JP6785043B2 - 建物環境制御システム、建物環境制御方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
オフィスとして利用される建物では、空調設備や照明設備が集中制御されており、また、特定の場所の空調設備や照明設備の稼働状態を変更できるように構成されていない場合がある。上記の建物をフリーアドレスオフィスとして利用した場合、オフィスに所在する利用者の人数に関わらず、オフィスに設けられた空調設備や照明設備を全て稼働させる必要がある。
そのため、空調設備や照明設備の構成を変えずに単にフリーアドレスオフィスとして利用するようにしただけでは、フリーアドレスオフィスに設けられる設備が消費する電力量を低減して、省エネルギー性を高めることが困難であった。
本実施形態の建物環境制御システムは、フリーアドレスオフィスにより運用される建物に適用される。上記建物は、オフィスワークのための場所(以下、「ワークプレイス」とも記載)が複数のエリアに区分されている。建物環境制御システムは、位置検知技術を用いて各エリアに所在する利用者を検知する。建物環境制御システムは、各エリアにおける利用者の所在状況の検知結果に基づいて、各エリアの空調設備及び照明設備の省エネルギー性を高めるのに適した利用者の配置パターンを算定する。建物環境制御システムは、算定した配置パターンに従って利用者をそれぞれのエリアに誘導する。
この図1に示す例において、建物2は、ワークプレイスがフリーアドレスオフィスにより運用されるオフィスビル等である。そのワークプレイスが、Aエリア11、Bエリア12、Cエリア13、Dエリア14の4つのエリアに区分されている。そして、説明を簡単にするために、エリア11、12、13、14のそれぞれは、面積が同じであり、各エリアの利用者の収容可能人数も同じであるとする。例えば、各エリアの収容可能人数の上限を7人とする。
また、以下の説明において、「Aエリア11」を「エリア11」と記載することがあり、「Bエリア12」を「エリア12」と記載することがあり、「Cエリア13」を「エリア13」と記載することがあり、「Dエリア14」を「エリア14」と記載することがある。
しかしながら、利用者21から33を2つのエリアに割り当てる配置パターンは、例えば、「エリア11とエリア12」、「エリア13とエリア14」、「エリア11とエリア13」、「エリア12とエリア14」などと幾通りもある。
また、建物環境制御システム1は、Bエリア12に利用者23が留まっているため、Bエリア12において空調設備及び照明設備のタスク制御に切り換える。つまり、建物環境制御システム1は、この利用者23のBエリア12内における所在位置を検出して、Bエリア12内の空調設備によりタスク制御に切り換えるとともに、照明設備についてもタスク制御に切り換える。このタスク制御の具体例については、後述する。
なお、Bエリア12の空調設備及び照明設備が、タスク制御に対応していない場合、建物環境制御システム1は、Bエリア12内の全ての空調設備及び照明設備をONにする。
これにより、建物環境制御システム1は、省エネルギーを実現するとともに、利用者の希望に沿うように環境を制御することができる。
なお、以下の説明において、利用者21から33の何れかを示す場合、或いは、利用者21から33の全てを示す場合に、「利用者20」と記載することがある。
図2は、建物環境制御システム1の構成例を示すブロック図である。建物環境制御システム1は、建物2内のエリア11、12、13、14の各エリアに配置される各設備と、環境制御サーバ100と、利用者位置検知サーバ200と、を含んでいる。
なお、図2に示す例は、建物2がエリア11、12、13、14の4つのエリアをワークプレイスとして有する例を示しているが、エリアの数を、2つ以上の任意の数にしてもよく、また、エリア11、12、13、14は、複数階に渡って所在してもよい。
なお、これらのビーコン局61、62、63、64は、利用者位置検知サーバ200により動作が制御されるものであってもよい。例えば、利用者位置検知サーバ200は、エリア11、12、13、14に所在する利用者20の所在状況を検知する場合に、ビーコン局61、62、63、64に対して、「ビーコン起動指令」を出力する。ビーコン局61、62、63、64は、「ビーコン起動指令」を利用者位置検知サーバ200から取得すると、直ちに、電波ビーコンを携帯端末50に向けて発信する。
