JP6801955B2 - 配線基板の製造方法、データ補正装置、配線パターン形成システム及びデータ補正方法 - Google Patents

配線基板の製造方法、データ補正装置、配線パターン形成システム及びデータ補正方法 Download PDF

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Description

本発明は、配線基板の製造方法、データ補正装置、配線パターン形成システム及びデータ補正方法に関するものであり、特には電子機器等に用いられる微細回路を有する配線基板の製造に用いられる配線基板の製造方法、データ補正装置、配線パターン形成システム及びデータ補正方法に関するものである。
電子機器の高機能化、小型化の動向から、電子機器に用いられる配線基板に対しても、配線パターンの細線化による高密度化が求められている。
このような配線パターンの細線化による高密度化に対応するための配線パターン形成方法としては、感光性レジストに露光パターンをレーザー光やUV−LED光などで直接照射する直接描画式の露光装置(DI:Direct Imaging)と、エッチング等で実際に形成された実パターンを反射光で読み取って元データ(設計データ)との比較を行う光学式の検査装置(AOI::Automatic Optical Inspection)を組み合わせて、エッチング後の実際の仕上りのデータを検査装置(AOI)に取り込み、露光装置(DI)にフィードバックする方法が考えられている(特許文献1〜3)。
特開2005−116929号公報 特開2006−303229号公報 特開2007−033764号公報
しかし、パターン幅の変動要因はいくつもあり、パターンの形状・粗密等による変動のように、製造ロットが変わっても、同じ配線パターンを有する製品では、ある程度一定になる要因もあれば、エッチング液の変動等のように、同じ製品であっても、製造プロセスの状態変化によって、製造ロット毎に変動する要因もある。このため、特許文献1〜3のような従来の配線パターン形成方法では、配線パターン幅の変動を抑制できない場合が考えられる。このため、従来のように、検査装置(AOI)のデータをフィードバックする方法では、微細回路の精度向上に対してあまり有効とは言えない面があった。
これに対しては、例えば、製造ロット毎に先行して作製した実パターン基板の検査装置(AOI)の検査データをフィードバックする方法が考えられるが、検査装置(AOI)の検査データは膨大であるため、フィードバックするデータの処理に長時間を要する問題がある。また、製造ロット毎に先行して作製した実パターン基板の検査データを少なくして、データの処理を早くすることが考えられるが、検査データを少なくすると、イレギュラーなデータを含む場合にその影響が大きく、その実パターン基板を作製する時点での製造プロセスの状態を正しく反映できず、かえって精度が低下する問題がある。
また、エッチングによる回路加工においては、実パターン基板の表裏面の一方の面内においても、配線パターンの配置された位置(パターン位置)によって、実パターン基板の搬送方向やエッチング液の当たる方向等との関係が変化するので、エッチング処理に方向性やエッチング量のむらが生じる傾向がある。特に実パターン基板の端部周辺部では、このようなエッチング処理のむらに加えて、実パターン基板自体のめっき厚さの変動による銅箔の厚さのむら等も加わるため、さらにこの傾向が強い。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、パターン間隙、パターンサイズ、パターン厚さ、パターン位置等の配線パターン仕様による配線パターンのライン幅等の変動に加え、感光性レジスト、現像液、エッチング液等の製造プロセスの状態変化による配線パターンのライン幅の変動に対しても、露光データをより高精度に補正して対応可能とすることにより、微細回路形成時のライン幅精度を向上させることを目的とする。
本発明は、以下に関する。
(1) 目標とする配線パターンの元データに基づいて露光データを作成する工程(A)と、この露光データを用いて形成した実パターン基板から実パターンデータを作成する工程(B)と、前記元データと実パターンデータとの差分に基づいて、前記元データ又は露光データの補正データを作成する工程(C)と、を有し、前記補正データを作成する工程(C)が、前記実パターンデータと前記元データ又は露光データとの差分から差分データを作成する工程(C−1)と、この差分データと前記差分を生じさせる因子との関係から、前記差分を生じさせる因子と差分を抑制するための前記元データの補正量又は前記露光データの補正量との関係を規定した複数の補正関数を作成する工程(C−2)と、この複数の補正関数を合成した補正関数を作成する工程(C−3)と、前記合成した補正関数を用いて前記配線パターンの元データ又は露光データを補正する工程(C−4)と、を有し、前記複数の補正関数を作成する工程(C−2)では、複数の補正関数を前記実パターン基板の面内の領域毎に作成する配線基板の製造方法。
(2) 前記複数の補正関数を作成する工程(C−2)では、実パターン基板を用いて作成された一次補正関数と、他の実パターン基板を用いて作成された二次補正関数とを領域毎に作成し、前記合成した補正関数を作成する工程(C−3)では、前記一次補正関数と二次補正関数を合成した三次補正関数を実パターン基板の領域毎に作成し、前記元データ又は露光データを補正する工程(C−4)では、前記三次補正関数を用いて、前記実パターン基板の配線パターンの元データ又は露光データを領域毎に補正する、項1に記載の配線基板の製造方法。
(3) 前記複数の補正関数を作成する工程(C−2)では、前記二次補正関数とは別に、さらに他の実パターン基板を用いて作成された他の二次補正関数を作成し、前記合成した補正関数を作成する工程(C−3)では、前記三次補正関数と前記さらに作成された他の二次補正関数を合成して他の三次補正関数を作成する、項2に記載の配線基板の製造方法。
(4) 前記複数の補正関数を作成する工程(C−2)では、一次補正関数を作成するのに用いた実パターン基板と、他の二次補正関数を作成するのに用いた他の実パターン基板又はさらに他の実パターン基板とが、同一の配線パターンを有する、項2又は3に記載の配線基板の製造方法。
(5) 前記複数の補正関数を作成する工程(C−2)では、前記二次補正関数の後に作成される他の二次補正関数が、実パターン基板の製造ロット毎又は実パターン基板毎に作成される、項2から4の何れか1項に記載の配線基板の製造方法。
(6) 前記実パターンデータと前記元データ又は露光データとの差分を生じさせる因子が、前記実パターン基板の配線パターンの元データ又は露光データのパターン間隙、パターンサイズ、パターン厚さ、パターン位置の何れか又は何れか2以上の組み合せである、項1から5の何れか1項に記載の配線基板の製造方法。
(7) 前記実パターンデータと前記元データ又は露光データとの差分を生じさせる因子として、前記実パターン基板の配線パターンの元データ又は露光データのパターン間隙、パターンサイズ、パターン厚さ、パターン位置の何れか又は何れか2以上の組み合せに対応する実パターンデータを用いる項6に記載の配線基板の製造方法。
(8) 項1から7の何れか1項に記載の配線基板の製造方法に用いる、配線パターンの元データ又は露光データのデータ補正装置であって、目標とする配線パターンの元データ又はこの元データに基づいて作成された露光データと、前記露光データを用いて形成した実パターン基板から作成した実パターンデータとの差分から差分データを作成し(C−1)、この差分データと前記差分を生じさせる因子との関係から、前記差分を生じさせる因子と前記差分を抑制するための前記元データの補正量又は前記露光データの補正量との関係を規定した複数の補正関数を作成し(C−2)、この複数の補正関数を合成した補正関数を作成し(C−3)、前記複数の補正関数を合成して作成した補正関数を用いて補正した前記配線パターンの元データ又は露光データの補正データを作成し(C−4)、前記複数の補正関数を作成する際(C−2)には、複数の補正関数を前記実パターンの面内の領域毎に作成するデータ補正装置。
(9) 複数の補正関数を作成する際(C−2)には、実パターン基板を用いて作成された一次補正関数と、他の実パターン基板を用いて作成された二次補正関数とを領域毎に作成し、前記合成した補正関数を作成する際(C−3)には、前記一次補正関数と二次補正関数を合成した三次補正関数を実パターン基板の領域毎に作成し、前記元データ又は露光データを補正する(C−4)には、前記三次補正関数を用いて、前記実パターン基板の配線パターンの元データ又は露光データを領域毎に補正する、項8に記載のデータ補正装置。
(10) 前記複数の補正関数を作成する際(C−2)には、前記二次補正関数とは別に、さらに他の実パターン基板を用いて作成された他の二次補正関数を領域毎に作成し、前記合成した補正関数を作成する際(C−3)には、前記三次補正関数と前記さらに作成された他の二次補正関数を合成して他の三次補正関数を領域毎に作成する、項9に記載のデータ補正装置。
(11) 前記複数の補正関数を作成する際(C−2)には、一次補正関数を作成するのに用いた実パターン基板と、他の二次補正関数を作成するのに用いた他の実パターン基板又はさらに他の実パターン基板とが、同一の配線パターンを有する、項9又は10に記載のデータ補正装置。
(12) 前記複数の補正関数を作成する際(C−2)には、前記二次補正関数の後に作成される他の二次補正関数が、実パターン基板の製造ロット毎又は実パターン基板毎に作成される、項9から11の何れか1項に記載のデータ補正放置。
