JP3430756B2 - 光走査素子及び画像形成装置 - Google Patents

光走査素子及び画像形成装置

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JP3430756B2
JP3430756B2 JP32583295A JP32583295A JP3430756B2 JP 3430756 B2 JP3430756 B2 JP 3430756B2 JP 32583295 A JP32583295 A JP 32583295A JP 32583295 A JP32583295 A JP 32583295A JP 3430756 B2 JP3430756 B2 JP 3430756B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光走査素子及び画
像形成装置にかかり、特に、光ディスク用のピックアッ
プ、光通信や光コンピューター用の光スイッチ等の光学
素子を含み、薄膜で形成された光導波路内に入射された
複数光ビームの各々を、光導波路の屈折率変化によって
偏向する光走査素子、及びレーザー・プリンター、デジ
タル複写機、ファクシミリ等の光走査素子を用いた画像
形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザー・ビーム・プリンター、デジタ
ル複写機、ファクシミリ等に用いられる光ビームによる
光走査装置としては、気体レーザーや半導体レーザーか
らの光ビームを偏向する回転多面鏡(ポリゴンミラー)
と、その回転多面鏡により反射された光ビームを感光体
等の結像面上において等速度直線運動の状態に集光する
fθレンズとで構成されたものが代表的に用いられてい
る。このようなポリゴンミラーを用いた光走査装置は、
モーターによってポリゴンミラーを高速回転させるため
に、耐久性に問題があると共に高速回転の際の騒音が発
生する。また、これら耐久性や騒音を考慮すると、光走
査速度はモーターの回転数によって制限されるという問
題がある。
【0003】このため、音響光学効果を利用した光導波
路型の光走査素子としての光偏向素子が期待されている
(C.S.Tsai,IEEE Trans.Circuits and Syst.vol.CAS-26
(1979)1072. 、特開昭52−68307号公報や特公昭
63−64765号公報等参照)。この光導波路型の光
偏向素子は、LiNbO3 やZnO等よりなる光導波路
と、この光導波路内に光ビームをカップリング(入射)
させるための入射手段と、光導波路中の光ビームを音響
光学効果により偏向するための表面弾性波を励起するく
し形電極(トランスデューサ)と、偏向された光ビーム
を光導波路中より射出するための射出手段とを備えたも
のである。また、効率的に光ビームを射出するために、
必要に応じて薄膜レンズ等を光偏向素子へ付加すること
もできる。これらの光導波路型の光偏向素子は、ポリゴ
ンミラーのように機械的な可動部分が無いことにより、
無騒音であって信頼性に優れたものであり、かつ小型で
あるという利点を有している。
【0004】上記光偏向素子を用いて画像形成装置を構
成する場合には、光偏向素子の光ビームの偏向を主走査
とし、光ビームが照射される感光体等の投影面の主走査
方向と交差する方向の移動を副走査として、主走査及び
副走査すれば、投影面上に主走査によって形成される走
査線が副走査方向に連続した画像面を形成することがで
きる。この走査(主走査及び副走査)と同期して、画像
の濃度等に応じた画像データに応じて光ビームの強度を
変更すれば、画像を形成することができる。最近では、
高品質なプリント等の出力を短時間で形成する、すなわ
ち、走査速度の高速化が要求されている。
【0005】しかしながら、音響光学効果を利用した光
偏向素子は一般に偏向速度限界によってレーザ走査速度
に上限値を有するという問題がある。すなわち、音響光
学効果による光偏向素子で偏向した1本の光ビームで高
速走査をする場合、励起された表面弾性波によって偏向
するので偏向速度に限界があり、走査速度が上限値を有
する。従って、レーザー・プリンター、デジタル複写
機、ファクシミリ等の画像形成装置への応用には限界が
存在する。
【0006】この問題を解消するため、機械的な可動部
分が無い他の光偏向素子として、音響光学効果と比較し
て変調速度の速い電気光学効果を有する材料を用いたプ
リズム型光偏向素子が知られている(A.Yariv,Optical
Electronics,4th ed.(NewYork,Rinehart and Winston,1
991)pp.336〜339 、Q.Chen,etal.,J.LightwaveTech.vo
l.12(1994)1401 、特開昭62−47627号公報等参
照)。励起された表面弾性波で光ビームを偏向する音響
光学効果による光偏向素子に対して、電気光学効果によ
る光偏向素子は、光導波路に設けた電極に信号を入力す
ることによって光導波路に周期的な屈折率変化を与えて
この屈折率変化によって光ビームを偏向する。このよう
な、プリズム型光偏向素子としてはセラミックや単結晶
を用いたバルク素子があるが、素子自体が大型となり、
また、駆動電圧が高電圧となるために実用的な偏向角度
を得ることができなかった。また、Ti拡散型光導波路
やプロトン交換型光導波路を作製したLiNbO3 単結
晶ウエハーを用いてプリズム型ドメイン反転光偏向素子
またはプリズム型電極光偏向素子もある。
【0007】しかしながら、電気光学効果を得るために
は、LiNbO3 単結晶ウエハーの厚さである約0.5
mmの電極の間隔が必要となるので駆動電圧が高電圧
となり、上記従来の技術では±600Vの駆動電圧でも
わずか0.5°程度の偏向角度しか得ることができず、
実用的な偏向角度を得ることはできないという問題があ
る。
【0008】この問題を解消するため、本発明者は、光
導波路と、光導波路内に光ビームを入射させる光源を有
し、光導波路中の光ビームを電気光学効果によって偏向
するための電極が備えられた光走査素子を提案している
(特願平7−176939号)。
【0009】このような電気光学効果による光走査素子
は、電気光学的スイッチング速度が高速のために、走査
速度が上限値を有するという問題は生じないが、光導波
路へ入射する光ビームの強度を画像データに応じて変調
するためのドライバーの変調速度に限界があり、この変
調速度によって走査速度が制限されるという問題があ
る。
【0010】この問題を解消するためには、複数の光ビ
ームを略同時または複数の光ビームから選択的に定めら
れた光ビームを走査させることによって、見掛け上の変
調速度を上昇させることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複数の
光ビームを同時走査させるためには、上記画像面につい
て数十ミクロンの走査線の間隔を維持させてムラが生じ
ないように、複数の光ビームに対応する各々の光走査素
子を高精度で位置決めするための光軸調整をする必要が
ある。このような位置精度を実現する光軸調整は、実験
的には可能であるが、構造が複雑化すると共に微妙かつ
長時間の調整時間を必要とするので、実用的ではない。
【0012】本発明は、上記事実を考慮して、単純な構
成で複数の光ビームにより形成される複数の走査線につ
いて所定間隔を維持させながら偏向することができる光
走査素子を得ることが目的である。
【0013】また、上記目的に加え、光走査素子を用い
た画像形成装置を得ることが目的である。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の光走査素子は、薄膜で形成された光導波路
と、前記光導波路内に複数の光ビームを入射させる光源