利用者位置検知サーバ200は、携帯端末50から受信した「ビーコン局61のID情報」と、「ビーコン局61のビーコンの受信信号強度(RSSI)」と、「携帯端末50のID情報」とに基づいて、エリア11、12、13、14の各エリアにおける利用者20の所在状況を検知する。携帯端末50は、ビーコン局61以外のビーコン局からのビーコンを受信した場合、「当該ビーコン局のID情報」と、「当該ビーコン局のビーコンの受信信号強度(RSSI)」と、「携帯端末50のID情報」とを利用者位置検知サーバ200に送信する。例えば、利用者位置検知サーバ200は、予め定められた所定の期間に特定の携帯端末から受信した各ビーコン局のビーコンの受信信号強度を用いて、特定の携帯端末の所在状況を検知してもよい。例えば、所在状況の判定では、最も受信信号強度が大きかったビーコン局の近傍に所在する確率が高いと判定するようにしてもよい。
エリア12、13、14の各エリアのビーコン局62、63、64についても同様である。なお、所在状況の検出アルゴリズムは、上記に例示したものに制限されず、他の方法を利用してもよい。
なお、以下の説明において、ビーコン局61、62、63、64の何れかを示す場合、全てを示す場合、或いは、ビーコン局を総称する場合に、「ビーコン局60」と記載することがある。
また、利用者位置検知サーバ200は、上記のエリア11、12、13、14の何れかのエリアをさらに複数の小領域に細分化し、この各小領域のそれぞれにビーコン局60を配置し、各小領域をエリア区分の単位として、利用者20の位置を検知することができる。この、小領域をエリア区分の単位として、利用者20の位置を検知する例については、後述する。
入出力部150は、液晶表示ディスプレイ等の表示装置と、マウスやキーボード等の入力装置と、を備えている。入出力部150の入力装置は、例えば、環境制御サーバ100が利用者20のエリア移動の誘導処理を実行する際に必要となるデータの入力に使用される。環境制御サーバ100は、入力装置から入力されたデータを、記憶部160に記憶する。また、入出力部150の表示装置は、各エリア10に所在する利用者20の所在状況の情報や、空調設備70及び照明設備80のON、OFF(稼動状態)の情報や、エリア10内の温度、湿度等の環境検知情報を表示する。
また、利用者配置部130は、作成された実施計画132を利用者情報収集部120に出力する。この実施計画132には、実際に利用者20を誘導する際に使用される実施配置パターンの情報が含まれる。また、利用者配置部130は、実施計画132に基づいて、空調設備70及び照明設備80の設備運転実施計画を作成し、この設備運転実施計画の情報を出力する。
建物属性情報170は、建物2におけるオフィスのレイアウト情報等を含む情報である。このレイアウト情報には、ワークプレイスにおけるエリア11、12、13、14の区分情報や、エリア11、12、13、14の各エリアの面積、収容可能人数、方位、窓の位置などの情報が含まれる。なお、エリア11、12、13、14の各エリアの収容可能人数は、例えば、各エリア10の面積と、各エリア10に設備される空調設備70の空調能力により設定される。
図3Aと図3Bは、設備情報180の例を示す説明図である。例えば、設備情報180は、記憶部160に記憶される。例えば、図3Aに示すように、設備情報180は、空調設備71、72、73、74などの空調設備の設備名、ID情報(空調設備ID)、最大消費電力(空調能力)の情報等を、エリア11、12、13、14のそれぞれに対応付けて記憶する。
