JPH0616143B2 - 光走査装置 - Google Patents

光走査装置

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JPH0616143B2
JPH0616143B2 JP22805885A JP22805885A JPH0616143B2 JP H0616143 B2 JPH0616143 B2 JP H0616143B2 JP 22805885 A JP22805885 A JP 22805885A JP 22805885 A JP22805885 A JP 22805885A JP H0616143 B2 JPH0616143 B2 JP H0616143B2
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waveguide layer
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の分野) 本発明は光走査装置、特に詳細には電解印加により光屈
折率を変える電気光学材料を用いて光走査を行なう光走
査装置に関するものである。
(従来の技術) 周知の通り従来より、光走査式の記録装置や、読取装置
が種々提供されている。このような装置において記録光
あるいは読取光を1次元的に走査する光走査装置として
従来より、 例えばガルバノメータミラーやポリゴンミラー(回転
多面鏡)等の機械式光偏向器により光ビームを偏向走査
させるもの、 EOD(電気光学光偏向器)やAOD(音響光学光偏
向器)など固体光偏向素子を用いた光偏向器により光ビ
ームを偏向走査させるもの、 液晶素子アレイやPLZTアレイ等のチャッタアレイ
と線光源とを組み合わせ、シャッタアレイの各シャッタ
素子に個別的に駆動回路を接続し、画像信号に応じて、
ON/OFFを選択して同時に開くことにより線順次走
査をさせるもの、さらには LED等の発光素子を多数一列に並設し、各発光素子
に個別的に駆動回路を接続し、画像信号に応じてON/
OFFを選択して同時に発光させることにより線順次走
査させるもの等が知られている。
ところが上記の機械式光偏向器は振動に対して弱く、
また機械的耐久性も低く、その上調整が面倒であるとい
う欠点を有している。さらに光ビームを振って偏向させ
るために光学系が大きくなり、記録装置や読取装置の大
型化を招くという問題もある。
またのEODやAODを用いる光走査装置にあって
も、上記と同様に光ビームを振って偏向させるために、
装置が大型になりやすいという問題がある。特に上記E
ODやAODは光偏向角が大きくとれないので、の機
械式光偏向器を用いる場合よりもさらに光学系が大きく
なりがちである。
一方のシャッタアレイを用いる光走査装置にあって
は、偏光板を2枚使用する必要があることから、光源の
光利用効率が非常に低いという問題がある。
またの発光素子を多数並設して用いる光走査装置にあ
っては、各発光素子の発光強度にバラツキが生じるた
め、精密走査には不向きであるという問題がある。
上記のような事情に鑑み本出願人は、耐久性、耐振動性
に優れ、調整が容易で、光利用効率が高く、精密走査が
可能で、しかも小型に形成されうる光走査装置を提案し
た(特願昭60−74061号)。この光走査装置は、 少なくとも一方がエネルギー付加により光屈折率を変え
る材料からなり、互いに密着された光導波層と通常は該
光導波層よりも小さい光屈折率を示してクラッド層とな
る隣接層との積層体と、 上記光導波層および/または隣接層に、光導波層内を進
む導波光の光路に沿って設けられた複数のエネルギー付
加手段と、 上記隣接層の上部の、少なくとも上記エネルギー付加手
段によるエネルギー付加箇所に対応する部分にそれぞれ
設けられた回折格子と、 上記複数のエネルギー付加手段を順次択一的に所定のエ
ネルギー付加状態に設定し、そのエネルギー付加箇所に
おいて導波光が前記回折格子と相互作用する位置まで浸
み出してこの相互作用により前記積層体の外に出射する
ように光導波層および/または隣接層の光屈折率を変化
させる駆動回路とから構成され、 光導波層の光屈折率(n)および/または隣接層の光
屈折率(n、通常状態すなわちエネルギーが付加され
