以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は、本実施形態に係るカーシェアリングシステムのブロック構成図である。図2は、サーバ側の制御装置の機能ブロックを示すブロック構成図である。図1に示すように、本実施形態のカーシェアリングシステムは、管理サーバ100と、カーシェアリングに供される複数の共用車両200と、インターネット300を介して車両管理サーバ100と通信可能な複数のユーザ端末400とから構成される。なお、図1中においては、共用車両200を2台のみ示したが、本実施形態のカーシェアリングシステムは、多数の共用車両200から構成される。そして、本実施形態のカーシェアリングシステムにおいては、多数の共用車両200が、各所に設けられた所定の駐車スペースにそれぞれ駐車されており、特定多数のユーザが、所望の駐車スペースに駐車された共用車両200を選択して利用できるようになっている。
図1に示すように、共用車両200は、管理サーバ100と相互に通信が可能となっており、車載装置210と、通信装置220とを備えている。車載装置210は、共用車両200の出発予定時刻(利用開始時間)および到着予定時刻(利用終了時間)の情報、走行距離の情報、自車両位置の情報、車速の情報、バッテリの残量の情報、車両のパワースイッチのオン、オフの情報などを、通信装置220から、無線通信により管理サーバ100に備えられた通信装置120に送信する。また通信装置220は、管理サーバ100から信号により送信される情報を受信する。
なお、車載装置210が、自車両位置の情報を取得する方法としては、たとえば、各共用車両200に備えられたGPS(Global Positioning System)により測位衛星から発信される電波を所定時間ごとに受信することで、各共用車両200のリアルタイムの位置情報を取得する方法などが挙げられる。
ユーザ端末400は、本実施形態のカーシェアリングシステムを利用する特定多数のユーザが所有する端末であり、インターネット300を介して、管理サーバ100に備えられた通信装置120と通信可能となっている。本実施形態のカーシェアリングシステムにおいては、各ユーザは、ユーザ端末400により、共用車両200の利用申込みを行うことができるようになっている。
ここで、共用車両200の利用申込みとしては、ユーザが利用申込みの直後に共用車両200の利用を開始するような即時利用の申込みでもよいし、ユーザが将来に共用車両200を利用するための利用予約の申込みでもよい。
また、本実施形態のカーシェアリングシステムにおいては、ユーザがユーザ端末400により共用車両200の利用申込みをする際において、ユーザは、共用車両200を利用した後に返却するための返却予定地の設定を行う。
なお、ユーザ端末400としては、たとえば、パソコンの他、携帯電話、PDAなどの各種移動端末などが挙げられる。ユーザ端末400が携帯電話である場合には、通信装置120で通信する車両情報を、各種の無線機規格に基づく無線通信でユーザ端末400に読み込ませて、当該ユーザ端末400が、車両情報等を管理サーバ100に送信してもよい。図1中においては、ユーザ端末400として4つの端末を例示して示したが、ユーザ端末400および本実施形態のカーシェアリングシステムを利用するユーザの数は、特に限定されるものではない。
また、管理サーバ100は、制御装置110と、通信装置120と、データベース130とを備えている。
通信装置120は、無線通信により、共用車両200に備えられた通信装置220と、また、インターネット300を介して、各ユーザの所有するユーザ端末400と通信するための装置である。通信装置120は、無線通信により、車載装置210から、共用車両200の出発予定時刻および到着予定時刻の情報、走行距離の情報、ならびに車両位置の情報などを、また、ユーザ端末400から、ユーザによる共用車両200の利用申込みの情報、およびユーザにより選択された返却予定地の情報などを取得する。利用申し込みの情報には、利用を希望する車両の情報、サービスの利用履歴、会員登録情報等を含む。
データベース130は、共用車両200ごとに、日時とひもづいた情報として、利用受付情報、および返却予定地情報、駐車中の駐車スペースの位置情報等を記憶するための記憶装置である。なお、利用受付情報、および返却予定地情報は、ユーザによって、ユーザ端末400を介して共用車両200の利用申込み、利用可能車両の選択、及び返却予定地の選択がされた場合に、ユーザ端末400から送信された情報に基づいて、共用車両200ごとに生成される情報である。また、カーシェアリングシステムの利用者を会員に限定している場合には、データベース130は、登録した会員の情報、会員が登録したユーザ端末400の識別情報なども記憶している。
さらに、データベース130には、共用車両200を駐車するための複数の駐車スペースの情報が記憶されている。具体的には、データベース130には、所定の区域に複数設けられた駐車スペースの位置情報等が記憶されている。本実施形態のカーシェアリングシステムにおいて、駐車スペースは、共用車両200を駐車するための駐車場であり、複数の駐車スペースが設けられた区域が駐車ステーションである。
