JP5985226B2 - 過活動膀胱の予防又は改善剤 - Google Patents

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Description

本発明は、過活動膀胱の予防又は改善剤に関する。
頻尿(ひんにょう)とは、様々な原因により1日の排尿回数が増えてしまう症状である。頻尿の原因としては、尿崩症、高血圧症、水分、カフェイン、アルコールの過剰摂取、加齢などの尿量の増加に因るものと、過活動膀胱、尿路感染、間質性膀胱炎など尿量の増加に因らないものに大別される。さらに、膀胱や前立腺など泌尿器系の臓器に病気が存在して起こる場合や、神経的な緊張も、頻尿の原因の1つと言われている。
一方、過活動膀胱(overactive bladder:OAB)は、尿意切迫感、切迫性尿失禁の排尿障害を呈する疾患である。過活動膀胱の症状は日常生活に支障をきたし生活の質を低下させること、特に高齢者に多く見られ40歳以上の罹患者は800万人を超えると推定されていることから、近年の高齢化社会に伴って注目が集まっている。健常人では膀胱内の蓄尿量と尿意は相関関係にあるが、過活動膀胱患者では尿の蓄積によらず膀胱の収縮が起こるため尿意切迫感を引き起こすと考えられている。しかしながら、その発症機構には未だ不明な点が多い。
近年、過活動膀胱を引き起こす要因の1つとして、膀胱知覚神経系(膀胱求心性神経系)の興奮性の亢進が指摘されている。この知覚神経系の興奮は、蓄尿による膀胱の伸展刺激を受けて膀胱上皮細胞から放出される各種の伝達物質(アデノシン三リン酸(adenosine triphosphate:以下ATPとも略記する)、アセチルコリン(acetylcholine)等)によって引き起こされると考えられている。ヒトでは加齢により膀胱上皮から放出されるATP量が増加すること、及び過活動膀胱患者では膀胱伸展時のATP放出量が増大していることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。また、ラットの膀胱にATPを投与すると排尿筋の過活動が誘発されて排尿間隔が短縮するとの報告もある(例えば、非特許文献2参照)。なお、過活動膀胱は、精神的な緊張との関連性が現在のところ知られていない。
現在のところ、薬物による過活動膀胱の治療には、膀胱収縮を促すアセチルコリンの作用を抑制する抗コリン薬が主に使われている。しかし、抗コリン薬は服用に伴う、口の渇き、便秘、排尿の困難性等の副作用を起こすことが知られている。このような実情から、より効果的な過活動膀胱の予防、治療剤が望まれている。
日本脊髄障害医学会雑誌,2005年,第18巻,p.18-19 Journal of Urology,2002年,第168巻,p.1230-1234
本発明は、過活動膀胱、又は尿意切迫感、切迫性尿失禁等の排尿障害を予防及び/又は改善する、過活動膀胱の予防又は改善剤を提供することを課題とする。また、本発明は、排尿を制御する神経伝達物質であるATPの膀胱上皮細胞からの放出を抑制する、ATP放出抑制剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、過活動膀胱の原因とされる種々の要因の中から、特に膀胱求心性神経の興奮性亢進に着目し、この興奮を引き起こしている膀胱上皮からのATP放出を抑制する物質が、過活動膀胱の予防又は改善剤として有用であることを明らかにしている(特開2011−133440号公報参照)。
そして、本発明者らは更に研究を進めたところ、特定の化合物にATP放出を抑制する効果があり、過活動膀胱の予防又は改善に有用であることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
本発明は、下記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を有効成分とする、過活動膀胱の予防又は改善剤に関する。
さらに、本発明は、下記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を有効成分とする、ATP放出抑制剤に関する。
Figure 0005985226
本発明の過活動膀胱の予防又は改善剤は、過活動膀胱、又は尿意切迫感、切迫性尿失禁等の排尿障害を予防及び/又は改善することができる。また、本発明のATP放出抑制剤は、膀胱上皮細胞からのATPの放出を抑制することができる。
本発明に用いられる化合物について詳細に説明する。
式(1)で表される化合物は、ペリルアルデヒド(4-(1-メチルエテニル)シクロヘキサ-1-エン-1-カルボキシアルデヒド)であり、従来食品添加物や香料として用いられている。
式(1)で表される化合物の製造方法に特に制限はなく、通常の有機化学的合成により得ることもできるし、天然物由来の材料から抽出や精製等したものであってもよい。また、試薬として市販されているものを式(1)で表される化合物として用いることもできる。
式(1)で表される化合物には鏡像異性体が存在する。本発明においては、それら異性体を単独又は混合して用いることができるが、(S)-(-)-ペリルアルデヒドを用いるのが好ましい。