ていない状態ではn>nの関係を持つ)を、その差
(n−n)が小さくなるように、あるいはn≦n
となるように変化させて、光導波層中に閉じ込められ
た導波光の界分布を変化させ、回折格子との相互作用に
よって導波光を光導波層と隣接層との積層体から外部へ
取り出し、これを走査光として利用するようにしたもの
である。
より詳細に説明するならば、例えば第1図に示すように
この光走査装置が、基板10上に光導波層11、回折格子G
をもつ隣接層12(一例として電気光学材料から形成され
ているものとする)を有し、基板10の光屈折率n、光
導波層11の光屈折率n、電界を印加していないときの
隣接層12の光屈折率nの間にn>n、nの関係
が成り立っているものとする。
第1図で示した構成の場合、その電界非印加時の分散曲
線は第2図(a)のように表わされる。第2図(a)に
おいて縦軸は光の実効屈折率を、また横軸は光導波層11
の厚みを表わし、光導波層11の厚みをTとすると、光導
波層11の実効屈折率はneffである。この時導波光14の
界分布(電界分布)は、例えばTEモードを仮定する
と、第3図(a)のように表わされる。第3図(a)は
導波光がクラッド層となる隣接層12や基板10にわずかに
浸み出しているものの、回折格子Gと相互作用をするに
はいたらず、導波光がほとんど外部へ漏れずに光導波層
11中を進行している状態を示している。
次に、クラッド層となる隣接層12に直接あるいは中間層
を介して設けた電極対(この第1図においては図示せ
ず)の電極間に電界を印加して、電極間間隙Pの部分に
おける隣接層12の光屈折率をnからn+△nへ増大
させる。この時、分散曲線は第2図(b)の1点鎖線で
表わせられ、光導波層11の実効屈折率neffはn′eff
増大する。この時の導波光の電界分布は第3図(b)の
ように変化し、隣接層12への導波光の浸み出し光が、回
折格子Gと十分相互作用するように増加する。その結
果、図の斜線部の浸み出し光が図の上方(回折格子Gの
種類によっては下方又は上下双方)へ放射されながら進
行し、遂には、ほとんどの導波光が外部へ取り出され
る。
また、第1図で示した構成において、隣接層12の光屈折
率をnからn+△n″に変化させたとき、このn
+△n″の値が、隣接層12の光屈折率の変化に伴って変
化する光導波層11の実効屈折率n″effと等しくなるほ
どに大きくなると、その分散曲線は第2図(c)の1点
鎖線のようになり、導波光は導波モードから放射モード
へ変換し、光は隣接層12へ移行する。このときの導波光
の電界分布は第3図(c)のように変化し、導波光は隣
接層12へ多量に漏れ出し、回折格子Gと相互作用して図
の上方(および/または下方)へ放射されながら進行
し、速やかに外部に取り出される。また、隣接層12の光
屈折率nを光導波層11の光屈折率nと略等しいか又
はnよりも大きくなるように変化させることによっ
て、光導波層11内の導波光の全反射条件を変化させて導
波光を隣接層中に移動させ、更に回折格子Gとの相互作
用により、外部へ取り出すことができる。このようにし
て、電界を印加した場所で導波光を外部に取り出すこと
ができるから、上述の電極対を複数、上記間隙Pが隣接
層12に沿って1列に延びるように設けておき、各電極対
に順次択一的に電界を印加すれば、隣接層12からは出射
位置を変えながら光が出射するようになり、光走査がな
される。
なお前述のように隣接層12を電気光学材料から形成して
その光屈折率を変化させる他、反対に光導波層11を電気
光学材料から形成してそこに電極対を設け、該光導波層
11の光屈折率を変化させる(低下させる)ようにしても
よいし、さらには光導波層11と隣接層12の双方を電気光
学材料から形成して双方に電極対を設け、双方の光屈折
率を変化させるようにしてもよい。
またこの場合、回折格子Gの構造を集光性回折格子にし
ておくと、取り出された光は一点へ集光し、散逸を防ぐ
ことができる。
上記構成の光走査装置は、単一の光源を使用するもので
あるから、前記LEDアレイ等にみられる交源の発光強
度バラツキの問題が無く、精密走査が可能となり、光源
の光利用効率も高められる。またこの光走査装置は、機
械的作動部分を備えないから耐久性、耐振動性に優れて
