/K未満
・E:0uV/K以上(p型化)
(導電率)
・AA:800S/cm以上
・A:600S/cm以上800S/cm未満
・B:400S/cm以上600S/cm未満
・C:200S/cm以上400S/cm未満、
・D:200S/cm未満
<パワーファクター(PF)>
下記式からパワーファクターを算出した。
(パワーファクター)=(導電率)×(ゼーベック係数)
結果を第2表に示す。評価基準は以下のとおりである。パワーファクターは高いほど好ましい。なお、実用上、以下の評価基準でAA〜Bであることが好ましい。
・AA:200uW/mK以上
・A:150uW/mK以上200uW/mK未満
・B:120uW/mK以上150uW/mK未満
・C:90uW/mK以上120uW/mK未満
・D:50uW/mK以上90uW/mK未満
・E:50uW/mK未満
下記式から熱伝導率を算出した。
(熱伝導率[W/mK])
=(比熱[J/kg・K])×(密度[kg/m])×(熱拡散率[m/s])
上記式において「比熱」はDSC(Differential scanning calorimetry)法により測定し、「密度」は質量/体積より測定した。「熱拡散率」は、熱拡散率測定装置ai−Phase Mobile 1u(アイフェイズ株式会社製)を用いて測定した。
結果を第2表に示す。評価基準は以下のとおりである。熱伝導率は低いほど好ましい。なお、実用上、以下の評価基準でAA〜Bであることが好ましい。
・AA:1W/mK未満
・A:1W/mK以上2W/mK未満
・B:2W/mK以上3W/mK未満
・C:3W/mK以上4W/mK未満
・D:4W/mK以上5W/mK未満
・E:5W/mK以上
<高温経時の性能安定性>
上述のとおりガラス基板上に形成した熱電変換層を80℃、大気下の環境下で30日間保存した(高温環境試験)。その後、ゼーベック係数を測定した。ゼーベック係数の測定方法は上述のとおりである。そして、高温環境試験前後のゼーベック係数から、高温環境試験によるゼーベック係数の変化率(下記)を算出し、高温経時の性能安定性を評価した。結果を第2表に示す。評価基準は以下のとおりである。変化率は小さい方が好ましい。なお、実用上、以下の評価基準でAA〜Bであることが好ましい。
高温環境試験によるゼーベック係数の変化率/%=(X−Y)/X×100
X=高温環境試験前のゼーベック係数
Y=高温環境試験後のゼーベック係数
・AA:3%未満
・A:3%以上5%未満
・B:5%以上10%未満
・C:10%以上20%未満
・D:20%以上30%未満
・E:30%以上
第2表中、「浸漬溶媒」は、手法bのドープn型化に使用された溶媒を表し、「MEK」はメチルエチルケトンを表す。また、「type」は得られた熱電変換層がp型、n型のいずれであるかを表す。
第2表から分かるように、水素結合性樹脂を含有する実施例1〜36はパワーファクターが高く、かつ、熱伝導率が低いことが確認されるとともに、高温経時での優れた性能安定性を示した。また、特に、水素結合性樹脂としてセルロース誘導体、CNT含有n型熱電変換材料としてCNTとオキシアルキレン系化合物を用いて熱電変換層を作製した場合に、得られる熱電変換層の熱電変換性能がより優れ、更に高温経時の性能安定性により優れる傾向があることが確認された。
実施例1〜7の対比から明らかなように、CNTに対する水素結合性樹脂の量が、12〜70質量%である場合には、より高いパワーファクターとより低い熱伝導率とを両立でき、更に13〜50質量%の場合には、高温経時下でより優れた性能安定性を示すことが確認された。
実施例8〜12の対比から明らかなように、CNTに対するn型化ドーパントの量が、12〜150質量%である場合には、熱電変換性能により優れ、更に20〜100質量%の場合には、より高いパワーファクターを示すことが確認された。
実施例5、実施例16〜19、実施例25〜27の対比から、水素結合性樹脂として多糖類(実施例5、実施例16〜19)を用いた場合に、パワーファクターがより高く、かつ、熱伝導率がより低くなり、更に高温経時でより優れた性能安定性を示すことが確認された。なかでも、多糖類として、カルボキシル基または塩を有する多糖類(実施例5、実施例16〜18)、より好ましくはセルロース誘導体(実施例5)を用いた場合に、上述の効果がより優れることが確認された。
また、実施例6、実施例14、15実施例20〜24の対比から、n型化ドーパントとしてポリオキシエチレン系化合物を用いた場合(実施例6、実施例14、15)において、パワーファクターがより高く、熱伝導率がより低くなる傾向が示された。
また、実施例5と32と33との対比から、カーボンナノチューブの直径が1.5nm以下であり、直径分布が2.0nm以下である実施例5はより高いパワーファクターより低い熱伝導率とを両立できることが分かった。
また、実施例34〜36との対比から、熱電変換層の厚みを2〜300μm(好ましくは3〜200μm、より好ましくは5〜100μm)とすることで、得られる熱電変換層の熱電変換性能がより優れ、更に高温経時の性能安定性により優れることが確認された。
一方、比較例1〜6ではいずれも熱電変換性能(特に、パワーファクター、熱伝導率)が悪く、更に高温経時の性能安定性も悪いことが確認された。
特に、比較例1、2においては、水素結合性樹脂およびn型化ドーパントをいずれも含まない態様であるため、得られた熱電変換層はゼーベック係数が低く、p型を示すことが確認された。
[熱電変換素子]
以下のとおり、n型熱電変換素子およびp−n接合された熱電変換素子を作製した。
ここで、上述した実施例および比較例と同様の手順に従って熱電変換層を形成し、これをn型熱電変換層として、上述した実施例および比較例にそれぞれ対応するn型熱電変換素子およびp−n接合された熱電変換素子を作製した。そして、同様に評価を行った。