と、前記複数の光ビームに対応して設けられると共に、
各々入力信号に応じて前記光導波路に対して屈折率を変
化させ当該屈折率の変化により回折を生じさせる電気光
学効果によって前記光ビームの各々を偏向させる複数の
偏向手段と、前記複数の偏向手段に対応して設けられる
と共に、各々偏向された光ビームを前記光導波路から射
出させる複数の射出手段と、を備えている。
【0015】本発明の光走査素子の複数の偏向手段の各
々では、電気光学効果によって入射された光ビームが偏
向される。この偏向手段の各々に対応して射出手段が設
けられているので、偏向手段の各々で偏向された光ビー
ムは、対応する射出手段のみによって光導波路から射出
される。従って、複雑な調整をすることなく、各々偏向
された複数の光ビームを光走査素子から容易に射出する
ことができる。
【0016】前記光走査素子の複数の偏向手段の各々
は、請求項2にも記載したように、互いに平行でない二
辺を有するプリズム形状の分極ドメイン反転領域が前記
光導波路に設定されると共に、前記光導波路を挟持する
複数の電極を備え、複数の電極間に電圧を印加すること
により前記プリズム形状の分極ドメイン反転領域とそれ
以外の領域において異なる屈折率を発生させることによ
って屈折率を変化させること、または、前記光導波路を
挟持しかつ互いに平行でない二辺を有するプリズム形状
パターンを有する複数の電極を備え、複数の電極間に電
圧を印加することにより電極パターンに対応する異なる
屈折率を有する領域を発生させることによって屈折率を
変化させることができる。
【0017】前記光源は、請求項3にも記載したよう
に、単一の基板上に形成されると共に、複数の光ビーム
を発振するレーザー・アレイを用いることができる。こ
のようにすることによって、入射時点における入射光軸
等の複雑な調整をすることなく、容易に光導波路内へ複
数の光ビームを入射させることができる。
【0018】ここで、上記従来の技術の欄で説明したよ
うに、走査速度が制限されないように見掛け上の変調速
度を上昇させるため、複数の光ビームを略同時または複
数の光ビームから選択的に定められた光ビームを走査
(偏向)させるときにむらなく走査させるためには、複
数の光ビームの各々を、その複数の光ビームの偏向によ
る走査によって形成され得る走査線毎に異なった制御を
する必要がある。
【0019】そこで、請求項4にも記載したように、前
記複数の射出手段を、入射された光ビームの進行方向に
ついて入射された位置から略同一の距離を隔てた位置に
配置され、各々異なる射出角で前記光ビームを射出する
ように設ける。このようにすることによって、光走査素
子から射出される光ビームは異なる向きで射出されるこ
とになり、射出された時点で各光ビームが向きによって
分離され、各光ビーム毎に用いることが容易となる。
【0020】また、画像形成等による複数本の走査線を
形成する場合に、複数の光ビームを略同時または複数の
光ビームから選択的に定められた光ビームを偏向によっ
て走査させるときには、複数の光ビームによって単一の
光ビームを複数回走査したものと等価な光ビームを得る
ため、光走査素子から射出される複数の光ビームは射出
角の振れ方向に均一に分布して射出される必要がある。
【0021】そこで、請求項5にも記載したように、前
記複数の射出手段が3つ以上の射出手段からなる場合
は、射出角を大きさ順に並べたとき隣り合う射出角の角
度差が略一致するように設定する。このようにすること
によって、光走査素子から射出される複数の光ビーム
は、等角度の間隔で射出されることになり、射出角の振
れ方向に均一に分布して射出することができる。
【0022】また、前記複数の射出手段は、請求項6に
記載したように、入射された光ビームの進行方向につい
て入射された位置から異なる距離を隔てた位置に配置さ
れ、各々略同一の射出角で光ビームを射出することによ
って、複数の光ビーム間で所定の間隔を隔てた偏向によ
る走査をすることができる。これによって、射出された
時点で各光ビームは略同一の向きで射出されると共に、
射出位置によって分離され、各光ビーム毎に用いること
が容易となる。
【0023】また、請求項4の欄にも説明したように、
画像形成等による複数本の走査線を形成する場合に、複
数の光ビームを略同時または複数の光ビームから選択的
に定められた光ビームを偏向によって走査させるときに
は、複数の光ビームによって単一の光ビームを複数回走
査したものと等価な光ビームを得るため、光走査素子か
ら射出される複数の光ビームは均一に分布して射出され
る必要がある。
【0024】そこで、請求項7に記載したように、前記
複数の射出手段が3つ以上の射出手段からなる場合は、
前記異なる距離を隔てた各々の位置を、前記光ビームの
進行方向について等間隔となるように設定する。これに
よって、射出された時点で各光ビームは略同一の向きで
射出されると共に、射出位置によって分離され、射出方
向に均一に分布させることができる。
【0025】前記射出手段の各々は、請求項8に記載し
たように、グレーティングまたはプリズムで構成するこ
とにより、射出角の設定や射出位置の設定を容易にする
ことができる。
【0026】なお、請求項9に記載したように、画像を
形成するための感光体と、前記感光体を一様に帯電する
帯電手段と、前記感光体に光を照射して潜像を形成する
露光手段と、前記潜像を可視化する現像手段とを備えた
画像形成装置において、前記露光手段を、薄膜で形成さ
れた薄膜光導波路と、該薄膜光導波路に複数の光ビーム
を入射させる光源と、前記複数の光ビームに対応して設
けられると共に、各々入力信号に応じて前記光導波路に
対して屈折率を変化させ当該屈折率の変化により回折を
生じさせる電気光学効果によって入射された光ビームを
偏向させる複数の偏向手段と、前記複数の偏向手段に対
応して設けられると共に、各々偏向された光ビームを前
記光導波路から射出させる複数の射出手段と、から構成
することによって、光偏向素子を高精度で位置決めする
ための光軸調整をすることなく、画像面について走査線
を所定間隔を維持させてながらムラが生じないように、
複数の光ビームの同時走査または複数を選択的な走査が
可能である。
【0027】なお、本発明の光導波路を形成するために
適用可能な光導波路材料としてはABO3 型のペロブス
カイト型酸化物がある。このABO3 型のペロブスカイ
ト型酸化物では、正方晶、斜方晶または擬立方晶系とし
て、例えばBaTiO3 、PbTiO3 、Pb1-x La
x (Zry Ti1-y 1-x/4 3 (xおよびyの値によ
りPZT、PLT、PLZT)、Pb(Mg1/3 Nb
2/3 )O3 、KNbO3等があり、六方晶系として例え
ばLiNbO3 、LiTaO3 等に代表される強誘電体
があり、タングステンブロンズ型酸化物ではSrx Ba
1-x Nb2 6 、Pbx Ba1-x Nb2 6 等がある。
また、上記材料の他に、Bi4 Ti3 12、Pb2 KN
5 15、K3 Li2 Nb5 15、さらに上記材料の置
換誘導体等がある。
【0028】上記LiNbO3 を光導波路材料として用
いた場合は、LiNbO3 単結晶ウエハーにTiを蒸着
した後に、Tiを約1000°CにてLiNbO3 に拡
散することによって光導波路を作製することができる。
また、プロトン交換によって光導波路を作製することが
でき、LiTaO3 単結晶基板上へLiNbO3 薄膜を
Rf−マグネトロン・スパッタリングによって気相エピ
タキシャル成長させることで光導波路を作成することが
できる。また、α−Al2 3 単結晶基板上へLiNb
3 薄膜をゾルゲル法によって固相エピタキシャル成長
させて光導波路を作成することができる。
【0029】また、上記PLZTを光導波路材料として
用いた場合には、MgO基板上へPLZT薄膜をイオン