また、図3Bに示すように、設備情報180は、さらにビーコン局61、62、63、64などのビーコン局のID情報(ビーコン局ID)、照明設備80のID情報(照明設備ID)、環境センサ90のID情報(環境センサID)等を、エリア11、12、13、14のそれぞれに対応付けて記憶する。また、利用者情報190は、携帯端末50と、携帯端末50を利用する利用者に関する情報である。図3Cは、利用者情報190の例を示す説明図である。利用者情報190は、例えば、記憶部160に記憶される。利用者情報190は、利用者20の「利用者ID」と、利用者20が所持する携帯端末50の「携帯端末ID」と、利用者20の「氏名」と、利用者20の「快適性についての希望条件(快適性の希望情報)」とを、利用者20の「利用者ID」に関連付けして記憶する。
なお、図2に示す例において、ビーコン局60と、空調設備70と、照明設備80とのそれぞれは、エリア11、12、13、14のそれぞれのエリアごとに1つずつ示されているが、空調設備や照明設備をタスク制御に切り換えられるように、1つのエリア10に複数台の空調設備70と、照明設備80とを設ける場合がある。
このように、1つのエリア11を複数の小領域11A、11B、11Cに細分化することにより、利用者位置検知サーバ200は、エリア11に所在する利用者20の位置を、より細分化された狭い範囲で検知することができる。また、環境制御サーバ100は、エリア11における利用者20の所在位置に応じて、空調設備71a、71b、71cと照明設備81a、81b、81cとをタスク制御することができる。
利用者位置検知サーバ200は、利用者20の位置検知情報300に基づいて、各エリア10における利用者20の利用状況を検知する。例えば、利用者位置検知サーバ200は、各エリア10における利用者20の所在状況や、各エリア10に所在する人数等の情報を、利用状況301として、環境制御サーバ100の計画算定部110と、利用者配置部130と、に供給する。
なお、各エリア10の利用計画111として、予め定められた基本利用計画を利用してもよい。また、利用者20の配置パターン112として、予め定められた基本配置パターンを利用しても良い。
そして、利用者情報収集部120は、当該利用者20の携帯端末50からアンケート321又は321Aに対するアンケート回答322を受信して、利用者配置部130に供給する。なお、図6及び図7に示すアンケートの例の詳細については、後述する。
利用者情報収集部120は、利用者配置部130から取得した実施配置パターン340に基づいて、移動指示341を生成し、この移動指示341を、移動対象となる利用者の20に携帯端末50に送信する。
なお、設備制御部140は、上記の各種情報から各エリア10の状況を判定して、各エリアの空調設備70及び照明設備80を、下記のように制御する。
(1)利用者20がいなくなったエリア10の空調設備70の稼働を停止させて、照明設備80を消灯させる。
(2)利用者20が集中するエリア10の空調設備70の稼働を、当該エリアの利用人数に応じて調整し、照明設備80を点灯状態にする。
(3)一部の利用者20が残ることになったエリア10の空調設備70と照明設備80をタスク制御に切り換えて、同エリアの利用者20が所在する範囲の環境が所望の状態になるように制御する。
なお、上記のエリア単位の制御に加え、1つのエリアを複数の小領域に区分して制御するようにしてもよい。例えば、1つのエリアを複数の小領域に区分し、各小領域のそれぞれに空調設備70及び照明設備80が設備される場合、各小領域における利用者20の所在状況に応じて、エリア空間の全体の空調及び照明を制御するアンビエント制御か、或いは、エリア空間の一部の空調及び照明を制御するタスク制御かの何れかが選択されて、選択結果に応じた制御方法で実施される。
図6は、利用者の携帯端末50に通知するアンケートの第1の例を示す説明図である。この図6に示すアンケートの例は、計画算定部110により算定された利用計画111に基づいて、移動対象となる利用者20の携帯端末50に送信される「エリア移動の承諾を求めるアンケート321」の一例であり、携帯端末50における表示例として示したものである。
利用者情報収集部120から移動対象となる利用者20の携帯端末50に、エリア移動の承諾を求めるアンケート321が送信されると、携帯端末50は、表示パネル51上にアンケート画面410を表示する。