調整も容易であり、さらに光ビームを大きく振らずに走
査可能であるから、この装置によれば、光走査系の大型
化を回避し、光走査記録装置あるいは読取装置を小型に
形成することができる。
上記の光走査装置においては前述したように、エネルギ
ー付加により光屈折率を変える材料として電気光学材料
が好適に用いられ、したがってこの場合エネルギー付加
手段としては電極対が、また駆動回路としては複数の電
極対間に順次択一的に電界を印加する回路が用いられる
が、このような構成をとる装置として前記特願昭60−
74061号に具体的に開示されている装置は、1つの
電極対を構成する各電極を、積層体と水平に配置したと
きに間隙を間において互いに水平方向に対向するように
(つまり前記第1図においては紙面の表裏方向に)配置
したものである。ところがこの開示例のような構成をと
る場合、所望の光屈折率変化を得るために電極対に数百
V程度の高電圧を印加しなければならず、したがって強
力な駆動回路が必要になるという難点があった。つまり
光を積層体外に取り出すのに十分な大きさに電極間間隙
を設定すると、電極間距離が大きくなり、そのため上述
のように高電圧を印加する必要が生じるのである。
また積層体からの光取出し効率を高めるためには、光導
波層の導波路幅を電極間間隙部分に収まるように設定す
ることが望ましいが、上記のように印加電圧の問題が有
るから、前記開示例の装置においては電極間間隙を大き
く設定することができず、したがって導波路幅は必然的
に小さなものとなってしまう。このように導波路幅が小
さいと導波光のエネルギー密度が高くなり、光導波層が
光損傷を受ける恐れが有る。
(発明の目的) そこで本発明は、前述の特願昭60−74061号に示
されるように電気光学材料からなる光導波層および/ま
たは隣接層の光屈折率を変えることによって光走査を行
なう光走査装置において、比較的低電圧で駆動可能で、
しかも上記光損傷の問題を生じることのない光走査装置
を提供することを目的とするものである。
(発明の構成) 本発明の光走査装置は、先に述べたように少なくとも一
方が電気光学材料からなる光導波層と隣接層との積層体
と、複数のエネルギー付加手段としての電極対と、回折
格子と、各電極対間に順次択一的に電界を印加する駆動
回路とからなる光走査装置において、 上記複数の電極対をそれぞれ、隣接層の外表面に光導波
層内を進む導波光の光路に沿って設けられた透明電極
と、この透明電極に対向するように光導波層の外表面に
設けられた対向電極とから構成し、そして回折格子を上
記透明電極の表面に設けたことを特徴とするものであ
る。
(実施態様) 以下、図面に示す実施態様に基づいて本発明を詳細に説
明する。
第4図は本発明の一実施態様による光走査装置20を示す
ものであり、また第5図はその要部の断面形状を示して
いる。基板10の上には、絶縁層19を介して光導波層11と
該光導波層11に密着した隣接層12とからなる積層体13が
設けられている。なお隣接層12は、前述した電気光学材
料から形成されている。そして前述のように光導波層11
内を光が進行しうるように光導波層11、隣接層12、絶縁
層19はそれぞれ、前記関係 n>n、n を満たす材料から形成されている。なお前述の通り、n
、nはそれぞれ光導波層11、絶縁層19の光屈折率、
は隣接層12の電界非印加時の光屈折率である。この
ような光導波層11、隣接層12、絶縁層19の材料の組合せ
としては例えば、〔Nb:KLiNb
15:ガラス)、〔Nb:LiNbO:ガラ
ス〕等が挙げられる。また基板10の材料としてはガラス
等が用いられる。なお光導波路については、例えばティ
ータミール(T.Tamir)編「インテグレイテッド
オプティクス(Integrated Optic
s)」(トピックス イン アプライド フィジックス
(Topics in Applied Physic
s)第7巻)スプリンガーフェアラーグ(Spring
er−Verlag)刊(1975);西原、春名、栖
原共著「光集積回路」オーム社刊(1985)等の成著
に詳細な記述があり、本発明では光導波層、隣接層、絶
縁層の組合せとして、これら公知の光導波路のいずれを
も使用できる。また光導波層11、隣接層12、絶縁層19は
