JP6781679B2 - 記録層、光情報記録媒体及びスパッタリングターゲット - Google Patents

記録層、光情報記録媒体及びスパッタリングターゲット Download PDF

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Description

本発明は、記録層及び光情報記録媒体に関する。
例えばCD、DVD等の光ディスクが光情報記録媒体として広く用いられている。この光情報記録媒体は、記録再生方式により、再生専用型、追記型及び書き換え型の3種類に分類される。また、上記追記型の記録方式としては、例えば(i)記録層を相変化させる相変化方式、(ii)複数の記録層を反応させる層間反応方式、(iii)記録層を構成する化合物を分解させる分解方式、(iv)記録層に孔やピットなどの記録マークを局所的に形成させる孔開け方式が用いられている。
上記相変化方式としては、記録層の結晶化による光学特性の変化を利用した方式が提案されている。例えば国際公開第1998/9823号及び特開2005−135568号公報ではTe−O−Pdを含む記録層が提案され、特開2003−331461号公報ではSb−Teを含む記録層が提案されている。
上記層間反応方式としては、加熱による反応又は合金化により記録を行う2層構造の記録層が提案されている。例えば特開2003−326848号公報では、In及びOを含む合金からなる第一の記録層と、Se及び/又はTeとOとを含む合金からなる第二の記録層とを積層した構成が提案されており、特開平11−34501号公報では、Inを主成分とする第1の記録層と、5B族又は6B族に属する少なくとも1種類の元素を含む金属或いは非金属からなる第2の記録層とを積層した構成が提案されている。
上記分解方式としては、例えば国際公開第2003/101750号に、金属窒化物を主成分とし、加熱により溶解することで記録を行う記録層が提案されている。また、上記分解方式としては、記録層の形成材料として有機色素材料を用いることも検討されている。
上記孔開け方式としては、低融点材料を用いた記録層が提案されており、例えば特開2007−196683号公報では、Ni及び/又はCoを含有するSn基合金からなる記録層が提案されている。また、特許第4110194号では、In−Co合金からなる記録層が提案されている。
国際公開第1998/9823号 特開2005−135568号公報 特開2003−331461号公報 特開2003−326848号公報 特開平11−34501号公報 国際公開第2003/101750号 特開2007−196683号公報 特許第4110194号
光情報記録媒体に求められる主な要求特性としては、再生に十分な反射率を有すること、実用的な記録レーザーパワーで記録が可能なこと(高記録感度を有すること)、記録信号が再生に十分な信号振幅を有すること(高変調度)、信号強度が高いこと(高C/N比)等が挙げられる。
しかしながら、上記公報に記載の材料によってはこれら全ての要求特性を単体(単層)で満たすことは困難である。そのため、従来の光情報記録媒体は、反射率を補うために記録層のレーザー照射面の反対側の面に反射層を積層したり、十分な変調度を確保するために誘電体層を積層したりすることを要する。その結果、従来の光情報記録媒体は、層数が多くなり生産性が低下するという課題を有している。なお、上述のIn−Co合金からなる記録層は、単層で十分な反射率及び変調度を確保することが可能であるが、記録感度の点でさらなる向上が望まれる。
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、層数の増加を抑制しつつ上記要求特性を満たすことができる記録層及び光情報記録媒体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明に係る記録層は、レーザー光の照射によって記録が行われる光情報記録媒体用記録層であって、タングステン酸化物及びコバルト酸化物を含有し、全金属原子に対するコバルト原子の含有量が10原子%超70原子%以下である。
