以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は、本実施形態に係るカーシェアリングシステム(車両管理システム)のブロック構成図である。図2は、サーバ側の制御装置の機能ブロックを示すブロック構成図である。図1に示すように、本実施形態のカーシェアリングシステムは、管理サーバ100と、カーシェアリングに供される複数の共用車両200と、インターネット300を介して車両管理サーバ100と通信可能な複数のユーザ端末400とから構成される。なお、図1中においては、共用車両200を2台のみ示したが、本実施形態のカーシェアリングシステムは、多数の共用車両200から構成される。そして、本実施形態のカーシェアリングシステムにおいては、多数の共用車両200が、各所に設けられた所定の駐車スペースにそれぞれ駐車されており、特定多数のユーザが、所望の駐車スペースに駐車された共用車両200を選択して利用できるようになっている。
図1に示すように、共用車両200は、管理サーバ100と相互に通信が可能となっており、車載装置210と、通信装置220とを備えている。車載装置210は、共用車両200の利用開始時刻および利用終了時刻の情報、走行距離の情報、自車両位置の情報、車速の情報、バッテリの残量の情報、車両のパワースイッチのオン、オフの情報などを、通信装置220から、無線通信により管理サーバ100に備えられた通信装置120に送信する。また通信装置220は、管理サーバ100から信号により送信される情報を受信する。
なお、車載装置210が、自車両位置の情報を取得する方法としては、たとえば、各共用車両200に備えられたGPS(Global Positioning System)により測位衛星から発信される電波を所定時間ごとに受信することで、各共用車両200のリアルタイムの位置情報を取得する方法などが挙げられる。
ユーザ端末400は、本実施形態のカーシェアリングシステムを利用する特定多数のユーザが所有する端末であり、インターネット300を介して、管理サーバ100に備えられた通信装置120と通信可能となっている。本実施形態のカーシェアリングシステムにおいては、各ユーザは、ユーザ端末400により、共用車両200の利用申込みを行うことができるようになっている。
ここで、共用車両200の利用申込みとしては、ユーザが利用申込みの直後に共用車両200の利用を開始するような即時利用の申込みでもよいし、ユーザが将来に共用車両200を利用するための利用予約の申込みでもよい。
また、本実施形態のカーシェアリングシステムにおいては、ユーザがユーザ端末400により共用車両200の利用申込みをする際において、ユーザは、共用車両200の貸出をするための貸出予定地の設定を行い、共用車両200を利用した後に返却するための返却予定地の設定を行う。
なお、ユーザ端末400としては、たとえば、パソコンの他、携帯電話、PDAなどの各種移動端末などが挙げられる。ユーザ端末400が携帯電話である場合には、通信装置120で通信する車両情報を、各種の無線機規格に基づく無線通信でユーザ端末400に読み込ませて、当該ユーザ端末400が、車両情報等を管理サーバ100に送信してもよい。図1中においては、ユーザ端末400として4つの端末を例示して示したが、ユーザ端末400および本実施形態のカーシェアリングシステムを利用するユーザの数は、特に限定されるものではない。
また、管理サーバ100は、制御装置110と、通信装置120と、データベース130とを備えている。
通信装置120は、無線通信により、共用車両200に備えられた通信装置220と、また、インターネット300を介して、各ユーザの所有するユーザ端末400と通信するための装置である。通信装置120は、無線通信により、車載装置210から、共用車両200の利用開始時刻および利用終了時刻の情報、走行距離の情報、ならびに車両位置の情報などを、また、ユーザ端末400から、ユーザによる共用車両200の利用申込みの情報、およびユーザにより選択された貸出予定地及び返却予定地の情報などを取得する。共用車両200の利用時間の情報は、利用開始時刻、利用開始時刻の幅、利用予定時間長、及び利用終了時刻等、共用車両200の利用に関する時間情報を含んでいる。利用申し込みの情報には、利用を希望する車両の情報、サービスの利用履歴、会員登録情報等を含む。
データベース130は、共用車両200ごとに、利用受付情報、利用地情報、駐車中の駐車スペースの位置情報等を記憶するための記憶装置である。利用地情報は、出発地(貸出予定地)及び到着地(返却予定地)の情報である。なお、利用受付情報、および利用地情報は、ユーザによって、ユーザ端末400を介して共用車両200の利用申込み、利用可能車両の選択、及び利用地の選択がされた場合に、ユーザ端末400から送信された情報に基づいて、共用車両200ごとに生成される情報である。また、カーシェアリングシステムの利用者を会員に限定している場合には、データベース130は、登録した会員の情報、会員が登録したユーザ端末400の識別情報なども記憶している。
さらに、データベース130には、共用車両200を駐車するための複数の駐車スペースの情報が記憶されている。具体的には、データベース130には、所定の区域に複数設けられた駐車スペースの位置情報等が記憶されている。本実施形態のカーシェアリングシステムにおいて、駐車スペースは、共用車両200を駐車するための駐車場であり、複数の駐車スペースが設けられた区域が駐車ステーションである。
