JP6795662B2 - ウロプラキン発現促進剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ウロプラキン発現促進剤に関する。
頻尿、尿意切迫感、尿失禁等の排尿障害は、日常生活に大きな支障を与え生活の質を低下させることが知られている。特に、超高齢化社会の日本では、40歳以上の約半数が頻尿症状を有すると推定されている。
頻尿、尿意切迫感、尿失禁等の排尿障害の原因の1つとしては、膀胱の上皮バリア機能低下が示唆されている。上記のような排尿障害を有する排尿筋過活動(過活動膀胱を示唆)患者や間質性膀胱炎患者では、膀胱の上皮バリア機能との関連性が示唆されているウロプラキン(uroplakin、以下「UPK」と略記する)3Aの発現量が減少していると報告されている(非特許文献1参照)。また、UPK2/UPK3Aのダブルノックアウトマウスでは、膀胱組織中への尿の浸透が亢進することが報告されている(非特許文献2参照)。さらに、UPK2又はUPK3Aのノックアウトマウスでは、頻尿症状が誘発されることが報告されている(非特許文献3参照)。
膀胱尿管逆流症とは、膀胱内に貯留した尿が膀胱尿管以降部の構造や異常により尿管、あるいは腎孟・腎実質にまで逆流する現象である。逆流の存在は上行性の尿路感染症による再発性の腎盂腎炎を起こす原因となり得る。また、排尿時に上部尿路に逆流した尿は、排尿後に膀胱内へ下降し残尿となるため、細菌が増殖して膀胱炎が発症し膀胱痛の原因となる。
膀胱尿管逆流症の原因の1つとしては、UPK3Aの関与が示唆されている。実際にUPK3Aのノックアウトマウスでは、膀胱尿管逆流症が発症することが報告されている(非特許文献4参照)。
現在過活動膀胱の薬物治療には、抗コリン薬が用いられている。抗コリン薬は、膀胱の排尿筋の収縮を促進するアセチルコリンの作用を阻害する。しかし、抗コリン薬は、患者によっては明確な症状改善効果が見られない、副作用として口渇や便秘等の症状を呈する等、問題点も多く、より効果的な予防・改善方法が望まれている。
また、間質性膀胱の薬物治療には、抗うつ薬や抗ヒスタミン薬が用いられている。しかし、抗うつ薬や抗ヒスタミン薬の有効性は限定的であるため、より効果的な予防・改善方法が望まれている。
さらに、膀胱尿管逆流症の治療には、軽度の場合は自然消失を待つ保存的療法がとられるが、消失しない場合は逆流防止術が実施されている。しかし、外科的な治療法は侵襲性が高く、非侵襲的な予防・改善方法が望まれている。
BJU INTERNATIONAL,2007,vol.39,p.1506-1516 The Journal of Biological Chemistry,2012,vol.287,p.11011-11017 Neurourology and Urodynamics,2009,vol.28,p.1028-1033 Journal of Cell Biology,2000年,vol.151,p.961-971
過活動膀胱の治療に用いられる抗コリン薬は、放出されたアセチルコリンが膀胱平滑筋の受容体へ結合するのを阻害するが、これはいわゆる対症療法であり、効果の点から十分な治療法とは言い難い。また、抗コリン薬には、上述のような副作用もある。間質性膀胱炎の治療に用いられる抗うつ薬や抗ヒスタミン薬は、神経伝達やヒスタミンの遊離を阻害
するが、これもいわゆる対症療法であり、効果の点から十分な治療法とは言い難い。さらに、自然消失しない膀胱尿管逆流症の治療で実施される逆流防止術は侵襲性が高く、非侵襲的で効果的な治療法は存在しない。
これに対し、過活動膀胱、間質性膀胱炎、膀胱尿管逆流症の一因であると考えられる膀胱の上皮バリア機能低下を抑制することができれば、過活動膀胱、間質性膀胱炎、膀胱尿管逆流症の原因療法となり得る。
本発明は、膀胱上皮細胞におけるUPKの発現を促進する、UPK発現促進剤の提供を課題とする。
また本発明は、UPK発現促進剤の効能を生かし、またその投与の手段としての、頻尿、尿意切迫感、尿失禁又は膀胱痛の予防又は改善剤、及び膀胱尿管逆流症の予防又は改善剤の提供を課題とする。
また本発明は、膀胱上皮細胞におけるUPKの発現を促進する、UPK発現促進方法の提供を課題とする。
また本発明は、頻尿、尿意切迫感、尿失禁、膀胱痛又は膀胱尿管逆流症を予防又は改善する、非治療的な予防又は改善方法の提供を課題とする。
本発明者らは上記課題に鑑み、過活動膀胱、間質性膀胱炎、膀胱尿管逆流症の原因となる膀胱の上皮バリア機能低下を抑制しうる物質について鋭意検討を行った。その結果、グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩にUPK遺伝子の発現を促進する作用があり、頻尿、尿意切迫感、尿失禁、膀胱痛及び膀胱尿管逆流症の予防又は改善に有用であることを見出した。
本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
本発明は、グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩からなる群より少なくとも1種を有効成分とする、UPK発現促進剤に関する。