ビーム・スパッタリングによって気相エピタキシャル成
長させて光導波路を作成することができ、またGaAs
基板上エピタキシャルMgOバッファ層へPLZT薄膜
をRfマグネトロン・スパッタリングによって気相エピ
タキシャル成長させて光導波路を作成することができ、
またSrTiO3 基板上へPLZT薄膜をゾルゲル法に
よって固相エピタキシャル成長させて光導波路を作成す
ることができる。
【0030】なお、複数の偏向手段の各々が備えた電極
は、Pt、Al、Crなどの各種金属電極や、前記光導
波路よりも小さい屈折率を有するITO等の透明酸化物
電極を用いることができる。
【0031】また、前記光導波路と電極(上部電極また
は下部電極)との間には光導波路よりも屈折率が小さな
クラッド層を設けることができる。例えば、光導波路と
上部電極との間にクラッド層を設ける場合には、上部電
極は任意の材料を用いることができるが駆動電圧の増加
を招くのでITOなどの透明酸化物電極を用いることが
望ましい。下部電極としては導電性または半導電性の単
結晶基板、あるいは基板と光導波路の間に設けた導電性
または半導電性のエピタキシャルまたは配向性の薄膜を
用いることができる。このような下部電極を用いる場合
には、光導波路よりも小さい屈折率を有するNbドープ
のSrTiO3 、AlドープのZnO、In2 3 、R
uO2 、BaPbO3 、SrRuO3 、YBa2 Cu3
7-x 、SrVO3 、LaNiO3 、La0.5 Sr0.5
CoO3 等の酸化物が望ましいが、Pd、Pt、Al、
Au、Ag等の金属などを用いることも有効である。こ
れらの導電性または半導電性の単結晶基板、あるいは導
電性または半導電性のエピタキシャルまたは配向性の薄
膜は、前記強誘電体薄膜の結晶構造に応じて選ばれるこ
とが望ましい。なお、上部電極または下部電極として用
いられる導電性または半導電性の薄膜または単結晶基板
の抵抗率としては10-6Ω・cm〜103 Ω・cm程度
の範囲が有効あるが、電圧降下が無視できる程度の抵抗
率であれば上部電極または下部電極として利用可能であ
る。また、偏向速度または変調速度によってはキャリア
・モビリティが適当な上部電極材料または下部電極材料
を選択することができる。
【0032】本発明が適用可能な光源としては、レーザ
ー光を射出するレーザー装置がある。このレーザー装置
は、He−Neなどの気体レーザーや、AlGaAsな
どの化合物半導体レーザーまたはこれらの半導体レーザ
ーを複数配列形成したレーザー・アレイなどが挙げられ
る。レーザーの発振によるレーザー光はプリズム・カッ
プリング、バット・カップリング(またはエンド・カッ
プリング)、グレーティング・カップリング、エバーネ
ッセント・フィールド・カップリングなどより選ばれる
方法によって光導波路に導入することができる。薄膜レ
ンズとしては、モード・インデックス・レンズ、ルネブ
ルク・レンズ、ジオデシック・レンズ、フレネル・レン
ズ、グレーティング・レンズなどが適している。射出手
段は、プリズム・カップラー、グレーティング・カップ
ラー、フォーカシング・カップラー、SAWグレーティ
ング・カップラーなどが適している。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例を詳細に説明する。
【0034】まず、本実施の形態の光導波路における電
気光学効果について説明する。一般に電気光学効果を有
する材料に電場を加えると、対称心のない結晶構造にお
ける電場による材料の屈折率変化は次の(1)式で表せ
る。
【0035】 Δn=n0 −n=−aE−bE2 −・・・ ・・・(1)
【0036】この(1)式の一次の項はポッケルス(P
ockels)効果と呼ばれ、次の(2)式で示され
る。
【0037】 Δn= − 1/2rn3 E ・・・(2)
【0038】また、(1)式の二次の項はカー(Ker
r)効果と呼ばれ、次の(3)式で示される。
【0039】 Δn= − 1/2Rn3 2 ・・・(3)
【0040】これらの効果は、実際には、電場を大きく
していくに従ってポッケルス効果に徐々にカー効果が重
畳する形で屈折率変化が起こる。このような電気光学効
果を用いる際は、対称心のない結晶構造を持ち高い係数
を持つ強誘電体を用いることとなり、上述の例のような
LiNbO3 やPLZTが代表的である。PLZT薄膜
のような強誘電体に局所電場を印加すると上記のように
その部分の屈折率の低下が起こり、それを下記のように
利用することによってレーザー光の向きを偏向あるいは
スイッチングすることができる。このEO(電気光学効
果による)変調の場合は音響光学効果を利用した光走査
素子のようなフォノンの移動時間による制限を受けずに
分極によるために、スポット移動時間(スイッチング時
間)はピコ秒オーダーと極めて速い。
【0041】くし形電極等に所定の電場を印加すると、
図1に示すように、電場が印加されないときの屈折率n
1と異なる屈折率n2の部位12を周期的(図1の間隔
Aで示した周期的)に有するように薄膜(光導波路)の
屈折率が変化する。このように屈折率が周期的に変化す
ると、入射されたレーザー光10は次の(4)式で示さ
れるブラッグ条件のもとで部位12においてブラッグ反
射される。これによって、入射されたレーザー光10は
ブラッグ反射、すなわち偏向されたレーザー光14とな
る。
【0042】 mλ=2ΛsinθB ・・・(4) 但し、m:回折されたレーザー光の次数 λ:レーザー光の波長 Λ:屈折率の変化周期 θB :ブラッグ角
【0043】この場合、ブラッグ角は微小な角度となる
ので、レーザー光を範囲で偏向(走査)するためには、
数多くの電極を配置し、偏向角に応じて屈折率の変化周
期を変えるべくアドレッシングを行う必要がある。
【0044】一方、図2に示すように、異なる屈折率の
媒体(図2に屈折率n1 及び屈折率n2 で示した媒体)
の境界で光が全反射するためには、次の(5)式の全反
射条件を満たしていなければならない。
【0045】 θ≧θT =sin-1(n2 /n1 ) ・・・(5) 但し、θT :入射角(臨界角) n1 :光導波路の材料の屈折率 n2 :屈折率の低下部分の屈折率 n2 <n1
【0046】ここで、屈折率低下がカー効果による際に
は上述のようにΔn=1/2Rn32 となるので上記
の(5)式は、次の(6)式で表せる。
【0047】 θT =sin-1(n2 /n1 ) =sin-1{(n1 − Δn)/n1 } =sin-1(1−1/2Rn2 2 ) ・・・(6)
【0048】屈折率n0 =2.286(633nm)の
LiNbO3 におけるポッケルス係数はr33=30.8
×10-12 m/V程度であるので、100kV/cm
印加では2×10-3の屈折率変化となり、レーザー光の
最大の進行方向の変化θmaxは臨界角θT において得
られ、 θmax=(90−θT )×2 ={90−sin-1(n2 /n1 )}×2 =(90°−87.60°)×2 =2.40°×2 =4.80° となる。この際、レーザー光を偏向(走査)するために
は、上記と同様の理由で数多くの電極を配置し、偏向角
に応じて反射面を変えるべくアドレッシングを行う必要
がある。
【0049】また、上記の他に電気光学効果を有する素
子として、プリズム型光偏向素子が知られている。図3
に示す、長さがl、高さがDの同一形状で屈折率が異な
る2つのプリズム22、24の斜辺部分が接合された媒
質20を用いて説明する。この媒質20へ入射する光L
A は屈折率na のプリズム22を通過し、その通過時間
τa はプリズム22での光速をca とすると、次の
(7)式で表せ、cを真空中での光速とすると、次の
(8)式で表せる。同様に、屈折率nb のプリズム24