管理サーバ100の制御装置110は、図1に示すように、各種プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)112と、このROM112に格納されたプログラムを実行する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)111と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)113と、を備えている。
そして、制御装置110は、本実施形態に係るカーシェアリングシステムを管理するために、ユーザからの予約を管理する予約管理機能、共用車両200を管理する車両管理機能、及びステーションの状態を管理するステーション管理機能を備える。制御装置110は、上記各機能を実現するためのソフトウェアと、上述したハードウェアの協働により各機能を実行することができる。また、制御装置110は、これらの各機能を発揮するための機能ブロックとして、図2に示すように、予約管理部11、車両管理部12、及びステーション管理部13を有している。
以下に、管理サーバ100の制御装置110が実現する各機能について、図2を用いてそれぞれ説明する。また、必要に応じて、車両側の制御も説明する。図2は、制御装置110の機能ブロックを示すブロック構成図である。
まず、制御装置110は、予約管理部11により、ユーザから車両の利用の申し込みを受け付ける。具体的には、ユーザがユーザ端末400を操作して共用車両200の利用予約の申込みを行った場合に、予約管理部11は、ユーザ端末400から送信された利用予約情報に基づいて、利用の申し込みを受け付ける。
利用予約情報は、出発ステーション(貸出ステーション)の情報、到着ステーション(返却ステーション)の情報、利用開始時刻、利用終了時刻等を含んでいる。出発ステーションの情報は、車両の貸出予定地を示しており、到着ステーションの情報は、車両の返却予定地を示している。利用開始時刻は、車両の貸出を行う予定時刻であり、車両の利用開始予定時刻である。利用開始時刻は車両の出発予定時間でもある。利用終了時刻は、車両の返却を行う予定時刻であり、車両の利用終了予定時刻である。利用終了時刻は、車両の到着予定時刻でもある。ユーザは、ユーザ端末400を用いて、ステーションのリストから、出発ステーション及び到着ステーションを指定する。ユーザはユーザ端末400を用いて、利用開始時刻及び利用終了時刻をそれぞれ入力する。また、ユーザはユーザ端末400を用いて、利用開始時刻及び利用終了時刻に加えて、利用開始時刻の変更可能時間(変更可能時間長)を入力する。変更可能時間は、ユーザが許容できる利用開始時刻の変更可能範囲を示している。変更可能時間は、ユーザにより自由に設定できる時間幅である。変更可能時間は、所定の時間刻み、例えば5分刻みで設定できる。ユーザ端末400はサーバ100と通信を行い、指定されたステーションに対して、ステーションの状態、車両の状態をディスプレイに表示してもよい。
予約管理部11は、ユーザから受け付けた利用予約に基づいて、車両の貸出を行うステーションと車両が返却されるステーションを、管理対象のステーションの中から選定する。車両の貸出を行うステーションは、ユーザが指定した出発ステーションに相当し、車両が返却されるステーションはユーザが指定した到着ステーションに相当する。予約管理部11は、選定されたステーションの情報を含めて、利用予約情報を管理している。
予約管理部11は、利用予約を受け付けた場合に、利用予約の情報をデータベース130に記憶する。データベース130は、利用時間長、ステーション及びユーザ情報を対応させた上で、利用予約の情報を記憶する。
制御装置110は、ユーザからの車両の利用要求として、上記のような利用予約の申し込みに限らず、即時利用の申し込みを受け付けてもよい。例えば、共用車両200をすぐに利用したい場合には、ユーザは共用車両200の現在の空き状態を確認し、空いている共用車両200、出発ステーション、到着ステーション及び到着時間を指定する。出発ステーションは、指定された共用車両200が現在駐車しているステーションである。制御装置110は、ユーザから即時利用の申し込みを受け付けると、利用要求に基づいて、出発ステーション及び到着ステーションを選定する。
車両管理部12は、管理対象となる共用車両200の利用状態を管理している。車両管理部12は、共用車両200の利用状態をデータベース130に記憶させている。また、車両管理部12は、通信装置120を用いて共用車両200と通信を行い、共用車両200の位置情報を取得することで、共用車両200の位置を管理している。共用車両200の利用状態には、現在車両が利用中である状態及び現在車両が利用されていない状態の少なくとも2つの状態を含んでいる。例えば、ユーザが共用車両200の空き状態を知りたい場合には、車両管理部12は、利用可能車両のリストを作成し、予約管理部11に作成したリストを送信する。予約管理部11は、通信装置120を用いてユーザに対して、利用可能車両のリストを送信する。利用可能車両は、現在利用されていない車両である。リストを受け取ったユーザはユーザ端末400の表示画面上でリストまたはリストから生成する図形情報等を確認することで、利用可能車両と、当該利用可能車両の駐車位置を確認できる。
ステーション管理部13は、ステーションの状態を管理している。ステーションの状態は、ステーションに含まれる駐車スペースの空き状態に相当する。ステーション管理部13は、車両が駐車スペースに停まっている状態、駐車スペースが空いている状態、車両の貸出予定地又は返却予定地として設定されている状態等を、ステーションの状態として管理している。ステーション管理部13は、ステーションの状態の情報をデータベース130に記憶させている。
