JP6792040B1 - 熱分析装置、試料ホルダ組立体及び熱分析方法 - Google Patents

熱分析装置、試料ホルダ組立体及び熱分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】温度センサ等が破損した場合の交換作業を簡素化しつつDSC測定及びTG測定が可能な熱分析装置、試料ホルダ組立体及び熱分析方法を提供する。【解決手段】本開示に係る熱分析装置100は、着脱自在に装着される試料ホルダ組立体110と、着脱自在に装着される第1試料台221及び第2試料台222と、試料ホルダ組立体110等を加熱する加熱部(加熱炉20)と、温度制御部400と、試料と参照物質の温度差を検出可能な温度測定部300と、試料と参照物質の重量差を測定する重量測定部(天秤103)とを備え、試料ホルダ組立体110は、試料を載せる第1試料ホルダ121及び参照物質を載せる第2試料ホルダ122と、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122のそれぞれと所定の熱抵抗を有する部材で結合されたヒートシンク123とを有し、温度差又は重量差の測定を行うことを特徴とする。【選択図】図2A

Description

本開示は、温度変化に対する物質の重量変化及び吸発熱を解析するための熱分析装置、試料ホルダ組立体及び熱分析方法に関するものである。
試料の温度を変化させながら、重量変化、及び吸発熱量を定量化することにより、当該試料の熱分解反応等の解析を行う手法の開発が進められている。このうち、熱重量測定(Thermogravimetry、以下、「TG」と記す)は、試料の耐熱性評価及び分解反応の解析等に一般的に用いられている手法であり、試料の温度を変化させながら当該試料の重量変化を測定するものである。この測定は、熱重量測定装置によって行うことができる。また、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry、以下、「DSC」と記す)は試料の融解、相転移に伴う温度及びエンタルピー変化(融解熱、転移熱)等をとらえる手法であり、ガラス転移、硬化反応等各種反応の温度や反応熱等を定量化することができる。このDSCは、示差走査熱量計によって測定することができる。
このDSCと類似する手法に、試料の温度を変化させながら、相転移及び反応等に伴う参照物質に対する試料の相対温度変化を測定する示差熱分析(Differential Thermal Analysis、以下「DTA」と記す)がある。DSCでは装置の構成上ヒートシンクが設けられ、試料とヒートシンクとの間で移動する熱量の測定により吸発熱量の定量化が可能である。一方、DTAでは試料の転移温度等は測定できるものの、転移熱等の吸発熱量の測定は構造上難しいとされている。
ここで、DSCの原理について図11を用いて説明する。図11は、一般的な示差走査熱量計の構成を示す図である。試料を載せた試料容器と、参照物質を載せた試料容器とが、所定の熱抵抗を有する連結部材を介してヒートシンクに固定されている。試料と参照物質は、加熱コイルを備えた炉の中に配置され、図示しない制御部により炉の内部の温度が制御される。示差熱電対は、試料の温度Tと参照物質の温度Tの温度差ΔTを測定するために設けられ、両端の電圧VSRを熱電対材質に固有のゼーベック係数で除算することによりΔTを算出する。
ヒートシンクの温度をTとすると、ヒートシンクから試料に単位時間あたりに流れる熱量である熱流dq/dtは、数式(1)で表される。
ここで、Rは試料とヒートシンクとの間の熱抵抗である。
同様に、ヒートシンクから参照物質に流れる熱流dq/dtは、数式(2)で表される。
よって、ヒートシンクから参照物質及び試料に流れる熱流差dΔq/dtとΔTとの関係は、数式(1)から数式(2)を減算した数式(3)により表すことができる。
図12A、図12Bは、試料の吸熱反応時のDSCの結果を示している。図12Aに示すように時刻tからtの間で試料温度Tの上昇が停滞し、図12Bに示すように、試料と参照物質との間に温度差のピークΔTが生じている。なお、ここでいうピークΔTは、吸熱反応開始前の温度差と、吸収する熱流が最大となるときの温度差との差分である。数式(3)の両辺を時刻tからtの間で積分すると、以下の数式(4)が得られる。
数式(4)の左辺は、時刻tからtの間における試料の吸熱量Qであり、右辺の
は図12A、図12Bの斜線で示したピーク部分の面積である。従って、ピーク部分の面積は、試料の吸熱量Qに比例する。
なお、温度差ΔTから試料が吸収する熱流dΔq/dtを求めるための数式(3)の係数Rは、例えば融解による吸熱量Qが既知の物質に対してDSCを行い、得られた温度差ΔTのピーク部分の面積と吸熱量Qとの関係から算出することができる。
一方、DTAは、DSCにおけるヒートシンクに相当する構成を有しておらず、吸熱のピークから転移温度等を知ることができるものの、温度差ΔTから吸熱量Qへの換算を行うことができない。
近年は、上記のTGと、DSC又はDTAとの同時測定を行うための装置の開発がすすめられている。例えば、試料からの溶媒蒸発や熱分解に伴う重量変化をTGでとらえると同時に、その際の吸発熱現象をDSCまたはDTAでとらえるといった分析が可能になっている。これらの分析及び対応する装置は、TG−DSC又はTG−DTAと呼ばれている。また、これらの分析は、STA(Simultaneous Thermal Analysis)とも呼ばれる。
TG−DSCの代表的な構成は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の熱分析装置は、天秤機構から上方に延びた1本の支持棒の先端に、試料と参照物質とを搭載可能なサンプルホルダを設けたものである。このサンプルホルダは、試料を載せる試料容器及び参照物質を載せる試料容器をヒートシンクの上に搭載している。従って、ヒートシンクを介して試料と参照物質との間の熱流差を検知するDSCの構成を採用している。
また、改良されたTG−DSCとして、特許文献2には、試料側と参照物質側とを機構的に独立させて、温度変化させた場合の浮力及び対流等が重量測定値に影響を与えないようにすると共に、ヒートシンクを設けて試料と参照物質との熱流差を測定可能とした熱分析装置が開示されている。
一方、TG−DTAの代表的な構成は、例えば特許文献3、及び特許文献4に開示されている。特許文献3は、縦型差動型天秤の垂直支持棒部に設置された受け皿上の試料と参照物質との重量差及び温度差を測定可能な熱重量検出装置(TG−DTA)を開示する。試料と参照物質との温度差の測定によりDTAが可能であるものの、試料と参照物質との熱流差測定のためのヒートシンクを有しておらず、DSCの構成を有していない。
特許文献4は、水平型差動型天秤の水平方向に延びる2本のビーム先端に設けられた各ホルダに載せた試料と参照物質との重量差及び温度差を測定可能な熱分析装置(TG−DTA)を開示する。試料と参照物質との温度差の測定によりDTAが可能であるものの、試料と参照物質との熱流差測定のためのヒートシンクを有しておらず、特許文献3と同様にDSCの構成を有していない。
欧州特許第0405153号公報 特許第5933653号公報 特許第3127043号公報 特許第3241427号公報