(13) 前記実パターンデータと前記元データ又は露光データとの差分を生じさせる因子が、前記実パターン基板の配線パターンの元データ又は露光データのパターン間隙、パターンサイズ、パターン厚さ、パターン位置の何れか又は何れか2以上の組み合せである、項8から12の何れか1項に記載の配線基板の製造方法。
(14) 前記実パターンデータと前記元データ又は露光データとの差分を生じさせる因子として、前記実パターン基板の配線パターンの元データ又は露光データのパターン間隙、パターンサイズ、パターン厚さ、パターン位置の何れか又は何れか2以上の組み合せに対応する実パターンデータを用いる項13に記載の配線基板の製造方法。
(15) 項8から14の何れか1項に記載のデータ補正装置と、前記データ補正装置により補正された元データから作成された露光データ又は前記データ補正装置により補正された露光データに基づいて、基板上に配置された感光性レジストに、露光パターンを露光するパターン露光装置と、前記露光パターンが露光された感光性レジストを現像して現像パターンを形成する現像パターン形成装置と、前記現像パターンを形成した基板に対して回路加工を行ない実パターンを形成する実パターン形成装置と、前記実パターンから実パターンデータを作成する実パターンデータ作成装置と、を有する配線パターン形成システム。
(16) 項8から14の何れか1項に記載のデータ補正装置を用いる、配線パターンの元データ又は露光データのデータ補正方法であって、目標とする配線パターンの元データ又はこの元データに基づいて作成された露光データと、前記露光データを用いて形成した実パターン基板から作成した実パターンデータとの差分から差分データを作成する工程(C−1)と、この差分データと前記差分を生じさせる因子との関係から、前記差分を生じさせる因子と前記差分を抑制するための前記元データの補正量又は前記露光データの補正量との関係を規定した複数の補正関数を作成する工程(C−2)と、この複数の補正関数を合成した補正関数を作成する工程(C−3)と、前記複数の補正関数を合成して作成した補正関数を用いて補正した前記配線パターンの元データ又は露光データの補正データを作成する工程(C−4)と、を有し、前記複数の補正関数を作成する工程(C−2)では、複数の補正関数を前記実パターンの面内の領域毎に作成するデータ補正方法。
本発明によれば、パターン間隙、パターンサイズ、パターン厚さ、パターン位置等の配線パターン仕様による配線パターンのライン幅等の変動に加え、感光性レジスト、現像液、エッチング液等の製造プロセスの状態変化による配線パターンのライン幅の変動に対しても、露光データをより高精度に補正して対応可能とすることにより、微細回路形成時のライン幅精度を向上させることができる。
本発明の一実施形態の配線板の製造方法を示す。 本発明の一実施形態で用いる配線パターン(テストパターン)を示す。 本発明の一実施形態で用いる実パターン基板Aの概略図を示す。 本発明の一実施形態で用いる実パターン基板Bの概略図を示す。 本発明の一実施形態で用いる実パターン基板Cの概略図を示す。 本発明の一実施形態で作成した一次補正関数を示す。 本発明の一実施形態で作成した二次補正関数を示す。 本発明の一実施形態で作成した三次補正関数を示す。 本発明の一実施形態で作成した他の二次補正関数及び他の三次補正関数を示す。 本発明の一実施形態のデータ補正装置の構成図を示す。 本発明の一実施形態の配線パターン形成システムの概略図を表す。 実施例1の一次補正関数を示す。 実施例1の二次補正関数を示す。 実施例1の三次補正関数を示す。 実施例1の実パターン基板の概略図を示す。 実施例2の実パターン基板の概略図を示す。
(配線基板の製造方法:第1の実施形態)
<<工程(A)>>
本発明の第1の実施形態の配線基板の製造方法を説明する。図1に示すように、本実施の形態の配線基板の製造方法は、まず、目標とする配線パターンの元データに基づいて露光データを作成する工程(A)を有している。目標とする配線パターンとは、回路加工後の実パターンとして形成しようとする配線パターンをいい、配線基板として機能させるための製品パターン及び後述する補正関数を作成するためのテストパターンを含む。また、実パターンとは、回路加工を行なって実際に形成された実パターン基板の配線パターンをいう。目標とする配線パターンには特に限定はなく、任意の配線パターンを用いることができる。
配線パターンの元データとは、目標とする配線パターンの設計データのことをいい、形成しようとする目標の配線パターンを数値化し、例えば、座標とパターン幅、座標とパターン間隙の数値で表すものである。露光に必要な情報を付加されたデータを有していてもよい。元データは、設計データを作成する装置(CAD:Computer Aided Design)等を用いて作成される。
露光データとは、配線パターンに対応する露光パターンを、レーザ光又はUV光等を用いた直線描画装置等のパターン露光手段によって、感光性レジストを感光させて形成するためのデータをいう。露光データは、元データに基づいて露光データを作成する装置(CAM:Computer Aided Manufacturing)等を用いて作成される。
<<工程(B)>>
次に、図1に示すように、本実施の形態の配線基板の製造方法は、この露光データを用いて形成した実パターン基板から実パターンデータを作成する工程(B)を有しており、実パターンデータを作成する工程(B)は、パターン露光工程(B−1)、現像パターン形成工程(B−2)、実パターン形成工程(B−3)、パターン検査工程(B−4)を有している。
<工程(B−1)>
パターン露光工程(B−1)では、露光データを用いて、配線パターンに対応する露光パターンを、レーザ光又はUV光等を用いた直線描画装置等のパターン露光装置によって、感光性レジストを感光させて形成する。ここで、パターン露光装置とは、露光データに基づいて、基板上に配置された感光性レジストに、露光パターンを露光する露光装置のことをいう。パターン露光装置としては、レーザ光又はUV−LED光を用いて、直接感光性レジストに露光パターンを露光させる直接描画装置(DI:Direct Imaging)等が挙げられる。また、感光性レジストとは、フォトリソ法によって、銅箔等の金属箔をエッチングしたり、銅等の金属をめっきすることにより、配線パターンを形成する際に用いるエッチングレジスト又はめっきレジストのことをいう。露光パターンとは、露光データに基づいて、感光性レジストに露光されたパターンをいい、その後の現像によって形成される現像パターンに対応するものである。
<工程(B−2)>
現像パターン形成工程(B−2)では、パターン露光によって形成された、実パターン形成に必要な露光パターンを残して、感光性レジストを除去する。ここで、現像パターンとは、露光後の感光性レジストを現像することによって現れるパターンをいう。現像パターン形成装置によって形成することができ、現像パターン形成装置としては、露光パターンが露光された感光性レジストを現像して現像パターンを形成する現像装置が挙げられる。
<工程(B−3)>
実パターン形成工程(B−3)では、回路加工を行って実パターンを有する実パターン基板を作製する。ここで、回路加工とは、実パターンを形成することをいい、例えば、サブトラクト法により金属箔をエッチングして導体パターンを形成することが挙げられる。実パターンとは、回路加工を行って実際に形成される導体パターンをいい、実パターン形成装置によって形成することができる。実パターン形成装置とは、現像パターンを形成した基板に対して回路加工を行ない実パターンを形成する装置をいい、エッチング装置が挙げられる。
<工程(B−4)>
パターン検査工程(B−4)では、実パターン基板の実パターンから実パターンデータを取得する。ここで、実パターン基板とは、回路加工を行って実際に形成された導体パターン(実パターン)を有する基板をいい、例えば、サブトラクト法により金属箔をエッチングして得られた導体パターンを有する基板が挙げられる。また、実パターンデータとは、光学式外観検査装置(AOI:Automatic Optical Inspection)、測定顕微鏡等を用いて実パターンから得られる仕上りのデータをいう。光学式外観検査装置とは、一般に実パターンの上面(トップ)から反射する光を検出してそのパターンを数値化し、座標とパターン幅やパターン間隙等の数値で表されたデータとするものである。一方、測定顕微鏡とは、本実施の形態においては、実パターンの上面(トップ)と実パターンの底面(ボトム)の両方の線幅を測定してデータ化するのに用いることができるものである。
<<工程(C)>>
次に、本実施の形態の配線パターンの形成方法は、元データ又は露光データと実パターンデータとの差分に基づいて、前記元データ又は露光データの補正データを作成する工程(C)を有している。ここで、元データ又は露光データの補正データとは、補正を行なった後の元データ又は露光データ、つまり補正した元データ又は露光データのことをいう。また、図1に示すように、この補正データを作成する工程(C)には、実パターンデータと元データ又は露光データとの差分から差分データを作成する工程(C−1)と、この差分データと差分を生じさせる因子との関係から、差分を生じさせる因子と差分を抑制するための元データの補正量又は露光データの補正量との関係を規定した複数の補正関数を作成する工程(C−2)と、この複数の補正関数を合成した補正関数を作成する工程(C−3)と、合成した補正関数を用いて配線パターンの元データ又は露光データを補正する工程(C−4)を有している。