次に、予約管理部11による予約管理機能を説明する。予約管理部11は、ユーザから利用予約として利用要求を受け付けると、車両の利用時間の情報及びステーションの情報をデータベース130に記憶する。この時点では、予約管理部11は、車両の利用を許可しておらず、プレ予約(事前予約、現在の時刻より30分を超えた先(未来)の時刻の予約のこと)として利用要求を受け付ける。データベース130には、利用開始時刻、利用開始時刻の幅、利用予定時間長、出発ステーション、及び到着ステーションの情報が記憶される。利用開始時刻の幅は、利用開始時刻の変更可能時間に相当する。なお、利用予定時間長の代わりに、利用終了時刻がデータベース130に記憶されてもよい。予約管理部11は、ユーザから利用予約を受け付ける度に、利用予約に関する情報をデータベース130に記憶する。
予約管理部11は、現在の時間が利用判定時刻となった否かを判定する。利用判定時刻は、受け付けた利用予約を確定させる時刻であって、ユーザにより指定された利用開始時刻よりも所定時間(例えば30分)前の時刻に設定されている。例えば、ユーザAが、利用開始時刻として14時を指定し、利用予約を行った場合には、予約管理部11は、利用開始時刻の30分前である13時30分に、ユーザAの利用を許可するか否かを判定する。
予約管理部11は、ユーザに対して車両の利用を許可するか否かを判定するときには、共用車両200を利用するユーザ数が最大になるように、変更可能時間長の範囲内で利用開始時刻を調整する。図3及び図4を用いて、予約管理部11により利用予約を確定するときの制御を説明する。なお、図3の表において、利用開始時刻は、利用予約の申し込み時にユーザにより指定された時刻であって、変更前の利用開始時刻である。最長利用終了時間は、利用開始時刻を利用開始時刻の幅の範囲内で変更した場合に、最も利用終了時刻が遅くなる時刻である。
以下、具体例を用いて説明する。具体例では、4人のユーザが、既にプレ予約として利用予約を申し込んでいる。また利用予約の申し込みは、ユーザA、ユーザB、ユーザC、及びユーザDの順番で行われたとする。4人のユーザの利用開始時刻、利用開始時刻の幅(変更可能時間)、利用予定時間長、出発ステーション、及び到着ステーションは図3の表に示す通りである。図4は、利用時間と利用ステーション関係をユーザA〜D毎で示した概念図である。また利用判定時刻は、利用開始時刻の30分前の時間とする。なお、説明を容易にするために、利用可能な車両を1台とし、5つのステーション(ST1からST5)のうち、ST1のみに、共用車両200が停車しているとする。
4人のユーザのうち、最も利用開始時刻の早いユーザAの利用開始時刻より30分前の時間、すなわち13時になると、予約管理部11は、現在の時間が利用判定時刻に到達したと判定する。予約管理部11は、ユーザAの利用予約を確定するか否かを判定するために、まずユーザAの利用ステーション及び利用時間が、他のユーザ(ユーザB〜D)の利用ステーション及び利用時間と重複しているか否かを判定する。
利用ステーションの重複は、ユーザ間で出発ステーションが重複している場合、又は、ユーザ間で到着ステーションが重複している場合に限らず、一方のユーザの出発ステーションと他方のユーザの到着ステーションが重複している場合も含まれる。利用時間の重複は、ユーザの利用時間の少なくとも一部の時間が重複している場合も含んでいる。
図3の例では、ユーザAの到着ステーションと、ユーザB及びユーザCの出発ステーションとが共にST2であるため、利用ステーションが重複している。また、ユーザAの利用時間は13時30分(利用開始時刻)から14時20分(利用終了時刻)であり、ユーザBの利用時間は14時(利用開始時刻)から14時45分であり、ユーザCの利用時間は14時から14時20分である。ユーザAの利用終了時刻が、ユーザB及びユーザCの利用開始時刻よりも後の時間であるため、ユーザAの利用時間は、ユーザB及びユーザCの利用時間と重複する。
ユーザAとユーザBとの重複関係又はユーザAとユーザCとの重複関係のように、前に利用される車両の返却ステーションが、次に利用される車両の出発ステーションに設定されている場合には、同じ車両を利用することで、車両の稼働率を高めることができる。しかしながら、ユーザAの利用時間が、ユーザB、Cの利用時間と重複しているため、ユーザの指定時間では、車両を効率よく利用できない。
予約管理部11は、ユーザBの利用開始時刻の幅を確認し、ユーザBの利用開始時刻の幅の範囲内でユーザBの利用開始時刻を変更することで、ユーザBが共用車両200を利用できるか否かを判定する。予約管理部11は、ユーザCについても、同様に、ユーザCの利用開始時刻の幅の範囲内でユーザCの利用開始時刻を変更することで、ユーザCが共用車両200を利用できるか否かを判定する。
図3及び図4の例では、ユーザBは15分の利用開始時刻の幅を指定しており、ユーザCは20分の利用開始時刻の幅を指定している。ユーザBの利用開始時間は14時から14時15分に変更可能であり、ユーザCの利用開始時間は14時から14時20分に変更可能である。すなわち、ユーザBの利用開始時間及びユーザCの利用開始時刻は、ユーザAの利用終了時刻(14時15分)より後に変更できる。そのため、予約管理部11は、利用開始時間を変更することで、ユーザB及びユーザCは車両を利用できると判定する。なお、本実施形態では、ユーザAの利用終了時刻とユーザBの変更後の利用開始時間が同じ場合に、ユーザBは車両を利用できると判定しているが、予約管理部11は、所定の余裕時間(例えば5分)を確保できない場合には、利用不可と判定してもよい。また、例えばユーザB又はユーザCの利用開始時間が利用開始時刻の幅で変更されても、変更後の利用開始時刻が、ユーザAの利用終了時刻より後の時刻にならない場合には、予約管理部11は利用不可と判定する。