ところで、特許文献1に記載のTG−DSCでは、TGとDSCの同時測定が可能であるが、TGにおいて試料と参照物質とを載せない状態で測定を一度行い(ブランク測定)、試料測定の後にブランク測定のデータを差し引いて、浮力及び対流の影響をキャンセルする必要がある。また、試料が吹きこぼれて温度センサ等が破損した場合、試料ホルダ及び温度センサのみではなくビームごと交換する必要があるため、交換作業が煩雑になり、かかる費用も高額となる場合があった。
特許文献2に記載のTG−DSCでは、ブランク測定の必要はないものの、試料が吹きこぼれて温度センサ等が破損した場合、特許文献1と同様にビームごと交換する必要があった。
また、特許文献3及び4に記載のTG−DTAは、共に差動型天秤を用いているため、試料側と参照物質側とを機構的に独立させる必要がある。そのため、試料と参照物質との熱流差を測定するためのヒートシンクを設けることができず、DSCの構成とすることが難しかった。また、試料が吹きこぼれて温度センサ等が破損した場合、特許文献1,2と同様にビームごと交換する必要があった。
かかる点に鑑みてなされた本開示の目的は、温度センサ等が破損した場合の交換作業を簡素化しつつTG及びDSCが可能な熱分析装置、試料ホルダ組立体及び熱分析方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本開示に係る熱分析装置は、
上下方向に延びる2本のビームと、
前記2本のビームの上端部に着脱自在に装着される試料ホルダ組立体と、
該試料ホルダ組立体に代えて該2本のビームそれぞれの上端部に着脱自在に装着される第1試料台及び第2試料台と、
前記試料ホルダ組立体、又は前記第1試料台及び前記第2試料台を加熱する加熱部と、
該加熱部の温度を制御する温度制御部と、
前記2本のビームの上端部の温度差を検出可能な温度測定部と、
前記2本のビームを保持し、前記第1試料台上の試料と前記第2試料台上の参照物質の重量差を測定する重量測定部と
を備え、
前記試料ホルダ組立体は、
試料を載せる第1試料ホルダ及び参照物質を載せる第2試料ホルダと、
該第1試料ホルダ及び該第2試料ホルダのそれぞれと所定の熱抵抗を有する部材で結合されたヒートシンクと
を有し、
前記試料ホルダ組立体が前記2本のビームの上端部に装着されたとき、前記第1試料ホルダ及び前記第2試料ホルダが前記2本のビームそれぞれの上端部に当接し、
前記温度制御部により前記加熱部の温度を変化させながら、前記温度差及び前記重量差の少なくとも一方の測定を行うことを特徴とする。
また、本開示に係る熱分析装置は、上記構成において、前記ヒートシンクは、平面視において前記第1試料ホルダ及び前記第2試料ホルダの周囲を囲むように配置されていることが好ましい。
また、本開示に係る熱分析装置は、上記構成において、前記所定の熱抵抗を有する部材は、前記第1試料ホルダ及び前記第2試料ホルダから径方向外側に延びる径方向内側アーム部と、該径方向内側アーム部の外端部に連結され周方向に延びる周方向アーム部と、該周方向アーム部と前記ヒートシンクとを連結し径方向に延びる径方向外側アーム部とを備えることが好ましい。
また、本開示に係る熱分析装置は、上記構成において、前記径方向外側アーム部は、一の前記径方向内側アーム部と他の前記径方向内側アーム部との間の周方向位置に配置されていることが好ましい。
また、本開示に係る熱分析装置は、上記構成において、前記第1試料ホルダ、前記第2試料ホルダ及び前記ヒートシンクは、前記2本のビームを貫通させる貫通穴を有する基板上に固定されていることが好ましい。
また、本開示に係る熱分析装置は、上記構成において、前記温度測定部は、前記2本のビームの上端部に各々接続された第1金属製の熱電対素線と、前記2本のビームの一方のビームの上端部に接続された第2金属製の熱電対素線とを有し、前記所定の熱抵抗を有する部材及び前記ヒートシンクは前記第2金属製の部材であることが好ましい。
また、本開示に係る熱分析装置は、上記構成において、前記第1金属は白金であり、前記第2金属は白金ロジウム合金であることが好ましい。
また、本開示に係る熱分析装置は、上記構成において、前記第1金属は白金ロジウム合金であり、前記第2金属は白金であることが好ましい。
また、上記課題を解決するため、本開示に係る試料ホルダ組立体は、
第1試料ホルダ及び第2試料ホルダと、
該第1試料ホルダ及び該第2試料ホルダのそれぞれと所定の熱抵抗を有する部材で結合されたヒートシンクと、
前記第1試料ホルダ、前記第2試料ホルダ及び該ヒートシンクを固定する基板と
を備え、
該基板における前記第1試料ホルダ及び前記第2試料ホルダの下方には、それぞれ貫通穴が形成されていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、本開示に係る熱分析方法は、
上下方向に延びる2本のビームと、
前記2本のビームの上端部に着脱自在に装着される試料ホルダ組立体と、
該試料ホルダ組立体に代えて該2本のビームそれぞれの上端部に着脱自在に装着される第1試料台及び第2試料台と、
前記試料ホルダ組立体、又は前記第1試料台及び前記第2試料台を加熱する加熱部と
を備え、
前記試料ホルダ組立体は、
試料を載せる第1試料ホルダ及び参照物質を載せる第2試料ホルダと、
該第1試料ホルダ及び該第2試料ホルダのそれぞれと所定の熱抵抗を有する部材で結合されたヒートシンクと
を有し、
前記試料ホルダ組立体が前記2本のビームの上端部に装着されたとき、前記第1試料ホルダ及び前記第2試料ホルダが前記2本のビームそれぞれの上端部に当接する熱分析装置による熱分析方法であって、
前記2本のビームに前記試料ホルダ組立体を装着すると共に、前記加熱部の温度を変化させながら、前記2本のビームの上端部の温度差を測定するステップと、
前記2本のビームに前記第1試料台及び前記第2試料台を装着すると共に、前記加熱部の温度を変化させながら、前記第1試料台上の試料と、前記第2試料台上の参照物質との重量差を測定するステップと
を含むことを特徴とする。
本開示によれば、温度センサ等が破損した場合の交換作業を簡素化しつつTG及びDSCが可能な熱分析装置、試料ホルダ組立体及び熱分析方法を提供することができる。
本開示の一実施形態に係る熱分析装置の機構部分の構成(試料ホルダ組立体を装着したとき)を示す図である。 本開示の一実施形態に係る熱分析装置を構成する試料ホルダ組立体の平面図である。 本開示の一実施形態に係る熱分析装置を構成する試料ホルダ組立体の正面図である。 本開示の一実施形態に係る熱分析装置を構成する試料ホルダ組立体の側面図である。 本開示の一実施形態に係る熱分析装置を構成するビーム及び熱電対の構成を示す正面図である。 本開示の一実施形態に係る熱分析装置を構成する試料ホルダ組立体を加熱炉内に配置した状態を示す平面一部断面図である。 本開示の一実施形態に係る熱分析装置を構成する第1試料台及び第2試料台の平面図である。 本開示の一実施形態に係る熱分析装置を構成する第1試料台及び第2試料台の正面図である。 本開示の一実施形態に係る熱分析装置を構成する天秤制御部のブロック図である。 本開示の一実施形態に係る熱分析装置を構成する温度測定部の構成図である。 本開示の一実施形態に係る熱分析装置を構成する試料ホルダ組立体を加熱炉断面と共に示す正面断面図である。 本開示の一実施形態に係る熱分析装置を構成する加熱炉の温度制御を行う温度制御部のブロック図である。 本開示の一実施形態に係る熱分析方法を実施する手順を示すフローチャートである。 従来のDSCの構成例を示す図である。 従来のDSCにより得られる、時刻と試料温度T、参照物質温度T及びヒートシンク温度Tとの関係を示す図である。 従来のDSCにより得られる、時刻と温度差ΔTとの関係を示す図である。
