図27は、従来技術による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、同軸ケーブルの端末を結線した状態図である。図28は、従来技術による同軸コネクタの構成を示す右側面図であり、同軸ケーブルの端末を結線した状態図である。なお、本願の図27と図28は、特許文献1の図1と図3に相当している。
図29は、従来技術による同軸コネクタの構成を示す縦断面図であり、同軸ケーブルの端末を結線した状態図である。図30は、従来技術による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、同軸ケーブルの端末を同軸コネクタに結線する前の状態図である。なお、本願の図29と図30は、特許文献1の図7と図8に相当している。
図31は、従来技術による同軸コネクタの構成を示す右側面図であり、同軸ケーブルの端末を同軸コネクタに結線する前の状態図である。図32は、従来技術による同軸コネクタの構成を示す右側面図であり、同軸ケーブルの端末を同軸コネクタに結線する前の状態図である。なお、本願の図31と図32は、特許文献1の図10と図11に相当している。
図33は、従来技術による同軸コネクタに備わるコンタクトの構成を示す斜視図である。図34は、従来技術による同軸コネクタに備わるハウジングの構成を示す斜視図である。図35は、従来技術による同軸コネクタに適用される同軸ケーブルの一例の構成を示す斜視図である。なお、本願の図33から図35は、特許文献1の図13から図15に相当している。
図36は、従来技術による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、同軸ケーブルの端末を同軸コネクタに結線した状態図である。図37は、従来技術による同軸コネクタに接続される相手側コネクタの構成を示す斜視図である。なお、本願の図36と図37は、特許文献1の図16と図17に相当している。
図38は、従来技術による同軸コネクタと相手側コネクタが接続した状態を示す斜視図である。図38は、従来技術による同軸コネクタと相手側コネクタが接続した状態を示す縦断面図である。なお、本願の図38と図39は、特許文献1の図19と図20に相当している。
図27から図39を参照すると、従来技術による同軸コネクタ9は、同軸ケーブルCbの端末を結線できる。同軸コネクタ9は、ピアシング型のコンタクト91、前円後方形状のハウジング92、及び、導電性のシェル93を備えている。ハウジング92は、帯板状の押え片92aを有している。シェル93は、ケーブルクランプ931を有している。
図29を参照すると、コンタクト91は、後述するリセプタクル8の中心部に配置した円筒状の中心コンタクト81(相手側コンタクト)と、同軸ケーブルCbを電気的に接続できる(図37参照)。
図33を参照すると、コンタクト91は、接続端子911と槍状のピアシング端子912を備えている。接続端子911は、略矩形に形成した天板9tと一対の接触片9s・9sを有している。一対の接触片9s・9sは、天板9tの両辺から湾曲し、先端部側をΩ字状に開口している。一対の接触片9s・9sは、後述するリセプタクル8の中心部に配置した中心コンタクト81を内部に導入できる(図37参照)。
図33を参照すると、一対の接触片9s・9sは、対向配置された一対の接点91s・91sを接触片9s・9sの先端部に有している。一対の接点91s・91sは、図示しない中心コンタクト81の外周に接触できる(図37参照)。
図33を参照すると、ピアシング端子912は、天板9tの後端部から帯状に延出し、天板9tの前端部に向かって反転している。そして、ピアシング端子912は、槍状の圧接刃91pを先端部から突出している。又、圧接刃91pの基端部には、一対の段差91d.91dを形成している。
図33から図36を参照して、コンタクト91をハウジング92に保持した状態で(図30参照)、同軸ケーブルCbの端末を圧接刃91pに向かって移動すると、圧接刃91pは、同軸ケーブルCbに備わる中心導体Wcを突き刺して中心導体Wcに接触できる(図36参照)。
図23を参照すると、ハウジング92は、円板部921と方形部922を有している。円板部921は、その端部から押え片92aを起立している。押え片92aは、圧接刃91pの突出方向と反対側からピアシング端子912を押さえている(図30参照)。方形部922は、円板部921からその一部が外周方向に突出している。円板部921は、第1収容室h1を中心部に有している(図29参照)。
図29を参照すると、第1収容室h1は、リセプタクル8の中心部に配置した中心コンタクト81を導入自在に(図35参照)、ハウジング92の一方の面を矩形に開口している。そして、第1収容室h1には、一対の接触片9s・9sを内部に配置している。