ユーザB及びユーザCに対してST2から車両を貸し出すことを想定した場合に、実際には、ユーザAが返却した車両しかST2に駐車していない。そのため、ユーザBとユーザCのいずれか一方に、車両を割り当てる必要がある。このような場合には、予約管理部11は、他のユーザがユーザB、Cの利用後の返却車両を利用できるようにするためには、ユーザBとユーザCのどちらのユーザに共用車両200を貸し出すべきか、判定する。
図3及び図4の例では、ユーザBの到着ステーション(ST3)において、他のユーザから共用車両の200の利用予約が入っていない。一方、ユーザCの到着ステーション(ST4)では、ユーザDから共用車両200の利用予約が入っている。そのため、予約管理部11は、共用車両200を利用するユーザ数を増やすために、ユーザCが車両を利用できると判定し、ユーザBは車両を利用できないと判定する。
ユーザCがST4に車両を返却する時刻(利用終了時刻)は14時40分である。ユーザDがST4から車両を利用するために指定している時刻(利用開始時刻)は14時30分である。ユーザCの利用開始時刻は変更後の時刻のため、利用開始時刻を変更するための許容時間長は短い。ユーザDは15分の利用開始時刻の幅を指定している。そのため、図4に示すように、ユーザDの利用開始時刻が14時30分から14時45分に変更されれば、ユーザDは、ST4において、ユーザCの返却車両を利用できる。予約管理部11は、ユーザDの利用開始時刻を変更することで、ユーザDの車両を利用できると判定する。
上記のように、利用変更時間幅の範囲内で各ユーザの利用開始時刻を変更する前の状態では、共用車両を利用できるユーザ数は1人(ユーザAのみ)である。また、利用予約の申し込み順で、ユーザA〜Dに対して貸出車両を割り当てた場合には、共用車両200を利用できるユーザ数は1人(ユーザAのみ)である。一方、本実施形態のように、利用変更時間幅の範囲内で各ユーザの利用開始時刻を変更し、利用を許可するユーザの組み合わせをユーザA、ユーザC及びユーザDとすることで、共用車両を利用できるユーザ数は3人となる。
これにより、予約管理部11は、利用ステーション及び利用時間が複数のユーザ間で重複するか否かを判定し、重複すると判定した場合には、車両を利用するユーザ数が最大となるように、利用開始時刻の幅の範囲内で利用開始時刻を変更して、ユーザ数が最大となる組み合わせを算出する。予約管理部11は、ユーザAの利用を許可し、ユーザAに対して予約が確定した旨の通知を行う。このとき、利用開始時刻が変更された場合には、予約管理部11は、変更後の利用開始時刻を通知する。また、図3及び図4の例では、ユーザAの利用許可の判定を行った時点で、ユーザBは利用不可となっているため、予約管理部11は、ユーザBに対して予約不可となったことを通知してもよい。また、予約管理部11は、ユーザC、Dに、変更後の利用開始時刻を通知してもよい。予約管理部11は、ユーザCの利用許可の判定を行った時点、すなわちユーザCの利用開始時刻の30分前になった時点で、上記と同様の判定を行う。
また他の具体例を挙げた上で、予約管理部11による予約管理機能を説明する。他の具体例では、図5に示すように、3人のユーザが既にプレ予約として利用予約を申し込んでいる。また利用予約の申し込みは、ユーザE、ユーザF、及びユーザGの順番で行われたとする。3人のユーザの利用開始時刻、利用開始時刻の幅(変更可能時間)、利用予定時間長、出発ステーション、及び到着ステーションは図5の表に示す通りである。なお、説明を容易にするために、ST2に設けられる駐車スペースは1台分のみであり、この駐車スペースが空いているとする。ST1及びST3には、利用可能な共用車両200がそれぞれ駐車している。
予約管理部11は、ユーザE、Fの利用開始時刻より30分前の時間、すなわち14時になると、予約管理部11は、現在の時間が利用判定時刻に到達したと判定する。予約管理部11は、ユーザE、Fの利用予約を確定するために、利用ステーション及び利用時間がユーザ間で重複するか否か判定する。
図5の例では、ユーザEの到着ステーション、ユーザFの到着ステーション、及びユーザFの出発ステーションが共にST2であるため、利用ステーションが重複している。ユーザE、ユーザF及びユーザGの利用時間も重複する。
ユーザE又はユーザFにより共用車両200がST2に返却した後には、ユーザGの利用予約が待機している。そのため、ユーザE又はユーザFの返却車両を、ユーザGが利用できれば、車両を利用可能なユーザ数が増加することになる。
ST2の空き駐車スペースは1台分である。ユーザGの利用開始時刻は15時であり、ユーザGの利用開始時刻の幅は0分のため、ユーザGの利用時間時間は15時から変更できない。
予約管理部11は、ユーザE、Fの利用開始時刻の幅を確認し、ユーザBの利用開始時刻の幅の範囲内でユーザBの利用開始時刻を変更することで、ユーザGが共用車両200を利用可できるか否かを判定する。
