JP6799492B2 - 電動モータの冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される電動モータの冷却装置に関する。
近年、車両の駆動源として電動モータを備えた電気自動車やハイブリッド車両が実用化されている。車両の走行中、電動モータは、通電されると、発熱する。この発熱量の増加に伴って、電動モータの温度が上昇する。車両に搭載される電動モータは、一般に、永久磁石が用いられている。永久磁石は、温度が高くなると減磁し、ある温度(キュリー温度)を超えると消磁する。そのため、電動モータの温度が上昇すると、電動モータの機能が低下するおそれがある。そこで、電動モータを備える車両では電動モータの冷却が行われており、例えば、ポンプによって循環されるオイルを用いて電動モータが冷却される。
ところで、電気自動車やハイブリッド車両は、駆動源としてエンジンのみを備えた車両と比べて、エンジンの駆動時間が短く、エンジンによる発熱量が少ない(特に、電気自動車の場合にはエンジンによる発熱がない)。そのため、電気自動車やハイブリッド車両では、例えば、車両の停止中に、車両の走行中に昇温されたオイルの温度が低下するおそれがある。オイルの温度が低くなると、オイルの粘度が高くなる。高粘度のオイルが潤滑に用いられると、摩擦損失が増大し、車両の燃費が低下する。
そこで、車両の駆動源として電動モータを備えた車両において、オイルを用いて電動モータを冷却し、冷間時にオイルを暖める技術が提案されている。例えば、特許文献1には、電気自動車において、ポンプによってオイルが第一油路を介して変速機に圧送されると共に第二油路を介してモータに圧送され、この圧送されたオイルがモータに設けられた冷却用油路に供給され、冷却用油路から出たオイルが潜熱タンクを通過してポンプに吸入される技術が開示されている。潜熱タンクには、潜熱蓄熱材が設けられている。オイルが冷却用油路を通過する際にオイルによって電気モータが冷却され、この冷却に用いられたオイルが潜熱タンク内で放熱し、その熱が潜熱蓄熱材に蓄熱される。そして、冷間時には、オイルが潜熱タンクを通過する際に潜熱蓄熱材からオイルに対して熱が伝達され、その熱でオイルが暖められる。
特開2011−27246号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、潜熱タンク内の潜熱蓄熱材はオイルの昇温に利用され、電動モータの冷却は冷却用油路を通過するオイルのみで行われる。そのため、電動モータでの発熱量が増大すると、電動モータに対する冷却を十分にできず、電動モータの温度が上昇するおそれがある。このような場合、例えば、電動モータの温度が許容温度を超えないように、電動モータの使用領域が制限される。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、蓄熱材を利用して電動モータの温度上昇の抑制効果を向上させると共に冷却液の温度低下を抑制することが可能な電動モータの冷却装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電動モータの冷却装置は、車両に搭載される電動モータを冷却する冷却装置であって、冷却液を貯留する冷却液貯留部と、冷却液貯留部に貯留された冷却液を吸入し、当該吸入した冷却液を昇圧して吐出するポンプと、ポンプから吐出された冷却液を電動モータに導く冷却液路と、電動モータと熱交換可能に設けられ、車両の上下方向において冷却液貯留部よりも上側に配置され、蓄熱材を貯留する蓄熱材貯留部と、蓄熱材貯留部と冷却液路とを連通する蓄熱材路と、を備え、冷却液路は、少なくとも一部が冷却液貯留部に貯留された冷却液と熱交換可能に設けられ、一端が蓄熱材路に接続され、蓄熱材と冷却液との流路として共用される共用路と、共用路内において移動自在に設けられ、蓄熱材路側の蓄熱材とポンプから吐出された冷却液の流入側の冷却液とを分離する分離手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係る電動モータの冷却装置では、ポンプが駆動されると、ポンプから吐出された冷却液が冷却液路を介して電動モータに供給され、冷却液によって電動モータが冷却される。さらに、本発明に係る電動モータの冷却装置では、ポンプが駆動されると、共用路内においてポンプから吐出された冷却液の圧力を分離手段で受け、この分離手段を介した冷却液の圧力により蓄熱材が共用路から蓄熱材路を介して蓄熱材貯留部に移送され、電動モータで発生した熱が蓄熱材に蓄えられる。これにより、本発明に係る電動モータの冷却装置によれば、蓄熱材を電動モータまで移送して、冷却液に加えて蓄熱材によって電動モータを冷却することにより、電動モータの温度上昇の抑制効果を向上させることができる。電動モータの温度上昇が抑制されることで、電動モータの使用領域を拡大することができる。
