JP6793194B2 - 光走査素子 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の相異なる方向へと光を出射して情報を得るための、光走査素子に関するものである。
マルチメディアやデジタルサイネージの進展により、高精細、高画質、大画面のディスプレイやプロジェクタの需要が高くなっており、レーザ光を広角に走査する光走査素子の開発が活発化している。最近では、光走査素子は、レーザレーダ、レーザスキャナ、LIDAR(Light Detection and Ranging).として使用でき、自動車の自動運転制御用や、ロボット、ドローンの位置制御用の障害物検知システム、測距システムへの適用が検討されている。
これらの光走査(スキャニング)の機構は、ポリゴンミラー方式やMEMSミラー方式といった、メカニカルな方式が主流となっている。
特許文献1、2は、モーター駆動のミラーにレーザ光を走査するメカニカルな方式である。モーター駆動のミラーを回転させ、レーザ光を走査する。物体からの反射光を受光素子で検出し、時間遅れから物体との距離や位置を割り出している。ミラーとしては、平面ミラーや多角形形状のポリゴンミラーが使用されている。
特許文献3は、MEMSミラーを使用したメカニカルな方式である。MEMSの構造は、シリコン上に、半導体プロセスを利用して、2軸の自由度を持つ梁によって可動部を形成しており、可動部の表面に反射率の高い金属反射膜を形成して、ミラーとしている。稼働部の周囲に永久磁石を配置し、可動部のコイルに電流を流すことによりローレンツ力を発生させ、出射方向を制御する。
特許文献4に記載された受光素子分割方式では、稼働部を必要としない。これは、レーザ光をレンズで広げることで広角にし、その反射光を、分割した受光素子で検知することにより、被測定面体の検知を実現している。しかし、分割数を多くすると、1つの受光素子に入射する反射光量が小さくなるために、信号ノイズ(S/N)比が悪くなってしまう。この場合、受光量を大きくするために光源のパワーを大きくするという考え方もあるが、光源のハイパワー化によって光源のコストが高くなるし、アイセーフの問題も生ずる。
一方、本発明者は、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウム基板を利用し、基板に複数のプリズム状の分極反転部を形成し、さらに基板を薄片化し、電極形成することで、光スイッチング素子を提案した。しかし、これは電気光学効果による出射光の方向変位が10°以下であり、広角にスキャンするための光走査素子ではない。
また、電気光学効果を利用した素子の場合、プリズムに電極を形成したものがよく知られている(非特許文献1)。
しかし、ニオブ酸リチウムなどの電気光学結晶を利用したプリズム偏向素子は、電気光学効果による屈折率変化が比較的に小さい。たとえば、ニオブ酸リチウムの場合、屈折率変化△n=0.001を得るためには、4.5kV/mm程度の大きな電界を結晶に印加する必要がある。
このため駆動電圧を低減するため、ニオブ酸リチウム基板の厚みを薄くする構造が特許文献6に開示されている。
特許文献7は、分極反転を応用したスイッチング素子の例であり、スラブ型光導波路と分極反転部と分極反転部上部に形成した電極から構成される。この場合、1つの分極反転部はスラブ導波路の進行側に沿って形成されており、スラブ導波路の進行方向と垂直の方向に周期的に構成される。スラブ導波路は、電圧印加により分極反転部が周期的な屈折率構造となるために、回折格子として機能する。その回折効果によって光が偏向することを利用している。この場合、偏向角は2−3°である。
Scrymgeour, D.A.,"Large-angle electro-optic laserscanner on LiTaO3 fabricated by in situ monitoring of ferroelectric-domainmicropatterning, Appl. Opt., 40-34, (2001)
特許5802659 特開2013-148446 特開2013-003253 特許5683629 特開2013-195687 特開2011-48067 特許5793308
従来の光走査素子は、可動部が必要であったり、あるいは受光素子での信号/雑音比が大きくなるという問題がある。また、プリズム形状の分極反転部を利用した光スイッチング素子は知られているが、これは伝搬光の向きを10°以下程度偏向させるものであり、レーザスキャナとして適当なものではない。
本発明の課題は、可動部が不要で、かつ広角に走査できる光走査素子を提供することである。
本発明は、
互いに相異なる複数の方向へと向かって出射光を選択的に出射する光走査素子であって、
支持基板、
電気光学効果を有する単結晶からなり、前記支持基板に対して直接またはクラッド層を介して一体化されている光導波路、
前記光導波路内に形成された複数の周期分極反転部であって,互いに異なる周期を有する周期分極反転部、