図30又は図34を参照すると、ハウジング92は、第2収容室h2を他方の面に矩形に開口している。第2収容室h2は、その一部が第1収容室h1に連通している。図29又は図30を参照すると、第2収容室h2には、接触片9sの突出方向からコンタクト91を導入できる。又、第2収容室h2には、同軸ケーブルCbの端末を導入できる。
図30又は図34を参照すると、方形部922は、樋状の溝92dを底面に穿設している。溝22dは、第2収容室h2に連通している。溝92dには、同軸ケーブルCbの端末を導入できる。(図36参照)。より具体的には、第2収容室h2及び溝92dには、端末処理された誘電体Diを収容できる(図35又は図36参照)。
図30から図32を参照すると、シェル93は、円筒部932と一対の延在片933・933を有している。円筒部932には、一対の接触片9s・9sが突出する方向と同じ方向から、円筒部932の一方の面に向って、ハウジング92の円板部921を収容できる(図30又は図36参照)。
図30又は図36を参照すると、一対の延在片933・933は、円筒部932の外周の一部が連続して略平行に延びている。そして、一対の延在片933・933には、その内部に方形部922を収容できる(図4から図7参照)。
図30又は図36を参照すると、延在片933は、槍状の突き刺し突起93pを円筒部932の遠心方向に突出している。同軸ケーブルCbの中心導体Wcを圧接刃91pに突き刺した状態では(図36参照)、一対の突き刺し突起93p・93pは、外部導体Wbを突き刺すことができる(図36参照)。そして、延在片933と外部導体Wbを導通でき、シェル93と外部導体Wbを電気的に接続できる。
図30から図31を参照すると、ケーブルクランプ931は、底板片93bを有している。底板片93bは、その一端部を円筒部932の一部と屈曲自在にヒンジ93hで連結している。又、ヒンジ93hを屈曲することで。底板片93bは、その他端部側が円筒部932の他方の面を閉止できる(図27又は図28参照)。これにより、同軸ケーブルCbの端末をシールドできる。
図30から図31を参照すると、ケーブルクランプ931は、一対のクリンプバレル93c・93cと一対のインシュレーショングリップ93i・93iを含んでいる。一対のクリンプバレル93c・93cは、一対の延在片933・933を圧着できる(図27又は図28参照)。そして、ケーブルクランプ931の底板片93bが円筒部932の他方の面を閉止した状態を維持できる。
図27又は図28を参照すると、一対のインシュレーショングリップ93i・93iは、絶縁シースWiを圧着できる。そして、一対のインシュレーショングリップ93i・93iは、同軸ケーブルCbの端末に同軸コネクタ10を固定できる。
図35を参照すると、従来技術による同軸コネクタ9は、同軸ケーブルCbの端末を結線している。同軸ケーブルCbは、撚線からなる円形の中心導体Wc、中心導体Wcの周囲を囲うフッ素系樹脂などの誘電体Di、誘電体Diの周囲を囲う編組線などの外部導体Wb、及び、外部導体Wbを被覆保護する絶縁シースWiで構成している。図35に示した同軸ケーブルCbは、外部導体Wb及び絶縁シースWiが同軸ケーブルCbの端面から所定の剥離長Lで予め剥離されている。つまり、同軸ケーブルCbは、端末処理されている。
次に、従来技術による同軸コネクタが接続されるリセプタクルの構成を説明する。図37から図39を参照すると、従来技術によるリセプタクル8は、円筒状の中心コンタクト81、円筒状の外部コンタクト82、及び、誘電体からなるハウジング83を備えている。
図37又は図39を参照すると、中心コンタクト81は、円筒状の本体部81bとリード部81rで構成している。本体部81bは、先端部が半球状に閉塞され、内部が中空になっている。リード部81rは、本体部81bの底壁から外周方向に帯状に延びている。リード部81rは、その底面を図示しないプリント基板の信号ラインにハンダ接合できる。
図37又は図39を参照すると、外部コンタクト82は、円筒部82rと複数の鍔部82fで構成している。円筒部82rは、上面を開口している。又、円筒部82rは、中心コンタクト81の本体部81bを囲うように、本体部81bを同軸上に内部に配置している。鍔部82fは、円筒部82rの底壁から三方向に帯状に延びている。複数の鍔部82fは、その底面を図示しないプリント基板のグラウンドパターンにハンダ接合できる。
図37を参照すると、ハウジング83は、矩形の板状に形成している。ハウジング83は、中心コンタクト81及び外部コンタクト82を一体成形することで、中心コンタクト81と外部コンタクト82を固定している。円筒部82rの内部では、中心コンタクト81と外部コンタクト82を電気的に絶縁するように、ハウジング83で充実している。