また、本発明に係る電動モータの冷却装置では、冷却液貯留部よりも上側に蓄熱材貯留部が配置されているので、ポンプが停止されると、蓄熱材の自重により、蓄熱材貯留部から蓄熱材路を介して共用路に蓄熱材が戻る。この共用路に戻った蓄熱材に蓄えられた熱が、冷却液貯留部内に貯留された冷却液に放出される。これにより、本発明に係る電動モータの冷却装置によれば、冷却液貯留部内の冷却液と熱交換可能に設けられた共用路内の蓄熱材に蓄えられた熱により、冷却液の温度低下を抑制することができる。冷却液の温度低下が抑制されることで、車両における摩擦損失を低減でき、車両の燃費を向上させることができる。
さらに、本発明に係る電動モータの冷却装置では、共用路内において分離手段によって冷却液と蓄熱材とが分離されており、蓄熱材が冷却液に混ざって流れることがないので、蓄熱材がポンプ内に入ることを防止することができる。
本発明に係る電動モータの冷却装置では、分離手段は、共用路内において、冷却液と蓄熱材とを隔てる隔壁部材であり、隔壁部材は、ポンプから共用路に吐出された冷却液の圧力を受けると、共用路内において蓄熱材路側に移動することが好ましい。このように構成することで、隔壁部材により共用路内で冷却液と蓄熱材とを分離することができると共に、共用路内においてポンプから吐出された冷却液の圧力を隔壁部材を介して蓄熱材が受けることができる。
本発明に係る電動モータの冷却装置では、冷却液路に設けられ、弁体が冷却液路を開閉し、弁体で受ける冷却液の圧力が所定の圧力以上の場合に開弁するリリーフバルブを備えることが好ましい。このように構成することで、リリーフバルブが開弁すると、冷却液路を介して冷却液が電動モータに供給されるので、冷却液により電動モータを冷却することができる。
本発明に係る電動モータの冷却装置では、蓄熱材貯留部は、電動モータのステータを囲むように設けられることが好ましい。このように構成することで、蓄熱材貯留部に蓄熱材が移送されると、蓄熱材貯留部(蓄熱材)がステータを囲むように配置されているので、電動モータを効率良く冷却することができる。
本発明に係る電動モータの冷却装置では、蓄熱材は、潜熱蓄熱材であり、潜熱蓄熱材の相変化温度は、電動モータの許容温度以下であることが好ましい。このように構成することで、潜熱蓄熱材が相変化温度において相変化することにより、電動モータの温度が許容温度以上に上昇することを抑えることができる。
本発明によれば、蓄熱材を利用して電動モータの温度上昇の抑制効果を向上させると共に冷却液の温度低下を抑制することが可能となる。
実施形態に係る電動モータの冷却装置の構成を模式的に示す図(オイルポンプ停止時)である。 実施形態に係る電動モータの冷却装置の構成を模式的に示す図(オイルポンプ駆動時)である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図1及び図2を参照して、実施形態に係る電動モータの冷却装置1(以下では、「冷却装置1」と記載)について説明する。図1は、実施形態に係る冷却装置1の構成を模式的に示す図(オイルポンプ停止時)である。図2は、実施形態に係る冷却装置1の構成を模式的に示す図(オイルポンプ駆動時)である。
冷却装置1は、電動モータ2を冷却する装置である。電動モータ2は、車両の駆動源である。車両は、例えば、電気自動車、ハイブリッド車両である。
電動モータ2は、電動機として機能し、発電機としても機能する。電動モータ2は、例えば、三相交流タイプのモータ・ジェネレータである。電動モータ2は、環状のステータと、ステータの内側に回転自在に収容されたロータとを有している。電動モータ2は、永久磁石を備えており、例えば、ロータに永久磁石が用いられる。電動モータ2には、許容温度が設定されている。この許容温度は、永久磁石のキュリー温度などに基づいて設定され、例えば、100〜200℃である。なお、電動モータ2は、車両の加速時などに供給される電力に応じて回転駆動しているときや車両の減速時に回生で発電しているときに発熱する。