そして、移動案内411には、移動対象となる利用者20に対して、「AエリアからCエリアに移動すること」が提示されている。そして、このアンケート画面410上で、「承諾」キー412の表示位置、或いは「拒否」キー413の表示位置でタッチ操作が行われたことを携帯端末50が検出する。これにより、携帯端末50は、当該利用者20のエリア移動についての諾否の選択結果を取得する。
そして、携帯端末50は、エリア移動についての諾否の選択結果を取得した後、「送信」キー414の表示位置でタッチ操作が行われたことを検出する。この検出に応じて、携帯端末50は、エリア移動の諾否を示すアンケート回答322を、携帯端末50から利用者情報収集部120に送信する。
このように、携帯端末50は、利用者情報収集部120からアンケート321を受信すると、このアンケート321を表示パネル51上に表示する。そして、携帯端末50は、この表示パネル51上で行われるタッチ操作を検出することにより、アンケート回答322を、利用者情報収集部120に送信する。
利用者配置部130は、エリア移動の承諾を求めるととともに、移動に際しての快適性の希望条件を問い合わせるアンケート321Aを、移動対象となる利用者20の携帯端末50に対して送信することができる。
なお、快適性は、ISO(International Organization for Standardization)で規定されるPMV(Predicted Mean Vote)が用いられることがあるが、本実施形態では、空調温度と、照明と、騒音と、窓際からの位置と、を快適性の要素とする。なお、快適性の要素は、必ずしもこれに限定されるものではなく、空調温度と、照明と、騒音と、窓際からの位置との内の何れかの希望条件を省略してもよく、或いは、湿度や、窓やドアが配置される方位等の所望の要素を希望条件としてさらに追加することができる。
利用者情報収集部120から携帯端末50に、快適性についてのアンケート321Aが送信されると、携帯端末50は、表示パネル51上に、アンケート画面420を表示する。
この図7に示すように、アンケート画面420には、エリア移動を案内する移動案内421と、エリア移動を承認することを選択する「承諾」キー422と、エリア移動を拒否することを選択する「拒否」キー423とが表示される。また、アンケート画面420には、空調温度と、照明と、騒音と、窓際からの位置と、のそれぞれについての希望条件を選択するキー424から433が表示される。
照明については、「明るい席」キー427と、「構わない」キー428と、が表示される。騒音については、「静かな席」キー429と、「構わない」キー430と、が表示される。窓側からの位置については、窓際に近い位置(ペリメーターゾーン)を選択する「窓際」キー431と、窓際から離れた位置(インテリアゾーン)を選択する「窓際から離れた所」キー432と、「構わない」キー433と、が表示される。
なお、空調温度と、照明と、騒音と、窓際からの位置と、のそれぞれについての希望条件を選択するキーは、エリア移動を承認する「承諾」キー422の表示位置でタッチ操作が行われた場合にのみ、操作可能になる。
つまり、利用者20によりエリア移動が承諾された場合にのみ、空調温度と、照明と、騒音と、窓際からの位置と、のそれぞれについての希望条件を選択するキーが、操作可能になる。
以下、「明るい席」キー427から「構わない」キー433についても同様である。
利用者情報収集部120は、この利用者20の快適性の希望条件の情報を、記憶部160に利用者情報190として記憶する。
そして、利用者配置部130は、実施計画132を作成する場合に、移動対象となる利用者20の快適性についての希望条件を満たすようにして、実施計画132を作成する。
利用者配置部130において最終的に実施される実施計画132が作成されると、この実施計画132が利用者情報収集部120に供給される。この利用者情報収集部120に供給される実施計画132には、実施計画132に基づいて生成された「利用者20の実施配置パターン340」の情報が含まれる。利用者情報収集部120は、利用者配置部130から取得した「利用者20の実施配置パターン340」に基づいて、移動対象となる利用者20に通知する移動指示341を作成し、この移動指示341の情報を、当該利用者20の携帯端末50に送信する。