図38又は図39を参照して、同軸コネクタ9をリセプタクル8に接続すると、同軸ケーブルCbに内在する中心導体Wcを中心コンタクト81に接続でき、同軸ケーブルCbに内在する外部導体Wbを外部コンタクト82に接続できる。そして、同軸ケーブルCbから高周波信号をプリント基板8pに伝送でき、プリント基板8pから高周波信号を同軸ケーブルCbに伝送できる。
このように、従来技術による同軸コネクタは、一組の同軸コネクタとリセプタクルを用いて、同軸ケーブルとプリント基板を電気的に接続している。
従来技術による同軸コネクタは、ピアシング端子を同軸ケーブルの中心導体に突き刺して、コンタクトと中心導体を電気的に接続すると共に、シェルの端部に配置した一対の突き刺し突起を同軸ケーブルの外部導体に突き刺すことで、シェルと外部導体を電気的に接続可能とするように構成することで、同軸ケーブルの端末処理を簡易にできる、としている。
しかし、従来技術による同軸コネクタは、ピアシング端子を中心導体に突き刺すと同時に、一対の突き刺し突起を外部導体に突き刺すことが容易でない、という問題がある。又、従来技術による同軸コネクタは、外部導体及び絶縁シースを同軸ケーブルの端面から所定の剥離長で予め剥離する、同軸ケーブルの剥離工程を含んでいる。同軸コネクタの構造を工夫することで、同軸ケーブルの端末処理が簡易な同軸コネクタが求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、同軸ケーブルと接続が容易位であり、同軸ケーブルの端末処理が簡易な同軸コネクタを提供することを目的とする。
本発明者らは、軸方向と略直交する先端面を有する同軸ケーブルの端末を端部に保持したハウジング、このハウジングの中央部に載置し、同軸ケーブルの中心導体に突き刺し自在なピアシング端子を有し、同軸ケーブルの先端面に向って移動自在なコンタクト、及び、ハウジングを保持すると共に、ハウジングの開口を閉止できるケーブルクランプを有するシェルで同軸コネクタを構成し、ハウジングには、コンタクトを覆うリッドハウジングを設け、リッドハウジングには、コンタクトに向かって傾倒した状態で、ピアシング端子を同軸ケーブルの中心導体に向かって移動させるカム片を配置することで、同軸ケーブルの端末処理を簡易にできると考え、これに基づいて、以下のような新たな同軸コネクタを発明するに至った。
(1)本発明による同軸コネクタは、中心導体、この中心導体を包囲する誘電体、この誘電体を覆う外部導体、及び、この外部導体を被覆する絶縁シースを有し、軸方向と略直交する先端面を形成した同軸ケーブルの端末を結線する同軸コネクタであって、略矩形に形成した天板の両辺から湾曲し、相手側コンタクトを内部に導入自在に、先端部側をΩ字状に開口した一対の接触片を有する接続端子、及び、前記同軸ケーブルの先端面の中心部を突き刺して、前記中心導体に接触できる槍状の第1圧接刃を前記天板の端部に配置したピアシング端子を有する第1コンタクトと、相手側コンタクトを導入自在に一方の面を開口し、一対の前記接触片を内部に配置した第1収容室を有する円板部、及び、この円板部から一部が外周方向に突出した方形部を有し、一部が前記第1収容室に連通すると共に、前記接触片の突出方向から前記第1コンタクトを導入でき、前記第1コンタクトを移動自在に、前記天板を底面に載置した第2収容室を他方の面に開口した前円後方形状の第1ハウジングと、一対の前記接触片が突出する方向と同じ方向から、一方の面に向って前記円板部を収容自在な円筒部、この円筒部の外周の一部が連続して略平行に延び、前記方形部を内部に収容自在な一対の延在片を有する導電性のシェルと、を備え、前記第1ハウジングは、一端部を前記円板部の一部と屈曲自在に連結し、他端部側が前記第2収容室を閉止できる帯板状の第1リッドハウジングを有し、前記シェルは、一端部を前記円筒部の一部と屈曲自在に連結し、他端部側が前記第1リッドハウジングと連動して、前記円筒部の他方の面を閉止できる底板片を有するケーブルクランプを有し、前記方形部は、前記第2収容室に連通し、同軸ケーブルの端末を導入自在な導入穴を有し、前記第1リッドハウジングは、前記第1ハウジングの第2収容室を閉止した状態では、前記第1圧接刃の先端を前記同軸ケーブルの先端面と対向配置した状態から前記第1圧接刃が前記中心導体に突き刺す状態に前記ピアシング端子に当接して、前記第1コンタクトを移動させるカム片を内壁から突出している。