当該記録層は、タングステン酸化物及びコバルト酸化物を含有するので、複素屈折率が高く、これにより高い反射率を得ることができる。また、当該記録層は、タングステン酸化物及びコバルト酸化物を含有することで吸収率を高めることができるので、信号記録のためのレーザーのエネルギーを効率的に熱に変換することができる。そのため、当該記録層は記録感度が高い。また、当該記録層は、全金属原子に対するコバルト原子の含有量が上記範囲内であるので、変調度及び信号強度(C/N比)を高めることができる。当該記録層は、高反射率、高変調度等を得るために他の層を積層することを要しないので、層数の増加を抑制することができる。
当該記録層は、インジウム酸化物、亜鉛酸化物及び銅酸化物のうち少なくとも1種をさらに含有するとよい。このように、インジウム酸化物、亜鉛酸化物及び銅酸化物のうち少なくとも1種をさらに含有することによって、記録感度等をより高めることができる。
当該記録層は、銀酸化物をさらに含有することが好ましく、全金属原子に対する銀原子の含有量としては20原子%以下が好ましい。このように、銀酸化物を上記割合で含有することで、記録感度をさらに高めることができる。
当該記録層は、レーザー光の照射によって気泡を生成するとよい。この構成によると、レーザー光の照射による気泡の生成によって層形状が変化し、不可逆的な記録を行うことができる。この記録方式によると、記録感度をさらに高めることができる。
当該記録層の平均厚さとしては、5nm以上60nm以下が好ましい。このように、当該記録層の平均厚さが上記範囲内であることによって、反射率及び記録感度を適切に制御することができる。
また、上記課題を解決するためになされた本発明に係る光情報記録媒体は、当該記録層を備える。
当該光情報記録媒体は、当該記録層を備えるので、層数の増加を抑制しつつ高反射率、高記録感度、高変調度及び高C/N比を満たすことができる。
当該光情報記録媒体は、上記記録層のレーザー照射面の反対側の面に反射層が積層されていないとよい。このように、上記記録層のレーザー照射面の反対側の面に反射層が積層されていないことにより、全体の層数を少なくすることで生産性を高めることができる。
当該光情報記録媒体は誘電体層が積層されていないとよい。このように、誘電体層が積層されていないことによって、全体の層数を少なくすることで生産性を高めることができる。
なお、本発明において「平均厚さ」とは、任意の10点の厚さの平均値をいう。
以上説明したように、本発明の記録層及び光情報記録媒体は、層数の増加を抑制しつつ高反射率、高記録感度、高変調度及び高C/N比を満たすことができる。
本発明の一実施形態に係る光情報記録媒体を示す模式的部分断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
当該記録層は、レーザー光の照射によって記録が行われる光情報記録媒体用記録層である。当該光情報記録媒体は、典型的には光ディスク、より詳しくはCD,DVD、BD等の追記型の光ディスクである。当該光情報記録媒体は、例えば図1に示すように、当該記録層1と、当該記録層1の表面側(レーザー光の照射面側)に積層される光透過層2と、当該記録層1の裏面側に積層される基板3とを備える。以下では、まず当該記録層1について説明する。
<記録層>
当該記録層1は、W(タングステン)酸化物及びCo(コバルト)酸化物を含有する。また、当該記録層1は、全金属原子に対するCo原子の含有量が10原子%超70原子%以下である。なお、W酸化物及びCo酸化物は、O(酸素)のみと構成される酸化物の他、当該記録層1に含まれる他の元素との複合酸化物であってもよい。
当該記録層1は、W酸化物及びCo酸化物を含有するので、複素屈折率が高く、これにより高い反射率を得ることができる。また、当該記録層1は、W酸化物及びCo酸化物を含有することで吸収率を高めることができ、信号記録のためのレーザー光のエネルギーを効率的に熱に変換することができる。
なお、当該記録層1は、実質的に(つまり、不可避的不純物として含まれる場合を除いて)金属W及び金属Coを単体として含有しないことが好ましい。当該記録層1が金属W及び/又は金属Coを単体として含有する場合、これらの金属元素の酸化によって当該記録層1の所望の特性に影響を与えるおそれがある。