を通過する光LB の通過時間τb は、次の(9)式で表
せる。
【0050】 τa =l/ca ・・・(7) τa =l/ca =l/c・na ・・・(8) τb =l/cb =l/c・nb ・・・(9)
【0051】従って、光LA およびLB の通過時間の差
Δτは、na =n+Δn>nb =nとすると、次の(1
0)式で表せる。
【0052】 Δτ=l/c・(na −nb )=l/c・Δn ・・・(10) この通過時間の差Δτによってプリズムを射出前の波面
の位置の差Δyは、次の(11)式で表せる。
【0053】 Δy=cb ・Δτ=c/nb ・l/c・Δn=lΔn/n (11) これはプリズム内のビーム軸の屈折と等価で、その角度
は、次の(12)式で表せる。
【0054】 θD −tan(θD )=−Δy/D=−lΔn/Dn (12) さらに、スネル則によってプリズムから射出した際の角
度は、次の(13)式で表せ、 nair ・sinθO =sinθO =n・sinθD (13) 角度θO は次式で表せる。
【0055】 θO =sin-1(n・sinθD )=n・θD =−n・lΔn/Dn=−lΔn/D
【0056】ここで、二つのプリズムが反対向きの分極
軸を持ち、電場がz軸に平行方向に印加されるとする
と、上記の(2)式から、屈折率na 、nb は、次の
(14)、(15)式で表せ、これらの屈折率の差Δn
(=na −nb )は、次の(16)式で表せる。
【0057】 na =n0 −1/2rn0 3E ・・・(14) nb =n0 +1/2rn0 3E ・・・(15) Δn=−rn0 3E ・・・(16)
【0058】従って、印加電圧をV、プリズムの厚さを
dとすると、角度θ0 は次の(17)式で表せるので、
電場または電圧に比例してレーザー光を偏向できる。
【0059】 θ0 =−lΔn/D=l/D・rn0 3E =l/D・rn0 3(V/d) ・・・(17)
【0060】2つのプリズムの代わりに、三角形の電極
が図3のプリズム22の位置に配置され、電場がz軸に
平行方向に印加されるとすると、屈折率na 、nb は、
次の(18)、(19)式で表せ、これらの屈折率の差
Δn(=na −nb )は、次の(20)式で表せる。
【0061】 na =n0 −1/2rn0 3E ・・・(18) nb =n0 ・・・(19) Δn=−1/2rn0 3E ・・・(20)
【0062】従って、印加電圧をV、媒質の厚さをdと
すると、角度θ0 は次の(21)式で表せる。
【0063】 θ0 =−lΔn/D=l/D・1/2rn0 3E =l/2D・rn0 3(V/d) ・・・(21)
【0064】このような素子としては、図4及び図5に
示すようなTi拡散型の単結晶LiNbO3 光導波路や
プロトン交換型の単結晶LiNbO3 光導波路による光
走査素子42が検討されている。この光走査素子42
は、絶縁性基板38上に分極ドメイン反転部分(プリズ
ム部分)30を有する光導波路36が設けられ、絶縁性
基板38の下部には下部電極40が設けられている。光
導波路36上にはグラッド層34及び上部電極32が順
に設けられている。
【0065】このようなプリズム型の電気光学的な偏向
を用いた場合には、数多くの電極を用いる必要は少な
い。また、電気光学的スイッチング速度が非常に速いこ
とからレーザ走査速度は30μs/line以上、すな
わち1200dot/inchの露光がA4サイズの用
紙に相当する大きさで毎分180枚以上可能であり、走
査速度の上限の問題は無い。ところで、画像形成装置仕
様のレーザ・ドライバーの変調速度の限界は一般的には
300Mbpsであるので、1200dot/inch
の露光がA4サイズの用紙相当で毎分20枚が上限とな
り、これ以上にはレーザ記録速度を向上できない。
【0066】しかしながら、後述するように、本実施の
形態では、複数のレーザー光を同時に走査し感光体を露
光することが可能になるために、ビーム数をmとすると
みかけの走査速度は1/mと向上させることができ、み
かけのレーザ・ドライバーの変調速度はm×300Mb
psとなり、レーザ記録速度を向上することができる。
【0067】本発明が適用可能な光走査素子は、光導波
路内に複数のレーザー光を入射させる複数のレーザー装
置または複数のレーザー光を発振するレーザー・アレイ
よりなる光源を備える。また、光走査素子は、光導波路
中のレーザー光を電圧を印加することにより異なる屈折
率を有する領域を発生させてレーザー光を電圧に応じて
偏向するための電極を備え、偏向された各レーザー光を
光導波路外へ射出するための複数のグレーティングまた
はプリズムを備えて構成する。なお、光導波路中には必
要に応じてコリメート等のレーザー光の整形を行う薄膜
レンズを備えることが可能である。
【0068】上記偏向された各レーザー光を光導波路外
へ射出させる場合には、複数のグレーティング等を、入
射したレーザー光の進行方向について光導波路の同一の
位置に配置させ、かつそれぞれ異なる射出角となるよう
に形成することによって、感光体上の複数のラインを同
時走査または飛び越し走査できるようにするか、入射し
たレーザー光の進行方向において複数のグレーティング
等を、入射したレーザー光の進行方向について異なる位
置に配置させ、かつ同一の射出角とすることによって、
感光体上の複数のラインを同時走査または飛び越し走査
できるようにすることが好ましい。そのグレーティング
等を異なる射出角として形成するためには、グレーティ
ングを用いた場合、各々の材質を変更するか、または各
々のグレーティングの幅を調整する等により可能であ
り、また、プリズムを用いた場合、各々の材質及び形状
等を変更することにより可能である。なお、複数のグレ
ーティングまたはプリズムは同一の構造を有し、配置位
置のみ異なるようにすることが射出するレーザー光の位
置精度の観点より望ましい。
【0069】また、画像形成の場合には、光導波路から
射出されたレーザー光は、f・θレンズ等の光学系を経
て感光体を露光し、走査は偏向を主走査とし、感光体ド
ラムの回転等を副走査方向として形成される、感光体上
の複数のラインごとの同時走査または飛び越し走査によ
って行われる。
【0070】次に、上記の原理をもとにして本発明の第
1実施の形態を説明する。図7(1)に示すように、本
実施の形態の画像形成装置48は、半導体レーザー52
及び基板54と光導波路56を主要要素とする光走査素
子50を備えている。この光走査素子50からは所定角
度で偏向された4本のレーザー光が射出される(詳細は
後述)。光走査素子50のレーザー光の射出側には、f
θレンズを含む集光光学系66、及び感光体64が順に
設けられている。また、画像形成装置48は、偏向制御
回路68A、レーザー駆動回路68B、及び回転制御回
路68Cを含んで構成された制御装置68を備えてい
る。
【0071】制御装置68の偏向制御回路68Aは、レ
ーザー光を電気光学効果によって偏向させるために電圧
印加するための回路である。この偏向制御回路68Aか
らの電圧印加によってレーザー光は感光体64上におい
て所定方向(図7(2)の矢印X方向、主走査方向)に
走査される。また、レーザー駆動回路68Bは、半導体
レーザー52から射出されるレーザー光の強度及び射出
時間(露光時間)を制御するための回路である。また、
回転制御回路68Cは感光体64を所定方向(図7
(1)の矢印Y方向、副走査方向)に一定速度で回転ま
たはステップ駆動させるための回路である。
【0072】なお、上記のレーザー駆動回路68Bは、
図示しないホストコンピュータ等から供給される画像デ
ータに基づいて半導体レーザー52をパルス幅変調や振
幅変調する。この画像データは感光体64上に形成され
る画像に対応するデータである。この場合、レーザー駆
動回路68Bによる駆動により射出されるレーザー光