複数の前記周期分極反転部に対してそれぞれ電圧を印加し、前記周期分極反転部に回折格子を生成させるための複数の電極、および
前記光導波路と前記電極との間に設けられた側面クラッドを備えており、
前記クラッド層および前記側面クラッドが、それぞれ、前記光導波路を構成する前記単結晶の屈折率よりも低い屈折率を有する材質からなり、前記電圧を印加する前記周期分極反転部を選択することによって、選択した前記周期分極反転部に前記回折格子を生じさせ、前記光導波路に伝搬光を伝搬させ、前記伝搬光を回折光として前記光走査素子の外に出射させることを特徴とする。
また、本発明は、前記光走査素子を用いて被測定面を走査する方法であって、
前記光走査素子から出射した前記出射光を前記被測定面に照射し、前記被測定面からの反射光を用いて前記被測定面に関するデータを得ることを特徴とする、光走査方法に係るものである。
本発明によれば、光導波路中に周期の異なる複数の周期分極反転部を設け、電圧を印加する周期分極反転部を選択することによって、選択した周期分極反転部に回折格子を生じさせ、光導波路を伝搬する伝搬光を回折格子によって、光走査素子の外に放射させる。これによって、異なる周期の回折格子からは異なる方向へと向かって出射光が出射するので、可動部なしに出射光を複数の所定方向へと向かって出射させ、走査することができる。
これによって、例えば、光を走査することによりそれぞれ入射した光が物体から反射して戻ってきた光を受光するまでの時間を測定することによって、3次元情報を得ることが可能となり、障害物を検知することができる。
本発明の実施形態に係る光走査素子1を示す模式図である。 他の実施形態に係る光走査素子1Aを示す模式図である。 周期分極反転部から出射する出射光のビームを示す模式図である。 ブラッググレーティングカプラにおける入射光と放射光との関係を示す模式図である。 光走査素子からの出射光を反射させ、分割された受光素子25によって受光する状態を示す。 光走査素子をX方向およびY方向に向かって動かしながら被測定面を走査し、分割された受光素子で受光する状態を示す。 本発明の光走査素子を用いて対象面を走査する状態を示す。 分極反転周期と出射光の放射角度との関係を示すグラフである。 分極反転周期と出射光の放射角度との関係を示すグラフである。 (a)、(b)、(c)は、それぞれ、各光走査素子の断面構造を模式的に示す横断面図である。 (a)、(b)、(c)は、それぞれ、各光走査素子の断面構造を模式的に示す横断面図である。 (a)、(b)は、それぞれ、各光走査素子の断面構造を模式的に示す横断面図である。 本発明の光走査素子を用いて対象面を走査する状態を示す。 一次回折光および高次回折光を用いた場合の分極反転ピッチと放射角度との関係を示すグラフである。 一次回折光および高次回折光を用いた場合の分極反転ピッチと放射角度との関係を示すグラフである。
図1は、本発明の実施形態に係る光走査素子1を模式的に示す斜視図である。
本例では、支持基板2上にクラッド層3を介して、単結晶からなるスラブ型光導波路4が設けられている。光導波路4上にも、図示しない上側クラッド層を設けることができる。光導波路4には、光の入射面4aと、入射面4aに対向する対向面4bとが設けられている。また、光導波路4には、所定個数の周期分極反転部6A、6B、6C、6Dが設けられており、各周期分極反転部の分極反転面は入射面4aに対して略平行に延びている。各周期分極反転部の各周期は互いに異なるものとする。
また、素子1の側面5には、側面クラッド層40を介して、各周期分極反転部6A〜6Dに対応する各電極が形成されている。すなわち、周期分極反転部6Aの両側には電極7Aと8Aとが設けられており、周期分極反転部6Bの両側には電極7Bと8Bとが設けられており、周期分極反転部6Cの両側には電極7Cと8Cとが設けられており、周期分極反転部6Dの両側には電極7Dと8Dとが設けられている。そして、各電極7A、7B、7C、7Dはそれぞれ電源V1、V2、V3、V4が接続されており、各電極8A、8B、8C、8Dはそれぞれアースされている。
動作時には、光導波路の入射面4aから光を入射させる。この光は、光導波路4内を伝搬し、対向面4bから出射する。すなわち、光導波路がスラブ型光導波路として機能する。しかし、ここで複数の周期分極反転部のうち一つまたは複数に電圧を印加すると、電圧印加した周期分極反転部は交互に逆方向の電界がかかり、電界強度に応じて屈折率が変化する。このように屈折率の異なる部分が交互に一定周期で存在すると、回折格子として作用する。一方、電圧が印加されていない周期分極反転部では屈折率差が生じないか、あるいは屈折率差が小さいので、回折格子は生成しない。
この結果、光導波路内を伝搬する伝搬光は、電圧の印加されていない周期分極反転部内はそのまま伝搬し、電圧が印加されている周期分極反転部を通過するときには、後述するように回折格子の作用によって、回折光が素子外に放射される。