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本開示の一実施形態に係る熱分析装置100の機構部分の構成を示す図である。本実施形態に係る熱分析装置100は、示差走査熱量測定(DSC)に用いる試料ホルダ組立体110と、試料ホルダ組立体110に代えて装着し熱重量測定(TG)に用いる第1試料台221及び第2試料台222(図5A及び図5B参照)と、試料ホルダ組立体110、又は第1試料台221及び第2試料台222を支持するビーム7,8と、試料と参照物質の重量差を測定する天秤103とを備える。なお、熱分析装置100は、更に加熱炉20、天秤制御部200、温度測定部300、及び温度制御部400を備えるが、これらについては後述する。
まず、試料ホルダ組立体110について説明する。
図2Aから図2Cは、本実施形態の熱分析装置100を構成する試料ホルダ組立体110を示す図である。試料ホルダ組立体110は、試料を載せる試料容器101と、参照物質を載せる参照物質容器102と、試料容器101を載せる第1試料ホルダ121及び参照物質容器102を載せる第2試料ホルダ122を備えた試料台120と、試料台120をビーム7,8の上端部に支持するための基板130とを備えている。
試料容器101及び参照物質容器102は、図2Bから図2Cに示すように有底筒状形状を有しており、試料台120に設けられた第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122にそれぞれ載せられている。なお、図1及び図2Aでは試料容器101及び参照物質容器102の図示を省略している。第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122は、試料容器101及び参照物質容器102を確実に載置でき、ヒートシンク123と適切な熱抵抗で連結されていればよく、その外径は、試料容器101及び参照物質容器102の外径以上であることが好ましい。例えば、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122、並びに試料容器101及び参照物質容器102の外径は、いずれもΦ5.2mmとすることができる。試料容器101及び参照物質容器102の材質は、測定温度条件等を考慮し、例えばアルミナ、白金、白金ロジウム合金、石英ガラス、アルミニウム、酸化マグネシウム(MgO)、酸化イットリウム(Y)、金(Au)、銀(Ag)、グラファイト、窒化ホウ素(BN)、モリブデン(MO)、酸化ジルコニウム(ZrO)製とすることができる。試料容器101及び参照物質容器102は、同一形状であり且つ同一材料で形成されていることが好ましい。
試料台120は、図2Aから図2Cに示すように、試料容器101及び参照物質容器102をそれぞれ載せる平面視で略円形状を有する第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122と、平面視において第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122を径方向外側から囲むヒートシンク123と、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122とヒートシンク123とを所定の熱抵抗で連結するアーム部124と、試料台120を基板130に固定する脚部128とを備えている。なお、図2Aでは試料容器101及び参照物質容器102の図示を省略している。
第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122は、試料台120内の同一平面上に並べて配置されており、試料ホルダ組立体110をビーム7,8の上端部に装着したとき、図2Aから図2Cに示すように、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122の下面は、それぞれビーム7,8の上端部に当接する。第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122は、平面視において径方向外側からヒートシンク123により囲まれており、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122とヒートシンク123とは、所定の熱抵抗を有するアーム部124によって連結されている。
アーム部124は、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122から径方向外側へと延びる径方向内側アーム部125aと、径方向内側アーム部125aの外端部に連結され周方向に延びる周方向アーム部126と、周方向アーム部126とヒートシンク123とを連結し径方向に延びる径方向外側アーム部125bとを備えている。このような構成によって、試料及び参照物質からの熱を周方向になるべく偏ることなくヒートシンク123に伝えることができる。
図2Aに示すように、径方向外側アーム部125bは、一の径方向内側アーム部125aと他の一の径方向内側アーム部125aとの間の周方向位置に設けられている。このような構成によって、第1試料ホルダ121又は第2試料ホルダ122から、径方向内側アーム部125a、周方向アーム部126及び径方向外側アーム部125bを通ってヒートシンク123に至る熱伝導経路長を長くすることができる。従って、限られたスペース内でアーム部124の熱抵抗を大きくすることができる。このアーム部124の熱抵抗により、数式(3)における熱抵抗Rが決定される。
本実施形態では、試料容器101及び参照物質容器102の外形を平面視で略円形状となるように形成し、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122、アーム部124もそれに合わせて同心状に形成するように構成したが、この態様には限定されない。試料容器101及び参照物質容器102は、平面視において例えば矩形形状となるように構成してもよい。
試料台120は、図2Aに示すように、平面視で長方形の隅部を面取りした外形形状を備えており、外周部4箇所に基板130に固定するための脚部128が設けられている。脚部128は、ヒートシンク123の外周部から垂下しその下端部が基板130に設けられた4箇所のスリット134を貫通している(図2B及び図2C参照)。そして、スリット134を貫通した脚部128は、基板130の下面においてセラミック系接着剤で固定されている。なお、上記の態様に代えて、ヒートシンク123の外周部から垂下する脚部128がその下端部において基板130に沿って折り曲げられたL字形状を有し、脚部128が基板130の上面に接着されることにより試料台120が基板130に固定されるようにしてもよい。
本実施形態において、試料台120は、図2A及び図2Bにおいて、左右対称形状であることが好ましい。このような構成によって、試料側と参照物質側における試料ホルダからヒートシンク123までの熱抵抗や熱容量を概ね等しくすることができる。また、試料台120の材質は例えば白金(Pt)又は白金ロジウム合金(PtRh)とすることができる。しかし、この態様に限定されず、他の金属等を用いてもよい。