車両には、電動モータ2を少なくとも含む駆動源で発生した動力を駆動輪に伝達するために、各種ギヤが設けられている。電気自動車の場合、例えば、減速機を備えており、電動モータ2で発生した動力が減速機などを介して駆動輪に伝達される。この減速機は、例えば、電動モータ2の出力軸に取り付けられるドライブギヤと、このドライブギヤに噛み合うドリブンギヤとを備える。ハイブリッド車両の場合、例えば、動力分割機構を備えている。この動力伝達機構は、例えば、リングギヤ、ピニオンギヤ、サンギヤ及びプラネタリキャリアによって構成され、リングギヤに電動モータ2と駆動輪に連結されるドライブトレーンが接続され、サンギヤに発電機が接続され、プラネタリキャリアにエンジンが接続され、エンジンで発生した駆動力をドライブトレーンと発電機とに分割して伝達する。
これらの車両の各種ギヤは、オイルによって潤滑される。また、動力を伝達する動力伝達軸を支持するベアリングなども、オイルによって潤滑される。これらの各種部材が、特許請求の範囲に記載にする被潤滑部に相当する。これらの被潤滑部や電動モータ2は、同じケース(図示省略)内に収容されている。
冷却装置1は、この潤滑にも用いられるオイル(特許請求の範囲に記載の冷却液に相当)に加えて、蓄熱材を用いて電動モータ2を冷却する。そのために、冷却装置1は、オイルパン10(特許請求の範囲に記載の冷却液貯留部に相当)と、オイルポンプ11(特許請求の範囲に記載のポンプに相当)と、第1油路12と、共用路13と、第2油路14と、蓄熱材路15と、蓄熱材容器16(特許請求の範囲に記載の蓄熱材貯留部に相当)と、隔壁部材17と、リリーフバルブ18と、を備えている。第1油路12、共用路13及び第2油路14により、オイルポンプ11から吐出されたオイルを電動モータ2に導く油路19(特許請求の範囲に記載の冷却液路に相当)が構成される。この油路19には、隔壁部材17及びリリーフバルブ18が設けられる。なお、冷却装置1は、例えば、ハイブリッド車両に搭載される場合、上述した発電機の冷却も行うものでもよい。
オイルパン10は、オイルを貯留する部材である。オイルパン10は、上述したケースの底部に配置されている。オイルパン10は、車両の上下方向において電動モータ2(蓄熱材容器16)の下側に配置されている。
オイルポンプ11は、オイルパン10に貯留されているオイルを吸入し、吸入したオイルを昇圧して吐出するポンプである。オイルポンプ11の吐出部(吐出口)には、第1油路12が接続されている。オイルポンプ11は、例えば、オイルパン10よりも上側に配置され、オイルパン10に貯留されているオイルを吸入油路11aを介して吸い上げ、第1油路12に吐出する。オイルポンプ11は、機械式のオイルポンプでもよいし、あるいは、電動式のオイルポンプでもよい。機械式のオイルポンプの場合、例えば、駆動源で発生した動力を伝達する動力伝達軸にギヤを介して連結されることで駆動される。電動式のオイルポンプの場合、電動モータを備えており、電動モータによって駆動される。オイルポンプ11は、例えば、車両の走行時に駆動され、車両の停止時に停止される。なお、オイルポンプ11に吸入されるオイルは、ストレーナを介して吸入されると好ましい。ストレーナは、例えば、吸入油路11aの一端に接続され、オイルパン10に貯留されているオイル中に埋没するように、配置される。
第1油路12は、オイルポンプ11から吐出されたオイルを共用路13に導く油路である。第1油路12の一端は、上述したように、オイルポンプ11に接続されている。第1油路12の他端は、共用路13に接続されている。なお、第1油路12には、オイルポンプ11の停止中には共用路13から流入するオイルをオイルパン10に逃し、オイルポンプ11の駆動中(吐出圧の発生中)にはオイルをオイルパン10に逃さずに共用路13に導くために、例えば、油圧に応じて開閉するバルブが設けられている。