当該記録層1は、レーザー照射による加熱によってCo酸化物が分解して酸素を放出し、当該記録層1の組成が変化することで不可逆的な記録を行うことができる。換言すると、当該記録層1は、レーザー照射に基づくCo酸化物の分解によって気泡を生成し、この気泡によって層形状が変化することで不可逆的な記録を行うことができる。当該記録層1は、このようにレーザー光の照射に起因する気泡の生成によって記録を行うことができるので記録感度を高めることができる。当該記録層1が記録感度を高めることができる理由としては、レーザー照射による気泡の発生によって記録が行われた部分は、気泡が発生していない部分と比較して透過率が増加する(つまり、反射率が低下する)ため、変調度を高めることができるからと考えられる。
当該記録層1に含まれる全金属原子に対するCo原子の含有量としては、上述のように10原子%超であり、15原子%以上がより好ましい。一方、全金属原子に対するCo原子の含有量の上限としては、上述のように70原子%であり、60原子%がより好ましい。Co原子の含有量が上記下限に満たないと、Co酸化物の分解によって放出される酸素量が不十分となり、信号強度(C/N値)が低くなるおそれがある。逆に、Co原子の含有量が上記上限を超えると、変調度が低くなり、酸素が放出され難くなるおそれがある。
当該記録層1は、In(インジウム)酸化物、Zn(亜鉛)酸化物及びCu(銅)酸化物のうち少なくとも1種をさらに含有することが好ましい。In酸化物、Zn酸化物及びCu酸化物としては、通常存在し得るものであれば特に限定されるものではなく、例えばIn酸化物であればIn等、Zn酸化物であればZnO等、Cu酸化物であればCuO、CuO等が挙げられる。当該記録層1は、In酸化物、Zn酸化物及びCu酸化物のうち少なくとも1種を含有することで、記録感度等をより高めることができる。
具体的には、In酸化物及びZn酸化物は通常無色透明であるため、当該記録層1はIn酸化物及び/又はZn酸化物を含有することで透過率を制御することができる。そのため、当該記録層1の組成に応じてIn酸化物及び/又はZn酸化物の含有量を調節することで、記録感度及び反射率の双方に優れる記録層1を形成しやすい。当該記録層1がIn酸化物又はZn酸化物を含有する場合、当該記録層1に含まれる全金属原子に対するIn原子又はZn原子の含有量の下限としては、5原子%が好ましく、10原子%がより好ましい。一方、全金属原子に対するIn原子又はZn原子の含有量の上限としては、80原子%が好ましく、70原子%がより好ましい。In原子及びZn原子の含有量が上記下限に満たないと、当該記録層1の透過率を十分に高めることができないおそれがある。逆に、In酸化物及びZn酸化物の含有量が上記上限を超えると、記録感度が不足したり当該記録層1の反射率が不十分となるおそれがある。
また、当該記録層1は、Cu酸化物を含有することで吸収性を高めることができる。これにより、レーザー光を効率的に吸収することができるようになり、記録に必要な記録レーザーパワーを低くすることができる。当該記録層1がCu酸化物を含有する場合、当該記録層1に含まれる全金属原子に対するCu原子の含有量の下限としては、5原子%が好ましく、10原子%がより好ましい。一方、全金属原子に対するCu原子の含有量の上限としては、60原子%が好ましく、50原子%がより好ましい。Cu原子の含有量が上記下限に満たないと、吸収性を十分に高めることができないおそれがある。逆に、Cu原子の含有量が上記上限を超えると、分解に必要な酸化物の割合が低下して記録感度が低下するおそれがある。
当該記録層1は、Ag(銀)酸化物をさらに含有することが好ましい。Ag酸化物は比較的分解温度が低いので、当該記録層1はAg酸化物を含むことでレーザー光の照射により分解されやすくなる。そのため、当該記録層1は記録感度をさらに高めることができる。Ag酸化物としては、通常存在し得るものであれば特に限定されるものではなく、例えばAgO、AgO、Ag等が挙げられる。当該記録層1がAg酸化物を含有する場合、当該記録層1に含まれる全金属原子に対するAg原子の含有量の上限としては、20原子%が好ましく、10原子%がより好ましい。Ag原子の含有量が上記上限を超えると、耐候性が低下するおそれがある。一方、全金属原子に対するAg原子の含有量の下限としては、2原子%が好ましく、4原子%がより好ましい。Ag原子の含有量が上記下限に満たないと、当該記録層1の分解容易性を十分に高めることができないおそれがある。