基板130は、本実施形態において略円板形状を備え、その上面に試料台120が固定されている。基板130は、2つの貫通穴132を備えており、2本のビーム7,8が当該貫通穴132を貫通して試料台120における第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122の下面に当接している。後述するように、2本のビーム7,8の上端部は、熱電対の測温接点32,35(図3参照)となっており、2本のビーム7,8の上端部を第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122の下面に当接させることによって、熱電対により第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122に載せられた試料容器101及び参照物質容器102内の試料及び参照物質の温度及び温度差を測定することができる。基板130の材料には、例えばアルミナ等を用いることができる。
以上のように、本実施形態に係る試料ホルダ組立体110は、ビーム7,8を貫通させる2つの貫通穴132を有する基板130上に試料台120を固定し、2本のビーム7,8が貫通穴132を通って試料台120の裏面における第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122に当接することで2本のビーム7,8の上端部に装着されるように構成した。従って、試料ホルダ組立体110を上方に持ち上げてビーム7,8を貫通穴132から抜き去ることで容易にビーム7,8から取り外すことができる。よって、例えば試料容器101内の試料が加熱により吹きこぼれて試料台120や熱電対等の交換が必要になった場合でも、ビーム7,8の上端部に装着された試料ホルダ組立体110を持ち上げて容易に交換することで対応することができる。また、試料ホルダ組立体110から後述する第1試料台221及び第2試料台222に容易に付け替えることができる。従って、試料ホルダ組立体110を使ってDSCを行った後、試料ホルダ組立体110を第1試料台221及び第2試料台222に容易に付け替えて、TG又はTG−DTAを行うことができる。
2本のビーム7,8は、図1に示すように、棒状の外形を有し、耐熱性を備える部材である。ビーム7,8は、天秤103から上方に延びており、それぞれが2つの絶縁穴を有する二芯絶縁管を構成している。ビーム7,8の材質には、例えばアルミナを用いることができる。ビーム7内には、図3に示すように、熱電対素線A31及び熱電対素線B33が測温接点32からビーム7の下端部を越えて下方に延びている。同様に、ビーム8内には、熱電対素線A36及び熱電対素線B34が測温接点35からビーム8の下端部を越えて下方に延びている。測温接点32は、例えば熱電対素線A31及び熱電対素線B33の上端部を溶接によって連結し、その連結部が上述の試料台120の第1試料ホルダ121又は第1試料台221の下面と電気伝導可能に構成されている。測温接点35は、同様に熱電対素線A36及び熱電対素線B34の上端部が溶接によって連結されている。
このように2本のビーム7,8は、鉛直方向に延びるように配置され、差動型の天秤103上に試料等を配置すると共に、試料等の温度及び温度差を測定するための熱電対素線を絶縁穴を通して配線する役割を果たす。
本実施形態において、例えば、熱電対素線A31及び熱電対素線A36の材質を白金ロジウム合金(PtRh)として、熱電対素線B33の材質を白金(Pt)とすることができる。このとき、試料台120のアーム部124及びヒートシンク123の材質を白金(Pt)とすることで、第1試料ホルダ121と第2試料ホルダ122とを白金(Pt)により電気的に結合する。これらの材質で構成することにより、熱電対素線A31と熱電対素線A36との間の接続は、PtRh−Pt−PtRh接合を構成する。この構成により、一方のPtRh−Pt接合点と、他方のPtRh−Pt接合点との温度差を測定することが可能となる。そして、この温度差は、第1試料ホルダ121と第2試料ホルダ122との温度差である。なお、この白金と白金ロジウム合金とにより構成される熱電対は、温度変化に対する熱起電力変化、すなわちゼーベック係数が小さいものの、1500℃以上の高温測定が可能であるという特徴を有している。
また、上述のPtRh−Pt−PtRh接合における、一方のPtRh−Pt接合点と、他方のPtRh−Pt接合点との温度差は、図3の熱電対素線A31と熱電対素線A36との電位差(V−V)として測定することができる。
本実施形態において、試料容器101及び参照物質容器102は第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122の上に直接載せられている。従って、試料容器101内の試料と参照物質容器102内の参照物質との温度差は、上述のPtRh−Pt−PtRh接合により測定される第1試料ホルダ121と第2試料ホルダ122との温度差に近似すると考えられる。
また、図3において、熱電対素線A31と熱電対素線B33は、測温接点32、すなわち第1試料ホルダ121の裏面近傍におけるビーム7の上端部においてPtRh−Pt接合を形成している。従って、熱電対素線A31と熱電対素線B33との電位差(V−V)を測定し、適切な冷接点回路(図示せず)で補正することにより、第1試料ホルダ121の温度を測定することができる。また、試料容器101内の試料の温度は、第1試料ホルダ121の温度に近似すると考えられる。
なお、熱電対素線A31及び熱電対素線A36の材質を白金(Pt)として、熱電対素線B33の材質を白金ロジウム合金(PtRh)とすることもできる。このとき、試料台120のアーム部124及びヒートシンク123の材質は白金ロジウム合金(PtRh)とする。すなわち、熱電対素線Aと熱電対素線Bが熱電対を構成し、アーム部124及びヒートシンク123の材質は熱電対素線Bと同じである。
図4は、試料ホルダ組立体110及び加熱炉20を示す平面図である。加熱炉20は例えば円筒形状を有しており、試料容器101及び参照物質容器102は、加熱炉20の中心軸に関して対称な位置に配置することが好ましい。これによって、試料容器101及び参照物質容器102を、加熱炉20の中心軸から等距離に配置することができる。
次に、試料ホルダ組立体110に代えて2本のビーム7,8それぞれの上端部に装着する第1試料台221及び第2試料台222について説明する。本実施形態において、第1試料台221及び第2試料台222は、図5A及び図5Bに示すように、熱重量測定(TG)又はTG−DTAの際に試料及び参照物質を収容する試料容器101及び参照物質容器102を載せる試料台である。
試料容器201及び参照物質容器202は、図5A及び図5Bに示すように、有底筒状形状を有しており、本実施形態では同一形状であり且つ同一材料で形成されている。本実施形態では、試料容器201及び参照物質容器202は、第1試料台221及び第2試料台222の上に載せられている。試料容器201及び参照物質容器202の材質は、試料ホルダ組立体110における試料容器101及び参照物質容器102と同じ材質を用いることが好ましい。