それぞれ一例として厚さ0.5〜10μm、1〜50μ
m、1〜50μmに形成されるが、これに限られるもの
ではない。
隣接層12の外表面(すなわち光導波層11と反対側の表
面)には、絶縁層18を介して、透明電極からなる複数の
個別電極D1、D2、D3〜Dnが1列に並設されてい
る。これらの個別電極D1、D2、D3〜Dnの表面に
はそれぞれ、回折格子G1、G2、G3〜Gnが設けら
れている。これらの回折格子G1〜Gnは、個別電極D
1〜Dnそのものの表面に設ける他、別の透明部材から
形成し、それを各個別電極D1〜Dn上に固定するよう
にしてもよい。一方光導波層11の外表面(すなわち隣接
層12と反対側の表面)には、絶縁層19を介して共通電極
Cが設けられている。この共通電極Cは、上述の各個別
電極D1〜Dnに対向する位置に設けられている。なお
上記絶縁層18、19は、隣接層12、光導波層11をそれぞれ
絶縁性材料から形成すれば省くことができるが、両者は
設けられるのが好ましく、特に絶縁層19は光導波層11の
外表面に直接共通電極Cを設けた場合に起こる光のパワ
ーの減衰を防止する目的で設けられるのが好ましい。絶
縁層19は省かれる場合には、n、nをそれぞれ光導
波層11、基板10の光屈折率、nを隣接層12の電界非印
加時の光屈折率として、n>n、nの関係が成立
するようにする。
以上述べたように個別電極D1〜Dnおよび共通電極C
が配設されたことにより、第5図に示すように各個別電
極D1〜Dn単位で電極対A1、A2、A3〜Anが形
成され、電気光学材料からなる隣接層12内においては、
電極間間隙P1、P2、P3〜Pnが1列に並んでい
る。なお個別電極D1〜Dnの大きさは例えば(0.0
5〜0.1)×(2〜5)mm程度、そして互いの間隔は
100〜200μm程度に設定される。そして各個別電
極D1〜Dnおよび共通電極Cは、基板10上に形成され
たドライバ15に接続されている。なおこのドライバ15
は、基板10とは独立して設けられてもよい。
一方光導波層11には、電極間間隙P1〜Pnの並び方向
の延長上において、導波路レンズ16が形成されており、
また基板10には光導波層11内の上記導波路レンズ16に向
けてレーザビーム14′を射出する半導体レーザ17が取り
付けられている。
第6図は上記光走査装置20の駆動回路21を示すものであ
る。以下この第6図も参照して、光走査装置20の作動に
ついて説明する。まず前述の半導体レーザ17が駆動さ
れ、レーザビーム14′が光導波層11内に射出される。こ
のレーザビーム14′は導波路レンズ16によって平行光14
とされ、この光14は光導波層11内を電極間間隙P1〜P
nの並び方向に進行する(第4図参照)。そして共通電
極Cと個別電極D1〜Dnとの間には、電圧発生回路22
から発生された電圧Vが、前記ドライバ15を介して印加
される。ここでこのドライバ15は、クロック信号CLK
に同期して作動するシフトレジスタ23の出力を受けて作
動し、共通電極Cとの間に電圧を印加する個別電極を1
つずつ順次選択して、上記電圧印加を行なう。つまり最
初はn個の個別電極D1〜Dnのうち1番目の個別電極
D1と共通電極Cとの間のみに、次は2番目の個別電極
D2と共通電極Cとの間のみに、……と電圧Vが印加さ
れる。こうして各電極対A1〜An間に順次電圧が印加
され、電極間間隙P1〜Pnに順次電界が加えられる
と、その電界が加えられた部分の隣接層12の光屈折率が
高くなる。すると前述したように前記光(導波光)14は
その間隙P1〜Pnに対応する部分において、光導波層
11から隣接層12側に出射し、透明な個別電極D1〜Dn
を透過して、回折格子G1〜Gnの回折作用により隣接
層12外に出射する。つまり最初は回折格子G1から、次
は回折格子G2から、………回折格子Gnの次は元に戻
って回折格子G1から、と光14の出射位置が順次変化す
るので、被走査体25はこの出射した光14により、第4図
の矢印X方向に走査されるようになる(なお光出射位置
が、回折格子G1→G2→……Gn→G(n−1)→G
(n−2)…と変化するように、電極対A1〜Anへの
電圧印加を制御してもよい)。そして上記のようにして