管理サーバ100の制御装置110は、図1に示すように、各種プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)112と、このROM112に格納されたプログラムを実行する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)111と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)113と、を備えている。
そして、制御装置110は、本実施形態に係るカーシェアリングシステムを管理するために、ユーザからの予約を管理する予約管理機能、共用車両200を管理する車両管理機能、及び、ステーションの状態を管理するステーション管理機能を備える。制御装置110は、上記各機能を実現するためのソフトウェアと、上述したハードウェアの協働により各機能を実行することができる。また、制御装置110は、これらの各機能を発揮するための機能ブロックとして、図2に示すように、予約管理部11、車両管理部12、及びステーション管理部13を有している。
以下に、管理サーバ100の制御装置110が実現する各機能について、図2を用いてそれぞれ説明する。また、必要に応じて、車両側の制御も説明する。
まず、制御装置110は、予約管理部11により、ユーザから共用車両200の利用の申し込みを受け付ける。具体的には、ユーザがユーザ端末400を操作して共用車両200の利用予約の申込みを行った場合に、予約管理部11は、ユーザ端末400から送信された予約申込情報に基づいて、利用の申し込みを受け付ける。
利用申込情報は、出発地の情報、到着地の情報、出発予定時刻、到着予定時刻等を含んでいる。出発地の情報は、ユーザが希望する出発地の情報であって、施設名称、施設の電話番号、住所により特定される位置情報である。到着地の情報は、ユーザが希望する到着地の情報であって、施設名称、施設の電話番号、住所により特定される位置情報である。出発予定時刻は、ユーザにより指定される時刻であって、出発地の出発時刻を示す。到着予定時刻は、ユーザにより指定される時刻であって、到着地の到着時刻を示す。利用申込情報は、ユーザにより指定される。出発予定時刻とデータベースに格納された到着地までの移動時間から算出した値を到着予定時刻として利用してもよい。
予約管理部11は、ユーザから受け付けた予約申込情報から、出発地及び到着地の情報を抽出することで、地図データ上で出発地及び到着地をそれぞれ特定する。予約管理部11は、出発地を中心とした所定範囲内で、出発ステーションを検索する。また、予約管理部11は、到着地を中心とした所定範囲内で、到着ステーションを検索する。
図3は、地図上において、出発地、出発ステーション、到着地、及び到着ステーションを示した概念図である。図3において、点Sは出発地を示し、点Gは到着地を示す。ST1〜ST4及びST7〜ST10はステーションを示す。エリアA及びエリアBは、ステーションの検索範囲を示す。ステーションの近くに旗印で示される数字は、各ステーションにおける存在確率を示す。
図3に示すように、予約管理部11は、出発地である点Sを中心とした所定の半径で描かれる円を、検索範囲Aに設定する。予約管理部11は、到着地である点Gを中心とした所定の半径で描かれる円を、検索範囲Bに設定する。半径A、Bは、到着地からユーザが徒歩により移動可能な距離により決まり、例えば300mに設定されている。なお、検索範囲は、ユーザの利用実績などに基づき、ユーザ毎に設定されてもよい。また検索範囲は、各ステーションの営業時間に応じて設定されてもよい。例えば、営業ステーションの少ない時間帯では、検索範囲を広めに設定してもよい。
予約管理部11は、検索範囲Aに含まれるステーションを、出発ステーションとして抽出する。予約管理部11は、検索範囲Bに含まれるステーションを、到着ステーションとして抽出する。図3の例では、ST1、ST2及びST3が出発ステーションとして抽出され、ST7、ST8及びST9が到着ステーションとして抽出される。ST4及びST10は検索範囲A及び検索範囲Bのエリア外にあるため、出発ステーション及び到着ステーションとして抽出されない。すなわち、出発ステーションは、出発地Sを指定したユーザに対して、共用車両200を貸し出す場所となる。到着ステーションは、到着地Gを指定したユーザに対して、共用車両200を返却する場所となる。
予約管理部11は、ステーション管理部13により管理されている各ステーションの存在確率を、ステーション管理部13から取得する。存在確率は、各ステーションにおける共用車両200の存在確率、及び、各ステーションにおける空駐車スペースの存在確率を示している。ステーションが出発ステーションとして特定されている場合には、存在確率は車両の存在確率を示し、ステーションが到着ステーションとして特定されている場合には、存在確率は空駐車スペースの存在確率となる。