は、偏向制御回路68A及び回転制御回路68Cと同期
されており、偏向制御回路68Aによって偏向する光ビ
ームの偏向角度は画像形成時の主走査方向の位置に対応
し、回転制御回路68Cによって回転する感光体64の
位置は画像形成時の副走査方向の位置に対応する。この
主走査と副走査により感光体64に2次元画像を形成で
きる。
【0073】また、本実施の形態の画像形成装置48
は、感光体64を一様に帯電するための帯電装置90、
及び感光体64に潜像形成された画像を可視化するため
の現像装置92を備えている。これら帯電装置90及び
現像装置92により画像が可視化される。すなわち、予
め帯電装置90によって感光体64は一様に帯電され、
その感光体64にレーザー光の露光によって露光部位に
潜像が形成される。このように感光体64に形成された
潜像が現像装置92によって紙やフィルム等の複写材料
に可視化される。
【0074】図6に示すように、本実施の形態の光走査
素子50は、4つのレーザー光52 1 、522 、5
3 、524 を射出する4スポット型の半導体レーザー
52を備えている。この半導体レーザー52の射出側に
は、薄膜光導波路56が形成された単結晶導電性の基板
54が設けられている。
【0075】薄膜光導波路56のレーザー光521 〜5
4 の入射側には、入射されたレーザー光521 〜52
4 の各々を(幅D=16mmに)コリメートするための
モードインデックス・レンズ581 〜584 がレーザー
光521 〜524 の各々に対応して設けられている。こ
の薄膜光導波路56上にはプリズム型の4つの電極アレ
ー601 〜604 がレーザー光521 〜524 の各々に
対応して設けられている。薄膜光導波路56のレーザー
光の進行方向の下流側には、レーザー光の各々を薄膜光
導波路56外へ射出するためのグレーティング621
624 がレーザー光521 〜524 の各々に対応して設
けられている。
【0076】このグレーティング621 〜624 の各々
は同一の射出角でレーザー光の各々を薄膜光導波路56
外へ射出するように形成されると共に、レーザー光の進
行方向について所定間隔を隔てて配置される。上記光走
査素子50は、次のようにして作製される。なお、ここ
では説明を簡単にするため、各部材の添え字を付せず符
号のみを付して説明する。まず、所定の縦横の長さを有
する、抵抗率が5mΩ・cm〜500mΩ・cm程度の
NbドープSrTiO3 (100)単結晶導電性の基板
54上へエピタキシャルPLZT(12/40/60)
薄膜光導波路56を成長させる。この薄膜光導波路56
における、厚さ600nmのPLZT層はゾルゲル法を
用いた固相エピタキシャル成長によって次のようにして
作製する。まず、無水酢酸鉛Pb(CH3 COO)2
ランタン・イソプロポキシドLa(O-iso- C3 7
3 、ジルコニウム・イソプロポキシドZr(O-iso- C
3 7 4 、およびチタン・イソプロポキシドTi(O
-iso- C3 7 4 を出発原料として、2−メトキシエ
タノールに溶解し、6時間の蒸留を行ったのち18時間
の還流を行い、最終的にPb濃度で0.6MのPLZT
(12/40/60)用前駆体溶液を得る。さらに、こ
の前駆体溶液を基板へスピンコーティングを行う。以上
の操作はすべてN2 雰囲気中にて行う。次に、加湿O2
雰囲気中で10°C/secにて昇温して350°Cに
て保持の後、650°Cに保持し、最後に電気炉の電源
を切り冷却する。これにより膜厚約100nmの第1層
目のPZT薄膜を固相エピタキシャル成長した。これを
さらに所定回(本実施の形態では5回)繰り返すことに
より総膜厚600nmのエピタキシャルPLZT薄膜が
得られる。結晶学的関係はPLZT(100)//Nb−
SrTiO3 (100)、面内方位PLZT[001]
//Nb−SrTiO3 [001]の構造が得られる。
【0077】このPLZT薄膜光導波路56の上には抵
抗率が約1mΩ・cm、膜厚が約100nmのITO透
明導電性酸化物薄膜によるプリズム型の4つの電極アレ
ー60を作製する。光源は波長780nm、各ビームが
20mWの出力の4スポット・レーザー・ダイオード・
アレイである半導体レーザー52を薄膜光導波路56端
面へ直接固定してバット・カップリングを行う。
【0078】また、偏向された各光ビームを光導波路外
へ射出するためのグレーティング62は、各々が光の進
行方向に所定間隔を隔てて配置され、略同一の射出角を
有するイオン・ミリングによって作製された回折格子よ
り形成される。
【0079】次に、本実施の形態の画像形成装置の作動
を説明する。まず、光走査素子50では、半導体レーザ
ー52において4つのレーザー光が射出され、薄膜光導
波路56に入射される。このPLZT薄膜光導波路56
は、ITO透明導電性酸化物薄膜、及びNbドープSr
TiO3 (100)単結晶導電性の基板よりも屈折率が
高いため、半導体レーザー52から射出されたレーザー
光の各々はPLZT薄膜光導波路56内に閉じ込められ
る。薄膜光導波路56に入射された各レーザー光は、対
応するモードインデックス・レンズ58によってコリメ
ートされ、グレーティング62へ至り、各レーザー光は
薄膜光導波路56外へ射出される。ここで、単結晶導電
性の基板54は下部電極として機能し、この基板54
と、薄膜光導波路56上に設けられたITO薄膜三角形
電極アレー60との間に電圧を印加することによって、
上記説明したように薄膜光導波路56は周期的なカー効
果による屈折率変化を生じ、進行するレーザー光が偏向
される。薄膜光導波路56のレーザー光の進行方向の下
流側には、レーザー光の各々を薄膜光導波路56外へ射
出するためのグレーティング621 〜624 がレーザー
光521 〜524 の各々に対応して設けられている。こ
の偏向されたレーザー光の各々は、所定間隔を隔てて設
けられたグレーティング62によって、異なる部位、す
なわち、レーザー光の進行方向について所定間隔を隔て
た位置から略同一の射出角で薄膜光導波路56外へ射出
される。
【0080】このようにして偏向された各レーザー光は
グレーティング62によって射出され、fθレンズ等の
集光光学系66を介して感光体64へ至り感光体64を
露光する。この光走査素子50における偏向を主走査
(図7の矢印X方向の走査)とし、各レーザー光につい
て同一の偏向を同時に行って、感光体64の回転におけ
るレーザー光の移動による副走査(図7の矢印Y方向の
走査)をすれば、感光体64上では4ライン毎の同時走
査が行われる。
【0081】なお、感光体64は帯電装置90によって
予め一様に帯電されており、同時走査が行われることに
よって感光体64に潜像形成される。この同時走査が行
われた後の感光体64に形成された潜像は現像装置92
によって、紙やフィルム等の複写材料に可視化される。
【0082】上記偏向されてグレーティング62に到達
した各レーザー光は、略同一の射出角であると共に、レ
ーザー光の進行方向について所定間隔を隔てた異なる位
置から射出される。従って、光走査素子50から射出さ
れるレーザー光は、同一方向に向けた略平行な4本のレ
ーザー光となる(図6)。これらのレーザー光は各々同
時に偏向(主走査)が可能であるので、同一方向に向け
た略平行な状態を維持したままの4本のレーザー光が光
走査素子50から射出される。従って、複数本のレーザ
ー光を同時走査させ、感光体64の画像面について数十
ミクロンの走査線の間隔を維持させてムラが生じないよ
うにするための、複雑な調整装置を設けることや微妙な
光軸調整をする必要がなく、集光光学系66を介して感
光体64へ集光させるのみで一定の走査線の間隔を維持
した走査をすることができる。
【0083】本実施の形態の光走査素子50の性能は、