また本発明は、グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩からなる群より少なくとも1種を有効成分とする、頻尿、尿意切迫感、尿失禁又は膀胱痛の予防又は改善剤に関する。
また本発明は、グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩からなる群より少なくとも1種を有効成分とする、膀胱尿管逆流症の予防又は改善剤に関する。
また本発明は、グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩からなる群より少なくとも1種を投与又は摂取させる、非治療的なUPKの発現促進方法に関する。
また本発明は、グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩からなる群より少なくとも1種を投与又は摂取させる、非治療的な頻尿、尿意切迫感、尿失禁又は膀胱痛の予防又は改善方法に関する。
また本発明は、グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩からなる群より少なくとも1種を投与又は摂取させる非治療的な膀胱尿管逆流症の予防又は改善方法に関する。
本発明のUPK発現促進剤は、膀胱上皮細胞におけるUPKの発現を促進することができる。
また、本発明の頻尿、尿意切迫感、尿失禁又は膀胱痛の予防又は改善剤、及び膀胱尿管逆流症の予防又は改善剤は、頻尿、尿意切迫感、尿失禁、膀胱痛又は膀胱尿管逆流症を予防又は改善することができる。
本明細書において「予防」とは、個体における疾患若しくは症状の発症の防止若しくは遅延、又は個体の疾患若しくは症状の発症の危険性を低下させることをいう。
また、本明細書において「改善」とは、疾患、症状若しくは状態の好転、疾患、症状若しくは状態の悪化の防止若しくは遅延、又は疾患、症状若しくは状態の進行の逆転、防止若しくは遅延をいう。
本明細書における「UPK」とは、尿路上皮に特異的に発現している膜タンパク質である。これまでに知られているUPKとしては、UPK1A、UPK1B、UPK2及びUPK3Aの4種類が挙げられる。このうち本発明は特に、UPK2及びUPK3Aの発現の促進に有効である。
ヒトのUPK2及びUPK3Aの塩基配列情報及びアミノ酸配列情報は、それぞれNCBI Reference Sequence:NM_006760.3、NP_006751.1及びNCBI Reference Sequence:NM_001167574.1、NP_001161046.1として登録されており、NCBIより入手可能である。また、これらのバリアント又はホモログは本発明の発現促進の対象となり得る。
本発明のUPK発現促進剤、頻尿、尿意切迫感、尿失禁又は膀胱痛の予防又は改善剤、及び膀胱尿管逆流症の予防又は改善剤(以下、頻尿、尿意切迫感、尿失禁又は膀胱痛の予防又は改善剤、及び膀胱尿管逆流症の予防又は改善剤を合わせて「本発明の予防又は改善剤」とも表記する)は、グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩からなる群より少なくとも1種を有効成分とする。
本発明で用いるグルコサミンの塩としては適宜選択することができる。具体例として、グルコサミン塩酸塩及びグルコサミン硫酸塩が挙げられる。また、本発明で用いるピルビン酸の塩としては適宜選択することができる。具体例として、ピルビン酸ナトリウム塩、ピルビン酸カリウム塩及びピルビン酸カルシウム塩が挙げられる。
本発明のUPK発現促進剤、及び本発明の予防又は改善剤には、グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩のいずれかを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩の製造方法に特に制限はなく、通常の有機化学的合成により得ることもできる。あるいは、天然物由来の材料から抽出や精製等により得ることもできる。また、試薬として市販されているものを用いることもできる。
グルコサミン及びその塩は、例えば、ファインケミカル(シーエムシー出版、2008年、P84)に記載の方法を参考に、キチンを濃塩酸で加水分解して製造することができる。
ピルビン酸及びその塩は、例えば、特開2006−254863号公報に記載の方法を参考に、グルコースをミクロバクテリウム(Microbacterium)属に属するピルビン酸生産菌を好気的条件下で培養して製造することができる。
前述のように、排尿障害を有する排尿筋過活動患者や間質性膀胱炎患者では、UPK3Aの発現量が減少していると報告されている。また、UPK2又はUPK3Aのノックアウトマウスでは、頻尿症状が誘発されることが報告されている。さらに、UPK3Aのノックアウトマウスでは、膀胱尿管逆流症が発症することが報告されている。
これらの報告から、UPKの発現を促進することで、頻尿、尿意切迫感、尿失禁及び膀胱痛を予防又は改善し得ると考えられる。また、UPKの発現を促進することで、膀胱尿管逆流症を予防又は改善し得ると考えられる。
