JP6786930B2 - 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents
熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 Download PDFInfo
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Description
(1)融点Tm1を有する熱可塑性樹脂P1を含む第1の層、および、ガラス転移温度Tg2を有する熱可塑性樹脂P2を含む第2の層が少なくとも積層された積層構造体に対して、表面に突起構造を有する金型を、Tm1以上かつTg2以上の温度まで加熱し、該積層構造体の第1の層側に押し当てることにより、第1の層に貫通孔を形成し、第2の層に
前記貫通孔に連通する凹部を形成し、
続いて、積層構造体にコーティング処理Aを施し、
さらにその後、前記第1の層を前記第2の層から剥離することを特徴とする、コーティング処理Aを施された凹部を有する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
(2)前記コーティング処理Aを施された凹部を有する熱可塑性樹脂フィルムにさらにコーティング処理Bを施すことを特徴とする(1)に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
(3)前記融点Tm1と前記ガラス転移温度Tg2との差(Tm1−Tg2)が−30〜+60℃であることを特徴とする(1)または(2)に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
(4)前記コーティング処理Aが親水処理、反射膜コーティング処理および撥水処理からなる群より選ばれる少なくとも1つの処理であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
(5)前記コーティング処理Aが撥水処理であり、かつ前記コーティング処理Bが遮光性コーティング処理であることを特徴とする(2)に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
(6)前記第2の層が撥水性を有する樹脂を含み、前記コーティング処理Aが親水処理であることを特徴とする(1)に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
続いて、積層構造体にコーティング処理Aを施し、
さらにその後、前記第1の層を前記第2の層から剥離することにより、少なくとも第2の層からなる、コーティング処理Aを施された凹部を有する熱可塑性フィルムを簡便に製造することができる。
次に、図1(b)に示すように、積層構造体10の第1の層11の表面に、加熱した状態の突起構造面21が接触するように金型20を加圧して押し当てることが好ましい。加圧されることにより、突起構造21が適性な高さを有すれば、突起構造21が第1の層11を突き抜けて、第2の層12まで突き刺さる。そして、図1(c)に示されるように、金型20と積層構造体10とが隙間なく当接した状態となる。
以上の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法では、凹部に選択的にコーティング処理Aによる機能性膜をコーティングされた凹部を有する熱可塑性フィルムを安価に生産性よく製造することができる。このようにして製造された熱可塑性樹脂フィルムは、容易に熱接着等により他のフィルムと貼り合わせることができ、μ−TAS等のマイクロチップとして使用するのに有用である。特に、機能性膜を親水性とすることで流路が液に対して濡れやすく観察性、操作性の高いチップとすることが可能であり、逆に機能性膜を撥水性とすることで送液性の高いチップとすることが可能である。また、コーティング処理Aによる凹部の機能性コーティングとコーティング処理Bによる凹部以外の機能性コーティングの二種類のコーティングを施す事で、例えば、凹部に撥水性、表面に遮光性コーティングが施された熱可塑性フィルムを用いて、μ−TAS等のマイクロチップとすれば、外乱光の影響の小さい、光学感度の高い観察が可能となる。
(1)積層構造体
第1の層にポリプロピレン(以下、PPと略す)を主体としたポリマー(融点Tm1が130℃)を含む厚み15μmのフィルムを、第2の層にポリカーボネート(以下、PCと略す)を主体としたポリマー(ガラス転移温度Tg2が145℃)を含む厚み380μmのフィルムを用いた。なお、第1の層の一方の表層には低密度ポリエチレンを主体とした厚さ3μmの粘着層を有する。第1の層の粘着層を第2の層の表面に貼り合わせるようにラミネートし、積層構造体を構成した。
幅100μm、高さ50μmの突起構造が200μmピッチで周期的に配置された金型を用いた。突起構造が加工されている領域は50mm×50mmの領域である。金型は厚さ10mmのスターバックス材に200μmのニッケルリンめっきを施したものを切削により形成した。