本実施形態に係るカーシェアリングシステムでは、ユーザが指定通りの時刻に予約した共用車両200を出発させて、指定通りの時刻に共用車両200を返却できれば、他のユーザも共用車両200を予定通りに利用できる。しかしながら、交通事情等により、予定通りに車両が利用されないことが想定される。また、車両の利用の偏りは、各ステーションに設けられる施設の集客力、天候等によっても変わる。また、ユーザが利用直前にキャンセルするような事態を想定すると、システムの運用面からは、管理対象の車両数に対して、予約数を多めにとることが考えられる。これらの事情を鑑みると、ユーザが、共用車両200を借りるために指定した予約した時刻に、予約登録したステーションに行ったとしても利用可能な車両が駐車スペースに駐車していない可能性がある。同様に、ユーザが、乗車中の車両を返却するために、指定した予約した時刻に、予約登録したステーションに到着としても、空き駐車スペースが無い可能性がある。出発ステーションにおける存在確率は、貸出可能な車両が出発ステーションの駐車スペースに駐車している可能性を表している。すなわち、出発ステーションにおける存在確率が高いほど、車両を利用できる可能性が高くなる。また、到着ステーションにおける存在確率は、到着ステーションの駐車スペースが空いている可能性を表している。すなわち、到着ステーションにおける存在確率が高いほど、車両を返却できる可能性が高くなる。
図3の例では、3つの出発ステーション(ST1〜ST3)のうち、ST1の存在確率(70%)が最も高いため、ユーザはST1に行くと、車両を利用できる可能性が高い。また、3つの到着ステーション(ST7〜ST9)のうち、ST7の存在確率が最も高いため、ユーザはST7に行くと、車両を返却できる可能性が高い。
予約管理部11は、ユーザからの予約申込に対する応答として、抽出された各出発ステーションの位置情報と存在確率を対応しつつ、抽出された各到着ステーションの位置情報と存在確率を対応しつつ、通信装置120を用いて、ユーザにステーションの状態を通知する。ユーザ端末400には、出発地の近くの出発ステーションの位置と各ステーションの存在確率が対応付けて表示され、到着地の近くの到着ステーションの位置と各ステーションの存在確率が対応付けて表示される。これにより、ユーザは、希望する出発地及び到着地に近いステーションの位置に加えて、各ステーションにおける車両の利用可能性及び車両の返却可能性をそれぞれ把握できる。
ユーザは、ユーザ端末400を操作し、出発ステーションのリストから希望の出発ステーションを指定し、到着ステーションのリストから希望の到着ステーションを指定する。ユーザ端末400は指定されたステーションの情報を送信する。制御装置110は、通信装置120を用いてステーション情報を取得すると、ステーション管理部13により、指定されたステーションを、車両の貸出を行うステーション及び車両の返却を行うステーションに設定する。これにより、制御装置110は、各ステーションにおける存在確率に基づき、出発ステーション及び到着ステーションを設定する。
車両管理部12は、管理対象となる共用車両200の利用状態を管理している。また、車両管理部12は、通信装置120を用いて共用車両200と通信を行い、共用車両200の位置情報を取得することで、共用車両200の位置を管理している。共用車両200の利用状態には、現在車両が利用中である状態及び現在車両が利用されていない状態の少なくとも2つの状態を含んでいる。例えば、ユーザが共用車両200の空き状態を知りたい場合には、車両管理部12は、利用可能車両のリストを作成し、予約管理部11に作成したリストを送信する。予約管理部11は、通信装置120を用いてユーザに対して、利用可能車両のリストを送信する。利用可能車両は、現在利用されていない車両である。リストを受け取ったユーザはユーザ端末400の表示画面上でリストを確認することで、利用可能車両と、当該利用可能車両の駐車位置を確認できる。
ステーション管理部13は、ステーションの状態を管理している。ステーションの状態は、ステーションにおける車両の存在確率又はステーションにおける空き駐車スペースの存在確率により管理される。なお、駐車スペースにおける車両の存在確率と、空き駐車スペースの存在確率は相反する関係にあるため、ステーション管理部13は、車両の存在確率及び空き駐車スペースの存在確率の少なくとも何れか一方の存在確率を管理すればよい。
ステーション管理部13は、車両の利用実績又は駐車スペースの利用実績に基づき、車両の存在確率及び空き駐車スペースの存在確率を演算する。車両の利用実績は、時間帯ごとの車両の利用回数、時間帯ごとの車両の利用時間、車両の駐車時間で表され、ステーション毎に管理されている。駐車スペースの利用実績は、駐車スペースの空き時間等で表され、ステーション毎に管理されている。例えば、ステーション管理部13は、時刻t1から時刻t2までの間で、ある駐車スペースにおける車両の駐車時間を、時刻t1から時刻t2までの時間長で割ることで、時刻t1から時刻t2までの車両の存在確率を演算する。ステーション管理部13は、あるステーションにおける他の駐車スペースについても、同様に、時刻t1から時刻t2までの車両の存在確率を演算する。そして、ステーション管理部13は、演算された車両の存在確率の平均値を演算することで、ある出発ステーションにおける車両の存在確率を演算する。
ステーション管理部13は、時刻t1から時刻t2までの間で、ある駐車スペースにおける空駐車スペースの存在確率を演算する場合には、時刻t1から時刻t2までの間で空いていた時間を、時刻t1から時刻t2までの時間長で割ることで、時刻t1から時刻t2までの空き駐車スペースの存在確率を演算する。ステーション管理部13は、あるステーションにおける他の駐車スペースについても、同様に、時刻t1から時刻t2までの空き駐車スペースの存在確率を演算する。そして、ステーション管理部13は、演算された空き駐車スペースの存在確率の平均値を演算することで、ある到着ステーションにおける空き駐車スペースの存在確率を演算する。