例えば、図1の例においては、電圧が周期分極反転部6Aに印加されているときには、回折光が出射光として矢印Aのように放射され、電圧が周期分極反転部6Bに印加されているときには、回折光は矢印Bのように放射され、電圧が周期分極反転部6Cに印加されているときには、回折光が矢印Cのように放射され、電圧が周期分極反転部6Dに印加されているときには、回折光が矢印Dのように放射される。そして、各放射光A〜Dの放射角度は、各周期分極反転部の周期に応じて決定されるので、互いに異なる。
好適な実施形態においては、光導波路に、光を伝搬するリッジ型光導波路を設け、入射光を伝搬させる。
すなわち、図2の実施形態においては、支持基板2上にクラッド層3を介して単結晶層10が設けられている。単結晶層10上にも、図示しない上側クラッド層を設けることができる。単結晶層10にはリッジ型光導波路14が形成されており、光導波路14の両側は平坦面になっている。光導波路14には、光の入射面14aと、入射面14aに対向する対向面14bとが設けられている。
また、光導波路14には、所定個数の周期分極反転部16A、16B、16C、16Dが設けられており、各周期分極反転部の分極反転面は入射面14aに対して略平行に延びている。各周期分極反転部の各周期は互いに異なるものとする。
そして、リッジ型光導波路14の側面には、各周期分極反転部16A〜16Dに対応する各電極が形成されている。すなわち、周期分極反転部16Aの両側には電極17Aと18Aとが設けられており、周期分極反転部16Bの両側には電極17Bと18Bとが設けられており、周期分極反転部16Cの両側には電極17Cと18Cとが設けられており、周期分極反転部16Dの両側には電極17Dと18Dとが設けられている。そして、各電極17A、17B、17C、17Dはそれぞれ電源V1、V2、V3、V4が接続されており、各電極18A、18B、18C、18Dはそれぞれアースされている。好ましくは、各電極は、単結晶層10の平坦な上面まで延設されている。なお、40は側面クラッド層である。
動作時には、光導波路14の入射面14aから光を入射させる。この光は、光導波路14a内を伝搬し、対向面14bから出射する。しかし、ここで複数の周期分極反転部のうち一つまたは複数に電圧を印加すると、その周期分極反転部は、前述のように電圧に応じて交互に一定周期で屈折率が変化して回折格子として作用する。一方、電圧が印加されていない周期分極反転部では、分極反転部と非分極反転部との間で屈折率差が生じないか、あるいは、屈折率差が小さいので、回折格子は生成しない。
ここで周期分極反転部に印加する電圧は好ましくは直流電圧である。
この結果、光導波路14内を伝搬する伝搬光は、電圧の印加されていない周期分極反転部内はそのまま伝搬し、電圧が印加されている周期分極反転部を通過するときには、後述するように回折格子の作用によって、回折光が素子外に放射される。
例えば、図2の例においては、電圧が周期分極反転部16A、16B、16C、16Dにそれぞれ印加されているときには、伝搬光が矢印A、B、C、Dのようにそれぞれ放射される。そして、各出射光A〜Dの放射角度は、各周期分極反転部の周期に応じて決定されるので、互いに異なる。
図3は、各周期分極反転部から放射される出射光ビームの広がり方を説明するための模式図である。電源Vから電圧が周期分極反転部16に印加されると、周期分極反転部が回折格子を構成し、所定方向に向かって出射光が放射される。ここで、素子の長手方向をLとし、分極反転面と平行かつ光導波路の幅方向に平行な方向をWとする。この結果、出射光は、Fに示すように、周期分極反転部からは広い範囲に向かって出射光が放射されることになる。一方、光導波路の上面に対する放射光の角度(放射角度)θは、周期分極反転部によって異なる。これによって、複数の周期分極反転部に対して順次電圧を印加することによって、放射角度θを順次変化させることができる。なお、17、18は電極である。
本発明では、周期分極反転部に電圧を印加することで回折格子を生成させ、この回折格子によって、光導波路を伝搬する光の進行方向を変更し、光導波路コアから出射光を外部へと放射する。このグレーティングカプラの原理について説明する。
図4に示すように、光導波路4、14に入射した入射光は、例えば、長手方向L方向に伝搬定数βoで伝搬する。ブラッググレーティングにおいて、周期構造のピッチをΛとした場合、下式(1)の位相条件を満足する伝搬定数の光が伝搬する。

βq=βo+qK (q=0、±1、±2、・・・)・・・・・・(1)

ここで、βoはグレーティングがない場合の導波路中の導波モードの伝搬定数である。K=2π/Λである。
|βq|<na・k、または
|βq|<ns・k
を満たす次数qがある場合、光導波路の上側と支持基板側との両方に矢印Aのように放射する。
ここで、na、nsはそれぞれ光り導波路コアの上側クラッド20、下側クラッド3の屈折率を示す。またkは波数を示す。
このときの法線Zに対する放射角度θa、θsは、下式(2)で決められる。