なお、当該記録層1は、必要に応じて上述のIn酸化物、Zn酸化物、Cu酸化物及びAg酸化物以外の選択酸化物(W酸化物及びCo酸化物以外の酸化物)を含有していてもよい。また、当該記録層1が選択酸化物(例えば上述のIn酸化物、Zn酸化物、Cu酸化物及びAg酸化物)を含有する場合、これらの金属単体(金属In、金属Zn、金属Cu及び金属Ag)は実質的に(つまり、不可避的不純物として含まれる場合を除いて)含有しないことが好ましい。これらの金属単体は、他の酸化物から酸素を奪って酸化する場合があるが、この場合、記録層1の所望の特性に影響を与えるおそれがある。
当該記録層1の平均厚さの下限としては、5nmが好ましく、10nmがより好ましい。一方、当該記録層1の平均厚さの上限としては、60nmが好ましく、50nmがより好ましく、40nmがさらに好ましい。上記平均厚さが上記下限より小さいと、当該記録層1の反射率が不十分となるおそれがある。逆に、上記平均厚さが上記上限を超えると、記録感度が不十分となり、記録に必要とされる記録レーザーパワーが不要に大きくなるおそれがある。
(製造方法)
当該記録層1は、例えばスパッタリング法によって形成することができる。スパッタリング法によれば、ディスク面内での層厚分布の均一化を図りやすい。特に、当該記録層1の生産性や面内均一性、厚さ制御を容易かつ確実に行うことができる点から、焼結体ターゲットを用いてアルゴン及び酸素の混合ガスを導入してスパッタリングを行う反応性スパッタリング法を用いることが好ましい。
当該記録層1を上述の反応性スパッタリング法で形成する場合、アルゴン流量に対する酸素流量の比の下限としては、0.5が好ましく、1.0がより好ましい。一方、上記比の上限としては、5.0が好ましい。また、上記スパッタリング法におけるガス圧としては、例えば0.1Pa以上2.0Pa以下とすることができる。また、スパッタ電力としては、例えば0.5W/cm以上20W/cm以下とすることができる。
〈スパッタリングターゲット〉
上記スパッタリング法で用いるスパッタリングターゲットとしては、W酸化物又は金属W粉末と、Co酸化物又は金属Co粉末とを混合し焼結させたものを用いることができる。また、上記スパッタリングターゲットは、In酸化物又は金属In粉末、Zn酸化物又は金属Zn粉末、或いはCu酸化物又は金属Cu粉末をさらに含有していてもよく、Ag酸化物又は金属Ag粉末をさらに含有していてもよい。また、上記スパッタリングターゲットに含まれる全金属原子に対するCo原子の含有量としては、10原子%超70原子%以下が好ましい。なお、上記スパッタリングターゲットは、必要に応じて上述のIn酸化物、Zn酸化物、Cu酸化物及びAg酸化物以外の金属酸化物を含有していてもよく、上述の金属In粉末、金属Zn粉末、金属Cu粉末及び金属Ag粉末以外の金属粉末を含有していてもよい。但し、上記スパッタリングターゲットは、必要に応じて含有される金属酸化物及び金属粉末以外は不可避的不純物を除いて含有しないことが好ましい。
<光情報記録媒体>
当該光情報記録媒体は、上述のように当該記録層1と、当該記録層1の表面側に積層される光透過層2と、当該記録層1の裏面側に積層される基板3とを備える。当該光情報記録媒体は、誘電体層及び反射層を有しないことが好ましい。具体的には、当該光情報記録媒体は、当該記録層1に誘電体層が積層されていないことが好ましく、また当該記録層1のレーザー照射面の反対側の面に反射層が積層されていないことが好ましい。当該光情報記録媒体は、当該記録層1の変調度が十分に高いので、必ずしも誘電体層及び反射層を配設することを要しない。当該光情報記録媒体は、誘電体層及び/又は反射層が積層されていないことによって、全体の層数を少なくすることで生産性を高めることができる。