第1試料台221及び第2試料台222は、それぞれ略円板状のフランジ部221a,222aと、フランジ部221a,222aの下方に設けられた取付筒部221b、222bとが設けられている。第1試料台221及び第2試料台222を2本のビーム7,8に装着すると、図5Bに示すように、2本のビーム7,8は取付筒部221b、222bを貫通し、ビーム7,8の上端部がフランジ部221a,222aの下面に当接する。この構成により、2本のビーム7,8の上端部に設けられた熱電対の測温接点32,35によって第1試料台221及び第2試料台222に載せられた試料容器201及び参照物質容器202内の試料及び参照物質の温度及び温度差を測定することができる。第1試料台221及び第2試料台222の材料には、例えばアルミナ等を用いることができる。
この第1試料台221及び第2試料台222についても、図5A及び図5Bの状態から上方に引き抜くことで、ビーム7,8の上端部と取付筒部221b、222bとの嵌合が外れるので、第1試料台221及び第2試料台222をビーム7,8から容易に取り外すことができる。従って、TG又はTG−DTAにおいて試料容器201内の試料が加熱により吹きこぼれて第1試料台221や熱電対等の交換が必要になった場合でも、ビーム7,8の上端部に装着された第1試料台221を持ち上げて容易に交換することで対応することができる。また、第1試料台221及び第2試料台222から試料ホルダ組立体110へと容易に付け替えることもできる。従って、第1試料台221及び第2試料台222を使ってTG又はTG−DTAを行った後、試料ホルダ組立体110に容易に付け替えて、DSCを行うことができる。
本実施形態において、試料容器201及び参照物質容器202は第1試料台221及び第2試料台222の上に直接載せられているため、試料容器201内の試料と参照物質容器202内の参照物質との温度差は、第1試料台221と第2試料台222との温度差に近似すると考えられる。
なお、試料容器201及び参照物質容器202についても、図4に示す加熱炉20の中心軸に関して対称な位置に配置することが好ましい。これによって、試料容器201及び参照物質容器202を、加熱炉20の中心軸から等距離に配置することができる。
次に、天秤103について説明する。
天秤103は、図1における試料ホルダ組立体110を、図5A及び図5Bに示す試料容器201及び第1試料台221、並びに参照物質容器202及び第2試料台222で置き換えた状態で作動させる。すなわち、ビーム7の上端部に装着された第1試料台221上の試料容器201に載せられた試料と、ビーム8の上端部に装着された第2試料台222上の参照物質容器202に載せられた参照物質との重量差に応じて天秤棒29が主軸22周りに揺動可能に構成されている。本実施形態において、天秤103は電磁式電子天秤を構成する。天秤103は、天秤棒29が揺動したときのシャッタ24の位置ずれを発光素子25及び受光素子26により検出する。ここで、発光素子25は、例えば赤外光を放射する発光ダイオード素子とすることができる。また、受光素子26は例えばフォトトランジスタをシャッタ24の位置ずれ方向に2個並べて配置した素子とすることができる。天秤制御部200は、受光素子26で検出したシャッタ24の位置ずれ量に応じた電流を駆動コイル27に流すことにより天秤棒29に連結された磁石28に駆動力を作用させ、シャッタ24の位置が常に所定位置となるように制御を行う。
図6は、天秤制御部200の構成を示すブロック図である。受光素子26からの検出信号PT1,PT2は、それぞれ差動増幅器40に入力される。差動増幅器40からの差動出力(PT1−PT2)は、位相補償器41により位相補償された後、電流ドライバ42において電流信号に変換されて駆動コイル27に供給される。
天秤103は、天秤制御部200が駆動コイル27に供給する電流信号の低域成分を、試料と参照物質の重量差として検出する。
なお先述のように、試料容器201及び参照物質容器202は、円筒形状の加熱炉20内で軸対称位置に配置されるため、加熱に伴う浮力及び対流が重力測定に及ぼす影響をキャンセルすることができる。
次に、温度測定部300について説明する。
図7は、温度測定部300の構成を示すブロック図である。温度測定部300には、2本のビーム7,8からの熱電対素線A31、熱電対素線A36、熱電対素線B33及び熱電対素線B34の電圧V,V,V,Vが入力される。
DSCの場合、第1試料ホルダ121と第2試料ホルダ122とがアーム部124によって導通され、上述の例では、熱電対素線A31と熱電対素線A36との間の接続は、PtRh−Pt−PtRh接合を構成する。そして、PtRh−Pt−PtRh接合における、一方のPtRh−Pt接合点(第1試料ホルダ121)と、他方のPtRh−Pt接合点(第2試料ホルダ122)との温度差は、図7の温度測定部300において、熱電対素線A31と熱電対素線A36との電位差(V−V)として測定することができる。これにより、第1試料ホルダ121と第2試料ホルダ122との温度差、すなわち、試料容器101内の試料と参照物質容器102内の参照物質との温度差ΔTを差動増幅器51の出力電圧として直接検出することが可能となる。
また、熱電対素線A31と熱電対素線B33との電位差(V−V)を測定し、適切な冷接点回路(図示せず)で補正することにより、第1試料ホルダ121の温度測定が可能となる。ここで、試料容器101は熱伝導率の高い例えばアルミナ製であり、試料容器101は第1試料ホルダ121の上面に当接しているため、測定された第1試料ホルダ121の温度は試料容器101に載った試料の試料温度Tと見なすことができる。温度測定部300では、差動増幅器50がTに相当する(V−V)を出力するように構成している。同様に、差動増幅器52がTに相当する(V−V)を出力するように構成している。
他方、TG−DTAの場合、図7の温度測定部300では、熱電対素線B33と熱電対素線B34(図7に破線で示す)とを短絡し(V=Vが成立する)、測温接点32すなわち第1試料台221の温度に対応する熱起電力(V−V)と、測温接点35すなわち第2試料台222の温度に対応する熱起電力(V−V)との差分である(V−V)を直接検出できるように回路を構成する。これにより、第1試料台221と第2試料台222との温度差、すなわち、試料容器201内の試料と参照物質容器202内の参照物質との温度差ΔTを差動増幅器51の出力電圧として直接検出することが可能となる。
なお、出力される電位差から温度への換算については、例えば転移温度が既知の物質のDSCを行い、出力される電位差と当該物質の転移温度から、温度換算値の補正(温度較正)を行うことができる。
次に、加熱炉20の構成について説明する。
図8は、試料ホルダ組立体110が加熱炉20内に組み込まれた状態を示す図である。先述のように加熱炉20は円筒形状を有し、加熱炉20の周囲には加熱コイル21が螺旋状に巻回されている。加熱コイル21の高さ位置は、試料台120における第1試料ホルダ121、第2試料ホルダ122及びヒートシンク123の高さ位置を基準に、上下に等距離だけ巻回されている。この構成により、加熱炉20内の温度は、第1試料ホルダ121、第2試料ホルダ122及びヒートシンク123の高さ位置で最も高くなるような温度分布が形成される。また、半径方向については、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122は、加熱炉20の中心軸から等距離にあるため、加熱炉20の円筒壁面からも等距離にある。従って、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122は、加熱炉20により等しく加熱される。加熱炉20内面の第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122の高さ位置には、加熱炉20の温度を測定するための炉温度センサ19が設置されている。炉温度センサ19には、例えばPtRh−Pt接合を有する熱電対を用いることができる。