na・k・sinθa=ns・k・sinθs=βq ・・・・(2)
(1)式は、更に(3)式で表すことができる。実際に成立する条件は、q≦−1の場合である。そして、一次回折光はq=−1のときに算出される放射角度θa、θsで導波路外部に放射されることになる。
Figure 0006793194
上記から放射角度は波長により異なることがわかる。ゆえに、周期分極反転部の周期を変化させることによって、各周期分極反転部から放射される出射光の放射角度θを変化させることができる。
また、式(1)、(3)は、q≦−1の場合に成立する。このため、伝搬光の一部は、高次回折光としても出射するので、高次回折光を利用することもできる。ここで、高次回折光とは、二次以上の回折光を意味する。
例えば、二次回折光はq=−2のときに算出される放射角度θa、θsで導波路外部に放射され、三次回折光はq=−3のときに算出される放射角度θa、θsで導波路外部に放射され、四次回折光はq=−4のときに算出される放射角度θa、θsで導波路外部に放射される。そして、回折光の次数が変わると、放射角度が変化するので、少ない分極反転部で広い放射角をカバーすることができるという利点がある。
ただし、回折光の次数が大きくなると、回折光の強度は弱くなるので、遠くまで光が伝搬できずに検出可能な距離が短くなったり、または、近距離であっても被測定物からの反射光の強度が小さく信号/雑音比(SN比)が小さくなったりするという問題がおこる。この観点からは、回折光の次数は、八次以下が好ましく、四次以下が更に好ましい。
好適な実施形態においては、例えば図1、図2に示すように、単結晶の分極方向Pが光導波路の伝搬方向Iに垂直であり、単結晶の分極方向Pが光導波路4、14の表面4c、14cの法線方向Nに対して80°以上、100°以下の角度αをなしており、電極7A〜7D、8A〜8D、17A〜17D、18A〜18Dが側面クラッド40の外側に形成されている。こうした構成によって、特に各周期分極反転部に対する電圧の印加効率が高く、かつ分極反転部と非分極反転部との屈折率差を大きくして回折格子の効率を向上させることができる。
以下、本発明の構成要素について更に述べる。
光導波路を構成する単結晶は、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム、KTP(KTiOPO4)、KTN(KTa(1-x)NbxO3)、KLN(K3Li2Nb5O15)が好ましい。
好適な実施形態においては、伝搬光の波長をλ、光導波路の厚さをTsubとしたときに、Tsub/λを0.6以上、10以下とする。この条件を満足すれば、伝搬光が光導波路伝搬するので、分解能の高い回折光を得ることができる。
支持基体の具体的材質は特に限定されず,ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、石英、水晶、石英ガラスなどのガラスであってよい。しかし、光源の熱が周期分極反転部に伝導することを抑制するために、放熱特性のよい支持基板を使用することができる。この場合には、アルミナ、窒化アルミニウム、炭化珪素、Siなどを例示することができる。
支持基板と光導波路とは接合層を介して接合してよく、あるいは常温直接接合してもよい。後者の場合には、支持基板と光導波路とはクラッド層を介さずに直接接合されており、支持基板がクラッドとして機能する。
好ましくは、支持基板と光導波路との間に、光導波路の材質よりも屈折率の低い材質からなるクラッド層を設ける。また、これらの接合面はアモルファス層となり、光を散乱し伝搬損失が増大するおそれがあることから、光導波路の下部に低屈折率クラッド層を成膜した後、この低屈折率クラッド層と支持基板を直接接合することで直接接合面とすることが好ましい。
支持基板と光導波路とを接合する場合には、接合層の厚さは特に限定されないが、光導波路基板を薄板研磨するための接着強度を確保するためには、0.1μm以上とすることが好ましく、0.5μm以上とすることが更に好ましい。また、接合層の応力を低減するためには、接合層の厚さを3μm以下とすることが好ましく、1.5μm以下とすることが更に好ましい。
また、支持基板と光導波路との間には、クラッド層として機能する接合層を設けて良く、あるいは接合層に加えて更に光導波路に接するクラッド層を設けても良い。
好適な実施形態においては、光導波路と支持基板との間に、光導波路からの出射光を反射する反射膜を設ける。これによって、素子外に放射する出射光の光量を高くすることができる。こうした反射膜としては、金、アルミニウム、銅、銀、等の金属膜、あるいは、誘電体膜であってよい。反射膜が金属膜である場合は、金属膜は支持基板と下側クラッドの間に設け、光導波路を伝搬する光が金属膜に吸収されることを防ぐことができる。
反射膜として金属膜を使用する場合には、その上に形成するクラッド層が剥離しないようにするために、Cr、Ni、Ti等の金属層を金属膜のバッファ層として形成することができる。また、誘電体膜の材質は、TiO、Si、Ta、SiO、MgF、CaFなどからなる単層膜、あるいは多層膜である。