(2)本発明による同軸コネクタは、中心導体、この中心導体を包囲する誘電体、この誘電体を覆う外部導体、及び、この外部導体を被覆する絶縁シースを有し、軸方向と略直交する先端面を形成した同軸ケーブルの端末を結線する同軸コネクタであって、略矩形に形成した天板の両辺から湾曲し、相手側コンタクトを内部に導入自在に、先端部側をΩ字状に開口した一対の接触片を有する接続端子、及び、前記同軸ケーブルの先端面の中心部を突き刺して、前記中心導体に接触できる槍状の第2圧接刃を前記天板の端部に配置し、前記第2圧接刃が揺動自在なピアシング端子を有する第2コンタクトと、相手側コンタクトを導入自在に一方の面を開口し、一対の前記接触片を内部に配置した第3収容室を有する円板部、及び、この円板部から一部が外周方向に突出した方形部を有し、一部が前記第3収容室に連通すると共に、前記接触片の突出方向から前記第2コンタクトを導入でき、前記第2コンタクトの天板を底面に固定した第4収容室を他方の面に開口した前円後方形状の第2ハウジングと、一対の前記接触片が突出する方向と同じ方向から、一方の面に向って前記円板部を収容自在な円筒部、この円筒部の外周の一部が連続して略平行に延び、前記方形部を内部に収容自在な一対の延在片を有する導電性のシェルと、を備え、前記第2ハウジングは、一端部を前記円板部の一部と屈曲自在に連結し、他端部側が前記第4収容室を閉止できる帯板状の第2リッドハウジングを有し、前記シェルは、一端部を前記円筒部の一部と屈曲自在に連結し、他端部側が前記第2リッドハウジングと連動して、前記円筒部の他方の面を閉止できる底板片を有するケーブルクランプを有し、前記方形部は、前記第4収容室に連通し、同軸ケーブルの端末を導入自在な導入穴を有し、前記第2リッドハウジングは、前記第2ハウジングの第4収容室を閉止した状態では、前記第2圧接刃の先端を前記同軸ケーブルの先端面と対向配置した状態から前記第2圧接刃が前記中心導体に突き刺す状態に前記第2圧接刃の反対面に当接して、前記第2圧接刃を移動させるカム片を内壁から突出している。
(3)前記ケーブルクランプは、一対の前記延在片を介して、前記方形部を圧着自在な一対のクリンプバレルと、前記絶縁シースを圧着自在な一対のインシュレーショングリップと、を含み、前記インシュレーショングリップは、前記絶縁シースを外周方向から突き刺して、前記外部導体に接触できる帯状のブレードを内壁に形成していることが好ましい。
本発明による同軸コネクタは、軸方向と略直交する先端面を有する同軸ケーブルの端末を端部に保持したハウジング、このハウジングの中央部に載置し、同軸ケーブルの中心導体に突き刺し自在なピアシング端子を有し、同軸ケーブルの先端面に向って移動自在なコンタクト、及び、ハウジングを保持すると共に、ハウジングの開口を閉止できるケーブルクランプを有するシェルを備え、ハウジングには、コンタクトを覆うリッドハウジングを設け、リッドハウジングには、コンタクトに向かって傾倒した状態で、ピアシング端子を同軸ケーブルの中心導体に向かって移動させるカム片を配置しているので、同軸ケーブルの端末処理を簡易にできる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[第1実施形態]
(同軸コネクタの構成)
最初に、本発明の第1実施形態による同軸コネクタの構成を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、同軸ケーブルの端末を同軸コネクタに結線する前の状態図である。
図2は、第1実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、同軸ケーブルの端末を同軸コネクタに結線する前の状態を図1と異なる方向から観ている。
図3は、第1実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視分解組立図である。図4は、第1実施形態による同軸コネクタの構成を示す正面図である。図5は、第1実施形態による同軸コネクタの構成を示す背面図である。
図6は、第1実施形態による同軸コネクタの構成を示す右側面図である。図7は、第1実施形態による同軸コネクタの構成を示す平面図である。図8は、第1実施形態による同軸コネクタの構成を示す下面図である。
図9は、第1実施形態による同軸コネクタに備わる第1コンタクトの構成を示す斜視図であり、図9(A)は、第1コンタクトを背面側から観た状態図、図9(B)は、第1コンタクトを正面側から観た状態図である。
図10は、第1実施形態による同軸コネクタに備わる第1コンタクトの構成を示す図であり、図10(A)は、第1コンタクトの平面図、図10(B)は、第1コンタクトの正面図、図10(C)は、第1コンタクトの右側面図、図10(D)は、第1コンタクトの背面図、図10(E)は、第1コンタクトの下面図である。
図11は、第1実施形態による同軸コネクタに備わる第1ハウジングの構成を示す斜視図であり、図11(A)は、第1ハウジングを上面側から観た状態図、図11(B)は、第1ハウジングを下面側から観た状態図である。
図12は、第1実施形態による同軸コネクタに備わる第1ハウジングの構成を示す図であり、図11(A)は、第1ハウジングの平面図、図11(B)は、第1ハウジングの正面図、図11(C)は、第1ハウジングの右側面図、図11(D)は、第1ハウジングの背面図、図11(E)は、第1ハウジングの下面図である。