式(2)で表される化合物は、ペリリルアルコール(4β-イソプロペニルシクロヘキセン-1-メタノール)である。
式(2)で表される化合物の製造方法に特に制限はなく、通常の有機化学的合成により得ることもできるし、天然物由来の材料から抽出や精製等したものであってもよい。また、試薬として市販されているものを式(2)で表される化合物として用いることもできる。
式(2)で表される化合物には鏡像異性体が存在する。本発明においては、それら異性体を単独又は混合して用いることができる。
式(3)で表される化合物は、(S)-(-)-β-シトロネロール([S,(-)]-3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール)である。
式(3)で表される化合物の製造方法に特に制限はなく、通常の有機化学的合成により得ることもできるし、天然物由来の材料から抽出や精製等したものであってもよい。また、試薬として市販されているものを式(3)で表される化合物として用いることもできる。
式(4)で表される化合物は、(R)-(-)-カルボン((R)-(-)-p-メンタ-6,8-ジエン-2-オン)であり、従来香料として用いられている。
式(4)で表される化合物の製造方法に特に制限はなく、通常の有機化学的合成により得ることもできるし、天然物由来の材料から抽出や精製等したものであってもよい。また、試薬として市販されているものを式(4)で表される化合物として用いることもできる。
式(5)で表される化合物は、(S)-(+)-カルボン((S)-(+)-p-メンタ-6,8-ジエン-2-オン)であり、従来香料として用いられている。
式(5)で表される化合物の製造方法に特に制限はなく、通常の有機化学的合成により得ることもできるし、天然物由来の材料から抽出や精製等したものであってもよい。また、試薬として市販されているものを式(5)で表される化合物として用いることもできる。
本発明の過活動膀胱の予防又は改善剤及びATP放出抑制剤には、前記有効成分のうちのいずれか1種を利用しても、2種以上を併用してもよい。
前述のように、ATPは蓄尿による膀胱の伸展刺激を受けて膀胱上皮細胞から放出される。このATP放出には、膀胱上皮の伸展という機械的刺激を感知する受容体(メカノセンサー)が関与する。ヒトの膀胱上皮には、ENaC(Epithelial Na channel)ファミリーやTRP(transient receptor potential)ファミリーに属するメカノセンサーが存在することが知られている。過活動膀胱や尿路閉塞患者の膀胱上皮細胞では、これらのメカノセンサーが健常人に比べて高発現しているとの報告がある(Urologia Internationals,2006年,第76巻,p.289-295、Urology View,2007年,第5巻,p.31-36)。
後記実施例でも示すように、式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物は、ATP放出抑制効果を示す。したがって、ヒトを含む動物が式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物を摂取又は投与することで、過活動膀胱の予防又は改善が可能となる。
本発明の過活動膀胱の予防又は改善剤及びATP放出抑制剤は、医薬品、医薬部外品、食品、飲料等の用途に適用することができる。さらに本発明の過活動膀胱の予防又は改善剤及びATP放出抑制剤は、液状、固形状、乳液状、ペースト状、ゲル状、パウダー状(粉末状)、顆粒状、ペレット状、スティック状等、ヒトや動物に適用されうる各種剤型をとることができる。
本発明の過活動膀胱の予防又は改善剤及びATP放出抑制剤を医薬品、医薬部外品に適用する場合、必要により各種添加剤を配合し、前記有効成分を適量含有させて、各種剤形の医薬品又は医薬部外品として調製することができる。例えば、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、腸溶剤、トローチ剤、ドリンク剤等の経口医薬として、又は、注射剤、坐剤、経皮吸収剤、外用剤等といった非経口医薬として調製することができる。これらの形態のうち、好ましい形態は経口医薬である。このような種々の剤型の医薬製剤を調製するには、各種添加剤を用いて常法に従って製造すればよい。使用する添加剤には特に制限はなく、通常用いられているものを使用することができる。その例としては、薬学的に許容される賦形剤(ソルビトール、グルコース、乳糖、デキストリン、澱粉等の糖類、炭酸カルシウム等の無機物、結晶セルロース、蒸留水、ゴマ油、とうもろこし油、オリーブ油、菜種油等)、液体担体(蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール等のアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、油性担体(各種の動植物油、白色ワセリン、パラフィン、ロウ類等)、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、等張化剤、崩壊剤、滑沢剤、増量剤、界面活性剤、分散剤、懸濁剤、希釈剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、光沢剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、矯臭剤、細菌抑制剤等が挙げられる。