リッジ型光導波路は、例えば外周刃による切削加工やレーザアブレーション加工することによって物理的に加工し、成形することによって得られる。あるいは、リッジ型光導波路も、ドライエッチングによって形成することができる。
下側クラッド層、上側クラッド層、側面クラッドの材質は、光導波路を構成する単結晶よりも屈折率の小さい材料であればよく、接着層であってもよい。上側クラッド層は、空気であってもよく、この場合は、上側クラッド層がない場合と等しい。また、各クラッド層の材質は、酸化シリコン、弗化マグネシウム、弗化カルシウム、窒化珪素、アルミナ、五酸化タンタルを例示できる。
光源としては、GaN、GaAs、InPを主たる混晶材料により構成される半導体レーザが好適である。また、一次元状に配列したレーザアレイ等の光源も実現可能である。スーパールミネッセンスダイオードや半導体光アンプ(SOA)であってもよい。
周期分極反転部は、好ましくは電圧印加法によって形成できる。電圧印加方法は特に限定されない。例えば不活性雰囲気中に基板を設置して電圧を印加してもよく、絶縁性液体中に基板を設置して電圧を印加してもよい。電圧を印加する際、電圧印加プローブピンを用いる場合、ピンの電極に対する接触位置は、真ん中である方が望ましい。
周期分極反転部を形成する際の電圧はパルス電圧であることが好ましく、直流バイアス電圧を更に印加してもよい。パルス電圧の好ましい条件は以下のとおりである。
パルス電圧:2.0kV/mm〜8.0kV/mm
パルス幅:0.1ms〜10ms
直流バイアス電圧:1.0kV/mm〜5.0kV/mm
周期分極反転部の周期は、伝搬光の波長および目的とする放射角度によって適宜決定できる。好適な実施形態においては、伝搬光の波長が800nm〜1μmのときに、周期分極反転部の周期を0.1〜2μmで変化させることができ、これによって放射角度を−90〜90°の範囲で適宜調節できる。
尚、放射角度は、図4に示すθaであり、光導波路の表面の法線方向を基準として、出射側の放射角度を正としている。
以上は、回折次数が一次の場合であるが、前述したように高次の回折光を利用できる。図14は、一次から四次までの回折光における分極反転周期と放射角度の計算値を示す。図14から、二次以上の回折光を使用することにより、一次回折光を利用した場合と放射角度を変化させることができる。また、分極反転周期を大きくしても、一次回折光を利用した場合と同じ放射角度がえられる。これにより分極反転のパターニングプロセスにおいて、ステッパーや電子ビーム露光機などの高価な装置を使用せずとも、マスクアライナーでパターニングが可能となり安価な光スキャナー素子を実現することができる。
さらに、次数の異なる複数種類の回折光を組み合わせて使用することにより、広範囲の放射角度を実現することができる。例えば、図15に例示するように、分極反転周期1μmから2μmの分極反転部を形成するだけで、+90°から+60°は一次回折光、+60°から+30°は二次回折光、+30°から0°は三次回折光、0°から−90°は四次回折光とすることにより、少ない分極反転部で広角な可変光偏向素子を構成することが可能となり、小型化、高角度分解能化、低コスト化を実現することが可能となる。
本発明の光走査素子を用いて被測定面を走査することができる。すなわち、光走査素子から出射した出射光を被測定面に照射し、被測定面からの反射光を用いて被測定面に関するデータを得ることができる。こうしたデータとしては、被測定面の位置が挙げられる。
好適な実施形態においては、光走査素子を光走査素子の長手方向に向かって移動させながら被測定面を走査する。この実施形態について更に述べる。
図3に示したように、素子からの出射光の拡がり角度は、導波路伝搬方向(素子の長手方向)Lに向かって狭く、分極反転面に平行かつ光導波路の上面に平行な方向Wに向かって広くなる。素子の長手方向に見ると、各周期分極反転部から、相異なる放射角度θで出射光が放射される。
このため自動車の自動運転用3次元レーザースキャナとして使用する場合に、図7を参照して後述するように、素子の長手方向Lを水平方向に合わせ、方向Wを垂直方向に合わせることによって、垂直方向のスキャニングをなくすことができるので受光素子数を減らすことができ、安価な装置構成とすることができる。
例えば、図5に示すシステムは、受光素子分割方式を示す。
半導体レーザー41からの出射光をレンズ22で集光し、被測定面23に投射する。そして、被測定面からの反射光をレンズ24によって受光素子アレイ25に投射する。ここで、受光素子アレイ25は、被測定面の情報を高分解能に検知するために、水平方向Xおよび垂直方向Yに向かって多数配列されたフォトダイオードからなる。この方式では、ポリゴンミラーやMEMSミラーなどの高精度ミラーや複数のレーザーを使用する光走査素子を使用しないことから比較的安価なシステムとすることができる。受光素子アレイは光走査素子や複数のレーザーを使用するシステムよりコストを低くすることができる。しかし、被測定面の水平方向Xと垂直方向Yとに合わせてそれぞれ多数のフォトダイオードを設置する必要がある。しかも、一カ所の素子から出射光を投射しているので、各受光素子に対応する光強度が低く、信号/雑音比が低くなるというデメリットもある。