エッチングによる回路加工では、実パターン基板の表裏面のそれぞれで、エッチング液の当たり方が異なるので、エッチング処理の傾向が変化する。したがって、実パターン基板の表裏面のそれぞれについて、補正関数を作成するのが望ましい。これにより、実パターン基板の表裏面における面の違いによる実パターンのライン幅等の仕上り値の変動を抑制することが可能になる。
また、エッチングによる回路加工においては、実パターン基板の表裏面の一方の面内においても、配線パターンの方向によって、実パターン基板の搬送方向やエッチング液の当たる方向等との関係が変化するので、エッチング処理に方向性やエッチング量のむらが生じる傾向がある。このため、実パターン基板に配置される配線パターンの方向によっても、エッチング処理の傾向が変化する。したがって、実パターン基板に配置される縦方向と横方向の配線パターンのそれぞれについて補正関数を作成するのが望ましい。これにより、配線パターンの方向による実パターンのライン幅等の仕上り値の変動を抑制することが可能になる。
また、エッチングによる回路加工においては、実パターン基板の表裏面の一方の面内においても、配線パターンの配置された位置によって、実パターン基板の搬送方向やエッチング液の当たる方向等との関係が変化するので、エッチング処理に方向性やエッチング量のむらが生じる傾向がある。このため、本実施の形態では、実パターン基板の面内を複数の領域に分け、これらの領域のそれぞれについて、複数の補正関数を作成する。また、特に実パターン基板の端部周辺部では、エッチング処理のむらに加えて、めっき厚さの変動による銅箔の厚さのむら等も加わるため、実パターン基板の中央部に比べて、端部周辺部では、より領域を細かく分けて、領域毎に補正関数を作成するのが望ましい。これにより、実パターン基板の面内の位置による実パターンのライン幅等の仕上り値の変動を抑制することが可能になる。
<工程(C−1)>
実パターンデータと元データ又は露光データとの差分から差分データを作成する工程(C−1)では、パターン検査工程(B−4)で得られた実パターンデータと元データ又は露光データとの比較から、差分データを作成する。ここで、実パターンデータと実パターンの元データ又は露光データとの差分とは、具体的には、同一の座標における実パターンデータと実パターンの元データ又は露光データとのパターン間隙、パターン幅等の差異をいう。また、同一の座標とは、元データ(設計データ)における同一の座標であり、同一の座標においてはパターン間隙等は同一の設計値となる。このため、同一の座標におけるパターン間隙等の差異は、配線パターンのうち、同一の設計値を有する個所同士を比較して求めた差異であることを示す。差分データとは、この差分を座標とパターン間隙、パターン幅等で表したデータをいう。差分データは、実パターンデータと実パターンの元データ又は露光データとの差分から、コンピュータを用いて作成することができる。
<工程(C−2)>
複数の補正関数を作成する工程(C−2)では、差分データと前記差分を生じさせる因子との関係から、差分を生じさせる因子と差分を抑制するための元データの補正量又は露光データの補正量との関係を規定した複数の補正関数を作成する。ここで、実パターンデータと元データ又は露光データとの差分を生じさせる因子とは、元データ又は露光データの配線パターン仕様の中で、それが変動することによって、実パターンデータと元データ又は露光データとの差分に変化を生じさせる因子をいう。このような因子として、例えば、実パターンの元データ又は露光データのパターン間隙、パターン幅、パターンサイズ、パターン厚さ、パターン位置の何れか又は何れか2以上の組み合せが挙げられる。また、差分を抑制するための元データの補正量又は露光データの補正量としては、例えば、実パターンデータと実パターンの元データ又は露光データとの差分そのものを用いることができる。これは、実パターンデータと実パターンの元データ又は露光データとの差分を、現在の元データ又は露光データに加える又は差し引くといった補正を行えば、実パターンデータが元データ又は露光データの数値に近づくことによるものである。
複数の補正関数を作成する工程(C−2)では、複数の補正関数を、実パターン基板の面内の領域毎に作成する。これにより、実パターン基板の面内の位置による実パターンのライン幅等の仕上り値の変動を抑制することが可能になる。領域を設定する方法は、特に限定はなく、縦方向と横方向に格子状に分ける方法等が挙げられる。領域の数も特に限定はなく、任意に分けることができる。
複数の補正関数を作成する工程(C−2)では、複数の補正関数が作成される単位である領域の数を、実パターン基板の面内の中央部よりも端部周辺部に多く配分するのが望ましい。また、複数の補正関数が作成される単位である領域の大きさを、実パターン基板の面内の中央部よりも端部周辺部で小さくするのが望ましい。さらに、複数の補正関数が作成される単位である領域が、実パターン基板の導体厚さに基づいて設定されるのが望ましい。特に実パターン基板の端部周辺部では、エッチング処理のむらに加えて、めっき厚さの変動による銅箔の厚さのむら等も加わるため、実パターン基板の中央部に比べて実パターンのライン幅等の仕上り値の変動が大きいが、これらの方法により、実パターン基板の面内の位置による実パターンのライン幅等の仕上り値の変動を、より抑制することが可能になる。
補正関数とは、差分を生じさせる因子と差分データとの関係から、差分を生じさせる因子と差分を抑制するための元データ又は露光データの補正量との関係を規定したものである。また、補正関数は、差分を生じさせる因子と差分データとの関係から、差分を生じさせる因子と差分を抑制するための元データ又は露光データの補正量との関係を求める演算機能を備えたコンピュータにより作成することができる。補正関数の一例として、図6に、実パターンデータと元データ又は露光データとの差分を生じさせる因子として、実パターン基板の配線パターンのパターン間隙を用いて補正関数を作成した例を示す。即ち、図6の補正関数は、横軸を実パターン基板の配線パターンのパターン間隙、縦軸を補正量としている。
補正関数における、実パターンデータと元データ又は露光データとの差分を生じさせる因子として、実パターン基板の配線パターンの元データ又は露光データのパターン間隙、パターンサイズ、パターン厚さ、パターン位置の何れか又は何れか2以上の組み合せに対応する実パターンデータを用いるのが望ましい。
これについて、以下、図6の補正関数の例を用いて説明する。図6の補正関数では、横軸を、実パターン基板の配線パターンのパターン間隙としているが、このパターン間隙の数値として用いるデータの例としては、実パターン基板の配線パターンの元データ、露光データ、実パターンデータが考えられる。これらのうち、元データ又は露光データを用いる場合、補正関数はパターン間隙の元データ又は露光データと元データ又は露光データに対する補正量との関係を示すこととなり、補正量は実パターンデータと元データ又は露光データとの差分データに基づいているため、この場合でも、パターン間隙の元データ又は露光データに対してある程度正確な補正量を求めることができる。
しかし、この場合は、元データ又は露光データに対する補正量は、元データ(設計値)とは異なる実パターンデータ(仕上り値)となる場合の差分データに基づいていることになり、実際に求められるのは、元データ(設計値)のとおりに実パターンデータ(仕上り値)が仕上がること、つまり、元データ(設計値)と実パターンデータ(仕上り値)が一致するための補正量であるため、このような元データ(設計値)とは異なる実パターンデータ(仕上り値)となる場合の差分データに基づいた補正量とは、ずれが生じることが考えられる。
一方、図6の補正関数の横軸に用いる実パターン基板の配線パターンのパターン間隙の数値として、実パターンデータ(実測値)を用いる場合、補正関数は、パターン間隙の実パターンデータ(実測値)と元データ又は露光データに対する補正量との関係を示すこととなる。この横軸の元データ(設計値)又は露光データに対応する実パターンデータ(実測値)を、目標とする元データ(設計値)又は露光データであるとみなすことができ、実パターンデータ(実測値)の補正量が、目標とする元データ(設計値)又は露光データとするための補正量であることになる。これにより、実パターンデータ(実測値)が、目標である元データ(設計値)又は露光データのとおりに仕上がる場合に必要な元データ(設計値)又は露光データの補正量をより正確に設定することが可能になる。
また、補正関数は、実パターンデータと元データ又は露光データとの差分に変化を生じさせる因子である、パターン間隙、パターン幅、パターンサイズ、パターン厚さ、パターン位置等を変化させた配線パターンを有する複数の実パターン基板を用いて作成することができる。補正関数を作成するのに用いる配線パターンとしては、配線基板の製品として用いられる配線パターンを用いることもできるが、図2に示すような、差分を生じさせる因子(図2では、パターン間隙、パターン幅、パターン形状、パターンサイズ)を変化させたテストパターンを用いると、必要なデータを得やすく、より高精度な補正関数を作成できる点で望ましい。
また、図3に示すように、同一の配線パターンを有する比較的小面積のテストパターンの一単位が、実パターン基板内に多数配置されるような実パターン基板(以下、テストパターン基板)を用いると、実パターン基板内全体に亘って同じ配線パターン仕様に関するデータを取得でき、実パターン基板内のばらつきに関するデータも取得できる点で望ましい。