共用路13は、隔壁部材17によって分離されたオイルと蓄熱材とで共用される流路である。共用路13は、オイルパン10に貯留されているオイルと熱交換可能となるように、流路の大部分がオイル中に埋没するように、配置される。共用路13は、例えば、オイルパン10の全域にわたって配置されると好ましい。共用路13の一端は、上述したように、第1油路12に接続されている。共用路13の他端は、蓄熱材路15に接続されている。この蓄熱材部15に接続される共用路13の他端部には、リリーフバルブ18が設けられている。共用路13を形成する管の径は、第1油路12を形成する管の径及び蓄熱材路15を形成する管の径よりも大きい。
第2油路14は、共用路13から電動モータ2にオイルを導く油路である。第2油路14には、リリーフバルブ18が開弁したときに、共用路13を介してオイルが供給される。第2油路14の一端は、リリーフバルブ18に接続されている。第2油路14の他端は、例えば、電動モータ2に設けられた蓄熱材容器16の周りにオイルを排出する箇所に配置される。
蓄熱材路15は、共用路13と蓄熱材容器16とを連通する蓄熱材の流路である。蓄熱材路15は、オイルポンプ11の駆動時には共用路13から押し出された蓄熱材を蓄熱材容器16に導き、オイルポンプ11の停止時には蓄熱材容器16から落ちる蓄熱材を共用路13に導く。蓄熱材路15の一端は、上述したように、共用路13に接続されている。蓄熱材路15の他端は、蓄熱材容器16における下端部の所定の箇所に接続されている。
蓄熱材容器16は、電動モータ2に設けられ、蓄熱材を貯留する容器である。蓄熱材容器16は、電動モータ2と熱交換可能となるように設けられ、例えば、電動モータ2のステータを囲むように設けられる。蓄熱材容器16は、例えば、円筒形状に形成された二重管式の容器である。蓄熱材容器16の下端部には、上述したように、蓄熱材路15が接続されている。
なお、蓄熱材路15内の容量と蓄熱材容器16内の容量と合わせた容量と、共用路13内の容量とが略同じになるように、蓄熱材路15、蓄熱材容器16及び共用路13が構成されると好ましい。
隔壁部材17は、共用路13内において移動自在(可動式)であり、共用路13内において第1油路12側と蓄熱材路15側とに仕切ることで冷却液と蓄熱材とを隔てる部材である。隔壁部材17は、共用路13内に設けられ、共用路13内をピストンのように摺動する。隔壁部材17は、オイルポンプ11の駆動時、オイルポンプ11から吐出されたオイルの圧力を受けると、共用路13内を蓄熱材路15側に移動する。隔壁部材17は、オイルポンプ11の停止時、蓄熱材の自重により蓄熱材路15を介して下方に落ちてくる蓄熱材の圧力を受けると、共用路13内を第1油路12側に移動する。
隔壁部材17の断面形状は、共用路13の断面形状(例えば、円形状)と同じ形状である。隔壁部材17は、所定の厚みを有している。隔壁部材17の径は、共用路13を形成する管の径と略同じである。隔壁部材17は、共用路13内において蓄熱材とオイルとを分離する(蓄熱材がオイル側に浸入せずかつオイルが蓄熱材側に侵入しない)ように構成されている。
リリーフバルブ18は、弁体18bで受けるオイルの圧力が所定圧以上になるとオイルを共用路13から第2油路14に逃すスプリング式のメカニカルバルブである。リリーフバルブ18は、オイルの圧力が所定圧未満のときには閉弁して第2油路14と共用路13とを非連通状態とし、オイルの圧力が所定圧以上になると開弁して第2油路14と共用路とを連通状態とする。所定圧は、例えば、オイルポンプ11の仕様(最大吐出圧など)に基づいて設定される。リリーフバルブ18は、共用路13における蓄熱材路15側の端部に設けられる。リリーフバルブ18は、弁ハウジング18aと、弁体18bと、スプリング18cとを有している。
弁ハウジング18aは、共用路13に交差するように配置され、共用路13の蓄熱材路15側の端部に取り付けられている。弁ハウジング18aは、例えば、一端部が閉じられた円筒形状に形成されており、内部に弁孔18dを有している。弁ハウジング18aの一端部は、固定端面18eとなっている。弁ハウジング18aの他端部は、開口され、共用路13に連通されている。弁ハウジング18aの側面の所定の箇所には、第2油路14の一端部が取り付けられている。
弁体18bは、弁ハウジング18aの弁孔18dに往復動自在に収容されている。弁体18bは、第二油路14の一端部を開閉する弁体であり、この一端部を開閉可能な形状を有している。