図6は、レーザスキャナを利用した光走査システムを示す。
本例では、レーザ素子21AをポリゴンミラーによってX、Y方向に走査し、光をレンズ22によって集光して被測定面23に照射する。ここで、被測定面23をX方向およびY方向に向かって順次走査する。そして、被測定面からの反射光をレンズ24で集光し、受光素子25Aで受光する。しかし、この方法では、レーザー光をX方向およびY方向の両方を走査する機構が必要である。
図7においては、本発明の光走査素子1、1Aを用いる。ここで、本発明の素子からの出射光は、素子の長手方向Lと垂直な方向Wに向かって広がる性質を持つ。このため、素子の長手方向Lを水平方向Xに一致させると、素子からの出射光は、垂直方向Yに向かって広がることになる。この出射光をレンズ22を通して被測定面23に投射すると、被測定面23のうち垂直方向に延びた領域23aに向かって投射される。この領域23aからの反射光をレンズ24で集光し、受光素子アレイ25Bによって受光する。
ここで、本発明の素子を用いると、被測定面のうち細長い領域23aごとに出射光を投射し、反射光を一列の受光素子アレイ25Bによって測定できる。このため、素子1、1Aを、素子の長手方向Lに向かって移動させながら被測定面の全体を順次スキャンでき、しかも被測定面の全体を走査して情報を得ることができる。この結果、従来よりも走査にかかる時間とコストを低減でき、かつ受光素子アレイのコストを著しく低減することができる。
この場合、受光素子は、図5に示すようにX方向とY方向に2次元配列したフォトダイオード、あるいはCMOSカメラやCCDであってもよい。高次の回折光を使用する場合は、1つの分極反転部から複数の回折光が出射され、1次元配列の受光素子ではどの方角からの反射光かを分離することが難しいが、2次元配列の受光素子を使用する場合には方角と受光素子の位置関係を固定することができるので信号処理が簡易とすることができる。
なお、本発明の光走査素子から発生するビームはY方向に広角に広がるので、図13に示すように、光走査素子1(1A)からの出射光を集光するレンズを設けることなしに、被測定面を走査することが可能である。
この場合も、図7と同様に、受光素子はX方向とY方向に2次元配列したフォトダイオード、あるいはCMOSカメラやCCDであってよい。
半導体レーザを利用した測距方法について更に補足する。
本方法では、レーザ光を照射して障害物からの反射光を受光素子にて検出して照射後の伝搬時間を計測することによって、障害物までの距離を測定する。一般的に、タイム・オフ・フライト(TOF)法と呼ばれる。
本発明の光走査素子を用いて3次元的な空間での測距を行う場合、素子からの出射光の拡がり角度は、導波路の形状や導波路のコアとクラッドの材料選定により導波路幅W方向で5°から40°に拡大することができ、素子の長手方向Lに向かって1°から10°で変化させることができる。素子の長手方向には、導波路の形状や回折格子の周期のバラツキを小さくすることにより1°以下に抑えることも可能である。この特性を利用し、図7に示すように垂直方向Yのみフォトダイオードアレイを使用する測距システムを構築することが可能となる。これによって、従来の分割型受光方式の課題である測定距離を長くすることが可能であり、同時に低コストのシステムを実現できる。
好適な実施形態においては、図10(a)に示すように、支持基板2上に下側バッファ層3を介して単結晶層10が形成されている。単結晶層10には例えば一対のリッジ溝30が形成されており、リッジ溝の間にリッジ型光導波路コア14が形成されている。周期分極反転部は、光導波路コアの支持基板側に設けることができ、あるいは支持基板とは反対側に設けることができる。31は薄肉部であり、32は延在部である。本例では上側クラッド層がなく、単結晶層10上が空気に面している。クラッド層3と支持基板2との間に接着層を設けることもできる。
また、図10(b)に示す素子では、単結晶層10上に更に上側クラッド層50が形成されている。
また、図10(c)に示すように、支持基板2上に下側クラッド層3を介して単結晶層10が形成されている。単結晶層10には例えば一対のリッジ溝30が形成されており、リッジ溝の間にリッジ型光導波路コア14が形成されている。本例ではリッジ溝が支持基板側に設けられている。31は薄肉部であり、32は延在部である。
好適な実施形態においては、光導波路が、光学材料からなるコアからなり、コアの周りをクラッドが包囲している。このコアの横断面(光の伝搬方向と垂直な方向の断面)形状は凸図形となるようにする。