図13は、第1実施形態による同軸コネクタに備わるシェルの構成を示す図であり、図13(A)は、シェルの平面図、図13(B)は、シェルの正面図、図13(C)は、シェルの右側面図、図13(D)は、シェルの背面図、図13(E)は、シェルの下面図である。
図14は、第1実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、第1リッドハウジングに設けたカム片が傾倒した状態図である。
図15は、第1実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、ケーブルクランプが同軸ケーブルをクランプした状態を上面側から観た図である。図16は、第1実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、ケーブルクランプが同軸ケーブルをクランプした状態を下面側から観た図である。
図17は、第1実施形態による同軸コネクタの構成を示す下面図であり、ケーブルクランプが同軸ケーブルをクランプした状態図である。図18は、第1実施形態による同軸コネクタの構成を示す平面図であり、ケーブルクランプが同軸ケーブルをクランプした状態図である。
図19は、第1実施形態による同軸コネクタと相手側コネクタが接続した状態を示す斜視図である。図20は、第1実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、相手側コネクタを対向配置した状態図である。図21は、第1実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、相手側コネクタを対向配置した状態を下面側から観た図である。
図22は、第1実施形態による同軸コネクタの構成を示す縦断面図であり、第1リッドハウジング及びシェルを開いた状態図である。
図23は、第1実施形態による同軸コネクタの構成を示す縦断面図であり、第1リッドハウジング及びシェルを開いた状態図である。
図24は、第1実施形態による同軸コネクタの構成を示す縦断面図であり、第1リッドハウジング及びシェルを閉じた状態図である。
なお、従来技術で用いた符号と同じ符号を付した構成品は、その作用を同じとするので、以下説明を省略する場合がある。
(全体構成)
図1から図24を参照すると、本発明の第1実施形態による同軸コネクタ10は、同軸ケーブルCbの端末を結線できる。同軸ケーブルCbは、中心導体Wc、中心導体Wcを包囲する誘電体Di、誘電体Diを覆う編組線などの外部導体Wb、及び、外部導体Wbを被覆する絶縁シースWiを有している。又、同軸ケーブルCbは、軸方向と略直交する先端面を形成している。
図1から図24を参照すると、同軸コネクタ10は、ピアシング型の第1コンタクト1、前円後方形状の第1ハウジング3、及び、導電性のシェル5を備えている。第1ハウジング3は、帯板状の第1リッドハウジング31を有している。シェル5は、ケーブルクランプ51を有している。
図10又は図19から図21を参照すると、第1コンタクト1は、リセプタクル8の中心部に配置した円筒状の中心コンタクト81(相手側コンタクト)と、同軸ケーブルCbを電気的に接続できる。
図9又は図10を参照すると、第1コンタクト1は、接続端子11とピアシング端子12を備えている。接続端子11は、略矩形に形成した天板11tと一対の接触片11s・11sを有している。一対の接触片11s・11sは、天板11tの両辺から湾曲し、先端部側をΩ字状に開口している。一対の接触片11s・11sは、中心コンタクト81を内部に導入できる(図20参照)。
図9又は図10を参照すると、一対の接触片11s・11sは、対向配置された一対の接点111・111を接触片11s・11sの先端部に有している。一対の接点111・111は、中心コンタクト81の外周に接触できる(図20参照)。
図9又は図10を参照すると、ピアシング端子12は、天板11tの前端部から起立した起立片12sを有している。又、ピアシング端子12は、槍状の第1圧接刃12pを有している。第1圧接刃12pは、起立片12sの先端部から、天板11tと反対側に突出している。又、第1圧接刃12pの基端部には、一対の段差12d.12dを形成している。
図22を参照して、第1圧接刃12pの先端を同軸ケーブルCbの先端面と対向配置した状態から、第1コンタクト1を同軸ケーブルCbの先端面に向って移動すると、第1圧接刃12pを中心導体Wcに突き刺すことができる(図23参照)。そして、ピアシング端子12を中心導体Wcに接触できる。
図9又は図10を参照すると、第1コンタクト1は、導電性を有する金属板からなることが好ましく、導電性を有する金属板を打ち抜き加工することで、所望の形状のピアシング型のコンタクトを得ることができる。第1コンタクト1は、銅合金からなることが好ましいが、銅合金に限定されない。