主走査を行なうとともに、クロック信号CLKによって
該主走査と同期をとって被走査体25を第4図の矢印Y方
向に移動させて副走査を行なえば、この被走査体25は2
次元に走査されることになる。
なお本実施態様において個別電極D1〜Dnの表面に設
けられる回折格子G1〜Gnは、集光回折格子として形
成されており、該回折格子G1〜Gnから出射した光14
は、被走査体25上の一点に集束されるようになってい
る。この集光回折格子は、光導波層11内の光14の進行方
向に2次曲線状の格子パターン(グリッドパターン)を
並設し、そして各パターンの曲率とパターン間ピッチを
変化させてなるものであり、それにより上述のような集
束作用を有するものとなっている。なおこのような集光
回折格子については、例えば電子通信学会技術研究報告
OQC83−84の47〜54ページ等に詳しく記載さ
れている。
また、半導体レーザ17を光導波層11に直接結合せずに、
レンズやカプラープリズム、グレーティングカプラ等を
介して光導波層11に光を入射させるようにしてもよい。
また半導体レーザ17は光導波層の形成時に、これと一体
に作られてもよい。走査光を発生する光源は上述の半導
体レーザ17に限らず、その他例えばガスレーザや固体レ
ーザ等が用いられてもよい。
以上述べた光走査装置20においては、光導波層11と隣接
層12を挾むように個別電極D1〜Dnと共通電極Cとを
配置しているから、各個別電極D1〜Dnと共通電極C
との距離は、上記光導波層11、隣接層12の層厚(それに
本実施態様においては絶縁層18、19の層厚)を薄くする
ことにより、十分小さくすることができる。このように
各個別電極D1〜Dnと共通電極Cとの距離を小さく設
定すれば、隣接層12の光屈折率を所定値変化させるため
に(つまり電極間間隙P1〜Pnに所定の電界を付与す
るために)各電極対A1〜Anに印加する電圧が低くて
済む。その一方、積層体13からの走査光取出し部分の大
きさを規定する各個別電極D1〜Dnは、上記電極間距
離とは無関係に、必要に応じて自由に大きく形成するこ
とができる。一例として、個別電極D1〜Dnの大きさ
を前述のように0.1×5mm程度とし、一方各個別電極
D1〜Dnと共通電極Cとの距離を数十μmに設定した
場合、各電極対A1〜Anに100V程度の電圧を印加
すれば、積層体13から走査光14が取り出されうる。
また上述のように各個別電極D1〜Dnを大きく形成
し、積層体13からの走査光取出し部分である電極間間隙
P1〜Pn部分を広く形成することができるから、導波
光14のエネルギー密度を小さくするために導波光14の導
波路幅を広く設定しても、走査光取出し効率を高く保つ
ことができる。
なお隣接層12から出射した光14を1点に集束させるに
は、前記のように回折格子G1〜Gnを集光回折格子と
する他、第7図に示すように、光走査装置20と被走査体
25との間に例えばセルフォックレンズアレイ等からなる
レンズアレイ30を設けるようにしてもよい。また第8図
に示すように隣接層12の上に、各電極間間隙P1、P
2、P3〜Pnに対向する位置にレンズL1、L2、L
3〜Lnが設けられたレンズアレイ層31を設けるように
してもよい。この場合上記レンズL1〜Lnは、第8図
に示されるように通常の凸レンズ状としてもよいし、ま
たアレイ層材料の屈折率に分布を与えてなる屈折率分布
型レンズとしてもよい。さらには上記のようなレンズア
レイ30やレンズアレイ層31と、前記集光回折格子の双方
によって光14を集束させるようにしてもよい。しかし上
記集光回折格子のみを用いれば、レンズアレイ30やレン
ズアレイ層31が不要となり、光走査装置の構造が簡単に
なって好ましい。また隣接層12から出射する光14を以上
説明のようにして集束させることは必ずしも必要ではな
く、場合によっては平行光、あるいは拡散光によって被
走査体25を走査するようにしても構わない。
以上説明した実施態様においては、光導波層11と隣接層
12との積層体13は基板10上に設けられているが、特にこ
のような基板10を用いず、光導波層11あるいはその表面
に設けられた絶縁層19が直接空気に接するようにしても
構わないし、さらには光導波層11の両表面に隣接層12を