凸図形とは、コアの横断面の外側輪郭線の任意の二点を結ぶ線分が、コアの横断面の外側輪郭線の内側に位置することを意味する。凸図形は、一般的な幾何学用語である。このような図形としては、三角形、四角形、六角形、八角形などの多角形、円形、楕円形などを例示できる。四角形としては、特に、上辺と下辺と一対の側面を有する四角形が好ましく、台形が特に好ましい。
たとえば図11(a)に示すように、支持基板2上に下側クラッド層3を介して、単結晶からなる光導波路コア37が形成されている。コア37の横断面形状は台形であり、上面37aが下面37bよりも狭い。そして、コア37を被覆するようにクラッド層36が形成されている。なお、クラッド層36と支持基板2との間に接着層を形成することもできる。
図11(b)に示す素子では、支持基板2上にクラッド層39が設けられており、クラッド層39内に、単結晶よりなる光導波路コア37が埋設されている。クラッド層39は、光導波路コアの上面を被覆する上面被覆部39b、光導波路の側面を被覆する側面被覆部39cおよび光導波路と支持基板との間に位置する底面被覆部39aを有する。
図11(c)に示す素子では、支持基板2上にクラッド層39が設けられており、クラッド層39内に、単結晶よりなる光導波路コア37Aが埋設されている。クラッド層39は、光導波路コアの上面を被覆する上面被覆部39b、コアの側面を被覆する側面被覆部39cおよびコアと支持基板との間にある底面被覆部39aを有する。
また、図12(a)に示す素子では、支持基板2上に下側クラッド層3を介して、単結晶よりなる光導波路コア37が形成されている。光導波路コア37の側面および上面37aには、上側クラッド層36が形成され、光導波路コア37を被覆している。上側クラッド層36は、光導波路コア37の側面を被覆する側面被覆部36bおよび上面を被覆する上面被覆部36aを有する。
また、図12(b)に示す素子では、光学材料よりなる光導波路コア37Aが形成されている。光導波路37Aの横断面形状は台形であり、下面が上面よりも狭い。上側クラッド層36は、光導波路コア37Aの側面を被覆する側面被覆部36bおよび上面を被覆する上面被覆部36aを有する。
(実験1)
図2、図10(b)に示すような光走査素子1Aを作製した。
具体的には、MgOドープの5°オフy板ニオブ酸リチウム(LN)単結晶からなるウエハに、周期300nm、400nm、500nm、800nmの串歯状の電極パターンを形成し、結晶軸c軸方向に電圧印加することにより、周期分極反転部16A〜16Dを形成した。分極反転部の深さは、光導波路部において、深さ5μm形成された。次に、分極反転形成面に、SiOからなるクラッド層をスパッタリングにて厚さ5000オングストローム成膜した。さらに、SiO形成面にレジストを塗布した後に、ダイシングにて#6000番、幅50μmのレジンブレードにて、深さ100μmのリッジ溝を2本加工し、幅5μmのリッジ型光導波路14を形成した。
その後、さらにSiO膜50をスパッタリングし、電極としてTi、Pt、Auをそれぞれ200、100および5000オングストローム成膜し、最後に有機溶剤にてレジストを剥離してリッジ導波路の側面に電極を形成した。
最後に、ダイシングによりブロック切断し、ブロック毎に導波路の両端面を研磨し入力光となる波長900nmの無反射コートを成膜し、チップ切断した。
シリコン基板上に波長900nmの半導体レーザをAuSnはんだにて固定した後に、光走査素子チップを、レーザ光の光軸が光導波路の光軸とあうように調芯してAuSnはんだに固定し、レーザモジュールを作製した。各分極反転部に形成した電極から外部電源回路に接続するために、ボンディングワイヤにより導通をとり、それぞれの電極に電圧を印加し、光導波路からの放射角度を確認した。入力した電圧は10Vとした。
この結果、周期分極反転部16Aからは放射角度−33°、周期分極反転部16Bからは放射角度−1.9°、周期分極反転部16Cからは放射角度15°、周期分極反転部16Dからは放射角度47°で、素子外部に光を取り出すことができた。また、周期分極反転部への印加電圧を切り換えることによって、レーザ光をスキャニングできることを確認した。また、素子外部に放射するレーザ光の拡がり角度は、光導波路の幅方向には40°、素子の長手方向には3°であった。
(実験2)
実験1と同様にして光走査素子を作製した。
この際、周期分極反転部における周期を図8に示すように変更した。伝搬光の波長は0.9μmとした。周期分極反転部の周期と放射角度との関係を図8に示す。
(実験3)
実験1と同様にして光走査素子を作製した。
この際、周期分極反転部における周期を図9に示すように変更した。伝搬光の波長は1.55μmとした。周期分極反転部の周期と放射角度との関係を図9に示す。
(実験4)
図2、図10(b)に示すような光走査素子1Aを作製した。
具体的には、MgOドープの5°オフy板ニオブ酸リチウム(LN)単結晶からなるウエハに、周期1.2μmから2μmまでの串歯状の電極パターンを0.1μm間隔で9個形成し、後の工程は実験1と同様に作製した。