図5の例では、ユーザEは、5分の利用開始時刻の幅を指定しているため、ユーザEの利用開始時刻は14:30分から14時25分に変更可能である。そして、ユーザEの最短利用終了時刻は15時05分(=14時25分+40分)となる。ユーザFは、15分の利用開始時刻の幅を指定しているため、ユーザFの利用開始時刻は14:30分から14時15分に変更可能である。そして、ユーザFの最短利用終了時刻は14時55分(=14時15分+40分)となる。すなわち、ユーザEは、利用開始時刻の幅の範囲内で利用開始時刻を変更したとしても、ユーザGの利用開始時刻までに、共用車両200を返却できない。一方、ユーザFは、利用開始時刻の幅の範囲内で利用開始時刻を変更することで、ユーザGの利用開始時刻までに、共用車両200を返却できる。そのため、予約管理部11は、利用開始時刻を変更することで、ユーザF及びユーザGは車両を利用できると判定し、ユーザEは車両を利用できないと判定する。
上記のように、利用変更時間幅の範囲内で各ユーザの利用開始時刻を変更する前の状態では、共用車両を利用できるユーザ数は1人(ユーザE又はFのみ)である。また、利用予約の申し込み順で、ユーザE及びユーザFに対して貸出車両を割り当てた場合には、共用車両200を利用できるユーザ数は1人(ユーザEのみ)である。一方、本実施形態のように、利用変更時間幅の範囲内で各ユーザの利用開始時刻を変更し、利用を許可するユーザの組み合わせをユーザF及びユーザGとすることで、共用車両を利用できるユーザ数は2人となる。
これにより、予約管理部11は、利用ステーション及び利用時間が複数のユーザ間で重複するか否かを判定し、重複すると判定した場合には、車両を利用するユーザ数が最大となるように、利用開始時刻の範囲内で利用開始時刻を変更して、ユーザ数が最大となる組み合わせを算出する。予約管理部11は、ユーザF、Gの利用を許可し、ユーザF、Gに対して予約が確定した旨の通知を行う。このとき、予約管理部11は、ユーザFに対して利用開始時刻が変更された旨を通知する。また、予約管理部11は、ユーザEに対して予約不可となったことを通知する。
次に、予約管理部11による予約管理制御の制御フローを説明する。図6は、予約管理部11の制御フローを説明するフローチャートである。
ステップS1にて、予約管理部11は、ユーザから、共用車両200の利用予約の受け付けがあるか否かを判定する。利用予約を受け付けた場合には、予約管理部11はステップS2以降の制御フローを実行する。予約管理部11は、利用予約を受け付けていない場合には、ステップS4の制御フローを実行する。ステップS2にて、予約管理部11は、受け付けた利用予約で示される情報に基づいて、出発ステーション及び到着ステーションを設定する。ユーザよりステーションの指定がある場合には、予約管理部11は、ユーザにより指定されたステーションを、利用ステーション(出発ステーション及び到着ステーション)を選定する。ユーザからの指定が、施設等の特定の位置である場合には、予約管理部11は、指定された位置の最寄りのステーションを利用ステーションとして選定する。
ステップS3にて、予約管理部11は、利用予約情報をデータベース130に記憶する。利用予約情報は、ユーザにより指定された利用時間情報、及び、選定された利用ステーション情報を含む。
ステップS4にて、予約管理部11は、現在の時刻が利用判定時刻に到達したか否かを判定する。利用判定時刻に到達していない場合には、予約管理部11は制御フローを終了させる。利用判定時刻に到達した場合には、予約管理部11は、ステップS5以降の制御フローを実行する。
ステップS5にて、予約管理部11は利用条件が複数のユーザ間で重複するか否かを判定する。利用条件は、利用時間の条件と利用ステーションの条件に相当する。
利用時間及び利用ステーションが複数のユーザ間で重複する場合には、ステップS6にて、予約管理部11は、車両を利用できるユーザ数が最大となる組み合わせを算出する。ステップS7にて、予約管理部11は、予約が確定したユーザに対して、確定予約情報を送信する。確定予約情報は、確定した利用時間の情報、確定した利用ステーションの情報を含む。
ステップS5の制御フローにおいて、利用時間又は利用ステーションの少なくともいずれか一方が複数のユーザ間で重複しない場合には、予約管理部11は、ステップS7の制御フローを実行する。
予約管理部11は、ステップS7の制御フローを実行後、制御フローを終了させる。
上記のように本実施形態では、ユーザから受け付けた利用要求に基づいて共用車両200の貸出又は返却を行うステーションを利用ステーションとして選定し、利用ステーション及び車両の利用時間が複数のユーザの間で重複するか否かを判定し、重複すると判定した場合には、車両を利用するユーザ数が最大になるように、変更可能時間の範囲内で利用開始時刻を変更する。これにより、共用車両200を利用できるユーザ数を増やすことができる。その結果として、共用車両200の稼働率を高めることができる。
また本実施形態では、貸出ステーション(出発ステーション:ST2)を貸出地として希望するユーザB、同じ貸出ステーション(出発ステーション:ST2)を貸出地として希望するユーザCから、利用要求をそれぞれ受け付ける。ユーザBとユーザCとの間で、共用車両200の利用時間が重複し、利用対象となる共用車両200が重複する場合には、ユーザB又はユーザCが返却ステーションに返却した後の共用車両200が他のユーザDに利用できるように利用開始時刻を変更し、ユーザB又はユーザCのうち、利用開始時刻が変更されたユーザCに対して車両の利用を許可する。これにより、重複するユーザ間でいずれかのユーザに対して利用を許可する場合に、他のユーザは返却車両を利用できる。ゆえに、共用車両200を利用できるユーザ数を増やすことができる。