図8は、利用者の携帯端末50に通知する移動指示341の例を示す説明図である。この移動指示341が利用者情報収集部120から携帯端末50に送信されると、携帯端末50は、表示パネル51上に、移動指示画面440を表示する。この移動指示画面440には、当該利用者20に対して、「Aエリア11からCエリア12に移動」することを指示する移動案内441が示される。
図9は、建物環境制御システム1における処理の流れを示すフローチャートである。この図9に示す処理は、予め定めた所定のタイミングに合わせて繰り返して実行される。例えば、図9に示す処理は、午前9時の始業開始前の所定のタイミングや、就業時間内の所定のタイミング(例えば、午前10時、午後1時、午後3時)や、午後6時の残業開始前の所定タイミングに合わせて実行される。
また、建物環境制御システム1では、予めエリア11、12、13、14のエリアごとに所在可能な人数の上限を定めておく。例えば、建物環境制御システム1は、エリア11、12、13、14のそれぞれのエリアの面積や、空調設備70の空調能力によりエリアごとに所在可能な人数の上限を定めておく。
以下、図9を参照して、建物環境制御システム1における処理の流れについて説明する。
続いて、携帯端末50は、利用者20の回答結果を検出する。利用者20の携帯端末50は、利用者情報収集部120に向けて、アンケート回答322を通知する(ステップS40)。
続いて、利用者配置部130は、利用計画111と、利用者20から通知されたエリア移動の諾否の情報と、予め定めた評価指標131と、に基づいて、予め定められた評価指標に基づいた評価による評価値が高まるように実施計画132を作成する。そして、利用者配置部130は、作成した実施計画132を利用者情報収集部120に通知する。この実施計画132には、実際に実施する実施配置パターン340の情報が含まれる(ステップS60)。
続いて、利用者位置検知サーバ200は、ステップS70において移動指示341を通知した時刻から所定時間の経過後に、エリア11、12、13、14の各エリアに所在する利用者20を検知する。利用者位置検知サーバ200は、エリア11、12、13、14の各エリアに所在する利用者20の情報を、利用者配置部130に供給する。これにより、利用者配置部130は、移動対象となる利用者20が移動指示に従い移動を完了したか否かを検知する(ステップS80)。
設備制御部140は、利用者配置部130から入力した設備運転実施計画350の情報に基づいて、各エリア10の空調設備70及び照明設備80の稼働状態を制御する(ステップS90)。
そして、ステップS90において、建物環境制御システム1は、空調設備70及び照明設備80の稼働状態を切り換える制御をした後、上記の建物環境制御処理を終了する。
これにより、建物環境制御システム1は、省エネルギー性を高めるとともに、利用者の希望に沿うように環境を制御することができる。
また、利用者情報収集部120は、エリア移動の承諾を求めるアンケート321又は321Aを利用者20に送信した後、予め定められた期限までに通知した利用者20からのアンケート回答322を収集する。そして、利用者配置部130は、予め定められた期限までにアンケート回答322を通知した利用者20を、当該利用者20の希望条件を満たすエリア10に優先的に割り当てるようにしてもよい。このように、アンケートに回答した利用者20の希望を優先的に割り付けることにより、アンケートに対する回答を行う方向に利用者の関心を高めることができる。
また、利用者情報収集部120は、利用者20が予定する活動に関する情報を予め収集し、この利用者20が予定する活動に関する情報を、記憶部160に利用者情報190として記憶させておくことができる。例えば、利用者情報収集部120は、利用者20が予定する活動に関する情報を収集する場合に、利用者20の快適性についての希望条件を合わせて収集することもできる。
図10は、利用者の活動予定の例を示す説明図である。この図10に示すように、利用者の活動予定の情報は、「利用者ID」と、利用者20が保持する携帯端末50の「携帯端末ID」と、利用者の「氏名」と、当該利用者20の「執務開始予定時刻」と、「執務終了予定時刻」と、が関連付けられている。