なお、加熱コイル21の材質には、測定温度範囲等を考慮して、例えば白金合金を用いることができる。
加熱炉20内の温度は、図9に示す温度制御部400により制御される。温度制御部400は、比較器17において算出した温度目標値と炉温度センサ19からの炉温度との差分に基づいて電流ドライバ18を駆動し、加熱コイル21に電流供給を行う。更に、炉温度センサ19からの炉温度の代わりに、試料温度T、又は参照物質温度Tを入力して、加熱炉20内の温度を制御することも可能である 。
次に、本実施形態に係る熱分析装置100を用いた熱分析の手順について図10等を用いて説明する。
(DSCの手順)
まず、天秤103に立設されたビーム7,8の上端部に試料ホルダ組立体110を装着し(ステップS101)、図1〜図2Cに示すような、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122がヒートシンク123と連結されたDSC用の構成とする。このとき、ビーム7,8が上下方向に相対移動しないように天秤103はロックされる。次に、試料ホルダ組立体110内の第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122上に試料を収容した試料容器101及び参照物質を収容した参照物質容器102を載せる(ステップS103)。
ステップS103の実行によりDSCの準備が整ったら、温度制御部400において温度目標値を変化させることにより、加熱炉20内の温度を変化させていく。そして、試料温度Tと共に、試料と参照物質の温度差ΔTを測定する(ステップS105)。試料温度Tは図3及び図7における熱起電力(V−V)から算出可能であり、試料と参照物質の温度差ΔTは、熱起電力(V−V)から算出可能である。また、試料温度Tの測定は、ビーム7の上端部の温度の測定であり、試料と参照物質の温度差ΔTの測定は、2本のビーム7,8の上端部の温度差の測定である。
試料と参照物質との温度差ΔTは、数式(3)により、参照物質と試料との熱流差dΔq/dtに換算することができる。ここで、数式(3)に用いられる試料と参照物質との熱抵抗Rは、先述のようにあらかじめ既知の物質を用いて算出しておくことができる。また、温度差ΔTを数式(4)により時間積分することで試料の吸熱量Qを算出することができる。
(TG−DTAの手順)
次に、天秤103に立設されたビーム7,8の上端部に、試料ホルダ組立体110に代えて、第1試料台221並びに第2試料台222を装着し(ステップS107)、図5A及び図5Bに示すように、第1試料台221及び第2試料台222が独立に移動可能なTG−DTA用の構成とする。ここでは、DSCのときに行った天秤103のロックを解除する。次に、第1試料台221及び第2試料台222上に試料を収容した試料容器201及び参照物質を収容した参照物質容器202を載せる(ステップS109)。
ステップS109の実行によりTG−DTAの準備が整ったら、温度制御部400において温度目標値を変化させることにより、加熱炉20内の温度を変化させていく。そして、試料温度Tと共に、試料と参照物質の重量差及び試料と参照物質の温度差ΔTを同時に測定する(ステップS111)。試料温度Tは図3及び図7における熱起電力(V−V)から算出可能であり、試料と参照物質の重量差は、図6における駆動コイル27に供給する電流信号の低域成分から算出可能である。また、試料と参照物質の温度差ΔTは、熱起電力(V−V)から算出可能である。なお、試料温度Tの測定は、ビーム7の上端部の温度の測定であり、試料と参照物質の温度差ΔTを測定は、2本のビーム7,8の上端部の温度差の測定である。
ステップS111の実行により熱分析を終了する。再度DSCを行う場合は、ステップS101に戻る。
なお、本実施形態では、加熱コイル21の巻回のし易さ等を考慮して加熱炉20が円筒形状を有するように構成したが、この態様には限定されない。例えば、加熱炉20が四角柱等の他の形状を有するように構成してもよい。
また、本実施形態では、熱電対素線A31,36、熱電対素線B33,34の材質に白金及び白金ロジウムを用いるように構成したが、この態様には限定されない。熱電対素線は、例えばタングステン及びタングステンレニウム合金、又はイリジウム及びイリジウムロジウム合金等を用いて構成してもよい。
また、本実施形態では、加熱コイル21の材質に白金合金を用いたが、この態様に限定されず、モリブデン又は炭化ケイ素(SiC)等の他の耐熱材料を用いてもよい。
以上述べたように、本実施形態は、上下方向に延びる2本のビーム7,8と、2本のビーム7,8の上端部に着脱自在に装着される試料ホルダ組立体110と、試料ホルダ組立体110に代えて2本のビーム7,8それぞれの上端部に着脱自在に装着される第1試料台221及び第2試料台222と、試料ホルダ組立体110、又は第1試料台221及び第2試料台222を加熱する加熱部(加熱炉20)と、加熱部の温度を制御する温度制御部400と、2本のビーム7,8の上端部の温度差を検出可能な温度測定部300と、2本のビーム7,8を保持し、第1試料台221上の試料と第2試料台222上の参照物質の重量差を測定する重量測定部(天秤103)とを備え、試料ホルダ組立体110は、試料を載せる第1試料ホルダ121及び参照物質を載せる第2試料ホルダ122と、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122のそれぞれと所定の熱抵抗を有する部材で結合されたヒートシンク123とを有し、試料ホルダ組立体110が2本のビーム7,8の上端部に装着されたとき、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122が2本のビーム7,8それぞれの上端部に当接し、温度制御部400により加熱部の温度を変化させながら、温度差及び重量差の少なくとも一方の測定を行うように構成した。このような構成の採用によって、熱分析中に試料が加熱により吹きこぼれて試料台120や熱電対等の交換が必要になった場合でも、ビーム7,8の上端部に装着された試料ホルダ組立体110を持ち上げて容易に交換することで対応することができる。また、試料ホルダ組立体110から第1試料台221及び第2試料台222に容易に付け替えることができる。従って、試料ホルダ組立体110を使ってDSCを行った後、試料ホルダ組立体110を第1試料台221及び第2試料台222に容易に付け替えて、TG−DTAを行うことができる。
また、本実施形態では、ヒートシンク123は、平面視において第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122の周囲を囲むように配置した。このような構成の採用によって、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122に対して下方からビーム7,8を当接させ易くすると共に、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122からヒートシンク123への熱流が周方向に偏らないようにすることができる。