本発明の過活動膀胱の予防又は改善剤及びATP放出抑制剤を飲食品、飼料・ペットフード等に適用する場合、食用又は飲料用に適した形態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル、ペーストなどに成形して提供することができる。さらに、前記飲食品は、一般飲食品の他、過活動膀胱の予防又は改善をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した美容食品、病者用食品、栄養機能食品又は特定保健用食品等の機能性飲食品の形態とすることができる。
飲食品の形態としては特に制限はなく、例えば、パン、麺類等に代表される小麦粉加工食品、お粥、炊き込みご飯等の米加工食品、ビスケット、ケーキ、ゼリー、チョコレート、せんべい、アイスクリーム等の菓子類、豆腐、その加工食品等の大豆加工食品、清涼飲料、果汁飲料、乳飲料、炭酸飲料等の飲料類、ヨーグルト、チーズ、バター、牛乳等の乳製品、醤油、ソース、味噌、マヨネーズ、ドレッシング等の調味料、ハム、ベーコン、ソーセージ等の蓄肉、蓄肉加工食品、はんぺん、ちくわ、魚の缶詰等の水産加工食品、調理油ならびにフライ用油等が挙げられる。また、錠剤(タブレット)、カプセル等の錠剤食、濃厚流動食、自然流動食、半消化態栄養食、成分栄養食、ドリンク栄養食等の経口経腸栄養食品、機能性食品等の形態としてもよい。
飼料の形態としては特に制限はなく、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、犬、猫、小鳥、リス等に用いるペットフード等が挙げられる。
これらの飲食品は、例えば、甘味剤、着色剤、抗酸化剤、ビタミン類、香料、ミネラル等の添加剤、タンパク質、脂質、糖質、炭水化物、食物繊維等の食品原料を適宜組み合わせて用い、これと本発明の過活動膀胱の予防若しくは改善剤又はATP放出抑制剤とを含有させ、常法に従って各種飲食品の形態とすることにより調製することができる。
本発明の過活動膀胱の予防又は改善剤及びATP放出抑制剤はそのままで医薬品、医薬部外品、食品、飲料等として用いてもよいし、医薬品、医薬部外品、食品、飲料等の添加剤又は配合剤として用いてもよい。
本発明の過活動膀胱の予防又は改善剤及びATP放出抑制剤における前記有効成分の配合量は、その使用形態により異なるが、医薬品、例えば、錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等の経口用固形製剤、内服液剤、シロップ剤等の経口用液体製剤の場合は、固形分濃度として0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、90質量%以下が好ましく、50質量%がより好ましい。あるいは、0.001〜90質量%が好ましく、0.01〜50質量%がより好ましい。飲食品やペットフード等に配合する場合は、固形分濃度として0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、50質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。あるいは、0.001〜50質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましい。
本発明の過活動膀胱の予防又は改善剤及びATP放出抑制剤の投与又は摂取量は、個体の状態、体重、性別、年齢又はその他の要因に従って変動し得るが、成人(60kg)の1日の投与又は摂取量としては、前記有効成分の乾燥物換算として、0.001mg以上が好ましく、1mg以上がより好ましく、100mg以上がさらに好ましく、80000mg以下が好ましく、40000mg以下がより好ましく、15000mg以下がさらに好ましい。あるいは、0.001〜80000mgが好ましく、1〜40000mgがより好ましく、100〜15000mgがさらに好ましい。また、本発明の過活動膀胱の予防又は改善剤及びATP放出抑制剤は、1日1回〜数回に分け、又は任意の期間及び間隔で摂取・投与され得る。
上記医薬品、医薬部外品又は食品の摂取又は投与対象として特に限定されないが、過活動膀胱又は尿意切迫感及び切迫性尿失禁等の排尿障害の予防又は改善又は治療を目的とするヒトやヒト以外の哺乳動物が好ましい。なお、摂取又は投与対象には、過活動膀胱の症状が認められるヒトやヒト以外の哺乳動物、及びそのおそれがあるヒトやヒト以外の哺乳動物、その疾患・症状の予防を期待するヒトやヒト以外の哺乳動物も含まれる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の過活動膀胱の予防又は改善剤、ATP放出抑制剤、製造方法、方法及び使用を開示する。