図11又は図12を参照すると、第1ハウジング3は、円板部32と方形部33を有している。方形部33は、円板部32からその一部が外周方向に突出している。円板部32は、第1収容室321を中心部に有している(図11(B)又は図12(E)参照)。
図4又は図21を参照すると、第1収容室321は、中心コンタクト81を導入自在に、第1ハウジング3の一方の面を矩形に開口している。そして、第1収容室321には、一対の接触片11s・11sを内部に配置している(図4又は図21参照)。
又、図1から図3及び図11(A)又は図12(A)を参照すると、円板部32は、第2収容室322を他方の面に矩形に開口している。第2収容室322は、その一部が第1収容室321に連通している。
図3を参照すると、第2収容室322には、一対の接触片11s・11sの突出方向から第1コンタクト1を導入できる。そして、天板11tを第2収容室322の底面に載置できる。図22又は図23を参照して、第1コンタクト1を第2収容室322に収容した状態では、第1圧接刃12pが進退する運動のみに規制されている。
図3又は図11(A)及び図12(B)を参照すると、方形部33は、導入穴33hを開口している。導入穴33hには、同軸ケーブルCbの端末を導入できる(図1から図3参照)。又、導入穴33hは、第2収容室322に連通している。
図1から図3又は図11を参照すると、第1リッドハウジング31は、その一端部を円板部32の一部と屈曲自在にヒンジ31hで連結している。そして、第1リッドハウジング31は、その他端部側が第2収容室322を閉止できる(図14参照)。
図1から図8又は図13を参照すると、シェル5は、円筒部52と一対の延在片53・53を有している。円筒部52には、一対の接触片11s・11sが突出する方向と同じ方向から、円筒部52の一方の面に向って、円板部32を収容できる(図1から図3参照)。
図1から図3又は図13を参照すると、一対の延在片53・53は、円筒部52の外周の一部が連続して略平行に延びている。そして、一対の延在片53・53には、その内部に方形部33を収容できる(図1から図3参照)。
図1から図8又は図13を参照すると、ケーブルクランプ51は、底板片511を有している。底板片511は、その一端部を円筒部52の一部と屈曲自在にヒンジ51hで連結している。又、底板片511は、その他端部側が第1リッドハウジング31と連動して、シェル5の他方の面を閉止できる(図15又は図24参照)。
図1から図3及び図11(A)又は図12を参照すると、第1リッドハウジング31は、カム片31cを内壁から突出している。第1リッドハウジング31が第1ハウジング3の第2収容室322を閉止した状態では(図23参照)、カム片31cは、第1圧接刃12pの先端を同軸ケーブルCbの先端面と対向配置した状態から(図23参照)、第1圧接刃12pが中心導体Wcに突き刺す状態に(図24参照)、ピアシング端子12に当接して、第1コンタクト1を移動させることができる。
図1から図24を参照すると、同軸コネクタ10は、軸方向と略直交する先端面を有する同軸ケーブルCbの端末を端部に保持した第1ハウジング3、第1ハウジング3の中央部に載置し、同軸ケーブルCbの中心導体Wcに突き刺し自在なピアシング端子12を有し、同軸ケーブルCbの先端面に向って移動自在な第1コンタクト1、及び、第1ハウジング3を保持すると共に、第1ハウジング3の開口を閉止できるケーブルクランプ51を有するシェル5を備え、第1ハウジング3には、第1コンタクト1を覆う第1リッドハウジング31を設け、第1リッドハウジング31には、第1コンタクト1に向かって傾倒した状態で、ピアシング端子12を同軸ケーブルCbの中心導体Wcに向かって移動させるカム片31cを配置しているので、同軸ケーブルCbの端末処理を簡易にできる。
(第1ハウジング及び第1リッドハウジングの構成)
次に、実施形態による第1ハウジング3及び第1リッドハウジング31の構成を説明する。図11又は図12を参照すると、第1ハウジング3及び第1リッドハウジング31は、絶縁性を有する合成樹脂からなることが好ましく、絶縁性を有する合成樹脂を成形して所望の形状の第1リッドハウジング31付き第1ハウジング3を得ることができる。
図3又は図11及び図2を参照すると、第2収容室322には、その底面に天板11tを載置できる。図22又は図23を参照して、天板11tを第2収容室322の底面に載置した状態では、第1圧接刃12pが進退する運動のみに規制されている。
図12を参照すると、第1ハウジング3は、一対の停止壁32w・32wを導入穴33hの奥部に形成している。同軸ケーブルCbの端末を導入穴33hに導入し、同軸ケーブルCbの先端面を一対の停止壁32w・32wに当接することで、同軸ケーブルCbの挿入長を規定できる。
(シェル及びケーブルクランプの構成)