スプリング18cは、弁ハウジング18aの弁孔18dに収容されている。スプリング18cの一端は、弁ハウジング18aの固定端面18eに取り付けられている。スプリング18cの他端は、弁体18bに取り付けられている。スプリング18cは、弁体18bを共用路13側の方向に付勢するスプリングであり、弁体18bで受ける圧力に応じて伸縮する。
リリーフバルブ18では、弁体18bで受けるオイルの圧力とスプリング18cの弾性力とのバランスに応じて、弁体18bが弁ハウジング18a内を移動する。特に、リリーフバルブ18は、オイルの圧力が所定圧未満のときには、図1に示すように、弁体18bが第2油路14の一端部の箇所に位置(つまり、閉弁)するようにチューニングされている。また、リリーフバルブ18は、オイルの圧力が所定圧以上になると、図2に示すように、スプリング18cが縮み、弁体18bが第2油路14の一端部よりも固定端面18e側に位置(つまり、開弁)するようにチューニングされている。このチューニングは、スプリング18cの弾性力の大きさ、弁体18bの受圧面積などを調整することで行われる。
蓄熱材は、熱(特に、電動モータ2で発生した熱)を蓄え、蓄えた熱を放出する(特に、オイルに放出する)物質である。蓄熱材は、蓄熱材路15を介して共用路13と蓄熱材容器16との間を移動する。蓄熱材は、オイルポンプ2の停止時には共用路13内に貯留され、オイルポンプ2の駆動時には蓄熱材容器16内に貯留される。蓄熱材の量は、例えば、共用路13内の容量(蓄熱材路15内の容量と蓄熱材容器16内の容量と合わせた容量)と略同じ量である。蓄熱材は、例えば、物質の相変化に伴う転移熱(潜熱)を利用した潜熱蓄熱材である。蓄熱材としては、例えば、潜熱蓄熱材の相変化温度が電動モータ2の許容温度以下となる潜熱蓄熱材が適用される。適用される潜熱蓄熱材は、例えば、80〜120℃の範囲内で相変化温度を持つ潜熱蓄熱材である。このように、冷却装置1で用いられる蓄熱材により、所定の設定温度(例えば、相変化温度)が設けられ、蓄熱材による吸熱が可能な間、この設定温度で温度を保持することができる。
なお、オイルによる被潤滑部の潤滑は、例えば、オイルポンプ11から吐出されたオイルを被潤滑部に導く油路が設けられ、この油路により被潤滑部にオイルが供給されることで行われる。あるいは、この潤滑は、例えば、被潤滑部であるギヤがオイルに浸漬され、このギヤの回転によってオイルが掻き上げられて飛散することで行われる。
図1及び図2を参照し、冷却装置1の動作の流れを説明する。なお、図1及び図2では、蓄熱材を黒塗りで示し、オイルをドットで示す(オイルパン10内に貯留されているオイルを除く)。
車両の走行中、オイルポンプ11が駆動される。オイルポンプ11では、オイルパン10に貯留されているオイルを吸入し、吸入したオイルを昇圧して第1油路12に吐出する。吐出されたオイルは、第1油路12を介して、共用路13に供給される。共用路13内では、隔壁部材17がオイルポンプ11から吐出されたオイルの圧力を受ける。このオイルの圧力により、隔壁部材17は、蓄熱材路15側に移動する。
このオイルの圧力による隔壁部材17の移動に伴って、蓄熱材は、オイルの圧力を受ける隔壁部材17を介して蓄熱材路15側に押され、共用路13から蓄熱材路15に入る。そして、蓄熱材は、上方に押し上げられ、蓄熱材路15を介して蓄熱材容器16内に入る。やがて、隔壁部材17は、共用路13の蓄熱材路15側の端部に到達する。この際、蓄熱材路15の径が共用路13の径よりも小さいので、隔壁部材17は、共用路13の蓄熱材路15側の端部で止まる。図2に示すように、蓄熱材は、全て、共用路13から蓄熱材路15及び蓄熱材容器16に移される。蓄熱材容器16には、蓄熱材が貯留される。一方、共用路13は、オイルで満たされている。
車両の走行中、例えば、電動モータ2は、通電されると、ロータが回転し、動力を発生する。このとき、電動モータ2は、発熱する。電動モータ2のステータの周囲に配置された蓄熱材容器16内には蓄熱材が貯留されているので、電動モータ2で発生した熱は、蓄熱材に吸熱されて、蓄熱材に蓄えられる。これにより、電動モータ2の温度上昇が抑えられる。特に、蓄熱材容器16内に貯留される蓄熱材による吸熱が可能な間、蓄熱材による設定温度(例えば、相変化温度)で温度が保持されるので、電動モータ2の温度がその設定温度以上に上昇するのを抑制することができる。