本実施の形態においては、複数の補正関数として、複数の補正関数を作成する工程(C−2)では、実パターン基板を用いて領域毎に作成された一次補正関数と、他の実パターン基板を用いて領域毎に作成された二次補正関数とを作成する。ここで、他の実パターン基板とは、一次補正関数を作成したときの実パターン基板とは別の実パターン基板であることをいい、配線パターン自体は同じであっても、異なっていてもかまわない。このように、一次補正関数と二次補正関数とを別々に作成することにより、例えば、テストパターンを配置した実パターン基板を用いて、基準となる一次補正関数を作成しておき、実際に作成する製品パターンを配置した実パターン基板を作製するタイミングで、再び、他の実パターン基板を用いて、そのときの生産ラインの状態を反映した二次補正関数を作成したうえで、これらの一次補正関数と二次補正関数とを合成することができる。つまり、基準となる一次補正関数をベースとして、生産ラインの状況に応じたより適切な補正関数への修正を、二次補正関数を用いて行なうことが可能になる。
一次補正関数を作成するのに用いた実パターン基板と、他の二次補正関数を作成するのに用いた他の実パターン基板とが、同一の配線パターンを有するのが望ましい。複数の補正関数は、同じ配線パターンを有する複数の実パターン基板を用いて作成されても、異なる配線パターンを有する複数の実パターン基板を用いて作成されてもよいが、前者の方が、補正関数の精度を高めることができる点で望ましい。例えば、図3、図4、図5に示すように、実パターン基板A(図3)、実パターン基板B(図4)、実パターン基板C(図5)が、同一のテストパターンを有することで、他の部分の配線パターンが変化しても、常に同一のテストパターンの部分を用いて補正関数を作成することが可能になる。
複数の補正関数を作成する工程(C−2)では、前記二次補正関数が、実パターン基板の製造ロット毎又は実パターン基板毎に作成されるのが望ましい。これにより、実パターン基板を製造する際の製造プロセスの状態を反映した補正関数を作成することが可能になる。
<工程(C−3)>
複数の補正関数を合成した補正関数を作成する工程(C−3)では、複数の補正関数を作成する工程(C−2)で領域毎に作成した複数の補正関数を合成して一つの補正関数を領域毎に作成する。
本実施の形態では、一次補正関数と二次補正関数を合成した三次補正関数を実パターン基板の領域毎に作成する。例えば、図6に示すように、まず、実パターン基板を用いて、基準となる一次補正関数を領域毎に作成し、次に、図7に示すように、この一次補正関数とは別の実パターン基板を用いて二次補正関数を領域毎に作成し、図8に示すように、一次補正関数と二次補正関数を合成して三次補正関数を領域毎に作成する。つまり、基準となる一次補正関数は常に固定であるため、安定した三次補正関数を得ることができるため、実パターン基板の製造ロット毎又は実パターン基板毎に作製される二次補正関数が、測定誤差やイレギュラーな測定値を含んだとしても影響を小さくすることができる。
複数の補正関数を合成する方法としては、製造プロセスの状態が比較的安定な場合は、より多くのデータを用いて作成した補正関数の合成比率を大きくした加重平均を用いるのが、補正関数の精度向上のために望ましい。例えば、基準となる補正関数として、多くの差分データを用いた一次補正関数を作成しておき、次に、製造プロセスの状態を反映する二次補正関数として、実パターン基板を作製する際に比較的少ない差分データを用いた二次補正関数を作成し、これらの一次補正関数と二次補正関数を合成するような場合は、基準となる一次補正関数の合成比率を大きくすることで、測定誤差やイレギュラーなデータによる影響を抑制することが可能になる。一方で、製造プロセスの状態が比較的不安定な場合は、上記の例では、二次補正関数の合成比率を大きくする方が、より製造プロセスの状態を反映した適切な補正関数を求めることができる。このように、加重平均の際の合成比率は、補正関数を作成する際の差分データの数や、製造プロセスの状態等に応じて任意に設定すればよく、例えば、比較的安定な製造プロセスに対しては、基準となる一次補正関数と、実パターン基板作製時に作成する二次補正関数との合成比率であれば、0.1〜0.4の範囲で設定することが望ましい。一方、比較的不安定な製造プロセスに対しては、基準となる一次補正関数と、実パターン基板作製時に作成する二次補正関数との合成比率を、0.3〜0.7の範囲で設定することが望ましい。なお、ここでの合成比率とは、一次補正関数と二次補正関数を合わせた全体を1とした場合における、二次補正関数の割合をいう。
<工程(C−4)>
合成した補正関数を用いて配線パターンの元データ又は露光データを補正する工程(C−4)では、合成した補正関数を用いて、実パターンデータと元データ又は露光データとの差分に変化を生じさせる因子である、パターン間隙、パターン幅等に対応する補正量を算出し、得られた補正量を元データ又は露光データに加えたり、差し引いたりすることで、前記実パターン基板の領域毎に配線パターンの元データ又は露光データを補正する。
本実施の形態では、元データ又は露光データを補正する工程(C−4)では、三次補正関数を用いて、実パターン基板の配線パターンの元データ又は露光データを補正する。
(作用・効果)
本実施の形態の配線基板の製造方法によれば、このように、複数の補正関数を合成することで、基本となる一次補正関数を作成しておき、製造プロセスの変動に対応するため、実パターン基板を作製するタイミングに合わせて、一補正関数よりも少ないデータで二次補正関数を作成する場合でも、測定誤差やイレギュラーな測定値による影響を小さくすることができ、実際の製造プロセスの状況を反映した適切な補正関数を得ることができる。このため、生産数の増加等によっても、生産プロセスの状態が変動し難い、比較的安定な場合に好適である。また、複数の補正関数を、実パターン基板の面内の領域毎に作成する。このため、実パターン基板の面内の位置による実パターンのライン幅等の仕上り値の変動を抑制することが可能になる。したがって、パターン間隙、パターンサイズ、パターン厚さ、パターン位置等の配線パターン仕様による配線パターンのライン幅等の変動に加え、感光性レジスト、現像液、エッチング液等の製造プロセスの状態変化による配線パターンのライン幅の変動に対しても、露光データをより高精度に補正して対応可能とすることにより、微細回路形成時のライン幅精度を向上させることができる。
(配線基板の製造方法:第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態の配線基板の製造方法を説明する。なお、本実施の形態については、主に第1の実施形態と異なる点を説明する。
<工程(A)、(B)、(C−1)>
本実施の形態においては、実施形態1と同様にして、まず、工程(A)、(B)、(C−1)までを行い、実パターンデータと前記元データとの差分から差分データを作成する。
<工程(C−2)>
複数の補正関数を作成する工程(C−2)では、実パターン基板を用いて作成された一次補正関数と、他の実パターン基板を用いて作成された二次補正関数とを領域毎に作成する。その後、この二次補正関数とは別に、さらに他の実パターン基板を用いて作成された他の二次補正関数を領域毎に作成する。
<工程(C−3)>
次に、複数の補正関数を合成した補正関数を作成する工程(C−3)で、一次補正関数と二次補正関数を合成した三次補正関数を領域毎に作成する。その後、この三次補正関数と、工程(C−2)でさらに作成された他の二次補正関数を合成して他の三次補正関数を領域毎に作成する。
具体的には、例えば、図6に示すように、まず、実パターン基板を用いて一次補正関数を領域毎に作成し、次に、図7に示すように、この一次補正関数とは別の実パターン基板を用いて二次補正関数を領域毎に作成し、図8に示すように、一次補正関数と二次補正関数を合成して三次補正関数を領域毎に作成する。さらに、図9に示すように、さらに二次補正関数を作成して、三次補正関数と合成し他の三次補正関数を領域毎に作成する。つまり、三次補正関数は二次補正関数と合成を繰り返し累積されたものとなるため、実パターン基板の製造ロット毎又は実パターン基板毎に作製される二次補正関数が、測定誤差やイレギュラーな測定値を含んだとしても影響を小さくすることができる。
(作用・効果)
本実施の形態の配線基板の製造方法によれば、一次補正関数と二次補正関数を合成した三次補正関数に対して、実パターン基板を作製する毎に新たに作成される他の二次補正関数を合成することで、他の三次補正関数を作成する。つまり、元データ又は露光データの補正に用いる三次補正関数が二次補正関数を繰り返し累積したものであるため、製造プロセスの状況が、生産数の累積等によって、特定の方向に向かって変動する傾向がある場合に好適である。したがって、実施形態1と同様の作用・効果を得ることができるとともに、このような場合に、より安定した補正を行うことが可能になる。
(データ補正装置:第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態であるデータ補正装置を説明する。図10に示すように、本実施の形態のデータ補正装置は、コンピュータを用いており、コンピュータは、処理部(プロセッサ)、表示部、入力部、記憶部、通信部、及び、これらの各構成部品を接続するバスを備えている。表示部はコンピュータにおいて実行されるプログラムによって出力される画像を表示する。入力部は入力を受け付けるものであり、例えば、キーボードやマウスである。記憶部は不揮発性メモリや揮発性メモリ、ハードディスク等の情報を格納できるものである。記憶部には、元データ、露光データ、実パターンデータ、差分データ、補正関数、補正データ等のデータと、元データ又は露光データを補正するまでの工程(図1の補正データ作成工程(C))を実行するための補正プログラムが格納される。通信部は、無線通信やUSBケーブル等を用いた有線通信を行う。通信部を介して、元データ、露光データ、実パターンデータ、差分データ等を取得してもよい。補正プログラムが実行されると、処理部(プロセッサ)は元データ又は露光データ補正のための工程(図1の補正データ作成工程(C))を実行する。データ補正装置は、汎用コンピュータである必要はなく、各工程のすべて又は一部を実行するためのハードウェアとこれと協働して動作するソフトウェアによって実現されてもよい。