レーザー・ドライバーの変調速度が300Mbpsとし
た場合、4ラインを同時に走査するために、みかけ変調
速度は1200Mbpsとなる。本発明者は、この条件
にて感光体を露光する実験を行い、1200dot/i
nchの印字がA4サイズの用紙に毎分80枚程度可能
になり、実用的な印字速度が実現される、という結果を
得た。
【0084】また、レーザー光の光導波路へのカップリ
ング時の損失、光導波路中でのレーザー光の散乱などに
よる損失、光導波路からのレーザー光のアウトプット時
の損失等によって感光体上でのレーザー露光エネルギー
密度が低下するが、本実施の形態では、4つのレーザー
光を射出可能な半導体レーザーを用いているため、レー
ザー光の損失があってもシングル・ビーム・レーザーに
よる場合の4倍のレーザー露光エネルギー密度を得るこ
とが可能となり、感光体の露光に必要な感光体上でのレ
ーザー露光エネルギー密度を十分に得ることができる。
また、偏向された各レーザー光を光導波路外へ射出する
ためのグレーティングは同一の射出角でレーザー光を射
出するために各射出レーザー光間の位置精度を高くする
ことができる。
【0085】ここで、本発明者は、比較例として、画像
形成装置に設けた光走査素子として、単一のPLZT薄
膜光導波路及び20mWの出力のシングル・スポット・
レーザー・ダイオードをPLZT薄膜光導波路端面へ直
接固定してカップリングを行ったものを実験した。入射
したビーム幅D=16mmのレーザー光は上記実施の形
態と同様に偏向される。偏向の後、偏向された光ビーム
は光導波路外へ射出する目的のグレーティングによって
射出され、レンズなどの光学系を経て感光体をレーザー
走査露光する。本比較例の光走査素子の性能は、レーザ
ー・ドライバーの変調速度が300Mbpsであるため
に1200dot/inchの印字がA4サイズの用紙
に毎分20枚が限界となる。また、レーザー光の光導波
路へのカップリング時の損失、光導波路中でのレーザー
光の散乱などによる損失、音響光学効果光偏向時の損
失、光導波路からのレーザー光の射出(アウトプット)
時の損失などによって積算すると約50%のレーザー光
の損失が起こり、感光体の露光に必要な感光体上でのレ
ーザー露光エネルギー密度が十分に得られない、という
結果を得た。
【0086】また、本発明者は、他の比較例として、図
8(1)に示すように、上記実施の形態と略同様の構成
であるが、図8(2)に示すように、4スポット・レー
ザー・ダイオード・アレイである半導体レーザー52を
用いると共に、単一のグレーティング62Aを設けた光
走査素子50を用いた実験を行った。
【0087】この光走査素子50は、半導体レーザー5
2をPLZT薄膜光導波路端面へ直接固定してカップリ
ングを行う。入射したレーザー光は上記実施の形態と同
様に偏向される。図8(2)のように、偏向されたレー
ザー光は光導波路外へ射出する目的の単一のグレーティ
ング62Aによって射出され、レンズなどの光学系を経
て感光体をレーザー走査露光する。本比較例の素子の性
能は、4スポット・レーザー・ダイオード・アレイを用
いているにもかかわらず、レンズなどの光学系を経て感
光体を露光するレーザー走査は感光体ドラムの副走査方
向(図8の矢印Y方向)の飛び越し走査、または4ライ
ン同時走査ができないため、シングル・スポット・レー
ザー・ダイオードを用いた際の性能と同様であり、レー
ザー・ドライバーの変調速度が300Mbpsであるた
めに1200dot/inchの印字がA4サイズの用
紙に毎分20枚が限界となる、という結果を得た。
【0088】次に、第2実施の形態を説明する。なお、
本実施の形態は、上記実施の形態と略同様の構成のた
め、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略す
る。
【0089】本実施の形態の光走査素子51は次のよう
にして作製される。図9に示すように、絶縁性であるサ
ファイア(0001)単結晶基板55上へRfマグネト
ロン・スパッタリングによって抵抗率が約1mΩ・cm
の(0001)高配向AlドープZnO導電性薄膜57
を成長させ、さらに(0001)高配向LiNbO3
膜光導波路59を成長させた。このLiNbO3 薄膜光
導波路59へ25個のプリズム形状の分極ドメイン反転
部分31(図10)を作製した後、このLiNbO3
膜光導波路59の上には約100nmの厚さで抵抗率が
約1mΩ・cmのITO透明導電性酸化物薄膜61を作
製する。上記のITO透明導電性酸化物薄膜61は上部
電極として機能し、AlドープZnO導電性薄膜57は
下部電極として機能する。
【0090】図10に示すように、本実施の形態の光走
査素子50は光源53を備えており、光源53は波長7
80nm、出力20mWのデュアル・スポット・レーザ
ー・ダイオード・アレイを用いて2本のレーザー光を射
出すると共に、2つのレーザー光531 、532 を各々
(幅D=16mmに)コリメートして射出する。この光
源53の射出側には、上記のようにして作製された薄膜
光導波路59が形成された基板55が設けられている。
【0091】薄膜光導波路56のレーザー光の入射側に
は、光源から射出されたレーザー光531 、532 の各
々を光導波路59内に導入するためのグレーティング6
5が設けられている。この薄膜光導波路59のレーザー
光の進行方向の下流側には、レーザー光の各々を薄膜光
導波路59外へ射出するためのグレーティング631
632 がレーザー光531 、532 の各々に対応して設
けられている。
【0092】このグレーティング631 、632 の各々
は同一の射出角でレーザー光の各々を薄膜光導波路59
外へ射出するように形成されると共に、レーザー光の進
行方向について所定間隔を隔てて配置される。
【0093】次に、本実施の形態の画像形成装置の作動
を説明する。光源53から射出されコリメートされた2
本のレーザー光531 、532 は、LiNbO3 薄膜光
導波路59へグレーティング65を介して導入される。
LiNbO3 薄膜光導波路59はITO透明導電性酸化
物薄膜61およびAlドープZnO導電性薄膜57より
も屈折率が高いため、入射されたレーザー光の各々はL
iNbO3 薄膜光導波路59内に閉じ込められる。入射
されたレーザー光の各々は、ITO透明導電性酸化物薄
膜61による上部電極とAlドープZnO導電性薄膜5
7による下部電極との間に電圧が印加されることにより
生じる電気光学効果(ポッケルス効果)によって前記プ
リズム形状のドメイン反転部分31とそれ以外の部分に
おいて異なる屈折率が発生し偏向される。偏向されたレ
ーザー光の各々はレーザー光の進行方向に所定の間隔を
もって配置された各レーザー光に対応して配置されたグ
レーティング63によって、光導波路59外へ射出され
る。
【0094】このようにして偏向された各レーザー光は
グレーティング63によって射出され、fθレンズ等の
集光光学系66を介して感光体64へ至り感光体64を
露光する。この光走査素子51における偏向を主走査と
し、各レーザー光について同一の偏向を同時に行って、
感光体64の回転におけるレーザー光の移動による副走
査をすれば、感光体64上では2ライン毎の同時走査
(飛び越し走査)が行われる。
【0095】上記偏向されてグレーティング63に到達
した各レーザー光は、略同一の射出角であると共に、レ
ーザー光の進行方向について所定間隔を隔てた異なる位
置から射出される。従って、光走査素子51から射出さ
れるレーザー光は、同一方向に向けた略平行な2本のレ
ーザー光となる(図10)。これらのレーザー光は各々
同時に偏向(主走査)が可能であるので、同一方向に向
けた略平行な状態を維持したままの2本のレーザー光が
光走査素子51から射出される。従って、複雑な調整装
置を設けることや微妙な光軸調整をする必要がなく、集