弁体18bで受ける共用部13内のオイルの圧力が所定圧以上になると、図2に示すように、リリーフバルブ18では、スプリング18cが縮み、開弁する。これにより、第2油路14と共用路13とが連通し、オイルポンプ11から吐出されたオイルが共用路13から第2油路14に入る。オイルは、第2油路14を介して、電動モータ2(特に、蓄熱材容器16の周り)に供給される。電動モータ2は、このオイルにより冷却される。このオイルは、流れ落ちて、オイルパン10内に戻る。
車両が停止すると、オイルポンプ11が停止される。オイルポンプ11では、オイルの吸入及び吐出を停止する。したがって、共用路13には、第1油路12を介して、オイルが供給されない。これにより、共用路13内では、隔壁部材17にオイルの圧力が作用しなくなる。蓄熱材容器16はオイルパン10(共用路13)よりも上側に配置されているので、蓄熱材容器16に貯留されている蓄熱材は、自重により、蓄熱材路15を介して下方に落ちる。この蓄熱材の圧力を受けて、共用路13内では、隔壁部材17が第1油路12側に移動する。この際、共用部13内のオイルの圧力が所定圧未満となり、図1に示すように、リリーフバルブ18では、スプリング18cが伸び、閉弁する。これにより、第2油路14と共用路13とが、非連通状態となる。
蓄熱材の自重による隔壁部材17の移動に伴って、蓄熱材は、蓄熱材路15から共用路13に入る。やがて、隔壁部材17は、共用路13の第1油路12側の端部に到達する。この際、第1油路12の径が共用路13の径よりも小さいので、隔壁部材17は、共用路13の第1油路12側の端部で止まる。図1に示すように、蓄熱材は、共用路13に戻る。したがって、共用路13は、蓄熱材で満たされている。なお、隔壁部材17の移動に伴って、共用路13から第1油路12に入ったオイルは、第1油路12からオイルパン12内に排出される。
オイルパン10内に配置された共用路13には蓄熱された蓄熱材が戻っているので、オイルパン10内のオイルは、蓄熱材から放出された熱を受ける。これにより、車両の走行中に昇温されたオイルの温度低下が抑えられる。特に、共用路13に貯留される蓄熱材による放熱が可能な間、蓄熱材による設定温度で温度が保持されるので、オイルの温度がその設定温度以下に低下するのを抑制することができる。
実施形態に係る冷却装置1によれば、車両の走行中(特に、オイルポンプ11の駆動中)に、蓄熱材を電動モータ2の近傍まで移送して、オイルに加えて蓄熱材を利用して電動モータ2を冷却することにより、電動モータ2の温度上昇の抑制効果を向上させることができる。電動モータ2の温度上昇が抑制されることで、電動モータ2の使用領域を拡大することができ、車両の走行性能を向上させることができる。また、オイルに加えて蓄熱材も用いて電動モータ2の冷却を行うので、オイルを吐出するオイルポンプ11の容量を低減することができる。
実施形態に係る冷却装置1によれば、電動モータ2の排熱を蓄熱材に蓄え、車両の停止中(特に、オイルポンプ11の停止中)に、蓄熱材を共用路13に戻すことにより、蓄熱材に蓄えられた熱によりオイルの温度低下を抑制することができる。これにより、オイルの粘度が高くなるのを抑制でき、低粘度のオイルがギヤなどの潤滑に用いられることで、摩擦損失を低減でき、車両の燃費を向上させることができる。
実施形態に係る冷却装置1によれば、共用路13内に隔壁部材17を設けることにより、共用路13内において隔壁部材17によってオイルと蓄熱材とを分離でき、蓄熱材がオイルに混ざって流れないので、蓄熱材がオイルポンプ11内に入ることを防止することができる。蓄熱材とオイルとが完全に分離されているので、蓄熱材のオイルに対する親和性を考慮する必要がないので、蓄熱材の選択など、設計の自由度が向上する。ちなみに、オイルポンプ11内に蓄熱材が入った場合、オイルポンプ11での損失が大きくなったり、例えば、固体に変化した蓄熱材によってオイルポンプ11の吐出不良が発生したりするおそれがある。
実施形態に係る冷却装置1によれば、共用路13と第二油路14に対してリリーフバルブ18を設けることにより、オイルポンプ11から吐出されるオイルの圧力によってリリーフバルブ18が開弁すると、共用路13と第二油路14とを連通でき、オイルを第二油路13を介して電動モータ2に供給することができる。これにより、オイルポンプ11の駆動中に、オイルによって電動モータ2を冷却することができる。