次に、実施形態によるシェル5及びケーブルクランプ51の構成を説明する。図1から図8及び図13を参照して、シェル5及びケーブルクランプ51は、導電性を有する金属板からなり、所定の外形に加工された導電性を有する展開板を成形加工して、所望の形状のケーブルクランプ51付きシェル5を得ることが好ましい。
図1から図8及び図13を参照して、シェル5は、導電性を有する展開板を折り曲げ加工して、円筒部52と一対の延在片53・53を成形することが好ましい。又、ケーブルクランプ51には、一対のクリンプバレル51c・51c、及び一対のインシュレーショングリップ51i・51iを開口した状態で、折り曲げ成形しておくことが好ましい。更に、一対のインシュレーショングリップ51i・51iには、帯状のブレード51bを内壁に形成しておくことが好ましい。
図1から図8及び図13を参照すると、一対のクリンプバレル51c・51cは、一対の延在片53・53を介して、方形部33を圧着できる(図15又は図16参照)。これにより、底板片511が第1リッドハウジング31と連動して、シェル5の他方の面を閉止した状態を維持できる。
図1から図8及び図13を参照すると、一対のインシュレーショングリップ51i・51iは、絶縁シースWiを圧着できる。そして、一対のインシュレーショングリップ51i・51iは、同軸ケーブルCbの端末に同軸コネクタ10を固定できる。
図1から図8及び図13を参照して、一対のインシュレーショングリップ51i・51iを同軸ケーブルCbの端末に圧着すると、ブレード51bが絶縁シースWiを突き刺して、ブレード51bを外部導体Wbに接触できる。そして、シェル5と外部導体Wbを電気的に接続できる。
(同軸コネクタの作用)
次に、第1実施形態による同軸コネクタ10の組立順序を説明しながら、第1実施形態による同軸コネクタ10の作用及び効果を説明する。
最初に、図3を参照して、第1コンタクト1を第1ハウジング3に挿入しておく。次に、図3を参照して、第1コンタクト1付き第1ハウジング3をシェル5の一方の面からシェル5に挿入する(図1又は図2参照)。これにより、シェル5は、第1コンタクト1付き第1ハウジング3を保持できる。
次に、図3を参照して、同軸ケーブルCbの端末を第1コンタクト1の導入穴33hに挿入する(図22参照)。次に、図22に示すように、シェル5の円筒部52に対して、ケーブルクランプ51が起立した状態から、シェル5の他方の面に向って、ケーブルクランプ51を屈曲する(図24参照)。
次に、図24を参照して、ケーブルクランプ51の底板片511がシェル5の他方の面を閉鎖した状態では、第1リッドハウジング31のカム片31cが第1コンタクト1を移動させることで、第1圧接刃12pの先端を同軸ケーブルCbの中心導体Wcに突き刺すことができる。これにより、第1コンタクト1と同軸ケーブルCbの中心導体Wcを電気的に接続できる。
次に、図1から図8及び図13を参照して、一対のインシュレーショングリップ51i・51iを同軸ケーブルCbの端末に圧着することで、ブレード51bが絶縁シースWiを突き刺して、ブレード51bを外部導体Wbに接触できる。そして、シェル5と外部導体Wbを電気的に接続できる。そして、一連の組立作業を終了する。
図1から図24を参照すると、同軸コネクタ10は、軸方向と略直交する先端面を有する同軸ケーブルCbの端末を端部に保持した第1ハウジング3、第1ハウジング3の中央部に載置し、同軸ケーブルCbの中心導体Wcに突き刺し自在なピアシング端子12を有し、同軸ケーブルCbの先端面に向って移動自在な第1コンタクト1、及び、第1ハウジング3を保持すると共に、第1ハウジング3の開口を閉止できるケーブルクランプ51を有するシェル5を備え、第1ハウジング3には、第1コンタクト1を覆う第1リッドハウジング31を設け、第1リッドハウジング31には、第1コンタクト1に向かって傾倒した状態で、ピアシング端子12を同軸ケーブルCbの中心導体Wcに向かって移動させるカム片31cを配置しているので、同軸ケーブルCbの端末処理を簡易にできる。
[第2実施形態]
(同軸コネクタの構成)
次に、本発明の第2実施形態による同軸コネクタの構成を説明する。
図25は、本発明の第2実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視断面図であり、第2リッドハウジングを開いた状態図である。
図26は、第2実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視断面図であり、図26(A)は、第2リッドハウジングを閉じた状態図、図26(B)は、図26(A)の要部を拡大した図である。なお、図25及び図26では、シェル5の図示を省略している。