後記実施例でも示すように、グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩は、膀胱上皮細胞のUPKの遺伝子発現を促進する作用を有する。そのため、これら化合物は、頻尿、尿意切迫感、尿失禁及び膀胱痛を予防又は改善するために使用することができる。また、これら化合物は、膀胱尿管逆流症を予防又は改善するために使用することができる。
上記使用は、治療的使用(即ち医療行為)であっても非治療的使用(非医療的な行為)であってもよい。また、上記使用の対象は、ヒト、非ヒト動物、又はそれらに由来する検体であり得る。なお、前記「非治療的」とは、医療行為、すなわち治療による人体への処理行為を含まない概念である。
本発明のUPK発現促進剤は、上記使用の具体的態様の1つであり、治療的用途(医療用途)、非治療用途(非医療用途)のいずれにも適用することができる。具体的には、医薬品、医薬部外品等としての使用することができる他、各種の飲食品、飼料、ペットフード等に本発明のUPK発現促進剤を配合することもできる。
また、本発明の予防又は改善剤は、上記使用の具体的態様の1つであり、治療的用途(医療用途)、非治療用途(非医療用途)のいずれにも適用することができる。具体的には、医薬品、医薬部外品等としての使用することができる他、各種の飲食品、飼料、ペットフード等に本発明の予防又は改善剤を配合することもできる。
本発明のUPK発現促進剤及び予防又は改善剤は、液状、固形状、乳液状、ペースト状、ゲル状、パウダー状(粉末状)、顆粒状、ペレット状、スティック状等、ヒトや動物に適用されうる各種剤型をとることができる。
また、本発明のUPK発現促進剤及び予防又は改善剤は、有効成分である上記化合物のみからなるものであってもよいし、効果に影響を与えない範囲で他の成分を含有するものであってもよい。他の成分とは、例えば下記の添加剤が挙げられる。
本発明のUPK発現促進剤及び本発明の予防又は改善剤を医薬品、医薬部外品に適用する場合、前記化合物を有効量含有させ、必要により添加剤を配合して各種剤形に調製することができる。例えば、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、腸溶剤、トローチ剤、ドリンク剤等の経口医薬として、又は、注射剤、坐剤、経皮吸収剤、外用剤等といった非経口医薬として調製することができる。これらの形態のうち、好ましい形態は経口医薬である。
種々の剤型に調製するには、添加剤を用いて常法に従って製造すればよい。添加剤は、通常用いられているものを使用することができる。添加剤の例としては、薬学的に許容される賦形剤(ソルビトール、グルコース、乳糖、デキストリン、澱粉等の糖類、炭酸カルシウム等の無機物、結晶セルロース、蒸留水、ゴマ油、とうもろこし油、オリーブ油、菜種油等)、液体担体(蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール等のアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、油性担体(各種の動植物油、白色ワセリン、パラフィン、ロウ類等)、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、等張化剤、崩壊剤、滑沢剤、増量剤、界面活性剤、分散剤、懸濁剤、希釈剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、光沢剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、矯臭剤、細菌抑制剤等が挙げられる。
本発明のUPK発現促進剤及び本発明の予防又は改善剤を飲食品、飼料、ペットフード等に配合適用する場合、食用又は飲料用に適した形態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル、ペーストなどに成形して提供することができる。さらに、前記飲食品は、過活動膀胱、頻尿、尿意切迫感、又は切迫性尿失禁の予防又は改善をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した美容食品、病者用食品、栄養機能食品又は特定保健用食品等の機能性飲食品の形態とすることができる。
飲食品への配合の例としては、パン、麺類等に代表される小麦粉加工食品、お粥、炊き込みご飯等の米加工食品、ビスケット、ケーキ、ゼリー、チョコレート、せんべい、アイスクリーム等の菓子類、豆腐、その加工食品等の大豆加工食品、清涼飲料、果汁飲料、乳飲料、炭酸飲料等の飲料類、ヨーグルト、チーズ、バター、牛乳等の乳製品、醤油、ソース、味噌、マヨネーズ、ドレッシング等の調味料、ハム、ベーコン、ソーセージ等の蓄肉、蓄肉加工食品、はんぺん、ちくわ、魚の缶詰等の水産加工食品、調理油ならびにフライ用油等が挙げられる。また、錠剤(タブレット)、カプセル等の錠剤食、濃厚流動食、自然流動食、半消化態栄養食、成分栄養食、ドリンク栄養食等の経口経腸栄養食品、機能性食品等の形態としてもよい。