次に、図4を用いて、制御装置110の制御フローを説明する。図4は、制御装置110の制御フローを示すフローチャートである。図4の制御フローは、ユーザから利用予約の申し込みがあった際に、実行される。
ステップS1にて、予約管理部11は、ユーザから共用車両200の利用の申し込みを受け付ける。
ステップS2にて、予約管理部11は、予約申込情報から出発地情報及び到着地情報を取得することで、ユーザが指定した出発地及び到着地を特定する。
ステップS3にて、予約管理部11は、特定された出発地を基点として所定の検索範囲を設定する。予約管理部11は、設定された検索範囲でステーションを検索する。予約管理部11は、検索範囲内に位置するステーションを、出発ステーションとして抽出する。予約管理部11は、到着ステーションについても同様に、到着地を基点とした検索範囲を設定し、設定された検索範囲でステーションを検索することで、到着ステーションを抽出する。
ステップS4にて、ステーション管理部13は、抽出された出発ステーションの利用実績に基づき、各出発ステーションの存在確率を演算する。出発ステーションの存在確率は、共用車両200の存在確率である。ステーション管理部13は、抽出された到着ステーションの利用実績に基づき、各到着ステーションの存在確率を演算する。到着ステーションの存在確率は、空き駐車スペースの存在確率である。
ステップS5にて、予約管理部11は、通信装置120を用いて、ステーション情報を含む信号をユーザ端末400に送信する。ステーション情報は、ステーション管理部13により演算された出発ステーションの存在確率、ステーション管理部13により演算された到着ステーションの存在確率、出発ステーションの位置、到着ステーションの位置を含む。
なお、ユーザ端末400が、管理サーバ100からステーション情報を含む信号を受信し、ステーション情報をディスプレイに表示する。ステーション情報は、図3に示す情報である。ユーザは、ユーザ端末400を操作して、ステーションの位置及び存在確率に応じて、車両の貸出地となるステーションと、車両の返却地となるステーションをそれぞれ指定する。ユーザ端末400は、指定されたステーション情報を含む利用登録信号を、管理サーバ100に送信する。
ステップS6にて、制御装置110は、利用登録信号を受信したか否かを判定する。利用登録信号は、ユーザが予約内容を管理サーバ100に登録する旨の信号である。管理サーバ100は、利用登録信号の受信確認により、共用車両200の予約を正式に受け付ける。
利用登録信号を受信した場合は、制御フローはステップS7に進む。利用登録信号を受信しない場合には、予約管理部11は、ユーザが予約の申し込みをキャンセルしたと判定し、制御フローは終了する。なお、ステップS6の制御フローにおいて、予約申し込みをキャンセルする旨の信号を受信することで、制御フローは終了してもよい。
ステップS7にて、ステーション管理部13は、ユーザにより指定された出発ステーション及び到着ステーションをデータベース130に記憶させることで、出発ステーション及び到着ステーションを設定する。
ステップS8にて、予約管理部11は、ユーザに対して、予約を受け入れてもよいか否かの最終確認を行う。ユーザ端末400から、予約内容を確定する旨の信号を受信した場合には、予約管理部11は、予約情報をデータベース130に記憶することで、予約内容を確定する。制御フローは終了する。ユーザ端末400から、予約内容を確定する旨の信号を受信していない場合には、制御フローはステップS7に戻る。
上記のように、本実施形態では、ユーザから共用車両200の利用要求を受け付けるとともに、共用車両200の利用状態及び共用車両200のステーションの状態を管理し、利用要求からユーザが指定する共用車両200の出発地及び到着地を特定し、出発地及び到着地の周囲に存在するステーションを抽出し、抽出されたステーションにおける存在確率を演算し、演算された存在確率に基づき、車両の貸出及び返却を行うステーションを設定する。これにより、各ステーションの存在確率を管理しているため、ユーザは存在確率の高いステーションを把握できるため、共用車両200の稼働率を高めることができる。
なお、本実施形態では、制御装置110は、出発地又は到着地のいずれか一方の地点の周囲に存在するステーションを抽出する。そして、出発地の周囲に存在する出発ステーションを抽出した場合には、制御装置110は、出発ステーションの存在確率を演算し、演算された存在確率をステーション情報に含めて、ユーザに通知してもよい。また、到着地の周囲に存在する到着ステーションを抽出した場合には、制御装置110は、到着ステーションの存在確率を演算し、演算された存在確率をステーション情報に含めて、ユーザに通知してもよい。ユーザは、出発ステーションにおける車両の存在確率を確認することで、より乗車確率の高いステーションを把握することできる。また、ユーザは、到着ステーションにおける空き駐車スペースの存在確率を確認することで、より降車確率の高いステーションを把握することができる。
《第2実施形態》
本発明の他の実施形態に係るカーシェアリングシステムについて説明する。本実施形態では、第1実施形態に対して、存在確率の演算制御の一部が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであり、その記載を適宜、援用する。