また本実施形態では、返却ステーション(到着ステーション:ST2)を返却地として希望するユーザA、同じステーション(ST2)を貸出地として希望するユーザB、及び同じステーション(ST2)を貸出地として希望するユーザCから、各ユーザの利用要求をそれぞれ受け付ける。ユーザAとユーザBとの間、及び、ユーザAとユーザCとの間で、共用車両200の利用時間が重複する場合には、ユーザAの利用終了時刻、ユーザBの変更後の利用開始時刻、及びユーザCの変更後の利用開始時刻を比較し、変更後の利用開始時刻がユーザAの利用終了時刻より後になるユーザに対して共用車両200の利用を許可する。これにより、重複するユーザ間でいずれかのユーザに対して利用を許可する場合に、他のユーザは返却車両を利用できる。ゆえに、共用車両200を利用できるユーザ数を増やすことができる。
また本実施形態では、返却ステーション(到着ステーション:ST2)を返却地として希望するユーザE、同じステーション(ST2)を返却地として希望するユーザF、及び同じステーション(ST2)を貸出地として希望するユーザGから、各ユーザの利用要求をそれぞれ受け付ける。ユーザEとユーザGとの間、及び、ユーザFとユーザGとの間で、共用車両200の利用時間が重複する場合には、ユーザEによる共用車両200の変更後の利用終了時刻、ユーザFの変更後の利用終了時刻、及びユーザGの利用開始時刻を比較し、変更後の利用終了時刻がユーザGの利用終了時刻より前になるユーザFに対して共用車両200の利用を許可する。これにより、重複するユーザ間でいずれかのユーザに対して利用を許可する場合に、他のユーザは返却車両を利用できる。ゆえに、共用車両200を利用できるユーザ数を増やすことができる。
なお、本実施形態では、ユーザから利用開始時刻の変更可能範囲を入力できるようなシステムであるが、利用開始時刻に限らず、利用終了時刻の変更可能範囲を入力できるようにしてもよい。また、本実施形態は、利用開始時刻の変更可能範囲及び利用終了時刻の変更可能範囲を入力できるようなシステムとしてもよい。
《第2実施形態》
本発明の他の実施形態に係るカーシェアリングシステムを説明する。本実施形態では、他の実施形態に対して、ユーザ数が最大となる組み合わせが複数通りある場合の制御が異なる。他の制御及び具体的構成は、第1実施形態と同様であるため、本実施形態は、第1実施形態の記載を適宜援用する。
本実施形態に係る予約管理部11は、ユーザ数が最大となる組み合わせが複数ある場合には、利用時間及び利用ステーションが重複する複数のユーザのうち、利用可能時間幅が長いユーザを優先させて、共用車両200の利用を許可する。
以下、具体例を用いて説明する。具体例では、3人のユーザが既にプレ予約としれ利用予約を申し込んでいる。また利用予約の申し込みは、ユーザA、ユーザB及びユーザCの順番で行われたとする。3人のユーザの利用開始時刻、利用開始時刻の幅(変更可能時間)、利用予定時間長、出発ステーション、及び到着ステーションは図7の表に示す通りである。また、ユーザA〜CのうちユーザAのみを含む組み合わせ、ユーザBのみを含む組み合わせ、及びユーザCのみを含む組み合わせは、それぞれユーザ数が最大となる組み合わせであり、各組み合わせのユーザ数は同数とする。図8は、利用ステーション関係をユーザA〜D毎で示した概念図である。なお、説明を容易にするために、各ステーションには、1台分の駐車スペースのみ設けられているとする。
図8に示すように、3つの出発ステーション(ST1、ST2、及びST3)のうち、共用車両200はST2のみに駐車している。3つの出発ステーション(ST4、ST5、及びST6)のうち、空き駐車スペースはST5のみである。そのため、出発ステーションと到着ステーションは、それぞれST2及びST5となる。
そして、図7に示すように、ユーザA〜Cの間で、利用時間及び利用ステーションは重複している。複数のユーザ間で利用時間及び利用ステーションが重複しており、どのユーザを選択しても組み合わせで決まるユーザ数が同数である場合には、予約管理部11は、複数のユーザにより指定された各利用可能時間幅のうち、最も利用可能時間幅の長い時間を指定したユーザに対して、車両の利用を許可する。図7の例では、ユーザCの利用可能時間幅が、ユーザA及びユーザBよりも長いため、予約管理部11は、ユーザCによる共用車両200の利用を許可し、ユーザA及びユーザBによる共用車両200の利用を許可しない。予約管理部11は、ユーザCに対して予約が確定した旨の通知を行い、ユーザB及びユーザAに対して予約不可となったことを通知する。
図7及び図8の具体例では、複数のユーザのうち、1人のユーザの予約を確定する例を示したが、複数のユーザの予約を確定できる場合には、予約管理部11は、複数のユーザにより指定された各利用可能時間幅のうち、より長い利用可能時間幅を指定したユーザを優先させて、車両の利用を許可する。例えば、ユーザA〜Cの利用時間及び利用ステーションの重複関係が図7の表に示すとおりであり、2人分のユーザの予約を確定できる場合には、予約管理部11は、ユーザB及びCによる共用車両200の利用を許可し、ユーザAによる共用車両200の利用を許可しない。
次に、予約管理部11による予約管理制御の制御フローを説明する。図9は、予約管理部11の制御フローを説明するフローチャートである。ステップS11〜16の制御フローは、第1実施形態に係るステップS1〜S6の制御フローと同様であるため、説明を省略する。ステップS19の制御フローは第1実施形態に係るステップS7の制御フローと同様であるため説明を省略する。