<1>下記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を有効成分とする、過活動膀胱の予防又は改善剤。
Figure 0005985226
<2>過活動膀胱の予防又は改善がATP放出抑制によるものである、前記<1>項記載の過活動膀胱の予防又は改善剤。
<3>前記有効成分の含有量が固形分換算で0.001質量%以上50質量%以下である、前記<1>又は<2>項記載の過活動膀胱の予防又は改善剤。
<4>前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を有効成分とする、ATP放出抑制剤。
<5>前記有効成分の含有量が固形分換算で0.001質量%以上50質量%以下である、前記<4>項記載のATP放出抑制剤。
<6>過活動膀胱の予防又は改善剤としての、前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の使用。
<7>過活動膀胱の予防又は改善剤の製造のための、前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の使用。
<8>前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を、過活動膀胱の予防又は改善剤として使用する方法。
<9>前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる、過活動膀胱の予防又は改善方法。
<10>ATPの放出を抑制することで過活動膀胱を予防又は改善する、前記<6>〜<9>項のいずれか記載の使用又は方法。
<11>前記過活動膀胱の予防又は改善剤における、前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の含有量が固形分換算で0.001質量%以上50質量%以下である、前記<6>〜<10>項のいずれか記載の使用又は方法。
<12>ATP放出抑制剤としての、前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の使用。
<13>ATP放出抑制剤の製造のための、前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の使用。
<14>前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を、ATP放出抑制剤として使用する方法。
<15>前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる、ATP放出の抑制方法。
<16>前記ATP放出抑制剤における、前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の含有量が固形分換算で0.001質量%以上50質量%以下である、前記<12>〜<15>項のいずれか記載の使用又は方法。
<17>過活動膀胱の治療方法のために用いる、前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種。
<18>過活動膀胱の治療薬の製造のための、前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の使用。
<19>過活動膀胱の非医薬的な処置方法のために用いる、前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の使用。
<20>前記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を食品又は飲料の形態で適用する、前記<19>項記載の使用。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
調製例
<1>式(1)で表される化合物
(S)-(-)-ペリルアルデヒド(Sigma-Aldrich社より入手、純度92%)を99.5%エタノールに濃度1.5%(w/v)になるように溶解し、式(1)で表される化合物の試験サンプルを調製した。
<2>式(2)で表される化合物
(S)-(-)-ペリリルアルコール(Sigma-Aldrich社より入手、純度96%)を99.5%エタノールに濃度1.5%(w/v)になるように溶解し、式(2)で表される化合物の試験サンプルを調製した。
<3>式(3)で表される化合物
(S)-(-)-β-シトロネロール(Sigma-Aldrich社より入手、純度99%)を99.5%エタノールに濃度1.5%(w/v)になるように溶解し、式(3)で表される化合物の試験サンプルを調製した。
<4>式(4)で表される化合物
(R)-(-)-カルボン(Sigma-Aldrich社より入手、純度98%)を99.5%エタノールに濃度1.5%(w/v)になるように溶解し、式(4)で表される化合物の試験サンプルを調製した。
<5>式(5)で表される化合物
(S)-(+)-カルボン(Sigma-Aldrich社より入手、純度96%)を99.5%エタノールに濃度1.5%(w/v)になるように溶解し、式(5)で表される化合物の試験サンプルを調製した。