これにより、環境制御サーバ100は、計画算定部110により利用計画111を算定する場合に、記憶部160に記憶され利用者20の活動予定の情報を参照して、各エリア10への利用者20の配置パターン112を作成することができる。或いは、利用者配置部130は、実施計画132を作成する場合に、記憶部160に記憶された利用者20の活動予定の情報を参照して、実施計画132を作成することができる。
次に、アンビエント制御とタスク制御の具体例について、空調の場合を例にして説明する。
図11と図12は、アンビエント空調とタスク空調の例を示す説明図である。図11は、アンビエント空調を行う場合の例を示し、図12は、タスク空調を行う場合の例を示している。この図11と図12に示す例は、1つのエリア10が3つの小領域10A、10B、10Cに細分化される例である。そして、小領域10Aには、空調設備70aと、この空調設備70aに対応する環境センサ90aとが配置されている。小領域10Bには、空調設備70bと、この空調設備70bに対応する環境センサ90bとが配置されている。小領域10Cには、空調設備70cと、この空調設備70cに対応する環境センサ90cとが配置されている。
一方、図12に示すように、小領域10Aにのみ利用者20が在席している場合、空調設備70aがONになり、空調設備70b、70cがOFFになる。これにより、エリア10の空調は、タスク空調になる。
このように、環境制御サーバ100は、エリア10に所在する利用者20の数と位置とに応じて、空調設備70a、70b、70cによりアンビエント空調を行うか、タスク空調を行うかを選択することができる。
また、同様にして、環境制御サーバ100は、エリア10内の照明設備についても、アンビエント照明、及びタスク照明を行うことができる。
そして、利用者配置部130は、エリア11、12、13、14のエリアごとの利用状況301と、利用計画111と、予め定められた評価指標131と、利用計画111に対する当該利用者20の諾否の情報と、に基づいて、利用者20がワークプレイスとして利用するエリアを割り当てる。
設備制御部140は、利用者20へのエリアの割り当ての結果に基づいて、エリア11、12、13、14のそれぞれに設けられた空調設備70及び照明設備80(設備)ごとに稼働状況を調整する。
これにより、本実施形態の建物環境制御システム1は、省エネルギー性を高めるとともに、利用者の希望に沿うように環境を制御することができる。
これにより、建物環境制御システム1は、利用者20に移動先のエリアを割り当てる場合に、省エネルギー性を高めるとともに、エリア11、12、13、14の各エリアの間を移動する人数が少なくなるように、利用者20をエリアに割り当てることができる。
これにより、建物環境制御システム1は、省エネルギー性を高めるとともに、移動対象となる利用者20を、当該利用者20が希望する快適性の条件を満たすエリアに割り当てることができる。
これにより、建物環境制御システム1は、エリア11、12、13、14の全エリアにおける空調設備70及び照明設備80(設備)が消費するエネルギーを最小化するように、利用者20にエリアを割り当てることができる。
これにより、利用者情報収集部120は、移動対象となる利用者20から、当該利用者20が希望する快適性の情報を収集することができる。また、利用者情報収集部120は、利用者20から、当該利用者20の活動予定の情報を収集することができる。
これにより、利用者配置部130は、予め定められた期限までにアンケート321又は321Aに回答した利用者20を、当該利用者20の希望を満たすエリアに優先的に割り当てることができる。
これにより、利用者配置部130は、利用者20の希望により、利用計画111と異なるエリア(領域)に利用者20を割り当てた場合に、当該エリアにおいて空調設備70及び照明設備80をタスク制御することができる。
例えば、上記実施形態の建物環境制御システム1では、利用者20の携帯端末50を用いて、利用者20の所在するエリア10を検知する例について説明したが、携帯端末50は、モバイル端末として機能できるPC(パーソナルコンピュータ)であってもよい。