本実施の形態のデータ補正装置は、図1の(C)データ作成工程の(C−1)に示すように、目標とする配線パターンの元データ又はこの元データに基づいて作成された露光データと、露光データを用いて形成した実パターン基板から作成した実パターンデータとの差分から差分データを作成する。
次に、図1の(C)データ作成工程の(C−2)に示すように、差分データと差分を生じさせる因子との関係から、差分を生じさせる因子と差分を抑制するための元データの補正量又は露光データの補正量との関係を規定した複数の補正関数を作成する。補正関数の一例として、図6に、実パターンデータと元データ又は露光データとの差分を生じさせる因子として、配線パターンのパターン間隙を用いて補正関数を作成した例を示す。即ち、図6の補正関数は、横軸を配線パターンのパターン間隙、縦軸を補正量としている。
本実施の形態においては、複数の補正関数を作成する際(C−2)には、複数の補正関数として、実パターン基板を用いて作成された一次補正関数と、他の実パターン基板を用いて作成された二次補正関数とを領域毎に作成する。このように、一次補正関数と二次補正関数とを別々に作成することにより、例えば、テストパターンを配置した実パターン基板を用いて、基準となる一次補正関数を作成しておき、実際に作成する製品パターンを配置した実パターン基板を作製するタイミングで、再び、他の実パターン基板を用いて、そのときの生産ラインの状況を反映した二次補正関数を作成したうえで、これらの一次補正関数と二次補正関数とを合成することができる。つまり、基準となる一次補正関数をベースとして、生産ラインの状況に応じたより適切な補正関数への修正を、二次補正関数を用いて行なうことが可能になる。
次に、図1の(C)データ作成工程の(C−3)に示すように、この複数の補正関数を合成した補正関数を領域毎に作成する。
本実施の形態では、一次補正関数と二次補正関数を合成した三次補正関数を領域毎に作成する。例えば、図6に示すように、まず、実パターン基板を用いて、基準となる一次補正関数を領域毎に作成し、次に、図7に示すように、この一次補正関数とは別の実パターン基板を用いて二次補正関数を領域毎に作成し、図8に示すように、一次補正関数と二次補正関数を合成して三次補正関数を領域毎に作成する。これにより、基準となる一次補正関数は常に固定であるため、安定した三次補正関数を得ることができるため、実パターン基板の製造ロット毎又は実パターン基板毎に作製される二次補正関数が、測定誤差やイレギュラーな測定値を含んだとしても影響を小さくすることができる。
次に、図1の(C)データ作成工程の(C−4)に示すように、複数の補正関数を合成して作成した補正関数を用いて補正した配線パターンの元データ又は露光データの補正データを作成する。
本実施の形態では、元データ又は露光データを補正する際(C−4)には、三次補正関数を用いて、実パターン基板の配線パターンの元データ又は露光データを領域毎に補正する。
複数の補正関数を作成する際(C−2)には、一次補正関数を作成するのに用いた実パターン基板と、他の二次補正関数を作成するのに用いた他の実パターン基板又はさらに他の実パターン基板とが、同一の配線パターンを有するのが望ましい。複数の補正関数は、同じ配線パターンを有する複数の実パターン基板を用いて作成されても、異なる配線パターンを有する複数の実パターン基板を用いて作成されてもよいが、前者の方が、補正関数の精度を高めることができる点で望ましい。例えば、図3、図4、図5に示すように、実パターン基板A(図3)、実パターン基板B(図4)、実パターン基板C(図5)が、同一のテストパターンを有することで、他の部分の配線パターンが変化しても、常に同一のテストパターンの部分を用いて補正関数を作成することが可能になる。
複数の補正関数を作成する際(C−2)には、二次補正関数の後に作成される他の二次補正関数が、実パターン基板の製造ロット毎又は実パターン基板毎に作成されるのが望ましい。これにより、実パターン基板を製造する際の製造プロセスの状態を反映した補正関数を作成することが可能になる。
(作用・効果)
本実施の形態のデータ補正装置によれば、実施形態1と同様に、パターン間隙、パターンサイズ、パターン厚さ、パターン位置等の配線パターン仕様による配線パターンのライン幅等の変動に加え、感光性レジスト、現像液、エッチング液等の製造プロセスの状態変化による配線パターンのライン幅の変動に対しても、露光データをより高精度に補正して対応可能とすることにより、微細回路形成時のライン幅精度を向上させることができる。
(データ補正装置:第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態であるデータ補正装置を説明する。なお、本実施の形態については、主に第1の実施形態と異なる点を説明する。
本実施の形態のデータ補正装置は、上述した第3の実施形態のデータ補正装置と同様に図10に示した構成を備えている。
また、複数の補正関数を作成する際(C−2)には、二次補正関数とは別に、さらに他の実パターン基板を用いて作成された他の二次補正関数を領域毎に作成し、合成した補正関数を作成する際(C−3)には、三次補正関数と前記さらに作成された他の二次補正関数を合成して他の三次補正関数を領域毎に作成する。
具体的には、例えば、図6に示すように、まず、実パターン基板を用いて一次補正関数を領域毎に作成し、次に、図7に示すように、この一次補正関数とは別の実パターン基板を用いて二次補正関数を領域毎に作成し、図8に示すように、一次補正関数と二次補正関数を合成して三次補正関数を領域毎に作成する。さらに、図9に示すように、さらに二次補正関数を作成して、三次補正関数と合成し他の三次補正関数を領域毎に作成する。つまり、三次補正関数は二次補正関数と合成を繰り返し累積されたものとなるため、実パターン基板の製造ロット毎又は実パターン基板毎に作製される二次補正関数が、測定誤差やイレギュラーな測定値を含んだとしても影響を小さくすることができる。
(作用・効果)
本実施の形態のデータ補正装置によれば、実施形態3と同様の作用・効果を得ることができるとともに、元データ又は露光データの補正に用いる三次補正関数が二次補正関数を繰り返し累積したものであるため、製造プロセスの状況が、生産数の累積等によって、特定の方向に向かって変動する傾向がある場合に、より安定した補正を行うことが可能になる。
(配線パターン形成システム:第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態である配線パターン形成システムを説明する。図11に示すように、本実施の形態の配線パターン形成システムは、まず、データ補正装置を有している。データ補正装置としては、実施形態3又は4と同様に、コンピュータを用いており、コンピュータは、処理部(プロセッサ)、表示部、入力部、記憶部、通信部、及び、これらの各構成部品を接続するバスを備えている。
次に、データ補正装置により補正された元データから作成された露光データ又はデータ補正装置により補正された露光データに基づいて、基板上に配置された感光性レジストに、露光パターンを露光するパターン露光装置を有する。本実施の形態において、基板とは、ガラスエポキシ等の絶縁層上に銅箔や銅めっき等の金属箔を有するものをいい、銅張積層板等が挙げられる。パターン露光装置とは、露光データに基づいて、基板上に配置された感光性レジストに、露光パターンを露光する露光装置のことをいう。レーザ光又はUV−LED光を用いて、直接感光性レジストに露光パターンを露光させる直接描画装置(DI:Direct Imaging)等が挙げられる。
次に、露光パターンが露光された感光性レジストを現像して現像パターンを形成する現像パターン形成装置を有する。現像パターン形成装置としては、フォトリソグラフィで用いられる現像装置が挙げられる。
次に、現像パターンを形成した基板に対して回路加工を行ない実パターンを形成する実パターン形成装置を有する。実パターン形成装置としては、配線基板の回路加工で用いられるエッチング装置、めっき装置が挙げられる。
次に、実パターンから実パターンデータを作成する実パターンデータ作成装置を有する。
実パターンデータ作成装置としては、光学式外観検査装置(AOI:Automatic Optical Inspection)、測定顕微鏡等が挙げられる。光学式外観検査装置は、実パターンの上面(トップ)から反射する光を検出してそのパターンを数値化し、座標とパターン幅やパターン間隙等の数値で表されたデータとするものである。一方、測定顕微鏡は、実パターンの上面(トップ)又は下面(ボトム)の何れについても、線幅を測定してデータ化するのに用いることができる。
本実施の形態の配線パターン形成システムにおいては、データ補正装置が、実パターンデータ作成装置から実パターンデータを受取り、図1に示すように、この実パターンデータと元データ又は露光データとの差分から差分データを作成し(C−1)、差分とこの差分を生じさせる因子との関係から、差分を生じさせる因子と差分を抑制するための元データの補正量又は露光データの補正量との関係を規定した複数の補正関数を領域毎に作成し(C−2)、この複数の補正関数を合成した補正関数を領域毎に作成し(C−3)、合成した補正関数を用いて配線パターンの元データ又は露光データを領域毎に補正する(C−4)。
(作用・効果)