ステップS16の制御フローの後、ステップS17にて、予約管理部11は、組み合わせが複数有るか否かを判定する。組み合わせが複数無い場合には、予約管理部11は、ステップS19の制御フローを実行後、制御フローを終了させる。
組み合わせが複数有る場合には、ステップS18にて、予約管理部11は、複数の組み合わせに該当するユーザのうち、利用開始時刻の幅の長いユーザを優先させて、共用車両200の利用を許可する。
上記のように、本実施形態では、利用ステーション及び共用車両200の利用時間が複数のユーザの間で重複すると判定した場合には、重複する複数のユーザのうち、利用開始時刻の幅が長いユーザを優先させて共用車両200の利用を許可する。これにより、利用時間を調整できる範囲が広がることで、他のユーザからの利用予約を受け入れやすくなるため、車両の稼働率を高めることができる。
《第3実施形態》
本発明の他の実施形態に係るカーシェアリングシステムを説明する。本実施形態では、他の実施形態に対して、ユーザ数が最大となる組み合わせが複数通りある場合の制御が異なる。他の制御及び具体的構成は、第1実施形態と同様であるため、本実施形態は、第1実施形態の記載を適宜援用する。
本実施形態に係る予約管理部11は、ユーザ数が最大となる組み合わせが複数ある場合には、利用時間及び利用ステーションが重複する複数のユーザのうち、利用時間が短いユーザを優先させて、共用車両200の利用を許可する。
以下、具体例を用いて説明する。具体例の条件は、第2実施形態で示した具体例と同じである。
図7に示すように、ユーザA〜Cの間で、利用時間及び利用ステーションは重複している。すなわち、複数のユーザ間で利用時間及び利用ステーションが重複しており、どのユーザを選択しても組み合わせで決まるユーザ数が同数である場合には、予約管理部11は、複数のユーザにより指定された各利用可能時間幅のうち、最も利用時間の短い時間を指定したユーザに対して、車両の利用を許可する。図7の例では、ユーザBの利用予定時間長がユーザA及びユーザCよりも短いため、予約管理部11は、ユーザBによる共用車両200の利用を許可し、ユーザA及びユーザCによる共用車両200の利用を許可しない。予約管理部11は、ユーザBに対して予約が確定した旨の通知を行い、ユーザA及びユーザCに対して予約不可となったことを通知する。
具体例では、複数のユーザのうち、1人のユーザの予約を確定する例を示したが、複数のユーザの予約を確定できる場合には、予約管理部11は、複数のユーザにより指定された利用予定時間長のうち、より短い利用時間を指定したユーザを優先させて、車両の利用を許可する。例えば、ユーザA〜Cの利用時間及び利用ステーションの重複関係が図7の表に示すとおりであり、2人分のユーザの予約を確定できる場合には、予約管理部11は、ユーザA及びBによる共用車両200の利用を許可し、ユーザCによる共用車両200の利用を許可しない。
次に、予約管理部11による予約管理制御の制御フローを説明する。図10は、予約管理部11の制御フローを説明するフローチャートである。ステップS21〜26の制御フローは、第1実施形態に係るステップS1〜S6の制御フローと同様であるため、説明を省略する。ステップS29の制御フローは第1実施形態に係るステップS7の制御フローと同様であるため説明を省略する。
ステップS26の制御フローの後、ステップS27にて、予約管理部11は、組み合わせが複数有るか否かを判定する。組み合わせが複数無い場合には、予約管理部11は、ステップS29の制御フローを実行後、制御フローを終了させる。
組み合わせが複数有る場合には、ステップS28にて、予約管理部11は、複数の組み合わせに該当するユーザのうち、利用時間の短いユーザを優先させて、共用車両200の利用を許可する。
上記のように、本実施形態では、利用ステーション及び共用車両200の利用時間が複数のユーザの間で重複すると判定した場合には、重複する複数のユーザのうち、利用時間が短いユーザを優先させて共用車両200の利用を許可する。これにより、車両の利用回数が増えるため、車両の稼働率を高めることができる。
《第4実施形態》
本発明の他の実施形態に係るカーシェアリングシステムを説明する。本実施形態では、他の実施形態に対して、ユーザ数が最大となる組み合わせが複数通りある場合の制御が異なる。他の制御及び具体的構成は、第1実施形態と同様であるため、本実施形態は、第1実施形態の記載を適宜援用する。
本実施形態に係る予約管理部11は、ユーザ数が最大となる組み合わせが複数ある場合には、利用時間及び利用ステーションが重複する複数のユーザのうち、利用可能時間幅が長いユーザを優先させて、共用車両200の利用を許可する。
以下、具体例を用いて説明する。具体例では、4人のユーザが既にプレ予約としれ利用予約を申し込んでいる。また利用予約の申し込みは、ユーザA、ユーザB、ユーザC及びユーザDの順番で行われたとする。4人のユーザの利用開始時刻、利用開始時刻の幅(変更可能時間)、利用予定時間長、出発ステーション、及び到着ステーションは図11の表に示す通りである。ユーザA〜Cの利用条件等は、第2実施形態で示した具体例と同様である。また、ユーザA〜CのうちユーザAのみを含む組み合わせ、ユーザBのみを含む組み合わせ、及びユーザCのみを含む組み合わせは、それぞれユーザ数が最大となる組み合わせであり、各組み合わせのユーザ数は同数とする。また、3つの出発ステーション(ST1、ST2、及びST3)の状態及び3つの到着ステーション(ST4、ST5、及びST6)の状態は、第2実施形態で示した具体例と同様である。なお、説明を容易にするために、各ステーションには、1台分の駐車スペースのみ設けられているとする。