ステーション管理部13は、出発予定時刻より前の時間帯の存在確率、及び、到着予定時刻より後の時間帯の存在確率を演算する。出発予定時刻より前の時間帯の存在確率は、検索範囲Aに含まれる出発ステーションの存在確率である。また、出発予定時刻より前の時間帯の存在確率は降車利用確率に基づき演算される。到着予定時刻より後の時間帯の存在確率は、検索範囲Bに含まれる到着ステーションの存在確率である。また、到着予定時刻より後の時間帯の存在確率は乗車利用確率に基づき演算される。
図3の例において、ステーション管理部13は、出発予定時刻の利用確率と当該出発予定時刻より後の利用確率を、複数の出発ステーション(ST1〜ST3)毎にそれぞれ演算する。また、ステーション管理部13は、到着予定時刻の利用確率と当該到着予定時刻より後の利用確率を複数の到着ステーション(ST7〜ST9)毎にそれぞれ演算する。
ここで、ステーション管理部13による乗車利用確率(乗車確率)及び降車利用確率(降車確率)の演算方法について説明する。ステーション管理部13は、ポアソン分布を用いて、過去の結果を元に未来で起こる確率を演算する。
あるステーションにおける車両の存在確率は、乗車利用確率(出発利用確率)、降車利用確率(到着利用確率)、及び、設定された駐車スペース数の関係から演算により演算できる。そして、乗車利用確率は、出発ステーション(ST_i)から到着ステーション(ST_j)への移動回数から演算できる。移動回数により表される移動需要の確率分布Pは、ポアソン分布に従って発生すると仮定した場合に、下記式(1)で表される。
ただし、d
ij(t)は時刻tに発生するステーションi、j間の移動需要発生数を示し、λ
ij(t)はポアソン分布の期待値パラメータを示す。
例えば、ある時刻(8:00)から所定時間(30分)内に、ステーション(ST_01)を出発してステーション(ST_02)に到着する車両が、何台あるのか、利用実績から抽出する。同様に他のステーションの組み合わせについても、一のステーションを出発して他のステーションに到着する車両の台数を、利用実績から抽出する。他のステーションの組み合わせは、ステーション(ST_01)からステーション(ST_06)までのステーション間の組み合わせである。
抽出した台数が、上記式(1)のd
ij(t)に相当する。抽出したd
ij(t)を式(1)に代入することで、下記の表1に示す値が導出される。なお、下記表は、出発車両の台数及び到着車両の台数の分布をポアソン分布に当てはめ、最尤法により、λ
ij(t)が推定される。
例えば、8時から8時30分までの時間帯で、ステーション(ST02)を出発ステーションとした場合の乗車利用確率は、上記表1の「ST02」の列の平均値Ave(λi)で表される。
同様に、ステーションST01からステーションST06までの各ステーションを出発ステーションとしつつ、各ステーションの乗車利用確率を8時から11時までの間で30分刻みで求めた場合には、乗車利用確率は、一例として下記表2で表される。
到着利用確率は、乗車利用確率と同様の方法で算出することで、一例として下記表3で表される。
なお、乗車利用確率は、所定時間における乗車回数の平均値と、所定時間における最大乗車回数との割合から演算されてもよい。降車利用確率は、所定時間における降車回数の平均値と、所定時間における最大降車回数との割合から演算されてもよい。
予約管理部11は、抽出された出発ステーションにおける存在確率と、抽出された到着ステーションにおける存在確率を、ステーション管理部13から取得する。予約管理部11は、出発ステーションの存在確率及び到着ステーションの存在確率を、ステーション情報に含めた上で、ユーザ端末400に送信する。
ユーザは、ユーザ端末400を操作して、受信したステーション情報を表示させる。ディスプレイは、図3に示すような、ステーションの位置及び出発予定時刻の存在確率に加えて、出発予定時刻より前の時間帯の降車利用確率を表示する。例えば、複数の出発ステーションの間で、出発予定時刻における共用車両200の存在確率が同じ場合には、前の時間帯の降車利用確率が多い方が、出発予定時刻における乗車確率は高まる。ユーザは、前の時間帯の降車利用確率を確認できるため、より乗車確率の高い出発ステーションを、車両の貸出地に指定できる。
また、ディスプレイは、図3に示すような、ステーションの位置及び到着予定時刻の存在確率に加えて、到着予定時刻より後の時間帯の乗車利用確率を表示する。例えば、複数の出発ステーションの間で、到着予定時刻における共用車両200の存在確率が同じ場合には、後の時間帯の乗車利用確率が多い方の駐車スペースに、共用車両200を駐車することで、到着予定時刻以降の車両の稼働率が高まる。ユーザは、後の時間帯の乗車利用確率を確認できるため、車両の稼働率を高めるにはどの到着ステーションに車両を返却すればよいか把握できる。これにより、車両の稼働率を高めることができる。
上記のように、本実施形態では、ユーザが指定する指定時刻の存在確率、及び、当該指定時刻より前の存在確率を演算し、演算された各存在確率をユーザに通知する。これにより、ユーザが車両を利用できる確率を高めることができる。その結果として、システムの利便性を高めることができる。また、車両の稼働率を高めることができる。