装置は図4に示すような装置を適用した。プレスユニットは油圧ポンプで加圧される機構で、内部に加圧プレートが上下に2枚取り付けられ、それぞれ、加熱装置、冷却装置に連結されている。金型は下側の加圧プレートの上面に設置される。また、金型に貼りついたフィルムを剥離するための剥離手段がプレスユニット内に設置されている。
成形したフィルムに対し、フロロサーブ((株)フロロテクノロジー社の商品名)FG−1090H−4.0H(固形分濃度4質量%)をバーコーターによりハンドコートし、80℃のホットプレートにて1時間の乾燥を行った。
乾燥したフィルムから第1の層を剥離除去した。
第1の層を剥離除去した後の第2の層からなる熱可塑性樹脂について、断面をロータリーミクロトームにて断面出ししたものを走査型電子顕微鏡((株)キーエンス VE−8800)により観察した。観察の結果、幅100μm、深さ20μmの溝が200μmピッチで形成されていること、溝底部および溝壁面に約1μmの塗布膜が形成されていることが確認できた。
(1)積層構造体
第1の層にポリエチレンを主体としたポリマー(融点Tm1が130℃)を含む厚み15μmのフィルムを、第2の層にシクロオレフィンを主体としたポリマー(ガラス転移温度Tg2が163℃、水接触角が92°)を含む厚み188μmのフィルムを用いた。なお、第1の層の一方の表面には低密度ポリエチレンを主体として厚み3μmの粘着層を有する。第1の層の粘着層を第2の層の表面に貼り合わせるようにラミネートし、積層構造体を構成した。
φ5μm、高さ20μmの突起構造が、15μmピッチで縦横に周期的に配列された金型を用いた。突起構造が加工されている領域は50mm×50mmの領域である。金型は突起構造を反転した形状をガラス上のレジスト膜にて形成したものをもとに、ニッケル電鋳をとることにより製作した。
実施例1と同様の装置を用い、成形温度を180℃とした以外は実施例1と同じ条件にて成形を行った。
成形したフィルムに対し、プラスコートZ836(互応化学工業(株)の商品名)Z836をバーコーターによりハンドコートし、100℃のオーブンで10分間の乾燥を行った。
乾燥したフィルムから第1の層を剥離除去した。
第1の層を剥離除去した後、第2の層からなる熱可塑性樹脂について、断面をロータリーミクロトームにて断面出ししたものと、表面とを走査型電子顕微鏡((株)キーエンス VE−8800)により観察した。観察の結果、φ5μm、深さ5μmの穴が、縦横15μmピッチで形成されていること、およびこの穴を充填する形で塗布膜が形成されていることが確認できた。
11:第1の層
12:第2の層
13:凹部
14:第1の層上のコーティング膜
15:第2の層の凹部のコーティング膜
16:コーティング処理を施された凹部を有する熱可塑性樹脂フィルム
20:金型
21:突起構造
50:積層構造体
50a:第1の層
50b:第2の層
51:巻出ロール
52:巻出ユニット
53:金型
54:プレスユニット
55:剥離手段
56:巻取ロール
57:加圧プレート
58、59:バッファ手段
60:巻取ユニット
70:積層構造体
71:第1の層
72:第2の層
73、74:巻出ロール
75:ラミネート装置
76:加熱ロール
77:金型
78:ニップロール
79:冷却ロール
80:剥離ロール
81:巻取ロール
Claims (6)
- 融点Tm1を有する熱可塑性樹脂P1を含む第1の層、および、ガラス転移温度Tg2を有する熱可塑性樹脂P2を含む第2の層が少なくとも積層された積層構造体に対して、表面に突起構造を有する金型を、Tm1以上かつTg2以上の温度まで加熱し、該積層構造体の第1の層側に押し当てることにより、第1の層に貫通孔を形成し、第2の層に前記貫通孔に連通する凹部を形成し、
続いて、積層構造体にコーティング処理Aを施し、
さらにその後、前記第1の層を前記第2の層から剥離することを特徴とする、コーティング処理Aを施された凹部を有する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。 - 前記コーティング処理Aを施された凹部を有する熱可塑性樹脂フィルムにさらにコーティング処理Bを施すことを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
- 前記融点Tm1と前記ガラス転移温度Tg2との差(Tm1−Tg2)が−30〜+60℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
- 前記コーティング処理Aが親水処理、反射膜コーティング処理および撥水処理からなる群より選ばれる少なくとも1つの処理であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
- 前記コーティング処理Aが撥水処理であり、かつ前記コーティング処理Bが遮光性コーティング処理であることを特徴とする請求項2に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
- 前記第2の層が撥水性を有する樹脂を含み、前記コーティング処理Aが親水処理であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
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