積層して、光導波層11の上下両側に走査光を出射させ、
2つの被走査面を同時に走査することも可能である。
また本発明の光走査装置は、前記電極間間隙P1〜Pn
を複数列並べて、複数の走査光を同時に取出し可能に形
成することもできる。
(発明の効果) 以上詳細に説明した通り本発明の光走査装置は、単一の
光源を使用するものであるから、前記LEDアレイ等に
みられる光源の発光強度バラツキの問題が無く、精密走
査が可能となり、光源の光利用効率も高められる。また
本発明の光走査装置は機械的作動部分を備えないから耐
久性、耐振動性に優れて調整も容易であり、さらに光ビ
ームを大きく振らずに走査可能であるから、本発明装置
によれば、光走査系の大型化を回避し、光走査記録装置
あるいは読取装置を小型に形成することができる。
しかも本発明の光走査装置は、電極対の電極間距離を小
さくすることができるから、低電圧で駆動可能であり、
したがって強力な駆動回路が不要で安価に形成され、し
かも消費電力も低減される。その一方走査光取出し部分
である電極間間隙部分は広く形成することができるか
ら、導波路幅を広くして導波光のエネルギー密度を小さ
く設定し、光導波路の光損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明装置の光走査の仕組みを説明する説明
図、 第2図は第1図の構成の分散曲線を示すグラフ、 第3図は第1図の構成における導波光の電界分布を示す
概念図、 第4図は本発明の一実施態様による光走査装置を示す斜
視図、 第5図は上記実施態様装置の要部を示す側断面図、 第6図は上記光走査装置の電気回路を示すブロック図、 第7図、第8図はそれぞれ、本発明の第2実施態様、第
3実施態様による光走査装置を示す側断面図である。 10……基板、11……光導波層 12……隣接層、13……積層体 14……光、15……ドライバ 16……導波路レンズ、17……半導体レーザ 20……光走査装置、21……駆動回路 22……電圧発生回路、23……シフトレジスタ A1〜An……電極対、C……共通電極 D1〜Dn……個別電極、G1〜Gn……回折格子 P1〜Pn……電極間間隙

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方が電界印加により光屈折率
    を変える電気光学材料からなり、互いに密着された光導
    波層と電界非印加時は該光導波層よりも小さい光屈折率
    を示してクラッド層となる隣接層との積層体と、 前記隣接層の外表面に、前記光導波層内を進む導波光の
    光路に沿って設けられた透明電極と、この透明電極に対
    向するように前記光導波層の外表面に設けられた対向電
    極とからなる複数の電極対と、 前記透明電極の表面に設けられた回折格子と、 前記複数の電極対間に順次択一的に電界を印加し、その
    電界の印加箇所において前記導波光が前記回折格子と相
    互作用する位置まで浸み出してこの相互作用により前記
    積層体の外に出射するように前記光導波層および/また
    は隣接層の光屈折率を変化させる駆動回路とからなる光
    走査装置。
  2. 【請求項2】前記回折格子が、前記光導波層から前記隣
    接層内に入射した光を、集束するように出射させる集光
    回折格子であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の光走査装置。
  3. 【請求項3】前記積層体の外側に、出射した光を集束さ
    せる集束光学系が設けられていることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項から第2項いずれか1項記載の光走査
    装置。
  4. 【請求項4】前記対向電極と光導波層との間に絶縁層が
    設けられたことを特徴とする特許請求の範囲第1項から
    第3項いずれか1項記載の光走査装置。
  5. 【請求項5】前記透明電極と隣接層との間に絶縁層が設
    けられたことを特徴とする特許請求の範囲第4項記載の
    光走査装置。
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