また、本実施形態では、所定の熱抵抗を有する部材は、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122から径方向外側に延びる径方向内側アーム部125aと、径方向内側アーム部125aの外端部に連結され周方向に延びる周方向アーム部126と、周方向アーム部126とヒートシンク123とを連結し径方向に延びる径方向外側アーム部125bとを備えるように構成した。このような構成の採用によって、試料及び参照物質からの熱流を周方向になるべく偏ることなくヒートシンク123に伝えることができる。
また、本実施形態では、径方向外側アーム部125bは、一の径方向内側アーム部125aと他の径方向内側アーム部125aとの間の周方向位置に配置されるように構成した。このような構成の採用によって、第1試料ホルダ121又は第2試料ホルダ122から、径方向内側アーム部125a、周方向アーム部126及び径方向外側アーム部125bを通ってヒートシンク123に至る熱伝導経路長を長くすることができるため、限られたスペース内でアーム部124の熱抵抗を大きくすることができる。
また、本実施形態では、第1試料ホルダ121、第2試料ホルダ122及びヒートシンク123は、2本のビーム7,8を貫通させる貫通穴132を有する基板130上に固定されるように構成した。このような構成の採用によって、2本のビーム7,8を貫通穴132を通して第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122に当接させることで試料ホルダ組立体110をビーム7,8に容易に装着することができる。
また、本実施形態では、温度測定部300は、2本のビーム7,8の上端部に各々接続された第1金属製の熱電対素線A31,36と、2本のビーム7,8の一方のビーム7の上端部に接続された第2金属製の熱電対素線B33とを有し、アーム部124及びヒートシンク123は第2金属製の部材であるように構成した。このような構成の採用によって、第1金属製の熱電対素線A31,36と、それらの間を電気的に接続する第2金属製のアーム部124及びヒートシンク123により示差熱電対を構成することができるので、2本のビーム7,8の上端部間の温度差を簡素な構成で精度良く測定することができる。
なお、本実施形態では、試料ホルダ組立体110の第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122と、測温接点32及び35とが電気的に導通する構成としたが、この態様には限定されない。第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122と、測温接点32及び35とが電気的には導通していなくても、低い熱抵抗で接触していればよく、図7における熱電対素線B33と熱電対素線B34とを短絡することで、熱電対素線A31と熱電対素線A36の間の熱起電力の測定によって、試料と参照物質の温度差ΔTを検出することができる。このような構成を採用すれば、試料台120の材質は、熱電対素線A31,36及び熱電対素線B33,34とは独立に選択することができる。従って、熱抵抗体であるアーム部124及びヒートシンク123を、金属以外の例えばアルミナ等で形成することもできる。
また、本実施形態では、熱電対素線Aとして白金を用い、熱電対素線Bとして白金ロジウムを用いるように構成したので、1500℃以上の試料温度までTG及びDSCを行うことが可能となる。
また、本実施形態では、熱電対素線Aとして白金ロジウムを用い、熱電対素線Bとして白金を用いるように構成したので、1500℃以上の試料温度までTG及びDSCを行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る試料ホルダ組立体110は、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122と、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122のそれぞれと所定の熱抵抗を有する部材で結合されたヒートシンク123と、第1試料ホルダ121、第2試料ホルダ122及びヒートシンク123を固定する基板130とを備え、基板130における第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122の下方には、それぞれ貫通穴132が形成されるように構成した。このような構成の採用によって、2本のビーム7,8を貫通穴132を通して第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122に当接させることで試料ホルダ組立体110をビーム7,8に容易に装着することができる。
また、本実施形態に係る熱分析方法は、上下方向に延びる2本のビーム7,8と、2本のビーム7,8の上端部に着脱自在に装着される試料ホルダ組立体110と、試料ホルダ組立体110に代えて2本のビーム7,8それぞれの上端部に着脱自在に装着される第1試料台221及び第2試料台222と、試料ホルダ組立体110、又は第1試料台221及び第2試料台222を加熱する加熱部(加熱炉20)とを備え、試料ホルダ組立体110は、試料を載せる第1試料ホルダ121及び参照物質を載せる第2試料ホルダ122と、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122のそれぞれと所定の熱抵抗を有する部材で結合されたヒートシンク123とを有し、試料ホルダ組立体110が2本のビーム7,8の上端部に装着されたとき、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122が2本のビーム7,8それぞれの上端部に当接する熱分析装置100による熱分析方法であって、2本のビーム7,8に試料ホルダ組立体110を装着すると共に、加熱部の温度を変化させながら、2本のビーム7,8の上端部の温度差を測定するステップと、2本のビーム7,8に第1試料台221及び第2試料台222を装着すると共に、加熱部の温度を変化させながら、第1試料台221上の試料と、第2試料台222上の参照物質との重量差を測定するステップとを含むように構成した。このような構成の採用によって、熱分析中に試料が加熱により吹きこぼれて試料台120や熱電対等の交換が必要になった場合でも、ビーム7,8の上端部に装着された試料ホルダ組立体110を持ち上げて容易に交換することで対応することができる。また、試料ホルダ組立体110から第1試料台221及び第2試料台222に容易に付け替えることができる。従って、試料ホルダ組立体110を使ってDSCを行った後、試料ホルダ組立体110を第1試料台221及び第2試料台222に容易に付け替えて、TG−DTAを行うことができる。
本開示を諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形または修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形または修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部およびステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
