JP5985226B2 - 過活動膀胱の予防又は改善剤 - Google Patents
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Description
一方、過活動膀胱(overactive bladder:OAB)は、尿意切迫感、切迫性尿失禁の排尿障害を呈する疾患である。過活動膀胱の症状は日常生活に支障をきたし生活の質を低下させること、特に高齢者に多く見られ40歳以上の罹患者は800万人を超えると推定されていることから、近年の高齢化社会に伴って注目が集まっている。健常人では膀胱内の蓄尿量と尿意は相関関係にあるが、過活動膀胱患者では尿の蓄積によらず膀胱の収縮が起こるため尿意切迫感を引き起こすと考えられている。しかしながら、その発症機構には未だ不明な点が多い。
そして、本発明者らは更に研究を進めたところ、特定の化合物にATP放出を抑制する効果があり、過活動膀胱の予防又は改善に有用であることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
さらに、本発明は、下記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を有効成分とする、ATP放出抑制剤に関する。
式(1)で表される化合物の製造方法に特に制限はなく、通常の有機化学的合成により得ることもできるし、天然物由来の材料から抽出や精製等したものであってもよい。また、試薬として市販されているものを式(1)で表される化合物として用いることもできる。
式(1)で表される化合物には鏡像異性体が存在する。本発明においては、それら異性体を単独又は混合して用いることができるが、(S)-(-)-ペリルアルデヒドを用いるのが好ましい。
式(2)で表される化合物の製造方法に特に制限はなく、通常の有機化学的合成により得ることもできるし、天然物由来の材料から抽出や精製等したものであってもよい。また、試薬として市販されているものを式(2)で表される化合物として用いることもできる。
式(2)で表される化合物には鏡像異性体が存在する。本発明においては、それら異性体を単独又は混合して用いることができる。
式(3)で表される化合物の製造方法に特に制限はなく、通常の有機化学的合成により得ることもできるし、天然物由来の材料から抽出や精製等したものであってもよい。また、試薬として市販されているものを式(3)で表される化合物として用いることもできる。
式(4)で表される化合物の製造方法に特に制限はなく、通常の有機化学的合成により得ることもできるし、天然物由来の材料から抽出や精製等したものであってもよい。また、試薬として市販されているものを式(4)で表される化合物として用いることもできる。
式(5)で表される化合物の製造方法に特に制限はなく、通常の有機化学的合成により得ることもできるし、天然物由来の材料から抽出や精製等したものであってもよい。また、試薬として市販されているものを式(5)で表される化合物として用いることもできる。
後記実施例でも示すように、式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物は、ATP放出抑制効果を示す。したがって、ヒトを含む動物が式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物を摂取又は投与することで、過活動膀胱の予防又は改善が可能となる。
飼料の形態としては特に制限はなく、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、犬、猫、小鳥、リス等に用いるペットフード等が挙げられる。
これらの飲食品は、例えば、甘味剤、着色剤、抗酸化剤、ビタミン類、香料、ミネラル等の添加剤、タンパク質、脂質、糖質、炭水化物、食物繊維等の食品原料を適宜組み合わせて用い、これと本発明の過活動膀胱の予防若しくは改善剤又はATP放出抑制剤とを含有させ、常法に従って各種飲食品の形態とすることにより調製することができる。
<3>前記有効成分の含有量が固形分換算で0.001質量%以上50質量%以下である、前記<1>又は<2>項記載の過活動膀胱の予防又は改善剤。
<7>過活動膀胱の予防又は改善剤の製造のための、前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の使用。
<8>前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を、過活動膀胱の予防又は改善剤として使用する方法。
<9>前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる、過活動膀胱の予防又は改善方法。
<10>ATPの放出を抑制することで過活動膀胱を予防又は改善する、前記<6>〜<9>項のいずれか記載の使用又は方法。
<11>前記過活動膀胱の予防又は改善剤における、前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の含有量が固形分換算で0.001質量%以上50質量%以下である、前記<6>〜<10>項のいずれか記載の使用又は方法。
<13>ATP放出抑制剤の製造のための、前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の使用。
<14>前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を、ATP放出抑制剤として使用する方法。
<15>前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる、ATP放出の抑制方法。
<16>前記ATP放出抑制剤における、前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の含有量が固形分換算で0.001質量%以上50質量%以下である、前記<12>〜<15>項のいずれか記載の使用又は方法。
<18>過活動膀胱の治療薬の製造のための、前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の使用。
<20>前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を食品又は飲料の形態で適用する、前記<19>項記載の使用。
<1>式(1)で表される化合物
(S)-(-)-ペリルアルデヒド(Sigma-Aldrich社より入手、純度92%)を99.5%エタノールに濃度1.5%(w/v)になるように溶解し、式(1)で表される化合物の試験サンプルを調製した。
<2>式(2)で表される化合物
(S)-(-)-ペリリルアルコール(Sigma-Aldrich社より入手、純度96%)を99.5%エタノールに濃度1.5%(w/v)になるように溶解し、式(2)で表される化合物の試験サンプルを調製した。
<3>式(3)で表される化合物
(S)-(-)-β-シトロネロール(Sigma-Aldrich社より入手、純度99%)を99.5%エタノールに濃度1.5%(w/v)になるように溶解し、式(3)で表される化合物の試験サンプルを調製した。
<4>式(4)で表される化合物
(R)-(-)-カルボン(Sigma-Aldrich社より入手、純度98%)を99.5%エタノールに濃度1.5%(w/v)になるように溶解し、式(4)で表される化合物の試験サンプルを調製した。
<5>式(5)で表される化合物
(S)-(+)-カルボン(Sigma-Aldrich社より入手、純度96%)を99.5%エタノールに濃度1.5%(w/v)になるように溶解し、式(5)で表される化合物の試験サンプルを調製した。
特開2011−133440号公報に記載の方法を参考に、下記に示すようにATP放出抑制試験を行った。
膀胱上皮細胞株としてHT-1376(ATCC社より入手、下記表1に細胞情報を示す)を用い、下記に示す組成の培地を用いて37℃、5%CO2条件下で培養した。
HT-1376用培地:MEM(Minimum Essential Medium)Earle's(Invitrogen社より入手)に10%FCS(ウシ胎仔血清)、ピルビン酸ナトリウム(0.055g/500mL)、L-グルタミン(0.146g/500mL)を添加したものを使用した。
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