飼料としては、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、犬、猫、小鳥、リス等に用いるペットフード等が挙げられる。
これらの飲食品、飼料及びペットフード等は、本発明のUPK発現促進剤、又は本発明の予防若しくは改善剤を含有し、これに食品原料、例えば、甘味剤、着色剤、抗酸化剤、ビタミン類、香料、ミネラル等の添加剤、タンパク質、脂質、糖質、炭水化物、食物繊維等を適宜組み合わせて、常法に従って調製することができる。
本発明のUPK発現促進剤及び本発明の予防又は改善剤における前記有効成分の配合量は、その使用形態により適宜決定することができる。
例えば、錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等の経口用固形製剤、内服液剤、シロップ剤等の経口用液体製剤の場合は、固形分濃度(固形分換算)として0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、100質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましい。あるいは、0.001〜100質量%が好ましく、0.01〜95質量%がより好ましい。
本発明のUPK発現促進剤及び本発明の予防又は改善剤を飲食品やペットフード等に配合する場合は、前記有効成分の配合量は固形分濃度として0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、50質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。あるいは、0.001〜50質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましい。
本発明のUPK発現促進剤及び本発明の予防又は改善剤の投与又は摂取量は、個体の状態、体重、性別、年齢又はその他の要因に従って適宜選択、決定できる。例えば、成人(60kg)の1日の投与又は摂取量としては、前記有効成分とする化合物の固形分換算として、0.001mg以上が好ましく、1mg以上がより好ましく、100mg以上がさらに好ましく、80000mg以下が好ましく、40000mg以下がより好ましく、15000mg以下がさらに好ましい。あるいは、0.001〜80000mgが好ましく、1〜40000mgがより好ましく、100〜15000mgがさらに好ましい。また、本発明のUPK発現促進剤及び本発明の予防又は改善剤は、1日1回〜数回に分け、又は任意の期間及び間隔で摂取・投与され得る。
上記医薬品、医薬部外品又は食品の摂取又は投与対象として特に限定されないが、過活動膀胱、及びその主な症状である頻尿、尿意切迫感、切迫性尿失禁等の予防、改善、治療を目的とするヒトやヒト以外の哺乳動物が好ましい。なお、摂取又は投与対象には、過活動膀胱の症状が認められるヒトやヒト以外の哺乳動物、及びそのおそれがあるヒトやヒト以外の哺乳動物、その疾患・症状の予防を期待するヒトやヒト以外の哺乳動物も含まれる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下のUPK発現促進剤、予防又は改善剤、及び方法を開示する。
<1>グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩からなる群より少なくとも1種を有効成分とする、UPK発現促進剤。
<2>グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩からなる群より少なくとも1種を有効成分とする、頻尿、尿意切迫感、尿失禁又は膀胱痛の予防又は改善剤。
<3>頻尿、尿意切迫感、尿失禁又は膀胱痛の予防又は改善が過活動膀胱又は膀胱炎の改善によるものである、前記<2>項に記載の予防又は改善剤。
<4>グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩からなる群より少なくとも1種を有効成分とする、膀胱尿管逆流症の予防又は改善剤。
<5>グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩からなる群より少なくとも1種を投与又は摂取させる、非治療的なUPKの発現促進方法。
<6>グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩からなる群より少なくとも1種を投与又は摂取させる、非治療的な頻尿、尿意切迫感、尿失禁又は膀胱痛の予防又は改善方法。
<7>頻尿、尿意切迫感、尿失禁又は膀胱痛の予防又は改善が過活動膀胱又は膀胱炎の改善によるものである、前記<6>項に記載の予防又は改善方法。
<8>グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩からなる群より少なくとも1種を投与又は摂取させる、非治療的な膀胱尿管逆流症の予防又は改善方法。