10・・・エリア(領域)、10A,10B,10C・・・小領域、
11・・・Aエリア(領域)、
11A,11B,11C・・・小領域、
12・・・Bエリア(領域)、13・・・Cエリア(領域)、
14・・・Dエリア(領域)、
20,21〜33・・・利用者、50・・・携帯端末、
60,61〜64,61a,61b,61c・・・ビーコン局、
70,71〜74・・・空調設備、
70a,70b,70c,71a,71b,71c・・・空調設備、
80,81〜84,81a,81b,81c・・・照明設備、
90,91〜94・・・環境センサ、
90a,90b,90c,91a,91b,91c・・・環境センサ、
100・・・環境制御サーバ、110・・・計画算定部、
111・・・利用計画、112・・・配置パターン、120・・・利用者情報収集部、
130・・・利用者配置部、131・・・評価指標、132・・・実施計画、
140・・・設備制御部、200・・・利用者位置検知サーバ、
301・・・利用状況情、321,321A・・・アンケート、
322・・・アンケート回答
Claims (9)
- 複数の領域に分割された建物の前記領域の環境を制御する建物環境制御システムであって、
前記複数の領域の中の特定の領域の利用者数を増やして、前記複数の領域のうち利用者が利用する領域の数を減らすように、前記領域の利用者の利用状況から前記領域ごとの利用予定を決定する複数の利用計画を算定し、第1領域から利用計画に基づいて割り当てられた第2領域に移動する利用者の人数に基づいた評価値を用いる第1評価指標が設定され、前記移動する利用者の人数が少なくなるにつれて前記評価値が高まるように設定され、前記算定された複数の利用計画の中から前記評価値が高い第1利用計画を算定する計画算定部と、
前記算定された第1利用計画を利用者に通知して、前記第1利用計画に対する当該利用者からの情報を取集する利用者情報収集部と、
少なくとも前記第1利用計画と、前記第1利用計画に対する当該利用者からの情報とに基づいて、前記利用者が利用する領域を割り当てる利用者配置部と、
前記領域に対する前記利用者の割り当ての結果に基づいて、前記領域ごとに設けられた設備ごとに前記設備の稼働状況を調整する設備制御部と、
を備えることを特徴とする建物環境制御システム。 - 前記利用者情報収集部は、
前記第1利用計画によって移動が必要になることの承諾を求める前記通知を、前記第1利用計画の適用を予定する実施期間に入る前に、前記移動が必要とされる利用者に通知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の建物環境制御システム。 - 前記利用者情報収集部は、
前記利用者が利用する領域の快適性についての希望条件の収集に、前記利用者が利用する位置の相対的な明るさに関する評価項目と、前記利用者が利用する位置の相対的な静かさに関する評価項目と、及び前記利用者が利用する位置の窓からの距離に関する評価項目と、のうちの少なくとも何れかの評価項目のデータを利用する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建物環境制御システム。 - 前記利用者情報収集部は、
前記利用者が希望する前記快適性に関する情報と、予定する活動に関する情報と、のうちの何れかの情報を含む情報を前記利用者からの情報として収集する
ことを特徴とする請求項3に記載の建物環境制御システム。 - 第2評価指標は、稼働させた前記設備が消費するエネルギーが低減するにつれて前記第2評価指標による評価値が高まるように設定されていて、
前記利用者配置部は、
少なくとも前記第1利用計画と、前記第2評価指標と、前記第1利用計画に対する当該利用者からの許諾に関する情報とに基づいて、前記利用者が利用する領域を割り当てる
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の建物環境制御システム。 - 前記利用者情報収集部は、
前記算定された利用計画が利用者に通知された後、予め定められた期限までに通知され
た前記利用者からの情報を収集し、