本実施の形態の配線パターン形成システムによれば、実施形態1と同様に、パターン間隙、パターンサイズ、パターン厚さ、パターン位置等の配線パターン仕様による配線パターンのライン幅等の変動に加え、感光性レジスト、現像液、エッチング液等の製造プロセスの状態変化による配線パターンのライン幅の変動に対しても、露光データをより高精度に補正して対応可能とすることにより、微細回路形成時のライン幅精度を向上させることができる。
(データ補正方法:第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態であるデータ補正方法を説明する。本実施の形態のデータ補正方法は、図10に示すデータ補正放置を用いるものであり、図1の(C)補正データ作成工程に示すように、目標とする配線パターンの元データ又はこの元データに基づいて作成された露光データと、前記露光データを用いて形成した実パターン基板から作成した実パターンデータとの差分から差分データを作成する工程(C−1)と、この差分データと前記差分を生じさせる因子との関係から、前記差分を生じさせる因子と前記差分を抑制するための前記元データの補正量又は前記露光データの補正量との関係を規定した複数の補正関数を領域毎に作成する工程(C−2)と、この複数の補正関数を合成した補正関数を領域毎に作成する工程(C−3)と、前記複数の補正関数を合成して作成した補正関数を用いて補正した前記配線パターンの元データ又は露光データの補正データを領域毎に作成する工程(C−4)と、を有する。
(作用・効果)
本実施の形態の配線パターン形成システムによれば、実施形態1と同様に、パターン間隙、パターンサイズ、パターン厚さ、パターン位置等の配線パターン仕様による配線パターンのライン幅等の変動に加え、感光性レジスト、現像液、エッチング液等の製造プロセスの状態変化による配線パターンのライン幅の変動に対しても、露光データをより高精度に補正して対応可能とすることにより、微細回路形成時のライン幅精度を向上させることができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されない。
(実施例1)
<一次補正関数の作成>
まず、一次補正関数を作成するため、テストパターン1と製品パターン7とを配置した実パターン基板C4cを作製するための基板として、絶縁層の表裏に5μmの銅箔を有した厚さ0.22mm、縦440mm、横510mmのMCL−E−700G(日立化成株式会社製 商品名、「MCL」は登録商標。)の銅張積層板の銅箔上に電気銅めっきで約9μmのめっきを施し、表裏面のそれぞれの面の全体の銅厚を約14μmとしたものを準備した。次に、表裏面の銅箔上に感光性のエッチングレジストを貼り合せ、製品パターン7と図2のテストパターン1を露光し、水平搬送型のエッチング装置を用いてエッチングによる回路形成を行い、図5に示すような実パターン基板C4cを、9枚作製した。図2に示したテストパターンの元データ(設計値)は、パターン幅(パターン3の幅)を100μmで固定し、パターン間隙2を14〜150μmの範囲で24段階に変化させた線状の配線パターンを、表裏面のそれぞれについて、縦方向及び横方向に配置したものであり、この元データに基づいて作成した当初の露光データも元データ(設計値)と同じである。図5は実パターン基板C4cの概要を示したものであり、本実施例では実際には、製品パターン7以外に、縦方向に11個、横方向に11個、全部で121個のテストパターン1を、実パターン基板C4cの表裏面のそれぞれの面内に均等に配置した。
実パターン基板C4cに対して、光学式自動外観検査装置を用いて実パターンデータ(仕上り値)を取得した。このときの測定ポイント数は、各テストパターン毎に縦方向と横方向の線状の配線パターンについて各1か所ずつであり、このため、実パターン基板C4cの表裏面のそれぞれの面内で、縦方向及び横方向の線状の配線パターンについて各121ポイント、9枚の合計では縦方向及び横方向の線状の配線パターンについて、面毎に各1089ポイントである。次に、テストパターン1の同一の座標、つまり、パターン間隙が同一の設計値を有する個所同士で、各設計値におけるパターン間隙毎に、実パターンデータ(仕上り値)と元データ(設計値)との差分データを作成した。ここで、実パターンデータ(仕上り値)は、24段階のパターン間隙のそれぞれについて、面毎に1089ポイント(1枚当り121ポイント)の実パターンデータ(仕上り値)を取得し、同じ位置のポイント毎に(121のポイント毎に)平均した値である。
エッチングによる回路加工においては、実パターン基板の表裏面の一方の面内においても、配線パターンの配置された位置によって、実パターン基板の搬送方向やエッチング液の当たる方向等との関係が変化するので、エッチング処理に方向性やエッチング量のむらが生じる傾向がある。また、特に実パターン基板の端部周辺部では、エッチング処理のむらに加えて、めっき厚さの変動による銅箔(導体)の厚さのむら等も加わるため、さらにこの傾向が強い。このため、本実施例では、実パターン基板の面内を銅箔(導体)の厚さの分布に基づいて複数の領域に分け、しかも、実パターン基板の中央部に比べて、銅箔(導体)の厚さのばらつきが大きい端部周辺部では、より領域を細かく分けて、これらの領域毎に一次補正関数を作成した。
具体的には実パターン基板C4cの面内に均等に配置された121ポイントの実パターンデータのうち、実パターン基板C4cの中央部から2ポイント、端部周辺部から40ポイントの合計42ポイントを選択して、これらの各ポイント毎に一次補正関数を作成した。また、実パターン基板C4c内に配置された製品パターの元データ又は露光データの補正に用いる一次補正関数は、それぞれの製品パターンと位置関係が最も近いテストパターン1を用いて作成した一次補正関数を用いることとした以下では、42ポイントのうち、実パターン基板の中央部の1ポイントを用いて説明する。
また、エッチングによる回路加工では、実パターン基板の表裏面のそれぞれで、エッチング液の当たり方が異なるので、エッチング処理の傾向が変化する。このため、本実施例では、実パターン基板の表裏面のそれぞれについて、一次補正関数を作成したが、以下では、表面側(水平搬送でのエッチングによる回路形成時に、上側となった面)についてのみ説明し、裏面側については説明を省略する。
さらに、エッチングによる回路加工においては、実パターン基板の表裏面の一方の面内においても、配線パターンの方向によって、実パターン基板の搬送方向やエッチング液の当たる方向等との関係が変化するので、エッチング処理に方向性やエッチング量のむらが生じる傾向がある。このため、本実施例では、テストパターンの縦方向と横方向の線状の配線パターンのそれぞれについて、一次補正関数を作成した。が、以下では、横方向についてのみ説明し、縦方向については説明を省略する。
次に、この差分データと差分を生じさせる因子であるパターン間隙との関係を調べ、このパターン間隙と差分を抑制するための元データの補正量との関係として、図12に示すような一次補正関数を作成した。
図12の表に示したパターン間隙の設計値(単位はμm)は、テストパターンの元データのパターン間隙(差分を生じさせる因子)の数値である。パターン間隙の仕上り値(単位はμm)は、光学式自動外観検査装置を用いて実パターンデータから取得したパターン間隙の実測値である。片側補正量(単位はμm)は、パターン間隙の仕上り値と元データとの差分を抑制するための露光データの補正量であり、下式(1)によって求めた。ここで、片側補正量としているのは、露光データを補正する際に、パターン間隙の両側に同じ量の補正を行うためである。
片側補正量(μm)=(パターン間隙の仕上り値(μm)−設計値(μm))/2 …(1)
<一次補正関数を用いた露光データの補正>
一次補正関数を用いた製品パターン7の露光データへの補正処理は、例えば、製品パターン7の露光データにおいて、設計値が30μmの個所に対しては、図12の表のパターン間隙の仕上り値が28.5μm(片側補正量が4.3μm)と、仕上り値が33.2μm(片側補正量が5.6μm)の各データから、仕上り値が30μmである場合の片側補正量の値は、これらのデータ同士を結んだ直線上にあると仮定して計算により取得した。このようにして計算で取得したパターン間隙の仕上り値が30μmのときの片側補正量は4.7μmであり、露光データ(ここでは初期の露光データを意味し、元データと同じ。)に対して片側4.7μmずつパターン間隙を狭くする補正処理を行った。つまり、製品パターン7のパターン間隙の設計データ(設計値)が30μmの箇所については、パターン間隙の補正処理後の露光データは20.6μmとなるようにした。また、実パターン基板C4c内に配置された製品パターン(図示しない。)の元データ又は露光データの補正に用いる一次補正関数は、それぞれの製品パターンと位置関係が最も近いテストパターン1を用いて作成した一次補正関数を用いた。
このとき、製品パターン7の露光データ(ここでは初期の露光データを意味し、元データと同じ。)には、上記で作成した一次補正関数を用いて補正処理を施し、テストパターン1の露光データには補正処理を施さないようにした。テストパターン1については、常に一次補正関数を作成したときと同じ露光データを用いて実パターンを作製し、二次補正関数を作成するための実パターンデータを採取するためである。
<二次補正関数の作成>