光光学系66を介して感光体64へ集光させるのみで一
定の走査線の間隔を維持した走査をすることができる。
【0096】次に、第3実施の形態を説明する。本実施
の形態は上記実施の形態と略同様の構成のため、同一部
分には同一符号を付し詳細な説明を省略する。
【0097】本実施の形態の光走査素子70は次のよう
にして作製される。図11に示すように、LiNbO3
単結晶基板74へTiを拡散することによって作製した
光導波路76を用いる。このLiNbO3 薄膜光導波路
76へ25個のプリズム形状の分極ドメイン反転部分7
2を作製した後、このLiNbO3 薄膜光導波路76上
には上部電極として機能する、約100nmの厚さで抵
抗率が約1mΩ・cmのITO透明導電性酸化物薄膜8
0を作製し、LiNbO3 単結晶基板74の下面には下
部電極として機能するAl電極81を作製する。
【0098】また、光走査素子70は光源44を備えて
おり、光源44は4スポット型の半導体レーザー52を
備え、4本のレーザー光を射出すると共に4本のレーザ
ー光441 〜444 を各々(幅D=16mmに)コリメ
ートして射出する。この光源44の射出側には、上記の
ようにして作製された薄膜光導波路76が形成された基
板74が設けられている。
【0099】薄膜光導波路76のレーザー光の入射側に
は、光源から射出されたレーザー光441 〜444 の各
々を光導波路76内に導入するためのプリズム・カップ
リング78が設けられている。この薄膜光導波路76の
レーザー光の進行方向の下流側には、レーザー光の各々
を薄膜光導波路76外へ射出するためのグレーティング
821 〜824 がレーザー光441 〜444 の各々に対
応して設けられている。
【0100】これらのグレーティング821 〜824
各々は、レーザー光の進行方向について等間隔で配置さ
れると共に、異なる射出角でレーザー光の各々を薄膜光
導波路76外へ射出するように形成されている。すなわ
ち、グレーティング821 〜824 の各々は、レーザー
光の進行方向に同一の距離を隔てて配置され、異なる射
出角度を有するように、Tiを蒸着後パターンニング
し、さらに酸化させることによって作製した格子周期の
異なるTiO2回折格子より形成される。
【0101】なお、グレーティング821 〜824 の各
々による射出角は、隣合うグレーティングの射出角の角
度差が等角度差に設定することが好ましい。また、複数
のグレーティングを設けた場合に、射出角をランダムに
設定する場合には、射出角を大きい順に並べ、その大き
さ順に従う隣合うグレーティングの射出角の角度差が等
角度差に設定することが好ましい。
【0102】次に、本実施の形態の画像形成装置の作動
を説明する。まず、光走査素子70では、4つのレーザ
ー・ダイオードから射出されかつコリメートされたレー
ザー光が光源44から射出される。この光源44から射
出されたレーザー光は、プリズム・カップリング78に
よって光導波路76内へ導入される。光導波路76に入
射された各レーザー光は、対応するグレーティング82
へ至り、各レーザー光は光導波路76外へ射出される。
ここで、入射されたレーザー光の各々はプリズム形状の
ドメイン反転部分72とそれ以外の部分においてポッケ
ルス効果によって異なる屈折率が発生して偏向され、偏
向されたレーザー光は、各レーザー光に対応するグレー
ティング82に至る。光導波路76のレーザー光の進行
方向の下流側には、レーザー光の各々を光導波路76外
へ射出するためのグレーティング821 〜824 がレー
ザー光441 〜444 の各々に対応して設けられてい
る。この偏向されたレーザー光の各々は、所定間隔を隔
てて設けられたグレーティング82によって、異なる射
出角、すなわち、レーザー光の進行方向について略一致
した位置から異なる射出角で光導波路76外へ射出され
る。
【0103】上記偏向された各レーザー光はグレーティ
ング82によって射出され、図12(1)、(2)に示
すように、fθレンズ等の集光光学系66を介して感光
体64へ至り感光体64を露光する。この光走査素子7
0における偏向を主走査(図12(1)の矢印X方向の
走査)とし、各レーザー光について同一の偏向を同時に
行って、感光体64の回転におけるレーザー光の移動に
よる副走査(図12(1)の矢印Y方向の走査)をすれ
ば、感光体64上では4ライン毎の同時走査が行われ
る。
【0104】上記偏向されてグレーティング82に到達
した各レーザー光は、レーザー光の進行方向と直交する
方向に並んだ位置であると共に、各々異なる射出角で射
出される。従って、光走査素子70から射出されるレー
ザー光は、異なる方向に向けられた4本のレーザー光と
なる(図11)。従って、感光体64上には、この異な
る射出角に応じた位置にスポットが形成される。これら
のレーザー光は各々同時に偏向(主走査)が可能である
ので、感光体64上において副走査方向に所定間隔ずれ
たレーザー光が集光され、この状態を維持したままの4
本のレーザー光が走査される。従って、複数本のレーザ
ー光を同時走査させ、感光体64の画像面について数十
ミクロンの走査線の間隔を維持させてムラが生じないよ
うにするための、複雑な調整装置を設けることや微妙な
光軸調整をする必要がなく、集光光学系66を介して感
光体64へ集光させるのみで一定の 走査線の間隔を維
持した走査をすることができる。
【0105】本実施の形態では、光導波路内を進行する
レーザー光を光導波路外へ射出するためのグレーティン
グを、レーザー光の進行方向の垂直方向について同一の
位置に配置されるために素子の小型化を図ることができ
る。
【0106】以上説明したように上記実施の形態の光導
波路型の光走査素子は、同時に複数のレーザー光を同時
走査または飛び越し走査することができるので、レーザ
ー・ドライバーの変調速度の限界によるレーザー記録速
度の上限の問題を解決し、レーザー・プリンター、デジ
タル複写機、ファクシミリなどに利用範囲を拡大させる
ことができる。
【0107】また、複数のレーザー光を射出可能な半導
体レーザーを備えた光源を用いることにより、同時に光
導波路へのカップリング時の損失、光導波路中でのレー
ザー光の散乱などによる損失、光導波路からのレーザー
光のアウトプット時の損失などによって感光体上でのレ
ーザー露光エネルギー密度が低下する問題を解決するこ
とができる。
【0108】さらに、偏向された各レーザー光を光導波
路外へ射出するためのグレーティング等の射出手段とし
て、異なる射出角を有する複数の射出手段を入射された
レーザー光の進行方向の垂直方向について同一の位置に
配置するときには、光走査素子の小型化を図ることがで
きる。また、同一の射出角を有し、光の進行方向に所定
間隔を隔てて配置したときには、各射出されたレーザー
光間の位置精度を向上させることができる。
【0109】また、画像形成装置は、上記光走査素子を
感光体を露光するための露光手段として用いることによ
り、極めて高い走査速度で、むらなく、画像を形成させ
ることができる。
【0110】
【発明の効果】本発明の光走査装置では、入射された複
数の光ビームの各々を対応する偏向手段で偏向し、この
偏向手段の各々に対応した射出手段から光ビームが射出
される。このため、偏向手段の各々で偏向された複数の
光ビームが、対応する射出手段の各々によって光導波路
から射出され、、複雑な調整をすることなく、各々偏向
された複数の光ビームを光走査素子から容易に得ること
ができる。
【0111】また、光源として、複数の光ビームを発振
するレーザー・アレイを用いることによって、入射時点
における入射光軸等の複雑な調整をすることなく、容易
に光導波路内へ複数の光ビームを入射させることができ
る。また、複数の光ビームを発振するレーザー・アレイ