前記利用者配置部は、
前記利用者情報収集部により収集された情報を通知した前記利用者の希望を優先して前
記領域に割り当てる
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の建物環境制御システム。 - 前記利用者配置部は、
前記第1利用計画が前記利用者の希望と異なる場合、前記第1利用計画と異なる希望を通知した前記利用者を前記利用者の希望に即した領域に割り当てて、
前記設備制御部は、
前記希望に即して割り当てた領域に設けられた前記設備の稼働を前記領域内にある同種設備の一部を前記領域内にある同種設備の他の設備と異なる稼働状態にする
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の建物環境制御システム。 - 複数の領域に分割された建物の前記領域の環境を制御する建物環境制御システムのコンピュータによる建物環境制御方法であって、
前記複数の領域の中の特定の領域の利用者数を増やして、前記複数の領域のうち利用者が利用する領域の数を減らすように、前記領域の利用者の利用状況から前記領域ごとの利用予定を決定する複数の利用計画を算定し、第1領域から利用計画に基づいて割り当てられた第2領域に移動する利用者の人数に基づいた評価値を用いる第1評価指標が設定され、前記移動する利用者の人数が少なくなるにつれて前記評価値が高まるように設定され、前記算定された複数の利用計画の中から前記評価値が高い第1利用計画を算定することを、前記コンピュータの計画算定部が実施する計画算定ステップと、
通信部を用いて通信することによって、前記算定された第1利用計画を、利用者が利用する端末に通知し前記端末で閲覧可能にして、前記第1利用計画に対する当該利用者からの情報を前記利用者が利用する端末から取得して取集することを、前記コンピュータの利用者情報収集部が実施する利用者情報収集ステップと、
少なくとも前記第1利用計画と、前記第1利用計画に対する当該利用者からの情報とに基づいて、前記利用者が利用する領域を割り当てて、前記割り当てた結果を記憶部に書き込むことを、前記コンピュータの利用者配置部が実施する利用者配置ステップと、
前記記憶部に書き込まれている結果であって、前記領域に対する前記利用者の割り当ての結果に基づいて、前記領域ごとに設けられた設備ごとに前記設備の稼働状況を調整して、前記調整された稼働状況になるように前記設備の稼働を制御することを、前記コンピュータの設備制御部が実施する設備制御ステップと、
を含むことを特徴とする建物環境制御方法。 - 複数の領域に分割された建物の前記領域の環境を制御する建物環境制御システムのコンピュータが、
前記複数の領域の中の特定の領域の利用者数を増やして、前記複数の領域のうち利用者が利用する領域の数を減らすように、前記領域の利用者の利用状況から前記領域ごとの利用予定を決定する複数の利用計画を算定し、第1領域から利用計画に基づいて割り当てられた第2領域に移動する利用者の人数に基づいた評価値を用いる第1評価指標が設定され、前記移動する利用者の人数が少なくなるにつれて前記評価値が高まるように設定され、前記算定された複数の利用計画の中から前記評価値が高い第1利用計画を算定する計画算定ステップと、
通信部を用いて通信することによって、前記算定された第1利用計画を、利用者が利用する端末に通知して前記端末で閲覧可能にして、前記第1利用計画に対する当該利用者からの情報を前記利用者が利用する端末から取得して取集する利用者情報収集ステップと、
少なくとも前記第1利用計画と、前記第1利用計画に対する当該利用者からの情報とに基づいて、前記利用者が利用する領域を割り当てて、前記割り当てた結果を記憶部に書き込む利用者配置ステップと、
前記記憶部に書き込まれている結果であって、前記領域に対する前記利用者の割り当ての結果に基づいて、前記領域ごとに設けられた設備ごとに前記設備の稼働状況を調整して、前記調整された稼働状況になるように前記設備の稼働を制御する設備制御ステップと、
を実行するためのプログラム。
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