次に、二次補正関数を作成するため、一次補正関数を作製するときと同様の基板を準備し、図5に概略を示すようなテストパターン1と製品パターン7を混在させた実パターン基板C4cを、1枚作製した。テストパターン1は、一次補正関数を作製するときと同じ設計データを用いたものであり、製品パターン7は、パターンの幅/パターン間隙の設計値が30μm/30μmである箇所を有する設計データのものである。図5は実パターン基板C4cの概要を示したものであり、本実施例では実際には、全部で42個のテストパターン1を、実パターン基板C4c内に配置した。なお、実パターン基板C4c内に配置した42個のテストパターン1の実パターン基板C4c内における位置は一次補正関数を作成するのに用いた実パターン基板C4c内の42ポイントのテストパターン1の位置と対応している。
次に、実パターン基板C4cに対して、光学式自動外観検査装置を用いて実パターンデータ(仕上り値)を取得した。このときの測定ポイント数は、42ポイントである。また、ここでは、図2のテストパターンのパターン間隙2を14〜150μmの範囲で24段階に変化させた線状の配線パターンのうち、図13の表に示すように、20、30、45、60、80、130μmの6段階についてのみ実パターンデータを取得した。次に、この6段階のパターン間隙のそれぞれについて、42のポイント毎に、実パターンデータを平均し、この平均した実パターンデータを用いて、一次補正関数を作成する場合と同様にして、図13に示すような二次補正関数を作成した。これ以外の段階のパターン間隙2については、実パターンデータを取得した段階のパターン間隙2の実パターンデータ同士を結んだ直線上にあると仮定して計算により取得した。つまり、図13の表には示さないが、実際に実パターンデータを取得したのは6段階についてのみであり、これを基にして24段階全ての実パターンデータを推定した。これにより、取得する実パターンデータを少なくし、データ処理の負荷を軽減した。
<三次補正関数の作成>
次に、一次補正関数による補正量と二次補正関数による補正量の全体における一次補正関数による補正量の合成比率(割合)を、0.5、0.7、0.3として、三次補正関数を作成した。図14には、一次補正関数による補正量の合成比率(割合)を0.5とした場合を示す。具体的には、一次補正関数による補正量の合成比率(割合)を0.5とした場合、二次補正関数による補正量の合成比率(割合)は0.5であるため、各パターン間隙毎の片側補正量を、下式(2)によって合成した。
三次補正関数の片側補正量(μm)=一次補正関数の片側補正量(μm)×0.5
+二次補正関数の片側補正量(μm)×0.5 …(2)
ここで、二次補正関数を作成したときの片側補正量のデータは、一次補正関数を作成したときの24段階よりも少ない6段階のパターン間隙についてしか取得していないが、上述したように、一次補正関数を作成したときと同じ24段階についてのデータとなるよう計算により推定した。
<三次補正関数を用いた露光データの補正>
三次補正関数を用いた製品パターン7の露光データへの補正処理は、例えば、一次補正関数による補正量と二次補正関数による補正量の全体に対する一次補正関数による補正量の合成比率(割合)を0.5とした場合、製品パターン7の露光データにおいて、設計値が30μmの個所に対しては、図14の表のパターン間隙の仕上り値が26.8μm(片側補正量が3.4μm)と、仕上り値が31.0μm(片側補正量が4.5μm)の各データから、仕上り値が30μmである場合の片側補正量の値は、これらのデータ同士を結んだ直線上にあると仮定して計算により取得した。このようにして計算で取得したパターン間隙の仕上り値が30μmのときの片側補正量は4.2μmであり、露光データ(ここでは補正後の露光データではなく、初期の露光データを意味し、元データと同じ。)に対して片側4.2μmずつパターン間隙を狭くする補正処理を行った。つまり、製品パターン7のパターン間隙の設計データ(設計値)が30μmの箇所については、パターン間隙の補正処理後の露光データは21.6μmとなるようにした。また、実パターン基板C4c内に配置された製品パターン(図示しない。)の元データ又は露光データの補正に用いる三次補正関数は、それぞれの製品パターンと位置関係が最も近いテストパターン1を用いて作成した三次補正関数を用いた。
このとき、二次補正関数を作成したときと同様に、製品パターン7の露光データ(ここでは初期の露光データを意味し、元データと同じ。)には、上記で作成した三次補正関数を用いて補正処理を施し、テストパターン1の露光データには補正処理を施さないようにした。テストパターン1については、常に一次補正関数を作成したときと同じ露光データを用いて実パターンを作製し、これ以降の二次補正関数を作成するための実パターンデータを採取するためである。
<評価用の実パターン基板の作成>
次に、評価用の実パターン基板を作成するため、上述した二次補正関数を作成したときと同様にして、図5に概略を示すようなテストパターン1と製品パターン7を混在させた実パターン基板C4cを、3枚作製した。なお、製品パターン7の露光データ(ここでは補正後の露光データではなく、初期の露光データを意味し、元データと同じ。)には、上記で作成した三次補正関数を用いて補正処理を施し、テストパターン1の露光データには補正処理を施さない露光データを作成して露光を行った。
(比較例1)
上述した二次補正関数を作成したときと同様にして、図5に概略を示すようなテストパターン1と製品パターン7を混在させた実パターン基板C4cを、3枚作製した。なお、製品パターン7の露光データ(ここでは補正後の露光データではなく、初期の露光データを意味し、元データと同じ。)には、上記で作成した一次補正関数のみを用いて補正処理を施し、テストパターン1の露光データには補正処理を施さない露光データを作成して露光を行った。それ以外は、実施例1と同様である。
(比較例2)
上述した二次補正関数を作成したときと同様にして、図5に概略を示すようなテストパターン1と製品パターン7を混在させた実パターン基板C4cを、3枚作製した。なお、製品パターン7の露光データ(ここでは補正後の露光データではなく、初期の露光データを意味し、元データと同じ。)には、上記で作成した二次補正関数のみを用いて補正処理を施し、テストパターン1の露光データには補正処理を施さない露光データを作成して露光を行った。それ以外は、実施例1と同様である。
<工程能力の評価>
実施例1、比較例1、2で作製した評価用の実パターン基板について、製品パターン7のうち、パターンの幅/パターン間隙の設計値が30μm/30μmである箇所(42ポイント/枚×3枚)に対し、測定顕微鏡を用いて、200倍の倍率でパターン幅を測定し、元データ(設計値)との差分から工程能力を調査した。その結果を、表1に示す。工程能力の右欄に記載した±10μm、±12μmとは、パターンの幅/パターン間隙の設計値(30μm/30μm)対する変動の許容範囲を示し、Cp、Cpkとは、工程能力指数を示す。
Figure 0006801955
表1に示すように、本実施例においては、一次補正関数による補正量と二次補正関数による補正量の全体における一次補正関数の補正量の合成比率(割合)を、0.5、0.7、0.3として、三次補正関数を作成した実施例では、何れも十分な工程能力が得られ、一次補正関数の合成比率が0.5のときが最もよい結果であった。一方、比較例1、2では、実施例に比べて工程能力が低下する傾向がある。
(実施例2)
実施例1と同様にして、<一次補正関数の作成>及び<一次補正関数を用いた露光データの補正>を行なった。
但し、本実施例では、実施例1とは異なり、実パターン基板の面内を銅箔(導体)の厚さの分布とは無関係に複数の領域に分け、実パターン基板の中央部と端部周辺部の区別なしに、全体を略同じ大きさの領域で分けて、これらの領域毎に一次補正関数を作成した。
具体的には実パターン基板C4cの面内に均等に配置された121ポイントの実パターンデータのうち、実パターン基板C4cの全体から合計61ポイントを選択して、これらの各ポイント毎に一次補正関数を作成した。また、実パターン基板C4c内に配置された製品パターン元データ又は露光データの補正に用いる一次補正関数は、それぞれの製品パターンと位置関係が最も近いテストパターン1を用いて作成した一次補正関数を用いることとした
次に、実施例1と同様にして、<二次補正関数の作成>を行なった。
本実施例では、実パターン基板C4c内に配置した61個のテストパターン1の実パターン基板C4c内における位置は一次補正関数を作成するのに用いた実パターン基板A4a内の61ポイントのテストパターンの位置と対応している。
次に、実施例1と同様にして、<三次補正関数の作成>、<三次補正関数を用いた露光データの補正>及び<評価用実パターン基板の作成>を行なった。
本実施例では、実パターン基板C4c内に配置された製品パターン(図示しない。)の元データ又は露光データの補正に用いる三次補正関数は、それぞれの製品パターンと位置関係が最も近いテストパターン1を用いて作成した三次補正関数を用いた。また、一次補正関数と二次補正関数との合成比率は0.5である。
(比較例3)
実施例1と同様にして、<一次補正関数の作成>、<一次補正関数を用いた露光データの補正>、<二次補正関数の作成>、<三次補正関数の作成>、<三次補正関数を用いた露光データの補正>及び<評価用実パターン基板の作成>を行なった。
但し、本比較例3では、実パターン基板を領域には分けないで、実パターン基板全体の121ポイントから得られた実パターンデータの平均値を用いて、一次補正関数、二次補正関数、三次補正関数を作成し、この補正関数を用いて露光データの補正を行った。つまり、実パターン基板の面内は全て同じ三次補正関数のみを用いて露光データを補正し、評価用実パターン基板を3枚作製した。それ以外は、実施例1、2と同様である。
<工程能力の評価>