を用いることによって、光導波路へのカップリング時の
損失、光導波路中でのレーザー光の散乱などによる損
失、光導波路からのレーザー光の射出時の損失等を軽減
することができ、感光体上におけるレーザー光のエネル
ギー密度の低下を抑制することができる。
【0112】複数の射出手段を、入射された光ビームの
進行方向について入射された位置から略同一の距離を隔
てた位置に配置され、各々異なる射出角で前記光ビーム
を射出するように設けることによって、光走査素子から
射出される光ビームは異なる向きで射出されることにな
り、射出された時点で各光ビームが向きによって分離さ
れ、各光ビーム毎に用いることが容易となる。この場
合、複数の射出手段が3つ以上の射出手段からなるとき
は、射出角を大きさ順に並べたとき隣り合う射出角の角
度差が略一致するように設定することによって、光走査
素子から射出される複数の光ビームは、等角度の間隔で
射出されることになり、射出角の振れ方向に均一に分布
して射出することができる。さらに、複数の射出手段は
入射された位置から略同一の距離を隔てた位置に配置さ
れるので、光走査素子の小型化を図ることができる。
【0113】また、複数の射出手段を、入射された光ビ
ームの進行方向について入射された位置から異なる距離
を隔てた位置に配置し、各々略同一の射出角で光ビーム
を射出するようにすることによって、射出された時点で
各光ビームは略同一の向きで射出されると共に、射出位
置によって分離され、各光ビーム毎に用いることが容易
となる。
【0114】また、3つ以上の射出手段からなる場合
は、各々の位置を光ビームの進行方向について等間隔と
なるように設定することによって、射出された時点で各
光ビームは略同一の向きで射出されると共に、射出位置
によって分離され、射出方向に均一に分布させることが
できる。従って、各射出されたレーザー光間の位置精度
を向上させることができる。
【0115】本発明の画像形成装置は、上記光走査素子
を感光体を露光するための露光手段として用いることに
より、光走査素子を高精度で位置決めするための光軸調
整をすることなく、画像面について走査線を所定間隔を
維持させてながらムラが生じないように、極めて高い走
査速度で、複数の光ビームの同時走査または複数を選択
的に走査させて、画像を形成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気光学効果によるブラッグ回折を説明するた
めの説明図である。
【図2】電気光学効果による全反射を説明するための説
明図である。
【図3】プリズム型偏向素子の概念構成図である。
【図4】光導波路型プリズム走査素子を示す上面図であ
る。
【図5】光導波路型プリズム走査素子を示す断面図であ
る。
【図6】第1実施の形態にかかる4スポット半導体レー
ザーを用いた光走査素子を示す概略図である。
【図7】第1実施の形態にかかる光走査素子による画像
形成装置を示す概略構成図である。
【図8】比較例の光走査素子による画像形成装置を示す
概略構成図である。
【図9】第2実施の形態にかかる光走査素子を示す概略
図である。
【図10】第2実施の形態にかかる光走査素子による画
像形成装置を示す概略構成図である。
【図11】第3実施の形態にかかる光走査素子を示す概
略図である。
【図12】第3実施の形態にかかる光走査素子による画
像形成装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
48 画像形成装置 50 光走査素子 52 半導体レーザー 54 基板 56 光導波路 62 グレーティング

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜で形成された光導波路と、 前記光導波路内に複数の光ビームを入射させる光源と、 前記複数の光ビームに対応して設けられると共に、各々
    入力信号に応じて前記光導波路に対して屈折率を変化さ
    せ当該屈折率の変化により回折を生じさせる電気光学効
    果によって前記光ビームの各々を偏向させる複数の偏向
    手段と、 前記複数の偏向手段に対応して設けられると共に、各々
    偏向された光ビームを前記光導波路から射出させる複数
    の射出手段と、 を備えた光走査素子。
  2. 【請求項2】 前記複数の偏向手段の各々は、互いに平
    行でない二辺を有するプリズム形状の分極ドメイン反転
    領域が前記光導波路に設定されると共に、前記光導波路
    を挟持する複数の電極を備え、複数の電極間に電圧を印
    加することにより前記プリズム形状の分極ドメイン反転
    領域とそれ以外の領域において異なる屈折率を発生させ
    ることによって屈折率を変化させること、または、前記
    光導波路を挟持しかつ互いに平行でない二辺を有するプ
    リズム形状パターンを有する複数の電極を備え、複数の
    電極間に電圧を印加することにより電極パターンに対応
    する異なる屈折率を有する領域を発生させることによっ
    て屈折率を変化させることを特徴とする請求項1記載の
    光走査素子。
  3. 【請求項3】 前記光源は、単一の基板上に形成される
    と共に、複数の光ビームを発振するレーザー・アレイで
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の光走査
    素子。
  4. 【請求項4】 前記複数の射出手段は、入射された光ビ
    ームの進行方向について入射された位置から略同一の距
    離を隔てた位置に配置され、各々異なる射出角で前記光
    ビームを射出することを特徴とする請求項1乃至請求項
    3の何れか1項に記載の光走査素子。
  5. 【請求項5】 前記複数の射出手段が3つ以上の射出手
    段からなる場合は、射出角を大きさ順に並べたとき隣り
    合う射出角の角度差が略一致するように設定することを
    特徴とする請求項4記載の光走査素子。
  6. 【請求項6】 前記複数の射出手段は、入射された光ビ
    ームの進行方向について入射された位置から異なる距離
    を隔てた位置に配置され、各々略同一の射出角で光ビー
    ムを射出することを特徴とする請求項1乃至請求項3の
    何れか1項に記載の光走査素子。
  7. 【請求項7】 前記複数の射出手段が3つ以上の射出手
    段からなる場合は、前記異なる距離を隔てた各々の位置
    を、前記光ビームの進行方向について等間隔となるよう
    に設定することを特徴とする請求項6記載の光走査素
    子。
  8. 【請求項8】 前記射出手段は、グレーティングまたは
    プリズムで構成することを特徴とする請求項1乃至請求
    項7の何れか1項に記載の光走査素子。
  9. 【請求項9】 画像を形成するための感光体と、前記感
    光体を一様に帯電する帯電手段と、前記感光体に光を照
    射して潜像を形成する露光手段と、前記潜像を可視化す
    る現像手段とを備えた画像形成装置において、 前記露光手段は、 薄膜で形成された薄膜光導波路と、 該薄膜光導波路に複数の光ビームを入射させる光源と、 前記複数の光ビームに対応して設けられると共に、各々
    入力信号に応じて前記光導波路に対して屈折率を変化さ
    せ当該屈折率の変化により回折を生じさせる電気光学効
    果によって入射された光ビームを偏向させる複数の偏向
    手段と、 前記複数の偏向手段に対応して設けられると共に、各々
    偏向された光ビームを前記光導波路から射出させる複数
    の射出手段と、 から構成したことを特徴とする画像形成装置。
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