シリコン基板上に波長900nmの半導体レーザをAuSnはんだにて固定した後に、光走査素子チップを、レーザ光の光軸が光導波路の光軸とあうように調芯してAuSnはんだに固定し、レーザモジュールを作製した。各分極反転部に形成した電極から外部電源回路に接続するために、ボンディングワイヤにより導通をとり、それぞれの電極に電圧を印加し、光導波路からの放射角度を確認した。入力した電圧は10Vとした。
ここで、周期の短い周期分極反転部から順に周期分極反転部16A、16B、16C、16D、16E、16F、16G、16H、16Iとした。この結果、各周期分極反転部から以下の各回折光が放射された。
周期分極反転部 回折光 放射角度
16B 一次回折光 80°
16A 一次回折光 71°
16I 二次回折光 57.5°
16H 二次回折光 54.2°
16G 二次回折光 50°
16F 二次回折光 47°
16E 二次回折光 43.6°
16D 二次回折光 39.7°
16C 二次回折光 35.5°
16B 二次回折光 31°
16H 三次回折光 29.3°
16G 三次回折光 25.8°
16F 三次回折光 22°
16E 三次回折光 18°
16D 三次回折光 13.3°
16C 三次回折光 8.2°
16B 三次回折光 2.5°
16F 四次回折光 0.8°
16E 四次回折光 −4.3°
16D 四次回折光 −10.2°
16C 四次回折光 −17°
16B 四次回折光 −25.3°
16A 四次回折光 −35.8°
また、また、各周期分極反転部への印加電圧をそれぞれ切り換えることによって、レーザ光をスキャニングできることを確認した。また、素子外部に放射するレーザ光の拡がり角度は、周期分極反転ピッチの精度を±0.5nmに制御することにより、光導波路の幅方向には40°、素子の長手方向には0.5°であった。
実験2〜4にも示すように、周期分極反転部の周期を変化させることで、光導波路からの放射角度を0〜90°の範囲で変化させることができるので、本発明は極めて有用である。

Claims (9)

  1. 互いに相異なる複数の方向へと向かって出射光を選択的に出射する光走査素子であって、
    支持基板、
    電気光学効果を有する単結晶からなり、前記支持基板に対して直接またはクラッド層を介して一体化されている光導波路、
    前記光導波路内に形成された複数の周期分極反転部であって,互いに異なる周期を有する周期分極反転部、
    複数の前記周期分極反転部に対してそれぞれ電圧を印加し、前記周期分極反転部に回折格子を生成させるための複数の電極、および
    前記光導波路と前記電極との間に設けられた側面クラッドを備えており、
    前記クラッド層および前記側面クラッドが、それぞれ、前記光導波路を構成する前記単結晶の屈折率よりも低い屈折率を有する材質からなり、前記電圧を印加する前記周期分極反転部を選択することによって、選択した前記周期分極反転部に前記回折格子を生じさせ、前記光導波路に伝搬光を伝搬させ、前記伝搬光を回折光として前記光走査素子の外に出射させることを特徴とする、光走査素子。
  2. 前記光導波路が前記支持基板に対して前記クラッド層を介して一体化されていることを特徴とする、請求項1記載の素子。
  3. 前記光導波路の厚みをTsubとし、前記光導波路の伝搬光の波長をλとしたとき、Tsub/λが0.6以上、50以下であることを特徴とする、請求項1または2記載の素子。
  4. 前記単結晶の分極方向が前記光導波路の伝搬方向に垂直であり、前記単結晶の分極方向が前記光導波路の表面の法線方向に対し80°以上、100°以下の角度をなしており、前記電極が前記側面クラッドの外側に形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の素子。
  5. 前記回折光が一次回折光であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の素子。
  6. 前記回折光が高次回折光であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の素子。
  7. 前記回折光として、複数の相異なる次数の回折光を放射させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の素子。
  8. 請求項1〜7のいずれか一つの請求項に記載の光走査素子を用いて被測定面を走査する方法であって、
    前記光走査素子から出射した前記出射光を前記被測定面に照射し、前記被測定面からの反射光を用いて前記被測定面に関するデータを得ることを特徴とする、光走査方法。
  9. 前記光走査素子を前記光走査素子の長手方向に向かって移動させながら前記被測定面を走査することを特徴とする、請求項8記載の方法。
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