《第3実施形態》
本発明の他の実施形態に係るカーシェアリングシステムについて説明する。本実施形態に係るカーシェアリングシステムは、第1実施形態又は第2実施形態により予約を確定した後に、以下の制御を実行する。なお、予約確定までの制御は、第1実施形態又は第2実施形態と同じであり、その記載を適宜、援用する。
本実施形態に係るカーシェアリングシステムにおいて、制御装置110の制御フローを、図5及び図6を用いて説明する。図5は、制御装置110の制御フローを示すフローチャートである。図6は、3人のユーザ(ユーザ1、ユーザ2及びユーザ3)に対して設定された出発ステーションと到着ステーションの関係を示す表である。
図5に示す制御フローは、出発予定時刻より所定時間前の時刻に達したときに実行される。所定時間は、例えば30分前である。出発予定時刻は、確定した予約登録によって示される時刻であり、ユーザにより指定された時刻である。以下の、説明では、一例として、制御フローが、ユーザ1の出発予定時刻の30分前に実行されたとする。また、以下の制御フローでは、予約確定時に設定した出発ステーションの候補のうち、実際の車両の貸出を行うステーションを設定するためのフローである。また、予約確定時に設定した到着ステーションの候補のうち、車両の貸出及び返却を行うステーションを設定するためのフローである。
ステップS11にて、予約管理部11は利用登録リストを生成する。利用登録リストは、ユーザ毎に設定されている出発ステーション及び到着ステーションを示すリストである。図6は、利用登録リストの一例を示す。予約管理部11は、ユーザ1に対して設定された出発ステーションと同じステーションを、同一の時間帯に、出発ステーションとして登録している他のユーザの情報を抽出する。また、予約管理部11は、ユーザ1に対して設定された到着ステーションと同じステーションを、同一の時間帯に、到着ステーションとして登録している他のユーザの情報を抽出する。予約管理部11は、抽出したユーザの情報を、出発ステーションと到着ステーションで区分けして、リスト化する。
図6の例では、ユーザ1の出発ステーションは、ST1、ST2及びST3である。ユーザ2は、ユーザ1と同じステーション(ST2)を出発ステーションとして登録しているため、利用登録リストに挙げられる。ユーザ3は、ユーザ1と同じステーション(ST3)を出発ステーションとして登録しているため、利用登録リストに挙げられる。
ステップS12にて、ステーション管理部13は、利用登録リストに挙げられたステーションの状態を確認する。ステーションの状態は、各ステーションにおける車両の有無及び空き駐車スペースの有無を示す。例えば、出発予定時刻の30分前に、共用車両200が、出発ステーションに設定された全ての駐車スペースに駐車していない場合には、演算上の存在確率が高くても、車両を利用できる可能性は低い。そのため、ステーション管理部13は、出発ステーションに駐車している車両の数が所定の下限値以下である場合には、出発ステーションを、貸出用のステーションから除外する。同様に、ステーション管理部13は、到着ステーションにおいて空き駐車スペースの数が所定の下限値以下である場合には、到着ステーションを、返却用のステーションから除外する。除外されたステーションは、利用登録リストからも除外される。
ステップS13にて、予約管理部11は、同時間帯に、利用予約が重複しているか否かを判定する。出発ステーション及び到着ステーションのいずれか一方のステーションが、利用登録リストにおいて重複している場合に、利用予約が重複していることになる。利用登録が重複する場合には、制御フローはステップS14に進む。利用登録が重複しない場合には、制御フローはステップS15に進む。
ステップS14にて、予約管理部11は、同時間帯で、利用者が最も多くなる組み合わせを演算する。組み合わせは、出発ステーションと到着ステーションの組み合わせである。利用者が最も多いとは、車両の稼働率が最も高いことに相当する。
ステップS14の制御フローについて、図6を用いて説明する。なお、図6に示す利用登録リストは、ステップS12の制御フローにおいて、除外対象となるステーションを除外した後のリストとする。
例えば、ユーザ1の貸出用のステーションとしてステーション(ST2)を設定し、かつ、ユーザ3の貸出用のステーションとしてステーション(ST4)を設定した場合には、ユーザ2は、ステーション(ST2)及びステーション(ST4)を出発ステーションとして登録しているため、ユーザ2は共用車両200を利用できない。一方、例えば、ユーザ1の貸出用のステーションとしてステーション(ST1)を設定し、ユーザ2の貸出用のステーションとしてステーション(ST2)を設定し、ユーザ3の貸出用のステーションとしてステーション(ST3)を設定した場合には、全てのユーザは共用車両200を利用できる。このように、予約管理部11は、より多くのユーザが車両を借りることができるように、貸出用のステーションを各ユーザに割り当てる。
返却用ステーションについても、上記の出発ステーションと同様に、予約管理部11は、より多くのユーザが車両を返却できるように、返却用のステーションを各ユーザに割り当てる。図6の例では、ユーザ1の返却用ステーションはステーション(ST7)に設定され、ユーザ2の返却用ステーションはステーション(ST9)に設定され、ユーザ3の返却用ステーションはステーション(ST8)に設定される。このような返却用ステーションの設定により、全てのユーザは、共用車両200を各ステーションの駐車スペースに返却できる。