図25又は図26を参照すると、本発明の第2実施形態による同軸コネクタ20は、同軸ケーブルCbの端末を結線できる。同軸ケーブルCbは、中心導体Wc、中心導体Wcを包囲する誘電体Di、誘電体Diを覆う編組線などの外部導体Wb、及び、外部導体Wbを被覆する絶縁シースWiを有している。又、同軸ケーブルCbは、軸方向と略直交する先端面を形成している。
図25又は図26を参照すると、同軸コネクタ20は、ピアシング型の第2コンタクト2、前円後方形状の第2ハウジング4、及び、導電性のシェル5を備えている。第2ハウジング4は、帯板状の第2リッドハウジング41を有している。シェル5は、ケーブルクランプ51を有している。
図25又は図26を参照すると、第2コンタクト2は、リセプタクル8の中心部に配置した円筒状の中心コンタクト81と、同軸ケーブルCbを電気的に接続できる(図20参照)。
図25又は図26を参照すると、第2コンタクト2は、接続端子21とピアシング端子22を備えている。接続端子21は、略矩形に形成した天板21tと一対の接触片21s・21sを有している。一対の接触片21s・21sは、天板21tの両辺から湾曲し、先端部側をΩ字状に開口している。一対の接触片21s・21sは、中心コンタクト81を内部に導入できる(図20参照)。
図25又は図26を参照すると、ピアシング端子22は、天板21tの前端部から起立した起立片22sを有している。又、ピアシング端子22は、槍状の第2圧接刃22pを有している。第2圧接刃22pは、起立片22sの先端部から、天板21tと反対側に突出している。又、第2圧接刃22pは、揺動自在に構成している。
図25を参照して、第2圧接刃22pの先端を同軸ケーブルCbの先端面と対向配置した状態から、第2圧接刃22pの反対面から第2圧接刃22pを押すと、第2圧接刃22pを中心導体Wcに突き刺すことができる(図26参照)。そして、ピアシング端子22を中心導体Wcに接触できる。
図25又は図26を参照すると、第2ハウジング4は、円板部42と方形部43を有している。方形部43は、円板部42からその一部が外周方向に突出している。円板部42は、第3収容室421を中心部に有している。
図25又は図26を参照すると、第3収容室421は、中心コンタクト81を導入自在に、第2ハウジング4の一方の面を矩形に開口している(図20参照)。そして、第3収容室421には、一対の接触片21s・21sを内部に配置している。
又、図25又は図26を参照すると、円板部42は、第4収容室422を他方の面に矩形に開口している。第4収容室422は、その一部が第3収容室421に連通している。
図25を参照すると、第4収容室422には、一対の接触片21s・21sの突出方向から第2コンタクト2を導入できる。そして、天板21tを第4収容室422の底面に載置できる。第2コンタクト2を第4収容室422に収容した状態では、第2圧接刃22pが揺動自在に配置されている。
図25又は図26を参照すると、方形部43は、導入穴43hを開口している。導入穴43hには、同軸ケーブルCbの端末を導入できる。又、導入穴43hは、第4収容室422に連通している。
図26(A)を参照すると、第2リッドハウジング41は、その一端部を円板部42の一部と屈曲自在にヒンジ41hで連結している。そして、第2リッドハウジング41は、その他端部側が第4収容室422を閉止できる。
図13を参照して、ケーブルクランプ51の底板片511は、その他端部側が第2リッドハウジング41と連動して、シェル5の他方の面を閉止できる。
図25又は図26を参照すると、第2リッドハウジング41は、カム片41cを内壁から突出している。第2リッドハウジング41が第2ハウジング4の第4収容室422を閉止した状態では(図26(A)参照)、カム片41cは、第2圧接刃22pの先端を同軸ケーブルCbの先端面と対向配置した状態から(図25参照)、第2圧接刃22pが中心導体Wcに突き刺す状態に(図26(B)参照)、第2圧接刃22pの反対面に当接して、第2圧接刃22pを移動させることができる。
(同軸コネクタの作用)
次に、第2実施形態による同軸コネクタ20の作用及び効果を説明する。図1から図24を参照すると共に、図25又は図26を参照すると、同軸コネクタ20は、軸方向と略直交する先端面を有する同軸ケーブルCbの端末を端部に保持した第2ハウジング4、第2ハウジング4の中央部に載置し、同軸ケーブルCbの中心導体Wcに突き刺し自在なピアシング端子22を有し、同軸ケーブルCbの先端面に向って移動自在な第2コンタクト2、及び、第2ハウジング4を保持すると共に、第2ハウジング4の開口を閉止できるケーブルクランプ51を有するシェル5を備え、第2ハウジング4には、第2コンタクト2を覆う第2リッドハウジング41を設け、第2リッドハウジング41には、第2コンタクト2に向かって傾倒した状態で、第2圧接刃22pを同軸ケーブルCbの中心導体Wcに向かって移動させるカム片41cを配置しているので、同軸ケーブルCbの端末処理を簡易にできる。