試験例1 ATP放出抑制試験
特開2011−133440号公報に記載の方法を参考に、下記に示すようにATP放出抑制試験を行った。

膀胱上皮細胞株としてHT-1376(ATCC社より入手、下記表1に細胞情報を示す)を用い、下記に示す組成の培地を用いて37℃、5%CO条件下で培養した。
HT-1376用培地:MEM(Minimum Essential Medium)Earle's(Invitrogen社より入手)に10%FCS(ウシ胎仔血清)、ピルビン酸ナトリウム(0.055g/500mL)、L-グルタミン(0.146g/500mL)を添加したものを使用した。
Figure 0005985226
96wellプレートに、4.1×104 cells/wellになるようにHT-1376を播種し、上記培養条件にて24時間培養した。培地を吸引除去して等浸透圧液(組成を表2に示す)で2回洗浄し、試験サンプルの含有量が異なる3種類の等浸透圧液(試験サンプルの終濃度:0.003%(w/v)、0.01%(w/v)、0.03%(w/v))をそれぞれ75μL/well加えて、37℃、5%CO環境下で60分インキュベートした。さらに、試験サンプルの含有量が異なる3種類の低浸透圧液(試験サンプルの終濃度:0.003%(w/v)、0.01%(w/v)、0.03%(w/v)、低浸透圧液の組成を表2に示す)を75μL/well添加し、37℃、5%CO環境下で60分インキュベートし、溶液を回収した。
Figure 0005985226
回収した溶液中のATP濃度を、ATP Bioluminescent Assay Kit(SIGMA社より入手)を用いてルシフェリン・ルシフェラーゼ法により測定した。すなわち、サンプルと、ATP Bioluminescent Assay Kit中のATP Assay Mix solutionとを等量で混合し、撹拌後にホタルルシフェラーゼ活性を1秒間測定してATP濃度を決定し、評価サンプル添加をしたときに膀胱上皮癌細胞より放出されるATP量の測定値とした。
空の96wellプレートに、試験サンプルの含有量が異なる3種類の等浸透圧液(試験サンプルの終濃度:0.003%(w/v)、0.01%(w/v)、0.03%(w/v))をそれぞれ75μL/well添加し、37℃、5%CO環境下で60分インキュベートした。さらに、ATP及び試験サンプルを含む3種類の低浸透圧液(ATP終濃度:5×10-8M、試験サンプルの終濃度:0.003%(w/v)、0.01%(w/v)、0.03%(w/v))を含む低浸透圧液を75μL/well添加し、37℃、5%CO環境下で60分インキュベートし、溶液を回収した。このようにして回収したサンプル溶液についても、前記と同様に、ルシフェリン・ルシフェラーゼ法による測定を行った。ATP添加回収率は、溶媒対照のATP量に対する相対値とした。
ATP濃度はルシフェリン・ルシフェラーゼ法により測定しているが、回収した溶液に評価サンプルが含まれている。そのため、評価サンプルにクエンチング効果がある場合には、ATP濃度が低く計算されてしまう。そこで、ATP放出率を正確に算出するために、前記のようにして算出した値を用いて、下記計算式によりATP放出率を算出した。その結果を表3に示す。
Figure 0005985226
Figure 0005985226
等浸透圧から低浸透圧へと浸透圧を変化させることで膀胱上皮細胞を伸展させると、ATPの放出が亢進する。しかし、表3の結果から明らかなように、浸透圧を変化させても、式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物を添加することにより、用量依存的にATP放出が抑制された。これより、式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物はATP放出抑制作用を有することが示された。
以上のように、式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物は、膀胱上皮細胞伸展時に亢進するATP放出を抑制する効果を有する。したがって、式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物は、過活動膀胱の予防又は改善効果を有する。

Claims (3)

  1. 下記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を有効成分とする、過活動膀胱の予防又は改善剤。
    Figure 0005985226
  2. 過活動膀胱の予防又は改善がATP放出抑制によるものである、請求項1記載の過活動膀胱の予防又は改善剤。
  3. 下記式(1)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を有効成分とする、ATP放出抑制剤。
    Figure 0005985226
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