ステップS15にて、予約管理部11は、選択可能なステーションが複数あるか否かを判定する。選択可能なステーションが複数ある場合には、制御フローはステップS16に進む。選択可能なステーションが複数ない場合には、制御フローはステップS18に進む。図6の例では、全てのユーザが車両を利用できるステーションの組み合わせは複数あり、各ユーザに対して選択可能な出発ステーションは複数ある。
ステップS16にて、ステーション管理部13は、複数の出発ステーションのうち、次の時間帯に降車利用確率の高い方のステーションを、ユーザの出発ステーションとして設定する。次の時間帯は、ユーザの出発予定時刻より後の時間帯である。設定される出発ステーションは、貸出用のステーションに相当する。図6の例では、ユーザ1に対して選択可能なステーションは、ST1、ST2及びST3である。そして、ステーション管理部13は、ユーザ1の出発予定時刻の次の時間帯で、各ステーション(ST1、ST2、ST3)の到着利用確率を演算する。ステーション管理部13は、各ステーション(ST1、ST2、ST3)の到着利用確率のうち、最も到着利用確率の高いステーションを、ユーザ1の出発ステーションとして設定する。
例えば、ステーション(ST1、ST2、ST3)のうち、出発予定時刻の次の時間帯にステーション(ST1)の到着利用確率が最も高い場合について説明する。車両の稼働率を高めるためには、ユーザ1がステーション(ST1)の駐車スペースから共用車両200を移動させた後、空いた駐車スペースが、他のユーザの返却用のステーションに設定されるとよい。ステーション(ST1)の到着利用確率は、他のステーション(ST2、ST3)の到着利用確率よりも高い。そのため、出発予定時刻の次の時間帯までに、ステーション(ST1)において空き駐車スペースを生成することが、車両の稼働率を高めることができる。本実施形態では、出発予定時刻の次の時間帯に到着利用確率が高いステーションを、貸出用のステーションに設定する。
ステップS17にて、ステーション管理部13は、複数の到着ステーションのうち、次の時間帯に乗車利用確率の高い方のステーションを、ユーザの出発ステーションとして設定する。次の時間帯は、ユーザの到着予定時刻より後の時間帯である。設定される到着ステーションは、返却用のステーションに相当する。図6に示す例で、例えば、ユーザ1に対して選択可能なステーションは、ST7、ST8及びST9であると仮定する。ステーション管理部13は、ユーザ1の到着予定時刻の次の時間帯で、各ステーション(ST7、ST8、ST9)の出発利用確率を演算する。ステーション管理部13は、各ステーション(ST7、ST8、ST9)の出発利用確率のうち、最も出発利用確率の高いステーションを、ユーザ1の到着ステーションとして設定する。
例えば、ステーション(ST7、ST8、ST9)のうち、到着予定時刻の次の時間帯にステーション(ST7)の出発利用確率が最も高い場合について説明する。車両の稼働率を高めるためには、ユーザ1がステーション(ST7)の駐車スペースから共用車両200を駐車させた後、共用車両200が、他のユーザに貸し出されるとよい。ステーション(ST7)の出発利用確率は、他のステーション(ST8、ST9)の出発利用確率よりも高い。そのため、到着予定時刻の次の時間帯までに、ステーション(ST7)に共用車両200を駐車することが、車両の稼働率を高めることができる。本実施形態では、到着予定時刻の次の時間帯に出発利用確率が高いステーションを、返却用のステーションに設定する。
ステップS18にて、予約管理部11は、ユーザに対して、車両の貸出用ステーション及び返却用ステーションをそれぞれ通知する。そして制御フローが終了する。
上記のように本実施形態では、複数のユーザに対して、出発地の周囲に存在する出発ステーション及び到着地の周囲に存在する到着ステーションをそれぞれ抽出し、複数のユーザが利用する際の共用車両200の稼働率が最大となるように、共用車両200の貸出及び共用車両200の返却を行うステーションを複数のユーザ毎に設定する。これにより、共用車両200の稼働率を高めることができる。
また本実施形態では、到着地の周囲に存在する複数のステーションのうち、到着地への到着予定時刻よりも後の時間で乗車利用確率が高い方のステーションを、共用車両200の到着ステーションに設定する。これにより、共用車両200を到着ステーションに返却した後、返却された共用車両200の利用確率を高めることができる。その結果として、共用車両200の稼働率を高めることができる。
また本実施形態では、出発地の周囲に存在する複数のステーションのうち、出発地への到着予定時刻よりも後の時間帯で降車利用確率の高い方のステーションを、前記車両の出発ステーションに設定する。これにより、共用車両200を出発ステーションから出発した後、空いた駐車スペースにおいて、返却地として利用確率を高めることができる。その結果として、共用車両200の稼働率を高めることができる。
なお、本実施形態の変形例として、選択可能なステーションが複数ある場合に、ステーション管理部13は、複数の到着ステーションのうち、次の時間帯に他のユーザの出発ステーションとして設定されているステーションを、ユーザの到着ステーションに設定する。次の時間帯は、到着予定時刻より後の時間帯である。