例えば、本実施形態では、ヒートシンク123は、平面視において第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122の周囲を囲むように配置したが、この態様には限定されない。例えば、ヒートシンク123は、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122に対して水平方向に並べて配置してもよい。
また、本実施形態では、所定の熱抵抗を有する部材は、径方向内側アーム部125a、周方向アーム部126、及び径方向外側アーム部125bを備えるように構成したが、この態様には限定されない。所定の熱抵抗を有する部材は、他の形状を採用して熱抵抗を高めるように構成してもよいし、熱伝導率が低い材料を局所的に採用して熱抵抗を高めるようにしてもよい。
また、本実施形態では、第1試料ホルダ121及び第2試料ホルダ122、アーム部124及びヒートシンク123を一体形成したが、この態様には限定されない。上記部位の少なくとも1つを別体で形成するようにしてもよい。
また、本実施形態では、第1試料ホルダ121、第2試料ホルダ122及びヒートシンク123は、2本のビーム7,8を貫通させる貫通穴132を有する基板130上に固定するように構成したが、この態様には限定されない。例えば、試料ホルダ組立体110は、基板130を備えない構成としてもよい。
7,8 ビーム
17 比較器
18 電流ドライバ
19 炉温度センサ
20 加熱炉(加熱部)
21 加熱コイル
22 主軸
24 シャッタ
25 発光素子
26 受光素子
27 駆動コイル
28 磁石
29 天秤棒
31,36 熱電対素線A
32,35 測温接点
33,34 熱電対素線B
40 差動増幅器
41 位相補償器
42 電流ドライバ
50,51,52 差動増幅器
100 熱分析装置
101 試料容器
102 参照物質容器
103 天秤(重量測定部)
110 試料ホルダ組立体
120 試料台
121 第1試料ホルダ
122 第2試料ホルダ
123 ヒートシンク
124 アーム部
125a 径方向内側アーム部
125b 径方向外側アーム部
126 周方向アーム部
128 脚部
130 基板
132 貫通穴
134 スリット
200 天秤制御部
201 試料容器
202 参照物質容器
221 第1試料台
221a,222a フランジ部
221b,222b 取付筒部
222 第2試料台
300 温度測定部
400 温度制御部

Claims (10)

  1. 上下方向に延びる2本のビームと、
    前記2本のビームの上端部に着脱自在に装着される試料ホルダ組立体と、
    該試料ホルダ組立体に代えて該2本のビームそれぞれの上端部に着脱自在に装着される第1試料台及び第2試料台と、
    前記試料ホルダ組立体、又は前記第1試料台及び前記第2試料台を加熱する加熱部と、
    該加熱部の温度を制御する温度制御部と、
    前記2本のビームの上端部の温度差を検出可能な温度測定部と、
    前記2本のビームを保持し、前記第1試料台上の試料と前記第2試料台上の参照物質の重量差を測定する重量測定部と
    を備え、
    前記試料ホルダ組立体は、
    試料を載せる第1試料ホルダ及び参照物質を載せる第2試料ホルダと、
    該第1試料ホルダ及び該第2試料ホルダのそれぞれと所定の熱抵抗を有する部材で結合されたヒートシンクと
    を有し、
    前記試料ホルダ組立体が前記2本のビームの上端部に装着されたとき、前記第1試料ホルダ及び前記第2試料ホルダが前記2本のビームそれぞれの上端部に当接し、
    前記温度制御部により前記加熱部の温度を変化させながら、前記温度差及び前記重量差の少なくとも一方の測定を行うことを特徴とする、熱分析装置。
  2. 前記ヒートシンクは、平面視において前記第1試料ホルダ及び前記第2試料ホルダの周囲を囲むように配置されている、請求項1に記載の熱分析装置。
  3. 前記所定の熱抵抗を有する部材は、前記第1試料ホルダ及び前記第2試料ホルダから径方向外側に延びる径方向内側アーム部と、該径方向内側アーム部の外端部に連結され周方向に延びる周方向アーム部と、該周方向アーム部と前記ヒートシンクとを連結し径方向に延びる径方向外側アーム部とを備える、請求項1又は2に記載の熱分析装置。
  4. 前記径方向外側アーム部は、一の前記径方向内側アーム部と他の前記径方向内側アーム部との間の周方向位置に配置されている、請求項3に記載の熱分析装置。
  5. 前記第1試料ホルダ、前記第2試料ホルダ及び前記ヒートシンクは、前記2本のビームを貫通させる貫通穴を有する基板上に固定されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の熱分析装置。
  6. 前記温度測定部は、
    前記2本のビームの上端部に各々接続された第1金属製の熱電対素線と、
    前記2本のビームの一方のビームの上端部に接続された第2金属製の熱電対素線とを有し、
    前記所定の熱抵抗を有する部材及び前記ヒートシンクは前記第2金属製の部材である、請求項1から5のいずれか一項に記載の熱分析装置。
  7. 前記第1金属は白金であり、前記第2金属は白金ロジウム合金である、請求項6に記載の熱分析装置。
  8. 前記第1金属は白金ロジウム合金であり、前記第2金属は白金である、請求項6に記載の熱分析装置。
  9. 第1試料ホルダ及び第2試料ホルダと、
    該第1試料ホルダ及び該第2試料ホルダのそれぞれと所定の熱抵抗を有する部材で結合されたヒートシンクと、
    前記第1試料ホルダ、前記第2試料ホルダ及び該ヒートシンクを固定する基板と
    を備え、
    該基板における前記第1試料ホルダ及び前記第2試料ホルダの下方には、それぞれ貫通穴が形成されていることを特徴とする試料ホルダ組立体。
  10. 上下方向に延びる2本のビームと、
    前記2本のビームの上端部に着脱自在に装着される試料ホルダ組立体と、
    該試料ホルダ組立体に代えて該2本のビームそれぞれの上端部に着脱自在に装着される第1試料台及び第2試料台と、
    前記試料ホルダ組立体、又は前記第1試料台及び前記第2試料台を加熱する加熱部と
    を備え、
    前記試料ホルダ組立体は、
    試料を載せる第1試料ホルダ及び参照物質を載せる第2試料ホルダと、
    該第1試料ホルダ及び該第2試料ホルダのそれぞれと所定の熱抵抗を有する部材で結合されたヒートシンクと
    を有し、
    前記試料ホルダ組立体が前記2本のビームの上端部に装着されたとき、前記第1試料ホルダ及び前記第2試料ホルダが前記2本のビームそれぞれの上端部に当接する熱分析装置による熱分析方法であって、
    前記2本のビームに前記試料ホルダ組立体を装着すると共に、前記加熱部の温度を変化させながら、前記2本のビームの上端部の温度差を測定するステップと、
    前記2本のビームに前記第1試料台及び前記第2試料台を装着すると共に、前記加熱部の温度を変化させながら、前記第1試料台上の試料と、前記第2試料台上の参照物質との重量差を測定するステップと
    を含むことを特徴とする熱分析方法。
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