当該光情報記録媒体は、レーザーのガイド用の複数の溝3aが形成された基板3上に当該記録層1を積層したうえ、当該記録層1上に光透過層2を積層することで形成することができる。また、当該光情報記録媒体は、耐久性向上のため、当該記録層1の片面又は両面に酸化物層、硫化物層、金属層等の保護層を積層してもよい。当該記録層1に酸化物層、硫化物層、金属層等を積層することで、経時劣化の原因となる当該記録層1の分解を抑制することができる。
光透過層2の主成分としては、例えばポリカーボネート、紫外線硬化型樹脂等が挙げられる。光透過層2の材質としては、記録再生を行うレーザーに対する透過率が高く、かつ吸収率が低いことが好ましい。光透過層2の平均厚さとしては、例えば0.1mm以上1.2mm以下とすることができる。なお、「主成分」とは、最も含有量の多い成分をいい、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。
基板3の主成分としては、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、環状ポリオレフィン、非晶質ポリオレフィン等が挙げられる。基板3の平均厚さとしては、例えば0.5mm以上1.2mm以下とすることができる。
なお、当該光情報記録媒体は、当該記録層1を備える限り、他の層の具体的構成及び層数は上述の構成に限定されるものではない。
当該光情報記録媒体は、当該記録層1を備えるので、層数の増加を抑制しつつ高反射率、高記録感度、高変調度及び高C/N比を満たすことができる。また、当該光情報記録媒体は、層数の増加を抑制することができるので、生産性に優れる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)光ディスクの作製
直径12cm、厚さ1.1mm、トラックピッチ0.32μm、溝深さ25nmのポリカーボネート基板を用い、この基板上にマグネトロンスパッタリング法により表1に示す組成の記録層を形成した。記録層の平均厚さは40nmとした。なお、上記記録層の両面には保護層として平均厚さ10nmのIn酸化物層を形成した。上記記録層を形成するスパッタリングターゲットとしては、W酸化物ターゲット及びCo酸化物ターゲット(並びに他の選択的金属酸化物ターゲット)を用い、同時放電による多元スパッタリングによって上記記録層を形成した。
上記記録層を形成するうえでのスパッタリング条件としては、アルゴン流量に対する酸素流量の比を1:1(アルゴン流量10sccm、酸素流量10sccm)とし、ガス圧を0.26Pa、スパッタリングパワーを250W、基板温度を室温(25℃)とした。また、得られた記録層の成分組成は、ICP発光分析法、蛍光X線分析法及びX線光電子分光法によって測定した。
続いて、記録層の上面側(詳細には、記録層の上面に積層された保護層の上面)に紫外線硬化型樹脂をスピンコート法によって塗布し、紫外線を照射することで硬化させ、平均厚さ約0.1mmの光透過層を積層し、光ディスクを作製した。
(2)光ディスクの品質
上述の手順で作製した光ディスクの反射率、記録パワー(記録レーザーパワー)、ジッター値及び変調度を以下の方法で測定及び評価した。
(反射率)
反射率[%]は、光ディスク評価装置(パルステック工業社製の「ODU−1000」)を用い、記録レーザー中心波長は405nmとし、NA(開口数)0.85のレンズを用い、レーザーをトラック上に照射し、光ディスクにおける未記録部分のレーザー光の戻り光強度によって求めた。この測定結果を表1に示す。
(加速環境試験)
加速環境試験として、温度80℃、相対湿度85%の環境下に96時間保持し、試験後の反射率を上記と同様に測定した。この加速環境試験前後の反射率の変化率を以下の基準で評価した。この評価結果を表1に示す。
A:加速環境試験前後の反射率の変化率が−10%以上10%以下
B:加速環境試験前後の反射率の変化率が−10%未満又は10%超
(ジッター値及び変調度)
上記光ディスク評価装置を用いて、線速4.92m/s、基準クロック66MHzの条件で、2Tから8Tのランダム信号を種々の記録パワーで記録した。続いて、テクトロニクス社製のタイムインターバルアナライザ「TA−810」を用い、ジッター値[%](再生レーザーパワー0.3mWでの記録再生時の再生信号の時間軸上のゆらぎを示す値)を測定した。さらに、ジッター値が最小となる記録パワーでの変調度[%](反射率の変化率)を下記式に基づいて算出した。