例えば、図6の例で、ステーション(ST7、ST8、ST9)のうち、到着予定時刻の次の時間帯にステーション(ST7)のみが他のユーザの出発ステーションに設定されていた場合について説明する。ユーザ1が到着ステーションの駐車スペースに駐車した後、駐車された車両が他のユーザに貸し出される可能性を高めるためには、共用車両200は、利用登録がされているステーション(ST7)の駐車スペースに駐車されることがよい。そのため、本実施形態では、到着予定時刻の次の時間帯に、他のユーザの出発ステーションとして登録されているステーションを、返却用のステーションに設定する。これにより、共用車両200の稼働率を高めることができる。
また、本実施形態の変形例として、選択可能なステーションが複数ある場合に、ステーション管理部13は、複数の出発ステーションのうち、次の時間帯に他のユーザの到着ステーションとして設定されているステーションを、ユーザの出発ステーションに設定する。次の時間帯は、出発予定時刻より後の時間帯である。
例えば、図6の例で、ステーション(ST1、ST2、ST3)のうち、出発予定時刻の次の時間帯にステーション(ST1)のみが他のユーザの到着ステーションに設定されていた場合について説明する。共用車両200がステーションの駐車スペースから移動した後、空き駐車スペースが他の共用車両200の返却地としての利用されるためには、共用車両200は、利用登録がされているステーション(ST1)の駐車スペースから移動する方がよい。そのため、本実施形態では、出発予定時刻の次の時間帯に、他のユーザの到着ステーションとして登録されているステーションを、貸出用のステーションに設定する。これにより、共用車両200の稼働率を高めることができる。
《第4実施形態》
本発明の他の実施形態に係るカーシェアリングシステムについて説明する。本実施形態に係るカーシェアリングシステムは、第1実施形態又は第2実施形態により予約を確定した後に、以下の制御を実行する。なお、予約確定までの制御は、第1実施形態又は第2実施形態と同じであり、第1〜第3実施形態の記載を適宜、援用する。
本実施形態に係るカーシェアリングシステムにおいて、制御装置110の制御フローを、図7を用いて説明する。図7は、制御装置110の制御フローを示すフローチャートである。図7に示す制御フローは、出発予定時刻より所定時間前の時刻に達したときに実行される。以下の制御フローでは、予約確定時に設定した出発ステーションの候補のうち、実際の車両の貸出を行うステーションを設定するためのフローである。また、予約確定時に設定した到着ステーションの候補のうち、車両の貸出及び返却を行うステーションを設定するためのフローである。
ステップS21からステップS24までの制御フローは、第3実施形態におけるステップS11からステップS14までの制御フローと同様であるため、説明を省略する。
ステップS25にて、予約管理部11は、利用条件が複数のユーザ間で重複するか否かを判定する。利用条件が重複する場合とは、複数のユーザが、同一の利用時間帯で、同一の出発ステーション及び同一の到着ステーションに登録している場合である。例えば、利用者が最も多くなる組み合わせにおいて、ユーザAが利用することでユーザBが利用できなくなり、ユーザBが利用することでユーザAが利用できなる場合には、ユーザAとユーザBとの間で、利用条件が重複している。利用条件が重複する場合には、制御フローはステップS26に進む。利用条件が重複しない場合には、制御フローは終了する。
ステップS26にて、予約管理部11は、重複する各ユーザの利用実績に基づき、利用ユーザを選定する。利用ユーザは、車両の貸出を許可されるユーザである。利用実績は、例えば、登録不成立の回数、登録回数、登録時刻、サービスの利用回数、サービスの利用頻度等である。
登録不成立は、予約登録の確定後に、共用車両200の利用を拒否された場合である。例えば、ステップS24の制御フローで、利用者が最も多くなる組み合わせを生成するためには、一部のユーザの利用を許可できない場合がある。また、予約確定の数に上限を設けた場合には、予約登録自体が拒否される場合もある。このような場合には、登録不成立の回数がインクリメントされる。そして、予約管理部11は、利用条件が重複した場合には、登録不成立の回数がより多いユーザを、利用ユーザとして選定する。
また、ユーザ選定の他の例として、予約管理部11は、カーシェアリングシステムの利用度の高いユーザを優先的に選定してもよい。システムの利用度は、登録回数、登録時刻、サービスの利用回数、サービスの利用頻度等で表される。
ステップS27にて、予約管理部11は、利用ユーザとして選定されたユーザに対して、利用を許可する旨を通知する。また、予約管理部11は、利用ユーザとして選定されなかったユーザに対して、利用を許可しない旨を通知する。
上記のように、本実施形態では、共用車両200の貸出を行うステーション、共用車両200の返却を行うステーション及び共用車両200の利用時刻が複数のユーザ間で重複する場合に、重複した複数のユーザの利用実績に基づき、共用車両200の利用を許可するユーザを選定する。これにより、カーシェアリングシステムの利用にあたって、ユーザ間の不公正を是正することができ、あるいは、ユーザの利用度を高めることができる。