<9>過活動膀胱の症状が認められるヒトやヒト以外の哺乳動物、及びそのおそれがあるヒトやヒト以外の哺乳動物、その疾患・症状の予防を期待するヒトやヒト以外の哺乳動物を対象とする、前記<5>〜<8>のいずれか1項記載の方法。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
ヒト膀胱上皮細胞株を用いたUPKの遺伝子発現変化検討
<使用細胞>
ヒト膀胱上皮細胞株であるHT−1376(ATCC)を使用した。HT−1376の詳細な情報を表1に示す。
Figure 0006795662
<使用培地>
MEM Earle‘s(Invitrogen社製)に、10%FCS(ウシ胎仔血清)、ピルビン酸ナトリウム(0.055g/500mL)、L−グルタミン(0.146g/500mL)を添加したものを使用した。
12wellプレートに、5.0×104cells/wellとなるようにHT−1376を播種し、上記培地で37℃、5%CO2条件下で、48時間培養した。70%コンフルエント時に培地中へグルコサミン塩酸塩、ピルビン酸又はコントロールとしてDEPC treated water(RNase-free Water、ニッポンジーン社製)を添加し、さらに96時間培養した。培養後、RNeasy mini kit(Qiagen社製)を用いてRNAを抽出した。
抽出したRNA100μgから、High Capacity RNA to cDNA kit(Applied Biosystems社製)を用いてcDNAを合成し、Real−time PCRに供してUPK2遺伝子及びUPK3A遺伝子の発現量を定量した。なおUPK2遺伝子及びUPK3A遺伝子の発現量は、コントロールを添加したときの各遺伝子の発現量を1とし、コントロールを添加したときの各遺伝子の発現量に対する相対値で算出した。その結果を表2に示す。また、有意差検定はDunnet法により行った。
Figure 0006795662
表2に示すように、グルコサミン塩酸塩の添加により、コントロールと比較してUPK2遺伝子の発現量が有意に増加した。また、ピルビン酸の添加により、コントロールと比較してUPK3A遺伝子の発現量が有意に増加した。
以上のように、グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩のいずれか1種を適用することにより、UPKの発現が有意に促進される。これは、グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩が、UPKの発現の促進に有効であることを示している。さらに、UPKの発現の促進作用を有するこれらの化合物は、頻尿、尿意切迫感、尿失禁、膀胱痛、及び膀胱尿管逆流症過活動膀胱の予防又は改善に有効であることを示している。

Claims (7)

  1. ピルビン酸及びその塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を有効成分とする、ウロプラキン3A発現促進剤。
  2. ピルビン酸及びその塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を有効成分とする、ウロプラキン3Aがノックアウトされている状態若しくはウロプラキン3Aの発現が低減した状態でウロプラキン3Aの発現を促進し、頻尿、尿意切迫感、尿失禁又は膀胱痛を予防又は改善するための、頻尿、尿意切迫感、尿失禁又は膀胱痛の予防又は改善剤。
  3. 頻尿、尿意切迫感、尿失禁又は膀胱痛の予防又は改善が過活動膀胱又は膀胱炎の改善によるものである、請求項2に記載の予防又は改善剤。
  4. ピルビン酸及びその塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を有効成分とする、ウロプラキン3Aがノックアウトされている状態若しくはウロプラキン3Aの発現が低減した状態でウロプラキン3Aの発現を促進し、膀胱尿管逆流症を予防若しくは改善するための、膀胱尿管逆流症の予防又は改善剤。
  5. ピルビン酸及びその塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を有効成分とする、ウロプラキン3Aがノックアウトされている状態若しくはウロプラキン3Aの発現が低減した状態でウロプラキン3Aの発現を促進し、頻尿、尿意切迫感、尿失禁又は膀胱痛を予防又は改善するための、頻尿、尿意切迫感、尿失禁又は膀胱痛の予防又は改善用飲食品組成物。
  6. 頻尿、尿意切迫感、尿失禁又は膀胱痛の予防若しくは改善が過活動膀胱又は膀胱炎の改善によるものである、請求項5に記載の飲食品組成物。
  7. ピルビン酸及びその塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を有効成分とする、ウロプラキン3Aがノックアウトされている状態若しくはウロプラキン3Aの発現が低減した状態でウロプラキン3Aの発現を促進し、膀胱尿管逆流症を予防若しくは改善するための、膀胱尿管逆流症の予防又は改善用飲食品組成物。
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