実施形態に係る冷却装置1によれば、蓄熱材として電動モータ2の許容温度以下の相変化温度を持つ潜熱蓄熱材を用いることにより、電動モータ2の温度が許容温度以上に上昇することを抑制することができる。
実施形態に係る冷却装置1によれば、蓄熱材容器16が電動モータ2のステータの周囲に配置されているので、蓄熱材容器16に貯留された蓄熱材により電動モータ2を効率良く冷却することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では電動モータ2の冷却とギヤなどの潤滑を行う場合に適用したが、電動モータ2の冷却のみを行う場合に適用してもよい。
上記実施形態では冷却液としてギヤなどの潤滑用のオイルを用いる構成としたが、冷却液としては冷却水などを用いる構成としてもよい。冷却水を用いる場合、車両の停止中に蓄熱材に蓄えられた熱により冷却水の温度低下を抑制することができる。
上記実施形態では共用路13はその一部がオイルパン10に貯留されているオイル中に埋設するように配置される構成としたが、共用路はオイルパンに貯留されているオイルと熱交換可能になっていればよく、例えば、共用路をオイルパンの周囲や下方に配置し、共用路をオイルパンと直接接触するように取り付ける構成としてもよいし、あるいは、共用路を伝熱部材を介してオイルパンに取り付ける構成としてもよい。
上記実施形態では蓄熱材容器16は電動モータ2のステータを囲むように設けられる構成としたが、蓄熱材容器は電動モータと熱交換可能になっていればよく、例えば、蓄熱材容器を電動モータの近傍に配置し、蓄熱材容器を伝熱部材を介して電動モータに取り付ける構成としてもよい。
1 冷却装置
2 電動モータ
10 オイルパン
11 オイルポンプ
12 第1油路
13 共用路
14 第2油路
15 蓄熱材路
16 蓄熱材容器
17 隔壁部材
18 リリーフバルブ
18a 弁ハウジング
18b 弁体
18c スプリング
19 油路

Claims (5)

  1. 車両に搭載される電動モータを冷却する冷却装置であって、
    冷却液を貯留する冷却液貯留部と、
    前記冷却液貯留部に貯留された前記冷却液を吸入し、当該吸入した冷却液を昇圧して吐出するポンプと、
    前記ポンプから吐出された前記冷却液を前記電動モータに導く冷却液路と、
    前記電動モータと熱交換可能に設けられ、前記車両の上下方向において前記冷却液貯留部よりも上側に配置され、蓄熱材を貯留する蓄熱材貯留部と、
    前記蓄熱材貯留部と前記冷却液路とを連通する蓄熱材路と、
    を備え、
    前記冷却液路は、
    少なくとも一部が前記冷却液貯留部に貯留された前記冷却液と熱交換可能に設けられ、一端が前記蓄熱材路に接続され、前記蓄熱材と前記冷却液との流路として共用される共用路と、
    前記共用路内において移動自在に設けられ、前記蓄熱材路側の前記蓄熱材と前記ポンプから吐出された前記冷却液の流入側の前記冷却液とを分離する分離手段と、
    を有することを特徴とする電動モータの冷却装置。
  2. 前記分離手段は、前記共用路内において、前記冷却液と前記蓄熱材とを隔てる隔壁部材であり、
    前記隔壁部材は、前記ポンプから前記共用路に吐出された前記冷却液の圧力を受けると、前記共用路内において前記蓄熱材路側に移動することを特徴とする請求項1に記載の電動モータの冷却装置。
  3. 前記冷却液路に設けられ、弁体が前記冷却液路を開閉し、前記弁体で受ける前記冷却液の圧力が所定の圧力以上の場合に開弁するリリーフバルブを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動モータの冷却装置。
  4. 前記蓄熱材貯留部は、前記電動モータのステータを囲むように設けられることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の電動モータの冷却装置。
  5. 前記蓄熱材は、潜熱蓄熱材であり、
    前記潜熱蓄熱材の相変化温度は、前記電動モータの許容温度以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の電動モータの冷却装置。
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