その結果、第2表と同様の結果が得られ、熱電変換素子としたときにも、高いパワーファクター、低い熱伝導率、高温経時での優れた性能安定性を示すことが分かった。
<n型熱電変換素子>
基材として厚さ1.1mm、大きさ40mm×50mmのガラス基板を用いた。この基材をアセトン中で超音波洗浄した後、10分間UV−オゾン処理を行った。その後、この基材上の両端部側それぞれに、大きさ30mm×5mm、厚さ10nmの金を第1の電極および第2の電極として形成した。
上述のとおり調製したCNT分散液を、電極が形成された基材上にテフロン製の枠を貼り付け、その枠内に溶液を流し込み、50℃で30分、120℃で30分乾燥後、エタノールに1時間浸漬して分散剤を除去し、50℃で30分、120℃で150分乾燥させ、乾燥後に枠を取り外し、厚さ約7μmのn型熱電変換層を形成し(手法bについてはドープn型化も併せて行うことでn型熱電変換層を形成し)、図2に示す構成の熱電変換素子120(n型熱電変換素子)を作製した。
<p−n接合熱電変換素子>
(p型熱電変換層形成用組成物)
まず、単層CNTを前処理した。具体的には、単層CNT(OCSiAl社製Tuball)500mgとアセトン250mLをメカニカルホモジナイザー(エスエムテー社製、HIGH−FLEX HOMOGENiZER HF93)を用いて、18000rpmで5分間混合して、分散液を得た。この分散液をブフナーろうとと吸引瓶をもちいて減圧濾過することにより、布状のCNT膜(バッキーペーパー)を得た。布状CNTは1cm□以下のサイズにカットして次工程のCNT分散液(熱電変換層形成用組成物)の調製に用いた。
分散剤としてデオキシコール酸ナトリウム(東京化成工業社製)1200mgを、溶媒の水16mLに溶解させ、前述のとおり前処理した単層CNT(OCSiAl社製Tuball)400mgを加えた。この組成物を、メカニカルホモジナイザー(エスエムテー社製、HIGH−FLEX HOMOGENiZER HF93)を用いて、7分間混合して、予備混合物を得た。得られた予備混合物を、薄膜旋回型高速ミキサー「フィルミックス40−40型」(プライミクス社製)を用いて、10℃の恒温層中、周速10m/secで2分間、次いで周速40m/secで5分間、高速旋回薄膜分散法で分散処理した。得られた分散組成物を自転・公転ミキサー(シンキー社製、あわとり錬太郎)にて、2000rpmで30秒間混合、2200rpmで30秒間脱泡して、CNT分散液を調製した。
(p型熱電変換素子の作製)
上記熱電変換素子120と同様の作製工程において、分散液としてp型熱電変換層形成用組成物を用いて、p型熱電変換素子を作製した。
(p−n接合熱電変換素子の作製)
上記熱電変換素子120中の電極とp型熱電変換素子中の電極とを導線で繋ぐことにより、p−n接合された熱電変換素子(p型熱電変換層とn型熱電変換層とが電気的に接続された熱電変換素子)を作製した。
110、120、130、140 熱電変換素子
11、17 金属板
12、22 第1の基材
13、23 第1の電極
14、24 n型熱電変換層
15、25 第2の電極
16、26 第2の基材
30 第2基板
32 第1基板
32a,30a 低熱伝導部
32b,30b 高熱伝導部
34 n型熱電変換層
36 第1の電極
38 第2の電極
41 p型熱電変換層
42 n型熱電変換層
43 下側基材
44 第2の電極
45 第1および第3の電極
45A 第1の電極
45B 第3の電極
46 上側基材
47 ホール
48 電子

Claims (11)

  1. カーボンナノチューブと、少なくとも1種のn型化ドーパントと、水素結合性樹脂と、を含有する熱電変換層であって、
    前記水素結合性樹脂の含有量が、前記カーボンナノチューブの含有量に対して13〜80質量%であり、
    前記水素結合性樹脂が、多糖類であり、
    前記n型化ドーパントが、ポリオキシアルキレン系化合物である、熱電変換層。
  2. 記n型化ドーパントの含有量が、前記カーボンナノチューブの含有量に対して7〜200質量%である、請求項に記載の熱電変換層。
  3. 厚みが5〜300μmである、請求項1又は2に記載の熱電変換層。
  4. 前記多糖類が、カルボキシル基またはその塩を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱電変換層。
  5. 前記多糖類がセルロース誘導体である、請求項に記載の熱電変換層。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱電変換層をn型熱電変換層として備えた、熱電変換素子。
  7. さらに、前記n型熱電変換層と電気的に接続されたp型熱電変換層を備え、
    前記p型熱電変換層が、カーボンナノチューブを含有する、請求項に記載の熱電変換素子。
  8. カーボンナノチューブと、少なくとも1種のn型化ドーパントと、水素結合性樹脂と、を含有する熱電変換層形成用組成物であって、
    前記水素結合性樹脂の含有量が、前記カーボンナノチューブの含有量に対して13〜80質量%であり、
    前記水素結合性樹脂が多糖類であり、
    前記n型化ドーパントがポリオキシアルキレン系化合物である、熱電変換層形成用組成物。
  9. 記n型化ドーパントの含有量が、前記カーボンナノチューブの含有量に対して7〜200質量%である、請求項に記載の熱電変換層形成用組成物。
  10. 前記多糖類が、カルボキシル基またはその塩を有する、請求項8又は9に記載の熱電変換層形成用組成物。
  11. 前記水素結合性樹脂がセルロース誘導体である、請求項10に記載の熱電変換層形成用組成物。
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