実施例1、2、比較例3で作製した評価用の実パターン基板について、製品パターン7のうち、パターンの幅/パターン間隙の設計値が30μm/30μmである箇所(121ポイント/枚×3枚)に対し、測定顕微鏡を用いて、200倍の倍率でパターン幅を測定し、元データ(設計値)との差分から工程能力を調査した。その結果を、表2に示す。工程能力の右欄に記載した±10μm、±12μmとは、パターンの幅/パターン間隙の設計値(30μm/30μm)対する変動の許容範囲を示し、Cp、Cpkとは、工程能力指数を示す。
Figure 0006801955
表2に示すように、実パターン基板の面内を領域にわけて、領域毎に異なる補正関数を作成し、露光データを領域毎に補正した実施例1、2では、領域に分けないで面内で同じ補正関数を用いて露光データを補正した比較例3に比べて、目標とする設計仕様(パターン幅/パターン間隙=30μm/30μm)に対するばらつきが小さく効果が確認できた。
1:テストパターン
2:パターン間隙
3:パターン
4:実パターン基板
4a:実パターン基板A(テスト基板)
4b:実パターン基板B(テスト基板)
4c:実パターン基板C(製品基板)
5:基材
6:製品パターン領域
7:製品パターン
8:データ補正装置
9:バス
10:配線パターン形成システム

Claims (17)

  1. 目標とする配線パターンの元データに基づいて露光データを作成する工程(A)と、
    この露光データを用いて形成した実パターン基板から、前記実パターン基板に実際に加工された配線パターンを表す実パターンデータを作成する工程(B)と、
    前記元データ又は前記露光データと実パターンデータとの差分に基づいて、前記元データ又は前記露光データの補正データを作成する工程(C)と、を有し、
    前記補正データを作成する工程(C)が、
    前記実パターンデータと前記元データ又は露光データとの差分から差分データを作成する工程(C−1)と、
    この差分データと、前記実パターンデータから特定された配線パターンの仕様に関連する前記差分を生じさせる因子との関係から、前記差分を生じさせる因子と差分を抑制するための前記元データの補正量又は前記露光データの補正量との関係を規定した複数の補正関数を作成する工程(C−2)と、
    この複数の補正関数を合成した補正関数を作成する工程(C−3)と、
    前記合成した補正関数を用いて前記元データ又は前記露光データ中の前記因子に対応する値に対応する補正量を算出し、前記補正量を用いて前記配線パターンの前記元データ又は前記露光データを補正する工程(C−4)と、を有し、
    前記補正関数を作成する工程(C−2)では、複数の補正関数、前記実パターン基板の面内の領域毎に作成し、実パターン基板を用いて作成された一次補正関数と、他の実パターン基板を用いて作成された二次補正関数とを領域毎に作成し、
    前記合成した補正関数を作成する工程(C−3)では、前記一次補正関数と二次補正関数を合成した三次補正関数を実パターン基板の領域毎に作成し、
    前記元データ又は露光データを補正する工程(C−4)では、前記三次補正関数を用いて、前記実パターン基板の配線パターンの元データ又は露光データを領域毎に補正する、
    る配線基板の製造方法。
  2. 前記複数の補正関数を作成する工程(C−2)では、複数の補正関数が作成される単位である領域が、前記実パターン基板の面内の中央部よりも端部周辺部に多く配置される請求項1に記載の配線基板の製造方法。
  3. 前記複数の補正関数を作成する工程(C−2)では、複数の補正関数が作成される単位である領域の大きさが、前記実パターン基板の面内の中央部よりも端部周辺部で小さく設定される請求項1又は2に記載の配線基板の製造方法。
  4. 前記複数の補正関数を作成する工程(C−2)では、複数の補正関数が作成される単位である領域が、実パターン基板の導体厚さに基づいて設定される請求項1から3の何れか1項に記載の配線基板の製造方法。
  5. 前記複数の補正関数を作成する工程(C−2)では、前記二次補正関数とは別に、さらに他の実パターン基板を用いて作成された他の二次補正関数を領域毎に作成し、
    前記合成した補正関数を作成する工程(C−3)では、前記三次補正関数と前記さらに作成された他の二次補正関数を合成して他の三次補正関数を領域毎に作成する、請求項に記載の配線基板の製造方法。
  6. 前記複数の補正関数を作成する工程(C−2)では、一次補正関数を作成するのに用いた実パターン基板と二次補正関数を作成するのに用いた他の実パターン基板が、同一の配線パターンを有する、請求項に記載の配線基板の製造方法。
  7. 前記複数の補正関数を作成する工程(C−2)では、前記二次補正関数の後に作成される前記他の二次補正関数が、実パターン基板の製造ロット毎又は実パターン基板毎に作成される、請求項に記載の配線基板の製造方法。
  8. 前記実パターンデータと前記元データ又は露光データとの差分を生じさせる因子として、前記実パターン基板の配線パターンの元データ又は露光データのパターン間隙、パターンサイズ、パターン厚さ、パターン位置の何れか又は何れか2以上の組み合せに対応する実パターンデータを用いる請求項1〜の何れか1項に記載の配線基板の製造方法。
  9. 配線基板の製造に用いる、配線パターンの元データ又は露光データのデータ補正装置であって、
    目標とする配線パターンの元データ又はこの元データに基づいて作成された露光データと、前記露光データを用いて形成した実パターン基板から作成した、前記実パターン基板に実際に加工された配線パターンを表す実パターンデータとの差分から差分データを作成し(C−1)、
    この差分データと前記実パターンデータから特定された配線パターンの仕様に関連する前記差分を生じさせる因子との関係から、前記差分を生じさせる因子と前記差分を抑制するための前記元データの補正量又は前記露光データの補正量との関係を規定した複数の補正関数を作成し(C−2)、
    この複数の補正関数を合成した補正関数を作成し(C−3)、
    前記複数の補正関数を合成して作成した補正関数を用いて前記元データ又は前記露光データ中の前記因子に対応する値に対応する補正量を算出し、前記補正量を用いて前記配線パターンの前記元データ又は前記露光データを補正して補正データを作成し(C−4)、
    前記複数の補正関数を作成する際(C−2)には、複数の補正関数、前記実パターン基板の面内の領域毎に作成し、実パターン基板を用いて作成された一次補正関数と、他の実パターン基板を用いて作成された二次補正関数とを領域毎に作成し、
    前記合成した補正関数を作成する際(C−3)には、前記一次補正関数と二次補正関数を合成した三次補正関数を実パターン基板の領域毎に作成し、
    前記元データ又は露光データを補正する際(C−4)には、前記三次補正関数を用いて、前記実パターン基板の配線パターンの元データ又は露光データを領域毎に補正する、
    データ補正装置。
  10. 前記複数の補正関数を作成する際(C−2)には、複数の補正関数が作成される単位である領域が、前記実パターン基板の面内の中央部よりも端部周辺部に多く配置される請求項に記載のデータ補正装置。
  11. 前記複数の補正関数を作成する際(C−2)には、複数の補正関数が作成される単位である領域の大きさが、前記実パターン基板の面内の中央部よりも端部周辺部で小さく設定される請求項又は10に記載のデータ補正装置。
  12. 前記複数の補正関数を作成する際(C−2)には、複数の補正関数が作成される単位である領域が、実パターン基板の導体厚さに基づいて設定される請求項から11の何れか1項に記載のデータ補正装置。
  13. 前記複数の補正関数を作成する際(C−2)には、前記二次補正関数とは別に、さらに他の実パターン基板を用いて作成された他の二次補正関数を領域毎に作成し、
    前記合成した補正関数を作成する際(C−3)には、前記三次補正関数と前記さらに作成された他の二次補正関数を合成して他の三次補正関数を領域毎に作成する、請求項に記載のデータ補正装置。
  14. 前記複数の補正関数を作成する際(C−2)には、一次補正関数を作成するのに用いた実パターン基板と二次補正関数を作成するのに用いた他の実パターン基板が、同一の配線パターンを有する、請求項に記載のデータ補正装置。
  15. 前記複数の補正関数を作成する際(C−2)には、前記二次補正関数の後に作成される前記他の二次補正関数が、実パターン基板の製造ロット毎又は実パターン基板毎に作成される、請求項13に記載のデータ補正装置。
  16. 前記実パターンデータと前記元データ又は露光データとの差分を生じさせる因子として、前記実パターン基板の配線パターンの元データ又は露光データのパターン間隙、パターンサイズ、パターン厚さ、パターン位置の何れか又は何れか2以上の組み合せに対応する実パターンデータを用いる請求項から15の何れか1項に記載のデータ補正装置。
  17. 請求項から16の何れか1項に記載のデータ補正装置と、
    前記データ補正装置により補正された元データから作成された露光データ又は前記データ補正装置により補正された露光データに基づいて、基板上に配置された感光性レジストに、露光パターンを露光するパターン露光装置と、
    前記露光パターンが露光された感光性レジストを現像して現像パターンを形成する現像パターン形成装置と、
    前記現像パターンを形成した基板に対して回路加工を行ない実パターンを形成する実パターン形成装置と、
    前記実パターンから実パターンデータを作成する実パターンデータ作成装置と、を有する配線パターン形成システム。
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