変調度=(未記録部分の反射率−記録部分の反射率)/未記録部分の反射率
この測定結果を表1に示す。
また、上記方法で測定したジッター値及び変調度の品質について以下の基準で評価した。この評価結果を表1に示す。
A:ジッター値が7%以下、かつ変調度が45%以上
B:ジッター値が7%超10%以下、又はジッター値が7%以下かつ変調度が45%未満
C:ジッター値が10%超
(記録パワー)
上記ジッター値が最小となる記録パワーを本実施例における記録パワー[mW]とした。この測定結果を表1に示す。なお、表1における、「−」は、評価装置のトラッキングにかかわらず測定できなかったことを意味する。
Figure 0006781679
[評価結果]
表1に示すように、記録層がW酸化物及びCo酸化物を含有し、全金属原子に対するCo原子の含有量が10原子%超70原子%以下であるNo.3〜5、No.7〜10は、ジッター値に優れ、実用的な記録レーザーパワーでの記録感度に優れていると共に、反射特性も良好である。特に、Agの含有量が十分に調整されているNo.3〜5、No.7,9,10は、変調度にも優れており、より品質が高められている。
これに対し、Co酸化物を含有しないNo.1及びCo酸化物を含有するもののCo原子の含有量が不十分なNo.2は、装置のトラッキングにかかわらず、記録パワー、ジッター値及び変調度が測定できなかった。
さらに、Co酸化物を含有するがCo原子の含有量の多いNo.6は、ジッター値及び変調度が不十分となっている。
以上説明したように、本発明の記録層及び光情報記録媒体は層数の増加を抑制しつつ種々の要求特性を満たすことができるので、追記型の光ディスクに好適に用いられる。
1 記録層
2 光透過層
3 基板
3a 溝

Claims (11)

  1. レーザー光の照射によって記録が行われる光情報記録媒体用記録層であって、
    タングステン酸化物及びコバルト酸化物を含有し、
    全金属原子に対するコバルト原子の含有量が40原子%以上70原子%以下であり、
    インジウム酸化物及び銅酸化物をさらに含有し、
    全金属原子に対するインジウム原子の含有量が15原子%以上、かつ全金属原子に対する銅原子の含有量が30原子%以上である記録層。
  2. 鉛酸化物をさらに含有する請求項1に記載の記録層。
  3. 銀酸化物をさらに含有し、
    全金属原子に対する銀原子の含有量が20原子%以下である請求項1又は請求項2に記載の記録層。
  4. レーザー光の照射によって気泡を生成する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の記録層。
  5. 平均厚さが5nm以上60nm以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の記録層。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の記録層を備える光情報記録媒体。
  7. 上記記録層のレーザー照射面の反対側の面に反射層が積層されていない請求項6に記載の光情報記録媒体。
  8. 誘電体層が積層されていない請求項6又は請求項7に記載の光情報記録媒体。
  9. レーザー光の照射によって記録が行われる光情報記録媒体用記録層をスパッタリングにより形成するためのスパッタリングターゲットであって、
    タングステン及びコバルトを含有し、
    全金属原子に対するコバルト原子の含有量が40原子%超70原子%以下であり、
    インジウム酸化物及び銅酸化物をさらに含有し、
    全金属原子に対するインジウム原子の含有量が15原子%以上、
    全金属原子に対する銅原子の含有量が30原子%以上であるスパッタリングターゲット。
  10. 亜鉛をさらに含有する請求項9に記載のスパッタリングターゲット。
  11. 銀をさらに含有し、
    全金属原子に対する銀原子の含有量が20原子%以下である請求項9又は請求項10に記載のスパッタリングターゲット。
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