ユーザA〜Cの間で、利用時間及び利用ステーションは重複している。複数のユーザ間で利用時間及び利用ステーションが重複しており、どのユーザを選択しても組み合わせで決まるユーザ数が同数である場合には、予約管理部11は、複数のユーザにより指定された各利用可能時間幅のうち、最も利用終了時刻の早いユーザに対して、車両の利用を許可する。具体例では、ユーザA及びユーザBの利用終了時刻がユーザCも早い。予約管理部11は、ユーザA又はユーザBによる共用車両200の利用を許可し、ユーザCによる共用車両200の利用を許可しない。ユーザA及びユーザBのいずれか一方を選択する際には、例えば予約の申し込み順序、又は、第2実施形態のように利用開始時刻の幅のより長い方を優先させればよい。そして、予約管理部11は、ユーザA又はユーザBに対して予約が確定した旨の通知を行い、ユーザCに対して予約不可となったことを通知する。
図11の具体例では、ユーザDが、利用開始時刻(14時30分)で、出発ステーションをST5として予約を申し込んでいる。本実施形態では、ST5への車両の返却時間をより早めるために、より利用終了時刻の早いユーザA又はユーザBに対して、共用車両200の利用を許可している。これにより、ユーザDはST5への返却車両を利用できるため、車両の稼働率が高まる。
図11の具体例では、複数のユーザのうち、1人のユーザの予約を確定する例を示したが、複数のユーザの予約を確定できる場合には、予約管理部11は、複数のユーザの利用終了時刻のうち、利用終了時刻が早いユーザを優先させて、車両の利用を許可する。例えば、ユーザA〜Cの利用時間及び利用ステーションの重複関係が図11の表に示すとおりであり、ST5に空き駐車スペースが2台分あり、2人分のユーザの予約を確定できる場合には、予約管理部11は、ユーザA及びBによる共用車両200の利用を許可し、ユーザCによる共用車両200の利用を許可しない。
次に、予約管理部11による予約管理制御の制御フローを説明する。図12は、予約管理部11の制御フローを説明するフローチャートである。ステップS31〜36の制御フローは、第1実施形態に係るステップS1〜S6の制御フローと同様であるため、説明を省略する。ステップS39の制御フローは第1実施形態に係るステップS7の制御フローと同様であるため説明を省略する。
ステップS36の制御フローの後、ステップS37にて、予約管理部11は、組み合わせが複数有るか否かを判定する。組み合わせが複数無い場合には、予約管理部11は、ステップS39の制御フローを実行後、制御フローを終了させる。
組み合わせが複数有る場合には、ステップS38にて、予約管理部11は、複数の組み合わせに該当するユーザのうち、利用終了時刻の早いユーザを優先させて、共用車両200の利用を許可する。
上記のように、本実施形態では、利用ステーション及び共用車両200の利用時間が複数のユーザの間で重複すると判定した場合には、重複する複数のユーザのうち、利用終了時刻が早いユーザを優先させて共用車両200の利用を許可する。これにより、返却車両を他のユーザに利用させる機会を増やし、車両の稼働率を高めることができる。
《第5実施形態》
本発明の他の実施形態に係るカーシェアリングシステムを説明する。本実施形態では、他の実施形態に対して、ユーザ数が最大となる組み合わせが複数通りある場合の制御が異なる。他の制御及び具体的構成は、第1実施形態と同様であるため、本実施形態は、第1実施形態の記載を適宜援用する。
本実施形態に係る予約管理部11は、ユーザ数が最大となる組み合わせが複数ある場合には、利用時間及び利用ステーションが重複する複数のユーザのうち、遵守率が高いユーザを優先させて、共用車両200の利用を許可する。
遵守率は、ユーザが共用車両200の利用予約内容で車両を利用したか否かを示す割合であって、ユーザ毎に算出される値である。例えば、ユーザが利用予約をキャンセルすることなく、共用車両200を利用しなかった場合、又は、ユーザが指定した利用開始時刻よりも後の時間に共用車両200を利用した場合には、遵守率が下がる。予約管理部11は、車両の利用実績をデータベース130に記憶している。予約管理部11は、車両の予約内容と、予約内容に対応する利用実績とを比較し、車両が予約内容で利用されたか否かを判定する。予約管理部11は、判定結果に応じて、遵守率をユーザ毎に算出する。
次に、予約管理部11による予約管理制御の制御フローを説明する。図12は、予約管理部11の制御フローを説明するフローチャートである。ステップS41〜46の制御フローは、第1実施形態に係るステップS1〜S6の制御フローと同様であるため、説明を省略する。ステップS49の制御フローは第1実施形態に係るステップS7の制御フローと同様であるため説明を省略する。
ステップS46の制御フローの後、ステップS47にて、予約管理部11は、組み合わせが複数有るか否かを判定する。組み合わせが複数無い場合には、予約管理部11は、ステップS49の制御フローを実行後、制御フローを終了させる。
組み合わせが複数有る場合には、ステップS48にて、予約管理部11は、複数の組み合わせに該当するユーザのうち、遵守率の高いユーザを優先させて、共用車両200の利用を許可する。
上記のように、本実施形態では、利用ステーション及び共用車両200の利用時間が複数のユーザの間で重複すると判定した場合には、重複する複数のユーザのうち、遵守率が高いユーザを優先させて共用車両200の利用を許可する。これにより、カーシェアリングシステムの利用の円滑を図ることができる。